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心の枷
586 心の枷 (1/12) sage 2012/09/20(木) 11:22:40.33 ID:WJ/FyB5K
「あーもう、つっかれたー」
会社からようやく、自宅のマンションに、たどり着いた。
靴を適当に脱ぎっぱなしで、そのまま自分の部屋に、なだれ込む。
もう、午後10時過ぎ。今日はやたらめったら業務が立て込んでいて、
晩ご飯も食べずにこなしていたら、いつの間にかこんな時間になってしまった。
「はーもう、今日みたいなのがずっとだと、やってらんないなぁ、もう」
部屋の電気をつけ、さっさと、スーツを脱いで楽になろう、と思った、その時。
奥の窓が、空いているのに気づいた。
「…あ、あれ?ちゃんと戸締りしたはずなのに。
ヤバい。泥棒かな…」
もしかしたらまだ部屋の中にいるかも、と、急に怖くなり、
恐る恐る、あたりを見回す。
誰もいないし、気配もしないし、特に他に変わった気配は…
いや? 何か、おかしい。
「―あ」
なぜかベッドの上に、金属の塊が、落ちている。
丸く大きな、塊。
「…何、あれ??」
すぐ、側にあったエクササイズ用の長い棒を手にとって、
恐る恐る、近づく。
少し離れたところから、棒で、つついてみる。
何も起こらない。よくわからないが、普通の、硬い、金属のようだ。
つつきながら、少しずつ、近づく。
何も、起こらない。
ようやく、ベッドの縁にたどり着いた。
上から、その物体を、覗きこむ。
―その時。
「きゃあああああああああああ!?」
その物体が、突然自分の顔に、襲いかかった。
587 心の枷 (2/12) sage 2012/09/20(木) 11:25:42.12 ID:WJ/FyB5K
「きゃああああ……あれ?」
何も、ない。
金属の物体も消えたし、自分の体を見回しても、何も起こって、ない、ような―
あれ?
ふと、顔の周りを触ろうとして、違和感に気づく。
目に、触れない。耳に、触れない。
顔の回りを、見えない何かが覆っている。
「うふ。こんばんは」
「えっ?」
突然、声がする。
どこから聞こえたのかわからない。周囲を見渡しても、誰もいない。
「お名前は?」
「え?えっと、高木、早希」
「早希ちゃんか。いい名前だね」
「あ、あの、あなたは?」
「ワタシ?
ワタシに名前はないけど、今早希ちゃんにくっついたから、
今日からワタシも、早紀ちゃんだね」
「く、くっついた?」
「うふ。まだ、わかってないかな。
ちょっと、鏡で自分の顔を、見てきてごらん?」
「…え?」
言われるまま、姿見の前に、自分を移動させる。
自分の姿を、覗きこむ。
「え、ええ?」
自分の頭部を、異様な形をした、メタリックシルバーの物体が、覆っていた。
大きくなめらかなゴーグル状の物体が自分の目を完全に覆い隠し、
その両端がさらに側頭部になめらかにつながり、自分の耳をすっぽりと覆い隠していて、
更にその奥が、後頭部で、一つになっている。
全体的につなぎ目や角ばったところが一切なく、つるん、としている。
頭のてっぺんの部分をくり抜いた、パイロットヘルメット、といえばちょっと近いかもしれない。
ただし、目を覆うバイザーを含め、全てが金属の、メタリックシルバー。
目も、耳も、完全に塞がれている様に、みえる。
隙間も全然なく、この状態で、自分がどうして目が見えているのかもわからないし、
自分の視界から直接そんなものは見えない。
耳だって、金属のようなものに完全に覆われているのに、何もつけて
いないのと同じように、普通に聞こえている。
しかし、鏡に映る自分は確かに、ヘルメット?を、被っているし、
さわってみると、確かに、指先はそのヘルメットに触れる感触がある。
試しにヘルメットを脱ぐ要領ではずそうと試みるけど、
微動だにしない。まるで完全に、自分の頭と1つになったみたいだ。
588 心の枷 (3/12) sage 2012/09/20(木) 11:28:34.35 ID:WJ/FyB5K
「こ、これは、一体…」
「うふふ。それは、『心の枷』」
「こころの…かせ?」
「そう。あなたの心を閉じ込め、あなたの心の代わりに、あなたの体を支配するもの。
これを嵌めているあなたの体は、この『心の枷』の指示通りに動く。
たとえば…こんな感じ」
「えっ?あっ、きゃあっ!?」
姿見の前で、体が勝手に大の字に開き、両手が勝手に、頭の後ろで組まされる。
そのまま、動かなくなった。
「ど、どうして…」
「もう、あなたの体の自由はない。この『心の枷』を嵌めている限り。
そしてこの、『心の枷』を嵌めているあなたが、ワタシ」
「あなた…何者、なんですか…」
「ワタシはね。
こうして他の生命体にくっついて、1つとなることで生きている機械生命体。
今日からワタシは、あなたにくっついて生きていくことにしたの。
だから、今日から、よろしくね?
