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淫魔と彼女 第4.5話
494 395 ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:30:24.12 ID:nt+bbflJ
『淫魔と彼女』第4話、以上でした。
続けて、第4.5話 を投下します。
なお、もしかしたらわかりにくかったかも、と今になって思ったのですが、
絵理は触手を植え付けられただけでその他の体はすべて人間のまま、
遥は体の細胞すべて、淫魔のものに作り変えられています。
なので、この話では、絵理は「人間」、遥は「淫魔」です。
495 淫魔と彼女 第4.5話 (1/2) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:33:19.24 ID:nt+bbflJ
ある、月曜日の、昼下がり。
澪は学校を休んで、彰が学校に行った後の、彰の家―須見家にいた。
小さな応接間で、彰の母・詠歌と、膝を突き合わせている。
その事を、彰や遥は知らない。
「ええっと、ですね―」
澪は細い透明な糸を左手に持っていた。
先から数センチのところを指でつまみ、先を自分の左耳に突っ込む。
そのまま、耳の中をこしょこしょとひっかくような仕草をする。
「―これです」
耳から引き抜かれた糸は、指先から、まるで針のようにまっすぐ鋭利に伸びていた。
そしてその先に、数ミリ大の真っ赤な軟体生物が刺さっていた。
「蟲、か」
糸を受け取り、その先に刺さった蟲をしげしげと眺める詠歌。
「はい。耳奥に寄生し、非常に強力な催眠音波を出して、宿主を自由に操ります。
これ自身は意思を持たず、別にある母体の意思によって遠隔操作されるタイプですね」
「結構、貧相な作りだね」
「ええ。ですので母体が近距離にいないと発動しないと思われます」
ふぅん、と言って詠歌が糸を返すと、澪は再びそれを左耳に突っ込み、蟲を自分の耳に戻した。
「律儀に耳に戻すわけ?」
「奴隷の義務ですから」
「なにそれ」
ケラケラと詠歌は笑う。
496 淫魔と彼女 第4.5話 (2/2) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:36:16.39 ID:nt+bbflJ
それで、と、澪は言葉を続ける。
「この蟲を埋められた者は強制的に、遥さんと、魂の所有契約を交わさせられます。
対する遥さんは…あの様子だと、操られてるか、真の意味を理解してないんでしょう。
耳の蟲については気づいてもいなさそうです。
恐らく、『中の蟲(コ)』から宿主への、純粋な好意なんではないでしょうか。
淫魔としての、ですけど」
はぁ、とため息をつく詠歌。
「なるほど。『中の蟲』ハルカから遥ちゃんへの、プレゼントってわけだ。
誰かを誘惑して精を取る、なんてできない遥ちゃんが、いつでもありつける「食料」ってことだね。
ありがた迷惑な話だなぁ。
じゃあ、遥ちゃんがその気にならない限り、大きな問題にはならないってことか」
「そうですね。ただ今後、遥さんが変質した場合は、どうなるかわかりません」
「…そうだね」
しばしの、沈黙。
「…だから、自ら、奴隷になっちゃったんだ」
「はい、おかげでお尻の穴を差し出すハメに」
「体張ってんねぇ…」
苦笑する詠歌。
「…確かに、澪ちゃんクラスの退魔師の魂をエサにし続けられるんなら、遥ちゃんが飢えることは、しばらくは、ないだろうね。
生活のために奴隷を増やす必要はなくなるし、誰だっけ、絵理ちゃん?の魂が食いつぶされる心配も、なくなるわけだ」
「はい。それに…
私なら、他の退魔師を追い払ってあげられますから」
「こらこら、そんなこと言っていいの?」
「社(やしろ)に知られたら、追放どころじゃ、済まないでしょうね。ウフフ」
ニヤニヤしながら訊く詠歌に、いたずらっ子のように笑う澪。
「いやー、本当に変わり者だね、澪ちゃんは」
「それはお互い様ですよ、『先輩』」
今度は互いにクスクス笑う。
ひとしきり笑うと、ふぅ、と詠歌は一息ついて、虚空を見つめる。
「まぁ、遥ちゃんは、ウチのカワイイ嫁候補だからね。立派な淫魔に育ってもらわないと」
「はい。私にとっても、大事な親友ですから。変に道を踏み外してもらっては、困ります」
詠歌が、柔和な表情のまま、澪に向き直る。
「うん。これからも、遥ちゃんを、よろしく。あと、ついでにウチのバカ息子も」
「はい。任せて下さい。先輩」
澪は詠歌に応じて、ニッコリと微笑んだ。
「それにしても―」
詠歌は窓の外を見上げ、つぶやく。
「いい友だちに囲まれて、良かったね。遥ちゃん」
497 395 ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:43:24.23 ID:nt+bbflJ
以上です。
第4話はオチ(+第4.5話)まで読まないと、澪の堕ちた過程がわかりにくいかもです。
更に、裏設定やら書ききれてない細かい設定やらてんこ盛りだったので、どこまで伝えられたか
不安ではあります。どうでしょう。
なお、第4.5話をもって、この話は第一部完、です。
続きを書くかどうかは今のところ全然わからないので、この先の展開を簡単にあ
とがきっぽく書いておきます。
澪が奴隷になった事により、遥の「食生活」は一気に改善しました。
実は退魔師としての澪は、ダメダメ淫魔の遥よりずっと格上の存在で、現時点で
はハルカよりも強いです。
そんな澪が、霊力たっぷりの精を日々捧げてくれることになり、遥は彼女とエッ
チをしてさえいれば、使い魔としてのお勤めを十二分に果たせるようになります。
それは裏を返すと、澪とのエッチが遥にとって欠かせない「日常食」になるとい
うことで、そこには当然、絵理がセットでついてくるので、遥の性生活は、当面、
親友であり、奴隷でもある2人がメインのパートナーとなります。
こうして、淫魔、人間、退魔師の3人の女の子が、たまにハルカさんの乱入で弄
ばれつつ、来る日も来る日も、それぞれの体に(澪はちょっと変則ですが)寄生
した触手を使ってイチャコラする生活がスタートします。
(ここでの「淫魔」「人間」の区別は >>494 に書いた通りです)
そして遥は、たまに彰にラブラブな精を捧げ、そしてたまに、ハルカも絡んで他
人を巻き込んで何かやらかし、彰を困らせる、という高校生活を送るんだろうと
思います。
その中で、遥はハルカに指導され、ハルカとちょっとずつ融合し、淫魔として、
成長していきます。
ということで、以上です。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
『淫魔と彼女』第4話、以上でした。
続けて、第4.5話 を投下します。
なお、もしかしたらわかりにくかったかも、と今になって思ったのですが、
絵理は触手を植え付けられただけでその他の体はすべて人間のまま、
遥は体の細胞すべて、淫魔のものに作り変えられています。
なので、この話では、絵理は「人間」、遥は「淫魔」です。
495 淫魔と彼女 第4.5話 (1/2) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:33:19.24 ID:nt+bbflJ
ある、月曜日の、昼下がり。
澪は学校を休んで、彰が学校に行った後の、彰の家―須見家にいた。
小さな応接間で、彰の母・詠歌と、膝を突き合わせている。
その事を、彰や遥は知らない。
「ええっと、ですね―」
澪は細い透明な糸を左手に持っていた。
先から数センチのところを指でつまみ、先を自分の左耳に突っ込む。
そのまま、耳の中をこしょこしょとひっかくような仕草をする。
「―これです」
耳から引き抜かれた糸は、指先から、まるで針のようにまっすぐ鋭利に伸びていた。
そしてその先に、数ミリ大の真っ赤な軟体生物が刺さっていた。
「蟲、か」
糸を受け取り、その先に刺さった蟲をしげしげと眺める詠歌。
「はい。耳奥に寄生し、非常に強力な催眠音波を出して、宿主を自由に操ります。
これ自身は意思を持たず、別にある母体の意思によって遠隔操作されるタイプですね」
「結構、貧相な作りだね」
「ええ。ですので母体が近距離にいないと発動しないと思われます」
ふぅん、と言って詠歌が糸を返すと、澪は再びそれを左耳に突っ込み、蟲を自分の耳に戻した。
「律儀に耳に戻すわけ?」
「奴隷の義務ですから」
「なにそれ」
ケラケラと詠歌は笑う。
496 淫魔と彼女 第4.5話 (2/2) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:36:16.39 ID:nt+bbflJ
それで、と、澪は言葉を続ける。
「この蟲を埋められた者は強制的に、遥さんと、魂の所有契約を交わさせられます。
対する遥さんは…あの様子だと、操られてるか、真の意味を理解してないんでしょう。
耳の蟲については気づいてもいなさそうです。
恐らく、『中の蟲(コ)』から宿主への、純粋な好意なんではないでしょうか。
淫魔としての、ですけど」
はぁ、とため息をつく詠歌。
「なるほど。『中の蟲』ハルカから遥ちゃんへの、プレゼントってわけだ。
誰かを誘惑して精を取る、なんてできない遥ちゃんが、いつでもありつける「食料」ってことだね。
ありがた迷惑な話だなぁ。
じゃあ、遥ちゃんがその気にならない限り、大きな問題にはならないってことか」
「そうですね。ただ今後、遥さんが変質した場合は、どうなるかわかりません」
「…そうだね」
しばしの、沈黙。
「…だから、自ら、奴隷になっちゃったんだ」
「はい、おかげでお尻の穴を差し出すハメに」
「体張ってんねぇ…」
苦笑する詠歌。
「…確かに、澪ちゃんクラスの退魔師の魂をエサにし続けられるんなら、遥ちゃんが飢えることは、しばらくは、ないだろうね。
生活のために奴隷を増やす必要はなくなるし、誰だっけ、絵理ちゃん?の魂が食いつぶされる心配も、なくなるわけだ」
「はい。それに…
私なら、他の退魔師を追い払ってあげられますから」
「こらこら、そんなこと言っていいの?」
「社(やしろ)に知られたら、追放どころじゃ、済まないでしょうね。ウフフ」
ニヤニヤしながら訊く詠歌に、いたずらっ子のように笑う澪。
「いやー、本当に変わり者だね、澪ちゃんは」
「それはお互い様ですよ、『先輩』」
今度は互いにクスクス笑う。
ひとしきり笑うと、ふぅ、と詠歌は一息ついて、虚空を見つめる。
「まぁ、遥ちゃんは、ウチのカワイイ嫁候補だからね。立派な淫魔に育ってもらわないと」
「はい。私にとっても、大事な親友ですから。変に道を踏み外してもらっては、困ります」
詠歌が、柔和な表情のまま、澪に向き直る。
「うん。これからも、遥ちゃんを、よろしく。あと、ついでにウチのバカ息子も」
「はい。任せて下さい。先輩」
澪は詠歌に応じて、ニッコリと微笑んだ。
「それにしても―」
詠歌は窓の外を見上げ、つぶやく。
「いい友だちに囲まれて、良かったね。遥ちゃん」
497 395 ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:43:24.23 ID:nt+bbflJ
以上です。
第4話はオチ(+第4.5話)まで読まないと、澪の堕ちた過程がわかりにくいかもです。
更に、裏設定やら書ききれてない細かい設定やらてんこ盛りだったので、どこまで伝えられたか
不安ではあります。どうでしょう。
なお、第4.5話をもって、この話は第一部完、です。
続きを書くかどうかは今のところ全然わからないので、この先の展開を簡単にあ
とがきっぽく書いておきます。
澪が奴隷になった事により、遥の「食生活」は一気に改善しました。
実は退魔師としての澪は、ダメダメ淫魔の遥よりずっと格上の存在で、現時点で
はハルカよりも強いです。
そんな澪が、霊力たっぷりの精を日々捧げてくれることになり、遥は彼女とエッ
チをしてさえいれば、使い魔としてのお勤めを十二分に果たせるようになります。
それは裏を返すと、澪とのエッチが遥にとって欠かせない「日常食」になるとい
うことで、そこには当然、絵理がセットでついてくるので、遥の性生活は、当面、
親友であり、奴隷でもある2人がメインのパートナーとなります。
こうして、淫魔、人間、退魔師の3人の女の子が、たまにハルカさんの乱入で弄
ばれつつ、来る日も来る日も、それぞれの体に(澪はちょっと変則ですが)寄生
した触手を使ってイチャコラする生活がスタートします。
(ここでの「淫魔」「人間」の区別は >>494 に書いた通りです)
そして遥は、たまに彰にラブラブな精を捧げ、そしてたまに、ハルカも絡んで他
人を巻き込んで何かやらかし、彰を困らせる、という高校生活を送るんだろうと
思います。
その中で、遥はハルカに指導され、ハルカとちょっとずつ融合し、淫魔として、
成長していきます。
ということで、以上です。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
淫魔と彼女 第四話
469 淫魔と彼女 第四話 (1/20) sage 2012/09/11(火) 12:35:05.60 ID:nt+bbflJ
「ほ、ほ、ホントにしたの、です、か?…絵理さん、と?」
「…うん」
ある日、学校の昼休み。
今日は久々に、遥は絵理と澪の3人で、教室でお弁当を食べていた。
以前はしょっちゅう昼休みはこの3人とだったし、
彰と付き合い始めてからは 1:1 くらいで彰と食べたり、この2人と食べたりしていたのだが、
彰の使い魔になった日以降は、もっぱら彰と食べるのが日常になっていた。
今日は、絵理に強硬に誘われたのである。
「ほーら見ろ、言ったとーりじゃねーか」
「そんな…まさか…信じられません…」
ドヤ顔で胸を張る絵理に対し、澪はショックで固まっている。
その後、ちらっと遥を見て、ため息を付いた。
「はぁ…まぁ、絵理さんが誰と寝ようが全く驚きませんが、
まさか、遥さんが、そんなこと…彰さんだっているのに」
「彰だって知ってるぜーこのことは」
「な、なんですって…?! ほ、ホントなんですか?遥さん」
「う、うん、まぁ、一応、は」
「はぁ、なんというか、爛れすぎですよ、皆さん…」
ついていけない、と言わんばかりに澪が首を振る。
「ふふーん。遥はスゴイんだぜー?だってさー、しょ」
「ちょちょちょっと何言ってんの絵理ちゃん!?」
秘密を持つということを基本的に知らない絵理は、
さんざん口止めしていたにも関わらず、触手のことをあっさりバラそうとする。
「あーそうだった、ゴメンゴメン。
まーあれだ。遥もスゴイし、オレもすごくなったんだなー」
「あのー、さっきから、何の話を?」
「ふっふっふー澪。それは言えないことなんだなー」
「そんな言いたくて言いたくてしかたない顔で言わないでください…」
にひひ、と絵理は笑うと立ち上がり、がっしと澪の手を掴んで、そのまま教室の奥、
掃除用具用ロッカーのある角へ連れて行こうとする。
「な、ど、どこに連れて行くんです!?」
「へっへー、言っちゃいけないから、見せてやる」
「え!?絵理ちゃんちょっとやめて…」
遥ががたっと立ち上がるが、時既に遅し、であった。
遥の視線の向こうで、絵理が澪の肩を組み、角のロッカーを2人で囲んでいる。
ちらっ、と、絵理がスカートを、めくる。
しばしの、沈黙。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!???」
逃げ帰るように席に戻ってきた澪の顔は、この世の終わりを見たとばかり、げっそりとしていた。
「チ、チ、チンポが…動いて…」
「はしたないよ、澪ちゃん…」
「な、なななな何ですの、アレは」
「さー、言っちゃいけないからなー」
「絵理ちゃん…それじゃ意味ないよ…」
結局、澪ちゃんにも話さないといけないのか、と、遥は大きくため息をついた。
470 淫魔と彼女 第四話 (2/20) sage 2012/09/11(火) 12:37:15.17 ID:nt+bbflJ
「つまり…彰さんは元々その、触手、というモノが生えたエッチな妖怪で、
遥さんがエッチしたら感染っちゃって、
で、絵理さんは自分も欲しくなって、遥さんにエッチをお願いして、感染してもらったと」
教室内であまり具体的な話をするわけにもいかず、
遥が抽象的かつ断片的に説明したのを、澪は見事に要点をつまんでまとめてくれた。
「うん、今度改めてちゃんと説明するけど、だいたい、そういう、感じ…」
「なるほど。とりあえず、わかりました。
…3段目だけはどうしても、アホの所業としか思えませんが」
「なんだよーいいじゃんかー」
「ま、絵理さんがどういう運命を辿ろうと知ったこっちゃありませんけど。
…でも」
と、澪は遥の方を向き直る。
「遥さんは、いいんですか? 治らないんでしょう?」
「うん。最初はどうしようか、って思ったけど、こうなっちゃったら、この道を行くしかないなって。
それに…ずっと、彰くんと一緒にいられるってことだから」
ちょっと照れながら話す遥を、澪は、じっ、っと見つめる。
数秒、真剣な顔をした後、ふっ、と顔が和らぐ。
「はいはい、ごちそうさまです」
「え、えへへ」
「まー、そういうことだから、次は澪だな」
「毎度のことながら何を言っているのかわかりませんよ絵理さん」
「だーってほら、金曜はお泊り会だろー?澪んちで」
ぐぅ?!と、澪の顔が歪む。
「…まさか、私のうちで、私を襲う、と?」
「いやいや。ちょっとヤルだけだよ」
「私はしませんよ?まぁそういう事情なら、絵理さんと遥さんがするのは止めはしませんが、
私は巻き込まないでください」
「そんな事言って、澪も欲しいんだろ?触手」
「欲しくありません!」
「ふふふ、着実にフラグ立ててるぜー?」
ぐぎぎ、と歯ぎしりをする澪。
「でも、楽しみだなーお泊り会。澪ちゃんと、最近全然長い時間いなかったし」
「…そうですね、遥さん」
漫才の最中、ふと割り込んできた遥に、微笑みで返す澪。
「ま、澪にも新天地が待ってる、ってことだよ」
「こ、この人は…」
そして再び、漫才に戻っていった。
471 淫魔と彼女 第四話 (3/20) sage 2012/09/11(火) 12:39:18.08 ID:nt+bbflJ
そして、金曜日。澪の家。
ちなみに、澪は家庭に色々特別な事情があるらしく
一人暮らしをしており、知り合いのツテで小さな借家を借りて住んでいる。
澪の部屋は別にあるのだが、今日は少し広めの客間に3人が必要な物を持ち込んで、なだれ込んでいた。
皆で夕飯を作って食べて、1人ずつお風呂に入って、パジャマに着替え、
部屋に布団を敷き詰めて、パジャマパーティーの始まり…だったはず、だが。
「……まさか、こういう展開になるとは、予想してませんでした」
部屋の隅っこで、一人、澪はつぶやく。
先日の話から、絵理が自分に「触手生やそうぜー」とか言いつついろいろエロイちょっかいを出してきて、
自分がひたすら抵抗する、という展開は、あるだろうな、と思っていた。
だから、絶対に屈服するまい、と、身構えてもいた。
しかし…実際は、絵理は自分なんか目もくれず、遥とイチャつき始めたのである。
いや、絵理が遥に、というより、双方が、双方に、エロエロ攻撃を仕掛けている。
「ちょぉっと絵理ちゃんそこは、あんっ、いやぁん」
「何いってんだよ自分だってそんな、あっ、やめろこら、はぁん、ちょっと」
まるで枕投げでじゃれあっているかのように、2人は互いにキス勝負をしたり、おっぱいを揉みっこしたり、
アソコをさすりっこしたり、エッチな攻撃を互いに仕掛けて、遊んでいる。
取り残された澪は、部屋の端っこで、すっかり、呆気にとられてしまった。
「こ、こんなことって、あるんです、か…」
澪が一番驚いたのは、楽しそうに絵理とイチャついている、遥の姿だった。
淫魔、についての説明は、さっきご飯を食べながらも色々聞いていたし、自分もそれなりに知識はあったので、
まぁ、多少エッチになったりしているかもしれない、とは思っていた。
しかし、「もし遥がエッチになっていたら」という前提で自分が想像していたのは、
悪魔に魅入られた者としての姿だった。澪はその存在を知らないが、遥に擬態したハルカの姿にそれは近かった。
しかし、目の前でエッチな遊びを楽しんでいる遥は、どちらかと言えばその相手をしている絵理に似ていて、
自分の知っている「人間」の遥が、そのままエッチで遊べるようになった、といった風だった。
472 淫魔と彼女 第四話 (4/20) sage 2012/09/11(火) 12:41:17.45 ID:nt+bbflJ
端っこできょとーんとしている澪に、ようやく、絵理が気づいた。
「あ、わりぃ。何か、仲間はずれにしちゃって…」
「あ、ご、ごめん澪ちゃん。つい、調子に乗っちゃって…」
「ううん、いいんです…あの、もしかして、以前も2人で、してたのですか?
その、触手を絵理さんがもらった後も」
遥と絵理は互いに顔を見合わせ、両方が同時にでへへ、と表情を崩す。
「う、うん…実は、1,2回、くらい、だけど」
「いやー、遥、ハルカさんに、あ、ハルカさんてこいつに取り憑いてる悪魔だけど、
ハルカさんに仕込まれたせいかすっかりうまくなりやがって。
まーまだハルカさんと比べればダンチだけど、オレと結構いい勝負するようになっちゃってさ」
「そ、そうなんですか…」
まぁ、事実だけ見れば、2人とも淫魔に魅入られてしまっているわけで、そういう風になっても
おかしくはないのだが、明らかに絵理は今までどおりだし、遥もやっぱり、やっぱりどうも昔の遥のまま、
絵理とのエッチをエンジョイしている雰囲気が感じられた。
「…そういえば、触手、使わないんですか?
淫魔はあれでエッチなことをするんでしょう?」
「あー、あれね…」
絵理はそう言うと、遥とまた顔を見合わせて、2人で苦笑する。
「あれさー、使うと、汁が飛び散って、後々面倒なんだよな」
「う、うん…だから今日はほら、お布団汚しちゃったりしても、澪ちゃんに悪いし…」
ますます、不思議な話だった。
澪はすっかり、考えこんでしまった。
そんな澪を、絵理はなんとなく、見つめていた。
473 淫魔と彼女 第四話 (5/20) sage 2012/09/11(火) 12:43:20.89 ID:nt+bbflJ
そして、絵理は、ふっ、と笑う。
「やーーっぱ仲間はずれにしちゃったのがなー悪かったよなー」
「う゛…や、や、やめて、やめてええええ」
絵理の顔がにやっと笑い、澪に飛びかかる。逃げる澪。
「あっ、ちょっと、離して、あっ、はぁん、やぁ」
「ふふーんここかーここなのかー?」
「あ、だめ、ちょっと、助けて、遥さ―え?」
左側にいる遥に助けを求めようとした澪であったが、逆に左腕を遥に押さえ込まれた。
「ねぇねぇ、もしかして澪ちゃん、脇の下弱かったりする?」
「え、ちょ、ちょっと、ゃ、ゃああああん」
「あー、やっぱり。私と一緒だね。えへへへ」
2人がかりでのエロエロ攻撃の来襲に澪が敵うはずもない。
2人が体中を、さわさわとくすぐり、撫でるように全身を刺激し、澪はすっかり息が荒くなり、顔が赤くなる。
もちろん、絵理も遥もまったく本気ではなく、さっき2人が互いにしていたエロエロ攻撃よりも
ずっとソフトでやさしいものだったが、元々遥よりずっとウブだった澪には、十分な刺激となって彼女の全身を包んだ。
この後も、澪が逃げ、それを絵理と遥の2人のエロ鬼が追いかけ、捕まえ、愛撫し、
そしてまた澪が逃げ、…という、エッチな追いかけっこが延々と続いた。
474 淫魔と彼女 第四話 (6/20) sage 2012/09/11(火) 12:45:18.26 ID:nt+bbflJ
ひとしきり、絵理と遥が澪の体を弄んで、なんとなく、休憩タイムに突入した。
「はぁ、はぁ、な、なんだか、敗北感が…」
澪はすっかりおもちゃにされて、よれよれになったパジャマと共に、ぐったりしている。
皆の息が整ってきたところで、絵理が声を出す。
「あーなんか、ドクターペッパー飲みたくなったなー」
「え?そんなの買ってきてたっけ…」
パジャマパーティー用に買い込んだ飲み物を、遥がガサゴソと漁る。
「いえ、ないですよ。ウチにもそんなの、買い置き、ないです」
「えーそうなのかー?どっかこのへんに売ってねー?」
「出たところすぐのコンビニに、置いてあったとは思いますけど…」
「あ、じゃ、私、買ってくるよ、絵理ちゃん」
「おーそうか?悪いなー。金は後で払うからさ」
「うん!」
遥はそう言うと、そそくさと持ってきていたTシャツとジャージを着込んで、外に出ていった。
絵理はそれを見届けると、急に、真面目な顔になった。
その不自然さの理由は、澪にもよくわかった。絵理は人払いがしたかったのだ。
「なぁ…アイツ、明らかに、人間だろ?」
「え?え、ええ…」
「まぁ胸に変なもん植え付けられたり触手が出たり、エッチが好きになったり、色々変わったところはあるけど、
でもやっぱ、昔の遥のままなんだよ、アイツ」
「そう、ですね。そう思います」
絵理は、遥が出ていった方向を見続けたまま、更に話を続けた。
「…オレさ。アイツの、奴隷になっちまった」
「…え?」
「触手もらった時にさ、勝手に体が動いて、契約、させられちまったんだ。
オレの魂は未来永劫、アイツに服従しなきゃ、いけないらしい」
表情を変えずに、ぽつりという、絵理。
声にならない衝撃が、澪を襲った。
「そ、それは…危険じゃ、ないのですか?」
「まー成り行きでそうなっちゃったから、今更危険も何もないんだけどさ。
でも、どうせ契約するならオレで良かったと思ってる」
「…え?」
「だってさ。見も知らない奴らが、勝手にそんな契約強制されたら、契約した方もされた方も困るだろ?
だから、オレでよかったんだと思ってる。
オレは別に、遥だったら、奴隷になったって構わないしさ。
それに遥だって、オレに奴隷の姿なんて、望まないだろ。少なくとも、「人間」の遥は」
サラリと言う絵理の言葉には、絵理の遥への想いが、詰まっていた。
澪は何も言うことができず、ただ、絵理の顔を見つめている。
「つまり…
オレは、ご主人様が望む限り、ご主人様の、親友、で、い続けるんだ」
最後まで顔を動かさず、絵理は、語った。
澪は、一瞬驚いた表情を見せた後、顔を伏した。
両手をギュッと握り、歯を食いしばる。
そしてしばらくの後、目を、キッ、と、見開いた。
それは、高校生の女の子には似つかわしくない、死ぬ覚悟をした者の顔だった。
475 淫魔と彼女 第四話 (7/20) sage 2012/09/11(火) 12:47:19.43 ID:nt+bbflJ
遥が帰ってくると、明らかに、澪の雰囲気が、変わっていた。
真剣な眼差しで、遥を見つめている。
「…み、澪、ちゃん?」
「…遥さん。
今までに、奴隷、は、何人、作りました?」
「え? え、絵理ちゃん、だけだよ」
「奴隷は、何人、必要なんですか?」
「わ、わからない…でも、きっと、増やさないと、いけないんだと、思う。
1人だけだと、その人に、負担かかっちゃうみたいだし…」
「奴隷は…ちゃんとしたセックスをしないと、いけないのですか?
その、本番、って言うんですっけ。女性のものを、使ったものを」
「うんと…エクスタシー、っていうか、オーガズム?
あれを感じられればいい、って、前に彰くんから、聞いた気がする」
澪は、一呼吸おいて、すぅ、と、息を吸う。
「最後です。
…私は、その、遥さんにとって、エッチなことしてもいい、って人に、なれますか?」
「え?え?え?」
「つまり、絵理さんみたいに、私とエッチなことしてみたい、って、思いますか?
さっきみたいな遊びじゃなくて、本気で」
戸惑う、遥。
頭の整理をするように、とつとつと、語りはじめた。
「…わからない。
絵理ちゃんは、絵理ちゃんの方が私としたいって思ってくれたから。
…でも、こないだね。絵理ちゃんとエッチすることになって、最初はどうしようかって思ったけど、
でも終わってみたら、絵理ちゃんでよかったって、思った。
「使い魔」としての初めてのお仕事の相手が、絵理ちゃんで、ほんと、良かった、って、思った」
ここまでぼんやりと聞いていた絵理は、ここで照れくささをごまかすように、視線をそらす。
「…で、もし、澪ちゃんが、私としたいって思ってくれたんだったら、
それなら、澪ちゃんは絵理ちゃんと同じくらい、私にとって大切な人で、
だからきっと、澪ちゃんでよかった、って思える気がする。
でも、もし、そうじゃなかったら―」
「わかりました」
「えっ?」
遥の話に割り込んだ澪は、さっきとは打って変わって、優しい笑みを浮かべていた。
「…私、奴隷に、なります。
遥さんの、奴隷に、してください」
476 淫魔と彼女 第四話 (8/20) sage 2012/09/11(火) 12:49:16.99 ID:nt+bbflJ
「え?い、い、いいの?」
「はい。でも、一つだけ、お願いがあります」
一呼吸おいて、澪が、続ける。
「やっぱり、処女は、あげられません。
これは私にとって、大切なものだから。
遥さんがどんなにエッチな悪魔になっても、私の処女は奪わないって、約束してくれますか?」
真剣な顔をして、遥に問う、澪。
「…うん、もちろん。約束する」
2人は、指切りを交わした。
澪は、絵理の方に向き直る。
「…絵理さんも約束してくれます?」
「はー?あったりめーじゃねーか。何でオレに言うんだよー」
「あなたが一番危ないからです…」
互いにグチグチ言いつつ、澪と絵理も、指切りを交わした。
「じゃ…私を今から、奴隷に、してください」
澪は柔らかな顔つきで先を促す。
「えっと…わかった。お姉さまに聞いてみるね」
「お姉さま…って?」
「さっきの『ハルカ』さん、だよ」
「ああ、取り憑いてる悪魔の方…」
しかし、どうも遥の様子がおかしい。
「どうしたんです?」
「うーん、お姉さま、寝てるんじゃないかなぁ…全然反応が…
ちょっと、待っててね」
と、言うと、遥の目が半開きになり、すーっと、目の光が消えていった。
ここは、遥の中、一面紫色の、夢の空間。
ハルカは、涅槃の恰好で、ぷかぷかとその中を漂っていた。
どうやら本気で寝ていたらしいが、遥が近づくと、気だるそうに身動きした。
「あら?遥じゃありませんか、自分から来るなんて珍しい。
今日はあの奴隷と遊んでいたのではなかったのですか?」
「あ、あの、お姉さま…
一人、友達が奴隷になりたいって…」
「はぁーあ? まったく、絵理といい、物好きなお友達が多いのね、貴方。
勝手に奴隷にすればいいじゃありませんか」
「あの、私、『契約』とか…覚えてなくて…」
はぁー、と大きなため息をつく、ハルカ。
「じゃあ、『契約』のところだけやってあげますわ。他は全部ご自分でなさい。
まずは『契約』の準備をなさいな。準備ができたらまたここに呼びに来なさい」
「は、はい…お姉さま」
実はこのとき、遥は1つ大きなミスをしていた。
「処女は奪わない」という澪との約束のことを、ハルカに伝え忘れたのだ。
478 淫魔と彼女 第四話 (9/21) sage 2012/09/11(火) 12:55:18.97 ID:nt+bbflJ
ふっ、と、遥の目に光が戻る。
「どう、でした?」
「『契約』のところはやってあげるから、それ以外は自分でやれって。
とりあえず、準備をしろって…」
「わかりました。準備って、何をすれば良いのですか?」
「まー、まずは、服脱いでからじゃねーか?」
「…わかりました」
そういうと、澪はパジャマを脱ぎ始める。一緒に遥も、買い出し用に来たTシャツとジャージを脱ぐ。
そして当然のごとく、絵理もだ。
「…絵理さんは関係ないんじゃないんですか?」
「えーそういうなよーせっかくなんだしさーオレも混ぜろよー」
「はぁ…」
こうして、3人は全員、全裸になった。
「じゃー次は…おい、澪?」
澪は、遥の前に立つと、遥の胸に埋め込まれた、宝石を見つめていた。
そして、すこしかがむと、手で、その宝石や、宝石周辺から放射状に伸びるケロイド状の線を、確かめるように、さする。
それは以前、詠歌が最初に遙の胸を「診た」ときの仕草に似ていた。
「…変、かな?」
「いえ…ううん、とても、キレイです。似あってますよ。遥さん」
「うん…ありがと。えへへ」
「なー遥、ついでに触手、見せてやれよ」
「あ、そ、そうだね」
澪はまだ、遥の触手を見たことがなかった。
「ちょっと、待ってね…んん、ぅうん、はぁあああん!」
「きゃっ!?」
遥のおへそから飛び出した触手は、勢い良く澪のお腹にヒットし、くんにゃりと曲がる。
勢いで、澪が尻餅をつく。
「あっ、ご、ご、ごめん、澪ちゃん」
「てて…いえいえ、びっくりしただけですから。
それより…これが、遥さんの、触手、なんですね?」
「うん…」
澪は座った姿勢のまま、遥の触手を両手のひらで抱えるように優しく持ち、いろいろと観察している。
「…なんだか、赤くて、キレイで、カワイイですね。私、好きかもしれません」
「で、でしょ?私も、そう思ってるんだ。えへへ」
「…で、次は、何を?」
「あ、えっと、その触手の先から、すごくエッチになる液が出るから、それ全部、飲んで欲しいの」
「え、す、すごく…エッチになる、液、ですか?」
澪の顔に焦りの色が見え始める。
479 淫魔と彼女 第四話 (10/21) sage 2012/09/11(火) 12:57:17.33 ID:nt+bbflJ
「うう…だんだん、危険なものに見えてきました、この触手…」
「おー澪、とりあえず、くわえとけよ、先っちょ」
「わ、わ、わかりました」
じっと触手を睨みつけると、意を決して、澪が触手の先を、はむっ、と、くわえる。
「あろ、ふぁえ、まひ…えええええ?」
ふと見上げると、遥と絵理が立ったまま痴態を繰り広げている。
絵理が後ろに回り込み、遥の胸を両手で揉みしだき、
いつの間にか自身のクリトリスから伸ばした触手を、遥の股の間に割り込ませて、さすっている。
一方の遥は腰をくねらせ、気持ちよさげによがっている。
「ぁあん絵理ちゃん、気持ち…いぃ…はぁあん」
2人の姿は先ほどのお遊びとは違う、どこか淫靡な雰囲気をまとっていた。
「な、ななな」
「あー澪、液は遥が気持ちよくてイッたら出るんだ。澪は大人しくそれくわえて待ってな」
「ふぁ、ふぁい…」
さすがは淫魔との契約だけあって、想像以上にエッチなことをし続けないといけないようだ。
先ほどまでの決意はどこへやら、澪はだんだん気後れし始めた。
「あ、イク、澪ちゃん、イクよ、はぁ、あああああん」
「ふぁい…う、うぶ?!」
口の中に突然溢れ出る液体に面食らいながらも、懸命に飲み干す、澪。
「けほっ、の、飲みまし…た…う、ううう?!」
澪は、とたんにひっくり返り、まるで釣り上げた魚のように、布団の上で跳ねはじめた。
体中が時折痙攣するかのようにガクガクっとし、その度に、背中をのけぞる。
下半身から、何度も何度も潮が吹き出す。
「ぐぁ、あは、あがっ」
「…おい、これ、大丈夫か?何か様子が…」
「あ…そ、そうだ。この液って、バージンの人には、効果がものすごく強くなるって…」
「えええええ?!おいおい、それってまずくね?
オレが飲んだときでもかなりフラフラになったのに…
おい、澪、大丈夫か?」
見ると、澪は少し収まってきたようで、体をひくつかせながら、大きく肩で息をしている。
「は、はぃ、ま、まさか、こんなに、はげしい、とは…
か、からだが、まったく、言うことを、ききません、はぁ、はぁ」
「なーこれ、もう十分じゃねーか?オレも『契約』の前ってこんな感じじゃなかった?」
「そ、そうだった、かも。うん、わかった。お姉さま呼んで来るよ」
480 淫魔と彼女 第四話 (11/21) sage 2012/09/11(火) 12:59:15.61 ID:nt+bbflJ
夢の空間の中で、ハルカは相変わらず、空中で気だるそうに横たわっていた。
「あ、あの、お姉さま」
「はぁ?遥、ちょっと早いんじゃありませんか?」
「あ、あの、澪ちゃん、バージンだから…」
「あぁ、生娘でしたのね。
もぅー、そうならそうと先に言いなさいな。文言考えてる時間ありませんわ」
「ご、ごめんなさい、お姉さま」
「じゃあ、文言はありあわせのものでかまいませんわね?
