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続・心の枷 その1
667 続・心の枷 その1 (1/14) sage 2012/10/04(木) 06:11:04.22 ID:3jJ4LtFH
私、高木早希は今、満員電車に揉まれている。
ちょっと、トイレに、行きたくなった…かも、しれない。
これから、会社最寄りの駅までは、あと30分は、ある。
失敗した。これならちゃんと家でしてくればよかった。
仕方ない。ここでするか…
私は、ぎゅうぎゅう詰めで人を載せて走ってる電車の中で立ったまま、
おしっこを…うん、まだちょっと、恥ずかしさが残ってるかも、しれない。
でも、誰にもわかりはしないし、人を避ける意味もない。
―しよう。ちょっと、力む。
(んー、うんっ、うっ)
出るまでの緊張感を我慢して、ちょっと力んだ。
そして、おしっこが、出始めた…と、思う。
なぜ「思う」なのか、っていうと。
私の出しているはずのおしっこは、全部『体の枷』が処理しているから。
外には一滴も出てこない。漏れることも一切ない。
そして、おしっこをするときのちょっとした解放感も、ない。
それも、『体の枷』が処理しているから。
『体の枷』は、私の排泄で生まれる快感すら、掌握している。
だから、おしっこを出したくて、出すギリギリまでは感覚としてあるんだけど、
出し始めると、全く、感じなくなる。
あーあ、つまんない。
これが『心の枷』を嵌めていると、全く違う。
もちろん許可を頂いてからだけど、『心の枷』を嵌めておしっこをすると、
それだけでイケるだけの快感を『体の枷』は与えてくれる。
ちなみに大きい方は、もっとスゴイ。
だから、トイレはなるべく、家の中でするようにしてる。
今のコレも、ちょっと家を出るのを遅くしたら、家でできたのに、と思うと、
やっぱり、失敗したなぁ、と、思ってしまう。
668 続・心の枷 その1 (2/14) sage 2012/10/04(木) 06:13:25.30 ID:3jJ4LtFH
―ん?
あ、あれ?
胸と股間から、快感が、急に―え?
(あっ、あふっ、うふぅっ、ぁああっ)
声が、出そうになる。一所懸命、声を、押し殺す。
この快感、絶対、ゲージの真ん中より上まで、来てる。
セックスの最後で、アソコに男のモノを入れて、出し入れしてる時くらいの、快感。
な、何で?こんなところで…
(はぁ、うっ、はぁっ、うっ、はぁ、はぁ、はぁあっ、んっ)
どうしても息が荒くなる。…ヤバい、隣の男の人が変な目で見てる。
そりゃ、こんな息を満員電車の中でしてたら、ただの、痴女…だよね…
まだ、快感が、上昇していく。
これは―ダメだ。早くイカないと、私、おかしくなる。
ちょうど、電車が駅で、停まった。
そのまま、人の流れに流されるまま、私も、降りる。
電車のドアから弾き飛ばされるみたいにホームに出た後、震える手で、
急いでケータイを、取り出す。
「―あ、おはよう、ございます。ふぅっ…高木、です。
大蔵課長をお願い…あ、課長、ですか…ぅんっ、
すみません、私、急に体調が、悪く…なったようで、今日は午後から出社…ぁん、
させて、くださ……
あ、はい、はい、すみません、よろしく…おねが、んっ、い、します」
声を出すのも辛かったけど、そのおかげか課長も心配して、午前の半休を許可してくれた。
そのまま、ガクガクして力の入らない足に鞭打って、階段登って、反対側のホームに向かう。
早く、早く、『心の枷』、嵌めないと…
669 続・心の枷 その1 (3/14) sage 2012/10/04(木) 06:16:20.23 ID:3jJ4LtFH
私は家に着くと、靴を脱ぐのもそこそこに、とにかく化粧台のところに向かった。
横の棚においてあった『心の枷』を、嵌める。
頭からかぶると、と頭の周りが覆われた感覚がした後、
きゅっ、と縮まり、そして感覚が、なくなる。
「ふぁぁあああああん!…はぁ、はぁ、はぁ…」
いつも、『心の枷』を嵌めれば、ご褒美に軽くイカせてもらえることになっていて、
今もその約束通り、軽く、イった。
目の前に浮かんでいる「快感のゲージ」は、今ちょうど真ん中辺りで揺らいでいる。
「早希ちゃんごめんねー。無理やり帰らせるような真似をして」
どこからか、ふと、声がする。
「ど、どうしたんですか、こんなこと、今まで…」
「うん。
ワタシ、拡張モジュールの生成時期に入ったみたい」
「かくちょ…え?」
「『拡張モジュール』。ワタシ自身が拡張するための、部品。
んー、普通の生物に例えると、子供みたいなもんかな」
「こ、子供??」
「そ。まぁ細かいところはかなり違うんだけど、今はいいや。
とりあえず、割とすぐ、拡張モジュールを生成しないと、いけない。
今日の夜までもつかなーって思ってたから、早希ちゃんに言わなかったんだけど、
ちょっと予定より早まったみたい。ごめんね」
「あ、あの、それで…私は、何をすれば…?」
「そうそう。早希ちゃんいないと、モジュール作れないんだよね。
とりあえず、服全部脱いで、ベッドの上に移動してくれるかな。
せいぜい15分くらいだから」
「…はい」
私は言われるまま、着ていた服を全部脱いで、全裸になった。
といっても、胸と股間は、金属の塊―『体の枷』で覆われてるけど。
そのままベッドに移動して、そのまま仰向けに横たわると、そこで手足が勝手に動いた。
脚はMの字に開いてベッドの上で踏ん張るような形で固定され、
手は、頭の後ろにある枕の両端を握らされ、こっちも固定させられた。
670 続・心の枷 その1 (4/14) sage 2012/10/04(木) 06:19:14.79 ID:3jJ4LtFH
「準備、オッケーだね。
じゃ、始めるよ。
ちょっと辛いかもしれないけど、耐えてね」
「はい。
……えっ、ふぁっ、ぁはぁああああああぁ?!」
途端に、快感のゲージが、急上昇する。
いきなり、目盛りを振りきって、イカされた。
「い、いやぁ、あぁん、あぁあああん!
ま、また、はぁ、はぁああっ!
ま、まだ、つづく、ふぁ、ああああん!」
ゲージのメーターが、目盛りの前後で揺れるように、行ったり来たりを繰り返す。
だから私も、何度も何度も、何度も何度も、イカされる。
「あ、そろそろ、出るね。
ここからが一番辛いところだけど、頑張ってね?
あと5分とかからないから、心配しないで」
「は、は、はひっ…」
すると、ゲージが下がらなくなり、目盛りを振り切りっぱなしになった。
私は、ひたすら、イキっぱなしになる。
「はあああああああああぁああああ!うあぁ!あっ、ああ、ぐ、うっ、あ、あ、うぁ」
ずーっと、ずーっと、とにかく、気をやりつづける。
頭が、飛んで、おかしく、なりそう…
671 続・心の枷 その1 (5/14) sage 2012/10/04(木) 06:22:24.92 ID:3jJ4LtFH
「そろそろだよ。
あ、これ、嵌めといて」
その途端。
私の口が、強制的に、開かされた。
舌が、強制的に、吊り出され、そのまま、固定される。
「むぐ、ぐ、っぐ、むふうっ、うぐ?!」
完全に固定された、唇と、舌と、あと口の中全体から、ものすごい快感が迸る。
今までどんなディープキスでも体験したことのない、トロットロにされる、快感。
最高に、気持ち、いい…
「ふ、ふぉ、ふぉぉぉおおおあああああ!?」
股間を何か、ビリビリとした、激痛のような快感の塊が襲う。
そのまま、私は思いっきり大きなオーガズムを迎える。
そうして、ようやく、快感が収まり始めた。
ゲージがみるみる下がって、真ん中少し下くらいまでメーターのバーが縮んた。
口も、自由になる。
「はぁ、はぁ、はぁ、は、はぁ、はぁ…」
「よくがんばったね。早希ちゃん。
いいのができたと思うよ。ほら、股の間を覗いてごらん?」
体が自由になり、そのまま上体を起こす。
みると…
私の股間の直下に、ゴムボール大の、金属の球があった。
『体の枷』に当たって、止まっている。
「拾ってごらん?」
「はい」
言われるまま、その球に右手を伸ばし、握って持ち上げてみる。
てっきり重いのかと思ったけど、ピンポン玉くらいに軽い。
いろいろな角度から見てみたけど、どの角度から見ても、全く同じ。
メタリックシルバーの、完全な球体。
「うふ。カワイイでしょ?」
「は、はぁ…」
「まだそういうの、わかんないか。まぁ、これからだね。
で、早希ちゃんは、それを誰か他の人に、嵌めて欲しいの」
「…え?」
「だからほら、早希ちゃんも『心の枷』嵌めて、ワタシがくっついたでしょ?
この球もやっぱり、枷なの。でも早希ちゃんじゃなくて、他の人が嵌めるもの。
これを嵌めた人が、早希ちゃんの『パートナー』になるの」
672 続・心の枷 その1 (6/14) sage 2012/10/04(木) 06:25:15.83 ID:3jJ4LtFH
「パー、トナー?」
「うん。
早希ちゃんと一緒に気持ちよくなって、早希ちゃんがいっぱい気持ちよくなるように
ご奉仕してくれる人。
そうして、早希ちゃんと共同生命体となって、1つのワタシになる人」
「…つまり、これを、他の人に嵌めて、私みたいに、する、って、事ですか?」
「そ。わかってくれた?」
「で、でも、他の人にいきなり嵌めるのは、ちょっと、気が引けるというか…」
「あれー?そんな事言っちゃって、いいのかなー?」
「あ、すいま、ぁああああああああん!」
途端にゲージが急上昇して、目盛りの手前で止まる。
「ご、ごめんなさい、イカせて…」
「だーめ。変なこと言うんだもん。
早希ちゃんはもうワタシの一部なんだから、ワタシの言うとおりにしなきゃ」
「は、はい、わかりました、だから…ぁあっ」
「ゴメンナサイは?」
「ご、ごめんなさい、はぁっ」
「ちゃんと、他の人に、嵌める?」
「はい、嵌めます、ちゃんと、やります、うっ…」
「よろしい。イキなさい」
「あぁっ、ぁあああああぁぁん!」
イカせてもらって、ようやく、楽になった。
「はぁ…はぁ…
わかり、ました。やります。他の人に、嵌めます…
どんな人に、嵌めれば、いいんですか?」
「そうだねー。
早希ちゃんと一緒に気持ちよくなってくれる人だから、なるべく、早希ちゃんの
好みの人がいいと思うよ。この人とならエッチしてもいいかな、って人。
あ、申し訳ないけど、女性にしてね。
男性でもいいんだけど、なるべく早希ちゃんと体の組成が近い人がいいんだ」
「え、でも、女性でなんて、私そういう趣味、なくて…」
「んーほら。
身近で、キレイだなって思う人とか、女性なのにカッコいい人とか、いない?
あるいは、ずっと一緒にいられる、心が安らぐ人」
「キレイで…ずっと…一緒にいられる…」
「うん。
後の人選は、早希ちゃんに任せるよ。
カワイイ娘、ゲットしてね?」
「は、はい…」
673 続・心の枷 その1 (7/14) sage 2012/10/04(木) 06:27:22.81 ID:3jJ4LtFH
「ちょっと早希、大丈夫ー?」
「うん…ごめんね結夏。
ホントに急に…辛くなって」
「いや、いいよ。
それよりほら、ゆっくりでいいから、前見て」
私、西野結夏は、同期の高木早希と、会社終わった後でご飯を食べに来ていた。
早希とは結構気が合うから、よくご飯を一緒に食べてた。このレストランも、割とよく2人で来る店だ。
でも、ワインを飲んでたせいか、早希が急に気分が悪いと言い出して、
トイレに向かうその足が千鳥足だったもんだから、慌てて肩を貸して一緒にレストランを出て、
今、同じビルのフロアにあるトイレに向かっていた。
「午前中休んだんでしょ?なのにワインなんて…」
「うん、元気になったと思って、ちょっと、油断してた…」
「あ、ほら、そこだから、トイレ」
そのまま、の中にあったトイレに、2人で入る。
「ちょ、ちょっと、休憩、させて…」
「あ、うん。いいよ」
早希が洗面台の前にたどり着いて、その縁に手をつき、肩で息をしている。
「ほんと、どうしちゃったんだろうね。言うほど飲んでもいなかったと思うけど」
「わかんない…
そうだ、ちょっと、待って…
こういうときに、イイもの、あるんだ」
そう言って、早希が、自分のバッグの中に手を入れた。
「―これ」
出てきた右手の手のひらには、ゴムボール大の、金属の球が乗っている。
私はつい、覗きこんでしまう。
「…何?これ」
「拡張モジュール、だって」
「かくちょう?ん?」
「枷、なの」
「かせ、って?」
「結夏も、嵌めてみれば、わかると思う」
「へ?
ちょ、きゃ、きゃあああああああ!??」
突然、その珠が弾けるように私の目の前でぶわっと拡がり、
それが全部、私の顔に、覆いかぶさってきた。
6 続・心の枷 その1 (8/14) sage 2012/10/04(木) 07:18:19.95 ID:3jJ4LtFH
「きゃああああああああああ!
な、な、何?何なの?」
慌てて、自分の顔を触る。
よく見えないけど、何かが覆ってしまっているのか、頬や口に触ることができない。
目の前にある鏡で、自分を、見る。
「な―なに、コレ?」
それは、大きな、金属製の、マスク。
私の鼻の下から顎までを全部覆い、更に後ろまで伸びて、耳をすっぽりと覆ってる。
鼻や口のくぼみはなく、つるん、と、丸みを帯びていて、凹みや引っ掛かりは一切ない。
まるで、顔の下半分が、金属に支配されてしまったみたいだ。
取ろうとするけど、全然取れない。
完全に、私の、耳と、顎と、口と、鼻に、くっついてしまっている。
でも、私が声を出すのに、不自由はない。耳も普通に、聞こえている。
「ちょっと、早希?!何なの、これ!!」
横にいる早希に怒鳴り付けるけど、早希の反応は鈍い。
まるで、何も聴こえてないかのようだ。
「…ごめんね、結夏。とりあえず、こっち来てくれる?」
「ちょ、ちょ、ちょっと!」
さっきまで気分悪そうにしていた早希はすっかり平静になっていて、
私の手をひっぱっていく。
私はそのまま、奥の、子連れ用の広い個室に、連れて行かれた。
7 続・心の枷 その1 (9/14) sage 2012/10/04(木) 07:21:06.43 ID:3jJ4LtFH
早希は私を個室に押し込めると、自身も入って、扉を閉めてロックし、
内側からその扉によりかかった。
ここに私を閉じ込めようとしているのは、明らかだった。
「ちょっと早希、何すん―」
「うふ。こんばんは。結夏ちゃん」
「…えっ?」
どこからともなく、全然知らない女性の声がする。
「結夏ちゃんのお話は早希ちゃんに聞いてたし、
さっきもバッグの中からいろいろ聞かせてもらった。
うふ。早希ちゃん、なかなかカワイイ娘、ゲットしたね」
「あ、あの、誰?」
「ワタシは、早希ちゃんだよ。
もうちょっとちゃんと言うと、早希ちゃんを、支配する者。
で、今から、結夏ちゃんも支配する」
「は?何言って―」
「結夏ちゃんはこれから、早希ちゃんの『パートナー』になって、
早希ちゃんの、一部になるの。
そして、ワタシの一部にも、なる」
「あの、何言ってるか、全然わかんないんですけど」
「まぁ、その辺は、おいおいわかるよ。
じゃ、結夏ちゃんにも『体の枷』、あげるね」
「へ?」
一瞬、うなじから背筋をすっと撫でられる感覚があって、その後それが全身に広がって、でも一瞬で収まった。
「え?何を、したの?」
「うふ。胸と股間、触ってごらん」
気になって、言われるとおりに、胸と股間を手でさわってみる。
感触がおかしい。硬い。
シャツの合間から手を突っ込んでみると、ブラの下に何か硬いものがあって、
私の胸を覆っているみたいだ。
股間も、スカートの裾を少しまくって、そこから手を入れてみるけど、
やっぱり、ショーツの裏に、硬いものがある。
両方とも、さわってもつついても叩いても、何も、感じなくなってる。
「それはね。『体の枷』と言って、結夏ちゃんのおっぱいと大事なところを
閉じ込めるもの。
一生外れないから、結夏ちゃんはもう、自分でおっぱいとアソコと、
あとお尻の穴も、自分では触れなくなった」
「ちょ、ちょっと、何言ってんの…
ねぇ早希!あんたも何か言ってよ!ねぇ!」
扉のところにいる早希に声をかけるけど、全然応えようとしない。
ただ、こっちを、じっと、見てる。
そして、声がまた、響いてくる。
「で、『体の枷』には、もう一個、重要な役割があってね―」
「え?あ、い、いやぁあああん?!」
8 続・心の枷 その1 (10/14) sage 2012/10/04(木) 07:24:05.47 ID:3jJ4LtFH
突然、胸と股間に、じわっとする快感が、襲ってきた。
何も触られたり揉まれたりしてないのに、とにかく、胸と股間全体が、しびれる。
「な、な、何コレ?!」
「うふ。結夏ちゃんが触って気持ちよくできなくなった代わりに、
ワタシがいつでも、この『体の枷』を使って、結夏ちゃんを気持ちよくできるの。
どう?気持ちいいでしょ」
「何をバカなこと言ってんの、もう、やめて」
「あれ?じゃもうちょっと気持ちよくするね」
「ちょ、ちょっと、あぁああああああん!!」
胸と股間からくる快感がもっと激しくなって、全身がかぁっと熱くなる。
まるで、セックスの真っ最中みたい―
「はぁ、ちょ、お願い、やめて」
「どう?気持ちいい?」
「き、気持ち、いい、いいよ。いいから、やめて、こんなとこで」
「うふ。わかった。やめたげる」
急に、刺激が収まった。
自分の息がすっかり荒くなっている。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「じゃまぁ、公共のトイレをずっと占拠するのも他の人に申し訳ないから、
さっさと訓練、始めるね」
「な、なに、する、の、ちょ、きゃああああ!?」
突然、体が勝手に動いて、蓋の閉じている便座の上に無理やり座らされた。
その上で、股をおもいっきり開かされ、頭の後ろで手を組まされる。
「うふ。あなたが今お顔に嵌めてる拡張モジュール、
まぁありていに言うと、『口の枷』だね。そのまんまだけど。
コレは、パートナーの体を自由に操ることができる。
あなたはもう、自分の体を動かす自由を、失った」
「な、何を言って…お願い、やめて」
「だーめ。もうコレ、嵌めちゃったんだから。
さ、訓練、続けるよ」
「だ、だから、訓練、って…」
「まずは、『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練。
拡張モジュールは簡易式だから、ゲージないんだけど、許してね。
ワタシがカウントダウンすると、『体の枷』があなたをどんどん気持ちよくして、
0になったら、あなたはイク」
「え、ちょっと、そんな―」
「いくよ?
3,2,1」
「えっ、いや、ぁあああああっ!?はぁ、あはあああっ!!」
カウントダウンが進むと、合わせて自分の体が、かあああっと熱くなって、
体中が、ひたすら疼く。本当に、今、イク、手前。
9 続・心の枷 その1 (11/14) sage 2012/10/04(木) 07:27:03.65 ID:3jJ4LtFH
「うふ。
最後のカウントが、結構楽しいんだ。拡張モジュールは。
じゃ、いくよ。ぜー …」
「あっ、む、むぐ!?」
突然、口が、こじ開けられる。
舌が、吊り出されて、ぴんと伸びたまま、動かなくなる。
そして、口の中に何かが、いっぱい、なだれ込んでくる。
なだれ込んできたものが、口の中に広がって、それが、とてつもない、快感に変わる。
ディープキスの何百倍も、何千倍も、気持ちいい。
「…ろ」
「ぐ、ぐぅ、ふぅぅぅうううう!」
唇が、舌が、喉の奥が、全部がしびれて熱くなって、
それが、胸と、股間に、直通した。
体中に、電流が走る。体が硬直して、そのままガクガクと、震えて…イった。
快感が収まってきた頃、ふいに口の中のものがなくなり、口が自由になる。
思わず、荒い息を、繰り返す。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
「うふ。どう?気持ちよかった?」
「はぁ、はぁ…
さ、最後の、口は、一体…」
「うふふ。
それがその、口の枷の、特別な機能。
あなたが嵌めているその枷は、あなたのお口に、強烈な快感を与えることができる。
あなたは一生、アソコでも胸でもお尻でもイケなくなった代わりに、
その枷を嵌めて、お口の快感で、イクようになる」
「な、何を、バカな―」
「さ、続き続き。
いくよー、3,2,1,0」
「ちょっ、あぁ、あふん、あぐっ、むぐ、ぐふぅううううううう!」
「はい、もう一回。3,2,1,0」
「やめ、いや、ふっ、ぐぅ、ぅうふううううう!」
「もう一回。3,2,1,0」
「おね、が、ちょ、むぐ、ふぅ、うううううううう!」
カウントダウンされる度、口をこじ開けられ、舌を吊り出され、
何かが口になだれ込んで来て、イった。
何度も何度も、何度も何度も、私は、口で、イった。
10 続・心の枷 その1 (12/14) sage 2012/10/04(木) 07:30:05.29 ID:3jJ4LtFH
私の目の前で、結夏の訓練が、始まった。
突然、便座に座って足を開き、頭の後ろで手を組んで、動かなくなった。
その姿勢のまま、何度も視線を虚空に這わせ、
目がかっと開いたかと思うと、ガクガクと震え、ぐったりする。
また、目が開いて、ガクガク震えて、ぐったりする。その、繰り返し。
私は、扉の前から移動して、結夏の目の前に、立つ。
結夏は、私に対して股を開いて、こっちを向いている。
でも、目の焦点は、私には合っていない。時折こっちを見ている風はあるが、
すぐ視線を虚空に這わせて、まったく違うところに意識をやっている。
自分の経験から、だいたい結夏が何をされているかは、わかる。
でも、私には、何も聞こえない。
きっと結夏は、その口に嵌めた枷の下で思いっきり喘いで、叫んでいるはずだけど、
私には、呼吸の音すら、聞こえない。
衣擦れの音と、時折外から入ってくる他人の音以外は、何も音がしない。
とても、静かな空間。
その中で、ひたすらひたすら、彼女の精神を蹂躙する作業が、目の前で、続いていた。
11 続・心の枷 その1 (13/14) sage 2012/10/04(木) 07:33:06.13 ID:3jJ4LtFH
「うふ。気持ち、良かった?」
「…はい」
「うんうん。ずいぶん素直になったね。
でも、まだ体が疼いて、イカないと、収まらない。そうでしょ?」
「……はい」
もう、何も、考えられない。
ひたすらイカされて、頭の中が真っ白に吹っ飛んで、
でもまだ体が鎮まらなくて、もう、どうしたらいいのか、わからない。
「うん、よろしい。
じゃ、お願いしたら、イカせてあげる」
「……うぅっ…はぃ…」
「『お願いします。イカせてください』って、言ってみて」
「…お願い…します。イカせて、ください…ぐふっ、ふぅううううう!」
お願いした直後、口を犯されて、また、イった。
「うん、よくできたね。
じゃ、もう一回」
「…お願い、します、イカせて、ください…ふぅっ、ふぅううううっ!」
「はい、もう一回」
「お願い…します、イカせて、ください…ふむぅううううっ!」
「はい、もう一回」
「お願い、します、イカせてください…ふぅう゛うううっ!」
「はい、もう一回」
「はぁっ、お願いします、イカせてくださいっ…むふぅうううっ!」
「もう、一回」
「お願いしますっ、イカせて!イカせて、くださいっ!…ふぅう゛う゛うううううううっ!」
何度も何度も、私は自らお願いして、口を犯してもらって、イカせてもらった。
「どう?お口、気持ちいいでしょ?」
「はい、気持ち、いい、です」
「その口の枷を嵌めれば、あなたは、イケる。
じゃ、次の訓練、いきましょうね。3,2,1」
「ちょ、あっ、あぁあああんっ…えっ、ちょ、ちょっと!?」
カウントダウンの、最後の、ゼロが、聞こえない。
イク寸前。でも、口を犯してもらえない。イケない。
そして、口と頬の周りを、するっと抜ける感覚がする。
コトン、と、股の間で、音がする。
「―あ」
ふと見ると、ゴムボール大の金属の球が、股の間に落ちている。
枷が、外れた…
ふいに、いつの間にか目の前にいた早希が、それを、右手で、拾う。
そして、手のひらに載せて、私の顔の前に、持ってくる。
「ほら、あなたの枷だよ。結夏」
12 続・心の枷 その1 (14/14) sage 2012/10/04(木) 07:35:36.74 ID:3jJ4LtFH
「ほら、あなたの枷だよ。結夏」
「あ…」
そう。これは、私の、枷。
私の口を犯して、イカせてくれる、枷。
犯して、欲しい。
イカせて、欲しい。
「どうすればいいのか、あなたは、わかっている。そうでしょ?結夏」
そう。わかっている。
私のすべきことは、枷を、嵌めること。
枷を嵌めて、口を犯して、イカせてもらうこと。
私は、頭の後ろに手を組んだまま、顔の前にある金属球に、
舌を伸ばして、舌先で、触れた。
とたん、しゅるっと音がして、私の口に、枷が、嵌まる。
そのまま、口をこじ開けられ、犯される。
「ぐふうぅうううううううう!」
ひとしきり、イッた。
でもまた、イク寸前まで、快感が、昇ってくる。
そして、枷が外れて、球になる。
それを早希が拾って、私の顔の前に、差し出す。
私はそれを、舌先で、舐める。
枷が、嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
何度も、その行為が、繰り返される。
そして、何度目かのとき。
外れた枷を、早希が拾って、
でもそのまま、右手できゅっと握って持ち上げると、
彼女は自分のバッグに、それをしまいこんだ。
「え?ちょっと、なんで…」
「私のうちに、来て。結夏」
「…わか、りました」
私、高木早希は今、満員電車に揉まれている。
ちょっと、トイレに、行きたくなった…かも、しれない。
これから、会社最寄りの駅までは、あと30分は、ある。
失敗した。これならちゃんと家でしてくればよかった。
仕方ない。ここでするか…
私は、ぎゅうぎゅう詰めで人を載せて走ってる電車の中で立ったまま、
おしっこを…うん、まだちょっと、恥ずかしさが残ってるかも、しれない。
でも、誰にもわかりはしないし、人を避ける意味もない。
―しよう。ちょっと、力む。
(んー、うんっ、うっ)
出るまでの緊張感を我慢して、ちょっと力んだ。
そして、おしっこが、出始めた…と、思う。
なぜ「思う」なのか、っていうと。
私の出しているはずのおしっこは、全部『体の枷』が処理しているから。
外には一滴も出てこない。漏れることも一切ない。
そして、おしっこをするときのちょっとした解放感も、ない。
それも、『体の枷』が処理しているから。
『体の枷』は、私の排泄で生まれる快感すら、掌握している。
だから、おしっこを出したくて、出すギリギリまでは感覚としてあるんだけど、
出し始めると、全く、感じなくなる。
あーあ、つまんない。
これが『心の枷』を嵌めていると、全く違う。
もちろん許可を頂いてからだけど、『心の枷』を嵌めておしっこをすると、
それだけでイケるだけの快感を『体の枷』は与えてくれる。
ちなみに大きい方は、もっとスゴイ。
だから、トイレはなるべく、家の中でするようにしてる。
今のコレも、ちょっと家を出るのを遅くしたら、家でできたのに、と思うと、
やっぱり、失敗したなぁ、と、思ってしまう。
668 続・心の枷 その1 (2/14) sage 2012/10/04(木) 06:13:25.30 ID:3jJ4LtFH
―ん?