あ、心配しなくてもいいよ。
あなたは今までどおりの生活を送ればいいの。
わたしが毎日くっついてるだけで、あなたの生活は何も変わらない」
「そ、そんなこと言ったって、こんなのつけてたら、人前に、出られません…」
「うん、わかってるよ。
だから、人前に出るときは、はずして。
でも、家で一人になったら、この『心の枷』をはめる。
そういう生活を、今日からあなたは送るの」
「そ、そんなの、嫌です。
何で私が、わざわざ、そんなこと…」
「大丈夫。それが当たり前になるから。
…あ、そうそう。あなたとワタシが1つになるための、
もう1つのアイテムがあるから、それを、今からはめてあげるね」
589 心の枷 (4/12) sage 2012/09/20(木) 11:31:35.24 ID:WJ/FyB5K
「…えっ?」
何かがうなじの方から服の下に入り込み、
そのまま、体中をかすかにまさぐられるような、そんな感覚が一瞬した。
でもすぐに収まり、何も感じなくなった。
「うふ。何が起こったか、わからないでしょ?
体を自由にしてあげるから、服を脱いでごらん?」
ふと、何をやろうとしても微動だにしなかった自分の体が軽くなり、自由に動けるようになる。
言われるまま、服を脱いでみる。
「…あ…え…?」
自分の体に、やはりメタリックシルバーの物体が、2つ、張り付いていた。
まず胸が、1つの金属の物体で、完全に覆われている。
前から見るとチューブトップのブラだが、でも、脇から後ろの部分は一切ない。
触ってみると、やはり金属のように硬く、叩いても、自分の胸が何も感じない。
そして、もう1つの物体は、自分の、股間に張り付いていた。
自分の性器のちょっと上から、会陰部を通って、お尻の谷間を割り、穴の上までを、
一直線に、すっぽりと覆っている。
こちらを触ってみても、やはり、その下にある部分が、何も感じない。
「うふ。これはね。『体の枷』」
「か、からだの…かせ…?」
「そ。あなたのおっぱいと、あなたの大事なところを、支配するもの。
これはもう、あなたが死ぬまで、一生外れない。
あなたは二度と、自分のおっぱいや自分のアソコに、直接触れることはなくなったの。
その代わりね…ほら」
「あ、あぁん、え?はぁああん」
突然、胸と股間が、快感で、しびれた。
揉まれてるとかいじられてるとか、そういう、物理的に何か操作された感覚は一切ない。
ただただ、この金属で覆われている箇所全体から、しびれるような感覚が、じわっ、と
襲ってくる。
もどかしくてつい、胸や股間に手をやろうとするけど、金属の物体が、体に触れることを、
許さない。自分がその上から触っても、それによる刺激が、一切得られない。
「な、なに、これ…あんっ」
「うふ。『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールするの」
「ちょ、う、やめて、ください…」
ふと、刺激が、止まった。
「どう、わかった?
『心の枷』は、あなたの体を自由にコントロールするし、
『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールする。
あなたにはもう、その2つをコントロールする自由は、ない。
大丈夫。あなたはもう、自分で自分を気持ちよくすることは絶対できないけれど、
ワタシが代わりに、あなたを気持ちよくしてあげるからね」
「そ、そんな…」
一生懸命、胸やアソコに触れてみようとしても敵わず、
金属の物体を引き剥がそうとするが、ピクリとも動かない。
隙間に爪を入れてみようとするが、1ミリも隙間がなく、自分の体と完全に
融合しているみたいに思えた。
590 心の枷 (5/12) sage 2012/09/20(木) 11:34:34.41 ID:WJ/FyB5K
「は、はずして…」
「ううん、もう、無理。あきらめて。
『体の枷』は完全にくっついちゃったから、医者だろうが誰だろうが、
絶対にはずせない」
「そ、そんな…」
「…うふ。これで、あなたとワタシは、完全に、1つになったの。
あなたは、ワタシに完全に、支配された。
あとは、訓練、するだけ」
「え…くん、れん?」
「そ。さっきもいったでしょ?
あなたは外に行くとき『心の枷』を外して、
帰ってきたら、『心の枷』を、嵌める。
それを覚える訓練」
「う…そんなの…いや…です…」
「ま、つべこべ言わず、はじめましょ?
じゃ、さっきの体勢にもどろっか」
途端に、また勝手に体が動いて、大の字の形で立たされ、頭の後ろで手を組まされる。
体の3箇所に銀色の物体をまとわりつかせた、裸の自分が鏡に映る。
「まず、あなたが『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練」
すると、視界が突然わずかに暗くなり、目の前にぽっかり浮かぶ、光る棒状のメーターの
ようなものが現れた。
「これが、あなたの快感のゲージ」
「快感の…ゲージ?」
「そう。
今は下の方でバーがちまちまと動いてるけど、
これが伸びて、上まで行くほど快感が強くなって、
てっぺんにある目盛りを振り切ったときに、あなたはイクの。
ちょっと、やってみましょうか」
「えっ?あ、あぅ?」
バーがするすると、上に向かって、伸びていく。
するとどんどん、胸と股間がじわじわしてきて、体が熱くなる。
「え?あ、あふっ、な、なんで?」
真ん中をすぎた辺りから、まるで自分がセックスの最中であるかのような感覚に襲われる。
ゲージは、こちらの事情などまるでお構いナシとばかり、ずーっと一定のスピードで、伸びている。
「あ、あっ、あんっ、ああんっ、いや、あぁっ」
徐々に、てっぺんの目盛りに、近づく。
自分が昂ぶり、登りつめているのを、感じる。
「じゃ、このまま、イっちゃいましょ?
