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五行戦隊 第三話
604 五行戦隊 第三話(1/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:44:50 ID:b96jA7a7
町のはずれに、大きな市立運動場がある。
昔はスポーツ観戦目的で建てられたらしいが、維持費用にあてがうだけの採算が取れないため、
結局数年もしないうちに閉鎖となってしまった。
そのすぐ近くに、これまた市民に安らぎの場という名目で、広い面積の風致林が植えられた。
しかし、そもそも町の中心から離れたこの場所を訪ねる者がいるはずがなく、
今ではひとけの少ない寂れた場所となっている。
「へー、オレ達の町にこんな場所があったなんて。清見、お前は随分と詳しいじゃないか」
「自分達が住む地域の風水を調べるぐらい、ちゃんとできないとね。
遁術使いとして、常に地の利を考えなければいけないから」
静かな森の中、二人の少女が会話を交えながら歩いていた。
先の少女は見くびられた感じがしたのか、不服そうに頬を膨らます。
薄暗い夜、彼女の変身した後の炎のような真っ赤な髪や服が目立つ。
短く切った髪型とまっすぐ伸びる眉が、彼女のボーイッシュな性格を強調する。
白い手袋に包まれた細い指、紅を基調としたミニスカート。
くびれのある健康的な胴体を、神火の文様がかっこよく彩る。
「ふん、これなんだから、優等生は……いざという時は理論とかじゃなくて、行動で何としないと」
「まあ、それも確かに一理あるわね。
灯(あかり)がいつも猪突猛進してくれたおかげで、私達は今まで何とか勝てたし」
「それって、なんか褒められてないような気がするけど……」
「気のせいだよ」
きっぱりと言いきる、もう一人の冷淡な少女。
彼女のウェーブがかったヘアは青色を呈し、一人目の少女とよく似たコスチュームを身に纏う。
ただ違うのは、その服の色は清涼感のある水色で、表面にはシャボン玉のような文様が浮かんでいる。
少女の片方の手の上に、半透明の水晶玉が浮いていた。
その水晶玉をじっと見つめながらも、彼女は樹木にぶつかることなく悠然と歩き続ける。
灯と呼ばれた娘は頬をぽりぽり?きながら、なんとか相手に反駁しようと考え込む。
そんな時、彼女達の前方から声が起きた。
「灯、清見、そちらはどうだった」
颯爽と現れたのは、灯と同じぐらい長身の少女であった。
彼女はやはり二人と同じ服装をしているが、褐色のポニーテールと服の土色が大きな特徴だ。
「いいえ、だめ。鈴華の霊力反応が、まったくしないわ」
清見はようやく水晶玉から顔をあげ、今度は空を見上げた。
今夜の月は満月のはずだが、雲に隠れていたせいで、うっすらとした照りしか無い。
「睦美のほうは?」
「まだまだ」
灯の質問に対し、睦美はゆっくりと首を振った。
彼女は手に握る可愛らしい鈴を見て、心配そうに呟く。
「翠の話によれば、この近くで鈴を拾ったのだが……
今度こそ、なんとかして鈴華ちゃんの手掛かりを見つけ出さないと」
「睦美、そんな心配そうな顔すんなって。鈴華のことだ、またいつもみたいにけろりとした表情で出てくるよ。
それに、オレ達がここで落ち込んじゃ、なんにもならないだろ」
「ああ、分かってる。絶対、彼女の消息を探し出してやるんだから」
灯の明るい口調に励まされ、睦美も顔を和らげた。
その時、清見がポツリとあることを尋ねる。
605 五行戦隊 第三話(2/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:45:33 ID:b96jA7a7
「その鈴を拾った翠が、今日はどうしちゃったの」
「ああ、そういや清見に言ってなかったっけ。彼女なら、今日は体調不良で学校を早退したぜ。凄い熱出してさ。
一時間目は本人が我慢してたみたいだけど、体がぶるぶる震えてて、先生も見かねて早退させたよ」
翠と同じクラスである灯が答えると、睦も続けた。
「そういえば、私も見たわ。翠が帰る時、顔がすごく赤くて、目付きも虚ろだった。
だから、今日はちゃんと休むように言っといたわ。大事に至らなければいいけど……」
ねぇねぇこれ終わったらお見舞いに行こうよ、と灯や睦美がやりとりしている側で、清見はしばし黙り込んだ。
「清見、どうかしたのか?」
「ええ。このような樹木がいっぱい生えている場所は、翠の力が最も発揮しやすいから、
もしいたら頼りかなと思って。……彼女の病気の原因は、なんなのかしらね」
「まあ、どうせ風邪でしょう。いくらオレ達は凄まじい霊力の持ち主だからって、ひく時はひいてしまうからね」
「でも灯だけいつも元気で、本当に助かるよ」
「ちょっと清見、それってどういう意味よ!」
「翠がいない今日は、灯の活躍に期待しているって意味だ」
「そ、そう……」
清見の言葉が一転して褒め言葉となったため、灯はすぐに対応できなかった。
彼女は側の木に寄りかかってから清見の顔しばらく見て、何か確信を得たように頬をほころばせる。
「はっはぁん。清見も鈴華のやつと同じで、素直じゃないんだから。いつも私に皮肉を言ってるが、
実は私を一番信頼してるでしょ?いいよいいよ、この灯の実力が、百人力だっていうことを見せてやるんだから」
「勘違いしないで。私はただ、あなたの火属性が森の地形に強いから、
せめていつも以上に戦ってくれればいいと思っただけだ」
「えっ?」
自分の属性が森に強いと言われて、灯は慌てて指を数えて属性関係を復習する。
しかし、彼女が思い出すよりも速く、清見が言葉を続ける。
「木は火を生み、土を克つ。この場所では、私や睦美より、あなたのほうが実力を発揮できる。
……と、陽子先生から何度も教わった相生相克の関係、まさか忘れてたりしないよね」
「い、いやだね清見。そんな基本中の基本を、オレが忘れるわけないじゃない」
灯は汗顔になって言葉を濁らした。
なんでもかんでも根性と気力で切り抜ける彼女にとって、
相克ならまだしも、相生の関係はいまだに覚え切れなかったのだ。
彼女の苦しい口調を感づいた睦美は、やれやれと苦笑した。
「ははは。まあ、今日は私に任せて。どんな敵が出ててきも、けちょんけちょんにやっつけてやるからさ」
「それは頼もしいわ。灯はいつも危なっかしい子だと思ってたけど、その考えを改めるわ」
「うっ……その褒めてるのか貶してるか分からない言い方、なんとかならないかな」
灯は側の木に寄りかかりながら、疑い深い目付きで清見を観察した。
「当然褒めてるよ。例えば、あなたがさっきから寄っている木の上に、
敵がいるというのにまったく動じないじゃない。感心しちゃうわ」
「ほえつ?」
灯はゆっくりと見上げた。
暗闇にまぎれて、頭上の枝に一匹の黒いスライムがへばりついていた。
そのスライムは唯一の目玉をぐるりと回し、灯をずっと前からのように睨み続ける。
薄暗い森の中、大きな白目玉と見つめ合うというのは、なかなか迫力のある事だった。
606 五行戦隊 第三話(3/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:46:08 ID:b96jA7a7
灯はしばらく目をパチパチさせ、やがて大きな叫びを上げた。
「……キャ――!」
彼女はすかさず炎気を帯びた拳を振り上げると、目の前を樹木ごと灰へと燃やす。
「灯にも、女の子らしい悲鳴が出せたんだね」
「それってどういう意味だよ!っていうか、気付いていたなら、速く教えてくれよ!」
灯は涙目になりながら、清見の襟を掴んで強く揺らした。
だが、その途中で睦美に制止される。
「二人とも、気をつけて!どうやら私達は囲まれたらしい」
睦美は構えを取りながら言うと、灯はすぐに自分たちを見つめる無数の視線に気付いた。
森の暗闇を背景に、白い目玉達はまばたきをしながら三人を威圧する。
「どうやら彼らはずっと妖気を隠し、私達を待ち伏せしているようだ。
それで水晶玉のサーチにも引っ掛からなかったわ」
「ふふん、前より随分と賢くなってきたじゃないか。正面からじゃ勝てないから、
オレ達の不意を突こうって訳か。だが、ザコは所詮ザコ、全部返り討ちにしてやる!」
灯は不敵な笑みを浮かべ、拳を強く握り締めた。
その五本指の隙間から高温の炎気が漏れ出て、あたりを一瞬だけ明るく照らす。
突飛過ぎた遭遇で思わず声をあげたが、彼女は五行戦隊の中で最も負けず嫌いで、
敵が大勢いればいるほど燃えるタイプだ。
「待って!また何かがやってくるわ」
睦美と灯は清見が指差す方向を見ると、背筋を緊張させた。
森の奥から、一匹の大型スライムが現れた。
その黄色いスライムはヒトデの形をとり、地面から直立していた。
その中心には大きな目玉と、金色に輝く瞳があった。
「これは……!」
「この前と同じ、普通のやつよりも強い種類だな」
睦美と灯は同時に、数日前初めて戦った異種のスライムを思い出した。
今まで無かったボディーと、今まで無かった攻撃方法。
初見だったため、その場に居合わせた翠が負傷したこともあった。
しかし、最後は弱点である灯の炎に焼かれ、なんとか打倒することができた。
だが、彼女達はそのスライムが連れ出した物体を見て、更に愕然とした。
「す、鈴華……」
「鈴華ちゃん!」
「……!」
鉄製の十字架の上に、一人の小柄な少女が鎖に縛られていた。
気を失っているのか、彼女は目を閉じたままうなだれる。
「おい、鈴華、しっかりしろ!」
「……灯、みんな!」
鈴華は呼び声に気付き、目をゆっくりと開いた。
「みんな、ごめん……これは、罠よ!速く、ここから逃げて!」
「くっ……お前たち、よくも……よくも鈴華をいじめて!」
灯は今にも飛びかかる勢いだが、後ろから清見に肩を掴まれる。
「みんな、ここはいったん身を引こう」
「えっ?」
「どういうことだ、清見」
清見の突然すぎる意見に、灯と睦美は耳を疑った。
607 五行戦隊 第三話(5/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:46:43 ID:b96jA7a7
「待ち伏せされているんじゃ、こっちに分が悪い。
いったんここから離れ、翠が完治するまで対策を練るべきだ」
「目の前に仲間が捕らえられてるのに、逃げるというのかよ!」
「鈴華自身も逃げてって言ってるし、彼女の忠告を聞くべきだ」
清見の相変わらない無感情の口調は、灯を仰天させる。
「そんなバカなこと、きるか!お前が行かないというのなら、オレだけでも行ってやる!」
「灯、一人じゃ危険だわ!」
飛び出る灯を追うように、睦美も駆け出した。
彼女たち動き出した次の瞬間、周辺の目玉スライムが一斉に蠢き、三人へと襲い掛かった。
清見は二人の後姿を見て、小さくため息を吐いた。
彼女は印を結ぶと、その周りに水の障壁が立ち上がり、迫り来る目玉スライムを巻き込む。
二人の背後を守るために、彼女はやってくる敵を一手に引き受けた。
先に走った灯は、すぐに鈴華のほうへ向かわなかった。
彼女はひとまず、鈴華の隣に立つ金色スライムの方へ飛びついた。
風の音から、後ろから睦美が迫る事を分かっていた。
金色のスライムに最も有効なのは、自分の火遁術である。
敵が妨害となる前に、それをまず叩き潰す。
金色スライムは目玉を怪しく輝かせると、そこから一本の鋼の槍を射出した。
灯は果敢に金色のスライムの前を立ちはだかり、槍を素手で掴み取る。
彼女の両手に握られた槍はたちまち溶解し、熱い溶液となって地面を燃え焦がした。
その後ろを走る睦美は、灯に目もくれずそのまま横を駆け抜ける。
彼女が指を立てて素早く念じると、鈴華を縛る鉄索は一瞬のうちに砂塵に埋もれ、圧砕された。
落下する鈴華を抱きしめると、睦美の目元が思わず熱くなる。
仲間の安否を心配してきた苦痛から、ようやく解放できるのだ。
「鈴華、しっかりして!」
「……睦美、助けてくれて、ありがとう……」
鈴華が努力して作った元気の無い笑顔は、睦美の心を痛ませた。
しかし、今は感傷に浸っている場面ではことを、彼女自身もよく知っていた。
頭を上げて灯の様子をうかがうと、睦美の顔色が急変した。
――金色スライムの一匹ぐらいで、自分が負ける要素など皆無である。
灯はそう確信していたし、実際彼女が放った爆砕拳は相手を一撃で倒してしまった。
急所である眼球を目掛けてやったとはいえ、
前回と比べてはあまりにもあっさりしていて、灯自身もビックリしたぐらいだ。
彼女は深く考えずに睦美のほう振り向こうとした途端、
足元に倒れる金色スライムの残骸から、突如無数の触手が伸び出た。
「なっ……」
言葉を言い終わる間もなく、彼女の体が触手に絡められる。
一際大きい植物が地面から突き出て、ハエトリグサのように花びらを開く。
そして動きが制限された灯を、そのまま頭から飲み込んだ。
睦美が灯を見たのは、ちょうど彼女の赤い靴が外にはみ出た時であった。
彼女はすかさず灯のほうへ駆け、指を立てて術を操った。
巨大ハエトリグサの表面にいくつかの目玉が見開き、見た目に反して素早い動きで逃げ出す。
だが次の瞬間、ハエトリグサがいる地面が轟音を立てながら崩れた。
睦美は素早くハエトリグサの花を開かせ、灯の体を引っ張り出した。
そして周囲の地表が大きく揺らすと、ハエトリグサを挟み潰した。
608 五行戦隊 第三話(5/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:47:28 ID:b96jA7a7
断ち切られた触手を払った後、睦美は灯の肩を揺らす。
「灯!灯、しっかりして!」
灯の体は妖しい色の花粉にまみれていた。
彼女は体をぶるぶると震わせ、開いた口から何か伝えようとするが、舌がうまく回らないようだ。
「これは痺れの花粉?灯、もう動くな。後は私に任せ……」
「……う、し、ろ」
灯は慎重に口の形を作り、一文字ずつ音を捻り出した。
彼女の意図を察するや否や、睦美は土遁術を駆使した。
背後に大きな碑石がせり上がり、敵の武器を防ぐ。
森の中、金属と岩石が衝突する不快な音が響き渡る。
睦美は後ろに立つ人物の顔を見ると、心が大きく揺らいだ。
ついさきほど彼女が助けた鈴華が、両手で大剣を握り、碑石に切りかかっていた。
(鈴華が……私を襲っている?)
(なんで?)
(まさか、敵に操られて?)
(今ここにいるのは、偽者?)
(そうだとしたら、本物の鈴華はいったいどこに?)
数々の疑問が、一瞬のうちに睦美の頭をよぎった。
それはわずかな時間であったが、睦美の敗因となるには充分な間であった。
鈴華の肩から一株の花がのぼり、睦美の目の前で咲いた。
その毒々しい花びらが囲む中心に、不気味な目玉が生えてあった。
睦美は相手から距離をとろうとするが、鈴華はそれを許さない。
碑石に切りかかる大剣の重量が驚異のスピードで増え続け、睦美に迫り続ける。
霊力を練ることが段々と苦しくなったため、睦美は思わず息継ぎしてしまった。
そこで突如、鈴華の肩にのぼった花から、灯と同じ花粉を睦美の顔面に吹きかける。
(まずい!)