はいはい、じゃあ、参りますわ」
しゅるん、と、アイマスク状になった触手が遥の頭を一周し、遥の両目を覆いつくす。
ハルカが体を乗っ取ったんだと、傍らにいた絵理は瞬時に悟る。
「あ、ハルカさ…えーーー!?」
目を封じられた遥は、突然、布団の上でひくついている澪に、襲い掛かった。
体中を指で、触手で、自らの体表で、なでまわす。
確かにその指は遥の指であるはずなのだが、まるで五本が一体となった軟体動物であるかのように、澪の肌をしゃぶる。
そのたびに、しゃぶられた箇所がビクビクと震える。
更に全身も使い、まるで体全体が一体の触手動物になったかのように、
澪の体の上に覆いかぶさった状態で、澪を体全体でしゃぶりあげる。
「あ、あぐ、あふっ、ふっ、ぐぅ、うぁっ」
澪は襲い掛かる快感に意識をコントロールできず、もはや目の焦点が合っていない。
(うっわーハルカさん、容赦ねぇぇ…ってか、やっぱ気持ちよくするの、足りなかったのかな…)
と、呆然とその姿を見守る、絵理。
実際は、足りなかったのではない。澪の体があまりに「美味」だったため、ハルカが衝動を抑えきれなくなったのだ。
(なんて極上の精を放つ女ですの…すばらしい獲物ですわ。
あの人間にしてはなかなか性技に長けた絵理といい、遥は恵まれていますわね…
…と、しまった。『契約』でしたわね)
遥は、左首筋をなでていた右手をすっと上になぞらせ、澪の長い黒髪をかきあげるような仕草をする。
そのまま顔の横を手が通り過ぎるとき、手のひらから、赤い「毛」が伸びる。
その「毛」がすーっと澪の左耳に侵入すると、遥の右手が澪の肌を離れ、同時に、ぷつん、と、手のひらのところで切れた。
切れた「毛」はくるくると絡まり、そのまま澪の耳の中へ転がっていく。
次の瞬間、澪の頭ががくんと跳ねて後ろに反らされ、そのままの形で固まってしまった。
その2つの瞳から、すっ、と光が消える。
「あれ、おい澪、大丈夫かー?…って、あ、ハルカさん?」
遥は澪を襲う手を止め、その場ですくっ、と立ち上がった。
「『契約』を、します」
「…はい」
絵理の目からも、光が消えた。
481 淫魔と彼女 第四話 (12/21) sage 2012/09/11(火) 13:01:14.14 ID:nt+bbflJ
絵理と澪は、頭を手の後ろに組み、膝立ちの状態で足を開いている。
遥は澪の前に立ち、澪の額に指を当てた。
「私の名は、佐久遥。乃坂澪の、絶対なる、主」
「私の名は、乃坂澪。佐久遥の、忠実なる下僕にして、奴隷」
「私は、我が忠実なる奴隷、乃坂澪の、体と魂すべてを所有し、未来永劫、支配します」
「私は、我が絶対なる主、佐久遥に、体と魂すべてを差し出し、未来永劫、服従します」
「乃坂澪にとって、私の命令は、絶対。抗うことは許しません」
「私にとって、ご主人様の命令は、絶対。抗うことは許されません」
「では我が奴隷、乃坂澪よ。私に向かって恥辱なる隷属の姿勢を取りなさい」
「はい、ご主人様」
そして、遥は澪の額を指で押す。
澪は後ろに倒れると、左右の足首を左右の手で握り、高く持ち上げ、足を大きく開いた。
その澪の開いた股のすぐ後ろで、遥が膝立ちになり、へそから伸びている触手の先端を、
上から丸見えの澪のヴァギナの上に置く。
「私は今から、乃坂澪を支配する証として、我が子種を、乃坂澪の子宮に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が子宮に頂きます」
「我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願いします、ご主人様」
遥の触手の先端が、澪のヴァギナの中に、入り始める。
澪の、まばたきもしていない、光を失った目から、一粒の涙が、きらり、と流れ落ちた。
その刹那。
突然、触手の動きがピタリと止まる。
そのまま、時間が止まったかのように、全員フリーズしていた。
482 淫魔と彼女 第四話 (13/21) sage 2012/09/11(火) 13:03:15.44 ID:nt+bbflJ
同じ時、一面紫色の、遥の中の夢の空間。
「遥!なぜ先を進めませんの!?早く外にでて、儀式を済ませなさい」
「あの、お姉さま…」
遥は、続ける。
「私、澪ちゃんの処女を奪いたくないです」
「何を甘っちょろいことを抜かしておりますの?
今しがた、彼女と『契約』を結んだではありませんか。
あとはその通り、履行すればよろしいのです」
「でも…
実は私、その前に、澪ちゃんの処女は絶対奪わない、って、約束しちゃったんです。
これも、『契約』ですよね?」
「はぁーあ?なんという七面倒くさいことを…」
「2つの矛盾する契約がある場合、有効なのはどちらなんですか?」
「そりゃー、先約のほうですわ…
あーもう、メンドクサイですわねぇ。
今すぐ別の文言を考えますから、ちょっと待ってなさい!」
しばらく固まっていた3人だったが、突然、目に光が戻り、体が自由になる。
「うっぎゃああああああああ!!!何ですかこの恰好は!!!」
自分がしていた、とんでもなく恥ずかしい恰好に澪が悲鳴を上げる。
そのまま慌てて身を起こそうとするが体が言うことをきかず、横倒しになって体を丸める。
「そりゃ、恥辱のポーズとかなんとか言ってたしなぁ…
ていうか、今どうなってんの?なんか途中で止まっちゃったじゃん」
「澪ちゃんの処女奪うのは嫌だって言ったら、 お姉さまが別の文言を考えるって。
それまでしばらく待ってろってことみたい」
割と呑気に話す絵理と遥。慣れとは恐ろしい。
「そ、そうです!なぜ私のお腹を捧げる話になってたのですか!?危うく貞操の危機だったじゃないですか!!
それにこ、こ、子種って」
「ああ、触手のことだよ」
「ちょちょちょっと、なんで私が触手をもらわないといけないんですか!
私は奴隷にして欲しいとは言いましたけど、触手が欲しいなんて言ってないです!」
「えー奴隷と触手ってセットじゃないのかー?」
「んー、どうなんだろ?」
色をなす澪に、相変わらず呑気な絵理と遥。
483 淫魔と彼女 第四話 (14/21) sage 2012/09/11(火) 13:05:22.71 ID:nt+bbflJ
「まぁ、そんなの深く考える必要ねーと思うけどなぁ…って、あ、あ、あれ?体が…」
「あ、修正の文言できたのかな」
「わ、ま、ままままたこの姿勢になるんですか!?」
遥が再び目隠しされ、3人の体が勝手に動き始める。
そして、先ほどと全く同じ体勢になり、体が動かなくなる。
ただ先ほどと違い、3人とも意識はあって、自由に思ったことを話せるようだ。
文言の修正に手間取ったハルカが、面倒くさくて手を抜いたらしい。
そして、遥の触手が先ほどと同じく澪の股間に置かれたのだが、
今回はヴァギナの上でなく、アナルの上であった。
「私は今から、乃坂澪を支配する証として、我が子種を、乃坂澪の腸内に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が腸内に頂きます。
…うぇぇえええええ!?」
「我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご、ご主人様の子は私とひ、一つになり、我が服従を、完全なものとし…します」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願い致し…し…ちょぉおおおっと待ったあああああああああ!!!」
恥辱のポーズのまま、詠唱の途中で澪が絶叫する。
文言のとんでもない内容に、澪の意志が、契約を強制する力を上回ったらしい。
「ちょ、ちょ、腸内って、何なんですか!?」
「まぁ、普通に考えて、お尻だろうなぁ。
ほら、お尻の穴の上に、触手が乗っかってるじゃん」
「こ、これを、お尻に、入れるって、ことですか!?」
「たぶんね」
「そ、その上で、お尻から、触手を、生やす、と?」
澪の顔は真っ青である。
「だってさー。澪のアソコが使えないんだったら、お尻に生やすしかなくね?
口に触手生やしてもカッコ悪いだろ」
「ちょっと待って下さいなんで触手を生やすのが前提になってるんですか!」
「そりゃーねぇ。オレと遥には触手が生えてるのに、澪に生えてないのって、
なんか仲間外れみたいで可哀想じゃん」
「か、可哀想なんかじゃありません!そんなもの要りません!!」
「そんなこと言わないで、もらっとけばいいんじゃない?別に減るもんじゃないし」
「失うものが沢山あります!!」
澪は股をおっ広げたまま、絵理と漫才を繰り広げる。
「でもさ、澪ちゃん」
と、突然会話に割りこむ遥。
「…お尻、気持ちいいよ?」
484 淫魔と彼女 第四話 (15/21) sage 2012/09/11(火) 13:07:18.95 ID:nt+bbflJ
「え゛」
予想外の方向から来た伏兵に対応できず、澪の頭が真っ白になる。
「あーそうそう。結構慣れるといいもんだぜ、アナルも。
ていうかさぁ…澪お前、感じてね?お尻で」
「はぁ?そ、そそんなことは」
「だってさー、濡れてるじゃん」
体を動かせない絵理ではあったが、それでも澪の股間はよく見えた。
触手が置かれたアナルの手前は、ずいぶんと濡れそぼっていた。
「アナルの上に触手置かれただけでそんな濡らしてんだったら、素質あるんじゃないか?
なぁ遥。触手は動かせねーの?」
「あ、やってみる…うん、なんか、いけそう」
「ちょっと、きゃ、あ、あぁん、あふん」
触手がアナルの上をコロコロ転がったり、つついたり、こすったりしているだけで、
澪は甘い声を上げ続けた。
澪は媚薬の妖液を飲んでいるし、相当体ができあがってきているので、必ずしも
お尻が特別感じやすいから、という訳でもなかったのだが、3人はそこまで頭が回らなかった。
特に、声を上げている澪自身が、一番驚いていたようだった。
「ほら、すげー感じやすいじゃん。いいじゃんお尻に入れちゃえばさー。
そのあとは何とでもなるって」
「な、何とでもなる、あん、わ、わけないじゃ…」
「ねぇ澪ちゃん。何事も体験だと思うよ」
「ははは遥さんまで、そんな…はぁん」
「私も、澪ちゃんが触手つけてくれたら嬉しいなぁ。何となく、おそろいだし」
「そうそう。オレたち3人だけの秘密ってやつ。いーじゃんいーじゃん」
絵理と遥の言っていることはメチャクチャで、普段の冷静な澪なら何ということもなくあしらえたはずだったが、
お尻の快感と、その快感を感じている自分に混乱をきたしており、かなり冷静でいられなくなっていた。
「わ、」
澪が2人を制する。
「わ、わ、わかりましたっ!。私も触手もらいますっ!!
私はご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を私のお尻に頂きますっ!!!
お願い致しますご主人さまっ!!!」
ブスリ。
「ぎゃあああああああああぁぁぁ!!!」
488 淫魔と彼女 第四話 (16/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:16:17.79 ID:nt+bbflJ
全員の体が自由になった。
しかし澪は、あれだけ嫌がっていた股おっ広げポーズのまま、頭を上げて背を丸め、
歯を食いしばってプルプルと震えている。
「い、い、痛い、です…」
「はるかー、女の子には優しくしないとダメじゃんか」
「ご、ご、ごめんなさい、澪ちゃん…」
触手は遥の意を離れて勝手に動いていたのだが、遥はつい謝ってしまう。
「さすがにこの太さイキナリはつらくねーか?触手もうちょっと細くなんねーの?」
「あ、やってみる、うん」
んん、と遥が力を込めると、少しずつ触手の先がすぼまっていった。
あるところからなだらかに径が小さくなっていき、澪のおしりの付近ではストロー並の太さになった。
「あとさ、気持ちよくなったら、触手がぬるぬるしてきたり、先から液が出たりするじゃん。
たぶんその方が、澪もやりやすいと思うよ」
「あ、そ、そっか。ちょっと、待ってて。澪ちゃん」
いつの間にやら、すっかり触手に詳しくなっている絵理のアドバイスに従い、
自分が気持ちよくなろうと、オナニーを始める遥。
左手で自分の胸をさすり、右手で触手をこすったり、アソコを撫で回したりし始める。
「じゃー、オレは澪を気持ちよーくする係だな」
「え、何を、む、むぐっ!?」
ちょうど澪の頭の上に膝立ちしていた絵理は、自分のクリトリスから生えている触手を澪の口に入れる。
「ふふん。ちょっと待ってな」
というと、絵理はそのまま体をシックスナインの体勢に持っていき、澪のクリトリス付近を舐め始める。
「ふぅっ、ふん、うん、ふぅぅううん…」
澪は口をふさがれているが、声を聞く限り、かなり気持ちよさそうである。
「…そろそろいいか。じゃあ遥、触手の太さを元に戻そうよ。あ、ちょっとずつ、ゆっくりだぞ?」
「うん、わかった」
「でさ、澪。太くなってきたら、ちょっと、ウンコ出すときみたいにいきむんだ」
「は、はぃぃ…」
いつの間にか元の位置に戻り、澪の口から自分の触手を抜いた絵理がアドバイスを飛ばし続ける。
絵理はただの人間で、目の前にいる淫魔の奴隷のはずなのだが、結局絵理が遥達をリードする辺り、
結局、いつもの3人の人間関係がそのままなのである。
489 淫魔と彼女 第四話 (17/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:18:17.89 ID:nt+bbflJ
「…これで、元の太さに戻った、と、思う」
「おー。じゃあそろそろ、アレを出す?」
「うん。今日は自分でやらないといけないから…う、うまくいくかな…」
遥は、んん、と力を込めると、体が周期的に、ぴくん、ぴくん、びくん…と時を刻むように跳ねはじめた。
その度、へそから伸びる触手がどくん、どくん、どくん…と脈打つ。
「え、ちょっと、な、なんかお尻の中に、は、入って、来るんですけど?!」
「触手が育つための苗床作るんだってさ」
「そんな、ちょ、こ、これまるで、浣腸…あふん」
澪は、いつの間にか仰向けに横たわる絵理の上に乗せられ、
絵理の腰のあたりで、絵理に対して後ろを向いて大きく足を開き、お尻に触手を受け入れていた。
絵理はその後ろから、手で澪の体をいじってよがらせたり、たまに触手で遥の股間をいじったりして遊んでいる。
数分後。
先ほどまでトロンととろけ、赤らんで上気していた澪の顔は、
だんだん、口を結んでプルプルと震え、一所懸命我慢するような顔つきになっていた。
直腸内に「苗床」ができつつあり、周囲の腸壁を圧迫し始めていたのだ。
「あ、あの、と、トイレ、行きたい…」
「そんなんダメに決まってんじゃん。行ったらまた一からやり直しだぜ、たぶん」
「そ、そんな…」
苦しそうに困窮している澪にあっけらかんと答える絵理。
「絵理ちゃん、つらい?」
「は、はい、もう、限界、かも…」
「そっか。わかった。触手出してみるよ」
えー早すぎんじゃねーか?という絵理の心配をよそに、遥は目を閉じ、ぐぐぐっと体に力を込める。
「あ、で、出る、う、ううっ、あ、あふぅうぅうううん!!」
ぼこん、と、遥のへそから伸びる触手の根元あたりが、拳くらいのサイズに膨れる。
そのまま先に向かって、それが移動し始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください。あ、あんなおっきいのですか!?
私のお尻にそんな、は、入るわけ…」
澪は青かった顔を更に青くし、真っ青になる。
しかし無情にも、その塊はしばらくの後、澪のアナルまで到達し、中に侵入しようと試みる。
「む、むむ無理ですよ…う、う、うぎゃああああ!?」
澪の意志などまったく無視するかのように、にゅるにゅるとお尻に収まっていった。
「ぐ、ぐぎ、ぎ、ぎぇ、あが、が、が…」
澪は目をチカチカさせ、胸の前で両手の拳をぎゅーっと握り締めながら、歯を食いしばって、耐える。
「あ、出るよ、あ、イク、うううっ!!」
遥の喘ぎ声とともに、ぼこん、という音がして、塊が澪の腸の中に落ちた。
目を白黒させる澪。
「あー、いきなり抜くと、中のが出ちゃうかもな。
はるかー、触手抜く前に、またちょっとずつ、細くしてやってくれ。
そんで澪、触手をくわえるように、がんばってお尻をすぼめるんだ」
絵理の的確なアドバイスに無言で従う2人。
その後、やはり絵理の指示で、触手をしゅるん、と遥が抜く。
澪は絵理の上で、股を開いた体勢のまま、ぐううっと体に力を入れて堪えている。
しばらく後、
「う!?い、い、いやぁあああ!?」
澪のアナルから、もこもこと真っ赤な柔らかい物が溢れ出し、まるで栓をするかのように固まった。
490 淫魔と彼女 第四話 (18/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:20:20.16 ID:nt+bbflJ
「え!?こ、これが、触手、なんですか!??」
あまりのお尻の異物感に、澪は自分の手でそれを触って確かめている。
「触手の幼生みたいだよ。オレのと同じなら、今晩一晩かけておっきくなってくと思う」
「な、なんですって…、と、いうか、あの…
これ、お尻に栓されたみたいに、なってますけど…
トイレ、どうやって、行くんですか?」
「「あ」」
大事なことをすっかり忘れていた、と言わんばかりの、絵理と遥。
「そういや、どうすんだろうな、これ。遥わかる?」
「ちょっと、お姉さまに訊いて…あれ、『さぁ?』だって…」
「えーそれ無責任じゃね?」
もうまったく他人事な絵理と遥。
しかし、もう20分近く浣腸まがいのことをされ、澪の排泄欲は最高潮にまで高まっていた。
「だ、ダメです、出ます、トイレ、行きます」
「やー、ちょっと待てよ。今晩かけて育つんだろ?いま中のモン出しちゃって大丈夫なのか?
育たなくなったりしねーかな?」
「そ、そっか。澪ちゃん、がまん、できない?」
他人事の絵理と遥には、澪の切実さがまったくわかっていなかった。
「ご、ごめんなさい、も、もう、我慢、でき、ない…
う、うう、で、出ます、ごめんなさい、う、ううううう!」
「わーーーーーー!!ちょちょちょっと待てってば澪!!!」
「きゃーーーーだめーーーーみおちゃーーーーーーーーん!!!!」
「出、出、出るうぅゥゥゥゥゥゥ!!」
3人の阿鼻叫喚の中、澪のお尻の内容物が、一気に、噴き出す…と思いきや。
ぼとん。
「「「へ?」」」
大惨事を予想していた3人を裏切って、出てきたのは、こぶし大の赤い軟体生物、のみであった。
澪と絵理の股の間、シーツの上に、ちょこん、と鎮座ましましている。
「こ、これ…」
「取れちゃい、ましたね」
「もしかして…寄生、失敗?」
『ぷ、ぷぷぷ、ぷ、ギャーーッハッハッハッハッハッハ!
ま、まさか、と、とれる、なんて、なかなか無いで、す、わよ…アハハハハハハハハ!
は、はるか、らしい、ですわ…ププププっ』
遥の中でハルカが大笑いしている。かなりツボにハマったようだ。
「わ、笑わないで、お姉さま…」
口をとがらせて顔を赤らめる、遥。
491 淫魔と彼女 第四話 (19/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:22:28.58 ID:nt+bbflJ
その後。
布団の上に落ちた真っ赤な触手の塊を中心に、3人が裸のまま、車座に座っていた。
「ご、ごめんね、澪ちゃん…」
「い、いえ。謝るようなことは何も。
でも…これで、良かったかも」
「え?」
ぽつりとつぶやく澪に、聞き返す遥。
「…遥さんには申し訳ないのですけど、私触手って、やっぱりどうしても、好きになれなさそうです。
遥さんの触手は確かにカワイかったけれど、それが自分の体から生えるのを想像すると、どうにも…
やっぱり、こういうのは、つけたい方がつけるのが、いいと思います」
「まぁ…そうだなー。無理強いは、良くないかもな」
絵理がひさびさに真っ当なことを言う。
「…そうだね。うん。ごめんね、澪ちゃん。
私これから、触手は、欲しいって思う人にだけあげることにするよ。
…ねぇ、いいでしょ?お姉さま」
『か、勝手に、なさい…プププププッ。
まぁ、遥には、まだ早いかも、しれま、プッ、せん、ププッ、わね…プクククク』
ハルカはまだ笑っていた。相当ツボだったのだろう。
「しかし、これ、どうする?」
と、触手の塊をつまみあげながら言う、絵理。
みんな顔を寄せて、しげしげと観察する。
「全然、動かないですね」
「うん、でも、死んでるわけじゃなさそうだよ」
「トイレに流しちゃえば?」
「それは可哀想だよ、絵理ちゃん」
「といいますか…詰まると思います、トイレ」
その後も3人でやいのやいのと話し込んではみたものの、何も結論は出ず、
まぁ大した害もないだろう、ということで、とりあえず部屋の隅っこに触手をおいて、
そのまま、その晩はもう寝ることになった。
全員軽くシャワーを浴び、パジャマを着直して横になると、
先ほどの宴が3人の体力を相当に消耗していたせいか、
3人とも、あっという間に、眠りの世界に落ちていった。
492 淫魔と彼女 第四話 (20/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:25:17.85 ID:nt+bbflJ
それから数日経った、ある日の放課後。
澪に呼び出され、喫茶店で彼女を待っていた彰、遥、絵理の3人は、
その澪が巫女装束で現れたので、一様にひっくり返りそうなほど驚いていた。
オフィス街にほど近いその喫茶店では、巫女のコスプレは浮きまくりで、澪は店内全員の注目を浴びている。
そして、3人が座るテーブルに来ると、澪は深々と頭を下げた。
「皆さんに黙っていてごめんなさい。私、退魔師だったんです」
「え゛」
退魔師、がよくわからない遥と絵理をおいて、彰がぎょっとする。
「彰くん、退魔師、ってなに?」
「つまり…俺達みたいな魔を、やっつける人のこと」
「え!?じゃ、じゃあじゃあ、澪ちゃんは実は、私達をやっつけにきてたってこと!?
だ、だから、今日は変身してきたってことなの!?」
「あのー遥さん、これ変身じゃなくて、普通に服着てるだけなんですよ…
えーと、私は、遥さんをやっつけたりしません」
「そ、そうなの?」
ええ、と微笑んだ澪は、そのあと、こほん、と咳払いをした。
じっと、遥を見つめる。
「私は―退魔師として、
これから…いえ、これからも、遥さんを、護ります。
人間の心を持っている、遥さんを。
遥さんが、必要以上に、魔に囚われすぎないように。
たとえ、頭のてっぺんから足の先まで魔に支配されていたとしても、
人間としての遥さんが、心穏やかに暮らせるように」
493 淫魔と彼女 第四話 (21/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:27:20.11 ID:nt+bbflJ
「み、澪ちゃん…」
涙ぐみそうになっている遥に向かい、更に澪は続ける。
「そして…私は、淫魔としての遥さんを、認めます。
だって―」
突然、にへら、と表情をだらしなく崩す。
「遥さんは、『モコちゃん』の、お母さんなんですもの。
やっつけちゃったら『モコちゃん』可哀想じゃないですか」
「「「は?」」」
突然しまらない雰囲気になる一同。
「あの、モコちゃんって…誰?」と、彰。
「私に寄生しようとして失敗した、触手の子どもです。ほら」
というと、袖に隠れていた左手首から、にょろん、と、小さな赤い軟体動物が澪の手を伝って顔を出す。
「あー…澪、名前付けて持ち歩くほど気に入ったんだ…」と、半ば呆れ顔の絵理。
「はい。捨てるわけにもいかず、毎日いろいろ試して遊んでたら、
何だか日に日に、愛おしくなってきちゃって。カワイイんですよぉ。うふふ」
「あのー、ち、ちなみに、エサとか、どうしてんの?」と、恐る恐る聞く彰。
「えっと…私の汗とか、垢とか、つばとか、
あと…おトイレで出すもの、とか、エッチな、汁、とか…うふふふふ」
(魔に囚われてるの、どっちだよ…)
(近い将来その触手にヤられるな、この娘…)
と、心に思った絵理と彰だったが、双方声に出すのをぐっとこらえた。
「まぁ、要するに」
と、遥に向かって右手を差し出す澪。
「これからも、よろしく、って事です」
「…うん!」
退魔の少女と淫魔の少女は、互いに少しはにかみながら、握手を交わした。
「彰さんも」
「あ、うん」
と、続けて握手する2人。
「あと…『ハルカ』さんも」
と、遥の胸に視線を落とす澪。
『けっ』
「…ですって。…ぷぷっ」
と、ハルカの返事を、吹き出しながら伝言する遥。
うふふ、と、澪は微笑みで返した。
「よーし、じゃあ仲直りの記念に、皆でヤろうぜ!4人でさ!」
「絵理さん…たまには違うことを言ってみたらどうですか」
「お尻はオッケーなんだろ?退魔師でも」
「だから、そういうことじゃなくて…」
ただれた漫才を始めた2人を前にして、彰と遥の2人は、クスクスと笑っていた。
「ほ、ほ、ホントにしたの、です、か?…絵理さん、と?」
「…うん」
ある日、学校の昼休み。
今日は久々に、遥は絵理と澪の3人で、教室でお弁当を食べていた。
以前はしょっちゅう昼休みはこの3人とだったし、
彰と付き合い始めてからは 1:1 くらいで彰と食べたり、この2人と食べたりしていたのだが、
彰の使い魔になった日以降は、もっぱら彰と食べるのが日常になっていた。
今日は、絵理に強硬に誘われたのである。
「ほーら見ろ、言ったとーりじゃねーか」
「そんな…まさか…信じられません…」
ドヤ顔で胸を張る絵理に対し、澪はショックで固まっている。
その後、ちらっと遥を見て、ため息を付いた。
「はぁ…まぁ、絵理さんが誰と寝ようが全く驚きませんが、
まさか、遥さんが、そんなこと…彰さんだっているのに」
「彰だって知ってるぜーこのことは」
「な、なんですって…?! ほ、ホントなんですか?遥さん」
「う、うん、まぁ、一応、は」
「はぁ、なんというか、爛れすぎですよ、皆さん…」
ついていけない、と言わんばかりに澪が首を振る。
「ふふーん。遥はスゴイんだぜー?だってさー、しょ」
「ちょちょちょっと何言ってんの絵理ちゃん!?」
秘密を持つということを基本的に知らない絵理は、
さんざん口止めしていたにも関わらず、触手のことをあっさりバラそうとする。
「あーそうだった、ゴメンゴメン。
まーあれだ。遥もスゴイし、オレもすごくなったんだなー」
「あのー、さっきから、何の話を?」
「ふっふっふー澪。それは言えないことなんだなー」
「そんな言いたくて言いたくてしかたない顔で言わないでください…」
にひひ、と絵理は笑うと立ち上がり、がっしと澪の手を掴んで、そのまま教室の奥、
掃除用具用ロッカーのある角へ連れて行こうとする。
「な、ど、どこに連れて行くんです!?」
「へっへー、言っちゃいけないから、見せてやる」
「え!?絵理ちゃんちょっとやめて…」
遥ががたっと立ち上がるが、時既に遅し、であった。
遥の視線の向こうで、絵理が澪の肩を組み、角のロッカーを2人で囲んでいる。
ちらっ、と、絵理がスカートを、めくる。
しばしの、沈黙。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!???」
逃げ帰るように席に戻ってきた澪の顔は、この世の終わりを見たとばかり、げっそりとしていた。
「チ、チ、チンポが…動いて…」
「はしたないよ、澪ちゃん…」
「な、なななな何ですの、アレは」
「さー、言っちゃいけないからなー」
「絵理ちゃん…それじゃ意味ないよ…」
結局、澪ちゃんにも話さないといけないのか、と、遥は大きくため息をついた。
470 淫魔と彼女 第四話 (2/20) sage 2012/09/11(火) 12:37:15.17 ID:nt+bbflJ
「つまり…彰さんは元々その、触手、というモノが生えたエッチな妖怪で、
遥さんがエッチしたら感染っちゃって、
で、絵理さんは自分も欲しくなって、遥さんにエッチをお願いして、感染してもらったと」
教室内であまり具体的な話をするわけにもいかず、
遥が抽象的かつ断片的に説明したのを、澪は見事に要点をつまんでまとめてくれた。
「うん、今度改めてちゃんと説明するけど、だいたい、そういう、感じ…」
「なるほど。とりあえず、わかりました。
…3段目だけはどうしても、アホの所業としか思えませんが」
「なんだよーいいじゃんかー」
「ま、絵理さんがどういう運命を辿ろうと知ったこっちゃありませんけど。
…でも」
と、澪は遥の方を向き直る。
「遥さんは、いいんですか? 治らないんでしょう?」
「うん。最初はどうしようか、って思ったけど、こうなっちゃったら、この道を行くしかないなって。
それに…ずっと、彰くんと一緒にいられるってことだから」
ちょっと照れながら話す遥を、澪は、じっ、っと見つめる。
数秒、真剣な顔をした後、ふっ、と顔が和らぐ。
「はいはい、ごちそうさまです」
「え、えへへ」
「まー、そういうことだから、次は澪だな」
「毎度のことながら何を言っているのかわかりませんよ絵理さん」
「だーってほら、金曜はお泊り会だろー?澪んちで」
ぐぅ?!と、澪の顔が歪む。
「…まさか、私のうちで、私を襲う、と?」
「いやいや。ちょっとヤルだけだよ」
「私はしませんよ?まぁそういう事情なら、絵理さんと遥さんがするのは止めはしませんが、
私は巻き込まないでください」
「そんな事言って、澪も欲しいんだろ?触手」
「欲しくありません!」
「ふふふ、着実にフラグ立ててるぜー?」
ぐぎぎ、と歯ぎしりをする澪。
「でも、楽しみだなーお泊り会。澪ちゃんと、最近全然長い時間いなかったし」
「…そうですね、遥さん」
漫才の最中、ふと割り込んできた遥に、微笑みで返す澪。
「ま、澪にも新天地が待ってる、ってことだよ」
「こ、この人は…」
そして再び、漫才に戻っていった。
471 淫魔と彼女 第四話 (3/20) sage 2012/09/11(火) 12:39:18.08 ID:nt+bbflJ
そして、金曜日。澪の家。
ちなみに、澪は家庭に色々特別な事情があるらしく
一人暮らしをしており、知り合いのツテで小さな借家を借りて住んでいる。
澪の部屋は別にあるのだが、今日は少し広めの客間に3人が必要な物を持ち込んで、なだれ込んでいた。
皆で夕飯を作って食べて、1人ずつお風呂に入って、パジャマに着替え、
部屋に布団を敷き詰めて、パジャマパーティーの始まり…だったはず、だが。
「……まさか、こういう展開になるとは、予想してませんでした」
部屋の隅っこで、一人、澪はつぶやく。
先日の話から、絵理が自分に「触手生やそうぜー」とか言いつついろいろエロイちょっかいを出してきて、
自分がひたすら抵抗する、という展開は、あるだろうな、と思っていた。
だから、絶対に屈服するまい、と、身構えてもいた。
しかし…実際は、絵理は自分なんか目もくれず、遥とイチャつき始めたのである。
いや、絵理が遥に、というより、双方が、双方に、エロエロ攻撃を仕掛けている。
「ちょぉっと絵理ちゃんそこは、あんっ、いやぁん」
「何いってんだよ自分だってそんな、あっ、やめろこら、はぁん、ちょっと」
まるで枕投げでじゃれあっているかのように、2人は互いにキス勝負をしたり、おっぱいを揉みっこしたり、
アソコをさすりっこしたり、エッチな攻撃を互いに仕掛けて、遊んでいる。
取り残された澪は、部屋の端っこで、すっかり、呆気にとられてしまった。
「こ、こんなことって、あるんです、か…」
澪が一番驚いたのは、楽しそうに絵理とイチャついている、遥の姿だった。
淫魔、についての説明は、さっきご飯を食べながらも色々聞いていたし、自分もそれなりに知識はあったので、
まぁ、多少エッチになったりしているかもしれない、とは思っていた。
しかし、「もし遥がエッチになっていたら」という前提で自分が想像していたのは、
悪魔に魅入られた者としての姿だった。澪はその存在を知らないが、遥に擬態したハルカの姿にそれは近かった。
しかし、目の前でエッチな遊びを楽しんでいる遥は、どちらかと言えばその相手をしている絵理に似ていて、
自分の知っている「人間」の遥が、そのままエッチで遊べるようになった、といった風だった。
472 淫魔と彼女 第四話 (4/20) sage 2012/09/11(火) 12:41:17.45 ID:nt+bbflJ
端っこできょとーんとしている澪に、ようやく、絵理が気づいた。
「あ、わりぃ。何か、仲間はずれにしちゃって…」
「あ、ご、ごめん澪ちゃん。つい、調子に乗っちゃって…」
「ううん、いいんです…あの、もしかして、以前も2人で、してたのですか?
その、触手を絵理さんがもらった後も」
遥と絵理は互いに顔を見合わせ、両方が同時にでへへ、と表情を崩す。
「う、うん…実は、1,2回、くらい、だけど」
「いやー、遥、ハルカさんに、あ、ハルカさんてこいつに取り憑いてる悪魔だけど、
ハルカさんに仕込まれたせいかすっかりうまくなりやがって。
まーまだハルカさんと比べればダンチだけど、オレと結構いい勝負するようになっちゃってさ」
「そ、そうなんですか…」
まぁ、事実だけ見れば、2人とも淫魔に魅入られてしまっているわけで、そういう風になっても
おかしくはないのだが、明らかに絵理は今までどおりだし、遥もやっぱり、やっぱりどうも昔の遥のまま、
絵理とのエッチをエンジョイしている雰囲気が感じられた。
「…そういえば、触手、使わないんですか?
淫魔はあれでエッチなことをするんでしょう?」
「あー、あれね…」
絵理はそう言うと、遥とまた顔を見合わせて、2人で苦笑する。
「あれさー、使うと、汁が飛び散って、後々面倒なんだよな」
「う、うん…だから今日はほら、お布団汚しちゃったりしても、澪ちゃんに悪いし…」
ますます、不思議な話だった。
澪はすっかり、考えこんでしまった。
そんな澪を、絵理はなんとなく、見つめていた。
473 淫魔と彼女 第四話 (5/20) sage 2012/09/11(火) 12:43:20.89 ID:nt+bbflJ
そして、絵理は、ふっ、と笑う。
「やーーっぱ仲間はずれにしちゃったのがなー悪かったよなー」
「う゛…や、や、やめて、やめてええええ」
絵理の顔がにやっと笑い、澪に飛びかかる。逃げる澪。
「あっ、ちょっと、離して、あっ、はぁん、やぁ」
「ふふーんここかーここなのかー?」
「あ、だめ、ちょっと、助けて、遥さ―え?」
左側にいる遥に助けを求めようとした澪であったが、逆に左腕を遥に押さえ込まれた。
「ねぇねぇ、もしかして澪ちゃん、脇の下弱かったりする?」
「え、ちょ、ちょっと、ゃ、ゃああああん」
「あー、やっぱり。私と一緒だね。えへへへ」
2人がかりでのエロエロ攻撃の来襲に澪が敵うはずもない。
2人が体中を、さわさわとくすぐり、撫でるように全身を刺激し、澪はすっかり息が荒くなり、顔が赤くなる。
もちろん、絵理も遥もまったく本気ではなく、さっき2人が互いにしていたエロエロ攻撃よりも
ずっとソフトでやさしいものだったが、元々遥よりずっとウブだった澪には、十分な刺激となって彼女の全身を包んだ。
この後も、澪が逃げ、それを絵理と遥の2人のエロ鬼が追いかけ、捕まえ、愛撫し、
そしてまた澪が逃げ、…という、エッチな追いかけっこが延々と続いた。
474 淫魔と彼女 第四話 (6/20) sage 2012/09/11(火) 12:45:18.26 ID:nt+bbflJ
ひとしきり、絵理と遥が澪の体を弄んで、なんとなく、休憩タイムに突入した。
「はぁ、はぁ、な、なんだか、敗北感が…」
澪はすっかりおもちゃにされて、よれよれになったパジャマと共に、ぐったりしている。
皆の息が整ってきたところで、絵理が声を出す。
「あーなんか、ドクターペッパー飲みたくなったなー」
「え?そんなの買ってきてたっけ…」
パジャマパーティー用に買い込んだ飲み物を、遥がガサゴソと漁る。
「いえ、ないですよ。ウチにもそんなの、買い置き、ないです」
「えーそうなのかー?どっかこのへんに売ってねー?」
「出たところすぐのコンビニに、置いてあったとは思いますけど…」
「あ、じゃ、私、買ってくるよ、絵理ちゃん」
「おーそうか?悪いなー。金は後で払うからさ」
「うん!」
遥はそう言うと、そそくさと持ってきていたTシャツとジャージを着込んで、外に出ていった。
絵理はそれを見届けると、急に、真面目な顔になった。
その不自然さの理由は、澪にもよくわかった。絵理は人払いがしたかったのだ。
「なぁ…アイツ、明らかに、人間だろ?」
「え?え、ええ…」
「まぁ胸に変なもん植え付けられたり触手が出たり、エッチが好きになったり、色々変わったところはあるけど、
でもやっぱ、昔の遥のままなんだよ、アイツ」
「そう、ですね。そう思います」
絵理は、遥が出ていった方向を見続けたまま、更に話を続けた。
「…オレさ。アイツの、奴隷になっちまった」
「…え?」
「触手もらった時にさ、勝手に体が動いて、契約、させられちまったんだ。
オレの魂は未来永劫、アイツに服従しなきゃ、いけないらしい」
表情を変えずに、ぽつりという、絵理。
声にならない衝撃が、澪を襲った。
「そ、それは…危険じゃ、ないのですか?」
「まー成り行きでそうなっちゃったから、今更危険も何もないんだけどさ。
でも、どうせ契約するならオレで良かったと思ってる」
「…え?」
「だってさ。見も知らない奴らが、勝手にそんな契約強制されたら、契約した方もされた方も困るだろ?