ほら―」
「あ、ああっ、イク、あぁああああああああん!!」
591 心の枷 (6/12) sage 2012/09/20(木) 11:37:42.59 ID:WJ/FyB5K
ゲージのバーが目盛りを越した瞬間に、本当に、イってしまった。
でも体は大の字で、頭の後ろで手を組まされたまま、動けない。
ただ、快感で、ピクピクしている。
バーはすーっと縮んでいき、ちょうど真ん中の辺りで、止まった。
じわじわと、快感が体の中で渦巻いている。
「はぁ、はぁ、ぁあ…」
「うふ。気持ちよかったでしょ?
もう一回いくね?」
「そ、そんな、やめ…あ、ああっ、あぅん、ああああああああん!」
再び、無機的に、強制的に、イかされた。
再びバーが、真ん中辺りまで、縮む。
「じゃ、次からはカウントダウン、してあげる。
いくよ?3,2,1,0」
「あぁ、あああああん!」
「はーい、もう一回。3,2,1,0」
「い、いやああああっ!」
「はいもう一回。3,2,1,0」
「や、ゃめ、いやあああああああん!」
何度も何度も、カウントダウンされ、その度に、イかされた。
ようやくカウントダウンが止まり、また、バーが真ん中辺りで止まっている。
何度もイかされて、頭がクラクラしている。
同時に、まだ体が甘い感覚に包まれているのが、わかる。
592 心の枷 (7/12) sage 2012/09/20(木) 11:40:39.52 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁっ、はぁっ」
「気持ち、よかった?」
「う、うぅ…」
「あれ?気持ちよくなかった?
もうちょっとやった方がいい?」
「い、いえ…気持ち、よかったです…」
「そ、よかった。
でも、まだ体がウズウズ、してるでしょ?」」
「う…ぅ…はい…」
「また、イきたい?」
「う…それは…でも……はぃ…」
「うふふ。素直でよろしい。
ちょっと、ご褒美ね?」
突然、両胸の、乳首の辺り…乳首がまだあるとしたら、だが、
チロチロと、いぶるような感覚が、襲ってくる。
少しメーターが、上がる。
「あぁん…」
「うふ。あまぁーい気分に、なってきたでしょ?
気持ちいい?」
「はぃ…」
「イキたい?」
「は…はぃ…」
「じゃ、今度は自分でカウントダウンして?」
593 心の枷 (8/12) sage 2012/09/20(木) 11:43:36.86 ID:WJ/FyB5K
「…え?」
「自分の感覚に素直になればいいだけだよ。
あなたがカウントダウンすれば、それにあわせて、バーが伸びていくから。
3から数えて、0になったら、イける。
あ、ただし、さっきくらいに、ゆっくりね?速くしすぎたら死んじゃうよ。
じゃ、やってみて?」
「あ…う…」
自分で自分を強制的にイカせることに、ためらう。
でも、体が、うずいている。もっと気持ちよく、なりたい。
「…気持よく、なりたいでしょ?」
「…はぃ…」
「じゃ、自分で気持よく、しなきゃ」
チロチロと、体が、いぶられる感覚。
芯がうずく、感覚。
イキ、たい…
「……さん…」
「そう、その調子」
「…に…あ、あぅ!?」
体が、かぁっと、熱くなる。
息が、荒くなる。
まさに、行為をしている最中の、登りつめる途上の、感覚。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」
「ほらほら。そんな状態でずっといたら、それこそ、おかしくなるよ?」
「は、はぃ…あぁ…
い、いち…あぅあああぁぁんっ」
イク、寸前だ。
頭に血ががあっと上って、飛んでしまいそうな寸前の、あの、感覚。
「ほらほら、あと1つ」
「あぁっ、はぁっ、あぁっ、ううっ、
ぜ…ぜ…ぜろ……あぁあああああああん!!」
頭の中で、光がスパークした。
そのまま、また、バーが真ん中辺りの長さに、戻る。
「うふ。がんばったね。
じゃ、もう一回だよ」
「あぁ…うぅぅ…
さ…さん……に…うぅ…い、いちぃっ……ぜ、ぜろ、はぁあああああああん!」
「はい、もう一回」
「さ、さん…にぃ…い…ち…ぜろ…ふぅうあああああっ!」
「はい、もう一回」
「さん、にぃ、い、いち、ぜろっ!ああああああん!」
「もう、一回」
「さん、に、いちぃ、ぜろぉ!ああああああん!」
「もう一回」
何度も何度も、自分で、イカされた。
何度もイって、数えきれないほどイッて、ようやく、「もう一回」が、止まった。
594 心の枷 (9/12) sage 2012/09/20(木) 11:46:34.85 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ…」
「うふ。ここまで順調よ。早希ちゃん。
じゃ、次のステップ、いくね?」
