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五行戦隊第六話 『黒い水の中からの視線』
143 五行戦隊 sage 2012/12/24(月) 09:25:15.47 ID:uwOBuGIO
第六話 『黒い水の中からの視線』
適当あらすじ
使えば使うほど淫らになっていくことをしりながら力を使う翠
鈴華、睦美含め正義の味方だった者同士の戦いが始まる
一方、灯の前には後一歩で助けられたはずの清見が敵として立ちはだかる
金:×
木:×
水:×
火:○ ピンチ
土:○
144 五行戦隊 第六話(1/22) sage 2012/12/24(月) 09:27:13.32 ID:uwOBuGIO
一陣の湿った風が森の合間を撫ぜる。
綿密に降り続く小雨が濃霧のように夜空を覆い、
生暖かい空気を蒸し風呂のように閉じ込める。
森の中はまさに熱帯雨林のようだった。
そんな高温多湿な環境の中、一人の少女は木陰の後ろに縮こまっていた。
サウナ室のような息詰まる熱気にも関わらず、
少女は風邪を引いたかのように震えの止まらぬ両腕で体を抱きしめていた。
体を包むダークグリーン色のスーツは生き物のように
もぞもぞと動き、葉っぱから落ちる雨粒にうたれるとピクリと跳ねる。
露出した肌もすっかり敏感になったのか、
色っぽく染まったそれは風に撫でられて軽くわななく。
物音が目立たないよう、少女は呼吸を小刻みに分けてせわしく続けた。
その呼吸と同調するように触手スーツ上の妖眼が明滅を繰り返す。
吸気とともに緑色に輝き、吐気とともに暗くともる。
あたかもそのスーツは彼女の体の一部であるかのように。
あるいは彼女のほうこそスーツの一部であるかのように。
妖眼蟲に寄生されたその美少女――翠は、
今にも自慰してしまいたい衝動に焚き付けられていた。
彼女に宿るのは霊力ではなく、禍々しい妖力だった。
その妖力を駆使しようとするたびに、思考を絶するほどの淫欲が体から沸き起こる。
理由は分かっていた。
澄んだ霊力と違い、妖力の源は人間の濁りきった精気と欲望。
だが彼女はしばらく性行為をしていない。
淫らな情欲だけが体中を巡り、脳に望みを訴えかける。
淫欲だけならまだマシだった。
もっとつらいのは、この力を使おうとするたびに、
それが宿敵によって授けられた屈辱であると思い出してしまうことだった。
周囲の成長し続ける植物は、どれも邪悪な外見をしていた。
いやらしいしずくを分泌する蕾。
人の淫欲を誘う香りの肉の花。
女性器のような卑猥な割れ筋が生えた茎。
妖眼を見開く幹。
それらの外見は、正義の味方が使う技のイメージと遠く離れたものだった。
今この瞬間にも、自分の体がどんどん妖力に馴染んでいくのを感じてしまう。
かつて悪と戦った者として、これ以上ない屈辱と無念である。
(でも、この力でみんなを守れるのなら……)
悔しさを胸中に押し込めて、翠は両手を地面に突き立てた。
濃密な妖力は瞬時に地脈を通り、周囲の植物は一層狂ったように成長し出す。
翠はもともと辛抱強い少女である。
彼女のマイペースなところは、ほかの仲間にも安心感を与え続けた。
それと比べれば、鈴華は間違いなく短気者である。
普段からイタズラ好きな鈴華にとって、単純作業ほど退屈なものは無い。
145 五行戦隊 第六話(2/22) sage 2012/12/24(月) 09:28:57.28 ID:uwOBuGIO
「ああもう、面倒くさい!」
翠から離れ場所に、一人の黄色い少女が植物に囲まれていた。
彼女は煩わそうに言いながら、手にしている大バサミを放り投げた。
大バサミは空中を半回転して、
後ろを群がる赤薔薇に突き込み花びらを血飛沫のように斬り散らす。
だが、すぐにその空間を埋めるごとく新手の茨が伸び出る。
鈴華の小柄な体が地面に座り込む。
大きな瞳を広げ、不満げに歯軋りする姿は小動物のような愛着があった。
だが彼女が身に付けている暗黄色の触手スーツには、
翠と同様に悪の寄生眼が生えていた。
ふと一本の木が樹皮に妖眼を見開くと、地面からこっそり根を引き上げ、
少女の無防備な背中に向かって枝をのばす。
しかしその枝が動き出す直前、無数の剣影が樹木を梢の先まで木っ端微塵に切り裂く。
少女のまわりを、金銀銅鉄などさまざまな材質の剣が浮遊していた。
何も感付いていないように少女は駄々をこね続ける。
「つまんない! つまんないつまんないつまんない!
出てきなさいよ、こんなの卑怯じゃない。正々堂々と勝負しなさい!」
まるで子供のように地面に伏してじたばたする少女。
彼女の周囲三平方メートルは浮かぶ剣陣によって守られ、
苗一つ生えない禿地に刈り取られていた。
だがそのテリトリーから出れば、ジャングルのような密林が立ち並ぶ。
五歩先の景色さえ見通せないほど、植物が密集していた。
翠はただ気配を殺しながら、鈴華の動きを監視し続けた。
樹木に生えた妖眼を通し敵の一挙一動まで把握できる。
この力を忌みながらも、翠はその便利さを認めざるをえなかった。
地の利は一方的に翠にある。
もともとここは森林地形。
翠の気配を紛れこむのにこれ以上なく適している。
その上、天も味方していた。
五行相生において水は木を生む。
この雨の中であれば、もともと生命力に長けた翠の植物は、
更に氾濫するごとく成長することができる。
苦手属性であり、更に五行戦隊でも群を抜いた殺傷力を誇る鈴華に対し
翠は無理に戦うことをしない。
ただこうやって足止めできればいい。
できる限り長く。
突然、翠の妖眼の視界に変化が起きた。
鈴華は暴れることをやめ、ゆっくりと立ち上がったのだ。
「ずっと隠れていれば安全だと思ってるの? 翠ちゃんらしくないじゃない」
閃電のフラッシュが森を一瞬だけ照らす。
さきほどと打って変わって、鈴華の冷酷な笑みを映し出す。
子供が悪だくみのときに見せる、可愛らしい犬歯をのぞかせて。
「それとも、今の翠ちゃんはそうやって隠れてるのが精一杯なのかしら?」
146 五行戦隊 第六話(3/22) sage 2012/12/24(月) 09:31:38.82 ID:uwOBuGIO
鈴華の身を包んでいた触手スーツが解かれ、
うねる触肉の中から短剣、刀、斧などが析出される。
次の瞬間、それらの刃は弾丸のごとく周りへと発射された。
一本の鉄槍が真上のヤシの木に生えた妖眼を貫いたとき、
翠の視界情報はそこで途切れた。
鈴華を中心とした範囲内の植物が跡形もなく破砕され、
ただ次々と切り倒される感じだけが翠に伝わる。
何のつもりだろうか。
翠は更に身を縮ませて考えた。
この程度の破壊なら、時間さえあれば元の状態まで簡単に再生できる。
ならば鈴華の意図はほかにあるだろうか。
(痛……っ!)
翠は足元を見ると、一匹の小動物のような生き物が自分の右足首に噛み付いていた。
手のひらサイズの金属体ながら、
サメのような鋭い牙を使って触肉のブーツに食い込む。
その生物の頭にある一つ目が翠の視線と合うと、
牙の合間から「シュルル」と気味悪い笑い音を出す。
翠はすかさずその鉄塊を掴んだ。
腕を覆う触手グローブの一部が蔓に変形して、敵の目玉に種を植え付けて生え潰す。
周囲を見れば、木々に刺さった鈴華の刃が次々と同じような金属生命体に生成し、
軍団ピラニアにも勝る勢いで植物を食い散らす。
すぐに翠がいる木の幹だけ無事なのが目立つほどに。
しまった、と思ったときはすでに遅かった。
どこからともなく現われた鈴華は、
浮遊する十三本の剣を一本の妖眼剣に合体させ迅雷のごとく振り下ろした。
「そこよ!」
「くっ……!」
真ん中から両断された木から、翠は後ろに背を向けたまま飛び出す。
触手スーツの肩の部分が切り裂かれ、緑色の汁液を散らす。
鈴華が二撃目に切り替える直前、翠の懐から無数の木の葉が湧き出て、
宮廷舞踏会のダンサーのように両者の間を踊る。
その葉の群れを一振りで一掃した時、鈴華の前にはすでに誰もいなくなった。
十メートル離れた木の上で、翠は肩を押さえながら息を噛み殺した。
傷口から感じるのは痛みではなく快楽。
鈴華の剣には妖呪が込められて、
それに斬られた者は心を奪われ妖眼蟲に寄生されてしまう。
もとから寄生者である翠には寄生効果までは無いが、眼下では他の問題点があった。
鈴華が放った妖眼憑きの刃どもは、白蟻のように植物を次から次へと食い尽くす。
この森を制圧するのに十分なスピードである。
今まで見たことのない鈴華の術。
どうやら、妖魔の隷属化の恩恵を受けたのは自分だけではなかったようだ。
体を襲う淫欲はすでに限界まで達していた。
これ以上の打開策が無ければ敗れるのは必至。
しかし緊迫した状況とは裏腹に、
脳内では速く楽になりたいという欲情ばかりが増大する。
147 五行戦隊 第六話(4/22) sage 2012/12/24(月) 09:34:22.98 ID:uwOBuGIO
「翠ちゃん、動きが鈍ってたわよ?」
枝葉のむこうから、剣刃の緑汁を舐め取る鈴華の姿が見える。
彼女は得意げに笑いながら、土から伸び出た新芽を容赦なく踏み潰す。
「長期戦にしようって作戦みたいだったけど、一つ大事なことを忘れてない?
翠ちゃんって、前に私とエッチしてからどれくらい時間経ってるの」
(っ……!)
翠は思わず唇をかみ締める。
鈴華と繰り広げた淫らな行為が、その一言によって鮮明に蘇る。
森の反応を確かめるように、鈴華はにんまりと笑った。
「まさかとは思うけど……その時からずっと精液を摂取していないとか、
そんなこと無いよね? 翠ちゃんの体って男の精液無しでは生きていけないくらい
すごく淫乱だもん。ほら、私の寄生チンポをしゃぶった時の味、思い出してみてよ」
鈴華のかわいい金切り声から逃げるように、翠は自分耳を塞いだ。
しかし、そのセリフによって連想させられた異物のイメージはすでに隙をこじ開けた。
「あっ、そっか。ここに来るまで睦美や灯とずっと一緒だったもんね。
あの二人にそんな恥ずかしいこと見せられないよね。あれ、それじゃあオナニーも
全然できないじゃない? 可哀そうな翠。あなたがずっとオマンコを濡らして
期待しているのに、あの二人はまったく気付かなかったもん」
(やめて……そんなこと言わないで……!)
頭を左右に揺らしながら、翠は心の中で叫んだ。
必死に抑えつけた欲望の炎がじわりじわりと再燃する。
貪婪に精をむさぼる自分の浅ましい姿。
それを灯や睦美がさげすむような目で見つめる。
封印したつもりの劣情が鈴華のセリフに反応していとも簡単に釣り出される。
たとえそれが挑発だと知っても、翠は動揺を抑えることが不可能だった。
そのため、彼女は場の変化に素早く対応できなかった。
一匹の妖眼蟲は、土を押しのけながら地面を這い進んでいた。
葉脈の張った翡翠色の小さな蟲。
その蟲の存在を木の上から気付くと、翠は「アッ」と驚きの声をあげた。
だが彼女がアクションを取るよりも速く鈴華がその妖眼蟲を摘み上げる。
「こんなところに子供の妖眼蟲がいるよ」
鈴華の手中にあるのは、幼いスライムだった。
蟲の肉構造はまだ柔らかく、その小さな体は愛嬌さえあった。
「その子は……!」
「あれれ、この子ってあのとき翠が産んだ子供じゃない。
まだ宿主を見つけてないのに、母親の妖力を感じて、心配になってやってきたんだ。
まだ子供なのに、偉い偉い」
鈴華は小悪魔のような笑みを浮かべると、妖眼蟲の子供をいじくるように撫でた。
それを嫌がってか、蟲は「シュル、シュル」と幼げな奇音をあげる。
「その子を離しなさい!」
気配を隠すことさえ忘れ、翠は大声を出した。
反響する声に木々の枝が一斉に揺れる。
勇ましい口調ではあったが、翠は何か感情を噛み殺していると感じ取ると、
鈴華の笑みに悪意が増大する。
148 五行戦隊 第六話(5/22) sage 2012/12/24(月) 09:35:55.47 ID:uwOBuGIO
「ふーん、なんで?」
「その子は私達の戦いと関係ないはずです」
「イヤだ」
「な……に?」
「私が捕まえたんだから、何をしようと私の勝手でしょ」
鈴華は意地悪そうに笑いながら、
蟲の目玉を押したりつねったりコリコリしたりして遊んだ。
幼蟲はますます嫌がって、鋭い音を立て始めた。
一瞬森の全ての葉っぱが上向きに逆立ちしたことを鈴華は見逃さなかった。
「やめなさい! 妖眼蟲はあなたの仲間なんでしょ?
どうしてそんな酷いことをするのです」
「翠には関係無いでしょ?『正義の味方』なんだから」
「くっ……!」
遠目で鈴華にいじめられている妖眼蟲の姿に、
翠の胸は今まで感じたことも無いような痛みが貫く。
正義の味方である五行戦隊にとって、妖眼蟲は紛れもなく人類に害をなす敵。
そして翠個人としても、自分を陵辱した不倶戴天の相手である。
しかしなぜ、あの幼虫の救いを求める視線がこんなにも胸を突き刺すだろうか。
悲鳴が聞こえてくるたびに、
心の琴線が震えて裂かれたような気持ちを味わう。
それと比べれば、今までの人生で体験したどんな苦痛も微々たるものだった。
翠はついに懇願するように言葉を並べた。
「お願い、もう止めて……もうその子を離してあげて!」
「そう言われると、ますます痛めつけたくなるんだよね」
鈴華はくくくと笑い、手首をひるがえした。
妖眼剣の刃が蟲の目玉の横に宛がわれる。
「待って!」
悲鳴に近い叫びだった。
落葉とともに翠は飛び出し、鈴華の前で止まる。
妖眼蟲は彼女の姿に気付くと、
シュルシュルと音を立ててただ一つある目玉で彼女を見つめた。
そのいたいけな視線と触れた途端、翠の胸は愛憐と焦燥で破裂しそうになった。
再会できた喜びと同時に、凶刃の光に今まで無かった恐怖に身が震え上がる。
「お願い、もう止めて! 私がどうなってもいいから、その子を離して!」
五行戦隊の中でも特に穏和な性格で、仲間を優しく支える翠。
それが今では、まるでわが子を人質に取られた母親のように慌てきっている。
その変化に鈴華は腹から滑稽そうな笑いをこみ上げる。
「ハハハハ……正義の味方が妖魔の助命を願うなんて、本当に面白いわ。
この子が大事だって、認めるんだね?」
「ええ、認めるわ! 認めるから……だからその子を助けてあげて!」
「じゃあ今すぐ土下座して『百眼様ごめんなさい。もう二度と過ちをしないよう、
私を何百回も犯してメス奴隷だったことを思い出させてください』って謝りなさいよ」
「そ、そんなことは……」
「そう、できないのね」
149 五行戦隊 第六話(6/22) sage 2012/12/24(月) 09:37:49.85 ID:uwOBuGIO
小さく呟くと同時に、鈴華は前触れもなく剣を引いた。
刃が蟲の表面に切り傷を残し、一筋の汁が土にかかる。
蟲の悲鳴と翠の悲痛の声が同時に夜空をつんざく。
鈴華がポイと投げ捨てると同時に、翠の体はバネのように飛び出し、
その幼体を空中でキャッチする。
だがその直後、鈴華の放った鉄鎖が彼女の首を巻きつき、土に強くたたきつける。
それでも妖眼蟲を守るようにと、翠は胸を大事に抱え背中から地面と激突させた。
自分が受けたダメージよりも、翠は真っ先に幼蟲の傷の手当てをした。
息絶え絶えだった幼蟲は本能のようにもぞもぞ動き、
母親が露出させた乳首に吸い付く。
蠕動するごとに母乳を吸い出すと、体表面の斬り傷が癒着していく。
「命も顧みずに妖魔を助けるなんて、正義の味方と聞いて呆れるわ。
これで分かったでしょ? 翠ちゃんはもう、身も心も妖眼蟲のために存在してることを」
「全てあなたの言うとおり……私は妖眼蟲のために存在している。もう何を言われても、
あなたに従います。だから……だから、この子だけは見逃して下さい」
鈴華は翠に剣を向け、ニッコリ笑った。
泣き崩れる翠。
鎖で首を締められているのに、蟲を守るように抱えて必死の表情で哀願する彼女。
この瞬間から、悪と対峙する勇気を持つ五行戦隊の翠はいなくなった。
残るのは我が子を守るためなら、敵にも屈する一人のか弱い母親だけ。
「安心してよ。私の心が広いのは、翠ちゃんも昔からよく知っているでしょ? いいわよ」
翠の表情が明るくほころぶ様子を鑑賞してから、鈴華は言葉を続ける。
「ただし、ちゃんと罰を受けてもらったらね」
「えっ……?」
投げ渡された金属の物体を受け取ると、翠は驚きの声を上げた。
それは銀色の貞操帯だった。
股間を宛がう場所に二本のディルドーが怒張り、棒状の表面がいやらしく脈動する。
「それを自分の手で装着したら、大目に見てあげてもいいわ。あっ先に言っとくけど、
一度それを自分の手で装着しちゃうと、持ち主である私が許さない限り、
どうがんばってもはずせないの」
「そんな……!」
「嫌なら止めても良いわよ。ただし今度こそ、ざっくりしちゃうかも……」
「わ、分かったわ!」
鈴華の剣先が動いた途端、翠は全ての抵抗する意思を放棄した。
彼女は震えたまま立ち上がり、股間を覆っていた触手スーツは解かれる。
そのまま絶望に満ちた表情で貞操帯を自分の秘部に当てた。
「ひゃっ!?」
女性器の匂いを嗅ぎつけた途端、
貞操帯のディルドーは一気に伸びて少女の前後の穴を塞ぐ。
そのまま手足を伸びるかのように金属紐が尻に深く食い込み、後ろで連結する。
反応するよりも速く貞操帯は彼女の股間にぴったりと張り付き、
股間から尻にかけてのラインをいやらしく装飾する。
金属の正面プレートに、一つの妖眼がくぱっと見開く。
150 五行戦隊 第六話(7/22) sage 2012/12/24(月) 09:39:32.55 ID:uwOBuGIO
「はあああ……っ!」
翠はかすれた悲鳴をあげながら、苦しげに体を後ろに反らした。
ディルドーは彼女のさからいをまったく意に介さず、中へ中へとぐんぐん押し入る。
すでに高揚していた少女の体にとって、
その力強いピストン運動は壮絶なものだった。
そんな宿主の事情を考慮する気配もなく、
貞操帯はぴったりフィットしたのち「カチャリ」と鍵音を鳴らす。
「はああぁん、っうん……ううぅんっ!」
「あはは、これでもう浮気ができなくなっちゃった。
私の『目』がいつでも監視しているから」
鈴華は貞操帯の表面にある妖眼をなぞると、翠はビクンと大きく跳ねた。
プレートの裏側にびっしり生えた繊毛がむき出しになったクリトリスを撫で、
人外の快感を与える。
「はああぁん!」
「そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいね。でもこれは一応罰なんだから、
翠ちゃんが絶対イケないようになってるんだ。翠ちゃんって、
あれから以来一度もセックスしてないんでしょ? あはは。
せめてここに来るまでオナニーでもしとけば良かったのにね!」
のた打ち回る仲間に対し、鈴華は悪戯が成功した子供のように哄笑を投げかける。
蟲の幼虫は心配そうに母親を追いすがるが、
その幼体を鈴華が容赦なく茂みの向こうへ蹴り飛ばす。
「やめて! あの子に手を出さないって約束したでしょ?」
「約束? 誰が?」
鈴華は肩を可愛らしくすくめた。
「私をここまでイライラさせといて、何を言っているの?