だから、オレでよかったんだと思ってる。
オレは別に、遥だったら、奴隷になったって構わないしさ。
それに遥だって、オレに奴隷の姿なんて、望まないだろ。少なくとも、「人間」の遥は」
サラリと言う絵理の言葉には、絵理の遥への想いが、詰まっていた。
澪は何も言うことができず、ただ、絵理の顔を見つめている。
「つまり…
オレは、ご主人様が望む限り、ご主人様の、親友、で、い続けるんだ」
最後まで顔を動かさず、絵理は、語った。
澪は、一瞬驚いた表情を見せた後、顔を伏した。
両手をギュッと握り、歯を食いしばる。
そしてしばらくの後、目を、キッ、と、見開いた。
それは、高校生の女の子には似つかわしくない、死ぬ覚悟をした者の顔だった。
475 淫魔と彼女 第四話 (7/20) sage 2012/09/11(火) 12:47:19.43 ID:nt+bbflJ
遥が帰ってくると、明らかに、澪の雰囲気が、変わっていた。
真剣な眼差しで、遥を見つめている。
「…み、澪、ちゃん?」
「…遥さん。
今までに、奴隷、は、何人、作りました?」
「え? え、絵理ちゃん、だけだよ」
「奴隷は、何人、必要なんですか?」
「わ、わからない…でも、きっと、増やさないと、いけないんだと、思う。
1人だけだと、その人に、負担かかっちゃうみたいだし…」
「奴隷は…ちゃんとしたセックスをしないと、いけないのですか?
その、本番、って言うんですっけ。女性のものを、使ったものを」
「うんと…エクスタシー、っていうか、オーガズム?
あれを感じられればいい、って、前に彰くんから、聞いた気がする」
澪は、一呼吸おいて、すぅ、と、息を吸う。
「最後です。
…私は、その、遥さんにとって、エッチなことしてもいい、って人に、なれますか?」
「え?え?え?」
「つまり、絵理さんみたいに、私とエッチなことしてみたい、って、思いますか?
さっきみたいな遊びじゃなくて、本気で」
戸惑う、遥。
頭の整理をするように、とつとつと、語りはじめた。
「…わからない。
絵理ちゃんは、絵理ちゃんの方が私としたいって思ってくれたから。
…でも、こないだね。絵理ちゃんとエッチすることになって、最初はどうしようかって思ったけど、
でも終わってみたら、絵理ちゃんでよかったって、思った。
「使い魔」としての初めてのお仕事の相手が、絵理ちゃんで、ほんと、良かった、って、思った」
ここまでぼんやりと聞いていた絵理は、ここで照れくささをごまかすように、視線をそらす。
「…で、もし、澪ちゃんが、私としたいって思ってくれたんだったら、
それなら、澪ちゃんは絵理ちゃんと同じくらい、私にとって大切な人で、
だからきっと、澪ちゃんでよかった、って思える気がする。
でも、もし、そうじゃなかったら―」
「わかりました」
「えっ?」
遥の話に割り込んだ澪は、さっきとは打って変わって、優しい笑みを浮かべていた。
「…私、奴隷に、なります。
遥さんの、奴隷に、してください」
476 淫魔と彼女 第四話 (8/20) sage 2012/09/11(火) 12:49:16.99 ID:nt+bbflJ
「え?い、い、いいの?」
「はい。でも、一つだけ、お願いがあります」
一呼吸おいて、澪が、続ける。
「やっぱり、処女は、あげられません。
これは私にとって、大切なものだから。
遥さんがどんなにエッチな悪魔になっても、私の処女は奪わないって、約束してくれますか?」
真剣な顔をして、遥に問う、澪。
「…うん、もちろん。約束する」
2人は、指切りを交わした。
澪は、絵理の方に向き直る。
「…絵理さんも約束してくれます?」
「はー?あったりめーじゃねーか。何でオレに言うんだよー」
「あなたが一番危ないからです…」
互いにグチグチ言いつつ、澪と絵理も、指切りを交わした。
「じゃ…私を今から、奴隷に、してください」
澪は柔らかな顔つきで先を促す。
「えっと…わかった。お姉さまに聞いてみるね」
「お姉さま…って?」
「さっきの『ハルカ』さん、だよ」
「ああ、取り憑いてる悪魔の方…」
しかし、どうも遥の様子がおかしい。
「どうしたんです?」
「うーん、お姉さま、寝てるんじゃないかなぁ…全然反応が…
ちょっと、待っててね」
と、言うと、遥の目が半開きになり、すーっと、目の光が消えていった。
ここは、遥の中、一面紫色の、夢の空間。
ハルカは、涅槃の恰好で、ぷかぷかとその中を漂っていた。
どうやら本気で寝ていたらしいが、遥が近づくと、気だるそうに身動きした。
「あら?遥じゃありませんか、自分から来るなんて珍しい。
今日はあの奴隷と遊んでいたのではなかったのですか?」
「あ、あの、お姉さま…
一人、友達が奴隷になりたいって…」
「はぁーあ? まったく、絵理といい、物好きなお友達が多いのね、貴方。
勝手に奴隷にすればいいじゃありませんか」
「あの、私、『契約』とか…覚えてなくて…」
はぁー、と大きなため息をつく、ハルカ。
「じゃあ、『契約』のところだけやってあげますわ。他は全部ご自分でなさい。
まずは『契約』の準備をなさいな。準備ができたらまたここに呼びに来なさい」
「は、はい…お姉さま」
実はこのとき、遥は1つ大きなミスをしていた。
「処女は奪わない」という澪との約束のことを、ハルカに伝え忘れたのだ。
478 淫魔と彼女 第四話 (9/21) sage 2012/09/11(火) 12:55:18.97 ID:nt+bbflJ
ふっ、と、遥の目に光が戻る。
「どう、でした?」
「『契約』のところはやってあげるから、それ以外は自分でやれって。
とりあえず、準備をしろって…」
「わかりました。準備って、何をすれば良いのですか?」
「まー、まずは、服脱いでからじゃねーか?」
「…わかりました」
そういうと、澪はパジャマを脱ぎ始める。一緒に遥も、買い出し用に来たTシャツとジャージを脱ぐ。
そして当然のごとく、絵理もだ。
「…絵理さんは関係ないんじゃないんですか?」
「えーそういうなよーせっかくなんだしさーオレも混ぜろよー」
「はぁ…」
こうして、3人は全員、全裸になった。
「じゃー次は…おい、澪?」
澪は、遥の前に立つと、遥の胸に埋め込まれた、宝石を見つめていた。
そして、すこしかがむと、手で、その宝石や、宝石周辺から放射状に伸びるケロイド状の線を、確かめるように、さする。
それは以前、詠歌が最初に遙の胸を「診た」ときの仕草に似ていた。
「…変、かな?」
「いえ…ううん、とても、キレイです。似あってますよ。遥さん」
「うん…ありがと。えへへ」
「なー遥、ついでに触手、見せてやれよ」
「あ、そ、そうだね」
澪はまだ、遥の触手を見たことがなかった。
「ちょっと、待ってね…んん、ぅうん、はぁあああん!」
「きゃっ!?」
遥のおへそから飛び出した触手は、勢い良く澪のお腹にヒットし、くんにゃりと曲がる。
勢いで、澪が尻餅をつく。
「あっ、ご、ご、ごめん、澪ちゃん」
「てて…いえいえ、びっくりしただけですから。
それより…これが、遥さんの、触手、なんですね?」
「うん…」
澪は座った姿勢のまま、遥の触手を両手のひらで抱えるように優しく持ち、いろいろと観察している。
「…なんだか、赤くて、キレイで、カワイイですね。私、好きかもしれません」
「で、でしょ?私も、そう思ってるんだ。えへへ」
「…で、次は、何を?」
「あ、えっと、その触手の先から、すごくエッチになる液が出るから、それ全部、飲んで欲しいの」
「え、す、すごく…エッチになる、液、ですか?」
澪の顔に焦りの色が見え始める。
479 淫魔と彼女 第四話 (10/21) sage 2012/09/11(火) 12:57:17.33 ID:nt+bbflJ
「うう…だんだん、危険なものに見えてきました、この触手…」
「おー澪、とりあえず、くわえとけよ、先っちょ」
「わ、わ、わかりました」
じっと触手を睨みつけると、意を決して、澪が触手の先を、はむっ、と、くわえる。
「あろ、ふぁえ、まひ…えええええ?」
ふと見上げると、遥と絵理が立ったまま痴態を繰り広げている。
絵理が後ろに回り込み、遥の胸を両手で揉みしだき、
いつの間にか自身のクリトリスから伸ばした触手を、遥の股の間に割り込ませて、さすっている。
一方の遥は腰をくねらせ、気持ちよさげによがっている。
「ぁあん絵理ちゃん、気持ち…いぃ…はぁあん」
2人の姿は先ほどのお遊びとは違う、どこか淫靡な雰囲気をまとっていた。
「な、ななな」
「あー澪、液は遥が気持ちよくてイッたら出るんだ。澪は大人しくそれくわえて待ってな」
「ふぁ、ふぁい…」
さすがは淫魔との契約だけあって、想像以上にエッチなことをし続けないといけないようだ。
先ほどまでの決意はどこへやら、澪はだんだん気後れし始めた。
「あ、イク、澪ちゃん、イクよ、はぁ、あああああん」
「ふぁい…う、うぶ?!」
口の中に突然溢れ出る液体に面食らいながらも、懸命に飲み干す、澪。
「けほっ、の、飲みまし…た…う、ううう?!」
澪は、とたんにひっくり返り、まるで釣り上げた魚のように、布団の上で跳ねはじめた。
体中が時折痙攣するかのようにガクガクっとし、その度に、背中をのけぞる。
下半身から、何度も何度も潮が吹き出す。
「ぐぁ、あは、あがっ」
「…おい、これ、大丈夫か?何か様子が…」
「あ…そ、そうだ。この液って、バージンの人には、効果がものすごく強くなるって…」
「えええええ?!おいおい、それってまずくね?
オレが飲んだときでもかなりフラフラになったのに…
おい、澪、大丈夫か?」
見ると、澪は少し収まってきたようで、体をひくつかせながら、大きく肩で息をしている。
「は、はぃ、ま、まさか、こんなに、はげしい、とは…
か、からだが、まったく、言うことを、ききません、はぁ、はぁ」
「なーこれ、もう十分じゃねーか?オレも『契約』の前ってこんな感じじゃなかった?」
「そ、そうだった、かも。うん、わかった。お姉さま呼んで来るよ」
480 淫魔と彼女 第四話 (11/21) sage 2012/09/11(火) 12:59:15.61 ID:nt+bbflJ
夢の空間の中で、ハルカは相変わらず、空中で気だるそうに横たわっていた。
「あ、あの、お姉さま」
「はぁ?遥、ちょっと早いんじゃありませんか?」
「あ、あの、澪ちゃん、バージンだから…」
「あぁ、生娘でしたのね。
もぅー、そうならそうと先に言いなさいな。文言考えてる時間ありませんわ」
「ご、ごめんなさい、お姉さま」
「じゃあ、文言はありあわせのものでかまいませんわね?
はいはい、じゃあ、参りますわ」
しゅるん、と、アイマスク状になった触手が遥の頭を一周し、遥の両目を覆いつくす。
ハルカが体を乗っ取ったんだと、傍らにいた絵理は瞬時に悟る。
「あ、ハルカさ…えーーー!?」
目を封じられた遥は、突然、布団の上でひくついている澪に、襲い掛かった。
体中を指で、触手で、自らの体表で、なでまわす。
確かにその指は遥の指であるはずなのだが、まるで五本が一体となった軟体動物であるかのように、澪の肌をしゃぶる。
そのたびに、しゃぶられた箇所がビクビクと震える。
更に全身も使い、まるで体全体が一体の触手動物になったかのように、
澪の体の上に覆いかぶさった状態で、澪を体全体でしゃぶりあげる。
「あ、あぐ、あふっ、ふっ、ぐぅ、うぁっ」
澪は襲い掛かる快感に意識をコントロールできず、もはや目の焦点が合っていない。
(うっわーハルカさん、容赦ねぇぇ…ってか、やっぱ気持ちよくするの、足りなかったのかな…)
と、呆然とその姿を見守る、絵理。
実際は、足りなかったのではない。澪の体があまりに「美味」だったため、ハルカが衝動を抑えきれなくなったのだ。
(なんて極上の精を放つ女ですの…すばらしい獲物ですわ。
あの人間にしてはなかなか性技に長けた絵理といい、遥は恵まれていますわね…
…と、しまった。『契約』でしたわね)
遥は、左首筋をなでていた右手をすっと上になぞらせ、澪の長い黒髪をかきあげるような仕草をする。
そのまま顔の横を手が通り過ぎるとき、手のひらから、赤い「毛」が伸びる。
その「毛」がすーっと澪の左耳に侵入すると、遥の右手が澪の肌を離れ、同時に、ぷつん、と、手のひらのところで切れた。
切れた「毛」はくるくると絡まり、そのまま澪の耳の中へ転がっていく。
次の瞬間、澪の頭ががくんと跳ねて後ろに反らされ、そのままの形で固まってしまった。
その2つの瞳から、すっ、と光が消える。
「あれ、おい澪、大丈夫かー?…って、あ、ハルカさん?」
遥は澪を襲う手を止め、その場ですくっ、と立ち上がった。
「『契約』を、します」
「…はい」
絵理の目からも、光が消えた。
481 淫魔と彼女 第四話 (12/21) sage 2012/09/11(火) 13:01:14.14 ID:nt+bbflJ
絵理と澪は、頭を手の後ろに組み、膝立ちの状態で足を開いている。
遥は澪の前に立ち、澪の額に指を当てた。
「私の名は、佐久遥。乃坂澪の、絶対なる、主」
「私の名は、乃坂澪。佐久遥の、忠実なる下僕にして、奴隷」
「私は、我が忠実なる奴隷、乃坂澪の、体と魂すべてを所有し、未来永劫、支配します」
「私は、我が絶対なる主、佐久遥に、体と魂すべてを差し出し、未来永劫、服従します」
「乃坂澪にとって、私の命令は、絶対。抗うことは許しません」
「私にとって、ご主人様の命令は、絶対。抗うことは許されません」
「では我が奴隷、乃坂澪よ。私に向かって恥辱なる隷属の姿勢を取りなさい」
「はい、ご主人様」
そして、遥は澪の額を指で押す。
澪は後ろに倒れると、左右の足首を左右の手で握り、高く持ち上げ、足を大きく開いた。
その澪の開いた股のすぐ後ろで、遥が膝立ちになり、へそから伸びている触手の先端を、
上から丸見えの澪のヴァギナの上に置く。
「私は今から、乃坂澪を支配する証として、我が子種を、乃坂澪の子宮に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が子宮に頂きます」
「我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願いします、ご主人様」
遥の触手の先端が、澪のヴァギナの中に、入り始める。
澪の、まばたきもしていない、光を失った目から、一粒の涙が、きらり、と流れ落ちた。
その刹那。
突然、触手の動きがピタリと止まる。
そのまま、時間が止まったかのように、全員フリーズしていた。
482 淫魔と彼女 第四話 (13/21) sage 2012/09/11(火) 13:03:15.44 ID:nt+bbflJ
同じ時、一面紫色の、遥の中の夢の空間。
「遥!なぜ先を進めませんの!?早く外にでて、儀式を済ませなさい」
「あの、お姉さま…」
遥は、続ける。
「私、澪ちゃんの処女を奪いたくないです」
「何を甘っちょろいことを抜かしておりますの?
今しがた、彼女と『契約』を結んだではありませんか。
あとはその通り、履行すればよろしいのです」
「でも…
実は私、その前に、澪ちゃんの処女は絶対奪わない、って、約束しちゃったんです。
これも、『契約』ですよね?」
「はぁーあ?なんという七面倒くさいことを…」
「2つの矛盾する契約がある場合、有効なのはどちらなんですか?」
「そりゃー、先約のほうですわ…
あーもう、メンドクサイですわねぇ。
今すぐ別の文言を考えますから、ちょっと待ってなさい!」
しばらく固まっていた3人だったが、突然、目に光が戻り、体が自由になる。
「うっぎゃああああああああ!!!何ですかこの恰好は!!!」
自分がしていた、とんでもなく恥ずかしい恰好に澪が悲鳴を上げる。
そのまま慌てて身を起こそうとするが体が言うことをきかず、横倒しになって体を丸める。
「そりゃ、恥辱のポーズとかなんとか言ってたしなぁ…
ていうか、今どうなってんの?なんか途中で止まっちゃったじゃん」
「澪ちゃんの処女奪うのは嫌だって言ったら、 お姉さまが別の文言を考えるって。
それまでしばらく待ってろってことみたい」
割と呑気に話す絵理と遥。慣れとは恐ろしい。
「そ、そうです!なぜ私のお腹を捧げる話になってたのですか!?危うく貞操の危機だったじゃないですか!!
それにこ、こ、子種って」
「ああ、触手のことだよ」
「ちょちょちょっと、なんで私が触手をもらわないといけないんですか!
私は奴隷にして欲しいとは言いましたけど、触手が欲しいなんて言ってないです!」
「えー奴隷と触手ってセットじゃないのかー?」
「んー、どうなんだろ?」
色をなす澪に、相変わらず呑気な絵理と遥。
483 淫魔と彼女 第四話 (14/21) sage 2012/09/11(火) 13:05:22.71 ID:nt+bbflJ
「まぁ、そんなの深く考える必要ねーと思うけどなぁ…って、あ、あ、あれ?体が…」
「あ、修正の文言できたのかな」
「わ、ま、ままままたこの姿勢になるんですか!?」
遥が再び目隠しされ、3人の体が勝手に動き始める。
そして、先ほどと全く同じ体勢になり、体が動かなくなる。
ただ先ほどと違い、3人とも意識はあって、自由に思ったことを話せるようだ。
文言の修正に手間取ったハルカが、面倒くさくて手を抜いたらしい。
そして、遥の触手が先ほどと同じく澪の股間に置かれたのだが、
今回はヴァギナの上でなく、アナルの上であった。
「私は今から、乃坂澪を支配する証として、我が子種を、乃坂澪の腸内に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が腸内に頂きます。
…うぇぇえええええ!?」
「我が子は乃坂澪と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご、ご主人様の子は私とひ、一つになり、我が服従を、完全なものとし…します」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願い致し…し…ちょぉおおおっと待ったあああああああああ!!!」
恥辱のポーズのまま、詠唱の途中で澪が絶叫する。
文言のとんでもない内容に、澪の意志が、契約を強制する力を上回ったらしい。
「ちょ、ちょ、腸内って、何なんですか!?」
「まぁ、普通に考えて、お尻だろうなぁ。
ほら、お尻の穴の上に、触手が乗っかってるじゃん」
「こ、これを、お尻に、入れるって、ことですか!?」
「たぶんね」
「そ、その上で、お尻から、触手を、生やす、と?」
澪の顔は真っ青である。
「だってさー。澪のアソコが使えないんだったら、お尻に生やすしかなくね?
口に触手生やしてもカッコ悪いだろ」
「ちょっと待って下さいなんで触手を生やすのが前提になってるんですか!」
「そりゃーねぇ。オレと遥には触手が生えてるのに、澪に生えてないのって、
なんか仲間外れみたいで可哀想じゃん」
「か、可哀想なんかじゃありません!そんなもの要りません!!」
「そんなこと言わないで、もらっとけばいいんじゃない?別に減るもんじゃないし」
「失うものが沢山あります!!」
澪は股をおっ広げたまま、絵理と漫才を繰り広げる。
「でもさ、澪ちゃん」
と、突然会話に割りこむ遥。
「…お尻、気持ちいいよ?」
484 淫魔と彼女 第四話 (15/21) sage 2012/09/11(火) 13:07:18.95 ID:nt+bbflJ
「え゛」
予想外の方向から来た伏兵に対応できず、澪の頭が真っ白になる。
「あーそうそう。結構慣れるといいもんだぜ、アナルも。
ていうかさぁ…澪お前、感じてね?お尻で」
「はぁ?そ、そそんなことは」
「だってさー、濡れてるじゃん」
体を動かせない絵理ではあったが、それでも澪の股間はよく見えた。
触手が置かれたアナルの手前は、ずいぶんと濡れそぼっていた。
「アナルの上に触手置かれただけでそんな濡らしてんだったら、素質あるんじゃないか?
なぁ遥。触手は動かせねーの?」
「あ、やってみる…うん、なんか、いけそう」
「ちょっと、きゃ、あ、あぁん、あふん」
触手がアナルの上をコロコロ転がったり、つついたり、こすったりしているだけで、
澪は甘い声を上げ続けた。
澪は媚薬の妖液を飲んでいるし、相当体ができあがってきているので、必ずしも
お尻が特別感じやすいから、という訳でもなかったのだが、3人はそこまで頭が回らなかった。
特に、声を上げている澪自身が、一番驚いていたようだった。
「ほら、すげー感じやすいじゃん。いいじゃんお尻に入れちゃえばさー。
そのあとは何とでもなるって」
「な、何とでもなる、あん、わ、わけないじゃ…」
「ねぇ澪ちゃん。何事も体験だと思うよ」
「ははは遥さんまで、そんな…はぁん」
「私も、澪ちゃんが触手つけてくれたら嬉しいなぁ。何となく、おそろいだし」
「そうそう。オレたち3人だけの秘密ってやつ。いーじゃんいーじゃん」
絵理と遥の言っていることはメチャクチャで、普段の冷静な澪なら何ということもなくあしらえたはずだったが、
お尻の快感と、その快感を感じている自分に混乱をきたしており、かなり冷静でいられなくなっていた。
「わ、」
澪が2人を制する。
「わ、わ、わかりましたっ!。私も触手もらいますっ!!
私はご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を私のお尻に頂きますっ!!!
お願い致しますご主人さまっ!!!」
ブスリ。
「ぎゃあああああああああぁぁぁ!!!」
488 淫魔と彼女 第四話 (16/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:16:17.79 ID:nt+bbflJ
全員の体が自由になった。
しかし澪は、あれだけ嫌がっていた股おっ広げポーズのまま、頭を上げて背を丸め、
歯を食いしばってプルプルと震えている。
「い、い、痛い、です…」
「はるかー、女の子には優しくしないとダメじゃんか」
「ご、ご、ごめんなさい、澪ちゃん…」
触手は遥の意を離れて勝手に動いていたのだが、遥はつい謝ってしまう。
「さすがにこの太さイキナリはつらくねーか?触手もうちょっと細くなんねーの?」
「あ、やってみる、うん」
んん、と遥が力を込めると、少しずつ触手の先がすぼまっていった。
あるところからなだらかに径が小さくなっていき、澪のおしりの付近ではストロー並の太さになった。
「あとさ、気持ちよくなったら、触手がぬるぬるしてきたり、先から液が出たりするじゃん。
たぶんその方が、澪もやりやすいと思うよ」
「あ、そ、そっか。ちょっと、待ってて。澪ちゃん」
いつの間にやら、すっかり触手に詳しくなっている絵理のアドバイスに従い、
自分が気持ちよくなろうと、オナニーを始める遥。
左手で自分の胸をさすり、右手で触手をこすったり、アソコを撫で回したりし始める。
「じゃー、オレは澪を気持ちよーくする係だな」
「え、何を、む、むぐっ!?」
ちょうど澪の頭の上に膝立ちしていた絵理は、自分のクリトリスから生えている触手を澪の口に入れる。
「ふふん。ちょっと待ってな」
というと、絵理はそのまま体をシックスナインの体勢に持っていき、澪のクリトリス付近を舐め始める。
「ふぅっ、ふん、うん、ふぅぅううん…」
澪は口をふさがれているが、声を聞く限り、かなり気持ちよさそうである。
「…そろそろいいか。じゃあ遥、触手の太さを元に戻そうよ。あ、ちょっとずつ、ゆっくりだぞ?」
「うん、わかった」
「でさ、澪。太くなってきたら、ちょっと、ウンコ出すときみたいにいきむんだ」
「は、はぃぃ…」
いつの間にか元の位置に戻り、澪の口から自分の触手を抜いた絵理がアドバイスを飛ばし続ける。
絵理はただの人間で、目の前にいる淫魔の奴隷のはずなのだが、結局絵理が遥達をリードする辺り、
結局、いつもの3人の人間関係がそのままなのである。
489 淫魔と彼女 第四話 (17/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:18:17.89 ID:nt+bbflJ
「…これで、元の太さに戻った、と、思う」
「おー。じゃあそろそろ、アレを出す?」
「うん。今日は自分でやらないといけないから…う、うまくいくかな…」
遥は、んん、と力を込めると、体が周期的に、ぴくん、ぴくん、びくん…と時を刻むように跳ねはじめた。
その度、へそから伸びる触手がどくん、どくん、どくん…と脈打つ。
「え、ちょっと、な、なんかお尻の中に、は、入って、来るんですけど?!」
「触手が育つための苗床作るんだってさ」
「そんな、ちょ、こ、これまるで、浣腸…あふん」
澪は、いつの間にか仰向けに横たわる絵理の上に乗せられ、
絵理の腰のあたりで、絵理に対して後ろを向いて大きく足を開き、お尻に触手を受け入れていた。
絵理はその後ろから、手で澪の体をいじってよがらせたり、たまに触手で遥の股間をいじったりして遊んでいる。
数分後。
先ほどまでトロンととろけ、赤らんで上気していた澪の顔は、
だんだん、口を結んでプルプルと震え、一所懸命我慢するような顔つきになっていた。
直腸内に「苗床」ができつつあり、周囲の腸壁を圧迫し始めていたのだ。
「あ、あの、と、トイレ、行きたい…」
「そんなんダメに決まってんじゃん。行ったらまた一からやり直しだぜ、たぶん」
「そ、そんな…」
苦しそうに困窮している澪にあっけらかんと答える絵理。
「絵理ちゃん、つらい?」
「は、はい、もう、限界、かも…」
「そっか。わかった。触手出してみるよ」
えー早すぎんじゃねーか?という絵理の心配をよそに、遥は目を閉じ、ぐぐぐっと体に力を込める。
「あ、で、出る、う、ううっ、あ、あふぅうぅうううん!!」
ぼこん、と、遥のへそから伸びる触手の根元あたりが、拳くらいのサイズに膨れる。
そのまま先に向かって、それが移動し始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください。あ、あんなおっきいのですか!?
私のお尻にそんな、は、入るわけ…」
澪は青かった顔を更に青くし、真っ青になる。
しかし無情にも、その塊はしばらくの後、澪のアナルまで到達し、中に侵入しようと試みる。
「む、むむ無理ですよ…う、う、うぎゃああああ!?」
澪の意志などまったく無視するかのように、にゅるにゅるとお尻に収まっていった。
「ぐ、ぐぎ、ぎ、ぎぇ、あが、が、が…」
澪は目をチカチカさせ、胸の前で両手の拳をぎゅーっと握り締めながら、歯を食いしばって、耐える。
「あ、出るよ、あ、イク、うううっ!!」
遥の喘ぎ声とともに、ぼこん、という音がして、塊が澪の腸の中に落ちた。
目を白黒させる澪。
「あー、いきなり抜くと、中のが出ちゃうかもな。
はるかー、触手抜く前に、またちょっとずつ、細くしてやってくれ。
そんで澪、触手をくわえるように、がんばってお尻をすぼめるんだ」
絵理の的確なアドバイスに無言で従う2人。
その後、やはり絵理の指示で、触手をしゅるん、と遥が抜く。
澪は絵理の上で、股を開いた体勢のまま、ぐううっと体に力を入れて堪えている。
しばらく後、
「う!?い、い、いやぁあああ!?」
澪のアナルから、もこもこと真っ赤な柔らかい物が溢れ出し、まるで栓をするかのように固まった。
490 淫魔と彼女 第四話 (18/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:20:20.16 ID:nt+bbflJ
「え!?こ、これが、触手、なんですか!??」
あまりのお尻の異物感に、澪は自分の手でそれを触って確かめている。
「触手の幼生みたいだよ。オレのと同じなら、今晩一晩かけておっきくなってくと思う」
「な、なんですって…、と、いうか、あの…
これ、お尻に栓されたみたいに、なってますけど…
トイレ、どうやって、行くんですか?」
「「あ」」
大事なことをすっかり忘れていた、と言わんばかりの、絵理と遥。
「そういや、どうすんだろうな、これ。遥わかる?」
「ちょっと、お姉さまに訊いて…あれ、『さぁ?』だって…」
「えーそれ無責任じゃね?」
もうまったく他人事な絵理と遥。
しかし、もう20分近く浣腸まがいのことをされ、澪の排泄欲は最高潮にまで高まっていた。
「だ、ダメです、出ます、トイレ、行きます」
「やー、ちょっと待てよ。今晩かけて育つんだろ?いま中のモン出しちゃって大丈夫なのか?
育たなくなったりしねーかな?」
「そ、そっか。澪ちゃん、がまん、できない?」
他人事の絵理と遥には、澪の切実さがまったくわかっていなかった。
「ご、ごめんなさい、も、もう、我慢、でき、ない…
う、うう、で、出ます、ごめんなさい、う、ううううう!」
「わーーーーーー!!ちょちょちょっと待てってば澪!!!」
「きゃーーーーだめーーーーみおちゃーーーーーーーーん!!!!」
「出、出、出るうぅゥゥゥゥゥゥ!!」
3人の阿鼻叫喚の中、澪のお尻の内容物が、一気に、噴き出す…と思いきや。
ぼとん。
「「「へ?」」」
大惨事を予想していた3人を裏切って、出てきたのは、こぶし大の赤い軟体生物、のみであった。
澪と絵理の股の間、シーツの上に、ちょこん、と鎮座ましましている。
「こ、これ…」
「取れちゃい、ましたね」
「もしかして…寄生、失敗?」
『ぷ、ぷぷぷ、ぷ、ギャーーッハッハッハッハッハッハ!
ま、まさか、と、とれる、なんて、なかなか無いで、す、わよ…アハハハハハハハハ!
は、はるか、らしい、ですわ…ププププっ』
遥の中でハルカが大笑いしている。かなりツボにハマったようだ。
「わ、笑わないで、お姉さま…」
口をとがらせて顔を赤らめる、遥。
491 淫魔と彼女 第四話 (19/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:22:28.58 ID:nt+bbflJ
その後。
布団の上に落ちた真っ赤な触手の塊を中心に、3人が裸のまま、車座に座っていた。
「ご、ごめんね、澪ちゃん…」
「い、いえ。謝るようなことは何も。
でも…これで、良かったかも」
「え?」
ぽつりとつぶやく澪に、聞き返す遥。
「…遥さんには申し訳ないのですけど、私触手って、やっぱりどうしても、好きになれなさそうです。
遥さんの触手は確かにカワイかったけれど、それが自分の体から生えるのを想像すると、どうにも…
やっぱり、こういうのは、つけたい方がつけるのが、いいと思います」
「まぁ…そうだなー。無理強いは、良くないかもな」
絵理がひさびさに真っ当なことを言う。
「…そうだね。うん。ごめんね、澪ちゃん。
私これから、触手は、欲しいって思う人にだけあげることにするよ。
…ねぇ、いいでしょ?お姉さま」
『か、勝手に、なさい…プププププッ。
まぁ、遥には、まだ早いかも、しれま、プッ、せん、ププッ、わね…プクククク』
ハルカはまだ笑っていた。相当ツボだったのだろう。
「しかし、これ、どうする?」
と、触手の塊をつまみあげながら言う、絵理。
みんな顔を寄せて、しげしげと観察する。
「全然、動かないですね」
「うん、でも、死んでるわけじゃなさそうだよ」
「トイレに流しちゃえば?」
「それは可哀想だよ、絵理ちゃん」
「といいますか…詰まると思います、トイレ」
その後も3人でやいのやいのと話し込んではみたものの、何も結論は出ず、
まぁ大した害もないだろう、ということで、とりあえず部屋の隅っこに触手をおいて、
そのまま、その晩はもう寝ることになった。
全員軽くシャワーを浴び、パジャマを着直して横になると、
先ほどの宴が3人の体力を相当に消耗していたせいか、
3人とも、あっという間に、眠りの世界に落ちていった。
492 淫魔と彼女 第四話 (20/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:25:17.85 ID:nt+bbflJ
それから数日経った、ある日の放課後。
澪に呼び出され、喫茶店で彼女を待っていた彰、遥、絵理の3人は、
その澪が巫女装束で現れたので、一様にひっくり返りそうなほど驚いていた。
オフィス街にほど近いその喫茶店では、巫女のコスプレは浮きまくりで、澪は店内全員の注目を浴びている。
そして、3人が座るテーブルに来ると、澪は深々と頭を下げた。
「皆さんに黙っていてごめんなさい。私、退魔師だったんです」
「え゛」
退魔師、がよくわからない遥と絵理をおいて、彰がぎょっとする。
「彰くん、退魔師、ってなに?」
「つまり…俺達みたいな魔を、やっつける人のこと」
「え!?じゃ、じゃあじゃあ、澪ちゃんは実は、私達をやっつけにきてたってこと!?