睦美は素早く指を動かし念じると、碑石が六つの塊に分かれて飛び交い、鈴華の体をぶっ飛ばした。
その間、彼女は少なからず花粉を吸い込んでしまった。
そして次の瞬間、睦美は体中に無数のアリが這えているような嫌悪感を覚えた。
四肢に鈍い痒さが伝染し、足がまともに立つことさえできず、しゃがみこんでしまう。
両手はガタガタと震え、痺れによって一切の感覚を無くした。
「かかったわね、睦美」
「鈴華……!」
睦美は痺れる体を抱きしめて、自分に近づく少女を見つめる。
鈴華のかわいらしい顔には、自分が知っていた無邪気な表情がどこにもなかった。
その代わりに、今まで見たことも無いようなよこしまな笑みが浮かんでいた。
「さすがだね。あのわずかな一瞬で、がんばって息を止めてたのね。
まあそれでも、あなたの体は随分苦しくなったはずだわ」
「くっ……あなたは、一体……」
「本物の鈴華だ」
いつの間にか清見が睦美の側に立ち、彼女を支え起こした。
その後ろで、目玉スライム達の残骸が地面を埋め尽くす。
609 五行戦隊 第三話(6/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:48:14 ID:b96jA7a7
「残念だったわ、清見ちゃん。あなたまで一緒にやられていれば、手間がほとんど省けたというのに」
「ええ、私も残念だわ。まさか仲間であったあなたと、これから戦わざるを得ないとは」
「清見、これは一体どういうことだ……鈴華は、一体どうしたのか?」
清見は無表情のまま水晶玉を差し出し、それを淡く輝かせた。
「よく見て、この力の波長を。確かに、これは鈴華の形と一致するわ。
……しかし、霊力ではなく、妖力としてね」
「なっ、なに?」
「つまり今の彼女は、そこら辺にいる妖獣達と同じ、
邪悪な存在となっている。そして、私達の敵になっているのよ」
清見は淡々としゃべり続けるが、その内容に睦美の全身の毛がよだつ。
「清見、何を言って……そんなこと、あるはずが……!」
「ふふふ、実際に見せてあげたほうがいいかしら」
鈴華は薄笑いを浮かべると、そのあどけない童顔に邪淫なオーラを負わせた。
彼女が着ていた黄色い五行戦隊のコスチュームは、
徐々に暗黄色へと変化し、その表面に多くの目玉が見開いた。
弾力を含んだ肉質に変化した布地は、まるで無数の蟲が集まってできたかのように、もぞもぞと蠢動する。
その面積も小さく収縮し、彼女のきめ細かい肌を露出させる。
肉布はやがて生き物のように湿気を帯び始め、ぬめりと彼女の肌に吸い付く。
胸を覆う部分が減り、乳の上部から滑らかな腋や二の腕まで露出する。
背中も大きく切り開かれ、真っ白な素肌が月光を浴びて妖艶に照り返す。
心なしか、鈴華の小さかったはずの胸は豊満なものに成長し、腰のくびれもくっきりと現れる。
スカートは無くなり、肉布に覆われた股間部は、女性のラインを魅力的になぞる。
しばらくすると、彼女の秘所から愛液が溢れ出て下へ垂れ降りる。
白い臀部も大きく露出させられ、人の目を惹く。
両足の肉布は帯状の布切れとなって、螺旋状を描きながら肉つきのいい太ももを取り巻く。
そしてふくらはぎより下へ行くと、それが硬質のヒールブーツとなる。
よく目を凝らしてみれば、肉布の裏面には無数の小さい突起が集まり、
そのイボイボたちがぬめりと鈴華の肌に付着することが分かる。
鈴華が動作をとるたびに、途切れた縁から粘液がピチャ、ピチャと小さく鳴り響く。
裏側全体は、それと同じ液体によって濡らされていることが想像できる。
彼女の今の格好は裸よりも恥ずかしく、そして淫らであった。
三人達はその大胆な格好を見て、思わず顔を赤らめた。
肉布が定型すると、その上に生えた目玉達はタイミングを揃ってぎょろぎょろ動き、清見たちを睨みつける。
極め付きに、鈴華の開いた胸肌の上部に、一つの目玉が縦にぐぱっと見開く。
目玉の中央には金色を呈した禍々しい瞳があった。
その目玉が見開いた途端、鈴華の全身から邪悪な妖気を放ち、官能を刺激する淫らな芳香が発散された。
彼女は腕を組み、口元を邪悪に吊り上げる。
「ふふふ……いかがかしら?これが今の私、妖眼蟲を取り込んだ新しい姿だわ。
百目様の敵となす者は、全部私が駆除してあげるわ。それがたとえあなた達でもね!」
「鈴華、お前……」
睦美は歯を食いしばり、悔しそうな声を漏らす。
灯はうまく喋ることができないが、鈴華の変わり果てた姿を見て、表情が激昂した。
「さて。清見ちゃんを生け捕りし損なったとはいえ、今の状況はあなた達に極めて不利だわ」
「くっ……」
睦美は起き上がろうとするが、痺れた体は彼女のいうことをうまく聞いてくれない。
周囲から、数匹ものヒトデ型の金色スライムが近寄る。
このままでは、敵の標的となることが明白だ。
目の前に鈴華がいるというのに、彼女を助けることができない……
そんな自分の不甲斐無さに、睦美は苛立った。
610 五行戦隊 第三話(7/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:48:42 ID:b96jA7a7
「さあ、清見ちゃん、ここで潔く投降したらどうだい。私は、あなた達をあんまり傷付けたくないのよ」
鈴華は可愛らしい金切り声を発し、昔と同じような悪戯っぽい笑顔を三人に向ける。
だがその言葉の内容は、睦美たちの心を凍らせるものであった。
「残念ながら、そういう相談はまた今度にお願いするわ」
清見は突然水晶玉を地面に投げつけると、そこから直径十メートルもの小さな池ができた。
彼女が手を掲げると、水面から大きな水の腕が伸び出て、灯と睦美を引き寄せる。
「なにっ……!?」
「これは運動場近くの池の水を含んでいて、むこうとは繋がっている。
……今日は、鈴華の生存を確認できて何より。また機会があったら、あなたを助けてやるわ」
清見は二人の体をそのまま池に引っ込ませると、自身も水面の下へ沈んだ。
「逃さないわよ!」
鈴華は素早く一本の鎖を放ち、それを清見の腕に絡めさせる。
「くっ……」
「清見!」
「睦美、灯とさきに行って。私も後から行く」
「でも……」
「睦美と灯がここにいても、足手まといになるだけよ」
「……分かった」
睦美は力強く頷いて、灯を抱いたまま水底へ飛び込んだ。
清見は確かに毒舌ではあるが、彼女は常にまっとうな意見を出すことを、睦美はよく知っていた。
「逃がさないって言ったでしょ!」
鈴華は更に数本の鎖を放つが、それら全て清見の水の鞭によって叩き落される。
二人の姿が完全に消えた後、清見は水面全体を元の水晶玉に戻した。
「鈴華、あなたの相手は私だ」
「あ~あ、清見ちゃんのせいで、二匹分逃げちゃったじゃない」
鈴華は残念そうに呟いた後、可愛らしく舌を吐き出し、あっかんべを作った。
「なーんてね、清見ちゃんだけでも充分だわ。
あなたを生け捕りにして、百目さまにいっぱい褒めてもらうんだから」
「そう。なら、やってみるがいい」
冷夏の夜。
月の明りも少ない森に、ひんやりとした空気が流れる。
かつて仲間同士だった二人の少女が、互いに敵意をむき出す。
一人は表情の読み取れない冷ややかな目付き。
一人はあどけない顔に浮かべる邪悪な微笑み。
「清見ちゃんは、途中で私のことを疑ったでしょ。
ねえ、どうして?私、結構うまく演技できたつもりなのに」
「ええ、あからさまに変だというところは無かったわ。待ち伏せしたことも、人質を見せびらかしたにしても、
せいぜい警戒する程度の事だ。ただ、あなたが灯を見て初めて叫んだセリフが、おかしいと思った」
「ほお?」
「私が知っている鈴華は、内面では灯と互いに認めあっても、表向きでは無駄に張り合う照れ屋な性格なの。
自分が囚われる無様な姿なんか、灯だけには死んでも見せたくないでしょう。
だからあの時、あなたは灯を見るや否や、うるさいぐらいに強がって騒ぐと思っていたわ」
「うっ、清見ちゃんは相変わらず酷評だな」
611 五行戦隊 第三話(8/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:49:21 ID:b96jA7a7
「それに、鈴華は仲間を大事に思う人。もし本当に私達を逃げさせるつもりなら、
わざわざ灯に向かって『逃げて』など、逆に煽るようなことを言わないわ」
「あははっ、感心しちゃうわ。あなたは、私よりも私を知り尽くしているのね……
でも、あの二人が脱出したところで、何も変わらないわ。この後ちゃんと生け捕りするんだから」
「そうさせないよう、私がここであなたを食い止める」
「ふふふ……別に私が行かなくても、他の人が行ってくれるけどね」
「なにっ……?」
鈴華の意味深長な言葉に、清見の眉が少し跳ねた。
「まあ、今は彼女達の心配をするより、自分の心配をしたほうがいいじゃないかしら」
「妖獣に精神を操られているあなたが、本来の実力を出せるとは思わないがな」
「操られてる?ふふふ……私は今、自分の意思で清見ちゃんと向き合ってるのよ……
百目様から、こんな素敵なプレゼントをもらったからね!」
鈴華はそう言うと、手で自分の秘所を広げた。
「うっ、あん……はぁうん!」
彼女は恍惚の表情を浮かべながら、濡れきったアソコから一本の触手を摘み出した。
触手は淫液にまみれながら、うねうねと蠢く。
その鎌首に一つの目玉が見開き、清見を見据える。
あまりにもおぞましい光景に、清見は顔をしかめた。
触手は、男性の性器のようなグロテスクな形だった。
その幹から濃厚な性フェロモンを撒き散らし、人間の心奥にある劣情を呼び起こす匂いを立たせる。
清見は思わず腕で鼻を覆い、
「これは……なんてすさまじい妖気だ……」
「ふふふ……この子を体に宿してから、私はもうエッチ無しでは生きられない体に調教されたのよ」
鈴華はいとおしそうに触手をさわり、優しく刺激を加える。
「エヘへッ。これとても気持ちいいのよ。ねぇ、清見ちゃんもこの妖眼蟲に寄生されてみない?
そうすれば、あなたも私と同じ仲間になれるわ」
「気持ち良い事は別に嫌いではない。ただ、化け物の言いなりだけは、なりたくないな」
清見は挑発を簡単にあしらうと、鈴華はつまらなさそうに頬を膨らます。
「あ~あ。やっぱり清見ちゃんだと、調子出ないよね。こういう時は、大声で悲鳴を上げたり、
すごく悲しむ表情を作ってくれたりしないと。かつての仲間が、邪悪な妖獣のしもべとなって立ちはだかる。
しかし、あなたは私に全力を使うこともできず、肉体的にも精神的にもダメージを負っていく……
くふふ、素敵なシーンと思わない?」
「そんな事を言っても、私は動揺なんかしないわ」
「本当かしらね。うふふ、じゃあもうちょっと見せてあげようか。妖眼を植えつけられてから、
私がどれほどいやらしい娘になったのか……今私が着ているこの服だって、
一杯エッチなことをしてくれるのよ」
鈴華は目を細めて、清美が見ている前で自分の乳房を揉んだ。
胸を覆っていた肉布は彼女の手つきに刺激され、より一層大幅に蠢きだした。
少女の童顔には、たちまち淫蕩に耽る恍惚が現る。
その肉布から醸し出す香りは、段々と濃度を増した。
しばらくすると、あたり一帯は人畜を発情させるような甘ったるい匂いが満ち溢れた。
その淫邪なさまを見て、清見はひそかに唇を噛み締めた。
「あん、はぁん、いいわ……うふふ、私は、とてもいやらし娘になっちゃったの。
目玉達に毎日犯され続けて、もう淫乱な事しか考えられない女の子になっちゃったわ。
ほら、私のアソコを見て。もうびしょ濡れになってるわ」
鈴華は見せ付けるように、秘所に生えた触手を動かしかき混ぜた。
彼女のアソコと触手との隙間からおびただしい量の愛液が溢れ出て、ふとももをたどって地面に滴る。
612 五行戦隊 第三話(9/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:49:48 ID:b96jA7a7
鈴華はその液体の一部を指ですくうと、小さな口でおいしそうに頬張る。
「んんむ……はぁ、何度味わっても、すてきな味だわ。ああ、さっきまでずっと我慢してたから、
体がもううずうずして溜まらなくなってきたわ……清見ちゃん、私のところへ来て。
あなたにも妖眼蟲を植え付けて、一緒に気持ちよくなろうよ」
あたりを漂う淫靡な香りが、清見の感覚を刺激する
優しく誘惑する声が、彼女の心を愛撫する。
ぬちゃぬちゃと聞こえる淫らな水音。
少女が浮かべる魅惑な表情。
目の前にある鈴華の変わり果てた姿は、確かに悲しむべきものであった。
しかしその妖艶な姿は、なぜか清見の脳に焼き付けて離れてない。
「私は、これでも正義の一員……悪に屈するわけにはいかない」
「ふふふ、正義の一員ね……私の妖眼によれば、
あなたの心の奥底には、私よりずっと邪悪なものが潜んでいるらしいけど」
鈴華の胸に上部に生える大きな目玉は、突如まばゆい金色の光を放った。
すでに淫靡な光景によって惑わされた清見は、その光から目をそらすことができなかった。
幻惑のように輝く光の中、清見はふとかつての自分の姿を見つけた。
小さい頃、無口で無愛想だった彼女。
友達もできず、いくら優秀な成績を修めても、みんなから疎遠されてきた。
そのうち不思議な霊力が顕現してから、まわりから不気味な存在と思われ、何度もいじめられてきた。
その時感じたどす黒い感情が、今の彼女に蘇る。
「うっ……ぐっ……!」
清見の額から汗があふれた。
彼女は大きく呼吸を繰り返す様子を見て、鈴華は邪悪に微笑む。
「なるほど、清見ちゃんにはそういうつらい経験があったのね。
何も話してくれないから、今日初めて知ったわ。
でも、よく見せてもらったわ、その時あなたがどれほどの憎しみを抱いたかをね」
「……私は、もう……迷わない」
「はっ?」
清見の顔を徐々に毅然なものになると、鈴華は思わず驚いた。
「一年前の私なら、あなたの言葉に惑わされたかもしれない。
でも、今の私には、そんなまやかしは通用しない……今の私には、大事な人達がいるわ」
「くっ……」
「確かにあなたの言うとおり、私の心の奥底に邪悪なものが潜んでいたかもしれない。
でも、みんなや陽子先生と出会ってから、私は変わることができたんだ」
清見は目をつむると、初めて睦美に呼び止められた光景を思い出した。
あれは高校に入学して、間もなくのことだった。
それまでの経歴で、自分は他人との親交を拒絶した。
しかし、彼女は睦美の諦めの悪い熱意に負けて、いやいやながら五行戦隊に加入させられたのだ。
五行戦隊の指揮を取る陽子先生から、霊力ついていろいろ伝授された。
最初は一匹狼だった彼女だが、時間が進むに連れ、いつしかまわりに溶け込んだ。
仲間たちの暖かい笑顔が、清見の冷えきった心を温めてくれた。
「そして、鈴華……あなただって、私にとって大切な人だ」
「な、なにを!」
「かつてあなたが私を助けたように、今度は私があなたを救ってみせる!」
「そんな事、勝手に言ってなさいよ!」
613 五行戦隊 第三話(10/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:50:19 ID:b96jA7a7
鈴華は左手でいきなり鎖を引っ張り、清見のバランスを崩した。
それと同時に、彼女は右手の剣を振り相手に切りかかる。
清見は瞬時に水晶玉を前に出して、相手の剣撃を防ぐ。
鈴華は自分が作り出した剣に自信があった。
例えどんな硬いモノでも、彼女の妖力によって合成された剣質にかかれば、豆腐のように切り裂けられる。
だがその自信があるだけに、予想に反して水晶玉を斬った手応えが無かった時、彼女は大いに驚いた。
剣撃を受け止めた水晶玉は、「ぼよーん」と音を立てて縦長に伸び曲がった。
「なんだね、曲芸師のマネかしら?そんな奇術じゃ、私の攻撃を防げないわ!」
鈴華は刃をそのまま滑らせると、水晶玉が伸びた部分にひびが入った。
そこに更なる力を込めると、ついに水色の玉が二つの塊に分かれた。
清見はとっさに後ろへ下がり、勢い余る剣撃を避ける。
「あははっ、これで清見ちゃんの得意武器が使えなくなったわね」
「それはどうかしら」
「えっ!?」
鈴華は割れた水晶玉を見ると、二つの塊に分かれた物体が、四つ、八つへと分裂し始めた。
個数が増えるにつれ分裂するスピードも増し、
またたく間に肉眼では確認できないぐらいの水滴となって、甘ったるい匂いを追い払って空中を充満する。
森の中はたちまち濃霧に覆われた状態となり、手を伸ばしただけで指が見えなくなる状態となった。
鈴華はすぐさま鎖を引っ張るが、その先は硫酸に溶かれた痕跡以外、何も無かった。
「こざかしい真似を……」
鈴華は剣を前に構え、あたりの様子を見回した。
前後左右に耳を傾けても、金色スライム達がバラバラに蠢く音しかなく、清見の気配が一向に現れない。
「清見ちゃん、そろそろ悪あがきを止めたらどうだい?潔く出ておいて」
彼女の語尾が終えたと同時に、突然遠くから「シュルーッ」という奇声があがった。
鈴華はすぐさま、それがスライムの断末魔であることを理解した。
「そこかっ!」
鈴華は一本の投げ槍を作り出し、物音のほうへ放り出した。
槍先が樹木に突き刺さる音が響いたが、それ以外の反応はまったくなかった。
「隠れながら、一匹ずつやる寸法かしら。随分と卑怯な手口じゃないの」
鈴華は挑発的に声を張り上げるが、彼女への返事はもう一匹のスライムによる悲鳴だった。
今度は、さきほどとは正反対の位置からの音であった。
(そんな……どうやって?)