「はぁ、はぅ、ぅあ!?」
バーが伸びて、目盛りの直前で、止まる。
イク、寸前。
「あ、あの、イカせて、下さい」
「うふ。イキたいなら、イってみなさい?」
突然、ふっと目の前が暗くなり、すべてが緩む、感覚。
直後、頭から何かがするっと抜けていき、足元で、カラン、という、音がした。
「…え?」
足元に、銀色の物体が、転がっている。
さっきまで、自分の頭に嵌っていたもの…『心の枷』だ。
自分の体が自由になっているのに、気づく。
ふと鏡を見ると、自分の、いつもの顔だ。
「ちょ、ちょっと…そんな…私、体が、イク、寸前、なのに…」
突然のことでパニックになる。
「い、いや、イキたい、いやぁ…」
気持ちよくなりたくて、体を、まさぐる。
でも、『体の枷』が、それを阻む。
いくら胸を触ろうとしても、股間を触ろうとしても、触れない。何も、感じない。
ひたすら疼く体を、高めることも、鎮めることも、できない。
「ど、どうしたら、いいの、こんなの、いやぁ…」
595 心の枷 (10/12) sage 2012/09/20(木) 11:49:45.13 ID:WJ/FyB5K
床の上にへたりこみ、体中を、『体の枷』に覆われていない部分を自分で愛撫するが、
何の慰めにも、ならない。
イキたい。
イキたい。
イキたい。
どうしたら、イケるの…
…あ。
目の前に転がっている、『心の枷』。
こ、これを。
もう一回、嵌めれば…
思わず、『心の枷』を、手に取る。
おおよその向きを合わせて、前かがみになり、自分の頭の上に、それを、掲げる。
それを頭にかぶるように、手を、下ろしてみる。
すっ、と頭の周りが覆われた感覚がした後、それがきゅっ、と縮まり、
そして感覚が、なくなる。
そして、再び目の前に、ゲージが、現れた。
目盛りのすぐ手前まで、バーが伸びている。
「うふ。よく気づいたね。
そう。あなたは、『心の枷』を嵌めれば、イケるの。
じゃ、イキなさい」
「はぁっ、あぁあああん!」
軽く、イった。
そして、また、目盛りの寸前までバーが伸びる状態に、戻る。
イク、寸前。また、イキたい。
カラン、と、『心の枷』が外れて、目の前に転がる。
それを手にとって、また、自分の頭に、嵌める。
「うふ。おかえりなさい。
じゃ、イッて」
「ぁあっ、ぁああああん」
また、軽く、イった。
596 心の枷 (11/12) sage 2012/09/20(木) 11:52:35.30 ID:WJ/FyB5K
「じゃあ、これからは、『心の枷』を嵌めたら、すぐ、イケるようにしてあげるね」
そしてまた、イク寸前になって、『心の枷』が、外れる。
それをまた、手にとって、自分で頭に、嵌める。
「ぁああああん!」
イク。
また、外れる。手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
…ふと、『心の枷』が外れる寸前の目盛りが、ずいぶんと下がっていることに、気づく。
そして、嵌めた時の快感が、最初より大きくなっていることにも。
「…あ、気づいた?
そう。目盛りが下がっているほど、『心の枷』を嵌めた時に、たくさんイケるんだよ。
もう、大分下がったね。
これからも、少しずつ目盛りは下がっていくし、イった時の気持ちよさは、少しずつ上がる。
じゃ、再開ね」
カラン、と、『心の枷』が、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ふぁああああああん!」
すごく、イった。
見るとゲージが、真ん中よりすぐ下まで、下がってる。
また、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁ、あああああああああん!」
さっきよりも強く、イった。
そして、また、外れて、また、嵌めて、イッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて。
ふとゲージを見ると、バーはほとんど一番下まで、下がっていた。
そのまま、『心の枷』が、外れる。
何の躊躇もなく、自分でそれを手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁあああぁぁああああああああっっ!!!!」
めいっぱい、イッて、意識が、飛んだ。
597 心の枷 (12/12) sage 2012/09/20(木) 11:55:37.81 ID:WJ/FyB5K
気づくと、ベッドの上に、仰向けに、横たわっていた。
目の前にゲージが浮かんでいて、真ん中より上から、目盛りより少し下らへんを、
行ったり来たり、ゆらゆらと、揺れている。
「最後まで、よく、やったね。
どう?わかったでしょ?