だ、だから、今日は変身してきたってことなの!?」
「あのー遥さん、これ変身じゃなくて、普通に服着てるだけなんですよ…
えーと、私は、遥さんをやっつけたりしません」
「そ、そうなの?」
ええ、と微笑んだ澪は、そのあと、こほん、と咳払いをした。
じっと、遥を見つめる。
「私は―退魔師として、
これから…いえ、これからも、遥さんを、護ります。
人間の心を持っている、遥さんを。
遥さんが、必要以上に、魔に囚われすぎないように。
たとえ、頭のてっぺんから足の先まで魔に支配されていたとしても、
人間としての遥さんが、心穏やかに暮らせるように」
493 淫魔と彼女 第四話 (21/21) ◆Z.I6wxAf7R03 sage 2012/09/11(火) 22:27:20.11 ID:nt+bbflJ
「み、澪ちゃん…」
涙ぐみそうになっている遥に向かい、更に澪は続ける。
「そして…私は、淫魔としての遥さんを、認めます。
だって―」
突然、にへら、と表情をだらしなく崩す。
「遥さんは、『モコちゃん』の、お母さんなんですもの。
やっつけちゃったら『モコちゃん』可哀想じゃないですか」
「「「は?」」」
突然しまらない雰囲気になる一同。
「あの、モコちゃんって…誰?」と、彰。
「私に寄生しようとして失敗した、触手の子どもです。ほら」
というと、袖に隠れていた左手首から、にょろん、と、小さな赤い軟体動物が澪の手を伝って顔を出す。
「あー…澪、名前付けて持ち歩くほど気に入ったんだ…」と、半ば呆れ顔の絵理。
「はい。捨てるわけにもいかず、毎日いろいろ試して遊んでたら、
何だか日に日に、愛おしくなってきちゃって。カワイイんですよぉ。うふふ」
「あのー、ち、ちなみに、エサとか、どうしてんの?」と、恐る恐る聞く彰。
「えっと…私の汗とか、垢とか、つばとか、
あと…おトイレで出すもの、とか、エッチな、汁、とか…うふふふふ」
(魔に囚われてるの、どっちだよ…)
(近い将来その触手にヤられるな、この娘…)
と、心に思った絵理と彰だったが、双方声に出すのをぐっとこらえた。
「まぁ、要するに」
と、遥に向かって右手を差し出す澪。
「これからも、よろしく、って事です」
「…うん!」
退魔の少女と淫魔の少女は、互いに少しはにかみながら、握手を交わした。
「彰さんも」
「あ、うん」
と、続けて握手する2人。
「あと…『ハルカ』さんも」
と、遥の胸に視線を落とす澪。
『けっ』
「…ですって。…ぷぷっ」
と、ハルカの返事を、吹き出しながら伝言する遥。
うふふ、と、澪は微笑みで返した。
「よーし、じゃあ仲直りの記念に、皆でヤろうぜ!4人でさ!」
「絵理さん…たまには違うことを言ってみたらどうですか」
「お尻はオッケーなんだろ?退魔師でも」
「だから、そういうことじゃなくて…」
ただれた漫才を始めた2人を前にして、彰と遥の2人は、クスクスと笑っていた。
淫魔と彼女 第三話
442 淫魔と彼女 第三話 (1/16) sage 2012/09/09(日) 16:17:59.87 ID:u4DFpFcH
「もう、体調は平気?」
「うん、ありがとう、彰くん」
学校の昼休み、彰と遥は、屋上で一緒に御飯を食べていた。
「例の悪夢のあとで昨日休んじゃうから、心配したよ」
「うん。昨日はたまたま、ちょっと疲れが出ただけ…かな。えへへ」
実際は、自分で生やせるようになった触手で一日中オナニーに耽っていたのだが、そんなことは一言も言えるはずがなかった。
「それより、彰くんも大丈夫だった?昨日お話できなかったけど、
おばさま、本当は使い魔禁止だったんでしょ?その、私…」
「大丈夫。遥ちゃんのことは、許してもらえた」
「ほ、ホント?」
「うん。『あんないい娘なかなかいないから、大事にしろ』って」
「え、えへへ…」
「まぁ、メッチャクチャ叱られたけどね。下手くそとか甲斐性なしとかガキのくせにサカリやがってとか」
「それ…叱られたって、言うの?」
「それに、一晩中殴られた」
「うわぁ…」
「あと、『2人めは絶対ダメ』って。お前にはまだ無理、って」
「そ…そう」
遥にとって、使い魔であることは「本命の証」なので、別の意味で、増やしてほしくはなかった。
「そういや母さんからも聞いたけど、もう、悪夢は見なくなったの?」
「うん、おばさまのおかげ。一昨日はハルカさん出てきたけど悪夢じゃなかったし、昨日は全然夢見なかった」
「そっかー、良かったね!」
「うん。次はどんなスゴイ事されるんだろうと思ってたんだけど、ちょっと期待はずれ―」
「え?」
「あ、いやいや、何でもない、えへ、えへへ」
「ふーん。でも、いくら母さんが「治療」したとはいえ、ハルカがそんな簡単におとなしくなるなんてなぁ。
「変身」もしてないのに…」
『ふふふ、それは…』
突然、彰と遥の頭の中に、ハルカの声が響き渡る。
「え?き、きゃああああああ!?」
刹那、遥の胸が赤く妖しく一瞬光り、体を無数の真っ赤な触手が包む。
遥の大事なところを突き刺し、責め上げ、縛り上げ、締め上げる。
数瞬の後、胸に「眼」を輝かせ、真っ赤な目隠し触手ボンデージ姿の、ハルカが登場した。
「はぁい、ご主人様ぁ?」
「ちょ、ちょっとお前、何で…ていうか、人目が―」
屋上なのでそれほど人がいるわけではないが、気づいた2,3人の目が点になっている。
「あら、ごめんあそばせ」
というと、体中の触手が再び舞い上がり、今度は遥の制服の中にしゅるしゅると入っていく。
そして顔もぐるぐる巻きにすると、一見、遥と全く変わらない姿になった。
ただし、制服の下は相変わらずボンデージだし、胸とお尻は妙にボリュームが増しているし、
何より、瞳が真っ赤になっている。『遥ちゃん』に擬態した、『ハルカ』がそこにいた。
443 淫魔と彼女 第三話 (2/16) sage 2012/09/09(日) 16:20:22.32 ID:u4DFpFcH
「ふふふ、改めまして、ごきげんよう。ご主人様」
「な、なんで、勝手に出てこれるんだ?」
「ふふふ。遥とワタクシは、『同化』したのですわ」
「な!?」
「遥がワタクシを受け入れ、ワタクシが遥を受け入れ。
2人の魂の距離が、ぐーーーーっと、近づいたのですわ。
今やワタクシにとって、遥はカワイイ生徒であり、カワイイ妹ですのよ」
「そ、そんな…」
『ハルカ』の『遥ちゃん』への干渉は、彰が最も避けたかった事態だった。
「おかげで、ワタクシはこの体で大変自由になりましたわ。
ほら、こんなこともできますのよ?」
『いやぁあああああああああああああ!!』
突然、遥の絶叫のような声が聴こえてきた。
「は、遥ちゃん!?」
「ふふふ。この触手スーツで責め抜かれ、いじめ抜かれている、遥の声ですわ。
心の距離が近づきましたのでね? お互い、いろいろコミュニケーションも取れるようになりましたのよ」
「そ、そ、そんな…」
『あはぁああん、ああああああん、いやぁあああああん』
「あーらあら、随分甘い声で鳴くようになったじゃありませんか。
遥ァ?貴方、もうこのスーツの責めをちゃんと受け入れてらっしゃるんじゃありませんこと?」
『ち、ちが、ちがいますぅ、あぁああああああん』
「ふふふ、この様子だと、レッスン2つばかり、スキップしてもよろしそうですわね?
…あ、あら?」
胸の「眼」が赤く光り、しゅるしゅると音を立てて赤い触手が縮んでいく。
現れたのは、一見先ほどと同じ姿だが、瞳の黒い『遥ちゃん』だった。
肩でぜーぜーと大きく息をしている。
「が、が、がっこうでは、やめてください、お姉さま…」
『は、なんとおっしゃいましたの?』
「ですから!学校ではやめてください、お姉さ…ま……あ……あきらくん……」
ハルカのことを「お姉さま」と呼ぶのをモロに彰に聞かれてしまい、耳まで真っ赤になる遥。
目が点になっている、彰。
『フフフフ。よくできる生徒を持って嬉しいですわ? 遥。
昨日は復習も熱心にしていたようですし?』
「ふ、ふくしゅうって、そんな…」
明らかに、昨日一人でやった触手オナニーを指していた。真っ赤っ赤で顔をうつむいてしまう、遥。
ここで、ある可能性に、気づく。
「あ、…っていうことは、まさか…お姉さま?!」
『フフフ。遥のお尻はよぉく「締まって」ますのね?フフフフフフ』
「ひ、ひ、ひどい…」
遥が涙目になる。
『ま、このように、ワタクシ気が向けば、いつでも馳せ参じることができるようになりましたので。
いつでも参りますわ、ご主人様。フフフフフ』
そして、ハルカの気配は消えた。
後には、呆然とする彰と、顔を真っ赤にして涙目の遥が残されていた。
444 淫魔と彼女 第三話 (3/16) sage 2012/09/09(日) 16:23:15.49 ID:u4DFpFcH
その日の、放課後。
あれから遥は、ハルカにまた何を悪戯されるだろうとビクビクしていたのだが、実際には何も起こらなかった。
もっと言うと、気配すら、感じることがなかった。
どうやらハルカは、それほど長い時間活動しているわけではないようだ。
なので安心して彰の元へ向かおう、と思った矢先、後ろから突然ヘッドロックを食らった。
「はるかー、ちょっと最近付き合い悪いんじゃねーの?」
「あ、絵理ちゃん…」
クラスメートの、深山絵理。遥の親友の一人だ。
さらに言えば、彰を遥に紹介した人物でもある。
「彰ばっかり相手にせず、たまにはオレたちとも付き合えよ?なー澪?」
「そうですね?私も最近、遥さんとあまりお話してませんし」
こちらは、同じくクラスメートで親友の、乃坂澪。
長身ポニーテールでアクティブな印象を受ける絵理とは対照的に、
澪は中背やや小柄で、腰上まである黒髪ロング、いかにもお淑やか、な印象を受ける。
まぁ、話してみると、中身はそこまでお淑やかでもないのだが。
「今から澪とファミレスでダベるからさ。遥も付き合えよ。な?
がーるずとーくしようぜ、がーるずとーく」
この押しの強さに、遥はいつも負けてしまう。
「う、うん、そうだね…」
「よぉし決まり!」
「おーい遥ちゃーん…あれ、絵理?」
「おーあきらー。はるか借りるぞー」
「あ、ああ…」
445 淫魔と彼女 第三話 (4/16) sage 2012/09/09(日) 16:25:17.31 ID:u4DFpFcH
「さて、さっそく今日の本題だけど…ヤッた?」
単刀直入すぎる絵理の質問にジュースを吹く遥。
「や、ヤッた、って…」
「決まってんじゃん彰とだよ!どうなんだよほら吐けよー」
「う、…うん」
遥の返事に、だあああ、と、大げさにシートの背もたれによりかかる絵理。
「やあっぱそうだよなー、ちょーっとここ最近おかしいなと思ったんだよなー」
「そ、そんなに、違った?」
「そりゃー違うって、なぁ澪?」
「そうですねぇ。ほんのりと色香がありました」
「そ、そう?私別に、服装とかも変えてないし、化粧とかも別に…」
「だーかーら、そういうのはフェロモンなんだよフェロモン!
ちっくしょー、いいよなー彰とのセックス最高なんだよなー」
遥が彰と付き合う前、絵理は彰と何度か関係を持っていた。
恋愛感情は互いに一切無く、彰は体…というより、精ほしさ、絵理は、単なる好奇心での関係だった。
そして、その関係を隠すこともしなければ、今カノの前で遠慮することもしなかった。
絵理は、とかく裏表なく、屈託なく、物怖じせず、そして好奇心旺盛。
性に奔放ではあるけれど、それも男好きとか遊び好きとかいう類のものではなく、
ひたすら旺盛な好奇心からくるものだった。
「で、どうだった?アイツのセックス」
「え、うん…す、すご、かった」
実際にはいろんな意味ですごかったのだが、絵理はそのうち1通りの意味で解釈した。
だああ、と、今度はテーブルに突っ伏す。
「だろー?あーあー、アイツがこんなに遥に惚れ込むとはなー。
遥と付き合って以来、なんか遥に操立ててぜんぜん相手してくれなくなっちゃったんだよなー。
こんなんなら遥のこと紹介しなきゃよかったぜー」
と、口ではこう言っているが、その実、ちょっと人見知りで内向的だった遥が、彰と付き合い始めて以降、
誰にも明るく笑うようになったので、紹介してよかったと思っていた。
そして、そんな事は遥も澪もよく知っているので、絵理の愚痴をにこにこしながら聞き流していた。
「なーはるかー、今度彰にヤラせてくれって頼んでくれねー?
アイツに比べると他の男は全然ダメでさー」
「絵理さん、さすがにそれを彼女に頼むのはやめましょうよ」
「なんでだよー澪、お前も彰にヤラせてもらえばわかるって。
いやむしろ、お前が積極的にヤラせてもらえよ。処女だろ?」
「そういう事をこんなところで大々的に言わないでください…」
目の前で絵理と澪の漫才が始まるのもいつもの光景だった。
彰と付き合い始めて確かに一緒にいる時間が減ったけれど、
やっぱりこの2人といるのは居心地がいいな、と遥は感じていた。
「そういや話変わるけどさー。今週末遊びに行かねー?」
446 淫魔と彼女 第三話 (5/16) sage 2012/09/09(日) 16:27:14.30 ID:u4DFpFcH
日曜日、隣町駅前。
若者向けのファッションビルにある1テナントに、遥と絵理はいた。
先約があった澪を除き、2人で服を買いに来ていた。
本当は遥も彰とデートしたいな、と思っていたのだが、絵理に押し切られていたのだった。
絵理は相変わらずショートパンツ系のボーイッシュな服を選択し、
遥は、その店では比較的おとなしめの、レースの付いたワンピースを選ぶ。
それぞれ、試着室で試着中だった。
遥は試着を終えてワンピースを脱いで、ふと、鏡に写る自分の姿を見る。
「そんなに…色香あるかなぁ…」
先日、澪には色香が出たと言われたが、自分では全く自覚できなかった。
色香というのは、お姉さま…ハルカのようなのを言うのではないのか。
いや、あれは色香が出すぎだとしても、今日一緒にいる絵理だって、相当色香がある。
サバサバした性格同様、服装もいつもボーイッシュなものを着ているのだが、それがまた、
彼女の長身で引き締まった体、胸こそそこそこだが、くびれた腰と長い足を
遺憾なくアピールしていて、いつも、女として絶対に勝てない、と思わせるのだった。
しげしげと、裸になった自分を見る。
赤い宝石の両側に盛り上がる胸は、相変わらず、貧相だ。お尻だってかわいいもんだ。
淫魔としては、やっぱり、問題じゃなかろうか。
ポーズを取ってみたり、胸を寄せてあげてみたり、する。
「私も、お姉さまみたいなナイスバディになれるのかなぁ…」
『あら、なりたいのですか?』
突如として、ハルカの声が聞こえた。
途端に、へそから真っ赤な触手が現れると、その先がカップ状に変形し、遥の右胸に吸い付く。
(ちょ!ちょ、ちょっとお姉さま―)
声を殺しながらハルカに抗議する遥。
『フフフ。胸を大きくするには、ひたすら揉まれて感じることですわ。
エロい気分になることで女は成長するのですよ』
触手が遥の胸を激しく刺激し始める。
カップが胸を吸引し、揉みしだき、乳首をつまみ、表面を撫で回す。
(いや、ちょ、あっ、あぁぁん)
声が出るのを必死に我慢して、耐える遥。
へそからの触手が、先で遥の胸を虐めながら、自身を見せつけるかのように遥の目の前でニョロニョロと蠢いている。
と、そこへ。
「おーいはるかー、遅いぞー何やってんだー?」
試着室にノックもせず、絵理が入ってきた。
447 淫魔と彼女 第三話 (6/16) sage 2012/09/09(日) 16:29:20.14 ID:u4DFpFcH
「あれ?遥、それ―」
刹那、触手が遥の胸から離れ、絵理に襲いかかる。
ぐるぐる巻きになる、絵理。
触手の先が、絵理の口の中に突っ込まれる。
「ふぐ、むぐ、うぐ」
「お、お姉さま!?」
『ひとまず、妖液を前後不覚になるほど飲ませてやりますわ』
「そ、そんなことしたら、絵理ちゃんが」
『良くて廃人ですわね?まぁそのときは、めいっぱい精を絞りとってやりますわ』
「そ、そんな、ダメ!」
遥が自身の力を振り絞って、触手を制御し、制止しようとする。
そのおかげで、一瞬だけ、絵理を縛り上げていた触手が、緩む。
そのスキを見逃さず、絵理は両手をぐるぐる巻きの拘束から振りほどくと、口に入り込んでいる触手を手で引っ張りだした。
「ちょ、ちょっと、タンマ―」
触手と格闘しながら、声を張り上げる、絵理。
ハルカ含め、全員の時間が、止まる。
「…これ、触手か?」
訊く、絵理。
「…うん」
答える、遥。
しばしの、沈黙。
「…す」
沈黙を破る、絵理。
「すっげーーーーーーーー!」
「え゛?」
予想外の絵理の反応に、遥が固まった。
448 淫魔と彼女 第三話 (7/16) sage 2012/09/09(日) 16:31:33.07 ID:u4DFpFcH
店員が駆けつける前にショップを抜けだした絵理と遥は、ファッションビル最上階にある、喫茶店に入った。
比較的人のいない角の席を陣取る。
絵理はもう、触手に興味津々であった。
「そうかー彰って淫魔だったのかー。
そりゃセックスが上手いわけだよなー人間離れしてたもんなー」
「ちょ、ちょっと、声おっきいよ…」
「で、彰とセックスしたら、遥も淫魔になっちゃったわけ?」
「う、うん、そう、みたい…」
「えーオレ何回もしてるけど、ならなかったぞ?」
「ああ、私、初めてだったし…」
「ふーん。まぁアイツも、初めて自分が惚れた女だったから、手元が狂ったってとこかなー」
ぼかして答えた遥だったが、絵理は一発で正解を言い当てた。
「で、その、使い魔?って、オレもなれんの?」
「え、な、なりたいの?」
「うん、興味ある。オレも触手欲しい」
「そ、そう、なの?」
「無理なのか?」
「…うんと、ホントは使い魔はおばさまに禁止されてて、
私は許してもらえたみたいなんだけど、2人めはダメって、言われたみたい、彰くん」
「そっかー…」
がっくりと肩を落とす絵理。しかし、立ち直りも早い。
「じゃあ、触手だけもらうって、できねーの?」
「え?そ、それは、よく、わからない、かも…」
「うーん、いっちょ彰に直接頼んでみるかー」
「あら、できますわよ?」
「…え?」
ふと遥の方を見直すと、そこにいる女性の顔かたちは確かに遥だったが、その他のものが明らかに変わっていた。
匂い立つほどに漂う淫靡なオーラと、妖艶な体つき。何より、瞳の色が、真っ赤になっていた。
「…えーと?」
「話は聞かせていただきましたわ。
貴方、ご主人様とセックスのご経験がおありになるようですね?」
「ご、ご主人様、って?」
「須見彰さまのことです」
「あ、ああ、何度か…」
いまいち状況がつかめず、相手の雰囲気に気圧される、絵理。
その姿を、ハルカは上から下まで睨めつけ、チェックしていた。
「ふん、ご主人様の食料だった女ですのね。遥の練習相手に、丁度いいかもしれませんわ」
「し、食料?練習?」
「こちらの話でございますわ。そうですね、触手をお分けしても、よろしいですわよ?」
「ほ、本当か?」
「ええ、そのために―」
小首をかしげて、遥の姿をした妖艶な女は、ニタァ、と笑う。
「どこかこの辺で、セックスできる場所は、ございますかしら?」
449 淫魔と彼女 第三話 (8/16) sage 2012/09/09(日) 16:34:21.05 ID:u4DFpFcH
ファッションビルのある通りから、少し裏手に入って坂を上がった、ラブホテル街。
その中の1つに、絵理と遥がやってきていた。
「こういうとこ、初めてか?遥」
「う、う、うん…」
「そっかー。まぁ、オレも女の子と来んのは初めてだけどなー」
「でも、さすがに、よく知ってるんだね」
「まぁな。ここは内装とかサッパリしててオレ好みだし。
あと、盗撮とかも比較的安全らしいしな」
「と、と、盗撮?」
「あー。こういうとこ、多いんだよ。隠しカメラとかさ。
まぁオレは普段は別に気にしないけど、さすがに触手を盗撮されんのはまずいだろ?」
ふえー、と、自分の知らない世界の話に、遥はただただ気圧された。
「とりあえず、オレ先にシャワー浴びてくっから。
その間に、その、『ハルカ』さん、だっけ? よくレクチャーしといてもらってくれよ」
「う、うん」
遥は再びハルカと入れ替わった後、絵理とセックスして触手を寄生させるよう、命じられていた。
『フフフ。これが次のレッスンですわ。ワタクシがあらかじめ手順を教えますし、
最中も逐一指導しますから、貴方の手でその女を堕としなさい。
貴方自身の、使い魔としての初仕事ですわ』
遥にとっては、3重の意味で気が重かった。
1つは、何もかもがまったくの「初仕事」であること、
もう1つは、大事な親友の絵理に、触手を植え付けないといけないこと、
そしてもう1つは…特に恋愛感情もない相手とセックスしなければならないこと、である。
なぜこんな事になってしまったんだろう、と今の状況を呪いつつも、
すべては絵理が望むことだから…と、何とか自分を奮い立たせようとしていた。
450 淫魔と彼女 第三話 (9/16) sage 2012/09/09(日) 16:37:13.30 ID:u4DFpFcH
2人ともシャワーを浴びてバスローブ姿になり、ベッドの上で仲良く並んでいる。
胸の宝石を絵理に見せたりしていたので、遥の前は既にはだけている。
「で?まず何すんの?」
「あ、待って。まず、触手を、出すね…うっ、う、ぁあああん!」
遥は力を込めると、へそから真っ赤な触手を出した。
「…こうして改めて冷静に見ると、あんま迫力ないね、これ」
「えっ、そ、そう?」
「うん。もっと太くてゴツゴツしてんのかと思ってた」
「あ、他の人のはそうかもしれないけど、私のは…」
「はーなるほどね。確かに、遥っぽいなーこれ」
ぷぷっ、と絵理に笑われ、遥はちょっと不服そうに拗ねた顔をする。
「で、次は?」
「あ、えっと…この先から出る液体を、飲んでほしい…」
「そうなのか?いいぜーほら、くわえるから、出してくれ」
はむっ、と触手の先を咥えられ、快感が遥の体を伝う。
しかし、先日のオナニーの時とは違い、自身に液を含んでもいなければ、
置かれた状況にすっかり気後れしてしまっているので、なかなか自分を昂らせることができなかった。
「ほーりらの?」
くわえながら絵理が訊く。
「あ、あの、液を出すには、私自身が、気持ちよくならないと、いけないんだけど…」
「あー」
といって、一旦口から触手を出す絵理。
「なるほど。要は遥をイカせりゃいいんだな?」
「そ、そうかも、しれない…」
「わかった。何か立場が逆な気もしないでもないけど、任せとけ。
オレが目一杯イカせてやる」
そういうと、突然絵理が、遥に襲いかかった。
バスローブの下に手を差し込み、遥の体中をさわさわと優しく愛撫する。
「えっ!?う、うそ、き、気持ち、いぃ…あはぁん」
いつの間にやらバスローブを剥かれて後ろに回り込まれる。
後ろから耳やうなじを舐められ、胸をやさしく揉まれ、下腹部を撫でられる。
親友相手とか同性相手とか、そんなことを一瞬で忘れさせられるくらい、気持ちが良かった。
「え、絵理ちゃん、うますぎ…」
「まーな。…で、もしかしてここも感じるのか?」
と、へその下から、しゅっ、と右手の3本の指の腹で撫で上げ、そのまま、触手を柔らかく握って下から上に擦る。
「は、ぁあああん!」
「なるほど。これも性感帯か。男のアレと同じかな。
ふふん。コレはコレで慣れてるぜ」
というと、握っていた右手をそのまますーっと触手の先端までスライドさせ、そのまま先端を自分の口元で運んだ。
今度はいきなり咥えず、ちょろちょろと先や棹を舌先で舐め、虐める。
「う、うぅ?!」
体を大きくくねらせる、遥。
「へへ、男と女が両方味わえて、二度楽しいって感じだな」
そのまま、右手と口で男性器を責め立てるようにして触手をいじめ、左手はひたすら遥の女性としての体を刺激する。
「あ、イク、あっ、ああっ、あああん!」
こうして、数分のうちに遥はイカされ、触手を通じて絵理の口内に大量の液を放った。
絵理は、一滴も逃すまい、と、そのすべてを咽下した。
451 淫魔と彼女 第三話 (10/16) sage 2012/09/09(日) 16:39:15.53 ID:u4DFpFcH
「へへ、飲んだぜー。男のと違って甘いんだな。
で、次はどうす…うぁ?」
突然、絵理の中を快感の奔流が襲う。
全身がかつてないほど熱くなり、アソコが疼いてたまらなくなる。
見ると、やや内股になったその根元から、大量に潮が噴き出している。
「こ、これは、キョーレツ、だわ…た、たまんねぇ」
絵理の顔はすっかりとろけて、フラフラし始める。
「…で、次は?」
「そ、その…絵理ちゃんを、もっともっと、気持よくしないと、いけないんだけど…」
「遥が、気持よく、してくれんの?」
「う、うん、だけど…」
よく考えると、遥は今までセックスで他人をリードしたことなどなく、
なので、相手を気持ちよくする方法が全然わからなかった。
「ど、どうしよ…あっ!?」
突然、一本の触手が飛び出して頭の周囲を周り、真っ赤なボンデージ風アイマスクとなり、遥の両目をすっぽりと覆う。
そして、胸の「眼」に光が宿り、ギョロギョロと周囲を見回す。
『じれったくて見ていられませんわ。貴方の意識を最低限残したまま、体はすべてワタクシが操作しますから、
貴方はすべてを体で覚えなさい』
「…はい、お姉さま」
「…な、なんか、雰囲気、変わった…な」
絵理にはハルカの声は聞こえていないので、遥が誰に返事しているのかわからなかったが、
突然、遥が操り人形のようになってしまったのはよくわかった。
次の瞬間、絵理の体を、遥の体を乗っ取ったハルカが押し倒す。
絵理の両手を自身の両手で押さえこむと、そのまま唇を重ね、舌で絵理の口内を蹂躙する。
(ちょ、キ、キス、うますぎ、だろ―)
すっかり蕩かされる、絵理。
『キスはこのようにするのです。わかりましたね?』
遥は、絵理から唇を離すと、
「…はい、お姉さま」
と、ロボットのように、つぶやく。
そのまま、ハルカは遥を教育しながら、絵理の体を髄までしゃぶりつくす。
『乳首の上で舌はこう転がすのです。わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『脇と背中はこうやって愛撫するのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『へそには舌をこう這わせるのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『脚と臀部にはこうやって触手を這わせるのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『会陰には指をこう伝わせるのですよ、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『クリトリスはこうやって剥くのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『Gスポットへの刺激はこのようにするのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『アナルから前立腺への刺激はこのようにするのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
先ほど、遥に何もさせずに遥を蹂躙した絵理だったが、今度は自分が全く何もできないまま、
ひたすら、操り人形となった遥に蹂躙され、イカされまくった。
452 淫魔と彼女 第三話 (11/16) sage 2012/09/09(日) 16:41:23.14 ID:u4DFpFcH
「や…ヤバいな、これ…マジで…飛びそう…全然体が…言うこと…きかねえ…」
絵理は度重なる絶頂の末、意識が朦朧としていた。
ベッドの上で仰向けになって、体をヒクつかせながら、荒い息をしている。
と、そこへ。
遥のうなじから一本だけ、真っ赤な毛が生えてきた。
いや、それを毛と呼んでいいのかはわからない。
遥が持つ他の黒髪と比べても2周りは細く、ほとんどの人間は近くにいても気づかないだろう。
そして普通の毛との最大の違いは、自身が意思を持つように、動くことだった。
それは遥も気づかないうちにしゅるしゅると伸び、空気中をさまよう。
その先端はゆっくり、遥の右耳の後ろを抜け、大きく空気中を迂回しながら、
ぐるっと大回りした挙句、絵理の左耳に、本人も気づかないうちに、すーっと入っていった。
しばらくした後、絵理の耳元で、ぷつん、と、切れる。
すると、「毛」は再び縮み、最終的に、遥のうなじの中へと吸い込まれた。
一方、耳元に残った方の断片は、くるくると絡まり、絵理の耳の中へ消えていった。
『いいですか?今から絵理と『契約』をします』
「…はい、お姉さま」
『ワタクシが耳元でお前に文言を1つ1つ教えますから、一字一句違わず、そのまま、復唱なさい』
「…はい、お姉さま」
「で、は、はるか、つぎは、どうす―あ、あれ?」
キィン、という耳鳴りが左耳の方でしたかと思うと、頭の中で何か、ぷつん、という音がした気がする。
「あ…」
絵理の頭が突然、糸の切れたパペットのように、がくん、と、後ろに反れた。
そして、その双眸から、光が失われた。
「『契約』を、します」
「…はい」
二人は全く感情のこもらない声でそう会話を交わす。
絵理はその場で膝立ちになり、少し足の間を広げると、頭の後ろで両手を組んで正面を向いた。
そして、遥はその絵理の真正面に立ち、絵理の顔を見下げると、その額の中央に、右手の人差し指と中指をおいた。
そして、二人が再び、全く感情のこもらない調子で、言葉を交わし始めた。
453 淫魔と彼女 第三話 (12/16) sage 2012/09/09(日) 16:43:14.53 ID:u4DFpFcH
「私の名は、佐久遥。深山絵理の、絶対なる、主」
「私の名は、深山絵理。佐久遥の、忠実なる下僕にして、奴隷」
「私は、我が忠実なる奴隷、深山絵理の、体と魂すべてを所有し、未来永劫、支配します」
「私は、我が絶対なる主、佐久遥に、体と魂すべてを差し出し、未来永劫、服従します」
「深山絵理にとって、私の命令は、絶対。抗うことは許しません」
「私にとって、ご主人様の命令は、絶対。抗うことは許されません」
「では我が奴隷、深山絵理よ。私に向かって恥辱なる隷属の姿勢を取りなさい」
「はい、ご主人様」
遥は絵理の額に当てた指を、軽く押す。
そのまま絵理は後ろにゆっくりと倒れ、仰向けになると、
左右の足首を左右の手で握り、高く持ち上げ、足を大きく開いた。
ヴァギナもアナルも上を向き、立ったままの遥から丸見えである。
すると遥はその場で膝立ちになり、少し足の間を開くと、
へそから伸びている触手の先端を、絵理のヴァギナの上に置いた。
「私は今から、深山絵理を支配する証として、我が子種を、深山絵理の子宮に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が子宮に頂きます」
「我が子は深山絵理と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願いします、ご主人様」
すると、絵理のヴァギナの上に置かれた触手が蠕動し、そのまま先端を、ヴァギナの中へ潜らせていった。
更に―
『ふふふ、これは、サービスですわ』
遥のアナルから、約2センチ径のきれいな円筒形をした触手が伸び始める。
そして、弧を描くような軌道を進み、絵理のアナルに、ブスリ、と、刺さった。
454 淫魔と彼女 第三話 (13/16) sage 2012/09/09(日) 16:45:11.95 ID:u4DFpFcH
『さて。後は、その2本の触手が勝手に進めてくれますわ。あとは2人で仲良く、子を与え、授かる悦びを味わいなさい』
「…はい、お姉さま…あ」
と、遥の目を封じていた触手がしゅるしゅると収まり、胸の「眼」から光が消える。
同時に、絵理の目にも光が戻る。
「ぷっはー!」
絵理は、解放されたといわんばかり、両足首を握っていた手を離し、そのまま大の字になる。
その足の間で、遥は『契約』最中と変わらない体勢で、両膝で立っている。
2人は、2本の触手でつながれている。
ようやく、2人は親友同士の会話を始めた。
「はぁ…すごかったー!何だ今の。ハルカさん?」
「うん…私がダメダメだから、途中から手伝ってくれたの」
「そっかー。いやー、テクは上手いしエロいし、オレマジで、イキすぎて死ぬかと思った。
まだ体が全然言うこと聞いてくれねーし…
それに最後のはちょっと、迫力あったよなー。まるで悪魔の儀式って感じだった」
「ま、まぁ、まるでっていうか、本物なんだけどね…」
「いやぁ、なかなか面白いもん体験できたよ。…ところで、これから、どうなんの?」
「うん、後は2本の触手が勝手にやってくれるから、楽しめ、みたいなこと言ってた」
「へぇ、でも特に何も… う、うぅ?」
「あ、はぁ、あん?」
突然、びくん、びくん、と遥のへその触手が、脈動を始めた。時を刻むように、正確に、1秒ごとに。
「あぅ、はん、はぁ」
「ふっ、…な、なんか、オレの中に、うんっ、液が、入って、くるんだ、けど?」
「な、「苗床」、だって、あふん」
「な、なにそれ?うっ」
「しょく、触手を、育てる、ところ、あふっ」
「な、なるほど、ここの、触手は、そのための、『ポンプ』って、わけだ、ぁはぁっ」
絵理の言うとおり、へその触手が機械仕掛けのポンプの役割を果たしていた。
一秒ごとに、苗床の形成に必要な液を、遥のへそから搾り取り、絵理の子宮に放出していた。
そしてそれは、遥の「射精」の快感を、絵理に伝える役目も果たしていた。
「じゃ、じゃあこの、アナルの、やつは?」
「さ、『サービス』、だって、あんっ」
「はははっ、はっ、ハルカ、さんって、ど変態、だなぁ」
アナルの触手はもう1つの「ポンプ」だった。
液が放たれるたびに絵理がアナルの触手を締め付けることで、絵理にアナルを締め付ける快感と、
遥がアナルに締め付けられる快感を与えていた。
そしてこれは、絵理の「受精」の快感を、遥に伝える役目も果たしていた。
その後しばらく、会話するのも辛くなってきた2人は、
一秒ごとに来る快感に、やはり一秒ごとに、ただひたすら、甘い喘ぎ声で応えた。
それはまるで、喘ぎ声で一秒の刻みを教える、
2人の少女をポンプでつないでできた、生きた時計だった。
455 淫魔と彼女 第三話 (14/16) sage 2012/09/09(日) 16:47:19.56 ID:u4DFpFcH
何分経っただろうか。
ただひたすら膝立ちで立ち尽くし、快感に耐えている遥に対し、
その遥にむかって大きく股を開きながら、ベッドに寝そべって2本の触手を股間に穿たれている絵理は、
長くしなやかな肢体と引き締まった体で、その快感を存分に享受しようと、
腰をくねらせ、背中をそらせ、ベッドの上で艶かしいダンスを踊っていた。
そんな絵理は、今まで同性に特別な感情など持ったことのなかった
遥にとっても十分にエロティックで、心奪われるほどに魅力的だった。
「…なぁ、ご主人様」
「…遥で、いいよ」
「ははっ、じゃあ、遥…
動けるか?」
「うん、わ、私は、大丈夫…」
「そっか。オレまだ全然ダメだ…ぁあん…
なぁ、こっち来いよ。キス、しようぜ」
「…うん」
遥は 、『契約』後初めて体を動かした。
長身の絵理に近づくため、絵理の脚をまたぎ、絵理の腰の上にまたがると、
そのまま四つんばいに覆いかぶさり、絵理の両肩の横に自分の両手を置いた。
絵理はゆっくり、遥の首筋に手を回す。
「へへ、なんか、遥に抱かれてるって感じがする。
遥とこんなことするなんて、なんか不思議な気分」
「うん、私も。絵理ちゃんと、こんなエッチなこと、するなんて…不思議」
そういうと、2人はそのまま顔を近づけ、長く、優しいキスをした。
その間も、触手は1秒毎に2人を戒め、その快感が唇越しの吐息となって、互いに共有された。
「なぁ、オレの上に寝そべってさ、肌くっつけようぜ。
何か…気持ちよさそうな気がする」
「うん」
遥は少し後ずさりし、絵理の胸に自分の胸が合わさる辺りで、少しずつ、絵理の体の上に自分の体をぴったり重ねていった。
ちょうど、遥のへそから伸びた触手は2人の腹でサンドイッチにされる。
そして遥のクリトリスの下を抜けた後、絵理のクリトリスの上を通って、ヴァギナに到達していた。
触手の脈動が、ダイレクトに2人に伝わるようになった。
「ほんとだ、これ、気持ちいい…
絵理ちゃんが感じてるのが、すごく、わかる…」
「オレも、遥が感じてるのが、ダイレクトに、わかる、んはぁあっ」
時計の部品だった2人の少女は、こうしてぴったりと融合し、一匹の、時を刻む雌の獣になった。
456 淫魔と彼女 第三話 (15/16) sage 2012/09/09(日) 16:49:11.63 ID:u4DFpFcH
ふと、触手の脈動が、止まった。
「…いよいよ、ってこと?」
「そう、みたい…あ、あぁ、あはぁ?」
急に、遥が絵理の上で背中をのけぞらせる。
「う、生まれる、のか?」
「な、なんか、そう、みたい、おへその、ところが、すごい…うふぁぁあああああ!!!」
ボコン、と、へその触手の根元のところが、拳大に膨れ上がる。
ゆっくりと、先に向かって移動する。
遥は体の力が抜けて、くたっ、と絵理の上に再び寝そべる。
触手の膨らみが、再び2人のお腹でサンドイッチされて、ダイレクトに2人に伝わる。
「ちょちょ、ちょっと、これ、でかいな、おい」
「はぁ、はぁ、そ、そう、だね」
「…最後に大試練、かよ。参ったな」
と言いつつ、遥の腰に手を回して自分の腹に押し付ける、絵理。
「え?絵理ちゃん?」
「せっかくだからさ、今から最後まで、ずっと2人で感じようぜ」
そういう間に、膨らみは少しずつ、2人の下腹に差し掛かる。
まず、遥のクリトリスを押し上げ、ヴァギナの上をなぞった。
「ひゃああああん!」
次に、絵理のクリトリスを押し下げ、ヴァギナの口まで、到達し、中に、入る。
「んふぁあああっ!あふっ、ぐっ、ぐぉっ、ぐぁあああああああ!!」
最後に、遥の触手から、放たれる。
「あ、出るっ、ふぅん、くっ、イク、うううっ!!」
ボトリ、と、絵理の子宮に、落ちた。
同時に、すべての処理が終了した、とばかり、2本の触手が絵理から自動的に引きぬかれ、遥の中に還っていく。
「はぁ、はぁ、これで、終わり、か?
…う、うっぁあああ?!」
突如、真っ赤な軟体生物が絵理の膣口から溢れ出す。
そのまま、ヴァギナとクリトリスの表面を覆い、うねうねと、蠢いている。
「こ、これが、触手、なのか?