鈴華は愕然とした。
金色のスライムは、彼女が自ら生み出した妖獣である。
普通の小さいスライムと違って、彼女の能力を一部受け継いでいて、戦闘力ももちろん他より高い。
五行戦隊には劣るとはいえ、これほど短時間で倒されるのはおかしい。
(このままじっとしていたら、やられる……!)
鈴華は悔しそうに舌を鳴らした。
彼女は胸の目玉を妖しく輝かせ、スライム達が集中するように指示を下した。
「「シュルルル」」
何匹かの目玉スライムが声を上げると、その躯体が地面を這う摩擦音が聞こえてきた。
鈴華は慎重に音を聞き分け、警戒しながらゆっくりと進んだ。
しかし、目玉スライム達の群れに近づいたと思ったところ、突然全ての物音が消えた。
614 五行戦隊 第三話(11/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:50:43 ID:b96jA7a7
「ちっ!」
彼女は急いで駆け寄ると、最後の目玉スライムが水溜りに沈んでいく光景を目にした。
目の前には、いつの間にか水場が広がっていた。
濃霧のせいで縁が見えないため、見た目以上の無量感を人に与える。
水の色は不透明で、その深さは知る由が無かった。
その水面に清見は足を軽やかに乗せて、鈴華を冷ややかに見つめる。
「私の水遁の陣を無用心に侵入する者は、底無しの水沼に引き込まれる。
鈴華、あなたがここで私に勝つ確率は、極小になるわ」
「ふん、短時間でこの規模の遁陣を作り出すとは……
でも忘れないで、私の剣は例え形の無い物でも斬れるからね!」
鈴華は握っている剣に妖気を集中させると、鍔の部分に大きな目玉が見開き、妖しく輝き出す。
そこから発される身を削るようなオーラを感じると、清見は表情を深刻なものへと変える。
「……陣破りの剣!」
清見が小声で呟いた次の瞬間、鈴華は全身の力で剣を振り下ろす。
凄まじいエネルギーが放たれると、水場は地面ごとズタズタに切り裂かれた。
水面の切り口は綺麗に斬られたまま、いつまでも経っても元に戻らない。
――陣破りの剣。
さまざまな妖術を使う妖獣相手に、鈴華が使うその技は何度も大活躍した。
炎や水、はては幻や異空間まで斬れるその剣技は、仲間たちを助けてきたのだ。
味方としては頼もしい特技だが、敵となった今、清見にとってこれ以上無いぐらい嫌な能力であった。
清見がいなくなった水面を見つめ、鈴華は微笑んだ。
「あらあら、とっさに隠れちゃったのね。でも、逃げてるだけじゃ、いつまでも私を倒せないわ」
「別に逃げたわけじゃない」
鈴華の耳元に、忽然と清見の囁きが響いた。
彼女は慌てて振り向くと、清見が操る水の鞭が鈴華の手首を叩く。
妖眼が生えた剣は残された水面に落ちると、泡一つ立たずに飲み込まれ。
「な、なぜそこに……?」
「霊力に満ちた水を経由すれば、私はどこへでも瞬間移動ができる。
……言ったでしょ、この領域内なら、あなたは勝てない」
鈴華は清見が指差す霧を見て、歯を食いしばって再び妖力を練りあげた。
「ふん、ならばこの霧ごと斬るまでだわ!」
「一度油断したら、そこで終わりよ!」
清見は霧の中に腕を伸ばし、大きなシャボン玉を取り出すとそれを鈴華に投げつけた。
鈴華は作りあげた妖剣で前を切り裂く。
しかし、シャボン玉はパンと弾いて、鈴華の前で破裂した。
中からドロドロした粘液が鈴華の四肢にねばりつくと、まるでのりのように彼女の体を貼り合わせる。
「な、なんなのよ……これ?」
「私が配合した、捕獲用の超強力接着剤だ」
「このっ……はなせ!」
鈴華は懸命に腕を動かし、なんとか粘液から脱出しようと試みた。
しかし、彼女があがけばあがくほど、粘液がきつくねばりつく。
数十秒もしないうちに、鈴華は完全に身動きが取れなくなった。
「これで、あなたの完敗だね」
「わ、私をどうするつもりよ!」
「あなたを操っているのは、その胸にある目玉だな。鈴華、その悪の目を摘み取らせてもらうわ」
清見は近くまで歩くと、鈴華の胸の上に手を差し伸べた。
615 五行戦隊 第三話(12/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:51:16 ID:b96jA7a7
「ちょ、ちょっと!」
「これを取り除けば、あなたの意識も正常に戻るはずだ」
「タイム、タイム!でもでも、もしかしてそれを取ったら、私死んじゃうかもしれないよ?」
「大丈夫。妖獣に関する知識なら、私が一番豊富だ……まあ、それで亡くなったら、
それはそれで正義の味方である鈴華の本望だろう」
「ちょっと、勝手に人の本望を作るな!っていうか、あなたはいま自信無かったでしょ?
あなたは、それでも私を仲間だと思ってるのか」
「ああ、思っているわ。来年以降のこの日、私が責任を持ってお墓参りするから」
「ちょっと、真顔でそんな恐いことを言わないでよ」
清見が段々と冗談を言っているように見えなくなると、鈴華の顔は怯えはじめた。
彼女の手が伸びてくると、鈴華は思わず目を閉じた。
その時だった。
清見の背後から、一本の緑色の蔓が急速に伸び出る。
風切り音が聞こえた清見は、仕方なく体を横へそらす。
蔓の勢いはなおもとどまらず、粘液をまとう鈴華を絡めてむこうへ引き寄せた。
清見は目を大きく見開き、遠くから蔓を操る人物を見据える。
一人の緑色に彩なすロングヘアの少女が、足元をふらつかせながら現れた。
彼女の口から熱っぽい息が漏れ、
眼鏡を掛けていない瞳から苦悶と快楽が混ざり合った表情が読み取れる。
その顔立ちは紛れも無く五行戦隊の一人で、清見の仲間である翠であった。
しかし、普段の優しくてのほほんとした雰囲気は、今の彼女にはどこにも見当たらない。
肉つきの良いボディーは、鈴華と同様に、たくさんの邪悪な目玉が生えた肉布によって覆われていた。
鈴華とは違う緑色の肉布は、イボイボがびっしり生えた裏面を蠢きながら、彼女の柔肌をぬめりと撫で回す。
翠の瞳は潤んでいて、目の焦点がぼんやりしていた。
彼女の股間を覆う肉布の隙間から、ねっとりとした愛液が溢れ続ける。
「翠、あなたがどうしてここに」
「き、清見ちゃん……」
清見の視線にうしろめたさ感じたのか、翠は視線を逸らした。
彼女の美しい顔立ちはさっきから赤色に染められ、
普段の彼女から考えられない色っぽいものとなっている。
鈴華は不満そうな口を尖がらせ、
「翠ちゃん、今まで何やってるんだよ!」
「ご、ごめん……森の外に向かわる妖眼蟲たちに、指示を出しに行ったら……」
「森の外?……灯と睦美か!」
相手の言葉の意味を理解すると、清見は背中に冷え汗をかいた。
灯と睦美は、まだ痺れの状態から回復できていないはずだ。
霊力でいくらか維持できても、今の二人には、抵抗する力はさほど残っていない。
そんな無防備な二人に目玉スライムの軍団が襲ったら、大変な事になってしまう。
「それぐらいのことで、もたもたしないの。というか、速く私を助けなさいよ」
「は、はい……!」
翠は清見の視線をさけるように顔をうつむき、蔓が巻き付いた腕を振るわせた。
そこから更に数本の目玉が生えた蔓が伸び、鈴華の体に巻きついて粘液を綺麗に吸い取る。
「……翠、まさかあなたも鈴華と同じ、敵の手に堕ちたのか」
「……清見ちゃん、ごめん……」
翠は清見の言葉を否定することなく、荒い息を繰り返す。
616 五行戦隊 第三話(13/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:51:42 ID:b96jA7a7
「最初に出てきた目玉が生えた花も、今になって考えればあなたが作り出したものなのね。
灯に手掛かりと称して鈴を渡したのも、全部あなたが仕組んだことだったわね」
「そ、それは……」
「ふふふ、そうよ」
鈴華は体に貼り付いた粘液を取り除いてもらった後、
翠の背後にまわり、彼女の豊満な乳房を後ろからまさぐった。
「あ、ああん……!」
翠の顔に悦楽の表情が浮かび、愛撫をもっと求めるかのように体を淫らに揺るがせ、鈴華へ寄り添う。
「翠……!」
「ふふふ……だいぶ感度が上がってきたようね。しかし、まだ完全に心が屈しているわけじゃないみたい。
あなたがなかなか堕ちなくて、妖眼蟲たちも手が焼いているわ。
まあ、この調子でいけば、もうすぐ完全に快楽の奴隷となるね」
「だ、だめ……私は、そんなことなんか……」
「何よ。いまさら、正義の味方になってるつもり?」
「きゃ――っ!」
突然、鈴華が翠の秘所を弄りだした。
「ほらほら、上からクリトリスをつついただけで、こんないやらしい汁を溢れさせちゃって。
ふふん、昨日なんか凄かったのよ?みんなの触手を咥えて、淫乱なメス犬のようによがりまくって、
イキまくってたわ。清見ちゃんにも見せてあげたいぐらいよ」
「あ、ふぁん……お、お願い……そんな事、言わないで……」
「体が欲しくて、たまらないくせに」
鈴華はもう片方の手の指を翠の口に入れると、翠は夢中になってそれをしゃぶった。
「これで分かったかしら?翠ちゃんはもう私と同様、妖眼蟲の忠実なしもべになったのよ。
うふふ、翠ちゃん!私と一緒に、清見ちゃんを捕らえちゃうわよ」
「は、はい……」
翠は恍惚のまま頷くと、鈴華と肩を並べた。
「これで形勢逆転だね。私達の実力はほぼ同じだから、
二対一では、さすがの清見ちゃんも不利になっちゃうわね」
「くっ……」
清見は唇を噛み締め、突然鈴華や翠との反対方向へ飛び上がった。
彼女は決して無茶をしない人物である。
今の彼女がなすべきことは、一刻も早くこの場から離れ、灯や睦美の側へ行く事である。
彼女が動き出したのと同時に、無数の矢がその背後を目掛けて射られた。
清見は地面を強く蹴り上げると、彼女の足元に集まってきた水滴が激流となって、
矢の雨を巻き上げながら鈴華の方へなだれ込む。
鈴華は素早く一つの大盾を作り出し、弾丸のように飛んでくる水玉をガードした。
水玉は重い銃弾のような衝突音を連発させ、盾によって次々と弾き飛ばされる。
「翠ちゃん、出番よ」
「うっ……」
鈴華の催促を受けて、翠はやましい表情を浮かべながらも、ふところから一握りの種を取り出した。
彼女はそれらをばらまくと、地面に付着した種はすぐさま数本の蔓に成長した。
それらの蔓はうねうねと伸び終わると、清見を絡めようと襲い掛かる。
清見は仕方なく攻撃を止め、軽快な動きで蔓をかわす。
だがその隙に鈴華は清見との距離を一気に縮め、電光石火のように一振りの大刀を振り回した。
鈴華の殺傷力の高い刃と、翠のトリッキーな植物攻撃。
相手の隙間の無い攻撃に、清見はたちまち劣勢に追いやられた。
霊力をためる時間もないため、彼女歯さきほどみたいに大掛かりの術を使うことができない。
617 五行戦隊 第三話(14/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:08 ID:b96jA7a7
(くっ……さすがに、二人相手ではきつい……こんな事をしている場合じゃないのに)
顔には出さないものの、清見の心の中では焦燥に満ちていた。
灯と睦美に危険が一刻一刻と近づいていると思うと、彼女の心が大きく動揺した。
その不安は、やがて彼女の集中力を妨げた。
清見は鈴華の投げナイフを水鞭で打ち落としている間、突如二の腕に激しい痛みを感じた。
彼女は続けて襲ってくる花びらを乱れ打ちした後、二人から距離を取って着地した。
だがその細い腕には、一本のバラの花が痛々しく突き刺さっていた。
「ふふふ、これでもう決まったね。清見ちゃん、自分の傷を負ったところを良く見てごらん」
「……!」
清見は傷の方を一瞥すると、顔色が大きく変わった。
彼女は自分を傷つけたのは、翠がいつも愛用しているバラの花だと思い込んでいた。
だが今、その綺麗なバラの茎が蠢き、腕に何かを注入していた。
皮膚の上から、自分の腕に緑色の脈が広がっていくのが見える。
しかし、清見をもっと驚かせたのは、時間が進むにつれ腕から痛みが消え、
代わりに心地よい感触が広がっていく。
それは、天にも昇ったようなエクスタシーであった。
清見は天空と大地が回転しているような眩暈を感じた。
快感は彼女の予想をはるかに越えて、大きな波となって全身に拡散する。
そして花びらから目玉が見開いた瞬間、そのすさまじい衝撃に彼女の瞳孔は一気に広がった。
「ああああぁぁぁ!」
清見の膝が地面に突き、自制が効かなくなった口からよだれが零れ落ちる。
体は電気ショックを受けたあとのようにぶるぶる震える。
彼女は信じられないという表情で、自分の体を抱きしめる。
「いかがかしら、目玉に寄生される快感は」
鈴華はにんまりと微笑み、翠とともに清見の側へ歩み寄った。
「ううぅっ……私は、私は負けない!」
清見はかろうじて意識を正常に取り戻し、腕を抱きながら立ち上がった。
彼女の口からは、徐々に色っぽい吐息が漏れ始めた。
「ふふん、そんな体でどう抵抗するというの」
「うっ……」
足にはほとんど力が入らなくなり、心臓が高鳴り続ける。
清見は立てるのがやっとの状態で、鈴華たちを睨んだ。
うしろめたい表情の翠とは対照的に、鈴華は邪悪に染まりきった笑みを浮かべる。
「翠、例の物を清見に与えなさい」
「そ、それは……!」
「どうした、翠?」
「鈴華ちゃん、もう……やめようよ!私達は、これ以上過ちを犯してはいけない」
「ふん、その淫乱な体で、何を言っている!」
鈴華は翠の胸を強くまさぐると、一瞬正気を取り戻した翠は悩ましい声をあげた。
「あっ、はぁくっ……ああん!」
「翠!」
「ふふふ、あなた今まで、何度もしてきた事なのよ?もう何人にも、それを施してきたというのに。
ほら、翠ちゃん。速く自分のオマンコに指を入れなさい。あなただって感じて、興奮してるんでしょ?
あそこがぐじょぐじょになって、触ってほしいと言ってるのよ!」
「ああ、私は……私は……」
翠の表情に背徳的な快楽が染まる。
やがて、彼女は耐え切れない様子で指を秘所に入れてかき回した。
「翠、やめて!負けちゃだめ!」
「ごめん、清見ちゃん……私は、もう元に戻れないの!」
618 五行戦隊 第三話(15/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:34 ID:b96jA7a7
翠は両目をつむり、快い刺激で顔を歪ませながら指を出し入りし続けた。
快楽に溺れる喘ぎ声を発すると、翠は体を淫らにひねり出す。
彼女は秘所を押し広げられ、中のひだひだが指を擦れる様子を見せ付ける。
「ああ、ああん……イク、私……イッちゃうぅ――!」
翠は指を奥まで突き上げると、そこから大量の愛液が噴き出た。
彼女の体に寄生した目玉たちは、
まるでその動きに呼応するかのようにまばたき、快楽の波を宿主に送り続ける。
鈴華はぐったりと地面にひざまずく翠を支えながら、彼女の秘所に指を入れてかきまわした。
「……ああぅ!」
「ふふふ、いいわ……今回も綺麗な種を生成できたわね。ほら、清見ちゃんも良く見て。
翠ちゃんのアソコから摘み出した寄生種を、これから清見ちゃんのオマンコに入れてあげるから」
鈴華は一つの種を摘み取りだし、それを清美に見せ付けた。
彼女の恐ろしい言葉に、清見は顔を青ざめた。
たっぷりと愛液にまみれたその種は、緑色の外殻を呈した。
外殻からは更に繊毛のような細い触手が伸び出て、気味の悪い蠕動運動を続ける。
清見はなんとか逃げようとするが、彼女のふらついた足取りはそれを許さなかった。
鈴華は清見を押し倒し、彼女の水色のスカートの下に手を潜らせる。
「い、いや……」
「ふふふ……大丈夫、あなたもいずれ喜ぶ顔になるわ」
「ああ……!」
鈴華の指が自分の下着の中に入り、秘裂の上に触れるのを感じると、清見は恐怖を帯びた悲鳴を上げた。
「おや、もうずぶ濡れになってるじゃない。ふふふ、そんなに気持ちよかったの?