あなたは、『心の枷』を嵌めれば、気持ちよくなれるの。
でも、外せば、気持ちよくは、なれない。ね?」
「…はい」
「外行く時に『心の枷』を外すのは仕方ないけれど、
家に帰ってきて、『心の枷』を嵌めさえすれば、また、気持ちよくなれる」
「はい」
「うん。いい子だね。
じゃ、訓練は、おしまい。
あとは、ご褒美。今晩じゅう、『心の枷』と『体の枷』が、
あなたを甘ぁく、気持ちよぉく、してあげる。
『心の枷』を嵌めさえすれば、いつでも、この気持ちよさが、味わえるよ」
「はい…」
目の前でゲージがゆらゆらと、揺れて、
それに合わせて自分の中の気持ちよさも、揺れて、
ベッドの上で、ずーっと、誰かに抱かれ続けているような、そんな快感を、味わい続けた。
次の日の、朝。
「…じゃ、行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
自分で『心の枷』を外して、化粧台の横の棚に置き、
髪の毛をセットして、会社に、向かった。
今日は早く帰って、『心の枷』、嵌めないと―
「あーもう、つっかれたー」
会社からようやく、自宅のマンションに、たどり着いた。
靴を適当に脱ぎっぱなしで、そのまま自分の部屋に、なだれ込む。
もう、午後10時過ぎ。今日はやたらめったら業務が立て込んでいて、
晩ご飯も食べずにこなしていたら、いつの間にかこんな時間になってしまった。
「はーもう、今日みたいなのがずっとだと、やってらんないなぁ、もう」
部屋の電気をつけ、さっさと、スーツを脱いで楽になろう、と思った、その時。
奥の窓が、空いているのに気づいた。
「…あ、あれ?ちゃんと戸締りしたはずなのに。
ヤバい。泥棒かな…」
もしかしたらまだ部屋の中にいるかも、と、急に怖くなり、
恐る恐る、あたりを見回す。
誰もいないし、気配もしないし、特に他に変わった気配は…
いや? 何か、おかしい。
「―あ」
なぜかベッドの上に、金属の塊が、落ちている。
丸く大きな、塊。
「…何、あれ??」
すぐ、側にあったエクササイズ用の長い棒を手にとって、
恐る恐る、近づく。
少し離れたところから、棒で、つついてみる。
何も起こらない。よくわからないが、普通の、硬い、金属のようだ。
つつきながら、少しずつ、近づく。
何も、起こらない。
ようやく、ベッドの縁にたどり着いた。
上から、その物体を、覗きこむ。
―その時。
「きゃあああああああああああ!?」
その物体が、突然自分の顔に、襲いかかった。
587 心の枷 (2/12) sage 2012/09/20(木) 11:25:42.12 ID:WJ/FyB5K
「きゃああああ……あれ?」
何も、ない。
金属の物体も消えたし、自分の体を見回しても、何も起こって、ない、ような―
あれ?
ふと、顔の周りを触ろうとして、違和感に気づく。
目に、触れない。耳に、触れない。
顔の回りを、見えない何かが覆っている。
「うふ。こんばんは」
「えっ?」
突然、声がする。
どこから聞こえたのかわからない。周囲を見渡しても、誰もいない。
「お名前は?」
「え?えっと、高木、早希」
「早希ちゃんか。いい名前だね」
「あ、あの、あなたは?」
「ワタシ?
ワタシに名前はないけど、今早希ちゃんにくっついたから、
今日からワタシも、早紀ちゃんだね」
「く、くっついた?」
「うふ。まだ、わかってないかな。
ちょっと、鏡で自分の顔を、見てきてごらん?」
「…え?」
言われるまま、姿見の前に、自分を移動させる。
自分の姿を、覗きこむ。
「え、ええ?」
自分の頭部を、異様な形をした、メタリックシルバーの物体が、覆っていた。
大きくなめらかなゴーグル状の物体が自分の目を完全に覆い隠し、
その両端がさらに側頭部になめらかにつながり、自分の耳をすっぽりと覆い隠していて、
更にその奥が、後頭部で、一つになっている。
全体的につなぎ目や角ばったところが一切なく、つるん、としている。
頭のてっぺんの部分をくり抜いた、パイロットヘルメット、といえばちょっと近いかもしれない。
ただし、目を覆うバイザーを含め、全てが金属の、メタリックシルバー。
目も、耳も、完全に塞がれている様に、みえる。
隙間も全然なく、この状態で、自分がどうして目が見えているのかもわからないし、
自分の視界から直接そんなものは見えない。
耳だって、金属のようなものに完全に覆われているのに、何もつけて
いないのと同じように、普通に聞こえている。
しかし、鏡に映る自分は確かに、ヘルメット?を、被っているし、
さわってみると、確かに、指先はそのヘルメットに触れる感触がある。
試しにヘルメットを脱ぐ要領ではずそうと試みるけど、
微動だにしない。まるで完全に、自分の頭と1つになったみたいだ。
588 心の枷 (3/12) sage 2012/09/20(木) 11:28:34.35 ID:WJ/FyB5K
「こ、これは、一体…」
「うふふ。それは、『心の枷』」
「こころの…かせ?」
「そう。あなたの心を閉じ込め、あなたの心の代わりに、あなたの体を支配するもの。
これを嵌めているあなたの体は、この『心の枷』の指示通りに動く。
たとえば…こんな感じ」
「えっ?あっ、きゃあっ!?」
姿見の前で、体が勝手に大の字に開き、両手が勝手に、頭の後ろで組まされる。
そのまま、動かなくなった。
「ど、どうして…」
「もう、あなたの体の自由はない。この『心の枷』を嵌めている限り。
そしてこの、『心の枷』を嵌めているあなたが、ワタシ」
「あなた…何者、なんですか…」
「ワタシはね。
こうして他の生命体にくっついて、1つとなることで生きている機械生命体。
今日からワタシは、あなたにくっついて生きていくことにしたの。
だから、今日から、よろしくね?