覚悟しなさいよ、翠ちゃんへの罰はまだまだこんなものじゃないんだから!」
「そんな……ああぁぁっ!」
鈴華は二つの金属リングを取り出すと、翠の左右の乳首にそれぞれはめた。
しかし翠の口から漏れ出た悲鳴は、すぐに快楽の喘ぎ声に変化する。
金色に輝くリングによって装飾された美乳は、
高級娼婦のようないやらしくも美しい光沢を放つ。
「うんうん、さっすが私。貞操帯と一緒で、淫乱な翠ちゃんによく似合ってるわ」
乳首をくくる金属リングをぺロリと舐める鈴華。
たったそれだけの衝撃で、翠は嬌声をあげてしまった。
両手でいくら貞操帯を掴んでも、奥深くまで固定したディルドーは絶妙な加減でかき回し、
決して尽きることの無い快楽を創造する。
そして乳首にあるピアスは常に意識を刺激し、翠は狂うことも気絶することも許されない。
未来永劫にも思えるもどかしさは、まさに地獄の拷問だった。
151 五行戦隊 第六話(8/22) sage 2012/12/24(月) 09:41:02.69 ID:uwOBuGIO
不意に鈴華は表情を収斂させ、足元から伝わる地面のわずかな振動に意識を集中する。
「そこ――っ!」
鈴華は剣を身丈よりも大きい鉄槌に変化させ、
すかさず地面に向かって力いっぱい叩きつけた。
ハンマーが接触した場所を中心に四方八方へと亀裂が走る。
だが土の中から堀り返されて出てきた人物に、鈴華は驚きを隠しきれなかった。
三人の少女だった。
少女たちは体にそれぞれ蔓、葉、花型の妖眼蟲を寄生していたが、
鈴華から重い一撃を受けたせいで三人とも目をグルグルさせて気絶していた。
ハッとなって空を見上げると、雨の中から無数の岩つぶてが降って来た。
鈴華の思考は電光石火のごとく閃く。
寄生娘たちを地下道に誘い込む。
次に地上にいる自分と互いに敵だと思わせて同士討ちさせる。
そのあいだ本人は上からの強襲。
決して能力に溺れることなく、最善の作戦を立てる堅実な攻め方。
「睦美、その程度で私に通じると思ってるのか――っ!」
鈴華はハンマーを空中に放り投げられると、そのまま十三本の刃に分離した。
岩石がその範囲に入るや否や、
剣の陣は目にも留まらぬ速さで何もかも砂粒までに斬り裂く。
五行戦隊で随一の攻撃力と守備力を兼ね備えた鈴華。
どんな相手に対しても、彼女は遅れを取るつもりは無い。
「それはどうかな」
「なにっ!?」
気絶した娘達から声が響いたと思いきや、
その下から二本の腕が伸び出て鈴華の足をがっちり掴んだ。
完全に不意を突かれ、一気に足首まで土中に引き込まれる。
「させるか!」
鈴華は素早く妖眼剣を呼び戻すと、迷わず両手で地面に刺しこんだ。
どんな金属をも切り裂く妖眼剣の前では、地面もアルミ箔とそう変わらない。
剣が柄まで一気に埋まると、足を掴んだ腕がピタッと止まった。
と鈴華がそう思った次の瞬間、そのまま妖眼剣を地中へと引きこまれてしまった。
まばたきする間もなく得物を失ってしまった鈴華。
ただ呆然とするほかなかった。
この妖眼剣は五行戦隊にいた頃から長らく鍛え上げた霊剣で、
鈴華が悪に屈した後それも邪悪な妖剣として寄生されてしまった。
数々の強敵を倒した相棒として、武器の中でも特にお気に入りだった。
しかし、今は当然愛剣の行方に気を取られている場合ではない。
一度動きを止めていた地中の両腕はそのまま鈴華の足首を強く掴み、
再び動き出したのだ。
今度は森の外へ向かって。
「睦美の土遁術……!」
翠の姿が木々に遮られて見えなくなったのを確認し、鈴華はチッと舌打ちをする。
最悪なタイミングだった。
あともう少しで翠を屈服させられたのに。
万全ではないにしても土属性に対し有利な分、
鈴華と二人分の力を合わせれば確実に睦美を圧倒できた。
152 五行戦隊 第六話(9/22) sage 2012/12/24(月) 09:42:32.20 ID:uwOBuGIO
砂漠の中を泳ぐ砂ザメのごとく、地中の腕が左右に土波を分けながら意のままに赴く。
そのジグザグ軌道のせいで鈴華は重心に振り回されるだけでなく、
次々と顔面に向かってくる障害物にも対応しなければならなかった。
葉っぱ木の枝野生の蔓食虫植物の袋と一通りの物体とぶつかった後、
鈴華はたまらず触手スーツから大鎌を取り出した。
ふと、彼女は目の前の進路に巨大な岩が迫ってくることに気付く。
時速八十キロまで上昇したスピードはすでに森を抜け、
まわりの景色を高速に後方へと投げ捨てる。
「ちょっと、冗談じゃない!」
枝に叩かれ赤くなった鼻をさする暇もなく、鈴華は両手で大鎌を振りかざした。
ジェットコースターの速度で迫り来る巨岩を真っ二つに切り裂く。
しかしそのすぐ後ろに、更に大きな岩壁がそびえ立っていた。
大きな轟音と同時に、岩壁に鈴華と等身大の空洞がくくり抜かれる。
「いったあああぁ!」
絶叫が夜空に伸びる。
鈴華は破片と灰をかぶった頭を抱え、目尻に大きな涙粒を溜めた。
接触する直前、体を覆う触手スーツを刃に変化させ岩壁を削ったおかげ、
間一髪で全力衝突を回避した。
が、触手スーツは頭部まで守っていなかったのだ。
「この……もう許さないんだから!」
鈴華は痛みをこらえて、大鎌を自分の足元に向かって一振りする。
足首を掴んでいた腕はバッサリ切断され、砂となって消え去る。
機を逃さずに鈴華は近くの高い木の上へジャンプし、
鎌を構えたまま全身の神経を尖らせる。
いつの間にか、森外の荒地に出てしまったようだ。
禿げ上がった地肌は雨水に沈み、荒れた広場に三、四の枯れ木がポツリと残るだけ。
砂地の中央に一つの入り口が開き、断層階段をのぼって一人の少女が現われる。
落ち着いた足取りの中に、不動の山のような気概を潜める。
褐色の戦隊服はまさに五行戦隊の一人、睦美のトレードマークであった。
「ひさしぶりだね、睦美。こうして私達二人っきりになるって」
「そうだね。最後に一緒に行動したのは、あなたが妖魔に捕らえられた日だったもの」
「少し前のことなのになんだかもう昔みたい。
あの時、二人で一緒に妖眼蟲を追いかけてたっけ」
雨の中で見つめ合う二つの視線。
たった一晩の出来事が二人の運命の分かれ道となった。
あの夜、仲間と連絡するために一時離脱した睦美。
睦美の代わりとなった妖眼蟲の監視役を買って出た鈴華。
言い表せない複雑な感情が二人の間を駆け巡る。
153 五行戦隊 第六話(10/22) sage 2012/12/24(月) 09:43:59.59 ID:uwOBuGIO
鈴華は睦美の特長をよく理解していた。
義に厚く、戦術眼に優れた一面を持ち合わせる。
長所はどんな場面でもオールマイティな力が発揮できること。
灯のように逆転性が強く、翠のように持久力に優れ、
清見のように柔軟性があって、鈴華のように守りに隙が無い。
全員分をフォローできる力と優れた決断力から、五行戦隊の隠れたチームリーダー役を果たす。
短所は得意とする地霊術には大味なものが多く、
地形に制限されてしまうと能力が百パーセント引き出せないことだ。
睦美は鈴華のことをよく考察していた。
小柄なかわいらしいイメージに反し、戦闘では勇猛果敢な働きぶりを見せる。
長所は五行戦隊の矛と盾を同時に担える攻守性能。
常に一番強い敵の攻撃から仲間を守り、常に一番硬い敵に最初の傷を与える。
相手を物理的に消滅させる力は単純でありながらその右に出る者はいない。
短所はテクニカルな技と意識が乏しく、
劣勢が確定してしまうとなかなか覆せないところ。
長いあいだ肩を並べて戦った者同士だけに、互いの手の内は知り尽くしている。
ただし、今は一点だけ変化が生じている。
睦美は妖魔化した後の鈴華のことをほとんど知らない。
「睦美がわざわざ私をここまで連れ出した理由は二つある。翠ちゃんの安全を守るため。
そしてもう一つは、森の中だと睦美と相性が悪いため。そうでしょ?」
触手スーツに覆われた胸を張りながら、得意げに語る鈴華。
睦美の反応はあくまでも冷静だった。
「そうだとして、どうする。今度は私を森まで連れ戻すのか」
「いいえ。睦美はここで戦うことが有利だと思ってるかもしれないが、実は私にとっても
好都合なんだよね。今までは翠がいるせいで、『あいつら』が阻まれていたから」
「あいつら?」
睦美が疑問を呈すると、ふと周囲の暗闇に無数の目玉が輝いていることに気付く。
目玉の数はなおも増え続け、睦美のいる砂場を取り囲むように現われる。
チリーン、チリーンと鳴る妖しい音色。
鈴華が髪飾りとなっている鈴を揺らすと、
数え切れないほどの金属スライムが現われる。
今まで睦美が戦った二、三匹の規模ではない。
大小様々の体を持つ一つ目妖魔が、のろのろと集まってきた。
鈴華は木の枝に座り両脚を嬉しそうに揺らす。
「どう? いっぱい人間から淫欲を吸って、私だけの妖魔軍団に作り上げたの。
この音を鳴らせば、どんな遠くからでも呼び寄せることができる」
「森にたくさんの人間を誘拐したのは、蟲を量産するためだったのか」
「ふふふ……睦美、あなたが絶対勝てない理由が一つあるの。霊力と違って、
私達の妖力は人間を堕落させて淫欲の虜にすればいくらでも集まるの。なにも私みずから
あなたと戦うことは無い。これだけ数で押せば、いくらあなたでも無理でしょ?」
154 五行戦隊 第六話(11/22) sage 2012/12/24(月) 09:45:24.27 ID:uwOBuGIO
「相変わらず子供じみた考えだな。単純であなたらしい」
「なによ!」
鈴華はぷんと頬を膨らませる。
「落ち着いたフリができるのも今のうちなんだから! 睦美を生け捕りにしたら、
ここにいる者達に一匹ずつ中出しさせてやるんだから!」
「一匹ずつと言わずに、全員同時にかかってきてもいいんだよ」
「そんなこと言っちゃって……もう土下座しても遅いんだからね!」
鈴華が鈴を激しく鳴らすと、妖眼蟲は互いに躯体から触手を伸ばし、
文字通り鉄の壁のスクラムを組んで押し寄せてきた。
一列目の蟲群れが睦美の近付くや否や、二列目の妖眼蟲が重ねるようにその上を登る。
鈍重な体をひしめく妖眼蟲。
金属同士がかすれる騒音が砂場を響き渡る。
鈴華はしたり顔でその光景を見つめた。
だが次第に彼女の表情が変化していく。
雨水に浸され泥沼状態になった地面は、まるでスポンジのように沈んでいき、
金色スライム達の重体を飲み込み始める。
砂場にアリジゴクの巣のような落とし穴が広がり、鈴華のいる木まで及んだ。
傾斜していく木から慌てて離れた直後、大木が傾きながら泥沼の中へ流れ込んでいく。
その泥沼の中心で、睦美は両手を素早く変えて印を結ぶ。
「鈴華、あなたはあれこれ考えてきたけど、基本的なことを忘れている」
「なにっ?」
「一つ、金はもともと土より生まれたこと。二つ、私が最も得意なのは乱戦であること。
そして三つ、正義は必ず悪に勝つこと!」
睦美はそのまま地面に両腕を叩きつけ、全身の霊力を解放した。
魂を込めた招来令術とともに、大きな砂の霊獣が地中から噴き出すように立ち上がる。
逆巻く泥沼に無数の金属スライムを巻き込んだまま、
血肉のごとくその泥で体を構成する。
龍に似た頭部が天を仰ぐと、地鳴りのような雄叫びを上げる。
霊獣の体の土砂はそのまま収縮して、
中に混ざってしまった妖魔をじりじり圧殺していく。
異物を石化して目玉を潰すたびに、妖魔が突きたてた刃が召喚獣の体内を貫く。
感覚をリンクしている睦美は、
無数の釘で内臓を打ち付けられるような痛みを感じ続ける。
だが、彼女には立ち止まる時間が残されていない。
(灯、清見……もう少し待っててくれ!)
こめかみに青筋を立てるほどの激痛と戦いながら、睦美は霊獣の肩から指示を出す。
「行け、土麒麟(ドキリン)!」
土の霊獣は天を遮るほどの泥砂を巻き起こすと、鈴華に向かって猛スピードで突進した。
155 五行戦隊 第六話(12/22) sage 2012/12/24(月) 09:46:42.09 ID:uwOBuGIO
□
灯はとても不思議な気分だった。
目の前にある無愛想な表情は、間違いなく清見本人のもの。
なのに昔とイメージが全然違うのはどうしてだろうか。
清見は水色のバトルスーツに代わり、
今では黒を基調とした青い触手スーツを身にまとう。
青いライン上に妖眼が見開き、かつての意趣を汲みつつ新たな魅力で宿主染め変える。
こびりつくように肉質の布地が体に張り付き、
胸の起伏や腰つきの勾配を惜しみなく描き出す。
下半身はスカートではなく、
レオタード式の肉布が太ももの間をいやらしく食い込み淫靡さを演出。
ノースリーブから露出した肩の白肌はまばゆく、
その先にある両腕は肉質のロンググローブに包まれた。
清見が右手を掲げると、腕を包んでいたグローブは幾本もの青い肉紐にほどき、
クラゲのようにふわふわと空中に浮かんだ。
灯はもどかしい感情に苛まれた。
今の清見の格好は驚くくらい彼女に似合っていた。
ダークブルーの雰囲気はその無表情をよく引き立て、
昔には無かった凄艶な色香を匂わせるようになる。
冷酷な視線に射られると、身も心も凍えるような気持ちにされてしまう。
それが脳内に鮮烈なイメージを焼き付けてしまい、
灯の中にある清見の昔の姿が思い出せない。
清見の姿が美しければ美しいほど、灯はいら立つような悔しいような気分に陥る。
翠の時もそうだったが、その感情は一体なんなのか、
灯自身にもうまく説明できなかった。
ほとんど身動きできない彼女には、ただその激昂を皮肉の言葉に変えて発散する。
「どうなの、その『新しい服』の着心地は」
「悪くない。宿主である私のイメージを瞬時に転写して具現化できる。
これなら私の力を最大限に引き出してくれるだろう」
そう言いながら、清見は腕を振り下ろした。
触手は途中から鞭のようにしなり、地面に倒れている灯の体を強くなぎ払う。
水しぶきが激しく散った。
「っ……!」
苦悶を眉に滲ませながらも、声一つあげず歯を食い縛る灯。
水の鞭によって学生服が裂かれ、その下の赤く腫れた素肌を雨空に晒す。
今の灯は変身前の姿に戻っていた。
雨の中で泥水に浸かる制服姿は彼女の敗北ぶりを痛々しく物語る。
護霊服の守護が無き今の彼女は、
妖力を帯びた攻撃に対しまったく無防備な状態である。
清見はかつての仲間を心配する素振りもなく、ただ興味津々と水触手をさわる。
「面白い性質。妖力をそのまま使用するのに、扱い方は霊力とほとんど変わらない。
まさに私達のような退魔術者を生かすためのシステム」
「まだそれほど経ってないのに、ずいぶんと馴染んでるんだね」
156 五行戦隊 第六話(13/22) sage 2012/12/24(月) 09:48:21.46 ID:uwOBuGIO
「鈴華と翠のおかげだ。二人に寄生した経験がそのまま私に伝えられる。
妖眼蟲同士は知識を共有し蓄積する。個体ごとゼロから勉強する人間より
ずっと合理的で素晴らしい」
「五行戦隊よりも?」
「そうよ」
カチン、と来た。
清見の言い草は完全に敵の肩入れをするものだった。
妖魔によって世界がどれほど損害を受けたか見てきた灯にとって、
それは何よりも許せなかった。
「今までオレたちが過ごしてきた時間は、全部どうでもよかったのか!
一緒に修行をして、一緒に枕投げして、一緒に戦ってきた時間が!」
「そう言ったつもりは無い。五行戦隊として身に付けた知識は、
これからもずっと役に立たせるつもりだ。妖眼蟲が人間世界を征服するために」
「このやろうっ!」
灯は何度も目を凝らして清見の顔を見つめた。
しかし清見の顔は学校裏の池水と同じようで、感情の揺れがまったく見つからない。
親友だから分かる、清見は本気でその言葉を言っている。
そして親友だからこそ、灯は清見にそんなことをさせるわけにはいかない。
「覚えてろよ、絶対一発殴ってやるから!
