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永久の果肉5
111 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:41:29 ID:53go2DFl
どうも乙×風です。お待ちかねの新作を投下しに来ました。
ですがその前にリオの瞳について少し説明します。
98様が指摘された『青か緑か一体どっち?』
との質問ですが――リオの右目は青、左目は赤となっております。
この疑問は私が『翡翠』と『蒼穹』の区別が付いていなかったが原因です。
劇中、右目が青になったり赤になったりする描写はありますが、それとは別の話ですね。
99様の言っている通り、こちらの不手際です。
ほんと、なんでこんな簡単なミスをしたんだか。
ちなみに作家というものはかっこ付けなのです。私だけじゃないと思いますよ。
それだけなら別いいと思いますが私の場合、正しい意味を調べていなかったのが問題です。
おかげで一部の読者の方々に不快な思いをさせてしまったと思います。
申し訳ありません。この場を借りて謝罪させて頂きます。
ですがまあ。あまり堅苦しいのもどうかと思います。
こういう場所ですからね。私以外のSS作家さんも居ますから。
あまりギスギスして、その方達が投下しにくくなるのも考え物です。
なのでリオの瞳の件に関してはこれで勘弁して下さい。
はい。という訳で気を取り直して投下といきましょう。
今回は皆様のご想像通り、リオ無双ですよぉ。
NGワードは以下の通りです。
(自慰、猥語、レイプ、人外化、悪堕ち、輪姦、逆レイプ)
胡散臭い言葉が目白押しですな。
今回は完全実用性重視です。人外になったリオに好きなだけ搾り取られて下さい。
ではどうぞ。以下、15レス消費します。
112 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:46:33 ID:53go2DFl
第七話 先祖返り
――アレエスの街は元々小さな集落だった。
周囲の森には薬を作る為の原材料が群生しており、それを採取する拠点に過ぎなかった。
この頃はアレエスという名も無かったという。
ただ、手に入る薬の原材料という物が希少で且つ高価で森に入る者が後を断たなかった。
しかしである。
この森は生物にとって住み易い環境だった為に、様々なモンスターまで生息していた。
薬草を採取するのにも命懸けだったのだ。
今から二十年程前の話である。
当時、若くして名の知れていたグリーズに、件の森の魔物退治が依頼された。
剣神『アレス』の称号を国王より享け賜わった彼には体のいいクエストだった。
彼の後の妻となるドルキも彼と同行していた。
彼女は優秀な魔術師であり、グリーズともに数々の以来をこなしていた。
彼が剣神の称号を持つ前から、大いなる魔女『メディア』の称号を持っていた程である。
かくしてグリーズとドルキ、そして数名の部下を引き連れ、名も無いその集落に赴いた。
大した障害も被害も無く、剣神グリーズによる魔物掃討作戦は成功。
件の薬草付近の異形達の大半を殲滅した。
希少種である薬草を大量に手に入れ、彼は富と、更なる名声を手に入れた。
そしてその功績を称えられ、国王にその地を治める領主の資格を貰い受ける。
グリーズは妻ドルキと一考した。
数は減ったが、この森には多種多様な魔物が生息している。
それら相手に実戦を行い、最強の兵士を育てよう。
剣神であるグリーズ。魔女と謳われたドルキ。
二人の子はきっと優秀な戦士となる。
すぐに、二人の考えは実行される。
森を切り開き、街を作ったのだ。
武を重んじる英雄の町。グリーズの称号から名を取り、アレエスと名付けられる。
アレエスの街にはドルキを初めとする魔術師達の手によって結界が張られた。
更に強固な外壁で街を覆い、半端な要塞よりもよほど堅牢な地となる。
市場には森から採れた高価な薬草が出回り、英雄を一目見ようと人が集まる。
街の人口は右肩上がりに上昇した。
グリーズは領主として、また一人の将として道場を開いた。
歴戦の勇士達の手によって鍛え抜かれた戦士はそれだけで脚光を浴びる。
グリーズの元には次々と門下生が訪れ、屈強な戦士達を輩出した。
名門リビディスタが名実ともに世に認められた瞬間だった。
――これが武芸の街アレエス誕生の背景である。
そのリビディスタの末娘であるリオも、それくらいの事は知っていた。
義母のドルキに教えられたのである。
『一応。貴女もリビディスタの娘ですからね。これくらいは知っておきなさい』
彼女は自分を憎んではいるが、父のグリーズと共に歩んだ道のりをさぞ嬉しそうに話した。
それは親切でもなんでもなく、自慢がしたかっただけだろう、と幼心に思ったものだ。
まあ、それは兎も角として。
「どうやって中に入ろう…」
まさか自分が『侵入者』になるとは思ってもみなかった。
眼前の、天まで届けといわんばかりの外壁を見て思わず溜息が零れる。
良く見ると上の方には見張り番まで居る。流石武芸の街と言ったところか。隙が無い。
(お父様ってすごかったんだなぁ…)
改めて父親の偉業に感心する。自分の娘を性欲の捌け口にする最低の親だが実力は本物だ。
「やっぱり正面から?」
113 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:49:02 ID:53go2DFl
昼間なら、旅の者や行商の者を受け入れる為、正門の結界は張られていない。
そこから堂々と入る事も出来る。
だがこの髪にこの瞳。リビディスタのお嬢様である事など人目で分かってしまう。
そうなったらあの屋敷に逆戻りだ。それだけはなんとか避けたかった。
あそこには、もう戻りたくないのだ。
(ネーアさぁん、私どうすればいいの?)
男を漁れと言われたが今更それが難題だという事に気付いた。
(森の中に、訓練に来た男の人を捕まえればいいのかな?)
だったら屋敷に近い方がいいのだろうか。
「うーん…」
額に皺を寄せて唸る。そんな時だった。
ずくんっ。
「あっ」
(何っ? お腹、急に疼いてっ)
急に子宮が疼き始める。
腹の中に焼き石でも突っ込まれたみたいだ。
「やっ、これぇっ、んんっ」
寝巻きの上から股を押さえる。
じゅくぅ、とお漏らしをしたように水滴が零れた。
むわり、とリオの甘い体臭が雌の発情臭と共に鼻を突く。
『今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う』
ネーアの言葉が脳裏で再生された。
(こんなに、疼くだなんてっ)
ずくんっ。ずくんっ。ずくんっ、ずくんっ、ずくんっ――
「あっ、やだっ、やだぁっ…! 我慢出来ないよう!」
劣情にまみれるように、下着の内側へと指を滑らせる。
「にゃぁっ!?」
ぐちゅぅ。卑猥な音がしてヴァギナに電気が走る。そこは既にどろどろだ。
(こ、こんなに濡れて…それに、すごい敏感になってるっ)
思い切って指を割れ目へと差し入れた。
「あっ、!? はぁっ…!」
膣壁に爪先が擦れ、蕩けるような快楽が走る。
それは脊髄を駆け上り、リオの脳へと達する。
性的快感に脳内麻薬が分泌され、頭がくらくらした。
(きもち、いいっ)
快楽が理性を削り取る。
リオは我慢出来ずに、二本目の指を挿入した。
じゅくり。
「んにゃぁんっ」
膣が圧迫され、二本の指が締め付けられる。
敏感になった肉ヒダは窮屈そうな二本の指の形を鮮明に感じ取る事が出来た。
(アソコ、気持ちいいっ、止まらないよぉっ)
ぐちぐちぐちぐちぐちっ。
「はぁっ! にゃっ、あぁっ! んんっ! はあっ!
いいっ! 気持ちいいっ! オナニー気持ちいいよぉっ」
二本の指を捻り、或いは爪先で肉のチューブを内側からガリガリと削る。
そのあまりの快感。目の前が霞み、心地良い興奮が体を満たす。
寝巻き姿で、こんな朝早くから、魔物が徘徊する森の中でマスターベーション。
正気じゃない。
(こんなのっ、おかしいっ、やめないとっ、私、変態さんになっちゃうっ)
だが指は止まらない。それどころかその動きは激しさを増す。
指は三本に増えていた。
捻り、掻き回すような動きは、ネーアに犯された時のようにピストンへと変わっている。
(奥っ、奥の方が、いいのにっ、届かないようっ)
あの長い触手で子宮に穴を開けんばかりの勢いで、ずこずこ犯されるのがいいのに。
いや、違う。今は子宮に、熱い体液を飲ませて欲しい。
溺れるくらい、破裂するくらい子宮を精液で満たして欲しい。
114 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:50:47 ID:53go2DFl
「んんっ! やあっ! 切ないっ、切ないようっ!
おチンチンっ、欲しいようっ! 指じゃ、いけないようぅっ!」
こんなに体は敏感なのに、全然達する事が出来ない。
肉壷を犯す指はもう四本になっている。
あの巨大な触手を受け入れた所だ。フィストファックオナニーでもしてやろうか。
だがどれだけハードなプレイをしても根本的な解決にならない。
この状態は、アドニスの種子が成長の為に男の精を欲しているから起きているのだ。
男と交わり、膣内射精されない限り収まらないだろう。
そう考えるとぞっとした。
それまでこの状態が続くなら、きっと自分は発狂してしまう。
「やだっ、やだっ、やだあっ!」
いや、もう狂っているのか。
リオは気付いていない。未成熟な性器に自分の腕が差し込まれている事に。
それでも貪欲に快楽を貪る。
空いた手で乳首を抓り、或いはクリトリスを抓る。
それも千切り取らんばかりの力だった。
「んにゃあぁぁぁぁっ!!!」
激痛と、それ以上の快楽に背筋が弓なりに反れる。
だがそれでもイけない。子宮に根ざした種子が、アクメを阻害しているのだ。
(いやあぁっ!! イけないっ! どうしてぇ!!?)
「やらぁっ! やらぁ! イけないっ! イかしてよぉっ!」
リオはこの時、獣だった。
だらしなく口を開き、涎が垂れ、瞳は虚ろ。
『イかして』か、『おチンチン』か、『セーエキ』のどれかしか言葉にしない。
精神崩壊の寸前。
だから彼女に近付く人影にも、気付く事は出来なかった。
「……こりゃたまげた」
「おいおい。まだガキじゃねーか」
「こんな小便臭そうなガキがこんなところでオナってるって、世も末だなぁこりゃ」
男の、声が聞こえた。それも三人。
「ふぁあ…?」
リオは虚ろな瞳で、この場に現れた三人の乱入者を見る。
騎士甲冑を着てはいるものの薄汚れた装備。剃り残した無精髭。
エリート揃いのリビディスタとは少し風体が違った。
『さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?』
先程出会ったばかりのメデューサの話を思い出してた。
(あ、この人達が…そうなんだ…)
「…おい。このチビまじでやばくないか? 薬でもやってんじゃないのか?」
「そうだな、そうじゃないとこんなアブねー真似、出来ないわな」
「おーい嬢ちゃん。大丈夫かー? おじさん達が家まで連れてってやろうかー?」
リオは男達の言葉を聞いて無かった。
突然の事態に思考が追いつかない。
(――男の人)
思考は追いつかない――が、本能は追い付いた。
『どろり』と体の内側からどす黒い衝動が溢れ出す。
それはネーアと交わっている時にも起きた感覚だ。
自分が、自分ではなくなっていく感覚。
爛れた情欲が心を満たし――ついには体をも犯していく感覚。
「あ、はぁぁ…」
熱い吐息を吐き出す。
湯にのぼせたように頭がぼやける。快楽を貪りたいという意思が体を突き動かした。
「…おい、なんかこいつ、雰囲気変わってないか…?」
「あ、ああ…」
115 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:52:30 ID:53go2DFl
「こいつ、目が…オッドアイなのか? 珍しい…」
男達がうろたえている。
それだけではない。欲情しているのだ。この体に。
(あは。メデューサのお姉さん可哀相。
このおじさん達、私みたいな小さな女の子で、欲情してるよ?)
それは種子から放たれる催淫香のせいだ。
だがそれだけではない。リオ自身の匂いのせいでもある。
この時リオの体は、確実に変化を始めていた。
『アネモネとしてではなく、別の何かへ』と。
「おねがいしますぅ…私のここ…おじさん達の逞しいおちんぽで鎮めて下さいぃ♪」
立ち上がり、自ら割れ目を開きながら猫撫で声でおねだり。
リオのヴァギナはドロドロだ。
肉ビラが露出し、オスをねだるようにヒクヒクと脈打っている。
未成熟だと思われる少女の性器に、剥き身の貝を思わせるような生っぽさがあるのだ。
そのギャップに、男達が生唾を飲み込んだ。
全員股間のイチモツを膨らませているのが手に取るように分かる。
嗅覚まで敏感になっているのか、三人の先走りの匂いすら判別出来た。
「あは。もうびんびんじゃないですかぁ? 遠慮しなくていいんですよぉ?
私の、幼女の生おマンコにこってりザーメン好きなだけ注いでいいんですよぉ?」
「…ち。最近の若いもんは全くけしからんな」
「ほんとうだ。すけべで。破廉恥で。恥じらいってもんがねえ」
「そんなに犯されたいならやってやるよ。
俺達は元は傭兵でな。貰えるもんは貰う主義だ」
「あぁん…ありがとうございますぅ♪」
「ああ畜生ガキの癖に色っぽい声出しやがって!」
乱暴に突き飛ばされる。
逞しい腕が自分を押し倒した瞬間、汗と雄の匂いを嗅ぎ取り、胸が高鳴った。
心地良い動悸が体を支配して、『にゃぁん…♪』と再び媚びる声を上げてしまう。
「やべぇ。むっちゃ興奮してるぜ」
「ああ、このチビ、良く見ると上玉じゃねえか。
髪とかピンク色だぜ? 珍しい」
「それにこの匂い、たまんねぇなぁっ」
男達の手が無遠慮に触れる。
肩を撫で、髪を触り、脇の匂いを嗅がれる。
それはネーアに比べて乱雑で、時に痛みを催す。
だがこのレイプ紛いのシチュエーションに、リオ自身も酷く興奮していた。
欲情した男達から匂い立つ発情臭にこちらも発情する。
我慢できなくなって男のうちの一人から、不意打ち気味に唇を奪った。
「んっ…! ちゅっ! じゅるっ! ちゅううっ!」
「おーおー。嬢ちゃんやるねぇ」
「こいつの口臭いだろ? 昨日俺のチンコしゃぶらせたからな!」
横合いから掛けられた言葉の意味が一瞬分からなかった。
だが彼ら全員から、彼らの精の匂いがごっちゃになって交ざっているのが分かる。
何か理由があったのだろう。どうやら彼らは男同士でしていたらしい。
尤も、今のリオにとってそんな事は大した問題じゃない。
彼らがホモだろうが両刀だろうが興味はない。
だが出してしまったのなら、今回得られる精の量も大した事ではないのでは?
と実に『魔物らしい』思考が脳裏を掠めた。
(だったら、しょうがないかなぁ…)
悪いとは思うが、『搾り取る事になりそうだ』。
下手をすると死んでしまうかもしれない。
(仕方ないよね? だっておじさん達は、私の『獲物』なんだから)
どろり、と黒い衝動が体を駆け巡る。
自分を犯す筈の屈強な男達が、哀れな子羊に見えてきた。
彼らは、食べられる方だった。
116 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:54:22 ID:53go2DFl
それを自覚した瞬間、リオの中で何かが目覚めた。
全身を巡る父と母の血、そのうちの片方――母の血がざわつく。
同時に体が作り変えられていく。
リオに流れる『血』が、少女の体をより相応ものへと変えていく。
例えば唾液。
分泌量が増え、匂いが濃厚になった。
それを人間に飲ませればあっと言う間に欲情し、理性を失った獣へと堕ちる。
「ぐっ、はっ、はあ! このガキ! ディープキスとか、生意気なんだよっ!
もう、犯してやる!」
「お、おい、いきなりどうしたんだよ?
ガキに唇奪われたのがそんなにショックだったか?」
キスをした男は、目を血ばらせ、鼻息を荒くし、傍から見ても正気ではなかった。
鬱陶しそうに鎧を外し、下半身を露出させる。
取り出された肉棒は臍まで反り返って、天を向いていた。
(あ、お父様のよりも…おおきぃ♪)
小さな鼻が雄の匂いを嗅ぎ付ける。
ペニスの先から漏れる濃厚な精の気配を感じて、全身を駆け巡る『血』が歓喜した。
自ら足を開き、挿入しやすいように指でヴァギナを開く。
テラテラに濡れた肉ヒダが――蠕動する肉壷の内側まで露出される。
それでキスをされた男の理性は粉砕された。
「このっ、メスガキがっ」
ずりゅりゅぅっ。
「んにゃぁぁぁんっ」
毛の生えていない幼い割れ目を、男の肉槍が貫く。
(あはあっ! おチンポっ! お父様以外のおチンポ!
私食べちゃってるよぉっ! ふわっ! いいよぉっ!)
餓死寸前にありつけた食事は美味の一言だった。
散々焦らされ、敏感になり、高められた性感のせいだろう。
挿入されただけで達しそうになる。
雄の交わりを知覚して、アクメを阻止していた種子が神経の束縛を解放したらしい。
自分の体がイけるようになったと、リオは本能的に理解した。
「う、おっ!? こいつっ、絞め付けがっ」
一方リオに『食べられている』男は少女の肉壷に自慢のブツをしゃぶられ、狼狽していた。
声を裏返して、必死に快楽に耐えているのが分かる。
(おチンポ、びくびくしてるぅ♪ もういきそうなんだぁ♪)
「我慢しないでいいんですよぉ? 私のおマンコの中で、思う存分ズコズコしてくださぃ♪」
正常位の状態から足を男の腰へと絡ませ、引き寄せる。
人外化が進んでいるのか、密着した腰は力強く固定され、離れそうに無い。
ぐちぃっ。
「んにゃぁん♪」
勢い良くペニスを咥え込んだ事で子宮口にペニスが食い込んだ。
その衝撃に体が痺れ、反射的に催淫効果を持った吐息を男の鼻っ面へと吹きかけた。
とろん、とした目で、男の瞳を見詰める。
男の黒い瞳に映りこんだリオの右目――その瞳が青と赤に明滅していた。
リオは本能的に理解した。
この赤い瞳には魔性が宿っている。
母親から受け継いだこの瞳は、男を誘惑し魅了する力がある、と。
「く、くそぉっ!」
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ!
「あっ!? にゃっ! んあんっ!」
この男も例外ではなかった。
リオの瞳に、匂いに、唾液に、体に、魅了されてしまった。
今思えば、父親のグリーズはとうの昔からリオに宿る魔性に魅せられていたのだ。
だからこそ近親相姦などという非行に走った。
117 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:56:24 ID:53go2DFl
(私のせいだったんだ…)
真実を理解して愕然とする――だがそれも一瞬だ。
(ふふ。実の父親を無意識の内に誘惑するなんて、私の体すごい♪)
倫理や常識を覆す魅力が、この体には詰まっているのだ。
武芸の街に住む男達――脳が筋肉で出来ているような人間などひとたまりもない筈。
現に目前の男も、この幼い体に夢中になっているではないか。
「はっ! はっ! すげっ! 幼女のマンコっ! 最高だっ! おっ! おおおっ!」
「んにゃっ!? あっ! そこっ! いいっ! 奥っ、いいのぉっ!
おじさんっ! もっと突いてっ、んあん! もっと突いて下さぁい!」
ごつごつと膣の最奥を小突き上げられ子宮が悦びに打ち震える。
種子が根を張り、その上でさんざん焦らされたそこは性感帯の塊だ。
ガチガチの肉竿に一突きされる度に、蕩けそうな快楽が溢れる。
本当はもっとペニスの感触を味わいたいのに、快楽を貪るのに夢中になってしまう。
細い腕を男の首へと回す。両手の指を組んで男の首に引っ掛けた。
こうすれば自重を少しは軽減出来る。自分から、腰を動かす事が出来る。
試しに腰を使う。
父親に散々躾けられた体だ。やり方なんていくらでも知っていた。
男の突き込みに合わせて、自分から腰を迎えに行く。
「う、うぉおっ!?」
「んっにゃぁん!?」
ずんっ。と子宮が振るえ、頭が一瞬白む。
膣が収縮し、ペニスをぎちぎちと咥え込んだ。
(あはぁっ、これぇ、いい♪)
ぱつぱつぱつぱつっ!
恥骨同士がぶつかり合が当たりに響く。
男の首にぶら下がるリオの体が、激しいピストンによって上下に揺さぶられる。
痛いほど勃起した陰核が男の陰毛に覆われる肌とぶつかり合う。
痺れるような快楽が脳髄を走り抜けた。
「あっ! あっ! すごっ! いっ! よっ! おじさんのっ!
私のしきゅーっ、ごつごつ叩いてっ! んあっ!?
あはぁっ! あっ! にゃっ! にゃぁ! いぃ! いい!
もっとぉっ! もっとぉごつごつしてぇ!」
「おっ! おおおっ!! はぁぁあ!」
ぱたっ、ぱたたっ。
獣のような咆哮を上げる男から零れた唾液がリオの顔に降り掛かる。
発情したオスから流れるそれには精液ほどとは言えないが多量の『精気』が詰まっていた。
試しに口を開いて彼の唾液を飲み込むと、まるで酒でも飲んだかのように体が熱くなる。
男の精が、美味い。
(あ…私、ひょっとして…)
ここに来てようやく。リオは自分の正体に勘付き始めた。
いや、自分の正体というより自分に流れる血か。
だがそれも吹けば飛んでしまいそうな思考だった。
「あっ! あっ! あっ! あんっ! あっ! にゃっ!」
子宮を揺さぶられる激しいセックスに、再び夢中になってしまう。
そしてそんな交わりを見て、周りの二人も居ても立ってもいられなくなったらしい。
「…もう我慢できん」
「ああ……くそっ、昨日あんだけ抜いたのに…」
いそいそとペニスを取り出すと、乱雑に扱き始めた。
(あ、おチンポ、しこしこしてるぅ♪)
自分をオカズにオナニーをしている。
その事実がリオの自尊心を充足させた。
「はっ! ああっ! もっ、でるぞっ! 中出し、しちまうぞ!」
「あっ! あんっ! はいっ! リオの中にっ!
幼女の子宮に新鮮ザーメンどぴゅどぴゅしてくださいっ!
あっ! あっ! あっ! あっ! あん! にゃん!
膣内射精してっ、おじさんのせーえきで種付けしてくださいぃっ!!」
卑猥な言葉で男達の神経を煽る。
その声にすら魅了の力は宿っている事を知っていた。
118 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:58:31 ID:53go2DFl
男達の理性はリオの猫撫で声に犯され、麻痺している。
大量の脳内麻薬を分泌し――そして果てた。
「うっ、ぐっ! うおおぉぉぉっっっ!!!」
咆哮を上げ、子宮口に亀頭を食い込ませる。
ぎちり、と子宮の入り口が軋む音を聞いた気がした。
びゅるっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
「んにゃっ!? にゃああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!」
(出てるぅっ! リオのしきゅーにっ、こってりザーメン流れ込んでくるぅ!)
熱い。ぐつぐつと煮立った濃厚な媚薬を直接腹の中に流し込まれている気分だ。
新鮮で濃厚な精を含んだ白濁液が子宮壁にぶち当たると、蕩けるような感触に襲われる。
(中出し、気持ちいいよぉっ! すごすぎるよぉっ!!)
「あっはぁっ! イッちゃう!
リオ射精されてイっちゃ、んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」
びくん! びくんっ!
アクメを迎えたリオの体が痙攣する。
きゅうきゅうと子宮が収縮する感触が破滅的なまでに気持ちいい。
父親に犯された時とは全然違う。
膣内射精なんておぞましくて、気持ち悪いだけだった。
ところが今はどうだ。気持ちいいだけだ。
(これが、セックス…! たまんない…っ、癖になっちゃうよぉ♪)
「この、ガキの癖にエロ顔しやがって!」
「どろどろにしてやるっ!」
びゅるびゅるっ! どぷどぷどぷどぷどぷっ!
「んにゃあぁぁぁぁっっっ…♪♪」
だらしなく弛緩させていた少女の顔に、両脇からスペルマのシャワーが降り注いだ。
その熱さ。粘っこさ。匂い。そしてそれに凝縮された精気にうっとりとする。
その表情は、堕ちたメスそのものだった。
どくんっ。
「にゃぅっ…!?」
突如、子宮の奥が疼いた。
どくどくと、まるでそこに心臓があるかのように脈動し続ける。
アドニスの種子が精液を吸収し、成長しているのだ。
神経の根が更に深く子宮を犯し、膣を犯し、内蔵を犯し、体を作り変えていく。
陰核が膨張し、膣の肉ヒダが深く、複雑になる。
平坦な胸の丘陵に膨らみが生まれた。
全身が敏感になり、種子から発するアドニスの催淫フェロモンの香りが強くなる。
アネモネへと徐々に変化しているのだ。
しかも肉体の変容はそれだけに止まらない。
(体が、熱いっ)
成長する種子と同調するように、全身が火照ってくる。
まるで体を流れる血が、沸騰しているようだ。
「んにゃあぁぁぁぁっっ!!!」
吼えた。自分が変わってしまう。その恐怖に。
その期待に。
唐突に、視界が真っ赤に染まった。
赤と青に明滅していた右目が、赤一色へと変わる。
ぎちぎちと八重歯が伸び、立派な牙になる。
パジャマの背の部分が引き裂かれ、その内側から蝙蝠の羽が飛び出した。
「っ!? なんだ、こいつ!」
「人間じゃなかったのかっ!?」
119 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:01:16 ID:53go2DFl
顔中にスペルマのパックをしてくれた男二人が狼狽している。
ぼんやりとした様子で彼らの顔を眺めた。
ぴょこん。そんな可愛い音がなった気がする。
頭がなんだかむず痒い。試しに触ってみればそこには何かふさふさとした感触が。
「にゃぁ?」
三角形をしたそのもさもさは引っ張るとぴんと突っ張って僅かな痛みを覚えた。
男二人が顔を引き攣らせる。
彼らの目には。
『猫耳を生やした悪魔にしか見えない幼女が映っていた』。
(あー。やっぱり…私、悪魔だったんだ)
完全に魔物として覚醒した自我が、自身が何者であるかを本能的に理解した。
リオは男の精を食らう悪魔――いや、淫魔と言った方が分かりやすいか。
しかも混合種だ。
『ネコマタ』だったか。それと『シュトリ』と呼ばれる読心術に長けた悪魔。
どちらも異国から流れ着いたモンスターで、自分はそのハーフらしい。
それが人間と交わり、何代も何代も世代を移し、血が薄れ――今のリオが居たのだ。
(『ネコマタ』と『シュトリ』と、人間と――それにアドニスの種まで植え付けられて…)
全く、ちゃんぽんにも程がある。それに如何わしい種族ばかりだ。
甘い体臭も。赤い瞳も。このピンク色の髪も、きっとそれが原因なのだろう。
今になって淫魔として覚醒したのもある程度予測がつく。
子宮に寄生したアドニスの魔力と反応したのだ。
ネーアと交わった時から、精神的にも肉体的にもおかしかったので、時期的にも符合する。
(あはは。道理で…お母様がああいう仕事をするわけだ…)
そういえば、ネーアは母親の事を知っているような口ぶりだった。
エッチの時に、この体に淫魔の血が流れている事に気付いたのかもしれない。
(まあ、別にいいかな。そんな事は)
そうだ。そんな事より、今は他にすべき事がある。
「このチビっ、騙しやがったなっ」
「ガキだと思って油断したぜっ」
二人の男が剣を抜いた。それを冷ややかな目で見詰める。
リオの体は今し方セックスした時の体勢のままだ。
正常位で組み敷かれ、自分で男の腰に足を絡みつかせ、身動きが取れない。
まあ、その男も、精気を吸収されたせいで泡を吹いて気絶しているわけだが。
実質二体一には変わり無い。
しかも向こうは修羅場をくぐってきた傭兵上がりの騎士。
まともに戦えば勝ち目は無かった。
尤も、最初から戦うきなど無かったが。
「おじさん達は、私とエッチしてくれないの?」
「舐めるなよ…! 人間じゃないって分かったらこっちも容赦しねえ!」
「その通りだ! あーしかし俺達女運ねえなーおい!
きれーな人間のねーちゃんが抱きたいぜっ」
「そんな事言わずにね?『私としようよ』」
言葉に魔力を乗せる。
淫魔の囁きはそれだけで人間の理性をたやすく削り取る。
それを、紅く染まった両目で後押ししてやる。
魅了の魔術だ。魔術に精通しているものなら防御のしようもあるだろう。
だがこの三人の男達に、それを防ぐ術は無かった。
「……あ…う…」
交わる視線を通して、リオの魅了の魔術が二人の男に叩き込まれる。
二人が握り締めていた剣が、同時に滑り堕ちた。
「ふふふ♪ そう、いい子♪ 私、おじさん達の事好きになっちゃうかも♪」
あー、と痴呆のように二人の男が呻いた。
その瞳は、ガラス玉のように虚ろだ。
男達はリオの据え膳と化していた。
「くすくす♪ 本当に美味しそう♪」
最早リオの目には男達は餌にしか映っていない。
120 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:03:28 ID:53go2DFl
この時少女は気付いていなかった。
自分の心が、すでに人でなくなっている事に。
(体、熱い。力が、漲ってくる♪)
生まれ変わったようだった。
だがその力は邪悪なものだ。魔物として、人を喰らう為の力だ。
その力をどす黒い衝動の赴くままに行使する。それが何と心地良いか。
(あはっ。気持ちいい♪)
殺気を漲らせていた男達がリオの魅了の魔術に心を食われ、呆然としていた。
レイプする――そう宣告されればそれに大人しく従い、時が過ぎるのを待つ。
心を殺して、人形のように言いなりになる――あの頃とは違うのだ。
今は、その逆。食う側なのだ。
リオは思わず笑みを浮かべた。
幼い顔が歪む。それは本物の悪魔の笑み。
快楽を得る為なら人を貶める事も厭わない、そんな極悪人の笑み。
(…このおじさん邪魔)
繋がったままの男を蹴飛ばす。
がす。男の体が宙を舞った。
「え?」
リオの方が目を丸くした。
蹴られたボールのように、気絶していた男は遥か後方へと吹っ飛んだのだ。
そしてノンバウンドで数メートルほど飛行した後、木の幹にぶつかってやっと止まる。
「え? あれ? やりすぎちゃった?」
さっきのセックスで誤って『吸い過ぎた』せいで彼に精は残っていない。
用済みなので多少手荒に扱っても大丈夫――そうは思ったがまさかあんな盛大に飛ぶとは。
(力の加減、難しいなぁ)
ひょっとしたら、戦士としての父親の血が影響しているのかもしれなかった。
剣神とまで謳われた男の娘なのだ。
人外化の影響もあって、今の肉体のスペックは予想以上に高いらしかった。
(剣も魔術も使えなかったのに、人間止めたらその両方が同時に出来るようになるなんて)
なんとも皮肉な話だ。しかも力を持て余している。
「ふふふ。だったら、おじさん達は練習相手かな?」
無害化した男二人を見据えて、ふと気付いた。
「んー。この格好じゃあんまりかなぁ?」
白のネグリジェを見下ろすと、腕を組んで考える。
折角淫魔になったのだからもっと色っぽい格好の方がいいだろう。
それにこの服は嫌いだ。
外に出る事が少なかったリオは、寝巻き姿でいる時間が多かった。
このネグリジェもそう。愛用していたのだ。
つまりこれは人間の――あのひ弱なリオ=リビディスタの証のような物なのである。
「おじさん達ちょっと待っててね?」
ぴょん、と反動を付けて起き上がる。寝そべった猫が飛び起きるような動きだ。
相手をしてもらう筈なのに待ち惚けは少し可愛そうだが、ちょっと我慢してもらおう。
(? 人間止めても、そういう気遣いは出来るんだ? 変なの)
まあ、どっちにしろ食べるものは食べるのだが。
リオは男達の目前で服を脱ぎ始めた。
衣擦れの音を響かせながら、幼子の肢体が晒される。
丸みを帯びた肩。
肩甲骨辺りから伸びる一対の羽。
平らだったバストは、幼子、というよりも成長途中の女子のそれだ。
押せば返しそうな膨らみは、人の頃に比べれば二周りは大きくなっている。
ブラを付けても良いほど成長していた。というか多分姉よりも大きい。
やせ細っていた腹や尻、太股は僅かに肉付きが良くなった。
それなのに腰の細さはそのままで――幼い体が僅かに色っぽく成長したのが分かる。
尾てい骨から伸びた猫の尻尾と矢じり型の尻尾が、色気にアクセントを加えていた。
(…何だか『また』やらしい体になってる気がする)
『リオっちってさ、何だか発育いいよね?
そのオッパイとかパセットよりも大きいんじゃない!? けしからん!』
121 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:05:26 ID:53go2DFl
パセットが以前そんな事を言っていたのを思い出す。
そんなに気にする事でも無いだろうに。やっている事はどんぐりの背比べだし。
それが今では――可哀想に。今では確実にこちらの方が大きい。勿論胸の話である。
まあそれは兎も角。
脱いだ服を陽光に透かせる。
(少し勿体無い気もするけど…人間を止める、踏ん切りくらいにはなるかな?)
軽く上方へとそれを投げ放った。
風に吹かれ、重力に引かれ、芯を持たない衣服がひらりひらりと落ちる。
その瞬間、リオが目を見開いた。
赤い瞳の中で縦長の瞳孔が細まり、頼りなく宙に漂う衣服を捉える。
「しゃっ!」
目にも留まらぬ速さで、上方の空間を引き裂いた。
僅かに遅れてバラバラに引き裂かれた、ネグリジェだった物が舞い落ちてくる。
「あはっ♪ 上手く出来た♪」
陽気に笑い、自分で喝采する。
その指先からはナイフかと思うほど鋭い、紅い爪が伸びていた。
これで宙に舞った寝巻きを切り裂いたのである。それも一瞬で。
昔、稽古場にいた父親に見せてもらった芸なのだが、それを真似してみたのだ。
やはり自分は父の娘だ。健康的な肉体なら戦士として戦う事も出来る。
「――これで、すっきりしたかな? さよなら、過去の私」
さよなら弱い私。
さよならパセットちゃん。
さよならお父様。
さよならお義母様。
さよならお姉様。
そしてこんにちわ。淫魔の私。
(さあ。想像しよう。良家のお嬢様が不良になって、淫魔へと身を落としたら)
そんな娘はどんな格好が似合うだろうか。
頭の中でイメージを膨らませると、欲望に忠実な魔力はすぐに反応した。
黒い霧が溢れ、眩しい少女の裸体を包む。
それは黒いワンピースとなって具現化した。
幼い体のその手を。肩を。胸を。腰を。黒い生地となって包み込む。
生地の裏側には多量のフリルを。
ブーツはパンプスだ。
下はどうしようか。黒のガーター?
流石にまだ似合わないだろう。もうちょっと成長したら付けてみようと思う。
だからそれまでは黒のストッキングで代用。
頭には勿論ヘッドドレス。
それも猫耳の可愛らしさの邪魔にならない程度に、つつましいサイズだ。
「――こんな感じ、かな? おじ様方、いかがかしら? なんちゃって」
スカートの端を摘み、くるり、とその場でターン。
涎を垂らして『待て』の状態である男二人の顔色を伺う。
彼らの瞳には、黒いゴスロリ服を着、猫耳を生やした悪魔が映っていた。
男の目を鏡代わりに、リオはポーズを付け、角度を付け、自身の姿を吟味する。
何しろ生まれ変わった自分のデビュー戦。
淫魔として、女として、格好に手を抜く訳にはいかなかった。
「――色気が足りない」
ぽつりと呟いた。
これでは只のゴスロリ娘だ。
ワンピースの内側から羽や尻尾は生えているが、それだけじゃ味気無い。
何よりこれは人間の着る服だ。
(もう少し、淫魔らしくならないかな?)
再びイメージ。ゴスロリ衣装は脛付近以外を殆ど覆ってしまう。
それでは淫魔の肉体が隠れてしまって、意味が無い。
122 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:07:50 ID:53go2DFl
そうだ。スカートを切り裂いてしまおう。
再び黒い霧が溢れ出す。
黒いつむじ風が軽くスカートを撫でた。するとどうだ。
スカートの前面と後ろ側に大きく裂け目が出来る。スリットだ。
そうだ。胸元も少し開けよう。
自慢できる程のものではないが、喉、首元、それに丸い肩を見せればそれだけで色っぽい。
黒い霧がゴスロリ服を削り取り、胸元と肩の生地が消滅。
黒のパンプスも何だか味気ない。その先端にデフォルメ気味のドクロの飾りを添える。
そうだ。どうせなら背中もばっくりとやってしまおう。
ワンピースの背中側がVの字に切り裂かれ、見る見るうちにその面積が狭くなる。
生地は腰の辺りまで消滅し、羽の生え際どころか肩甲骨、それに背骨までが見える。
スカート部の背面のスリットからは二種類の尻尾が顔を覗かせる。
悪魔の尻尾にはピンク色のリボンを。猫の尻尾には鈴を取り付けた。
スカートの切れ込みは長く、深い。
尻尾が少しでもスカートを押し上げれば、その向こうにある桃尻が見えそうになる。
前面もそうだ。
スリットは内股まで伸びており、見る者が少し屈めばその内側を覗いてしまうだろう。
下着はいらない。
その方が、男達は喜ぶし、こっちも興奮する。
何よりセックスをする時に脱ぐのが面倒臭い。いや、ずらせばいいのか。
それともパンツごと挿入? それも一度やってみたいかもしれなかった。
(ふふふ。私もすっかり変態さんだね)
そうだ。色っぽさと言えばこの髪、もう少し長い方がいいだろうか?
短い方が動きやすいが、セックスの時、長い方が跳ねたり波打ったりして面白い。
何より髪型だって好きに変えられる。
(よし、やろうっと)
髪質はそのままストレートで。長さは肩に掛かる程。
リオのイメージと同調して黒い霧が桃色の髪にまとわり付いた。
その髪が霧を吸収して、しゅるしゅると伸びていく。
「これでいい、かな? ――あ、あれ?」
伸びた髪を一房手に取り、視界内へと移動させてみると、期待していたものと少し違った。
黒い霧で延長した部分は、鮮やかなピンクではなく濃い紫色だったのだ。
どうやら魔力で編み出した髪は、本来の色とは違ってしまうらしい。
「…ピンクがいいのに」
(ネーアさんも、パセットも褒めてくれたから)
まあよしとしよう。グラデーションが掛かった髪も中々面白い。
色も、艶っぽさという点ではクリアーしている。
でも髪は自力で伸ばして、最後には全てピンク色にしようと思った。
「さあ、今度はどうかな?」
完成した淫魔の姿で再びターン。スカートは摘まない。
自由気ままに手を広げ、回転する。
広げた上腕の下、健康的な脇が剥き出しになる。
バイオレットの髪先の下から、うなじが覗く。
尻尾の下から、愛らしい尻肉が弾むのが見えた。
風に煽られたスカートが僅かに翻り、毛も生えていない少女の性器が晒される。
それらは全て一瞬。
ターンが終われば、爽やかな陽光の下、リオの甘いフェロモンが辺りに香っていた。
悪魔『シュトリ』の読心の力が、男達の精神を読み取る。
さっきの只のゴスロリ服より、遥かに興奮しているようだった。
「……はぁ……はぁ……」
興奮の吐息を放つのは、は男達だけでない。リオもだ。
生まれ変わったこの姿に、気分が高揚している。
「ふふふ。どうですか? 私のこの姿…気に入ってくれましたか?」
高鳴る胸の動悸が、興奮が心地良い。
散々待たしてしまったのだ。魅了の魔術で精神支配しなくても、押し倒されるだろう。
というか精神支配を解いた。
123 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:10:03 ID:53go2DFl
「待たせちゃってごめんなさい」
悪びれる風でも無く謝り、だがその代わりに地面に四つん這いになった。
尻側を男達の方へと向け、背中越しに視線を送る。
眉をハの字に寄せ、何かに期待するように濡れた瞳。
愛らしい口から、はあ、と熱い吐息を漏らし、興奮に頬を紅潮させている。
そんな、歳に似合わない流し目を男達に送った。
「もう、『いいですよ』?」
両腕と膝で体重を支え、尻を高く持ち上げる。
スリットの向こうから生える二本の尻尾がスカートを割り開き、ぷりんとした尻を見せた。
「にゃぁん…♪」
尻尾と一緒に尻をゆらゆらと揺らす。
ちりちりと鈴の音が響き、スカートの中からリオの甘い匂いが撒き散らされた。
そこで二人の男は獣へと身を落とした。
***
先を争うように二人の男が同時に手を伸ばす。
折角作り出したゴスロリモドキの服を引っ張られ、皺が寄ってしまった。
「はあっ! はあっ! たまんねっ! 幼女の体っ」
「きゃぁんっ♪」
ベタベタと汗まみれの手で衣服の中へと入り込み、無遠慮に撫で回される。
膨らみかけの胸を力強く揉みしだかれ、僅かな痛みを感じるが、それでも淫魔の体は反応。
じゅくり、とヴァギナから蜜を吐き出す。
「あぁんっ♪ はやくぅっ、おじ様達のおチンポ、リオにハメハメして下さいぃ♪」
何もまぐわりが待ち遠しかったのは男達だけではない。リオ自身もだ。
先程の男は飢餓感に耐え切れず、一瞬で吸い尽くしてしまって『味わう』暇も無かった。
だが今は違う。
体が完全に覚醒した今なら、性欲に振り回される事も無い。ある程度なら抑制出来る。
つまりじっくりと、男達の精を味わう事が出来るのだ。
それをさっきから期待しているのだから卑猥な言葉の一つも出てしまう。
「このっ、雌ネコがっ! なら遠慮無くくれてやるよ!」
ずりゅりゅぅっ!