あ、あれ?
胸と股間から、快感が、急に―え?
(あっ、あふっ、うふぅっ、ぁああっ)
声が、出そうになる。一所懸命、声を、押し殺す。
この快感、絶対、ゲージの真ん中より上まで、来てる。
セックスの最後で、アソコに男のモノを入れて、出し入れしてる時くらいの、快感。
な、何で?こんなところで…
(はぁ、うっ、はぁっ、うっ、はぁ、はぁ、はぁあっ、んっ)
どうしても息が荒くなる。…ヤバい、隣の男の人が変な目で見てる。
そりゃ、こんな息を満員電車の中でしてたら、ただの、痴女…だよね…
まだ、快感が、上昇していく。
これは―ダメだ。早くイカないと、私、おかしくなる。
ちょうど、電車が駅で、停まった。
そのまま、人の流れに流されるまま、私も、降りる。
電車のドアから弾き飛ばされるみたいにホームに出た後、震える手で、
急いでケータイを、取り出す。
「―あ、おはよう、ございます。ふぅっ…高木、です。
大蔵課長をお願い…あ、課長、ですか…ぅんっ、
すみません、私、急に体調が、悪く…なったようで、今日は午後から出社…ぁん、
させて、くださ……
あ、はい、はい、すみません、よろしく…おねが、んっ、い、します」
声を出すのも辛かったけど、そのおかげか課長も心配して、午前の半休を許可してくれた。
そのまま、ガクガクして力の入らない足に鞭打って、階段登って、反対側のホームに向かう。
早く、早く、『心の枷』、嵌めないと…
669 続・心の枷 その1 (3/14) sage 2012/10/04(木) 06:16:20.23 ID:3jJ4LtFH
私は家に着くと、靴を脱ぐのもそこそこに、とにかく化粧台のところに向かった。
横の棚においてあった『心の枷』を、嵌める。
頭からかぶると、と頭の周りが覆われた感覚がした後、
きゅっ、と縮まり、そして感覚が、なくなる。
「ふぁぁあああああん!…はぁ、はぁ、はぁ…」
いつも、『心の枷』を嵌めれば、ご褒美に軽くイカせてもらえることになっていて、
今もその約束通り、軽く、イった。
目の前に浮かんでいる「快感のゲージ」は、今ちょうど真ん中辺りで揺らいでいる。
「早希ちゃんごめんねー。無理やり帰らせるような真似をして」
どこからか、ふと、声がする。
「ど、どうしたんですか、こんなこと、今まで…」
「うん。
ワタシ、拡張モジュールの生成時期に入ったみたい」
「かくちょ…え?」
「『拡張モジュール』。ワタシ自身が拡張するための、部品。
んー、普通の生物に例えると、子供みたいなもんかな」
「こ、子供??」
「そ。まぁ細かいところはかなり違うんだけど、今はいいや。
とりあえず、割とすぐ、拡張モジュールを生成しないと、いけない。
今日の夜までもつかなーって思ってたから、早希ちゃんに言わなかったんだけど、
ちょっと予定より早まったみたい。ごめんね」
「あ、あの、それで…私は、何をすれば…?」
「そうそう。早希ちゃんいないと、モジュール作れないんだよね。
とりあえず、服全部脱いで、ベッドの上に移動してくれるかな。
せいぜい15分くらいだから」
「…はい」
私は言われるまま、着ていた服を全部脱いで、全裸になった。
といっても、胸と股間は、金属の塊―『体の枷』で覆われてるけど。
そのままベッドに移動して、そのまま仰向けに横たわると、そこで手足が勝手に動いた。
脚はMの字に開いてベッドの上で踏ん張るような形で固定され、
手は、頭の後ろにある枕の両端を握らされ、こっちも固定させられた。
670 続・心の枷 その1 (4/14) sage 2012/10/04(木) 06:19:14.79 ID:3jJ4LtFH
「準備、オッケーだね。
じゃ、始めるよ。
ちょっと辛いかもしれないけど、耐えてね」
「はい。
……えっ、ふぁっ、ぁはぁああああああぁ?!」
途端に、快感のゲージが、急上昇する。
いきなり、目盛りを振りきって、イカされた。
「い、いやぁ、あぁん、あぁあああん!
ま、また、はぁ、はぁああっ!
ま、まだ、つづく、ふぁ、ああああん!」
ゲージのメーターが、目盛りの前後で揺れるように、行ったり来たりを繰り返す。
だから私も、何度も何度も、何度も何度も、イカされる。
「あ、そろそろ、出るね。
ここからが一番辛いところだけど、頑張ってね?
あと5分とかからないから、心配しないで」
「は、は、はひっ…」
すると、ゲージが下がらなくなり、目盛りを振り切りっぱなしになった。
私は、ひたすら、イキっぱなしになる。
「はあああああああああぁああああ!うあぁ!あっ、ああ、ぐ、うっ、あ、あ、うぁ」
ずーっと、ずーっと、とにかく、気をやりつづける。
頭が、飛んで、おかしく、なりそう…
671 続・心の枷 その1 (5/14) sage 2012/10/04(木) 06:22:24.92 ID:3jJ4LtFH
「そろそろだよ。
あ、これ、嵌めといて」
その途端。
私の口が、強制的に、開かされた。
舌が、強制的に、吊り出され、そのまま、固定される。
「むぐ、ぐ、っぐ、むふうっ、うぐ?!」
完全に固定された、唇と、舌と、あと口の中全体から、ものすごい快感が迸る。
今までどんなディープキスでも体験したことのない、トロットロにされる、快感。
最高に、気持ち、いい…
「ふ、ふぉ、ふぉぉぉおおおあああああ!?」
股間を何か、ビリビリとした、激痛のような快感の塊が襲う。
そのまま、私は思いっきり大きなオーガズムを迎える。
そうして、ようやく、快感が収まり始めた。
ゲージがみるみる下がって、真ん中少し下くらいまでメーターのバーが縮んた。
口も、自由になる。
「はぁ、はぁ、はぁ、は、はぁ、はぁ…」
「よくがんばったね。早希ちゃん。
いいのができたと思うよ。ほら、股の間を覗いてごらん?」
体が自由になり、そのまま上体を起こす。
みると…
私の股間の直下に、ゴムボール大の、金属の球があった。
『体の枷』に当たって、止まっている。
「拾ってごらん?」
「はい」
言われるまま、その球に右手を伸ばし、握って持ち上げてみる。
てっきり重いのかと思ったけど、ピンポン玉くらいに軽い。
いろいろな角度から見てみたけど、どの角度から見ても、全く同じ。
メタリックシルバーの、完全な球体。
「うふ。カワイイでしょ?」
「は、はぁ…」
「まだそういうの、わかんないか。まぁ、これからだね。
で、早希ちゃんは、それを誰か他の人に、嵌めて欲しいの」
「…え?」
「だからほら、早希ちゃんも『心の枷』嵌めて、ワタシがくっついたでしょ?
この球もやっぱり、枷なの。でも早希ちゃんじゃなくて、他の人が嵌めるもの。
これを嵌めた人が、早希ちゃんの『パートナー』になるの」
672 続・心の枷 その1 (6/14) sage 2012/10/04(木) 06:25:15.83 ID:3jJ4LtFH
「パー、トナー?」
「うん。
早希ちゃんと一緒に気持ちよくなって、早希ちゃんがいっぱい気持ちよくなるように
ご奉仕してくれる人。
そうして、早希ちゃんと共同生命体となって、1つのワタシになる人」
「…つまり、これを、他の人に嵌めて、私みたいに、する、って、事ですか?」
「そ。わかってくれた?」
「で、でも、他の人にいきなり嵌めるのは、ちょっと、気が引けるというか…」
「あれー?そんな事言っちゃって、いいのかなー?」
「あ、すいま、ぁああああああああん!」
途端にゲージが急上昇して、目盛りの手前で止まる。
「ご、ごめんなさい、イカせて…」
「だーめ。変なこと言うんだもん。
早希ちゃんはもうワタシの一部なんだから、ワタシの言うとおりにしなきゃ」
「は、はい、わかりました、だから…ぁあっ」
「ゴメンナサイは?」
「ご、ごめんなさい、はぁっ」
「ちゃんと、他の人に、嵌める?」
「はい、嵌めます、ちゃんと、やります、うっ…」
「よろしい。イキなさい」
「あぁっ、ぁあああああぁぁん!」
イカせてもらって、ようやく、楽になった。
「はぁ…はぁ…
わかり、ました。やります。他の人に、嵌めます…
どんな人に、嵌めれば、いいんですか?」
「そうだねー。
早希ちゃんと一緒に気持ちよくなってくれる人だから、なるべく、早希ちゃんの
好みの人がいいと思うよ。この人とならエッチしてもいいかな、って人。
あ、申し訳ないけど、女性にしてね。
男性でもいいんだけど、なるべく早希ちゃんと体の組成が近い人がいいんだ」
「え、でも、女性でなんて、私そういう趣味、なくて…」
「んーほら。
身近で、キレイだなって思う人とか、女性なのにカッコいい人とか、いない?
あるいは、ずっと一緒にいられる、心が安らぐ人」
「キレイで…ずっと…一緒にいられる…」
「うん。
後の人選は、早希ちゃんに任せるよ。
カワイイ娘、ゲットしてね?」
「は、はい…」
673 続・心の枷 その1 (7/14) sage 2012/10/04(木) 06:27:22.81 ID:3jJ4LtFH
「ちょっと早希、大丈夫ー?」
「うん…ごめんね結夏。
ホントに急に…辛くなって」
「いや、いいよ。
それよりほら、ゆっくりでいいから、前見て」
私、西野結夏は、同期の高木早希と、会社終わった後でご飯を食べに来ていた。
早希とは結構気が合うから、よくご飯を一緒に食べてた。このレストランも、割とよく2人で来る店だ。
でも、ワインを飲んでたせいか、早希が急に気分が悪いと言い出して、
トイレに向かうその足が千鳥足だったもんだから、慌てて肩を貸して一緒にレストランを出て、
今、同じビルのフロアにあるトイレに向かっていた。
「午前中休んだんでしょ?なのにワインなんて…」
「うん、元気になったと思って、ちょっと、油断してた…」
「あ、ほら、そこだから、トイレ」
そのまま、の中にあったトイレに、2人で入る。
「ちょ、ちょっと、休憩、させて…」
「あ、うん。いいよ」
早希が洗面台の前にたどり着いて、その縁に手をつき、肩で息をしている。
「ほんと、どうしちゃったんだろうね。言うほど飲んでもいなかったと思うけど」
「わかんない…
そうだ、ちょっと、待って…
こういうときに、イイもの、あるんだ」
そう言って、早希が、自分のバッグの中に手を入れた。
「―これ」
出てきた右手の手のひらには、ゴムボール大の、金属の球が乗っている。
私はつい、覗きこんでしまう。
「…何?これ」
「拡張モジュール、だって」
「かくちょう?ん?」
「枷、なの」
「かせ、って?」
「結夏も、嵌めてみれば、わかると思う」
「へ?
ちょ、きゃ、きゃあああああああ!??」
突然、その珠が弾けるように私の目の前でぶわっと拡がり、
それが全部、私の顔に、覆いかぶさってきた。
6 続・心の枷 その1 (8/14) sage 2012/10/04(木) 07:18:19.95 ID:3jJ4LtFH
「きゃああああああああああ!
な、な、何?何なの?」
慌てて、自分の顔を触る。
よく見えないけど、何かが覆ってしまっているのか、頬や口に触ることができない。
目の前にある鏡で、自分を、見る。
「な―なに、コレ?」
それは、大きな、金属製の、マスク。
私の鼻の下から顎までを全部覆い、更に後ろまで伸びて、耳をすっぽりと覆ってる。
鼻や口のくぼみはなく、つるん、と、丸みを帯びていて、凹みや引っ掛かりは一切ない。
まるで、顔の下半分が、金属に支配されてしまったみたいだ。
取ろうとするけど、全然取れない。
完全に、私の、耳と、顎と、口と、鼻に、くっついてしまっている。
でも、私が声を出すのに、不自由はない。耳も普通に、聞こえている。
「ちょっと、早希?!何なの、これ!!」
横にいる早希に怒鳴り付けるけど、早希の反応は鈍い。
まるで、何も聴こえてないかのようだ。
「…ごめんね、結夏。とりあえず、こっち来てくれる?」
「ちょ、ちょ、ちょっと!」
さっきまで気分悪そうにしていた早希はすっかり平静になっていて、
私の手をひっぱっていく。
私はそのまま、奥の、子連れ用の広い個室に、連れて行かれた。
7 続・心の枷 その1 (9/14) sage 2012/10/04(木) 07:21:06.43 ID:3jJ4LtFH
早希は私を個室に押し込めると、自身も入って、扉を閉めてロックし、
内側からその扉によりかかった。
ここに私を閉じ込めようとしているのは、明らかだった。
「ちょっと早希、何すん―」
「うふ。こんばんは。結夏ちゃん」
「…えっ?」
どこからともなく、全然知らない女性の声がする。
「結夏ちゃんのお話は早希ちゃんに聞いてたし、
さっきもバッグの中からいろいろ聞かせてもらった。
うふ。早希ちゃん、なかなかカワイイ娘、ゲットしたね」
「あ、あの、誰?」
「ワタシは、早希ちゃんだよ。
もうちょっとちゃんと言うと、早希ちゃんを、支配する者。
で、今から、結夏ちゃんも支配する」
「は?何言って―」
「結夏ちゃんはこれから、早希ちゃんの『パートナー』になって、
早希ちゃんの、一部になるの。
そして、ワタシの一部にも、なる」
「あの、何言ってるか、全然わかんないんですけど」
「まぁ、その辺は、おいおいわかるよ。
じゃ、結夏ちゃんにも『体の枷』、あげるね」
「へ?」
一瞬、うなじから背筋をすっと撫でられる感覚があって、その後それが全身に広がって、でも一瞬で収まった。
「え?何を、したの?」
「うふ。胸と股間、触ってごらん」
気になって、言われるとおりに、胸と股間を手でさわってみる。
感触がおかしい。硬い。
シャツの合間から手を突っ込んでみると、ブラの下に何か硬いものがあって、
私の胸を覆っているみたいだ。
股間も、スカートの裾を少しまくって、そこから手を入れてみるけど、
やっぱり、ショーツの裏に、硬いものがある。
両方とも、さわってもつついても叩いても、何も、感じなくなってる。
「それはね。『体の枷』と言って、結夏ちゃんのおっぱいと大事なところを
閉じ込めるもの。
一生外れないから、結夏ちゃんはもう、自分でおっぱいとアソコと、
あとお尻の穴も、自分では触れなくなった」
「ちょ、ちょっと、何言ってんの…
ねぇ早希!あんたも何か言ってよ!ねぇ!」
扉のところにいる早希に声をかけるけど、全然応えようとしない。
ただ、こっちを、じっと、見てる。
そして、声がまた、響いてくる。
「で、『体の枷』には、もう一個、重要な役割があってね―」
「え?あ、い、いやぁあああん?!」
8 続・心の枷 その1 (10/14) sage 2012/10/04(木) 07:24:05.47 ID:3jJ4LtFH
突然、胸と股間に、じわっとする快感が、襲ってきた。
何も触られたり揉まれたりしてないのに、とにかく、胸と股間全体が、しびれる。
「な、な、何コレ?!」
「うふ。結夏ちゃんが触って気持ちよくできなくなった代わりに、
ワタシがいつでも、この『体の枷』を使って、結夏ちゃんを気持ちよくできるの。
どう?気持ちいいでしょ」
「何をバカなこと言ってんの、もう、やめて」
「あれ?じゃもうちょっと気持ちよくするね」
「ちょ、ちょっと、あぁああああああん!!」
胸と股間からくる快感がもっと激しくなって、全身がかぁっと熱くなる。
まるで、セックスの真っ最中みたい―
「はぁ、ちょ、お願い、やめて」
「どう?気持ちいい?」
「き、気持ち、いい、いいよ。いいから、やめて、こんなとこで」
「うふ。わかった。やめたげる」
急に、刺激が収まった。
自分の息がすっかり荒くなっている。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「じゃまぁ、公共のトイレをずっと占拠するのも他の人に申し訳ないから、
さっさと訓練、始めるね」
「な、なに、する、の、ちょ、きゃああああ!?」
突然、体が勝手に動いて、蓋の閉じている便座の上に無理やり座らされた。
その上で、股をおもいっきり開かされ、頭の後ろで手を組まされる。
「うふ。あなたが今お顔に嵌めてる拡張モジュール、
まぁありていに言うと、『口の枷』だね。そのまんまだけど。
コレは、パートナーの体を自由に操ることができる。
あなたはもう、自分の体を動かす自由を、失った」
「な、何を言って…お願い、やめて」
「だーめ。もうコレ、嵌めちゃったんだから。
さ、訓練、続けるよ」
「だ、だから、訓練、って…」
「まずは、『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練。
拡張モジュールは簡易式だから、ゲージないんだけど、許してね。
ワタシがカウントダウンすると、『体の枷』があなたをどんどん気持ちよくして、
0になったら、あなたはイク」
「え、ちょっと、そんな―」
「いくよ?
3,2,1」
「えっ、いや、ぁあああああっ!?はぁ、あはあああっ!!」
カウントダウンが進むと、合わせて自分の体が、かあああっと熱くなって、
体中が、ひたすら疼く。本当に、今、イク、手前。
9 続・心の枷 その1 (11/14) sage 2012/10/04(木) 07:27:03.65 ID:3jJ4LtFH
「うふ。
最後のカウントが、結構楽しいんだ。拡張モジュールは。
じゃ、いくよ。ぜー …」
「あっ、む、むぐ!?」
突然、口が、こじ開けられる。
舌が、吊り出されて、ぴんと伸びたまま、動かなくなる。
そして、口の中に何かが、いっぱい、なだれ込んでくる。
なだれ込んできたものが、口の中に広がって、それが、とてつもない、快感に変わる。
ディープキスの何百倍も、何千倍も、気持ちいい。
「…ろ」
「ぐ、ぐぅ、ふぅぅぅうううう!」
唇が、舌が、喉の奥が、全部がしびれて熱くなって、
それが、胸と、股間に、直通した。
体中に、電流が走る。体が硬直して、そのままガクガクと、震えて…イった。
快感が収まってきた頃、ふいに口の中のものがなくなり、口が自由になる。
思わず、荒い息を、繰り返す。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
「うふ。どう?気持ちよかった?」
「はぁ、はぁ…
さ、最後の、口は、一体…」
「うふふ。
それがその、口の枷の、特別な機能。
あなたが嵌めているその枷は、あなたのお口に、強烈な快感を与えることができる。
あなたは一生、アソコでも胸でもお尻でもイケなくなった代わりに、
その枷を嵌めて、お口の快感で、イクようになる」
「な、何を、バカな―」
「さ、続き続き。
いくよー、3,2,1,0」
「ちょっ、あぁ、あふん、あぐっ、むぐ、ぐふぅううううううう!」
「はい、もう一回。3,2,1,0」
「やめ、いや、ふっ、ぐぅ、ぅうふううううう!」
「もう一回。3,2,1,0」
「おね、が、ちょ、むぐ、ふぅ、うううううううう!」
カウントダウンされる度、口をこじ開けられ、舌を吊り出され、
何かが口になだれ込んで来て、イった。
何度も何度も、何度も何度も、私は、口で、イった。
10 続・心の枷 その1 (12/14) sage 2012/10/04(木) 07:30:05.29 ID:3jJ4LtFH
私の目の前で、結夏の訓練が、始まった。
突然、便座に座って足を開き、頭の後ろで手を組んで、動かなくなった。
その姿勢のまま、何度も視線を虚空に這わせ、
目がかっと開いたかと思うと、ガクガクと震え、ぐったりする。
また、目が開いて、ガクガク震えて、ぐったりする。その、繰り返し。
私は、扉の前から移動して、結夏の目の前に、立つ。
結夏は、私に対して股を開いて、こっちを向いている。
でも、目の焦点は、私には合っていない。時折こっちを見ている風はあるが、
すぐ視線を虚空に這わせて、まったく違うところに意識をやっている。
自分の経験から、だいたい結夏が何をされているかは、わかる。
でも、私には、何も聞こえない。
きっと結夏は、その口に嵌めた枷の下で思いっきり喘いで、叫んでいるはずだけど、
私には、呼吸の音すら、聞こえない。
衣擦れの音と、時折外から入ってくる他人の音以外は、何も音がしない。
とても、静かな空間。
その中で、ひたすらひたすら、彼女の精神を蹂躙する作業が、目の前で、続いていた。
11 続・心の枷 その1 (13/14) sage 2012/10/04(木) 07:33:06.13 ID:3jJ4LtFH
「うふ。気持ち、良かった?」
「…はい」
「うんうん。ずいぶん素直になったね。
でも、まだ体が疼いて、イカないと、収まらない。そうでしょ?」
「……はい」
もう、何も、考えられない。
ひたすらイカされて、頭の中が真っ白に吹っ飛んで、
でもまだ体が鎮まらなくて、もう、どうしたらいいのか、わからない。
「うん、よろしい。
じゃ、お願いしたら、イカせてあげる」
「……うぅっ…はぃ…」
「『お願いします。イカせてください』って、言ってみて」
「…お願い…します。イカせて、ください…ぐふっ、ふぅううううう!」
お願いした直後、口を犯されて、また、イった。
「うん、よくできたね。
じゃ、もう一回」
「…お願い、します、イカせて、ください…ふぅっ、ふぅううううっ!」
「はい、もう一回」
「お願い…します、イカせて、ください…ふむぅううううっ!」
「はい、もう一回」
「お願い、します、イカせてください…ふぅう゛うううっ!」
「はい、もう一回」
「はぁっ、お願いします、イカせてくださいっ…むふぅうううっ!」
「もう、一回」
「お願いしますっ、イカせて!イカせて、くださいっ!…ふぅう゛う゛うううううううっ!」
何度も何度も、私は自らお願いして、口を犯してもらって、イカせてもらった。
「どう?お口、気持ちいいでしょ?」
「はい、気持ち、いい、です」
「その口の枷を嵌めれば、あなたは、イケる。
じゃ、次の訓練、いきましょうね。3,2,1」
「ちょ、あっ、あぁあああんっ…えっ、ちょ、ちょっと!?」
カウントダウンの、最後の、ゼロが、聞こえない。
イク寸前。でも、口を犯してもらえない。イケない。
そして、口と頬の周りを、するっと抜ける感覚がする。
コトン、と、股の間で、音がする。
「―あ」
ふと見ると、ゴムボール大の金属の球が、股の間に落ちている。
枷が、外れた…
ふいに、いつの間にか目の前にいた早希が、それを、右手で、拾う。
そして、手のひらに載せて、私の顔の前に、持ってくる。
「ほら、あなたの枷だよ。結夏」
12 続・心の枷 その1 (14/14) sage 2012/10/04(木) 07:35:36.74 ID:3jJ4LtFH
「ほら、あなたの枷だよ。結夏」
「あ…」
そう。これは、私の、枷。
私の口を犯して、イカせてくれる、枷。
犯して、欲しい。
イカせて、欲しい。
「どうすればいいのか、あなたは、わかっている。そうでしょ?結夏」
そう。わかっている。
私のすべきことは、枷を、嵌めること。
枷を嵌めて、口を犯して、イカせてもらうこと。
私は、頭の後ろに手を組んだまま、顔の前にある金属球に、
舌を伸ばして、舌先で、触れた。
とたん、しゅるっと音がして、私の口に、枷が、嵌まる。
そのまま、口をこじ開けられ、犯される。
「ぐふうぅうううううううう!」
ひとしきり、イッた。
でもまた、イク寸前まで、快感が、昇ってくる。
そして、枷が外れて、球になる。
それを早希が拾って、私の顔の前に、差し出す。
私はそれを、舌先で、舐める。
枷が、嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
口を犯されて、イッて、外れる。
早希が拾って、私が舐める。嵌まる。
何度も、その行為が、繰り返される。
そして、何度目かのとき。
外れた枷を、早希が拾って、
でもそのまま、右手できゅっと握って持ち上げると、
彼女は自分のバッグに、それをしまいこんだ。
「え?ちょっと、なんで…」
「私のうちに、来て。結夏」
「…わか、りました」
心の枷
586 心の枷 (1/12) sage 2012/09/20(木) 11:22:40.33 ID:WJ/FyB5K
「あーもう、つっかれたー」
会社からようやく、自宅のマンションに、たどり着いた。
靴を適当に脱ぎっぱなしで、そのまま自分の部屋に、なだれ込む。
もう、午後10時過ぎ。今日はやたらめったら業務が立て込んでいて、
晩ご飯も食べずにこなしていたら、いつの間にかこんな時間になってしまった。
「はーもう、今日みたいなのがずっとだと、やってらんないなぁ、もう」
部屋の電気をつけ、さっさと、スーツを脱いで楽になろう、と思った、その時。
奥の窓が、空いているのに気づいた。
「…あ、あれ?ちゃんと戸締りしたはずなのに。
ヤバい。泥棒かな…」
もしかしたらまだ部屋の中にいるかも、と、急に怖くなり、
恐る恐る、あたりを見回す。
誰もいないし、気配もしないし、特に他に変わった気配は…
いや? 何か、おかしい。
「―あ」
なぜかベッドの上に、金属の塊が、落ちている。
丸く大きな、塊。
「…何、あれ??」
すぐ、側にあったエクササイズ用の長い棒を手にとって、
恐る恐る、近づく。
少し離れたところから、棒で、つついてみる。
何も起こらない。よくわからないが、普通の、硬い、金属のようだ。
つつきながら、少しずつ、近づく。
何も、起こらない。
ようやく、ベッドの縁にたどり着いた。
上から、その物体を、覗きこむ。
―その時。
「きゃあああああああああああ!?」
その物体が、突然自分の顔に、襲いかかった。
587 心の枷 (2/12) sage 2012/09/20(木) 11:25:42.12 ID:WJ/FyB5K
「きゃああああ……あれ?」
何も、ない。
金属の物体も消えたし、自分の体を見回しても、何も起こって、ない、ような―
あれ?