な、なんか、動いてるし、ちょ、中で、暴れてるし、くぅ…」
「えっと、これ、幼生で、一晩で成体まで大きくなるって」
「ま、マジかよ、もっとでかくなんのか、これ…」
458 淫魔と彼女 第三話 (16/16) sage 2012/09/09(日) 16:52:48.20 ID:u4DFpFcH
次の日の学校、1時間目の後の、休み時間。
事情を遥から聞かされた彰は、人払いをした上で、体育館の倉庫に、絵理を連れてきてもらった。
遥に入り口で見張りを頼むと、絵理を奥に連れて行って座らせ、スカートをまくった。
仰天する、彰。
絵理の股間を、「触手パンツ」とでも言うべき、真っ赤な触手の塊が覆っていた。
昨日、クリトリスとヴァギナを表面上覆っているだけだったそれは、更にもっこりと膨れ上がり、腰をぐるっと巻き込んでいた。
更に会陰部から、お尻の割れ目に食い込むように、アナルの上を通って尾てい骨の下までを覆い、
そこから伸びた細い触手が、太ももの付け根にいくつも巻きついていた。
そしてその上から、ちょうどクリトリスから生えたと思しき極太の触手が、大きな男性器のようにぶらさがり、
股下までぐるっと回り込んでいた。全体がうにょうにょと蠢いて、どうしようもなく禍々しい。
「いやぁぁ触手ってすっげぇなぁぁ…あきらぁ…」
「絵理…すっかりヤられてるよお前…
しかもこれ、子種まで作れるようになってるし、こんなの母さんに見つかったらただじゃ…
いや、それどころじゃない。下手すると、退魔師に皆殺しにされるよ、俺ら」
そして、もしそうなった場合、真っ先にやられるのは、遥だ。
はぁ、とため息をつく、彰。
「…取るよ?」
「えぇぇ何いってんだよぉ…せっかく生やしてもらったのにぃ…」
「だって、これで普段どうやって生活すんのさ」
「まぁぁ…これ毎日は…キツイかもなぁ…へへへ
…いやぁ、でもぉ、もう一日とかぁ…」
「お前本当にどうしようもないな…もう諦めろよ…」
「嫌だぁぁぁ」
取る、取らないのやりとりがさんざん続いた結果、彰が根負けした。
「わかったよ。じゃあ、残しといてあげる」
「ホントか!?」
「うん、でも、これは強力すぎるから、ちょっと、妖力吸収して、能力下げる」
彰は男性器のようにぶら下がってる一本を手に取ると、ぎゅ、と握りしめた。
みるみるうちに「触手パンツ」は小さくなり、下半身を覆っていた殆どの部分が消え去る。
結局、彰が握っていた一本だけが残り、その一本も、しなびたキュウリのようになる。
彰が手を離すと、絵理のクリトリスから、でろん、とぶら下がった。
「…なんか、しおれちゃったんだけど」
「当面の間、勝手に動くことはなくなったけど、絵理の意思で動かせるし、大きさも太さも変えられるし。
まぁ、初心者向け、としては、ちょうどいいんじゃない」
ふぅん、と最初はつまんなそうにしていた絵理だったが、触手を動かしてみているうちに、ちょっとずつ楽しくなってきたらしく、
振り回したり、大きくしたり小さくしたり、伸ばしたり縮ませたり引っ込めたりして遊びはじめた。
「…まぁ、それは家帰ってからいつでもできるしさ。そろそろ授業戻ろうよ」
「うん、そうだな」
さっきまで触手に嬲られてとろけきっていた絵理は、すっかり元の快活な絵理に戻っていた。
「あ、彰! 遥!」
授業に戻ろうとしている2人に、絵理が後ろから声をかけた。
「せっかくオレにも触手生えたんだしさ。また一緒にヤろうな!今度は3人で!」
すっかり呆れた表情をする彰と、顔を真っ赤にしている遥に向かって、
絵理は、嬉しくてたまらない、といった表情で、笑った。
「もう、体調は平気?」
「うん、ありがとう、彰くん」
学校の昼休み、彰と遥は、屋上で一緒に御飯を食べていた。
「例の悪夢のあとで昨日休んじゃうから、心配したよ」
「うん。昨日はたまたま、ちょっと疲れが出ただけ…かな。えへへ」
実際は、自分で生やせるようになった触手で一日中オナニーに耽っていたのだが、そんなことは一言も言えるはずがなかった。
「それより、彰くんも大丈夫だった?昨日お話できなかったけど、
おばさま、本当は使い魔禁止だったんでしょ?その、私…」
「大丈夫。遥ちゃんのことは、許してもらえた」
「ほ、ホント?」
「うん。『あんないい娘なかなかいないから、大事にしろ』って」
「え、えへへ…」
「まぁ、メッチャクチャ叱られたけどね。下手くそとか甲斐性なしとかガキのくせにサカリやがってとか」
「それ…叱られたって、言うの?」
「それに、一晩中殴られた」
「うわぁ…」
「あと、『2人めは絶対ダメ』って。お前にはまだ無理、って」
「そ…そう」
遥にとって、使い魔であることは「本命の証」なので、別の意味で、増やしてほしくはなかった。
「そういや母さんからも聞いたけど、もう、悪夢は見なくなったの?」
「うん、おばさまのおかげ。一昨日はハルカさん出てきたけど悪夢じゃなかったし、昨日は全然夢見なかった」
「そっかー、良かったね!」
「うん。次はどんなスゴイ事されるんだろうと思ってたんだけど、ちょっと期待はずれ―」
「え?」
「あ、いやいや、何でもない、えへ、えへへ」
「ふーん。でも、いくら母さんが「治療」したとはいえ、ハルカがそんな簡単におとなしくなるなんてなぁ。
「変身」もしてないのに…」
『ふふふ、それは…』
突然、彰と遥の頭の中に、ハルカの声が響き渡る。
「え?き、きゃああああああ!?」
刹那、遥の胸が赤く妖しく一瞬光り、体を無数の真っ赤な触手が包む。
遥の大事なところを突き刺し、責め上げ、縛り上げ、締め上げる。
数瞬の後、胸に「眼」を輝かせ、真っ赤な目隠し触手ボンデージ姿の、ハルカが登場した。
「はぁい、ご主人様ぁ?」
「ちょ、ちょっとお前、何で…ていうか、人目が―」
屋上なのでそれほど人がいるわけではないが、気づいた2,3人の目が点になっている。
「あら、ごめんあそばせ」
というと、体中の触手が再び舞い上がり、今度は遥の制服の中にしゅるしゅると入っていく。
そして顔もぐるぐる巻きにすると、一見、遥と全く変わらない姿になった。
ただし、制服の下は相変わらずボンデージだし、胸とお尻は妙にボリュームが増しているし、
何より、瞳が真っ赤になっている。『遥ちゃん』に擬態した、『ハルカ』がそこにいた。
443 淫魔と彼女 第三話 (2/16) sage 2012/09/09(日) 16:20:22.32 ID:u4DFpFcH
「ふふふ、改めまして、ごきげんよう。ご主人様」
「な、なんで、勝手に出てこれるんだ?」
「ふふふ。遥とワタクシは、『同化』したのですわ」
「な!?」
「遥がワタクシを受け入れ、ワタクシが遥を受け入れ。
2人の魂の距離が、ぐーーーーっと、近づいたのですわ。
今やワタクシにとって、遥はカワイイ生徒であり、カワイイ妹ですのよ」
「そ、そんな…」
『ハルカ』の『遥ちゃん』への干渉は、彰が最も避けたかった事態だった。
「おかげで、ワタクシはこの体で大変自由になりましたわ。
ほら、こんなこともできますのよ?」
『いやぁあああああああああああああ!!』
突然、遥の絶叫のような声が聴こえてきた。
「は、遥ちゃん!?」
「ふふふ。この触手スーツで責め抜かれ、いじめ抜かれている、遥の声ですわ。
心の距離が近づきましたのでね? お互い、いろいろコミュニケーションも取れるようになりましたのよ」
「そ、そ、そんな…」
『あはぁああん、ああああああん、いやぁあああああん』
「あーらあら、随分甘い声で鳴くようになったじゃありませんか。
遥ァ?貴方、もうこのスーツの責めをちゃんと受け入れてらっしゃるんじゃありませんこと?」
『ち、ちが、ちがいますぅ、あぁああああああん』
「ふふふ、この様子だと、レッスン2つばかり、スキップしてもよろしそうですわね?
…あ、あら?」
胸の「眼」が赤く光り、しゅるしゅると音を立てて赤い触手が縮んでいく。
現れたのは、一見先ほどと同じ姿だが、瞳の黒い『遥ちゃん』だった。
肩でぜーぜーと大きく息をしている。
「が、が、がっこうでは、やめてください、お姉さま…」
『は、なんとおっしゃいましたの?』
「ですから!学校ではやめてください、お姉さ…ま……あ……あきらくん……」
ハルカのことを「お姉さま」と呼ぶのをモロに彰に聞かれてしまい、耳まで真っ赤になる遥。
目が点になっている、彰。
『フフフフ。よくできる生徒を持って嬉しいですわ? 遥。
昨日は復習も熱心にしていたようですし?』
「ふ、ふくしゅうって、そんな…」
明らかに、昨日一人でやった触手オナニーを指していた。真っ赤っ赤で顔をうつむいてしまう、遥。
ここで、ある可能性に、気づく。
「あ、…っていうことは、まさか…お姉さま?!」
『フフフ。遥のお尻はよぉく「締まって」ますのね?フフフフフフ』
「ひ、ひ、ひどい…」
遥が涙目になる。
『ま、このように、ワタクシ気が向けば、いつでも馳せ参じることができるようになりましたので。
いつでも参りますわ、ご主人様。フフフフフ』
そして、ハルカの気配は消えた。
後には、呆然とする彰と、顔を真っ赤にして涙目の遥が残されていた。
444 淫魔と彼女 第三話 (3/16) sage 2012/09/09(日) 16:23:15.49 ID:u4DFpFcH
その日の、放課後。
あれから遥は、ハルカにまた何を悪戯されるだろうとビクビクしていたのだが、実際には何も起こらなかった。
もっと言うと、気配すら、感じることがなかった。
どうやらハルカは、それほど長い時間活動しているわけではないようだ。
なので安心して彰の元へ向かおう、と思った矢先、後ろから突然ヘッドロックを食らった。
「はるかー、ちょっと最近付き合い悪いんじゃねーの?」
「あ、絵理ちゃん…」
クラスメートの、深山絵理。遥の親友の一人だ。
さらに言えば、彰を遥に紹介した人物でもある。
「彰ばっかり相手にせず、たまにはオレたちとも付き合えよ?なー澪?」
「そうですね?私も最近、遥さんとあまりお話してませんし」
こちらは、同じくクラスメートで親友の、乃坂澪。
長身ポニーテールでアクティブな印象を受ける絵理とは対照的に、
澪は中背やや小柄で、腰上まである黒髪ロング、いかにもお淑やか、な印象を受ける。
まぁ、話してみると、中身はそこまでお淑やかでもないのだが。
「今から澪とファミレスでダベるからさ。遥も付き合えよ。な?
がーるずとーくしようぜ、がーるずとーく」
この押しの強さに、遥はいつも負けてしまう。
「う、うん、そうだね…」
「よぉし決まり!」
「おーい遥ちゃーん…あれ、絵理?」
「おーあきらー。はるか借りるぞー」
「あ、ああ…」
445 淫魔と彼女 第三話 (4/16) sage 2012/09/09(日) 16:25:17.31 ID:u4DFpFcH
「さて、さっそく今日の本題だけど…ヤッた?」
単刀直入すぎる絵理の質問にジュースを吹く遥。
「や、ヤッた、って…」
「決まってんじゃん彰とだよ!どうなんだよほら吐けよー」
「う、…うん」
遥の返事に、だあああ、と、大げさにシートの背もたれによりかかる絵理。
「やあっぱそうだよなー、ちょーっとここ最近おかしいなと思ったんだよなー」
「そ、そんなに、違った?」
「そりゃー違うって、なぁ澪?」
「そうですねぇ。ほんのりと色香がありました」
「そ、そう?私別に、服装とかも変えてないし、化粧とかも別に…」
「だーかーら、そういうのはフェロモンなんだよフェロモン!
ちっくしょー、いいよなー彰とのセックス最高なんだよなー」
遥が彰と付き合う前、絵理は彰と何度か関係を持っていた。
恋愛感情は互いに一切無く、彰は体…というより、精ほしさ、絵理は、単なる好奇心での関係だった。
そして、その関係を隠すこともしなければ、今カノの前で遠慮することもしなかった。
絵理は、とかく裏表なく、屈託なく、物怖じせず、そして好奇心旺盛。
性に奔放ではあるけれど、それも男好きとか遊び好きとかいう類のものではなく、
ひたすら旺盛な好奇心からくるものだった。
「で、どうだった?アイツのセックス」
「え、うん…す、すご、かった」
実際にはいろんな意味ですごかったのだが、絵理はそのうち1通りの意味で解釈した。
だああ、と、今度はテーブルに突っ伏す。
「だろー?あーあー、アイツがこんなに遥に惚れ込むとはなー。
遥と付き合って以来、なんか遥に操立ててぜんぜん相手してくれなくなっちゃったんだよなー。
こんなんなら遥のこと紹介しなきゃよかったぜー」
と、口ではこう言っているが、その実、ちょっと人見知りで内向的だった遥が、彰と付き合い始めて以降、
誰にも明るく笑うようになったので、紹介してよかったと思っていた。
そして、そんな事は遥も澪もよく知っているので、絵理の愚痴をにこにこしながら聞き流していた。
「なーはるかー、今度彰にヤラせてくれって頼んでくれねー?
アイツに比べると他の男は全然ダメでさー」
「絵理さん、さすがにそれを彼女に頼むのはやめましょうよ」
「なんでだよー澪、お前も彰にヤラせてもらえばわかるって。
いやむしろ、お前が積極的にヤラせてもらえよ。処女だろ?」
「そういう事をこんなところで大々的に言わないでください…」
目の前で絵理と澪の漫才が始まるのもいつもの光景だった。
彰と付き合い始めて確かに一緒にいる時間が減ったけれど、
やっぱりこの2人といるのは居心地がいいな、と遥は感じていた。
「そういや話変わるけどさー。今週末遊びに行かねー?」
446 淫魔と彼女 第三話 (5/16) sage 2012/09/09(日) 16:27:14.30 ID:u4DFpFcH
日曜日、隣町駅前。
若者向けのファッションビルにある1テナントに、遥と絵理はいた。
先約があった澪を除き、2人で服を買いに来ていた。
本当は遥も彰とデートしたいな、と思っていたのだが、絵理に押し切られていたのだった。
絵理は相変わらずショートパンツ系のボーイッシュな服を選択し、
遥は、その店では比較的おとなしめの、レースの付いたワンピースを選ぶ。
それぞれ、試着室で試着中だった。
遥は試着を終えてワンピースを脱いで、ふと、鏡に写る自分の姿を見る。
「そんなに…色香あるかなぁ…」
先日、澪には色香が出たと言われたが、自分では全く自覚できなかった。
色香というのは、お姉さま…ハルカのようなのを言うのではないのか。
いや、あれは色香が出すぎだとしても、今日一緒にいる絵理だって、相当色香がある。
サバサバした性格同様、服装もいつもボーイッシュなものを着ているのだが、それがまた、
彼女の長身で引き締まった体、胸こそそこそこだが、くびれた腰と長い足を
遺憾なくアピールしていて、いつも、女として絶対に勝てない、と思わせるのだった。
しげしげと、裸になった自分を見る。
赤い宝石の両側に盛り上がる胸は、相変わらず、貧相だ。お尻だってかわいいもんだ。
淫魔としては、やっぱり、問題じゃなかろうか。
ポーズを取ってみたり、胸を寄せてあげてみたり、する。
「私も、お姉さまみたいなナイスバディになれるのかなぁ…」
『あら、なりたいのですか?』
突如として、ハルカの声が聞こえた。
途端に、へそから真っ赤な触手が現れると、その先がカップ状に変形し、遥の右胸に吸い付く。
(ちょ!ちょ、ちょっとお姉さま―)
声を殺しながらハルカに抗議する遥。
『フフフ。胸を大きくするには、ひたすら揉まれて感じることですわ。
エロい気分になることで女は成長するのですよ』
触手が遥の胸を激しく刺激し始める。
カップが胸を吸引し、揉みしだき、乳首をつまみ、表面を撫で回す。
(いや、ちょ、あっ、あぁぁん)
声が出るのを必死に我慢して、耐える遥。
へそからの触手が、先で遥の胸を虐めながら、自身を見せつけるかのように遥の目の前でニョロニョロと蠢いている。
と、そこへ。
「おーいはるかー、遅いぞー何やってんだー?」
試着室にノックもせず、絵理が入ってきた。
447 淫魔と彼女 第三話 (6/16) sage 2012/09/09(日) 16:29:20.14 ID:u4DFpFcH
「あれ?遥、それ―」
刹那、触手が遥の胸から離れ、絵理に襲いかかる。
ぐるぐる巻きになる、絵理。
触手の先が、絵理の口の中に突っ込まれる。
「ふぐ、むぐ、うぐ」
「お、お姉さま!?」
『ひとまず、妖液を前後不覚になるほど飲ませてやりますわ』
「そ、そんなことしたら、絵理ちゃんが」
『良くて廃人ですわね?まぁそのときは、めいっぱい精を絞りとってやりますわ』
「そ、そんな、ダメ!」
遥が自身の力を振り絞って、触手を制御し、制止しようとする。
そのおかげで、一瞬だけ、絵理を縛り上げていた触手が、緩む。
そのスキを見逃さず、絵理は両手をぐるぐる巻きの拘束から振りほどくと、口に入り込んでいる触手を手で引っ張りだした。
「ちょ、ちょっと、タンマ―」
触手と格闘しながら、声を張り上げる、絵理。
ハルカ含め、全員の時間が、止まる。
「…これ、触手か?」
訊く、絵理。
「…うん」
答える、遥。
しばしの、沈黙。
「…す」
沈黙を破る、絵理。
「すっげーーーーーーーー!」
「え゛?」
予想外の絵理の反応に、遥が固まった。
448 淫魔と彼女 第三話 (7/16) sage 2012/09/09(日) 16:31:33.07 ID:u4DFpFcH
店員が駆けつける前にショップを抜けだした絵理と遥は、ファッションビル最上階にある、喫茶店に入った。
比較的人のいない角の席を陣取る。
絵理はもう、触手に興味津々であった。
「そうかー彰って淫魔だったのかー。
そりゃセックスが上手いわけだよなー人間離れしてたもんなー」
「ちょ、ちょっと、声おっきいよ…」
「で、彰とセックスしたら、遥も淫魔になっちゃったわけ?」
「う、うん、そう、みたい…」
「えーオレ何回もしてるけど、ならなかったぞ?」
「ああ、私、初めてだったし…」
「ふーん。まぁアイツも、初めて自分が惚れた女だったから、手元が狂ったってとこかなー」
ぼかして答えた遥だったが、絵理は一発で正解を言い当てた。
「で、その、使い魔?って、オレもなれんの?」
「え、な、なりたいの?」
「うん、興味ある。オレも触手欲しい」
「そ、そう、なの?」
「無理なのか?」
「…うんと、ホントは使い魔はおばさまに禁止されてて、
私は許してもらえたみたいなんだけど、2人めはダメって、言われたみたい、彰くん」
「そっかー…」
がっくりと肩を落とす絵理。しかし、立ち直りも早い。
「じゃあ、触手だけもらうって、できねーの?」
「え?そ、それは、よく、わからない、かも…」
「うーん、いっちょ彰に直接頼んでみるかー」
「あら、できますわよ?」
「…え?」
ふと遥の方を見直すと、そこにいる女性の顔かたちは確かに遥だったが、その他のものが明らかに変わっていた。
匂い立つほどに漂う淫靡なオーラと、妖艶な体つき。何より、瞳の色が、真っ赤になっていた。
「…えーと?」
「話は聞かせていただきましたわ。
貴方、ご主人様とセックスのご経験がおありになるようですね?」
「ご、ご主人様、って?」
「須見彰さまのことです」
「あ、ああ、何度か…」
いまいち状況がつかめず、相手の雰囲気に気圧される、絵理。
その姿を、ハルカは上から下まで睨めつけ、チェックしていた。
「ふん、ご主人様の食料だった女ですのね。遥の練習相手に、丁度いいかもしれませんわ」
「し、食料?練習?」
「こちらの話でございますわ。そうですね、触手をお分けしても、よろしいですわよ?」
「ほ、本当か?」
「ええ、そのために―」
小首をかしげて、遥の姿をした妖艶な女は、ニタァ、と笑う。
「どこかこの辺で、セックスできる場所は、ございますかしら?」
449 淫魔と彼女 第三話 (8/16) sage 2012/09/09(日) 16:34:21.05 ID:u4DFpFcH
ファッションビルのある通りから、少し裏手に入って坂を上がった、ラブホテル街。
その中の1つに、絵理と遥がやってきていた。
「こういうとこ、初めてか?遥」
「う、う、うん…」
「そっかー。まぁ、オレも女の子と来んのは初めてだけどなー」
「でも、さすがに、よく知ってるんだね」
「まぁな。ここは内装とかサッパリしててオレ好みだし。
あと、盗撮とかも比較的安全らしいしな」
「と、と、盗撮?」
「あー。こういうとこ、多いんだよ。隠しカメラとかさ。
まぁオレは普段は別に気にしないけど、さすがに触手を盗撮されんのはまずいだろ?」
ふえー、と、自分の知らない世界の話に、遥はただただ気圧された。
「とりあえず、オレ先にシャワー浴びてくっから。
その間に、その、『ハルカ』さん、だっけ? よくレクチャーしといてもらってくれよ」
「う、うん」
遥は再びハルカと入れ替わった後、絵理とセックスして触手を寄生させるよう、命じられていた。
『フフフ。これが次のレッスンですわ。ワタクシがあらかじめ手順を教えますし、
最中も逐一指導しますから、貴方の手でその女を堕としなさい。
貴方自身の、使い魔としての初仕事ですわ』
遥にとっては、3重の意味で気が重かった。
1つは、何もかもがまったくの「初仕事」であること、
もう1つは、大事な親友の絵理に、触手を植え付けないといけないこと、
そしてもう1つは…特に恋愛感情もない相手とセックスしなければならないこと、である。
なぜこんな事になってしまったんだろう、と今の状況を呪いつつも、
すべては絵理が望むことだから…と、何とか自分を奮い立たせようとしていた。
450 淫魔と彼女 第三話 (9/16) sage 2012/09/09(日) 16:37:13.30 ID:u4DFpFcH
2人ともシャワーを浴びてバスローブ姿になり、ベッドの上で仲良く並んでいる。
胸の宝石を絵理に見せたりしていたので、遥の前は既にはだけている。
「で?まず何すんの?」
「あ、待って。まず、触手を、出すね…うっ、う、ぁあああん!」
遥は力を込めると、へそから真っ赤な触手を出した。
「…こうして改めて冷静に見ると、あんま迫力ないね、これ」
「えっ、そ、そう?」
「うん。もっと太くてゴツゴツしてんのかと思ってた」
「あ、他の人のはそうかもしれないけど、私のは…」
「はーなるほどね。確かに、遥っぽいなーこれ」
ぷぷっ、と絵理に笑われ、遥はちょっと不服そうに拗ねた顔をする。
「で、次は?」
「あ、えっと…この先から出る液体を、飲んでほしい…」
「そうなのか?いいぜーほら、くわえるから、出してくれ」
はむっ、と触手の先を咥えられ、快感が遥の体を伝う。
しかし、先日のオナニーの時とは違い、自身に液を含んでもいなければ、
置かれた状況にすっかり気後れしてしまっているので、なかなか自分を昂らせることができなかった。
「ほーりらの?」
くわえながら絵理が訊く。
「あ、あの、液を出すには、私自身が、気持ちよくならないと、いけないんだけど…」
「あー」
といって、一旦口から触手を出す絵理。
「なるほど。要は遥をイカせりゃいいんだな?」
「そ、そうかも、しれない…」
「わかった。何か立場が逆な気もしないでもないけど、任せとけ。
オレが目一杯イカせてやる」
そういうと、突然絵理が、遥に襲いかかった。
バスローブの下に手を差し込み、遥の体中をさわさわと優しく愛撫する。
「えっ!?う、うそ、き、気持ち、いぃ…あはぁん」
いつの間にやらバスローブを剥かれて後ろに回り込まれる。
後ろから耳やうなじを舐められ、胸をやさしく揉まれ、下腹部を撫でられる。
親友相手とか同性相手とか、そんなことを一瞬で忘れさせられるくらい、気持ちが良かった。
「え、絵理ちゃん、うますぎ…」
「まーな。…で、もしかしてここも感じるのか?」
と、へその下から、しゅっ、と右手の3本の指の腹で撫で上げ、そのまま、触手を柔らかく握って下から上に擦る。
「は、ぁあああん!」
「なるほど。これも性感帯か。男のアレと同じかな。
ふふん。コレはコレで慣れてるぜ」
というと、握っていた右手をそのまますーっと触手の先端までスライドさせ、そのまま先端を自分の口元で運んだ。
今度はいきなり咥えず、ちょろちょろと先や棹を舌先で舐め、虐める。
「う、うぅ?!」
体を大きくくねらせる、遥。
「へへ、男と女が両方味わえて、二度楽しいって感じだな」
そのまま、右手と口で男性器を責め立てるようにして触手をいじめ、左手はひたすら遥の女性としての体を刺激する。
「あ、イク、あっ、ああっ、あああん!」
こうして、数分のうちに遥はイカされ、触手を通じて絵理の口内に大量の液を放った。
絵理は、一滴も逃すまい、と、そのすべてを咽下した。
451 淫魔と彼女 第三話 (10/16) sage 2012/09/09(日) 16:39:15.53 ID:u4DFpFcH
「へへ、飲んだぜー。男のと違って甘いんだな。
で、次はどうす…うぁ?」
突然、絵理の中を快感の奔流が襲う。
全身がかつてないほど熱くなり、アソコが疼いてたまらなくなる。
見ると、やや内股になったその根元から、大量に潮が噴き出している。
「こ、これは、キョーレツ、だわ…た、たまんねぇ」
絵理の顔はすっかりとろけて、フラフラし始める。
「…で、次は?」
「そ、その…絵理ちゃんを、もっともっと、気持よくしないと、いけないんだけど…」
「遥が、気持よく、してくれんの?」
「う、うん、だけど…」
よく考えると、遥は今までセックスで他人をリードしたことなどなく、
なので、相手を気持ちよくする方法が全然わからなかった。
「ど、どうしよ…あっ!?」
突然、一本の触手が飛び出して頭の周囲を周り、真っ赤なボンデージ風アイマスクとなり、遥の両目をすっぽりと覆う。
そして、胸の「眼」に光が宿り、ギョロギョロと周囲を見回す。
『じれったくて見ていられませんわ。貴方の意識を最低限残したまま、体はすべてワタクシが操作しますから、
貴方はすべてを体で覚えなさい』
「…はい、お姉さま」
「…な、なんか、雰囲気、変わった…な」
絵理にはハルカの声は聞こえていないので、遥が誰に返事しているのかわからなかったが、
突然、遥が操り人形のようになってしまったのはよくわかった。
次の瞬間、絵理の体を、遥の体を乗っ取ったハルカが押し倒す。
絵理の両手を自身の両手で押さえこむと、そのまま唇を重ね、舌で絵理の口内を蹂躙する。
(ちょ、キ、キス、うますぎ、だろ―)
すっかり蕩かされる、絵理。
『キスはこのようにするのです。わかりましたね?』
遥は、絵理から唇を離すと、
「…はい、お姉さま」
と、ロボットのように、つぶやく。
そのまま、ハルカは遥を教育しながら、絵理の体を髄までしゃぶりつくす。
『乳首の上で舌はこう転がすのです。わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『脇と背中はこうやって愛撫するのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『へそには舌をこう這わせるのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『脚と臀部にはこうやって触手を這わせるのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『会陰には指をこう伝わせるのですよ、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『クリトリスはこうやって剥くのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『Gスポットへの刺激はこのようにするのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
『アナルから前立腺への刺激はこのようにするのです、わかりましたね?』
「…はい、お姉さま」
先ほど、遥に何もさせずに遥を蹂躙した絵理だったが、今度は自分が全く何もできないまま、
ひたすら、操り人形となった遥に蹂躙され、イカされまくった。
452 淫魔と彼女 第三話 (11/16) sage 2012/09/09(日) 16:41:23.14 ID:u4DFpFcH
「や…ヤバいな、これ…マジで…飛びそう…全然体が…言うこと…きかねえ…」
絵理は度重なる絶頂の末、意識が朦朧としていた。
ベッドの上で仰向けになって、体をヒクつかせながら、荒い息をしている。
と、そこへ。
遥のうなじから一本だけ、真っ赤な毛が生えてきた。
いや、それを毛と呼んでいいのかはわからない。
遥が持つ他の黒髪と比べても2周りは細く、ほとんどの人間は近くにいても気づかないだろう。
そして普通の毛との最大の違いは、自身が意思を持つように、動くことだった。
それは遥も気づかないうちにしゅるしゅると伸び、空気中をさまよう。
その先端はゆっくり、遥の右耳の後ろを抜け、大きく空気中を迂回しながら、
ぐるっと大回りした挙句、絵理の左耳に、本人も気づかないうちに、すーっと入っていった。
しばらくした後、絵理の耳元で、ぷつん、と、切れる。
すると、「毛」は再び縮み、最終的に、遥のうなじの中へと吸い込まれた。
一方、耳元に残った方の断片は、くるくると絡まり、絵理の耳の中へ消えていった。
『いいですか?今から絵理と『契約』をします』
「…はい、お姉さま」
『ワタクシが耳元でお前に文言を1つ1つ教えますから、一字一句違わず、そのまま、復唱なさい』
「…はい、お姉さま」
「で、は、はるか、つぎは、どうす―あ、あれ?」
キィン、という耳鳴りが左耳の方でしたかと思うと、頭の中で何か、ぷつん、という音がした気がする。
「あ…」
絵理の頭が突然、糸の切れたパペットのように、がくん、と、後ろに反れた。
そして、その双眸から、光が失われた。
「『契約』を、します」
「…はい」
二人は全く感情のこもらない声でそう会話を交わす。
絵理はその場で膝立ちになり、少し足の間を広げると、頭の後ろで両手を組んで正面を向いた。
そして、遥はその絵理の真正面に立ち、絵理の顔を見下げると、その額の中央に、右手の人差し指と中指をおいた。
そして、二人が再び、全く感情のこもらない調子で、言葉を交わし始めた。
453 淫魔と彼女 第三話 (12/16) sage 2012/09/09(日) 16:43:14.53 ID:u4DFpFcH
「私の名は、佐久遥。深山絵理の、絶対なる、主」
「私の名は、深山絵理。佐久遥の、忠実なる下僕にして、奴隷」
「私は、我が忠実なる奴隷、深山絵理の、体と魂すべてを所有し、未来永劫、支配します」
「私は、我が絶対なる主、佐久遥に、体と魂すべてを差し出し、未来永劫、服従します」
「深山絵理にとって、私の命令は、絶対。抗うことは許しません」
「私にとって、ご主人様の命令は、絶対。抗うことは許されません」
「では我が奴隷、深山絵理よ。私に向かって恥辱なる隷属の姿勢を取りなさい」
「はい、ご主人様」
遥は絵理の額に当てた指を、軽く押す。
そのまま絵理は後ろにゆっくりと倒れ、仰向けになると、
左右の足首を左右の手で握り、高く持ち上げ、足を大きく開いた。
ヴァギナもアナルも上を向き、立ったままの遥から丸見えである。
すると遥はその場で膝立ちになり、少し足の間を開くと、
へそから伸びている触手の先端を、絵理のヴァギナの上に置いた。
「私は今から、深山絵理を支配する証として、我が子種を、深山絵理の子宮に与えます」
「私は今から、ご主人様に服従する証として、ご主人様の子種を、我が子宮に頂きます」
「我が子は深山絵理と一つになり、我が支配を、完全なものとします」
「ご主人様の子は私と一つになり、我が服従を、完全なものとします」
「さあ、我が子種を受け入れなさい」
「はい、お願いします、ご主人様」
すると、絵理のヴァギナの上に置かれた触手が蠕動し、そのまま先端を、ヴァギナの中へ潜らせていった。
更に―
『ふふふ、これは、サービスですわ』
遥のアナルから、約2センチ径のきれいな円筒形をした触手が伸び始める。
そして、弧を描くような軌道を進み、絵理のアナルに、ブスリ、と、刺さった。
454 淫魔と彼女 第三話 (13/16) sage 2012/09/09(日) 16:45:11.95 ID:u4DFpFcH
『さて。後は、その2本の触手が勝手に進めてくれますわ。あとは2人で仲良く、子を与え、授かる悦びを味わいなさい』
「…はい、お姉さま…あ」
と、遥の目を封じていた触手がしゅるしゅると収まり、胸の「眼」から光が消える。
同時に、絵理の目にも光が戻る。
「ぷっはー!」
絵理は、解放されたといわんばかり、両足首を握っていた手を離し、そのまま大の字になる。
その足の間で、遥は『契約』最中と変わらない体勢で、両膝で立っている。
2人は、2本の触手でつながれている。
ようやく、2人は親友同士の会話を始めた。
「はぁ…すごかったー!何だ今の。ハルカさん?」
「うん…私がダメダメだから、途中から手伝ってくれたの」
「そっかー。いやー、テクは上手いしエロいし、オレマジで、イキすぎて死ぬかと思った。
まだ体が全然言うこと聞いてくれねーし…
それに最後のはちょっと、迫力あったよなー。まるで悪魔の儀式って感じだった」
「ま、まぁ、まるでっていうか、本物なんだけどね…」
「いやぁ、なかなか面白いもん体験できたよ。…ところで、これから、どうなんの?」
「うん、後は2本の触手が勝手にやってくれるから、楽しめ、みたいなこと言ってた」
「へぇ、でも特に何も… う、うぅ?」
「あ、はぁ、あん?」
突然、びくん、びくん、と遥のへその触手が、脈動を始めた。時を刻むように、正確に、1秒ごとに。
「あぅ、はん、はぁ」
「ふっ、…な、なんか、オレの中に、うんっ、液が、入って、くるんだ、けど?」
「な、「苗床」、だって、あふん」
「な、なにそれ?うっ」
「しょく、触手を、育てる、ところ、あふっ」
「な、なるほど、ここの、触手は、そのための、『ポンプ』って、わけだ、ぁはぁっ」
絵理の言うとおり、へその触手が機械仕掛けのポンプの役割を果たしていた。
一秒ごとに、苗床の形成に必要な液を、遥のへそから搾り取り、絵理の子宮に放出していた。
そしてそれは、遥の「射精」の快感を、絵理に伝える役目も果たしていた。
「じゃ、じゃあこの、アナルの、やつは?」
「さ、『サービス』、だって、あんっ」
「はははっ、はっ、ハルカ、さんって、ど変態、だなぁ」
アナルの触手はもう1つの「ポンプ」だった。
液が放たれるたびに絵理がアナルの触手を締め付けることで、絵理にアナルを締め付ける快感と、
遥がアナルに締め付けられる快感を与えていた。
そしてこれは、絵理の「受精」の快感を、遥に伝える役目も果たしていた。
その後しばらく、会話するのも辛くなってきた2人は、
一秒ごとに来る快感に、やはり一秒ごとに、ただひたすら、甘い喘ぎ声で応えた。
それはまるで、喘ぎ声で一秒の刻みを教える、
2人の少女をポンプでつないでできた、生きた時計だった。
455 淫魔と彼女 第三話 (14/16) sage 2012/09/09(日) 16:47:19.56 ID:u4DFpFcH
何分経っただろうか。
ただひたすら膝立ちで立ち尽くし、快感に耐えている遥に対し、
その遥にむかって大きく股を開きながら、ベッドに寝そべって2本の触手を股間に穿たれている絵理は、
長くしなやかな肢体と引き締まった体で、その快感を存分に享受しようと、
腰をくねらせ、背中をそらせ、ベッドの上で艶かしいダンスを踊っていた。
そんな絵理は、今まで同性に特別な感情など持ったことのなかった
遥にとっても十分にエロティックで、心奪われるほどに魅力的だった。
「…なぁ、ご主人様」
「…遥で、いいよ」
「ははっ、じゃあ、遥…
動けるか?」
「うん、わ、私は、大丈夫…」
「そっか。オレまだ全然ダメだ…ぁあん…
なぁ、こっち来いよ。キス、しようぜ」
「…うん」
遥は 、『契約』後初めて体を動かした。
長身の絵理に近づくため、絵理の脚をまたぎ、絵理の腰の上にまたがると、
そのまま四つんばいに覆いかぶさり、絵理の両肩の横に自分の両手を置いた。
絵理はゆっくり、遥の首筋に手を回す。
「へへ、なんか、遥に抱かれてるって感じがする。
遥とこんなことするなんて、なんか不思議な気分」
「うん、私も。絵理ちゃんと、こんなエッチなこと、するなんて…不思議」
そういうと、2人はそのまま顔を近づけ、長く、優しいキスをした。
その間も、触手は1秒毎に2人を戒め、その快感が唇越しの吐息となって、互いに共有された。
「なぁ、オレの上に寝そべってさ、肌くっつけようぜ。
何か…気持ちよさそうな気がする」
「うん」
遥は少し後ずさりし、絵理の胸に自分の胸が合わさる辺りで、少しずつ、絵理の体の上に自分の体をぴったり重ねていった。
ちょうど、遥のへそから伸びた触手は2人の腹でサンドイッチにされる。
そして遥のクリトリスの下を抜けた後、絵理のクリトリスの上を通って、ヴァギナに到達していた。
触手の脈動が、ダイレクトに2人に伝わるようになった。
「ほんとだ、これ、気持ちいい…
絵理ちゃんが感じてるのが、すごく、わかる…」
「オレも、遥が感じてるのが、ダイレクトに、わかる、んはぁあっ」
時計の部品だった2人の少女は、こうしてぴったりと融合し、一匹の、時を刻む雌の獣になった。
456 淫魔と彼女 第三話 (15/16) sage 2012/09/09(日) 16:49:11.63 ID:u4DFpFcH
ふと、触手の脈動が、止まった。
「…いよいよ、ってこと?」
「そう、みたい…あ、あぁ、あはぁ?」
急に、遥が絵理の上で背中をのけぞらせる。
「う、生まれる、のか?」
「な、なんか、そう、みたい、おへその、ところが、すごい…うふぁぁあああああ!!!」
ボコン、と、へその触手の根元のところが、拳大に膨れ上がる。
ゆっくりと、先に向かって移動する。
遥は体の力が抜けて、くたっ、と絵理の上に再び寝そべる。
触手の膨らみが、再び2人のお腹でサンドイッチされて、ダイレクトに2人に伝わる。
「ちょちょ、ちょっと、これ、でかいな、おい」
「はぁ、はぁ、そ、そう、だね」
「…最後に大試練、かよ。参ったな」
と言いつつ、遥の腰に手を回して自分の腹に押し付ける、絵理。
「え?絵理ちゃん?」
「せっかくだからさ、今から最後まで、ずっと2人で感じようぜ」
そういう間に、膨らみは少しずつ、2人の下腹に差し掛かる。
まず、遥のクリトリスを押し上げ、ヴァギナの上をなぞった。
「ひゃああああん!」
次に、絵理のクリトリスを押し下げ、ヴァギナの口まで、到達し、中に、入る。
「んふぁあああっ!あふっ、ぐっ、ぐぉっ、ぐぁあああああああ!!」
最後に、遥の触手から、放たれる。
「あ、出るっ、ふぅん、くっ、イク、うううっ!!」
ボトリ、と、絵理の子宮に、落ちた。
同時に、すべての処理が終了した、とばかり、2本の触手が絵理から自動的に引きぬかれ、遥の中に還っていく。
「はぁ、はぁ、これで、終わり、か?