「うにゃぁぁあぁっ!!?」
(あ、熱いっ、これが、男の人のおチンチンっ)
一息に突っ込まれた肉棒の感触に思わずうっとりしてしまう。
肉ヒダをかき回す立派な雁首。
子宮口を穿り返す亀頭。
胴の弾力。それに熱さ。
何よりもそれに詰まった精気の濃度に淫魔の本能が涎を垂らした。
「おいしっ、美味しいよぉ♪ おじ様のおチンポっ、美味しすぎるよっ♪」
肉棒を味わおうと膣に力を込める。
敏感な膣はエラの深さ裏筋の感触、浮き上がった血管にいたるまでその形状を把握する。
(あっ、このおじさんのチンポ、長ぁい♪)
さっきからぐりぐりと子宮口が抉られている。
これでがつがつと犯されたらどれだけ気持ちいいだろうか。
「はぁっ! くそっ! ただのビッチだと思ってたら、なんて絞め付けしてやがるっ!」
挿入しただけだというのに男は息を切らしている。
乱暴に犯されると期待していただけに、肩透かしを喰らった気分だった。
(ふふふ。面倒なおじさん。少し煽ってあげないと♪)
「にゃー…? おじ様、もうギブアップですかぁ?
ふふふ、だったら無理なさらなくてもいいですよぉ?
リオはぁ、もう一人のおじ様とエッチしますからぁ♪
そこで大人しく見ていてください♪」
「な!? なめんじゃねえぞっ、このメスガキ!!」
効果覿面。
プライドを傷付けられた男は挿入したままのイチモツは引き抜き、すぐさま撃ち込んだ!
124 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:11:59 ID:53go2DFl
ぐちぃっ!
「んにゃあぁぁああぁっ!?」
がつん、と子宮が揺さぶられ、快楽が弾けた。ハンマーで頭を殴られた気分だ。
「はあっ! はあっ! ガキがっ! 調子にっ! 乗ってんじゃねえぞ!!」
「あっ! にゃっ! にゃあぁ! にゃぁう!」
ぱつっ! ぱつっ! ぱつっ! ぱんっ!
(あはっ♪ やっぱりっ。おじさんの長チンポっ、子宮にがつがつ当たって!)
バックスタイルで犯される。
まるで畜生でも扱うように――いや半分そうなのだが、乱暴に扱われる事に興奮する。
それでなくても後背位というのはより深く結合出来る体位の一つだ。
さっきから、子宮に穴でも空け、とばかりにペニスが撃ち込まれ、昇天しそうになる。
(でも、やられっぱなしじゃ…ないっ)
イニシアチブを取られっぱなしというのは癪だ。
快楽を貪るのも悪くないが、やはり男を手玉にとってこその淫魔なのだから。
という事で反撃開始。
シュトリの力で、この男の弱点を探る。
(――ふふふ。やっぱり、基本は先っぽだよね♪ ――あ、カリも弱そう♪)
一人目の男でコツは掴んだ。同じ要領だ。
ピストンのタイミングに合わせて膣圧を変化させ、カリの部分を締め付ける。
「ぐあっ!?」
「あはっ♪」
背中越しに男の顔が快楽に歪むのを見た。
その表情に背筋がゾクゾクしてしまう。思わず、ぺろり、と舌なめずりをしていた。
「ふふふ。ここですかぁ? ここがいいんですよねぇ?」
背中越しに流し目を送りながら、腰を使う。
ペニスを咥えたまま捻り、絞め付け、或いは回転させる。
そうして膣圧をコントロールされた肉のチューブがピンポイントで男の弱点をつくのだ。
密度が濃く、彫りの深い肉ヒダを強く押し当てられ、擦られ、男は呻き声をあげた。
「あはっ…はぁっ…♪ あにゃぁん♪ ほーら、おチンポ、ぐりぐりぃー♪」
「ぐっ、このっ、うあっ! 畜生っ」
「はあっ! はぁ! おじ様は、楽にしてていいんですよぉ?
リオがぁ、ちゃぁんと気持ちよくしてあげますからぁ」
男を手玉に取る快感にリオは上機嫌になった。
あん、あん、と甘く喘ぎながら男を徐々に追い立てる。
挑発するように二本の尻尾をゆらゆらと振って――
「だから、調子に、のるんじゃねぇ!」
その二本の尻尾を一纏めに掴まれた。
予想外の衝撃がリオを襲う。尻尾が敏感だったのだ。
掴まれただけでびりびりとした官能が下半身へと流れ込み、力が抜けてしまう。
まずい――と思った瞬間には、力いっぱいそれを握り締められた!
「ぎにゃあぁぁぁぁっ!!?」
まるでクリトリスを思い切り抓り上げられたような衝撃。
激痛とそれを上回る快楽が二本の尻尾から同時に流れこんで腰砕けになってしまう。
あまりの刺激に、目がチカチカしていた。
(し、尻尾、こんなに敏感だなんてっ)
「へへっ、こいつはいいなっ、ほれほれ、さっきまでの威勢はどうしたぁ!?」
きゅっ! きゅっ!
「あっ!? にゃぁっ! それぇっ! だめぇ!」
リズミカルに尻尾を握り締められる。
そして力が抜けたところに再び強烈なピストンが開始された。
ぱんっ、ぱんっ、と恥骨同士がぶつかり合う音が響く。
「あっ!? にゃあぁっ!! だめっ! 変ににゃるぅ!
おかしくにゃっ――んあっ!? にゃんっ! あんっ! にゃぁんっ!」
「まだまだ、だぜ!」
「ひにゃぁっ!?」
羽の生え際にざらりとした感触。
125 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:14:01 ID:53go2DFl
(な、舐められてるっ! 私の羽、べろべろされてるっ)
尻尾を握りながら、男が舌を這わせてるのだ。
羽は尻尾ほど敏感では無いが、どうもその生え際は別らしい。
尻尾動揺、びりびりとした快楽が背筋を駆け上がり、脳を焦がす。
「あっ! あんっ! にゃんっ!」
バックで犯されながら。
「にゃっ!? にゃぎぃぃっ!?」
尻尾を弄ばれ。
「にゃぁあっ…!」
羽を舐めしゃぶられる。
(ダメぇ…気持ちよすぎるよぉ…!)
もう頭がおかしくなりそうだった。
このままプライドも意地も快楽に流されてもいい、そんな事を思った。
その時だ。
「おいおい、いつまで仲間外れにさせとく気だ?」
三人目の男が、イチモツを曝け出したまま眼前に立っていた。
快楽に濁った目で見上げると、三人目の彼は不敵な顔をしながらこちらを見下ろしている。
二人目と夢中になっていたせいですっかり忘れていたが、彼らは三人組だったのだ。
一人、ずっと待ち惚けにされていたのである。
「ほらっ、お嬢ちゃんっ、俺も気持ちよくさせてくれよな!」
「むぐぅっ!?」
快楽に喘ぐ小さな口に、容赦なく二本目の肉槍が突き込まれる。
(んにゃぁっ…このおチンポ…っ、凄い匂いっ)
体質だろうか。他の二人に比べて雄の匂いが濃厚だ。
咥え込んだ状態でもイカ臭い香りが鼻腔をついた。
昨日までの自分なら吐き出していたかもしれない。だが今は。
「んにゃぁ♪ ちゅっ、ちゅううっ…れろっっ…! はぁっ、臭チンポ♪
美味しい…ちゅるっ、じゅうっ…! 美味しいにゃぁ♪」
目の前に精気が詰まった玉袋が揺れている。
悪臭を放つペニスはそれだけ精気の濃度も高い。
ネコマタの本能が濃い精を嗅ぎつけて咥内の腐肉にメロメロになってしまう。
「こいつっ、美味そうに俺のしゃぶりやがって――うおっ!?
舌がっ、ざりざりしてっ、やべ!」
ピストンが開始された。
自慢の気を乱雑に掴まれながらのイマラチオ。まるでオナホールにでもなった気分だ。
「おらおら! もっと腰使えよこの発情ネコ!」
「淫魔じゃなかったのかよ? チンポ咥えてるだけじゃねえか!? この肉便器が!」
(私、レイプされてる♪ 輪姦されてるよぉ♪)
獣の姿勢で前と後ろからサンドイッチファック。
頭上から浴びせかけられる罵声。
自分が獣どころかただの道具まで成り果てた気がして――ぞくぞくした。
(あっ? おマンコ、きゅんきゅんしてきたぁ♪ イッちゃう、私イッちゃうよぉ♪)
もうどうでもいい。
このままペニスをしゃぶりながら、一度果ててしまおう。
だがその後は――
「はあっ! はあっ! 出るぞ! 中出しするぞ!
この淫売っ! 良かったなっ!? てめえの子宮に俺のザー汁注いでやる!」
「んむぅぅぅぅ!?」
ぎちり、と子宮口にペニスが食い込む音を聞いた気がする。
(おチンポ、中に入ってるぅ♪ 子宮に直出し、されちゃうぅ♪)
男の長めのそれはまさに肉槍となって子宮の中へとその先端にめり込んだのだ。
僅かな痛みと法悦。相反する刺激にリオは高みへと押し上げられた。
同時に男も果てる。
「ぐおぉぉぉぅっ!!!」
びゅるっ! どくどくどくっ!
(んにゃあっ♪ あついっ…! あついよおっ♪)
126 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:16:21 ID:53go2DFl
収縮運動する子宮の内側に精液が叩き付けられる。
アドニスの種子が体液を啜って成長し、更に精気を吸ってネコマタの本能が悦ぶ。
「くっ、こっちも出すぞおぉぉっ!!」
びゅくっ! どぷどぷどぷっ!
そして口の中に続けざまに吐き出される精。
(こっちは、とっても濃厚♪ 臭くて、ドロドロで、堪らないよぉ♪)
「ぐぁっ! はあっ! まだ、絞め付けんのか!?」
「はぁっ! 口マンコっ、たまらんっ! 搾り出されるっ!」
二本の肉棒を上と下の口でしっかり咥えて逃がさない。
絶頂の瞬間。粘膜同士を通して、彼らの肉体からも直接精気を吸い取る。
二人の男は射精の快感に酔い痴れながら、精を搾る取られるのだ。
――やがて射精を終えた男達は、どちらからともなくペニスを引き抜く。
そして荒い息を吐きながら、その場にへたりこんだ。
一度の性交でへばってしまう彼らが情けないとは言えない。
精気を吸われたせいで、消耗が通常の性交よりも遥かに激しいからだ。
ところがリオの方はと言うと。
「んぐっ、ちゅるっ――ごくっ――んくっ」
咥内に吐き出されたスペルマを舌の上で何度も転がして、味と臭いと感触を十分に愉しむ。
三人の中でもっとも濃く、美味なそれを愉しむと、ゆっくりと嚥下していく。
「ぷはぁ♪ 美味しかったぁ♪」
そしてあれだけの扱いを受けていたのにも関わらず眩しい笑顔を浮かべる。
――かと思ったら淫蕩な笑みを浮かべて、舌なめずりをした。
(ふふふ♪ それじゃ、今度は私の番だね♪)
散々犯されたのだ。お返してしないと気が済まない。
自分の口にペニスを突っ込んだ男に四つん這いで這いよっていく。
「ねーおじ様? リオ、おじ様のチンポ気にいっちゃった♪
とっても臭くて、濃厚な精気なんだもの♪ だから今度は下のお口で飲ませて♪」
「…まじかよ…少し、休ませ――あが!?」
萎えかかった肉棒を鷲づかみにして力を込めた。
男が痛みにのたうつ。それが何だか可愛くて、ぞくぞくして、うっとりと見詰めてしまう。
「あのね? おじさんの早漏クサチンポがもう役立たずっていうならね?
ここで握りつぶしちゃってもいいんだよ? でもそんな事したらおじさん死んじゃうし。
そんなの可哀想だから、こうやってお願いしてるの。分かるよね?」
「分かった! 分かったから勘弁してくれ!」
「ふふふ。そうこなきゃ♪ 足腰立たなくなるまで、エッチしようね♪」
楽しげに笑うリオの瞳が捕食者の目つきに変わった。
***
「あんっ♪ あんっ♪ あんっ♪」
森の中、少女の甘い喘ぎが響く。
リオが淫魔に覚醒してからもう一時間近く経とうとしている。
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ。
卑猥な音を立てながら、彼女は三人目の男を押し倒し、騎乗位で繋がっていた。
熟練の娼婦のように、腰を捻り、回転させ、前後左右、角度をつけながら、男を責める。
「はぁっ! はっ…! もっ、出るっ! またっ、出ちまうっ! ぁあああぁぁっ!」
びゅるっ。ぴゅるる。
「ふにゃぁ♪ 出た出たぁ♪」
子宮に流れ込んでくる精の感触に、うっとりとする。
(んにゃぁ…気持ち良い♪ でもちょっと少なくなってきたかなぁ?
まあ仕方ないよね? もう五回くらい出してるし)
これでも三人目、一人目、三人目、二人目、三人目、一人目、三人目、二人目――
と言った具合にローテーションを組んで交わっていたのだが。
少しづつとはいえ精気を吸ってしまうとそれだけで男の消耗は激しくなる。
もうこの男の精も大分薄くなってしまった。
残り二人など今にも赤球が出そうなほど疲労している。
(まぁ、こんなものなのかな?)
127 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:19:29 ID:53go2DFl
デビュー戦としては上々の結果だろう。何よりセックスの素晴らしさを知った。
「おじさん達、ありがとう♪ 私、とっても気持ちよかった♪
機会があったらまたしようね♪」
ちゅ♪ ちゅ♪ ちゅ♪
ご褒美に三人の頬にキスをする。
精気を吸われて痩せこけた頬がほんのりと赤く染まったのは気のせいか。
リオはあえて彼らの心を読まなかった。
「さて――どうしよう、かな?」
立ち上がり、んー、と大きく伸びをする。
体中に力が漲っていた。男達から吸収した精気がリオの魔力へと変換されているのだ。
お肌がつやつやになっている気がする。
(ふふふ。今ならなんでも出来そうな気がする)
精気を大量に摂取して、ネコマタとしての本能は満足してしまった。
だがこの身にはあと二つ、人外の衝動に飢えている。
悪魔シュトリは女の弱みに付け込み、堕落させるという本能を持っている。
堕落させた女に悪魔の邪な魔力を送り込み、魂を穢して自分と同じ悪魔へと変えるのだ。
そして子宮には順調に成長するアドニスの種子がある。となればする事は。
「次は女の子とエッチかな♪」
通りすがりの女を犯すのもいい。
だが完全な魔物となったこの体では結界を突破する事は不可能だ。
結界の無い正門を通る手もあるが、人外とバレた時は面倒な事になる。
目立ってしまえば森で休息しているネーアも含めて今後動き辛くなるだろう。
となると――どうするか。
「――あ、そうだ。結界、解除してもらえばいいんだ」
魔物になってすっかり忘れていたがこの身は元々リビディスタ家の令嬢だ。
そして足元には気絶した男が三人。
これらを駆使すれば、結界内に張り込む事なんて造作もない。
「ふふふ♪ こういうのが悪巧みって言うんだろうね♪」
そうと決まれば行動開始だ。
リオは足元に転がる三人の男の内一人の足を引っつかむ。
「上手くいくかなー♪」
ずりずりずりずり。男を引きずり、歩き出す。
男は上半身を覆う甲冑を着たままなのに、全く重さを感じない。
人外の体を誇らしく思いながら、リオは足取りも軽く、森の中を歩いた。
***
以上で第五話終了です。変身シーン力入れすぎたYO!
最近やったエロゲーで猫耳悪魔ロリっ子とか二匹程見かけたので思い切って採用しました。
反省も後悔もしてません。むしろなんでもっと早くこれを考え付かなかった俺w
うん。やっぱり悪堕ちだね! 書いていて楽しかった!
私も一度幼女に押し倒されてみたいです。
チャームなんか使われなくても一秒で堕ちる自身がありますw
次回は久しぶりにマリオンのターンです。過去花とかやる予定です。
Hシーンが入るかどうかは、ちょっと分かりません。入れられる、かな? 無理、かな?
まあ、ゆるーくお待ち下さい。
感想もお待ちしております。
また、誤字や脱字、気になる事があれば遠慮なくご報告下さい。
ミスの指摘『だけ』ならこちらも歓迎ですから。
あと、補足というか蛇足ですが。
『シュトリ』という悪魔は私の過去作品で一度出てきてますね。
女の子を堕落させて自分と同じ悪魔に作り変えてしまう、素敵な魔物です。
ここで投下した作品ではありませんがエロパロ板内のものです。
兎も角、舞台も時代も違うけど世界設定は共通という事で。
長々と失礼しました。今回はこの辺でお暇します。そして、いつもの、
ようじょ、ばんざーーーーい!!!
どうも乙×風です。お待ちかねの新作を投下しに来ました。
ですがその前にリオの瞳について少し説明します。
98様が指摘された『青か緑か一体どっち?』
との質問ですが――リオの右目は青、左目は赤となっております。
この疑問は私が『翡翠』と『蒼穹』の区別が付いていなかったが原因です。
劇中、右目が青になったり赤になったりする描写はありますが、それとは別の話ですね。
99様の言っている通り、こちらの不手際です。
ほんと、なんでこんな簡単なミスをしたんだか。
ちなみに作家というものはかっこ付けなのです。私だけじゃないと思いますよ。
それだけなら別いいと思いますが私の場合、正しい意味を調べていなかったのが問題です。
おかげで一部の読者の方々に不快な思いをさせてしまったと思います。
申し訳ありません。この場を借りて謝罪させて頂きます。
ですがまあ。あまり堅苦しいのもどうかと思います。
こういう場所ですからね。私以外のSS作家さんも居ますから。
あまりギスギスして、その方達が投下しにくくなるのも考え物です。
なのでリオの瞳の件に関してはこれで勘弁して下さい。
はい。という訳で気を取り直して投下といきましょう。
今回は皆様のご想像通り、リオ無双ですよぉ。
NGワードは以下の通りです。
(自慰、猥語、レイプ、人外化、悪堕ち、輪姦、逆レイプ)
胡散臭い言葉が目白押しですな。
今回は完全実用性重視です。人外になったリオに好きなだけ搾り取られて下さい。
ではどうぞ。以下、15レス消費します。
112 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:46:33 ID:53go2DFl
第七話 先祖返り
――アレエスの街は元々小さな集落だった。
周囲の森には薬を作る為の原材料が群生しており、それを採取する拠点に過ぎなかった。
この頃はアレエスという名も無かったという。
ただ、手に入る薬の原材料という物が希少で且つ高価で森に入る者が後を断たなかった。
しかしである。
この森は生物にとって住み易い環境だった為に、様々なモンスターまで生息していた。
薬草を採取するのにも命懸けだったのだ。
今から二十年程前の話である。
当時、若くして名の知れていたグリーズに、件の森の魔物退治が依頼された。
剣神『アレス』の称号を国王より享け賜わった彼には体のいいクエストだった。
彼の後の妻となるドルキも彼と同行していた。
彼女は優秀な魔術師であり、グリーズともに数々の以来をこなしていた。
彼が剣神の称号を持つ前から、大いなる魔女『メディア』の称号を持っていた程である。
かくしてグリーズとドルキ、そして数名の部下を引き連れ、名も無いその集落に赴いた。
大した障害も被害も無く、剣神グリーズによる魔物掃討作戦は成功。
件の薬草付近の異形達の大半を殲滅した。
希少種である薬草を大量に手に入れ、彼は富と、更なる名声を手に入れた。
そしてその功績を称えられ、国王にその地を治める領主の資格を貰い受ける。
グリーズは妻ドルキと一考した。
数は減ったが、この森には多種多様な魔物が生息している。
それら相手に実戦を行い、最強の兵士を育てよう。
剣神であるグリーズ。魔女と謳われたドルキ。
二人の子はきっと優秀な戦士となる。
すぐに、二人の考えは実行される。
森を切り開き、街を作ったのだ。
武を重んじる英雄の町。グリーズの称号から名を取り、アレエスと名付けられる。
アレエスの街にはドルキを初めとする魔術師達の手によって結界が張られた。
更に強固な外壁で街を覆い、半端な要塞よりもよほど堅牢な地となる。
市場には森から採れた高価な薬草が出回り、英雄を一目見ようと人が集まる。
街の人口は右肩上がりに上昇した。
グリーズは領主として、また一人の将として道場を開いた。
歴戦の勇士達の手によって鍛え抜かれた戦士はそれだけで脚光を浴びる。
グリーズの元には次々と門下生が訪れ、屈強な戦士達を輩出した。
名門リビディスタが名実ともに世に認められた瞬間だった。
――これが武芸の街アレエス誕生の背景である。
そのリビディスタの末娘であるリオも、それくらいの事は知っていた。
義母のドルキに教えられたのである。
『一応。貴女もリビディスタの娘ですからね。これくらいは知っておきなさい』
彼女は自分を憎んではいるが、父のグリーズと共に歩んだ道のりをさぞ嬉しそうに話した。
それは親切でもなんでもなく、自慢がしたかっただけだろう、と幼心に思ったものだ。
まあ、それは兎も角として。
「どうやって中に入ろう…」
まさか自分が『侵入者』になるとは思ってもみなかった。
眼前の、天まで届けといわんばかりの外壁を見て思わず溜息が零れる。
良く見ると上の方には見張り番まで居る。流石武芸の街と言ったところか。隙が無い。
(お父様ってすごかったんだなぁ…)
改めて父親の偉業に感心する。自分の娘を性欲の捌け口にする最低の親だが実力は本物だ。
「やっぱり正面から?」
113 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:49:02 ID:53go2DFl
昼間なら、旅の者や行商の者を受け入れる為、正門の結界は張られていない。
そこから堂々と入る事も出来る。
だがこの髪にこの瞳。リビディスタのお嬢様である事など人目で分かってしまう。
そうなったらあの屋敷に逆戻りだ。それだけはなんとか避けたかった。
あそこには、もう戻りたくないのだ。
(ネーアさぁん、私どうすればいいの?)
男を漁れと言われたが今更それが難題だという事に気付いた。
(森の中に、訓練に来た男の人を捕まえればいいのかな?)
だったら屋敷に近い方がいいのだろうか。
「うーん…」
額に皺を寄せて唸る。そんな時だった。
ずくんっ。
「あっ」
(何っ? お腹、急に疼いてっ)
急に子宮が疼き始める。
腹の中に焼き石でも突っ込まれたみたいだ。
「やっ、これぇっ、んんっ」
寝巻きの上から股を押さえる。
じゅくぅ、とお漏らしをしたように水滴が零れた。
むわり、とリオの甘い体臭が雌の発情臭と共に鼻を突く。
『今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う』
ネーアの言葉が脳裏で再生された。
(こんなに、疼くだなんてっ)
ずくんっ。ずくんっ。ずくんっ、ずくんっ、ずくんっ――
「あっ、やだっ、やだぁっ…! 我慢出来ないよう!」
劣情にまみれるように、下着の内側へと指を滑らせる。
「にゃぁっ!?」
ぐちゅぅ。卑猥な音がしてヴァギナに電気が走る。そこは既にどろどろだ。
(こ、こんなに濡れて…それに、すごい敏感になってるっ)
思い切って指を割れ目へと差し入れた。
「あっ、!? はぁっ…!」
膣壁に爪先が擦れ、蕩けるような快楽が走る。
それは脊髄を駆け上り、リオの脳へと達する。
性的快感に脳内麻薬が分泌され、頭がくらくらした。
(きもち、いいっ)
快楽が理性を削り取る。
リオは我慢出来ずに、二本目の指を挿入した。
じゅくり。
「んにゃぁんっ」
膣が圧迫され、二本の指が締め付けられる。
敏感になった肉ヒダは窮屈そうな二本の指の形を鮮明に感じ取る事が出来た。
(アソコ、気持ちいいっ、止まらないよぉっ)
ぐちぐちぐちぐちぐちっ。
「はぁっ! にゃっ、あぁっ! んんっ! はあっ!
いいっ! 気持ちいいっ! オナニー気持ちいいよぉっ」
二本の指を捻り、或いは爪先で肉のチューブを内側からガリガリと削る。
そのあまりの快感。目の前が霞み、心地良い興奮が体を満たす。
寝巻き姿で、こんな朝早くから、魔物が徘徊する森の中でマスターベーション。
正気じゃない。
(こんなのっ、おかしいっ、やめないとっ、私、変態さんになっちゃうっ)
だが指は止まらない。それどころかその動きは激しさを増す。
指は三本に増えていた。
捻り、掻き回すような動きは、ネーアに犯された時のようにピストンへと変わっている。
(奥っ、奥の方が、いいのにっ、届かないようっ)
あの長い触手で子宮に穴を開けんばかりの勢いで、ずこずこ犯されるのがいいのに。
いや、違う。今は子宮に、熱い体液を飲ませて欲しい。
溺れるくらい、破裂するくらい子宮を精液で満たして欲しい。
114 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:50:47 ID:53go2DFl
「んんっ! やあっ! 切ないっ、切ないようっ!
おチンチンっ、欲しいようっ! 指じゃ、いけないようぅっ!」
こんなに体は敏感なのに、全然達する事が出来ない。
肉壷を犯す指はもう四本になっている。
あの巨大な触手を受け入れた所だ。フィストファックオナニーでもしてやろうか。
だがどれだけハードなプレイをしても根本的な解決にならない。
この状態は、アドニスの種子が成長の為に男の精を欲しているから起きているのだ。
男と交わり、膣内射精されない限り収まらないだろう。
そう考えるとぞっとした。
それまでこの状態が続くなら、きっと自分は発狂してしまう。
「やだっ、やだっ、やだあっ!」
いや、もう狂っているのか。
リオは気付いていない。未成熟な性器に自分の腕が差し込まれている事に。
それでも貪欲に快楽を貪る。
空いた手で乳首を抓り、或いはクリトリスを抓る。
それも千切り取らんばかりの力だった。
「んにゃあぁぁぁぁっ!!!」
激痛と、それ以上の快楽に背筋が弓なりに反れる。
だがそれでもイけない。子宮に根ざした種子が、アクメを阻害しているのだ。
(いやあぁっ!! イけないっ! どうしてぇ!!?)
「やらぁっ! やらぁ! イけないっ! イかしてよぉっ!」
リオはこの時、獣だった。
だらしなく口を開き、涎が垂れ、瞳は虚ろ。
『イかして』か、『おチンチン』か、『セーエキ』のどれかしか言葉にしない。
精神崩壊の寸前。
だから彼女に近付く人影にも、気付く事は出来なかった。
「……こりゃたまげた」
「おいおい。まだガキじゃねーか」
「こんな小便臭そうなガキがこんなところでオナってるって、世も末だなぁこりゃ」
男の、声が聞こえた。それも三人。
「ふぁあ…?」
リオは虚ろな瞳で、この場に現れた三人の乱入者を見る。
騎士甲冑を着てはいるものの薄汚れた装備。剃り残した無精髭。
エリート揃いのリビディスタとは少し風体が違った。
『さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?』
先程出会ったばかりのメデューサの話を思い出してた。
(あ、この人達が…そうなんだ…)
「…おい。このチビまじでやばくないか? 薬でもやってんじゃないのか?」
「そうだな、そうじゃないとこんなアブねー真似、出来ないわな」
「おーい嬢ちゃん。大丈夫かー? おじさん達が家まで連れてってやろうかー?」
リオは男達の言葉を聞いて無かった。
突然の事態に思考が追いつかない。
(――男の人)
思考は追いつかない――が、本能は追い付いた。
『どろり』と体の内側からどす黒い衝動が溢れ出す。
それはネーアと交わっている時にも起きた感覚だ。
自分が、自分ではなくなっていく感覚。
爛れた情欲が心を満たし――ついには体をも犯していく感覚。
「あ、はぁぁ…」
熱い吐息を吐き出す。
湯にのぼせたように頭がぼやける。快楽を貪りたいという意思が体を突き動かした。
「…おい、なんかこいつ、雰囲気変わってないか…?」
「あ、ああ…」
115 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:52:30 ID:53go2DFl
「こいつ、目が…オッドアイなのか? 珍しい…」
男達がうろたえている。
それだけではない。欲情しているのだ。この体に。
(あは。メデューサのお姉さん可哀相。
このおじさん達、私みたいな小さな女の子で、欲情してるよ?)
それは種子から放たれる催淫香のせいだ。
だがそれだけではない。リオ自身の匂いのせいでもある。
この時リオの体は、確実に変化を始めていた。
『アネモネとしてではなく、別の何かへ』と。
「おねがいしますぅ…私のここ…おじさん達の逞しいおちんぽで鎮めて下さいぃ♪」
立ち上がり、自ら割れ目を開きながら猫撫で声でおねだり。
リオのヴァギナはドロドロだ。
肉ビラが露出し、オスをねだるようにヒクヒクと脈打っている。
未成熟だと思われる少女の性器に、剥き身の貝を思わせるような生っぽさがあるのだ。
そのギャップに、男達が生唾を飲み込んだ。
全員股間のイチモツを膨らませているのが手に取るように分かる。
嗅覚まで敏感になっているのか、三人の先走りの匂いすら判別出来た。
「あは。もうびんびんじゃないですかぁ? 遠慮しなくていいんですよぉ?
私の、幼女の生おマンコにこってりザーメン好きなだけ注いでいいんですよぉ?」
「…ち。最近の若いもんは全くけしからんな」
「ほんとうだ。すけべで。破廉恥で。恥じらいってもんがねえ」
「そんなに犯されたいならやってやるよ。
俺達は元は傭兵でな。貰えるもんは貰う主義だ」
「あぁん…ありがとうございますぅ♪」
「ああ畜生ガキの癖に色っぽい声出しやがって!」
乱暴に突き飛ばされる。
逞しい腕が自分を押し倒した瞬間、汗と雄の匂いを嗅ぎ取り、胸が高鳴った。
心地良い動悸が体を支配して、『にゃぁん…♪』と再び媚びる声を上げてしまう。
「やべぇ。むっちゃ興奮してるぜ」
「ああ、このチビ、良く見ると上玉じゃねえか。
髪とかピンク色だぜ? 珍しい」
「それにこの匂い、たまんねぇなぁっ」
男達の手が無遠慮に触れる。
肩を撫で、髪を触り、脇の匂いを嗅がれる。
それはネーアに比べて乱雑で、時に痛みを催す。
だがこのレイプ紛いのシチュエーションに、リオ自身も酷く興奮していた。
欲情した男達から匂い立つ発情臭にこちらも発情する。
我慢できなくなって男のうちの一人から、不意打ち気味に唇を奪った。
「んっ…! ちゅっ! じゅるっ! ちゅううっ!」
「おーおー。嬢ちゃんやるねぇ」
「こいつの口臭いだろ? 昨日俺のチンコしゃぶらせたからな!」
横合いから掛けられた言葉の意味が一瞬分からなかった。
だが彼ら全員から、彼らの精の匂いがごっちゃになって交ざっているのが分かる。
何か理由があったのだろう。どうやら彼らは男同士でしていたらしい。
尤も、今のリオにとってそんな事は大した問題じゃない。
彼らがホモだろうが両刀だろうが興味はない。
だが出してしまったのなら、今回得られる精の量も大した事ではないのでは?
と実に『魔物らしい』思考が脳裏を掠めた。
(だったら、しょうがないかなぁ…)
悪いとは思うが、『搾り取る事になりそうだ』。
下手をすると死んでしまうかもしれない。
(仕方ないよね? だっておじさん達は、私の『獲物』なんだから)
どろり、と黒い衝動が体を駆け巡る。
自分を犯す筈の屈強な男達が、哀れな子羊に見えてきた。
彼らは、食べられる方だった。
116 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:54:22 ID:53go2DFl
それを自覚した瞬間、リオの中で何かが目覚めた。
全身を巡る父と母の血、そのうちの片方――母の血がざわつく。
同時に体が作り変えられていく。
リオに流れる『血』が、少女の体をより相応ものへと変えていく。
例えば唾液。
分泌量が増え、匂いが濃厚になった。
それを人間に飲ませればあっと言う間に欲情し、理性を失った獣へと堕ちる。
「ぐっ、はっ、はあ! このガキ! ディープキスとか、生意気なんだよっ!
もう、犯してやる!」
「お、おい、いきなりどうしたんだよ?
ガキに唇奪われたのがそんなにショックだったか?」
キスをした男は、目を血ばらせ、鼻息を荒くし、傍から見ても正気ではなかった。
鬱陶しそうに鎧を外し、下半身を露出させる。
取り出された肉棒は臍まで反り返って、天を向いていた。
(あ、お父様のよりも…おおきぃ♪)
小さな鼻が雄の匂いを嗅ぎ付ける。
ペニスの先から漏れる濃厚な精の気配を感じて、全身を駆け巡る『血』が歓喜した。
自ら足を開き、挿入しやすいように指でヴァギナを開く。
テラテラに濡れた肉ヒダが――蠕動する肉壷の内側まで露出される。
それでキスをされた男の理性は粉砕された。
「このっ、メスガキがっ」
ずりゅりゅぅっ。
「んにゃぁぁぁんっ」
毛の生えていない幼い割れ目を、男の肉槍が貫く。
(あはあっ! おチンポっ! お父様以外のおチンポ!
私食べちゃってるよぉっ! ふわっ! いいよぉっ!)
餓死寸前にありつけた食事は美味の一言だった。
散々焦らされ、敏感になり、高められた性感のせいだろう。
挿入されただけで達しそうになる。
雄の交わりを知覚して、アクメを阻止していた種子が神経の束縛を解放したらしい。
自分の体がイけるようになったと、リオは本能的に理解した。
「う、おっ!? こいつっ、絞め付けがっ」
一方リオに『食べられている』男は少女の肉壷に自慢のブツをしゃぶられ、狼狽していた。
声を裏返して、必死に快楽に耐えているのが分かる。
(おチンポ、びくびくしてるぅ♪ もういきそうなんだぁ♪)
「我慢しないでいいんですよぉ? 私のおマンコの中で、思う存分ズコズコしてくださぃ♪」
正常位の状態から足を男の腰へと絡ませ、引き寄せる。
人外化が進んでいるのか、密着した腰は力強く固定され、離れそうに無い。
ぐちぃっ。
「んにゃぁん♪」
勢い良くペニスを咥え込んだ事で子宮口にペニスが食い込んだ。
その衝撃に体が痺れ、反射的に催淫効果を持った吐息を男の鼻っ面へと吹きかけた。
とろん、とした目で、男の瞳を見詰める。
男の黒い瞳に映りこんだリオの右目――その瞳が青と赤に明滅していた。
リオは本能的に理解した。
この赤い瞳には魔性が宿っている。
母親から受け継いだこの瞳は、男を誘惑し魅了する力がある、と。
「く、くそぉっ!」
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ!
「あっ!? にゃっ! んあんっ!」
この男も例外ではなかった。
リオの瞳に、匂いに、唾液に、体に、魅了されてしまった。
今思えば、父親のグリーズはとうの昔からリオに宿る魔性に魅せられていたのだ。
だからこそ近親相姦などという非行に走った。
117 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:56:24 ID:53go2DFl
(私のせいだったんだ…)
真実を理解して愕然とする――だがそれも一瞬だ。
(ふふ。実の父親を無意識の内に誘惑するなんて、私の体すごい♪)
倫理や常識を覆す魅力が、この体には詰まっているのだ。
武芸の街に住む男達――脳が筋肉で出来ているような人間などひとたまりもない筈。
現に目前の男も、この幼い体に夢中になっているではないか。
「はっ! はっ! すげっ! 幼女のマンコっ! 最高だっ! おっ! おおおっ!」
「んにゃっ!? あっ! そこっ! いいっ! 奥っ、いいのぉっ!
おじさんっ! もっと突いてっ、んあん! もっと突いて下さぁい!」
ごつごつと膣の最奥を小突き上げられ子宮が悦びに打ち震える。
種子が根を張り、その上でさんざん焦らされたそこは性感帯の塊だ。
ガチガチの肉竿に一突きされる度に、蕩けそうな快楽が溢れる。
本当はもっとペニスの感触を味わいたいのに、快楽を貪るのに夢中になってしまう。
細い腕を男の首へと回す。両手の指を組んで男の首に引っ掛けた。
こうすれば自重を少しは軽減出来る。自分から、腰を動かす事が出来る。
試しに腰を使う。
父親に散々躾けられた体だ。やり方なんていくらでも知っていた。
男の突き込みに合わせて、自分から腰を迎えに行く。
「う、うぉおっ!?」
「んっにゃぁん!?」
ずんっ。と子宮が振るえ、頭が一瞬白む。
膣が収縮し、ペニスをぎちぎちと咥え込んだ。
(あはぁっ、これぇ、いい♪)
ぱつぱつぱつぱつっ!
恥骨同士がぶつかり合が当たりに響く。
男の首にぶら下がるリオの体が、激しいピストンによって上下に揺さぶられる。
痛いほど勃起した陰核が男の陰毛に覆われる肌とぶつかり合う。
痺れるような快楽が脳髄を走り抜けた。
「あっ! あっ! すごっ! いっ! よっ! おじさんのっ!
私のしきゅーっ、ごつごつ叩いてっ! んあっ!?
あはぁっ! あっ! にゃっ! にゃぁ! いぃ! いい!
もっとぉっ! もっとぉごつごつしてぇ!」
「おっ! おおおっ!! はぁぁあ!」
ぱたっ、ぱたたっ。
獣のような咆哮を上げる男から零れた唾液がリオの顔に降り掛かる。
発情したオスから流れるそれには精液ほどとは言えないが多量の『精気』が詰まっていた。
試しに口を開いて彼の唾液を飲み込むと、まるで酒でも飲んだかのように体が熱くなる。
男の精が、美味い。
(あ…私、ひょっとして…)
ここに来てようやく。リオは自分の正体に勘付き始めた。
いや、自分の正体というより自分に流れる血か。
だがそれも吹けば飛んでしまいそうな思考だった。
「あっ! あっ! あっ! あんっ! あっ! にゃっ!」
子宮を揺さぶられる激しいセックスに、再び夢中になってしまう。
そしてそんな交わりを見て、周りの二人も居ても立ってもいられなくなったらしい。
「…もう我慢できん」
「ああ……くそっ、昨日あんだけ抜いたのに…」
いそいそとペニスを取り出すと、乱雑に扱き始めた。
(あ、おチンポ、しこしこしてるぅ♪)
自分をオカズにオナニーをしている。
その事実がリオの自尊心を充足させた。
「はっ! ああっ! もっ、でるぞっ! 中出し、しちまうぞ!」
「あっ! あんっ! はいっ! リオの中にっ!
幼女の子宮に新鮮ザーメンどぴゅどぴゅしてくださいっ!
あっ! あっ! あっ! あっ! あん! にゃん!
膣内射精してっ、おじさんのせーえきで種付けしてくださいぃっ!!」
卑猥な言葉で男達の神経を煽る。
その声にすら魅了の力は宿っている事を知っていた。
118 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 17:58:31 ID:53go2DFl
男達の理性はリオの猫撫で声に犯され、麻痺している。
大量の脳内麻薬を分泌し――そして果てた。
「うっ、ぐっ! うおおぉぉぉっっっ!!!」
咆哮を上げ、子宮口に亀頭を食い込ませる。
ぎちり、と子宮の入り口が軋む音を聞いた気がした。
びゅるっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
「んにゃっ!? にゃああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!」
(出てるぅっ! リオのしきゅーにっ、こってりザーメン流れ込んでくるぅ!)
熱い。ぐつぐつと煮立った濃厚な媚薬を直接腹の中に流し込まれている気分だ。
新鮮で濃厚な精を含んだ白濁液が子宮壁にぶち当たると、蕩けるような感触に襲われる。
(中出し、気持ちいいよぉっ! すごすぎるよぉっ!!)
「あっはぁっ! イッちゃう!
リオ射精されてイっちゃ、んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」
びくん! びくんっ!