ふと、顔の周りを触ろうとして、違和感に気づく。
目に、触れない。耳に、触れない。
顔の回りを、見えない何かが覆っている。
「うふ。こんばんは」
「えっ?」
突然、声がする。
どこから聞こえたのかわからない。周囲を見渡しても、誰もいない。
「お名前は?」
「え?えっと、高木、早希」
「早希ちゃんか。いい名前だね」
「あ、あの、あなたは?」
「ワタシ?
ワタシに名前はないけど、今早希ちゃんにくっついたから、
今日からワタシも、早紀ちゃんだね」
「く、くっついた?」
「うふ。まだ、わかってないかな。
ちょっと、鏡で自分の顔を、見てきてごらん?」
「…え?」
言われるまま、姿見の前に、自分を移動させる。
自分の姿を、覗きこむ。
「え、ええ?」
自分の頭部を、異様な形をした、メタリックシルバーの物体が、覆っていた。
大きくなめらかなゴーグル状の物体が自分の目を完全に覆い隠し、
その両端がさらに側頭部になめらかにつながり、自分の耳をすっぽりと覆い隠していて、
更にその奥が、後頭部で、一つになっている。
全体的につなぎ目や角ばったところが一切なく、つるん、としている。
頭のてっぺんの部分をくり抜いた、パイロットヘルメット、といえばちょっと近いかもしれない。
ただし、目を覆うバイザーを含め、全てが金属の、メタリックシルバー。
目も、耳も、完全に塞がれている様に、みえる。
隙間も全然なく、この状態で、自分がどうして目が見えているのかもわからないし、
自分の視界から直接そんなものは見えない。
耳だって、金属のようなものに完全に覆われているのに、何もつけて
いないのと同じように、普通に聞こえている。
しかし、鏡に映る自分は確かに、ヘルメット?を、被っているし、
さわってみると、確かに、指先はそのヘルメットに触れる感触がある。
試しにヘルメットを脱ぐ要領ではずそうと試みるけど、
微動だにしない。まるで完全に、自分の頭と1つになったみたいだ。
588 心の枷 (3/12) sage 2012/09/20(木) 11:28:34.35 ID:WJ/FyB5K
「こ、これは、一体…」
「うふふ。それは、『心の枷』」
「こころの…かせ?」
「そう。あなたの心を閉じ込め、あなたの心の代わりに、あなたの体を支配するもの。
これを嵌めているあなたの体は、この『心の枷』の指示通りに動く。
たとえば…こんな感じ」
「えっ?あっ、きゃあっ!?」
姿見の前で、体が勝手に大の字に開き、両手が勝手に、頭の後ろで組まされる。
そのまま、動かなくなった。
「ど、どうして…」
「もう、あなたの体の自由はない。この『心の枷』を嵌めている限り。
そしてこの、『心の枷』を嵌めているあなたが、ワタシ」
「あなた…何者、なんですか…」
「ワタシはね。
こうして他の生命体にくっついて、1つとなることで生きている機械生命体。
今日からワタシは、あなたにくっついて生きていくことにしたの。
だから、今日から、よろしくね?
あ、心配しなくてもいいよ。
あなたは今までどおりの生活を送ればいいの。
わたしが毎日くっついてるだけで、あなたの生活は何も変わらない」
「そ、そんなこと言ったって、こんなのつけてたら、人前に、出られません…」
「うん、わかってるよ。
だから、人前に出るときは、はずして。
でも、家で一人になったら、この『心の枷』をはめる。
そういう生活を、今日からあなたは送るの」
「そ、そんなの、嫌です。
何で私が、わざわざ、そんなこと…」
「大丈夫。それが当たり前になるから。
…あ、そうそう。あなたとワタシが1つになるための、
もう1つのアイテムがあるから、それを、今からはめてあげるね」
589 心の枷 (4/12) sage 2012/09/20(木) 11:31:35.24 ID:WJ/FyB5K
「…えっ?」
何かがうなじの方から服の下に入り込み、
そのまま、体中をかすかにまさぐられるような、そんな感覚が一瞬した。
でもすぐに収まり、何も感じなくなった。
「うふ。何が起こったか、わからないでしょ?
体を自由にしてあげるから、服を脱いでごらん?」
ふと、何をやろうとしても微動だにしなかった自分の体が軽くなり、自由に動けるようになる。
言われるまま、服を脱いでみる。
「…あ…え…?」
自分の体に、やはりメタリックシルバーの物体が、2つ、張り付いていた。
まず胸が、1つの金属の物体で、完全に覆われている。
前から見るとチューブトップのブラだが、でも、脇から後ろの部分は一切ない。
触ってみると、やはり金属のように硬く、叩いても、自分の胸が何も感じない。
そして、もう1つの物体は、自分の、股間に張り付いていた。
自分の性器のちょっと上から、会陰部を通って、お尻の谷間を割り、穴の上までを、
一直線に、すっぽりと覆っている。
こちらを触ってみても、やはり、その下にある部分が、何も感じない。
「うふ。これはね。『体の枷』」
「か、からだの…かせ…?」
「そ。あなたのおっぱいと、あなたの大事なところを、支配するもの。
これはもう、あなたが死ぬまで、一生外れない。
あなたは二度と、自分のおっぱいや自分のアソコに、直接触れることはなくなったの。
その代わりね…ほら」
「あ、あぁん、え?はぁああん」
突然、胸と股間が、快感で、しびれた。
揉まれてるとかいじられてるとか、そういう、物理的に何か操作された感覚は一切ない。
ただただ、この金属で覆われている箇所全体から、しびれるような感覚が、じわっ、と
襲ってくる。
もどかしくてつい、胸や股間に手をやろうとするけど、金属の物体が、体に触れることを、
許さない。自分がその上から触っても、それによる刺激が、一切得られない。
「な、なに、これ…あんっ」
「うふ。『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールするの」
「ちょ、う、やめて、ください…」
ふと、刺激が、止まった。
「どう、わかった?
『心の枷』は、あなたの体を自由にコントロールするし、
『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールする。
あなたにはもう、その2つをコントロールする自由は、ない。
大丈夫。あなたはもう、自分で自分を気持ちよくすることは絶対できないけれど、
ワタシが代わりに、あなたを気持ちよくしてあげるからね」
「そ、そんな…」
一生懸命、胸やアソコに触れてみようとしても敵わず、
金属の物体を引き剥がそうとするが、ピクリとも動かない。
隙間に爪を入れてみようとするが、1ミリも隙間がなく、自分の体と完全に
融合しているみたいに思えた。
590 心の枷 (5/12) sage 2012/09/20(木) 11:34:34.41 ID:WJ/FyB5K
「は、はずして…」
「ううん、もう、無理。あきらめて。
『体の枷』は完全にくっついちゃったから、医者だろうが誰だろうが、
絶対にはずせない」
「そ、そんな…」
「…うふ。これで、あなたとワタシは、完全に、1つになったの。
あなたは、ワタシに完全に、支配された。
あとは、訓練、するだけ」
「え…くん、れん?」
「そ。さっきもいったでしょ?
あなたは外に行くとき『心の枷』を外して、
帰ってきたら、『心の枷』を、嵌める。
それを覚える訓練」
「う…そんなの…いや…です…」
「ま、つべこべ言わず、はじめましょ?
じゃ、さっきの体勢にもどろっか」
途端に、また勝手に体が動いて、大の字の形で立たされ、頭の後ろで手を組まされる。
体の3箇所に銀色の物体をまとわりつかせた、裸の自分が鏡に映る。
「まず、あなたが『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練」
すると、視界が突然わずかに暗くなり、目の前にぽっかり浮かぶ、光る棒状のメーターの
ようなものが現れた。
「これが、あなたの快感のゲージ」
「快感の…ゲージ?」
「そう。
今は下の方でバーがちまちまと動いてるけど、
これが伸びて、上まで行くほど快感が強くなって、
てっぺんにある目盛りを振り切ったときに、あなたはイクの。
ちょっと、やってみましょうか」
「えっ?あ、あぅ?」
バーがするすると、上に向かって、伸びていく。
するとどんどん、胸と股間がじわじわしてきて、体が熱くなる。
「え?あ、あふっ、な、なんで?」
真ん中をすぎた辺りから、まるで自分がセックスの最中であるかのような感覚に襲われる。
ゲージは、こちらの事情などまるでお構いナシとばかり、ずーっと一定のスピードで、伸びている。
「あ、あっ、あんっ、ああんっ、いや、あぁっ」
徐々に、てっぺんの目盛りに、近づく。
自分が昂ぶり、登りつめているのを、感じる。
「じゃ、このまま、イっちゃいましょ?
ほら―」
「あ、ああっ、イク、あぁああああああああん!!」
591 心の枷 (6/12) sage 2012/09/20(木) 11:37:42.59 ID:WJ/FyB5K
ゲージのバーが目盛りを越した瞬間に、本当に、イってしまった。
でも体は大の字で、頭の後ろで手を組まされたまま、動けない。
ただ、快感で、ピクピクしている。
バーはすーっと縮んでいき、ちょうど真ん中の辺りで、止まった。
じわじわと、快感が体の中で渦巻いている。
「はぁ、はぁ、ぁあ…」
「うふ。気持ちよかったでしょ?
もう一回いくね?」
「そ、そんな、やめ…あ、ああっ、あぅん、ああああああああん!」
再び、無機的に、強制的に、イかされた。
再びバーが、真ん中辺りまで、縮む。
「じゃ、次からはカウントダウン、してあげる。
いくよ?3,2,1,0」
「あぁ、あああああん!」
「はーい、もう一回。3,2,1,0」
「い、いやああああっ!」
「はいもう一回。3,2,1,0」
「や、ゃめ、いやあああああああん!」
何度も何度も、カウントダウンされ、その度に、イかされた。
ようやくカウントダウンが止まり、また、バーが真ん中辺りで止まっている。
何度もイかされて、頭がクラクラしている。
同時に、まだ体が甘い感覚に包まれているのが、わかる。
592 心の枷 (7/12) sage 2012/09/20(木) 11:40:39.52 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁっ、はぁっ」
「気持ち、よかった?」
「う、うぅ…」
「あれ?気持ちよくなかった?
もうちょっとやった方がいい?」
「い、いえ…気持ち、よかったです…」
「そ、よかった。
でも、まだ体がウズウズ、してるでしょ?」」
「う…ぅ…はい…」
「また、イきたい?」
「う…それは…でも……はぃ…」
「うふふ。素直でよろしい。
ちょっと、ご褒美ね?」
突然、両胸の、乳首の辺り…乳首がまだあるとしたら、だが、
チロチロと、いぶるような感覚が、襲ってくる。
少しメーターが、上がる。
「あぁん…」
「うふ。あまぁーい気分に、なってきたでしょ?
気持ちいい?」
「はぃ…」
「イキたい?」
「は…はぃ…」
「じゃ、今度は自分でカウントダウンして?」
593 心の枷 (8/12) sage 2012/09/20(木) 11:43:36.86 ID:WJ/FyB5K
「…え?」
「自分の感覚に素直になればいいだけだよ。
あなたがカウントダウンすれば、それにあわせて、バーが伸びていくから。
3から数えて、0になったら、イける。
あ、ただし、さっきくらいに、ゆっくりね?速くしすぎたら死んじゃうよ。
じゃ、やってみて?」
「あ…う…」
自分で自分を強制的にイカせることに、ためらう。
でも、体が、うずいている。もっと気持ちよく、なりたい。
「…気持よく、なりたいでしょ?」
「…はぃ…」
「じゃ、自分で気持よく、しなきゃ」
チロチロと、体が、いぶられる感覚。
芯がうずく、感覚。
イキ、たい…
「……さん…」
「そう、その調子」
「…に…あ、あぅ!?」
体が、かぁっと、熱くなる。
息が、荒くなる。
まさに、行為をしている最中の、登りつめる途上の、感覚。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」
「ほらほら。そんな状態でずっといたら、それこそ、おかしくなるよ?」
「は、はぃ…あぁ…
い、いち…あぅあああぁぁんっ」
イク、寸前だ。
頭に血ががあっと上って、飛んでしまいそうな寸前の、あの、感覚。
「ほらほら、あと1つ」
「あぁっ、はぁっ、あぁっ、ううっ、
ぜ…ぜ…ぜろ……あぁあああああああん!!」
頭の中で、光がスパークした。
そのまま、また、バーが真ん中辺りの長さに、戻る。
「うふ。がんばったね。
じゃ、もう一回だよ」
「あぁ…うぅぅ…
さ…さん……に…うぅ…い、いちぃっ……ぜ、ぜろ、はぁあああああああん!」
「はい、もう一回」
「さ、さん…にぃ…い…ち…ぜろ…ふぅうあああああっ!」
「はい、もう一回」
「さん、にぃ、い、いち、ぜろっ!ああああああん!」
「もう、一回」
「さん、に、いちぃ、ぜろぉ!ああああああん!」
「もう一回」
何度も何度も、自分で、イカされた。
何度もイって、数えきれないほどイッて、ようやく、「もう一回」が、止まった。
594 心の枷 (9/12) sage 2012/09/20(木) 11:46:34.85 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ…」
「うふ。ここまで順調よ。早希ちゃん。
じゃ、次のステップ、いくね?」
「はぁ、はぅ、ぅあ!?」
バーが伸びて、目盛りの直前で、止まる。
イク、寸前。
「あ、あの、イカせて、下さい」
「うふ。イキたいなら、イってみなさい?」
突然、ふっと目の前が暗くなり、すべてが緩む、感覚。
直後、頭から何かがするっと抜けていき、足元で、カラン、という、音がした。
「…え?」
足元に、銀色の物体が、転がっている。
さっきまで、自分の頭に嵌っていたもの…『心の枷』だ。
自分の体が自由になっているのに、気づく。
ふと鏡を見ると、自分の、いつもの顔だ。
「ちょ、ちょっと…そんな…私、体が、イク、寸前、なのに…」
突然のことでパニックになる。
「い、いや、イキたい、いやぁ…」
気持ちよくなりたくて、体を、まさぐる。
でも、『体の枷』が、それを阻む。
いくら胸を触ろうとしても、股間を触ろうとしても、触れない。何も、感じない。
ひたすら疼く体を、高めることも、鎮めることも、できない。
「ど、どうしたら、いいの、こんなの、いやぁ…」
595 心の枷 (10/12) sage 2012/09/20(木) 11:49:45.13 ID:WJ/FyB5K
床の上にへたりこみ、体中を、『体の枷』に覆われていない部分を自分で愛撫するが、
何の慰めにも、ならない。
イキたい。
イキたい。
イキたい。
どうしたら、イケるの…
…あ。
目の前に転がっている、『心の枷』。
こ、これを。
もう一回、嵌めれば…
思わず、『心の枷』を、手に取る。
おおよその向きを合わせて、前かがみになり、自分の頭の上に、それを、掲げる。
それを頭にかぶるように、手を、下ろしてみる。
すっ、と頭の周りが覆われた感覚がした後、それがきゅっ、と縮まり、
そして感覚が、なくなる。
そして、再び目の前に、ゲージが、現れた。
目盛りのすぐ手前まで、バーが伸びている。
「うふ。よく気づいたね。
そう。あなたは、『心の枷』を嵌めれば、イケるの。
じゃ、イキなさい」
「はぁっ、あぁあああん!」
軽く、イった。
そして、また、目盛りの寸前までバーが伸びる状態に、戻る。
イク、寸前。また、イキたい。
カラン、と、『心の枷』が外れて、目の前に転がる。
それを手にとって、また、自分の頭に、嵌める。
「うふ。おかえりなさい。
じゃ、イッて」
「ぁあっ、ぁああああん」
また、軽く、イった。
596 心の枷 (11/12) sage 2012/09/20(木) 11:52:35.30 ID:WJ/FyB5K
「じゃあ、これからは、『心の枷』を嵌めたら、すぐ、イケるようにしてあげるね」
そしてまた、イク寸前になって、『心の枷』が、外れる。
それをまた、手にとって、自分で頭に、嵌める。
「ぁああああん!」
イク。
また、外れる。手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
…ふと、『心の枷』が外れる寸前の目盛りが、ずいぶんと下がっていることに、気づく。
そして、嵌めた時の快感が、最初より大きくなっていることにも。
「…あ、気づいた?
そう。目盛りが下がっているほど、『心の枷』を嵌めた時に、たくさんイケるんだよ。
もう、大分下がったね。
これからも、少しずつ目盛りは下がっていくし、イった時の気持ちよさは、少しずつ上がる。
じゃ、再開ね」
カラン、と、『心の枷』が、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ふぁああああああん!」
すごく、イった。
見るとゲージが、真ん中よりすぐ下まで、下がってる。
また、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁ、あああああああああん!」
さっきよりも強く、イった。
そして、また、外れて、また、嵌めて、イッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて。
ふとゲージを見ると、バーはほとんど一番下まで、下がっていた。
そのまま、『心の枷』が、外れる。
何の躊躇もなく、自分でそれを手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁあああぁぁああああああああっっ!!!!」
めいっぱい、イッて、意識が、飛んだ。
597 心の枷 (12/12) sage 2012/09/20(木) 11:55:37.81 ID:WJ/FyB5K
気づくと、ベッドの上に、仰向けに、横たわっていた。
目の前にゲージが浮かんでいて、真ん中より上から、目盛りより少し下らへんを、
行ったり来たり、ゆらゆらと、揺れている。
「最後まで、よく、やったね。
どう?わかったでしょ?
あなたは、『心の枷』を嵌めれば、気持ちよくなれるの。
でも、外せば、気持ちよくは、なれない。ね?」
「…はい」
「外行く時に『心の枷』を外すのは仕方ないけれど、
家に帰ってきて、『心の枷』を嵌めさえすれば、また、気持ちよくなれる」
「はい」
「うん。いい子だね。
じゃ、訓練は、おしまい。
あとは、ご褒美。今晩じゅう、『心の枷』と『体の枷』が、
あなたを甘ぁく、気持ちよぉく、してあげる。
『心の枷』を嵌めさえすれば、いつでも、この気持ちよさが、味わえるよ」
「はい…」
目の前でゲージがゆらゆらと、揺れて、
それに合わせて自分の中の気持ちよさも、揺れて、
ベッドの上で、ずーっと、誰かに抱かれ続けているような、そんな快感を、味わい続けた。
次の日の、朝。
「…じゃ、行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
自分で『心の枷』を外して、化粧台の横の棚に置き、
髪の毛をセットして、会社に、向かった。
今日は早く帰って、『心の枷』、嵌めないと―
「あーもう、つっかれたー」
会社からようやく、自宅のマンションに、たどり着いた。
靴を適当に脱ぎっぱなしで、そのまま自分の部屋に、なだれ込む。
もう、午後10時過ぎ。今日はやたらめったら業務が立て込んでいて、
晩ご飯も食べずにこなしていたら、いつの間にかこんな時間になってしまった。
「はーもう、今日みたいなのがずっとだと、やってらんないなぁ、もう」
部屋の電気をつけ、さっさと、スーツを脱いで楽になろう、と思った、その時。
奥の窓が、空いているのに気づいた。
「…あ、あれ?ちゃんと戸締りしたはずなのに。
ヤバい。泥棒かな…」
もしかしたらまだ部屋の中にいるかも、と、急に怖くなり、
恐る恐る、あたりを見回す。
誰もいないし、気配もしないし、特に他に変わった気配は…
いや? 何か、おかしい。
「―あ」
なぜかベッドの上に、金属の塊が、落ちている。
丸く大きな、塊。
「…何、あれ??」
すぐ、側にあったエクササイズ用の長い棒を手にとって、
恐る恐る、近づく。
少し離れたところから、棒で、つついてみる。
何も起こらない。よくわからないが、普通の、硬い、金属のようだ。
つつきながら、少しずつ、近づく。
何も、起こらない。
ようやく、ベッドの縁にたどり着いた。
上から、その物体を、覗きこむ。
―その時。
「きゃあああああああああああ!?」
その物体が、突然自分の顔に、襲いかかった。
587 心の枷 (2/12) sage 2012/09/20(木) 11:25:42.12 ID:WJ/FyB5K
「きゃああああ……あれ?」
何も、ない。
金属の物体も消えたし、自分の体を見回しても、何も起こって、ない、ような―
あれ?
ふと、顔の周りを触ろうとして、違和感に気づく。
目に、触れない。耳に、触れない。
顔の回りを、見えない何かが覆っている。
「うふ。こんばんは」
「えっ?」
突然、声がする。
どこから聞こえたのかわからない。周囲を見渡しても、誰もいない。
「お名前は?」
「え?えっと、高木、早希」
「早希ちゃんか。いい名前だね」
「あ、あの、あなたは?」
「ワタシ?
ワタシに名前はないけど、今早希ちゃんにくっついたから、
今日からワタシも、早紀ちゃんだね」
「く、くっついた?」
「うふ。まだ、わかってないかな。
ちょっと、鏡で自分の顔を、見てきてごらん?」
「…え?」
言われるまま、姿見の前に、自分を移動させる。
自分の姿を、覗きこむ。
「え、ええ?」
自分の頭部を、異様な形をした、メタリックシルバーの物体が、覆っていた。
大きくなめらかなゴーグル状の物体が自分の目を完全に覆い隠し、
その両端がさらに側頭部になめらかにつながり、自分の耳をすっぽりと覆い隠していて、
更にその奥が、後頭部で、一つになっている。
全体的につなぎ目や角ばったところが一切なく、つるん、としている。
頭のてっぺんの部分をくり抜いた、パイロットヘルメット、といえばちょっと近いかもしれない。
ただし、目を覆うバイザーを含め、全てが金属の、メタリックシルバー。
目も、耳も、完全に塞がれている様に、みえる。
隙間も全然なく、この状態で、自分がどうして目が見えているのかもわからないし、
自分の視界から直接そんなものは見えない。
耳だって、金属のようなものに完全に覆われているのに、何もつけて
いないのと同じように、普通に聞こえている。
しかし、鏡に映る自分は確かに、ヘルメット?を、被っているし、
さわってみると、確かに、指先はそのヘルメットに触れる感触がある。
試しにヘルメットを脱ぐ要領ではずそうと試みるけど、
微動だにしない。まるで完全に、自分の頭と1つになったみたいだ。
588 心の枷 (3/12) sage 2012/09/20(木) 11:28:34.35 ID:WJ/FyB5K
「こ、これは、一体…」
「うふふ。それは、『心の枷』」
「こころの…かせ?」
「そう。あなたの心を閉じ込め、あなたの心の代わりに、あなたの体を支配するもの。
これを嵌めているあなたの体は、この『心の枷』の指示通りに動く。
たとえば…こんな感じ」
「えっ?あっ、きゃあっ!?」
姿見の前で、体が勝手に大の字に開き、両手が勝手に、頭の後ろで組まされる。
そのまま、動かなくなった。
「ど、どうして…」
「もう、あなたの体の自由はない。この『心の枷』を嵌めている限り。
そしてこの、『心の枷』を嵌めているあなたが、ワタシ」
「あなた…何者、なんですか…」
「ワタシはね。
こうして他の生命体にくっついて、1つとなることで生きている機械生命体。
今日からワタシは、あなたにくっついて生きていくことにしたの。
だから、今日から、よろしくね?
あ、心配しなくてもいいよ。
あなたは今までどおりの生活を送ればいいの。
わたしが毎日くっついてるだけで、あなたの生活は何も変わらない」
「そ、そんなこと言ったって、こんなのつけてたら、人前に、出られません…」
「うん、わかってるよ。
だから、人前に出るときは、はずして。
でも、家で一人になったら、この『心の枷』をはめる。
そういう生活を、今日からあなたは送るの」
「そ、そんなの、嫌です。
何で私が、わざわざ、そんなこと…」
「大丈夫。それが当たり前になるから。
…あ、そうそう。あなたとワタシが1つになるための、
もう1つのアイテムがあるから、それを、今からはめてあげるね」
589 心の枷 (4/12) sage 2012/09/20(木) 11:31:35.24 ID:WJ/FyB5K
「…えっ?」
何かがうなじの方から服の下に入り込み、
そのまま、体中をかすかにまさぐられるような、そんな感覚が一瞬した。
でもすぐに収まり、何も感じなくなった。
「うふ。何が起こったか、わからないでしょ?