…う、うっぁあああ?!」
突如、真っ赤な軟体生物が絵理の膣口から溢れ出す。
そのまま、ヴァギナとクリトリスの表面を覆い、うねうねと、蠢いている。
「こ、これが、触手、なのか?
な、なんか、動いてるし、ちょ、中で、暴れてるし、くぅ…」
「えっと、これ、幼生で、一晩で成体まで大きくなるって」
「ま、マジかよ、もっとでかくなんのか、これ…」
458 淫魔と彼女 第三話 (16/16) sage 2012/09/09(日) 16:52:48.20 ID:u4DFpFcH
次の日の学校、1時間目の後の、休み時間。
事情を遥から聞かされた彰は、人払いをした上で、体育館の倉庫に、絵理を連れてきてもらった。
遥に入り口で見張りを頼むと、絵理を奥に連れて行って座らせ、スカートをまくった。
仰天する、彰。
絵理の股間を、「触手パンツ」とでも言うべき、真っ赤な触手の塊が覆っていた。
昨日、クリトリスとヴァギナを表面上覆っているだけだったそれは、更にもっこりと膨れ上がり、腰をぐるっと巻き込んでいた。
更に会陰部から、お尻の割れ目に食い込むように、アナルの上を通って尾てい骨の下までを覆い、
そこから伸びた細い触手が、太ももの付け根にいくつも巻きついていた。
そしてその上から、ちょうどクリトリスから生えたと思しき極太の触手が、大きな男性器のようにぶらさがり、
股下までぐるっと回り込んでいた。全体がうにょうにょと蠢いて、どうしようもなく禍々しい。
「いやぁぁ触手ってすっげぇなぁぁ…あきらぁ…」
「絵理…すっかりヤられてるよお前…
しかもこれ、子種まで作れるようになってるし、こんなの母さんに見つかったらただじゃ…
いや、それどころじゃない。下手すると、退魔師に皆殺しにされるよ、俺ら」
そして、もしそうなった場合、真っ先にやられるのは、遥だ。
はぁ、とため息をつく、彰。
「…取るよ?」
「えぇぇ何いってんだよぉ…せっかく生やしてもらったのにぃ…」
「だって、これで普段どうやって生活すんのさ」
「まぁぁ…これ毎日は…キツイかもなぁ…へへへ
…いやぁ、でもぉ、もう一日とかぁ…」
「お前本当にどうしようもないな…もう諦めろよ…」
「嫌だぁぁぁ」
取る、取らないのやりとりがさんざん続いた結果、彰が根負けした。
「わかったよ。じゃあ、残しといてあげる」
「ホントか!?」
「うん、でも、これは強力すぎるから、ちょっと、妖力吸収して、能力下げる」
彰は男性器のようにぶら下がってる一本を手に取ると、ぎゅ、と握りしめた。
みるみるうちに「触手パンツ」は小さくなり、下半身を覆っていた殆どの部分が消え去る。
結局、彰が握っていた一本だけが残り、その一本も、しなびたキュウリのようになる。
彰が手を離すと、絵理のクリトリスから、でろん、とぶら下がった。
「…なんか、しおれちゃったんだけど」
「当面の間、勝手に動くことはなくなったけど、絵理の意思で動かせるし、大きさも太さも変えられるし。
まぁ、初心者向け、としては、ちょうどいいんじゃない」
ふぅん、と最初はつまんなそうにしていた絵理だったが、触手を動かしてみているうちに、ちょっとずつ楽しくなってきたらしく、
振り回したり、大きくしたり小さくしたり、伸ばしたり縮ませたり引っ込めたりして遊びはじめた。
「…まぁ、それは家帰ってからいつでもできるしさ。そろそろ授業戻ろうよ」
「うん、そうだな」
さっきまで触手に嬲られてとろけきっていた絵理は、すっかり元の快活な絵理に戻っていた。
「あ、彰! 遥!」
授業に戻ろうとしている2人に、絵理が後ろから声をかけた。
「せっかくオレにも触手生えたんだしさ。また一緒にヤろうな!今度は3人で!」
すっかり呆れた表情をする彰と、顔を真っ赤にしている遥に向かって、
絵理は、嬉しくてたまらない、といった表情で、笑った。
淫魔と彼女 第2.5話
429 淫魔と彼女 第2.5話 (1/11) sage 2012/09/09(日) 15:33:55.69 ID:u4DFpFcH
ベッドの上で三角座りをしながら、遥はまだ余韻に浸っていた。
昨日の夢、そして…さっきまで自分の体を張っていた、触手。
なんだか、すべてが昨日までと一変したかのようだ。
頭の中がまだ整理できず、自分の思考を取り戻すのに、時間がかかっていた。
ふと時計を見ると、もう7時を回っている。
そろそろ学校に行くしたくをしないと、ヤバい。
と、着替えようとして、ベッドの上でパジャマの下を脱ぐと、パンツがぐしょぐしょに濡れているのに気づいた。
「あっちゃー…
でも、昨日のアレがあったし、仕方ないかぁ」
と、パンツを脱いでみると、シミの様子がいつもと違うのに、気づく。
なぜか、白くてどろっとしたものが付着している。
「…おりもの?」
不審に思い、顔の前に脱いだパンツを持ってくると、強烈な、甘い香りが漂ってきた。
なんだか、嗅いでいるだけでトロンとしてくる、蠱惑的な香り。
「あ、これ、お姉さまの、アレだ…」
夢の中で、ハルカから唇越しに飲まされた、エッチな気分になる液。
…と、自分がハルカのことを自然に「お姉さま」と呼んでいることに気づき、恥ずかしくなる。
どうしてこんなものがパンツについているのか気になって、自分のアソコを指で撫でてみる―と、
「あ、あふぅっ!?」
ものすごい快感が電気のように体の芯を走る。
我慢して、ちょっとアソコの中を指ですくってみると、さっきの白い液体で、中がベタベタになっていた。
理由が全然思い至らない。夢の中では口で飲んだけど、ここには塗りこんだりしていないはず…
と、さっき指を当てたところが、すごく、熱くなってきた。
そのまま全身に広がり、勝手に息が荒くなる。
「う、こ、これは…」
自分が自分でなくなったかのような昨日の記憶も相まって、ものすごく、エッチな気分になってきた。
指が再び、自然と、アソコに向かう。
430 淫魔と彼女 第2.5話 (2/10) sage 2012/09/09(日) 15:35:57.35 ID:u4DFpFcH
「…ちょっとくらいなら、いいよね。うん…」
自分に言い訳をしつつ、くちゅ、くちゅ、と、いやらしい音を鳴らしながら、アソコに指を入れ、中を擦る。
「ふ、ふぁ、あああぁん…あ、あっさり、イっちゃった…」
恐らく1分も経っていなかっただろう。自分が恐ろしく感じやすくなっていて、びっくりする。
こんなに、この白い液って、強烈なんだ…
と思っていると、再びアソコが熱くなり、全身に広がる。
「ちょ、ちょっと、これじゃ、ダメじゃん…」
自分の体を鎮めようとしてやったのに、むしろ、火に油を注いだかのようだ。
仕方なく、もう一度、する。
しかし、終わるとまた、体が熱くなる。
また、する。
でもやっぱりまた、体が、熱くなる。
自分の下のシーツがもう、ぐしょぐしょに濡れていた。
「どうしよう、止まらない…」
と、そこに
「ちょっと遥!何やってんの、遅刻するよ!」
ガバァっ!
突然母親が入ってきて、思わず布団を被る。
ビショビショになったシーツとパンツを見られる訳にはいかない。
「どうしたの?体調でも悪いの?」
「う、うん。ちょっと、熱っぽくて」
「そうなの?あら、確かに顔が赤いわね。うーん、熱測る?」
そう言って体温計を持ってきた母親は、遥の口に体温計を突っ込むと、ピピピ、という電子音とともに取り出す。
「あら、ホントに微熱だわ。
うーん、学校、休んだほうがいいかしらね」
「う…うん。今日は、休みたい」
「そう。わかったわ。学校には連絡しとく」
今この状態から、シーツとパンツを片付けつつ支度をしていたら、確実に遅刻だ。
まぁ、いい口実になったかもしれない。
遥は、布団をかぶりつつ、お尻の下にビショビショのシーツを敷きつつ、熱くなったアソコがもどかしくて
腰をくねらせながら、そんなことを考えていた。
431 淫魔と彼女 第2.5話 (3/10) sage 2012/09/09(日) 15:38:13.06 ID:u4DFpFcH
母親が入ってきたおかげで、ようやく、一人エッチが止まった。
でも、アソコはまだムズムズして、熱い。
ぼーっとした気分のまま、昨日のエッチな夢のことを思い出す。
「そういえば、触手…」
夢の中だけだと思っていた、自分のへそから伸びた、触手。
でも起きてみたら、現実に、自分の体にまとわりついていた。
そして、自分が引っ込めと念じると、しばらく後に引っ込んだ。
「…もしかして、出す…ことも、できるのかな」
出し方は、夢の中で、やった。
あのときと同じようにやれば、できるかも、しれない。
布団をかぶって仰向けに寝転がったまま、目をつぶって、昨日のイメージを、反芻する。
胸の宝石…「眼」に、意識を、集中する。
…すると。
「ひゃああああああん!」
へそをする快感とともに、触手がへそから飛び出した。
自分の上に直立し、テントのように、かぶっていた布団を吊り下げている。
「で、で、出ちゃった…」
やっぱり、夢では、なかった。
布団を取ってみると、長さ1mほどの真っ赤な円筒形の物体が、ぴん、と上を向いて、立っている。
まじまじと、観察する。
「…あんまり、グロく、ない、かな」
以前、ネットで検索して見ていた触手の画像は、
デコボコしていたり、目がついてたり、色も肌色だったり肉の色だったり、
いかにも「悪魔の生き物」と言わんばかりのおぞましさだった。
彰くんのアソコについていたのは…まぁあんまり長い時間見ていたわけじゃないけれど、
黒くてちょっとヌメっとしていて、大きなウナギみたいな感じだった。
それに比べると、自分のおへそから生えているコレは、そういった特徴が全然なかった。
割と細めで、形もでこぼこせず、すっきりしている。
色も、深紅の単色。鮮やかな、原色の赤だ。
生き物という感じがあまりしない。プラスチックで作ったオブジェと言われてたら、それなりに信じるかもしれない。
「…なんか、カワイイかも」
淫魔駆け出しの女の子である自分に、似合ってるかもしれない、なんてことを思ったりした。
…ふと、昨日の夢のことを、思い出す。
そう、自分はコレを、腰に巻きつけた上で、アソコに入れて、オナニーしたのだ。
「う」
自分の中で、また火がつきはじめたのを、感じる。
「ちょっと…ためして、みようかな…」
432 淫魔と彼女 第2.5話 (4/10) sage 2012/09/09(日) 15:40:34.64 ID:u4DFpFcH
昨日は、腰に巻き付けたりしたが、わざわざ起き上がってそこまでする気にもなれない。
寝っ転がったまま、直立しているソレに、意識を向け始め、動くかどうか、試してみる。
しばらくすると、ウネ、ウネ、と、自分が思ったように、くねりはじめる。
「うん、一回…だけ…」
ウネウネしていた触手の先端を一回伸ばすと、自分の下半身の方に、ゆっくりと、曲げてみる。
そのまま、自分のアソコの上に、先端を、乗せる。
いきなり、ビリッとした衝撃が、走る。
「ひゃあああん!」
うっかり、触手の根元の方を握って先をどかそうとしたところ、その根元で握ったところがまた快感を発し、
体を、熱くする。
「や、ばい、かも…」
と、言いつつ、つい、触手の動きを、激しくしてしまう。
クリトリスとヴァギナの筋を、触手の先端で何度もなぞると、知らず知らず少しずつ接地面積が大きくなってきて、
なすがままに先端をヴァギナの中に入れ、かき混ぜ始める。
「あっ、イク…」
刹那。
アソコの中に、膨大な量の、白濁液が、放出される。
「うひゃああああああ!」
びっくりして自分の手をアソコに当てて濡れたところを拭うと、手についた液は、まさしく、
昨日の夜に夢で飲んで、朝アソコに付着していた、エッチになる液だった。
「そっか、コレの先から、出るんだ…」
やばい。アソコが、熱くてたまらない。
朝は、ちょっと残っていた程度の液を指で擦っただけで、一人エッチが止まらなくなったのだ。
今こんなに放出してしまったのだ。どうやって自分を制御すればいいのだろう。
「あっ、だめ、だめ、止めなきゃ、だめ、あぁん、あああああん」
考える間もなく、ひとりでに触手は動いて、何度も快感を自分に与え、
その度に液が自分の中に放たれ、また、アソコが熱くなった。
何度目かの絶頂の後、手で無理やり引きぬいて、どうにかこうにか、止めた。
でも、体はまだ火照って、うずいている。
…もうちょっと、したい。
「でも、コレを、アソコに入れるのは、まずいよね…
でもでも、何もしないと、液が出て、ビショビショになっちゃうし」
何とかして、体の外で、液を閉じ込めないといけない。
いろいろ思案した挙句、結局、ティッシュを先端に当てることにした。
433 淫魔と彼女 第2.5話 (5/10) sage 2012/09/09(日) 15:42:18.58 ID:u4DFpFcH
世の男性が日夜そうやってオナニーしていることなど遥は知りもしなかったが、
先にティッシュをかぶせて屹立する触手の姿は、何とも、間抜けであった。
なんだか、自分の視界にその姿が入るのは恥ずかしいので、
自分の右手で更に先をくるもうと思ったのだが、どうにも触手の長さが長くてジャマだし、
手が自由に使えなくなるので、やりづらい。
更に思案した結果、ティッシュを当てて、更にそれを、口にくわえることにした。
口の中に液が入ったら元も子もないので、念入りにティッシュを巻いておく。
「ふごふご…」
(ちょ、ちょっと他人には見せられないけど、名案、かも、しれない)
へそから出た触手の先を、ティッシュ経由で口に加えつつ、
アソコに手を当て、ついでに、触手の棹を、もう一方の手で、擦ってみた。
触手自身が性感帯であることは、昨日の夢の中でわかっている。
(け、けっこう、気持ち、いい、かも…)
特に、触手が擦られて得られる快感は、どちらかと言えば男性器のそれに近く、
よって遥には新鮮で、またしても、あっという間に、イッてしまった。
口の中のティッシュに、液が、放たれる。
「むぐ、うぐ、ぐ、う、うぐう!?」
きちんとティッシュが液を受け取れると信じていたのだが、思ったよりも液の量が大量で、
口の中に、少しだけ、入る。
(し、し、しまったー!)
飲んじゃダメだ、と思い、ティッシュごと、吐き出す。
しかしそれでも、口の中でわずかに垂れたところが、かああっ、と、熱くなる。
更に誤算だったのは、その匂いだった。
その強烈に甘い香りは、嗅いだだけで気持ちよくなってしまうもので、それはティッシュでは止められるものではなかった。
口の中から鼻に抜ける香りで、クラクラくる。
結局また止まらなくなってしまい、さらに何度か、先にティッシュを当てて(今度は口に含むのをやめて)する羽目になった。
434 淫魔と彼女 第2.5話 (6/10) sage 2012/09/09(日) 15:44:36.18 ID:u4DFpFcH
さすがに疲れて、ベッドの上で、大の字になる。上半身だけパジャマを着たまま、下半身は裸だ。
触手は右の方に曲がって、へたっ、と力なく倒れている。
もう、朝から何回したか、わからない。何回イッたか、わからない。
「…なんか、あたしすごく、エッチになっちゃった、みたい」
いくらエッチな気分になる液を何度も体に浴びたとはいえ、朝からひたすら耽るなんて、
過去の自分からは想像もつかないことだ。
彰と付き合う前は、一人エッチもほとんどしたことがなかった程なのだ。
昨日、確かにハルカに「エッチにして欲しい」と頼んだのだけど、
それにしたって、一晩でのあまりの変わりように、自分でもびっくりしていた。
「あれ?」
ふと見ると、自分の脇腹のところでくたびれている触手の先から、白い液が漏れ出ていた。
びっくりしたが、勝手に出たと言うよりは、さっきの自慰で出きらなかった分が、ここで垂れてきているようだった。
「はぁ。またシーツ汚しちゃった…」
と、おもむろに、ティッシュで拭こうとベッド横の箱に手を伸ばすと、空になっていることに気がついた。
ふと、使ったティッシュを捨ててていたゴミ箱を覗くと、ティッシュで溢れていっぱいになっている。
「こ、こんなに使っちゃったの!? 私…」
改めて、恥ずかしい気分でいっぱいになる。
「はぁ…なんか、虚しい…替えのティッシュ、どこだっけ…」
と、気だるく、起き上がる準備をする。
ベッドの右側から降りようと、寝ていた体を右側に回す。
と、自分の右脇にあった触手がジャマだったので、いったんクルッと触手を反対側に回す。
そのまま、右側に回転して四つん這いになりつつ、触手も自分の左腰からさらに回して、自分の腰の上に乗せる。
「…えへへ」
何となくやってみたが、何だか自分にしっぽが生えたみたいで、楽しい。
四つん這いのまま移動しようとベッドの上を這っていると、
腰に乗せた触手の先がお尻の谷間に垂れてきて、先端が、ピト、と、穴に当たった。
「あ…」
そういえば、昨日は全く体験しなかったが…
自分がハルカに変身するとき、お尻の穴にも触手が刺さるのを、確かに記憶していた。
自分はソレを克服するため、ハルカに自分をエッチにしてもらうよう、頼んだのだ。
「てことは…いずれ、お、お尻にも、入れてみないと、いけないって、ことだよね…」
意味もなく、ドキドキしてくる。
ついさっき、シッポみたいでカワイイ、と思っていた触手が、途端に卑猥なものに思えてくる。
「…いやいや。き、きっとそんなのは、ま、まだまだ、先だよ、うん」
と、変な思いを振り切るべく、替えのティッシュを取りに行く作業に戻ろうと思った刹那、
「ぎゃああああああ!?」
お尻に、触手が、刺さった。
435 淫魔と彼女 第2.5話 (7/10) sage 2012/09/09(日) 15:47:27.43 ID:u4DFpFcH
「ぐ、ぐぉ、ご、ご」
お尻の痛さと頭の中のチカチカで、しばらく思考が停止していた。
おかしい。自分はもうそこまでエッチな気分ではなかったし、動かそうなんて一切思ってなかったはずだ。
とはいえ、まだ触手の操作に慣れたわけでもない。動いた拍子に、たまたま入ってしまったのだろうか…
と、
「ふ、ふぁあああああ!?」
お尻の穴が、キュゥ、と締まる。
すると、締め付けられた触手から、強烈な快感が流れ込む。
ソレを感じると体が反応し、触手が動き、脈打ち、拡がろうとする。
するとそれをお尻が感じ、また、キュゥ、と、締まる。
「な、何これ、ちょっと、気持ちよさが、と、止まら、ない、あぁあああああぁん!」
別に、触手を動かしたり、伸び縮みさせたり、一切していない。
何も動かしていないのに、自分のお尻と、自分の触手との間で、勝手に快感がぐるぐるまわって、
どんどん上り詰めていくのだ。
「う、あ、ダメ、出ちゃう、出しちゃダメ、お尻の穴になんか、出したら、たい、へ…
う、う、いやあぁああああん!」
ドピュッ、と、液が、お尻の中に、放たれる。
お尻の中がかああっ、と、熱くなる。
また、お尻と触手の快感のやり取りが、始まる。
「ちょっと、ダメ、ふぁん、ああ、だ、だれか、止めて、あああぁああん!」
四つん這いのまま、自分は一切動いていない。触手も一切、動いていない。
全く同じ姿勢のまま、快感だけが延々とリピート再生され、ひたすら、イった。
436 淫魔と彼女 第2.5話 (8/10) sage 2012/09/09(日) 15:50:13.79 ID:u4DFpFcH
流石にまずい、と思い、何回めかのときに、意を決して、触手に力を込め、引きぬいた。
「ふああああああ」
おしりの穴が触手で擦れる気持ちよさと、触手がおしりの穴で擦れる気持ちよさが一気に襲う。
そのまま、再び元の大の字になって、ベッドの上に倒れた。
「うう…なんか、すごく、恥ずかしい…」
思い返すと…まるで、ただ快感を生み出し、ただイクだけの機械にされてしまったようで、強烈な背徳感があった。
「それに…お尻、なんて、汚いし…」
さっきまで自分の後ろを辱めていた赤い触手は、自分のお腹から天井に向かって伸びて、
朝顔のつるのように、ふにゃふにゃとしている。
先に、触手を洗ったほうがいいのかな…
などと、ぼんやりと考えていた、その時。
触手の先がふにゃりと足の間に向かったと思うと、クルッと大きな弧を描いて、
再び、遥のお尻の穴に、突き刺さった。
「ぎゃあああああま、まままま、またぁあああああああ!?」
しかも、今度はお尻に刺さった後、しゅるしゅると、おへその中に反対側が引っ込み始めたのだ。
「え、ちょ、ちょっと、きゃあああああああああ!!?」
おへそに引っ張りこまれた触手は、そのうち、お尻とおへその間で、ぴん、と、張った。
大事なアソコに触手の棹が食い込み、更に、クリトリスを、圧迫する。
「はぁあああぅ、ちょ、さっき、よりも、スゴ、い…」
辛くてつい、股を開いたまま、右手で右膝を抱え、左手で左膝を抱え、ぐぐ、と肩のほう引っ張りこんで
背を丸め、触手の緊張を緩めようとしたのだが、するとまた、へそにしゅるしゅると触手が入っていって、
その状態で、ピン、と張るようになってしまった。
まったく、動けなくなった。
四つん這いなんかよりずっと恥ずかしい体勢で、またしても、動けない、ただイクだけの機械にされてしまった。
しかも、さっきよりもヴァギナとクリトリスの刺激がある分、強烈だった。
「あっ、あふ、イク、ぐぁ、また、イク、あふ、も、もう、ダメ、あ、イ、イク…」
さっきよりも断然速いペースで、何回も何回も、動かないまま、イキ続ける。
(や、ヤバい、これは、本気で、ヤバい、逃れないと、この格好のまま、し、死んでしまう…)
薄れつつある理性の中で、なんとかせねば、と思っていた、そのとき。
「遥~リンゴむいたわよー」
ガバァっ!
母親の再びの奇襲に、再び布団を被る。
足を伸ばすが、その勢いで、触手がアソコに目一杯食い込む。
体を電気のような衝撃が襲う。
「が、あぐ、ぐ、ぐぇ、ぇ」
言葉が出ない。思考も定まらない。
とにかく、母親に早く出ていってくれと願うばかりだった。
437 淫魔と彼女 第2.5話 (9/10) sage 2012/09/09(日) 15:52:27.62 ID:u4DFpFcH
母親が部屋にいる間も、布団の下でよがり続けたが、なんとかごまかして、凌いだ。
よっぽど調子が悪いんだ、と思ってくれたのが、幸いだった。
母親が去った後も、とにかくこの無間イキ地獄から脱出しよう、とひたすら格闘し、
どれだけ時間が経ったかの後、再び意を決して、今度は両手で触手を掴み、引きぬいた。
「ぎゃああぁあああああああぁぁぁ…」
お尻での衝撃に、更にアソコで擦られる衝撃もプラスされ、とんでもない快感の激流だったが、なんとか、耐えた。
遥は再び大の字になり、触手は自分のお腹から上に伸びて、再びふにゃふにゃと漂っていた。
「…もう、いいです…もう…十分です…
どうか…どうか…引っ込んで…ください…」
するとしばらくの後、しゅるしゅると触手がおへその中に引っ込んだ。
息が荒いまま、体を動かす気力もなく、大の字で、ベッドに横たわり続ける。
「うん…わかった。
…お尻は…ヤバい。
お尻と、触手の組み合わせは…かなり、ヤバい」
今日一日の、収穫だった。
ふと、時計を見ると、午後4時になろうかとしていた。
「ええと…7時すぎに始めたから…8、9、10、…じゅ、じゅ、10時間!?!?」
突然、我に返った。ガバっと上体を起こす。
「私…ただの、アホだ。
ていうか、終わってる。
人間として…あ、もう人間じゃなくなったけど、
淫魔としても、終わってる…と、思う」
438 淫魔と彼女 第2.5話 (10/10) sage 2012/09/09(日) 15:55:14.51 ID:u4DFpFcH
まだまだ体の中に火照りがあるが、そんなものを気にしてはいられない。
これ以上やっていたら、本当にただの廃人(廃淫魔?)だ。
まず、大量に消費されたティッシュのゴミを、母親に見つからないよう、トイレに流した。
詰まらないよう、何回かに分けて流さないといけなかった。
次に、これが最大の難関だったが、母親が買い物に出かけた隙をついて、
汚れきったシーツとパンツをお風呂場の洗濯機のところにこっそり運び、
洗濯機にかけ、終わるのを待って即座に乾燥機にぶち込んだ。
乾いたシーツをこっそり自分のベッドに戻して敷き直すと、今度は自分を洗おうと言わんばかり、シャワーを浴びた。
シャワーのお湯が体中の快感を刺激したが、がんばって、無視した。
アソコもお尻も、気持ちいいのを我慢して、念入りに洗った。
「ちょっと遥、熱あるのに何お風呂はいってるのよ!?」
「いいでしょぉ、汗が気持ち悪かったんだもの」
そのまま自分の部屋に戻るとまたしてしまいそうで、なので新しい下着とパジャマに着替えると、
ずっとリビングと台所にいて、テレビを見たり、雑誌を読んだり、母親と会話したりして過ごした。
エッチなことを考えたくなくて、なるべく、一人きりで考え事をする時間を作らないようにした。
そうこうしているうちに夜も更け、父親も帰ってきたので、そのまま家族で夕食をとった。
ひとしきり元気そうになったので、母親も安心したようである。
そして、9時になろうかと言う頃に、ようやく、遥は自分の部屋に戻った。
やっと自分の体も鎮まったようだ。
ベッドに入り、これでやっと、ゆっくり眠れる、と思った。
「あ、でも、お姉さ…じゃない、ハルカさん―」
そう。遥はずっと、ハルカの夢を見続けていたのだ。
一昨日までは悪夢でうなされ、昨日はうなされはしなかったが、ひたすら、エッチなことをした。
「また今日も、ハルカさん、出てきちゃうかなぁ…
エッチなことさせられちゃうかなぁ…」
とぼんやり考えた後、
「…それも、いっか」
と、つぶやいた。
その数分後、遥は静かな寝息を立てていた。
ベッドの上で三角座りをしながら、遥はまだ余韻に浸っていた。
昨日の夢、そして…さっきまで自分の体を張っていた、触手。
なんだか、すべてが昨日までと一変したかのようだ。
頭の中がまだ整理できず、自分の思考を取り戻すのに、時間がかかっていた。
ふと時計を見ると、もう7時を回っている。
そろそろ学校に行くしたくをしないと、ヤバい。
と、着替えようとして、ベッドの上でパジャマの下を脱ぐと、パンツがぐしょぐしょに濡れているのに気づいた。
「あっちゃー…
でも、昨日のアレがあったし、仕方ないかぁ」
と、パンツを脱いでみると、シミの様子がいつもと違うのに、気づく。
なぜか、白くてどろっとしたものが付着している。
「…おりもの?」
不審に思い、顔の前に脱いだパンツを持ってくると、強烈な、甘い香りが漂ってきた。
なんだか、嗅いでいるだけでトロンとしてくる、蠱惑的な香り。
「あ、これ、お姉さまの、アレだ…」
夢の中で、ハルカから唇越しに飲まされた、エッチな気分になる液。
…と、自分がハルカのことを自然に「お姉さま」と呼んでいることに気づき、恥ずかしくなる。
どうしてこんなものがパンツについているのか気になって、自分のアソコを指で撫でてみる―と、
「あ、あふぅっ!?」
ものすごい快感が電気のように体の芯を走る。
我慢して、ちょっとアソコの中を指ですくってみると、さっきの白い液体で、中がベタベタになっていた。
理由が全然思い至らない。夢の中では口で飲んだけど、ここには塗りこんだりしていないはず…
と、さっき指を当てたところが、すごく、熱くなってきた。
そのまま全身に広がり、勝手に息が荒くなる。
「う、こ、これは…」
自分が自分でなくなったかのような昨日の記憶も相まって、ものすごく、エッチな気分になってきた。
指が再び、自然と、アソコに向かう。
430 淫魔と彼女 第2.5話 (2/10) sage 2012/09/09(日) 15:35:57.35 ID:u4DFpFcH
「…ちょっとくらいなら、いいよね。うん…」
自分に言い訳をしつつ、くちゅ、くちゅ、と、いやらしい音を鳴らしながら、アソコに指を入れ、中を擦る。
「ふ、ふぁ、あああぁん…あ、あっさり、イっちゃった…」
恐らく1分も経っていなかっただろう。自分が恐ろしく感じやすくなっていて、びっくりする。
こんなに、この白い液って、強烈なんだ…
と思っていると、再びアソコが熱くなり、全身に広がる。
「ちょ、ちょっと、これじゃ、ダメじゃん…」
自分の体を鎮めようとしてやったのに、むしろ、火に油を注いだかのようだ。
仕方なく、もう一度、する。
しかし、終わるとまた、体が熱くなる。
また、する。
でもやっぱりまた、体が、熱くなる。
自分の下のシーツがもう、ぐしょぐしょに濡れていた。
「どうしよう、止まらない…」
と、そこに
「ちょっと遥!何やってんの、遅刻するよ!」
ガバァっ!
突然母親が入ってきて、思わず布団を被る。
ビショビショになったシーツとパンツを見られる訳にはいかない。
「どうしたの?体調でも悪いの?」
「う、うん。ちょっと、熱っぽくて」
「そうなの?あら、確かに顔が赤いわね。うーん、熱測る?」
そう言って体温計を持ってきた母親は、遥の口に体温計を突っ込むと、ピピピ、という電子音とともに取り出す。
「あら、ホントに微熱だわ。
うーん、学校、休んだほうがいいかしらね」
「う…うん。今日は、休みたい」
「そう。わかったわ。学校には連絡しとく」
今この状態から、シーツとパンツを片付けつつ支度をしていたら、確実に遅刻だ。
まぁ、いい口実になったかもしれない。
遥は、布団をかぶりつつ、お尻の下にビショビショのシーツを敷きつつ、熱くなったアソコがもどかしくて
腰をくねらせながら、そんなことを考えていた。
431 淫魔と彼女 第2.5話 (3/10) sage 2012/09/09(日) 15:38:13.06 ID:u4DFpFcH
母親が入ってきたおかげで、ようやく、一人エッチが止まった。
でも、アソコはまだムズムズして、熱い。
ぼーっとした気分のまま、昨日のエッチな夢のことを思い出す。
「そういえば、触手…」
夢の中だけだと思っていた、自分のへそから伸びた、触手。
でも起きてみたら、現実に、自分の体にまとわりついていた。
そして、自分が引っ込めと念じると、しばらく後に引っ込んだ。
「…もしかして、出す…ことも、できるのかな」
出し方は、夢の中で、やった。
あのときと同じようにやれば、できるかも、しれない。
布団をかぶって仰向けに寝転がったまま、目をつぶって、昨日のイメージを、反芻する。
胸の宝石…「眼」に、意識を、集中する。
…すると。
「ひゃああああああん!」
へそをする快感とともに、触手がへそから飛び出した。
自分の上に直立し、テントのように、かぶっていた布団を吊り下げている。
「で、で、出ちゃった…」
やっぱり、夢では、なかった。
布団を取ってみると、長さ1mほどの真っ赤な円筒形の物体が、ぴん、と上を向いて、立っている。
まじまじと、観察する。
「…あんまり、グロく、ない、かな」
以前、ネットで検索して見ていた触手の画像は、
デコボコしていたり、目がついてたり、色も肌色だったり肉の色だったり、
いかにも「悪魔の生き物」と言わんばかりのおぞましさだった。
彰くんのアソコについていたのは…まぁあんまり長い時間見ていたわけじゃないけれど、
黒くてちょっとヌメっとしていて、大きなウナギみたいな感じだった。
それに比べると、自分のおへそから生えているコレは、そういった特徴が全然なかった。
割と細めで、形もでこぼこせず、すっきりしている。
色も、深紅の単色。鮮やかな、原色の赤だ。
生き物という感じがあまりしない。プラスチックで作ったオブジェと言われてたら、それなりに信じるかもしれない。
「…なんか、カワイイかも」
淫魔駆け出しの女の子である自分に、似合ってるかもしれない、なんてことを思ったりした。
…ふと、昨日の夢のことを、思い出す。
そう、自分はコレを、腰に巻きつけた上で、アソコに入れて、オナニーしたのだ。
「う」
自分の中で、また火がつきはじめたのを、感じる。
「ちょっと…ためして、みようかな…」
432 淫魔と彼女 第2.5話 (4/10) sage 2012/09/09(日) 15:40:34.64 ID:u4DFpFcH
昨日は、腰に巻き付けたりしたが、わざわざ起き上がってそこまでする気にもなれない。
寝っ転がったまま、直立しているソレに、意識を向け始め、動くかどうか、試してみる。
しばらくすると、ウネ、ウネ、と、自分が思ったように、くねりはじめる。
「うん、一回…だけ…」
ウネウネしていた触手の先端を一回伸ばすと、自分の下半身の方に、ゆっくりと、曲げてみる。
そのまま、自分のアソコの上に、先端を、乗せる。
いきなり、ビリッとした衝撃が、走る。
「ひゃあああん!」
うっかり、触手の根元の方を握って先をどかそうとしたところ、その根元で握ったところがまた快感を発し、
体を、熱くする。
「や、ばい、かも…」
と、言いつつ、つい、触手の動きを、激しくしてしまう。
クリトリスとヴァギナの筋を、触手の先端で何度もなぞると、知らず知らず少しずつ接地面積が大きくなってきて、
なすがままに先端をヴァギナの中に入れ、かき混ぜ始める。
「あっ、イク…」
刹那。
アソコの中に、膨大な量の、白濁液が、放出される。
「うひゃああああああ!」
びっくりして自分の手をアソコに当てて濡れたところを拭うと、手についた液は、まさしく、
昨日の夜に夢で飲んで、朝アソコに付着していた、エッチになる液だった。
「そっか、コレの先から、出るんだ…」
やばい。アソコが、熱くてたまらない。
朝は、ちょっと残っていた程度の液を指で擦っただけで、一人エッチが止まらなくなったのだ。
今こんなに放出してしまったのだ。どうやって自分を制御すればいいのだろう。
「あっ、だめ、だめ、止めなきゃ、だめ、あぁん、あああああん」
考える間もなく、ひとりでに触手は動いて、何度も快感を自分に与え、
その度に液が自分の中に放たれ、また、アソコが熱くなった。
何度目かの絶頂の後、手で無理やり引きぬいて、どうにかこうにか、止めた。
でも、体はまだ火照って、うずいている。
…もうちょっと、したい。
「でも、コレを、アソコに入れるのは、まずいよね…
でもでも、何もしないと、液が出て、ビショビショになっちゃうし」
何とかして、体の外で、液を閉じ込めないといけない。
いろいろ思案した挙句、結局、ティッシュを先端に当てることにした。
433 淫魔と彼女 第2.5話 (5/10) sage 2012/09/09(日) 15:42:18.58 ID:u4DFpFcH
世の男性が日夜そうやってオナニーしていることなど遥は知りもしなかったが、
先にティッシュをかぶせて屹立する触手の姿は、何とも、間抜けであった。
なんだか、自分の視界にその姿が入るのは恥ずかしいので、
自分の右手で更に先をくるもうと思ったのだが、どうにも触手の長さが長くてジャマだし、
手が自由に使えなくなるので、やりづらい。
更に思案した結果、ティッシュを当てて、更にそれを、口にくわえることにした。
口の中に液が入ったら元も子もないので、念入りにティッシュを巻いておく。
「ふごふご…」
(ちょ、ちょっと他人には見せられないけど、名案、かも、しれない)
へそから出た触手の先を、ティッシュ経由で口に加えつつ、
アソコに手を当て、ついでに、触手の棹を、もう一方の手で、擦ってみた。
触手自身が性感帯であることは、昨日の夢の中でわかっている。
(け、けっこう、気持ち、いい、かも…)
特に、触手が擦られて得られる快感は、どちらかと言えば男性器のそれに近く、
よって遥には新鮮で、またしても、あっという間に、イッてしまった。
口の中のティッシュに、液が、放たれる。
「むぐ、うぐ、ぐ、う、うぐう!?」
きちんとティッシュが液を受け取れると信じていたのだが、思ったよりも液の量が大量で、
口の中に、少しだけ、入る。
(し、し、しまったー!)