アクメを迎えたリオの体が痙攣する。
きゅうきゅうと子宮が収縮する感触が破滅的なまでに気持ちいい。
父親に犯された時とは全然違う。
膣内射精なんておぞましくて、気持ち悪いだけだった。
ところが今はどうだ。気持ちいいだけだ。
(これが、セックス…! たまんない…っ、癖になっちゃうよぉ♪)
「この、ガキの癖にエロ顔しやがって!」
「どろどろにしてやるっ!」
びゅるびゅるっ! どぷどぷどぷどぷどぷっ!
「んにゃあぁぁぁぁっっっ…♪♪」
だらしなく弛緩させていた少女の顔に、両脇からスペルマのシャワーが降り注いだ。
その熱さ。粘っこさ。匂い。そしてそれに凝縮された精気にうっとりとする。
その表情は、堕ちたメスそのものだった。
どくんっ。
「にゃぅっ…!?」
突如、子宮の奥が疼いた。
どくどくと、まるでそこに心臓があるかのように脈動し続ける。
アドニスの種子が精液を吸収し、成長しているのだ。
神経の根が更に深く子宮を犯し、膣を犯し、内蔵を犯し、体を作り変えていく。
陰核が膨張し、膣の肉ヒダが深く、複雑になる。
平坦な胸の丘陵に膨らみが生まれた。
全身が敏感になり、種子から発するアドニスの催淫フェロモンの香りが強くなる。
アネモネへと徐々に変化しているのだ。
しかも肉体の変容はそれだけに止まらない。
(体が、熱いっ)
成長する種子と同調するように、全身が火照ってくる。
まるで体を流れる血が、沸騰しているようだ。
「んにゃあぁぁぁぁっっ!!!」
吼えた。自分が変わってしまう。その恐怖に。
その期待に。
唐突に、視界が真っ赤に染まった。
赤と青に明滅していた右目が、赤一色へと変わる。
ぎちぎちと八重歯が伸び、立派な牙になる。
パジャマの背の部分が引き裂かれ、その内側から蝙蝠の羽が飛び出した。
「っ!? なんだ、こいつ!」
「人間じゃなかったのかっ!?」
119 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:01:16 ID:53go2DFl
顔中にスペルマのパックをしてくれた男二人が狼狽している。
ぼんやりとした様子で彼らの顔を眺めた。
ぴょこん。そんな可愛い音がなった気がする。
頭がなんだかむず痒い。試しに触ってみればそこには何かふさふさとした感触が。
「にゃぁ?」
三角形をしたそのもさもさは引っ張るとぴんと突っ張って僅かな痛みを覚えた。
男二人が顔を引き攣らせる。
彼らの目には。
『猫耳を生やした悪魔にしか見えない幼女が映っていた』。
(あー。やっぱり…私、悪魔だったんだ)
完全に魔物として覚醒した自我が、自身が何者であるかを本能的に理解した。
リオは男の精を食らう悪魔――いや、淫魔と言った方が分かりやすいか。
しかも混合種だ。
『ネコマタ』だったか。それと『シュトリ』と呼ばれる読心術に長けた悪魔。
どちらも異国から流れ着いたモンスターで、自分はそのハーフらしい。
それが人間と交わり、何代も何代も世代を移し、血が薄れ――今のリオが居たのだ。
(『ネコマタ』と『シュトリ』と、人間と――それにアドニスの種まで植え付けられて…)
全く、ちゃんぽんにも程がある。それに如何わしい種族ばかりだ。
甘い体臭も。赤い瞳も。このピンク色の髪も、きっとそれが原因なのだろう。
今になって淫魔として覚醒したのもある程度予測がつく。
子宮に寄生したアドニスの魔力と反応したのだ。
ネーアと交わった時から、精神的にも肉体的にもおかしかったので、時期的にも符合する。
(あはは。道理で…お母様がああいう仕事をするわけだ…)
そういえば、ネーアは母親の事を知っているような口ぶりだった。
エッチの時に、この体に淫魔の血が流れている事に気付いたのかもしれない。
(まあ、別にいいかな。そんな事は)
そうだ。そんな事より、今は他にすべき事がある。
「このチビっ、騙しやがったなっ」
「ガキだと思って油断したぜっ」
二人の男が剣を抜いた。それを冷ややかな目で見詰める。
リオの体は今し方セックスした時の体勢のままだ。
正常位で組み敷かれ、自分で男の腰に足を絡みつかせ、身動きが取れない。
まあ、その男も、精気を吸収されたせいで泡を吹いて気絶しているわけだが。
実質二体一には変わり無い。
しかも向こうは修羅場をくぐってきた傭兵上がりの騎士。
まともに戦えば勝ち目は無かった。
尤も、最初から戦うきなど無かったが。
「おじさん達は、私とエッチしてくれないの?」
「舐めるなよ…! 人間じゃないって分かったらこっちも容赦しねえ!」
「その通りだ! あーしかし俺達女運ねえなーおい!
きれーな人間のねーちゃんが抱きたいぜっ」
「そんな事言わずにね?『私としようよ』」
言葉に魔力を乗せる。
淫魔の囁きはそれだけで人間の理性をたやすく削り取る。
それを、紅く染まった両目で後押ししてやる。
魅了の魔術だ。魔術に精通しているものなら防御のしようもあるだろう。
だがこの三人の男達に、それを防ぐ術は無かった。
「……あ…う…」
交わる視線を通して、リオの魅了の魔術が二人の男に叩き込まれる。
二人が握り締めていた剣が、同時に滑り堕ちた。
「ふふふ♪ そう、いい子♪ 私、おじさん達の事好きになっちゃうかも♪」
あー、と痴呆のように二人の男が呻いた。
その瞳は、ガラス玉のように虚ろだ。
男達はリオの据え膳と化していた。
「くすくす♪ 本当に美味しそう♪」
最早リオの目には男達は餌にしか映っていない。
120 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:03:28 ID:53go2DFl
この時少女は気付いていなかった。
自分の心が、すでに人でなくなっている事に。
(体、熱い。力が、漲ってくる♪)
生まれ変わったようだった。
だがその力は邪悪なものだ。魔物として、人を喰らう為の力だ。
その力をどす黒い衝動の赴くままに行使する。それが何と心地良いか。
(あはっ。気持ちいい♪)
殺気を漲らせていた男達がリオの魅了の魔術に心を食われ、呆然としていた。
レイプする――そう宣告されればそれに大人しく従い、時が過ぎるのを待つ。
心を殺して、人形のように言いなりになる――あの頃とは違うのだ。
今は、その逆。食う側なのだ。
リオは思わず笑みを浮かべた。
幼い顔が歪む。それは本物の悪魔の笑み。
快楽を得る為なら人を貶める事も厭わない、そんな極悪人の笑み。
(…このおじさん邪魔)
繋がったままの男を蹴飛ばす。
がす。男の体が宙を舞った。
「え?」
リオの方が目を丸くした。
蹴られたボールのように、気絶していた男は遥か後方へと吹っ飛んだのだ。
そしてノンバウンドで数メートルほど飛行した後、木の幹にぶつかってやっと止まる。
「え? あれ? やりすぎちゃった?」
さっきのセックスで誤って『吸い過ぎた』せいで彼に精は残っていない。
用済みなので多少手荒に扱っても大丈夫――そうは思ったがまさかあんな盛大に飛ぶとは。
(力の加減、難しいなぁ)
ひょっとしたら、戦士としての父親の血が影響しているのかもしれなかった。
剣神とまで謳われた男の娘なのだ。
人外化の影響もあって、今の肉体のスペックは予想以上に高いらしかった。
(剣も魔術も使えなかったのに、人間止めたらその両方が同時に出来るようになるなんて)
なんとも皮肉な話だ。しかも力を持て余している。
「ふふふ。だったら、おじさん達は練習相手かな?」
無害化した男二人を見据えて、ふと気付いた。
「んー。この格好じゃあんまりかなぁ?」
白のネグリジェを見下ろすと、腕を組んで考える。
折角淫魔になったのだからもっと色っぽい格好の方がいいだろう。
それにこの服は嫌いだ。
外に出る事が少なかったリオは、寝巻き姿でいる時間が多かった。
このネグリジェもそう。愛用していたのだ。
つまりこれは人間の――あのひ弱なリオ=リビディスタの証のような物なのである。
「おじさん達ちょっと待っててね?」
ぴょん、と反動を付けて起き上がる。寝そべった猫が飛び起きるような動きだ。
相手をしてもらう筈なのに待ち惚けは少し可愛そうだが、ちょっと我慢してもらおう。
(? 人間止めても、そういう気遣いは出来るんだ? 変なの)
まあ、どっちにしろ食べるものは食べるのだが。
リオは男達の目前で服を脱ぎ始めた。
衣擦れの音を響かせながら、幼子の肢体が晒される。
丸みを帯びた肩。
肩甲骨辺りから伸びる一対の羽。
平らだったバストは、幼子、というよりも成長途中の女子のそれだ。
押せば返しそうな膨らみは、人の頃に比べれば二周りは大きくなっている。
ブラを付けても良いほど成長していた。というか多分姉よりも大きい。
やせ細っていた腹や尻、太股は僅かに肉付きが良くなった。
それなのに腰の細さはそのままで――幼い体が僅かに色っぽく成長したのが分かる。
尾てい骨から伸びた猫の尻尾と矢じり型の尻尾が、色気にアクセントを加えていた。
(…何だか『また』やらしい体になってる気がする)
『リオっちってさ、何だか発育いいよね?
そのオッパイとかパセットよりも大きいんじゃない!? けしからん!』
121 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:05:26 ID:53go2DFl
パセットが以前そんな事を言っていたのを思い出す。
そんなに気にする事でも無いだろうに。やっている事はどんぐりの背比べだし。
それが今では――可哀想に。今では確実にこちらの方が大きい。勿論胸の話である。
まあそれは兎も角。
脱いだ服を陽光に透かせる。
(少し勿体無い気もするけど…人間を止める、踏ん切りくらいにはなるかな?)
軽く上方へとそれを投げ放った。
風に吹かれ、重力に引かれ、芯を持たない衣服がひらりひらりと落ちる。
その瞬間、リオが目を見開いた。
赤い瞳の中で縦長の瞳孔が細まり、頼りなく宙に漂う衣服を捉える。
「しゃっ!」
目にも留まらぬ速さで、上方の空間を引き裂いた。
僅かに遅れてバラバラに引き裂かれた、ネグリジェだった物が舞い落ちてくる。
「あはっ♪ 上手く出来た♪」
陽気に笑い、自分で喝采する。
その指先からはナイフかと思うほど鋭い、紅い爪が伸びていた。
これで宙に舞った寝巻きを切り裂いたのである。それも一瞬で。
昔、稽古場にいた父親に見せてもらった芸なのだが、それを真似してみたのだ。
やはり自分は父の娘だ。健康的な肉体なら戦士として戦う事も出来る。
「――これで、すっきりしたかな? さよなら、過去の私」
さよなら弱い私。
さよならパセットちゃん。
さよならお父様。
さよならお義母様。
さよならお姉様。
そしてこんにちわ。淫魔の私。
(さあ。想像しよう。良家のお嬢様が不良になって、淫魔へと身を落としたら)
そんな娘はどんな格好が似合うだろうか。
頭の中でイメージを膨らませると、欲望に忠実な魔力はすぐに反応した。
黒い霧が溢れ、眩しい少女の裸体を包む。
それは黒いワンピースとなって具現化した。
幼い体のその手を。肩を。胸を。腰を。黒い生地となって包み込む。
生地の裏側には多量のフリルを。
ブーツはパンプスだ。
下はどうしようか。黒のガーター?
流石にまだ似合わないだろう。もうちょっと成長したら付けてみようと思う。
だからそれまでは黒のストッキングで代用。
頭には勿論ヘッドドレス。
それも猫耳の可愛らしさの邪魔にならない程度に、つつましいサイズだ。
「――こんな感じ、かな? おじ様方、いかがかしら? なんちゃって」
スカートの端を摘み、くるり、とその場でターン。
涎を垂らして『待て』の状態である男二人の顔色を伺う。
彼らの瞳には、黒いゴスロリ服を着、猫耳を生やした悪魔が映っていた。
男の目を鏡代わりに、リオはポーズを付け、角度を付け、自身の姿を吟味する。
何しろ生まれ変わった自分のデビュー戦。
淫魔として、女として、格好に手を抜く訳にはいかなかった。
「――色気が足りない」
ぽつりと呟いた。
これでは只のゴスロリ娘だ。
ワンピースの内側から羽や尻尾は生えているが、それだけじゃ味気無い。
何よりこれは人間の着る服だ。
(もう少し、淫魔らしくならないかな?)
再びイメージ。ゴスロリ衣装は脛付近以外を殆ど覆ってしまう。
それでは淫魔の肉体が隠れてしまって、意味が無い。
122 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:07:50 ID:53go2DFl
そうだ。スカートを切り裂いてしまおう。
再び黒い霧が溢れ出す。
黒いつむじ風が軽くスカートを撫でた。するとどうだ。
スカートの前面と後ろ側に大きく裂け目が出来る。スリットだ。
そうだ。胸元も少し開けよう。
自慢できる程のものではないが、喉、首元、それに丸い肩を見せればそれだけで色っぽい。
黒い霧がゴスロリ服を削り取り、胸元と肩の生地が消滅。
黒のパンプスも何だか味気ない。その先端にデフォルメ気味のドクロの飾りを添える。
そうだ。どうせなら背中もばっくりとやってしまおう。
ワンピースの背中側がVの字に切り裂かれ、見る見るうちにその面積が狭くなる。
生地は腰の辺りまで消滅し、羽の生え際どころか肩甲骨、それに背骨までが見える。
スカート部の背面のスリットからは二種類の尻尾が顔を覗かせる。
悪魔の尻尾にはピンク色のリボンを。猫の尻尾には鈴を取り付けた。
スカートの切れ込みは長く、深い。
尻尾が少しでもスカートを押し上げれば、その向こうにある桃尻が見えそうになる。
前面もそうだ。
スリットは内股まで伸びており、見る者が少し屈めばその内側を覗いてしまうだろう。
下着はいらない。
その方が、男達は喜ぶし、こっちも興奮する。
何よりセックスをする時に脱ぐのが面倒臭い。いや、ずらせばいいのか。
それともパンツごと挿入? それも一度やってみたいかもしれなかった。
(ふふふ。私もすっかり変態さんだね)
そうだ。色っぽさと言えばこの髪、もう少し長い方がいいだろうか?
短い方が動きやすいが、セックスの時、長い方が跳ねたり波打ったりして面白い。
何より髪型だって好きに変えられる。
(よし、やろうっと)
髪質はそのままストレートで。長さは肩に掛かる程。
リオのイメージと同調して黒い霧が桃色の髪にまとわり付いた。
その髪が霧を吸収して、しゅるしゅると伸びていく。
「これでいい、かな? ――あ、あれ?」
伸びた髪を一房手に取り、視界内へと移動させてみると、期待していたものと少し違った。
黒い霧で延長した部分は、鮮やかなピンクではなく濃い紫色だったのだ。
どうやら魔力で編み出した髪は、本来の色とは違ってしまうらしい。
「…ピンクがいいのに」
(ネーアさんも、パセットも褒めてくれたから)
まあよしとしよう。グラデーションが掛かった髪も中々面白い。
色も、艶っぽさという点ではクリアーしている。
でも髪は自力で伸ばして、最後には全てピンク色にしようと思った。
「さあ、今度はどうかな?」
完成した淫魔の姿で再びターン。スカートは摘まない。
自由気ままに手を広げ、回転する。
広げた上腕の下、健康的な脇が剥き出しになる。
バイオレットの髪先の下から、うなじが覗く。
尻尾の下から、愛らしい尻肉が弾むのが見えた。
風に煽られたスカートが僅かに翻り、毛も生えていない少女の性器が晒される。
それらは全て一瞬。
ターンが終われば、爽やかな陽光の下、リオの甘いフェロモンが辺りに香っていた。
悪魔『シュトリ』の読心の力が、男達の精神を読み取る。
さっきの只のゴスロリ服より、遥かに興奮しているようだった。
「……はぁ……はぁ……」
興奮の吐息を放つのは、は男達だけでない。リオもだ。
生まれ変わったこの姿に、気分が高揚している。
「ふふふ。どうですか? 私のこの姿…気に入ってくれましたか?」
高鳴る胸の動悸が、興奮が心地良い。
散々待たしてしまったのだ。魅了の魔術で精神支配しなくても、押し倒されるだろう。
というか精神支配を解いた。
123 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:10:03 ID:53go2DFl
「待たせちゃってごめんなさい」
悪びれる風でも無く謝り、だがその代わりに地面に四つん這いになった。
尻側を男達の方へと向け、背中越しに視線を送る。
眉をハの字に寄せ、何かに期待するように濡れた瞳。
愛らしい口から、はあ、と熱い吐息を漏らし、興奮に頬を紅潮させている。
そんな、歳に似合わない流し目を男達に送った。
「もう、『いいですよ』?」
両腕と膝で体重を支え、尻を高く持ち上げる。
スリットの向こうから生える二本の尻尾がスカートを割り開き、ぷりんとした尻を見せた。
「にゃぁん…♪」
尻尾と一緒に尻をゆらゆらと揺らす。
ちりちりと鈴の音が響き、スカートの中からリオの甘い匂いが撒き散らされた。
そこで二人の男は獣へと身を落とした。
***
先を争うように二人の男が同時に手を伸ばす。
折角作り出したゴスロリモドキの服を引っ張られ、皺が寄ってしまった。
「はあっ! はあっ! たまんねっ! 幼女の体っ」
「きゃぁんっ♪」
ベタベタと汗まみれの手で衣服の中へと入り込み、無遠慮に撫で回される。
膨らみかけの胸を力強く揉みしだかれ、僅かな痛みを感じるが、それでも淫魔の体は反応。
じゅくり、とヴァギナから蜜を吐き出す。
「あぁんっ♪ はやくぅっ、おじ様達のおチンポ、リオにハメハメして下さいぃ♪」
何もまぐわりが待ち遠しかったのは男達だけではない。リオ自身もだ。
先程の男は飢餓感に耐え切れず、一瞬で吸い尽くしてしまって『味わう』暇も無かった。
だが今は違う。
体が完全に覚醒した今なら、性欲に振り回される事も無い。ある程度なら抑制出来る。
つまりじっくりと、男達の精を味わう事が出来るのだ。
それをさっきから期待しているのだから卑猥な言葉の一つも出てしまう。
「このっ、雌ネコがっ! なら遠慮無くくれてやるよ!」
ずりゅりゅぅっ!
「うにゃぁぁあぁっ!!?」
(あ、熱いっ、これが、男の人のおチンチンっ)
一息に突っ込まれた肉棒の感触に思わずうっとりしてしまう。
肉ヒダをかき回す立派な雁首。
子宮口を穿り返す亀頭。
胴の弾力。それに熱さ。
何よりもそれに詰まった精気の濃度に淫魔の本能が涎を垂らした。
「おいしっ、美味しいよぉ♪ おじ様のおチンポっ、美味しすぎるよっ♪」
肉棒を味わおうと膣に力を込める。
敏感な膣はエラの深さ裏筋の感触、浮き上がった血管にいたるまでその形状を把握する。
(あっ、このおじさんのチンポ、長ぁい♪)
さっきからぐりぐりと子宮口が抉られている。
これでがつがつと犯されたらどれだけ気持ちいいだろうか。
「はぁっ! くそっ! ただのビッチだと思ってたら、なんて絞め付けしてやがるっ!」
挿入しただけだというのに男は息を切らしている。
乱暴に犯されると期待していただけに、肩透かしを喰らった気分だった。
(ふふふ。面倒なおじさん。少し煽ってあげないと♪)
「にゃー…? おじ様、もうギブアップですかぁ?
ふふふ、だったら無理なさらなくてもいいですよぉ?
リオはぁ、もう一人のおじ様とエッチしますからぁ♪
そこで大人しく見ていてください♪」
「な!? なめんじゃねえぞっ、このメスガキ!!」
効果覿面。
プライドを傷付けられた男は挿入したままのイチモツは引き抜き、すぐさま撃ち込んだ!
124 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:11:59 ID:53go2DFl
ぐちぃっ!
「んにゃあぁぁああぁっ!?」
がつん、と子宮が揺さぶられ、快楽が弾けた。ハンマーで頭を殴られた気分だ。
「はあっ! はあっ! ガキがっ! 調子にっ! 乗ってんじゃねえぞ!!」
「あっ! にゃっ! にゃあぁ! にゃぁう!」
ぱつっ! ぱつっ! ぱつっ! ぱんっ!
(あはっ♪ やっぱりっ。おじさんの長チンポっ、子宮にがつがつ当たって!)
バックスタイルで犯される。
まるで畜生でも扱うように――いや半分そうなのだが、乱暴に扱われる事に興奮する。
それでなくても後背位というのはより深く結合出来る体位の一つだ。
さっきから、子宮に穴でも空け、とばかりにペニスが撃ち込まれ、昇天しそうになる。
(でも、やられっぱなしじゃ…ないっ)
イニシアチブを取られっぱなしというのは癪だ。
快楽を貪るのも悪くないが、やはり男を手玉にとってこその淫魔なのだから。
という事で反撃開始。
シュトリの力で、この男の弱点を探る。
(――ふふふ。やっぱり、基本は先っぽだよね♪ ――あ、カリも弱そう♪)
一人目の男でコツは掴んだ。同じ要領だ。
ピストンのタイミングに合わせて膣圧を変化させ、カリの部分を締め付ける。
「ぐあっ!?」
「あはっ♪」
背中越しに男の顔が快楽に歪むのを見た。
その表情に背筋がゾクゾクしてしまう。思わず、ぺろり、と舌なめずりをしていた。
「ふふふ。ここですかぁ? ここがいいんですよねぇ?」
背中越しに流し目を送りながら、腰を使う。
ペニスを咥えたまま捻り、絞め付け、或いは回転させる。
そうして膣圧をコントロールされた肉のチューブがピンポイントで男の弱点をつくのだ。
密度が濃く、彫りの深い肉ヒダを強く押し当てられ、擦られ、男は呻き声をあげた。
「あはっ…はぁっ…♪ あにゃぁん♪ ほーら、おチンポ、ぐりぐりぃー♪」
「ぐっ、このっ、うあっ! 畜生っ」
「はあっ! はぁ! おじ様は、楽にしてていいんですよぉ?
リオがぁ、ちゃぁんと気持ちよくしてあげますからぁ」
男を手玉に取る快感にリオは上機嫌になった。
あん、あん、と甘く喘ぎながら男を徐々に追い立てる。
挑発するように二本の尻尾をゆらゆらと振って――
「だから、調子に、のるんじゃねぇ!」
その二本の尻尾を一纏めに掴まれた。
予想外の衝撃がリオを襲う。尻尾が敏感だったのだ。
掴まれただけでびりびりとした官能が下半身へと流れ込み、力が抜けてしまう。
まずい――と思った瞬間には、力いっぱいそれを握り締められた!
「ぎにゃあぁぁぁぁっ!!?」
まるでクリトリスを思い切り抓り上げられたような衝撃。
激痛とそれを上回る快楽が二本の尻尾から同時に流れこんで腰砕けになってしまう。
あまりの刺激に、目がチカチカしていた。
(し、尻尾、こんなに敏感だなんてっ)
「へへっ、こいつはいいなっ、ほれほれ、さっきまでの威勢はどうしたぁ!?」
きゅっ! きゅっ!
「あっ!? にゃぁっ! それぇっ! だめぇ!」
リズミカルに尻尾を握り締められる。
そして力が抜けたところに再び強烈なピストンが開始された。
ぱんっ、ぱんっ、と恥骨同士がぶつかり合う音が響く。
「あっ!? にゃあぁっ!! だめっ! 変ににゃるぅ!
おかしくにゃっ――んあっ!? にゃんっ! あんっ! にゃぁんっ!」
「まだまだ、だぜ!」
「ひにゃぁっ!?」
羽の生え際にざらりとした感触。
125 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:14:01 ID:53go2DFl
(な、舐められてるっ! 私の羽、べろべろされてるっ)
尻尾を握りながら、男が舌を這わせてるのだ。
羽は尻尾ほど敏感では無いが、どうもその生え際は別らしい。
尻尾動揺、びりびりとした快楽が背筋を駆け上がり、脳を焦がす。
「あっ! あんっ! にゃんっ!」
バックで犯されながら。
「にゃっ!? にゃぎぃぃっ!?」
尻尾を弄ばれ。
「にゃぁあっ…!」
羽を舐めしゃぶられる。
(ダメぇ…気持ちよすぎるよぉ…!)
もう頭がおかしくなりそうだった。
このままプライドも意地も快楽に流されてもいい、そんな事を思った。
その時だ。
「おいおい、いつまで仲間外れにさせとく気だ?」
三人目の男が、イチモツを曝け出したまま眼前に立っていた。
快楽に濁った目で見上げると、三人目の彼は不敵な顔をしながらこちらを見下ろしている。
二人目と夢中になっていたせいですっかり忘れていたが、彼らは三人組だったのだ。
一人、ずっと待ち惚けにされていたのである。
「ほらっ、お嬢ちゃんっ、俺も気持ちよくさせてくれよな!」
「むぐぅっ!?」
快楽に喘ぐ小さな口に、容赦なく二本目の肉槍が突き込まれる。
(んにゃぁっ…このおチンポ…っ、凄い匂いっ)
体質だろうか。他の二人に比べて雄の匂いが濃厚だ。
咥え込んだ状態でもイカ臭い香りが鼻腔をついた。
昨日までの自分なら吐き出していたかもしれない。だが今は。
「んにゃぁ♪ ちゅっ、ちゅううっ…れろっっ…! はぁっ、臭チンポ♪
美味しい…ちゅるっ、じゅうっ…! 美味しいにゃぁ♪」
目の前に精気が詰まった玉袋が揺れている。
悪臭を放つペニスはそれだけ精気の濃度も高い。
ネコマタの本能が濃い精を嗅ぎつけて咥内の腐肉にメロメロになってしまう。
「こいつっ、美味そうに俺のしゃぶりやがって――うおっ!?
舌がっ、ざりざりしてっ、やべ!」
ピストンが開始された。
自慢の気を乱雑に掴まれながらのイマラチオ。まるでオナホールにでもなった気分だ。
「おらおら! もっと腰使えよこの発情ネコ!」
「淫魔じゃなかったのかよ? チンポ咥えてるだけじゃねえか!? この肉便器が!」
(私、レイプされてる♪ 輪姦されてるよぉ♪)
獣の姿勢で前と後ろからサンドイッチファック。
頭上から浴びせかけられる罵声。
自分が獣どころかただの道具まで成り果てた気がして――ぞくぞくした。
(あっ? おマンコ、きゅんきゅんしてきたぁ♪ イッちゃう、私イッちゃうよぉ♪)
もうどうでもいい。
このままペニスをしゃぶりながら、一度果ててしまおう。
だがその後は――
「はあっ! はあっ! 出るぞ! 中出しするぞ!
この淫売っ! 良かったなっ!? てめえの子宮に俺のザー汁注いでやる!」
「んむぅぅぅぅ!?」
ぎちり、と子宮口にペニスが食い込む音を聞いた気がする。
(おチンポ、中に入ってるぅ♪ 子宮に直出し、されちゃうぅ♪)
男の長めのそれはまさに肉槍となって子宮の中へとその先端にめり込んだのだ。
僅かな痛みと法悦。相反する刺激にリオは高みへと押し上げられた。
同時に男も果てる。
「ぐおぉぉぉぅっ!!!」
びゅるっ! どくどくどくっ!
(んにゃあっ♪ あついっ…! あついよおっ♪)
126 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:16:21 ID:53go2DFl
収縮運動する子宮の内側に精液が叩き付けられる。
アドニスの種子が体液を啜って成長し、更に精気を吸ってネコマタの本能が悦ぶ。
「くっ、こっちも出すぞおぉぉっ!!」
びゅくっ! どぷどぷどぷっ!
そして口の中に続けざまに吐き出される精。
(こっちは、とっても濃厚♪ 臭くて、ドロドロで、堪らないよぉ♪)
「ぐぁっ! はあっ! まだ、絞め付けんのか!?」
「はぁっ! 口マンコっ、たまらんっ! 搾り出されるっ!」
二本の肉棒を上と下の口でしっかり咥えて逃がさない。
絶頂の瞬間。粘膜同士を通して、彼らの肉体からも直接精気を吸い取る。
二人の男は射精の快感に酔い痴れながら、精を搾る取られるのだ。
――やがて射精を終えた男達は、どちらからともなくペニスを引き抜く。
そして荒い息を吐きながら、その場にへたりこんだ。
一度の性交でへばってしまう彼らが情けないとは言えない。
精気を吸われたせいで、消耗が通常の性交よりも遥かに激しいからだ。
ところがリオの方はと言うと。
「んぐっ、ちゅるっ――ごくっ――んくっ」
咥内に吐き出されたスペルマを舌の上で何度も転がして、味と臭いと感触を十分に愉しむ。
三人の中でもっとも濃く、美味なそれを愉しむと、ゆっくりと嚥下していく。
「ぷはぁ♪ 美味しかったぁ♪」
そしてあれだけの扱いを受けていたのにも関わらず眩しい笑顔を浮かべる。
――かと思ったら淫蕩な笑みを浮かべて、舌なめずりをした。
(ふふふ♪ それじゃ、今度は私の番だね♪)
散々犯されたのだ。お返してしないと気が済まない。
自分の口にペニスを突っ込んだ男に四つん這いで這いよっていく。
「ねーおじ様? リオ、おじ様のチンポ気にいっちゃった♪
とっても臭くて、濃厚な精気なんだもの♪ だから今度は下のお口で飲ませて♪」
「…まじかよ…少し、休ませ――あが!?」
萎えかかった肉棒を鷲づかみにして力を込めた。
男が痛みにのたうつ。それが何だか可愛くて、ぞくぞくして、うっとりと見詰めてしまう。
「あのね? おじさんの早漏クサチンポがもう役立たずっていうならね?
ここで握りつぶしちゃってもいいんだよ? でもそんな事したらおじさん死んじゃうし。
そんなの可哀想だから、こうやってお願いしてるの。分かるよね?」
「分かった! 分かったから勘弁してくれ!」
「ふふふ。そうこなきゃ♪ 足腰立たなくなるまで、エッチしようね♪」
楽しげに笑うリオの瞳が捕食者の目つきに変わった。
***
「あんっ♪ あんっ♪ あんっ♪」
森の中、少女の甘い喘ぎが響く。
リオが淫魔に覚醒してからもう一時間近く経とうとしている。
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ。
卑猥な音を立てながら、彼女は三人目の男を押し倒し、騎乗位で繋がっていた。
熟練の娼婦のように、腰を捻り、回転させ、前後左右、角度をつけながら、男を責める。
「はぁっ! はっ…! もっ、出るっ! またっ、出ちまうっ! ぁあああぁぁっ!」
びゅるっ。ぴゅるる。
「ふにゃぁ♪ 出た出たぁ♪」
子宮に流れ込んでくる精の感触に、うっとりとする。
(んにゃぁ…気持ち良い♪ でもちょっと少なくなってきたかなぁ?
まあ仕方ないよね? もう五回くらい出してるし)
これでも三人目、一人目、三人目、二人目、三人目、一人目、三人目、二人目――
と言った具合にローテーションを組んで交わっていたのだが。
少しづつとはいえ精気を吸ってしまうとそれだけで男の消耗は激しくなる。
もうこの男の精も大分薄くなってしまった。
残り二人など今にも赤球が出そうなほど疲労している。
(まぁ、こんなものなのかな?)
127 永久の果肉5 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/08(月) 18:19:29 ID:53go2DFl
デビュー戦としては上々の結果だろう。何よりセックスの素晴らしさを知った。
「おじさん達、ありがとう♪ 私、とっても気持ちよかった♪
機会があったらまたしようね♪」
ちゅ♪ ちゅ♪ ちゅ♪
ご褒美に三人の頬にキスをする。
精気を吸われて痩せこけた頬がほんのりと赤く染まったのは気のせいか。
リオはあえて彼らの心を読まなかった。
「さて――どうしよう、かな?」
立ち上がり、んー、と大きく伸びをする。
体中に力が漲っていた。男達から吸収した精気がリオの魔力へと変換されているのだ。
お肌がつやつやになっている気がする。
(ふふふ。今ならなんでも出来そうな気がする)
精気を大量に摂取して、ネコマタとしての本能は満足してしまった。
だがこの身にはあと二つ、人外の衝動に飢えている。
悪魔シュトリは女の弱みに付け込み、堕落させるという本能を持っている。
堕落させた女に悪魔の邪な魔力を送り込み、魂を穢して自分と同じ悪魔へと変えるのだ。
そして子宮には順調に成長するアドニスの種子がある。となればする事は。
「次は女の子とエッチかな♪」
通りすがりの女を犯すのもいい。
だが完全な魔物となったこの体では結界を突破する事は不可能だ。
結界の無い正門を通る手もあるが、人外とバレた時は面倒な事になる。
目立ってしまえば森で休息しているネーアも含めて今後動き辛くなるだろう。
となると――どうするか。
「――あ、そうだ。結界、解除してもらえばいいんだ」
魔物になってすっかり忘れていたがこの身は元々リビディスタ家の令嬢だ。
そして足元には気絶した男が三人。
これらを駆使すれば、結界内に張り込む事なんて造作もない。
「ふふふ♪ こういうのが悪巧みって言うんだろうね♪」
そうと決まれば行動開始だ。
リオは足元に転がる三人の男の内一人の足を引っつかむ。
「上手くいくかなー♪」
ずりずりずりずり。男を引きずり、歩き出す。
男は上半身を覆う甲冑を着たままなのに、全く重さを感じない。
人外の体を誇らしく思いながら、リオは足取りも軽く、森の中を歩いた。
***
以上で第五話終了です。変身シーン力入れすぎたYO!
最近やったエロゲーで猫耳悪魔ロリっ子とか二匹程見かけたので思い切って採用しました。
反省も後悔もしてません。むしろなんでもっと早くこれを考え付かなかった俺w
うん。やっぱり悪堕ちだね! 書いていて楽しかった!
私も一度幼女に押し倒されてみたいです。
チャームなんか使われなくても一秒で堕ちる自身がありますw
次回は久しぶりにマリオンのターンです。過去花とかやる予定です。
Hシーンが入るかどうかは、ちょっと分かりません。入れられる、かな? 無理、かな?
まあ、ゆるーくお待ち下さい。
感想もお待ちしております。
また、誤字や脱字、気になる事があれば遠慮なくご報告下さい。
ミスの指摘『だけ』ならこちらも歓迎ですから。
あと、補足というか蛇足ですが。
『シュトリ』という悪魔は私の過去作品で一度出てきてますね。
女の子を堕落させて自分と同じ悪魔に作り変えてしまう、素敵な魔物です。
ここで投下した作品ではありませんがエロパロ板内のものです。
兎も角、舞台も時代も違うけど世界設定は共通という事で。
長々と失礼しました。今回はこの辺でお暇します。そして、いつもの、
ようじょ、ばんざーーーーい!!!
永久の果肉4
52 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/01(月) 17:49:19 ID:HoCjqtG/
皆様お待たせしました。
永久の果肉、続きです。
しかし前回投稿分のレスを読ませてもらいますとロリコン変態紳士様がなんと多い事か。
話やキャラもそれなりに練り込んでくれるので感情移入してくれるのはほんと嬉しいです。
仕事のし甲斐もあるというものですな。
さて今回のお話ではエチ無しの予定でしたがほんのちょっと入れました。
シチュは『触手が刺さったままでピロートーク』。みたいな?
うん。一応NGワードも書いておきましょう。
(本番無し、微エロ、ピロートーク、ネタバレ過去話、糖分多め)
ネーアが過去話を語ります。
無限の果肉のおさらいと、その結末についてですね。
あわわ。こんな中途半端な形で終わらせてしまってほんと勿体無い事をしてしまった。
重ね重ね、皆様にはご迷惑をおかけします。
うん。前書きも長いですね。この辺りにしておきます。
では、ごゆっくりどうぞ。
以下本編で11レス消費します。
77 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:42:44 ID:EDjw+FzK
あー。皆様、ご心配をおかけしました。乙×風です。
ちゃんとこれからも投下し続けますのでご安心下さい。
というか私のキャラがどうにも一人歩きしていますねw
私は只の幼女が好きな訳ではありません!
ヤンデレロリッ子。ロリババア。それにエロリっ子が好きなだけの只のおたくです!(キリッ
それはともかく。先日のようなサイバーテロはもうこりごりですな。
タイミングも悪かったですが……なんで前書きだけ投下出来たのか不思議です。
お陰で図らずとも皆様に対して壮絶な焦らしプレイをw
何やら今週の土曜日に第二波があるとかないとか。どれだけ暇なんでしょう。
まあ、愚痴っても仕方ないですね。
ここから先が本編となります。NGワード等は月曜日のレスにて確認下さいませ。
ではごゆるりと。
78 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:45:07 ID:EDjw+FzK
第四話 血の秘密
激しい性交の直後、ネーアは後悔していた。
(や、やっちゃったぁっ)
「あたしの馬鹿、馬鹿っ、やりすぎよぉっ」
白目を剥いて気絶しているリオを見下ろしながら、ネーアは頭を抱えていた。
よほど具合が良かったのだろう。
少女は潮とか尿とか精液とか愛液とか、諸々の体液を結合部から噴出している。
それを美味しそうだなぁ、と見詰めて――顔を振って邪念を払った。
「反省しなさいよあたし…」
(うわもう自己嫌悪で死にたいわ)
病弱な人間の娘をどれだけ徹底的に陵辱すれば気が済むのだ。
いや、でもリオに限っては普通の女の子と一線を画していた、というか。
父親の調教のせいか、もう、兎に角エロかった。
(人間じゃなくてサキュバスか何かじゃないのこの娘?)
当人の話を聞く限り父親も母親も人間のようだが。
ネーアはさっきリオを犯しながら一瞬背筋に冷たいものをが走ったのだ。
スイッチが切り替わってまるで別人のように、淫乱に豹変したリオ。
フェラをした直後と同じだ。この娘は何か一定の条件で、性格が反転している。
気がする。気がするだけ?
(でも、一瞬、この娘、瞳の色が変わったような?)