体を自由にしてあげるから、服を脱いでごらん?」
ふと、何をやろうとしても微動だにしなかった自分の体が軽くなり、自由に動けるようになる。
言われるまま、服を脱いでみる。
「…あ…え…?」
自分の体に、やはりメタリックシルバーの物体が、2つ、張り付いていた。
まず胸が、1つの金属の物体で、完全に覆われている。
前から見るとチューブトップのブラだが、でも、脇から後ろの部分は一切ない。
触ってみると、やはり金属のように硬く、叩いても、自分の胸が何も感じない。
そして、もう1つの物体は、自分の、股間に張り付いていた。
自分の性器のちょっと上から、会陰部を通って、お尻の谷間を割り、穴の上までを、
一直線に、すっぽりと覆っている。
こちらを触ってみても、やはり、その下にある部分が、何も感じない。
「うふ。これはね。『体の枷』」
「か、からだの…かせ…?」
「そ。あなたのおっぱいと、あなたの大事なところを、支配するもの。
これはもう、あなたが死ぬまで、一生外れない。
あなたは二度と、自分のおっぱいや自分のアソコに、直接触れることはなくなったの。
その代わりね…ほら」
「あ、あぁん、え?はぁああん」
突然、胸と股間が、快感で、しびれた。
揉まれてるとかいじられてるとか、そういう、物理的に何か操作された感覚は一切ない。
ただただ、この金属で覆われている箇所全体から、しびれるような感覚が、じわっ、と
襲ってくる。
もどかしくてつい、胸や股間に手をやろうとするけど、金属の物体が、体に触れることを、
許さない。自分がその上から触っても、それによる刺激が、一切得られない。
「な、なに、これ…あんっ」
「うふ。『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールするの」
「ちょ、う、やめて、ください…」
ふと、刺激が、止まった。
「どう、わかった?
『心の枷』は、あなたの体を自由にコントロールするし、
『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールする。
あなたにはもう、その2つをコントロールする自由は、ない。
大丈夫。あなたはもう、自分で自分を気持ちよくすることは絶対できないけれど、
ワタシが代わりに、あなたを気持ちよくしてあげるからね」
「そ、そんな…」
一生懸命、胸やアソコに触れてみようとしても敵わず、
金属の物体を引き剥がそうとするが、ピクリとも動かない。
隙間に爪を入れてみようとするが、1ミリも隙間がなく、自分の体と完全に
融合しているみたいに思えた。
590 心の枷 (5/12) sage 2012/09/20(木) 11:34:34.41 ID:WJ/FyB5K
「は、はずして…」
「ううん、もう、無理。あきらめて。
『体の枷』は完全にくっついちゃったから、医者だろうが誰だろうが、
絶対にはずせない」
「そ、そんな…」
「…うふ。これで、あなたとワタシは、完全に、1つになったの。
あなたは、ワタシに完全に、支配された。
あとは、訓練、するだけ」
「え…くん、れん?」
「そ。さっきもいったでしょ?
あなたは外に行くとき『心の枷』を外して、
帰ってきたら、『心の枷』を、嵌める。
それを覚える訓練」
「う…そんなの…いや…です…」
「ま、つべこべ言わず、はじめましょ?
じゃ、さっきの体勢にもどろっか」
途端に、また勝手に体が動いて、大の字の形で立たされ、頭の後ろで手を組まされる。
体の3箇所に銀色の物体をまとわりつかせた、裸の自分が鏡に映る。
「まず、あなたが『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練」
すると、視界が突然わずかに暗くなり、目の前にぽっかり浮かぶ、光る棒状のメーターの
ようなものが現れた。
「これが、あなたの快感のゲージ」
「快感の…ゲージ?」
「そう。
今は下の方でバーがちまちまと動いてるけど、
これが伸びて、上まで行くほど快感が強くなって、
てっぺんにある目盛りを振り切ったときに、あなたはイクの。
ちょっと、やってみましょうか」
「えっ?あ、あぅ?」
バーがするすると、上に向かって、伸びていく。
するとどんどん、胸と股間がじわじわしてきて、体が熱くなる。
「え?あ、あふっ、な、なんで?」
真ん中をすぎた辺りから、まるで自分がセックスの最中であるかのような感覚に襲われる。
ゲージは、こちらの事情などまるでお構いナシとばかり、ずーっと一定のスピードで、伸びている。
「あ、あっ、あんっ、ああんっ、いや、あぁっ」
徐々に、てっぺんの目盛りに、近づく。
自分が昂ぶり、登りつめているのを、感じる。
「じゃ、このまま、イっちゃいましょ?
ほら―」
「あ、ああっ、イク、あぁああああああああん!!」
591 心の枷 (6/12) sage 2012/09/20(木) 11:37:42.59 ID:WJ/FyB5K
ゲージのバーが目盛りを越した瞬間に、本当に、イってしまった。
でも体は大の字で、頭の後ろで手を組まされたまま、動けない。
ただ、快感で、ピクピクしている。
バーはすーっと縮んでいき、ちょうど真ん中の辺りで、止まった。
じわじわと、快感が体の中で渦巻いている。
「はぁ、はぁ、ぁあ…」
「うふ。気持ちよかったでしょ?
もう一回いくね?」
「そ、そんな、やめ…あ、ああっ、あぅん、ああああああああん!」
再び、無機的に、強制的に、イかされた。
再びバーが、真ん中辺りまで、縮む。
「じゃ、次からはカウントダウン、してあげる。
いくよ?3,2,1,0」
「あぁ、あああああん!」
「はーい、もう一回。3,2,1,0」
「い、いやああああっ!」
「はいもう一回。3,2,1,0」
「や、ゃめ、いやあああああああん!」
何度も何度も、カウントダウンされ、その度に、イかされた。
ようやくカウントダウンが止まり、また、バーが真ん中辺りで止まっている。
何度もイかされて、頭がクラクラしている。
同時に、まだ体が甘い感覚に包まれているのが、わかる。
592 心の枷 (7/12) sage 2012/09/20(木) 11:40:39.52 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁっ、はぁっ」
「気持ち、よかった?」
「う、うぅ…」
「あれ?気持ちよくなかった?
もうちょっとやった方がいい?」
「い、いえ…気持ち、よかったです…」
「そ、よかった。
でも、まだ体がウズウズ、してるでしょ?」」
「う…ぅ…はい…」
「また、イきたい?」
「う…それは…でも……はぃ…」
「うふふ。素直でよろしい。
ちょっと、ご褒美ね?」
突然、両胸の、乳首の辺り…乳首がまだあるとしたら、だが、
チロチロと、いぶるような感覚が、襲ってくる。
少しメーターが、上がる。
「あぁん…」
「うふ。あまぁーい気分に、なってきたでしょ?
気持ちいい?」
「はぃ…」
「イキたい?」
「は…はぃ…」
「じゃ、今度は自分でカウントダウンして?」
593 心の枷 (8/12) sage 2012/09/20(木) 11:43:36.86 ID:WJ/FyB5K
「…え?」
「自分の感覚に素直になればいいだけだよ。
あなたがカウントダウンすれば、それにあわせて、バーが伸びていくから。
3から数えて、0になったら、イける。
あ、ただし、さっきくらいに、ゆっくりね?速くしすぎたら死んじゃうよ。
じゃ、やってみて?」
「あ…う…」
自分で自分を強制的にイカせることに、ためらう。
でも、体が、うずいている。もっと気持ちよく、なりたい。
「…気持よく、なりたいでしょ?」
「…はぃ…」
「じゃ、自分で気持よく、しなきゃ」
チロチロと、体が、いぶられる感覚。
芯がうずく、感覚。
イキ、たい…
「……さん…」
「そう、その調子」
「…に…あ、あぅ!?」
体が、かぁっと、熱くなる。
息が、荒くなる。
まさに、行為をしている最中の、登りつめる途上の、感覚。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」
「ほらほら。そんな状態でずっといたら、それこそ、おかしくなるよ?」
「は、はぃ…あぁ…
い、いち…あぅあああぁぁんっ」
イク、寸前だ。
頭に血ががあっと上って、飛んでしまいそうな寸前の、あの、感覚。
「ほらほら、あと1つ」
「あぁっ、はぁっ、あぁっ、ううっ、
ぜ…ぜ…ぜろ……あぁあああああああん!!」
頭の中で、光がスパークした。
そのまま、また、バーが真ん中辺りの長さに、戻る。
「うふ。がんばったね。
じゃ、もう一回だよ」
「あぁ…うぅぅ…
さ…さん……に…うぅ…い、いちぃっ……ぜ、ぜろ、はぁあああああああん!」
「はい、もう一回」
「さ、さん…にぃ…い…ち…ぜろ…ふぅうあああああっ!」
「はい、もう一回」
「さん、にぃ、い、いち、ぜろっ!ああああああん!」
「もう、一回」
「さん、に、いちぃ、ぜろぉ!ああああああん!」
「もう一回」
何度も何度も、自分で、イカされた。
何度もイって、数えきれないほどイッて、ようやく、「もう一回」が、止まった。
594 心の枷 (9/12) sage 2012/09/20(木) 11:46:34.85 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ…」
「うふ。ここまで順調よ。早希ちゃん。
じゃ、次のステップ、いくね?」
「はぁ、はぅ、ぅあ!?」
バーが伸びて、目盛りの直前で、止まる。
イク、寸前。
「あ、あの、イカせて、下さい」
「うふ。イキたいなら、イってみなさい?」
突然、ふっと目の前が暗くなり、すべてが緩む、感覚。
直後、頭から何かがするっと抜けていき、足元で、カラン、という、音がした。
「…え?」
足元に、銀色の物体が、転がっている。
さっきまで、自分の頭に嵌っていたもの…『心の枷』だ。
自分の体が自由になっているのに、気づく。
ふと鏡を見ると、自分の、いつもの顔だ。
「ちょ、ちょっと…そんな…私、体が、イク、寸前、なのに…」
突然のことでパニックになる。
「い、いや、イキたい、いやぁ…」
気持ちよくなりたくて、体を、まさぐる。
でも、『体の枷』が、それを阻む。
いくら胸を触ろうとしても、股間を触ろうとしても、触れない。何も、感じない。
ひたすら疼く体を、高めることも、鎮めることも、できない。
「ど、どうしたら、いいの、こんなの、いやぁ…」
595 心の枷 (10/12) sage 2012/09/20(木) 11:49:45.13 ID:WJ/FyB5K
床の上にへたりこみ、体中を、『体の枷』に覆われていない部分を自分で愛撫するが、
何の慰めにも、ならない。
イキたい。
イキたい。
イキたい。
どうしたら、イケるの…
…あ。
目の前に転がっている、『心の枷』。
こ、これを。
もう一回、嵌めれば…
思わず、『心の枷』を、手に取る。
おおよその向きを合わせて、前かがみになり、自分の頭の上に、それを、掲げる。
それを頭にかぶるように、手を、下ろしてみる。
すっ、と頭の周りが覆われた感覚がした後、それがきゅっ、と縮まり、
そして感覚が、なくなる。
そして、再び目の前に、ゲージが、現れた。
目盛りのすぐ手前まで、バーが伸びている。
「うふ。よく気づいたね。
そう。あなたは、『心の枷』を嵌めれば、イケるの。
じゃ、イキなさい」
「はぁっ、あぁあああん!」
軽く、イった。
そして、また、目盛りの寸前までバーが伸びる状態に、戻る。
イク、寸前。また、イキたい。
カラン、と、『心の枷』が外れて、目の前に転がる。
それを手にとって、また、自分の頭に、嵌める。
「うふ。おかえりなさい。
じゃ、イッて」
「ぁあっ、ぁああああん」
また、軽く、イった。
596 心の枷 (11/12) sage 2012/09/20(木) 11:52:35.30 ID:WJ/FyB5K
「じゃあ、これからは、『心の枷』を嵌めたら、すぐ、イケるようにしてあげるね」
そしてまた、イク寸前になって、『心の枷』が、外れる。
それをまた、手にとって、自分で頭に、嵌める。
「ぁああああん!」
イク。
また、外れる。手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
…ふと、『心の枷』が外れる寸前の目盛りが、ずいぶんと下がっていることに、気づく。
そして、嵌めた時の快感が、最初より大きくなっていることにも。
「…あ、気づいた?
そう。目盛りが下がっているほど、『心の枷』を嵌めた時に、たくさんイケるんだよ。
もう、大分下がったね。
これからも、少しずつ目盛りは下がっていくし、イった時の気持ちよさは、少しずつ上がる。
じゃ、再開ね」
カラン、と、『心の枷』が、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ふぁああああああん!」
すごく、イった。
見るとゲージが、真ん中よりすぐ下まで、下がってる。
また、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁ、あああああああああん!」
さっきよりも強く、イった。
そして、また、外れて、また、嵌めて、イッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて。
ふとゲージを見ると、バーはほとんど一番下まで、下がっていた。
そのまま、『心の枷』が、外れる。
何の躊躇もなく、自分でそれを手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁあああぁぁああああああああっっ!!!!」
めいっぱい、イッて、意識が、飛んだ。
597 心の枷 (12/12) sage 2012/09/20(木) 11:55:37.81 ID:WJ/FyB5K
気づくと、ベッドの上に、仰向けに、横たわっていた。
目の前にゲージが浮かんでいて、真ん中より上から、目盛りより少し下らへんを、
行ったり来たり、ゆらゆらと、揺れている。
「最後まで、よく、やったね。
どう?わかったでしょ?
あなたは、『心の枷』を嵌めれば、気持ちよくなれるの。
でも、外せば、気持ちよくは、なれない。ね?」
「…はい」
「外行く時に『心の枷』を外すのは仕方ないけれど、
家に帰ってきて、『心の枷』を嵌めさえすれば、また、気持ちよくなれる」
「はい」
「うん。いい子だね。
じゃ、訓練は、おしまい。
あとは、ご褒美。今晩じゅう、『心の枷』と『体の枷』が、
あなたを甘ぁく、気持ちよぉく、してあげる。
『心の枷』を嵌めさえすれば、いつでも、この気持ちよさが、味わえるよ」
「はい…」
目の前でゲージがゆらゆらと、揺れて、
それに合わせて自分の中の気持ちよさも、揺れて、
ベッドの上で、ずーっと、誰かに抱かれ続けているような、そんな快感を、味わい続けた。
次の日の、朝。
「…じゃ、行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
自分で『心の枷』を外して、化粧台の横の棚に置き、
髪の毛をセットして、会社に、向かった。
今日は早く帰って、『心の枷』、嵌めないと―
淫魔と彼女 第X話
545 淫魔と彼女 第X話 (1/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:35:40.12 ID:9PUCy43o
注意:この話は『淫魔と彼女』初期稿にあった1シーンで、
現在の本編とは完全なパラレルワールドの話です。
設定も現在とは若干異なっておりますので、この話に登場する遥は、
本編の遥とは、完全な「別人」としてお読みください。
本編の遥がこのような形で悪堕ちすることは、100%ありません。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
体が、体中が、焼けるように、熱い。
胸の宝石が、熱さを通り越した痛みを、遥の体に与えていた。
その痛みは体中に蔓延し、熱さと、耐え切れぬ快感を、供給していた。
「くる…し…い…」
右手で胸の宝石をぎゅっと押さえる、遥。
「だめ…だ…」
胸を押さえたまま、自らの右側にある体育館の壁に、倒れるように、体を預ける。
「ごめんね…彰くん…
約束…守れない…みたい…」
キラッと、その目から、涙が、こぼれた。
「…ごめんね」
その刹那。
胸の宝石が、赤く、光った。
そして、異形の「眼」と、なった。
遥の両の目と、ハルカの「眼」。
その3つが同時に開く。
…それは、2人が完全に融合した、証だった。
「…あはっ」
遥が、笑った。
遥は、右手を壁につきながら、壁づたいによろよろと、進む。
そして、たどり着いた体育館の入口から、中に入ろうとする。
中では、女子バレーボール部が練習中だった。
「あ、ごめんなさーい! 今大会前の追い込み中だから、関係者以外立ち入り禁止で…
…え?」
遥を見咎めた部員の一人が、彼女に声をかけようとしたが…
ふと違和感を感じ、自分の下半身を見ると、真っ赤でうねうねしたモノに、覆われていた。
「きゃぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!」
546 淫魔と彼女 第X話 (2/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:38:41.28 ID:9PUCy43o
体育館の中は、異様な光景になっていた。
バレーボールに使われていたはずだが、ネットは全て体育館の端に投げ出されるように撤去され、
その他の遮蔽物も一切無く、がらんとしている。
そして、練習していた部員たちは、体育館の両サイドの壁に、寄せられていた。
ステージから向かって左側の部員たちは、怯え、体をガクガク震わせながら、身を寄せ合っている。
その周りを、何か赤い軟体動物を体に巻きつけた生徒たちが囲み、逃亡を監視している。
そして、もう一方…
向かって右側の部員たちは、全員、甘い嬌声を、あげていた。
このバレーボール部のユニフォームは全員エメラルドグリーンの上下のはずなのだが、
彼女たちのブルマは、何故か全員、真っ赤になっていた。
それらはよく見ると、うごうごと、自律し、蠢いている。― 遥特製の、触手ブルマだった。
その中はビッシリと繊毛が生え、彼女たちの股間を、苛め抜いていた。
さらに、ヴァギナに、中から生えた1本の太い触手が、彼女たちを、貫き、振動するように動いていた。
触手ブルマを履かされた部員たちは、はぁはぁと甘い吐息を上げつつ、
ある者は、自分の胸をひたすら揉み、
ある者は、隣の部員とキスをし、体を寄せあい、くっつきあって、
何とか、股間から昇ってくる快感を、鎮めようとしていた。
そして、その中央。
遥は、体育館のステージに直接腰を下ろし、座っていた。
脚をM字に開脚し、まるで体育館中に自分の股間を見せつけるかのように、鎮座している。
そして、ちょうどその目の前、真向かいに、
空中に浮き上がる、真っ赤な「分娩台」があった。
背もたれに、2つの肘掛け、2つの足掛けがあり、
それら5つのパーツは全て、触手を通じて、遥の背中につながっていた。
547 淫魔と彼女 第X話 (3/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:41:33.68 ID:9PUCy43o
「さーて、次は誰にしようかなー」
無邪気な声で、遥が言う。
次の瞬間、しゅるっと遥の背中からもう一本の長い長い触手が伸び、
左側の部員たちに、伸びていった。
「きゃああああっ!?」
触手が1人の部員の腰に巻き付き、引っ張り上げる。
そのまま、遥の目の前、少し上に、ぶらん、と吊り下げられる。
「や、やめてえええええぇぇ!!??」
彼女は、ただただ逃れようと手足を暴れさせる。
しかし、そこに「分娩台」が襲いかかるように自ら動き、
肘掛けが動いて彼女の肘と手首を触手で縛り、
背もたれが、彼女の腰を縛り、
足掛けが、彼女の膝下と足首を縛り、
また、先ほどの位置と1ミリ違わず同じ場所に、戻った。
捕獲された彼女は、まるで遥と股間を見せ合うような形で、
分娩台に、強制的に座らされた。
「は、はるか、ちゃん…」
「あー、恵ちゃんだったんだ。気づかなかった。
そっかー、そういえば、バレー部だったね」
恵は遥のクラスメートで、ショートカットのよく似合う快活な少女だった。
背丈は遥と変わらぬ小柄ながら、1年でセッターのレギュラーを獲得している。
「や、やめて、はるかちゃん…」
「ねー、やっぱり恵ちゃんも、ブルマ赤いほうがいいでしょ?」
遥は、恵の話に興味ないとばかり、勝手に話をすすめる。
「それ、取っちゃうね」
次の瞬間、背もたれから小さな触手が幾本も伸び、恵のブルマとアンダーショーツを、びりびりに、引きちぎった。
アソコを遥に開陳させる、恵。
「じゃ、今から恵ちゃんの分、作るね…ぜったいカワイイと思うよ?
んふぅ…はぁん…あはぁああああああん!」
遥は一本の触手を生やすと、そのヴァギナから、長い、極太の真っ赤な触手が、生えた。
そしてその先が、ぱっくり、水平に、2つに割れる。
割れた先が変形し、平べったくなり、互いに、大きなTの字を作る。
さながらそれは、真っ赤な、オムツだった。
そして、オムツの内側が、無数の繊毛で、埋め尽くされる。
548 淫魔と彼女 第X話 (4/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:44:43.11 ID:9PUCy43o
「ひ、ひぃ…」
顔を真っ青にし、ガクガクと、震えが大きくなる、恵。
ぬぅ、っと極太の触手が動き、
両のT字が、恵の股間を、取り囲む。
そして、下側のTが、すっ、と恵の腰下に入り、Tの横棒が、彼女の腰に、下から巻き付いた。
「いやぁ…」
恵は、腰と尾てい骨を覆ううねうねとした感触に、泣きそうになりながら、顔をしかめる。
オムツのその他の部分は、彼女の体から数センチのところで、
繊毛をうねうねさせながら、彼女の股間を囲っている。
「た、た、頼む佐久、こんな…ことは…もう…」
遥の傍らには、両膝をついて座りこむ、顧問の大島の姿があった。
その大島も、ぐにょぐにょと蠢く真っ赤なオムツのようなものを履かされていて、
股間、おそらくペニスから伸びているであろう触手が、遥の尾てい骨につながっていた。
「せんせー、そんなこと言ってないで、もっと精液出してくれなきゃ」
突然、大島のオムツが、激しく蠢く。
「うわ、や、やめてくれ、う、うううぅ」
大島が中で精液を放つと、オムツはまるでそれを一滴残さず吸い取ろうとするかのように
蠢き、触手が搾乳機のように、絞りとる。
ひたすら、それが繰り返される。
「へへへ。せんせーの精液、みんなの子供の栄養になるんだから、いいでしょ?」
ニコニコと、遥は笑っている。
「は、はるか、ちゃん、やめて…」
「じゃ、ちょっと気持ちよくなってもらうね」
またも遥は恵を無視する。
次の瞬間、背もたれから触手が一本伸び、恵の左肩越しに前に回りこむと、
ぱっくりと、ガスマスクのような形に開き、彼女の顔の下半分を、覆った。
「ぅむ、むぐっ!?」
ガスマスクの内側中央から、一本の触手が伸びて恵の口をこじ開け、
喉の奥まで侵入し、彼女の胃に、無理やり妖液を流し込む。
そして、マスクの中を、妖気に満ちたガスが、充満する。
最初は抵抗して顔を振り回していた恵だったが、次第に眼の焦点が合わなくなり、
ただ虚空を見つめて、動かなくなった。
しゅるんっ、と、マスクの触手が縮み、元の背もたれに収まる。
549 淫魔と彼女 第X話 (5/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:47:36.44 ID:9PUCy43o
「どう?気持ちいい?
安心して?ちゃんとギリギリのところで、正気は保てるように薄めてあるから」
「う、うう……お…おねがい…やめて……」
恵は、目の焦点が合わないまま、遥に、懇願する。
「そっかー。ちょっと足りなかったかな?
うーん、恵ちゃんいっつも仲良くしてくれるから、じゃあ、サービスするね?」
そういうと、背もたれから2本の触手が生え、彼女のユニフォームのシャツを、たくし上げる。
ユニフォームの色に合わせた、恵のイエローグリーンのスポーツブラが顕になる。
「恵ちゃんには、ブルマだけじゃなくて、ブラもプレゼントするよ。
真っ赤なのも、似合うと思うよ?」
次の瞬間、背もたれの彼女の胸の下から、ぼこん、と、Iの字をした平べったい触手が、恵の肩と水平に、浮き上がる。
その外側中央からは背もたれへ一本の触手が伸びており、その触手によって、背もたれから、支えられている。
そして、内側はやはり、繊毛がびっしり生え、うねうねしている。
I字の触手は、中央が恵の背中にぴったり貼り付くと、
余った両端が、突如、ばくん、という音を立て、彼女の両の胸を、
両サイドから包むようにブラの上から覆い、吸い付いた。
「はうぁ!?」
体をひきつらせる、恵。
真っ赤な触手ブラはウゴウゴと蠢き、内側のスポーツブラの繊維を、繊毛で、食べつくす。
そうして、恵の肌に、密着した。
きゅっ、と全体が縮こまり、彼女の胸のサイズに、フィットする。
更に繊毛が蠢き、サワサワと、彼女のおっぱいを、虐める。
「あぁあ…いやぁ…ぁああぁ…」
顔が火照り、甘い吐息を漏らす。
触手ブラを支えていた触手が、恵の背中でぶつんと切れ、そのまま、背もたれの中に戻っていく。
そして、恵のシャツをたくし上げていた2本の触手が再び動き、彼女のシャツを、もとに戻す。
恵は、そのシャツの中で、両胸を触手にひたすらイジメられる形になった。
550 淫魔と彼女 第X話 (6/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:50:37.03 ID:9PUCy43o
「どう?気持ちいい?」
「うぅ…は…はぃ…」
「もっと気持ちよくして欲しい?」
「は…はぃ…」
うつろな目で、遥の質問に、快感に耐えながら応じる、恵。
「じゃ、真っ赤な触手ブルマ、欲しい?」
「う…うぅ…」
「んー、じゃ、もうちょっとサービスしちゃおう」
かすかな抵抗の様子を見せる恵に、屈託のない声で、遥が言う。
そして、背もたれから無数の細い触手が現れ、恵の体を、這い始める。
腰や背中、お腹、首筋、脇の下、といったところを、やわやわと、刺激する。
肘掛けや足掛けからも細い触手が幾本も伸び、彼女の手足を、その指先や指の間まで、やさしく、虐める。
「はぁ…ぁああぁ…」
うつろな目で、体を拘束されたまま、身動ぎできる範囲で目一杯、ただただ体をくねらせる、恵。
「大サービスで、こっちもつけちゃうよ。うん」
恵の股間を囲っていた触手ブルマ―いや、形からして触手オムツというべきか―の、
ちょうどお尻の下に当たる部分から、一本の鞭毛のような細長い触手が、伸びる。
それが旋回しながら、恵のアナルに、侵入する。
「はぁ!?あ、ぅあ」
きゅうっ、と鞭毛が縮まり、お尻に触手ブルマを引きつけ、
触手ブルマが、ちょうどお尻の半分まで、恵に密着する形となった。
「どうかな。触手ブルマ、前の方も、欲しい?」
「は、は……はぃ…」
「わかった。あげるね」
触手ブルマの上の部分が、まるで食虫植物のように、ぱくん、と、閉じた。
彼女の股間の前半分を覆うと、T字の上部分が彼女のへその下に巻き付き、
下方から腰を巻いていたもう一方のT字と、融合する。
そして、しゅるしゅると全体が縮み、彼女の股間にフィットした。
内側の繊毛が、勢い良く、蠢き始める。
「はぁ、はぁあああああん!?」
恵は体をのけぞらせ、快感に、貫かれる。
551 淫魔と彼女 第X話 (7/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:53:37.38 ID:9PUCy43o
「あぁぁっ、はぁっ、ああっ」
その後も、触手ブラと、触手ブルマ、そして全身を這う無数の細い触手にイジメられ、
恵の体は、ぴくぴくと、痙攣していた。
「じゃ、最後ね。
私の、子供、欲しい?」
「う…う…うぅぅ…」
言うことを聞かない体に堪え、涙をぼろぼろ流しながら、最後の抵抗を試みる、恵。
「イキたいでしょ?」
「イキ…たいです……」
「じゃ、子供、もらわないと」
「う…うぅ……」
「今のままだと、ずっとイケないままだけど、それでいい?