飲んじゃダメだ、と思い、ティッシュごと、吐き出す。
しかしそれでも、口の中でわずかに垂れたところが、かああっ、と、熱くなる。
更に誤算だったのは、その匂いだった。
その強烈に甘い香りは、嗅いだだけで気持ちよくなってしまうもので、それはティッシュでは止められるものではなかった。
口の中から鼻に抜ける香りで、クラクラくる。
結局また止まらなくなってしまい、さらに何度か、先にティッシュを当てて(今度は口に含むのをやめて)する羽目になった。
434 淫魔と彼女 第2.5話 (6/10) sage 2012/09/09(日) 15:44:36.18 ID:u4DFpFcH
さすがに疲れて、ベッドの上で、大の字になる。上半身だけパジャマを着たまま、下半身は裸だ。
触手は右の方に曲がって、へたっ、と力なく倒れている。
もう、朝から何回したか、わからない。何回イッたか、わからない。
「…なんか、あたしすごく、エッチになっちゃった、みたい」
いくらエッチな気分になる液を何度も体に浴びたとはいえ、朝からひたすら耽るなんて、
過去の自分からは想像もつかないことだ。
彰と付き合う前は、一人エッチもほとんどしたことがなかった程なのだ。
昨日、確かにハルカに「エッチにして欲しい」と頼んだのだけど、
それにしたって、一晩でのあまりの変わりように、自分でもびっくりしていた。
「あれ?」
ふと見ると、自分の脇腹のところでくたびれている触手の先から、白い液が漏れ出ていた。
びっくりしたが、勝手に出たと言うよりは、さっきの自慰で出きらなかった分が、ここで垂れてきているようだった。
「はぁ。またシーツ汚しちゃった…」
と、おもむろに、ティッシュで拭こうとベッド横の箱に手を伸ばすと、空になっていることに気がついた。
ふと、使ったティッシュを捨ててていたゴミ箱を覗くと、ティッシュで溢れていっぱいになっている。
「こ、こんなに使っちゃったの!? 私…」
改めて、恥ずかしい気分でいっぱいになる。
「はぁ…なんか、虚しい…替えのティッシュ、どこだっけ…」
と、気だるく、起き上がる準備をする。
ベッドの右側から降りようと、寝ていた体を右側に回す。
と、自分の右脇にあった触手がジャマだったので、いったんクルッと触手を反対側に回す。
そのまま、右側に回転して四つん這いになりつつ、触手も自分の左腰からさらに回して、自分の腰の上に乗せる。
「…えへへ」
何となくやってみたが、何だか自分にしっぽが生えたみたいで、楽しい。
四つん這いのまま移動しようとベッドの上を這っていると、
腰に乗せた触手の先がお尻の谷間に垂れてきて、先端が、ピト、と、穴に当たった。
「あ…」
そういえば、昨日は全く体験しなかったが…
自分がハルカに変身するとき、お尻の穴にも触手が刺さるのを、確かに記憶していた。
自分はソレを克服するため、ハルカに自分をエッチにしてもらうよう、頼んだのだ。
「てことは…いずれ、お、お尻にも、入れてみないと、いけないって、ことだよね…」
意味もなく、ドキドキしてくる。
ついさっき、シッポみたいでカワイイ、と思っていた触手が、途端に卑猥なものに思えてくる。
「…いやいや。き、きっとそんなのは、ま、まだまだ、先だよ、うん」
と、変な思いを振り切るべく、替えのティッシュを取りに行く作業に戻ろうと思った刹那、
「ぎゃああああああ!?」
お尻に、触手が、刺さった。
435 淫魔と彼女 第2.5話 (7/10) sage 2012/09/09(日) 15:47:27.43 ID:u4DFpFcH
「ぐ、ぐぉ、ご、ご」
お尻の痛さと頭の中のチカチカで、しばらく思考が停止していた。
おかしい。自分はもうそこまでエッチな気分ではなかったし、動かそうなんて一切思ってなかったはずだ。
とはいえ、まだ触手の操作に慣れたわけでもない。動いた拍子に、たまたま入ってしまったのだろうか…
と、
「ふ、ふぁあああああ!?」
お尻の穴が、キュゥ、と締まる。
すると、締め付けられた触手から、強烈な快感が流れ込む。
ソレを感じると体が反応し、触手が動き、脈打ち、拡がろうとする。
するとそれをお尻が感じ、また、キュゥ、と、締まる。
「な、何これ、ちょっと、気持ちよさが、と、止まら、ない、あぁあああああぁん!」
別に、触手を動かしたり、伸び縮みさせたり、一切していない。
何も動かしていないのに、自分のお尻と、自分の触手との間で、勝手に快感がぐるぐるまわって、
どんどん上り詰めていくのだ。
「う、あ、ダメ、出ちゃう、出しちゃダメ、お尻の穴になんか、出したら、たい、へ…
う、う、いやあぁああああん!」
ドピュッ、と、液が、お尻の中に、放たれる。
お尻の中がかああっ、と、熱くなる。
また、お尻と触手の快感のやり取りが、始まる。
「ちょっと、ダメ、ふぁん、ああ、だ、だれか、止めて、あああぁああん!」
四つん這いのまま、自分は一切動いていない。触手も一切、動いていない。
全く同じ姿勢のまま、快感だけが延々とリピート再生され、ひたすら、イった。
436 淫魔と彼女 第2.5話 (8/10) sage 2012/09/09(日) 15:50:13.79 ID:u4DFpFcH
流石にまずい、と思い、何回めかのときに、意を決して、触手に力を込め、引きぬいた。
「ふああああああ」
おしりの穴が触手で擦れる気持ちよさと、触手がおしりの穴で擦れる気持ちよさが一気に襲う。
そのまま、再び元の大の字になって、ベッドの上に倒れた。
「うう…なんか、すごく、恥ずかしい…」
思い返すと…まるで、ただ快感を生み出し、ただイクだけの機械にされてしまったようで、強烈な背徳感があった。
「それに…お尻、なんて、汚いし…」
さっきまで自分の後ろを辱めていた赤い触手は、自分のお腹から天井に向かって伸びて、
朝顔のつるのように、ふにゃふにゃとしている。
先に、触手を洗ったほうがいいのかな…
などと、ぼんやりと考えていた、その時。
触手の先がふにゃりと足の間に向かったと思うと、クルッと大きな弧を描いて、
再び、遥のお尻の穴に、突き刺さった。
「ぎゃあああああま、まままま、またぁあああああああ!?」
しかも、今度はお尻に刺さった後、しゅるしゅると、おへその中に反対側が引っ込み始めたのだ。
「え、ちょ、ちょっと、きゃあああああああああ!!?」
おへそに引っ張りこまれた触手は、そのうち、お尻とおへその間で、ぴん、と、張った。
大事なアソコに触手の棹が食い込み、更に、クリトリスを、圧迫する。
「はぁあああぅ、ちょ、さっき、よりも、スゴ、い…」
辛くてつい、股を開いたまま、右手で右膝を抱え、左手で左膝を抱え、ぐぐ、と肩のほう引っ張りこんで
背を丸め、触手の緊張を緩めようとしたのだが、するとまた、へそにしゅるしゅると触手が入っていって、
その状態で、ピン、と張るようになってしまった。
まったく、動けなくなった。
四つん這いなんかよりずっと恥ずかしい体勢で、またしても、動けない、ただイクだけの機械にされてしまった。
しかも、さっきよりもヴァギナとクリトリスの刺激がある分、強烈だった。
「あっ、あふ、イク、ぐぁ、また、イク、あふ、も、もう、ダメ、あ、イ、イク…」
さっきよりも断然速いペースで、何回も何回も、動かないまま、イキ続ける。
(や、ヤバい、これは、本気で、ヤバい、逃れないと、この格好のまま、し、死んでしまう…)
薄れつつある理性の中で、なんとかせねば、と思っていた、そのとき。
「遥~リンゴむいたわよー」
ガバァっ!
母親の再びの奇襲に、再び布団を被る。
足を伸ばすが、その勢いで、触手がアソコに目一杯食い込む。
体を電気のような衝撃が襲う。
「が、あぐ、ぐ、ぐぇ、ぇ」
言葉が出ない。思考も定まらない。
とにかく、母親に早く出ていってくれと願うばかりだった。
437 淫魔と彼女 第2.5話 (9/10) sage 2012/09/09(日) 15:52:27.62 ID:u4DFpFcH
母親が部屋にいる間も、布団の下でよがり続けたが、なんとかごまかして、凌いだ。
よっぽど調子が悪いんだ、と思ってくれたのが、幸いだった。
母親が去った後も、とにかくこの無間イキ地獄から脱出しよう、とひたすら格闘し、
どれだけ時間が経ったかの後、再び意を決して、今度は両手で触手を掴み、引きぬいた。
「ぎゃああぁあああああああぁぁぁ…」
お尻での衝撃に、更にアソコで擦られる衝撃もプラスされ、とんでもない快感の激流だったが、なんとか、耐えた。
遥は再び大の字になり、触手は自分のお腹から上に伸びて、再びふにゃふにゃと漂っていた。
「…もう、いいです…もう…十分です…
どうか…どうか…引っ込んで…ください…」
するとしばらくの後、しゅるしゅると触手がおへその中に引っ込んだ。
息が荒いまま、体を動かす気力もなく、大の字で、ベッドに横たわり続ける。
「うん…わかった。
…お尻は…ヤバい。
お尻と、触手の組み合わせは…かなり、ヤバい」
今日一日の、収穫だった。
ふと、時計を見ると、午後4時になろうかとしていた。
「ええと…7時すぎに始めたから…8、9、10、…じゅ、じゅ、10時間!?!?」
突然、我に返った。ガバっと上体を起こす。
「私…ただの、アホだ。
ていうか、終わってる。
人間として…あ、もう人間じゃなくなったけど、
淫魔としても、終わってる…と、思う」
438 淫魔と彼女 第2.5話 (10/10) sage 2012/09/09(日) 15:55:14.51 ID:u4DFpFcH
まだまだ体の中に火照りがあるが、そんなものを気にしてはいられない。
これ以上やっていたら、本当にただの廃人(廃淫魔?)だ。
まず、大量に消費されたティッシュのゴミを、母親に見つからないよう、トイレに流した。
詰まらないよう、何回かに分けて流さないといけなかった。
次に、これが最大の難関だったが、母親が買い物に出かけた隙をついて、
汚れきったシーツとパンツをお風呂場の洗濯機のところにこっそり運び、
洗濯機にかけ、終わるのを待って即座に乾燥機にぶち込んだ。
乾いたシーツをこっそり自分のベッドに戻して敷き直すと、今度は自分を洗おうと言わんばかり、シャワーを浴びた。
シャワーのお湯が体中の快感を刺激したが、がんばって、無視した。
アソコもお尻も、気持ちいいのを我慢して、念入りに洗った。
「ちょっと遥、熱あるのに何お風呂はいってるのよ!?」
「いいでしょぉ、汗が気持ち悪かったんだもの」
そのまま自分の部屋に戻るとまたしてしまいそうで、なので新しい下着とパジャマに着替えると、
ずっとリビングと台所にいて、テレビを見たり、雑誌を読んだり、母親と会話したりして過ごした。
エッチなことを考えたくなくて、なるべく、一人きりで考え事をする時間を作らないようにした。
そうこうしているうちに夜も更け、父親も帰ってきたので、そのまま家族で夕食をとった。
ひとしきり元気そうになったので、母親も安心したようである。
そして、9時になろうかと言う頃に、ようやく、遥は自分の部屋に戻った。
やっと自分の体も鎮まったようだ。
ベッドに入り、これでやっと、ゆっくり眠れる、と思った。
「あ、でも、お姉さ…じゃない、ハルカさん―」
そう。遥はずっと、ハルカの夢を見続けていたのだ。
一昨日までは悪夢でうなされ、昨日はうなされはしなかったが、ひたすら、エッチなことをした。
「また今日も、ハルカさん、出てきちゃうかなぁ…
エッチなことさせられちゃうかなぁ…」
とぼんやり考えた後、
「…それも、いっか」
と、つぶやいた。
その数分後、遥は静かな寝息を立てていた。
淫魔と彼女 第ニ話
372 淫魔と彼女 第ニ話 (1/13) sage 2012/09/04(火) 07:56:05.09 ID:4HOSa4QN
自宅のPCの前で、遥はすっかり沈鬱な気分に浸っていた。
自分の身に起こったことをちゃんと理解しようと、遥はここ数日、学校の図書室に篭ったり、
ネットで検索したりして色々調べていたのだが…
どうも、自分はとんでもない境遇に陥ってしまったことがわかってきた。
淫魔。人にエッチなことをして、堕落させる、悪魔。
男性の淫魔をインキュバス、女性の淫魔をサキュバス、というらしい。
…すると、彰くんはインキュバスで、私は――使い魔も淫魔みたいだから、じゃあ、サキュバス?
「ふえぇ…」
あまりの途方も無さに、全然実感がわかない。
サキュバス、で画像を検索してみると、背中に蝙蝠の羽を生やして、胸の大きい、
グラマラスで色気たっぷりの女性の絵ばっかりが出てくる。
自分は別に羽も生えてないし、胸もBカップのままだし、色気なんて全然ない。
そのうち羽が生えたり、胸が大きくなったり、するんだろうか…
「でも、彰くんも、見かけは全然悪魔っぽくないけどなぁ…その、アソコ、以外は…」
自分で言いながら、顔を赤らめる遥。
違いは――そう、彰くんには、触手、が、生えていた。
触手、で画像を検索すると、ズラッと並ぶのは、ウネウネした触手に絡め取られて喘ぐ女性の画像ばかり。
「うわぁ…」
免疫がない遥には、なかなか正視できない。
でも、自分の記憶にある「あの現象」を、確かに思い起こさせるものでもあった。
『ハルカ』に、変身したとき――確かにあのとき、体中が触手をまとっていた。
いや、まとっていた、というのはあまりに生易しい表現だ。
体中を触手に責め上げられ、締め上げられ、縛り上げられていた。
変身したのはほんの僅かな間だったが、あの時に体感した、
快感と苦痛と気持ち悪さがないまぜになった強烈な感覚は、自分の処理能力を到底超えて、理解不能だった。
ただただ、強烈さとおぞましさだけが脳裏にこびりついている。
「変身、か…」
もう一度、あの時みたいにやってみよう、と思いはするが…嫌悪感が先にたって、どうしても変身できなかった。
遥が使い魔としてすべきこと、と、彰が言ったのが唯一「たまに変身して」だったのだが、
それすらままならない自分に、ため息しか出なかった。
「彰くん…ハードル高すぎだよぉ…早速くじけそうだよぉ…」
こうして。
遥の悩みは尽きぬまま、一度も「変身」できないまま、ただただ時間だけが過ぎていった。
373 淫魔と彼女 第ニ話 (2/13) sage 2012/09/04(火) 07:57:28.13 ID:4HOSa4QN
遥が彰の使い魔となってから、10日目のこと。
遥は気づくと、見たこともない空間の中にいた。
果てしなく向こうまで何もない、全体が紫色の空間。
おかしいと思い、後ろを振り向こうとしたところで、自分の体が自由に動かないことに気づいた。
見ると、両肘から先と両膝から先が、なかった。
いや、空間にぽっかり空いた穴に自分の手足がすっぽりはまって、抜けなくなっている、と言ったほうが感覚的に近かった。
そして、一糸まとわぬ姿で大の字に固定されたまま、紫の空中に浮かんでいた。
「うふっ。ごきげんよう。『遥ちゃん』」
突然、目の前から声がした。見ると、自分がいた。
全く同じ顔、全く同じ髪型をしてはいるが、よく見ると、瞳が真っ赤だ。
そして、胸の中央で異形の「眼」がギョロギョロと蠢いている。
「…もしかして、『ハルカ』さん、ですか」
「そう、ご明察ね」
目の前で腕組みをしながら、目の前の「自分」が答えた。
「貴方が全然呼び出してくださらなくて暇だから、ちょっと遊びに参りましたのよ」
「…ごめんなさい。だって…私、あんなエッチなこと、できなくて」
「あら、貴方は十分エッチですわ。だって、こんなこと、できるんですもの」
言うやいなや、『ハルカ』はふわっと浮かぶと、自分の前で股を大きく開く。
すると、体中から真っ赤な触手が飛び出し、手足をぐるぐる巻きに拘束する。
腕が伸び、足がM字に固定された状態で、『ハルカ』は自身の触手に固定される。
まるで股間を遥に見せつけるような体勢になり、『ハルカ』はニンマリと淫靡な笑みを浮かべる。
そして背中から2本の触手が現れ、遥の目の前で、『ハルカ』のヴァギナとアナルに突き刺さる。
更にもう2本現れたかと思うと、両の乳房をぐるぐる巻きにして、搾り取るように締め上げる。
「はぁん、気持ちいいですわぁ」
自分と同じ姿をした目の前の「自分」が喘ぐ。
まるで、自分の目の前で自分が犯されるのを見ているような気分になり、遥はつい視線を逸らしてしまう。
「ほぉら、貴方は胸とお尻とオマンコにこんなエッチなことされて、すんごく感じていますのよ。十分エッチですわ」
「そ、そ、それは、『ハルカ』さんで、私じゃ、ありません」
「あらぁ?じゃあ、貴方のそのカッコは、何なのかしら?」
ふと自分自身を見ると、目の前の『ハルカ』と全く同じ体勢で拘束され、全く同じように、胸とお尻とアソコを責められていた。
途端に、ものすごい快感が自分を襲う。
「ふ、ふあぁっ!?な、何で?」
「ふふふ、どう?気持ちいいでしょう?」
「い、いやぁ、私…気持ちよくって死んでしまいそうですわぁ―えっ?」
「うふふ。もうこんなに感じちゃって。カワイイですわよ『遥ちゃん』」―と、「私」が口にする。
向かいを見ると、目の前で瞳の黒い『遥ちゃん』が触手に蹂躙され、喘いでいる。
「そ、そんな、私…?」
「うふふ。気持ちいいでしょ?『ハルカ』さん」
「―ええ、とっても。『遥ちゃん』」
「あぁん、私、オマンコもアナルもぐちょぐちょに犯されて、最高に、気持ちいいの」
「いやぁん、私も、オマンコもアナルもぐちょぐちょに犯されて、最高に、気持ちいいの」
「ねぇ、私のぐちょぐちょオマンコ見て、ねぇ、『遥ちゃん』」
「わ、私のぐちょぐちょオマンコも見てよ、ねぇ、『ハルカ』さん」
クスッ。
「ほら、貴方、こんなにエッチじゃない。『遥ちゃん』」
「いやぁあああああああああ!?」
遥は飛び起きた。寝汗をびっしょりかいている。
「――夢、なの?」
374 淫魔と彼女 第ニ話 (3/13) sage 2012/09/04(火) 07:58:29.25 ID:4HOSa4QN
あくる日もあくる日も、遥は『ハルカ』の夢にうなされた。
毎夜毎夜、ひたすらエッチな目にあわされるのだ。
そして、夢の中の遥は、日に日に少しずつ、エッチになっていた。
…いや、無理やりエッチに開発されているような、そんな感じがしていた。
その反動か、夢の中の自分がエッチになればなるほど、目覚めた後の自分はげっそりするのだった。
「はぁ…」
朝食にトーストを焼いてみたものの、全然手を付ける気になれない。
少々のことではへこたれない自信のあった遥だが、さすがにこの連日連夜は堪えていた。
「私が、変身しないからかなぁ…でもなぁ…」
やっぱり、あの強烈な感覚を味わいたいとはどうしても思えない。
ただ――夢の中の、ちょっとずつエッチになっている自分は、そのうちあの感覚が平気になってしまうんじゃないか。
それはそれで、なんだか、自分が自分でなくなるようで、怖い。
あの夢の自分は、現実の自分と、同じなんだろうか。
「うーん…」
テーブルの上にあごを乗せ、思案してみたものの、思考がまとまらない。
ただやっぱり、連夜の悪夢は、何とか止めたかった。
「やっぱり、彰くんに相談するしかないか」
その日の、学校、昼休み。
「ちょ、ちょっと。何でもっと早く相談してくれないのさ?!」
「だって…使い魔として、ダメダメみたいじゃん。私」
「いや、そこは意地張らないでおこうよ…」
間違いなく、『ハルカ』の仕業だ――彰は確信していた。
そして彰は、自分が何か大きなミスをしたことに気がつき始めていた。
彰は、『ハルカ』が『遥ちゃん』に干渉できないよう、『ハルカ』を植えつけた時、「眼」に仕掛けを施していた。
『遥ちゃん』の目が開いている時、「眼」は開くことができない。
『遥ちゃん』の目が「閉じられた」時―つまり、漆黒の闇で覆われた時のみ、「眼」が活動できるようにしたのである。
しかし、両方が「閉じられている」状態、すなわち、遥の体が深い眠りに落ちているときに、
どうやら仕掛けにスキができてしまっているようだった。
「眠っているときは「眼」も活動できないようにしたはずだけど、それじゃ足りなかったのか…うーん」
「どうしたら、いいかな…」
遥のつぶやきに、うーんと考え込む彰。…と、そろそろ午後の授業が始まってしまう。
「…とりあえず、学校終わったら、うちにおいでよ。一緒に考えよう」
375 淫魔と彼女 第ニ話 (4/13) sage 2012/09/04(火) 07:59:24.45 ID:4HOSa4QN
その日の夕方、彰の部屋。
「…やっぱり、『ハルカ』と話をしないと、だめか」と、彰。
「じゃ、変身、するの?」
「うん、仕方ないよ」
「うう…で、でも、私、変身できる自信ないよ」
「それは大丈夫。俺が変身させたげる」
「そんなこと、できるの?」
「まぁ、俺はご主人様、だからね。…ちょっと、我慢してて」
というと、服の上からハルカの胸を押さえた。手の下には布地ごしに宝石が収まっている。
「ええっ、ちょっと待っ、あああぁっ」
と、言うやいなや、彰の手の下、服の下から赤い光が一瞬発し、大量の触手がウネウネと舞い始めた。
遥の大事なところを責め上げた後、体をグルグル巻きにする。
数瞬の後、真っ赤な触手ボンデージを着込んだ『ハルカ』が登場する。
「はぁん、ご主人様。やっと出られましたわ」
「いや、今日は話し合いをしたかったんだ」
「話し合いぃ??」
「その…『遥ちゃん』の夢の中に出てくるの、やめてくんねーかな」
「はぁ…そんなことですの。お断りいたしますわ」
「ご主人様のいうことが聞けないのかよ」
「そういう事ではありませんけど…私は全然呼んでいただけず、全然体を動かせず、すっかり欲求不満ですのよ。
夢の中で暴れるくらい、いいではありませんか。
それに「この娘」だって、心の中ではヤリたがっていますのよ。私はそれに応えてるだけですわ」
「遥ちゃんが?…そんなバカな。遥ちゃんは俺達とは違うんだよ!」
彰の言葉を聞いて、はぁ、とため息をつく『ハルカ』。
「ご主人様。現実を直視してくださいまし。この体はもう、淫魔の体ですのよ。
どんな清純な乙女とて、心がウブな生娘のままでいられるはずがないじゃありませんか」
ぐ、と彰は言葉に詰まる。
「…ということで、アホらしくなりましたので帰りますわ。
次はもうちょっと楽しくエロエロなお話のときに呼んでくださいまし。それでは」
というと、しゅるしゅると触手が縮み、『遥ちゃん』の姿に戻った。
「…彰くん」
「…説得失敗、か」
彰はそうつぶやいたが、実際は、それどころではなかった。
『ハルカ』の言葉は、『遥ちゃん』の心のど真ん中に突き刺さっていたのだ。
376 淫魔と彼女 第ニ話 (5/13) sage 2012/09/04(火) 08:01:07.48 ID:4HOSa4QN
その後も2人で話し合ってはみたが、大して良い知恵も出ないまま、とっぷりと日が暮れてしまった。
「彰くん、そろそろ…」
「うん。ごめん、大して力になれなくて…」
遥が帰り支度を済ませると、2人は二階の彰の部屋から揃って出て、トントンと階段を降りた。
と、そこで、真正面の玄関の鍵がガチャガチャと言っているのに気づく。
「げ」
彰の顔が真っ青になり、そのまま回れ右をして逃げようと試みる。
「え、どうしたの、彰くん?」
しかし、気づくのが遅すぎた。すぐにドアが開き、向こう側にいた人物が現れる。
「ただいま~!あれ、彰何して――」
赤みがかったショートヘアでタイトスカートのスーツ姿、目鼻の整った美人。
高校生の親なのだから30はとうに超えているはずだが、20代と言っても十分通じる若さ。
帰ってくるなりハツラツとした声をあげていたが、彰の後ろにいた遥を見つけると、凍りついたように固まってしまった。
手に持っていたボストンバッグをドサッと落とす。
「か、母さん…」
「あ、おばさま、なの?」
しまった、という顔をしてうなだれる彰。
「あ、あ、あ、あ、あ、」
その母は、口をパクパクさせていたかと思うと、
「あぁぁぁぁぁきぃぃぃぃぃるぁぁぁぁぁぁあああ!!??」
「ひぃぃいいっ!?」
怒髪天を衝くとはこのことか。
麗人の顔がいっぺんに鬼の形相に変化する。
何故か黒いオーラが辺りを充満し、ガラスがビリビリと振動し、家具がガタガタ揺れていた。
(な、何この人、魔王…!?)
遥も恐怖で固まる。
「母さん今日はまだ帰ってこないはずじゃ―」
「うるさいっ!!!貴様そこに直れっ!!」
はぃいっ、と情けない声で返事すると、彰は言われるまま、フローリングの廊下の上に正座した。
「約束を、破ったね?」
「…はぃ」
「人を使い魔にするなって言ったよね?」
「…はぃ」
「後でたっぷりと説教する。覚悟しとけ」
そして、ずぃ、と遥の方を一瞥して
「ついて来なさい」
と言い捨てると、落としたボストンバッグを拾い上げ、そのまま彰の横をすり抜けて廊下の奥へと進んだ。
「は、はぃ…」
遥は足がガクガク震えていたが、おずおずとその足を出し、彼女に従う。
「あの、俺は…」
「お前はそこで正座っ!」
ひぃ、とまた彰が情けない声を上げた。
377 淫魔と彼女 第ニ話 (6/13) sage 2012/09/04(火) 08:02:12.87 ID:4HOSa4QN
一階の廊下の奥にある部屋に彰の母親は入っていった。
遥も後をついて中を覗くと、広々とした和室だった。
小さなタンスと化粧台がある以外は何もなく、がらんとしている。
「えっと、名前は…」
「遥、です。佐久遥」
「遥ちゃんね。さ、入って。私の部屋なんだここ」
「はい…」
「ごめんね、みっともないとこ見せちゃって」
さっきの黒いオーラはどこへやら、声のトーンも顔の表情も、最初の柔和なものに戻っていた。
遥に座布団を勧め、自分も一枚取ってその上に座る。
「…で、早速だけど。見せて。胸のもの」
「え?」
「あるんでしょ?」
突然で面食らったが、言葉の意味を解釈すると、遥は服のボタンを外し、胸をはだけてみせた。
真っ赤な宝石が輝いていた。
彰の母は覗きこむと、右手でそれと周辺を確かめるようにさすった。
表情が少し険しくなる。
「いつ?」
「二週間くらい前…」
「何があった?」
「えっと、あの…」
「セックスしたのはわかってる。彰が求めた?」
「いえ、わ、私から…
何度かそういう雰囲気になって、その度彰くんが拒否してたんですけど、
こないだ初めてOKしてくれて…」
「彰のこと、好き?」
「…はい」
「一生、一緒にいられる?」
矢継ぎ早に質問が繰り出される。彼女の眼は真剣だ。
遥もそれに応えようとする。
「…先日までは、そこまで考えたこと、ありませんでした。
でも、こういう事になって、ずっと、一緒にいれたらいいなって、思うようになりました」
「…そう」
彼女は答えると、すっと立ち上がって、奥のふすまの方に向かう。
「服、脱いで。全部」
「えっ?」
「私、医者なんだ。診てあげる」
そういうと、彼女はふすまの奥から薄い敷き布団を取り出し、畳の上に敷き始めた。
378 淫魔と彼女 第ニ話 (7/13) sage 2012/09/04(火) 08:03:21.19 ID:4HOSa4QN
布団の上で、裸になった遥が仰向けに寝ている。
彰の母はその右手側に座ると、遥のお腹の上に、右手の人差し指と中指を当て、その先をじっと見つめている。
触診のようにも見えるが、聴診器の類は一切ない。
そのまま、トン、トン、と指を置く場所を数秒ごとに変え、同じ動作を繰り返す。
みぞおち、丹田、下腹、脇腹、胸、脇の下、肩、反対側の肩…と手足を除いた全身を指がくまなく移動する。
胴体が一通り終わると、今度は両の手足をさすったり持ち上げたりして、
最後に、おでこの上に指を置き、そのあと胸の宝石を手のひらで触れた。
おでこと胸の間を何度か往復する。
ふぅ、と彰の母は一息ついた。そのあと今度は、はぁ、と肩を落とし、大きなため息をつく。
「ヘッタクソな術だなぁ。こんなんでよくヤろうと思ったな、あのバカは」
「そう、なんですか」
「夢にうなされてるんじゃない?」
言い当てられて遥はびっくりした表情を見せる。
「驚くようなことじゃないよ。夢魔を取り込んだんだもん、当たり前なの」
そういうと、指や肩の関節をコキコキ鳴らす。
「…しゃーない。ま、子供の尻拭いは親の仕事だしね。ここは一肌脱ぎますか」
「えっ?あの…」
「ちょっと辛いかもしれないけど、我慢して」
そう言うと、右手の手のひらを、遥の胸の宝石の上にかぶせるように乗せる。
続けて、左手の人差し指と薬指を遥の両まぶたの上に置いてぐいっと上に上げ、中指をおでこの真ん中に置く。
「あの、まばたき、できないです…」
「いいのそれくらい。こらえなさい」
それどころじゃない、と言った体で、遥に向き直ることもなく答える。
そして、1つ大きな深呼吸をした。
「いくよー。せーーーのっ!」
ぐぃ、と右手と左手の間を離すように力を込める。
刹那、遥の体がビキっと硬直した。
「ひぎっ!?」
遥の頭の中で、火花がバチバチっと弾ける。
そのまま、脳天から胸の宝石を通り、そして下腹部へと、高圧電流が駆け抜けるかのような衝撃が走る。
全身がビリビリと弾け飛ぶ。
「ぐぁ、がっ、がぁぁ、ああああっ」
「もーちょい、我慢してね」
感電したかのごとく、手足がガクガクと震える。
その後、オーガズムを迎えたかのように、全身が弓なりに反る。
アソコから多量の潮が吹き出す。
「ふぁぁああああぁぁああんっ」
電流の衝撃が収まった後も、遥は虚空を見つめ、彰の母の手の下で全身をピクピクさせていた。
386 淫魔と彼女 第ニ話 (8/13) sage 2012/09/04(火) 16:35:46.93 ID:4HOSa4QN
「――これで、よし。服着ていいよ」
遥のピクピクが収まり、ぐったりと力が抜けたところで、
彰の母は手を離し、潮で濡れた遥の下半身を手際よくタオルで拭くと、そう言った。
遥はまだ息も荒く、体の力が抜けた状態だったが、
言われるまま服を着ようと、よろよろと上体を起こした。
「もう、夢でうなされたりはしないと思う」
「本当ですか!?」
「うん。まぁ、気休めだけどね」
そして、一呼吸置いて、彰の母は続けた。
「私にできるのは、ここまで。後は、遥ちゃん自身がよく考えなさい」
「……はい」
うん、いい娘ね、と言って彼女は微笑む。
「これからも色々あると思うけど、彰とよく話し合って。
それでもどうしようもなくなったり、体調がすごく悪くなったりしたら…えっと」
と言いつつ、ボストンバッグの中をガサゴソすると、一枚の名刺を取り出して遥に手渡した。
「遠慮無くここに連絡しなさい。また診てあげる。時間が合えば、いつでも。
他の医者には、遥ちゃんの診察はできないと思うし」
受け取った名刺には
『医師 須見詠歌』
と真ん中に書かれ、端の方にケータイの番号と、医師の登録番号のようなものが小さく記されていた。
遥は名刺というものを受け取った経験がないが、この部屋同様、そっけない名刺だな、と思った。
「さ、すっかり遅くなったし、準備して。あのバカに家まで送らせるから」
と遥を促すと、彼女の胸に視線を落とし、
「…『中のコ』との対面は、また今度かな」
と、誰に向けるともなくつぶやいた。
387 淫魔と彼女 第ニ話 (9/13) sage 2012/09/04(火) 16:37:54.17 ID:4HOSa4QN
夜道、遥は好意に甘えるまま、自宅までの道のりを彰と歩いていた。
「遥ちゃん、大丈夫だった?」
「うん。彰くんこそ、大丈夫?足…正座しっぱなしだったでしょ」
「俺は慣れてるから…」
ハハハ、と乾いた声を上げるが、顔は引きつっている。
まぁ、出がけに「帰ったら説教な」と詠歌にドスの利いた声で言われているのだ。無理もない。
「でも、彰くんのおばさま、お医者さんだなんて知らなかった」
「ちょっと変わった医者でさ。
…遥ちゃんみたいな、魔に憑かれた人間を診て全国まわってんだ」
「あ、それで」
変わった触診だったのはそのせいか、と遥は合点した。
「おばさまも、やっぱり淫魔なの?」
「いや、母さんは人間だよ」
「そうなの?」
「淫魔だったのは父さん」
「あ、じゃ彰くんハーフなんだ」
淫魔は人間の女に子を産ませるものなので、それでハーフになるというものでもないのだが、
説明が面倒なので彰は瞹昧に流した。
「おじさまはどうされたの?」
「昔、母さんが倒したんだって」
へぇ、と返事するが、倒した、の意味が遥にはよくわかってなかった。
388 淫魔と彼女 第ニ話 (10/13) sage 2012/09/04(火) 16:40:47.84 ID:4HOSa4QN
その夜。
「さぁ~て、また今日も『遥ちゃん』を開発するお時間ですわね…ん?」
一糸まとわぬ姿ではあるが、いつもの拘束された姿ではなく、遥はただすっくと立って、ハルカと対峙していた。
「な、なんで、ワタクシの夢の中で自由になれるのです?」
「おばさまのおかげみたい、です」
詠歌の言う、夢で「うなされたりはしない」とは、こういう事だったようだ。
「あんのババァですのね…まったく忌々しい…」
「おばさまを知ってるの?」
「貴方の知ったことじゃありませんわ。…さて、自由になったところで、どうしますの?