紅と蒼のオッドアイが、両方とも血のような真紅に変わった気がする。
「まあ、あんまり考えてもしょうがないわよね」
今は目下、マグロ状態になってしまったリオの安否が心配だ。
体に相当な負担が掛かった筈だ。
フェラの時飲ませた蜜は、こんな虚弱な娘に種付けをする為に、滋養効果があるものだが。
一体どれほど効いているのか。
これでもし死んだりしたら夢見が悪くなるなんてレベルの話じゃない。
一生もののトラウマになりそうだ。
(ああ、それにしても。
気絶してるのにリオのアソコッたら今でもキュウキュウ締め付けて、たまんないわ)
「ってだから自重しなさいあたし」
これ以上負担を掛けるのも可哀想だ。
種子の定着を助長する為にも生殖器で子宮に蓋をした方がいいのだが、今は抜いておこう。
「――ぬいちゃ、や、れすぅ…」
「り、リオ!?」
呂律の回らない声が耳朶に沁み込んだ。
うっすらと開いた瞼の下のオッドアイが、こちらを見詰めていた。
大した体力だ。あんなハードプレイの後、すぐに喋れるようになるなんて。
虚弱体質とか信じられない。
「貴女、大丈夫なのっ?」
「んん…っ、気持ちよかったれふぅ…」
「いやそうじゃなくて」
(あー、そんな口が利けるなら大丈夫かしら)
なんだかどっと疲れた気がした。
最近体力的にも精神的にも疲労が絶えなかったし、種子を植え付けるのも消耗するのだ。
暫くは活動を控えた方がいいかもしれない。
「リオ。悪いけど少し体動かすわよ」
「ふえ? ――ぁにゃぁんっ」
小さな体に触手を巻きつけて持ち上げる。
雌しべの触手は突き刺さったままだ。
そのまま自分の胸へと抱き寄せて、徐々に体に巻きつけた触手の力を弱めていく。
すると当然、重力に引かれてリオの体は下降して、
「あっ!? にゃっ! あぁっ! ふかっ、いっ、よっ! あ、はぁっ…!」
花冠の中心部から真上へと生え出した雌しべ触手へと体重を預ける。
きゅうきゅうと敏感な触手が締め付けられて、うっとりとしてしまう。
「大丈夫。大丈夫よ、リオ」
はあ、と熱い吐息をリオの前髪に噴きかけながら、彼女の体をしっかりと抱き締めた。
79 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:46:41 ID:EDjw+FzK
幼子独特のぷにぷにとした感触が堪らない。久しぶりの人肌の温もりに心が癒される。
「はぁ、はぁっ、…んっ…ネーア、さん?」
「なぁに?」
「わたし、ネーアさんのものに、なったんですね」
「ええ、そう。種子はちゃんとリオの子宮に定着している。
あとは『栄養』をあげれば、立派なアドニスが咲くわ。
そうすれば、リオはあたしと同じになる」
もう、戻れないわよ。
桃色の髪を梳きながら、静かに付け足した。
「ネーアさん。私、後悔してませんから」
きゅう、とリオから抱きついてきた。
まるで赤子が母親に甘えるように。
いや、実際そうなのかもしれない。
誕生と共に母を失い義母から憎しみを受けて育った彼女は誰にも甘える事は出来なかった。
(あたしが、お母さんの代わりなのね)
まあ、それもいいだろう。
誰にも甘えられない孤独は『誰よりもこの自分が知っている』。
だからこそこの子を仲間にしようと思ったのだ。
あまりにも不遇な彼女を、自分と重ねて。
「あたしって、ひょっとして信頼されてる?」
冗談交じりの問い掛けだった。
リオが顔を上げる。どこまでも屈託のない、太陽のような笑顔がそこにあった。
「はいっ」
その余りにも真っ直ぐな表情に思わず顔を赤くしてそっぽを向く。
背中がむず痒いような、でも心地良いような、何だか複雑な気持ちだった。
本当に我ながら、人間臭い魔物だな、と思う。
「も、もう変な子ね。
酷い事ばっかりされてきたのに、そうそう簡単に誰かを信用出来るものなの?」
「ネーアさん、優しいから」
「…そうでもないわよ」
そうだ、優しいなら、後先考えずあんな陵辱まがいの性交など誰がするものか。
自分は魔物だ。本能の赴くまま女を犯して、種を植え付け、快楽を貪る化け物だ。
「覚えておきなさいリオ。人を止めたら、本能に抗えなくなるわ。
どれだけ理性を保っても、魔物としての衝動には逆らえないの。
例えそれが、大切なものを傷付ける事になってもね」
「私の事、心配してくれたんですか?」
「そりゃ、そうよ。病弱だ、ってきいてたから。
だからあたし、もっと優しくするつもりだったのに。それなのにあんなに激しくして。
本当、馬鹿よねあたし。最低だわ。ごめんなさいリオ」
「ほら、やっぱり優しいじゃないですか」
「え…?」
リオはずっと笑顔だった。
「私の事、気遣ってくれてる。
出会ったばかりなのに、家族みたいに、心配してくれる。
それに自分のした事を悔やんで、それにちゃんと謝ってくれました」
「…だってそれは、その、当然じゃないの…?」
「私の家族は、そうじゃなかったですから」
「そう……大変だったわね…」
「そうですけど、でも、おかげでこうしてネーアさんと出会う事が出来ました。
お義母さまに殺す、って言われなかったら、私達、出会う事もなかったと思うんです。
だから、お義母様にもお父様にも、少しだけ感謝してるんですよ」
あんまりにも健気だった。
誰だこんな子を殺すとか言う母親は。見つけていびり倒してやる。
父親もだ。オナホ触手で赤球が出るまで精を吸い尽くして裸に引ん剥いて逆さに吊るすぞ。
(それに比べてリオったらっ)
「ああんもう可愛い!!」
80 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:48:25 ID:EDjw+FzK
リオの可愛さに胸がきゅんきゅんした。
母性が疼いて猫可愛がりしたくなる。
というか、する。
「きゃ、ネ、ネーアさんっ?」
「可愛い! 可愛い! 可愛い!」
ちゅっ、ちゅっ、と顔にキスの雨を降らせる。
いやらしい口付けではない。あくまでじゃれあうように。
性的な欲求は種付けを行った事で随分大人しくなった。
それでも素面に戻ったリオはこんなキスでも顔を真っ赤にして俯くのだ。
『あうぅ…』とか言いながら。
それがまたとんでもなく可愛く思える。悶え殺す気だろうかこの娘は。
「んー。リオったらこのギャップが堪んないわね♪」
「え? ギャップ、って何ですか?」
「なぁに言ってるのよ。エッチの時なんかもうエロエロだったじゃない?
リオはHの時性格変わっちゃうのね♪」
「あ、あれはっ」
「『セックス気持ちいいよぉ!』とか叫んでたわよねぇ?」
「ちちちちちちちがいます!! あ、あれはっ」
「『触手チンポ、びくびいくしてるからぁ!』とかねぇ?」
「やあぁぁぁぁっ!! 言わないで下さい!! あれは私じゃありません!」
「そーいえば喘いでる時は『にゃーにゃーっ』って、まるで猫みたいだったし」
「ですからそれは…っ、その、つい言っちゃうんですよぉ…」
涙目になりながら弁解するリオに真にハートブレイク一歩手前。
お父様の時はこんなんじゃないのに、と弁明する姿が、もうっ、
「たまらないわぁ! このまま第二ラウンドいっちゃいましょう!?
っていうかするわ! 覚悟なさいリオ! アネモネの真髄見せてあげるわ!」
「いえあの流石に疲れたので今日はお休みさせて下さいー!?」
「あはははっ。冗談よ冗談。そこまで無理させられないって」
「もうっ、意地悪です、ネーアさん」
「ごめんごめん、謝るからさ。許してちょうだい。ね?」
頭を撫でてご機嫌を取る。胸元で、うー、と可愛らしい呻き声が上がる。
『……』
不意に会話が途切れた。
さらさらと、桃色の髪を梳く音が響く。
僅かにそよぐ風が木々を揺らし、虫達が美しい声を上げる。
夜の帳が下りた森に、静かで優しい音色が響いた。
二人の間に舞い降りた沈黙は、気まずい物ではない。
密着した互いの体温から優しさが伝わってくる。
出会ってものの一時間程度しか経っていないのに、二人には確かな絆がある。
それは先程、少女の腹に種子を植え付けた事で確固なものとなった。
「寒くない?」
「ん。平気ですよ。ネーアさん。あったかいですから」
「ふふ。ありがと」
再び沈黙。
このまま少し眠ってしまおうかと思ったが、一つ、気がかりな事があった。
リオの事だ。
セックスの時のあの豹変振り。先程は茶化したが、どうにも引っ掛かるのだ。
それに体液を飲ませたとはいえ情事への耐性の高さ。
瞳の色が変化したのも、気のせいでは無いかもしれない。
「…あ…っ」
「リオ? どうかしたの?」
「あの、その、なんか、お腹、じわあっ、って熱くなって…」
「種子が定着しているのよ。
神経とか、徐々に繋がっていくから、暫くはその感覚が続くわ。
悪いけど少し辛抱してちょうだい?」
「あ、はいっ」
子宮に入り込んだ種子が神経の根を下ろしているのだ。
下腹部が疼くのだろう。リオは触手と繋がったまま腰を揺すり始める。
81 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:50:20 ID:EDjw+FzK
「んっ…はぁっ…んんっ…」
(ちょっと辛そうね)
切なそうに吐息を吐くリオを見ながらどうしたものかと思案する。
そもそも普通なら種子の定着はもっと時間を掛けて行うはずだったような。
(――あ、ら? この子の魔力…上昇してる?)
ふと気付く。
エッチ前に比べて魔力が上昇しているのだ。
それは種子の定着と、彼女の子宮の疼きと同調するように徐々に。だが確実に。
アネモネと化せば魔力は上昇するが、ここまで劇的に変わるものではない。
(もしかしてこの子…)
頭の中である仮説が組みあがった。
成る程、これなら確かに性行為中の、あの豹変にも納得出来る。
「リオ。辛い?」
「はぁ…はぁっ…だい、丈夫です…」
「本当?」
体を少し離し、正面からリオと視線を交わせる。
少女の右目が、ゆっくりと赤と青に明滅していた。
「――疲れた顔をしてるわ。今日はもう寝ましょう?」
返事を待たずに、触手からガスを噴出させる。
アドニスの花本体から生成し、催眠効果を持ったガスだ。
リオが、きゃ、と僅かに驚いた声を上げる。
かと思うとすぐにトロン、とした表情になった。
「あ…私、まだまだ、ネーアさんと…お話、したいのに…。
私、ネーアさんの事、何にも知らない、のに…」
「そういえば、そうね。あたし、自分の事なーんにも話してないものね。
でもそれはまた今度にしましょう? 今は、ゆっくり休みなさい」
きゅ、とリオの顔を胸元に抱き寄せる。
それから丁寧に髪の毛を梳いてやった。
「……ネーア、さん……」
それだけで、この小さな女の子は眠ってしまった。
すーすーと可愛らしい寝息を立てている。
本当に可愛い子だ。
桃色の髪も。甘い匂いも。その仕草も。声も。オッドアイも。
他人を引き付けてやまない。
人間としての理性を残したままとはいえ、人外のネーアが、こうも魅了されたのだ。
彼女の魅力は天性のものだ。
そしてそれは恐らく彼女の母親から受け継いだものなのだろう。
「リオ。貴女、元からあたし達と同類なのかもしれないわよ…」
呟く声は、夜風に流れ、溶ける。
***
メイド達の朝は早い。
この日も、リオの世話係パセットは夜が白み始めると共に目を覚ます。
むくり、と身を起こすと欠伸と共に伸び。
「よっし」
両頬を軽く叩いて気合を入れるとベッドから飛び降りて身支度を開始。
鏡台の前で栗色の髪を梳き始める。
「あー。今日も頑固者ですなー」
パセットは癖毛持ちだ。
頭頂部から耳辺りに掛けて髪が外側へと跳ねる。
そのせいで、犬耳に見えなくもない髪形になってしまう。
「リオっちの髪はあんなにサラサラなのにねー。
ええい! 遺伝子の性能の差が外見の決定的差ではない事を、教えてやる!」
82 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:52:08 ID:EDjw+FzK
意地になって髪を触る。
ツインテール。ポニーテール。三つ編み。サイドテール。
(……うん。今日はツインテールな気分である)
「よしっ。パセットは可愛い!」
鏡の前で笑顔でサムズアップ。
自分でやってて空しくなってきた。
(リオっちはいいよねぇ。お母さん似で。パセットなんて明らかにお父さん似です。
この狸みたいな顔とかね!)
実際リオの母親を見た事は無いが少なくともこの屋敷に住む旦那様とは似ても似つかない。
あの桃色の髪も、オッドアイも、可愛い顔も母親から受け継いだものだろう。
そもそも体が弱いという時点で屈強な戦士である旦那様とは違う。
優秀な戦士の血を受け継いでいる筈なのだが。
「そーいえば最近リオっちのオッパイおっきくなってる気がするなー」
自分の方が二つ年上の筈だがリオの方が明らかに発育がいい気がする。
今日こそは脱がして確かめる気だった。主に触診で。
でも絶対リオの方が大きい自身がある。
(は!? これも遺伝子の差か!? おのれ遺伝子! 許すまじ遺伝子!
まあいいや。世の中、いろんな需要があるのさ。
貧相な体の方が好きな野郎にパセットは貰われるよ! きっと!)
「こっちの娘はちっちゃいぞー♪」
なんて意味不明な歌を歌いながら自室を出る。
すれ違う同僚のお姉さま方が珍獣でも見るような目付きでこちらを見るが気にも留めない。
それはパセットの人柄故だ。
兎に角前向きな性格なのである。多少の事があってもへこたれない。
だから最初、リビディスタの『汚点』とまで言われたリオの世話を押付けられた時。
やりがいのある仕事だと思ったのだ。
「昨日のご飯は食べたかなー♪」
晩御飯を抜いていたので夜食として軽いものを作ってこっそり置いていたのだ。
食べていてくれるとありがたい、というか嬉しい。
そう言えば昨日は大したおしゃべりも出来ずに追い出されてしまった。
実はたまにあるのだ。ああやって体を触ろうとすると情緒不安定になる事が。
昨日は特に酷かった気がするが、パセットの方は特に気にしていない。
あの日かー、しょうがないなー、程度にしか思ってないのだ。
「今日は、オッパイ揉ましてねー♪」
すれ違うお姉さま方の視線が突き刺さる。
勿論パセットは気にせず紅い絨毯の敷かれた廊下をもくもくと歩いた。
目指すは屋敷の離れ。屋敷の庭園の隅にある建物だ。
リオはそこで生活していた。
仮にもリビディスタの末娘である彼女が何故母屋で寝泊り出来ないのか。
それは奥様が腹違いの娘であるリオを嫌って隔離したから、というのがメイド達の見解だ。
そういえばこんな噂もある。
『旦那様が人目を忍んでリオ様と密会している』、と。
「旦那様はロリコンだー♪ っとととこれはマズイなー」
口ずさんでから慌てて周囲に人が居ないか確かめる。
離れへと続く中庭の道は清清しい朝の陽光が降り注ぐばかりで自分以外誰も居ない。
まあ、本当のところ。パセットはそれを只の噂としか思っていない。
というか自分の娘を手篭めにする父親なんて居るわけがないと思っている。
「ほんとだったらぶん殴るぞー? 旦那様ー♪」
その辺も今日、それとなく聞いてみようかな思った。
そして離れに到着。ドアをノックする。
「お嬢様。本日もご機嫌麗しゅうござんした!!」
無駄に声を大きく、無駄にテンションを上げ、意味不明な言葉遣いがパセット流の挨拶だ。 更に脳内で勝手に色々シチュエーションを捏造して盛り上げる。
「入るよー? 踏み込むよー? 何!? 着替え中だと!? ならば尚の事ッ!」
ばたんと蝶番が軋むほど音を立てて入り口を開く。
83 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:53:51 ID:EDjw+FzK
「おはようございました!!!」
静寂が、パセットを迎えた。
「ありゃ? リオっち?」
そこにはもぬけの殻になったベッドと。
料理と共にひっくり返された銀食器しかない。
その光景を見て、パセットの脳は一つの結論に達した。
「分かったかくれんぼだ!」
(ほっほーう。体力では敵わないと思って知的戦術で勝負を挑む気だね?)
よろしい。ならばかくれんぼだ。
「先ずはベッドの下!」
居ない。
「んじゃクローゼットの中!」
居ない。
「むう。一筋縄ではいかないとな? そうこなくては遊び甲斐が無いというもの!
パセットも負けず嫌いだからね! 頑張って見つけるよ!」
再びリオの捜索開始。
と言っても離れ自体は小さな建物だ。
親を失ったリオがリビディスタに引き取られる際、納屋であった所を改装したのだ。
故に大きさも四メートル四方の部屋が二つ連なっているだけ。
片方は寝室、もう片方は書籍だ。
厠も風呂も、母屋までいかなければならない。全く不自由なものだ。
兎も角そういうわけで。
パセットは薄々気付いていた。
ここには隠れる所など無いも同然。
だがそれを認めたくは無かった。
空元気も元気と言う言葉に従い、離れの中を隅から隅まで探して。
「リオっち…いい加減出てきてよ…もう、パセットの負けでいいからさ…」
部屋の中をリオの着替えや書籍で散らかし、部屋の真ん中で力無く尻餅を付く。
見当たらない。こんな朝早くから一体何処に行ったのだ。
「……うんっ! 分かった! きっとトイレだな!」
都合の良い思考回路はとことん前向きに考える。
(だったら仕方が無いなあ。よしっ。部屋の中に隠れて帰ってきた所を驚かす!
無駄な体力を使わせた罰だ! どさくさに紛れてオッパイも揉む! 揉みまくる!)
「はーやく帰ってこないかなー♪」
だが、いつまで待っても、部屋の主は帰ってこない。
そしてそれから一時間も経った頃。
パセットは青い顔をしながら屋敷の中を探し回った。
探し人は見つからなかった。
***
昔話をしましょうか。
むかーしむかし、あるお屋敷に偉大な魔術師が住んでいました。
彼はおおらかで、優しい人物でした。
身寄りの無い小さな子供達を拾い、自分の屋敷に住まわせていたのです。
当然の事ですが。
顔も良く、人柄も良く、頭も良い彼は、自分が拾った女の子達に慕われる事になります。
そしてこれも当然事ですが。
拾われた少女達全てが、彼のような善人ではありませんでした。
84 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:55:19 ID:EDjw+FzK
アーネという女の子が居ました。彼女は、彼が最後に拾った孤児でした。
ところが彼女は物覚えが悪く、使用人として働く事になってからも粗相ばかり。
彼はそんな彼女に目を掛け、優しく接しました。
そしてそれが火に油を注ぐ行為だとは思ってもみなかったようです。
役立たずの上、彼に特別扱いされるアーネに、他の使用人達は嫉妬しました。
陰湿な虐めを施し、数々の性的虐待を加えました。
処女も散らされました。
ですが何の事情も知らない彼は、落ち込むアーネを見かねて優しく接してくれます。
それが新たな嫉妬を生み――屋敷の中に淀んだ悪循環を生み出しました。
虐待は日を追う毎に酷くなり――そんなある日、アーネは運命の出会いを果たします。
彼女は偶然にも彼が封印した魔物、アドニスと出会ったのです。
異形の姿に最初はアーネも戸惑いました。
ですが使用人達に散々な目に遭わさていたからでしょう、すぐに魔物を受け入れたのです。
それどころかアーネは子宮にアドニスの種をもらい、歓喜しました。
何の役にも立たない自分が、初めて誰かの役に立てる――と。
アドニスに見初められてからのアーネは変わりました。
苦手だった仕事をそつなくこなし、仲間のいびりにも屈しません。
何より美しくなりました。
アドニスは魔物とは言え、彼女にとっては主で、男だったのですから、当然でした。
変化したアーネは使用人達に疑われる事になります。
一体あの娘に何があったのか――と。
そして皆が寝静まった夜、魔物と密会するところを見つかってしまいます。
使用人達は話合い、魔物とアーネの処断を考えました。
このようなおぞましい化け物、焼き払ってしまえ――と。
ところがアーネは自分達の逢瀬が見つかっていると気付いていなかったのです。
何時ものように何本もの触手に犯され、愛され。
愛の言葉を囁き、乱れ、別れの挨拶をしました。
そして次の日の夜、焼き払われた魔物の死骸を目にする事になります。
アーネは悲しみに明け暮れ――それが終われば怒り狂いました。
主を殺した犯人を見つけ、復讐する事を誓いました。
そしてそれは速やかに行われる事になります。
胎内に植え付けられた種子がアーネに命じます。
女を犯せ、仲間を増やせ――と。
アーネはそれに従い、次々と使用人達を襲いました。
一人、二人、三人。
一人犯せば、その者が別の者を襲います。
そうして復讐を始め三日も経った頃。
最初にアドニスの種子を受けたアーネは花へと成長したそれを出産しました。
アーネに犯された女達も次々とアドニスの花を産み落とします。
復讐を始めて一週間も経った頃、屋敷の中はアドニスの花で埋め尽くされました。
廊下で、客室で。場所を問わず、花に跨り、犯される女達が悩ましい嬌声を上げます。
彼女達は皆幸せそうに犯されていました。
花と同化し、アネモネと化すのも時間の問題です。
そしてアーネは既に完全なアネモネと化していました。
本能の赴くまま女を犯し、仲間を増やす魔物になっていたのです。
それを救ったのは彼でした。
彼は魔術を使い、使用人達からアドニスを分離させ、浄化したのです。
ですがアーネはそうはいきません。
彼女の体はアドニスと完全に同化しているのです。浄化は彼女の消滅を意味します。
85 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:56:43 ID:EDjw+FzK
優しい彼にはそれは出来ませんでした。封印する事も、拒否しました。
彼はアーネに特別に目を掛けてきたのです。
魔物と化した彼女を、退治したり、封印するような事は出来ません。
彼は最後の手段を使いました。
それはアーネの体はそのまま、心だけを浄化するというものでした。
魔術が発動し、アーネは人間の心を取り戻します。
ですがその代償に、彼は命を失いました。
どうか僕の分まで、生きてくれ――と言い残して。
アーネは決心しました。
この命は彼を犠牲にしてまで貰ったのだ。絶対無駄にしない――と。
かくして彼女は屋敷を飛び出し、当ての無い旅を始めました。
めでたしめでたし。
――じゃないわよねぇ。ほんと。
大変なのよ? アネモネの一人身って。人肌は恋しくなるし。
体はすぐに火照って欲情するし。
だからって田舎で女の子一人でも『食べて』みなさいよ?
すごい勢いで増えちゃうのよ? もう鼠算式に。
一回それやっちゃってねー。あの時は失敗したわぁ。
人間達に目を付けられて、しつこくしつこく追い掛け回されたのよー。
もー堪ったもんじゃなかったわ。おかげで逃げるのは得意になったけれどねえ。
――あっ、いいのよ寝てなさい。これ、独り言だから。返事しなくてもいいの。
それで、えー、どこまで話したかしら?
あそうそう。逃亡生活ね。これって現在進行形なんだけど。もうほんと不便だわー。
中途半端に良心が残ってるとねー、人間相手にも同情しちゃってねー。
アネモネになってからは人間が使う魔術とかと似たようなものも使えるんだけど。
殺しちゃうわけにもいかないじゃない? かわいそーだし。何より寝覚めは悪いし。
でもでもっ、向こうはあたしの事本気でやりに来るのよ!?
あたしは手加減してるってのに不公平だと思わない!?
――あー、えっと、あはは。ごめんごめん。独り言だから。答えなくていいから。
ごほん。それは兎も角。
そんなこんなで、もー疲れちゃったのよ。
悔しいし、何よりあの人の意思もあるから、簡単に死にたい、なんて言わないけど。
溜息ばっかり出ちゃう。
「でも。もう私が居ます」
我慢出来ずに、口を開いていた。それをネーアは笑顔で返す。
「もう。独り言だって言ってるのに。この子は。
でもほんと、その通りなのよ。リオに出会えたおかげで、救われた気がするわ」
「それは、私も同じです」
「そう? なら良かったわ」
くすくすとお互い笑いあう。
(でも、ネーアさん。
自分の昔話が恥ずかしいからって、女の子の名前を『アーネ』にするのって)
ひっくり返しただけで安直すぎではないだろうか。
なんて、失礼な事を考えていると、突然ネーアが口を開いた。
「あたしね。リオの事、他人とは思えなかったのよ」
「はい。私も、そう思いました」
さっきの『独り言』。あれはどう解釈してもネーアの生い立ちだ。
そしてそれはリオが思っているより、遥かに辛く、悲しい話だった。
悲劇のヒロイン気取りだった自分が少し恥ずかしい。
86 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:58:02 ID:EDjw+FzK
「本当はね。リオの事見つけた時は仲間にする気なかったんだけど。
貴女の話を聞いて、考えが変わったわ。というか放っておけなかった。
まるで、昔の自分を見ている気がしたの」
「…はい」
「人を止める事で手に入るものもある――それを貴女なら分かってくれると思った。
今思えば、これってあたしの我が侭でしかないんだけど」
「大丈夫ですよネーアさん。私も、同じ思いですから」
「…うん…ありがと…」
少し寂びそうに、でも嬉しそうに笑うネーアの顔が目に焼きついた。
大魔術師ウラヌスが死亡したアドニス大量発生事件がおよそ二百年。
事の張本人であるネーアが今までどのように生きてきたか。
どのような想いだったか。
今の泣き笑いのような表情が全てを物語っている気がした。
「あーっ、何だか疲れちゃったわ。あたしも一眠りしよっかな」
「あ、それじゃ私も」
「んー。それは無理かも」
「え? どうしてです?」
「今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う」
「え、ええ!? じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
「リオ。それが『人間を止める』って事よ」
「あ…」
「あたしと一緒に生きたいと思うなら、それだけは覚悟して。
貴女はもう、人間と同じようには生きられない。
人を襲い、仲間を増やす。それだけしか考えられない化け物になるの。
理性は、一応は残るわ。記憶もね。
でも魔物としての本能には絶対逆らえない。あたしも昔はそうだったから。
だから魔物、っていうのよ」
今更ながらだが。本当に自分はアネモネへと変わってしまうんだなぁ、と思う。
まあ、リビディスタで家族に殺されるよりかはマシだ。
それに、
「私、ネーアさんと一緒に居たいから……だから頑張ります」
「そう…だったら、もうあたしは何も言わないわ。
リオと二人で、魔物としての生を謳歌する事にしましょう。
そうねー…試しにこの街をアドニスの花で埋め尽くしましょうか?」
「いえあのっ、いきなりそんな大きな目標を設定されてもっ」
「そう? でもあたし達アネモネなんて、増える事が存在意義みたいなものよ?」
「あのでも、お話を聞いているとあまり派手に動いても目を付けられるようですから」
「はー。そうなのよねぇ。だから面倒臭いのよー。
こう、誰にも邪魔されずに一日中エッチしていたいわぁ」
(……ネーアさん、いやらしいです)
「まあ、今はそんなの無理ね。夢物語だわ。リオの言うとおり、堅実に行きましょう。
そうねー……当初の目標は貴女の種子の成長ね。
取り合えず街に行ってエッチしまくってきなさい」
絶句した。
「ん? 何? どうしたの? リオ? まさか知らない訳じゃないでしょ?
アドニスは男の精液を吸って成長するのよ」
「いえ。知っていましたけど。あんまり深く考えないようにしていました」
「あー。あーあーあーあー。そうよねぇ。普通知らない男とエッチするの嫌よねえ?
うんうん。リオも女の子だからね」
そう言ってネーアは気味の悪いくらいにっこりと笑顔を浮かべる。
甘い事言ってるんじゃ無いわよ? と言外に叱咤されている気がした。
「えと、その…頑張って来ます。
あのでも私、途中で倒れちゃったりしないでしょうか?」
「んー。種は大分定着しているから、体力だけならもう普通の人間と変わらない筈よ?」
「ほんとですか!?」
87 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:59:26 ID:EDjw+FzK
「…どうしていきなりテンションが上がるのかしら?」
「だってだってっ、体力ついたらな走ったりしても大丈夫じゃないですか!?
あの試しにの辺を走ってきてもいいですか!?」
元より本の虫だったので、健康的な体で外を好きなだけ走り回ってみたかった。
それが今叶う。嬉しくない筈が無い。
「そっか。人を止める事で得るものもある――その一つね」
「はいっ!」
「快楽もそうよねー?」
「も、もう! ネーアさんはすぐそうやっていやらしい話を振ってっ」
「あははっ。ごめんごめん。でもアネモネってエロスの権化みたいなものよ?
猥談の一つや二つ、笑って流すくらいじゃないと」
(十二歳の女の子に求める事じゃありませんよね、それ?)
だがそれも『人間の世界』の話だ。
これから踏み込むのは、魔物としての領域。
ふと、思った。
「ネーアさん? お仕事をしている時のお母様って、どんな気持ちだったんでしょうか?」
「リオのお母さん? 売春婦してたんだっけ?
んー……そーねー。まあ、あたし達と違って、お金を稼ぐ為にエッチするんだから。
やっぱり嫌々していたんじゃない? まあ、相手とか気分にもよるだろうけど」
「お母様…すごいです。私、お父様の時でもあんなに辛かったのに。
それを知らない人ばっかりが相手だなんて…」
「多分、才能があったのよ。それも生まれ持ったとびきりのね」
「え?」
ネーアは何故か上機嫌で笑っていた。
自信満々で、まるで母の事を知っているように言う彼女の態度に疑問を覚える。
「それにリオ、貴女はそんなお母さんの血を受け継いでいるの。
大丈夫。貴女もきっとエッチの才能あるわ! あたしが保障してあげる!」
「そんな保障いりませんー!?」
夜が明け、白み始めた空の下。
森の中で、二人の笑い声が静かに響く。
***
リオは山を降り、リビディスタの屋敷を迂回すると街へと向かった。
わざわざ屋敷から遠ざかるように移動した事には理由がある。
近付きたくないのだ。いや、近付けないのだ。
子宮の中のアドニスの花のせいか、それとも何か別の要因があるのか。
屋敷周辺に張り巡らされた結界の影響をもろに受けてしまう。
すでにこの身が人よりも魔へと近付いてしまった証拠だった。
現に何分も山道を歩いているのに息一つ切れない。
健康になった体が嬉しくて、山の中を無駄に走り回った。
そんな時である。
がさり――茂みが揺れ、その向こうから異形の影が現れた。
「…ひ…っ」
「あらぁ?」
人語を発した異形は下半身が蛇、上半身が人の女――メデューサと呼ばれる魔物だった。
リオは失念していた。
この森はリビディスタの戦士達が実戦を行うほど、魔物が多いのだ。
昨晩、ネーアと二人っきりになれたのは、彼女が何かしらの手段を講じていたからだろう。
「なかなか美味しそうなおチビちゃんじゃない?」
ちろちろと舌を動かしながら下半身をくねらせてメデューサが接近する。
リオはすっかり腰を抜かしていて、逃げる事も出来ない。
(ネーアさんっ、助けてぇ!?)
88 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 18:01:09 ID:EDjw+FzK
「おチビちゃん? あなたに選ばせてあげるわ。石になりたい?
それとも頭からバリバリ食べられたい?」
「あ、あのあの、どっちも嫌です!」
「そう♪ じゃあ石になりながら頭からバリバリ食べられたいのね♪」
「違いますー!?」
「ふふふ馬鹿な娘ね。こんな所に護衛も付けずに一人身で来るだなんて。
これじゃ食べてくださいって言っているようなも――うん?」
メデューサの動きが止まった。
訝しげな様子でリオを見詰めている。クンクンと鼻を鳴らして、
「――なあんだ。『お仲間』じゃない。あなたアネモネでしょ? 匂うわ。
アドニスの花のいやーな匂いがする。紛らわしいわね。人間と勘違いしちゃったわ」
「え?」
指摘されて自分の匂いを嗅ぐ。
ネーアの匂いが移っているのか、自分の体臭以外にも甘酸っぱい花の香りがした。
リオは知らなかったがアドニスの催淫香は人間を誘惑する事だけが目的ではない。
この香りは凶悪な魔物達には悪臭に感じられ、それらを追い払う効果もある。
昨晩、二人がこの森の中で何の気兼ねも無く情事に耽られたのにはそういう理由があった。
「ああいや待って。なんか『アネモネ以外』にも混じってるわね? 混合種かしら?」
「え? それってどういう、」
「あーもう期待して損しちゃった。久しぶりの獲物だと思ったのに。
人間の娘を食べるなんて贅沢、一度でもいいからしてみたかったのに。
ここってあれよねー? 街はあんなに近くにあるのに中には入りづらいしぃ。
でも向こうからは殺気立った魔術師とか剣士とか流れ込んでくるしでサイアク。
そうそう。ちょっと聞いてよ!」
気が付いたらメデューサのお姉さんと気軽に世間話をしていた。
ひょっとして自分は人間に生まれてきた事自体が間違いなんじゃないかと思う。
いや、母親に失礼かもしれないがそう思わずにはいられなかった。
(…なんか、魔物さんって、怖いイメージがあるけど…皆割りと普通にお話出来るね?)
自分だけかも知れないが。
「さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?
いつもの剣士達と違って装備が貧弱でねえ、あんまり強そうじゃ無かったのよ。
それでこれは日頃の鬱憤を晴らすチャンスだと思ったわけね」
「は、はい…」
「ところが連中、なんか殺気立ってる上にやたら強くてさぁ。
傭兵かしらね? 危うく殺されちゃうところだったわ」
「えぇ? どこか怪我とかしたんですか!?」
「ええ。髪を切られたわ。もう治ったけどねぇ」
しゃー、と髪の毛と同化してウネウネしている蛇が鳴く。
つくづく自分の常識が通用しない世界だなぁ、と実感した。
「そうそう! こう見えてもわたしって結構いい体してると思わない?」
「え? ええと…」
言われて青白い色をした上半身に目を向ける。
体型としてはスレンダー型、と言ったところだった。
リオよりは成熟しているが、ネーアとは比べるべくもない。
人間なら十八くらいだろうが、それにしては胸のサイズが自分とさほど変わらない気が。
「ちょっとどこ見てるのよ!? 上じゃなくて下よ下! ほら見なさいよ!
この太さ! この長さ! 鱗の色も艶もそこらのメデューサなんかには負けないわ!」
(…あ…そっちなんですか?)
駄目だ。人間の常識が全く通用しない。
「それがあのオッサンどもと来たら!
『胸の小さい女に用はねぇ!!』って言うのよ!?
失礼しちゃうわもう! 何よあんた達だって下半身でものを見てるくせに!
なんで私の下半身を見ないのかしら! 胸がなんだっていうのよ!」
ひょっとして自分の体にコンプレックスでもあるんだろうか。考えても答えは出ない。
「あなたも気を付けなさいよ? あのオッサンども、まだこの辺りにいるかもしれないわ。
人間じゃないってばれたら、殺されちゃうわよ? あなたちっこいし」
「あ、はい…気を付けます…」
89 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 18:05:53 ID:EDjw+FzK
「それじゃ私は行くわ。あーどこかに人間の捨て子でも落ちていないかしら。
お腹空いたわー」
「あ、あの!?」
「ん? 何よ?」
去り際のメデューサに声を掛ける。
普段ならこういう野暮ったい事を聞かないのだが。
人間をやめて、気さくに魔物と会話が出来たからだろう。
ネーアと出会った時から疑問に思っていた事を口にした。
「あの…裸じゃ、恥ずかしくありませんか?」
「はあ? 裸が恥ずかしくてメデューサが出来るわけないでしょが。
それに体につられて寄ってくる馬鹿な男もいるしね。
っていうかそういうの、アネモネであるあんた達が本分でしょうに」
それじゃあね、と今度こそメデューサは背を向けて森の中へと消えていく。
何だか色々と為になる話が出来た気がした。
「モンスターって実はあんまり怖くないのかなぁ?」
人間の方がよっぽど怖い、と思う自分は心まで魔物になっているのか、と思った。
***
以上で第四話終了です。
うん。週に一回この分量を投下とか、かつてないペースです。
誤字とかありそう。皆様、見つけたら是非ご報告をお願いします。
勿論感想もお待ちしております。
尚、テロ中の書き込みにあった『ネーアの変異シーンを入れてほしい』という要望ですが。
ひょっとしたら後々の話で差し入れられるかもしれません。
まあ、無理かもしれませんが。あまり期待しないで下さい。
ちなみに次の話は大体書き終わってます。現在推敲中と言ったところですか。
サイバーアタック中に悶々としながら書いた分ですね。
40KBオーバーですがwww なんだこの筆の速さはwww 何だこの量はwww
おかげで一話一話のボリュームが増してしまって皆様お疲れでしょう。
大変申し訳ないです。
というわけで次回はいよいよリオ覚醒話です。
リオ関係は色々複線を張ってましたが一気に消化しますよ。正体とか。
おかげでエロエロです。全編エロシーンです。あ、成る程。だから筆がのっているのかwww
とまあそんな感じで、次回も宜しくお願いします。
最後に恒例になりつつある、アレを。
幼女ぉ!! 万歳ぃ!!
――これもそろそろ自重した方がいいのでしょうか。
皆様お待たせしました。
永久の果肉、続きです。
しかし前回投稿分のレスを読ませてもらいますとロリコン変態紳士様がなんと多い事か。
話やキャラもそれなりに練り込んでくれるので感情移入してくれるのはほんと嬉しいです。
仕事のし甲斐もあるというものですな。
さて今回のお話ではエチ無しの予定でしたがほんのちょっと入れました。
シチュは『触手が刺さったままでピロートーク』。みたいな?
うん。一応NGワードも書いておきましょう。
(本番無し、微エロ、ピロートーク、ネタバレ過去話、糖分多め)
ネーアが過去話を語ります。
無限の果肉のおさらいと、その結末についてですね。
あわわ。こんな中途半端な形で終わらせてしまってほんと勿体無い事をしてしまった。
重ね重ね、皆様にはご迷惑をおかけします。
うん。前書きも長いですね。この辺りにしておきます。
では、ごゆっくりどうぞ。
以下本編で11レス消費します。
77 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:42:44 ID:EDjw+FzK
あー。皆様、ご心配をおかけしました。乙×風です。
ちゃんとこれからも投下し続けますのでご安心下さい。
というか私のキャラがどうにも一人歩きしていますねw
私は只の幼女が好きな訳ではありません!
ヤンデレロリッ子。ロリババア。それにエロリっ子が好きなだけの只のおたくです!(キリッ
それはともかく。先日のようなサイバーテロはもうこりごりですな。
タイミングも悪かったですが……なんで前書きだけ投下出来たのか不思議です。
お陰で図らずとも皆様に対して壮絶な焦らしプレイをw
何やら今週の土曜日に第二波があるとかないとか。どれだけ暇なんでしょう。
まあ、愚痴っても仕方ないですね。
ここから先が本編となります。NGワード等は月曜日のレスにて確認下さいませ。
ではごゆるりと。
78 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:45:07 ID:EDjw+FzK
第四話 血の秘密
激しい性交の直後、ネーアは後悔していた。
(や、やっちゃったぁっ)
「あたしの馬鹿、馬鹿っ、やりすぎよぉっ」
白目を剥いて気絶しているリオを見下ろしながら、ネーアは頭を抱えていた。
よほど具合が良かったのだろう。
少女は潮とか尿とか精液とか愛液とか、諸々の体液を結合部から噴出している。
それを美味しそうだなぁ、と見詰めて――顔を振って邪念を払った。
「反省しなさいよあたし…」
(うわもう自己嫌悪で死にたいわ)
病弱な人間の娘をどれだけ徹底的に陵辱すれば気が済むのだ。
いや、でもリオに限っては普通の女の子と一線を画していた、というか。
父親の調教のせいか、もう、兎に角エロかった。
(人間じゃなくてサキュバスか何かじゃないのこの娘?)
当人の話を聞く限り父親も母親も人間のようだが。
ネーアはさっきリオを犯しながら一瞬背筋に冷たいものをが走ったのだ。
スイッチが切り替わってまるで別人のように、淫乱に豹変したリオ。
フェラをした直後と同じだ。この娘は何か一定の条件で、性格が反転している。
気がする。気がするだけ?
(でも、一瞬、この娘、瞳の色が変わったような?)
紅と蒼のオッドアイが、両方とも血のような真紅に変わった気がする。
「まあ、あんまり考えてもしょうがないわよね」
今は目下、マグロ状態になってしまったリオの安否が心配だ。
体に相当な負担が掛かった筈だ。
フェラの時飲ませた蜜は、こんな虚弱な娘に種付けをする為に、滋養効果があるものだが。
一体どれほど効いているのか。
これでもし死んだりしたら夢見が悪くなるなんてレベルの話じゃない。
一生もののトラウマになりそうだ。
(ああ、それにしても。
気絶してるのにリオのアソコッたら今でもキュウキュウ締め付けて、たまんないわ)
「ってだから自重しなさいあたし」
これ以上負担を掛けるのも可哀想だ。
種子の定着を助長する為にも生殖器で子宮に蓋をした方がいいのだが、今は抜いておこう。
「――ぬいちゃ、や、れすぅ…」
「り、リオ!?」
呂律の回らない声が耳朶に沁み込んだ。
うっすらと開いた瞼の下のオッドアイが、こちらを見詰めていた。
大した体力だ。あんなハードプレイの後、すぐに喋れるようになるなんて。
虚弱体質とか信じられない。
「貴女、大丈夫なのっ?」
「んん…っ、気持ちよかったれふぅ…」
「いやそうじゃなくて」
(あー、そんな口が利けるなら大丈夫かしら)
なんだかどっと疲れた気がした。
最近体力的にも精神的にも疲労が絶えなかったし、種子を植え付けるのも消耗するのだ。
暫くは活動を控えた方がいいかもしれない。
「リオ。悪いけど少し体動かすわよ」
「ふえ? ――ぁにゃぁんっ」
小さな体に触手を巻きつけて持ち上げる。
雌しべの触手は突き刺さったままだ。
そのまま自分の胸へと抱き寄せて、徐々に体に巻きつけた触手の力を弱めていく。
すると当然、重力に引かれてリオの体は下降して、
「あっ!? にゃっ! あぁっ! ふかっ、いっ、よっ! あ、はぁっ…!」
花冠の中心部から真上へと生え出した雌しべ触手へと体重を預ける。
きゅうきゅうと敏感な触手が締め付けられて、うっとりとしてしまう。
「大丈夫。大丈夫よ、リオ」
はあ、と熱い吐息をリオの前髪に噴きかけながら、彼女の体をしっかりと抱き締めた。
79 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:46:41 ID:EDjw+FzK
幼子独特のぷにぷにとした感触が堪らない。久しぶりの人肌の温もりに心が癒される。
「はぁ、はぁっ、…んっ…ネーア、さん?」
「なぁに?」
「わたし、ネーアさんのものに、なったんですね」
「ええ、そう。種子はちゃんとリオの子宮に定着している。
あとは『栄養』をあげれば、立派なアドニスが咲くわ。
そうすれば、リオはあたしと同じになる」
もう、戻れないわよ。
桃色の髪を梳きながら、静かに付け足した。
「ネーアさん。私、後悔してませんから」
きゅう、とリオから抱きついてきた。
まるで赤子が母親に甘えるように。
いや、実際そうなのかもしれない。
誕生と共に母を失い義母から憎しみを受けて育った彼女は誰にも甘える事は出来なかった。
(あたしが、お母さんの代わりなのね)
まあ、それもいいだろう。
誰にも甘えられない孤独は『誰よりもこの自分が知っている』。
だからこそこの子を仲間にしようと思ったのだ。
あまりにも不遇な彼女を、自分と重ねて。
「あたしって、ひょっとして信頼されてる?」
冗談交じりの問い掛けだった。
リオが顔を上げる。どこまでも屈託のない、太陽のような笑顔がそこにあった。
「はいっ」
その余りにも真っ直ぐな表情に思わず顔を赤くしてそっぽを向く。
背中がむず痒いような、でも心地良いような、何だか複雑な気持ちだった。
本当に我ながら、人間臭い魔物だな、と思う。
「も、もう変な子ね。
酷い事ばっかりされてきたのに、そうそう簡単に誰かを信用出来るものなの?」
「ネーアさん、優しいから」
「…そうでもないわよ」
そうだ、優しいなら、後先考えずあんな陵辱まがいの性交など誰がするものか。
自分は魔物だ。本能の赴くまま女を犯して、種を植え付け、快楽を貪る化け物だ。
「覚えておきなさいリオ。人を止めたら、本能に抗えなくなるわ。
どれだけ理性を保っても、魔物としての衝動には逆らえないの。
例えそれが、大切なものを傷付ける事になってもね」
「私の事、心配してくれたんですか?」
「そりゃ、そうよ。病弱だ、ってきいてたから。
だからあたし、もっと優しくするつもりだったのに。それなのにあんなに激しくして。
本当、馬鹿よねあたし。最低だわ。ごめんなさいリオ」
「ほら、やっぱり優しいじゃないですか」
「え…?」
リオはずっと笑顔だった。
「私の事、気遣ってくれてる。
出会ったばかりなのに、家族みたいに、心配してくれる。
それに自分のした事を悔やんで、それにちゃんと謝ってくれました」
「…だってそれは、その、当然じゃないの…?」
「私の家族は、そうじゃなかったですから」
「そう……大変だったわね…」
「そうですけど、でも、おかげでこうしてネーアさんと出会う事が出来ました。
お義母さまに殺す、って言われなかったら、私達、出会う事もなかったと思うんです。
だから、お義母様にもお父様にも、少しだけ感謝してるんですよ」
あんまりにも健気だった。
誰だこんな子を殺すとか言う母親は。見つけていびり倒してやる。
父親もだ。オナホ触手で赤球が出るまで精を吸い尽くして裸に引ん剥いて逆さに吊るすぞ。
(それに比べてリオったらっ)
「ああんもう可愛い!!」
80 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:48:25 ID:EDjw+FzK
リオの可愛さに胸がきゅんきゅんした。
母性が疼いて猫可愛がりしたくなる。
というか、する。
「きゃ、ネ、ネーアさんっ?」
「可愛い! 可愛い! 可愛い!」
ちゅっ、ちゅっ、と顔にキスの雨を降らせる。
いやらしい口付けではない。あくまでじゃれあうように。
性的な欲求は種付けを行った事で随分大人しくなった。
それでも素面に戻ったリオはこんなキスでも顔を真っ赤にして俯くのだ。
『あうぅ…』とか言いながら。
それがまたとんでもなく可愛く思える。悶え殺す気だろうかこの娘は。
「んー。リオったらこのギャップが堪んないわね♪」
「え? ギャップ、って何ですか?」
「なぁに言ってるのよ。エッチの時なんかもうエロエロだったじゃない?