時間はたーっぷりあるから、ずーっと恵ちゃん気持よくしたままでも、私はいいけど」
「う…そん…な……」
「…子供…欲しい?」
無邪気に微笑みかける、遥。
嗚咽をこらえる、恵。
そして。
「…子供…欲しいです…」
「うん、わかった」
刹那。
触手ブルマの中央から、一本の太い触手が、恵の、まだ誰も受け入れたことのないヴァギナに、
何の慰みもなく、ズブリ、と、差し込まれた。
「はぁうぅっ!」
背中を反らせて耐える、恵。
そのまま、挿入された触手が、ひたすら抽送を、繰り返す。
「はぁ、はぁっ、あぁん、あぅん、あぅっ、あぁっ」
息がどんどん荒くなる、恵。
「うーん、じゃ、そろそろかな。
イカせて、あげるね」
「はぁ、はぁっ、はぃ、おねがい、します、はぁっ」
「じゃー、いくよー。えいっ」
「は、ぁ、はぁぁぁあああああああああああ!!!!」
恵の子宮に、大量の液が、放たれた。
553 淫魔と彼女 第X話 (8/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:56:48.86 ID:9PUCy43o
「はぁ、はぅぅ、うぁぁ、あぁぁ…」
恵の顔は荒い息と嗚咽が混ざる。
しかし、だんだんと嗚咽が収まり、顔が、とろん、と、とろけ始めた。
目から、光が、消えていく。
次の瞬間、触手ブルマと遥のヴァギナをつないでいた極太の触手が、恵の股間でブチンと切れ、
遥の股間に、しゅるしゅると戻っていった。
そして、「分娩台」が蠢き、それぞれが位置を変え、恵に直立不動の姿勢を取らせた。
恵はもはや一切の抵抗せず、ただ「分娩台」にされるがままになっている。
そのまま、ゆっくり下に下がると、そのまま床に恵を立たせ、拘束を解いた。
恵と離れた「分娩台」は、再び元の位置に、戻る。
「じゃ、ソッチの方で、ゆっくり子供が生まれるの、待ってて。
大丈夫。生まれるまで、そのブルマが恵ちゃんのこと、ずーっと気持よくしててくれるから。
子供生まれるときは、ってまぁ、恵ちゃんとくっついちゃうんだけど、
すんごく気持ちいいと思うよ。楽しみにしててね」
「…はい…」
恵は、焦点の合わない目で、遥に応えた。
その顔は上気し、とろけて、甘い吐息を漏らしている。
そしてそのまま、内股で身をよじらせ、ふらふらとよろめきつつ、体育館の壁に向かって、歩いていった。
「さーて。次は誰にしよっかなー」
注意:この話は『淫魔と彼女』初期稿にあった1シーンで、
現在の本編とは完全なパラレルワールドの話です。
設定も現在とは若干異なっておりますので、この話に登場する遥は、
本編の遥とは、完全な「別人」としてお読みください。
本編の遥がこのような形で悪堕ちすることは、100%ありません。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
体が、体中が、焼けるように、熱い。
胸の宝石が、熱さを通り越した痛みを、遥の体に与えていた。
その痛みは体中に蔓延し、熱さと、耐え切れぬ快感を、供給していた。
「くる…し…い…」
右手で胸の宝石をぎゅっと押さえる、遥。
「だめ…だ…」
胸を押さえたまま、自らの右側にある体育館の壁に、倒れるように、体を預ける。
「ごめんね…彰くん…
約束…守れない…みたい…」
キラッと、その目から、涙が、こぼれた。
「…ごめんね」
その刹那。
胸の宝石が、赤く、光った。
そして、異形の「眼」と、なった。
遥の両の目と、ハルカの「眼」。
その3つが同時に開く。
…それは、2人が完全に融合した、証だった。
「…あはっ」
遥が、笑った。
遥は、右手を壁につきながら、壁づたいによろよろと、進む。
そして、たどり着いた体育館の入口から、中に入ろうとする。
中では、女子バレーボール部が練習中だった。
「あ、ごめんなさーい! 今大会前の追い込み中だから、関係者以外立ち入り禁止で…
…え?」
遥を見咎めた部員の一人が、彼女に声をかけようとしたが…
ふと違和感を感じ、自分の下半身を見ると、真っ赤でうねうねしたモノに、覆われていた。
「きゃぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!」
546 淫魔と彼女 第X話 (2/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:38:41.28 ID:9PUCy43o
体育館の中は、異様な光景になっていた。
バレーボールに使われていたはずだが、ネットは全て体育館の端に投げ出されるように撤去され、
その他の遮蔽物も一切無く、がらんとしている。
そして、練習していた部員たちは、体育館の両サイドの壁に、寄せられていた。
ステージから向かって左側の部員たちは、怯え、体をガクガク震わせながら、身を寄せ合っている。
その周りを、何か赤い軟体動物を体に巻きつけた生徒たちが囲み、逃亡を監視している。
そして、もう一方…
向かって右側の部員たちは、全員、甘い嬌声を、あげていた。
このバレーボール部のユニフォームは全員エメラルドグリーンの上下のはずなのだが、
彼女たちのブルマは、何故か全員、真っ赤になっていた。
それらはよく見ると、うごうごと、自律し、蠢いている。― 遥特製の、触手ブルマだった。
その中はビッシリと繊毛が生え、彼女たちの股間を、苛め抜いていた。
さらに、ヴァギナに、中から生えた1本の太い触手が、彼女たちを、貫き、振動するように動いていた。
触手ブルマを履かされた部員たちは、はぁはぁと甘い吐息を上げつつ、
ある者は、自分の胸をひたすら揉み、
ある者は、隣の部員とキスをし、体を寄せあい、くっつきあって、
何とか、股間から昇ってくる快感を、鎮めようとしていた。
そして、その中央。
遥は、体育館のステージに直接腰を下ろし、座っていた。
脚をM字に開脚し、まるで体育館中に自分の股間を見せつけるかのように、鎮座している。
そして、ちょうどその目の前、真向かいに、
空中に浮き上がる、真っ赤な「分娩台」があった。
背もたれに、2つの肘掛け、2つの足掛けがあり、
それら5つのパーツは全て、触手を通じて、遥の背中につながっていた。
547 淫魔と彼女 第X話 (3/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:41:33.68 ID:9PUCy43o
「さーて、次は誰にしようかなー」
無邪気な声で、遥が言う。
次の瞬間、しゅるっと遥の背中からもう一本の長い長い触手が伸び、
左側の部員たちに、伸びていった。
「きゃああああっ!?」
触手が1人の部員の腰に巻き付き、引っ張り上げる。
そのまま、遥の目の前、少し上に、ぶらん、と吊り下げられる。
「や、やめてえええええぇぇ!!??」
彼女は、ただただ逃れようと手足を暴れさせる。
しかし、そこに「分娩台」が襲いかかるように自ら動き、
肘掛けが動いて彼女の肘と手首を触手で縛り、
背もたれが、彼女の腰を縛り、
足掛けが、彼女の膝下と足首を縛り、
また、先ほどの位置と1ミリ違わず同じ場所に、戻った。
捕獲された彼女は、まるで遥と股間を見せ合うような形で、
分娩台に、強制的に座らされた。
「は、はるか、ちゃん…」
「あー、恵ちゃんだったんだ。気づかなかった。
そっかー、そういえば、バレー部だったね」
恵は遥のクラスメートで、ショートカットのよく似合う快活な少女だった。
背丈は遥と変わらぬ小柄ながら、1年でセッターのレギュラーを獲得している。
「や、やめて、はるかちゃん…」
「ねー、やっぱり恵ちゃんも、ブルマ赤いほうがいいでしょ?」
遥は、恵の話に興味ないとばかり、勝手に話をすすめる。
「それ、取っちゃうね」
次の瞬間、背もたれから小さな触手が幾本も伸び、恵のブルマとアンダーショーツを、びりびりに、引きちぎった。
アソコを遥に開陳させる、恵。
「じゃ、今から恵ちゃんの分、作るね…ぜったいカワイイと思うよ?
んふぅ…はぁん…あはぁああああああん!」
遥は一本の触手を生やすと、そのヴァギナから、長い、極太の真っ赤な触手が、生えた。
そしてその先が、ぱっくり、水平に、2つに割れる。
割れた先が変形し、平べったくなり、互いに、大きなTの字を作る。
さながらそれは、真っ赤な、オムツだった。
そして、オムツの内側が、無数の繊毛で、埋め尽くされる。
548 淫魔と彼女 第X話 (4/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:44:43.11 ID:9PUCy43o
「ひ、ひぃ…」
顔を真っ青にし、ガクガクと、震えが大きくなる、恵。
ぬぅ、っと極太の触手が動き、
両のT字が、恵の股間を、取り囲む。
そして、下側のTが、すっ、と恵の腰下に入り、Tの横棒が、彼女の腰に、下から巻き付いた。
「いやぁ…」
恵は、腰と尾てい骨を覆ううねうねとした感触に、泣きそうになりながら、顔をしかめる。
オムツのその他の部分は、彼女の体から数センチのところで、
繊毛をうねうねさせながら、彼女の股間を囲っている。
「た、た、頼む佐久、こんな…ことは…もう…」
遥の傍らには、両膝をついて座りこむ、顧問の大島の姿があった。
その大島も、ぐにょぐにょと蠢く真っ赤なオムツのようなものを履かされていて、
股間、おそらくペニスから伸びているであろう触手が、遥の尾てい骨につながっていた。
「せんせー、そんなこと言ってないで、もっと精液出してくれなきゃ」
突然、大島のオムツが、激しく蠢く。
「うわ、や、やめてくれ、う、うううぅ」
大島が中で精液を放つと、オムツはまるでそれを一滴残さず吸い取ろうとするかのように
蠢き、触手が搾乳機のように、絞りとる。
ひたすら、それが繰り返される。
「へへへ。せんせーの精液、みんなの子供の栄養になるんだから、いいでしょ?」
ニコニコと、遥は笑っている。
「は、はるか、ちゃん、やめて…」
「じゃ、ちょっと気持ちよくなってもらうね」
またも遥は恵を無視する。
次の瞬間、背もたれから触手が一本伸び、恵の左肩越しに前に回りこむと、
ぱっくりと、ガスマスクのような形に開き、彼女の顔の下半分を、覆った。
「ぅむ、むぐっ!?」
ガスマスクの内側中央から、一本の触手が伸びて恵の口をこじ開け、
喉の奥まで侵入し、彼女の胃に、無理やり妖液を流し込む。
そして、マスクの中を、妖気に満ちたガスが、充満する。
最初は抵抗して顔を振り回していた恵だったが、次第に眼の焦点が合わなくなり、
ただ虚空を見つめて、動かなくなった。
しゅるんっ、と、マスクの触手が縮み、元の背もたれに収まる。
549 淫魔と彼女 第X話 (5/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:47:36.44 ID:9PUCy43o
「どう?気持ちいい?
安心して?ちゃんとギリギリのところで、正気は保てるように薄めてあるから」
「う、うう……お…おねがい…やめて……」
恵は、目の焦点が合わないまま、遥に、懇願する。
「そっかー。ちょっと足りなかったかな?
うーん、恵ちゃんいっつも仲良くしてくれるから、じゃあ、サービスするね?」
そういうと、背もたれから2本の触手が生え、彼女のユニフォームのシャツを、たくし上げる。
ユニフォームの色に合わせた、恵のイエローグリーンのスポーツブラが顕になる。
「恵ちゃんには、ブルマだけじゃなくて、ブラもプレゼントするよ。
真っ赤なのも、似合うと思うよ?」
次の瞬間、背もたれの彼女の胸の下から、ぼこん、と、Iの字をした平べったい触手が、恵の肩と水平に、浮き上がる。
その外側中央からは背もたれへ一本の触手が伸びており、その触手によって、背もたれから、支えられている。
そして、内側はやはり、繊毛がびっしり生え、うねうねしている。
I字の触手は、中央が恵の背中にぴったり貼り付くと、
余った両端が、突如、ばくん、という音を立て、彼女の両の胸を、
両サイドから包むようにブラの上から覆い、吸い付いた。
「はうぁ!?」
体をひきつらせる、恵。
真っ赤な触手ブラはウゴウゴと蠢き、内側のスポーツブラの繊維を、繊毛で、食べつくす。
そうして、恵の肌に、密着した。
きゅっ、と全体が縮こまり、彼女の胸のサイズに、フィットする。
更に繊毛が蠢き、サワサワと、彼女のおっぱいを、虐める。
「あぁあ…いやぁ…ぁああぁ…」
顔が火照り、甘い吐息を漏らす。
触手ブラを支えていた触手が、恵の背中でぶつんと切れ、そのまま、背もたれの中に戻っていく。
そして、恵のシャツをたくし上げていた2本の触手が再び動き、彼女のシャツを、もとに戻す。
恵は、そのシャツの中で、両胸を触手にひたすらイジメられる形になった。
550 淫魔と彼女 第X話 (6/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:50:37.03 ID:9PUCy43o
「どう?気持ちいい?」
「うぅ…は…はぃ…」
「もっと気持ちよくして欲しい?」
「は…はぃ…」
うつろな目で、遥の質問に、快感に耐えながら応じる、恵。
「じゃ、真っ赤な触手ブルマ、欲しい?」
「う…うぅ…」
「んー、じゃ、もうちょっとサービスしちゃおう」
かすかな抵抗の様子を見せる恵に、屈託のない声で、遥が言う。
そして、背もたれから無数の細い触手が現れ、恵の体を、這い始める。
腰や背中、お腹、首筋、脇の下、といったところを、やわやわと、刺激する。
肘掛けや足掛けからも細い触手が幾本も伸び、彼女の手足を、その指先や指の間まで、やさしく、虐める。
「はぁ…ぁああぁ…」
うつろな目で、体を拘束されたまま、身動ぎできる範囲で目一杯、ただただ体をくねらせる、恵。
「大サービスで、こっちもつけちゃうよ。うん」
恵の股間を囲っていた触手ブルマ―いや、形からして触手オムツというべきか―の、
ちょうどお尻の下に当たる部分から、一本の鞭毛のような細長い触手が、伸びる。
それが旋回しながら、恵のアナルに、侵入する。
「はぁ!?あ、ぅあ」
きゅうっ、と鞭毛が縮まり、お尻に触手ブルマを引きつけ、
触手ブルマが、ちょうどお尻の半分まで、恵に密着する形となった。
「どうかな。触手ブルマ、前の方も、欲しい?」
「は、は……はぃ…」
「わかった。あげるね」
触手ブルマの上の部分が、まるで食虫植物のように、ぱくん、と、閉じた。
彼女の股間の前半分を覆うと、T字の上部分が彼女のへその下に巻き付き、
下方から腰を巻いていたもう一方のT字と、融合する。
そして、しゅるしゅると全体が縮み、彼女の股間にフィットした。
内側の繊毛が、勢い良く、蠢き始める。
「はぁ、はぁあああああん!?」
恵は体をのけぞらせ、快感に、貫かれる。
551 淫魔と彼女 第X話 (7/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:53:37.38 ID:9PUCy43o
「あぁぁっ、はぁっ、ああっ」
その後も、触手ブラと、触手ブルマ、そして全身を這う無数の細い触手にイジメられ、
恵の体は、ぴくぴくと、痙攣していた。
「じゃ、最後ね。
私の、子供、欲しい?」
「う…う…うぅぅ…」
言うことを聞かない体に堪え、涙をぼろぼろ流しながら、最後の抵抗を試みる、恵。
「イキたいでしょ?」
「イキ…たいです……」
「じゃ、子供、もらわないと」
「う…うぅ……」
「今のままだと、ずっとイケないままだけど、それでいい?
時間はたーっぷりあるから、ずーっと恵ちゃん気持よくしたままでも、私はいいけど」
「う…そん…な……」
「…子供…欲しい?」
無邪気に微笑みかける、遥。
嗚咽をこらえる、恵。
そして。
「…子供…欲しいです…」
「うん、わかった」
刹那。
触手ブルマの中央から、一本の太い触手が、恵の、まだ誰も受け入れたことのないヴァギナに、
何の慰みもなく、ズブリ、と、差し込まれた。
「はぁうぅっ!」
背中を反らせて耐える、恵。
そのまま、挿入された触手が、ひたすら抽送を、繰り返す。
「はぁ、はぁっ、あぁん、あぅん、あぅっ、あぁっ」
息がどんどん荒くなる、恵。
「うーん、じゃ、そろそろかな。
イカせて、あげるね」
「はぁ、はぁっ、はぃ、おねがい、します、はぁっ」
「じゃー、いくよー。えいっ」
「は、ぁ、はぁぁぁあああああああああああ!!!!」
恵の子宮に、大量の液が、放たれた。
553 淫魔と彼女 第X話 (8/8) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/16(日) 12:56:48.86 ID:9PUCy43o
「はぁ、はぅぅ、うぁぁ、あぁぁ…」
恵の顔は荒い息と嗚咽が混ざる。
しかし、だんだんと嗚咽が収まり、顔が、とろん、と、とろけ始めた。
目から、光が、消えていく。
次の瞬間、触手ブルマと遥のヴァギナをつないでいた極太の触手が、恵の股間でブチンと切れ、
遥の股間に、しゅるしゅると戻っていった。
そして、「分娩台」が蠢き、それぞれが位置を変え、恵に直立不動の姿勢を取らせた。
恵はもはや一切の抵抗せず、ただ「分娩台」にされるがままになっている。
そのまま、ゆっくり下に下がると、そのまま床に恵を立たせ、拘束を解いた。
恵と離れた「分娩台」は、再び元の位置に、戻る。
「じゃ、ソッチの方で、ゆっくり子供が生まれるの、待ってて。
大丈夫。生まれるまで、そのブルマが恵ちゃんのこと、ずーっと気持よくしててくれるから。
子供生まれるときは、ってまぁ、恵ちゃんとくっついちゃうんだけど、
すんごく気持ちいいと思うよ。楽しみにしててね」
「…はい…」
恵は、焦点の合わない目で、遥に応えた。
その顔は上気し、とろけて、甘い吐息を漏らしている。
そしてそのまま、内股で身をよじらせ、ふらふらとよろめきつつ、体育館の壁に向かって、歩いていった。
「さーて。次は誰にしよっかなー」
淫魔と彼女 第5.5話
533 淫魔と彼女 第5.5話 (1/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 21:53:27.96 ID:X3ML9/nb
これは、時系列的には、もう少し、後の話―
澪は、窓から差し込む、日曜の晴れた日差しを浴びながら、
ただひたすら、股間の触手からの刺激を、受け入れていた。
ここは、澪の部屋。
澪は、自分のベッドの上に、大の字になっている。
身に着けているのは、「モコちゃんスーツ」― 遥の、プレゼント。
モコちゃんが変形してできた、特殊なビキニショーツだ。
その股間の裏地は、裏から生えた毛によって、澪の股間にある隙間―
澪のクリトリスの包皮とその裏、ヴァギナのひだ、アナルのひだを、すべて埋め尽くしている。
モコちゃんは今、遥によって、
「澪ちゃんの体に力が入るほど、澪ちゃんを気持ちよくする」という、『お願い』をもらっている。
したがって、澪が少し、快感に身をよじっただけで、
股間の刺激が激しくなり、それに反応して体を動かすと、また刺激が強くなり…
(―あ、だめ、イクッ)
イク瞬間のガクガクとした痙攣に合わせて、また刺激が強くなり、
澪の体の動きが収まるまで、ただひたすら、股間が責められる。
最初は、何度もイッては、また身をよじってしまい、またイッて…というのを繰り返していたが、
だんだんと、かすかな快感で力が入ることすら、辛くなってしまい、
とにかく、力を抜こう、抜こう、というふうに意識が働くようになっていた。
脱力していても、最弱の緩やかな責めは延々と続いているので、
ちょっとずつ、気持ちが高ぶっていくのだが、それで足に力が入りそうになるのを、自らの意識で、食い止める。
結局、自らひたすら脱力して、ただひたすら、股間の緩やかな責めを、受け入れることを、強要されるのだ。
まるで、自分が力を込めるたびに、股間の触手にそれを吸い取られていくかのような、錯覚を覚える。
しかも―
「あっ、お、おしっこ、うっ」
尿意を感じた瞬間、それで走った緊張に股間の触手が反応し、その刺激を食い止めようと無意識に抑えが働いて、
そのまま弛緩を余儀なくされ、そのまま、スーツの中に放尿してしまう。
尿は全て、モコちゃんが吸収し、ついでに、尿道の近くを吸い上げるような感触を、与えてくる。
それがまた、快感の波となって、暫くの間、ブルブルと体が痙攣し、そして再び、脱力に戻っていく。
排尿すらも、コントロールされているような感覚。
さらに言えば、大きい方は、どうやらモコちゃんがお尻に入れた触手で適当に摂取しているらしく、
時折、お尻の穴の奥を弄られているような違和感を感じる。
とどのつまり、このスーツを装着している限りは、トイレにいく必要もなく、
ただただ、いつまでも、脱力し、股間のじわじわとした、緩やかな責めを受け入れることだけを、強要されるのだった。
(…何時間でも、このままで、いれそう…)
ベッドの上で大の字になりながら、そんなことを、ぼんやりと、澪は考えていた。
534 淫魔と彼女 第5.5話 (2/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 21:56:24.69 ID:X3ML9/nb
何時間でもいれる訳は、もう1つある。
「みーおちゃん!ご飯持ってきてあげたよ!」
「あ…ご主人様…」
遥がそばに居て、ひたすら、澪のお世話をしてくれていた。
「おくち、あーんして」
「…あーん」
ぬるいお粥を乗せたスプーンを、口に運ばれ、ただただ、口を半開きのまま、舌で舐めとる、澪。
口に力を入れるとやはり刺激になるので、とにかく、必要最小限の力で、摂取するしかない。
「えへへ、よくできました。澪ちゃん、赤ちゃんみたいだね」
「う…」
恥ずかしくて、つい目線を逸らしてしまう。
「じゃ、最後は、お口であげる。はむっ」
遥は、お粥を自分の口に含むと、そのまま、澪に口移しで与えた。
遥の舌の上から、やはり舌で、舐めとる。
「…ふぅ。終わり。よくできました」
「ありがとう…ございます…」
傍から見れば立派な調教プレイなのだが、
遥は自らこういうプレイを望むことはめったになかった。
今回も、澪の思いつきで、澪からお願いして、してもらっているのだ。
そして、こういうことをしている時の遥は、とにかくひたすらに、優しかった。
世のご主人様がみんな遥みたいだったら、世の他の人間はみんな奴隷になっているだろう、と、
自分がもはや、身も心も遥の奴隷になってしまっている事を感じつつ、ぼんやりと、思った。
これが全て「計算ずく」なら、自分はもう、すっかり、遥に堕とされている。
とたとたと、遥が階下の炊事場に、食器を運んでいく音が、聞こえる。
そして、一人。
ただただ、脱力。股間の、刺激。
535 淫魔と彼女 第5.5話 (3/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 21:59:28.13 ID:X3ML9/nb
再び、遥が戻ってくる、音がする。
「澪ちゃん、アイス持ってきたよ」
遥が手に持っていたのは、バニラの、アイスバーだった。
「食べさせて、あげるね」
澪が、少し口を開けると、バーの先を、少しだけ、その中に入れてくる。
澪は、ただただ、舐めとる。
「くふっ」
少し力が入ったため、股間の刺激が強くなり、少しだけ、吐息が漏れる。
気にせず、遥は、少しずつ、角度や面を変えながら、澪が舐めやすい位置にバーを動かし、
それを、澪はただただ、舐めていった。
「…なんか、エッチぃね、澪ちゃん。えへへ」
「…今更、言わないで下さい」
「えー、そんな事言ってると、えいっ!」
「あ、いやぁ!あぁん!」
遥が乳首の先を、ちょん、と指でつつく。
快感で体がよじれ、それでまた、力が股間に吸い取られていく作業が、始まる。
「…もう、いたずら、やめてください」
「えへへー」
遥が見せる、最大限の、サディズム。
優しすぎるご主人様の傍らで、ただひたすら、ゆるやかに過ぎていく時間と、ゆるやかな股間の責めを、
澪は、脱力する体に任せるまま、感じ取っていた。
「あー、澪ちゃん、そろそろ…」
「あ…そうですね…」
朝から始まったはずが、いつの間にか、午後1時に差し掛かろうとしていた。
本当に、このままずっといつづけられるな…と澪は思っていたが、
今日は、遥と買い物の約束なのだ。
「じゃ、そろそろ、モコちゃんへの『お願い』を、解いていただけると…」
「あ、ちょっと待って」
「え?」
ふと横を見て、澪は、驚いた。
536 淫魔と彼女 第5.5話 (4/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 22:02:27.43 ID:X3ML9/nb
「じゃーん。
澪ちゃんとおそろいだよ。えへへ」
ベッドの脇に立つ遥は、いつの間にか全裸になっており、その上で、自分のへそから伸ばした
触手の先がそのまま、モコちゃんスーツと全く同じ形になって、遥自らそれを履いていた。
「…え?」
…嫌な予感がする。
「何だか、澪ちゃん見てたら、私もやりたくなってきちゃった。
お出かけする前に、私も一緒にするよ。
一緒に気持よくなろ?えへへ」
「は、遥さん、それはもしかして、まずいのでは―」
「いっくよー、それっ…ひゃぁああっ!?」
掛け声と同時にその場にすっ転ぶ遥。
そしてそのまま、床に仰向けになり、足を開いた状態で、ガクガクと痙攣している。
「あ、ダメ、これ、イクッ、あっ、ちょっと、気持ち、い、イクッ、あふっ」
遥はすっかり忘れていたことだが、
ただモコちゃんからの刺激を感じているだけの澪とは違い、
遥の場合、スーツ自身が感じる刺激も、快感となって還ってくるので、
同じ事をした場合、遥の方がずっと刺激が強く、しかも、快感がグルグルと循環してしまう。
しかも―
「あ、あの、もしかしてそれ、妖液―」
「う、うん、イクたび、おしりの中に、入って、あふっ、イクッ、あぅっ」
イクたびに媚薬の妖液がお尻の中に発射されているようで、
どうやら、イクたびに、快感が増幅しているらしい。
「あ、あの遥さん、せめて、私の方、だけでも―」
「だ、だめ、考え、られない、止まら、ない、あっ、イクッ」
(こ、これっていわゆる、「嵌まり」…?)