ワタクシに仕返しでもなさるおつもりですか?」
遥は首を横に振った。
「私、その…ハルカさんに、調教されに来ました」
「は?」
予想外の言葉に、ハルカも今まで見せたことのない表情をする。
「私、彰くんの使い魔になっちゃって。
最初は何だかわからなかったけど、でもすごくエッチなことみたいで、ものすごく抵抗がありました。
でも、彰くんが淫魔で、すごくエッチな存在なのは、どうしようもないことで。
だから私は、彰くんの「使い魔」として、やっぱりエッチにならないといけないんだなって。
ハルカさんに変身したときのエッチさにはまだ全然ついていけないけど、
でも、いつかは、ついていけるようにならないとダメだって、思ったんです。
それが、彰くんと一緒にいるのに必要なことだから。
…だから、私、ハルカさんに、エッチにして欲しいんです。
ちょっとずつでも、彰くんに近づけるように」
一部始終を聞いていたハルカは、一瞬ぽかーんとした後、顔を伏せて頭をポリポリ掻き始めた。
「まったく、調子狂いますわね…淫魔としての楽しみが半減ですわ。
…でも」
顔を上げると、そのまま遥の目の前まで近づき、顔を近づけ、遥の顎を手でくいと持ち上げた。
「その殊勝な心がけ、褒めて差し上げますわ。
よろしくてよ。ワタクシが貴方を立派な『使い魔』に育てて差し上げます」
遥の眼前で、ニィ、と笑う。
「はい、よろしくおねがいします…ハルカさん」
「『ハルカさん』じゃありませんわ。『お姉さま』とお呼びなさい。
これから返事は全て『はい、お姉さま』です。言ってご覧なさい?」
顎を掴まれたままの遥は、顔を赤らめながら、ハルカを見つめ返す。
「はい、…お姉さま」
「よろしい。これは、ご褒美です」
そう言って、ハルカは遥にキスをした。
389 淫魔と彼女 第ニ話 (11/13) sage 2012/09/04(火) 16:43:08.45 ID:4HOSa4QN
「くふん、ちゅ、ふっ、ふぅっ」
舌を絡める濃厚なキス。遥はハルカにされるがまま、口の中をかき回される。
遥の目がトロンとしてきたところで、ハルカが口を一旦離す。
「今から、貴方に気持ちよくなる液を飲ませて差し上げますわ。一滴残らず飲み干しなさい」
「…はい、お姉さま」
ハルカは満足した表情を見せると、再び遥と唇を合わせ、今度はドロドロした白濁の液体を遥の口に流しこむ。
「むふっ!むぐ、むぐ、むぅん」
口づけしたまま懸命に咽下する遥。
「よくできましたわね。遥」
「げほっ、けほっ、は、はい、お姉さま…うぁ?」
急に、飲み干した喉のあたりが熱くなり、それが全身に広がっていく。
「う、ふぁ、あぁん…」
下半身が痺れて、アソコから汁が滴り落ちる。
「今日は特別サービスですわ。本当ならば先ほどワタクシのした行為は、
貴方が他の人間どもにしてやるべき行為ですのよ。
最低限、その程度のエロ気分には、自発的になれるようになりませんと」
「はぃ…お姉さま…」
「さ、ではこれから、使い魔になるためのレッスン1、ですわ」
そう言うと、ハルカの体が薄く光り、そのまま遥の体に重なる。
体を光が包んだかと思うと、胸のところに収斂し、宝石にピッタリと重なった。
「あ…お姉さま…?」
胸の宝石は光を宿し、「眼」となった。
『今、ワタクシは貴方と同化しております。
貴方は、ワタクシ。ワタクシは、貴方』
「…私は…お姉さま…お姉さまは…私…」
『そう。ですから、貴方はワタクシの思うがまま、ワタクシの触手を使って、ワタクシと一緒に、最高に感じてしまいますのよ。
それから逃れることはできません』
「…私は、お姉さまの思うがまま、お姉さまの触手を使って、お姉さまと一緒に、最高に感じてしまいます。
それから逃れることはできません」
『今から、自分の体から触手を一本出して、自分のオマンコをいじめて、オナニーしなさい。
それが今日のレッスンですわ』
「…はい、お姉さま」
390 淫魔と彼女 第ニ話 (12/13) sage 2012/09/04(火) 16:46:26.29 ID:4HOSa4QN
『いいですこと?「変身」する時のことを思い出しなさい。
自分の体から触手が伸びる感覚を…』
「はい…お姉さま…んん…」
目をつぶり、懸命に思い出そうとするが、なかなか思うようにいかない。
『胸の「眼」に意識を集中なさい。感覚が少しずつ、わかってきますわ』
「はい、お姉さま…んんっ、んっ、うわっ、あはぁ?!」
突然、へその奥から細い触手が飛び出してくる。
触手がへその中を擦る感覚が、最高に気持ちいい。
「あ、あはぁぁああん!」
へそからニョキッと屹立する触手を生やし、遥は立ったまま快感で頭を抱え、体をエビぞりにして震えた。
足はいつの間にか肩幅以上に開いている。
『どうです?気持ちいいでしょう?』
「はいぃ…き、気持ちいいです、お姉さま…」
『じゃあその、生えた触手を自分の腰に巻きつけなさい』
「はぃ…お姉さま」
んんっ、と力を入れると、触手は意識を得たようにくねり始めた。
そして徐々に右に折れ、へそから腰の周囲に、時計回りにゆっくり巻きついていく。
腰に擦れている面積が大きくなればなるほど、快感が増加していく。
『そのまま、少しずつ巻き付く位置を下げて、アソコに近づけるのです』
「はぃ…お姉さまぁ…」
くるくると腰からお尻の上に巻き付いて、最後に左太股の付け根に沿うようにして回り込み、先端がアソコの真上に到達した。
ちょうど、ヴァギナの筋を塞ぐように触手が鎮座している。
「ふぁああぁ…」
『そのまま、筋にそって、貴方のオマンコを擦るように触手を伸び縮みさせなさい』
「はぃ、おねえさまぁぁぁ…ぁぁああああん!!」
触手にこすられるアソコの刺激と、触手がアソコとお尻と腰とおへそにこすられる刺激が一気に遥を襲う。
『ほぉら、気持ちよくなってきたでしょう?ほら、ほら、ほら、ほら』
「はぁっ、はひっ、きっもち、いいです、おねえ、さま、ぅわ、ああんっ」
『最後ですわ…そのまま、先端を、オマンコに入れてしまいなさい』
「はひっ、おねえ、さっまぁっ、はぁ、あふ、ふくっ!?」
『ふふふ…あとは、貴方の心の赴くまま、気持ちよぉく、自分を犯して、犯して、イッてしまいなさい』
「はっ、はひっ、はぁっ、あっ、イク、イク、イク、ふぁああああああああぁあぁああああああぁん!!!!」
391 淫魔と彼女 第ニ話 (13/13) sage 2012/09/04(火) 16:48:48.54 ID:4HOSa4QN
気がつくと、遥は自分の部屋のベッドの上に横たわっていた。
もう朝だ。太陽の光が窓から差し込んでいる。
遥は、昨日観た夢を思い出して、ぼぅっとしていた。
自分が、自分から、あんなにエッチになるなんて…
「何だか、昨日の夢のまま、アソコが、ムズムズす…うぇえええ?!」
自分の体を見下げると、パジャマの裾がはだけ、中から真っ赤な触手が外に飛び出している。
そのまま、腰に巻き付いて、パンツの下に潜り込み、アソコの中に入ってしまっている。
「うわわわわっわわわわああああああ!」
動転のあまりひっくり返りそうになると、頭の下にあった枕代わりのクッションを自分の触手に何度も叩きつける。
「ひひひひっこめー!ひっこめー!ひっこめー!」
程なく、しゅるしゅると音を立てると、おへそに吸い込まれるように消えていった。
「ううう、恥ずかしいよぉ…」
遥はクッションを抱えたまま三角座りをして、顔をその中に埋めた。
しかし、その表情はセリフに反して、ちょっと嬉しそうだった。
自宅のPCの前で、遥はすっかり沈鬱な気分に浸っていた。
自分の身に起こったことをちゃんと理解しようと、遥はここ数日、学校の図書室に篭ったり、
ネットで検索したりして色々調べていたのだが…
どうも、自分はとんでもない境遇に陥ってしまったことがわかってきた。
淫魔。人にエッチなことをして、堕落させる、悪魔。
男性の淫魔をインキュバス、女性の淫魔をサキュバス、というらしい。
…すると、彰くんはインキュバスで、私は――使い魔も淫魔みたいだから、じゃあ、サキュバス?
「ふえぇ…」
あまりの途方も無さに、全然実感がわかない。
サキュバス、で画像を検索してみると、背中に蝙蝠の羽を生やして、胸の大きい、
グラマラスで色気たっぷりの女性の絵ばっかりが出てくる。
自分は別に羽も生えてないし、胸もBカップのままだし、色気なんて全然ない。
そのうち羽が生えたり、胸が大きくなったり、するんだろうか…
「でも、彰くんも、見かけは全然悪魔っぽくないけどなぁ…その、アソコ、以外は…」
自分で言いながら、顔を赤らめる遥。
違いは――そう、彰くんには、触手、が、生えていた。
触手、で画像を検索すると、ズラッと並ぶのは、ウネウネした触手に絡め取られて喘ぐ女性の画像ばかり。
「うわぁ…」
免疫がない遥には、なかなか正視できない。
でも、自分の記憶にある「あの現象」を、確かに思い起こさせるものでもあった。
『ハルカ』に、変身したとき――確かにあのとき、体中が触手をまとっていた。
いや、まとっていた、というのはあまりに生易しい表現だ。
体中を触手に責め上げられ、締め上げられ、縛り上げられていた。
変身したのはほんの僅かな間だったが、あの時に体感した、
快感と苦痛と気持ち悪さがないまぜになった強烈な感覚は、自分の処理能力を到底超えて、理解不能だった。
ただただ、強烈さとおぞましさだけが脳裏にこびりついている。
「変身、か…」
もう一度、あの時みたいにやってみよう、と思いはするが…嫌悪感が先にたって、どうしても変身できなかった。
遥が使い魔としてすべきこと、と、彰が言ったのが唯一「たまに変身して」だったのだが、
それすらままならない自分に、ため息しか出なかった。
「彰くん…ハードル高すぎだよぉ…早速くじけそうだよぉ…」
こうして。
遥の悩みは尽きぬまま、一度も「変身」できないまま、ただただ時間だけが過ぎていった。
373 淫魔と彼女 第ニ話 (2/13) sage 2012/09/04(火) 07:57:28.13 ID:4HOSa4QN
遥が彰の使い魔となってから、10日目のこと。
遥は気づくと、見たこともない空間の中にいた。
果てしなく向こうまで何もない、全体が紫色の空間。
おかしいと思い、後ろを振り向こうとしたところで、自分の体が自由に動かないことに気づいた。
見ると、両肘から先と両膝から先が、なかった。
いや、空間にぽっかり空いた穴に自分の手足がすっぽりはまって、抜けなくなっている、と言ったほうが感覚的に近かった。
そして、一糸まとわぬ姿で大の字に固定されたまま、紫の空中に浮かんでいた。
「うふっ。ごきげんよう。『遥ちゃん』」
突然、目の前から声がした。見ると、自分がいた。
全く同じ顔、全く同じ髪型をしてはいるが、よく見ると、瞳が真っ赤だ。
そして、胸の中央で異形の「眼」がギョロギョロと蠢いている。
「…もしかして、『ハルカ』さん、ですか」
「そう、ご明察ね」
目の前で腕組みをしながら、目の前の「自分」が答えた。
「貴方が全然呼び出してくださらなくて暇だから、ちょっと遊びに参りましたのよ」
「…ごめんなさい。だって…私、あんなエッチなこと、できなくて」
「あら、貴方は十分エッチですわ。だって、こんなこと、できるんですもの」
言うやいなや、『ハルカ』はふわっと浮かぶと、自分の前で股を大きく開く。
すると、体中から真っ赤な触手が飛び出し、手足をぐるぐる巻きに拘束する。
腕が伸び、足がM字に固定された状態で、『ハルカ』は自身の触手に固定される。
まるで股間を遥に見せつけるような体勢になり、『ハルカ』はニンマリと淫靡な笑みを浮かべる。
そして背中から2本の触手が現れ、遥の目の前で、『ハルカ』のヴァギナとアナルに突き刺さる。
更にもう2本現れたかと思うと、両の乳房をぐるぐる巻きにして、搾り取るように締め上げる。
「はぁん、気持ちいいですわぁ」
自分と同じ姿をした目の前の「自分」が喘ぐ。
まるで、自分の目の前で自分が犯されるのを見ているような気分になり、遥はつい視線を逸らしてしまう。
「ほぉら、貴方は胸とお尻とオマンコにこんなエッチなことされて、すんごく感じていますのよ。十分エッチですわ」
「そ、そ、それは、『ハルカ』さんで、私じゃ、ありません」
「あらぁ?じゃあ、貴方のそのカッコは、何なのかしら?」
ふと自分自身を見ると、目の前の『ハルカ』と全く同じ体勢で拘束され、全く同じように、胸とお尻とアソコを責められていた。
途端に、ものすごい快感が自分を襲う。
「ふ、ふあぁっ!?な、何で?」
「ふふふ、どう?気持ちいいでしょう?」
「い、いやぁ、私…気持ちよくって死んでしまいそうですわぁ―えっ?」
「うふふ。もうこんなに感じちゃって。カワイイですわよ『遥ちゃん』」―と、「私」が口にする。
向かいを見ると、目の前で瞳の黒い『遥ちゃん』が触手に蹂躙され、喘いでいる。
「そ、そんな、私…?」
「うふふ。気持ちいいでしょ?『ハルカ』さん」
「―ええ、とっても。『遥ちゃん』」
「あぁん、私、オマンコもアナルもぐちょぐちょに犯されて、最高に、気持ちいいの」
「いやぁん、私も、オマンコもアナルもぐちょぐちょに犯されて、最高に、気持ちいいの」
「ねぇ、私のぐちょぐちょオマンコ見て、ねぇ、『遥ちゃん』」
「わ、私のぐちょぐちょオマンコも見てよ、ねぇ、『ハルカ』さん」
クスッ。
「ほら、貴方、こんなにエッチじゃない。『遥ちゃん』」
「いやぁあああああああああ!?」
遥は飛び起きた。寝汗をびっしょりかいている。
「――夢、なの?」
374 淫魔と彼女 第ニ話 (3/13) sage 2012/09/04(火) 07:58:29.25 ID:4HOSa4QN
あくる日もあくる日も、遥は『ハルカ』の夢にうなされた。
毎夜毎夜、ひたすらエッチな目にあわされるのだ。
そして、夢の中の遥は、日に日に少しずつ、エッチになっていた。
…いや、無理やりエッチに開発されているような、そんな感じがしていた。
その反動か、夢の中の自分がエッチになればなるほど、目覚めた後の自分はげっそりするのだった。
「はぁ…」
朝食にトーストを焼いてみたものの、全然手を付ける気になれない。
少々のことではへこたれない自信のあった遥だが、さすがにこの連日連夜は堪えていた。
「私が、変身しないからかなぁ…でもなぁ…」
やっぱり、あの強烈な感覚を味わいたいとはどうしても思えない。
ただ――夢の中の、ちょっとずつエッチになっている自分は、そのうちあの感覚が平気になってしまうんじゃないか。
それはそれで、なんだか、自分が自分でなくなるようで、怖い。
あの夢の自分は、現実の自分と、同じなんだろうか。
「うーん…」
テーブルの上にあごを乗せ、思案してみたものの、思考がまとまらない。
ただやっぱり、連夜の悪夢は、何とか止めたかった。
「やっぱり、彰くんに相談するしかないか」
その日の、学校、昼休み。
「ちょ、ちょっと。何でもっと早く相談してくれないのさ?!」
「だって…使い魔として、ダメダメみたいじゃん。私」
「いや、そこは意地張らないでおこうよ…」
間違いなく、『ハルカ』の仕業だ――彰は確信していた。
そして彰は、自分が何か大きなミスをしたことに気がつき始めていた。
彰は、『ハルカ』が『遥ちゃん』に干渉できないよう、『ハルカ』を植えつけた時、「眼」に仕掛けを施していた。
『遥ちゃん』の目が開いている時、「眼」は開くことができない。
『遥ちゃん』の目が「閉じられた」時―つまり、漆黒の闇で覆われた時のみ、「眼」が活動できるようにしたのである。
しかし、両方が「閉じられている」状態、すなわち、遥の体が深い眠りに落ちているときに、
どうやら仕掛けにスキができてしまっているようだった。
「眠っているときは「眼」も活動できないようにしたはずだけど、それじゃ足りなかったのか…うーん」
「どうしたら、いいかな…」
遥のつぶやきに、うーんと考え込む彰。…と、そろそろ午後の授業が始まってしまう。
「…とりあえず、学校終わったら、うちにおいでよ。一緒に考えよう」
375 淫魔と彼女 第ニ話 (4/13) sage 2012/09/04(火) 07:59:24.45 ID:4HOSa4QN
その日の夕方、彰の部屋。
「…やっぱり、『ハルカ』と話をしないと、だめか」と、彰。
「じゃ、変身、するの?」
「うん、仕方ないよ」
「うう…で、でも、私、変身できる自信ないよ」
「それは大丈夫。俺が変身させたげる」
「そんなこと、できるの?」
「まぁ、俺はご主人様、だからね。…ちょっと、我慢してて」
というと、服の上からハルカの胸を押さえた。手の下には布地ごしに宝石が収まっている。
「ええっ、ちょっと待っ、あああぁっ」
と、言うやいなや、彰の手の下、服の下から赤い光が一瞬発し、大量の触手がウネウネと舞い始めた。
遥の大事なところを責め上げた後、体をグルグル巻きにする。
数瞬の後、真っ赤な触手ボンデージを着込んだ『ハルカ』が登場する。
「はぁん、ご主人様。やっと出られましたわ」
「いや、今日は話し合いをしたかったんだ」
「話し合いぃ??」
「その…『遥ちゃん』の夢の中に出てくるの、やめてくんねーかな」
「はぁ…そんなことですの。お断りいたしますわ」
「ご主人様のいうことが聞けないのかよ」
「そういう事ではありませんけど…私は全然呼んでいただけず、全然体を動かせず、すっかり欲求不満ですのよ。
夢の中で暴れるくらい、いいではありませんか。
それに「この娘」だって、心の中ではヤリたがっていますのよ。私はそれに応えてるだけですわ」
「遥ちゃんが?…そんなバカな。遥ちゃんは俺達とは違うんだよ!」
彰の言葉を聞いて、はぁ、とため息をつく『ハルカ』。
「ご主人様。現実を直視してくださいまし。この体はもう、淫魔の体ですのよ。
どんな清純な乙女とて、心がウブな生娘のままでいられるはずがないじゃありませんか」
ぐ、と彰は言葉に詰まる。
「…ということで、アホらしくなりましたので帰りますわ。
次はもうちょっと楽しくエロエロなお話のときに呼んでくださいまし。それでは」
というと、しゅるしゅると触手が縮み、『遥ちゃん』の姿に戻った。
「…彰くん」
「…説得失敗、か」
彰はそうつぶやいたが、実際は、それどころではなかった。
『ハルカ』の言葉は、『遥ちゃん』の心のど真ん中に突き刺さっていたのだ。
376 淫魔と彼女 第ニ話 (5/13) sage 2012/09/04(火) 08:01:07.48 ID:4HOSa4QN
その後も2人で話し合ってはみたが、大して良い知恵も出ないまま、とっぷりと日が暮れてしまった。
「彰くん、そろそろ…」
「うん。ごめん、大して力になれなくて…」
遥が帰り支度を済ませると、2人は二階の彰の部屋から揃って出て、トントンと階段を降りた。
と、そこで、真正面の玄関の鍵がガチャガチャと言っているのに気づく。
「げ」
彰の顔が真っ青になり、そのまま回れ右をして逃げようと試みる。
「え、どうしたの、彰くん?」
しかし、気づくのが遅すぎた。すぐにドアが開き、向こう側にいた人物が現れる。
「ただいま~!あれ、彰何して――」
赤みがかったショートヘアでタイトスカートのスーツ姿、目鼻の整った美人。
高校生の親なのだから30はとうに超えているはずだが、20代と言っても十分通じる若さ。
帰ってくるなりハツラツとした声をあげていたが、彰の後ろにいた遥を見つけると、凍りついたように固まってしまった。
手に持っていたボストンバッグをドサッと落とす。
「か、母さん…」
「あ、おばさま、なの?」
しまった、という顔をしてうなだれる彰。
「あ、あ、あ、あ、あ、」
その母は、口をパクパクさせていたかと思うと、
「あぁぁぁぁぁきぃぃぃぃぃるぁぁぁぁぁぁあああ!!??」
「ひぃぃいいっ!?」
怒髪天を衝くとはこのことか。
麗人の顔がいっぺんに鬼の形相に変化する。
何故か黒いオーラが辺りを充満し、ガラスがビリビリと振動し、家具がガタガタ揺れていた。
(な、何この人、魔王…!?)
遥も恐怖で固まる。
「母さん今日はまだ帰ってこないはずじゃ―」
「うるさいっ!!!貴様そこに直れっ!!」
はぃいっ、と情けない声で返事すると、彰は言われるまま、フローリングの廊下の上に正座した。
「約束を、破ったね?」
「…はぃ」
「人を使い魔にするなって言ったよね?」
「…はぃ」
「後でたっぷりと説教する。覚悟しとけ」
そして、ずぃ、と遥の方を一瞥して
「ついて来なさい」
と言い捨てると、落としたボストンバッグを拾い上げ、そのまま彰の横をすり抜けて廊下の奥へと進んだ。
「は、はぃ…」
遥は足がガクガク震えていたが、おずおずとその足を出し、彼女に従う。
「あの、俺は…」
「お前はそこで正座っ!」
ひぃ、とまた彰が情けない声を上げた。
377 淫魔と彼女 第ニ話 (6/13) sage 2012/09/04(火) 08:02:12.87 ID:4HOSa4QN
一階の廊下の奥にある部屋に彰の母親は入っていった。
遥も後をついて中を覗くと、広々とした和室だった。
小さなタンスと化粧台がある以外は何もなく、がらんとしている。
「えっと、名前は…」
「遥、です。佐久遥」
「遥ちゃんね。さ、入って。私の部屋なんだここ」
「はい…」
「ごめんね、みっともないとこ見せちゃって」
さっきの黒いオーラはどこへやら、声のトーンも顔の表情も、最初の柔和なものに戻っていた。
遥に座布団を勧め、自分も一枚取ってその上に座る。
「…で、早速だけど。見せて。胸のもの」
「え?」
「あるんでしょ?」
突然で面食らったが、言葉の意味を解釈すると、遥は服のボタンを外し、胸をはだけてみせた。
真っ赤な宝石が輝いていた。
彰の母は覗きこむと、右手でそれと周辺を確かめるようにさすった。
表情が少し険しくなる。
「いつ?」
「二週間くらい前…」
「何があった?」
「えっと、あの…」
「セックスしたのはわかってる。彰が求めた?」
「いえ、わ、私から…
何度かそういう雰囲気になって、その度彰くんが拒否してたんですけど、
こないだ初めてOKしてくれて…」
「彰のこと、好き?」
「…はい」
「一生、一緒にいられる?」
矢継ぎ早に質問が繰り出される。彼女の眼は真剣だ。
遥もそれに応えようとする。
「…先日までは、そこまで考えたこと、ありませんでした。
でも、こういう事になって、ずっと、一緒にいれたらいいなって、思うようになりました」
「…そう」
彼女は答えると、すっと立ち上がって、奥のふすまの方に向かう。
「服、脱いで。全部」
「えっ?」
「私、医者なんだ。診てあげる」
そういうと、彼女はふすまの奥から薄い敷き布団を取り出し、畳の上に敷き始めた。
378 淫魔と彼女 第ニ話 (7/13) sage 2012/09/04(火) 08:03:21.19 ID:4HOSa4QN
布団の上で、裸になった遥が仰向けに寝ている。
彰の母はその右手側に座ると、遥のお腹の上に、右手の人差し指と中指を当て、その先をじっと見つめている。
触診のようにも見えるが、聴診器の類は一切ない。
そのまま、トン、トン、と指を置く場所を数秒ごとに変え、同じ動作を繰り返す。
みぞおち、丹田、下腹、脇腹、胸、脇の下、肩、反対側の肩…と手足を除いた全身を指がくまなく移動する。
胴体が一通り終わると、今度は両の手足をさすったり持ち上げたりして、
最後に、おでこの上に指を置き、そのあと胸の宝石を手のひらで触れた。
おでこと胸の間を何度か往復する。
ふぅ、と彰の母は一息ついた。そのあと今度は、はぁ、と肩を落とし、大きなため息をつく。
「ヘッタクソな術だなぁ。こんなんでよくヤろうと思ったな、あのバカは」
「そう、なんですか」
「夢にうなされてるんじゃない?」
言い当てられて遥はびっくりした表情を見せる。
「驚くようなことじゃないよ。夢魔を取り込んだんだもん、当たり前なの」
そういうと、指や肩の関節をコキコキ鳴らす。
「…しゃーない。ま、子供の尻拭いは親の仕事だしね。ここは一肌脱ぎますか」
「えっ?あの…」
「ちょっと辛いかもしれないけど、我慢して」
そう言うと、右手の手のひらを、遥の胸の宝石の上にかぶせるように乗せる。
続けて、左手の人差し指と薬指を遥の両まぶたの上に置いてぐいっと上に上げ、中指をおでこの真ん中に置く。
「あの、まばたき、できないです…」
「いいのそれくらい。こらえなさい」
それどころじゃない、と言った体で、遥に向き直ることもなく答える。
そして、1つ大きな深呼吸をした。
「いくよー。せーーーのっ!」
ぐぃ、と右手と左手の間を離すように力を込める。
刹那、遥の体がビキっと硬直した。
「ひぎっ!?」
遥の頭の中で、火花がバチバチっと弾ける。
そのまま、脳天から胸の宝石を通り、そして下腹部へと、高圧電流が駆け抜けるかのような衝撃が走る。
全身がビリビリと弾け飛ぶ。
「ぐぁ、がっ、がぁぁ、ああああっ」
「もーちょい、我慢してね」
感電したかのごとく、手足がガクガクと震える。
その後、オーガズムを迎えたかのように、全身が弓なりに反る。
アソコから多量の潮が吹き出す。
「ふぁぁああああぁぁああんっ」
電流の衝撃が収まった後も、遥は虚空を見つめ、彰の母の手の下で全身をピクピクさせていた。
386 淫魔と彼女 第ニ話 (8/13) sage 2012/09/04(火) 16:35:46.93 ID:4HOSa4QN
「――これで、よし。服着ていいよ」
遥のピクピクが収まり、ぐったりと力が抜けたところで、
彰の母は手を離し、潮で濡れた遥の下半身を手際よくタオルで拭くと、そう言った。
遥はまだ息も荒く、体の力が抜けた状態だったが、
言われるまま服を着ようと、よろよろと上体を起こした。
「もう、夢でうなされたりはしないと思う」
「本当ですか!?」
「うん。まぁ、気休めだけどね」
そして、一呼吸置いて、彰の母は続けた。
「私にできるのは、ここまで。後は、遥ちゃん自身がよく考えなさい」
「……はい」
うん、いい娘ね、と言って彼女は微笑む。
「これからも色々あると思うけど、彰とよく話し合って。
それでもどうしようもなくなったり、体調がすごく悪くなったりしたら…えっと」
と言いつつ、ボストンバッグの中をガサゴソすると、一枚の名刺を取り出して遥に手渡した。
「遠慮無くここに連絡しなさい。また診てあげる。時間が合えば、いつでも。
他の医者には、遥ちゃんの診察はできないと思うし」
受け取った名刺には
『医師 須見詠歌』
と真ん中に書かれ、端の方にケータイの番号と、医師の登録番号のようなものが小さく記されていた。
遥は名刺というものを受け取った経験がないが、この部屋同様、そっけない名刺だな、と思った。
「さ、すっかり遅くなったし、準備して。あのバカに家まで送らせるから」
と遥を促すと、彼女の胸に視線を落とし、
「…『中のコ』との対面は、また今度かな」
と、誰に向けるともなくつぶやいた。
387 淫魔と彼女 第ニ話 (9/13) sage 2012/09/04(火) 16:37:54.17 ID:4HOSa4QN
夜道、遥は好意に甘えるまま、自宅までの道のりを彰と歩いていた。
「遥ちゃん、大丈夫だった?」
「うん。彰くんこそ、大丈夫?足…正座しっぱなしだったでしょ」
「俺は慣れてるから…」
ハハハ、と乾いた声を上げるが、顔は引きつっている。
まぁ、出がけに「帰ったら説教な」と詠歌にドスの利いた声で言われているのだ。無理もない。
「でも、彰くんのおばさま、お医者さんだなんて知らなかった」
「ちょっと変わった医者でさ。
…遥ちゃんみたいな、魔に憑かれた人間を診て全国まわってんだ」
「あ、それで」
変わった触診だったのはそのせいか、と遥は合点した。
「おばさまも、やっぱり淫魔なの?」
「いや、母さんは人間だよ」
「そうなの?」
「淫魔だったのは父さん」
「あ、じゃ彰くんハーフなんだ」
淫魔は人間の女に子を産ませるものなので、それでハーフになるというものでもないのだが、
説明が面倒なので彰は瞹昧に流した。
「おじさまはどうされたの?」
「昔、母さんが倒したんだって」
へぇ、と返事するが、倒した、の意味が遥にはよくわかってなかった。
388 淫魔と彼女 第ニ話 (10/13) sage 2012/09/04(火) 16:40:47.84 ID:4HOSa4QN
その夜。
「さぁ~て、また今日も『遥ちゃん』を開発するお時間ですわね…ん?」
一糸まとわぬ姿ではあるが、いつもの拘束された姿ではなく、遥はただすっくと立って、ハルカと対峙していた。
「な、なんで、ワタクシの夢の中で自由になれるのです?」
「おばさまのおかげみたい、です」
詠歌の言う、夢で「うなされたりはしない」とは、こういう事だったようだ。
「あんのババァですのね…まったく忌々しい…」
「おばさまを知ってるの?」
「貴方の知ったことじゃありませんわ。…さて、自由になったところで、どうしますの?
ワタクシに仕返しでもなさるおつもりですか?」
遥は首を横に振った。
「私、その…ハルカさんに、調教されに来ました」
「は?」
予想外の言葉に、ハルカも今まで見せたことのない表情をする。
「私、彰くんの使い魔になっちゃって。
最初は何だかわからなかったけど、でもすごくエッチなことみたいで、ものすごく抵抗がありました。
でも、彰くんが淫魔で、すごくエッチな存在なのは、どうしようもないことで。
だから私は、彰くんの「使い魔」として、やっぱりエッチにならないといけないんだなって。
ハルカさんに変身したときのエッチさにはまだ全然ついていけないけど、
でも、いつかは、ついていけるようにならないとダメだって、思ったんです。
それが、彰くんと一緒にいるのに必要なことだから。
…だから、私、ハルカさんに、エッチにして欲しいんです。
ちょっとずつでも、彰くんに近づけるように」
一部始終を聞いていたハルカは、一瞬ぽかーんとした後、顔を伏せて頭をポリポリ掻き始めた。
「まったく、調子狂いますわね…淫魔としての楽しみが半減ですわ。
…でも」
顔を上げると、そのまま遥の目の前まで近づき、顔を近づけ、遥の顎を手でくいと持ち上げた。
「その殊勝な心がけ、褒めて差し上げますわ。
よろしくてよ。ワタクシが貴方を立派な『使い魔』に育てて差し上げます」
遥の眼前で、ニィ、と笑う。
「はい、よろしくおねがいします…ハルカさん」
「『ハルカさん』じゃありませんわ。『お姉さま』とお呼びなさい。
これから返事は全て『はい、お姉さま』です。言ってご覧なさい?」
顎を掴まれたままの遥は、顔を赤らめながら、ハルカを見つめ返す。
「はい、…お姉さま」
「よろしい。これは、ご褒美です」
そう言って、ハルカは遥にキスをした。
389 淫魔と彼女 第ニ話 (11/13) sage 2012/09/04(火) 16:43:08.45 ID:4HOSa4QN
「くふん、ちゅ、ふっ、ふぅっ」
舌を絡める濃厚なキス。遥はハルカにされるがまま、口の中をかき回される。
遥の目がトロンとしてきたところで、ハルカが口を一旦離す。
「今から、貴方に気持ちよくなる液を飲ませて差し上げますわ。一滴残らず飲み干しなさい」
「…はい、お姉さま」
ハルカは満足した表情を見せると、再び遥と唇を合わせ、今度はドロドロした白濁の液体を遥の口に流しこむ。
「むふっ!むぐ、むぐ、むぅん」
口づけしたまま懸命に咽下する遥。
「よくできましたわね。遥」
「げほっ、けほっ、は、はい、お姉さま…うぁ?」
急に、飲み干した喉のあたりが熱くなり、それが全身に広がっていく。
「う、ふぁ、あぁん…」
下半身が痺れて、アソコから汁が滴り落ちる。
「今日は特別サービスですわ。本当ならば先ほどワタクシのした行為は、
貴方が他の人間どもにしてやるべき行為ですのよ。
最低限、その程度のエロ気分には、自発的になれるようになりませんと」
「はぃ…お姉さま…」
「さ、ではこれから、使い魔になるためのレッスン1、ですわ」
そう言うと、ハルカの体が薄く光り、そのまま遥の体に重なる。
体を光が包んだかと思うと、胸のところに収斂し、宝石にピッタリと重なった。
「あ…お姉さま…?」
胸の宝石は光を宿し、「眼」となった。
『今、ワタクシは貴方と同化しております。
貴方は、ワタクシ。ワタクシは、貴方』
「…私は…お姉さま…お姉さまは…私…」
『そう。ですから、貴方はワタクシの思うがまま、ワタクシの触手を使って、ワタクシと一緒に、最高に感じてしまいますのよ。
それから逃れることはできません』
「…私は、お姉さまの思うがまま、お姉さまの触手を使って、お姉さまと一緒に、最高に感じてしまいます。
それから逃れることはできません」
『今から、自分の体から触手を一本出して、自分のオマンコをいじめて、オナニーしなさい。
それが今日のレッスンですわ』
「…はい、お姉さま」
390 淫魔と彼女 第ニ話 (12/13) sage 2012/09/04(火) 16:46:26.29 ID:4HOSa4QN
『いいですこと?「変身」する時のことを思い出しなさい。
自分の体から触手が伸びる感覚を…』
「はい…お姉さま…んん…」
目をつぶり、懸命に思い出そうとするが、なかなか思うようにいかない。
『胸の「眼」に意識を集中なさい。感覚が少しずつ、わかってきますわ』
「はい、お姉さま…んんっ、んっ、うわっ、あはぁ?!」
突然、へその奥から細い触手が飛び出してくる。
触手がへその中を擦る感覚が、最高に気持ちいい。
「あ、あはぁぁああん!」
へそからニョキッと屹立する触手を生やし、遥は立ったまま快感で頭を抱え、体をエビぞりにして震えた。
足はいつの間にか肩幅以上に開いている。
『どうです?気持ちいいでしょう?』
「はいぃ…き、気持ちいいです、お姉さま…」
『じゃあその、生えた触手を自分の腰に巻きつけなさい』
「はぃ…お姉さま」
んんっ、と力を入れると、触手は意識を得たようにくねり始めた。
そして徐々に右に折れ、へそから腰の周囲に、時計回りにゆっくり巻きついていく。
腰に擦れている面積が大きくなればなるほど、快感が増加していく。
『そのまま、少しずつ巻き付く位置を下げて、アソコに近づけるのです』
「はぃ…お姉さまぁ…」
くるくると腰からお尻の上に巻き付いて、最後に左太股の付け根に沿うようにして回り込み、先端がアソコの真上に到達した。
ちょうど、ヴァギナの筋を塞ぐように触手が鎮座している。
「ふぁああぁ…」
『そのまま、筋にそって、貴方のオマンコを擦るように触手を伸び縮みさせなさい』
「はぃ、おねえさまぁぁぁ…ぁぁああああん!!」
触手にこすられるアソコの刺激と、触手がアソコとお尻と腰とおへそにこすられる刺激が一気に遥を襲う。
『ほぉら、気持ちよくなってきたでしょう?ほら、ほら、ほら、ほら』
「はぁっ、はひっ、きっもち、いいです、おねえ、さま、ぅわ、ああんっ」
『最後ですわ…そのまま、先端を、オマンコに入れてしまいなさい』
「はひっ、おねえ、さっまぁっ、はぁ、あふ、ふくっ!?」
『ふふふ…あとは、貴方の心の赴くまま、気持ちよぉく、自分を犯して、犯して、イッてしまいなさい』
「はっ、はひっ、はぁっ、あっ、イク、イク、イク、ふぁああああああああぁあぁああああああぁん!!!!」
391 淫魔と彼女 第ニ話 (13/13) sage 2012/09/04(火) 16:48:48.54 ID:4HOSa4QN
気がつくと、遥は自分の部屋のベッドの上に横たわっていた。
もう朝だ。太陽の光が窓から差し込んでいる。
遥は、昨日観た夢を思い出して、ぼぅっとしていた。
自分が、自分から、あんなにエッチになるなんて…
「何だか、昨日の夢のまま、アソコが、ムズムズす…うぇえええ?!」
自分の体を見下げると、パジャマの裾がはだけ、中から真っ赤な触手が外に飛び出している。
そのまま、腰に巻き付いて、パンツの下に潜り込み、アソコの中に入ってしまっている。
「うわわわわっわわわわああああああ!」
動転のあまりひっくり返りそうになると、頭の下にあった枕代わりのクッションを自分の触手に何度も叩きつける。
「ひひひひっこめー!ひっこめー!ひっこめー!」
程なく、しゅるしゅると音を立てると、おへそに吸い込まれるように消えていった。
「ううう、恥ずかしいよぉ…」
遥はクッションを抱えたまま三角座りをして、顔をその中に埋めた。
しかし、その表情はセリフに反して、ちょっと嬉しそうだった。