リオはHの時性格変わっちゃうのね♪」
「あ、あれはっ」
「『セックス気持ちいいよぉ!』とか叫んでたわよねぇ?」
「ちちちちちちちがいます!! あ、あれはっ」
「『触手チンポ、びくびいくしてるからぁ!』とかねぇ?」
「やあぁぁぁぁっ!! 言わないで下さい!! あれは私じゃありません!」
「そーいえば喘いでる時は『にゃーにゃーっ』って、まるで猫みたいだったし」
「ですからそれは…っ、その、つい言っちゃうんですよぉ…」
涙目になりながら弁解するリオに真にハートブレイク一歩手前。
お父様の時はこんなんじゃないのに、と弁明する姿が、もうっ、
「たまらないわぁ! このまま第二ラウンドいっちゃいましょう!?
っていうかするわ! 覚悟なさいリオ! アネモネの真髄見せてあげるわ!」
「いえあの流石に疲れたので今日はお休みさせて下さいー!?」
「あはははっ。冗談よ冗談。そこまで無理させられないって」
「もうっ、意地悪です、ネーアさん」
「ごめんごめん、謝るからさ。許してちょうだい。ね?」
頭を撫でてご機嫌を取る。胸元で、うー、と可愛らしい呻き声が上がる。
『……』
不意に会話が途切れた。
さらさらと、桃色の髪を梳く音が響く。
僅かにそよぐ風が木々を揺らし、虫達が美しい声を上げる。
夜の帳が下りた森に、静かで優しい音色が響いた。
二人の間に舞い降りた沈黙は、気まずい物ではない。
密着した互いの体温から優しさが伝わってくる。
出会ってものの一時間程度しか経っていないのに、二人には確かな絆がある。
それは先程、少女の腹に種子を植え付けた事で確固なものとなった。
「寒くない?」
「ん。平気ですよ。ネーアさん。あったかいですから」
「ふふ。ありがと」
再び沈黙。
このまま少し眠ってしまおうかと思ったが、一つ、気がかりな事があった。
リオの事だ。
セックスの時のあの豹変振り。先程は茶化したが、どうにも引っ掛かるのだ。
それに体液を飲ませたとはいえ情事への耐性の高さ。
瞳の色が変化したのも、気のせいでは無いかもしれない。
「…あ…っ」
「リオ? どうかしたの?」
「あの、その、なんか、お腹、じわあっ、って熱くなって…」
「種子が定着しているのよ。
神経とか、徐々に繋がっていくから、暫くはその感覚が続くわ。
悪いけど少し辛抱してちょうだい?」
「あ、はいっ」
子宮に入り込んだ種子が神経の根を下ろしているのだ。
下腹部が疼くのだろう。リオは触手と繋がったまま腰を揺すり始める。
81 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:50:20 ID:EDjw+FzK
「んっ…はぁっ…んんっ…」
(ちょっと辛そうね)
切なそうに吐息を吐くリオを見ながらどうしたものかと思案する。
そもそも普通なら種子の定着はもっと時間を掛けて行うはずだったような。
(――あ、ら? この子の魔力…上昇してる?)
ふと気付く。
エッチ前に比べて魔力が上昇しているのだ。
それは種子の定着と、彼女の子宮の疼きと同調するように徐々に。だが確実に。
アネモネと化せば魔力は上昇するが、ここまで劇的に変わるものではない。
(もしかしてこの子…)
頭の中である仮説が組みあがった。
成る程、これなら確かに性行為中の、あの豹変にも納得出来る。
「リオ。辛い?」
「はぁ…はぁっ…だい、丈夫です…」
「本当?」
体を少し離し、正面からリオと視線を交わせる。
少女の右目が、ゆっくりと赤と青に明滅していた。
「――疲れた顔をしてるわ。今日はもう寝ましょう?」
返事を待たずに、触手からガスを噴出させる。
アドニスの花本体から生成し、催眠効果を持ったガスだ。
リオが、きゃ、と僅かに驚いた声を上げる。
かと思うとすぐにトロン、とした表情になった。
「あ…私、まだまだ、ネーアさんと…お話、したいのに…。
私、ネーアさんの事、何にも知らない、のに…」
「そういえば、そうね。あたし、自分の事なーんにも話してないものね。
でもそれはまた今度にしましょう? 今は、ゆっくり休みなさい」
きゅ、とリオの顔を胸元に抱き寄せる。
それから丁寧に髪の毛を梳いてやった。
「……ネーア、さん……」
それだけで、この小さな女の子は眠ってしまった。
すーすーと可愛らしい寝息を立てている。
本当に可愛い子だ。
桃色の髪も。甘い匂いも。その仕草も。声も。オッドアイも。
他人を引き付けてやまない。
人間としての理性を残したままとはいえ、人外のネーアが、こうも魅了されたのだ。
彼女の魅力は天性のものだ。
そしてそれは恐らく彼女の母親から受け継いだものなのだろう。
「リオ。貴女、元からあたし達と同類なのかもしれないわよ…」
呟く声は、夜風に流れ、溶ける。
***
メイド達の朝は早い。
この日も、リオの世話係パセットは夜が白み始めると共に目を覚ます。
むくり、と身を起こすと欠伸と共に伸び。
「よっし」
両頬を軽く叩いて気合を入れるとベッドから飛び降りて身支度を開始。
鏡台の前で栗色の髪を梳き始める。
「あー。今日も頑固者ですなー」
パセットは癖毛持ちだ。
頭頂部から耳辺りに掛けて髪が外側へと跳ねる。
そのせいで、犬耳に見えなくもない髪形になってしまう。
「リオっちの髪はあんなにサラサラなのにねー。
ええい! 遺伝子の性能の差が外見の決定的差ではない事を、教えてやる!」
82 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:52:08 ID:EDjw+FzK
意地になって髪を触る。
ツインテール。ポニーテール。三つ編み。サイドテール。
(……うん。今日はツインテールな気分である)
「よしっ。パセットは可愛い!」
鏡の前で笑顔でサムズアップ。
自分でやってて空しくなってきた。
(リオっちはいいよねぇ。お母さん似で。パセットなんて明らかにお父さん似です。
この狸みたいな顔とかね!)
実際リオの母親を見た事は無いが少なくともこの屋敷に住む旦那様とは似ても似つかない。
あの桃色の髪も、オッドアイも、可愛い顔も母親から受け継いだものだろう。
そもそも体が弱いという時点で屈強な戦士である旦那様とは違う。
優秀な戦士の血を受け継いでいる筈なのだが。
「そーいえば最近リオっちのオッパイおっきくなってる気がするなー」
自分の方が二つ年上の筈だがリオの方が明らかに発育がいい気がする。
今日こそは脱がして確かめる気だった。主に触診で。
でも絶対リオの方が大きい自身がある。
(は!? これも遺伝子の差か!? おのれ遺伝子! 許すまじ遺伝子!
まあいいや。世の中、いろんな需要があるのさ。
貧相な体の方が好きな野郎にパセットは貰われるよ! きっと!)
「こっちの娘はちっちゃいぞー♪」
なんて意味不明な歌を歌いながら自室を出る。
すれ違う同僚のお姉さま方が珍獣でも見るような目付きでこちらを見るが気にも留めない。
それはパセットの人柄故だ。
兎に角前向きな性格なのである。多少の事があってもへこたれない。
だから最初、リビディスタの『汚点』とまで言われたリオの世話を押付けられた時。
やりがいのある仕事だと思ったのだ。
「昨日のご飯は食べたかなー♪」
晩御飯を抜いていたので夜食として軽いものを作ってこっそり置いていたのだ。
食べていてくれるとありがたい、というか嬉しい。
そう言えば昨日は大したおしゃべりも出来ずに追い出されてしまった。
実はたまにあるのだ。ああやって体を触ろうとすると情緒不安定になる事が。
昨日は特に酷かった気がするが、パセットの方は特に気にしていない。
あの日かー、しょうがないなー、程度にしか思ってないのだ。
「今日は、オッパイ揉ましてねー♪」
すれ違うお姉さま方の視線が突き刺さる。
勿論パセットは気にせず紅い絨毯の敷かれた廊下をもくもくと歩いた。
目指すは屋敷の離れ。屋敷の庭園の隅にある建物だ。
リオはそこで生活していた。
仮にもリビディスタの末娘である彼女が何故母屋で寝泊り出来ないのか。
それは奥様が腹違いの娘であるリオを嫌って隔離したから、というのがメイド達の見解だ。
そういえばこんな噂もある。
『旦那様が人目を忍んでリオ様と密会している』、と。
「旦那様はロリコンだー♪ っとととこれはマズイなー」
口ずさんでから慌てて周囲に人が居ないか確かめる。
離れへと続く中庭の道は清清しい朝の陽光が降り注ぐばかりで自分以外誰も居ない。
まあ、本当のところ。パセットはそれを只の噂としか思っていない。
というか自分の娘を手篭めにする父親なんて居るわけがないと思っている。
「ほんとだったらぶん殴るぞー? 旦那様ー♪」
その辺も今日、それとなく聞いてみようかな思った。
そして離れに到着。ドアをノックする。
「お嬢様。本日もご機嫌麗しゅうござんした!!」
無駄に声を大きく、無駄にテンションを上げ、意味不明な言葉遣いがパセット流の挨拶だ。 更に脳内で勝手に色々シチュエーションを捏造して盛り上げる。
「入るよー? 踏み込むよー? 何!? 着替え中だと!? ならば尚の事ッ!」
ばたんと蝶番が軋むほど音を立てて入り口を開く。
83 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:53:51 ID:EDjw+FzK
「おはようございました!!!」
静寂が、パセットを迎えた。
「ありゃ? リオっち?」
そこにはもぬけの殻になったベッドと。
料理と共にひっくり返された銀食器しかない。
その光景を見て、パセットの脳は一つの結論に達した。
「分かったかくれんぼだ!」
(ほっほーう。体力では敵わないと思って知的戦術で勝負を挑む気だね?)
よろしい。ならばかくれんぼだ。
「先ずはベッドの下!」
居ない。
「んじゃクローゼットの中!」
居ない。
「むう。一筋縄ではいかないとな? そうこなくては遊び甲斐が無いというもの!
パセットも負けず嫌いだからね! 頑張って見つけるよ!」
再びリオの捜索開始。
と言っても離れ自体は小さな建物だ。
親を失ったリオがリビディスタに引き取られる際、納屋であった所を改装したのだ。
故に大きさも四メートル四方の部屋が二つ連なっているだけ。
片方は寝室、もう片方は書籍だ。
厠も風呂も、母屋までいかなければならない。全く不自由なものだ。
兎も角そういうわけで。
パセットは薄々気付いていた。
ここには隠れる所など無いも同然。
だがそれを認めたくは無かった。
空元気も元気と言う言葉に従い、離れの中を隅から隅まで探して。
「リオっち…いい加減出てきてよ…もう、パセットの負けでいいからさ…」
部屋の中をリオの着替えや書籍で散らかし、部屋の真ん中で力無く尻餅を付く。
見当たらない。こんな朝早くから一体何処に行ったのだ。
「……うんっ! 分かった! きっとトイレだな!」
都合の良い思考回路はとことん前向きに考える。
(だったら仕方が無いなあ。よしっ。部屋の中に隠れて帰ってきた所を驚かす!
無駄な体力を使わせた罰だ! どさくさに紛れてオッパイも揉む! 揉みまくる!)
「はーやく帰ってこないかなー♪」
だが、いつまで待っても、部屋の主は帰ってこない。
そしてそれから一時間も経った頃。
パセットは青い顔をしながら屋敷の中を探し回った。
探し人は見つからなかった。
***
昔話をしましょうか。
むかーしむかし、あるお屋敷に偉大な魔術師が住んでいました。
彼はおおらかで、優しい人物でした。
身寄りの無い小さな子供達を拾い、自分の屋敷に住まわせていたのです。
当然の事ですが。
顔も良く、人柄も良く、頭も良い彼は、自分が拾った女の子達に慕われる事になります。
そしてこれも当然事ですが。
拾われた少女達全てが、彼のような善人ではありませんでした。
84 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:55:19 ID:EDjw+FzK
アーネという女の子が居ました。彼女は、彼が最後に拾った孤児でした。
ところが彼女は物覚えが悪く、使用人として働く事になってからも粗相ばかり。
彼はそんな彼女に目を掛け、優しく接しました。
そしてそれが火に油を注ぐ行為だとは思ってもみなかったようです。
役立たずの上、彼に特別扱いされるアーネに、他の使用人達は嫉妬しました。
陰湿な虐めを施し、数々の性的虐待を加えました。
処女も散らされました。
ですが何の事情も知らない彼は、落ち込むアーネを見かねて優しく接してくれます。
それが新たな嫉妬を生み――屋敷の中に淀んだ悪循環を生み出しました。
虐待は日を追う毎に酷くなり――そんなある日、アーネは運命の出会いを果たします。
彼女は偶然にも彼が封印した魔物、アドニスと出会ったのです。
異形の姿に最初はアーネも戸惑いました。
ですが使用人達に散々な目に遭わさていたからでしょう、すぐに魔物を受け入れたのです。
それどころかアーネは子宮にアドニスの種をもらい、歓喜しました。
何の役にも立たない自分が、初めて誰かの役に立てる――と。
アドニスに見初められてからのアーネは変わりました。
苦手だった仕事をそつなくこなし、仲間のいびりにも屈しません。
何より美しくなりました。
アドニスは魔物とは言え、彼女にとっては主で、男だったのですから、当然でした。
変化したアーネは使用人達に疑われる事になります。
一体あの娘に何があったのか――と。
そして皆が寝静まった夜、魔物と密会するところを見つかってしまいます。
使用人達は話合い、魔物とアーネの処断を考えました。
このようなおぞましい化け物、焼き払ってしまえ――と。
ところがアーネは自分達の逢瀬が見つかっていると気付いていなかったのです。
何時ものように何本もの触手に犯され、愛され。
愛の言葉を囁き、乱れ、別れの挨拶をしました。
そして次の日の夜、焼き払われた魔物の死骸を目にする事になります。
アーネは悲しみに明け暮れ――それが終われば怒り狂いました。
主を殺した犯人を見つけ、復讐する事を誓いました。
そしてそれは速やかに行われる事になります。
胎内に植え付けられた種子がアーネに命じます。
女を犯せ、仲間を増やせ――と。
アーネはそれに従い、次々と使用人達を襲いました。
一人、二人、三人。
一人犯せば、その者が別の者を襲います。
そうして復讐を始め三日も経った頃。
最初にアドニスの種子を受けたアーネは花へと成長したそれを出産しました。
アーネに犯された女達も次々とアドニスの花を産み落とします。
復讐を始めて一週間も経った頃、屋敷の中はアドニスの花で埋め尽くされました。
廊下で、客室で。場所を問わず、花に跨り、犯される女達が悩ましい嬌声を上げます。
彼女達は皆幸せそうに犯されていました。
花と同化し、アネモネと化すのも時間の問題です。
そしてアーネは既に完全なアネモネと化していました。
本能の赴くまま女を犯し、仲間を増やす魔物になっていたのです。
それを救ったのは彼でした。
彼は魔術を使い、使用人達からアドニスを分離させ、浄化したのです。
ですがアーネはそうはいきません。
彼女の体はアドニスと完全に同化しているのです。浄化は彼女の消滅を意味します。
85 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:56:43 ID:EDjw+FzK
優しい彼にはそれは出来ませんでした。封印する事も、拒否しました。
彼はアーネに特別に目を掛けてきたのです。
魔物と化した彼女を、退治したり、封印するような事は出来ません。
彼は最後の手段を使いました。
それはアーネの体はそのまま、心だけを浄化するというものでした。
魔術が発動し、アーネは人間の心を取り戻します。
ですがその代償に、彼は命を失いました。
どうか僕の分まで、生きてくれ――と言い残して。
アーネは決心しました。
この命は彼を犠牲にしてまで貰ったのだ。絶対無駄にしない――と。
かくして彼女は屋敷を飛び出し、当ての無い旅を始めました。
めでたしめでたし。
――じゃないわよねぇ。ほんと。
大変なのよ? アネモネの一人身って。人肌は恋しくなるし。
体はすぐに火照って欲情するし。
だからって田舎で女の子一人でも『食べて』みなさいよ?
すごい勢いで増えちゃうのよ? もう鼠算式に。
一回それやっちゃってねー。あの時は失敗したわぁ。
人間達に目を付けられて、しつこくしつこく追い掛け回されたのよー。
もー堪ったもんじゃなかったわ。おかげで逃げるのは得意になったけれどねえ。
――あっ、いいのよ寝てなさい。これ、独り言だから。返事しなくてもいいの。
それで、えー、どこまで話したかしら?
あそうそう。逃亡生活ね。これって現在進行形なんだけど。もうほんと不便だわー。
中途半端に良心が残ってるとねー、人間相手にも同情しちゃってねー。
アネモネになってからは人間が使う魔術とかと似たようなものも使えるんだけど。
殺しちゃうわけにもいかないじゃない? かわいそーだし。何より寝覚めは悪いし。
でもでもっ、向こうはあたしの事本気でやりに来るのよ!?
あたしは手加減してるってのに不公平だと思わない!?
――あー、えっと、あはは。ごめんごめん。独り言だから。答えなくていいから。
ごほん。それは兎も角。
そんなこんなで、もー疲れちゃったのよ。
悔しいし、何よりあの人の意思もあるから、簡単に死にたい、なんて言わないけど。
溜息ばっかり出ちゃう。
「でも。もう私が居ます」
我慢出来ずに、口を開いていた。それをネーアは笑顔で返す。
「もう。独り言だって言ってるのに。この子は。
でもほんと、その通りなのよ。リオに出会えたおかげで、救われた気がするわ」
「それは、私も同じです」
「そう? なら良かったわ」
くすくすとお互い笑いあう。
(でも、ネーアさん。
自分の昔話が恥ずかしいからって、女の子の名前を『アーネ』にするのって)
ひっくり返しただけで安直すぎではないだろうか。
なんて、失礼な事を考えていると、突然ネーアが口を開いた。
「あたしね。リオの事、他人とは思えなかったのよ」
「はい。私も、そう思いました」
さっきの『独り言』。あれはどう解釈してもネーアの生い立ちだ。
そしてそれはリオが思っているより、遥かに辛く、悲しい話だった。
悲劇のヒロイン気取りだった自分が少し恥ずかしい。
86 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:58:02 ID:EDjw+FzK
「本当はね。リオの事見つけた時は仲間にする気なかったんだけど。
貴女の話を聞いて、考えが変わったわ。というか放っておけなかった。
まるで、昔の自分を見ている気がしたの」
「…はい」
「人を止める事で手に入るものもある――それを貴女なら分かってくれると思った。
今思えば、これってあたしの我が侭でしかないんだけど」
「大丈夫ですよネーアさん。私も、同じ思いですから」
「…うん…ありがと…」
少し寂びそうに、でも嬉しそうに笑うネーアの顔が目に焼きついた。
大魔術師ウラヌスが死亡したアドニス大量発生事件がおよそ二百年。
事の張本人であるネーアが今までどのように生きてきたか。
どのような想いだったか。
今の泣き笑いのような表情が全てを物語っている気がした。
「あーっ、何だか疲れちゃったわ。あたしも一眠りしよっかな」
「あ、それじゃ私も」
「んー。それは無理かも」
「え? どうしてです?」
「今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う」
「え、ええ!? じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
「リオ。それが『人間を止める』って事よ」
「あ…」
「あたしと一緒に生きたいと思うなら、それだけは覚悟して。
貴女はもう、人間と同じようには生きられない。
人を襲い、仲間を増やす。それだけしか考えられない化け物になるの。
理性は、一応は残るわ。記憶もね。
でも魔物としての本能には絶対逆らえない。あたしも昔はそうだったから。
だから魔物、っていうのよ」
今更ながらだが。本当に自分はアネモネへと変わってしまうんだなぁ、と思う。
まあ、リビディスタで家族に殺されるよりかはマシだ。
それに、
「私、ネーアさんと一緒に居たいから……だから頑張ります」
「そう…だったら、もうあたしは何も言わないわ。
リオと二人で、魔物としての生を謳歌する事にしましょう。
そうねー…試しにこの街をアドニスの花で埋め尽くしましょうか?」
「いえあのっ、いきなりそんな大きな目標を設定されてもっ」
「そう? でもあたし達アネモネなんて、増える事が存在意義みたいなものよ?」
「あのでも、お話を聞いているとあまり派手に動いても目を付けられるようですから」
「はー。そうなのよねぇ。だから面倒臭いのよー。
こう、誰にも邪魔されずに一日中エッチしていたいわぁ」
(……ネーアさん、いやらしいです)
「まあ、今はそんなの無理ね。夢物語だわ。リオの言うとおり、堅実に行きましょう。
そうねー……当初の目標は貴女の種子の成長ね。
取り合えず街に行ってエッチしまくってきなさい」
絶句した。
「ん? 何? どうしたの? リオ? まさか知らない訳じゃないでしょ?
アドニスは男の精液を吸って成長するのよ」
「いえ。知っていましたけど。あんまり深く考えないようにしていました」
「あー。あーあーあーあー。そうよねぇ。普通知らない男とエッチするの嫌よねえ?
うんうん。リオも女の子だからね」
そう言ってネーアは気味の悪いくらいにっこりと笑顔を浮かべる。
甘い事言ってるんじゃ無いわよ? と言外に叱咤されている気がした。
「えと、その…頑張って来ます。
あのでも私、途中で倒れちゃったりしないでしょうか?」
「んー。種は大分定着しているから、体力だけならもう普通の人間と変わらない筈よ?」
「ほんとですか!?」
87 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 17:59:26 ID:EDjw+FzK
「…どうしていきなりテンションが上がるのかしら?」
「だってだってっ、体力ついたらな走ったりしても大丈夫じゃないですか!?
あの試しにの辺を走ってきてもいいですか!?」
元より本の虫だったので、健康的な体で外を好きなだけ走り回ってみたかった。
それが今叶う。嬉しくない筈が無い。
「そっか。人を止める事で得るものもある――その一つね」
「はいっ!」
「快楽もそうよねー?」
「も、もう! ネーアさんはすぐそうやっていやらしい話を振ってっ」
「あははっ。ごめんごめん。でもアネモネってエロスの権化みたいなものよ?
猥談の一つや二つ、笑って流すくらいじゃないと」
(十二歳の女の子に求める事じゃありませんよね、それ?)
だがそれも『人間の世界』の話だ。
これから踏み込むのは、魔物としての領域。
ふと、思った。
「ネーアさん? お仕事をしている時のお母様って、どんな気持ちだったんでしょうか?」
「リオのお母さん? 売春婦してたんだっけ?
んー……そーねー。まあ、あたし達と違って、お金を稼ぐ為にエッチするんだから。
やっぱり嫌々していたんじゃない? まあ、相手とか気分にもよるだろうけど」
「お母様…すごいです。私、お父様の時でもあんなに辛かったのに。
それを知らない人ばっかりが相手だなんて…」
「多分、才能があったのよ。それも生まれ持ったとびきりのね」
「え?」
ネーアは何故か上機嫌で笑っていた。
自信満々で、まるで母の事を知っているように言う彼女の態度に疑問を覚える。
「それにリオ、貴女はそんなお母さんの血を受け継いでいるの。
大丈夫。貴女もきっとエッチの才能あるわ! あたしが保障してあげる!」
「そんな保障いりませんー!?」
夜が明け、白み始めた空の下。
森の中で、二人の笑い声が静かに響く。
***
リオは山を降り、リビディスタの屋敷を迂回すると街へと向かった。
わざわざ屋敷から遠ざかるように移動した事には理由がある。
近付きたくないのだ。いや、近付けないのだ。
子宮の中のアドニスの花のせいか、それとも何か別の要因があるのか。
屋敷周辺に張り巡らされた結界の影響をもろに受けてしまう。
すでにこの身が人よりも魔へと近付いてしまった証拠だった。
現に何分も山道を歩いているのに息一つ切れない。
健康になった体が嬉しくて、山の中を無駄に走り回った。
そんな時である。
がさり――茂みが揺れ、その向こうから異形の影が現れた。
「…ひ…っ」
「あらぁ?」
人語を発した異形は下半身が蛇、上半身が人の女――メデューサと呼ばれる魔物だった。
リオは失念していた。
この森はリビディスタの戦士達が実戦を行うほど、魔物が多いのだ。
昨晩、ネーアと二人っきりになれたのは、彼女が何かしらの手段を講じていたからだろう。
「なかなか美味しそうなおチビちゃんじゃない?」
ちろちろと舌を動かしながら下半身をくねらせてメデューサが接近する。
リオはすっかり腰を抜かしていて、逃げる事も出来ない。
(ネーアさんっ、助けてぇ!?)
88 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 18:01:09 ID:EDjw+FzK
「おチビちゃん? あなたに選ばせてあげるわ。石になりたい?
それとも頭からバリバリ食べられたい?」
「あ、あのあの、どっちも嫌です!」
「そう♪ じゃあ石になりながら頭からバリバリ食べられたいのね♪」
「違いますー!?」
「ふふふ馬鹿な娘ね。こんな所に護衛も付けずに一人身で来るだなんて。
これじゃ食べてくださいって言っているようなも――うん?」
メデューサの動きが止まった。
訝しげな様子でリオを見詰めている。クンクンと鼻を鳴らして、
「――なあんだ。『お仲間』じゃない。あなたアネモネでしょ? 匂うわ。
アドニスの花のいやーな匂いがする。紛らわしいわね。人間と勘違いしちゃったわ」
「え?」
指摘されて自分の匂いを嗅ぐ。
ネーアの匂いが移っているのか、自分の体臭以外にも甘酸っぱい花の香りがした。
リオは知らなかったがアドニスの催淫香は人間を誘惑する事だけが目的ではない。
この香りは凶悪な魔物達には悪臭に感じられ、それらを追い払う効果もある。
昨晩、二人がこの森の中で何の気兼ねも無く情事に耽られたのにはそういう理由があった。
「ああいや待って。なんか『アネモネ以外』にも混じってるわね? 混合種かしら?」
「え? それってどういう、」
「あーもう期待して損しちゃった。久しぶりの獲物だと思ったのに。
人間の娘を食べるなんて贅沢、一度でもいいからしてみたかったのに。
ここってあれよねー? 街はあんなに近くにあるのに中には入りづらいしぃ。
でも向こうからは殺気立った魔術師とか剣士とか流れ込んでくるしでサイアク。
そうそう。ちょっと聞いてよ!」
気が付いたらメデューサのお姉さんと気軽に世間話をしていた。
ひょっとして自分は人間に生まれてきた事自体が間違いなんじゃないかと思う。
いや、母親に失礼かもしれないがそう思わずにはいられなかった。
(…なんか、魔物さんって、怖いイメージがあるけど…皆割りと普通にお話出来るね?)
自分だけかも知れないが。
「さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?
いつもの剣士達と違って装備が貧弱でねえ、あんまり強そうじゃ無かったのよ。
それでこれは日頃の鬱憤を晴らすチャンスだと思ったわけね」
「は、はい…」
「ところが連中、なんか殺気立ってる上にやたら強くてさぁ。
傭兵かしらね? 危うく殺されちゃうところだったわ」
「えぇ? どこか怪我とかしたんですか!?」
「ええ。髪を切られたわ。もう治ったけどねぇ」
しゃー、と髪の毛と同化してウネウネしている蛇が鳴く。
つくづく自分の常識が通用しない世界だなぁ、と実感した。
「そうそう! こう見えてもわたしって結構いい体してると思わない?」
「え? ええと…」
言われて青白い色をした上半身に目を向ける。
体型としてはスレンダー型、と言ったところだった。
リオよりは成熟しているが、ネーアとは比べるべくもない。
人間なら十八くらいだろうが、それにしては胸のサイズが自分とさほど変わらない気が。
「ちょっとどこ見てるのよ!? 上じゃなくて下よ下! ほら見なさいよ!
この太さ! この長さ! 鱗の色も艶もそこらのメデューサなんかには負けないわ!」
(…あ…そっちなんですか?)
駄目だ。人間の常識が全く通用しない。
「それがあのオッサンどもと来たら!
『胸の小さい女に用はねぇ!!』って言うのよ!?
失礼しちゃうわもう! 何よあんた達だって下半身でものを見てるくせに!
なんで私の下半身を見ないのかしら! 胸がなんだっていうのよ!」
ひょっとして自分の体にコンプレックスでもあるんだろうか。考えても答えは出ない。
「あなたも気を付けなさいよ? あのオッサンども、まだこの辺りにいるかもしれないわ。
人間じゃないってばれたら、殺されちゃうわよ? あなたちっこいし」
「あ、はい…気を付けます…」
89 永久の果肉4 ◆VBguGDzqNI sage 2010/03/04(木) 18:05:53 ID:EDjw+FzK
「それじゃ私は行くわ。あーどこかに人間の捨て子でも落ちていないかしら。
お腹空いたわー」
「あ、あの!?」
「ん? 何よ?」
去り際のメデューサに声を掛ける。
普段ならこういう野暮ったい事を聞かないのだが。
人間をやめて、気さくに魔物と会話が出来たからだろう。
ネーアと出会った時から疑問に思っていた事を口にした。
「あの…裸じゃ、恥ずかしくありませんか?」
「はあ? 裸が恥ずかしくてメデューサが出来るわけないでしょが。
それに体につられて寄ってくる馬鹿な男もいるしね。
っていうかそういうの、アネモネであるあんた達が本分でしょうに」
それじゃあね、と今度こそメデューサは背を向けて森の中へと消えていく。
何だか色々と為になる話が出来た気がした。
「モンスターって実はあんまり怖くないのかなぁ?」
人間の方がよっぽど怖い、と思う自分は心まで魔物になっているのか、と思った。
***
以上で第四話終了です。
うん。週に一回この分量を投下とか、かつてないペースです。
誤字とかありそう。皆様、見つけたら是非ご報告をお願いします。
勿論感想もお待ちしております。
尚、テロ中の書き込みにあった『ネーアの変異シーンを入れてほしい』という要望ですが。
ひょっとしたら後々の話で差し入れられるかもしれません。
まあ、無理かもしれませんが。あまり期待しないで下さい。
ちなみに次の話は大体書き終わってます。現在推敲中と言ったところですか。
サイバーアタック中に悶々としながら書いた分ですね。
40KBオーバーですがwww なんだこの筆の速さはwww 何だこの量はwww
おかげで一話一話のボリュームが増してしまって皆様お疲れでしょう。
大変申し訳ないです。
というわけで次回はいよいよリオ覚醒話です。
リオ関係は色々複線を張ってましたが一気に消化しますよ。正体とか。
おかげでエロエロです。全編エロシーンです。あ、成る程。だから筆がのっているのかwww
とまあそんな感じで、次回も宜しくお願いします。
最後に恒例になりつつある、アレを。
幼女ぉ!! 万歳ぃ!!
――これもそろそろ自重した方がいいのでしょうか。
永久の果肉3
29 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:05:07 ID:Kre4J8NL
前スレ626さん投下お疲れ様でした。
貴重なエロ分を補充できたのでマジ嬉しいっす。
さて、今日も投下させて頂きます。
連続投稿による規制云々ですが自己完結しました。
連続投稿回数に上限が設定されているようではないみたいですね。
連続投稿する際の間隔の長さに下限があるだけのようです。
ひょっとしたら違っているかもしれませんが。
まあ、取りあえずは投下してみます。文章量も思い切って多めにしました。
しかしもしかしたらこちらの不手際で投下途中に規制が掛かるかもしれません。
その場合はどなたかが書き込んでこちら規制を解除してくれると助かります。
以下NGワードです。
(触手、フェラ、ロリ、猥語、種付け)
ネーアがあの性格だから和姦になる予定でしたが割とがっつりやります。
ではどうぞ。
第三話 人よりも優しい魔物
ネーアと名乗ったモンスターを改めて眺める。
(おっきなお胸)
少し恨めしい。
「あら。あたしの裸に見とれた?」
良いながら男を挑発するように、妖艶にポーズをつける。
光沢のある萌葱色の肌が波打ち、それだけで妖しい色香を放つ。
同姓だというのに余りのエロティックさにドキドキした。
「ふふ。良いわね、その初な反応。女冥利に尽きるわ」
ふと思い出す。
以前、暇つぶしに読んだ、モンスターの図鑑にアネモネの事が載っていた。
彼女達は『アドニス』と呼ばれる寄生型植物と同化させられてしまった人間の女性だ。
今からおよそ二百年ほど前、大量に繁殖したモンスターである。
巨大な花にその身を埋めた彼女達は、理性を蕩けさせる催淫ガスを放つ。
そしてガスを吸い込み正気を失った人間の女に『アドニスの種子』を植え付けるのだ。
『種子』は子宮に植え付けられ、被害者の体液、或いは精液を糧に『芽』へと成長する。
『芽』は子宮に根を張り、膣を通って体外へと伸びる。
『芽』と名付けられたがその形は『花』そのものだ。
被害者の陰唇から花が生えたような格好になる。
この状態になると被害者の理性も危うい。
『芽』の最奥部、つまり胎内では新たな『種子』が既に生成されているのだ。
こうなると本能のまま、新たな犠牲者を犯し、自分がされたように『種子』を植え付ける。
『芽』は更に成長する。
被害者の下腹部が膨らみ、妊婦同然に膨れ上がると、『芽』が体外へと排出される。
だがこれで犠牲者達が解放される事は無い。
体外へと産み落とされたそれは『花』であり、これが『アドニス』。
それ自身が自我を持ち、自分を産み落とした母体を或いは他の女を陵辱し、体液を啜る。
『花』となったそれの成長は早い。
30 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:06:54 ID:Kre4J8NL
産み落とされてから三日程で『成体』となる。
この三日間の間で、母体を陵辱し、子宮から体内構造を作り変えてしまう。
『花』と『母体』は子宮を通して完全に繋がり、意思も神経も同調する。
肌の色が浅葱色へと変化し、被害者は『アネモネ』となる。
こうなったら人間としての心は完全に消えている。
『芽』が生えた状態では操られている、と言えなくも無い。
だが『成体』となったら自らの意思で嬉々として人間を襲う。
こうして彼女達は無限に増殖していくのだ。
二百年前に起こったアネモネの大量増殖もそうだったらしい。
最終的に、かの偉人ウラヌスが秘術を用いて彼女達を『無力化』したらしいが。
らしいと言うのは当人がその秘術を使用した時点で命を失っていた事。
そして大量増殖した被害者達はアネモネから人間へと戻り、当時の記憶を失っている事。
この二点が事の仔細を不明瞭にしている。
それは、兎も角。
問題は眼前に本物のアネモネが居る、という事だ。
資料に寄れば彼女達は人の姿をし、人語を操るが、その実態はやはり化け物。
人間を襲う事を生業とする、モンスターだ。
それにしてはどうにもこのネーアというアネモネは人間臭い気がするが。
「――あの、その。ネーアさん、アネモネ、なんですよね?
私も、その、されちゃうんですか?」
「ん? 何? 興味ある?」
「ちち、違います!」
「あら? 顔が真っ赤よ」
「…からかわないで下さいっ」
「うふふ♪ 冗談よ――そうねぇ…」
にんまりとした意地悪な笑みが一転。ネーアは穏やかな表情を浮かべた。
「最初はね。リオとしようかと思ったんだけど。止めておくわ」
「どうしてですか?」
「どうしてって、体、弱いんでしょ? 無理させたくないもの」
「あ――」
気を使ってくれている。こんな自分に。
(どうして、こんなに優しいんだろう)
自殺を決意した自分を叱咤てくれた。
つまらない身の上話を聞いてくれた。
泣いたら抱き締めてくれた。
今まで、こんなに親身になってくれる者はいただろうか。
話しているだけで、心が安らぎ、不安や恐れが消えていく。
人間じゃないのに。いや、今では人間の方が恐ろしい。
それに父親も母親も、姉も。友達も。自分にはもう何もない。
(そっか。私、失う物、何も無いんだ)
元より捨てるつもりだったこの命。
彼女が望むなら、
「…ん? リオ? どうしたの?」
「――ってもいいです…」
「え?」
「仲間になってもいいです」
彼女の目を見て、はっきりと言った。
迷いは無かった。
「私を、アネモネにして下さい」
「……いいの?」
「もう、リビディスタに私の居場所はありません。それにこんな体ですから。
何処に居ても、誰かに迷惑を掛けてしまうんです」
毒殺される。誰かに迷惑をかけながら無様に生き長らえる。野垂れ死にする。
31 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:08:44 ID:Kre4J8NL
どう転んでも、幸せな人生は歩めそうにない。
「でもネーアさんは。優しくしてくれました」
「…そうかしら? あたしはモンスターよ?
あなたを油断させる為に芝居をしてるかもしれないわ」
「それはきっと違います」
「あら? どうして?」
「上手く言えないんですけど。私、何となく分かるんです。ネーアさんは優しい人って」
「もう。おだてても何も出ないんだから。でもありがと。
あたしも優しい、なんて言われたの久しぶりだわ。悪い気はしないわね」
クスクス、と二人で笑い合う。
リオは確信する。
屋敷では得られなかった、人の優しさは、人をやめる事によって初めて得られるのだと。
「それじゃあネーアさん。お願いします」
「あー。こっちから言い出しておいてあれなんだけど。本当にいいの?