あ、心配しなくてもいいよ。
あなたは今までどおりの生活を送ればいいの。
わたしが毎日くっついてるだけで、あなたの生活は何も変わらない」
「そ、そんなこと言ったって、こんなのつけてたら、人前に、出られません…」
「うん、わかってるよ。
だから、人前に出るときは、はずして。
でも、家で一人になったら、この『心の枷』をはめる。
そういう生活を、今日からあなたは送るの」
「そ、そんなの、嫌です。
何で私が、わざわざ、そんなこと…」
「大丈夫。それが当たり前になるから。
…あ、そうそう。あなたとワタシが1つになるための、
もう1つのアイテムがあるから、それを、今からはめてあげるね」
589 心の枷 (4/12) sage 2012/09/20(木) 11:31:35.24 ID:WJ/FyB5K
「…えっ?」
何かがうなじの方から服の下に入り込み、
そのまま、体中をかすかにまさぐられるような、そんな感覚が一瞬した。
でもすぐに収まり、何も感じなくなった。
「うふ。何が起こったか、わからないでしょ?
体を自由にしてあげるから、服を脱いでごらん?」
ふと、何をやろうとしても微動だにしなかった自分の体が軽くなり、自由に動けるようになる。
言われるまま、服を脱いでみる。
「…あ…え…?」
自分の体に、やはりメタリックシルバーの物体が、2つ、張り付いていた。
まず胸が、1つの金属の物体で、完全に覆われている。
前から見るとチューブトップのブラだが、でも、脇から後ろの部分は一切ない。
触ってみると、やはり金属のように硬く、叩いても、自分の胸が何も感じない。
そして、もう1つの物体は、自分の、股間に張り付いていた。
自分の性器のちょっと上から、会陰部を通って、お尻の谷間を割り、穴の上までを、
一直線に、すっぽりと覆っている。
こちらを触ってみても、やはり、その下にある部分が、何も感じない。
「うふ。これはね。『体の枷』」
「か、からだの…かせ…?」
「そ。あなたのおっぱいと、あなたの大事なところを、支配するもの。
これはもう、あなたが死ぬまで、一生外れない。
あなたは二度と、自分のおっぱいや自分のアソコに、直接触れることはなくなったの。
その代わりね…ほら」
「あ、あぁん、え?はぁああん」
突然、胸と股間が、快感で、しびれた。
揉まれてるとかいじられてるとか、そういう、物理的に何か操作された感覚は一切ない。
ただただ、この金属で覆われている箇所全体から、しびれるような感覚が、じわっ、と
襲ってくる。
もどかしくてつい、胸や股間に手をやろうとするけど、金属の物体が、体に触れることを、
許さない。自分がその上から触っても、それによる刺激が、一切得られない。
「な、なに、これ…あんっ」
「うふ。『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールするの」
「ちょ、う、やめて、ください…」
ふと、刺激が、止まった。
「どう、わかった?
『心の枷』は、あなたの体を自由にコントロールするし、
『体の枷』は、あなたの快感を自由にコントロールする。
あなたにはもう、その2つをコントロールする自由は、ない。
大丈夫。あなたはもう、自分で自分を気持ちよくすることは絶対できないけれど、
ワタシが代わりに、あなたを気持ちよくしてあげるからね」
「そ、そんな…」
一生懸命、胸やアソコに触れてみようとしても敵わず、
金属の物体を引き剥がそうとするが、ピクリとも動かない。
隙間に爪を入れてみようとするが、1ミリも隙間がなく、自分の体と完全に
融合しているみたいに思えた。
590 心の枷 (5/12) sage 2012/09/20(木) 11:34:34.41 ID:WJ/FyB5K
「は、はずして…」
「ううん、もう、無理。あきらめて。
『体の枷』は完全にくっついちゃったから、医者だろうが誰だろうが、
絶対にはずせない」
「そ、そんな…」
「…うふ。これで、あなたとワタシは、完全に、1つになったの。
あなたは、ワタシに完全に、支配された。
あとは、訓練、するだけ」
「え…くん、れん?」
「そ。さっきもいったでしょ?
あなたは外に行くとき『心の枷』を外して、
帰ってきたら、『心の枷』を、嵌める。
それを覚える訓練」
「う…そんなの…いや…です…」
「ま、つべこべ言わず、はじめましょ?
じゃ、さっきの体勢にもどろっか」
途端に、また勝手に体が動いて、大の字の形で立たされ、頭の後ろで手を組まされる。
体の3箇所に銀色の物体をまとわりつかせた、裸の自分が鏡に映る。
「まず、あなたが『体の枷』に快感をコントロールされることを、
あなたの体に覚えこませるための、訓練」
すると、視界が突然わずかに暗くなり、目の前にぽっかり浮かぶ、光る棒状のメーターの
ようなものが現れた。
「これが、あなたの快感のゲージ」
「快感の…ゲージ?」
「そう。
今は下の方でバーがちまちまと動いてるけど、
これが伸びて、上まで行くほど快感が強くなって、
てっぺんにある目盛りを振り切ったときに、あなたはイクの。
ちょっと、やってみましょうか」
「えっ?あ、あぅ?」
バーがするすると、上に向かって、伸びていく。
するとどんどん、胸と股間がじわじわしてきて、体が熱くなる。
「え?あ、あふっ、な、なんで?」
真ん中をすぎた辺りから、まるで自分がセックスの最中であるかのような感覚に襲われる。
ゲージは、こちらの事情などまるでお構いナシとばかり、ずーっと一定のスピードで、伸びている。
「あ、あっ、あんっ、ああんっ、いや、あぁっ」
徐々に、てっぺんの目盛りに、近づく。
自分が昂ぶり、登りつめているのを、感じる。
「じゃ、このまま、イっちゃいましょ?
