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永久の果肉2
10 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:33:05 ID:k4TfRh4W
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「――おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「――んん~。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
――ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「――ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
――リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば――とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
11 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:37:09 ID:k4TfRh4W
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか――
(私を見捨てないで!)
『――分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
12 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:38:49 ID:k4TfRh4W
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を――リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「――私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ――きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
13 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:40:49 ID:k4TfRh4W
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「――っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「――はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「――ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
14 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:42:44 ID:k4TfRh4W
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
――ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その――夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
――その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません――実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して――」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
15 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:44:46 ID:k4TfRh4W
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「――本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして――」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも――」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ――そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
16 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:49:47 ID:k4TfRh4W
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女――万歳。
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「――おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「――んん~。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
――ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「――ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
――リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば――とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
11 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:37:09 ID:k4TfRh4W
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか――
(私を見捨てないで!)
『――分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
12 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:38:49 ID:k4TfRh4W
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を――リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「――私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ――きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
13 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:40:49 ID:k4TfRh4W
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「――っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「――はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「――ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
14 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:42:44 ID:k4TfRh4W
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
――ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その――夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
――その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません――実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して――」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
15 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:44:46 ID:k4TfRh4W
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「――本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして――」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも――」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ――そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
16 永久の果肉2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/02/15(月) 19:49:47 ID:k4TfRh4W
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女――万歳。
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