人間、止める事になるわよ?」
それはつまり、今度は人間を『襲う側』になるという事だ。
確かに、見知らぬ誰かを傷付けたりする事は悲しいが。
心も、体も、もう散々穢れている。今更罪の一つや二つ、怖くは無い。
何よりも。
「ネーアさんの傍に、居たいんです」
「…参ったわね」
「私、家に未練もありませんから、本当にいいんです。
それに、この体、私嫌いなんですから」
「やっぱり、体弱いの気にしてるの?」
「それだけじゃありません。髪の色とか皆と違うし。
それに私自分の体臭が、気になって仕方ないんです」
父親に穢されるので、雄の匂いが染み付いていないか、というのもある。
だがそれ以上に。自分の匂いは普通の子と違う気がする。
パセットがじゃれついて密着する機会が多いのでそれは確かだ。
父親も、よくこの体の匂いを嗅いでいた気がするし、何だか気になるのだ。
「そうかしら。あたしはリオの髪、好きよ。綺麗なピンク色。
サラサラしてて頭を撫でてる時気持ちよかったわ。
その瞳も変わってるわよね? オッドアイって言うんだっけ?」
「あはは…皆、薄気味悪って言ってます」
「そんな事無いわよ! 何と言うか、神秘的な感じがするわ」
「え? あの、本当ですか?」
「本当よ? リオは自分の容姿にもっと自信を持って良いと思う」
「でもでも、私、変な臭いしてませんか?」
「そうねぇ――」
「きゃっ」
脇に鼻っ面を押付け、すんすんと匂いを嗅がれる。
猛烈な恥ずかしさに襲われた。穴があったら入りたくなってくる。
そういえば最後に体を清めたのはいつだっただろうか。
「んー。変な匂いなんてしないわよ? これは日向野の匂いね。
きっと日当たりの良い部屋なんでしょ」
「あ、え…、は、はい。そうですね。暑いくらいで、私、すぐ汗掻いちゃうんです」
「ふふ、確かに。汗の臭いもするわ」
「やっ!? 嗅がないで下さい!」
「そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よ。リオの体、甘い、良い香りがするわ。
香水とかの匂いじゃないし。きっと体質ね」
「そ、そうなんですか?」
男の精を何度もうけた体は、いやがおうにも汚く思えるが、それは思い込みだったのか。
「そうよぉ。何十人も女の子を抱いてきたあたしが言うんだもの。間違いないわ。
まあでもおしっこの匂いは普通ね」
「――ぁ」
空気が固まる。
そういえばさっき、ネーアに驚かされて派手に失禁した気がする。
(やだ! 私、オシッコでベタベタになってる!)
32 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:10:26 ID:Kre4J8NL
「いやああぁぁっ!」
「あらら。もう…おしっこぐらいで大げさね」
「そんな事ありません! いやっ、もう離して下さい! 臭い嗅がないで下さい!」
「クンクンクンクン♪」
「だからぁっ! もうっ、セクハラですぅ! 変態ですう!」
ピタリ、とネーアの動きが止まる。変態は言い過ぎだったか。
(どうしよう。傷つけちゃったのかな?)
「あ、あの。ごめんなさい。酷い事言っちゃって」
何気ない言葉が人の心をどれだけ傷つけるのか。
それはリオ自信が身を持って知っていたので、申し訳ない気分になった。
「ねえリオ。やっぱり。モンスターになるなんて嫌?」
「え? どうしてそんなこと言うんですか?」
「だ、だってさっきから嫌がってばっかりだし。
あたしのことは変態呼ばわりするし。
ひょっとしたら、嫌いになったんじゃないかって…」
目を伏せながら喋るネーアの言葉には覇気が無く、怯えた子供のよう。
(あ…そうか…そうなんだ)
この時リオは理解した。人肌が恋しいというネーアの言葉。
あれは冗談でも何でもなかったと言う事に。
(ネーアさん。寂しがり屋なんだ)
片や親から見捨てられた醜いアヒルの子。
片や人に追われる人の心を持ったモンスター。
(私達、お似合いかもしれない)
「ネーアさん。大丈夫ですよ? 私、ネーアさんの事、嫌いになったりしませんから」
「本当に?」
「はい」
「あたしの仲間になったら…毎日、エッチな事するわよ?」
「そ、それは――の、望むところです!」
「それじゃ――」
「んっ!?」
突然唇を奪われた。
初めてのキス。しかも同性とのそれに目を白黒させる。
だが驚きはしたがショックではない。男に捧げる操は二ヶ月も前に散っていた。
それに今更素敵な殿方と甘い恋がしたい――そんな稚拙な希望を抱ける訳も無かった。
だから喜んでネーアの舌を迎え入れた。
唾液を送り込まれ、歯茎と咥内に舌を這わされる。それに合わせるようにこちらも動く。
チュプチュプ、と粘液をかき回す音が頭の中で響き渡る。
余りのいやらしさに胸が怪しく高鳴る。
舌と舌が絡まり合うと蕩けるような愉悦に頭がぼうっ、とした。
(あ、これ、気持ちいい…っ)
催淫ガスのせいもあるだろう。
だがそれを差し引いても、父親とのキスなんかよりもよほど官能的だった。
まるで粘膜が性感帯になったように甘く痺れる。
ふんふん、と鼻に掛かるネーアの吐息が甘く香り、更なる興奮を呼び起こす。
股下が、じゅくり、と甘く疼くのを自覚した。
「ちゅうぅぅ――ぷはっ――ふうぅっ、こんな事毎日しちゃうわよ?
普通のキスとかしないんだから」
最後に舌を啜ってからディープキスから解放したネーアが優しく微笑む。
激しく甘い口付けにリオは虜になりそうだった。
(それは…嬉しいかも)
だがリオは酸欠とキスの余韻で喋ることも出来ない。
かと思えば優しいアネモネは心配そうに顔色を伺った。
「あ、…ごめんなさい。少し刺激が強かったかしら?」
「だ、大丈夫――です――はあぁ、はあ…」
リオは息を整えると恥ずかしさに顔を背けながら、それでも正直に言った。
「その――気持ちよかったです」
「…可愛い!」
33 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:12:05 ID:Kre4J8NL
「え?」
「どうしてそんなに可愛いのよもう! もうお姉さん我慢できないわ!
エッチよ! 契約よ! 種付けよ!」
いきなりネーアのテンションが上がる。
リオが受け入れてくれた事が余程嬉しかったらしい。
ぞわぞわと足元の花弁が蠕動し、そこら中から触手が生え出す。
花の中心部――つまりネーアの埋まった所から、甘酸っぱい、花の香りが漂ってきた。
(あ、いい匂い)
図鑑にはそれが、人間を欲情させる効果があると載っていた。
だが、知っていたからと言ってどうしようも出来ない。
フニャフニャになっていく体を触手に拘束され、慣れた動作で着ている物を脱がされた。
「あ…やだ、裸、見ないで下さい…」
月明かりに幼い少女の裸体が浮かび上がる。
病弱な体は少し線が細い。
更に言えば胸は勿論の事、腰回りや、尻の肉付きなど、控えめななものだ。
だが紅潮した肌は押せば返すような張りを持っている。
小さな臍や、寒さのせいで徐々に充血する乳首も愛らしい。
あばら付近から、小さな胸や、羞恥の丘へと続くなだらかなライン。
それが今後の成長を期待させる。
見るものが見れば、こんな未成熟な体でも十分魅力的に見える。
何よりも恥じらいに頬を赤くし、俯く少女の顔が可愛らしかった。
「かーわーいーいー!! きゃーー! リオちゃーん!」
「ちょっ、ネーアさんっ!?」
「ぷにぷによっ! ぷにぷにだわ! ああこの肌すべすべ! たまらないわぁ!」
「ひっ、やっ」
胸や腹、肩口やわき腹など、優しく撫でられ、揉まれる。
それが他愛の無いじゃれあいだという事も分かる。
だが裸体を触られる以上、それが性行為だという事も考えてしまうのだ。
ともすればセックスで苦痛を受けてきた体は、反射的に強ばってしまう。
「……えーと、…リオ?」
芳しくない反応にネーアが首を傾げた。
「ご、ごめんなさい」
「んー。ガスも撒いてるのに、中々解れないわね」
「本当にごめんなさい。私のせいで」
「そんな事言わないで、ね? 今まで辛い思いをしてきたんでしょ?
無理もないわ。でも大丈夫。そんなの気にならないくらい。感じさせてあげるから」
「ひゃっ!?」
いきなり脇の下を触手になぞられた。
「ふふふ。ガードが固い方が、あたしも燃えるからねー。
ちょっと本気を出すわよぉ?」
ふっ、と耳元に息を吹きかけられる。
ぞくぞくとした感触がして『にゃぁっ!?』とおかしな声が出た。
「ふふ。可愛い声出しちゃって」
「ひゃん!?」
今度はうなじ。
「体、ぷにぷにだわ。気持ちいい。良い匂いもするし。
リオのお父さんが夢中になるのも分かるわ」
「あっ!? うぅんっ」
愛撫は、吐息から触手によるタッチへ。
首から胸へ。胸から腹部へ。触れるか触れないかという絶妙な力加減で撫でられる。
くすぐったいようなじれったいような性感に、リオの中で欲情の炎が燻り始めた。
膣が疼いて汁を搾る。リオの甘い体臭に酸味のあるメスのフェロモンが混じり始める。
(私、興奮してるんだ…)
自覚すればその先に更なる官能があった。
雄しべのように花弁の付け根から伸びる触手。
それらに乳輪を、腋の下を、臍のすぐ傍を、撫でられる度にぞわり、と肌が粟立つ。
外で裸になっているから――それだけの理由ではない。明らかに感じている。
34 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:14:05 ID:Kre4J8NL
(頭、ぼーってするよぅっ)
はあはあ、と自分の呼吸音が聞こえる。まるで犬みたいで、少し情けない。
だが徐々に肌を撫でられるだけの刺激では物足りなくなってきた。
さっきから敏感な場所はネーアの手も、触手も触れていない。焦らしているのだ。
「んん…っ、ネーアさんっ、意地悪ですっ」
「んー? 何の事かしらぁ?」
そう言って妖艶に笑う姿は、やっぱり魔物。
けれど彼女の手が、陰部を目指して徐々に下がって来るとリオの体は緊張した。
快楽に期待して、胸が怪しく高鳴る。
それが淫らな気持ちだとは、思いもしない。
エッチがこんなに素晴らしいものだとは、思いもしなかったから。
「ふぅっ♪」
「きゃぁあん!?」
いきなり耳に息を吹きかけられ声が裏返る。完全に不意打ちだった。
「隙あり♪」
ネーアの指先が、左の乳輪をクルクルとなぞるように動く。
もどかしい快感にリオは身じろぎした。
だが、乳輪をなぞる円は徐々に幅を狭めて、小さなポッチとニアミスする。
再び淫らな期待に胸がときめいて、
「――と見せかけてこっち♪」
パクリと、触手の先端に右の乳首をくわえられた。
「きゃんっ!?」
そのままコリコリと甘噛みされる。
胸にピンク色の電流が流れて、視界内で火花が散った。
その快楽。比喩でもなんでもなく、未知の領域だった。
(こんな…っ、すごい! お父様にしてもらった時と全然違う!)
「はあっ…はあぁ…っ!」
鼓動が早い。吐息も艶めかしくなる。
女芯から、ジクジクと発情汁が溢れてくるのが分かった。
股下のべた付きは、小水よりも愛液の割合の方が遥かに多い。
「だいぶ、解れてきたみたいね?」
「――っ…」
ネーアの言葉に顔が真っ赤になった。
「ネーアさんの手がいやらしすぎるんですっ」
「あら。それはアネモネにとっては最高の誉め言葉だわ♪」
「もうっ、知りませんっ」
「拗ねた顔も可愛いわ――もっと見せて頂戴」
触手に捕まれたまま体の向きを変えられ、再び向かい合う。
と、触手に力が入り、リオの脚が開いていく。
「だ、駄目です!」
小水と愛液でドロドロになった自分の性器なんて、他人に見せられる筈がない。
何より使い込まれたヴァギナが他人と違っていたら、気持ち悪いと言われたら。
そう思うと気が気でない。
「駄目じゃないわ。あたしはリオの全部が見たいの。綺麗な所も、汚い所もね?」
そうしてあっさりと、足は開かれた。
さらけ出された幼い羞恥の丘に、痛いほど視線を感じる。
「――リオったら。綺麗なアソコしてるじゃない」
「え? 本当ですかっ?」
「本当よ。勿体ぶってどうなってるのかと思ったら。ビラビラだってはみ出してないし」
くちり。
「あっ!」
細い指が涎を垂らす割れ目を開く。
「粘膜も、サーモンピンクの綺麗な色をしているわ」
「あっ、あのっ! どこか変な所とかは…」
「大丈夫よ。リオのアソコ、どこもおかしくないわ」
「ふえっ…」
35 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:15:54 ID:Kre4J8NL
(良かったぁ…)
「リオ。ここ綺麗にしてあげるわ」
「え? え!? ここっ、て駄目です! そんな所、汚――あぁ!?」
ゾロリ、と割れ目に舌が這わされ、仰け反る。
反応を見て気を良くしたネーアはクンニを続けた。
割れ目に沿って舐めあげたり。肉ビラを一枚一枚磨き上げるように舐めたり。
膣の浅い位置に舌を差し込まれ、抜き差しする。
「あっ!? ふあっ!? はぅ!?」
痺れるような快楽だった。
苦痛に対してある程度我慢も出来るが、純粋な快楽には殆ど免疫がない。
チュプチュプと解れたヴァギナから卑猥な水音が鳴る度にアソコが痺れる。
喉からはしたない喘ぎ声が洩れてしまう。
(駄目っ! 気持ち良すぎて、頭変になりそう!)
びりびりとした純粋な快楽に意識が混濁する。
運動した後のように息が荒くなり。幼い顔は火を噴くかと思うほど真っ赤になっている。
女芯からは愛液が大量に湧き出し、リオの甘い香りを辺りに振りまいていた。
「あっ! はぁ! ネーアさん、ふあっ!? ま、待って! 待って下さい!
んあぁあぁぁ…! それ以上されたら私っ、おかしくなっちゃいます!」
返事の代わりに肉色の真珠に舌を這わされた。
「きやぁあんっ!?」
宝石でも磨き上げるように丁寧に、そして執拗に、性感の固まりを舐め解される。
身体中に電気が走り抜け、頭の中で星が散る。
強すぎる刺激に腰が引けてしまうがネーアに抱き付かれ、逃げられない。
ちゅぅっ…!
「あっ!? 駄目えぇっ!」
とどめとばかりにクリトリスを吸引され、そして解放された。
「ご馳走様♪ リオのお汁、とっても美味しかったわ♪」
これは男にくれてやるのは勿体無いわねえ、と明るくのたまっている。
余りの刺激に、前後不覚になっていたリオには言葉を返す余裕も無かった。
「はあっ…はあーっ…!」
「ふふ。涎垂らしちゃって。よっぽど気持ち良かったのね。
アソコもグチョグチョで、リオのエッチな香りがするわ♪」
「あーうっ」
指摘されて赤い顔がさらに赤くなった。
「リオったら可愛い♪」
「ば、ばかぁ…!」
余りの快感に肩で息をするリオは照れ隠しでそういうのが精一杯だった。
(あっ! どうしょうっ、馬鹿って言っちゃった)
「あら、悪い事を言う口ね?」
「ご、ごめんなさいっ」
「そんな口にはコレよ!」
「んむぅ!?」
花弁の根本から特に太い触手が生え、リオの小さな口を割って入る。
『舐めて』と言われるがままに特大触手にフェラを始めた。
(うわぁ。お父様のより大きい。
それにエラの部分が多重になってて…もしこんなのを入れられたら…)
過酷な陵辱がフラッシュバックすると、解れていた体も再び緊張してくる。
それでもネーアの期待には応えたくて、磨き上げた舌技で触手に奉仕した。
「あんっ…リオったら上手じゃない」
リオの不安を見越していたのか、ネーアはピンク色の長い髪を梳くように頭を撫でる。
頭を撫でられると心が安らぐ。リオは嬉しそうに目を細めると奉仕に夢中になった。
「あむ…ちゅ…っ、ぺろぺろっ…ちゅるっ」
(ん。本当に、大きい。エラエラに舌が削られちゃいそう)
これに比べれば父のモノなど可愛いものだ。
(お口だけじゃ、おいつかない、かな?)
ふと思い付き、せわしなくうねる胴体部分に両手で優しく触る。
「あん…!? リオ、いいのよ。そこまでしなくても」
リオは返事をする代わりに、触手をくわえたまま上目遣いにネーアを見た。
36 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:17:36 ID:Kre4J8NL
照れ臭そうに微笑んで、
にちゃっ、にちゃっ――
「ああっ!? リ、オっ…!」
両手を使い、触手の銅をしごきあげる。
(あ――ネーアさん。感じてくれてるんだ――嬉しい…)
胸の内から幸福感が込み上げる。
眉をハの字に歪めたネーアに、リオの中に眠っていた奉仕精神が覚醒した。
「れろぉっ…ちゅぷちゅぷ――ぷあっ…はあっ…ペロペロ、
ネーアさんっ、もっと――ちゅっ…、感じて下さいっ――ちゅるっ」
凶悪な雁首に、丁寧に舌を這わせた。
先から漏れる淫汁を啜り、軽く歯を立てる。
恥垢を舐めとるように雁と雁の間を丁寧に舐め上げる。
疣疣のついた先端部分を口の中に招き入れる。
そして亀頭部分を飴でも舐めるように舌で磨き上げた。
当然、この間にも手コキは続けている。
角度を変え、力加減を変え、長く太い触手の胴をしごき続けた。
「あっ!? ぁん! リオっ、上手すぎよぉ! はっ! はぁ、んっ…!
ああっ、あっ、あっ、あっ…! ダメ! このままじゃ私っ」
(イって下さいっ、ネーアさん。私のお口の中にネーアさんの沢山出して下さい!)
舌使いもそこそこに口をすぼめて触手を締め付ける。
少ない肺活量を限界まで使って吸引すれば、小さな口内も女性器の代わりになる。
顔を前後にピストンさせて触手を受け入れると喉の粘膜が何度も小突かれた。
たまらず嘔吐してしまいそうになるのを涙を流しながら必死に堪える。
「あっ!? ごめんっ、リオっ! 私っ、もうっ、我慢っ…あっぁあっ! あぁぁあっ!!」
勢い良く先端を喉奥に突き込まれる。次の瞬間、触手が脈打った。
ビュル! ドプドプドプっ!
「んんんっ!?」
(凄い量! お父様よりもずっと多い!)
喉を叩く熱い感触に吐き気を催す。
だがそれは単なる肉体の反射であって心の方は違う。はっきり言うと充実していた。
父のをくわえてもこんな気持ちにはならなかった。
だが、今はネーアを射精に導いた事に達成感すら覚える。
「うっ…はっ、…ぁっ!? 御免なさい、リオっ」
ずるりっ、と音を立てて触手が引き抜かれた。
びゅるびゅると触手が水をぶちまけるホースのように暴れ回り、顔を汚される。
顔を叩く熱い粘液を感じながら、口に溜まった粘液を飲み下した。
(あ、美味しい…)
濃厚な体液は甘い、蜜の味がした。
それをある程度飲み下したところで、大きく息を吸う。
「っ…! げほっ! げほっ!」
慌て酸素を取り込もうとしたのがいけなかったのか、盛大にむせてしまう。
「あぁもう私ったら! ホント馬鹿なんだからっ…ほらリオ? 大丈夫?
無理させてごめんなさいね」
ネーアが背中をさすってくれている。
上目遣いで見上げれば今にも泣きそうな表情をしていた。
なんだがかえってこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。
変わった人だ。いやモンスターだけど。
けれども今まで出会った誰よりも優しかった。
「あ、ありがとうございます。も、もう…大丈夫、ですから」
「…本当に?」
そう訪ねるネーアの表情は叱られた子供のように不安げだ。
それが彼女の妖艶な姿とのギャップも相まって、本当に可笑しい。
「もう何よ。人が心配してるのに。笑う事ないじゃない」
「あはは…あ…ごめんなさい。何だか可笑しくなっちゃって」
「…嫌じゃなかった?」
急に真顔に戻ったネーアの問いにリオは笑顔で答えた。
「少し苦しかったですけど…全然嫌じゃないですよ」
(自分でも不思議。お父様のは辛くて苦しくて、嫌なのに。
ネーアさんのは全然嫌じゃなかった)
37 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:19:24 ID:Kre4J8NL
こんな、得体のしれない触手なのに。
催淫ガスのせいだろうが、それ以上に相性もあると思う。
なんだか肌に合っている気がするのだ。
「なら、良かったわ。私ったら一度火が着いちゃうと自分じゃなかなか抑えられなくてね。
リオの可愛い顔、ベタベタにしちゃった」
ちゅ、と蜜を舐めるようにキスをされる。
それも一度ではなく何度も何度も。顔中に降り注ぐキスの雨がくすぐったい。
でも、それだけじゃ、何だか物足りなかった。
舐め取られていく蜜も、勿体無い気がする。
「ネーアさん…」
「…っ!?」
呼びかけに応じ、こちらに注意を向けたネーア。
そんな彼女の唇を今度はリオが奪う。
唇を合わせるだけのような、甘いものじゃない。
かつて父にそうされたように舌を捻じ込み、相手の唾液を啜る。
じゅるじゅると音を立てて、自分の顔を汚した体液を啜った。
それをネーアの舌と自分の舌でこね回し、攪拌し、思う存分味わってから飲み下す。
「リオ、あなた…」
「蜜、美味しかったから」
頭が回らない。自分が何をしたのかもよく理解していない。
何を言っているのかも良く分からない。
只、酷くアソコが疼いている。かつて無いほど、淫欲に支配されていた。
ガスのせいだろうか。それとも蜜にも同様の効果があったのか。
その両方か。それともそれ以外に理由があるのか。
「ネーアさぁん…」
とんでもない猫なで声だった。甘く、男を誘惑する声だ。
自分が発したものかと思ってしまう。
本当は自分の中に『何か』が居て、それが体を乗っ取ったのではないのか。
その考えは実は当たらずとも遠からず、という事をこの後リオは身をもって知る事になる。
「アソコ、疼くんですぅ…」
言いながら彼女の体に我が身を摺り寄せる。
さっきから子宮がじくじくと疼いて本当に、堪らない。
トイレを我慢するように太ももを擦り合わせて、その辛さを訴える。
いつの間にか滲む涙で、視界が濡れていた。
媚びるような訴えにネーアは喜び勇んで犯してくれるものかと思った。
だが彼女はリオの蕩けた顔を見て、表情を引き締める。
「分かったわ。貴女を抱いてあげる」
そう宣言すると彼女は淫蕩な笑みを浮かべた。
アネモネの本性が剥き出しになり、細い触手達から更にガスを噴き出す。
甘く香るそれに、なけなしの理性が削られる。視界が薄い桃色に染まった。
リオは自分から腰を押付け、あろう事か自ら割れ目を割り開く。
ふしだらな行動だとは思う。だがそれを止められない。止める気も無い。
「スケベな子。リオってやっぱり『こっち』の才能があるんじゃないの?」
ぐちょり、と割れ目に指を沈み込まれた。
ヴァギナから甘い電流が流れ、『あぁんっ』と甘ったるい喘ぎを上げてしまう。
リオの反応に気を良くしたネーアは小さな体を更に責め立てる。
「んあっ!? そ、それぇっ」
左の乳首に細い触手を絡ませ、搾られる。
痛いほどの刺激なのに、子宮がきゅう、と蜜を絞った。
「ほら、こっちも」
「あはぁんっ! いい、いいよぉっ」
立て続けに右の乳首もぎりぎりと絞られ、快楽に目がチカチカした。
38 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:20:46 ID:Kre4J8NL
気持ちいい。こんなに気持ちいい事、この世にあっただなんて、信じられない。
今まで父親に散々嬲者にされてきたのはなんだったのか。
「乳首だけでそんなんじゃ、耐えられないわよ?」
「ひゃぁあっ!?」
陰核に触手が巻き付く。それだけで乳首を搾られるのと同様の快感が走る。
だがそれだけで終わる筈も無い。
巻きついた触手は宝石でも磨き上げるように、真っ赤に充血した肉真珠を扱き始めた。
「にゃああぁぁっ!?」
びりびりとした官能がリオの神経を焼いた。
強すぎる快感にピンク色の短髪を振り回す。
だが前髪の下にある表情が苦痛を堪えるそれではない。
眉根を寄せ、舌を垂らすその顔は、快感を受け止める雌の表情だ。
へっ、へっ、と息を切れしながら、唾液を飛ばし、ネーアの胸元を汚した。
(すごい、すごいよぉっ、アソコ、痺れちゃうぅっ)
「もっとぉっ、ネーアさぁんっ」
「はいはい分かってるわよ。今度は、全部いっぺんにしてあげるわっ」
宣言通り、両の乳首とクリトリスに絡みついた触手が同時に三点を扱き挙げる。
しゅこしゅこしゅこっ。
「んはっ!? はっ、あっ、ぎっ! んっ! にゃっ、あぁぁっ!!」
びんびんに勃起した三点から破滅的な快楽が送り込まれる。
時には引っ張られ、爪弾かれ、とアクセントまでを加えられて。
女を感じさせる事を主眼においた愛撫だ。
大量の催淫ガスを吸い込んだ少女には刺激が強すぎた。
次々と送り込まれる官能の嵐に、体が痙攣する。
子宮がきゅうきゅうと収縮をし始めた。
(や、くるっ、なんかきちゃうよぉっ)
実は。リオは役二ヶ月間父親と肉体関係を持ったが、今まで一度も絶頂を迎えた事がない。
基本、本の虫である事から、そういう知識は知っているが経験は無かったのである。
そしてこの時彼女は本能的にこれが女の悦びである事を悟った。
快楽の果てにある更なる快楽。そう思うと始めてのエクスタシーも怖くは無い。
いや、むしろ、感じてみたい。
どこから出てきたのか。『どろり』とした情欲が胸の中で渦巻く。
快楽に、貪欲になっていく。
(いきたい、イきたイきたいっ)
リオはネーアに抱きつくと、触手に巻き付かれたままの乳首を、陰核を。
豊満な胸に、お臍に、押し付け、自ら擦り始めた。
「あ!? もうっ、本当にスケベなんだからっ」
ネーアの言葉も、その殆どを理解できない。
今は、快楽を貪る事しか考えられなかった。
「これっ! いいっ! すごいっ! ああっ! とん、じゃうっ!!
頭、真っ白にっ! ああっ! あぁっ! あっ! いいよぉ! いいっ!
もっとぉ! もっとぉ!! 気持ちよくしてぇ!」
「ふふっ、だったらお望みどおりにしてあげるわっ!
さあっ、とんじゃいなさい!」
ぎりっ。音がするほど、三っつの頂点が捻り上げられた。
「ああっ! ああっ、あ、あ、あっ! あっ! ああああっ!
ああぁぁぁっ!!! ああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!
にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!」
視界が真っ白に染まった。
子宮が強烈な収縮運動を繰り返し、下腹部がきゅうきゅう言っている。
(イっ、てるっ…私、イってるよぉっ)
どくどくと子宮が痙攣している。
下半身が、いや、全身が蕩けていく錯覚に襲われる。
意識は忘我へと飛ばされた。
――しゃぁぁぁっ――
二度目の『粗相』をした事にも気付かない。
39 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:22:33 ID:Kre4J8NL
「あら、勿体無い」
リオとネーアの合わした股下から零れ落ちていく黄金色の体液に触手が殺到する。
ちゅるちゅると音を立てて小水を啜っていると分かれば恥ずかしさに抗議しただろう。
だが今は初めてのアクメの余韻に浸り、暖かい人肌の温もりを感じていたかった。
「――ふふっ、どうだった?」
「かららがぁ…ふわふわしまふぅ…」
呂律の回らない言葉だったがネーアは意味を理解してくれた。
「こんなんでよければ毎日でもしたげるわよ。あーでもちょっと刺激が強かったかしら」
「あ、ん…気持ちよ過ぎて…あたま、変になるかと、思いましたぁ…。
あれが、イくって…ことなんですねぇ」
「あら? あの、リオ? ひょっとして、イった事、ないの?」
「…? ありませんよぉ? だからぁ、とっても気持ちよかったですう」
ネーアは、あっちゃぁ、と片手で顔を覆った。
何か心配事でもあったのだろうか、リオはぼんやりと考える。
「ごめんリオー。あたしったらてっきり経験済みだと。
だってお父さんと何度もしているんでしょう?」
「…はい。でも、イかしてもらったことはありませんから」
話しているうちに大分頭がすっきりしてきた。
まだ体が心地良い気だるさに包まれているが、徐々に自分が仕出かした事に気付く。
(ああ、さっきから私、いやらしい事ばっかり口にしてるっ)
かあ、と頭が羞恥心で茹で上がる。
今思い出すと、達する直前とかは本当にもう正気ではなかった。
というかあれは断じて自分ではない。
いくら父親に仕込まれたからと言ってあんなにいやらい女ではない。
「なんで顔真っ赤になってるの?」
「なななな何でもありませんっ!」
「リオって面白いわねえ。さっきまであんなにアンアン気持ち良さそうに喘いでいたのに。
今じゃ乙女チックに頬を赤らめたりなんかして♪」
「い、言わないで下さい! さっきは、どうかしてたんです!
あ、そうだ! ガスのせいです! きっとそうです!」
「ああ、これ?」
「ふわっ!?」
ぶしゅう、と顔面に甘ったるいガスを吹き付けられた。
肺に入り込んだそれはたちまち体を犯して、再び体中を淫欲で支配する。
「どう?」
「ど、どうってっ、ネーアさん、酷いです! 体、疼いて、きたじゃないですか!」
「それだけ? いやらしくなってるのは体だけ? すけべな気分じゃないの?」
「は、はっきり言わないで下さい!」
「ふーん? でもそういう事言えるって事はまだ理性は残ってるのよね?
さっきなんかは、もう、すごかったのに。エロエロだったわよ?」
まるで別人みたいにね、と付け足すネーアにリオも閉口する。
確かに、さっきの自分はおかしかった。
いやらしい気持ちになる、とかそんな生易しいものじゃない。
どろどろした情欲に囚われて、快楽を貪る事しか考えられなくなっていた。
ガスのせいだけでは、ないのだろうか。
「まあ別にいっか♪ 続きをしましょう?」
「え、あの。続きって…」
「今のは前戯よ前戯。準備運動みたいなものよ。今度は本番」
ずるうぅっ、と音を立てながらネーアの下半身が埋まった場所から触手が生えた。
雌しべに似た形状をしたそれは、先程フェラをした巨大な触手だ。
「これで、リオを犯すわ」
どくり、と心臓が脈打つ。同時に子宮がざわめいた。
浅葱色をした美しい肌とは対照的な、肉色の生生しい肉の蔦。
先端には多量の疣が張り付いている。そして男性器にも似た雁首は多重。
そしてそれは、リオの二の腕よりも太く、長い。
女を悶えさせる為に特化した、卑猥な形状だ。
(あれが、私の中に…)
どくどくと心臓が早鐘を打つ。子宮も新鮮な愛液を搾り出す。
40 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:23:58 ID:Kre4J8NL
頭がまたぼうっとして、体の中で燻っていた淫欲が鎌首をもたげた。
『どろり』と狂おしいほどの淫欲が胸から溢れ出す。
(欲しい…ネーアさんの触手…私のおマンコに欲しい…)
まただ。体を、心をドロドロの情欲に支配される。
理性がごっそりと削られ、快楽に飢えた、一匹の雌へと変わっていく。
まるで自分が、何か別のものへと変貌していくような感覚だった。
「あはぁ…」
太く、グロテスクな触手を欲情した瞳で見詰める。
突然豹変したリオの態度に、ネーアが訝しげな目を向けた。
「…リオ? 貴女また?」
「ネーアさぁん…触手ぅ、早く下さいぃ…私のおマンコに、突っ込んで下さいぃ…」
猫撫で声が上がる。やはり、さっきと同じだ。リオは正気を失っている。
「一応聞くけど、今からするのは『種付け』よ?
貴女の子宮にアドニスの『種子』を植え付けるの。
一度寄生したらこれは簡単には取り出せない。
貴女は『種子』に操られるように男を漁って――すぐに人間を止める事になる。
そうなったら、もう、戻れないわよ? それでもいいのね?」
「いいですからぁ。ネーアさんと同じになってもいいですからぁ。
だからぁ、私の子宮にぃ、種付け――あはぁ…種付けして下さいぃ」
自分自身の言葉に酔うように、種子の植え付けを望む。
実際のところ、人間の生活に未練はない。むしろこちらから願い下げだった。
それが人間を止める事で叶うのなら、別に構わない。
それに。ネーアの傍に居られるなら、人間を止めるくらい造作もないことだ。
まあ、そういう諸々の理由は正体不明の情動に全て流されていた。
今はネーアに犯されたい一心で性交を望んでいる。
正直、何度も確認を取るネーアの態度が少し疎ましいくらいだった。
「まあ、こうなったらしょうがないわね。元々そのつもりだったし。
あたしも腹をくくるわ。リオ。貴女も覚悟しなさい」
真剣だった表情を妖艶に歪めて、
「泣いても叫んでも、止めないからね?」
「――あ、んっ」
体をゆっくりと横倒しにされる。花弁をベッドに見たてて、仰向けに寝かされた。
視界の中にはネーアの美しい裸体。それに花弁の根元からしゅるしゅると伸びる触手。
そしてネーアの根元から伸びる、生殖用触手。
覆いかぶさるように、ネーアの顔が近付く。
唇を突き出すと、答えるようにキスの雨が顔面に降り注ぐ。
それにタイミングを合わせて、こちらから唇を重ねた。
一度唇同士が合わさってしまえばそこからは貪るようなキスへと変わる。
人で無いものと、人を止める事を決意したもの同士、競うように舌をねじ込む。
唾液を送り、舌をくまなく咥内へと這わせ、相手の弱点を探り出す。
歯と歯茎の境界を。舌の付け根を。或いは口蓋を。
時には唇を柔らかく噛み、時には相手の唾液を音を立てて啜る。
ちゅるちゅる、じゅるるる、じゅぅぅっ。
ふんふんと鼻から出た息がくすぐったい。
だがそれも、唾液が絡まりあう卑猥な音と、痺れるような愉悦に覆い隠される。
心音が、これからの快楽に期待して際限無く高まっていく。
「はあっ、ちゅっ、じゅるっ、ちゅうっ、ネーアさ、んっ。ネーアさんっ」
「はっ、んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅるるっ! リオっ、可愛いっ!
もうっ、犯すわよ? 種付け、するわよ? あたし、我慢できないからっ」
にちゃり。陰唇にぶつぶつとした感触。
(あ…今から、私、犯される)
犯され、種付けされ、アネモネになってしまう。
人を止め、人を襲う、化け物へと変わってしまう。
41 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:25:21 ID:Kre4J8NL
ぞくり、とした。
「犯して、下さいっ、ネーアさんっ」
倒錯的なシチュエーションに背筋がぞくぞくした。
欲情し、濡れた瞳で正面からネーアの瞳を見る。
彼女もどうやら理性が飛んでいるらしい。
唇を横に裂き、魔物らしい嗜虐的な笑みを浮かべた。
次の瞬間、
ずるるるるぅぅぅっ!
「んっにゃあぁぁぁっ!!?」
一息に、触手に刺し貫かれた。
ごりごりとした疣に膣穴を削り、解される衝撃に目前で火花が散る。
(あっ、すごっ、これっ、気持ちいいっ)
父親に比べれば一回りも二回りも大きな触手に貫かれれば、とんでもなく痛いと思う。
だが実際は苦痛の一つもないのだ。精々膣が突っ張るような感触がある程度。
おかげで挿入されただけで達してしまうところだった。
「はぁっ…イイわぁっ、幼女のマンコ…っ、凄い絞め付けっ、たまんないっ」
ずっちゅずっちゅ!
「あっ!? にゃっ! んああぁっ!!」
雌しべ触手にずんずんと子宮の入り口を小突かれると、その衝撃に色っぽい声を上げた。
気持ちいい。父親にされた時と全然違う。
膣壁全体が敏感になっている。それこそ何年もかけて開発されたように。
そこをごりごりと疣疣に削られると、甘い愉悦が走りぬけ、腰が溶けそうになるのだ。
力強い突き込みを受ければ子宮が揺さぶられ、まるで落ちて行くような酩酊感に襲われる。
子宮壁の外側にはボルチオと呼ばれる性感帯があるからだ。
セックスになれた遊女が、深く激しい挿入を望むのはここが開発されているからだ。
ところが今のリオの体はそこらの遊女よりも数段敏感になっている。
およそ十やそこらの歳では考えられないほど。
「あっ! あっ! あっ! いいっ! いいよぉ!
セックス! 気持ちいいよぉ!」
「はぁっ! あっ!? うあっ! ――何よ、いきなり締め付けがっ」
快感に蕩けていたネーアが戸惑いの表情を浮かべた。
「父親に開発されてたからって、これはっ。うっ、あぁっ!」
びくり、と自分を犯す触手が打ち震えた。
一回り体積を増して、更にリオを悦ばせる。
(ネーアさんの触手っ、びくびくしてる…♪ 私の中、きもちいいんだぁ)
「はっ! あっ! んっ! ネーアさぁんっ! 私のおマンコっ、気持ちいいですか!?
あっ! にゃっ! あんっ! ……いいっ、ですよねっ? んっ、んっ!
だってっ、はぁっ、はぁっ! さっきから、触手チンポっ、びくびくしてるからぁ!」
卑猥な言葉をワザと使って気持ちを昂ぶらせる。恥ずかしいが、それがいい。
今の自分はつくづく変態だと思うが、ネーアの快楽に歪む顔を見るとどうでもよくなった。
それどころかもっと悦ばせたい、と思ってしまう。
その衝動に身を任せてみた。
するとどうだ、まるで熟練の売婦のように膣圧を調整し、触手を悦ばせる。
精をねだるようにうねり、圧迫し、収縮する肉の穴に締め付けられ、ネーアは呻いた。
「あぁっ!? ちょっ、り、リオっ! どこでそんな、やらしいっ、ああぁっ!?」
今度は8の字を描くように腰を動かす。
(あはっ、これ、おマンコの中、ぐちょぐちょに掻き混ぜられちゃうよぉ♪)
ぶつぶつとした感触に膣を余す所無く蹂躙される。
じゅぷじゅぷと愛液に空気が混じる卑猥な音が耳朶に響いていた。
その度に甘い電流がヴァギナから全身へと広がるのだ。
肉壷に揉み解されて触手も悦んでいるのが『本能的』に分かった。
それだけじゃない。触手の『弱点』すらもなんとなく分かってしまう。
膣壁を掘り返している疣が大量に張り付いた触手の先端部分。
小豆色をしていて、男根よりも二回り程大きい。
野苺を楕円形にしたような形状だ。
その先端部分――ではなくて、そこから少し下の部分が弱いらしい。
ペニスで言うと亀頭と雁の間くらいか。それも少し亀頭よりの部分。
42 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:27:06 ID:Kre4J8NL
試しにその部分に膣圧を集中させてみた。
「きゃあぁっ!?」
可愛い悲鳴が上がり、びくびくと触手が打ち震える。
「あはぁっ、ここがぁ、いいんですねぇ? ネーアさぁん…」
信じられない、といった顔をするネーアの瞳を覗き込む。
あの優しい女性が、この幼い体で悦び、同時に怯えている。
そう思った瞬間。胸のうちからまた『ドロリ』とした感情が溢れ出る。
それに体と心を満たされていく感覚は官能的ですらあった。
気のせいか背中と頭がじくじくと疼く。
赤い瞳に映る自分の瞳が、両方とも赤くなっているのは気のせいか。
「ち、調子に乗るんじゃ、ないわよっ」
「んっきゃぁん!?」
肛門に異物感。不浄の門に触手が侵入していた。
小娘にいいように責められたのが癪に障ったのか、ネーアは本気で陵辱をするつもりだ。
細い触手が一本、また一本とアナルへと差し込まれていく。
リオの小指よりも細いが、それらが束なり、腹を圧迫していく。
「あっ、はぁっ! お腹っ、裂け、ちゃいますっ」
「大丈夫よぉ、リオはスケベだから、これくらい、なんともないわぁ。
それにぃ、慣れればこっちだってイイわよぉ?」
「んにゃああん!?」
ぎゅるり、と束になった触手が捻り、回転する。
まるでドリルのように回転し、腸壁をごりごりと削る。
普段排泄物をひり出す穴から、じわり、と官能の渦が巻いた。
(あ、すご、私、こんなので感じてっ)
「ほらほらっ、おマンコもめいっぱい可愛がってあげるわよ!」
ずっちゅ! ずっちゅ! ずっちゅ!
「んにゃぁっ!! あああっ! ひにゃあぁぁん!!」
(すご、すごいぃ! しきゅー、がつがつ小突かれてるうっ)
組み伏せられ、花びらへと押付けられた背中が反動で花弁の先端へとずり出されていく。
花弁の内側には女を狂わせる粘液が溜まっていて、背中と擦れてずじゅずじゅと音がなる。
それだけ激しいストロークだというのに痛みは殆ど無い。
あるにはあるが、快楽の総量が圧倒的に勝っていた。
「ほらほらっ! お尻も、アソコもっ! 一緒に苛めたげるっ」
ずこずこずこずこっ!