ほら―」
「あ、ああっ、イク、あぁああああああああん!!」
591 心の枷 (6/12) sage 2012/09/20(木) 11:37:42.59 ID:WJ/FyB5K
ゲージのバーが目盛りを越した瞬間に、本当に、イってしまった。
でも体は大の字で、頭の後ろで手を組まされたまま、動けない。
ただ、快感で、ピクピクしている。
バーはすーっと縮んでいき、ちょうど真ん中の辺りで、止まった。
じわじわと、快感が体の中で渦巻いている。
「はぁ、はぁ、ぁあ…」
「うふ。気持ちよかったでしょ?
もう一回いくね?」
「そ、そんな、やめ…あ、ああっ、あぅん、ああああああああん!」
再び、無機的に、強制的に、イかされた。
再びバーが、真ん中辺りまで、縮む。
「じゃ、次からはカウントダウン、してあげる。
いくよ?3,2,1,0」
「あぁ、あああああん!」
「はーい、もう一回。3,2,1,0」
「い、いやああああっ!」
「はいもう一回。3,2,1,0」
「や、ゃめ、いやあああああああん!」
何度も何度も、カウントダウンされ、その度に、イかされた。
ようやくカウントダウンが止まり、また、バーが真ん中辺りで止まっている。
何度もイかされて、頭がクラクラしている。
同時に、まだ体が甘い感覚に包まれているのが、わかる。
592 心の枷 (7/12) sage 2012/09/20(木) 11:40:39.52 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁっ、はぁっ」
「気持ち、よかった?」
「う、うぅ…」
「あれ?気持ちよくなかった?
もうちょっとやった方がいい?」
「い、いえ…気持ち、よかったです…」
「そ、よかった。
でも、まだ体がウズウズ、してるでしょ?」」
「う…ぅ…はい…」
「また、イきたい?」
「う…それは…でも……はぃ…」
「うふふ。素直でよろしい。
ちょっと、ご褒美ね?」
突然、両胸の、乳首の辺り…乳首がまだあるとしたら、だが、
チロチロと、いぶるような感覚が、襲ってくる。
少しメーターが、上がる。
「あぁん…」
「うふ。あまぁーい気分に、なってきたでしょ?
気持ちいい?」
「はぃ…」
「イキたい?」
「は…はぃ…」
「じゃ、今度は自分でカウントダウンして?」
593 心の枷 (8/12) sage 2012/09/20(木) 11:43:36.86 ID:WJ/FyB5K
「…え?」
「自分の感覚に素直になればいいだけだよ。
あなたがカウントダウンすれば、それにあわせて、バーが伸びていくから。
3から数えて、0になったら、イける。
あ、ただし、さっきくらいに、ゆっくりね?速くしすぎたら死んじゃうよ。
じゃ、やってみて?」
「あ…う…」
自分で自分を強制的にイカせることに、ためらう。
でも、体が、うずいている。もっと気持ちよく、なりたい。
「…気持よく、なりたいでしょ?」
「…はぃ…」
「じゃ、自分で気持よく、しなきゃ」
チロチロと、体が、いぶられる感覚。
芯がうずく、感覚。
イキ、たい…
「……さん…」
「そう、その調子」
「…に…あ、あぅ!?」
体が、かぁっと、熱くなる。
息が、荒くなる。
まさに、行為をしている最中の、登りつめる途上の、感覚。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ」
「ほらほら。そんな状態でずっといたら、それこそ、おかしくなるよ?」
「は、はぃ…あぁ…
い、いち…あぅあああぁぁんっ」
イク、寸前だ。
頭に血ががあっと上って、飛んでしまいそうな寸前の、あの、感覚。
「ほらほら、あと1つ」
「あぁっ、はぁっ、あぁっ、ううっ、
ぜ…ぜ…ぜろ……あぁあああああああん!!」
頭の中で、光がスパークした。
そのまま、また、バーが真ん中辺りの長さに、戻る。
「うふ。がんばったね。
じゃ、もう一回だよ」
「あぁ…うぅぅ…
さ…さん……に…うぅ…い、いちぃっ……ぜ、ぜろ、はぁあああああああん!」
「はい、もう一回」
「さ、さん…にぃ…い…ち…ぜろ…ふぅうあああああっ!」
「はい、もう一回」
「さん、にぃ、い、いち、ぜろっ!ああああああん!」
「もう、一回」
「さん、に、いちぃ、ぜろぉ!ああああああん!」
「もう一回」
何度も何度も、自分で、イカされた。
何度もイって、数えきれないほどイッて、ようやく、「もう一回」が、止まった。
594 心の枷 (9/12) sage 2012/09/20(木) 11:46:34.85 ID:WJ/FyB5K
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ…」
「うふ。ここまで順調よ。早希ちゃん。
じゃ、次のステップ、いくね?」
「はぁ、はぅ、ぅあ!?」
バーが伸びて、目盛りの直前で、止まる。
イク、寸前。
「あ、あの、イカせて、下さい」
「うふ。イキたいなら、イってみなさい?」
突然、ふっと目の前が暗くなり、すべてが緩む、感覚。
直後、頭から何かがするっと抜けていき、足元で、カラン、という、音がした。
「…え?」
足元に、銀色の物体が、転がっている。
さっきまで、自分の頭に嵌っていたもの…『心の枷』だ。
自分の体が自由になっているのに、気づく。
ふと鏡を見ると、自分の、いつもの顔だ。
「ちょ、ちょっと…そんな…私、体が、イク、寸前、なのに…」