それとも、翠ちゃんのオナニーを見て、興奮したのかしら」
「ち、ちがう!」
「まだ否定するというの。まあ、その口答えができなくなるように、種を寄生させてあげるわ!」
鈴華は口元に薄笑いをかかげて、指に寄生種を乗せたまま清見の秘所を突き進んだ。
「ああぁん!」
清見の口から悲鳴が漏れた。
彼女は鈴華をのけようとしたが、快感によって支配されかける体は、満足に力を出せなかった。
「だ、だめ――っ……ああぁぁ、なに、これ……入ってくる、お腹の中に入ってくる……ああああぁぁぁあ!」
清見は目を大きく見開き、背骨をそらした。
鈴華の指が膣の奥へゆっくりと進み、指の付け根がひっかかる所で止まった。
しかし、寄生種は彼女の指から離れ、なおも最奥へ侵入し続ける。
「あああ、だめ……それ以上は……ああがぁあぁぁ!」
清見は突然自分の子宮の入り口が押し広げられたのを感じた。
彼女はただ口を大きくあけて、お腹から伝わるショッキングな感触を耐え続けるしかなかった。
しなやかな肢体は激しく痙攣し、汗に濡れた髪が顔に貼りつく。
「はい、おしまい。タネがちゃんと清見ちゃんの体内に着床したよ。
これで、あなたも私達と同じになれるわ」
鈴華は嬉しそうに立ち上がり、勝利を確信した表情で四つん這いになる清見を見下ろす。
その油断している隙を見て、清見は彼女の細い足首を掴んだ。
「なにっ!?」
鈴華が驚く間もなく、体中に水滴が付着し始めた。
「す、水遁の術……ぐあああぁぁ!」
霊力を駆使しようとした途端、清見は悲鳴を上げて前屈みに倒れた。
「あっ、ど、どういうこと……?体から、霊力が……消えていく」
「あーあ、無理しちゃって。本当に頑固だから」
鈴華はやすやすと水の束縛から脱出し、苦しみもがく清見を見下ろす。
619 五行戦隊 第三話(16/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:58 ID:b96jA7a7
「体に、力が入らない……ああん!あそこから……あそこから、霊力が吸われていく!」
「ふふふ、やっと気付いたかしら。翠ちゃんが産んだ種子は、彼女の力を持ってるのよ?
翠ちゃんの得意技のように、相手の妖力を吸い取り、無力化することができるの。
もっとも、今となっては霊力を吸い取るけどね」
「ご、ごめん、清見ちゃん……」
翠は悲しそうに清見を見つめながらも、彼女の痴態に触発されたのか、自分の秘所を再び弄りだした。
「うっ……こんな、こんなことで……」
清見は拳を握り締め膝を立てるが、痛みを伴う快感が波陣となって、彼女の神経をねじ曲げる。
「あっ、ああんっく……うあああぁぁ!」
突然子宮を通り抜ける細紐のような感触が、清見が必死に築き上げた精神力をあやふやなものにする。
彼女は慌てて自分の膣に目をやると、植物の芽のような物体が、ゆっくりと自分の秘裂から出てくる。
「これは……!なんなの……」
「その寄生植物は、宿主の霊力を吸収しながら、大きく成長するの。
清見ちゃんぐらいの霊力の持ち主なら、きっと大きな花が咲くでしょう」
「そんなの……!」
清見は腕を震わせながら、その新芽を摘み取ろうとした。
しかし、彼女が芽に触れた途端、全身に稲妻が走ったような感触に襲われる。
「はああぁんぐぅうう!」
「だめよ。その寄生種は、もうあなたの体の一部になったのよ。
寄生したアソコの部分は、あなたの精神を支配し、性欲を極限までに増大してくれるの」
「そ、そんなことは……ああぁん!」
清見は更に苦悶の声をあげた。
霊力が急速に消えていく感じと同時に、彼女の秘所から緑色の茎が伸びて、
うねうねと周りに葉っぱを成長させる。
茎は大きくなるとともに左右へ枝分かれはじめ、やがてその表面に不気味な目玉を見開き始める。
「あああぁぁぁ!」
まるで寄生植物が自分の体と一体化したかのようだった。
茎や葉が空気と触れる感触は、鮮明な快感として清見の脊髄に伝えられる。
「ああ、なんて素敵かしら」
鈴華は愛おしそうに新葉を撫ぜると、清見は更に大きく喘いだ。
(うっ……これ以上成長させたら、だめ……!)
清見は意を決すると、目を瞑って意識を集中し始めた。
彼女は霊力を丹田に凝縮させ、全ての雑念を取り払おうとした。
その途端、寄生植物が生長するスピードがぐんと下がった。
「ふふふ……あくまでも抵抗する気なのね。
ねぇ、翠ちゃん、彼女にもっと素直になる方法を教えてあげたら」
「ええっ……」
鈴華は翠を清見の前に押し出し、邪悪に微笑む。
「翠……!」
「うっ……ごめんね、清見ちゃん……私はもう我慢できないの!」
翠は潤いだ目で清見を見下ろし、彼女のすべらかな白いうなじに舌を這わせた。
「翠、やめて……ああぁんん!」
「はぉん……清見ちゃんの我慢している表情、すごくかわいいわ……」
翠は上気した表情で呟きなら、清見のコスチュームのボタンをはずし、彼女の綺麗な胸を外気に晒す。
620 五行戦隊 第三話(17/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:53:25 ID:b96jA7a7
「お願い、翠……もうやめて!」
「清見ちゃん、もう観念しなさい」
鈴華は自分の秘所から伸びる目玉つきの触手を、むりやり清見の口内にねじ込ませた。
「んむっ……うぅぅん!」
「さあ、私の味をたっぷりと堪能させてあげるわ!」
「むぐぅんんん?」
鈴華は清見の頭を掴むと、腰を前後に揺らした。
その顔には、大切にしてきたものを穢したい歪んだ邪念が満ちていた。
触手は男根のように硬く熱く、清見の柔らかい舌の上を滑る。
その表面にある目玉から甘い媚薬のようなエキスが分泌され、彼女の唾液と混ざり合う。
「はぁん、気持ち良いわ……こうして、昔の仲間に口内を犯されている気分はどう?」
「ちゅぶ……むん、はぁっん」
清見の体は熱く滾り、意識が朦朧となった。
彼女は自身も気付かないうちに、鈴華のエキスを飲み込み始めた。
その精神が快感に溺れていくにつれ、膣に寄生する植物の動きが一段と加速した。
「ああん、はあぁん……ううっ、そろそろ出るわよ!」
「むぅん、うふぇ?!」
清見は口中の一物が熱くなったと感知した次の瞬間、
喉の奥にぶつかるような粘っこい液体が噴出された。
「んんぐぐう!?……はぅっ、けほん、けほん……」
あまりにも大量の液体に、清見は思わず顔をそらした。
口から白い熱液が溢れ出て、脳に焼きつくような異臭を放つ。
飲みきれなかった液体が清見の頬や胸にかかると、それを惜しむように、翠がその部分を舐めまわす。
「はあぁん、気持ちよかったわ。うふふっ、清見ちゃんは水を操るのが得意でしょ?
翠ちゃんに見習って、全部綺麗に飲み込まないとね」
そう言うと、鈴華はまだ呆然とする清見に唇を重ね合わせる。
「むぐぅん!?」
生まれて初めて体験するキスに、清見はうろたえた。
鈴華は彼女の口内に舌を入れ、
まだ残っている粘液をかき回しながら、それらを彼女の喉の奥へ押し込む。
うねうねとぬめったい舌は、彼女の唾液を携わって清見の舌を絡める。
さきほど彼女が出した濁液はそれと混合して、より芳しい味をかもし出す。
清見は最初こそ抵抗したものの、やがて甘い感触に感化され、
鈴華にされるがままにねばっこい液体を飲み込んでしまう。
「んっはぁー。ははん、どうだった清見ちゃん?初めてのディープキス、気持ちよかったでしょ?」
「はぁ、はぁ……そ、そんなの……なんとも、思わないわ」
「うそつき。あなたのあそこから生える寄生植物が、もうこんなにも生長したのに」
清見はぼんやりと下を見ると、新芽はいつの間にか暗緑色の幹に成長し、地面に根ざした。
「ふふふ……もう今から霊力をコントロールしようとしても遅いからね」
鈴華はそう言って清見の乳首を指でせめたて、彼女を大きく呻かせた。
翠はこぼれた淫液をたどって、清見の口元に舌を這わせる。
「ああ、清見ちゃん……なんていやらしい匂いかしら。
鈴華ちゃんと清見ちゃんの味が、一緒くたになってるわ」
彼女はうっとりと清見を覗き込み、やがて彼女に唇を重ねた。
「むむん……」
一度鈴華に蹂躙されたためか、清見が抵抗する力が明らかに弱まった。
ねちゅねちゅという水音を立てながら、清見と翠の口元にいやらしい液体がこぼれ落ちる。
その乱れる様子を目にして、鈴華は心からほくそ笑んだ。
「うふふ、そろそろだね」
621 五行戦隊 第三話(18/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:53:51 ID:b96jA7a7
地面に根ざした植物は、やがて数枚の毒々しい肉片が伸びはじめた。
肉片は薄く広がり、徐々に清見の体を包み上げる。
「なに、これは……」
清見は突然体中を巡る焦燥感に襲われた。
彼女は自分の体を弱々しく抱きしめ、これから起こる恐ろしい光景を待つしかなかった。
やがて肉片はラフレシアにも勝るような巨大なものとなり、清見をゆっくりとその中心へ閉じはじめた。
清見はそこから離れようとしたが、膣と植物の間に繋がる部分が彼女を悶えさせる。
まわりの蔓は一斉に巻きつき、霊力を失った彼女を束縛した。
「いやだ……ここから出して!」
清見は絶望的な表情を浮かべ、鈴華と翠を見つめた。
しかし、その視線も途中で肉片によって途切れた。
やがて数枚の肉片が完全に閉じきると、一つの大きな蕾がそこに現れた。
蕾の中心部である子房は大きく膨らんでいて、
その表面には不気味な脈絡が走り、血管のようにドクドク鼓動を続ける。
「ふふふ……清見ちゃん、あなたがその蕾から出た時どんな姿になるのか……
ああ、考えるだけで興奮しちゃうわ」
「うっ、清見……ちゃん……」
翠は顔を火照りながら、罪悪感にまみれる表情を浮かべた。
そんな彼女に、鈴華は小悪魔な笑顔を浮かべながら、秘所に生えた触手を突き立てる。
「翠ちゃんも、そろそろ諦めたら?あなたは気持ちいいことさえできれば、何もいらない淫乱娘だから」
「ああぁん!」
翠の体は鈴華に押し倒され、濡れきった秘所が相手の触手に突かれる。
清見を包んだ蕾の表面には、十個の細い筋が浮かび上がった。
そのうちの一つから、大きな目玉が不気味に見開いた。
□
自分が気を失って、どのくらいの時間が経ったんだろうか。
「ううん、ここは……」
清見は朦朧とした目を開き、まわりを見渡した。
気を失う前の光景を思い出しながら、彼女はここの不気味さに気付く。
彼女は肉片でできた空間に囚われていた。
中は狭く暗く、むせ返るような甘い香りが満ち溢れていた。
体中に気だるい心地よさが走り、清見の思考力を鈍らせる。
「なんとかここから脱出して、睦美や灯に伝えないと……」
清見は体を動かそうとすると、四肢がまわりの肉片にのめり込んでいる事に気付く。
そして自分の股間部の服が溶かされ、晒しだされた秘所は繊毛がびっしりと生えた雄しべと繋がっていた。
雄しべは妖しく蠢きだすと、清見は背中をえびのようにそらした。
622 五行戦隊 第三話(19/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:54:14 ID:b96jA7a7
「うんっ……あはあぁん!」
清見は口から快楽に悩む声を漏らした。
周りの甘い空気を吸い込むと、頭中までその淡いピンク色に染めてしまいそうだ。
四肢は肘や膝まで肉片に絡まれ、周囲が脈動するとともに邪悪なオーラが注ぎ込まれる。
気をしっかり持たないと、思わず自ら腰を浮かせて、雄しべに体をこすり付けたくなってしまう。
肉片の表面には多くの目玉が生えており、清見をあざ笑うかのように彼女を見つめる。
蕾の天井から絶えずとろりとした粘液が分泌され、
清見の体に垂れ落ちてから、彼女の太ももあたりへ溜まっていく。
粘液が柔肌を撫で落ちる度に、清見の心に淫靡な気持ちが生じる。
青色のコスチュームはその粘液を含んでしまうと、
ゆっくりと溶け出して、なんと同じ成分の汁に分解されて下へ流れ落ちる。
その恐ろしい光景は、彼女を驚愕させる。
バトルコスチュームの保護まで失うと、彼女は完全に無力な少女と化してしまう。
(そうなったら、私も鈴華や翠と同じように、妖獣のしもべとなってしまうのか……?)