正義心を思い出させるくらい強烈なやつをな」
「ありがとう。でもそうなる前に、あなたの正義の心を私が消してあげるわ」
清見はそう言いながら右拳を突き出し、手をギュッと握り締めた。
彼女の右腕を包むロンググローブは濃い黒に変色し、
肉布全体が手首の方向へと波打つ。
表面にある妖眼は小波に乗る葉のように揺れ動く。
何もできないまま、灯はその不気味な光景をただ見上げるしかなかった。
肉布はまるで液体のようにうねる。
だが灯はすぐにそれは錯覚ではなく、本当に液体化していることに気付く。
握り拳の隙間から数滴の黒液がしたたる。
それが何を意味しているのか分からない。
たが持ち前の本能から、灯は反射的にそれを顔から避けようともがいた。
液体は彼女の顔面からはずれ、左胸あたりに垂れ落ちた。
「あ……っ!?」
灯はいきなり左胸に息ができないくらい重苦しいしびれを感じた。
深海に沈められたような気持ちになったが、それも最初の一瞬だけ。
すぐに痺れが鈍い疼きすりかえられ、
どんよりと沈殿していくような心地良さが芽生える。
灯はすぐさま自分を見下ろし、唖然となった。
水滴はコールタールのように粘度が高く、制服のブラウスやブラジャーまで浸透する。
禍々しい妖力が直接肌と触れ合う。
だが思ったほど不快な感触ではなかった。
粘液にまみれた部分にじんわりとした気だるさが生まれ、頭がぼんやりしてしまう。
157 五行戦隊 第六話(14/22) sage 2012/12/24(月) 09:49:38.83 ID:uwOBuGIO
「なに……これ?」
心地良さに流されないよう、灯は懸命に正気を維持する。
黒液が浸透しきった部分は、まるでラバーのように黒々とした光沢を帯びる。
手で拭き取ろうとしても、手のひらが液体を掴むだけで剥がし取ることができない。
そして驚くことに、黒粘液化はそのままゆっくりと周囲へ広がっていく。
「鈴華や翠を見て、私はあることを確信した。
もし五人とも寄生された場合、おそらく私が最も寄生能力を発揮できると」
清見は無表情のまま身を屈め、黒液を絞り出した手で灯の胸をさわった。
たっぷりと粘液を含んだ手のひらが、灯の胸を満遍なく塗りたくる。
「いやっ……!」
灯は喘ぎ声が出そうになるのを必死にやり過ごした。
コールタールの粘液を手が滑り、そのまま快感神経を撫でられているようだ。
乳房を鷲掴むと指の隙間から黒液が溢れ、ほどよい堕落感に変換される。
「うう、ううっ……悪いことをしてるのに、よくそんな……冷静でいられるのな!」
「前まで私もそこが不思議だった。寄生され意識を植えつけられたというのに、
ほとんどの人間は人格が独立していた。でも、その認識自体が間違いだった。
妖眼蟲は人間を変えるではなく、むしろその人間の本来の姿を取り戻した」
「馬鹿を言うな! 鈴華や翠のあれが本来の彼女たちだと言うのか?」
「その通りよ。本来の鈴華はひねくれ者で、翠の本性も淫乱なマゾヒストだった。
そして私は、陰湿な私のままで行動できる」
「ひゃああ……っ!」
灯の悲鳴が響き渡る。
清見は親指と中指で灯の乳首をはさみ、人差し指で先端をこねる。
黒液に寄生された布はまるで肌その物のようで、
その下にある乳首も胸の形も原型のまま黒くあらわす。
裸でいるよりも恥ずかしい光景だった。
清見が更に体を近づけたとき、突如灯は両目を大きく見開いた。
「いい加減に、しろおぉ!」
今までこっそり溜めていた霊力を全て拳に込め、灯は渾身の力で清見を殴った。
赤いパンチが触手スーツにめり込んだ瞬間、清見の体が後方へ倒れる。
だが、驚いたのは灯のほうだった。
清見は顔色一つ変えず、ゆっくりと立ち上がった。
攻撃を受けた部分は赤く焼け剥がれたが、寄生スーツはすぐに新しい触肉が再生し始めた。
予想していたダメージから遠く離れていた。
「私の攻撃をわざと防御せず、霊力と根性だけで私が一番近付いた時を狙う。
逆境におかれた灯らしい行動ね。ただ残念なのは、
今のままでは効果がまったくないことだ」
「属性が不利とはいえ、無傷だなんて……!」
ハッとなって灯は自分の右腕を見る。
いつの間にか、彼女の右手は黒い粘液にまみれていた。
真っ黒に染まった手のひらから、黒液が指の側面を越えて手の甲まで覆う。
更に雨粒をそのまま吸収しながら、腕の上部へとのぼる。
158 五行戦隊 第六話(15/22) sage 2012/12/24(月) 09:50:57.19 ID:uwOBuGIO
灯の右手は、さきほど胸の黒液を拭おうとした時に使った腕だった。
「まさか……!」
「それが私による妖眼蟲の新たな寄生能力。護霊服に守られた状態では難しいが、
普通の服を寄生化するのは簡単なこと」
清見のスーツは触手に分裂し、灯の体を撫でると同時に目玉を垂れ流す。
妖眼は灯の体に粘液をまぶしながら蠕動し、そのまま黒化した部分の中へねじ込む。
「はああ……っ!?」
灯は信じられないような現象を目にしてしまった。
目玉はこじ開けるように黒粘液に潜ると、そのまま目としてスーツ上で見開く。
妖眼が灯に寄生する都度に強い衝撃が全身を叩きつける。
「あなたも寄生の気持ち良さを思い知るわ」
清見はどこか嬉しそうに、灯に自分の体をくっつけた。
彼女の触手スーツは粘液化していて、そのまま灯に黒液を分け与える。
まるで電子レンジで加熱されたアイスクリームのように、
粘液と目玉は次々と垂れ落ち、灯の胸、臍、太ももなどを汚す。
服が同化されてしばらく経つと、黒い光沢を持つ触肉として生まれ変わる。
その部分から沸き起こる鈍い疼きが灯の神経を焦らす。
「くっ……離れやがれ!」
「もっと良いことしてあげようというのに、暴れられては情事も台無しね。
少しおとなしくなってもらう」
清見は目を細めると、突然灯と唇を重ね合わせた。
生まれてはじめて他人とかわした口付け。
あまりにも不意打ちだったので、
灯は清見が運んてきた液体をそのまま飲みこんでしまった。
体の温度が急上昇していく。
「ちょっと、なにをする……!?」
左手で口元を拭うと、指先を染める黒い液体が目に入る。
その液体も体のものと同様、アメーバのごとく指先を黒く広がる。
ねばっこい液体が喉元を通った変な感触が一生忘れないかもしれない。
恐ろしい気持ちが自然と胸中から生まれる。
「これで灯は外側だけでなく、内側からも寄生されることになった。楽しみ」
「そんな……あぁっ、ああああぅんっ!」
灯は両手が黒液まみれになっていることも忘れ、
何かの苦しみから逃げるように首元を押さえる。
体の奥に入り込んだ液体は、ドクドクとした溶鉱のように体内を燃やす。
その様子に目を細めながら、清見はさらに灯の両脚を開かせる。
「うわああ、ちょっと!」
灯は大慌てで赤面した。
裾を押さえようという行動は痺れのせいで不発に終わり、
捲くられたスカートの下から真っ白な下着が晒し出される。
スカートが壁になったせいか、下着はまだ浸蝕されていない。
159 五行戦隊 第六話(16/22) sage 2012/12/24(月) 09:52:15.89 ID:uwOBuGIO
「思ったとおり、なんの飾りっ気もないね。まあそれが灯の良いところだけど」
「よ、余計なお世話だ!」
「それをこれから私の色に染め上げると思うと、ゾクゾクする」
「くっ、この……!」
容赦無く股を宛がってくる少女に、灯はただ不安の目つきで睨むしかなかった。
清見の股間を覆っていた触帯は自動的に開き、その下にある媚肉を見せ付ける。
「妖魔による快楽は、人間の神経細胞による電子信号を送っているに過ぎない……
少し前までなら私もそう思っていた。でも、今なら鈴華や翠がそれに夢中した理由が分かる。
私達はもともと淫欲のために存在しているんだと」
目をやや潤わせながら、清見は指を自分の秘部へ伸ばした。
まるで見せ付けるようにクリトリスを摘み取り、媚肉の割れ目をなぞる。
相変わらず表情は無愛想なものの、徐々に赤める顔色は欲情をそそるものだった。
熱っぽい吐息が顔にふきかかるたびに、灯の顔から火が噴き出そうになる。
「はぁ……これが欲情という気持ち。思った以上くせになりそう」
「それはお前が操られて、そう感じるよう仕向けられただけだ!」
「そんなことは無い。前から私は灯のことが好き。その証拠にほら、私のここを見て」
指で広げられた綺麗なピンク色の割れ目。
そこからすでに大量の愛液がねっとりと溢れていた。
蜜液はポタ、ポタと下着に垂れ、そのことだけでも灯を十分に辱めた。
だが現実はこれだけでは終わらなかった。
清見の愛液を吸い取った下着は、まるで墨で染められたかのように、
禍々しい黒に変色し始めたのだ。
その形や材質も、清見が身に付けている触手スーツと同じような肉質に蠢く。
変化は蜜液の落下点からまわりへ伝わり、
驚く速さで下着全体を醜い肉布に変貌させる。
さっきよりも上回るような恐怖が灯を鞭打つ。
股間の大事な部分にぬるぬるした気味悪いものが当たり、
ねちゅねちゅ張り付くその肉布から、どす黒い淫靡な妖気を放つ。
「私が愛欲を感じたときに、浸蝕率が最も高くなる。
その力次第では、強力な聖結界すら溶かせる」
「なんて恐ろしいことを……!」
五行戦隊で一番大胆な灯でも、戦慄する気持ちが隠しきれなかった。
清見の霊力はもともと浄化に長けたタイプ。
その力で妖魔の瘴気を洗浄し、幾度も五行戦隊を窮地から救い出せた。
戦闘以外でも、瘴気におかされた一般人の後治療や解呪まで活躍する場面は多々ある。
そんな彼女の力が一変して妖魔に味方したら、どれほどの被害が出るだろうか。
だが焦る気持ちに反比例して、灯の体は徐々に火照り出した。
肌を黒く染める粘液は、彼女の服を溶かし、
ボーイッシュな体のラインを見事に再現する。
ほどよく膨らんだ胸の形。
余分な脂肪がなく鍛えられた太もも。
しなやかな腰つきや、へそまわりの魅力的なライン。
それらが黒液に覆われたことにより、妖しくも官能的な美しさを滲ませるようになる。
160 五行戦隊 第六話(17/22) sage 2012/12/24(月) 09:53:29.18 ID:uwOBuGIO
清見の触手スーツの妖眼が寄生するたびに、灯は快感を抑圧するような声を漏らす。
体を撫でまわる触肉の感触は、相変わらず気色悪いもの。
頭の中ではそう思っていた。
でも体がそれに同調してくれない。
つい数刻前と違った気持ちが、時間が経過していくとともに五感への発言権を強める。
「妖眼蟲に支配された人間は、体の全てが妖眼蟲の生殖に利するようになる。
男は糧となる精液を製造する機械となり、女は妖眼蟲を孕むための苗床になる」
「そんなの、まるで家畜じゃないか!」
「その通りよ」
「えっ?」
「妖眼蟲に支配されるようになれば、人間はずっと幸せになれる。争いや悩みもなく、
誰でも色欲を享受するだけの世界に。今の世界と比べたら、全然いいと思わない?」
「そんなの誰が幸せになると言うんだ!」
「どうかしら。灯だって、寄生された人間たちを今まで見てきたでしょ?」
灯は口をつぐんでしまった。
森の中にいる寄生された女性たちは、確かに誰一人として嫌な表情を見せなかった。
それどころか喜んで股を開き、男や妖眼蟲の陵辱を受け入れていた。
「そんなの、妖魔に操られたから……!」
「果たしてあなたがこの快感を味わったら、同じことを言い切れるかしら」
清見は薄笑いを浮かべつつ、互いの花弁を重ね合わせるように股を近づけた。
初めてあそこから感じる他人のぬくもりに、灯の顔が急速に熱した鉄のようになる。
「お、女同士で何をやろうってのか!」
「まあ。じゃあ男性とこういうことをしたかったのね」
「そんなこと言ってるわけじゃ……ぁいっ!?」
清見が互いの股を擦り合わせた途端、灯は言葉を喉に詰まらせた。
すでに触肉化した下着はもぞもぞと蠢き、灯のクリトリスを摘み出す。
充血しきった媚芽は軽くふれられるだけで悶絶する。
「ほら、灯と私のクリトリスが擦りあって……はぅんっ……気持ちいいでしょ?」
よっぽど刺激が強いか、清見でもこらえきれずに口から可愛らしい喘ぎ声がこぼれる。
そのギャップがまた灯を煽り立てる。
「だめ、そこは……!」
灯は脊髄を削り取られたような錯覚を覚えた。
触肉に変貌した下着はそのまま灯の太ももを愛撫し、清見の愛撫をサポートする。
緊張が緩んだことによって、体中の黒粘液はさらに速いスピードで広がっていく。
だが今の灯には寄生化に気をかけるほど余裕はなかった。
女の子同士で、それも今まで親友だった人物と淫らな行為をしている。
倒錯した背徳感が気持ち良さの中に紛れ込んで、頭から思考力を奪い去る。
「ううん……っ!」
不意に清見は自分の子宮に手を添え、眉を悩ましげに曲げた。
彼女が背筋をそらすと、恥部から突如一本の触手が伸び出た。
噴き出した淫液のしぶきは灯の顔にも数滴かかった。
しかし水滴から匂う濃厚な淫香よりも、灯の意識は清見の股間に釘付けとなった。
161 五行戦隊 第六話(18/22) sage 2012/12/24(月) 09:54:36.40 ID:uwOBuGIO
清らかな少女とは到底釣り合わない、黒々とした邪悪な剛直がそこにあった。
いやらしいイボイボが生えた表面に二、三の目玉が見開き、
この淫猥の造形に異常性を加える。
感情的に受け入れがたい光景だった。
討伐すべき敵の妖魔が、大事な親友の体内に寄生してしまっている。
これほど悔しいことはあるだろうか。
だが清見本人は嫌がる感情を見せず、むしろ以前にも増して嬉しそうに見えた。
今まで長く付き合っていて、清見がこれほど喜びを顔にした記憶はない。
その事実がまた灯に悔しいゾクゾク感をもたらす。
「驚いた? これが私の中に植えつけられた百眼様の分身。
今からこれを使ってあなたを犯してあげる」
「えっ……!?」
言われて初めて、灯はその一物の用途に注目した。
未経験ではあるが、清見の言葉が何をさしているのかすぐに感じ取った。
足を必死に閉じようとした矢先、清見の手によって簡単に押さえつけられる。
「灯はこういうの初めてなんだよね。好きな人がいるくせに」
「なっ……どこでそれを!」
「ふふふ、灯のことが全部分かっているから。妖眼蟲に寄生されて正直嬉しかったの。
ほかの男に灯の処女を奪われるくらいなら、私が頂いてやる」
なんの冗談だと怒号をあげようとしたが、
清見の目を見て灯は思わず言葉を引いてしまった。
今まで見たこともないくらいどんよりとして、冷酷で、
それでいて歪んだ邪悪な愛情が込められた瞳。
友情とはまったく異なる感情。
その瞬間、親友だったはずの清見の何もかもが未知のように感じた。
邪物の先端が割れ目に当たったとき、灯はようやく身震いすることを思い出す。
肉質の生暖かさと気色悪さは同時に背筋をなぞる。
陰茎触手の表面にある目玉はキョロキョロ動き、
灯の不気味がる気持ちをマックスレベルに押し上げる。
ワームのような湿った柔肉が秘部のまわりに吸い付く。
それだけでも身の毛がよだつ思いだった。
だが次の瞬間、清見は何の前触れもなく腰を一気に突き出した。
「いっ!? ひゃうっ……んあああぁっんん!」
どんな痛みでも耐えてやるつもりだった灯は、
数秒も経たないうちに悲鳴をあげてしまった。
裂かれたような鋭い刺激が奥深くまで届き、膣の形を異型のそれに変形させる。
一筋の血が太ももをつたって草地に垂れ落ちる。
目の前が真っ暗に沈んでいく。
目尻までこらえていた涙が、とうとう溢れ出る。
(そんな……好きな人がいるのに……初めては、好きな人に捧げようと決めたのに……)
162 五行戦隊 第六話(19/22) sage 2012/12/24(月) 09:56:01.36 ID:uwOBuGIO
仲間を宿敵に奪われた上で、更に自分の純潔まで汚されてしまった屈辱感。
心は灰クズのように燃え尽き、ちょっと息を吹きかけただけで散りばりそうだ。
それなのに。
それなのに、どうして体は真逆の反応を示し続けるのか?
息がどんどん荒くなって、心臓の暴動を制御することができない。
小刻みに震える肩口や背筋が、快感に浸る悦びを精一杯表現する。
一突き一突きするたびに剛直の表面が膣壁を摩擦し、
力強い感触を残しては引いていく。
分泌された淫液は迅速に膣内に染み渡って、
それに伴って最初に感じた痛みはすぐに快感に変換された。
黒光りする肌に薄っすらと汗のような黒液が浮かび、
粘液の濃度が前よりも増して一段と官能的な香りを放つ。
「おめでとう、これであなたも立派な『雌』になれたね」
「く……っ、はぁん!」
睨みつけて啖呵を切ろうとする灯。
だが異物が絶えず体内にねじり込んでくる感触に、すぐに意識が曖昧になってしまう。
媚液成分が膣内で吸収されると、瞬時に血管中を回る。
体の外だけでなく芯までも熱くなり、
敵意も勇気も快感の前では甘砂糖のように溶けていく。
邪物は時には優しくつつきながら、時には蹂躙するように一番深い部分まで埋め尽くす。
変化自在に蠢く能力は清見によって余すところ無く発揮され、
灯に抵抗心を構築する時間さえ与えず、征服される喜びを一方的に植えつける。
「ち、っくしょ……!」
灯は無意識のうちに体をくねらせた。
剛直がピストンするごとに、体が黒バターのようにとろけてしまう。
そんな彼女の変化を、清見は陶酔したような目つきで見守る。
「だんだん良くなってきたでしょ?」
「だ、誰が……こんな気持ち悪い物に」
「気持ち悪いと思うのは、まだ人間としての防衛本能が働いているから。
しかし寄生が細胞レベルまで進んだとき、あなたは根本から作り変えられる。
好物は妖眼蟲の食料である精液になり、快楽を求める。そして食事のために、
あなたは喜んで人間を襲うようになる」
「そんな勝手に決めつけない……で、っ……むぐっ!」
清見がまたいきなり顔を近付いて、灯の唇を奪う。
二度目のキスは、一度目と違って深い接吻だった。
灯は最初こそ抵抗したが、次第に力が入らないまま清見の舌を受け入れた。
互いの舌肉をいやらしく絡め合わせ、唾を共有する。
「はぁっ、ああぁん……!」
清見の顔が離れた後、灯は今まで以上焦点の合わない目で雨の曇り空を見上げた。
だらしなく開いた口元から黒い唾液が垂れ落ち、
喘ぎ声のオクターブが徐々に高まっていく。
163 五行戦隊 第六話(20/22) sage 2012/12/24(月) 09:57:28.27 ID:uwOBuGIO
「そろそろ頃合ね」
清見は挑発するような目線でねめつけながら、腰を振るスピードを一気にあげた。
醜悪の肉棒は少女達の股の間で現れたり隠れたりして、
表面に生えた目玉は邪悪な光を輝かせる。
まるで二人が感じる快楽を体現するように、
清見や灯の体に寄生している妖眼も呼応して点滅する。
「ああっ……!」
「はぁん、灯のあそこが締め付けて、離してくれない……」
「そんなこと、言うな……ああ、そこは、だめ――っ!」
「いっぱい感じて!」
ひときわ力強い一突きに、灯は飛び上がりそうな勢いで体を強張らせる。
寄生陰茎の頂点が膣内の一番深いところまで刺さり、
そのままドクンドクンと膨張する。
灯は清見の手を強く握り締め、足をつりそうになるほどピンと張った。
できる限りの悲鳴をあげ、彼女は無意識のうちに下腹部の奥に埋った肉棒を絞った。
一筋の濁液が寄生茎の先端から噴き出される。
「はああぁぁぁ――っ!」
「ううん……っ!」
二人の少女は同時に体を痙攣させた。
清見は触肉スーツから解放された白い背肌を、切なげに反らした。
永遠とも思える、天地が逆転するような快感。
二人の握り合った両手は恋人のように永く絡まり、
興奮が去った後の感触にゆっくりと浸す。
その美しくも倒錯した一幕に祝砲をあげるかのように暗雲の間を雷鳴が低くうなる。
「ふふふふ……これで灯は私側の人間になった」
清見は快楽がまだ冷めきれない表情で呟くと、息継ぎしながら灯から離れた。
両者の間を繋ぐ寄生根はふにゃりと軟化し、途中で二本に分裂した。
一端は清見の股間の中へ跡形も無く収納される。
しかし、もう一端はそのまま灯の膣内へ入り込んだ。
まだ余韻から回復しきれてない灯は、急激に下腹部から違和感を覚える。
「うがっ……!?」
イッたばかりの体がまるで売ることに慣れた娼婦のように、再び火照り出す。
膣内に残った肉棒の感触がそのまま奥へと進んでいくと、灯はカッと瞳孔を広げた。
自分の体外から触手がもぞもぞ進む光景がそこにあったのだ。
ミミズの物体が蠢くたびに、性器の奥部から鈍い痛みと鋭い快感が交互に響いてくる。
だが何よりもおぞましいのは、その触手が膣内へ徐々に消えていく事実だった。
「いやあああ――っ!」
ようやく我に返った灯は、残りの力全てを振り絞ってもがいた。
しかし体外に残る触手の体積はみるみるうちに減っていき、
嘔吐したくなるような悪寒がお腹に充満する。
膣内にねじ込む異物は、なおも奥へ奥へと進んだ。
164 五行戦隊 第六話(21/22) sage 2012/12/24(月) 10:06:12.78 ID:uwOBuGIO
「なんで、まだ……動くのよ? はぅ、くああぅん!」
吐き気を催す甘い痺れに、灯は表情を苦悶の色に染める。
寄生根は粘液状に変化しながら、膣内で極細い触手に伸長する。
絶え間なく分泌される淫液のせいで、違和感が徐々に満たすような幸福感に変換される。
「どう? 今頃、あの子はあなたの子宮頸を通っているはずよ」
「なん……だって?」
「感じるかしら。あなたの子宮は妖眼蟲を受け入れるために、
自ら口を開いていることを」
「そんなの……嘘だ!」
積み重なる快感の波に逆らえるよう、灯は必死に我を保とうとした。
しかし清見の言うとおり、体が勝手にもじもじ動いて触手の滑りを手助けする。
妖眼蟲が通った道筋は妖液が溢れ、いやしい愛液を導き出す。
お腹の中を満たされる充足感が、いつしか灯の感情を支配する。
「はあぁぁっ……ああああああっ!」
灯はついに甲高い悲鳴を絞り上げた。
それと同時に、彼女の下腹部に妖しい紫色の模様が浮かび上がる。
黒に染められた肌の中、嫌に目立つ妖しい目玉の模様が。
「おめでとう、着床は無事成功したね」
「ちゃく……しょう……?」
自分のおへそあたりに描かれた紋様を見て、灯は愕然とした。
その紫色の紋様は、触肉スーツと比べられないほど邪悪なオーラを放つ。
まるで淫らな烙印のように、少女の体が完全に奴隷化したことを象徴する。
「さっき言ったように、これから少しずつ、あなたの体が妖眼蟲の育成に適したものに
変化していく。あなたの子宮は妖眼蟲を育むための場所となり、
外敵から妖眼蟲の幼虫を守る……もちろん、霊術者からも」
清見は灯のへそあたりを優しくなぞった。
その指が色薄の模様に触れた瞬間、灯の神経は万雷に焼かれたような感覚が走る。
「かぁっ……!?」
まるで性器を直接ふられたような刺激に、灯は軽く絶頂を迎えた。
鋭い疼きが敏感な神経を突っ走り、頭のてっぺんから足のつま先まで一巡する。
清見の指が離れてしばらく経っても、雨粒や風の衝撃さえ敏感に感じてしまう。
「いま灯の体内に寄生させた蟲は百眼様の新たな分身だから、
ちゃんと大事に育てないとだめよ。人間の快楽を搾取しながら成虫まで育てれば、
そのときに紋様が一番濃い色に変色するの。そうすれば、
灯も私と同じ忠実で淫らな奴隷になれる」
「いやだよ……こんなもの、すぐに取ってやるよ!」
「残念だけど、これは私が産み出した特殊な妖眼蟲なの。たとえ高レベルの術者であっても、
一度子宮に植えられたら、本人の力だけでは決して取り除くことはできない」
「そんな……」
灯は涙をこらえながら悔しそうに唇をかみ締めた。
清見の余裕な態度を見る限り、自分の力だけでこの蟲を祓うのは困難のようだ。
だからといって、妖眼蟲が成虫になるまで体内に許すわけにはいかない。
(せめてその能力だけでも調べて、ほかの人に伝えなきゃ……)
165 五行戦隊 第六話(22/22) sage 2012/12/24(月) 10:11:43.79 ID:uwOBuGIO
――ビクン
「ええっ!?」
大きく震える体に、灯は驚いた。
体に残る最低限の霊力でさえ彼女のコントロールから離れ、
勝手に下腹部のところへ集まっていくのだ。
その代価として、甘い恍惚のような気持ち良さが脳内を占領する。
清見を助けるために霊力を吸収されたのと同じ感触だった。
「あああっ……!」
「大丈夫みたいだね」
「ど、どいうことなの?」
「妖眼蟲は寄生することで強靭な生命体を得るが、無防備な幼虫状態では、
初級退魔者にも簡単に浄化されてしまう。しかし私の能力を得たこの新種なら、
生存率をぐーんと上げることができる」
「そんな……体から霊力がどんどん吸われていく!」
「この幼虫は霊能力者に寄生することで、宿主の霊力を妖力に少しずつ変換しながら
成長することができるの。そして宿主の霊力自体がカプセルとなって、蟲の気配を一切
漏らさず隠蔽する。これが実用化されれば、世界中の退魔機関に対抗できる。
灯には、その第一実験者になってもらうの」
「ううぅ……そんな、こと……は……」
灯はおぼつかない口調で呟き、力なく地面に背中を預けてしまった。
そのまま、まぶたがゆっくりと閉じていく。
今晩彼女はすでに何度も激戦を繰り広げて、体の疲労は極限状態に達していた。
身も心もボロボロの今では、
霊力を吸い取られる気だるい快感がこの上なく心地良い。
「ふふふ……良いわよ、ゆっくり眠りなさい」
清見は灯の寝顔を撫でると、いとおしそうに口付けをした。
そして指を鳴らすと、彼女の足元から大量の水が湧き出て灯の体を取り囲む。
水はスライムとなって灯を完全におし包み、
ブヨブヨ変形しながら大きな球状となった。
ダークブルー色の水風船は徐々に不透明化し、中にいる人間の輪郭だけを外に見せる。
やがて少女のシルエットは出生を待つ赤子のように、
膝を抱えた体勢に固定していく。
スライムの表面に、ぐぱっと一つの妖眼が開く。
「今度そこから出てきた時、あなたは妖魔のしもべに生まれ変わる。
あなたの勾玉は私がちゃんと精液漬けにして汚してやるから、心配することは無いよ」
清見は灯の変身アイテムだった赤い宝玉を取り出し、小さく微笑んだ。
持ち主と離れ離れになる勾玉は、その守護力を完全に発揮することができない。
両者を別々に寄生できれば、その時間は大幅に短縮できるだろう。
「また五人一緒に戦おうね……今度は世界を淫楽に染めるために」
悪質な愉悦を言葉に込めながら、清見は水泡に背を向けて歩き出した。
性行為の途中で液化していた肉布は再び固体に戻り、もとの触手スーツとなって清見の体を包む。
その顔はすぐにいつもの冷淡さに戻った。
しかし彼女をよく知っている人物であれば、
その表情のどこかにドス黒い喜びが隠れていることに気付くだろう。
体から発散される淫香だけがその余韻を匂わせる。
雨でも流し落とせないほど、満開した花よりも濃厚な香りが。
第六話 『黒い水の中からの視線』
適当あらすじ
使えば使うほど淫らになっていくことをしりながら力を使う翠
鈴華、睦美含め正義の味方だった者同士の戦いが始まる
一方、灯の前には後一歩で助けられたはずの清見が敵として立ちはだかる
金:×
木:×
水:×
火:○ ピンチ
土:○
144 五行戦隊 第六話(1/22) sage 2012/12/24(月) 09:27:13.32 ID:uwOBuGIO
一陣の湿った風が森の合間を撫ぜる。
綿密に降り続く小雨が濃霧のように夜空を覆い、
生暖かい空気を蒸し風呂のように閉じ込める。
森の中はまさに熱帯雨林のようだった。
そんな高温多湿な環境の中、一人の少女は木陰の後ろに縮こまっていた。
サウナ室のような息詰まる熱気にも関わらず、
少女は風邪を引いたかのように震えの止まらぬ両腕で体を抱きしめていた。
体を包むダークグリーン色のスーツは生き物のように
もぞもぞと動き、葉っぱから落ちる雨粒にうたれるとピクリと跳ねる。
露出した肌もすっかり敏感になったのか、
色っぽく染まったそれは風に撫でられて軽くわななく。
物音が目立たないよう、少女は呼吸を小刻みに分けてせわしく続けた。
その呼吸と同調するように触手スーツ上の妖眼が明滅を繰り返す。
吸気とともに緑色に輝き、吐気とともに暗くともる。
あたかもそのスーツは彼女の体の一部であるかのように。
あるいは彼女のほうこそスーツの一部であるかのように。
妖眼蟲に寄生されたその美少女――翠は、
今にも自慰してしまいたい衝動に焚き付けられていた。
彼女に宿るのは霊力ではなく、禍々しい妖力だった。
その妖力を駆使しようとするたびに、思考を絶するほどの淫欲が体から沸き起こる。
理由は分かっていた。
澄んだ霊力と違い、妖力の源は人間の濁りきった精気と欲望。
だが彼女はしばらく性行為をしていない。
淫らな情欲だけが体中を巡り、脳に望みを訴えかける。
淫欲だけならまだマシだった。
もっとつらいのは、この力を使おうとするたびに、
それが宿敵によって授けられた屈辱であると思い出してしまうことだった。
周囲の成長し続ける植物は、どれも邪悪な外見をしていた。
いやらしいしずくを分泌する蕾。
人の淫欲を誘う香りの肉の花。
女性器のような卑猥な割れ筋が生えた茎。
妖眼を見開く幹。
それらの外見は、正義の味方が使う技のイメージと遠く離れたものだった。
今この瞬間にも、自分の体がどんどん妖力に馴染んでいくのを感じてしまう。
かつて悪と戦った者として、これ以上ない屈辱と無念である。
(でも、この力でみんなを守れるのなら……)
悔しさを胸中に押し込めて、翠は両手を地面に突き立てた。
濃密な妖力は瞬時に地脈を通り、周囲の植物は一層狂ったように成長し出す。
翠はもともと辛抱強い少女である。
彼女のマイペースなところは、ほかの仲間にも安心感を与え続けた。
それと比べれば、鈴華は間違いなく短気者である。
普段からイタズラ好きな鈴華にとって、単純作業ほど退屈なものは無い。
145 五行戦隊 第六話(2/22) sage 2012/12/24(月) 09:28:57.28 ID:uwOBuGIO
「ああもう、面倒くさい!」
翠から離れ場所に、一人の黄色い少女が植物に囲まれていた。
彼女は煩わそうに言いながら、手にしている大バサミを放り投げた。
大バサミは空中を半回転して、
後ろを群がる赤薔薇に突き込み花びらを血飛沫のように斬り散らす。
だが、すぐにその空間を埋めるごとく新手の茨が伸び出る。
鈴華の小柄な体が地面に座り込む。
大きな瞳を広げ、不満げに歯軋りする姿は小動物のような愛着があった。
だが彼女が身に付けている暗黄色の触手スーツには、
翠と同様に悪の寄生眼が生えていた。
ふと一本の木が樹皮に妖眼を見開くと、地面からこっそり根を引き上げ、
少女の無防備な背中に向かって枝をのばす。
しかしその枝が動き出す直前、無数の剣影が樹木を梢の先まで木っ端微塵に切り裂く。
少女のまわりを、金銀銅鉄などさまざまな材質の剣が浮遊していた。
何も感付いていないように少女は駄々をこね続ける。
「つまんない! つまんないつまんないつまんない!