隣でひたすらイキっぱなしの遥を横目に、澪もまた、体が自由になるすべを失い、
ただただ、股間からの刺激を受け続けるままでいるしか、なくなってしまった。
2人が解放されたのは、遥がイキ疲れたついでに自分のスーツが解けた、約3時間後のことであった。
537 淫魔と彼女 第5.5話 (5/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 22:05:24.44 ID:X3ML9/nb
「はぁ…」
澪はベッドの上で、遥は床の上で、それぞれ仰向けになったまま、ぐったりしていた。
特に遥は3時間ずっとイキっぱなしだったのだが、それでぐったりしている程度で済んでいるのだから、
さすがは淫魔という他はない。
「ま、また、自分の触手に、嵌っちゃった…」
「…またって、前も、やったんですか…遥さん」
「うん…何度か…」
「はぁ…」
既に、時計は午後4時を回っていた。
「…お買い物、って、時間じゃ、なくなりましたね…」
「そ、そうだね…はぁ…」
やれやれ、とお互いにため息をついていたところ、インターホンのチャイムが、鳴った。
「あれ?宅配便でしょうか…ちょっと、見てきますね、遥さん」
「うん…」
澪は、側にあったTシャツを羽織る。下半身はモコちゃんスーツのままだ。
ちょっと過激な恰好だが、まぁ宅配便くらいならいいか…と、部屋を出て、インターホンを覗きに行く。
「どなた、ですか?」
『おー澪!遊びに来たぞー!』
「え、絵理、さん?」
十数分後。
「ぎゃーはっはっは、なんだこれ、ぎゃあああ!うっひゃぁあーたまんねー!」
2人の話を聞いて羨ましくなった絵理は、澪のベッドで自分もおっぱじめ、動かない体にひたすら喜んでいた。
彼女のクリトリスから伸びた触手が、そのまますぐ下のヴァギナを埋めている。
後は、同じ『お願い』を、遥から自分の触手にしてもらっている。
「…何か、人によってずいぶん雰囲気、変わりますね」
「…そうだね」
なんとなく、自分たちがさっきまでしていた行為も、虚しいものに思えてきてしまった。
「…これから、どうする?澪ちゃん」
「とりあえず…私、お腹、空きました。下行って、何か、食べてきます」
「うん、じゃ、私も、行くよ。疲れた…」
大の字になったまま澪のベッドで動けなくなり、ギャーギャー騒いでいる絵理を尻目に、
澪と遥は部屋を出ていくのであった。
※管理人追記:これ以降はpixivへ移行されたようです。
これは、時系列的には、もう少し、後の話―
澪は、窓から差し込む、日曜の晴れた日差しを浴びながら、
ただひたすら、股間の触手からの刺激を、受け入れていた。
ここは、澪の部屋。
澪は、自分のベッドの上に、大の字になっている。
身に着けているのは、「モコちゃんスーツ」― 遥の、プレゼント。
モコちゃんが変形してできた、特殊なビキニショーツだ。
その股間の裏地は、裏から生えた毛によって、澪の股間にある隙間―
澪のクリトリスの包皮とその裏、ヴァギナのひだ、アナルのひだを、すべて埋め尽くしている。
モコちゃんは今、遥によって、
「澪ちゃんの体に力が入るほど、澪ちゃんを気持ちよくする」という、『お願い』をもらっている。
したがって、澪が少し、快感に身をよじっただけで、
股間の刺激が激しくなり、それに反応して体を動かすと、また刺激が強くなり…
(―あ、だめ、イクッ)
イク瞬間のガクガクとした痙攣に合わせて、また刺激が強くなり、
澪の体の動きが収まるまで、ただひたすら、股間が責められる。
最初は、何度もイッては、また身をよじってしまい、またイッて…というのを繰り返していたが、
だんだんと、かすかな快感で力が入ることすら、辛くなってしまい、
とにかく、力を抜こう、抜こう、というふうに意識が働くようになっていた。
脱力していても、最弱の緩やかな責めは延々と続いているので、
ちょっとずつ、気持ちが高ぶっていくのだが、それで足に力が入りそうになるのを、自らの意識で、食い止める。
結局、自らひたすら脱力して、ただひたすら、股間の緩やかな責めを、受け入れることを、強要されるのだ。
まるで、自分が力を込めるたびに、股間の触手にそれを吸い取られていくかのような、錯覚を覚える。
しかも―
「あっ、お、おしっこ、うっ」
尿意を感じた瞬間、それで走った緊張に股間の触手が反応し、その刺激を食い止めようと無意識に抑えが働いて、
そのまま弛緩を余儀なくされ、そのまま、スーツの中に放尿してしまう。
尿は全て、モコちゃんが吸収し、ついでに、尿道の近くを吸い上げるような感触を、与えてくる。
それがまた、快感の波となって、暫くの間、ブルブルと体が痙攣し、そして再び、脱力に戻っていく。
排尿すらも、コントロールされているような感覚。
さらに言えば、大きい方は、どうやらモコちゃんがお尻に入れた触手で適当に摂取しているらしく、
時折、お尻の穴の奥を弄られているような違和感を感じる。
とどのつまり、このスーツを装着している限りは、トイレにいく必要もなく、
ただただ、いつまでも、脱力し、股間のじわじわとした、緩やかな責めを受け入れることだけを、強要されるのだった。
(…何時間でも、このままで、いれそう…)
ベッドの上で大の字になりながら、そんなことを、ぼんやりと、澪は考えていた。
534 淫魔と彼女 第5.5話 (2/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 21:56:24.69 ID:X3ML9/nb
何時間でもいれる訳は、もう1つある。
「みーおちゃん!ご飯持ってきてあげたよ!」
「あ…ご主人様…」
遥がそばに居て、ひたすら、澪のお世話をしてくれていた。
「おくち、あーんして」
「…あーん」
ぬるいお粥を乗せたスプーンを、口に運ばれ、ただただ、口を半開きのまま、舌で舐めとる、澪。
口に力を入れるとやはり刺激になるので、とにかく、必要最小限の力で、摂取するしかない。
「えへへ、よくできました。澪ちゃん、赤ちゃんみたいだね」
「う…」
恥ずかしくて、つい目線を逸らしてしまう。
「じゃ、最後は、お口であげる。はむっ」
遥は、お粥を自分の口に含むと、そのまま、澪に口移しで与えた。
遥の舌の上から、やはり舌で、舐めとる。
「…ふぅ。終わり。よくできました」
「ありがとう…ございます…」
傍から見れば立派な調教プレイなのだが、
遥は自らこういうプレイを望むことはめったになかった。
今回も、澪の思いつきで、澪からお願いして、してもらっているのだ。
そして、こういうことをしている時の遥は、とにかくひたすらに、優しかった。
世のご主人様がみんな遥みたいだったら、世の他の人間はみんな奴隷になっているだろう、と、
自分がもはや、身も心も遥の奴隷になってしまっている事を感じつつ、ぼんやりと、思った。
これが全て「計算ずく」なら、自分はもう、すっかり、遥に堕とされている。
とたとたと、遥が階下の炊事場に、食器を運んでいく音が、聞こえる。
そして、一人。
ただただ、脱力。股間の、刺激。
535 淫魔と彼女 第5.5話 (3/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 21:59:28.13 ID:X3ML9/nb
再び、遥が戻ってくる、音がする。
「澪ちゃん、アイス持ってきたよ」
遥が手に持っていたのは、バニラの、アイスバーだった。
「食べさせて、あげるね」
澪が、少し口を開けると、バーの先を、少しだけ、その中に入れてくる。
澪は、ただただ、舐めとる。
「くふっ」
少し力が入ったため、股間の刺激が強くなり、少しだけ、吐息が漏れる。
気にせず、遥は、少しずつ、角度や面を変えながら、澪が舐めやすい位置にバーを動かし、
それを、澪はただただ、舐めていった。
「…なんか、エッチぃね、澪ちゃん。えへへ」
「…今更、言わないで下さい」
「えー、そんな事言ってると、えいっ!」
「あ、いやぁ!あぁん!」
遥が乳首の先を、ちょん、と指でつつく。
快感で体がよじれ、それでまた、力が股間に吸い取られていく作業が、始まる。
「…もう、いたずら、やめてください」
「えへへー」
遥が見せる、最大限の、サディズム。
優しすぎるご主人様の傍らで、ただひたすら、ゆるやかに過ぎていく時間と、ゆるやかな股間の責めを、
澪は、脱力する体に任せるまま、感じ取っていた。
「あー、澪ちゃん、そろそろ…」
「あ…そうですね…」
朝から始まったはずが、いつの間にか、午後1時に差し掛かろうとしていた。
本当に、このままずっといつづけられるな…と澪は思っていたが、
今日は、遥と買い物の約束なのだ。
「じゃ、そろそろ、モコちゃんへの『お願い』を、解いていただけると…」
「あ、ちょっと待って」
「え?」
ふと横を見て、澪は、驚いた。
536 淫魔と彼女 第5.5話 (4/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 22:02:27.43 ID:X3ML9/nb
「じゃーん。
澪ちゃんとおそろいだよ。えへへ」
ベッドの脇に立つ遥は、いつの間にか全裸になっており、その上で、自分のへそから伸ばした
触手の先がそのまま、モコちゃんスーツと全く同じ形になって、遥自らそれを履いていた。
「…え?」
…嫌な予感がする。
「何だか、澪ちゃん見てたら、私もやりたくなってきちゃった。
お出かけする前に、私も一緒にするよ。
一緒に気持よくなろ?えへへ」
「は、遥さん、それはもしかして、まずいのでは―」
「いっくよー、それっ…ひゃぁああっ!?」
掛け声と同時にその場にすっ転ぶ遥。
そしてそのまま、床に仰向けになり、足を開いた状態で、ガクガクと痙攣している。
「あ、ダメ、これ、イクッ、あっ、ちょっと、気持ち、い、イクッ、あふっ」
遥はすっかり忘れていたことだが、
ただモコちゃんからの刺激を感じているだけの澪とは違い、
遥の場合、スーツ自身が感じる刺激も、快感となって還ってくるので、
同じ事をした場合、遥の方がずっと刺激が強く、しかも、快感がグルグルと循環してしまう。
しかも―
「あ、あの、もしかしてそれ、妖液―」
「う、うん、イクたび、おしりの中に、入って、あふっ、イクッ、あぅっ」
イクたびに媚薬の妖液がお尻の中に発射されているようで、
どうやら、イクたびに、快感が増幅しているらしい。
「あ、あの遥さん、せめて、私の方、だけでも―」
「だ、だめ、考え、られない、止まら、ない、あっ、イクッ」
(こ、これっていわゆる、「嵌まり」…?)
隣でひたすらイキっぱなしの遥を横目に、澪もまた、体が自由になるすべを失い、
ただただ、股間からの刺激を受け続けるままでいるしか、なくなってしまった。
2人が解放されたのは、遥がイキ疲れたついでに自分のスーツが解けた、約3時間後のことであった。
537 淫魔と彼女 第5.5話 (5/5) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 22:05:24.44 ID:X3ML9/nb
「はぁ…」
澪はベッドの上で、遥は床の上で、それぞれ仰向けになったまま、ぐったりしていた。
特に遥は3時間ずっとイキっぱなしだったのだが、それでぐったりしている程度で済んでいるのだから、
さすがは淫魔という他はない。
「ま、また、自分の触手に、嵌っちゃった…」
「…またって、前も、やったんですか…遥さん」
「うん…何度か…」
「はぁ…」
既に、時計は午後4時を回っていた。
「…お買い物、って、時間じゃ、なくなりましたね…」
「そ、そうだね…はぁ…」
やれやれ、とお互いにため息をついていたところ、インターホンのチャイムが、鳴った。
「あれ?宅配便でしょうか…ちょっと、見てきますね、遥さん」
「うん…」
澪は、側にあったTシャツを羽織る。下半身はモコちゃんスーツのままだ。
ちょっと過激な恰好だが、まぁ宅配便くらいならいいか…と、部屋を出て、インターホンを覗きに行く。
「どなた、ですか?」
『おー澪!遊びに来たぞー!』
「え、絵理、さん?」
十数分後。
「ぎゃーはっはっは、なんだこれ、ぎゃあああ!うっひゃぁあーたまんねー!」
2人の話を聞いて羨ましくなった絵理は、澪のベッドで自分もおっぱじめ、動かない体にひたすら喜んでいた。
彼女のクリトリスから伸びた触手が、そのまますぐ下のヴァギナを埋めている。
後は、同じ『お願い』を、遥から自分の触手にしてもらっている。
「…何か、人によってずいぶん雰囲気、変わりますね」
「…そうだね」
なんとなく、自分たちがさっきまでしていた行為も、虚しいものに思えてきてしまった。
「…これから、どうする?澪ちゃん」
「とりあえず…私、お腹、空きました。下行って、何か、食べてきます」
「うん、じゃ、私も、行くよ。疲れた…」
大の字になったまま澪のベッドで動けなくなり、ギャーギャー騒いでいる絵理を尻目に、
澪と遥は部屋を出ていくのであった。
※管理人追記:これ以降はpixivへ移行されたようです。
淫魔と彼女 第五話
509 淫魔と彼女 第四話 (1/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 05:56:33.23 ID:X3ML9/nb
澪が、自分が退魔師であることを皆に明かした、その、直後。
皆と握手を交わした澪は、改めて皆と同じテーブルの席に座り直すと、彰にある提案を持ちかけた。
その顔は、さっきまでのにこやかなものと打って変わって、極めて、真剣である。
曰く、遥に必要な精は、すべて自分の霊力でまかなえるから、
遥と自分を、定期的に、エッチさせて欲しい、と。
ただし、自分が奴隷になったという件は、伏せていた。彰が知らない可能性があったし、
事実、彰は、遥が他人を奴隷にしていることを、知らなかった。
彰、遥、絵理の一同は、一様に驚いた。まぁ、絵理は「ほぇー」とつぶやいた程度だったが、
遥はまさか、そこまでの事を澪が考えているとは思っていなかったし、彰がどう反応するか、心配だった。
一番驚いていたのは彰だったが、
「うん…それは…
本気でそれを申し出てくれているのなら、正直、ありがたいかもしれない。
うん。ありがとう。むしろ、こちらから…どうか遥を、よろしく、お願いします」
と、テーブルに手をついて、澪に頭を下げた。
彰自身も、遥が淫魔としてまったく向かない性格をしていることはよくわかっていたし、
また、元は自分のせいだとはいえ、自分の彼女が多くの人間と臥所を共にするのは、あまりいい気がしていなかった。
その返事を聞くと、澪はようやくやわらかな表情に戻り、
「うふふ。じゃあ、ときどき、遥さんを、お借りしますね」
と、ニコッと微笑んだ。
「えーオレはー?」
「お前は俺に断らず勝手にヤッてるじゃないか。
もう、レイプとか過激なことをしなければ、いいよ」
「何だよそれー」
その後、彰と澪は、当人の遥を巻き込んで、いつ、どれくらいの間隔ですればいいか、の具体的な相談に入った。
「えーオレはー?」
「絵理さんはそんなの決めなくても、どうせ勝手にするじゃないですか」
「なんでみんなオレの扱いテキトーなんだよー」
結局、あんまりハイペースにしても大変だし、
どうせ絵理が相手をすることもちょくちょくあるだろうし、そこに澪が巻き込まれることもあるんだろうから、
とりあえず、2週間に一度くらいで様子を見よう、ということになった。
ちなみに、1人の女の子を3人の男女がどうシェアするか、
どういう日程間隔でセックスするか、という話を、
制服姿の3人と巫女装束の1人の高校生が真面目に話し合っている姿は、
恐ろしく周囲からの目を引いていたのだが、それに当人たちはまったく気づいていなかった。
510 淫魔と彼女 第四話 (2/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 05:59:22.33 ID:X3ML9/nb
それからしばらく経った後の、金曜日。
遥と澪は、学校からの道を、2人で歩いていた。
目指すは、澪の家。遥の手には、スポーツバッグに入った、お泊りセットがあった。
そう、初めての「定例日」だった。
澪は、夕暮れの坂道を下りながらふと、隣の遥を見やる。
いつもと、変わらない横顔。表情もいつもと変わらない、垢抜けはしないが、笑顔の可愛い、遥。
これから彼女とセックスをする、という状況があまりに現実感がなく、ただ頭の中がぼんやりしていた。
自分の使命感から突っ走ったこととはいえ、澪は自分の心の中に、何か引っ掛かりができているのを、感じていた。
したくないということではなく、ただどうにも、現実感に欠けるのだ。
隣でニコニコしている遥は以前と変わらぬ遥で、今までの、ただの親友であった彼女と、
何も変わっていないように錯覚させる。
だからどうも、自分の使命感や決意というものが、するっと抜け落ちてしまうような、そんな感覚に陥ってしまうのだ。
遥が、自分を見つめている澪に、気づく。
「…どうしたの?」
「い、いえ…自分で言い出したこととはいえ、どうにも、実感がわかなくて」
「…そうだね。実は、私もなんだ。えへへ」
そういうと、2人して、照れ笑いのような、苦笑いのようなものを浮かべる。
「そ、そういえば、絵理ちゃん、一緒に来るっていうかと思ってたけど、来なかったね」
「ええ。『初めてのときは2人がいいだろー?』ですって」
「そ、それは、余計な気の遣い方だね…」
「ええ。なんというか、あの人らしいです。うふふ」
確かに変な気遣いだと、澪はつい、その時の彼女の顔を思い出して、クスリとする。
「じゃ、今日は本当に、2人きりなんだ」
「ええ…あ、でも、『ハルカ』さんは、いらっしゃるんでしょ?」
「ううん、いないよ」
「えっ?」
澪の驚く反応に、遥は、苦笑いを浮かべる。
「今日はふて寝するから、絶対に呼ぶな、って。
どうも、澪ちゃんが退魔師だってわかってから、ちょっと避けてるみたい」
「そう、ですか…」
「うーん、でも、そのうちまた、仲良くしてくれると、思うよ」
「…そうですね。うふふ」
淫魔が退魔師に「仲良くしてくれる」というのがそもそも変なのだが、
遥が言うと、何となく、そういうものに思えてくる。
「今日は、夕飯どうする?また一緒に作る?」
「あ、今日は作りおきがあるので、できれば一緒に食べていただきたいんです。
どうしても一人だと、作りすぎてしまって。
もちろん、遙さんがよければ、ですけど」
「いいよ、もちろん!
じゃあ、今日はさっさとお風呂入って、パジャマに着替えてからご飯食べよっか」
「そうですね、それが良さそうですね」
澪は、そして遥も、今日が特別な日であることすら、いつの間にかすっかり忘れ、
まるでただの「お泊り会」であるかのような会話をしながら、ただただ、澪の家への道を、歩いていた。
511 淫魔と彼女 第五話 (3/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:01:24.28 ID:X3ML9/nb
※ スイマセン、コピペミスで、さっきまでタイトルが間違ってました。
-----
「じゃ、食べましょうか」
「うん!」
帰り道での相談の通り、彼女たちはパジャマに着替えた後、澪の部屋でご飯を食べようとしていた。
和風な雰囲気のする澪のイメージからすると意外なことに、彼女の部屋はピンクを基調にコーディネートされ、
入って右に大きめのシングルベッド、左奥に小さな勉強机があって、いかにも「女の子の部屋」であった。
2人は、空いている左手前のスペースに折りたたみ式のテーブルを出し、その上にご飯を並べ、向い合って座っていた。
「いっただっきまー…あれ?」
「…どうしたんですか?遥さん」
遥は、手を合わせている澪の左手を見ていた。
その左手首が、真っ赤なもので覆われている。
「…モコちゃん?」
「あ、はい」
普段、澪は左腕にモコちゃんをくっつけていることが多い。
左腕で都合のいい位置に移動させ、あとはモコちゃんが意の向くまま、自由にさせているのだが、
現在は、左手首にぐるっと巻き付き、余った部分が左手の甲にぺったり貼り付いていた。
「なんかそれ、くのいちが、手にはめてるヤツみたい」
「ああ、手甲ですね」
「そう、それ!あ、澪ちゃんの巫女の恰好に合いそうじゃない?」
「あはは、言われてみれば、そうかもしれませんね」
「うん!何か、かっこいいよ」
確かに、澪がいざというときに履く真紅の袴に、色合いがピッタリとマッチしていた。
そのまま着けていって手甲だと言い張っても、確かに他の退魔師にバレないかも…などと、澪はぼんやり想像していた。
「いつもそこにしているの?」
「外にいるときや、人に見られたくないときは袖の奥に引っ込めてるんですけど、
普段は、私もモコちゃんも、ここが一番落ち着くみたいです。
それにここだと、いろいろ便利なんですよ。
例えばね、ほら」
と言うと、澪は左の人差し指を、目の前のお箸に向けた。
同時に、モコちゃんから細い触手が伸び、人差し指に巻き付き、
そのままお箸に向かって伸びていくと、お箸に巻き付いて、しゅるしゅると縮んだ。
「…すごーーーい」
遥が驚嘆の声をあげる。
澪は、人差し指をぴんと上に立てて、その上で、モコちゃんの触手を使って、お箸をくるくると回していた。
「そっかー。指から触手が伸びるってのも、便利なんだね。
私もちょっとやってみる」
「えっ?」
「えへへ。私ね、最近、ちっちゃい触手だったら、おヘソ以外のどこでも生やせるようになったんだ」
そういうと、遥は右の人差し指をお箸に向け、んんっ、と力を込める。
つま先から、細い触手がしゅるっと伸び、お箸に向かっていく。
…しかし、その触手は、お箸に絡まって持ち上げたかと思うと、そのままカランと落としてしまった。
澪が見やると、遥は、左手で右指を押さえ、プルプルと震えている。
「ど、どうしたんですか?」
「…私、ダメだ。これ、感じちゃう…」
「…あはは。私とモコちゃんの、勝ちですね」
512 淫魔と彼女 第五話 (4/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:04:25.77 ID:X3ML9/nb
食事も終え、テーブルもしまって、何となく雑談で時間を潰していた2人だが、だんだんと、することもなくなった。
2人はなんとなく、ベッドを背もたれにして、並んで腰掛けている。
ただ、無言。
これが恋人同士の初めての時間なら、ちょっと顔を赤らめたり、もじもじしたり、
チラチラと横目で相手を見たり、ムズムズするようなムードを漂わせるのかもしれないが、
この2人には、まったくそういうものは、なかった。
ただ2人して、ぼーっと、座っている。
「…なかなか、気分出ないですね……」
「うん…」
それは、そうだ。
互いに恋愛感情もなければ、共に同性への興味もない。
ましてや澪は、セックス自体初めてなのだ。『契約』は性的ではあったが、あれはセックスと呼ぶには程遠い代物だった。
絵理なら行為そのものへの興味で突っ走れるのかもしれないが、それもまた、この2人には縁遠いものだった。
どうにも、する、という雰囲気に、ならない。
「ねぇ澪ちゃん、無理にすることも、ないし…今日は、このまま一緒に、寝ない?」
「うーん、でも…
今日しないと、結局いつまでも、しないような、気がします」
「うん…それはそうかも、しれない…
でもさ。別に、澪ちゃんがしてくれなくても、私ががんばって他の人とすれば、いいんだから」
「ううん、だめです。
遥さんに他の人とあんまりしてほしくないから、私がすることにしたんです。
ただ…きっかけというか、踏ん切りというか、そういうのが、ないかなぁって」
そう…きっかけ。
きっと、自分たちが、あまりにも今までの自分たちと同じだから、しよう、という気にならないのだ。
それを変える…きっかけ…?