その時のことを想像すると、清見はぞっとした。
(睦美、灯……どうか無事でいて……)
清見は祈るような気持ちで、仲間たちの名前を念じた。
それを最後に、彼女の意識が深い闇に沈んだ。
<つづく>
町のはずれに、大きな市立運動場がある。
昔はスポーツ観戦目的で建てられたらしいが、維持費用にあてがうだけの採算が取れないため、
結局数年もしないうちに閉鎖となってしまった。
そのすぐ近くに、これまた市民に安らぎの場という名目で、広い面積の風致林が植えられた。
しかし、そもそも町の中心から離れたこの場所を訪ねる者がいるはずがなく、
今ではひとけの少ない寂れた場所となっている。
「へー、オレ達の町にこんな場所があったなんて。清見、お前は随分と詳しいじゃないか」
「自分達が住む地域の風水を調べるぐらい、ちゃんとできないとね。
遁術使いとして、常に地の利を考えなければいけないから」
静かな森の中、二人の少女が会話を交えながら歩いていた。
先の少女は見くびられた感じがしたのか、不服そうに頬を膨らます。
薄暗い夜、彼女の変身した後の炎のような真っ赤な髪や服が目立つ。
短く切った髪型とまっすぐ伸びる眉が、彼女のボーイッシュな性格を強調する。
白い手袋に包まれた細い指、紅を基調としたミニスカート。
くびれのある健康的な胴体を、神火の文様がかっこよく彩る。
「ふん、これなんだから、優等生は……いざという時は理論とかじゃなくて、行動で何としないと」
「まあ、それも確かに一理あるわね。
灯(あかり)がいつも猪突猛進してくれたおかげで、私達は今まで何とか勝てたし」
「それって、なんか褒められてないような気がするけど……」
「気のせいだよ」
きっぱりと言いきる、もう一人の冷淡な少女。
彼女のウェーブがかったヘアは青色を呈し、一人目の少女とよく似たコスチュームを身に纏う。
ただ違うのは、その服の色は清涼感のある水色で、表面にはシャボン玉のような文様が浮かんでいる。
少女の片方の手の上に、半透明の水晶玉が浮いていた。
その水晶玉をじっと見つめながらも、彼女は樹木にぶつかることなく悠然と歩き続ける。
灯と呼ばれた娘は頬をぽりぽり?きながら、なんとか相手に反駁しようと考え込む。
そんな時、彼女達の前方から声が起きた。
「灯、清見、そちらはどうだった」
颯爽と現れたのは、灯と同じぐらい長身の少女であった。
彼女はやはり二人と同じ服装をしているが、褐色のポニーテールと服の土色が大きな特徴だ。
「いいえ、だめ。鈴華の霊力反応が、まったくしないわ」
清見はようやく水晶玉から顔をあげ、今度は空を見上げた。
今夜の月は満月のはずだが、雲に隠れていたせいで、うっすらとした照りしか無い。
「睦美のほうは?」
「まだまだ」
灯の質問に対し、睦美はゆっくりと首を振った。
彼女は手に握る可愛らしい鈴を見て、心配そうに呟く。
「翠の話によれば、この近くで鈴を拾ったのだが……
今度こそ、なんとかして鈴華ちゃんの手掛かりを見つけ出さないと」
「睦美、そんな心配そうな顔すんなって。鈴華のことだ、またいつもみたいにけろりとした表情で出てくるよ。
それに、オレ達がここで落ち込んじゃ、なんにもならないだろ」
「ああ、分かってる。絶対、彼女の消息を探し出してやるんだから」
灯の明るい口調に励まされ、睦美も顔を和らげた。
その時、清見がポツリとあることを尋ねる。
605 五行戦隊 第三話(2/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:45:33 ID:b96jA7a7
「その鈴を拾った翠が、今日はどうしちゃったの」
「ああ、そういや清見に言ってなかったっけ。彼女なら、今日は体調不良で学校を早退したぜ。凄い熱出してさ。
一時間目は本人が我慢してたみたいだけど、体がぶるぶる震えてて、先生も見かねて早退させたよ」
翠と同じクラスである灯が答えると、睦も続けた。
「そういえば、私も見たわ。翠が帰る時、顔がすごく赤くて、目付きも虚ろだった。
だから、今日はちゃんと休むように言っといたわ。大事に至らなければいいけど……」
ねぇねぇこれ終わったらお見舞いに行こうよ、と灯や睦美がやりとりしている側で、清見はしばし黙り込んだ。
「清見、どうかしたのか?」
「ええ。このような樹木がいっぱい生えている場所は、翠の力が最も発揮しやすいから、
もしいたら頼りかなと思って。……彼女の病気の原因は、なんなのかしらね」
「まあ、どうせ風邪でしょう。いくらオレ達は凄まじい霊力の持ち主だからって、ひく時はひいてしまうからね」
「でも灯だけいつも元気で、本当に助かるよ」
「ちょっと清見、それってどういう意味よ!」
「翠がいない今日は、灯の活躍に期待しているって意味だ」
「そ、そう……」
清見の言葉が一転して褒め言葉となったため、灯はすぐに対応できなかった。
彼女は側の木に寄りかかってから清見の顔しばらく見て、何か確信を得たように頬をほころばせる。
「はっはぁん。清見も鈴華のやつと同じで、素直じゃないんだから。いつも私に皮肉を言ってるが、
実は私を一番信頼してるでしょ?いいよいいよ、この灯の実力が、百人力だっていうことを見せてやるんだから」
「勘違いしないで。私はただ、あなたの火属性が森の地形に強いから、
せめていつも以上に戦ってくれればいいと思っただけだ」
「えっ?」
自分の属性が森に強いと言われて、灯は慌てて指を数えて属性関係を復習する。
しかし、彼女が思い出すよりも速く、清見が言葉を続ける。
「木は火を生み、土を克つ。この場所では、私や睦美より、あなたのほうが実力を発揮できる。
……と、陽子先生から何度も教わった相生相克の関係、まさか忘れてたりしないよね」
「い、いやだね清見。そんな基本中の基本を、オレが忘れるわけないじゃない」
灯は汗顔になって言葉を濁らした。
なんでもかんでも根性と気力で切り抜ける彼女にとって、
相克ならまだしも、相生の関係はいまだに覚え切れなかったのだ。
彼女の苦しい口調を感づいた睦美は、やれやれと苦笑した。
「ははは。まあ、今日は私に任せて。どんな敵が出ててきも、けちょんけちょんにやっつけてやるからさ」
「それは頼もしいわ。灯はいつも危なっかしい子だと思ってたけど、その考えを改めるわ」
「うっ……その褒めてるのか貶してるか分からない言い方、なんとかならないかな」
灯は側の木に寄りかかりながら、疑い深い目付きで清見を観察した。
「当然褒めてるよ。例えば、あなたがさっきから寄っている木の上に、
敵がいるというのにまったく動じないじゃない。感心しちゃうわ」
「ほえつ?」
灯はゆっくりと見上げた。
暗闇にまぎれて、頭上の枝に一匹の黒いスライムがへばりついていた。
そのスライムは唯一の目玉をぐるりと回し、灯をずっと前からのように睨み続ける。
薄暗い森の中、大きな白目玉と見つめ合うというのは、なかなか迫力のある事だった。
606 五行戦隊 第三話(3/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:46:08 ID:b96jA7a7
灯はしばらく目をパチパチさせ、やがて大きな叫びを上げた。
「……キャ――!」
彼女はすかさず炎気を帯びた拳を振り上げると、目の前を樹木ごと灰へと燃やす。
「灯にも、女の子らしい悲鳴が出せたんだね」
「それってどういう意味だよ!っていうか、気付いていたなら、速く教えてくれよ!」
灯は涙目になりながら、清見の襟を掴んで強く揺らした。
だが、その途中で睦美に制止される。
「二人とも、気をつけて!どうやら私達は囲まれたらしい」
睦美は構えを取りながら言うと、灯はすぐに自分たちを見つめる無数の視線に気付いた。
森の暗闇を背景に、白い目玉達はまばたきをしながら三人を威圧する。
「どうやら彼らはずっと妖気を隠し、私達を待ち伏せしているようだ。
それで水晶玉のサーチにも引っ掛からなかったわ」
「ふふん、前より随分と賢くなってきたじゃないか。正面からじゃ勝てないから、
オレ達の不意を突こうって訳か。だが、ザコは所詮ザコ、全部返り討ちにしてやる!」
灯は不敵な笑みを浮かべ、拳を強く握り締めた。
その五本指の隙間から高温の炎気が漏れ出て、あたりを一瞬だけ明るく照らす。
突飛過ぎた遭遇で思わず声をあげたが、彼女は五行戦隊の中で最も負けず嫌いで、
敵が大勢いればいるほど燃えるタイプだ。
「待って!また何かがやってくるわ」
睦美と灯は清見が指差す方向を見ると、背筋を緊張させた。
森の奥から、一匹の大型スライムが現れた。
その黄色いスライムはヒトデの形をとり、地面から直立していた。
その中心には大きな目玉と、金色に輝く瞳があった。
「これは……!」
「この前と同じ、普通のやつよりも強い種類だな」
睦美と灯は同時に、数日前初めて戦った異種のスライムを思い出した。
今まで無かったボディーと、今まで無かった攻撃方法。
初見だったため、その場に居合わせた翠が負傷したこともあった。
しかし、最後は弱点である灯の炎に焼かれ、なんとか打倒することができた。
だが、彼女達はそのスライムが連れ出した物体を見て、更に愕然とした。
「す、鈴華……」
「鈴華ちゃん!」
「……!」
鉄製の十字架の上に、一人の小柄な少女が鎖に縛られていた。
気を失っているのか、彼女は目を閉じたままうなだれる。
「おい、鈴華、しっかりしろ!」
「……灯、みんな!」
鈴華は呼び声に気付き、目をゆっくりと開いた。
「みんな、ごめん……これは、罠よ!速く、ここから逃げて!」
「くっ……お前たち、よくも……よくも鈴華をいじめて!」
灯は今にも飛びかかる勢いだが、後ろから清見に肩を掴まれる。
「みんな、ここはいったん身を引こう」
「えっ?」
「どういうことだ、清見」
清見の突然すぎる意見に、灯と睦美は耳を疑った。
607 五行戦隊 第三話(5/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:46:43 ID:b96jA7a7
「待ち伏せされているんじゃ、こっちに分が悪い。
いったんここから離れ、翠が完治するまで対策を練るべきだ」
「目の前に仲間が捕らえられてるのに、逃げるというのかよ!」
「鈴華自身も逃げてって言ってるし、彼女の忠告を聞くべきだ」
清見の相変わらない無感情の口調は、灯を仰天させる。
「そんなバカなこと、きるか!お前が行かないというのなら、オレだけでも行ってやる!」
「灯、一人じゃ危険だわ!」
飛び出る灯を追うように、睦美も駆け出した。
彼女たち動き出した次の瞬間、周辺の目玉スライムが一斉に蠢き、三人へと襲い掛かった。
清見は二人の後姿を見て、小さくため息を吐いた。
彼女は印を結ぶと、その周りに水の障壁が立ち上がり、迫り来る目玉スライムを巻き込む。
二人の背後を守るために、彼女はやってくる敵を一手に引き受けた。
先に走った灯は、すぐに鈴華のほうへ向かわなかった。
彼女はひとまず、鈴華の隣に立つ金色スライムの方へ飛びついた。
風の音から、後ろから睦美が迫る事を分かっていた。
金色のスライムに最も有効なのは、自分の火遁術である。
敵が妨害となる前に、それをまず叩き潰す。
金色スライムは目玉を怪しく輝かせると、そこから一本の鋼の槍を射出した。
灯は果敢に金色のスライムの前を立ちはだかり、槍を素手で掴み取る。
彼女の両手に握られた槍はたちまち溶解し、熱い溶液となって地面を燃え焦がした。
その後ろを走る睦美は、灯に目もくれずそのまま横を駆け抜ける。
彼女が指を立てて素早く念じると、鈴華を縛る鉄索は一瞬のうちに砂塵に埋もれ、圧砕された。
落下する鈴華を抱きしめると、睦美の目元が思わず熱くなる。
仲間の安否を心配してきた苦痛から、ようやく解放できるのだ。
「鈴華、しっかりして!」
「……睦美、助けてくれて、ありがとう……」
鈴華が努力して作った元気の無い笑顔は、睦美の心を痛ませた。
しかし、今は感傷に浸っている場面ではことを、彼女自身もよく知っていた。
頭を上げて灯の様子をうかがうと、睦美の顔色が急変した。
――金色スライムの一匹ぐらいで、自分が負ける要素など皆無である。
灯はそう確信していたし、実際彼女が放った爆砕拳は相手を一撃で倒してしまった。
急所である眼球を目掛けてやったとはいえ、
前回と比べてはあまりにもあっさりしていて、灯自身もビックリしたぐらいだ。
彼女は深く考えずに睦美のほう振り向こうとした途端、
足元に倒れる金色スライムの残骸から、突如無数の触手が伸び出た。
「なっ……」
言葉を言い終わる間もなく、彼女の体が触手に絡められる。
一際大きい植物が地面から突き出て、ハエトリグサのように花びらを開く。
そして動きが制限された灯を、そのまま頭から飲み込んだ。
睦美が灯を見たのは、ちょうど彼女の赤い靴が外にはみ出た時であった。
彼女はすかさず灯のほうへ駆け、指を立てて術を操った。
巨大ハエトリグサの表面にいくつかの目玉が見開き、見た目に反して素早い動きで逃げ出す。
だが次の瞬間、ハエトリグサがいる地面が轟音を立てながら崩れた。
睦美は素早くハエトリグサの花を開かせ、灯の体を引っ張り出した。
そして周囲の地表が大きく揺らすと、ハエトリグサを挟み潰した。
608 五行戦隊 第三話(5/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:47:28 ID:b96jA7a7
断ち切られた触手を払った後、睦美は灯の肩を揺らす。
「灯!灯、しっかりして!」
灯の体は妖しい色の花粉にまみれていた。
彼女は体をぶるぶると震わせ、開いた口から何か伝えようとするが、舌がうまく回らないようだ。
「これは痺れの花粉?灯、もう動くな。後は私に任せ……」
「……う、し、ろ」
灯は慎重に口の形を作り、一文字ずつ音を捻り出した。
彼女の意図を察するや否や、睦美は土遁術を駆使した。
背後に大きな碑石がせり上がり、敵の武器を防ぐ。
森の中、金属と岩石が衝突する不快な音が響き渡る。
睦美は後ろに立つ人物の顔を見ると、心が大きく揺らいだ。
ついさきほど彼女が助けた鈴華が、両手で大剣を握り、碑石に切りかかっていた。
(鈴華が……私を襲っている?)
(なんで?)
(まさか、敵に操られて?)
(今ここにいるのは、偽者?)
(そうだとしたら、本物の鈴華はいったいどこに?)
数々の疑問が、一瞬のうちに睦美の頭をよぎった。
それはわずかな時間であったが、睦美の敗因となるには充分な間であった。
鈴華の肩から一株の花がのぼり、睦美の目の前で咲いた。
その毒々しい花びらが囲む中心に、不気味な目玉が生えてあった。
睦美は相手から距離をとろうとするが、鈴華はそれを許さない。
碑石に切りかかる大剣の重量が驚異のスピードで増え続け、睦美に迫り続ける。
霊力を練ることが段々と苦しくなったため、睦美は思わず息継ぎしてしまった。
そこで突如、鈴華の肩にのぼった花から、灯と同じ花粉を睦美の顔面に吹きかける。
(まずい!)
睦美は素早く指を動かし念じると、碑石が六つの塊に分かれて飛び交い、鈴華の体をぶっ飛ばした。
その間、彼女は少なからず花粉を吸い込んでしまった。
そして次の瞬間、睦美は体中に無数のアリが這えているような嫌悪感を覚えた。
四肢に鈍い痒さが伝染し、足がまともに立つことさえできず、しゃがみこんでしまう。
両手はガタガタと震え、痺れによって一切の感覚を無くした。
「かかったわね、睦美」
「鈴華……!」
睦美は痺れる体を抱きしめて、自分に近づく少女を見つめる。
鈴華のかわいらしい顔には、自分が知っていた無邪気な表情がどこにもなかった。
その代わりに、今まで見たことも無いようなよこしまな笑みが浮かんでいた。
「さすがだね。あのわずかな一瞬で、がんばって息を止めてたのね。
まあそれでも、あなたの体は随分苦しくなったはずだわ」
「くっ……あなたは、一体……」
「本物の鈴華だ」
いつの間にか清見が睦美の側に立ち、彼女を支え起こした。
その後ろで、目玉スライム達の残骸が地面を埋め尽くす。
609 五行戦隊 第三話(6/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:48:14 ID:b96jA7a7
「残念だったわ、清見ちゃん。あなたまで一緒にやられていれば、手間がほとんど省けたというのに」
「ええ、私も残念だわ。まさか仲間であったあなたと、これから戦わざるを得ないとは」
「清見、これは一体どういうことだ……鈴華は、一体どうしたのか?」
清見は無表情のまま水晶玉を差し出し、それを淡く輝かせた。
「よく見て、この力の波長を。確かに、これは鈴華の形と一致するわ。
……しかし、霊力ではなく、妖力としてね」
「なっ、なに?」
「つまり今の彼女は、そこら辺にいる妖獣達と同じ、
邪悪な存在となっている。そして、私達の敵になっているのよ」
清見は淡々としゃべり続けるが、その内容に睦美の全身の毛がよだつ。
「清見、何を言って……そんなこと、あるはずが……!」
「ふふふ、実際に見せてあげたほうがいいかしら」
鈴華は薄笑いを浮かべると、そのあどけない童顔に邪淫なオーラを負わせた。
彼女が着ていた黄色い五行戦隊のコスチュームは、
徐々に暗黄色へと変化し、その表面に多くの目玉が見開いた。
弾力を含んだ肉質に変化した布地は、まるで無数の蟲が集まってできたかのように、もぞもぞと蠢動する。
その面積も小さく収縮し、彼女のきめ細かい肌を露出させる。
肉布はやがて生き物のように湿気を帯び始め、ぬめりと彼女の肌に吸い付く。
胸を覆う部分が減り、乳の上部から滑らかな腋や二の腕まで露出する。
背中も大きく切り開かれ、真っ白な素肌が月光を浴びて妖艶に照り返す。
心なしか、鈴華の小さかったはずの胸は豊満なものに成長し、腰のくびれもくっきりと現れる。
スカートは無くなり、肉布に覆われた股間部は、女性のラインを魅力的になぞる。
しばらくすると、彼女の秘所から愛液が溢れ出て下へ垂れ降りる。
白い臀部も大きく露出させられ、人の目を惹く。
両足の肉布は帯状の布切れとなって、螺旋状を描きながら肉つきのいい太ももを取り巻く。
そしてふくらはぎより下へ行くと、それが硬質のヒールブーツとなる。
よく目を凝らしてみれば、肉布の裏面には無数の小さい突起が集まり、
そのイボイボたちがぬめりと鈴華の肌に付着することが分かる。
鈴華が動作をとるたびに、途切れた縁から粘液がピチャ、ピチャと小さく鳴り響く。
裏側全体は、それと同じ液体によって濡らされていることが想像できる。
彼女の今の格好は裸よりも恥ずかしく、そして淫らであった。
三人達はその大胆な格好を見て、思わず顔を赤らめた。
肉布が定型すると、その上に生えた目玉達はタイミングを揃ってぎょろぎょろ動き、清見たちを睨みつける。
極め付きに、鈴華の開いた胸肌の上部に、一つの目玉が縦にぐぱっと見開く。
目玉の中央には金色を呈した禍々しい瞳があった。
その目玉が見開いた途端、鈴華の全身から邪悪な妖気を放ち、官能を刺激する淫らな芳香が発散された。
彼女は腕を組み、口元を邪悪に吊り上げる。
「ふふふ……いかがかしら?これが今の私、妖眼蟲を取り込んだ新しい姿だわ。
百目様の敵となす者は、全部私が駆除してあげるわ。それがたとえあなた達でもね!」
「鈴華、お前……」
睦美は歯を食いしばり、悔しそうな声を漏らす。
灯はうまく喋ることができないが、鈴華の変わり果てた姿を見て、表情が激昂した。
「さて。清見ちゃんを生け捕りし損なったとはいえ、今の状況はあなた達に極めて不利だわ」
「くっ……」
睦美は起き上がろうとするが、痺れた体は彼女のいうことをうまく聞いてくれない。
周囲から、数匹ものヒトデ型の金色スライムが近寄る。
このままでは、敵の標的となることが明白だ。
目の前に鈴華がいるというのに、彼女を助けることができない……
そんな自分の不甲斐無さに、睦美は苛立った。
610 五行戦隊 第三話(7/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:48:42 ID:b96jA7a7
「さあ、清見ちゃん、ここで潔く投降したらどうだい。私は、あなた達をあんまり傷付けたくないのよ」
鈴華は可愛らしい金切り声を発し、昔と同じような悪戯っぽい笑顔を三人に向ける。
だがその言葉の内容は、睦美たちの心を凍らせるものであった。
「残念ながら、そういう相談はまた今度にお願いするわ」
清見は突然水晶玉を地面に投げつけると、そこから直径十メートルもの小さな池ができた。
彼女が手を掲げると、水面から大きな水の腕が伸び出て、灯と睦美を引き寄せる。
「なにっ……!?」
「これは運動場近くの池の水を含んでいて、むこうとは繋がっている。
……今日は、鈴華の生存を確認できて何より。また機会があったら、あなたを助けてやるわ」
清見は二人の体をそのまま池に引っ込ませると、自身も水面の下へ沈んだ。
「逃さないわよ!」
鈴華は素早く一本の鎖を放ち、それを清見の腕に絡めさせる。
「くっ……」
「清見!」
「睦美、灯とさきに行って。私も後から行く」
「でも……」
「睦美と灯がここにいても、足手まといになるだけよ」
「……分かった」
睦美は力強く頷いて、灯を抱いたまま水底へ飛び込んだ。
清見は確かに毒舌ではあるが、彼女は常にまっとうな意見を出すことを、睦美はよく知っていた。
「逃がさないって言ったでしょ!」
鈴華は更に数本の鎖を放つが、それら全て清見の水の鞭によって叩き落される。
二人の姿が完全に消えた後、清見は水面全体を元の水晶玉に戻した。
「鈴華、あなたの相手は私だ」
「あ~あ、清見ちゃんのせいで、二匹分逃げちゃったじゃない」
鈴華は残念そうに呟いた後、可愛らしく舌を吐き出し、あっかんべを作った。
「なーんてね、清見ちゃんだけでも充分だわ。
あなたを生け捕りにして、百目さまにいっぱい褒めてもらうんだから」
「そう。なら、やってみるがいい」
冷夏の夜。
月の明りも少ない森に、ひんやりとした空気が流れる。
かつて仲間同士だった二人の少女が、互いに敵意をむき出す。
一人は表情の読み取れない冷ややかな目付き。
一人はあどけない顔に浮かべる邪悪な微笑み。
「清見ちゃんは、途中で私のことを疑ったでしょ。
ねえ、どうして?私、結構うまく演技できたつもりなのに」
「ええ、あからさまに変だというところは無かったわ。待ち伏せしたことも、人質を見せびらかしたにしても、
せいぜい警戒する程度の事だ。ただ、あなたが灯を見て初めて叫んだセリフが、おかしいと思った」
「ほお?」
「私が知っている鈴華は、内面では灯と互いに認めあっても、表向きでは無駄に張り合う照れ屋な性格なの。
自分が囚われる無様な姿なんか、灯だけには死んでも見せたくないでしょう。
だからあの時、あなたは灯を見るや否や、うるさいぐらいに強がって騒ぐと思っていたわ」
「うっ、清見ちゃんは相変わらず酷評だな」
611 五行戦隊 第三話(8/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:49:21 ID:b96jA7a7
「それに、鈴華は仲間を大事に思う人。もし本当に私達を逃げさせるつもりなら、
わざわざ灯に向かって『逃げて』など、逆に煽るようなことを言わないわ」
「あははっ、感心しちゃうわ。あなたは、私よりも私を知り尽くしているのね……
でも、あの二人が脱出したところで、何も変わらないわ。この後ちゃんと生け捕りするんだから」
「そうさせないよう、私がここであなたを食い止める」
「ふふふ……別に私が行かなくても、他の人が行ってくれるけどね」
「なにっ……?」
鈴華の意味深長な言葉に、清見の眉が少し跳ねた。
「まあ、今は彼女達の心配をするより、自分の心配をしたほうがいいじゃないかしら」
「妖獣に精神を操られているあなたが、本来の実力を出せるとは思わないがな」
「操られてる?ふふふ……私は今、自分の意思で清見ちゃんと向き合ってるのよ……
百目様から、こんな素敵なプレゼントをもらったからね!」
鈴華はそう言うと、手で自分の秘所を広げた。
「うっ、あん……はぁうん!」
彼女は恍惚の表情を浮かべながら、濡れきったアソコから一本の触手を摘み出した。
触手は淫液にまみれながら、うねうねと蠢く。
その鎌首に一つの目玉が見開き、清見を見据える。
あまりにもおぞましい光景に、清見は顔をしかめた。
触手は、男性の性器のようなグロテスクな形だった。
その幹から濃厚な性フェロモンを撒き散らし、人間の心奥にある劣情を呼び起こす匂いを立たせる。
清見は思わず腕で鼻を覆い、
「これは……なんてすさまじい妖気だ……」
「ふふふ……この子を体に宿してから、私はもうエッチ無しでは生きられない体に調教されたのよ」
鈴華はいとおしそうに触手をさわり、優しく刺激を加える。
「エヘへッ。これとても気持ちいいのよ。ねぇ、清見ちゃんもこの妖眼蟲に寄生されてみない?