出てきなさいよ、こんなの卑怯じゃない。正々堂々と勝負しなさい!」
まるで子供のように地面に伏してじたばたする少女。
彼女の周囲三平方メートルは浮かぶ剣陣によって守られ、
苗一つ生えない禿地に刈り取られていた。
だがそのテリトリーから出れば、ジャングルのような密林が立ち並ぶ。
五歩先の景色さえ見通せないほど、植物が密集していた。
翠はただ気配を殺しながら、鈴華の動きを監視し続けた。
樹木に生えた妖眼を通し敵の一挙一動まで把握できる。
この力を忌みながらも、翠はその便利さを認めざるをえなかった。
地の利は一方的に翠にある。
もともとここは森林地形。
翠の気配を紛れこむのにこれ以上なく適している。
その上、天も味方していた。
五行相生において水は木を生む。
この雨の中であれば、もともと生命力に長けた翠の植物は、
更に氾濫するごとく成長することができる。
苦手属性であり、更に五行戦隊でも群を抜いた殺傷力を誇る鈴華に対し
翠は無理に戦うことをしない。
ただこうやって足止めできればいい。
できる限り長く。
突然、翠の妖眼の視界に変化が起きた。
鈴華は暴れることをやめ、ゆっくりと立ち上がったのだ。
「ずっと隠れていれば安全だと思ってるの? 翠ちゃんらしくないじゃない」
閃電のフラッシュが森を一瞬だけ照らす。
さきほどと打って変わって、鈴華の冷酷な笑みを映し出す。
子供が悪だくみのときに見せる、可愛らしい犬歯をのぞかせて。
「それとも、今の翠ちゃんはそうやって隠れてるのが精一杯なのかしら?」
146 五行戦隊 第六話(3/22) sage 2012/12/24(月) 09:31:38.82 ID:uwOBuGIO
鈴華の身を包んでいた触手スーツが解かれ、
うねる触肉の中から短剣、刀、斧などが析出される。
次の瞬間、それらの刃は弾丸のごとく周りへと発射された。
一本の鉄槍が真上のヤシの木に生えた妖眼を貫いたとき、
翠の視界情報はそこで途切れた。
鈴華を中心とした範囲内の植物が跡形もなく破砕され、
ただ次々と切り倒される感じだけが翠に伝わる。
何のつもりだろうか。
翠は更に身を縮ませて考えた。
この程度の破壊なら、時間さえあれば元の状態まで簡単に再生できる。
ならば鈴華の意図はほかにあるだろうか。
(痛……っ!)
翠は足元を見ると、一匹の小動物のような生き物が自分の右足首に噛み付いていた。
手のひらサイズの金属体ながら、
サメのような鋭い牙を使って触肉のブーツに食い込む。
その生物の頭にある一つ目が翠の視線と合うと、
牙の合間から「シュルル」と気味悪い笑い音を出す。
翠はすかさずその鉄塊を掴んだ。
腕を覆う触手グローブの一部が蔓に変形して、敵の目玉に種を植え付けて生え潰す。
周囲を見れば、木々に刺さった鈴華の刃が次々と同じような金属生命体に生成し、
軍団ピラニアにも勝る勢いで植物を食い散らす。
すぐに翠がいる木の幹だけ無事なのが目立つほどに。
しまった、と思ったときはすでに遅かった。
どこからともなく現われた鈴華は、
浮遊する十三本の剣を一本の妖眼剣に合体させ迅雷のごとく振り下ろした。
「そこよ!」
「くっ……!」
真ん中から両断された木から、翠は後ろに背を向けたまま飛び出す。
触手スーツの肩の部分が切り裂かれ、緑色の汁液を散らす。
鈴華が二撃目に切り替える直前、翠の懐から無数の木の葉が湧き出て、
宮廷舞踏会のダンサーのように両者の間を踊る。
その葉の群れを一振りで一掃した時、鈴華の前にはすでに誰もいなくなった。
十メートル離れた木の上で、翠は肩を押さえながら息を噛み殺した。
傷口から感じるのは痛みではなく快楽。
鈴華の剣には妖呪が込められて、
それに斬られた者は心を奪われ妖眼蟲に寄生されてしまう。
もとから寄生者である翠には寄生効果までは無いが、眼下では他の問題点があった。
鈴華が放った妖眼憑きの刃どもは、白蟻のように植物を次から次へと食い尽くす。
この森を制圧するのに十分なスピードである。
今まで見たことのない鈴華の術。
どうやら、妖魔の隷属化の恩恵を受けたのは自分だけではなかったようだ。
体を襲う淫欲はすでに限界まで達していた。
これ以上の打開策が無ければ敗れるのは必至。
しかし緊迫した状況とは裏腹に、
脳内では速く楽になりたいという欲情ばかりが増大する。
147 五行戦隊 第六話(4/22) sage 2012/12/24(月) 09:34:22.98 ID:uwOBuGIO
「翠ちゃん、動きが鈍ってたわよ?」
枝葉のむこうから、剣刃の緑汁を舐め取る鈴華の姿が見える。
彼女は得意げに笑いながら、土から伸び出た新芽を容赦なく踏み潰す。
「長期戦にしようって作戦みたいだったけど、一つ大事なことを忘れてない?
翠ちゃんって、前に私とエッチしてからどれくらい時間経ってるの」
(っ……!)
翠は思わず唇をかみ締める。
鈴華と繰り広げた淫らな行為が、その一言によって鮮明に蘇る。
森の反応を確かめるように、鈴華はにんまりと笑った。
「まさかとは思うけど……その時からずっと精液を摂取していないとか、
そんなこと無いよね? 翠ちゃんの体って男の精液無しでは生きていけないくらい
すごく淫乱だもん。ほら、私の寄生チンポをしゃぶった時の味、思い出してみてよ」
鈴華のかわいい金切り声から逃げるように、翠は自分耳を塞いだ。
しかし、そのセリフによって連想させられた異物のイメージはすでに隙をこじ開けた。
「あっ、そっか。ここに来るまで睦美や灯とずっと一緒だったもんね。
あの二人にそんな恥ずかしいこと見せられないよね。あれ、それじゃあオナニーも
全然できないじゃない? 可哀そうな翠。あなたがずっとオマンコを濡らして
期待しているのに、あの二人はまったく気付かなかったもん」
(やめて……そんなこと言わないで……!)
頭を左右に揺らしながら、翠は心の中で叫んだ。
必死に抑えつけた欲望の炎がじわりじわりと再燃する。
貪婪に精をむさぼる自分の浅ましい姿。
それを灯や睦美がさげすむような目で見つめる。
封印したつもりの劣情が鈴華のセリフに反応していとも簡単に釣り出される。
たとえそれが挑発だと知っても、翠は動揺を抑えることが不可能だった。
そのため、彼女は場の変化に素早く対応できなかった。
一匹の妖眼蟲は、土を押しのけながら地面を這い進んでいた。
葉脈の張った翡翠色の小さな蟲。
その蟲の存在を木の上から気付くと、翠は「アッ」と驚きの声をあげた。
だが彼女がアクションを取るよりも速く鈴華がその妖眼蟲を摘み上げる。
「こんなところに子供の妖眼蟲がいるよ」
鈴華の手中にあるのは、幼いスライムだった。
蟲の肉構造はまだ柔らかく、その小さな体は愛嬌さえあった。
「その子は……!」
「あれれ、この子ってあのとき翠が産んだ子供じゃない。
まだ宿主を見つけてないのに、母親の妖力を感じて、心配になってやってきたんだ。
まだ子供なのに、偉い偉い」
鈴華は小悪魔のような笑みを浮かべると、妖眼蟲の子供をいじくるように撫でた。
それを嫌がってか、蟲は「シュル、シュル」と幼げな奇音をあげる。
「その子を離しなさい!」
気配を隠すことさえ忘れ、翠は大声を出した。
反響する声に木々の枝が一斉に揺れる。
勇ましい口調ではあったが、翠は何か感情を噛み殺していると感じ取ると、
鈴華の笑みに悪意が増大する。
148 五行戦隊 第六話(5/22) sage 2012/12/24(月) 09:35:55.47 ID:uwOBuGIO
「ふーん、なんで?」
「その子は私達の戦いと関係ないはずです」
「イヤだ」
「な……に?」
「私が捕まえたんだから、何をしようと私の勝手でしょ」
鈴華は意地悪そうに笑いながら、
蟲の目玉を押したりつねったりコリコリしたりして遊んだ。
幼蟲はますます嫌がって、鋭い音を立て始めた。
一瞬森の全ての葉っぱが上向きに逆立ちしたことを鈴華は見逃さなかった。
「やめなさい! 妖眼蟲はあなたの仲間なんでしょ?
どうしてそんな酷いことをするのです」
「翠には関係無いでしょ?『正義の味方』なんだから」
「くっ……!」
遠目で鈴華にいじめられている妖眼蟲の姿に、
翠の胸は今まで感じたことも無いような痛みが貫く。
正義の味方である五行戦隊にとって、妖眼蟲は紛れもなく人類に害をなす敵。
そして翠個人としても、自分を陵辱した不倶戴天の相手である。
しかしなぜ、あの幼虫の救いを求める視線がこんなにも胸を突き刺すだろうか。
悲鳴が聞こえてくるたびに、
心の琴線が震えて裂かれたような気持ちを味わう。
それと比べれば、今までの人生で体験したどんな苦痛も微々たるものだった。
翠はついに懇願するように言葉を並べた。
「お願い、もう止めて……もうその子を離してあげて!」
「そう言われると、ますます痛めつけたくなるんだよね」
鈴華はくくくと笑い、手首をひるがえした。
妖眼剣の刃が蟲の目玉の横に宛がわれる。
「待って!」
悲鳴に近い叫びだった。
落葉とともに翠は飛び出し、鈴華の前で止まる。
妖眼蟲は彼女の姿に気付くと、
シュルシュルと音を立ててただ一つある目玉で彼女を見つめた。
そのいたいけな視線と触れた途端、翠の胸は愛憐と焦燥で破裂しそうになった。
再会できた喜びと同時に、凶刃の光に今まで無かった恐怖に身が震え上がる。
「お願い、もう止めて! 私がどうなってもいいから、その子を離して!」
五行戦隊の中でも特に穏和な性格で、仲間を優しく支える翠。
それが今では、まるでわが子を人質に取られた母親のように慌てきっている。
その変化に鈴華は腹から滑稽そうな笑いをこみ上げる。
「ハハハハ……正義の味方が妖魔の助命を願うなんて、本当に面白いわ。
この子が大事だって、認めるんだね?」
「ええ、認めるわ! 認めるから……だからその子を助けてあげて!」
「じゃあ今すぐ土下座して『百眼様ごめんなさい。もう二度と過ちをしないよう、
私を何百回も犯してメス奴隷だったことを思い出させてください』って謝りなさいよ」
「そ、そんなことは……」
「そう、できないのね」
149 五行戦隊 第六話(6/22) sage 2012/12/24(月) 09:37:49.85 ID:uwOBuGIO
小さく呟くと同時に、鈴華は前触れもなく剣を引いた。
刃が蟲の表面に切り傷を残し、一筋の汁が土にかかる。
蟲の悲鳴と翠の悲痛の声が同時に夜空をつんざく。
鈴華がポイと投げ捨てると同時に、翠の体はバネのように飛び出し、
その幼体を空中でキャッチする。
だがその直後、鈴華の放った鉄鎖が彼女の首を巻きつき、土に強くたたきつける。
それでも妖眼蟲を守るようにと、翠は胸を大事に抱え背中から地面と激突させた。
自分が受けたダメージよりも、翠は真っ先に幼蟲の傷の手当てをした。
息絶え絶えだった幼蟲は本能のようにもぞもぞ動き、
母親が露出させた乳首に吸い付く。
蠕動するごとに母乳を吸い出すと、体表面の斬り傷が癒着していく。
「命も顧みずに妖魔を助けるなんて、正義の味方と聞いて呆れるわ。
これで分かったでしょ? 翠ちゃんはもう、身も心も妖眼蟲のために存在してることを」
「全てあなたの言うとおり……私は妖眼蟲のために存在している。もう何を言われても、
あなたに従います。だから……だから、この子だけは見逃して下さい」
鈴華は翠に剣を向け、ニッコリ笑った。
泣き崩れる翠。
鎖で首を締められているのに、蟲を守るように抱えて必死の表情で哀願する彼女。
この瞬間から、悪と対峙する勇気を持つ五行戦隊の翠はいなくなった。
残るのは我が子を守るためなら、敵にも屈する一人のか弱い母親だけ。
「安心してよ。私の心が広いのは、翠ちゃんも昔からよく知っているでしょ? いいわよ」
翠の表情が明るくほころぶ様子を鑑賞してから、鈴華は言葉を続ける。
「ただし、ちゃんと罰を受けてもらったらね」
「えっ……?」
投げ渡された金属の物体を受け取ると、翠は驚きの声を上げた。
それは銀色の貞操帯だった。
股間を宛がう場所に二本のディルドーが怒張り、棒状の表面がいやらしく脈動する。
「それを自分の手で装着したら、大目に見てあげてもいいわ。あっ先に言っとくけど、
一度それを自分の手で装着しちゃうと、持ち主である私が許さない限り、
どうがんばってもはずせないの」
「そんな……!」
「嫌なら止めても良いわよ。ただし今度こそ、ざっくりしちゃうかも……」
「わ、分かったわ!」
鈴華の剣先が動いた途端、翠は全ての抵抗する意思を放棄した。
彼女は震えたまま立ち上がり、股間を覆っていた触手スーツは解かれる。
そのまま絶望に満ちた表情で貞操帯を自分の秘部に当てた。
「ひゃっ!?」
女性器の匂いを嗅ぎつけた途端、
貞操帯のディルドーは一気に伸びて少女の前後の穴を塞ぐ。
そのまま手足を伸びるかのように金属紐が尻に深く食い込み、後ろで連結する。
反応するよりも速く貞操帯は彼女の股間にぴったりと張り付き、
股間から尻にかけてのラインをいやらしく装飾する。
金属の正面プレートに、一つの妖眼がくぱっと見開く。
150 五行戦隊 第六話(7/22) sage 2012/12/24(月) 09:39:32.55 ID:uwOBuGIO
「はあああ……っ!」
翠はかすれた悲鳴をあげながら、苦しげに体を後ろに反らした。
ディルドーは彼女のさからいをまったく意に介さず、中へ中へとぐんぐん押し入る。
すでに高揚していた少女の体にとって、
その力強いピストン運動は壮絶なものだった。
そんな宿主の事情を考慮する気配もなく、
貞操帯はぴったりフィットしたのち「カチャリ」と鍵音を鳴らす。
「はああぁん、っうん……ううぅんっ!」
「あはは、これでもう浮気ができなくなっちゃった。
私の『目』がいつでも監視しているから」
鈴華は貞操帯の表面にある妖眼をなぞると、翠はビクンと大きく跳ねた。
プレートの裏側にびっしり生えた繊毛がむき出しになったクリトリスを撫で、
人外の快感を与える。
「はああぁん!」
「そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいね。でもこれは一応罰なんだから、
翠ちゃんが絶対イケないようになってるんだ。翠ちゃんって、
あれから以来一度もセックスしてないんでしょ? あはは。
せめてここに来るまでオナニーでもしとけば良かったのにね!」
のた打ち回る仲間に対し、鈴華は悪戯が成功した子供のように哄笑を投げかける。
蟲の幼虫は心配そうに母親を追いすがるが、
その幼体を鈴華が容赦なく茂みの向こうへ蹴り飛ばす。
「やめて! あの子に手を出さないって約束したでしょ?」
「約束? 誰が?」
鈴華は肩を可愛らしくすくめた。
「私をここまでイライラさせといて、何を言っているの?