ふと、澪は隣の遥を、見やる。
そこにはやはり、今までと何も変わらない、遥の横顔があった。
「あ…」
澪は、気づいた。
違う。
必要なのは「変える」きっかけじゃ、ない。
「変えない」ための、きっかけ。
そうだ。
そう、そうだった。
ちゃんと覚えていたようで、全然覚えていなかった。
自分が、遥とセックスしなければならない、理由。そしてそのための、決意。
「…どうしたの、澪ちゃん?」
「あの…
今晩だけ、ご主人様と呼んで、いいですか? 遥さん」
513 淫魔と彼女 第五話 (5/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:07:22.37 ID:X3ML9/nb
「え?そんな、やめてよ澪ちゃん」
「いえ…呼ばせてください。
そう呼ぶと、あのときの決意を、思い出せるような、気がするんです」
そう、あのとき。
遥が淫魔に取り込まれたことは、知っていた。
しかし、あのとき。
純真なる遥の心と、邪なる淫魔の存在。
その相容れない2つが混ざった先に、破滅しかなくなっていたことを、知った。
そして―
『オレは、ご主人様が望む限り、ご主人様の、親友、で、い続けるんだ』
遥の破滅と共に、絵理の魂もまた、堕ちる。
遥を、救わなければならない。
絵理を、救わなければならない。
そのために。
遥の心を取り込んだ淫魔に、奴隷として自らの魂を捧げ、
その上で、淫魔の中に取り残された遥の心を、未来永劫、護り抜く。
―それが、対魔師・乃坂澪に残された、たった1つの、勝利条件。
「うん、そう、そう、うん…」
そうだ。
私は遥に、魂を捧げたのだ。
私は遥に、忠誠を誓ったのだ。
今隣にいる、「何も変わらない」遥に。
そして私は、
魂が朽ちるまで、遥のものとなって、
魂が朽ちるまで、遥のために闘い続ける。
今隣にいる遥を「変えない」ために。
「澪、ちゃん?」
「…気持ち、固まりました。しましょう。ご主人様」
514 淫魔と彼女 第五話 (6/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:10:22.75 ID:X3ML9/nb
「え、えーと…」
「あの、SMプレイがしたいとか、そういうんじゃ、ないんですよ?」
「じゃ、じゃあ、私は、どう呼べば…?」
「ご主人様はいつもどおりで、いいんです」
「そ…そう。わかったよ、澪ちゃん。
ちょっと、恥ずかしいけど…」
「うふふ。たまには、いいじゃないですか。こういうのも」
澪はそう言うと、遥の体に体重を預けた。
遥の肩に、自分の頭を乗せる。
「優しくしてくださいね。ご主人様…
誰かとこういう事するの、一応、初めてですし…その…後ろ、ですから…」
「う、うん。わかったよ。澪ちゃん。
…大丈夫。任せて。こないだみたいには、しないよ」
「あはは、アレはもう、コリゴリです」
2人はそう言うと、互いに顔を向かい合い、
軽くて、優しい、キスをした。
515 淫魔と彼女 第五話 (7/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:13:26.07 ID:X3ML9/nb
「はぁん、あぁん、はふっ」
澪は、ベッドの上に仰向けになり、両手でシーツをきゅっと握って、快感に耐えていた。
遥はその上にまたがり、四つん這いの恰好で上下に移動しながら、ただひたすら、澪に奉仕している。
それは、とてもとても、優しい、愛撫。
澪の全身を、かすかなかすかな快感が、包み込むように覆っていた。
「あ、モコちゃん…」
遥は、澪の左手をみやる。モコちゃんはそこに、やはり澪の手甲のように貼り付いていた。
「モコちゃんは、どうする?」
「…このままで。
ここにくっついていてもらうと、なんだか安心感があるんです」
「そっか。えへへ。カワイイね。モコちゃん」
遥は右手で、モコちゃんを撫でてあげた。
「…そういえば…ご主人様こそ、触手、使わないんですか?」
澪はふと、遥が一切触手を使っていないことに気がついた。
「あ、だって、澪ちゃん、バージンだし…」
触手から出る妖液は、処女には強力すぎる媚薬になる。
以前の『契約』のとき、澪が飲んでのたうちまわっていたのを、遥は気にしていた。
「ああ…大丈夫ですよ。気にしなくても」
「え?」
「…私達退魔師は、淫魔を退治するときにそういうのを浴びてもいいように、
自らの霊力で妖気を抑え込むことができますし、そのための訓練も積んでいるんです。
こないだは儀式を成功させるため、敢えてそういうことをしなかっただけで、
今なら、大丈夫ですよ。自分で、快感を、調節できます」
「そ、そうなの?」
「ええ…せっかくだから、試してみますか?
私に、その液を、飲ませてください」
澪が強く言うので、恐る恐るながら、遥はへそから触手を伸ばし、澪にくわえてもらう。
そして、気持ちよくなるように、自分を愛撫する。澪も、ぎこちない手つきで触手をさすったり、
触手の先を、舐めたりしている。
「あ、イク、イクよ、うううっ」
遥がたまらず発射するのを、澪は口内で受け止め、そのまま、咽下する。
そして、目をつぶり、頭を静かに反らせて、ぐっ、と、耐える仕草をした。
両手をギュッと握り、しばらく全身に力を込めて固まっていたが、
しばらくすると、ふぅ、と力を抜いて、遥を見やった。
「激しくならない程度に、快感を抑えてみました。
…ね?大丈夫でしょ?」
そういう澪の顔は赤く上気し、とろんととろけてはいるが、確かに、十分に耐えられる状態のようだ。
むしろ、遥が自分で飲んだ時のほうが、もっとフラフラになっている。
「す、すごいね…」
「本当に強い淫魔が放つ液だと、これでは全く効かないんですけど。
今のご主人様のだったら、大丈夫です」
「…なんか、私、弱いって言われてるみたい」
「うふふ。強くなってくださいね。ご主人様」
拗ねる遥に、優しく微笑む、澪。
516 淫魔と彼女 第五話 (8/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:16:27.87 ID:X3ML9/nb
澪自身の力で適度に抑え込まれつつも、妖液の効果はそれなりにあったようで、
すっかり澪の体から力が抜け、全身がとろけていた。
「…うん。じゃあ、そのまま、気持よく、なって、澪ちゃん」
と言うと、遥は澪の上に四つん這いになったまま、へその触手の先を、彼女の下半身に伸ばしていった。
「やさしく、してあげるね」
触手は、クリトリスの上に到達すると、その先がペタっと平べったくなり、
そのまま股間全体を覆うように、その先に伸びていく。
そうして、その覆われた下で、澪の股間にある様々な隙間を、触手から細かい毛が伸び、まるでスライムのように、
溶けこむように、埋めていく。
クリトリスは、その包皮の下に入り、優しく包み込まれる。
ヴァギナは、そのひだの1つ1つが包まれ、その筋の中に少しだけ、染み入るように、入り込む。
「はぁ…」
澪が甘い声を出す。
そして、先端がアナルに到達すると、先が糸のように細くなる。
「あ…」
「大丈夫、今日は、痛くしないから」
そして、しゅるっと内側に潜り込むと、中でばっと傘が開くように、広がった。
そのまま、内と外の両側からきゅっとすぼまり、穴を挟み込む。
「あぁっ」
そして、穴のヒダのすべてに、溶けるように埋まっていき、触手と穴が、融合する。
「…どう?痛くないでしょ?」
「はい…とても、気持ち、いいです…」
おしりの疼くような快感に、澪は身をよじらせた。
「じゃあ、このまま、気持よくしてあげるね」
「はぃ…ああっ、ああああん」
股間を包み込んでいた触手全体が蠕動し、澪の、クリトリスと、ヴァギナと、アナルすべてに、
かすかな刺激を与え続ける。
「あぁ…きも…ち…いい…あぁん」
そのまま、股間の疼きを自ら全身に伝えるように、みじろぎ、よがり、体をくねらせた。
息が、荒くなる。顔が、火照る。
股間から、全身に、疼きが、広がる。
「ね、ねぇ…ご主人様…」
「何?ど、どこか痛かった?澪ちゃん」
「違います…すごく…気持ちいいんですけど…でも、
私ばっかり気持ちよくなってて…ちょっと申し訳なくて…」
とろけた表情で遥を見つめる、澪。
「ああ、なんだぁ…
じゃあ、こんなの、どうかな」
517 淫魔と彼女 第五話 (9/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:19:26.09 ID:X3ML9/nb
次の瞬間、お尻の穴の上で止まっていた触手が、その中に先がすぼまったまま、
更に上を覆うようにして伸び、お尻の谷間を割り、
尾てい骨から二手に割れて、前に回り込み、前側の触手と融合した。
更に、お尻を割る触手から触手の膜がにじみ出て、お尻全体を覆う。
さながら、触手でできた真っ赤なハイレグショーツだ。
そして、遥のへそから澪のクリトリスの上に伸びていた触手が、
そのままクリトリスの方から、澪のお腹にぺったりと張り付いていき、
平べったい布地のようになって澪のお腹の中央を覆っていき、
そのまま、澪のおへその中に入りこみ、おへその中で膨らみ、
そして、外からも覆うようにぺったりと吸い付いて、おへそと融合した。
澪のおへそが、まるで遥のおへそと、触手でつながれたようになった。
「あぁん…あ、ご主人様も…」
澪が遥の下半身を見ると、遥も澪と全くお揃いの恰好になっていた。
赤い触手のハイレグショーツを履き、そこから、おへそに向かって布地が伸びている。
「えへへ。今、澪ちゃんと私、おそろいだよ。
2人のショーツ、澪ちゃんのところで動いたとおりに私のところでも動いて、
澪ちゃんと、全く同じ快感を、私も味わうの」
2人の触手ショーツがぶるぶると震えている。
そして、遥の触手がしゅるしゅると遥のおへそに引っ込み始め、
2人は、おへそでくっつく形になった。
「どう?…うん…今、私達…1つに…なったよ…」
「あ…とっても、とっても…気持ちいい…ご主人様…」
遙と澪は、ほとんど背格好も同じで、体型も同じだ。
若干、遥の胸は下側に豊かで、逆に澪の胸は上側にツンと向いており、
また、遥のお尻は少し膨らんでいて、澪のお尻は少し引き締まっている、という違いはあるが、
その他は、まったく瓜二つの体型をしていた。
それゆえ、お揃いの格好をして、おへそでくっついた2人は、綺麗な線対称を描いていた。
「じゃ、ここも、1つになろっか」
と遥が言うと、遥の左胸の乳輪の周りから、しゅわしゅわと赤く柔らかい物体が湧き出し、
そのまま、遥の乳輪を包み込んだ。
そして、その先からしゅるっと赤い紐が澪の右胸めがけて伸び、その先端を捉え、くわえ、吸い付き、乳輪と融合した。
「あっ、あんっ?」
その紐は澪の右乳首をつまむようにして引っ張り、そのまま縮んで、
遥と澪の乳首をつなぐ、赤くて太く短い幹となった。
そして反対側の胸も同じく、繋がれる。
2人の胸が、融合した。
ぺたっと、澪の胸の上に自身の胸を下ろす、遥。
「あっ…気持ち…いいです…」
「えへへ。これで、私と澪ちゃん、胸の快感も、一緒になったよ。
じゃ、ついでに、ここも…」
次の瞬間、遥のクリトリスから赤い触手が伸びて澪のクリトリスに吸い付き、
同じく縮んで、2人のクリトリスをつなぐ、太く短い幹となる。
「はぁん!?」
吸われた勢いで、澪の腰が跳ね上がる。
それをそのまま、遥の腰が上から押さえ、くっつき、ベッドの上に、押さえ込んだ。
518 淫魔と彼女 第五話 (10/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:22:27.94 ID:X3ML9/nb
「ね、澪ちゃん…私達…いっぱいいっぱい…1つになったよ。
一緒に、感じよ、ね?」
「え、ええ、ご主人、さま…あぁん!」
2人の両胸、へそ、クリトリスをつなぐ4本の触手が、同時に蠕動し始め、
2人に同じ快感を供給する。
そして、2人のお尻のすぼまりと融合していた触手も、2人のお尻で全く同じ動きを始める。
「はぁっ、ああっ、あん、あふんっ」
「ね、あぁん、気持ち、いい、でしょ?」
「はい、あぁっ、すごく、いい、ですっ、あぁっ」
それぞれの5箇所に吸い付く触手の動きが段々と激しくなり、
そして、それぞれのお尻を大きく包み込む触手の膜が、細かく、しかし激しく震えるようにウネウネと動き、
2人の肌を刺激する。
「はぁっ、い、いきそう、です…」
「あっ、私も、イク、いくよ、ねぇ、ふたりで、イこ?」
「はぃ、はぁ、あっ、ダメ、イク、イク、ぁあああああああああぁん!」
「私、も、イク、イクっ、ふぁぁああああああああああん!」
ほぼ同時に2人の体が跳ね、頭が同時にそれ、がくがくと震え、そして、同時に、がくっ、と力尽きた。
「はぁ…はぁ…イッちゃいました…」
「うん…一緒にイケたね…澪ちゃん…」
「ええ…何だか幸せ…です…ご主人…さま…」
2人は同時にイッた後も、その余韻から逃れるのが名残惜しく、互いの体をよじりながら、
ずっと抱き合い、つながった互いの感触を確かめ合っていた。
そして、遥が澪に抱きついたまま横倒しになり、そのまま澪も引っ張られるようにして、
澪が右を、遥が左を下にして横になり、再び、互いの肌を、密着させた。
見つめ合う、2人。
「…えへへ。気持ちよかった」
「…はい。とっても。うふふ」
そして、互いに強く抱き合う。2人の両胸と、おへそと、クリトリスは、つながれたままだ。
それを互いに確かめ合うように、少しよじっては、互いの体を引っ張り、かすかな快感を、わかちあう。
そして、互いの肌を確かめ合うように、お互いの体を、すり合わせる。
そして、抱き合い、繋がりあったまま、いつしか2人とも、スヤスヤと、眠りに落ちていった。
519 淫魔と彼女 第五話 (11/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:25:24.81 ID:X3ML9/nb
朝、澪が目覚めると、目の前で、遥がこちらを眺めていた。
体は、昨晩の状態のままだ。
「おはよう、澪ちゃん」
「…おはようございます…ご主人様」
「昨日、どうだった?澪ちゃん」
「…その…とても…良かったです。
また、2人のときは、あんな風に、してくれますか?」
「うん、もちろんだよ。澪ちゃん」
えへへ、とはにかむ、遥。
その後も2人は、それからもしばらく、互いにつながっている感じを互いに味わいながら、
少し身じろぎしたりして、もどかしそうにしていた。
「―そろそろ、起きよっか。
…ね、もう、『遥さん』に、戻してよ」
「うふふ…そうですね、『遥さん』」
ちょっと恥ずかしそうに言う遥に、澪は微笑んで応じた。
次の瞬間、2人の体を包んでいた触手がしゅるしゅると音を立てて縮み、遥の体内へと入っていった。
同時に上体を起こし、んっ、と、同時に伸びをする、2人。
「はー、気持ちよかった。
…あれ、どうしたの?」
「いえ…何だかちょっと、さみしいな、って。
さっきまで、遥さんにつながって、包まれてる、って感じがしてて、
すごく、心地良かったので」
両手で腰やお尻をさすりながら、澪がつぶやく。
「そっか…あ、いいこと思いついた。
ね。ちょっと、そのへんに、立ってくれる?澪ちゃん」
「え?え、ええ…」
遥は、ベッドから1,2歩離れたところに、澪を立たせた。
「じゃ…こっちおいで、モコちゃん」
「―え?」
すると、今まで澪の左手に巻き付いていたモコちゃんが、
突如空中に跳ねたかと思うと、遥が上に向けた両手のひらの中に、すぽん、と収まった。
520 淫魔と彼女 第五話 (12/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:28:52.42 ID:X3ML9/nb
「遥さん…モコちゃんを操れたんですか?」
「うん。前にお姉さまに教えてもらったんだけど、奴隷の触手は主が自由に操れるんだって」
(…そうか。そういうこと、だったんですね…)
澪は『契約』のことを思い出し、一人合点していた。
澪は、『契約』の文言を、一言一句、正確に記憶していた。
その中の、一節。
『我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします』
『ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします』
つまり。
奴隷の体に寄生する触手は、主が意のままに操れる。
そして恐らく、主が操っている間、奴隷は触手を全く操れない。
そうして、触手が、
奴隷の体の自由を、主の意のままに奪い、
奴隷に対して常に主の存在を誇示し、意識させ、
そして、奴隷を精神的に屈服させる。
それが、奴隷の体と一つになる触手が「支配・服従を、完全なものとする」という意味なのだ。
ふと、そんなことを考えていた澪の前で、遥が続けた。
「でもね。…私そんな事言われても、ピンとこなくって。
例えば絵理ちゃんの触手を自由に操れるって言われて、何に使おうかなって考えた時に、
ちょっといたずらしてびっくりさせられるかも、とか、
どこに絵理ちゃんがいても操作できるみたいだから、何かの伝言や合図に使えるかもとか、
そんなことは考えたんだけど…別に大して役に立たないし、意味ないなぁ、って」
「…そう、ですね」
そう、そうなのだ。
これこそ、遥なのだ。
「絵理の触手を自由に操れる」という事実が、絵理に対する支配欲、加虐欲をかきたてるような、
そんな遥にしては、いけない。
この、純真な遥を、守る。
それが、乃坂澪の、使命なのだ…
「でもね。今、私―」
「―え?」
遥の手の中のモコちゃんが、突然、動き出す。
「え、えっ?きゃあああああ!?」
「初めて、役に立つ使い方、思いついちゃった」
モコちゃんが、澪に襲いかかった。
521 淫魔と彼女 第五話 (13/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:31:39.64 ID:X3ML9/nb
「きゃああああああ…あ、あれれ…?」
モコちゃんは澪の腰の周りにまとわり付くと、包み込むように広がり、そして、固まった。
それは… 一風変わった形の、真っ赤なビキニショーツだった。
前から見ると、布地面積が小さくて露出度が高く、
上側のラインが、ハイレグの腰からするどくV字に切れ込み、澪の下半身をギリギリまで露出している。
しかし後ろからみると、澪のお尻と腰を大きく包み込み、
上側は、前面のV字のカットから伸びるラインが、そのまま背中に回りこんで、腰の上方で逆のV字を形成し、
そのまま、全体が背中にぺったりと張り付いている。
お尻の部分は割れ目に食い込み、その谷の奥底まで、皮膚にピッタリ張り付いて、臀部を完全に覆っている。
そして、外からは普通のショーツと同じように見える股間の布地だが、
その裏地は、澪の股間のあらゆる隙間を埋め尽くしていて、
クリトリスを包皮の中に潜り込んで包み、
ヴァギナのヒダの1つ1つを優しくくるみ、
そして、おしりの穴のヒダの1つ1つに、外側と内側の両方から埋まるように潜り込み、完全に融合していた。
「えへへ。私からの、プレゼント」
「は、遥さん…」
「昨日のイメージで、ちょっとデザインにアレンジは加えてみたんだけど、どうかな。
…ちょっと、エッチい、かな」
遥が無邪気に、澪の顔を覗き込む。
澪は、自分の下半身を包んでいるそのショーツの様子をちろちろと見回すと、
歩いて姿見の前に移動し、腰に両手を当て、まるで水着の試着をしているかのように、
鏡を見ながら後ろに向いたり前に向いたりして、自分の姿を確かめた。
さらに反ったり、屈んだりして、装着感を確かめている。
「…かなり、大胆な、気がしますし、
…たまにちょっと、モコちゃんが勝手に動いたりして、股間がムズムズしますけれど。
でも、なんだか、包まれてるって、感じがします。
…うん。何だか、ステキです。私、これ、気に入りました」
澪が、遥に向かって、微笑む。
「ほんと?じゃあ…
今、モコちゃんに『このカタチを憶えて』って私からお願いしたから、
きっと澪ちゃんがお願いしたら、いつでもモコちゃんがこの形になってくれるよ。
気に入ってくれて、嬉しいな。えへへへ」
いつもの調子で遥ははにかんだ。
「うん…うん…うふふ…ありがとうございます。ご主人様…」
澪は、自分が幸福感に満たされているのを、感じていた。
そしてこの日以降、澪は時折、モコちゃんを「履いて」学校に来るようになった。
522 淫魔と彼女 第五話 (14/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:38:30.18 ID:X3ML9/nb
おまけ。
ある日の学校、昼休み。
絵理と澪が、机を向かい合わせにして、お弁当を食べている。
遥は今日は彰のお相手だ。
「なー、みおー」
「…なんです?」
「へっへっへー…うりゃー!」
机の下で、絵理の股間から、真っ赤な触手が一直線に澪のスカートの下に伸びていく。
「そーれうりうりう…ありゃ?」
澪の股間にちょっかいを出そうとした絵理の触手だったが、
なぜか澪の下着は、弾力はあるが固く、しかも肌にピッタリと貼り付き、触手が付け入る隙が全くない。
ふふん、と澪は鼻を鳴らし、
余裕しゃくしゃくといった表情で絵理を睨めながら、一言、その技名を発した。
『モコちゃん・ガード』
澪が、自分が退魔師であることを皆に明かした、その、直後。
皆と握手を交わした澪は、改めて皆と同じテーブルの席に座り直すと、彰にある提案を持ちかけた。
その顔は、さっきまでのにこやかなものと打って変わって、極めて、真剣である。
曰く、遥に必要な精は、すべて自分の霊力でまかなえるから、
遥と自分を、定期的に、エッチさせて欲しい、と。
ただし、自分が奴隷になったという件は、伏せていた。彰が知らない可能性があったし、
事実、彰は、遥が他人を奴隷にしていることを、知らなかった。
彰、遥、絵理の一同は、一様に驚いた。まぁ、絵理は「ほぇー」とつぶやいた程度だったが、
遥はまさか、そこまでの事を澪が考えているとは思っていなかったし、彰がどう反応するか、心配だった。
一番驚いていたのは彰だったが、
「うん…それは…
本気でそれを申し出てくれているのなら、正直、ありがたいかもしれない。
うん。ありがとう。むしろ、こちらから…どうか遥を、よろしく、お願いします」
と、テーブルに手をついて、澪に頭を下げた。
彰自身も、遥が淫魔としてまったく向かない性格をしていることはよくわかっていたし、
また、元は自分のせいだとはいえ、自分の彼女が多くの人間と臥所を共にするのは、あまりいい気がしていなかった。
その返事を聞くと、澪はようやくやわらかな表情に戻り、
「うふふ。じゃあ、ときどき、遥さんを、お借りしますね」
と、ニコッと微笑んだ。
「えーオレはー?」
「お前は俺に断らず勝手にヤッてるじゃないか。
もう、レイプとか過激なことをしなければ、いいよ」
「何だよそれー」
その後、彰と澪は、当人の遥を巻き込んで、いつ、どれくらいの間隔ですればいいか、の具体的な相談に入った。
「えーオレはー?」
「絵理さんはそんなの決めなくても、どうせ勝手にするじゃないですか」
「なんでみんなオレの扱いテキトーなんだよー」
結局、あんまりハイペースにしても大変だし、
どうせ絵理が相手をすることもちょくちょくあるだろうし、そこに澪が巻き込まれることもあるんだろうから、
とりあえず、2週間に一度くらいで様子を見よう、ということになった。
ちなみに、1人の女の子を3人の男女がどうシェアするか、
どういう日程間隔でセックスするか、という話を、
制服姿の3人と巫女装束の1人の高校生が真面目に話し合っている姿は、
恐ろしく周囲からの目を引いていたのだが、それに当人たちはまったく気づいていなかった。
510 淫魔と彼女 第四話 (2/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 05:59:22.33 ID:X3ML9/nb
それからしばらく経った後の、金曜日。
遥と澪は、学校からの道を、2人で歩いていた。
目指すは、澪の家。遥の手には、スポーツバッグに入った、お泊りセットがあった。
そう、初めての「定例日」だった。
澪は、夕暮れの坂道を下りながらふと、隣の遥を見やる。
いつもと、変わらない横顔。表情もいつもと変わらない、垢抜けはしないが、笑顔の可愛い、遥。
これから彼女とセックスをする、という状況があまりに現実感がなく、ただ頭の中がぼんやりしていた。
自分の使命感から突っ走ったこととはいえ、澪は自分の心の中に、何か引っ掛かりができているのを、感じていた。
したくないということではなく、ただどうにも、現実感に欠けるのだ。
隣でニコニコしている遥は以前と変わらぬ遥で、今までの、ただの親友であった彼女と、
何も変わっていないように錯覚させる。
だからどうも、自分の使命感や決意というものが、するっと抜け落ちてしまうような、そんな感覚に陥ってしまうのだ。
遥が、自分を見つめている澪に、気づく。
「…どうしたの?」
「い、いえ…自分で言い出したこととはいえ、どうにも、実感がわかなくて」
「…そうだね。実は、私もなんだ。えへへ」
そういうと、2人して、照れ笑いのような、苦笑いのようなものを浮かべる。
「そ、そういえば、絵理ちゃん、一緒に来るっていうかと思ってたけど、来なかったね」
「ええ。『初めてのときは2人がいいだろー?』ですって」
「そ、それは、余計な気の遣い方だね…」
「ええ。なんというか、あの人らしいです。うふふ」
確かに変な気遣いだと、澪はつい、その時の彼女の顔を思い出して、クスリとする。
「じゃ、今日は本当に、2人きりなんだ」
「ええ…あ、でも、『ハルカ』さんは、いらっしゃるんでしょ?」
「ううん、いないよ」
「えっ?」
澪の驚く反応に、遥は、苦笑いを浮かべる。
「今日はふて寝するから、絶対に呼ぶな、って。
どうも、澪ちゃんが退魔師だってわかってから、ちょっと避けてるみたい」
「そう、ですか…」
「うーん、でも、そのうちまた、仲良くしてくれると、思うよ」
「…そうですね。うふふ」
淫魔が退魔師に「仲良くしてくれる」というのがそもそも変なのだが、
遥が言うと、何となく、そういうものに思えてくる。
「今日は、夕飯どうする?また一緒に作る?」
「あ、今日は作りおきがあるので、できれば一緒に食べていただきたいんです。
どうしても一人だと、作りすぎてしまって。
もちろん、遙さんがよければ、ですけど」
「いいよ、もちろん!