そうすれば、あなたも私と同じ仲間になれるわ」
「気持ち良い事は別に嫌いではない。ただ、化け物の言いなりだけは、なりたくないな」
清見は挑発を簡単にあしらうと、鈴華はつまらなさそうに頬を膨らます。
「あ~あ。やっぱり清見ちゃんだと、調子出ないよね。こういう時は、大声で悲鳴を上げたり、
すごく悲しむ表情を作ってくれたりしないと。かつての仲間が、邪悪な妖獣のしもべとなって立ちはだかる。
しかし、あなたは私に全力を使うこともできず、肉体的にも精神的にもダメージを負っていく……
くふふ、素敵なシーンと思わない?」
「そんな事を言っても、私は動揺なんかしないわ」
「本当かしらね。うふふ、じゃあもうちょっと見せてあげようか。妖眼を植えつけられてから、
私がどれほどいやらしい娘になったのか……今私が着ているこの服だって、
一杯エッチなことをしてくれるのよ」
鈴華は目を細めて、清美が見ている前で自分の乳房を揉んだ。
胸を覆っていた肉布は彼女の手つきに刺激され、より一層大幅に蠢きだした。
少女の童顔には、たちまち淫蕩に耽る恍惚が現る。
その肉布から醸し出す香りは、段々と濃度を増した。
しばらくすると、あたり一帯は人畜を発情させるような甘ったるい匂いが満ち溢れた。
その淫邪なさまを見て、清見はひそかに唇を噛み締めた。
「あん、はぁん、いいわ……うふふ、私は、とてもいやらし娘になっちゃったの。
目玉達に毎日犯され続けて、もう淫乱な事しか考えられない女の子になっちゃったわ。
ほら、私のアソコを見て。もうびしょ濡れになってるわ」
鈴華は見せ付けるように、秘所に生えた触手を動かしかき混ぜた。
彼女のアソコと触手との隙間からおびただしい量の愛液が溢れ出て、ふとももをたどって地面に滴る。
612 五行戦隊 第三話(9/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:49:48 ID:b96jA7a7
鈴華はその液体の一部を指ですくうと、小さな口でおいしそうに頬張る。
「んんむ……はぁ、何度味わっても、すてきな味だわ。ああ、さっきまでずっと我慢してたから、
体がもううずうずして溜まらなくなってきたわ……清見ちゃん、私のところへ来て。
あなたにも妖眼蟲を植え付けて、一緒に気持ちよくなろうよ」
あたりを漂う淫靡な香りが、清見の感覚を刺激する
優しく誘惑する声が、彼女の心を愛撫する。
ぬちゃぬちゃと聞こえる淫らな水音。
少女が浮かべる魅惑な表情。
目の前にある鈴華の変わり果てた姿は、確かに悲しむべきものであった。
しかしその妖艶な姿は、なぜか清見の脳に焼き付けて離れてない。
「私は、これでも正義の一員……悪に屈するわけにはいかない」
「ふふふ、正義の一員ね……私の妖眼によれば、
あなたの心の奥底には、私よりずっと邪悪なものが潜んでいるらしいけど」
鈴華の胸に上部に生える大きな目玉は、突如まばゆい金色の光を放った。
すでに淫靡な光景によって惑わされた清見は、その光から目をそらすことができなかった。
幻惑のように輝く光の中、清見はふとかつての自分の姿を見つけた。
小さい頃、無口で無愛想だった彼女。
友達もできず、いくら優秀な成績を修めても、みんなから疎遠されてきた。
そのうち不思議な霊力が顕現してから、まわりから不気味な存在と思われ、何度もいじめられてきた。
その時感じたどす黒い感情が、今の彼女に蘇る。
「うっ……ぐっ……!」
清見の額から汗があふれた。
彼女は大きく呼吸を繰り返す様子を見て、鈴華は邪悪に微笑む。
「なるほど、清見ちゃんにはそういうつらい経験があったのね。
何も話してくれないから、今日初めて知ったわ。
でも、よく見せてもらったわ、その時あなたがどれほどの憎しみを抱いたかをね」
「……私は、もう……迷わない」
「はっ?」
清見の顔を徐々に毅然なものになると、鈴華は思わず驚いた。
「一年前の私なら、あなたの言葉に惑わされたかもしれない。
でも、今の私には、そんなまやかしは通用しない……今の私には、大事な人達がいるわ」
「くっ……」
「確かにあなたの言うとおり、私の心の奥底に邪悪なものが潜んでいたかもしれない。
でも、みんなや陽子先生と出会ってから、私は変わることができたんだ」
清見は目をつむると、初めて睦美に呼び止められた光景を思い出した。
あれは高校に入学して、間もなくのことだった。
それまでの経歴で、自分は他人との親交を拒絶した。
しかし、彼女は睦美の諦めの悪い熱意に負けて、いやいやながら五行戦隊に加入させられたのだ。
五行戦隊の指揮を取る陽子先生から、霊力ついていろいろ伝授された。
最初は一匹狼だった彼女だが、時間が進むに連れ、いつしかまわりに溶け込んだ。
仲間たちの暖かい笑顔が、清見の冷えきった心を温めてくれた。
「そして、鈴華……あなただって、私にとって大切な人だ」
「な、なにを!」
「かつてあなたが私を助けたように、今度は私があなたを救ってみせる!」
「そんな事、勝手に言ってなさいよ!」
613 五行戦隊 第三話(10/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:50:19 ID:b96jA7a7
鈴華は左手でいきなり鎖を引っ張り、清見のバランスを崩した。
それと同時に、彼女は右手の剣を振り相手に切りかかる。
清見は瞬時に水晶玉を前に出して、相手の剣撃を防ぐ。
鈴華は自分が作り出した剣に自信があった。
例えどんな硬いモノでも、彼女の妖力によって合成された剣質にかかれば、豆腐のように切り裂けられる。
だがその自信があるだけに、予想に反して水晶玉を斬った手応えが無かった時、彼女は大いに驚いた。
剣撃を受け止めた水晶玉は、「ぼよーん」と音を立てて縦長に伸び曲がった。
「なんだね、曲芸師のマネかしら?そんな奇術じゃ、私の攻撃を防げないわ!」
鈴華は刃をそのまま滑らせると、水晶玉が伸びた部分にひびが入った。
そこに更なる力を込めると、ついに水色の玉が二つの塊に分かれた。
清見はとっさに後ろへ下がり、勢い余る剣撃を避ける。
「あははっ、これで清見ちゃんの得意武器が使えなくなったわね」
「それはどうかしら」
「えっ!?」
鈴華は割れた水晶玉を見ると、二つの塊に分かれた物体が、四つ、八つへと分裂し始めた。
個数が増えるにつれ分裂するスピードも増し、
またたく間に肉眼では確認できないぐらいの水滴となって、甘ったるい匂いを追い払って空中を充満する。
森の中はたちまち濃霧に覆われた状態となり、手を伸ばしただけで指が見えなくなる状態となった。
鈴華はすぐさま鎖を引っ張るが、その先は硫酸に溶かれた痕跡以外、何も無かった。
「こざかしい真似を……」
鈴華は剣を前に構え、あたりの様子を見回した。
前後左右に耳を傾けても、金色スライム達がバラバラに蠢く音しかなく、清見の気配が一向に現れない。
「清見ちゃん、そろそろ悪あがきを止めたらどうだい?潔く出ておいて」
彼女の語尾が終えたと同時に、突然遠くから「シュルーッ」という奇声があがった。
鈴華はすぐさま、それがスライムの断末魔であることを理解した。
「そこかっ!」
鈴華は一本の投げ槍を作り出し、物音のほうへ放り出した。
槍先が樹木に突き刺さる音が響いたが、それ以外の反応はまったくなかった。
「隠れながら、一匹ずつやる寸法かしら。随分と卑怯な手口じゃないの」
鈴華は挑発的に声を張り上げるが、彼女への返事はもう一匹のスライムによる悲鳴だった。
今度は、さきほどとは正反対の位置からの音であった。
(そんな……どうやって?)
鈴華は愕然とした。
金色のスライムは、彼女が自ら生み出した妖獣である。
普通の小さいスライムと違って、彼女の能力を一部受け継いでいて、戦闘力ももちろん他より高い。
五行戦隊には劣るとはいえ、これほど短時間で倒されるのはおかしい。
(このままじっとしていたら、やられる……!)
鈴華は悔しそうに舌を鳴らした。
彼女は胸の目玉を妖しく輝かせ、スライム達が集中するように指示を下した。
「「シュルルル」」
何匹かの目玉スライムが声を上げると、その躯体が地面を這う摩擦音が聞こえてきた。
鈴華は慎重に音を聞き分け、警戒しながらゆっくりと進んだ。
しかし、目玉スライム達の群れに近づいたと思ったところ、突然全ての物音が消えた。
614 五行戦隊 第三話(11/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:50:43 ID:b96jA7a7
「ちっ!」
彼女は急いで駆け寄ると、最後の目玉スライムが水溜りに沈んでいく光景を目にした。
目の前には、いつの間にか水場が広がっていた。
濃霧のせいで縁が見えないため、見た目以上の無量感を人に与える。
水の色は不透明で、その深さは知る由が無かった。
その水面に清見は足を軽やかに乗せて、鈴華を冷ややかに見つめる。
「私の水遁の陣を無用心に侵入する者は、底無しの水沼に引き込まれる。
鈴華、あなたがここで私に勝つ確率は、極小になるわ」
「ふん、短時間でこの規模の遁陣を作り出すとは……
でも忘れないで、私の剣は例え形の無い物でも斬れるからね!」
鈴華は握っている剣に妖気を集中させると、鍔の部分に大きな目玉が見開き、妖しく輝き出す。
そこから発される身を削るようなオーラを感じると、清見は表情を深刻なものへと変える。
「……陣破りの剣!」
清見が小声で呟いた次の瞬間、鈴華は全身の力で剣を振り下ろす。
凄まじいエネルギーが放たれると、水場は地面ごとズタズタに切り裂かれた。
水面の切り口は綺麗に斬られたまま、いつまでも経っても元に戻らない。
――陣破りの剣。
さまざまな妖術を使う妖獣相手に、鈴華が使うその技は何度も大活躍した。
炎や水、はては幻や異空間まで斬れるその剣技は、仲間たちを助けてきたのだ。
味方としては頼もしい特技だが、敵となった今、清見にとってこれ以上無いぐらい嫌な能力であった。
清見がいなくなった水面を見つめ、鈴華は微笑んだ。
「あらあら、とっさに隠れちゃったのね。でも、逃げてるだけじゃ、いつまでも私を倒せないわ」
「別に逃げたわけじゃない」
鈴華の耳元に、忽然と清見の囁きが響いた。
彼女は慌てて振り向くと、清見が操る水の鞭が鈴華の手首を叩く。
妖眼が生えた剣は残された水面に落ちると、泡一つ立たずに飲み込まれ。
「な、なぜそこに……?」
「霊力に満ちた水を経由すれば、私はどこへでも瞬間移動ができる。
……言ったでしょ、この領域内なら、あなたは勝てない」
鈴華は清見が指差す霧を見て、歯を食いしばって再び妖力を練りあげた。
「ふん、ならばこの霧ごと斬るまでだわ!」
「一度油断したら、そこで終わりよ!」
清見は霧の中に腕を伸ばし、大きなシャボン玉を取り出すとそれを鈴華に投げつけた。
鈴華は作りあげた妖剣で前を切り裂く。
しかし、シャボン玉はパンと弾いて、鈴華の前で破裂した。
中からドロドロした粘液が鈴華の四肢にねばりつくと、まるでのりのように彼女の体を貼り合わせる。
「な、なんなのよ……これ?」
「私が配合した、捕獲用の超強力接着剤だ」
「このっ……はなせ!」
鈴華は懸命に腕を動かし、なんとか粘液から脱出しようと試みた。
しかし、彼女があがけばあがくほど、粘液がきつくねばりつく。
数十秒もしないうちに、鈴華は完全に身動きが取れなくなった。
「これで、あなたの完敗だね」
「わ、私をどうするつもりよ!」
「あなたを操っているのは、その胸にある目玉だな。鈴華、その悪の目を摘み取らせてもらうわ」
清見は近くまで歩くと、鈴華の胸の上に手を差し伸べた。
615 五行戦隊 第三話(12/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:51:16 ID:b96jA7a7
「ちょ、ちょっと!」
「これを取り除けば、あなたの意識も正常に戻るはずだ」
「タイム、タイム!でもでも、もしかしてそれを取ったら、私死んじゃうかもしれないよ?」
「大丈夫。妖獣に関する知識なら、私が一番豊富だ……まあ、それで亡くなったら、
それはそれで正義の味方である鈴華の本望だろう」
「ちょっと、勝手に人の本望を作るな!っていうか、あなたはいま自信無かったでしょ?