覚悟しなさいよ、翠ちゃんへの罰はまだまだこんなものじゃないんだから!」
「そんな……ああぁぁっ!」
鈴華は二つの金属リングを取り出すと、翠の左右の乳首にそれぞれはめた。
しかし翠の口から漏れ出た悲鳴は、すぐに快楽の喘ぎ声に変化する。
金色に輝くリングによって装飾された美乳は、
高級娼婦のようないやらしくも美しい光沢を放つ。
「うんうん、さっすが私。貞操帯と一緒で、淫乱な翠ちゃんによく似合ってるわ」
乳首をくくる金属リングをぺロリと舐める鈴華。
たったそれだけの衝撃で、翠は嬌声をあげてしまった。
両手でいくら貞操帯を掴んでも、奥深くまで固定したディルドーは絶妙な加減でかき回し、
決して尽きることの無い快楽を創造する。
そして乳首にあるピアスは常に意識を刺激し、翠は狂うことも気絶することも許されない。
未来永劫にも思えるもどかしさは、まさに地獄の拷問だった。
151 五行戦隊 第六話(8/22) sage 2012/12/24(月) 09:41:02.69 ID:uwOBuGIO
不意に鈴華は表情を収斂させ、足元から伝わる地面のわずかな振動に意識を集中する。
「そこ――っ!」
鈴華は剣を身丈よりも大きい鉄槌に変化させ、
すかさず地面に向かって力いっぱい叩きつけた。
ハンマーが接触した場所を中心に四方八方へと亀裂が走る。
だが土の中から堀り返されて出てきた人物に、鈴華は驚きを隠しきれなかった。
三人の少女だった。
少女たちは体にそれぞれ蔓、葉、花型の妖眼蟲を寄生していたが、
鈴華から重い一撃を受けたせいで三人とも目をグルグルさせて気絶していた。
ハッとなって空を見上げると、雨の中から無数の岩つぶてが降って来た。
鈴華の思考は電光石火のごとく閃く。
寄生娘たちを地下道に誘い込む。
次に地上にいる自分と互いに敵だと思わせて同士討ちさせる。
そのあいだ本人は上からの強襲。
決して能力に溺れることなく、最善の作戦を立てる堅実な攻め方。
「睦美、その程度で私に通じると思ってるのか――っ!」
鈴華はハンマーを空中に放り投げられると、そのまま十三本の刃に分離した。
岩石がその範囲に入るや否や、
剣の陣は目にも留まらぬ速さで何もかも砂粒までに斬り裂く。
五行戦隊で随一の攻撃力と守備力を兼ね備えた鈴華。
どんな相手に対しても、彼女は遅れを取るつもりは無い。
「それはどうかな」
「なにっ!?」
気絶した娘達から声が響いたと思いきや、
その下から二本の腕が伸び出て鈴華の足をがっちり掴んだ。
完全に不意を突かれ、一気に足首まで土中に引き込まれる。
「させるか!」
鈴華は素早く妖眼剣を呼び戻すと、迷わず両手で地面に刺しこんだ。
どんな金属をも切り裂く妖眼剣の前では、地面もアルミ箔とそう変わらない。
剣が柄まで一気に埋まると、足を掴んだ腕がピタッと止まった。
と鈴華がそう思った次の瞬間、そのまま妖眼剣を地中へと引きこまれてしまった。
まばたきする間もなく得物を失ってしまった鈴華。
ただ呆然とするほかなかった。
この妖眼剣は五行戦隊にいた頃から長らく鍛え上げた霊剣で、
鈴華が悪に屈した後それも邪悪な妖剣として寄生されてしまった。
数々の強敵を倒した相棒として、武器の中でも特にお気に入りだった。
しかし、今は当然愛剣の行方に気を取られている場合ではない。
一度動きを止めていた地中の両腕はそのまま鈴華の足首を強く掴み、
再び動き出したのだ。
今度は森の外へ向かって。
「睦美の土遁術……!」
翠の姿が木々に遮られて見えなくなったのを確認し、鈴華はチッと舌打ちをする。
最悪なタイミングだった。
あともう少しで翠を屈服させられたのに。
万全ではないにしても土属性に対し有利な分、
鈴華と二人分の力を合わせれば確実に睦美を圧倒できた。
152 五行戦隊 第六話(9/22) sage 2012/12/24(月) 09:42:32.20 ID:uwOBuGIO
砂漠の中を泳ぐ砂ザメのごとく、地中の腕が左右に土波を分けながら意のままに赴く。
そのジグザグ軌道のせいで鈴華は重心に振り回されるだけでなく、
次々と顔面に向かってくる障害物にも対応しなければならなかった。
葉っぱ木の枝野生の蔓食虫植物の袋と一通りの物体とぶつかった後、
鈴華はたまらず触手スーツから大鎌を取り出した。
ふと、彼女は目の前の進路に巨大な岩が迫ってくることに気付く。
時速八十キロまで上昇したスピードはすでに森を抜け、
まわりの景色を高速に後方へと投げ捨てる。
「ちょっと、冗談じゃない!」
枝に叩かれ赤くなった鼻をさする暇もなく、鈴華は両手で大鎌を振りかざした。
ジェットコースターの速度で迫り来る巨岩を真っ二つに切り裂く。
しかしそのすぐ後ろに、更に大きな岩壁がそびえ立っていた。
大きな轟音と同時に、岩壁に鈴華と等身大の空洞がくくり抜かれる。
「いったあああぁ!」
絶叫が夜空に伸びる。
鈴華は破片と灰をかぶった頭を抱え、目尻に大きな涙粒を溜めた。
接触する直前、体を覆う触手スーツを刃に変化させ岩壁を削ったおかげ、
間一髪で全力衝突を回避した。
が、触手スーツは頭部まで守っていなかったのだ。
「この……もう許さないんだから!」
鈴華は痛みをこらえて、大鎌を自分の足元に向かって一振りする。
足首を掴んでいた腕はバッサリ切断され、砂となって消え去る。
機を逃さずに鈴華は近くの高い木の上へジャンプし、
鎌を構えたまま全身の神経を尖らせる。
いつの間にか、森外の荒地に出てしまったようだ。
禿げ上がった地肌は雨水に沈み、荒れた広場に三、四の枯れ木がポツリと残るだけ。
砂地の中央に一つの入り口が開き、断層階段をのぼって一人の少女が現われる。
落ち着いた足取りの中に、不動の山のような気概を潜める。
褐色の戦隊服はまさに五行戦隊の一人、睦美のトレードマークであった。
「ひさしぶりだね、睦美。こうして私達二人っきりになるって」
「そうだね。最後に一緒に行動したのは、あなたが妖魔に捕らえられた日だったもの」
「少し前のことなのになんだかもう昔みたい。
あの時、二人で一緒に妖眼蟲を追いかけてたっけ」
雨の中で見つめ合う二つの視線。
たった一晩の出来事が二人の運命の分かれ道となった。
あの夜、仲間と連絡するために一時離脱した睦美。
睦美の代わりとなった妖眼蟲の監視役を買って出た鈴華。
言い表せない複雑な感情が二人の間を駆け巡る。
153 五行戦隊 第六話(10/22) sage 2012/12/24(月) 09:43:59.59 ID:uwOBuGIO
鈴華は睦美の特長をよく理解していた。
義に厚く、戦術眼に優れた一面を持ち合わせる。
長所はどんな場面でもオールマイティな力が発揮できること。
灯のように逆転性が強く、翠のように持久力に優れ、
清見のように柔軟性があって、鈴華のように守りに隙が無い。
全員分をフォローできる力と優れた決断力から、五行戦隊の隠れたチームリーダー役を果たす。
短所は得意とする地霊術には大味なものが多く、
地形に制限されてしまうと能力が百パーセント引き出せないことだ。
睦美は鈴華のことをよく考察していた。
小柄なかわいらしいイメージに反し、戦闘では勇猛果敢な働きぶりを見せる。
長所は五行戦隊の矛と盾を同時に担える攻守性能。
常に一番強い敵の攻撃から仲間を守り、常に一番硬い敵に最初の傷を与える。
相手を物理的に消滅させる力は単純でありながらその右に出る者はいない。
短所はテクニカルな技と意識が乏しく、
劣勢が確定してしまうとなかなか覆せないところ。
長いあいだ肩を並べて戦った者同士だけに、互いの手の内は知り尽くしている。
ただし、今は一点だけ変化が生じている。
睦美は妖魔化した後の鈴華のことをほとんど知らない。
「睦美がわざわざ私をここまで連れ出した理由は二つある。翠ちゃんの安全を守るため。
そしてもう一つは、森の中だと睦美と相性が悪いため。そうでしょ?」
触手スーツに覆われた胸を張りながら、得意げに語る鈴華。
睦美の反応はあくまでも冷静だった。
「そうだとして、どうする。今度は私を森まで連れ戻すのか」
「いいえ。睦美はここで戦うことが有利だと思ってるかもしれないが、実は私にとっても
好都合なんだよね。今までは翠がいるせいで、『あいつら』が阻まれていたから」
「あいつら?」
睦美が疑問を呈すると、ふと周囲の暗闇に無数の目玉が輝いていることに気付く。
目玉の数はなおも増え続け、睦美のいる砂場を取り囲むように現われる。
チリーン、チリーンと鳴る妖しい音色。
鈴華が髪飾りとなっている鈴を揺らすと、
数え切れないほどの金属スライムが現われる。
今まで睦美が戦った二、三匹の規模ではない。
大小様々の体を持つ一つ目妖魔が、のろのろと集まってきた。
鈴華は木の枝に座り両脚を嬉しそうに揺らす。
「どう? いっぱい人間から淫欲を吸って、私だけの妖魔軍団に作り上げたの。
この音を鳴らせば、どんな遠くからでも呼び寄せることができる」
「森にたくさんの人間を誘拐したのは、蟲を量産するためだったのか」
「ふふふ……睦美、あなたが絶対勝てない理由が一つあるの。霊力と違って、
私達の妖力は人間を堕落させて淫欲の虜にすればいくらでも集まるの。なにも私みずから
あなたと戦うことは無い。これだけ数で押せば、いくらあなたでも無理でしょ?」
154 五行戦隊 第六話(11/22) sage 2012/12/24(月) 09:45:24.27 ID:uwOBuGIO
「相変わらず子供じみた考えだな。単純であなたらしい」
「なによ!」
鈴華はぷんと頬を膨らませる。
「落ち着いたフリができるのも今のうちなんだから! 睦美を生け捕りにしたら、
ここにいる者達に一匹ずつ中出しさせてやるんだから!」
「一匹ずつと言わずに、全員同時にかかってきてもいいんだよ」
「そんなこと言っちゃって……もう土下座しても遅いんだからね!」
鈴華が鈴を激しく鳴らすと、妖眼蟲は互いに躯体から触手を伸ばし、
文字通り鉄の壁のスクラムを組んで押し寄せてきた。
一列目の蟲群れが睦美の近付くや否や、二列目の妖眼蟲が重ねるようにその上を登る。
鈍重な体をひしめく妖眼蟲。
金属同士がかすれる騒音が砂場を響き渡る。
鈴華はしたり顔でその光景を見つめた。
だが次第に彼女の表情が変化していく。
雨水に浸され泥沼状態になった地面は、まるでスポンジのように沈んでいき、
金色スライム達の重体を飲み込み始める。
砂場にアリジゴクの巣のような落とし穴が広がり、鈴華のいる木まで及んだ。
傾斜していく木から慌てて離れた直後、大木が傾きながら泥沼の中へ流れ込んでいく。
その泥沼の中心で、睦美は両手を素早く変えて印を結ぶ。
「鈴華、あなたはあれこれ考えてきたけど、基本的なことを忘れている」
「なにっ?」
「一つ、金はもともと土より生まれたこと。二つ、私が最も得意なのは乱戦であること。
そして三つ、正義は必ず悪に勝つこと!」
睦美はそのまま地面に両腕を叩きつけ、全身の霊力を解放した。
魂を込めた招来令術とともに、大きな砂の霊獣が地中から噴き出すように立ち上がる。
逆巻く泥沼に無数の金属スライムを巻き込んだまま、
血肉のごとくその泥で体を構成する。
龍に似た頭部が天を仰ぐと、地鳴りのような雄叫びを上げる。
霊獣の体の土砂はそのまま収縮して、
中に混ざってしまった妖魔をじりじり圧殺していく。
異物を石化して目玉を潰すたびに、妖魔が突きたてた刃が召喚獣の体内を貫く。
感覚をリンクしている睦美は、
無数の釘で内臓を打ち付けられるような痛みを感じ続ける。
だが、彼女には立ち止まる時間が残されていない。
(灯、清見……もう少し待っててくれ!)
こめかみに青筋を立てるほどの激痛と戦いながら、睦美は霊獣の肩から指示を出す。
「行け、土麒麟(ドキリン)!」
土の霊獣は天を遮るほどの泥砂を巻き起こすと、鈴華に向かって猛スピードで突進した。
155 五行戦隊 第六話(12/22) sage 2012/12/24(月) 09:46:42.09 ID:uwOBuGIO
□
灯はとても不思議な気分だった。
目の前にある無愛想な表情は、間違いなく清見本人のもの。
なのに昔とイメージが全然違うのはどうしてだろうか。
清見は水色のバトルスーツに代わり、
今では黒を基調とした青い触手スーツを身にまとう。
青いライン上に妖眼が見開き、かつての意趣を汲みつつ新たな魅力で宿主染め変える。
こびりつくように肉質の布地が体に張り付き、
胸の起伏や腰つきの勾配を惜しみなく描き出す。
下半身はスカートではなく、
レオタード式の肉布が太ももの間をいやらしく食い込み淫靡さを演出。
ノースリーブから露出した肩の白肌はまばゆく、
その先にある両腕は肉質のロンググローブに包まれた。
清見が右手を掲げると、腕を包んでいたグローブは幾本もの青い肉紐にほどき、
クラゲのようにふわふわと空中に浮かんだ。
灯はもどかしい感情に苛まれた。
今の清見の格好は驚くくらい彼女に似合っていた。
ダークブルーの雰囲気はその無表情をよく引き立て、
昔には無かった凄艶な色香を匂わせるようになる。
冷酷な視線に射られると、身も心も凍えるような気持ちにされてしまう。
それが脳内に鮮烈なイメージを焼き付けてしまい、
灯の中にある清見の昔の姿が思い出せない。
清見の姿が美しければ美しいほど、灯はいら立つような悔しいような気分に陥る。
翠の時もそうだったが、その感情は一体なんなのか、
灯自身にもうまく説明できなかった。
ほとんど身動きできない彼女には、ただその激昂を皮肉の言葉に変えて発散する。
「どうなの、その『新しい服』の着心地は」
「悪くない。宿主である私のイメージを瞬時に転写して具現化できる。
これなら私の力を最大限に引き出してくれるだろう」
そう言いながら、清見は腕を振り下ろした。
触手は途中から鞭のようにしなり、地面に倒れている灯の体を強くなぎ払う。
水しぶきが激しく散った。
「っ……!」
苦悶を眉に滲ませながらも、声一つあげず歯を食い縛る灯。
水の鞭によって学生服が裂かれ、その下の赤く腫れた素肌を雨空に晒す。
今の灯は変身前の姿に戻っていた。
雨の中で泥水に浸かる制服姿は彼女の敗北ぶりを痛々しく物語る。
護霊服の守護が無き今の彼女は、
妖力を帯びた攻撃に対しまったく無防備な状態である。
清見はかつての仲間を心配する素振りもなく、ただ興味津々と水触手をさわる。
「面白い性質。妖力をそのまま使用するのに、扱い方は霊力とほとんど変わらない。
まさに私達のような退魔術者を生かすためのシステム」
「まだそれほど経ってないのに、ずいぶんと馴染んでるんだね」
156 五行戦隊 第六話(13/22) sage 2012/12/24(月) 09:48:21.46 ID:uwOBuGIO
「鈴華と翠のおかげだ。二人に寄生した経験がそのまま私に伝えられる。
妖眼蟲同士は知識を共有し蓄積する。個体ごとゼロから勉強する人間より
ずっと合理的で素晴らしい」
「五行戦隊よりも?」
「そうよ」
カチン、と来た。
清見の言い草は完全に敵の肩入れをするものだった。
妖魔によって世界がどれほど損害を受けたか見てきた灯にとって、
それは何よりも許せなかった。
「今までオレたちが過ごしてきた時間は、全部どうでもよかったのか!
一緒に修行をして、一緒に枕投げして、一緒に戦ってきた時間が!」
「そう言ったつもりは無い。五行戦隊として身に付けた知識は、
これからもずっと役に立たせるつもりだ。妖眼蟲が人間世界を征服するために」
「このやろうっ!」
灯は何度も目を凝らして清見の顔を見つめた。
しかし清見の顔は学校裏の池水と同じようで、感情の揺れがまったく見つからない。
親友だから分かる、清見は本気でその言葉を言っている。
そして親友だからこそ、灯は清見にそんなことをさせるわけにはいかない。
「覚えてろよ、絶対一発殴ってやるから!