じゃあ、今日はさっさとお風呂入って、パジャマに着替えてからご飯食べよっか」
「そうですね、それが良さそうですね」
澪は、そして遥も、今日が特別な日であることすら、いつの間にかすっかり忘れ、
まるでただの「お泊り会」であるかのような会話をしながら、ただただ、澪の家への道を、歩いていた。
511 淫魔と彼女 第五話 (3/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:01:24.28 ID:X3ML9/nb
※ スイマセン、コピペミスで、さっきまでタイトルが間違ってました。
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「じゃ、食べましょうか」
「うん!」
帰り道での相談の通り、彼女たちはパジャマに着替えた後、澪の部屋でご飯を食べようとしていた。
和風な雰囲気のする澪のイメージからすると意外なことに、彼女の部屋はピンクを基調にコーディネートされ、
入って右に大きめのシングルベッド、左奥に小さな勉強机があって、いかにも「女の子の部屋」であった。
2人は、空いている左手前のスペースに折りたたみ式のテーブルを出し、その上にご飯を並べ、向い合って座っていた。
「いっただっきまー…あれ?」
「…どうしたんですか?遥さん」
遥は、手を合わせている澪の左手を見ていた。
その左手首が、真っ赤なもので覆われている。
「…モコちゃん?」
「あ、はい」
普段、澪は左腕にモコちゃんをくっつけていることが多い。
左腕で都合のいい位置に移動させ、あとはモコちゃんが意の向くまま、自由にさせているのだが、
現在は、左手首にぐるっと巻き付き、余った部分が左手の甲にぺったり貼り付いていた。
「なんかそれ、くのいちが、手にはめてるヤツみたい」
「ああ、手甲ですね」
「そう、それ!あ、澪ちゃんの巫女の恰好に合いそうじゃない?」
「あはは、言われてみれば、そうかもしれませんね」
「うん!何か、かっこいいよ」
確かに、澪がいざというときに履く真紅の袴に、色合いがピッタリとマッチしていた。
そのまま着けていって手甲だと言い張っても、確かに他の退魔師にバレないかも…などと、澪はぼんやり想像していた。
「いつもそこにしているの?」
「外にいるときや、人に見られたくないときは袖の奥に引っ込めてるんですけど、
普段は、私もモコちゃんも、ここが一番落ち着くみたいです。
それにここだと、いろいろ便利なんですよ。
例えばね、ほら」
と言うと、澪は左の人差し指を、目の前のお箸に向けた。
同時に、モコちゃんから細い触手が伸び、人差し指に巻き付き、
そのままお箸に向かって伸びていくと、お箸に巻き付いて、しゅるしゅると縮んだ。
「…すごーーーい」
遥が驚嘆の声をあげる。
澪は、人差し指をぴんと上に立てて、その上で、モコちゃんの触手を使って、お箸をくるくると回していた。
「そっかー。指から触手が伸びるってのも、便利なんだね。
私もちょっとやってみる」
「えっ?」
「えへへ。私ね、最近、ちっちゃい触手だったら、おヘソ以外のどこでも生やせるようになったんだ」
そういうと、遥は右の人差し指をお箸に向け、んんっ、と力を込める。
つま先から、細い触手がしゅるっと伸び、お箸に向かっていく。
…しかし、その触手は、お箸に絡まって持ち上げたかと思うと、そのままカランと落としてしまった。
澪が見やると、遥は、左手で右指を押さえ、プルプルと震えている。
「ど、どうしたんですか?」
「…私、ダメだ。これ、感じちゃう…」
「…あはは。私とモコちゃんの、勝ちですね」
512 淫魔と彼女 第五話 (4/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:04:25.77 ID:X3ML9/nb
食事も終え、テーブルもしまって、何となく雑談で時間を潰していた2人だが、だんだんと、することもなくなった。
2人はなんとなく、ベッドを背もたれにして、並んで腰掛けている。
ただ、無言。
これが恋人同士の初めての時間なら、ちょっと顔を赤らめたり、もじもじしたり、
チラチラと横目で相手を見たり、ムズムズするようなムードを漂わせるのかもしれないが、
この2人には、まったくそういうものは、なかった。
ただ2人して、ぼーっと、座っている。
「…なかなか、気分出ないですね……」
「うん…」
それは、そうだ。
互いに恋愛感情もなければ、共に同性への興味もない。
ましてや澪は、セックス自体初めてなのだ。『契約』は性的ではあったが、あれはセックスと呼ぶには程遠い代物だった。
絵理なら行為そのものへの興味で突っ走れるのかもしれないが、それもまた、この2人には縁遠いものだった。
どうにも、する、という雰囲気に、ならない。
「ねぇ澪ちゃん、無理にすることも、ないし…今日は、このまま一緒に、寝ない?」
「うーん、でも…
今日しないと、結局いつまでも、しないような、気がします」
「うん…それはそうかも、しれない…
でもさ。別に、澪ちゃんがしてくれなくても、私ががんばって他の人とすれば、いいんだから」
「ううん、だめです。
遥さんに他の人とあんまりしてほしくないから、私がすることにしたんです。
ただ…きっかけというか、踏ん切りというか、そういうのが、ないかなぁって」
そう…きっかけ。
きっと、自分たちが、あまりにも今までの自分たちと同じだから、しよう、という気にならないのだ。
それを変える…きっかけ…?
ふと、澪は隣の遥を、見やる。
そこにはやはり、今までと何も変わらない、遥の横顔があった。
「あ…」
澪は、気づいた。
違う。
必要なのは「変える」きっかけじゃ、ない。
「変えない」ための、きっかけ。
そうだ。
そう、そうだった。
ちゃんと覚えていたようで、全然覚えていなかった。
自分が、遥とセックスしなければならない、理由。そしてそのための、決意。
「…どうしたの、澪ちゃん?」
「あの…
今晩だけ、ご主人様と呼んで、いいですか? 遥さん」
513 淫魔と彼女 第五話 (5/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:07:22.37 ID:X3ML9/nb
「え?そんな、やめてよ澪ちゃん」
「いえ…呼ばせてください。
そう呼ぶと、あのときの決意を、思い出せるような、気がするんです」
そう、あのとき。
遥が淫魔に取り込まれたことは、知っていた。
しかし、あのとき。
純真なる遥の心と、邪なる淫魔の存在。
その相容れない2つが混ざった先に、破滅しかなくなっていたことを、知った。
そして―
『オレは、ご主人様が望む限り、ご主人様の、親友、で、い続けるんだ』
遥の破滅と共に、絵理の魂もまた、堕ちる。
遥を、救わなければならない。
絵理を、救わなければならない。
そのために。
遥の心を取り込んだ淫魔に、奴隷として自らの魂を捧げ、
その上で、淫魔の中に取り残された遥の心を、未来永劫、護り抜く。
―それが、対魔師・乃坂澪に残された、たった1つの、勝利条件。
「うん、そう、そう、うん…」
そうだ。
私は遥に、魂を捧げたのだ。
私は遥に、忠誠を誓ったのだ。
今隣にいる、「何も変わらない」遥に。
そして私は、
魂が朽ちるまで、遥のものとなって、
魂が朽ちるまで、遥のために闘い続ける。
今隣にいる遥を「変えない」ために。
「澪、ちゃん?」
「…気持ち、固まりました。しましょう。ご主人様」
514 淫魔と彼女 第五話 (6/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:10:22.75 ID:X3ML9/nb
「え、えーと…」
「あの、SMプレイがしたいとか、そういうんじゃ、ないんですよ?」
「じゃ、じゃあ、私は、どう呼べば…?」
「ご主人様はいつもどおりで、いいんです」
「そ…そう。わかったよ、澪ちゃん。
ちょっと、恥ずかしいけど…」
「うふふ。たまには、いいじゃないですか。こういうのも」
澪はそう言うと、遥の体に体重を預けた。
遥の肩に、自分の頭を乗せる。
「優しくしてくださいね。ご主人様…
誰かとこういう事するの、一応、初めてですし…その…後ろ、ですから…」
「う、うん。わかったよ。澪ちゃん。
…大丈夫。任せて。こないだみたいには、しないよ」
「あはは、アレはもう、コリゴリです」
2人はそう言うと、互いに顔を向かい合い、
軽くて、優しい、キスをした。
515 淫魔と彼女 第五話 (7/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:13:26.07 ID:X3ML9/nb
「はぁん、あぁん、はふっ」
澪は、ベッドの上に仰向けになり、両手でシーツをきゅっと握って、快感に耐えていた。
遥はその上にまたがり、四つん這いの恰好で上下に移動しながら、ただひたすら、澪に奉仕している。
それは、とてもとても、優しい、愛撫。
澪の全身を、かすかなかすかな快感が、包み込むように覆っていた。
「あ、モコちゃん…」
遥は、澪の左手をみやる。モコちゃんはそこに、やはり澪の手甲のように貼り付いていた。
「モコちゃんは、どうする?」
「…このままで。
ここにくっついていてもらうと、なんだか安心感があるんです」
「そっか。えへへ。カワイイね。モコちゃん」
遥は右手で、モコちゃんを撫でてあげた。
「…そういえば…ご主人様こそ、触手、使わないんですか?」
澪はふと、遥が一切触手を使っていないことに気がついた。
「あ、だって、澪ちゃん、バージンだし…」
触手から出る妖液は、処女には強力すぎる媚薬になる。
以前の『契約』のとき、澪が飲んでのたうちまわっていたのを、遥は気にしていた。
「ああ…大丈夫ですよ。気にしなくても」
「え?」
「…私達退魔師は、淫魔を退治するときにそういうのを浴びてもいいように、
自らの霊力で妖気を抑え込むことができますし、そのための訓練も積んでいるんです。
こないだは儀式を成功させるため、敢えてそういうことをしなかっただけで、
今なら、大丈夫ですよ。自分で、快感を、調節できます」
「そ、そうなの?」
「ええ…せっかくだから、試してみますか?
私に、その液を、飲ませてください」
澪が強く言うので、恐る恐るながら、遥はへそから触手を伸ばし、澪にくわえてもらう。
そして、気持ちよくなるように、自分を愛撫する。澪も、ぎこちない手つきで触手をさすったり、
触手の先を、舐めたりしている。
「あ、イク、イクよ、うううっ」
遥がたまらず発射するのを、澪は口内で受け止め、そのまま、咽下する。
そして、目をつぶり、頭を静かに反らせて、ぐっ、と、耐える仕草をした。
両手をギュッと握り、しばらく全身に力を込めて固まっていたが、
しばらくすると、ふぅ、と力を抜いて、遥を見やった。
「激しくならない程度に、快感を抑えてみました。
…ね?大丈夫でしょ?」
そういう澪の顔は赤く上気し、とろんととろけてはいるが、確かに、十分に耐えられる状態のようだ。
むしろ、遥が自分で飲んだ時のほうが、もっとフラフラになっている。
「す、すごいね…」
「本当に強い淫魔が放つ液だと、これでは全く効かないんですけど。
今のご主人様のだったら、大丈夫です」
「…なんか、私、弱いって言われてるみたい」
「うふふ。強くなってくださいね。ご主人様」
拗ねる遥に、優しく微笑む、澪。
516 淫魔と彼女 第五話 (8/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:16:27.87 ID:X3ML9/nb
澪自身の力で適度に抑え込まれつつも、妖液の効果はそれなりにあったようで、
すっかり澪の体から力が抜け、全身がとろけていた。
「…うん。じゃあ、そのまま、気持よく、なって、澪ちゃん」
と言うと、遥は澪の上に四つん這いになったまま、へその触手の先を、彼女の下半身に伸ばしていった。
「やさしく、してあげるね」
触手は、クリトリスの上に到達すると、その先がペタっと平べったくなり、
そのまま股間全体を覆うように、その先に伸びていく。
そうして、その覆われた下で、澪の股間にある様々な隙間を、触手から細かい毛が伸び、まるでスライムのように、
溶けこむように、埋めていく。
クリトリスは、その包皮の下に入り、優しく包み込まれる。
ヴァギナは、そのひだの1つ1つが包まれ、その筋の中に少しだけ、染み入るように、入り込む。
「はぁ…」
澪が甘い声を出す。
そして、先端がアナルに到達すると、先が糸のように細くなる。
「あ…」
「大丈夫、今日は、痛くしないから」
そして、しゅるっと内側に潜り込むと、中でばっと傘が開くように、広がった。
そのまま、内と外の両側からきゅっとすぼまり、穴を挟み込む。
「あぁっ」
そして、穴のヒダのすべてに、溶けるように埋まっていき、触手と穴が、融合する。
「…どう?痛くないでしょ?」
「はい…とても、気持ち、いいです…」
おしりの疼くような快感に、澪は身をよじらせた。
「じゃあ、このまま、気持よくしてあげるね」
「はぃ…ああっ、ああああん」
股間を包み込んでいた触手全体が蠕動し、澪の、クリトリスと、ヴァギナと、アナルすべてに、
かすかな刺激を与え続ける。
「あぁ…きも…ち…いい…あぁん」
そのまま、股間の疼きを自ら全身に伝えるように、みじろぎ、よがり、体をくねらせた。
息が、荒くなる。顔が、火照る。
股間から、全身に、疼きが、広がる。
「ね、ねぇ…ご主人様…」
「何?ど、どこか痛かった?澪ちゃん」
「違います…すごく…気持ちいいんですけど…でも、
私ばっかり気持ちよくなってて…ちょっと申し訳なくて…」
とろけた表情で遥を見つめる、澪。
「ああ、なんだぁ…
じゃあ、こんなの、どうかな」
517 淫魔と彼女 第五話 (9/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:19:26.09 ID:X3ML9/nb
次の瞬間、お尻の穴の上で止まっていた触手が、その中に先がすぼまったまま、
更に上を覆うようにして伸び、お尻の谷間を割り、
尾てい骨から二手に割れて、前に回り込み、前側の触手と融合した。
更に、お尻を割る触手から触手の膜がにじみ出て、お尻全体を覆う。
さながら、触手でできた真っ赤なハイレグショーツだ。
そして、遥のへそから澪のクリトリスの上に伸びていた触手が、
そのままクリトリスの方から、澪のお腹にぺったりと張り付いていき、
平べったい布地のようになって澪のお腹の中央を覆っていき、
そのまま、澪のおへその中に入りこみ、おへその中で膨らみ、
そして、外からも覆うようにぺったりと吸い付いて、おへそと融合した。
澪のおへそが、まるで遥のおへそと、触手でつながれたようになった。
「あぁん…あ、ご主人様も…」
澪が遥の下半身を見ると、遥も澪と全くお揃いの恰好になっていた。
赤い触手のハイレグショーツを履き、そこから、おへそに向かって布地が伸びている。
「えへへ。今、澪ちゃんと私、おそろいだよ。
2人のショーツ、澪ちゃんのところで動いたとおりに私のところでも動いて、
澪ちゃんと、全く同じ快感を、私も味わうの」
2人の触手ショーツがぶるぶると震えている。
そして、遥の触手がしゅるしゅると遥のおへそに引っ込み始め、
2人は、おへそでくっつく形になった。
「どう?…うん…今、私達…1つに…なったよ…」
「あ…とっても、とっても…気持ちいい…ご主人様…」
遙と澪は、ほとんど背格好も同じで、体型も同じだ。
若干、遥の胸は下側に豊かで、逆に澪の胸は上側にツンと向いており、
また、遥のお尻は少し膨らんでいて、澪のお尻は少し引き締まっている、という違いはあるが、
その他は、まったく瓜二つの体型をしていた。
それゆえ、お揃いの格好をして、おへそでくっついた2人は、綺麗な線対称を描いていた。
「じゃ、ここも、1つになろっか」
と遥が言うと、遥の左胸の乳輪の周りから、しゅわしゅわと赤く柔らかい物体が湧き出し、
そのまま、遥の乳輪を包み込んだ。
そして、その先からしゅるっと赤い紐が澪の右胸めがけて伸び、その先端を捉え、くわえ、吸い付き、乳輪と融合した。
「あっ、あんっ?」
その紐は澪の右乳首をつまむようにして引っ張り、そのまま縮んで、
遥と澪の乳首をつなぐ、赤くて太く短い幹となった。
そして反対側の胸も同じく、繋がれる。
2人の胸が、融合した。
ぺたっと、澪の胸の上に自身の胸を下ろす、遥。
「あっ…気持ち…いいです…」
「えへへ。これで、私と澪ちゃん、胸の快感も、一緒になったよ。
じゃ、ついでに、ここも…」
次の瞬間、遥のクリトリスから赤い触手が伸びて澪のクリトリスに吸い付き、
同じく縮んで、2人のクリトリスをつなぐ、太く短い幹となる。
「はぁん!?」
吸われた勢いで、澪の腰が跳ね上がる。
それをそのまま、遥の腰が上から押さえ、くっつき、ベッドの上に、押さえ込んだ。
518 淫魔と彼女 第五話 (10/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:22:27.94 ID:X3ML9/nb
「ね、澪ちゃん…私達…いっぱいいっぱい…1つになったよ。
一緒に、感じよ、ね?」
「え、ええ、ご主人、さま…あぁん!」
2人の両胸、へそ、クリトリスをつなぐ4本の触手が、同時に蠕動し始め、
2人に同じ快感を供給する。
そして、2人のお尻のすぼまりと融合していた触手も、2人のお尻で全く同じ動きを始める。
「はぁっ、ああっ、あん、あふんっ」
「ね、あぁん、気持ち、いい、でしょ?」
「はい、あぁっ、すごく、いい、ですっ、あぁっ」
それぞれの5箇所に吸い付く触手の動きが段々と激しくなり、
そして、それぞれのお尻を大きく包み込む触手の膜が、細かく、しかし激しく震えるようにウネウネと動き、
2人の肌を刺激する。
「はぁっ、い、いきそう、です…」
「あっ、私も、イク、いくよ、ねぇ、ふたりで、イこ?」
「はぃ、はぁ、あっ、ダメ、イク、イク、ぁあああああああああぁん!」
「私、も、イク、イクっ、ふぁぁああああああああああん!」
ほぼ同時に2人の体が跳ね、頭が同時にそれ、がくがくと震え、そして、同時に、がくっ、と力尽きた。
「はぁ…はぁ…イッちゃいました…」
「うん…一緒にイケたね…澪ちゃん…」
「ええ…何だか幸せ…です…ご主人…さま…」
2人は同時にイッた後も、その余韻から逃れるのが名残惜しく、互いの体をよじりながら、
ずっと抱き合い、つながった互いの感触を確かめ合っていた。
そして、遥が澪に抱きついたまま横倒しになり、そのまま澪も引っ張られるようにして、
澪が右を、遥が左を下にして横になり、再び、互いの肌を、密着させた。
見つめ合う、2人。
「…えへへ。気持ちよかった」
「…はい。とっても。うふふ」
そして、互いに強く抱き合う。2人の両胸と、おへそと、クリトリスは、つながれたままだ。
それを互いに確かめ合うように、少しよじっては、互いの体を引っ張り、かすかな快感を、わかちあう。
そして、互いの肌を確かめ合うように、お互いの体を、すり合わせる。
そして、抱き合い、繋がりあったまま、いつしか2人とも、スヤスヤと、眠りに落ちていった。
519 淫魔と彼女 第五話 (11/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:25:24.81 ID:X3ML9/nb
朝、澪が目覚めると、目の前で、遥がこちらを眺めていた。
体は、昨晩の状態のままだ。
「おはよう、澪ちゃん」
「…おはようございます…ご主人様」
「昨日、どうだった?澪ちゃん」
「…その…とても…良かったです。
また、2人のときは、あんな風に、してくれますか?」
「うん、もちろんだよ。澪ちゃん」
えへへ、とはにかむ、遥。
その後も2人は、それからもしばらく、互いにつながっている感じを互いに味わいながら、
少し身じろぎしたりして、もどかしそうにしていた。
「―そろそろ、起きよっか。
…ね、もう、『遥さん』に、戻してよ」
「うふふ…そうですね、『遥さん』」
ちょっと恥ずかしそうに言う遥に、澪は微笑んで応じた。
次の瞬間、2人の体を包んでいた触手がしゅるしゅると音を立てて縮み、遥の体内へと入っていった。
同時に上体を起こし、んっ、と、同時に伸びをする、2人。
「はー、気持ちよかった。
…あれ、どうしたの?」
「いえ…何だかちょっと、さみしいな、って。
さっきまで、遥さんにつながって、包まれてる、って感じがしてて、
すごく、心地良かったので」
両手で腰やお尻をさすりながら、澪がつぶやく。
「そっか…あ、いいこと思いついた。
ね。ちょっと、そのへんに、立ってくれる?澪ちゃん」
「え?え、ええ…」
遥は、ベッドから1,2歩離れたところに、澪を立たせた。
「じゃ…こっちおいで、モコちゃん」
「―え?」
すると、今まで澪の左手に巻き付いていたモコちゃんが、
突如空中に跳ねたかと思うと、遥が上に向けた両手のひらの中に、すぽん、と収まった。
520 淫魔と彼女 第五話 (12/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:28:52.42 ID:X3ML9/nb
「遥さん…モコちゃんを操れたんですか?」
「うん。前にお姉さまに教えてもらったんだけど、奴隷の触手は主が自由に操れるんだって」
(…そうか。そういうこと、だったんですね…)
澪は『契約』のことを思い出し、一人合点していた。
澪は、『契約』の文言を、一言一句、正確に記憶していた。
その中の、一節。
『我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします』
『ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします』
つまり。
奴隷の体に寄生する触手は、主が意のままに操れる。
そして恐らく、主が操っている間、奴隷は触手を全く操れない。
そうして、触手が、
奴隷の体の自由を、主の意のままに奪い、
奴隷に対して常に主の存在を誇示し、意識させ、
そして、奴隷を精神的に屈服させる。
それが、奴隷の体と一つになる触手が「支配・服従を、完全なものとする」という意味なのだ。
ふと、そんなことを考えていた澪の前で、遥が続けた。
「でもね。…私そんな事言われても、ピンとこなくって。
例えば絵理ちゃんの触手を自由に操れるって言われて、何に使おうかなって考えた時に、
ちょっといたずらしてびっくりさせられるかも、とか、
どこに絵理ちゃんがいても操作できるみたいだから、何かの伝言や合図に使えるかもとか、
そんなことは考えたんだけど…別に大して役に立たないし、意味ないなぁ、って」
「…そう、ですね」
そう、そうなのだ。
これこそ、遥なのだ。
「絵理の触手を自由に操れる」という事実が、絵理に対する支配欲、加虐欲をかきたてるような、
そんな遥にしては、いけない。
この、純真な遥を、守る。
それが、乃坂澪の、使命なのだ…
「でもね。今、私―」
「―え?」
遥の手の中のモコちゃんが、突然、動き出す。
「え、えっ?きゃあああああ!?」
「初めて、役に立つ使い方、思いついちゃった」
モコちゃんが、澪に襲いかかった。
521 淫魔と彼女 第五話 (13/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:31:39.64 ID:X3ML9/nb
「きゃああああああ…あ、あれれ…?」
モコちゃんは澪の腰の周りにまとわり付くと、包み込むように広がり、そして、固まった。
それは… 一風変わった形の、真っ赤なビキニショーツだった。
前から見ると、布地面積が小さくて露出度が高く、
上側のラインが、ハイレグの腰からするどくV字に切れ込み、澪の下半身をギリギリまで露出している。
しかし後ろからみると、澪のお尻と腰を大きく包み込み、
上側は、前面のV字のカットから伸びるラインが、そのまま背中に回りこんで、腰の上方で逆のV字を形成し、
そのまま、全体が背中にぺったりと張り付いている。
お尻の部分は割れ目に食い込み、その谷の奥底まで、皮膚にピッタリ張り付いて、臀部を完全に覆っている。
そして、外からは普通のショーツと同じように見える股間の布地だが、
その裏地は、澪の股間のあらゆる隙間を埋め尽くしていて、
クリトリスを包皮の中に潜り込んで包み、
ヴァギナのヒダの1つ1つを優しくくるみ、
そして、おしりの穴のヒダの1つ1つに、外側と内側の両方から埋まるように潜り込み、完全に融合していた。
「えへへ。私からの、プレゼント」
「は、遥さん…」
「昨日のイメージで、ちょっとデザインにアレンジは加えてみたんだけど、どうかな。
…ちょっと、エッチい、かな」
遥が無邪気に、澪の顔を覗き込む。
澪は、自分の下半身を包んでいるそのショーツの様子をちろちろと見回すと、
歩いて姿見の前に移動し、腰に両手を当て、まるで水着の試着をしているかのように、
鏡を見ながら後ろに向いたり前に向いたりして、自分の姿を確かめた。
さらに反ったり、屈んだりして、装着感を確かめている。
「…かなり、大胆な、気がしますし、
…たまにちょっと、モコちゃんが勝手に動いたりして、股間がムズムズしますけれど。
でも、なんだか、包まれてるって、感じがします。
…うん。何だか、ステキです。私、これ、気に入りました」
澪が、遥に向かって、微笑む。
「ほんと?じゃあ…
今、モコちゃんに『このカタチを憶えて』って私からお願いしたから、
きっと澪ちゃんがお願いしたら、いつでもモコちゃんがこの形になってくれるよ。
気に入ってくれて、嬉しいな。えへへへ」
いつもの調子で遥ははにかんだ。
「うん…うん…うふふ…ありがとうございます。ご主人様…」
澪は、自分が幸福感に満たされているのを、感じていた。
そしてこの日以降、澪は時折、モコちゃんを「履いて」学校に来るようになった。
522 淫魔と彼女 第五話 (14/14) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/15(土) 06:38:30.18 ID:X3ML9/nb
おまけ。
ある日の学校、昼休み。
絵理と澪が、机を向かい合わせにして、お弁当を食べている。
遥は今日は彰のお相手だ。
「なー、みおー」
「…なんです?」
「へっへっへー…うりゃー!」
机の下で、絵理の股間から、真っ赤な触手が一直線に澪のスカートの下に伸びていく。
「そーれうりうりう…ありゃ?」
澪の股間にちょっかいを出そうとした絵理の触手だったが、
なぜか澪の下着は、弾力はあるが固く、しかも肌にピッタリと貼り付き、触手が付け入る隙が全くない。
ふふん、と澪は鼻を鳴らし、
余裕しゃくしゃくといった表情で絵理を睨めながら、一言、その技名を発した。
『モコちゃん・ガード』