「あっあぁぁっ、あぁっ、あっぁあっ、あぁっぁうにゃぁぁぅ!!」
アナルを犯していたドリル状に束ねられた触手。それが激しいピストンを開始した。
ヴァギナを犯す触手と連動するように、交互に強烈な付きこみを繰り出す。
違和感、とした形容出来なかったアナルの官能。
だがドリル触手の強烈なストロークに、凄まじい勢いで腸壁が開発されていく。
いや、ひょっとしたらそれはヴァギナが感じた快楽だったのかもしれない。
腸壁と膣壁。二枚の壁越しに行われる苛烈なピストンにどちらがどちらか分からなくなる。
(おしりと、おマンコ、どろどろに溶けて、つながっちゃうっ)
リオは白目を剥いて、顔を振り乱した。
少女が受け止められる快楽ではない。舌をだらしなく垂らし、涎を零す。
挿入される雌しべと陰唇との隙間からは白い本気汁が泡となって下品な音をならしていた。
甘い、アルラウネのガスの香りに混じって、リオの女の香りが空気を淀める。
「いー顔になってきたわぁっ、さあ、これで、飛ばしてあげる!
とばして、種付けをしてあげるわっ」
ネーアの言葉はもう聞こえなかった。
二穴を穿つ触手のピストンに、意識が飛びかけている。
余りの快楽に膣が収縮し、細かなアクメを何度も迎えていた。
だから、三本の触手が勃起した三点を狙っているのに気付きもしない。
「あひっ! あひっ! にゃ、にゃああぁぁっ!! しぬぅっ!
こわれっ!! ひぎっ! あはっ! きもちっ! いいっ!
にゃっ!! んにゃあぁっっ!! んああぁぁぁっ!!
も、いぐっ!! ああぁっ! にゃぁぁぁっ!! ああぁぁっ!
ああああっ!! あぁぁぁぁぁぁぁっっっあぁぁぁっ!!!」
43 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:30:03 ID:Kre4J8NL
小さな波に何度も押し上げられ、本格的なアクメに打ち上げられた。
全身が、突っ張り、壊れたように全身をがくがくと痙攣させる。
そこに追い討ちをかけるように、二つの乳首とクリトリスに、触手が張り付いた。
「ぎっ――」
十字の切れ込みが入った先端で三つの頂点が咥え込まれる。
その直後、
ちゅううぅぅっ!!
「にゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあっっっっ!!!!?」
もぎ取れる、かと思うほどの強烈な吸引。
高みへと打ち上げられた性感は更に高みへと打ち上げられる。
完全に白目を剥き、獣のような咆哮を上げる。
ぶしゅう、と派手に潮を噴いたのを聞いた気がした。
「んあああっ!! 出るうっ!! 種子がっ! リオに種付けしちゃうううぅぅ!!
ああああぁぁぁぁぁあぁんんっ!!」
ごつっ、と音が聞こえるほど雌しべ触手を子宮口へとめり込ませ、
ビュルビュルビュルビュルビュル!!
「ひにゃぁああっ!!? にゃあぁぁぁぁあっ!!!」
精を直接流し込まれる。
子宮の内側まで敏感になっていた。熱い液体が子宮壁を叩く度にびくり、と体が震える。
(あはぁ…ネーアさんのぉ…精液ぃ…あっつうい…♪)
ぼこん。
びゅーびゅーと注がれる精液に混じって何か固形物が腹の中に入った気がして、
直後に意識が飛んだ。
***
以上で三話終了ですぅ。
無事投下を終えてほっとしましたw
さて、次回投下分ですがまたしてもエロは無いかもしれません。
シリーズの構成的に、『エロ話』『メインストーリー』を交互にする事になりそうですね。
普通のSSに比べればエロシーンは少なくなりますがその分1シーンを濃くするつもりです。
こんなところですか。いつものように感想等もお待ちしております。
それではまた。
幼女っ、万っ歳っ。
前スレ626さん投下お疲れ様でした。
貴重なエロ分を補充できたのでマジ嬉しいっす。
さて、今日も投下させて頂きます。
連続投稿による規制云々ですが自己完結しました。
連続投稿回数に上限が設定されているようではないみたいですね。
連続投稿する際の間隔の長さに下限があるだけのようです。
ひょっとしたら違っているかもしれませんが。
まあ、取りあえずは投下してみます。文章量も思い切って多めにしました。
しかしもしかしたらこちらの不手際で投下途中に規制が掛かるかもしれません。
その場合はどなたかが書き込んでこちら規制を解除してくれると助かります。
以下NGワードです。
(触手、フェラ、ロリ、猥語、種付け)
ネーアがあの性格だから和姦になる予定でしたが割とがっつりやります。
ではどうぞ。
第三話 人よりも優しい魔物
ネーアと名乗ったモンスターを改めて眺める。
(おっきなお胸)
少し恨めしい。
「あら。あたしの裸に見とれた?」
良いながら男を挑発するように、妖艶にポーズをつける。
光沢のある萌葱色の肌が波打ち、それだけで妖しい色香を放つ。
同姓だというのに余りのエロティックさにドキドキした。
「ふふ。良いわね、その初な反応。女冥利に尽きるわ」
ふと思い出す。
以前、暇つぶしに読んだ、モンスターの図鑑にアネモネの事が載っていた。
彼女達は『アドニス』と呼ばれる寄生型植物と同化させられてしまった人間の女性だ。
今からおよそ二百年ほど前、大量に繁殖したモンスターである。
巨大な花にその身を埋めた彼女達は、理性を蕩けさせる催淫ガスを放つ。
そしてガスを吸い込み正気を失った人間の女に『アドニスの種子』を植え付けるのだ。
『種子』は子宮に植え付けられ、被害者の体液、或いは精液を糧に『芽』へと成長する。
『芽』は子宮に根を張り、膣を通って体外へと伸びる。
『芽』と名付けられたがその形は『花』そのものだ。
被害者の陰唇から花が生えたような格好になる。
この状態になると被害者の理性も危うい。
『芽』の最奥部、つまり胎内では新たな『種子』が既に生成されているのだ。
こうなると本能のまま、新たな犠牲者を犯し、自分がされたように『種子』を植え付ける。
『芽』は更に成長する。
被害者の下腹部が膨らみ、妊婦同然に膨れ上がると、『芽』が体外へと排出される。
だがこれで犠牲者達が解放される事は無い。
体外へと産み落とされたそれは『花』であり、これが『アドニス』。
それ自身が自我を持ち、自分を産み落とした母体を或いは他の女を陵辱し、体液を啜る。
『花』となったそれの成長は早い。
30 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:06:54 ID:Kre4J8NL
産み落とされてから三日程で『成体』となる。
この三日間の間で、母体を陵辱し、子宮から体内構造を作り変えてしまう。
『花』と『母体』は子宮を通して完全に繋がり、意思も神経も同調する。
肌の色が浅葱色へと変化し、被害者は『アネモネ』となる。
こうなったら人間としての心は完全に消えている。
『芽』が生えた状態では操られている、と言えなくも無い。
だが『成体』となったら自らの意思で嬉々として人間を襲う。
こうして彼女達は無限に増殖していくのだ。
二百年前に起こったアネモネの大量増殖もそうだったらしい。
最終的に、かの偉人ウラヌスが秘術を用いて彼女達を『無力化』したらしいが。
らしいと言うのは当人がその秘術を使用した時点で命を失っていた事。
そして大量増殖した被害者達はアネモネから人間へと戻り、当時の記憶を失っている事。
この二点が事の仔細を不明瞭にしている。
それは、兎も角。
問題は眼前に本物のアネモネが居る、という事だ。
資料に寄れば彼女達は人の姿をし、人語を操るが、その実態はやはり化け物。
人間を襲う事を生業とする、モンスターだ。
それにしてはどうにもこのネーアというアネモネは人間臭い気がするが。
「――あの、その。ネーアさん、アネモネ、なんですよね?
私も、その、されちゃうんですか?」
「ん? 何? 興味ある?」
「ちち、違います!」
「あら? 顔が真っ赤よ」
「…からかわないで下さいっ」
「うふふ♪ 冗談よ――そうねぇ…」
にんまりとした意地悪な笑みが一転。ネーアは穏やかな表情を浮かべた。
「最初はね。リオとしようかと思ったんだけど。止めておくわ」
「どうしてですか?」
「どうしてって、体、弱いんでしょ? 無理させたくないもの」
「あ――」
気を使ってくれている。こんな自分に。
(どうして、こんなに優しいんだろう)
自殺を決意した自分を叱咤てくれた。
つまらない身の上話を聞いてくれた。
泣いたら抱き締めてくれた。
今まで、こんなに親身になってくれる者はいただろうか。
話しているだけで、心が安らぎ、不安や恐れが消えていく。
人間じゃないのに。いや、今では人間の方が恐ろしい。
それに父親も母親も、姉も。友達も。自分にはもう何もない。
(そっか。私、失う物、何も無いんだ)
元より捨てるつもりだったこの命。
彼女が望むなら、
「…ん? リオ? どうしたの?」
「――ってもいいです…」
「え?」
「仲間になってもいいです」
彼女の目を見て、はっきりと言った。
迷いは無かった。
「私を、アネモネにして下さい」
「……いいの?」
「もう、リビディスタに私の居場所はありません。それにこんな体ですから。
何処に居ても、誰かに迷惑を掛けてしまうんです」
毒殺される。誰かに迷惑をかけながら無様に生き長らえる。野垂れ死にする。
31 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:08:44 ID:Kre4J8NL
どう転んでも、幸せな人生は歩めそうにない。
「でもネーアさんは。優しくしてくれました」
「…そうかしら? あたしはモンスターよ?
あなたを油断させる為に芝居をしてるかもしれないわ」
「それはきっと違います」
「あら? どうして?」
「上手く言えないんですけど。私、何となく分かるんです。ネーアさんは優しい人って」
「もう。おだてても何も出ないんだから。でもありがと。
あたしも優しい、なんて言われたの久しぶりだわ。悪い気はしないわね」
クスクス、と二人で笑い合う。
リオは確信する。
屋敷では得られなかった、人の優しさは、人をやめる事によって初めて得られるのだと。
「それじゃあネーアさん。お願いします」
「あー。こっちから言い出しておいてあれなんだけど。本当にいいの?
人間、止める事になるわよ?」
それはつまり、今度は人間を『襲う側』になるという事だ。
確かに、見知らぬ誰かを傷付けたりする事は悲しいが。
心も、体も、もう散々穢れている。今更罪の一つや二つ、怖くは無い。
何よりも。
「ネーアさんの傍に、居たいんです」
「…参ったわね」
「私、家に未練もありませんから、本当にいいんです。
それに、この体、私嫌いなんですから」
「やっぱり、体弱いの気にしてるの?」
「それだけじゃありません。髪の色とか皆と違うし。
それに私自分の体臭が、気になって仕方ないんです」
父親に穢されるので、雄の匂いが染み付いていないか、というのもある。
だがそれ以上に。自分の匂いは普通の子と違う気がする。
パセットがじゃれついて密着する機会が多いのでそれは確かだ。
父親も、よくこの体の匂いを嗅いでいた気がするし、何だか気になるのだ。
「そうかしら。あたしはリオの髪、好きよ。綺麗なピンク色。
サラサラしてて頭を撫でてる時気持ちよかったわ。
その瞳も変わってるわよね? オッドアイって言うんだっけ?」
「あはは…皆、薄気味悪って言ってます」
「そんな事無いわよ! 何と言うか、神秘的な感じがするわ」
「え? あの、本当ですか?」
「本当よ? リオは自分の容姿にもっと自信を持って良いと思う」
「でもでも、私、変な臭いしてませんか?」
「そうねぇ――」
「きゃっ」
脇に鼻っ面を押付け、すんすんと匂いを嗅がれる。
猛烈な恥ずかしさに襲われた。穴があったら入りたくなってくる。
そういえば最後に体を清めたのはいつだっただろうか。
「んー。変な匂いなんてしないわよ? これは日向野の匂いね。
きっと日当たりの良い部屋なんでしょ」
「あ、え…、は、はい。そうですね。暑いくらいで、私、すぐ汗掻いちゃうんです」
「ふふ、確かに。汗の臭いもするわ」
「やっ!? 嗅がないで下さい!」
「そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よ。リオの体、甘い、良い香りがするわ。
香水とかの匂いじゃないし。きっと体質ね」
「そ、そうなんですか?」
男の精を何度もうけた体は、いやがおうにも汚く思えるが、それは思い込みだったのか。
「そうよぉ。何十人も女の子を抱いてきたあたしが言うんだもの。間違いないわ。
まあでもおしっこの匂いは普通ね」
「――ぁ」
空気が固まる。
そういえばさっき、ネーアに驚かされて派手に失禁した気がする。
(やだ! 私、オシッコでベタベタになってる!)
32 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:10:26 ID:Kre4J8NL
「いやああぁぁっ!」
「あらら。もう…おしっこぐらいで大げさね」
「そんな事ありません! いやっ、もう離して下さい! 臭い嗅がないで下さい!」
「クンクンクンクン♪」
「だからぁっ! もうっ、セクハラですぅ! 変態ですう!」
ピタリ、とネーアの動きが止まる。変態は言い過ぎだったか。
(どうしよう。傷つけちゃったのかな?)
「あ、あの。ごめんなさい。酷い事言っちゃって」
何気ない言葉が人の心をどれだけ傷つけるのか。
それはリオ自信が身を持って知っていたので、申し訳ない気分になった。
「ねえリオ。やっぱり。モンスターになるなんて嫌?」
「え? どうしてそんなこと言うんですか?」
「だ、だってさっきから嫌がってばっかりだし。
あたしのことは変態呼ばわりするし。
ひょっとしたら、嫌いになったんじゃないかって…」
目を伏せながら喋るネーアの言葉には覇気が無く、怯えた子供のよう。
(あ…そうか…そうなんだ)
この時リオは理解した。人肌が恋しいというネーアの言葉。
あれは冗談でも何でもなかったと言う事に。
(ネーアさん。寂しがり屋なんだ)
片や親から見捨てられた醜いアヒルの子。
片や人に追われる人の心を持ったモンスター。
(私達、お似合いかもしれない)
「ネーアさん。大丈夫ですよ? 私、ネーアさんの事、嫌いになったりしませんから」
「本当に?」
「はい」
「あたしの仲間になったら…毎日、エッチな事するわよ?」
「そ、それは――の、望むところです!」
「それじゃ――」
「んっ!?」
突然唇を奪われた。
初めてのキス。しかも同性とのそれに目を白黒させる。
だが驚きはしたがショックではない。男に捧げる操は二ヶ月も前に散っていた。
それに今更素敵な殿方と甘い恋がしたい――そんな稚拙な希望を抱ける訳も無かった。
だから喜んでネーアの舌を迎え入れた。
唾液を送り込まれ、歯茎と咥内に舌を這わされる。それに合わせるようにこちらも動く。
チュプチュプ、と粘液をかき回す音が頭の中で響き渡る。
余りのいやらしさに胸が怪しく高鳴る。
舌と舌が絡まり合うと蕩けるような愉悦に頭がぼうっ、とした。
(あ、これ、気持ちいい…っ)
催淫ガスのせいもあるだろう。
だがそれを差し引いても、父親とのキスなんかよりもよほど官能的だった。
まるで粘膜が性感帯になったように甘く痺れる。
ふんふん、と鼻に掛かるネーアの吐息が甘く香り、更なる興奮を呼び起こす。
股下が、じゅくり、と甘く疼くのを自覚した。
「ちゅうぅぅ――ぷはっ――ふうぅっ、こんな事毎日しちゃうわよ?
普通のキスとかしないんだから」
最後に舌を啜ってからディープキスから解放したネーアが優しく微笑む。
激しく甘い口付けにリオは虜になりそうだった。
(それは…嬉しいかも)
だがリオは酸欠とキスの余韻で喋ることも出来ない。
かと思えば優しいアネモネは心配そうに顔色を伺った。
「あ、…ごめんなさい。少し刺激が強かったかしら?」
「だ、大丈夫――です――はあぁ、はあ…」
リオは息を整えると恥ずかしさに顔を背けながら、それでも正直に言った。
「その――気持ちよかったです」
「…可愛い!」
33 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:12:05 ID:Kre4J8NL
「え?」
「どうしてそんなに可愛いのよもう! もうお姉さん我慢できないわ!
エッチよ! 契約よ! 種付けよ!」
いきなりネーアのテンションが上がる。
リオが受け入れてくれた事が余程嬉しかったらしい。
ぞわぞわと足元の花弁が蠕動し、そこら中から触手が生え出す。
花の中心部――つまりネーアの埋まった所から、甘酸っぱい、花の香りが漂ってきた。
(あ、いい匂い)
図鑑にはそれが、人間を欲情させる効果があると載っていた。
だが、知っていたからと言ってどうしようも出来ない。
フニャフニャになっていく体を触手に拘束され、慣れた動作で着ている物を脱がされた。
「あ…やだ、裸、見ないで下さい…」
月明かりに幼い少女の裸体が浮かび上がる。
病弱な体は少し線が細い。
更に言えば胸は勿論の事、腰回りや、尻の肉付きなど、控えめななものだ。
だが紅潮した肌は押せば返すような張りを持っている。
小さな臍や、寒さのせいで徐々に充血する乳首も愛らしい。
あばら付近から、小さな胸や、羞恥の丘へと続くなだらかなライン。
それが今後の成長を期待させる。
見るものが見れば、こんな未成熟な体でも十分魅力的に見える。
何よりも恥じらいに頬を赤くし、俯く少女の顔が可愛らしかった。
「かーわーいーいー!! きゃーー! リオちゃーん!」
「ちょっ、ネーアさんっ!?」
「ぷにぷによっ! ぷにぷにだわ! ああこの肌すべすべ! たまらないわぁ!」
「ひっ、やっ」
胸や腹、肩口やわき腹など、優しく撫でられ、揉まれる。
それが他愛の無いじゃれあいだという事も分かる。
だが裸体を触られる以上、それが性行為だという事も考えてしまうのだ。
ともすればセックスで苦痛を受けてきた体は、反射的に強ばってしまう。
「……えーと、…リオ?」
芳しくない反応にネーアが首を傾げた。
「ご、ごめんなさい」
「んー。ガスも撒いてるのに、中々解れないわね」
「本当にごめんなさい。私のせいで」
「そんな事言わないで、ね? 今まで辛い思いをしてきたんでしょ?
無理もないわ。でも大丈夫。そんなの気にならないくらい。感じさせてあげるから」
「ひゃっ!?」
いきなり脇の下を触手になぞられた。
「ふふふ。ガードが固い方が、あたしも燃えるからねー。
ちょっと本気を出すわよぉ?」
ふっ、と耳元に息を吹きかけられる。
ぞくぞくとした感触がして『にゃぁっ!?』とおかしな声が出た。
「ふふ。可愛い声出しちゃって」
「ひゃん!?」
今度はうなじ。
「体、ぷにぷにだわ。気持ちいい。良い匂いもするし。
リオのお父さんが夢中になるのも分かるわ」
「あっ!? うぅんっ」
愛撫は、吐息から触手によるタッチへ。
首から胸へ。胸から腹部へ。触れるか触れないかという絶妙な力加減で撫でられる。
くすぐったいようなじれったいような性感に、リオの中で欲情の炎が燻り始めた。
膣が疼いて汁を搾る。リオの甘い体臭に酸味のあるメスのフェロモンが混じり始める。
(私、興奮してるんだ…)
自覚すればその先に更なる官能があった。
雄しべのように花弁の付け根から伸びる触手。
それらに乳輪を、腋の下を、臍のすぐ傍を、撫でられる度にぞわり、と肌が粟立つ。
外で裸になっているから――それだけの理由ではない。明らかに感じている。
34 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:14:05 ID:Kre4J8NL
(頭、ぼーってするよぅっ)
はあはあ、と自分の呼吸音が聞こえる。まるで犬みたいで、少し情けない。
だが徐々に肌を撫でられるだけの刺激では物足りなくなってきた。
さっきから敏感な場所はネーアの手も、触手も触れていない。焦らしているのだ。
「んん…っ、ネーアさんっ、意地悪ですっ」
「んー? 何の事かしらぁ?」
そう言って妖艶に笑う姿は、やっぱり魔物。
けれど彼女の手が、陰部を目指して徐々に下がって来るとリオの体は緊張した。
快楽に期待して、胸が怪しく高鳴る。
それが淫らな気持ちだとは、思いもしない。
エッチがこんなに素晴らしいものだとは、思いもしなかったから。
「ふぅっ♪」
「きゃぁあん!?」
いきなり耳に息を吹きかけられ声が裏返る。完全に不意打ちだった。
「隙あり♪」
ネーアの指先が、左の乳輪をクルクルとなぞるように動く。
もどかしい快感にリオは身じろぎした。
だが、乳輪をなぞる円は徐々に幅を狭めて、小さなポッチとニアミスする。
再び淫らな期待に胸がときめいて、
「――と見せかけてこっち♪」
パクリと、触手の先端に右の乳首をくわえられた。
「きゃんっ!?」
そのままコリコリと甘噛みされる。
胸にピンク色の電流が流れて、視界内で火花が散った。
その快楽。比喩でもなんでもなく、未知の領域だった。
(こんな…っ、すごい! お父様にしてもらった時と全然違う!)
「はあっ…はあぁ…っ!」
鼓動が早い。吐息も艶めかしくなる。
女芯から、ジクジクと発情汁が溢れてくるのが分かった。
股下のべた付きは、小水よりも愛液の割合の方が遥かに多い。
「だいぶ、解れてきたみたいね?」
「――っ…」
ネーアの言葉に顔が真っ赤になった。
「ネーアさんの手がいやらしすぎるんですっ」
「あら。それはアネモネにとっては最高の誉め言葉だわ♪」
「もうっ、知りませんっ」
「拗ねた顔も可愛いわ――もっと見せて頂戴」
触手に捕まれたまま体の向きを変えられ、再び向かい合う。
と、触手に力が入り、リオの脚が開いていく。
「だ、駄目です!」
小水と愛液でドロドロになった自分の性器なんて、他人に見せられる筈がない。
何より使い込まれたヴァギナが他人と違っていたら、気持ち悪いと言われたら。
そう思うと気が気でない。
「駄目じゃないわ。あたしはリオの全部が見たいの。綺麗な所も、汚い所もね?」
そうしてあっさりと、足は開かれた。
さらけ出された幼い羞恥の丘に、痛いほど視線を感じる。
「――リオったら。綺麗なアソコしてるじゃない」
「え? 本当ですかっ?」
「本当よ。勿体ぶってどうなってるのかと思ったら。ビラビラだってはみ出してないし」
くちり。
「あっ!」
細い指が涎を垂らす割れ目を開く。
「粘膜も、サーモンピンクの綺麗な色をしているわ」
「あっ、あのっ! どこか変な所とかは…」
「大丈夫よ。リオのアソコ、どこもおかしくないわ」
「ふえっ…」
35 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:15:54 ID:Kre4J8NL
(良かったぁ…)
「リオ。ここ綺麗にしてあげるわ」
「え? え!? ここっ、て駄目です! そんな所、汚――あぁ!?」
ゾロリ、と割れ目に舌が這わされ、仰け反る。
反応を見て気を良くしたネーアはクンニを続けた。
割れ目に沿って舐めあげたり。肉ビラを一枚一枚磨き上げるように舐めたり。
膣の浅い位置に舌を差し込まれ、抜き差しする。
「あっ!? ふあっ!? はぅ!?」
痺れるような快楽だった。
苦痛に対してある程度我慢も出来るが、純粋な快楽には殆ど免疫がない。
チュプチュプと解れたヴァギナから卑猥な水音が鳴る度にアソコが痺れる。
喉からはしたない喘ぎ声が洩れてしまう。
(駄目っ! 気持ち良すぎて、頭変になりそう!)
びりびりとした純粋な快楽に意識が混濁する。
運動した後のように息が荒くなり。幼い顔は火を噴くかと思うほど真っ赤になっている。
女芯からは愛液が大量に湧き出し、リオの甘い香りを辺りに振りまいていた。
「あっ! はぁ! ネーアさん、ふあっ!? ま、待って! 待って下さい!
んあぁあぁぁ…! それ以上されたら私っ、おかしくなっちゃいます!」
返事の代わりに肉色の真珠に舌を這わされた。
「きやぁあんっ!?」
宝石でも磨き上げるように丁寧に、そして執拗に、性感の固まりを舐め解される。
身体中に電気が走り抜け、頭の中で星が散る。
強すぎる刺激に腰が引けてしまうがネーアに抱き付かれ、逃げられない。
ちゅぅっ…!
「あっ!? 駄目えぇっ!」
とどめとばかりにクリトリスを吸引され、そして解放された。
「ご馳走様♪ リオのお汁、とっても美味しかったわ♪」
これは男にくれてやるのは勿体無いわねえ、と明るくのたまっている。
余りの刺激に、前後不覚になっていたリオには言葉を返す余裕も無かった。
「はあっ…はあーっ…!」
「ふふ。涎垂らしちゃって。よっぽど気持ち良かったのね。
アソコもグチョグチョで、リオのエッチな香りがするわ♪」
「あーうっ」
指摘されて赤い顔がさらに赤くなった。
「リオったら可愛い♪」
「ば、ばかぁ…!」
余りの快感に肩で息をするリオは照れ隠しでそういうのが精一杯だった。
(あっ! どうしょうっ、馬鹿って言っちゃった)
「あら、悪い事を言う口ね?」
「ご、ごめんなさいっ」
「そんな口にはコレよ!」
「んむぅ!?」
花弁の根本から特に太い触手が生え、リオの小さな口を割って入る。
『舐めて』と言われるがままに特大触手にフェラを始めた。
(うわぁ。お父様のより大きい。
それにエラの部分が多重になってて…もしこんなのを入れられたら…)
過酷な陵辱がフラッシュバックすると、解れていた体も再び緊張してくる。
それでもネーアの期待には応えたくて、磨き上げた舌技で触手に奉仕した。
「あんっ…リオったら上手じゃない」
リオの不安を見越していたのか、ネーアはピンク色の長い髪を梳くように頭を撫でる。
頭を撫でられると心が安らぐ。リオは嬉しそうに目を細めると奉仕に夢中になった。
「あむ…ちゅ…っ、ぺろぺろっ…ちゅるっ」
(ん。本当に、大きい。エラエラに舌が削られちゃいそう)
これに比べれば父のモノなど可愛いものだ。
(お口だけじゃ、おいつかない、かな?)
ふと思い付き、せわしなくうねる胴体部分に両手で優しく触る。
「あん…!? リオ、いいのよ。そこまでしなくても」
リオは返事をする代わりに、触手をくわえたまま上目遣いにネーアを見た。
36 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:17:36 ID:Kre4J8NL
照れ臭そうに微笑んで、
にちゃっ、にちゃっ――
「ああっ!? リ、オっ…!」
両手を使い、触手の銅をしごきあげる。
(あ――ネーアさん。感じてくれてるんだ――嬉しい…)
胸の内から幸福感が込み上げる。
眉をハの字に歪めたネーアに、リオの中に眠っていた奉仕精神が覚醒した。
「れろぉっ…ちゅぷちゅぷ――ぷあっ…はあっ…ペロペロ、
ネーアさんっ、もっと――ちゅっ…、感じて下さいっ――ちゅるっ」
凶悪な雁首に、丁寧に舌を這わせた。
先から漏れる淫汁を啜り、軽く歯を立てる。
恥垢を舐めとるように雁と雁の間を丁寧に舐め上げる。
疣疣のついた先端部分を口の中に招き入れる。
そして亀頭部分を飴でも舐めるように舌で磨き上げた。
当然、この間にも手コキは続けている。
角度を変え、力加減を変え、長く太い触手の胴をしごき続けた。
「あっ!? ぁん! リオっ、上手すぎよぉ! はっ! はぁ、んっ…!
ああっ、あっ、あっ、あっ…! ダメ! このままじゃ私っ」
(イって下さいっ、ネーアさん。私のお口の中にネーアさんの沢山出して下さい!)
舌使いもそこそこに口をすぼめて触手を締め付ける。
少ない肺活量を限界まで使って吸引すれば、小さな口内も女性器の代わりになる。
顔を前後にピストンさせて触手を受け入れると喉の粘膜が何度も小突かれた。
たまらず嘔吐してしまいそうになるのを涙を流しながら必死に堪える。
「あっ!? ごめんっ、リオっ! 私っ、もうっ、我慢っ…あっぁあっ! あぁぁあっ!!」
勢い良く先端を喉奥に突き込まれる。次の瞬間、触手が脈打った。
ビュル! ドプドプドプっ!
「んんんっ!?」
(凄い量! お父様よりもずっと多い!)
喉を叩く熱い感触に吐き気を催す。
だがそれは単なる肉体の反射であって心の方は違う。はっきり言うと充実していた。
父のをくわえてもこんな気持ちにはならなかった。
だが、今はネーアを射精に導いた事に達成感すら覚える。
「うっ…はっ、…ぁっ!? 御免なさい、リオっ」
ずるりっ、と音を立てて触手が引き抜かれた。
びゅるびゅると触手が水をぶちまけるホースのように暴れ回り、顔を汚される。
顔を叩く熱い粘液を感じながら、口に溜まった粘液を飲み下した。
(あ、美味しい…)
濃厚な体液は甘い、蜜の味がした。
それをある程度飲み下したところで、大きく息を吸う。
「っ…! げほっ! げほっ!」
慌て酸素を取り込もうとしたのがいけなかったのか、盛大にむせてしまう。
「あぁもう私ったら! ホント馬鹿なんだからっ…ほらリオ? 大丈夫?
無理させてごめんなさいね」
ネーアが背中をさすってくれている。
上目遣いで見上げれば今にも泣きそうな表情をしていた。
なんだがかえってこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。
変わった人だ。いやモンスターだけど。
けれども今まで出会った誰よりも優しかった。
「あ、ありがとうございます。も、もう…大丈夫、ですから」
「…本当に?」
そう訪ねるネーアの表情は叱られた子供のように不安げだ。
それが彼女の妖艶な姿とのギャップも相まって、本当に可笑しい。
「もう何よ。人が心配してるのに。笑う事ないじゃない」
「あはは…あ…ごめんなさい。何だか可笑しくなっちゃって」
「…嫌じゃなかった?」
急に真顔に戻ったネーアの問いにリオは笑顔で答えた。
「少し苦しかったですけど…全然嫌じゃないですよ」
(自分でも不思議。お父様のは辛くて苦しくて、嫌なのに。
ネーアさんのは全然嫌じゃなかった)
37 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:19:24 ID:Kre4J8NL
こんな、得体のしれない触手なのに。
催淫ガスのせいだろうが、それ以上に相性もあると思う。
なんだか肌に合っている気がするのだ。
「なら、良かったわ。私ったら一度火が着いちゃうと自分じゃなかなか抑えられなくてね。
リオの可愛い顔、ベタベタにしちゃった」
ちゅ、と蜜を舐めるようにキスをされる。
それも一度ではなく何度も何度も。顔中に降り注ぐキスの雨がくすぐったい。
でも、それだけじゃ、何だか物足りなかった。
舐め取られていく蜜も、勿体無い気がする。
「ネーアさん…」
「…っ!?」
呼びかけに応じ、こちらに注意を向けたネーア。
そんな彼女の唇を今度はリオが奪う。
唇を合わせるだけのような、甘いものじゃない。
かつて父にそうされたように舌を捻じ込み、相手の唾液を啜る。
じゅるじゅると音を立てて、自分の顔を汚した体液を啜った。
それをネーアの舌と自分の舌でこね回し、攪拌し、思う存分味わってから飲み下す。
「リオ、あなた…」
「蜜、美味しかったから」
頭が回らない。自分が何をしたのかもよく理解していない。
何を言っているのかも良く分からない。
只、酷くアソコが疼いている。かつて無いほど、淫欲に支配されていた。
ガスのせいだろうか。それとも蜜にも同様の効果があったのか。
その両方か。それともそれ以外に理由があるのか。
「ネーアさぁん…」
とんでもない猫なで声だった。甘く、男を誘惑する声だ。
自分が発したものかと思ってしまう。
本当は自分の中に『何か』が居て、それが体を乗っ取ったのではないのか。
その考えは実は当たらずとも遠からず、という事をこの後リオは身をもって知る事になる。
「アソコ、疼くんですぅ…」
言いながら彼女の体に我が身を摺り寄せる。
さっきから子宮がじくじくと疼いて本当に、堪らない。
トイレを我慢するように太ももを擦り合わせて、その辛さを訴える。
いつの間にか滲む涙で、視界が濡れていた。
媚びるような訴えにネーアは喜び勇んで犯してくれるものかと思った。
だが彼女はリオの蕩けた顔を見て、表情を引き締める。
「分かったわ。貴女を抱いてあげる」
そう宣言すると彼女は淫蕩な笑みを浮かべた。
アネモネの本性が剥き出しになり、細い触手達から更にガスを噴き出す。
甘く香るそれに、なけなしの理性が削られる。視界が薄い桃色に染まった。
リオは自分から腰を押付け、あろう事か自ら割れ目を割り開く。
ふしだらな行動だとは思う。だがそれを止められない。止める気も無い。
「スケベな子。リオってやっぱり『こっち』の才能があるんじゃないの?」
ぐちょり、と割れ目に指を沈み込まれた。
ヴァギナから甘い電流が流れ、『あぁんっ』と甘ったるい喘ぎを上げてしまう。
リオの反応に気を良くしたネーアは小さな体を更に責め立てる。
「んあっ!? そ、それぇっ」
左の乳首に細い触手を絡ませ、搾られる。
痛いほどの刺激なのに、子宮がきゅう、と蜜を絞った。
「ほら、こっちも」
「あはぁんっ! いい、いいよぉっ」
立て続けに右の乳首もぎりぎりと絞られ、快楽に目がチカチカした。
38 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:20:46 ID:Kre4J8NL
気持ちいい。こんなに気持ちいい事、この世にあっただなんて、信じられない。
今まで父親に散々嬲者にされてきたのはなんだったのか。
「乳首だけでそんなんじゃ、耐えられないわよ?」
「ひゃぁあっ!?」
陰核に触手が巻き付く。それだけで乳首を搾られるのと同様の快感が走る。
だがそれだけで終わる筈も無い。
巻きついた触手は宝石でも磨き上げるように、真っ赤に充血した肉真珠を扱き始めた。
「にゃああぁぁっ!?」
びりびりとした官能がリオの神経を焼いた。
強すぎる快感にピンク色の短髪を振り回す。
だが前髪の下にある表情が苦痛を堪えるそれではない。
眉根を寄せ、舌を垂らすその顔は、快感を受け止める雌の表情だ。
へっ、へっ、と息を切れしながら、唾液を飛ばし、ネーアの胸元を汚した。
(すごい、すごいよぉっ、アソコ、痺れちゃうぅっ)
「もっとぉっ、ネーアさぁんっ」
「はいはい分かってるわよ。今度は、全部いっぺんにしてあげるわっ」
宣言通り、両の乳首とクリトリスに絡みついた触手が同時に三点を扱き挙げる。
しゅこしゅこしゅこっ。
「んはっ!? はっ、あっ、ぎっ! んっ! にゃっ、あぁぁっ!!」
びんびんに勃起した三点から破滅的な快楽が送り込まれる。
時には引っ張られ、爪弾かれ、とアクセントまでを加えられて。
女を感じさせる事を主眼においた愛撫だ。
大量の催淫ガスを吸い込んだ少女には刺激が強すぎた。
次々と送り込まれる官能の嵐に、体が痙攣する。
子宮がきゅうきゅうと収縮をし始めた。
(や、くるっ、なんかきちゃうよぉっ)
実は。リオは役二ヶ月間父親と肉体関係を持ったが、今まで一度も絶頂を迎えた事がない。
基本、本の虫である事から、そういう知識は知っているが経験は無かったのである。
そしてこの時彼女は本能的にこれが女の悦びである事を悟った。
快楽の果てにある更なる快楽。そう思うと始めてのエクスタシーも怖くは無い。
いや、むしろ、感じてみたい。
どこから出てきたのか。『どろり』とした情欲が胸の中で渦巻く。
快楽に、貪欲になっていく。
(いきたい、イきたイきたいっ)
リオはネーアに抱きつくと、触手に巻き付かれたままの乳首を、陰核を。
豊満な胸に、お臍に、押し付け、自ら擦り始めた。
「あ!? もうっ、本当にスケベなんだからっ」
ネーアの言葉も、その殆どを理解できない。
今は、快楽を貪る事しか考えられなかった。
「これっ! いいっ! すごいっ! ああっ! とん、じゃうっ!!
頭、真っ白にっ! ああっ! あぁっ! あっ! いいよぉ! いいっ!
もっとぉ! もっとぉ!! 気持ちよくしてぇ!」
「ふふっ、だったらお望みどおりにしてあげるわっ!
さあっ、とんじゃいなさい!」
ぎりっ。音がするほど、三っつの頂点が捻り上げられた。
「ああっ! ああっ、あ、あ、あっ! あっ! ああああっ!
ああぁぁぁっ!!! ああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!
にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!」
視界が真っ白に染まった。
子宮が強烈な収縮運動を繰り返し、下腹部がきゅうきゅう言っている。
(イっ、てるっ…私、イってるよぉっ)
どくどくと子宮が痙攣している。
下半身が、いや、全身が蕩けていく錯覚に襲われる。
意識は忘我へと飛ばされた。
――しゃぁぁぁっ――
二度目の『粗相』をした事にも気付かない。
39 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:22:33 ID:Kre4J8NL
「あら、勿体無い」
リオとネーアの合わした股下から零れ落ちていく黄金色の体液に触手が殺到する。
ちゅるちゅると音を立てて小水を啜っていると分かれば恥ずかしさに抗議しただろう。
だが今は初めてのアクメの余韻に浸り、暖かい人肌の温もりを感じていたかった。
「――ふふっ、どうだった?」
「かららがぁ…ふわふわしまふぅ…」
呂律の回らない言葉だったがネーアは意味を理解してくれた。
「こんなんでよければ毎日でもしたげるわよ。あーでもちょっと刺激が強かったかしら」
「あ、ん…気持ちよ過ぎて…あたま、変になるかと、思いましたぁ…。
あれが、イくって…ことなんですねぇ」
「あら? あの、リオ? ひょっとして、イった事、ないの?」
「…? ありませんよぉ? だからぁ、とっても気持ちよかったですう」
ネーアは、あっちゃぁ、と片手で顔を覆った。
何か心配事でもあったのだろうか、リオはぼんやりと考える。
「ごめんリオー。あたしったらてっきり経験済みだと。
だってお父さんと何度もしているんでしょう?」
「…はい。でも、イかしてもらったことはありませんから」
話しているうちに大分頭がすっきりしてきた。
まだ体が心地良い気だるさに包まれているが、徐々に自分が仕出かした事に気付く。
(ああ、さっきから私、いやらしい事ばっかり口にしてるっ)
かあ、と頭が羞恥心で茹で上がる。
今思い出すと、達する直前とかは本当にもう正気ではなかった。
というかあれは断じて自分ではない。
いくら父親に仕込まれたからと言ってあんなにいやらい女ではない。
「なんで顔真っ赤になってるの?」
「なななな何でもありませんっ!」
「リオって面白いわねえ。さっきまであんなにアンアン気持ち良さそうに喘いでいたのに。
今じゃ乙女チックに頬を赤らめたりなんかして♪」
「い、言わないで下さい! さっきは、どうかしてたんです!
あ、そうだ! ガスのせいです! きっとそうです!」
「ああ、これ?」
「ふわっ!?」
ぶしゅう、と顔面に甘ったるいガスを吹き付けられた。
肺に入り込んだそれはたちまち体を犯して、再び体中を淫欲で支配する。
「どう?」
「ど、どうってっ、ネーアさん、酷いです! 体、疼いて、きたじゃないですか!」
「それだけ? いやらしくなってるのは体だけ? すけべな気分じゃないの?」
「は、はっきり言わないで下さい!」
「ふーん? でもそういう事言えるって事はまだ理性は残ってるのよね?