正義心を思い出させるくらい強烈なやつをな」
「ありがとう。でもそうなる前に、あなたの正義の心を私が消してあげるわ」
清見はそう言いながら右拳を突き出し、手をギュッと握り締めた。
彼女の右腕を包むロンググローブは濃い黒に変色し、
肉布全体が手首の方向へと波打つ。
表面にある妖眼は小波に乗る葉のように揺れ動く。
何もできないまま、灯はその不気味な光景をただ見上げるしかなかった。
肉布はまるで液体のようにうねる。
だが灯はすぐにそれは錯覚ではなく、本当に液体化していることに気付く。
握り拳の隙間から数滴の黒液がしたたる。
それが何を意味しているのか分からない。
たが持ち前の本能から、灯は反射的にそれを顔から避けようともがいた。
液体は彼女の顔面からはずれ、左胸あたりに垂れ落ちた。
「あ……っ!?」
灯はいきなり左胸に息ができないくらい重苦しいしびれを感じた。
深海に沈められたような気持ちになったが、それも最初の一瞬だけ。
すぐに痺れが鈍い疼きすりかえられ、
どんよりと沈殿していくような心地良さが芽生える。
灯はすぐさま自分を見下ろし、唖然となった。
水滴はコールタールのように粘度が高く、制服のブラウスやブラジャーまで浸透する。
禍々しい妖力が直接肌と触れ合う。
だが思ったほど不快な感触ではなかった。
粘液にまみれた部分にじんわりとした気だるさが生まれ、頭がぼんやりしてしまう。
157 五行戦隊 第六話(14/22) sage 2012/12/24(月) 09:49:38.83 ID:uwOBuGIO
「なに……これ?」
心地良さに流されないよう、灯は懸命に正気を維持する。
黒液が浸透しきった部分は、まるでラバーのように黒々とした光沢を帯びる。
手で拭き取ろうとしても、手のひらが液体を掴むだけで剥がし取ることができない。
そして驚くことに、黒粘液化はそのままゆっくりと周囲へ広がっていく。
「鈴華や翠を見て、私はあることを確信した。
もし五人とも寄生された場合、おそらく私が最も寄生能力を発揮できると」
清見は無表情のまま身を屈め、黒液を絞り出した手で灯の胸をさわった。
たっぷりと粘液を含んだ手のひらが、灯の胸を満遍なく塗りたくる。
「いやっ……!」
灯は喘ぎ声が出そうになるのを必死にやり過ごした。
コールタールの粘液を手が滑り、そのまま快感神経を撫でられているようだ。
乳房を鷲掴むと指の隙間から黒液が溢れ、ほどよい堕落感に変換される。
「うう、ううっ……悪いことをしてるのに、よくそんな……冷静でいられるのな!」
「前まで私もそこが不思議だった。寄生され意識を植えつけられたというのに、
ほとんどの人間は人格が独立していた。でも、その認識自体が間違いだった。
妖眼蟲は人間を変えるではなく、むしろその人間の本来の姿を取り戻した」
「馬鹿を言うな! 鈴華や翠のあれが本来の彼女たちだと言うのか?」
「その通りよ。本来の鈴華はひねくれ者で、翠の本性も淫乱なマゾヒストだった。
そして私は、陰湿な私のままで行動できる」
「ひゃああ……っ!」
灯の悲鳴が響き渡る。
清見は親指と中指で灯の乳首をはさみ、人差し指で先端をこねる。
黒液に寄生された布はまるで肌その物のようで、
その下にある乳首も胸の形も原型のまま黒くあらわす。
裸でいるよりも恥ずかしい光景だった。
清見が更に体を近づけたとき、突如灯は両目を大きく見開いた。
「いい加減に、しろおぉ!」
今までこっそり溜めていた霊力を全て拳に込め、灯は渾身の力で清見を殴った。
赤いパンチが触手スーツにめり込んだ瞬間、清見の体が後方へ倒れる。
だが、驚いたのは灯のほうだった。
清見は顔色一つ変えず、ゆっくりと立ち上がった。
攻撃を受けた部分は赤く焼け剥がれたが、寄生スーツはすぐに新しい触肉が再生し始めた。
予想していたダメージから遠く離れていた。
「私の攻撃をわざと防御せず、霊力と根性だけで私が一番近付いた時を狙う。
逆境におかれた灯らしい行動ね。ただ残念なのは、
今のままでは効果がまったくないことだ」
「属性が不利とはいえ、無傷だなんて……!」
ハッとなって灯は自分の右腕を見る。
いつの間にか、彼女の右手は黒い粘液にまみれていた。
真っ黒に染まった手のひらから、黒液が指の側面を越えて手の甲まで覆う。
更に雨粒をそのまま吸収しながら、腕の上部へとのぼる。
158 五行戦隊 第六話(15/22) sage 2012/12/24(月) 09:50:57.19 ID:uwOBuGIO
灯の右手は、さきほど胸の黒液を拭おうとした時に使った腕だった。
「まさか……!」
「それが私による妖眼蟲の新たな寄生能力。護霊服に守られた状態では難しいが、
普通の服を寄生化するのは簡単なこと」
清見のスーツは触手に分裂し、灯の体を撫でると同時に目玉を垂れ流す。
妖眼は灯の体に粘液をまぶしながら蠕動し、そのまま黒化した部分の中へねじ込む。
「はああ……っ!?」
灯は信じられないような現象を目にしてしまった。
目玉はこじ開けるように黒粘液に潜ると、そのまま目としてスーツ上で見開く。
妖眼が灯に寄生する都度に強い衝撃が全身を叩きつける。
「あなたも寄生の気持ち良さを思い知るわ」
清見はどこか嬉しそうに、灯に自分の体をくっつけた。
彼女の触手スーツは粘液化していて、そのまま灯に黒液を分け与える。
まるで電子レンジで加熱されたアイスクリームのように、
粘液と目玉は次々と垂れ落ち、灯の胸、臍、太ももなどを汚す。
服が同化されてしばらく経つと、黒い光沢を持つ触肉として生まれ変わる。
その部分から沸き起こる鈍い疼きが灯の神経を焦らす。
「くっ……離れやがれ!」
「もっと良いことしてあげようというのに、暴れられては情事も台無しね。
少しおとなしくなってもらう」
清見は目を細めると、突然灯と唇を重ね合わせた。
生まれてはじめて他人とかわした口付け。
あまりにも不意打ちだったので、
灯は清見が運んてきた液体をそのまま飲みこんでしまった。
体の温度が急上昇していく。
「ちょっと、なにをする……!?」
左手で口元を拭うと、指先を染める黒い液体が目に入る。
その液体も体のものと同様、アメーバのごとく指先を黒く広がる。
ねばっこい液体が喉元を通った変な感触が一生忘れないかもしれない。
恐ろしい気持ちが自然と胸中から生まれる。
「これで灯は外側だけでなく、内側からも寄生されることになった。楽しみ」
「そんな……あぁっ、ああああぅんっ!」
灯は両手が黒液まみれになっていることも忘れ、
何かの苦しみから逃げるように首元を押さえる。
体の奥に入り込んだ液体は、ドクドクとした溶鉱のように体内を燃やす。
その様子に目を細めながら、清見はさらに灯の両脚を開かせる。
「うわああ、ちょっと!」
灯は大慌てで赤面した。
裾を押さえようという行動は痺れのせいで不発に終わり、
捲くられたスカートの下から真っ白な下着が晒し出される。
スカートが壁になったせいか、下着はまだ浸蝕されていない。
159 五行戦隊 第六話(16/22) sage 2012/12/24(月) 09:52:15.89 ID:uwOBuGIO
「思ったとおり、なんの飾りっ気もないね。まあそれが灯の良いところだけど」
「よ、余計なお世話だ!」
「それをこれから私の色に染め上げると思うと、ゾクゾクする」
「くっ、この……!」
容赦無く股を宛がってくる少女に、灯はただ不安の目つきで睨むしかなかった。
清見の股間を覆っていた触帯は自動的に開き、その下にある媚肉を見せ付ける。
「妖魔による快楽は、人間の神経細胞による電子信号を送っているに過ぎない……
少し前までなら私もそう思っていた。でも、今なら鈴華や翠がそれに夢中した理由が分かる。
私達はもともと淫欲のために存在しているんだと」
目をやや潤わせながら、清見は指を自分の秘部へ伸ばした。
まるで見せ付けるようにクリトリスを摘み取り、媚肉の割れ目をなぞる。
相変わらず表情は無愛想なものの、徐々に赤める顔色は欲情をそそるものだった。
熱っぽい吐息が顔にふきかかるたびに、灯の顔から火が噴き出そうになる。
「はぁ……これが欲情という気持ち。思った以上くせになりそう」
「それはお前が操られて、そう感じるよう仕向けられただけだ!」
「そんなことは無い。前から私は灯のことが好き。その証拠にほら、私のここを見て」
指で広げられた綺麗なピンク色の割れ目。
そこからすでに大量の愛液がねっとりと溢れていた。
蜜液はポタ、ポタと下着に垂れ、そのことだけでも灯を十分に辱めた。
だが現実はこれだけでは終わらなかった。
清見の愛液を吸い取った下着は、まるで墨で染められたかのように、
禍々しい黒に変色し始めたのだ。
その形や材質も、清見が身に付けている触手スーツと同じような肉質に蠢く。
変化は蜜液の落下点からまわりへ伝わり、
驚く速さで下着全体を醜い肉布に変貌させる。
さっきよりも上回るような恐怖が灯を鞭打つ。
股間の大事な部分にぬるぬるした気味悪いものが当たり、
ねちゅねちゅ張り付くその肉布から、どす黒い淫靡な妖気を放つ。
「私が愛欲を感じたときに、浸蝕率が最も高くなる。
その力次第では、強力な聖結界すら溶かせる」
「なんて恐ろしいことを……!」
五行戦隊で一番大胆な灯でも、戦慄する気持ちが隠しきれなかった。
清見の霊力はもともと浄化に長けたタイプ。
その力で妖魔の瘴気を洗浄し、幾度も五行戦隊を窮地から救い出せた。
戦闘以外でも、瘴気におかされた一般人の後治療や解呪まで活躍する場面は多々ある。
そんな彼女の力が一変して妖魔に味方したら、どれほどの被害が出るだろうか。
だが焦る気持ちに反比例して、灯の体は徐々に火照り出した。
肌を黒く染める粘液は、彼女の服を溶かし、
ボーイッシュな体のラインを見事に再現する。
ほどよく膨らんだ胸の形。
余分な脂肪がなく鍛えられた太もも。
しなやかな腰つきや、へそまわりの魅力的なライン。
それらが黒液に覆われたことにより、妖しくも官能的な美しさを滲ませるようになる。
160 五行戦隊 第六話(17/22) sage 2012/12/24(月) 09:53:29.18 ID:uwOBuGIO
清見の触手スーツの妖眼が寄生するたびに、灯は快感を抑圧するような声を漏らす。
体を撫でまわる触肉の感触は、相変わらず気色悪いもの。
頭の中ではそう思っていた。
でも体がそれに同調してくれない。
つい数刻前と違った気持ちが、時間が経過していくとともに五感への発言権を強める。
「妖眼蟲に支配された人間は、体の全てが妖眼蟲の生殖に利するようになる。
男は糧となる精液を製造する機械となり、女は妖眼蟲を孕むための苗床になる」
「そんなの、まるで家畜じゃないか!」
「その通りよ」
「えっ?」
「妖眼蟲に支配されるようになれば、人間はずっと幸せになれる。争いや悩みもなく、
誰でも色欲を享受するだけの世界に。今の世界と比べたら、全然いいと思わない?」
「そんなの誰が幸せになると言うんだ!」
「どうかしら。灯だって、寄生された人間たちを今まで見てきたでしょ?」
灯は口をつぐんでしまった。
森の中にいる寄生された女性たちは、確かに誰一人として嫌な表情を見せなかった。
それどころか喜んで股を開き、男や妖眼蟲の陵辱を受け入れていた。
「そんなの、妖魔に操られたから……!」
「果たしてあなたがこの快感を味わったら、同じことを言い切れるかしら」
清見は薄笑いを浮かべつつ、互いの花弁を重ね合わせるように股を近づけた。
初めてあそこから感じる他人のぬくもりに、灯の顔が急速に熱した鉄のようになる。
「お、女同士で何をやろうってのか!」
「まあ。じゃあ男性とこういうことをしたかったのね」
「そんなこと言ってるわけじゃ……ぁいっ!?」
清見が互いの股を擦り合わせた途端、灯は言葉を喉に詰まらせた。
すでに触肉化した下着はもぞもぞと蠢き、灯のクリトリスを摘み出す。
充血しきった媚芽は軽くふれられるだけで悶絶する。
「ほら、灯と私のクリトリスが擦りあって……はぅんっ……気持ちいいでしょ?」
よっぽど刺激が強いか、清見でもこらえきれずに口から可愛らしい喘ぎ声がこぼれる。
そのギャップがまた灯を煽り立てる。
「だめ、そこは……!」
灯は脊髄を削り取られたような錯覚を覚えた。
触肉に変貌した下着はそのまま灯の太ももを愛撫し、清見の愛撫をサポートする。
緊張が緩んだことによって、体中の黒粘液はさらに速いスピードで広がっていく。
だが今の灯には寄生化に気をかけるほど余裕はなかった。
女の子同士で、それも今まで親友だった人物と淫らな行為をしている。
倒錯した背徳感が気持ち良さの中に紛れ込んで、頭から思考力を奪い去る。
「ううん……っ!」
不意に清見は自分の子宮に手を添え、眉を悩ましげに曲げた。
彼女が背筋をそらすと、恥部から突如一本の触手が伸び出た。
噴き出した淫液のしぶきは灯の顔にも数滴かかった。
しかし水滴から匂う濃厚な淫香よりも、灯の意識は清見の股間に釘付けとなった。
161 五行戦隊 第六話(18/22) sage 2012/12/24(月) 09:54:36.40 ID:uwOBuGIO
清らかな少女とは到底釣り合わない、黒々とした邪悪な剛直がそこにあった。
いやらしいイボイボが生えた表面に二、三の目玉が見開き、
この淫猥の造形に異常性を加える。
感情的に受け入れがたい光景だった。
討伐すべき敵の妖魔が、大事な親友の体内に寄生してしまっている。
これほど悔しいことはあるだろうか。
だが清見本人は嫌がる感情を見せず、むしろ以前にも増して嬉しそうに見えた。
今まで長く付き合っていて、清見がこれほど喜びを顔にした記憶はない。
その事実がまた灯に悔しいゾクゾク感をもたらす。
「驚いた? これが私の中に植えつけられた百眼様の分身。
今からこれを使ってあなたを犯してあげる」
「えっ……!?」
言われて初めて、灯はその一物の用途に注目した。
未経験ではあるが、清見の言葉が何をさしているのかすぐに感じ取った。
足を必死に閉じようとした矢先、清見の手によって簡単に押さえつけられる。
「灯はこういうの初めてなんだよね。好きな人がいるくせに」
「なっ……どこでそれを!」
「ふふふ、灯のことが全部分かっているから。妖眼蟲に寄生されて正直嬉しかったの。
ほかの男に灯の処女を奪われるくらいなら、私が頂いてやる」
なんの冗談だと怒号をあげようとしたが、
清見の目を見て灯は思わず言葉を引いてしまった。
今まで見たこともないくらいどんよりとして、冷酷で、
それでいて歪んだ邪悪な愛情が込められた瞳。
友情とはまったく異なる感情。
その瞬間、親友だったはずの清見の何もかもが未知のように感じた。
邪物の先端が割れ目に当たったとき、灯はようやく身震いすることを思い出す。
肉質の生暖かさと気色悪さは同時に背筋をなぞる。
陰茎触手の表面にある目玉はキョロキョロ動き、
灯の不気味がる気持ちをマックスレベルに押し上げる。
ワームのような湿った柔肉が秘部のまわりに吸い付く。
それだけでも身の毛がよだつ思いだった。
だが次の瞬間、清見は何の前触れもなく腰を一気に突き出した。
「いっ!? ひゃうっ……んあああぁっんん!」
どんな痛みでも耐えてやるつもりだった灯は、
数秒も経たないうちに悲鳴をあげてしまった。
裂かれたような鋭い刺激が奥深くまで届き、膣の形を異型のそれに変形させる。
一筋の血が太ももをつたって草地に垂れ落ちる。
目の前が真っ暗に沈んでいく。
目尻までこらえていた涙が、とうとう溢れ出る。
(そんな……好きな人がいるのに……初めては、好きな人に捧げようと決めたのに……)
162 五行戦隊 第六話(19/22) sage 2012/12/24(月) 09:56:01.36 ID:uwOBuGIO
仲間を宿敵に奪われた上で、更に自分の純潔まで汚されてしまった屈辱感。
心は灰クズのように燃え尽き、ちょっと息を吹きかけただけで散りばりそうだ。
それなのに。
それなのに、どうして体は真逆の反応を示し続けるのか?
息がどんどん荒くなって、心臓の暴動を制御することができない。
小刻みに震える肩口や背筋が、快感に浸る悦びを精一杯表現する。
一突き一突きするたびに剛直の表面が膣壁を摩擦し、
力強い感触を残しては引いていく。
分泌された淫液は迅速に膣内に染み渡って、
それに伴って最初に感じた痛みはすぐに快感に変換された。
黒光りする肌に薄っすらと汗のような黒液が浮かび、
粘液の濃度が前よりも増して一段と官能的な香りを放つ。
「おめでとう、これであなたも立派な『雌』になれたね」
「く……っ、はぁん!」
睨みつけて啖呵を切ろうとする灯。
だが異物が絶えず体内にねじり込んでくる感触に、すぐに意識が曖昧になってしまう。
媚液成分が膣内で吸収されると、瞬時に血管中を回る。
体の外だけでなく芯までも熱くなり、
敵意も勇気も快感の前では甘砂糖のように溶けていく。
邪物は時には優しくつつきながら、時には蹂躙するように一番深い部分まで埋め尽くす。
変化自在に蠢く能力は清見によって余すところ無く発揮され、
灯に抵抗心を構築する時間さえ与えず、征服される喜びを一方的に植えつける。
「ち、っくしょ……!」
灯は無意識のうちに体をくねらせた。
剛直がピストンするごとに、体が黒バターのようにとろけてしまう。
そんな彼女の変化を、清見は陶酔したような目つきで見守る。
「だんだん良くなってきたでしょ?」
「だ、誰が……こんな気持ち悪い物に」
「気持ち悪いと思うのは、まだ人間としての防衛本能が働いているから。
しかし寄生が細胞レベルまで進んだとき、あなたは根本から作り変えられる。
好物は妖眼蟲の食料である精液になり、快楽を求める。そして食事のために、
あなたは喜んで人間を襲うようになる」
「そんな勝手に決めつけない……で、っ……むぐっ!」
清見がまたいきなり顔を近付いて、灯の唇を奪う。
二度目のキスは、一度目と違って深い接吻だった。
灯は最初こそ抵抗したが、次第に力が入らないまま清見の舌を受け入れた。
互いの舌肉をいやらしく絡め合わせ、唾を共有する。
「はぁっ、ああぁん……!」
清見の顔が離れた後、灯は今まで以上焦点の合わない目で雨の曇り空を見上げた。
だらしなく開いた口元から黒い唾液が垂れ落ち、
喘ぎ声のオクターブが徐々に高まっていく。
163 五行戦隊 第六話(20/22) sage 2012/12/24(月) 09:57:28.27 ID:uwOBuGIO
「そろそろ頃合ね」
清見は挑発するような目線でねめつけながら、腰を振るスピードを一気にあげた。
醜悪の肉棒は少女達の股の間で現れたり隠れたりして、
表面に生えた目玉は邪悪な光を輝かせる。
まるで二人が感じる快楽を体現するように、
清見や灯の体に寄生している妖眼も呼応して点滅する。
「ああっ……!」
「はぁん、灯のあそこが締め付けて、離してくれない……」
「そんなこと、言うな……ああ、そこは、だめ――っ!」
「いっぱい感じて!」
ひときわ力強い一突きに、灯は飛び上がりそうな勢いで体を強張らせる。
寄生陰茎の頂点が膣内の一番深いところまで刺さり、
そのままドクンドクンと膨張する。
灯は清見の手を強く握り締め、足をつりそうになるほどピンと張った。
できる限りの悲鳴をあげ、彼女は無意識のうちに下腹部の奥に埋った肉棒を絞った。
一筋の濁液が寄生茎の先端から噴き出される。
「はああぁぁぁ――っ!」
「ううん……っ!」
二人の少女は同時に体を痙攣させた。
清見は触肉スーツから解放された白い背肌を、切なげに反らした。
永遠とも思える、天地が逆転するような快感。
二人の握り合った両手は恋人のように永く絡まり、
興奮が去った後の感触にゆっくりと浸す。
その美しくも倒錯した一幕に祝砲をあげるかのように暗雲の間を雷鳴が低くうなる。
「ふふふふ……これで灯は私側の人間になった」
清見は快楽がまだ冷めきれない表情で呟くと、息継ぎしながら灯から離れた。
両者の間を繋ぐ寄生根はふにゃりと軟化し、途中で二本に分裂した。
一端は清見の股間の中へ跡形も無く収納される。
しかし、もう一端はそのまま灯の膣内へ入り込んだ。
まだ余韻から回復しきれてない灯は、急激に下腹部から違和感を覚える。
「うがっ……!?」
イッたばかりの体がまるで売ることに慣れた娼婦のように、再び火照り出す。
膣内に残った肉棒の感触がそのまま奥へと進んでいくと、灯はカッと瞳孔を広げた。
自分の体外から触手がもぞもぞ進む光景がそこにあったのだ。
ミミズの物体が蠢くたびに、性器の奥部から鈍い痛みと鋭い快感が交互に響いてくる。
だが何よりもおぞましいのは、その触手が膣内へ徐々に消えていく事実だった。
「いやあああ――っ!」
ようやく我に返った灯は、残りの力全てを振り絞ってもがいた。
しかし体外に残る触手の体積はみるみるうちに減っていき、
嘔吐したくなるような悪寒がお腹に充満する。
膣内にねじ込む異物は、なおも奥へ奥へと進んだ。
164 五行戦隊 第六話(21/22) sage 2012/12/24(月) 10:06:12.78 ID:uwOBuGIO
「なんで、まだ……動くのよ? はぅ、くああぅん!」
吐き気を催す甘い痺れに、灯は表情を苦悶の色に染める。
寄生根は粘液状に変化しながら、膣内で極細い触手に伸長する。
絶え間なく分泌される淫液のせいで、違和感が徐々に満たすような幸福感に変換される。
「どう? 今頃、あの子はあなたの子宮頸を通っているはずよ」
「なん……だって?」
「感じるかしら。あなたの子宮は妖眼蟲を受け入れるために、
自ら口を開いていることを」
「そんなの……嘘だ!」
積み重なる快感の波に逆らえるよう、灯は必死に我を保とうとした。
しかし清見の言うとおり、体が勝手にもじもじ動いて触手の滑りを手助けする。
妖眼蟲が通った道筋は妖液が溢れ、いやしい愛液を導き出す。
お腹の中を満たされる充足感が、いつしか灯の感情を支配する。
「はあぁぁっ……ああああああっ!」
灯はついに甲高い悲鳴を絞り上げた。
それと同時に、彼女の下腹部に妖しい紫色の模様が浮かび上がる。
黒に染められた肌の中、嫌に目立つ妖しい目玉の模様が。
「おめでとう、着床は無事成功したね」
「ちゃく……しょう……?」
自分のおへそあたりに描かれた紋様を見て、灯は愕然とした。
その紫色の紋様は、触肉スーツと比べられないほど邪悪なオーラを放つ。
まるで淫らな烙印のように、少女の体が完全に奴隷化したことを象徴する。
「さっき言ったように、これから少しずつ、あなたの体が妖眼蟲の育成に適したものに
変化していく。あなたの子宮は妖眼蟲を育むための場所となり、
外敵から妖眼蟲の幼虫を守る……もちろん、霊術者からも」
清見は灯のへそあたりを優しくなぞった。
その指が色薄の模様に触れた瞬間、灯の神経は万雷に焼かれたような感覚が走る。
「かぁっ……!?」
まるで性器を直接ふられたような刺激に、灯は軽く絶頂を迎えた。
鋭い疼きが敏感な神経を突っ走り、頭のてっぺんから足のつま先まで一巡する。
清見の指が離れてしばらく経っても、雨粒や風の衝撃さえ敏感に感じてしまう。
「いま灯の体内に寄生させた蟲は百眼様の新たな分身だから、