突然のことでパニックになる。
「い、いや、イキたい、いやぁ…」
気持ちよくなりたくて、体を、まさぐる。
でも、『体の枷』が、それを阻む。
いくら胸を触ろうとしても、股間を触ろうとしても、触れない。何も、感じない。
ひたすら疼く体を、高めることも、鎮めることも、できない。
「ど、どうしたら、いいの、こんなの、いやぁ…」
595 心の枷 (10/12) sage 2012/09/20(木) 11:49:45.13 ID:WJ/FyB5K
床の上にへたりこみ、体中を、『体の枷』に覆われていない部分を自分で愛撫するが、
何の慰めにも、ならない。
イキたい。
イキたい。
イキたい。
どうしたら、イケるの…
…あ。
目の前に転がっている、『心の枷』。
こ、これを。
もう一回、嵌めれば…
思わず、『心の枷』を、手に取る。
おおよその向きを合わせて、前かがみになり、自分の頭の上に、それを、掲げる。
それを頭にかぶるように、手を、下ろしてみる。
すっ、と頭の周りが覆われた感覚がした後、それがきゅっ、と縮まり、
そして感覚が、なくなる。
そして、再び目の前に、ゲージが、現れた。
目盛りのすぐ手前まで、バーが伸びている。
「うふ。よく気づいたね。
そう。あなたは、『心の枷』を嵌めれば、イケるの。
じゃ、イキなさい」
「はぁっ、あぁあああん!」
軽く、イった。
そして、また、目盛りの寸前までバーが伸びる状態に、戻る。
イク、寸前。また、イキたい。
カラン、と、『心の枷』が外れて、目の前に転がる。
それを手にとって、また、自分の頭に、嵌める。
「うふ。おかえりなさい。
じゃ、イッて」
「ぁあっ、ぁああああん」
また、軽く、イった。
596 心の枷 (11/12) sage 2012/09/20(木) 11:52:35.30 ID:WJ/FyB5K
「じゃあ、これからは、『心の枷』を嵌めたら、すぐ、イケるようにしてあげるね」
そしてまた、イク寸前になって、『心の枷』が、外れる。
それをまた、手にとって、自分で頭に、嵌める。
「ぁああああん!」
イク。
また、外れる。手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
また、外れる、手にとって、嵌める。イク。
…ふと、『心の枷』が外れる寸前の目盛りが、ずいぶんと下がっていることに、気づく。
そして、嵌めた時の快感が、最初より大きくなっていることにも。
「…あ、気づいた?
そう。目盛りが下がっているほど、『心の枷』を嵌めた時に、たくさんイケるんだよ。
もう、大分下がったね。
これからも、少しずつ目盛りは下がっていくし、イった時の気持ちよさは、少しずつ上がる。
じゃ、再開ね」
カラン、と、『心の枷』が、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ふぁああああああん!」
すごく、イった。
見るとゲージが、真ん中よりすぐ下まで、下がってる。
また、外れる。
すぐ手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁ、あああああああああん!」
さっきよりも強く、イった。
そして、また、外れて、また、嵌めて、イッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて、
また、外れて、また、嵌めて、さっきより強くイッて。
ふとゲージを見ると、バーはほとんど一番下まで、下がっていた。
そのまま、『心の枷』が、外れる。
何の躊躇もなく、自分でそれを手にとって、自分の頭に、嵌める。
「ぁあああぁぁああああああああっっ!!!!」
めいっぱい、イッて、意識が、飛んだ。
597 心の枷 (12/12) sage 2012/09/20(木) 11:55:37.81 ID:WJ/FyB5K
気づくと、ベッドの上に、仰向けに、横たわっていた。
目の前にゲージが浮かんでいて、真ん中より上から、目盛りより少し下らへんを、
行ったり来たり、ゆらゆらと、揺れている。
「最後まで、よく、やったね。
どう?わかったでしょ?
あなたは、『心の枷』を嵌めれば、気持ちよくなれるの。
でも、外せば、気持ちよくは、なれない。ね?」
「…はい」
「外行く時に『心の枷』を外すのは仕方ないけれど、
家に帰ってきて、『心の枷』を嵌めさえすれば、また、気持ちよくなれる」
「はい」
「うん。いい子だね。
じゃ、訓練は、おしまい。
あとは、ご褒美。今晩じゅう、『心の枷』と『体の枷』が、
あなたを甘ぁく、気持ちよぉく、してあげる。
『心の枷』を嵌めさえすれば、いつでも、この気持ちよさが、味わえるよ」
「はい…」
目の前でゲージがゆらゆらと、揺れて、
それに合わせて自分の中の気持ちよさも、揺れて、
ベッドの上で、ずーっと、誰かに抱かれ続けているような、そんな快感を、味わい続けた。
次の日の、朝。
「…じゃ、行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい」
自分で『心の枷』を外して、化粧台の横の棚に置き、
髪の毛をセットして、会社に、向かった。
今日は早く帰って、『心の枷』、嵌めないと―
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