さっきなんかは、もう、すごかったのに。エロエロだったわよ?」
まるで別人みたいにね、と付け足すネーアにリオも閉口する。
確かに、さっきの自分はおかしかった。
いやらしい気持ちになる、とかそんな生易しいものじゃない。
どろどろした情欲に囚われて、快楽を貪る事しか考えられなくなっていた。
ガスのせいだけでは、ないのだろうか。
「まあ別にいっか♪ 続きをしましょう?」
「え、あの。続きって…」
「今のは前戯よ前戯。準備運動みたいなものよ。今度は本番」
ずるうぅっ、と音を立てながらネーアの下半身が埋まった場所から触手が生えた。
雌しべに似た形状をしたそれは、先程フェラをした巨大な触手だ。
「これで、リオを犯すわ」
どくり、と心臓が脈打つ。同時に子宮がざわめいた。
浅葱色をした美しい肌とは対照的な、肉色の生生しい肉の蔦。
先端には多量の疣が張り付いている。そして男性器にも似た雁首は多重。
そしてそれは、リオの二の腕よりも太く、長い。
女を悶えさせる為に特化した、卑猥な形状だ。
(あれが、私の中に…)
どくどくと心臓が早鐘を打つ。子宮も新鮮な愛液を搾り出す。
40 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:23:58 ID:Kre4J8NL
頭がまたぼうっとして、体の中で燻っていた淫欲が鎌首をもたげた。
『どろり』と狂おしいほどの淫欲が胸から溢れ出す。
(欲しい…ネーアさんの触手…私のおマンコに欲しい…)
まただ。体を、心をドロドロの情欲に支配される。
理性がごっそりと削られ、快楽に飢えた、一匹の雌へと変わっていく。
まるで自分が、何か別のものへと変貌していくような感覚だった。
「あはぁ…」
太く、グロテスクな触手を欲情した瞳で見詰める。
突然豹変したリオの態度に、ネーアが訝しげな目を向けた。
「…リオ? 貴女また?」
「ネーアさぁん…触手ぅ、早く下さいぃ…私のおマンコに、突っ込んで下さいぃ…」
猫撫で声が上がる。やはり、さっきと同じだ。リオは正気を失っている。
「一応聞くけど、今からするのは『種付け』よ?
貴女の子宮にアドニスの『種子』を植え付けるの。
一度寄生したらこれは簡単には取り出せない。
貴女は『種子』に操られるように男を漁って――すぐに人間を止める事になる。
そうなったら、もう、戻れないわよ? それでもいいのね?」
「いいですからぁ。ネーアさんと同じになってもいいですからぁ。
だからぁ、私の子宮にぃ、種付け――あはぁ…種付けして下さいぃ」
自分自身の言葉に酔うように、種子の植え付けを望む。
実際のところ、人間の生活に未練はない。むしろこちらから願い下げだった。
それが人間を止める事で叶うのなら、別に構わない。
それに。ネーアの傍に居られるなら、人間を止めるくらい造作もないことだ。
まあ、そういう諸々の理由は正体不明の情動に全て流されていた。
今はネーアに犯されたい一心で性交を望んでいる。
正直、何度も確認を取るネーアの態度が少し疎ましいくらいだった。
「まあ、こうなったらしょうがないわね。元々そのつもりだったし。
あたしも腹をくくるわ。リオ。貴女も覚悟しなさい」
真剣だった表情を妖艶に歪めて、
「泣いても叫んでも、止めないからね?」
「――あ、んっ」
体をゆっくりと横倒しにされる。花弁をベッドに見たてて、仰向けに寝かされた。
視界の中にはネーアの美しい裸体。それに花弁の根元からしゅるしゅると伸びる触手。
そしてネーアの根元から伸びる、生殖用触手。
覆いかぶさるように、ネーアの顔が近付く。
唇を突き出すと、答えるようにキスの雨が顔面に降り注ぐ。
それにタイミングを合わせて、こちらから唇を重ねた。
一度唇同士が合わさってしまえばそこからは貪るようなキスへと変わる。
人で無いものと、人を止める事を決意したもの同士、競うように舌をねじ込む。
唾液を送り、舌をくまなく咥内へと這わせ、相手の弱点を探り出す。
歯と歯茎の境界を。舌の付け根を。或いは口蓋を。
時には唇を柔らかく噛み、時には相手の唾液を音を立てて啜る。
ちゅるちゅる、じゅるるる、じゅぅぅっ。
ふんふんと鼻から出た息がくすぐったい。
だがそれも、唾液が絡まりあう卑猥な音と、痺れるような愉悦に覆い隠される。
心音が、これからの快楽に期待して際限無く高まっていく。
「はあっ、ちゅっ、じゅるっ、ちゅうっ、ネーアさ、んっ。ネーアさんっ」
「はっ、んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅるるっ! リオっ、可愛いっ!
もうっ、犯すわよ? 種付け、するわよ? あたし、我慢できないからっ」
にちゃり。陰唇にぶつぶつとした感触。
(あ…今から、私、犯される)
犯され、種付けされ、アネモネになってしまう。
人を止め、人を襲う、化け物へと変わってしまう。
41 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:25:21 ID:Kre4J8NL
ぞくり、とした。
「犯して、下さいっ、ネーアさんっ」
倒錯的なシチュエーションに背筋がぞくぞくした。
欲情し、濡れた瞳で正面からネーアの瞳を見る。
彼女もどうやら理性が飛んでいるらしい。
唇を横に裂き、魔物らしい嗜虐的な笑みを浮かべた。
次の瞬間、
ずるるるるぅぅぅっ!
「んっにゃあぁぁぁっ!!?」
一息に、触手に刺し貫かれた。
ごりごりとした疣に膣穴を削り、解される衝撃に目前で火花が散る。
(あっ、すごっ、これっ、気持ちいいっ)
父親に比べれば一回りも二回りも大きな触手に貫かれれば、とんでもなく痛いと思う。
だが実際は苦痛の一つもないのだ。精々膣が突っ張るような感触がある程度。
おかげで挿入されただけで達してしまうところだった。
「はぁっ…イイわぁっ、幼女のマンコ…っ、凄い絞め付けっ、たまんないっ」
ずっちゅずっちゅ!
「あっ!? にゃっ! んああぁっ!!」
雌しべ触手にずんずんと子宮の入り口を小突かれると、その衝撃に色っぽい声を上げた。
気持ちいい。父親にされた時と全然違う。
膣壁全体が敏感になっている。それこそ何年もかけて開発されたように。
そこをごりごりと疣疣に削られると、甘い愉悦が走りぬけ、腰が溶けそうになるのだ。
力強い突き込みを受ければ子宮が揺さぶられ、まるで落ちて行くような酩酊感に襲われる。
子宮壁の外側にはボルチオと呼ばれる性感帯があるからだ。
セックスになれた遊女が、深く激しい挿入を望むのはここが開発されているからだ。
ところが今のリオの体はそこらの遊女よりも数段敏感になっている。
およそ十やそこらの歳では考えられないほど。
「あっ! あっ! あっ! いいっ! いいよぉ!
セックス! 気持ちいいよぉ!」
「はぁっ! あっ!? うあっ! ――何よ、いきなり締め付けがっ」
快感に蕩けていたネーアが戸惑いの表情を浮かべた。
「父親に開発されてたからって、これはっ。うっ、あぁっ!」
びくり、と自分を犯す触手が打ち震えた。
一回り体積を増して、更にリオを悦ばせる。
(ネーアさんの触手っ、びくびくしてる…♪ 私の中、きもちいいんだぁ)
「はっ! あっ! んっ! ネーアさぁんっ! 私のおマンコっ、気持ちいいですか!?
あっ! にゃっ! あんっ! ……いいっ、ですよねっ? んっ、んっ!
だってっ、はぁっ、はぁっ! さっきから、触手チンポっ、びくびくしてるからぁ!」
卑猥な言葉をワザと使って気持ちを昂ぶらせる。恥ずかしいが、それがいい。
今の自分はつくづく変態だと思うが、ネーアの快楽に歪む顔を見るとどうでもよくなった。
それどころかもっと悦ばせたい、と思ってしまう。
その衝動に身を任せてみた。
するとどうだ、まるで熟練の売婦のように膣圧を調整し、触手を悦ばせる。
精をねだるようにうねり、圧迫し、収縮する肉の穴に締め付けられ、ネーアは呻いた。
「あぁっ!? ちょっ、り、リオっ! どこでそんな、やらしいっ、ああぁっ!?」
今度は8の字を描くように腰を動かす。
(あはっ、これ、おマンコの中、ぐちょぐちょに掻き混ぜられちゃうよぉ♪)
ぶつぶつとした感触に膣を余す所無く蹂躙される。
じゅぷじゅぷと愛液に空気が混じる卑猥な音が耳朶に響いていた。
その度に甘い電流がヴァギナから全身へと広がるのだ。
肉壷に揉み解されて触手も悦んでいるのが『本能的』に分かった。
それだけじゃない。触手の『弱点』すらもなんとなく分かってしまう。
膣壁を掘り返している疣が大量に張り付いた触手の先端部分。
小豆色をしていて、男根よりも二回り程大きい。
野苺を楕円形にしたような形状だ。
その先端部分――ではなくて、そこから少し下の部分が弱いらしい。
ペニスで言うと亀頭と雁の間くらいか。それも少し亀頭よりの部分。
42 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:27:06 ID:Kre4J8NL
試しにその部分に膣圧を集中させてみた。
「きゃあぁっ!?」
可愛い悲鳴が上がり、びくびくと触手が打ち震える。
「あはぁっ、ここがぁ、いいんですねぇ? ネーアさぁん…」
信じられない、といった顔をするネーアの瞳を覗き込む。
あの優しい女性が、この幼い体で悦び、同時に怯えている。
そう思った瞬間。胸のうちからまた『ドロリ』とした感情が溢れ出る。
それに体と心を満たされていく感覚は官能的ですらあった。
気のせいか背中と頭がじくじくと疼く。
赤い瞳に映る自分の瞳が、両方とも赤くなっているのは気のせいか。
「ち、調子に乗るんじゃ、ないわよっ」
「んっきゃぁん!?」
肛門に異物感。不浄の門に触手が侵入していた。
小娘にいいように責められたのが癪に障ったのか、ネーアは本気で陵辱をするつもりだ。
細い触手が一本、また一本とアナルへと差し込まれていく。
リオの小指よりも細いが、それらが束なり、腹を圧迫していく。
「あっ、はぁっ! お腹っ、裂け、ちゃいますっ」
「大丈夫よぉ、リオはスケベだから、これくらい、なんともないわぁ。
それにぃ、慣れればこっちだってイイわよぉ?」
「んにゃああん!?」
ぎゅるり、と束になった触手が捻り、回転する。
まるでドリルのように回転し、腸壁をごりごりと削る。
普段排泄物をひり出す穴から、じわり、と官能の渦が巻いた。
(あ、すご、私、こんなので感じてっ)
「ほらほらっ、おマンコもめいっぱい可愛がってあげるわよ!」
ずっちゅ! ずっちゅ! ずっちゅ!
「んにゃぁっ!! あああっ! ひにゃあぁぁん!!」
(すご、すごいぃ! しきゅー、がつがつ小突かれてるうっ)
組み伏せられ、花びらへと押付けられた背中が反動で花弁の先端へとずり出されていく。
花弁の内側には女を狂わせる粘液が溜まっていて、背中と擦れてずじゅずじゅと音がなる。
それだけ激しいストロークだというのに痛みは殆ど無い。
あるにはあるが、快楽の総量が圧倒的に勝っていた。
「ほらほらっ! お尻も、アソコもっ! 一緒に苛めたげるっ」
ずこずこずこずこっ!
「あっあぁぁっ、あぁっ、あっぁあっ、あぁっぁうにゃぁぁぅ!!」
アナルを犯していたドリル状に束ねられた触手。それが激しいピストンを開始した。
ヴァギナを犯す触手と連動するように、交互に強烈な付きこみを繰り出す。
違和感、とした形容出来なかったアナルの官能。
だがドリル触手の強烈なストロークに、凄まじい勢いで腸壁が開発されていく。
いや、ひょっとしたらそれはヴァギナが感じた快楽だったのかもしれない。
腸壁と膣壁。二枚の壁越しに行われる苛烈なピストンにどちらがどちらか分からなくなる。
(おしりと、おマンコ、どろどろに溶けて、つながっちゃうっ)
リオは白目を剥いて、顔を振り乱した。
少女が受け止められる快楽ではない。舌をだらしなく垂らし、涎を零す。
挿入される雌しべと陰唇との隙間からは白い本気汁が泡となって下品な音をならしていた。
甘い、アルラウネのガスの香りに混じって、リオの女の香りが空気を淀める。
「いー顔になってきたわぁっ、さあ、これで、飛ばしてあげる!
とばして、種付けをしてあげるわっ」
ネーアの言葉はもう聞こえなかった。
二穴を穿つ触手のピストンに、意識が飛びかけている。
余りの快楽に膣が収縮し、細かなアクメを何度も迎えていた。
だから、三本の触手が勃起した三点を狙っているのに気付きもしない。
「あひっ! あひっ! にゃ、にゃああぁぁっ!! しぬぅっ!
こわれっ!! ひぎっ! あはっ! きもちっ! いいっ!
にゃっ!! んにゃあぁっっ!! んああぁぁぁっ!!
も、いぐっ!! ああぁっ! にゃぁぁぁっ!! ああぁぁっ!
ああああっ!! あぁぁぁぁぁぁぁっっっあぁぁぁっ!!!」
43 永久の果肉3 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/22(月) 18:30:03 ID:Kre4J8NL
小さな波に何度も押し上げられ、本格的なアクメに打ち上げられた。
全身が、突っ張り、壊れたように全身をがくがくと痙攣させる。
そこに追い討ちをかけるように、二つの乳首とクリトリスに、触手が張り付いた。
「ぎっ――」
十字の切れ込みが入った先端で三つの頂点が咥え込まれる。
その直後、
ちゅううぅぅっ!!
「にゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあっっっっ!!!!?」
もぎ取れる、かと思うほどの強烈な吸引。
高みへと打ち上げられた性感は更に高みへと打ち上げられる。
完全に白目を剥き、獣のような咆哮を上げる。
ぶしゅう、と派手に潮を噴いたのを聞いた気がした。
「んあああっ!! 出るうっ!! 種子がっ! リオに種付けしちゃうううぅぅ!!
ああああぁぁぁぁぁあぁんんっ!!」
ごつっ、と音が聞こえるほど雌しべ触手を子宮口へとめり込ませ、
ビュルビュルビュルビュルビュル!!
「ひにゃぁああっ!!? にゃあぁぁぁぁあっ!!!」
精を直接流し込まれる。
子宮の内側まで敏感になっていた。熱い液体が子宮壁を叩く度にびくり、と体が震える。
(あはぁ…ネーアさんのぉ…精液ぃ…あっつうい…♪)
ぼこん。
びゅーびゅーと注がれる精液に混じって何か固形物が腹の中に入った気がして、
直後に意識が飛んだ。
***
以上で三話終了ですぅ。
無事投下を終えてほっとしましたw
さて、次回投下分ですがまたしてもエロは無いかもしれません。
シリーズの構成的に、『エロ話』『メインストーリー』を交互にする事になりそうですね。
普通のSSに比べればエロシーンは少なくなりますがその分1シーンを濃くするつもりです。
こんなところですか。いつものように感想等もお待ちしております。
それではまた。
幼女っ、万っ歳っ。
永久の果肉2
10 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:33:05 ID:k4TfRh4W
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「――おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「――んん~。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
――ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「――ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
――リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば――とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
11 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:37:09 ID:k4TfRh4W
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか――
(私を見捨てないで!)
『――分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
12 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:38:49 ID:k4TfRh4W
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を――リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「――私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ――きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
13 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:40:49 ID:k4TfRh4W
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「――っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「――はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「――ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
14 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:42:44 ID:k4TfRh4W
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
――ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その――夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
――その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません――実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して――」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
15 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:44:46 ID:k4TfRh4W
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「――本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして――」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも――」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ――そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
16 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:49:47 ID:k4TfRh4W
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女――万歳。
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「――おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「――んん~。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
――ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「――ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
――リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば――とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
11 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:37:09 ID:k4TfRh4W
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか――
(私を見捨てないで!)
『――分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
12 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:38:49 ID:k4TfRh4W
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を――リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「――私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ――きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
13 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:40:49 ID:k4TfRh4W
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「――っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「――はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「――ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
14 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:42:44 ID:k4TfRh4W
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
――ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その――夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
――その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません――実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して――」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
15 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:44:46 ID:k4TfRh4W
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「――本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして――」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも――」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ――そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
16 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:49:47 ID:k4TfRh4W
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女――万歳。
INADVERTENCE
626 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:27:33 ID:jBarBhNN
穴埋めいたす。ちょびっと食人等グロ表現あり。トリにて回避よろしく。容量関係で最後まで入らなかったらゴメン。
思えばその日は、おかしな事が色々とあったのに迂闊にも私はその一つ一つの点を
結び付けて考えることができなかった。
3月14日の早朝、私は仕事に向かうためにアパートの部屋を出た。いつものように
階段を通り、集合郵便受けで自分の部屋番のボックスから新聞を引き抜くと、一緒に
何かが引き出されたらしくパサリと物が落ちる音がした。
私は何だろうとコンクリートの床を見た。その音の主はどうやら白い物体を入れた
袋状の透明なビニールを可愛らしいリボンでラッピングした物だった。
『川上美鈴さん Happy White-day バレンタインのチョコをありがとう』
「は?」
袋の表面に張られたシールの文字を読んだ私のこの間抜けな反応には訳がある。
私はバレンタインデーには誰にもチョコを渡していないのだ。心ときめく男性と言う
ものもいないし、職場は殺伐としている所で新米の私がチョコなど出そうものなら
「そんな事で浮かれてる暇があるなら仕事を覚えろ!!」などと罵声が飛んできそうな
雰囲気の所なのだ。
まぁ、それでもひょっとして職場の誰かが「チョコは?」などと言った時のためにと
いかにも義理だと分かるように、苺とチョコが二段になった三角のポポロチョコを一箱
買って携行した一日であったが、結局そのような事もなく、帰り道、公園のベンチに座り
独りで食することになった。
と、ここで私は、大事なことを思い出し迂闊にもその意味不明の袋を鞄にしまって
出勤の途についた。
家の近くの公園、そうここでする事が“大事なこと”私は目的の対象を探す。
だが、茂みやベンチの下やごみ箱あたりを探してもふわっふわの白い仔猫は見当たらなかった。
実は、バレンタインのあの夜、私はここでチョコを食す折、迂闊にもひとつ取り落として
しまった。かなり探したのだが暗さもあり結局見つからず、仕方なく翌朝も探しに行って
その仔を見つけた。それ以来、失くしたチョコを探しつつその仔猫に餌をやっていたのだが……
見当たらない。
「良い飼い主に拾われたのなら良いが」
私は独りつぶやいた。するとどこかであの仔猫の甘えた鳴き声がしたような気がした。
まぁ、気のせいだろうと思った。だって自分の鞄の中から聞こえた気がしたなんて……。
少しさびしい様ななんとも言えない気持ちを抱えて出勤したが、勤め先でそんな事を
考えていたら一発でどやされてしまう。私は職場の玄関で気持ちを切り替え、自分の課に
入る時いつものように敬礼し声を張り上げて言った。
「おはようございますっ! 川上検査官、只今出勤いたしましたっ!」
あちらこちらから「おう、おはよう」と声がかかった。
ここは『触手管理局人的被害対策第2課』である。西暦2010年の獅子座流星群のあの夜、
流星にまぎれて地球に降り注いだ触手との攻防は未だに続いている。
街にゴミが無いのも――ゴミを落としてはいけないのもそのせいだ。触手の中には
無機物になら擬態できる物がいる。触手の質量から言って靴より小さな物が危険とされている。
私がポポロチョコひとつに必死になっているのもそのせいだ。
……つまり、ポポロチョコ紛失は物凄い失態である。バレれば始末書がきっと束で襲ってくる
だろう。私はポポロチョコはあの仔猫が食べたのであれば良いと願わずにはいられなかった。
と、まぁ、そんなこんなで一日の仕事を終え、家路につく。帰りにも公園に寄ったが
やはりあの仔猫はいなかった。
私はアパートに帰り着き、シャワーを浴びるとバスローブのまま缶ビールを呷った。
「アパートじゃなきゃ飼えたんだけどな……」そんな、今更どうにもならないことを呟きながら、
酔いが回った私はそのままベッドに倒れ込んで寝てしまった。
627 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:28:30 ID:jBarBhNN
どれくらい眠ったろうか、私は違和感で目を覚ました。
――手が自由にならない?
まるで後ろ手に縛られているように動かない。なぜ? 誰が?
「誰っ!?」
返事はなかった。だが、ベッドサイドで何かがカサカサと音を立てた。こんな音がするものと
言えば、黒くて艶々してる6本足のアレか――じゃなくて、その音のする方を見ると今朝の
ホワイトデーの包みが落ちていて、私は鞄から出したっけ? などと思いつつも、その形状の
変化に気が付いた。その包みから白い紐状の何かが私の方に伸びていた。恐らくはその端が
私を拘束しているのだろう。
瞬間、酔いも醒めゾワッと毛が逆立つ、アレは触手! ならば猶予はない。私は身を捩って
拘束から逃れようとした。するとその抵抗に引きずられ、紐状の物に繋がった包みが宙に舞った。
そこで、可愛らしい包みは形状をゆがませ完璧な触手の一科の形状をなした。
――触手目流動体スライム属フィラム科
完璧な擬態をし、その能力からもかなりの知性が窺える。雌雄異体。それから、それから……
記憶の中からソレの弱点を探すが、焦り過ぎて何も浮かばない。
そうする間にも、ソレは幾本もの冷たい紐になって私の脚を這い上り、バスローブの中へ
潜り込んで来た。
「嫌ぁぁ!! やめて!! 怖い!!」
叫んだところで、どうにもならないと分かっているのに叫ばずにはいられなかった。
職業がら触手に寄生された者の末路をいくつか知っている。触手局に入局するとすぐに
見せられるビデオにあるのだ。
それは、歪んだ自分の趣味のため幾人もの患者を殺してきた死刑囚の元女医が、減刑を
条件に触手寄生の実験に臨んだ時の物だ。
触手が寄生すると女医は、カメラの前だというのに淫らな声で喘いだかと思うと、涎を流して、
髪を振り乱すなど、知的な女医の面影はどこにもなかった。そうするうちに過ぎる快楽から
触手を引きはがそうと手を伸ばした。悲劇はそこで起こった。伸ばした彼女の手は触手に
呑み込まれ、出てきた時は骨の一部しか残っていなかった。そのまま彼女は、絶叫とともに
肥大化する触手に呑まれて消えた。
他にも、触手の卵を産みつけられた人の腹を破って触手の仔がわらわらと出てくる映像や、
触手が肛門から入って数分後に腹がペコリとへこみ、内臓を食われ死んだ人の映像も視た。
その現実が、今ここにある危機。
「い、嫌っ! 嫌だぁっ!! やめっ! はぁん」
はぁん ……だと? 私は自分の口から出た声が信じられなかった。あんな不気味な触手に
躰を這いずり回られて、自分でも初めて聞く変な声を出すなどと……。
「やぁ、もう、だめぇ……そんなとこサワサワしないでぇ」
私はバカバカしいことに膣と肛門の間をくすぐるように動く触手にお願いをしていた。
何を言っているのだと頭の片隅では思うのに、その少ない理性の部分すらどんどん痺れたように
なって行く。これではあの女医のようではないか。そう思うと情けないことだが恐怖で躰が
震えてしまう。
「いやぁっ!! そんなとこ入ってこないでぇ!! 嫌、嫌、だめぇん……あぁん」
膣と肛門からの侵入を感じ、私は恐怖のあまり失神した。
私が意識を取り戻すと、手の自由が戻っていた。死んでもいない。あれは酒が見せた悪い夢
なのかと、変な夢を見た自分のアホさ加減にがっかりしながら起き上ろうとして再び違和感。
今回はダイレクトにとっても大事な部分に感じた。私は恐る恐る鏡を取って自分の大事な
部分を見てみた。
「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」
628 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:29:42 ID:jBarBhNN
エロイ事になった、じゃなくてえらい事になっていた。薄水色で透明で薄い板コンニャク
みたいなのが貼り付いていた。言わずと知れた触手である。夢だけと夢じゃなかった――。
それが、表面に貼り付いているだけならまだ救いもあるというものだが、どう見ても私の
体内に入り込んでいるとしか思えなかった。透明ゆえに見えてしまう。ぽっかりと口を開けた
膣と肛門。そう分かってる。感触がする、前と後ろに太い何かが入ってる感触が――。
ここで私はまた気を失いそうになったが、それは許されなかった。
「嫌? あ? 何? うご、動かないでぇ!! あぁん」
前と後ろと両方の穴で抽挿が始まり、私は身悶えた。すると信じられないことに声がした。
≪美鈴、痛くない? 大丈夫?≫
私の股間から……。クリトリスを震わせて。触手がしゃべってますよ?
「ひゃん、だめぇ……そんなとこブルブルさせないでぇ、あぁん」
≪え? あっ……じゃあ≫
それはまるで水が流れるように私の乳首に延びて、今度はそこが震えて声を出した。
≪ここならいい?≫
「嫌ぁっ!! どうしてそんなとこばっかりぃっ!!」
≪アレ? おかしいな? 今、美鈴が寝ている間に確認した、心地よく感じていると
反応があったとこなのに≫
触手は人間の感情などを汗の成分や心拍数から感知することができると習ったが研究は
間違いないようだ。
≪それじゃ、ここならいい?≫
胸を経由して延びた触手が私の唇の上で震えて口内に入り込んだ。そしてそのまま私の
口の中を隅々までつつきまわり、最後に舌を擦ってから吸い上げて出て行った。
「ふぁっ、あぁん」
口から出た触手は細く二つに分かれて私の頬を撫でるように這い上って耳に入り込んだ。
ぞくぞくする。触手はそこで優しい音を出した。
≪バレンタインのチョコありがとう≫
「何の事よっ!? ひゃん」
≪2月14日に夜の公園でボクにくれたでしょ?≫
私はあの無くしたポポロチョコの事かと瞬時に悟った。
「別に、アンタにやったわけじゃっ!! ふぁっ」
≪あ、それ知ってる。ツンデレって言うんだよね?≫
「違うからっ!!」
≪ボクはOKだよ≫
「な、何が? ひゃぁぁん」
時々変な声が出るのは、触手が私の膣と肛門を出たり入ったりしているせいだ。
≪つがいになること≫
「つ、つがい?」
ってあれか小鳥とか雌雄を一緒に飼うことだよね? え? え? え? それって??
「いや、いや、いや、そんなの望んでないしぃ……あはぁん」
≪ニンゲンって何かと嘘つきだよね。繁殖孔が水分を出すのって最高に気持ち良くって、
子孫を残したくなった時だって知ってるよ。こんなにびしょびしょにしておいて……
それにさっきから雄を誘う鳴き声を出してるでしょ?≫
「これは……あん、あ、ああぁん……違うの……」
629 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:31:07 ID:jBarBhNN
≪ほら、また嘘言う。しょうがない。正直になるまでお仕置きだ≫
それから触手は激しい抽挿をしたかと思うと、ぴたりと動きを止めることを何度も繰り返した。
私はその焦らすような動きにもう訳が分からなくなって、尻を振りながら触手に向かって懇願していた。
「あぁん、あ、あぁん、もうどうにかしてぇ、もう、正直になりますからぁぁん」
≪わかった。じゃあボクとつがいになるね?≫
「あぁん、いい……いいの」
≪ボクと一緒に触手の森に来るね?≫
「あぁん、もう……イクイクイクゥゥゥゥッ!!」
私は膣内に注がれる熱い物を感じながら、あまりの快感にそのまま気を失い、気付くと見知らぬ森の
草の上に寝ていた。
「ここ……?」
≪触手の森だよ≫
「ど、ど、ど、ど、どうやって?」
≪みんなで力を合わせて自動車になって運んで来たんだ。マイハニー≫
「その、微妙にズレた人間情報はいったいどこから来るわけ?」
≪美鈴は知ってるでしょ? ボクらが風に乗せてメモリーを伝達できるって≫
――触手目流動体スライム属フィラム科――別名、詠う妖精
≪美鈴にチョコを貰った時、美鈴のホントの気持ちが分からなくて、暫く仔猫に擬態して
様子を見てたんだ。そしたら美鈴はとても優しくてボクは直ぐに気に入ったよ。
あぁ、でも、この星にこんな素敵なイベントがあってよかった。 さぁボク達の子どもを
作ろうね。きっと美鈴に似て可愛いよハニー≫
触手は無機物にしか擬態できなかったんじゃなかったのか? っと思ったが、その後は
もう何も考えられなかった。
「やぁぁん、そこはだめぇ……あぁん、気持ち良過ぎるのぉ、あん、あぁん」
≪美鈴ったら、ボクの受精管をそんなに締め付けて絞りだそうとするなんて、そんなに
欲しいならいっぱい注いであげるからね≫
「ひゃん、すごぉい」
こうして私は迂闊にも触手の妻になりました。
≪終≫
穴埋めいたす。ちょびっと食人等グロ表現あり。トリにて回避よろしく。容量関係で最後まで入らなかったらゴメン。
思えばその日は、おかしな事が色々とあったのに迂闊にも私はその一つ一つの点を
結び付けて考えることができなかった。
3月14日の早朝、私は仕事に向かうためにアパートの部屋を出た。いつものように
階段を通り、集合郵便受けで自分の部屋番のボックスから新聞を引き抜くと、一緒に
何かが引き出されたらしくパサリと物が落ちる音がした。
私は何だろうとコンクリートの床を見た。その音の主はどうやら白い物体を入れた
袋状の透明なビニールを可愛らしいリボンでラッピングした物だった。
『川上美鈴さん Happy White-day バレンタインのチョコをありがとう』
「は?」
袋の表面に張られたシールの文字を読んだ私のこの間抜けな反応には訳がある。
私はバレンタインデーには誰にもチョコを渡していないのだ。心ときめく男性と言う
ものもいないし、職場は殺伐としている所で新米の私がチョコなど出そうものなら
「そんな事で浮かれてる暇があるなら仕事を覚えろ!!」などと罵声が飛んできそうな
雰囲気の所なのだ。
まぁ、それでもひょっとして職場の誰かが「チョコは?」などと言った時のためにと
いかにも義理だと分かるように、苺とチョコが二段になった三角のポポロチョコを一箱
買って携行した一日であったが、結局そのような事もなく、帰り道、公園のベンチに座り
独りで食することになった。
と、ここで私は、大事なことを思い出し迂闊にもその意味不明の袋を鞄にしまって
出勤の途についた。
家の近くの公園、そうここでする事が“大事なこと”私は目的の対象を探す。
だが、茂みやベンチの下やごみ箱あたりを探してもふわっふわの白い仔猫は見当たらなかった。
実は、バレンタインのあの夜、私はここでチョコを食す折、迂闊にもひとつ取り落として
しまった。かなり探したのだが暗さもあり結局見つからず、仕方なく翌朝も探しに行って
その仔を見つけた。それ以来、失くしたチョコを探しつつその仔猫に餌をやっていたのだが……
見当たらない。
「良い飼い主に拾われたのなら良いが」
私は独りつぶやいた。するとどこかであの仔猫の甘えた鳴き声がしたような気がした。
まぁ、気のせいだろうと思った。だって自分の鞄の中から聞こえた気がしたなんて……。
少しさびしい様ななんとも言えない気持ちを抱えて出勤したが、勤め先でそんな事を
考えていたら一発でどやされてしまう。私は職場の玄関で気持ちを切り替え、自分の課に
入る時いつものように敬礼し声を張り上げて言った。
「おはようございますっ! 川上検査官、只今出勤いたしましたっ!」
あちらこちらから「おう、おはよう」と声がかかった。
ここは『触手管理局人的被害対策第2課』である。西暦2010年の獅子座流星群のあの夜、
流星にまぎれて地球に降り注いだ触手との攻防は未だに続いている。
街にゴミが無いのも――ゴミを落としてはいけないのもそのせいだ。触手の中には
無機物になら擬態できる物がいる。触手の質量から言って靴より小さな物が危険とされている。
私がポポロチョコひとつに必死になっているのもそのせいだ。
……つまり、ポポロチョコ紛失は物凄い失態である。バレれば始末書がきっと束で襲ってくる
だろう。私はポポロチョコはあの仔猫が食べたのであれば良いと願わずにはいられなかった。
と、まぁ、そんなこんなで一日の仕事を終え、家路につく。帰りにも公園に寄ったが
やはりあの仔猫はいなかった。
私はアパートに帰り着き、シャワーを浴びるとバスローブのまま缶ビールを呷った。
「アパートじゃなきゃ飼えたんだけどな……」そんな、今更どうにもならないことを呟きながら、
酔いが回った私はそのままベッドに倒れ込んで寝てしまった。
627 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:28:30 ID:jBarBhNN
どれくらい眠ったろうか、私は違和感で目を覚ました。
――手が自由にならない?
まるで後ろ手に縛られているように動かない。なぜ? 誰が?
「誰っ!?」
返事はなかった。だが、ベッドサイドで何かがカサカサと音を立てた。こんな音がするものと
言えば、黒くて艶々してる6本足のアレか――じゃなくて、その音のする方を見ると今朝の
ホワイトデーの包みが落ちていて、私は鞄から出したっけ? などと思いつつも、その形状の
変化に気が付いた。その包みから白い紐状の何かが私の方に伸びていた。恐らくはその端が
私を拘束しているのだろう。
瞬間、酔いも醒めゾワッと毛が逆立つ、アレは触手! ならば猶予はない。私は身を捩って
拘束から逃れようとした。するとその抵抗に引きずられ、紐状の物に繋がった包みが宙に舞った。
そこで、可愛らしい包みは形状をゆがませ完璧な触手の一科の形状をなした。
――触手目流動体スライム属フィラム科
完璧な擬態をし、その能力からもかなりの知性が窺える。雌雄異体。それから、それから……
記憶の中からソレの弱点を探すが、焦り過ぎて何も浮かばない。
そうする間にも、ソレは幾本もの冷たい紐になって私の脚を這い上り、バスローブの中へ
潜り込んで来た。
「嫌ぁぁ!! やめて!! 怖い!!」
叫んだところで、どうにもならないと分かっているのに叫ばずにはいられなかった。
職業がら触手に寄生された者の末路をいくつか知っている。触手局に入局するとすぐに
見せられるビデオにあるのだ。
それは、歪んだ自分の趣味のため幾人もの患者を殺してきた死刑囚の元女医が、減刑を
条件に触手寄生の実験に臨んだ時の物だ。
触手が寄生すると女医は、カメラの前だというのに淫らな声で喘いだかと思うと、涎を流して、
髪を振り乱すなど、知的な女医の面影はどこにもなかった。そうするうちに過ぎる快楽から
触手を引きはがそうと手を伸ばした。悲劇はそこで起こった。伸ばした彼女の手は触手に
呑み込まれ、出てきた時は骨の一部しか残っていなかった。そのまま彼女は、絶叫とともに
肥大化する触手に呑まれて消えた。
他にも、触手の卵を産みつけられた人の腹を破って触手の仔がわらわらと出てくる映像や、
触手が肛門から入って数分後に腹がペコリとへこみ、内臓を食われ死んだ人の映像も視た。
その現実が、今ここにある危機。
「い、嫌っ! 嫌だぁっ!! やめっ! はぁん」
はぁん ……だと? 私は自分の口から出た声が信じられなかった。あんな不気味な触手に
躰を這いずり回られて、自分でも初めて聞く変な声を出すなどと……。
「やぁ、もう、だめぇ……そんなとこサワサワしないでぇ」
私はバカバカしいことに膣と肛門の間をくすぐるように動く触手にお願いをしていた。
何を言っているのだと頭の片隅では思うのに、その少ない理性の部分すらどんどん痺れたように
なって行く。これではあの女医のようではないか。そう思うと情けないことだが恐怖で躰が
震えてしまう。
「いやぁっ!! そんなとこ入ってこないでぇ!! 嫌、嫌、だめぇん……あぁん」
膣と肛門からの侵入を感じ、私は恐怖のあまり失神した。
私が意識を取り戻すと、手の自由が戻っていた。死んでもいない。あれは酒が見せた悪い夢
なのかと、変な夢を見た自分のアホさ加減にがっかりしながら起き上ろうとして再び違和感。
今回はダイレクトにとっても大事な部分に感じた。私は恐る恐る鏡を取って自分の大事な
部分を見てみた。
「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」
628 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:29:42 ID:jBarBhNN
エロイ事になった、じゃなくてえらい事になっていた。薄水色で透明で薄い板コンニャク
みたいなのが貼り付いていた。言わずと知れた触手である。夢だけと夢じゃなかった――。
それが、表面に貼り付いているだけならまだ救いもあるというものだが、どう見ても私の
体内に入り込んでいるとしか思えなかった。透明ゆえに見えてしまう。ぽっかりと口を開けた
膣と肛門。そう分かってる。感触がする、前と後ろに太い何かが入ってる感触が――。
ここで私はまた気を失いそうになったが、それは許されなかった。
「嫌? あ? 何? うご、動かないでぇ!! あぁん」
前と後ろと両方の穴で抽挿が始まり、私は身悶えた。すると信じられないことに声がした。
≪美鈴、痛くない? 大丈夫?≫
私の股間から……。クリトリスを震わせて。触手がしゃべってますよ?
「ひゃん、だめぇ……そんなとこブルブルさせないでぇ、あぁん」
≪え? あっ……じゃあ≫
それはまるで水が流れるように私の乳首に延びて、今度はそこが震えて声を出した。
≪ここならいい?≫
「嫌ぁっ!! どうしてそんなとこばっかりぃっ!!」
≪アレ? おかしいな? 今、美鈴が寝ている間に確認した、心地よく感じていると
反応があったとこなのに≫
触手は人間の感情などを汗の成分や心拍数から感知することができると習ったが研究は
間違いないようだ。
≪それじゃ、ここならいい?≫
胸を経由して延びた触手が私の唇の上で震えて口内に入り込んだ。そしてそのまま私の
口の中を隅々までつつきまわり、最後に舌を擦ってから吸い上げて出て行った。
「ふぁっ、あぁん」
口から出た触手は細く二つに分かれて私の頬を撫でるように這い上って耳に入り込んだ。
ぞくぞくする。触手はそこで優しい音を出した。
≪バレンタインのチョコありがとう≫
「何の事よっ!? ひゃん」
≪2月14日に夜の公園でボクにくれたでしょ?≫
私はあの無くしたポポロチョコの事かと瞬時に悟った。
「別に、アンタにやったわけじゃっ!! ふぁっ」
≪あ、それ知ってる。ツンデレって言うんだよね?≫
「違うからっ!!」
≪ボクはOKだよ≫
「な、何が? ひゃぁぁん」
時々変な声が出るのは、触手が私の膣と肛門を出たり入ったりしているせいだ。
≪つがいになること≫
「つ、つがい?」
ってあれか小鳥とか雌雄を一緒に飼うことだよね? え? え? え? それって??
「いや、いや、いや、そんなの望んでないしぃ……あはぁん」
≪ニンゲンって何かと嘘つきだよね。繁殖孔が水分を出すのって最高に気持ち良くって、
子孫を残したくなった時だって知ってるよ。こんなにびしょびしょにしておいて……
それにさっきから雄を誘う鳴き声を出してるでしょ?≫
「これは……あん、あ、ああぁん……違うの……」
629 『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o sage 2010/02/16(火) 18:31:07 ID:jBarBhNN
≪ほら、また嘘言う。しょうがない。正直になるまでお仕置きだ≫
それから触手は激しい抽挿をしたかと思うと、ぴたりと動きを止めることを何度も繰り返した。
私はその焦らすような動きにもう訳が分からなくなって、尻を振りながら触手に向かって懇願していた。
「あぁん、あ、あぁん、もうどうにかしてぇ、もう、正直になりますからぁぁん」
≪わかった。じゃあボクとつがいになるね?≫
「あぁん、いい……いいの」
≪ボクと一緒に触手の森に来るね?≫
「あぁん、もう……イクイクイクゥゥゥゥッ!!」
私は膣内に注がれる熱い物を感じながら、あまりの快感にそのまま気を失い、気付くと見知らぬ森の
草の上に寝ていた。
「ここ……?」
≪触手の森だよ≫
「ど、ど、ど、ど、どうやって?」
≪みんなで力を合わせて自動車になって運んで来たんだ。マイハニー≫
「その、微妙にズレた人間情報はいったいどこから来るわけ?」
≪美鈴は知ってるでしょ? ボクらが風に乗せてメモリーを伝達できるって≫
――触手目流動体スライム属フィラム科――別名、詠う妖精
≪美鈴にチョコを貰った時、美鈴のホントの気持ちが分からなくて、暫く仔猫に擬態して
様子を見てたんだ。そしたら美鈴はとても優しくてボクは直ぐに気に入ったよ。
あぁ、でも、この星にこんな素敵なイベントがあってよかった。 さぁボク達の子どもを
作ろうね。きっと美鈴に似て可愛いよハニー≫
触手は無機物にしか擬態できなかったんじゃなかったのか? っと思ったが、その後は
もう何も考えられなかった。
「やぁぁん、そこはだめぇ……あぁん、気持ち良過ぎるのぉ、あん、あぁん」
≪美鈴ったら、ボクの受精管をそんなに締め付けて絞りだそうとするなんて、そんなに
欲しいならいっぱい注いであげるからね≫
「ひゃん、すごぉい」
こうして私は迂闊にも触手の妻になりました。
≪終≫