あなたは、それでも私を仲間だと思ってるのか」
「ああ、思っているわ。来年以降のこの日、私が責任を持ってお墓参りするから」
「ちょっと、真顔でそんな恐いことを言わないでよ」
清見が段々と冗談を言っているように見えなくなると、鈴華の顔は怯えはじめた。
彼女の手が伸びてくると、鈴華は思わず目を閉じた。
その時だった。
清見の背後から、一本の緑色の蔓が急速に伸び出る。
風切り音が聞こえた清見は、仕方なく体を横へそらす。
蔓の勢いはなおもとどまらず、粘液をまとう鈴華を絡めてむこうへ引き寄せた。
清見は目を大きく見開き、遠くから蔓を操る人物を見据える。
一人の緑色に彩なすロングヘアの少女が、足元をふらつかせながら現れた。
彼女の口から熱っぽい息が漏れ、
眼鏡を掛けていない瞳から苦悶と快楽が混ざり合った表情が読み取れる。
その顔立ちは紛れも無く五行戦隊の一人で、清見の仲間である翠であった。
しかし、普段の優しくてのほほんとした雰囲気は、今の彼女にはどこにも見当たらない。
肉つきの良いボディーは、鈴華と同様に、たくさんの邪悪な目玉が生えた肉布によって覆われていた。
鈴華とは違う緑色の肉布は、イボイボがびっしり生えた裏面を蠢きながら、彼女の柔肌をぬめりと撫で回す。
翠の瞳は潤んでいて、目の焦点がぼんやりしていた。
彼女の股間を覆う肉布の隙間から、ねっとりとした愛液が溢れ続ける。
「翠、あなたがどうしてここに」
「き、清見ちゃん……」
清見の視線にうしろめたさ感じたのか、翠は視線を逸らした。
彼女の美しい顔立ちはさっきから赤色に染められ、
普段の彼女から考えられない色っぽいものとなっている。
鈴華は不満そうな口を尖がらせ、
「翠ちゃん、今まで何やってるんだよ!」
「ご、ごめん……森の外に向かわる妖眼蟲たちに、指示を出しに行ったら……」
「森の外?……灯と睦美か!」
相手の言葉の意味を理解すると、清見は背中に冷え汗をかいた。
灯と睦美は、まだ痺れの状態から回復できていないはずだ。
霊力でいくらか維持できても、今の二人には、抵抗する力はさほど残っていない。
そんな無防備な二人に目玉スライムの軍団が襲ったら、大変な事になってしまう。
「それぐらいのことで、もたもたしないの。というか、速く私を助けなさいよ」
「は、はい……!」
翠は清見の視線をさけるように顔をうつむき、蔓が巻き付いた腕を振るわせた。
そこから更に数本の目玉が生えた蔓が伸び、鈴華の体に巻きついて粘液を綺麗に吸い取る。
「……翠、まさかあなたも鈴華と同じ、敵の手に堕ちたのか」
「……清見ちゃん、ごめん……」
翠は清見の言葉を否定することなく、荒い息を繰り返す。
616 五行戦隊 第三話(13/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:51:42 ID:b96jA7a7
「最初に出てきた目玉が生えた花も、今になって考えればあなたが作り出したものなのね。
灯に手掛かりと称して鈴を渡したのも、全部あなたが仕組んだことだったわね」
「そ、それは……」
「ふふふ、そうよ」
鈴華は体に貼り付いた粘液を取り除いてもらった後、
翠の背後にまわり、彼女の豊満な乳房を後ろからまさぐった。
「あ、ああん……!」
翠の顔に悦楽の表情が浮かび、愛撫をもっと求めるかのように体を淫らに揺るがせ、鈴華へ寄り添う。
「翠……!」
「ふふふ……だいぶ感度が上がってきたようね。しかし、まだ完全に心が屈しているわけじゃないみたい。
あなたがなかなか堕ちなくて、妖眼蟲たちも手が焼いているわ。
まあ、この調子でいけば、もうすぐ完全に快楽の奴隷となるね」
「だ、だめ……私は、そんなことなんか……」
「何よ。いまさら、正義の味方になってるつもり?」
「きゃ――っ!」
突然、鈴華が翠の秘所を弄りだした。
「ほらほら、上からクリトリスをつついただけで、こんないやらしい汁を溢れさせちゃって。
ふふん、昨日なんか凄かったのよ?みんなの触手を咥えて、淫乱なメス犬のようによがりまくって、
イキまくってたわ。清見ちゃんにも見せてあげたいぐらいよ」
「あ、ふぁん……お、お願い……そんな事、言わないで……」
「体が欲しくて、たまらないくせに」
鈴華はもう片方の手の指を翠の口に入れると、翠は夢中になってそれをしゃぶった。
「これで分かったかしら?翠ちゃんはもう私と同様、妖眼蟲の忠実なしもべになったのよ。
うふふ、翠ちゃん!私と一緒に、清見ちゃんを捕らえちゃうわよ」
「は、はい……」
翠は恍惚のまま頷くと、鈴華と肩を並べた。
「これで形勢逆転だね。私達の実力はほぼ同じだから、
二対一では、さすがの清見ちゃんも不利になっちゃうわね」
「くっ……」
清見は唇を噛み締め、突然鈴華や翠との反対方向へ飛び上がった。
彼女は決して無茶をしない人物である。
今の彼女がなすべきことは、一刻も早くこの場から離れ、灯や睦美の側へ行く事である。
彼女が動き出したのと同時に、無数の矢がその背後を目掛けて射られた。
清見は地面を強く蹴り上げると、彼女の足元に集まってきた水滴が激流となって、
矢の雨を巻き上げながら鈴華の方へなだれ込む。
鈴華は素早く一つの大盾を作り出し、弾丸のように飛んでくる水玉をガードした。
水玉は重い銃弾のような衝突音を連発させ、盾によって次々と弾き飛ばされる。
「翠ちゃん、出番よ」
「うっ……」
鈴華の催促を受けて、翠はやましい表情を浮かべながらも、ふところから一握りの種を取り出した。
彼女はそれらをばらまくと、地面に付着した種はすぐさま数本の蔓に成長した。
それらの蔓はうねうねと伸び終わると、清見を絡めようと襲い掛かる。
清見は仕方なく攻撃を止め、軽快な動きで蔓をかわす。
だがその隙に鈴華は清見との距離を一気に縮め、電光石火のように一振りの大刀を振り回した。
鈴華の殺傷力の高い刃と、翠のトリッキーな植物攻撃。
相手の隙間の無い攻撃に、清見はたちまち劣勢に追いやられた。
霊力をためる時間もないため、彼女歯さきほどみたいに大掛かりの術を使うことができない。
617 五行戦隊 第三話(14/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:08 ID:b96jA7a7
(くっ……さすがに、二人相手ではきつい……こんな事をしている場合じゃないのに)
顔には出さないものの、清見の心の中では焦燥に満ちていた。
灯と睦美に危険が一刻一刻と近づいていると思うと、彼女の心が大きく動揺した。
その不安は、やがて彼女の集中力を妨げた。
清見は鈴華の投げナイフを水鞭で打ち落としている間、突如二の腕に激しい痛みを感じた。
彼女は続けて襲ってくる花びらを乱れ打ちした後、二人から距離を取って着地した。
だがその細い腕には、一本のバラの花が痛々しく突き刺さっていた。
「ふふふ、これでもう決まったね。清見ちゃん、自分の傷を負ったところを良く見てごらん」
「……!」
清見は傷の方を一瞥すると、顔色が大きく変わった。
彼女は自分を傷つけたのは、翠がいつも愛用しているバラの花だと思い込んでいた。
だが今、その綺麗なバラの茎が蠢き、腕に何かを注入していた。
皮膚の上から、自分の腕に緑色の脈が広がっていくのが見える。
しかし、清見をもっと驚かせたのは、時間が進むにつれ腕から痛みが消え、
代わりに心地よい感触が広がっていく。
それは、天にも昇ったようなエクスタシーであった。
清見は天空と大地が回転しているような眩暈を感じた。
快感は彼女の予想をはるかに越えて、大きな波となって全身に拡散する。
そして花びらから目玉が見開いた瞬間、そのすさまじい衝撃に彼女の瞳孔は一気に広がった。
「ああああぁぁぁ!」
清見の膝が地面に突き、自制が効かなくなった口からよだれが零れ落ちる。
体は電気ショックを受けたあとのようにぶるぶる震える。
彼女は信じられないという表情で、自分の体を抱きしめる。
「いかがかしら、目玉に寄生される快感は」
鈴華はにんまりと微笑み、翠とともに清見の側へ歩み寄った。
「ううぅっ……私は、私は負けない!」
清見はかろうじて意識を正常に取り戻し、腕を抱きながら立ち上がった。
彼女の口からは、徐々に色っぽい吐息が漏れ始めた。
「ふふん、そんな体でどう抵抗するというの」
「うっ……」
足にはほとんど力が入らなくなり、心臓が高鳴り続ける。
清見は立てるのがやっとの状態で、鈴華たちを睨んだ。
うしろめたい表情の翠とは対照的に、鈴華は邪悪に染まりきった笑みを浮かべる。
「翠、例の物を清見に与えなさい」
「そ、それは……!」
「どうした、翠?」
「鈴華ちゃん、もう……やめようよ!私達は、これ以上過ちを犯してはいけない」
「ふん、その淫乱な体で、何を言っている!」
鈴華は翠の胸を強くまさぐると、一瞬正気を取り戻した翠は悩ましい声をあげた。
「あっ、はぁくっ……ああん!」
「翠!」
「ふふふ、あなた今まで、何度もしてきた事なのよ?もう何人にも、それを施してきたというのに。
ほら、翠ちゃん。速く自分のオマンコに指を入れなさい。あなただって感じて、興奮してるんでしょ?
あそこがぐじょぐじょになって、触ってほしいと言ってるのよ!」
「ああ、私は……私は……」
翠の表情に背徳的な快楽が染まる。
やがて、彼女は耐え切れない様子で指を秘所に入れてかき回した。
「翠、やめて!負けちゃだめ!」
「ごめん、清見ちゃん……私は、もう元に戻れないの!」
618 五行戦隊 第三話(15/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:34 ID:b96jA7a7
翠は両目をつむり、快い刺激で顔を歪ませながら指を出し入りし続けた。
快楽に溺れる喘ぎ声を発すると、翠は体を淫らにひねり出す。
彼女は秘所を押し広げられ、中のひだひだが指を擦れる様子を見せ付ける。
「ああ、ああん……イク、私……イッちゃうぅ――!」
翠は指を奥まで突き上げると、そこから大量の愛液が噴き出た。
彼女の体に寄生した目玉たちは、
まるでその動きに呼応するかのようにまばたき、快楽の波を宿主に送り続ける。
鈴華はぐったりと地面にひざまずく翠を支えながら、彼女の秘所に指を入れてかきまわした。
「……ああぅ!」
「ふふふ、いいわ……今回も綺麗な種を生成できたわね。ほら、清見ちゃんも良く見て。
翠ちゃんのアソコから摘み出した寄生種を、これから清見ちゃんのオマンコに入れてあげるから」
鈴華は一つの種を摘み取りだし、それを清美に見せ付けた。
彼女の恐ろしい言葉に、清見は顔を青ざめた。
たっぷりと愛液にまみれたその種は、緑色の外殻を呈した。
外殻からは更に繊毛のような細い触手が伸び出て、気味の悪い蠕動運動を続ける。
清見はなんとか逃げようとするが、彼女のふらついた足取りはそれを許さなかった。
鈴華は清見を押し倒し、彼女の水色のスカートの下に手を潜らせる。
「い、いや……」
「ふふふ……大丈夫、あなたもいずれ喜ぶ顔になるわ」
「ああ……!」
鈴華の指が自分の下着の中に入り、秘裂の上に触れるのを感じると、清見は恐怖を帯びた悲鳴を上げた。
「おや、もうずぶ濡れになってるじゃない。ふふふ、そんなに気持ちよかったの?
それとも、翠ちゃんのオナニーを見て、興奮したのかしら」
「ち、ちがう!」
「まだ否定するというの。まあ、その口答えができなくなるように、種を寄生させてあげるわ!」
鈴華は口元に薄笑いをかかげて、指に寄生種を乗せたまま清見の秘所を突き進んだ。
「ああぁん!」
清見の口から悲鳴が漏れた。
彼女は鈴華をのけようとしたが、快感によって支配されかける体は、満足に力を出せなかった。
「だ、だめ――っ……ああぁぁ、なに、これ……入ってくる、お腹の中に入ってくる……ああああぁぁぁあ!」
清見は目を大きく見開き、背骨をそらした。
鈴華の指が膣の奥へゆっくりと進み、指の付け根がひっかかる所で止まった。
しかし、寄生種は彼女の指から離れ、なおも最奥へ侵入し続ける。
「あああ、だめ……それ以上は……ああがぁあぁぁ!」
清見は突然自分の子宮の入り口が押し広げられたのを感じた。
彼女はただ口を大きくあけて、お腹から伝わるショッキングな感触を耐え続けるしかなかった。
しなやかな肢体は激しく痙攣し、汗に濡れた髪が顔に貼りつく。
「はい、おしまい。タネがちゃんと清見ちゃんの体内に着床したよ。
これで、あなたも私達と同じになれるわ」
鈴華は嬉しそうに立ち上がり、勝利を確信した表情で四つん這いになる清見を見下ろす。
その油断している隙を見て、清見は彼女の細い足首を掴んだ。
「なにっ!?」
鈴華が驚く間もなく、体中に水滴が付着し始めた。
「す、水遁の術……ぐあああぁぁ!」
霊力を駆使しようとした途端、清見は悲鳴を上げて前屈みに倒れた。
「あっ、ど、どういうこと……?体から、霊力が……消えていく」
「あーあ、無理しちゃって。本当に頑固だから」
鈴華はやすやすと水の束縛から脱出し、苦しみもがく清見を見下ろす。
619 五行戦隊 第三話(16/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:52:58 ID:b96jA7a7
「体に、力が入らない……ああん!あそこから……あそこから、霊力が吸われていく!」
「ふふふ、やっと気付いたかしら。翠ちゃんが産んだ種子は、彼女の力を持ってるのよ?
翠ちゃんの得意技のように、相手の妖力を吸い取り、無力化することができるの。
もっとも、今となっては霊力を吸い取るけどね」
「ご、ごめん、清見ちゃん……」
翠は悲しそうに清見を見つめながらも、彼女の痴態に触発されたのか、自分の秘所を再び弄りだした。
「うっ……こんな、こんなことで……」
清見は拳を握り締め膝を立てるが、痛みを伴う快感が波陣となって、彼女の神経をねじ曲げる。
「あっ、ああんっく……うあああぁぁ!」
突然子宮を通り抜ける細紐のような感触が、清見が必死に築き上げた精神力をあやふやなものにする。
彼女は慌てて自分の膣に目をやると、植物の芽のような物体が、ゆっくりと自分の秘裂から出てくる。
「これは……!なんなの……」
「その寄生植物は、宿主の霊力を吸収しながら、大きく成長するの。
清見ちゃんぐらいの霊力の持ち主なら、きっと大きな花が咲くでしょう」
「そんなの……!」
清見は腕を震わせながら、その新芽を摘み取ろうとした。
しかし、彼女が芽に触れた途端、全身に稲妻が走ったような感触に襲われる。
「はああぁんぐぅうう!」
「だめよ。その寄生種は、もうあなたの体の一部になったのよ。
寄生したアソコの部分は、あなたの精神を支配し、性欲を極限までに増大してくれるの」
「そ、そんなことは……ああぁん!」
清見は更に苦悶の声をあげた。
霊力が急速に消えていく感じと同時に、彼女の秘所から緑色の茎が伸びて、
うねうねと周りに葉っぱを成長させる。
茎は大きくなるとともに左右へ枝分かれはじめ、やがてその表面に不気味な目玉を見開き始める。
「あああぁぁぁ!」
まるで寄生植物が自分の体と一体化したかのようだった。
茎や葉が空気と触れる感触は、鮮明な快感として清見の脊髄に伝えられる。
「ああ、なんて素敵かしら」
鈴華は愛おしそうに新葉を撫ぜると、清見は更に大きく喘いだ。
(うっ……これ以上成長させたら、だめ……!)