ちゃんと大事に育てないとだめよ。人間の快楽を搾取しながら成虫まで育てれば、
そのときに紋様が一番濃い色に変色するの。そうすれば、
灯も私と同じ忠実で淫らな奴隷になれる」
「いやだよ……こんなもの、すぐに取ってやるよ!」
「残念だけど、これは私が産み出した特殊な妖眼蟲なの。たとえ高レベルの術者であっても、
一度子宮に植えられたら、本人の力だけでは決して取り除くことはできない」
「そんな……」
灯は涙をこらえながら悔しそうに唇をかみ締めた。
清見の余裕な態度を見る限り、自分の力だけでこの蟲を祓うのは困難のようだ。
だからといって、妖眼蟲が成虫になるまで体内に許すわけにはいかない。
(せめてその能力だけでも調べて、ほかの人に伝えなきゃ……)
165 五行戦隊 第六話(22/22) sage 2012/12/24(月) 10:11:43.79 ID:uwOBuGIO
――ビクン
「ええっ!?」
大きく震える体に、灯は驚いた。
体に残る最低限の霊力でさえ彼女のコントロールから離れ、
勝手に下腹部のところへ集まっていくのだ。
その代価として、甘い恍惚のような気持ち良さが脳内を占領する。
清見を助けるために霊力を吸収されたのと同じ感触だった。
「あああっ……!」
「大丈夫みたいだね」
「ど、どいうことなの?」
「妖眼蟲は寄生することで強靭な生命体を得るが、無防備な幼虫状態では、
初級退魔者にも簡単に浄化されてしまう。しかし私の能力を得たこの新種なら、
生存率をぐーんと上げることができる」
「そんな……体から霊力がどんどん吸われていく!」
「この幼虫は霊能力者に寄生することで、宿主の霊力を妖力に少しずつ変換しながら
成長することができるの。そして宿主の霊力自体がカプセルとなって、蟲の気配を一切
漏らさず隠蔽する。これが実用化されれば、世界中の退魔機関に対抗できる。
灯には、その第一実験者になってもらうの」
「ううぅ……そんな、こと……は……」
灯はおぼつかない口調で呟き、力なく地面に背中を預けてしまった。
そのまま、まぶたがゆっくりと閉じていく。
今晩彼女はすでに何度も激戦を繰り広げて、体の疲労は極限状態に達していた。
身も心もボロボロの今では、
霊力を吸い取られる気だるい快感がこの上なく心地良い。
「ふふふ……良いわよ、ゆっくり眠りなさい」
清見は灯の寝顔を撫でると、いとおしそうに口付けをした。
そして指を鳴らすと、彼女の足元から大量の水が湧き出て灯の体を取り囲む。
水はスライムとなって灯を完全におし包み、
ブヨブヨ変形しながら大きな球状となった。
ダークブルー色の水風船は徐々に不透明化し、中にいる人間の輪郭だけを外に見せる。
やがて少女のシルエットは出生を待つ赤子のように、
膝を抱えた体勢に固定していく。
スライムの表面に、ぐぱっと一つの妖眼が開く。
「今度そこから出てきた時、あなたは妖魔のしもべに生まれ変わる。
あなたの勾玉は私がちゃんと精液漬けにして汚してやるから、心配することは無いよ」
清見は灯の変身アイテムだった赤い宝玉を取り出し、小さく微笑んだ。
持ち主と離れ離れになる勾玉は、その守護力を完全に発揮することができない。
両者を別々に寄生できれば、その時間は大幅に短縮できるだろう。
「また五人一緒に戦おうね……今度は世界を淫楽に染めるために」
悪質な愉悦を言葉に込めながら、清見は水泡に背を向けて歩き出した。
性行為の途中で液化していた肉布は再び固体に戻り、もとの触手スーツとなって清見の体を包む。
その顔はすぐにいつもの冷淡さに戻った。
しかし彼女をよく知っている人物であれば、
その表情のどこかにドス黒い喜びが隠れていることに気付くだろう。
体から発散される淫香だけがその余韻を匂わせる。
雨でも流し落とせないほど、満開した花よりも濃厚な香りが。
地球によく似たどこかの惑星の話 エリーザの場合
85 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:11:48.28 ID:A8p43V38
ご意見ご感想、ありがとうございます。
本当はもっと長かったのですが、投下したものを見て、文字の多さに自分でも引いて途中で打ち切ったのです。
駄文失礼しました。あと、いろいろと加筆、修正を加えたり、設定を変更したりしたので、
前回の投稿は失礼ながらとりあえず忘れてください。まとめサイトにもできれば収録しないでほしいです、
恥ずかしいですし・・・
もともと誰かが自分好みのシチュエーションでエロゲなりなんなり作ってくれないかと期待していたのですが、
どうもまるで期待できなさそうなので、自分でSSでも書いてみようかと思ったのです。
長年にわたって積もりに積もった妄想で出来ている分、無駄に設定が綿密になったりストーリーが膨大なものに
なったりしているのです。
今はモチベーションを維持できるかどうかが心配です。
補足
妖花 初代バイオハザードのモンスタープラントとプラント42がモチーフになっています。三つ目がとおるの
ボルボックみたいに、昔人間にひどい目に合わされた改造植物が、人間(女性限定)に寄生体を植え付けて支配
するように進化したもの。男性は養分を吸い尽くして殺しちゃう、たまに気まぐれに生かしておいて、性的にいじめて
遊ばれることも
聖少女 妖花にとりつかれた者たちの通称。一部の金持ちのマニアなどからは、観葉植物として中庭などに
植えられていることも。つがいでなく単体で育てる際にはセックス関係のケアが難しい。稀に森の中で、はぐれ
聖少女たちがイチャイチャしているのを見かけることも
村 妖花に意図的にのっとられるように作られた村。バイオハザード4のプラーガにのっとられた村みたいな
86 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:13:30.32 ID:A8p43V38
エリーザの場合
彼女は普段無表情で、感情を表に出すタイプではなかったが、村の研究施設のある、大学
時代からの先輩にあたるある植物学者にはひそかにある特別な感情を抱いていた。その植物
学者は輝くばかりの金髪に、ほどよく熟れた乳房のもちぬしであり、精神面で言えば、母親
のような包容力をもそなえていた。そんな女性研究員にぞっこんほれ込んでいた彼女は、十
六で某有名大学を首席で卒業し、世間では天才と謳われ将来を嘱望されていたが、大学在籍
時から気になっていたその金髪の佳人のあとをおいかけて、胡散臭いこの村の研究所へはい
ったのだった。
彼女の名はエリーザといい、彼女の恋い慕う婦人の名はマリーという。
マリーは彼女がこの地にやってきて程なく、突然姿を見せなくなってしまった。知り合っ
てまだまもない男性研究員にきくとマリーは重要な研究のために別棟の研究所に閉じこも
っているとのことだった。
その男性たちも、研究員もただの雑務の人も含めて、徐々に見られなくなっていき、研究
所全体に不思議な甘い香りが漂い始めてきたころにはまったく見かけなくなってしまった。
どういうわけか男性だけが転任させられたり解雇させられたりしているようだった。
しかしそのことをあまり彼女は気にすることなく、マリーをまったく見かけなくなったほ
うを気に病んでいた。地下研究所と別棟の研究所は特定の人物しか出入りが許されず、外部
からの研究者を受け入れておきながら中途半端に秘密を作る研究組織のやり方に疑問を感
じていたが、今ではマリーがその特定の人物に選ばれたことのほうが気がかりだった。・・・
87 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:14:41.22 ID:A8p43V38
その日は突然やってきた。研究所のあちこちの床下から急に蔦が伸びてきて女性に襲い掛
かってきた。
彼女は自分の研究室に閉じこもり、植物の細胞を溶かす強力な薬品「v-zolt」を完成させ
ることに成功し、さっそくその効果を試そうと部屋を出た、そのとき、
「なんなの・・・これ・・・」
そこには二体の、人間の面影を幾分残す不気味なクリーチャーがいた。頭と乳房と股に花
を咲かせ、まるでゾンビのように徘徊している。目に知性の光は感じられず、口からはよだ
れのようなものが垂れ、体を動しているというよりかは何者かに操られているようだった。
そのうちの一体は彼女の存在に気づくと、両手足に絡まっていた六本の触手を背後に構え、
股の花を咲かせ、だらしない顔のまま喜びの表情を浮かべて彼女に襲い掛かろうとした。
「ひっ」
彼女はすかさず手に持っていた瓶の蓋を開け、そのクリーチャーに先ほどの薬品を浴びせ
かけた。するとそのクリーチャーは前のめりに倒れ、断続的に言葉にならない奇声を発しな
がらもがき、十秒も経たないうちにまったく動かなくなってしまった。もう一体のクリーチ
ャーはその様子を見て恐れをなしたのか、どこかへ逃げるようにしていってしまった。彼女
は自分がしとめたクリーチャーが本当に死んだのかどうか警戒しながら、そっと近づいてみ
る。
(これは一体・・・? もともとは人間だったのかしら? この研究所にはとんでもない
化け物がほかにもいるのね。・・・なにはともあれ、私の劇薬が成果を挙げたとみてよさそ
うね)
彼女は研究室に戻り、もう一度、今度は念のために二瓶分の薬品を調合したが、調合し終
えたところで長いこと寝てないために眠気に襲われ、背もたれのない椅子を並べて作った簡
単なベッドをつくり、枕元には先ほどの薬品の入った瓶をおき、ドアに電子ロックをかけて
仮眠をとることにした。彼女は一時間半ほどで起きるつもりだったが、積もりに積もった疲
れがそう簡単に彼女を起こしてくれるわけがなかった。そのために熟睡中に部屋に入ってき
た侵入者の存在に気づくこともなく・・・
88 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:16:19.91 ID:A8p43V38
さかのぼること数ヶ月前。
「あなたの知ってる人間たちの中で、ずば抜けて高い知能を持ったものは?」
「一人思い当たるのがいるけれど・・・、そんなこときいてどうするの?」
「わたしには人間たちに対抗するためにも高度な知能を手に入れる必要があるのよ」
「答えになってない。知ったところでどうやってその知能をあなたのものにするの? 言
っておくけど、その娘(こ)(こ)をとらえてもその知能があなたのものになることはないのよ。
それとも脳を直接いじくって洗脳をかけるつもり? そんなことをしたらその娘の知能を
傷つけかねないわ」
「わかってるわ。そのためにわたしたち間に子供を作ったんじゃないの。わたしたちのた
めに、その娘と結婚させるために。わたしたちの子にはその娘を、持てる能力をすべてわた
したちのために捧げるようになるまでに魅了してもらうのよ」
幻想世界での一人と一体の会話に、もう一人の声が響く。
「ちょっと、わたしの意志を無視してなに勝手に話進めてんのよ」
「あなたはわたしの娘でしょ、娘ならば親のいうことを聞くものじゃないの」
「ちょっとまって、わたしは純然たる植物のほうのお母様の意思を強く受け継いで生まれ
てきたのよ、だから人間が憎いし、人間はみな白痴(ばか)にしてしまえばいいとも思って
る。それなのにその人間と結婚させられるなんて・・・言語道断よ!」
「あなたが結婚するのは人間じゃなくて、元人間よ」
「どっちにしたっておなじことよ。わたしが結婚を認めるのはおなじ妖花の王族、ベラゴ
ニアだけよ!」
この宣言を最後に、その娘との連絡は取れなくなってしまった。
「わたしたちの種族で、人間の知性と感情もつものはみなああなってしまう。わけがわか
らないわ。しょうがない、もう一体わたしたちの子を作りましょう。今度はあなたの意思を
強く受け継がせましょう。また遺伝子を提供させてもらうわよ」
「ああ、また・・・」
大広間には巨大な妖しげな花が咲いている。その花にとりこまれた女性は今日も喘ぎ声を
響かせる・・・
89 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:18:06.87 ID:A8p43V38
たれ目のベラゴニアの娘は、その研究室へ入ると、彼女を起こしてしまわないようにそっ
と枕元へ近づき、彼女の顔を見つめる。
(ふふ、お母様のいってたとおり、本当に可愛い娘。ぐっすり子供みたいに眠っちゃって。
とくにこの栗毛色の髪はわたしのお気に入りだわ。この髪に聖少女の髪飾りがどんなに似合
うことか)
たれ目のベラゴニアの娘は、楽しそうに永いこと彼女の寝顔に見入っていたが、ふと寝起
きの顔も見たくなって、
「ねぇ、起きて、もう朝の九時半よ。健全な若い娘なら、ちゃんと早寝早起きをしないと」
「うぅん」
彼女はまだ寝たりないような、起こしにかかるものに反抗するような寝顔で起きたが、目
の前にマリーの顔を認めた瞬間にぱっと目を開き、一気に眠気が取れてしまったようだった、
「マリー様!? いや、違う、これは・・・わ!」
「ああ残念、寝起きの顔ももっとじっくり観賞したかったのに・・・」
彼女の目の前にいるのは、マリーの顔に似ているがマリーではなかった。マリーよりかは
もっと童顔で、目が垂れ、背も小さかった。
彼女はすぐに研ぎ澄まされた明晰な頭脳をもって、今とるべき最善の防衛体勢をとった―
―彼女は枕元においていたv-zoltのはいった瓶を手にし、ふたをあけ、瓶の先を今目の前に
いるベラゴニアの娘に向けたのだった。
「来ないで! この薬品はあなたのからだを瞬時に溶かしてしまうことが出来るんだから」
そういいながら彼女は威嚇するようにベラゴニアの娘をにらみつけ、ベッドから起き上が
り、そこから離れてできるだけ距離をとろうとした。そのベラゴニアの娘は、
「ふふ、小動物みたいで可愛い。そんなに警戒しなくていいのよ、わたしはあなたに危害
を加えたりしないから」
90 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:19:24.47 ID:A8p43V38
こちらに必殺の武器があるにもかかわらず、完全に優勢と余裕の態度をとられた彼女は、
恐怖と憤りの感情に飲み込まれそうになりながらもあくまで理性的に、
「あなたは何者なの? マリー様の顔をして・・・少し幼いけど・・・髪の色もそう、そ
こまで金色に輝く髪の持ち主はこの村にはマリー様しかいないはず。それとドアには鍵がか
かっていたはずよ。どうやってこの部屋にはいったの」
質問されたほうはしばらく彼女の顔を眺めいり、マリーのように母性を感じさせる垂れ目
を細くし、
「さすがお母様に認められただけあって、取り乱さないのね、質問はひとつにしてほしい
けど。いいわ、答えてあげましょう。わたしはあなたのいうマリー様と妖花の間に生まれた
娘、名前はフローラよ、マリー様のほうが名づけてくれたの。あなたと結婚することになっ
てるのよ。ドアのほうは暗証番号をお母様から教えてもらったの。電子ロックがあだになっ
たわね。もっとも、ドアが開かなかったところでドアを破壊するだけなんだけど」
質問に答えてもらったところでさらにわからないことが増えるだけだった。お母様? 結
婚? とんでもない返事に頭が混乱、というよりは現実を受け入れられなくなり、そんな彼
女にフローラはそばへ寄ろうとするが、
「来ないでっていったでしょ! この薬品のことをわすれたの、それともわたしが嘘を言
ってるとでも思って?」
彼女は前にも増して威勢を強めたが、目には涙が浮かんでいた。
フローラは強まった威勢が虚勢であることを見抜き、その涙の意味を覚って、
「あなたが嘘をついてるなんて、微塵も思ってないわよ」フローラは母親が娘をなだめる
ような、ぬくもりのあるほほえみをうかべる、「あなたはお母様にも嘘をつけるような子じ
ゃなかった、・・・慕っていたんでしょう、お母様のこと。お母様はわたしに教えてくださ
ったわ、あなたは母親の愛情に飢えているって、それでわたしのお母様に、ちょっとかわっ
た感情も混じっているけど、愛着の情を抱いていたって」
91 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:20:35.03 ID:A8p43V38
「・・・ああ、そんな・・・」彼女は愕然とした。彼女の精神的弱点をつく決定的な秘密
を言われてしまった。絶望とも羞恥心ともつかない複雑な感情がこみ上がり、ついに理性の
堰を切ってあふれ出し、唯一の護衛手段である瓶を足元に落としてしまった。中の薬品が床
へこぼれていってしまい、彼女は後ろの壁へもたれかかる。「ずるい、そんな・・・卑怯者」
彼女の声にはもう威勢が感じられなかった。
フローラはそんな彼女の隙をみ、それでいて隙につけこもうとするような素振りは見せず
に彼女のそばへ寄り、彼女の目を見つめる。彼女の目にはもう警戒心の鋭さがなくなってい
た。
「とりあえず、ベッドにすわって落ち着きましょう」
フローラは彼女をささえながらベッドまで歩かせてあげた。彼女のほうはもうフローラに
されるがままになっていた。彼女をベッドにすわらせると、フローラは彼女の背中に手をや
り――フローラの触手が背中についた瞬間、彼女は「ひっ」と声を上げたが、なにも抵抗は
しなかった――、自分のほうへ寄り添うようにした
ベッドに並んですわったところで言葉を交わすことはなく、無言のままその状態を保って
いた。彼女はずっとすすり泣いていたが、フローラはその間何も言うことなく、ずっと彼女
に寄り添うだけにしていた。彼女たちの無言の間を邪魔するものは何もなかった。
(よっぽど依存していたのね、こんなに簡単におちちゃうなんて)
フローラは内心ではそんなことも考えていたが、彼女に誠実に愛情をそそいでいることも
真実だった。――種族の異常性をのぞけば、聖女そのものであることにちがいない。
十分ほど時間の去ったあと、彼女はもう泣き止み、鼻水をたらしながら時々むせているだ
けだったが、心の中ではなにかをためらうような気持ちでいた。その気持ちをフローラは察
し、
「お腹はすいた?}そう言って彼女の顔を覗き込む、母性の微笑みがうかんだままで。「も
うながいこと何も口にしてないんじゃないの? 栄養はしっかりとらなきゃだめよ」
フローラはほかにも彼女を気遣うようなことを言ってくる。フローラの投げかけてくるや
さしい言葉の数々に対し、彼女はただ「ああ」とか「うん」とか、言葉にならない言葉を返
すだけだったが、ふとおもむろに顔を上げ、フローラの顔を遠いところを眺めるように見つ
め始めた。
92 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:21:23.87 ID:A8p43V38
「マリー様はもう、亡くなられてしまったのですか」
「亡くなってはいないわ。今は清らかで麗しい花の中から、わたしたち、聖なる娘たちを
見守ってくださってるのよ」
彼女のこころにふたたび悲しみの波がおしよせ、涙となってあふれでる。
「ああ・・・マリー様、マリー様・・・マリー様!」
悲しみに沈む彼女をフローラは心地よい香りを漂わせながら、半ば抱きしめるようにしてよりからだが寄り
添うように引き寄せる。彼女はフローラの癒しのぬくもりにより甘えたくなる衝動にかられる。
「どうして・・・グスン・・・わたしにそんなに優しくしてくれるんですか」
彼女はもうフローラをただの化け物として見られなくなっていることは明白だった。
「野暮なことをきくのね。そんなの、あなたのことが好きだからに決まってるじゃないの」
「好き?・・・好きって、どういう意味の好きなんです?」
「どういう意味の? そうねぇ、いろんな意味があるわね。母性をくすぐられる意味でも
好きだし、結婚相手としても好きだわ」
「結婚相手!?」
彼女はその言葉を思い出し、驚きたじろぐような表情をした。彼女の心の中にふたたびこ
の人ならざるものへの嫌悪感が芽生えてくる。
そんな彼女の拒絶の兆候を見逃さなかったフローラは、
「そうだわ、結婚式にむけて練習しておかないと」
そう言い突然彼女をベッドの上に押し倒し、その唇に自身の唇を顔ごと重ね、舌を彼女の
口の中にいれ自らの唾液を送り込んだ。
ご意見ご感想、ありがとうございます。
本当はもっと長かったのですが、投下したものを見て、文字の多さに自分でも引いて途中で打ち切ったのです。
駄文失礼しました。あと、いろいろと加筆、修正を加えたり、設定を変更したりしたので、
前回の投稿は失礼ながらとりあえず忘れてください。まとめサイトにもできれば収録しないでほしいです、
恥ずかしいですし・・・
もともと誰かが自分好みのシチュエーションでエロゲなりなんなり作ってくれないかと期待していたのですが、
どうもまるで期待できなさそうなので、自分でSSでも書いてみようかと思ったのです。
長年にわたって積もりに積もった妄想で出来ている分、無駄に設定が綿密になったりストーリーが膨大なものに
なったりしているのです。
今はモチベーションを維持できるかどうかが心配です。
補足
妖花 初代バイオハザードのモンスタープラントとプラント42がモチーフになっています。三つ目がとおるの
ボルボックみたいに、昔人間にひどい目に合わされた改造植物が、人間(女性限定)に寄生体を植え付けて支配
するように進化したもの。男性は養分を吸い尽くして殺しちゃう、たまに気まぐれに生かしておいて、性的にいじめて
遊ばれることも
聖少女 妖花にとりつかれた者たちの通称。一部の金持ちのマニアなどからは、観葉植物として中庭などに
植えられていることも。つがいでなく単体で育てる際にはセックス関係のケアが難しい。稀に森の中で、はぐれ
聖少女たちがイチャイチャしているのを見かけることも
村 妖花に意図的にのっとられるように作られた村。バイオハザード4のプラーガにのっとられた村みたいな
86 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:13:30.32 ID:A8p43V38
エリーザの場合
彼女は普段無表情で、感情を表に出すタイプではなかったが、村の研究施設のある、大学
時代からの先輩にあたるある植物学者にはひそかにある特別な感情を抱いていた。その植物
学者は輝くばかりの金髪に、ほどよく熟れた乳房のもちぬしであり、精神面で言えば、母親
のような包容力をもそなえていた。そんな女性研究員にぞっこんほれ込んでいた彼女は、十
六で某有名大学を首席で卒業し、世間では天才と謳われ将来を嘱望されていたが、大学在籍
時から気になっていたその金髪の佳人のあとをおいかけて、胡散臭いこの村の研究所へはい
ったのだった。
彼女の名はエリーザといい、彼女の恋い慕う婦人の名はマリーという。
マリーは彼女がこの地にやってきて程なく、突然姿を見せなくなってしまった。知り合っ
てまだまもない男性研究員にきくとマリーは重要な研究のために別棟の研究所に閉じこも
っているとのことだった。
その男性たちも、研究員もただの雑務の人も含めて、徐々に見られなくなっていき、研究
所全体に不思議な甘い香りが漂い始めてきたころにはまったく見かけなくなってしまった。
どういうわけか男性だけが転任させられたり解雇させられたりしているようだった。
しかしそのことをあまり彼女は気にすることなく、マリーをまったく見かけなくなったほ
うを気に病んでいた。地下研究所と別棟の研究所は特定の人物しか出入りが許されず、外部
からの研究者を受け入れておきながら中途半端に秘密を作る研究組織のやり方に疑問を感
じていたが、今ではマリーがその特定の人物に選ばれたことのほうが気がかりだった。・・・
87 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:14:41.22 ID:A8p43V38
その日は突然やってきた。研究所のあちこちの床下から急に蔦が伸びてきて女性に襲い掛
かってきた。
彼女は自分の研究室に閉じこもり、植物の細胞を溶かす強力な薬品「v-zolt」を完成させ
ることに成功し、さっそくその効果を試そうと部屋を出た、そのとき、
「なんなの・・・これ・・・」
そこには二体の、人間の面影を幾分残す不気味なクリーチャーがいた。頭と乳房と股に花
を咲かせ、まるでゾンビのように徘徊している。目に知性の光は感じられず、口からはよだ
れのようなものが垂れ、体を動しているというよりかは何者かに操られているようだった。
そのうちの一体は彼女の存在に気づくと、両手足に絡まっていた六本の触手を背後に構え、
股の花を咲かせ、だらしない顔のまま喜びの表情を浮かべて彼女に襲い掛かろうとした。
「ひっ」
彼女はすかさず手に持っていた瓶の蓋を開け、そのクリーチャーに先ほどの薬品を浴びせ
かけた。するとそのクリーチャーは前のめりに倒れ、断続的に言葉にならない奇声を発しな
がらもがき、十秒も経たないうちにまったく動かなくなってしまった。もう一体のクリーチ
ャーはその様子を見て恐れをなしたのか、どこかへ逃げるようにしていってしまった。彼女
は自分がしとめたクリーチャーが本当に死んだのかどうか警戒しながら、そっと近づいてみ
る。
(これは一体・・・? もともとは人間だったのかしら? この研究所にはとんでもない
化け物がほかにもいるのね。・・・なにはともあれ、私の劇薬が成果を挙げたとみてよさそ
うね)
彼女は研究室に戻り、もう一度、今度は念のために二瓶分の薬品を調合したが、調合し終
えたところで長いこと寝てないために眠気に襲われ、背もたれのない椅子を並べて作った簡
単なベッドをつくり、枕元には先ほどの薬品の入った瓶をおき、ドアに電子ロックをかけて
仮眠をとることにした。彼女は一時間半ほどで起きるつもりだったが、積もりに積もった疲
れがそう簡単に彼女を起こしてくれるわけがなかった。そのために熟睡中に部屋に入ってき
た侵入者の存在に気づくこともなく・・・
88 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:16:19.91 ID:A8p43V38
さかのぼること数ヶ月前。
「あなたの知ってる人間たちの中で、ずば抜けて高い知能を持ったものは?」
「一人思い当たるのがいるけれど・・・、そんなこときいてどうするの?」
「わたしには人間たちに対抗するためにも高度な知能を手に入れる必要があるのよ」
「答えになってない。知ったところでどうやってその知能をあなたのものにするの? 言
っておくけど、その娘(こ)(こ)をとらえてもその知能があなたのものになることはないのよ。
それとも脳を直接いじくって洗脳をかけるつもり? そんなことをしたらその娘の知能を
傷つけかねないわ」
「わかってるわ。そのためにわたしたち間に子供を作ったんじゃないの。わたしたちのた
めに、その娘と結婚させるために。わたしたちの子にはその娘を、持てる能力をすべてわた
したちのために捧げるようになるまでに魅了してもらうのよ」
幻想世界での一人と一体の会話に、もう一人の声が響く。
「ちょっと、わたしの意志を無視してなに勝手に話進めてんのよ」
「あなたはわたしの娘でしょ、娘ならば親のいうことを聞くものじゃないの」
「ちょっとまって、わたしは純然たる植物のほうのお母様の意思を強く受け継いで生まれ
てきたのよ、だから人間が憎いし、人間はみな白痴(ばか)にしてしまえばいいとも思って
る。それなのにその人間と結婚させられるなんて・・・言語道断よ!」
「あなたが結婚するのは人間じゃなくて、元人間よ」
「どっちにしたっておなじことよ。わたしが結婚を認めるのはおなじ妖花の王族、ベラゴ
ニアだけよ!」
この宣言を最後に、その娘との連絡は取れなくなってしまった。
「わたしたちの種族で、人間の知性と感情もつものはみなああなってしまう。わけがわか
らないわ。しょうがない、もう一体わたしたちの子を作りましょう。今度はあなたの意思を
強く受け継がせましょう。また遺伝子を提供させてもらうわよ」
「ああ、また・・・」
大広間には巨大な妖しげな花が咲いている。その花にとりこまれた女性は今日も喘ぎ声を
響かせる・・・
89 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:18:06.87 ID:A8p43V38
たれ目のベラゴニアの娘は、その研究室へ入ると、彼女を起こしてしまわないようにそっ
と枕元へ近づき、彼女の顔を見つめる。
(ふふ、お母様のいってたとおり、本当に可愛い娘。ぐっすり子供みたいに眠っちゃって。
とくにこの栗毛色の髪はわたしのお気に入りだわ。この髪に聖少女の髪飾りがどんなに似合
うことか)
たれ目のベラゴニアの娘は、楽しそうに永いこと彼女の寝顔に見入っていたが、ふと寝起
きの顔も見たくなって、
「ねぇ、起きて、もう朝の九時半よ。健全な若い娘なら、ちゃんと早寝早起きをしないと」
「うぅん」
彼女はまだ寝たりないような、起こしにかかるものに反抗するような寝顔で起きたが、目
の前にマリーの顔を認めた瞬間にぱっと目を開き、一気に眠気が取れてしまったようだった、
「マリー様!? いや、違う、これは・・・わ!」
「ああ残念、寝起きの顔ももっとじっくり観賞したかったのに・・・」
彼女の目の前にいるのは、マリーの顔に似ているがマリーではなかった。マリーよりかは
もっと童顔で、目が垂れ、背も小さかった。
彼女はすぐに研ぎ澄まされた明晰な頭脳をもって、今とるべき最善の防衛体勢をとった―
―彼女は枕元においていたv-zoltのはいった瓶を手にし、ふたをあけ、瓶の先を今目の前に
いるベラゴニアの娘に向けたのだった。
「来ないで! この薬品はあなたのからだを瞬時に溶かしてしまうことが出来るんだから」
そういいながら彼女は威嚇するようにベラゴニアの娘をにらみつけ、ベッドから起き上が
り、そこから離れてできるだけ距離をとろうとした。そのベラゴニアの娘は、
「ふふ、小動物みたいで可愛い。そんなに警戒しなくていいのよ、わたしはあなたに危害
を加えたりしないから」
90 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:19:24.47 ID:A8p43V38
こちらに必殺の武器があるにもかかわらず、完全に優勢と余裕の態度をとられた彼女は、
恐怖と憤りの感情に飲み込まれそうになりながらもあくまで理性的に、
「あなたは何者なの? マリー様の顔をして・・・少し幼いけど・・・髪の色もそう、そ
こまで金色に輝く髪の持ち主はこの村にはマリー様しかいないはず。それとドアには鍵がか
かっていたはずよ。どうやってこの部屋にはいったの」
質問されたほうはしばらく彼女の顔を眺めいり、マリーのように母性を感じさせる垂れ目
を細くし、
「さすがお母様に認められただけあって、取り乱さないのね、質問はひとつにしてほしい
けど。いいわ、答えてあげましょう。わたしはあなたのいうマリー様と妖花の間に生まれた
娘、名前はフローラよ、マリー様のほうが名づけてくれたの。あなたと結婚することになっ
てるのよ。ドアのほうは暗証番号をお母様から教えてもらったの。電子ロックがあだになっ
たわね。もっとも、ドアが開かなかったところでドアを破壊するだけなんだけど」
質問に答えてもらったところでさらにわからないことが増えるだけだった。お母様? 結
婚? とんでもない返事に頭が混乱、というよりは現実を受け入れられなくなり、そんな彼
女にフローラはそばへ寄ろうとするが、
「来ないでっていったでしょ! この薬品のことをわすれたの、それともわたしが嘘を言
ってるとでも思って?」
彼女は前にも増して威勢を強めたが、目には涙が浮かんでいた。
フローラは強まった威勢が虚勢であることを見抜き、その涙の意味を覚って、
「あなたが嘘をついてるなんて、微塵も思ってないわよ」フローラは母親が娘をなだめる
ような、ぬくもりのあるほほえみをうかべる、「あなたはお母様にも嘘をつけるような子じ
ゃなかった、・・・慕っていたんでしょう、お母様のこと。お母様はわたしに教えてくださ
ったわ、あなたは母親の愛情に飢えているって、それでわたしのお母様に、ちょっとかわっ
た感情も混じっているけど、愛着の情を抱いていたって」
91 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:20:35.03 ID:A8p43V38
「・・・ああ、そんな・・・」彼女は愕然とした。彼女の精神的弱点をつく決定的な秘密
を言われてしまった。絶望とも羞恥心ともつかない複雑な感情がこみ上がり、ついに理性の
堰を切ってあふれ出し、唯一の護衛手段である瓶を足元に落としてしまった。中の薬品が床
へこぼれていってしまい、彼女は後ろの壁へもたれかかる。「ずるい、そんな・・・卑怯者」
彼女の声にはもう威勢が感じられなかった。
フローラはそんな彼女の隙をみ、それでいて隙につけこもうとするような素振りは見せず
に彼女のそばへ寄り、彼女の目を見つめる。彼女の目にはもう警戒心の鋭さがなくなってい
た。
「とりあえず、ベッドにすわって落ち着きましょう」
フローラは彼女をささえながらベッドまで歩かせてあげた。彼女のほうはもうフローラに
されるがままになっていた。彼女をベッドにすわらせると、フローラは彼女の背中に手をや
り――フローラの触手が背中についた瞬間、彼女は「ひっ」と声を上げたが、なにも抵抗は
しなかった――、自分のほうへ寄り添うようにした
ベッドに並んですわったところで言葉を交わすことはなく、無言のままその状態を保って
いた。彼女はずっとすすり泣いていたが、フローラはその間何も言うことなく、ずっと彼女
に寄り添うだけにしていた。彼女たちの無言の間を邪魔するものは何もなかった。
(よっぽど依存していたのね、こんなに簡単におちちゃうなんて)
フローラは内心ではそんなことも考えていたが、彼女に誠実に愛情をそそいでいることも
真実だった。――種族の異常性をのぞけば、聖女そのものであることにちがいない。
十分ほど時間の去ったあと、彼女はもう泣き止み、鼻水をたらしながら時々むせているだ
けだったが、心の中ではなにかをためらうような気持ちでいた。その気持ちをフローラは察
し、
「お腹はすいた?}そう言って彼女の顔を覗き込む、母性の微笑みがうかんだままで。「も
うながいこと何も口にしてないんじゃないの? 栄養はしっかりとらなきゃだめよ」
フローラはほかにも彼女を気遣うようなことを言ってくる。フローラの投げかけてくるや
さしい言葉の数々に対し、彼女はただ「ああ」とか「うん」とか、言葉にならない言葉を返
すだけだったが、ふとおもむろに顔を上げ、フローラの顔を遠いところを眺めるように見つ
め始めた。
92 ああああ sage 2012/11/16(金) 22:21:23.87 ID:A8p43V38
「マリー様はもう、亡くなられてしまったのですか」
「亡くなってはいないわ。今は清らかで麗しい花の中から、わたしたち、聖なる娘たちを
見守ってくださってるのよ」
彼女のこころにふたたび悲しみの波がおしよせ、涙となってあふれでる。
「ああ・・・マリー様、マリー様・・・マリー様!」
悲しみに沈む彼女をフローラは心地よい香りを漂わせながら、半ば抱きしめるようにしてよりからだが寄り
添うように引き寄せる。彼女はフローラの癒しのぬくもりにより甘えたくなる衝動にかられる。
「どうして・・・グスン・・・わたしにそんなに優しくしてくれるんですか」
彼女はもうフローラをただの化け物として見られなくなっていることは明白だった。
「野暮なことをきくのね。そんなの、あなたのことが好きだからに決まってるじゃないの」
「好き?・・・好きって、どういう意味の好きなんです?」
「どういう意味の? そうねぇ、いろんな意味があるわね。母性をくすぐられる意味でも
好きだし、結婚相手としても好きだわ」
「結婚相手!?」
彼女はその言葉を思い出し、驚きたじろぐような表情をした。彼女の心の中にふたたびこ
の人ならざるものへの嫌悪感が芽生えてくる。
そんな彼女の拒絶の兆候を見逃さなかったフローラは、
「そうだわ、結婚式にむけて練習しておかないと」
そう言い突然彼女をベッドの上に押し倒し、その唇に自身の唇を顔ごと重ね、舌を彼女の
口の中にいれ自らの唾液を送り込んだ。
(欲望を満たすものが手に入る店)
80 名無しさん@ピンキー sage 2012/11/13(火) 19:55:04.07 ID:iK/xzZM+
ああいらっしゃい
この店は初めて?…そうかい
ここはあんたの欲望を満たすものが手に入る店さ。それしか置いてない
あんたは…なるほど、この下着か。コイツはなかなかのものだよ。
職人が丹精込めて作った一品さ。
ああ言いたいことは分かる。ただのブラジャーにしか見えないってんだろ?
こいつは着けて初めて分かる品ってやつだ。
あんたの欲望を満たすのにコレ以上の品は、ちょっと無いな
…え?いやそりゃあんたが一番良くわかってるはずだ。
まあ初めてきた客は大抵そんな反応をするんだが…
あんた毎晩おっぱいもんで乳首シコってオナってるだろ?
んでもっと気持ちよくなりたいってずっと思ってたんだろ?
別に隠すことはないよ。当然さ。誰だって気持ち悪いのより気持ちいいほうが好きだ。
あー話がそれたな。商品説明に戻ろう。
このブラはな、異次元とつながってるんだ。
まあ待て、本当だ。それもとびきりエキサイティングな異次元だ。
そこにはな、粘液でヌルヌルグチョグチョの触手やらスライムやらが詰まってるんだ。
このブラをつけるとな内側がそこにつながる。内側だけだ。外から見たら何も変化はない。
つまりおっぱいだけが触手異次元にポンと飛び出るのさ
あとはもう分かるな?
ブラつけてるだけでおっぱいも乳首も触手やらなんやらでフィーバーって寸法さ。
簡単だろ?疲れたら外せばOK。汚れも全部異次元に置いてかれるからバレる心配もない
しかも個人認証付きであんた以外が着けてもただのブラ。
洗濯もできるし、サービスで盗難補償と初期不良対応までついてる
希望があれば触手のチューニングもするよ。
ノーマルタイプにハンドタイプ、ブラシ・吸盤・振動・乳首挿入
注射針触手で即効性の豊胸薬や母乳誘発剤も打てる
粘液もただのローションから強弱10段階の媚薬まで揃ってるとくりゃ買うしかないだろう?
81 名無しさん@ピンキー sage 2012/11/13(火) 20:25:24.56 ID:iK/xzZM+
おっと付属品を忘れてた。
こっちのパンティーも着けなきゃあんたの社会的地位ってやつが危うい
これはどんなに漏らしても絶対に漏れない下着だ。原理はブラと似たようなもんだ。異次元にポイ。
大・小はもちろん多い日も安心。
正に高齢化社会に指す一筋の光明!
と言いたいところだがやはりコレもあんた専用だ
…あんたも物分かりが悪いな。
いいか?こっちのブラをつけるだろ?イキまくるだろ?股間ビショ濡れになっちまうだろ?
それじゃせっかくの四六時中公然スニーキング触手プレイの意味ないだろ?
友人たちと昼下がりのおしゃれなカフェでティータイムしてるけどおっぱい触手に嬲られてますとか
なんとかフィルハーモニーのクラシックコンサート聞いてるけど指で乳頭シコシコ&ニプルファックされてますとか
コーヒー飲む?ミルクは?って聞くんだけど実は搾乳触手で自分のミルク搾られてますとか
そういうのが股間ビショ濡れなだけで台無しになるんだぞ?
…ああ、声とかは自分で我慢してくれ。ちょっとはスリルがないとな。
気になるお値段は…ざっとこんなもんだ。
円?違う違う。ああいい忘れてたな
この店で払ってもらうのはあんたの快感さ
これは快感を数値化したものだ。
払うには…えーと、どこいったかな?…あったあったコレだ
このけ…会員登録書にサインしてくれるだけでいい
見たところあんたは今までだいぶ快感を稼いでるみたいだから
一回払いでもお釣りが来るね
OK、コイツはもうあんたのもんだ
もちろんコイツでイキまくれば快感がどんどん貯まるから、気が向いたらまたきてくれ
ここではいつも、あんたの欲望を満たすものが手に入る。それしか置いてない。
じゃあな、まいどあり
82 名無しさん@ピンキー sage 2012/11/13(火) 20:39:28.75 ID:iK/xzZM+
購入者のその後は各自補完してくれ。俺にはこれが限界だ
流れ的には
最初は夜だけだったのがだんだん病みつきになって本当に四六時中つけっぱに。
あそこにも欲しい→パンティーも触手異次元につながる奴に。
気持よすぎて声が我慢出来ない→マスク的な奴。他人には見えない。自動受け答え機能付き。
説明しにくいんだけど自分と同じ口の形したマスクで、本物が異次元に行って、マスクが本人に成り代わってしゃべる
本物は異次元だからいくらでも声が出せるしフェラとかもOK
耳も…目も…鼻も…手も…足も…とだんだんエスカレートしていって、
最終的に全身が触手異次元に送られて永久に犯されることになり
残った衣類とかマスクが哲学的ゾンビみたいになって本人に成り代わるっていう…
店主(悪魔とか淫魔的存在)は快感がいっぱい手に入ってウハウハ
寄生…とは違ったかな?だったらごめん
ああいらっしゃい
この店は初めて?…そうかい
ここはあんたの欲望を満たすものが手に入る店さ。それしか置いてない
あんたは…なるほど、この下着か。コイツはなかなかのものだよ。
職人が丹精込めて作った一品さ。
ああ言いたいことは分かる。ただのブラジャーにしか見えないってんだろ?
こいつは着けて初めて分かる品ってやつだ。
あんたの欲望を満たすのにコレ以上の品は、ちょっと無いな
…え?いやそりゃあんたが一番良くわかってるはずだ。
まあ初めてきた客は大抵そんな反応をするんだが…
あんた毎晩おっぱいもんで乳首シコってオナってるだろ?
んでもっと気持ちよくなりたいってずっと思ってたんだろ?
別に隠すことはないよ。当然さ。誰だって気持ち悪いのより気持ちいいほうが好きだ。
あー話がそれたな。商品説明に戻ろう。
このブラはな、異次元とつながってるんだ。
まあ待て、本当だ。それもとびきりエキサイティングな異次元だ。
そこにはな、粘液でヌルヌルグチョグチョの触手やらスライムやらが詰まってるんだ。
このブラをつけるとな内側がそこにつながる。内側だけだ。外から見たら何も変化はない。
つまりおっぱいだけが触手異次元にポンと飛び出るのさ
あとはもう分かるな?
ブラつけてるだけでおっぱいも乳首も触手やらなんやらでフィーバーって寸法さ。
簡単だろ?疲れたら外せばOK。汚れも全部異次元に置いてかれるからバレる心配もない
しかも個人認証付きであんた以外が着けてもただのブラ。
洗濯もできるし、サービスで盗難補償と初期不良対応までついてる
希望があれば触手のチューニングもするよ。
ノーマルタイプにハンドタイプ、ブラシ・吸盤・振動・乳首挿入
注射針触手で即効性の豊胸薬や母乳誘発剤も打てる
粘液もただのローションから強弱10段階の媚薬まで揃ってるとくりゃ買うしかないだろう?
81 名無しさん@ピンキー sage 2012/11/13(火) 20:25:24.56 ID:iK/xzZM+
おっと付属品を忘れてた。
こっちのパンティーも着けなきゃあんたの社会的地位ってやつが危うい
これはどんなに漏らしても絶対に漏れない下着だ。原理はブラと似たようなもんだ。異次元にポイ。
大・小はもちろん多い日も安心。
正に高齢化社会に指す一筋の光明!
と言いたいところだがやはりコレもあんた専用だ
…あんたも物分かりが悪いな。
いいか?こっちのブラをつけるだろ?イキまくるだろ?股間ビショ濡れになっちまうだろ?
それじゃせっかくの四六時中公然スニーキング触手プレイの意味ないだろ?
友人たちと昼下がりのおしゃれなカフェでティータイムしてるけどおっぱい触手に嬲られてますとか
なんとかフィルハーモニーのクラシックコンサート聞いてるけど指で乳頭シコシコ&ニプルファックされてますとか
コーヒー飲む?ミルクは?って聞くんだけど実は搾乳触手で自分のミルク搾られてますとか
そういうのが股間ビショ濡れなだけで台無しになるんだぞ?
…ああ、声とかは自分で我慢してくれ。ちょっとはスリルがないとな。
気になるお値段は…ざっとこんなもんだ。
円?違う違う。ああいい忘れてたな
この店で払ってもらうのはあんたの快感さ
これは快感を数値化したものだ。
払うには…えーと、どこいったかな?…あったあったコレだ
このけ…会員登録書にサインしてくれるだけでいい
見たところあんたは今までだいぶ快感を稼いでるみたいだから
一回払いでもお釣りが来るね
OK、コイツはもうあんたのもんだ
もちろんコイツでイキまくれば快感がどんどん貯まるから、気が向いたらまたきてくれ
ここではいつも、あんたの欲望を満たすものが手に入る。それしか置いてない。
じゃあな、まいどあり
82 名無しさん@ピンキー sage 2012/11/13(火) 20:39:28.75 ID:iK/xzZM+
購入者のその後は各自補完してくれ。俺にはこれが限界だ
流れ的には
最初は夜だけだったのがだんだん病みつきになって本当に四六時中つけっぱに。
あそこにも欲しい→パンティーも触手異次元につながる奴に。
気持よすぎて声が我慢出来ない→マスク的な奴。他人には見えない。自動受け答え機能付き。
説明しにくいんだけど自分と同じ口の形したマスクで、本物が異次元に行って、マスクが本人に成り代わってしゃべる
本物は異次元だからいくらでも声が出せるしフェラとかもOK
耳も…目も…鼻も…手も…足も…とだんだんエスカレートしていって、
最終的に全身が触手異次元に送られて永久に犯されることになり
残った衣類とかマスクが哲学的ゾンビみたいになって本人に成り代わるっていう…
店主(悪魔とか淫魔的存在)は快感がいっぱい手に入ってウハウハ
寄生…とは違ったかな?だったらごめん
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