清見は意を決すると、目を瞑って意識を集中し始めた。
彼女は霊力を丹田に凝縮させ、全ての雑念を取り払おうとした。
その途端、寄生植物が生長するスピードがぐんと下がった。
「ふふふ……あくまでも抵抗する気なのね。
ねぇ、翠ちゃん、彼女にもっと素直になる方法を教えてあげたら」
「ええっ……」
鈴華は翠を清見の前に押し出し、邪悪に微笑む。
「翠……!」
「うっ……ごめんね、清見ちゃん……私はもう我慢できないの!」
翠は潤いだ目で清見を見下ろし、彼女のすべらかな白いうなじに舌を這わせた。
「翠、やめて……ああぁんん!」
「はぉん……清見ちゃんの我慢している表情、すごくかわいいわ……」
翠は上気した表情で呟きなら、清見のコスチュームのボタンをはずし、彼女の綺麗な胸を外気に晒す。
620 五行戦隊 第三話(17/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:53:25 ID:b96jA7a7
「お願い、翠……もうやめて!」
「清見ちゃん、もう観念しなさい」
鈴華は自分の秘所から伸びる目玉つきの触手を、むりやり清見の口内にねじ込ませた。
「んむっ……うぅぅん!」
「さあ、私の味をたっぷりと堪能させてあげるわ!」
「むぐぅんんん?」
鈴華は清見の頭を掴むと、腰を前後に揺らした。
その顔には、大切にしてきたものを穢したい歪んだ邪念が満ちていた。
触手は男根のように硬く熱く、清見の柔らかい舌の上を滑る。
その表面にある目玉から甘い媚薬のようなエキスが分泌され、彼女の唾液と混ざり合う。
「はぁん、気持ち良いわ……こうして、昔の仲間に口内を犯されている気分はどう?」
「ちゅぶ……むん、はぁっん」
清見の体は熱く滾り、意識が朦朧となった。
彼女は自身も気付かないうちに、鈴華のエキスを飲み込み始めた。
その精神が快感に溺れていくにつれ、膣に寄生する植物の動きが一段と加速した。
「ああん、はあぁん……ううっ、そろそろ出るわよ!」
「むぅん、うふぇ?!」
清見は口中の一物が熱くなったと感知した次の瞬間、
喉の奥にぶつかるような粘っこい液体が噴出された。
「んんぐぐう!?……はぅっ、けほん、けほん……」
あまりにも大量の液体に、清見は思わず顔をそらした。
口から白い熱液が溢れ出て、脳に焼きつくような異臭を放つ。
飲みきれなかった液体が清見の頬や胸にかかると、それを惜しむように、翠がその部分を舐めまわす。
「はあぁん、気持ちよかったわ。うふふっ、清見ちゃんは水を操るのが得意でしょ?
翠ちゃんに見習って、全部綺麗に飲み込まないとね」
そう言うと、鈴華はまだ呆然とする清見に唇を重ね合わせる。
「むぐぅん!?」
生まれて初めて体験するキスに、清見はうろたえた。
鈴華は彼女の口内に舌を入れ、
まだ残っている粘液をかき回しながら、それらを彼女の喉の奥へ押し込む。
うねうねとぬめったい舌は、彼女の唾液を携わって清見の舌を絡める。
さきほど彼女が出した濁液はそれと混合して、より芳しい味をかもし出す。
清見は最初こそ抵抗したものの、やがて甘い感触に感化され、
鈴華にされるがままにねばっこい液体を飲み込んでしまう。
「んっはぁー。ははん、どうだった清見ちゃん?初めてのディープキス、気持ちよかったでしょ?」
「はぁ、はぁ……そ、そんなの……なんとも、思わないわ」
「うそつき。あなたのあそこから生える寄生植物が、もうこんなにも生長したのに」
清見はぼんやりと下を見ると、新芽はいつの間にか暗緑色の幹に成長し、地面に根ざした。
「ふふふ……もう今から霊力をコントロールしようとしても遅いからね」
鈴華はそう言って清見の乳首を指でせめたて、彼女を大きく呻かせた。
翠はこぼれた淫液をたどって、清見の口元に舌を這わせる。
「ああ、清見ちゃん……なんていやらしい匂いかしら。
鈴華ちゃんと清見ちゃんの味が、一緒くたになってるわ」
彼女はうっとりと清見を覗き込み、やがて彼女に唇を重ねた。
「むむん……」
一度鈴華に蹂躙されたためか、清見が抵抗する力が明らかに弱まった。
ねちゅねちゅという水音を立てながら、清見と翠の口元にいやらしい液体がこぼれ落ちる。
その乱れる様子を目にして、鈴華は心からほくそ笑んだ。
「うふふ、そろそろだね」
621 五行戦隊 第三話(18/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:53:51 ID:b96jA7a7
地面に根ざした植物は、やがて数枚の毒々しい肉片が伸びはじめた。
肉片は薄く広がり、徐々に清見の体を包み上げる。
「なに、これは……」
清見は突然体中を巡る焦燥感に襲われた。
彼女は自分の体を弱々しく抱きしめ、これから起こる恐ろしい光景を待つしかなかった。
やがて肉片はラフレシアにも勝るような巨大なものとなり、清見をゆっくりとその中心へ閉じはじめた。
清見はそこから離れようとしたが、膣と植物の間に繋がる部分が彼女を悶えさせる。
まわりの蔓は一斉に巻きつき、霊力を失った彼女を束縛した。
「いやだ……ここから出して!」
清見は絶望的な表情を浮かべ、鈴華と翠を見つめた。
しかし、その視線も途中で肉片によって途切れた。
やがて数枚の肉片が完全に閉じきると、一つの大きな蕾がそこに現れた。
蕾の中心部である子房は大きく膨らんでいて、
その表面には不気味な脈絡が走り、血管のようにドクドク鼓動を続ける。
「ふふふ……清見ちゃん、あなたがその蕾から出た時どんな姿になるのか……
ああ、考えるだけで興奮しちゃうわ」
「うっ、清見……ちゃん……」
翠は顔を火照りながら、罪悪感にまみれる表情を浮かべた。
そんな彼女に、鈴華は小悪魔な笑顔を浮かべながら、秘所に生えた触手を突き立てる。
「翠ちゃんも、そろそろ諦めたら?あなたは気持ちいいことさえできれば、何もいらない淫乱娘だから」
「ああぁん!」
翠の体は鈴華に押し倒され、濡れきった秘所が相手の触手に突かれる。
清見を包んだ蕾の表面には、十個の細い筋が浮かび上がった。
そのうちの一つから、大きな目玉が不気味に見開いた。
□
自分が気を失って、どのくらいの時間が経ったんだろうか。
「ううん、ここは……」
清見は朦朧とした目を開き、まわりを見渡した。
気を失う前の光景を思い出しながら、彼女はここの不気味さに気付く。
彼女は肉片でできた空間に囚われていた。
中は狭く暗く、むせ返るような甘い香りが満ち溢れていた。
体中に気だるい心地よさが走り、清見の思考力を鈍らせる。
「なんとかここから脱出して、睦美や灯に伝えないと……」
清見は体を動かそうとすると、四肢がまわりの肉片にのめり込んでいる事に気付く。
そして自分の股間部の服が溶かされ、晒しだされた秘所は繊毛がびっしりと生えた雄しべと繋がっていた。
雄しべは妖しく蠢きだすと、清見は背中をえびのようにそらした。
622 五行戦隊 第三話(19/19) ◆vPNY1/7866 sage 2008/07/24(木) 22:54:14 ID:b96jA7a7
「うんっ……あはあぁん!」
清見は口から快楽に悩む声を漏らした。
周りの甘い空気を吸い込むと、頭中までその淡いピンク色に染めてしまいそうだ。
四肢は肘や膝まで肉片に絡まれ、周囲が脈動するとともに邪悪なオーラが注ぎ込まれる。
気をしっかり持たないと、思わず自ら腰を浮かせて、雄しべに体をこすり付けたくなってしまう。
肉片の表面には多くの目玉が生えており、清見をあざ笑うかのように彼女を見つめる。
蕾の天井から絶えずとろりとした粘液が分泌され、
清見の体に垂れ落ちてから、彼女の太ももあたりへ溜まっていく。
粘液が柔肌を撫で落ちる度に、清見の心に淫靡な気持ちが生じる。
青色のコスチュームはその粘液を含んでしまうと、
ゆっくりと溶け出して、なんと同じ成分の汁に分解されて下へ流れ落ちる。
その恐ろしい光景は、彼女を驚愕させる。
バトルコスチュームの保護まで失うと、彼女は完全に無力な少女と化してしまう。
(そうなったら、私も鈴華や翠と同じように、妖獣のしもべとなってしまうのか……?)
その時のことを想像すると、清見はぞっとした。
(睦美、灯……どうか無事でいて……)
清見は祈るような気持ちで、仲間たちの名前を念じた。
それを最後に、彼女の意識が深い闇に沈んだ。
<つづく>
BIOHAZARD Parasite Island(3)
545 バイオハザードの人 sage 2008/06/29(日) 03:52:05 ID:dfg1k4UC
すいません、パソコンが壊れて遅くなりました
もう内容忘れちゃってる人、いるかもしれないけど、できた所までのせますね
ほんとはこれで最後にしたかったのですが、これ以上先延ばすのは悪いかなと思い、
のせることにしました。まだラストまでいってません、次でラストにすると思います
546 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:12:00 ID:dfg1k4UC
「は!? こ、ここは? …………くっ! 」
“背中が……それにこの匂い、いったい………”
背中の痛みと、倉庫中に漂う甘美な匂いは、気絶していた理恵の目を覚ました。
“この感覚………私、吊るされている? ”
そう。渚と萌がいた倉庫で、理恵は、天井からヒモで吊るされていたのだ。
理恵が自分が吊るされていることを理解すると、回りの状況を確認した。
“!?”
下を見下ろすとそこにはなんと、2匹の化け物が絡み合っているのだ。
そしてよく見るとそれは、変わり果てた渚と萌の姿だった。
容姿と体系は大きく変わってしまったが、それは紛れもなく渚と萌だった。
“とにかく落ち着くのよ、私。 まだ二人には気づかれていない。 いや、もう気づかれてる? それに、もう一人いたはず。
とにかくここから出なければ、私もあの二人のように………”
体をゆっくりと起こすように曲げた理恵は、足に装備していた護身用ナイフを手にとった。
そして下にいる二人に気づかれないように、ナイフでヒモを切りはじめる。すぐにヒモは切れ、そのヒモにつかまる理恵。
そのヒモにつかまりながら天井まで上ると、鉄骨をつたって、2階の吹き戸の近くに降り立った。
音も出さないその行動は,まさにスパイ映画に出てくるようなプロの領域だった。
現役の工作員である彼女にとっては、朝飯前なのである。
息を落ち着かせ,下の二人に目をやる理恵。
“2人には悪いけど、もう手遅れよね。2人のためにもこの情報、絶対に持ち帰らなくては……”
理恵の目には、涙があふれていた。まさかこんなことになるなんて誰が思っていただろう。簡単な調査だと思っていた。
少ない期間であったが,理恵にとってかけがえのない友達なのである。
しかし工作員はどんな状況でも,作戦を成功させるために非情にならなければいけないのだ。
理恵は涙をぬぐい、その場をあとにした。
さきほど気を失った場所まで行くと、高性能なハンドガンが落ちていた。
それを拾った理恵は、また全速力で洋館へと戻っていくのだった。
島が爆発するまで、残り50分…
547 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:13:29 ID:dfg1k4UC
その頃、B3階で船を見つけた澪と飛鳥は、理恵が来るのを待っていた。
待ち続けて一時間ぐらい立っており、澪は不安になっていた。その不安を増すかのような言葉を,飛鳥はぽつりと呟く。
「もう、あの子もだめかもしれないわね」
その言葉に反応した澪は、今までの不安が怒りへと変わった。
「ふざけんな! こんなことになったのは、あんた達のせいだろう! あたしはぎりぎりまで理恵を……………」
そう,それは突然だった。まるで急に時間が止まったかのように,澪の言葉は途切れる。
澪のあわただしい顔に反応した飛鳥は、澪が見ている物に目を向けると,そこには萌をさらったあの春香がいたのだ。
「声が聞こえたから来てみれば、まーさか、こんなところに船があったなんて。それは私達の箱舟として使わさせてもらうわ」
『ふざけんな! この化け物め! 』
澪は拳銃を春香に向けると、躊躇せず引き金を引いた。それと同時に,飛鳥は床に伏せる。
引き金を引くたびに強い反動と衝撃が手に伝わり,手が痺れていく。
それは痛みにも近い衝撃で,こんなものすぐにでも捨てたいと,澪の嫌気が増していく。
しかし、それでも澪は間髪いれず引き金を引いた。
ようやくカチン、カチンと銃から音がしだすと、それは呆気のない弾のなくなった拳銃の空撃ちした音であった。
「うふふ、だからそんなの効かないってば。 それに痛みは快楽に変わっていくのよ 」
撃たれた傷跡は、ゆっくりとだが塞がり始めている。もう澪にはどうすることも出来なかった。
「さあ、あなたも私達と一緒に快楽の虜になるの」
ゆっくりと近づいてくる春香に,澪は覚悟したのか目をつむって防御体制をとった。
「寄生するなら、まず私からやりなさい! 」
突然,春香の前に立ちふさがったのは、飛鳥だった。
「………………本当にいいの? ご主人様だけには寄生したくなかったんだけど………」
『ええ。 あなた達を止めることはもう諦めたわ。それならいっそのこと私も……』
そう言い終わった瞬間、飛鳥は春香を押し倒し、春香と口付けをした。
飛鳥は積極的に春香の口に舌を入れ,飛鳥の舌と絡み合った。そして出てきた唾液を美味しそうに飲んだ。
それは,淫らな香りや唾液の効果ではなく、最初からそれを望んでいたような積極的さだった。
ちゅぱ、ちゅぱと音が鳴るたびに,春香はあの淫らな香りを体中から吹き出す。
その衝撃的なシーンと、春香の淫らな香りの効果で、澪の方はぺちゃんと座り込んで動こうとしなくなってしまった。
唾液の効果で虚ろな瞳になっていく飛鳥は、最後の力を振り絞って,近くに座り込んだ澪の足首をものすごい力で掴んだ。
これが最後に飛鳥ができることだった。
「痛! 」
その痛みで、なんとか澪は正気を取り戻すと,澪の足首を掴んでいる飛鳥の手を振りほどいた。
そして足首から離れた手には、何かの鍵を持っていることに気付く。
その鍵は,車のキーに似ており,クマさんのキーフォルダーがついていた。
「あ……も,もしかして船の鍵なの…か? 」
その澪の質問に飛鳥は答えられなかった。なぜなら飛鳥は,目を虚ろにさせその快楽に身をゆだねているのだから。
548 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:16:24 ID:dfg1k4UC
毒の唾液は、飛鳥の喉を通るたびに体を熱く、そして手の先から足のつま先まで甘い痺れをもたらしていく。
そしてその痺れは,飛鳥を失禁させるほど心地よいものだった。
下半身から流れ出す,その暖かく愛液の混じった無色に近い液体は、白衣と肌が触れ合っているところに染みこんでいく。
それは飛鳥にとって心地よい暖かさをもたらし、より快楽への手助けをした。
口付けが済むと、完全に快楽に侵食された飛鳥の体は、頬を赤く染め,うっとりとした微笑みで次の快楽を待ち望んだ。
「ねえ、ご主人様。 本当にあなたに寄生してしまっていいの? 仮にもあなたは、私を変えてくれたご主人様なんですよ? 」
『………い、いいから…私を………は、はやく……………」
「わかりました。ご主人様ならきっと素敵なものに変われますよ」
春香はそう言うと、押し倒されていた自分の体を、今度は飛鳥を押し倒し馬乗りなった。
そして自分の青色の体を見つめ、急に震えだす。飛鳥はその様子をただただ虚ろな目で見ていた。
すると春香の秘所と言っていいのか分からない所から、ぐちょぐちょに愛液で濡れていた細長い一本の緑色の触手が、
ゆっくりと現れだした。
それは今にも近くにいる生物を犯し、そして寄生しようとする雰囲気を漂わし、蠢いている。
雰囲気だけではない。その触手から香るものは、体から噴出するあの淫らな香りの源なので、より濃度が高いものだった。
「ん? なにこのにおい? 私のあそこが……どんどん疼いていくの。 はやく……私のあそこに、
その緑色のものを……い…れ…て……」
『わかりました。 ではいきますよ、ご主人様』
緑色の触手は、飛鳥の秘所へ、ゆっくりと優しく差し込まれていく。
ズリュ……ズリュリュ……
「はああぁぁぁん! いい……いいわよ……私の中に入ってきてるうぅぅぅん! 」
飛鳥は一度、渚を産んだ体なので、痛みは感じなかった。
むしろ久しぶりの挿入に快感と幸福を感じているのだ。
そして膣を通り、子宮の中までその触手は伸び、そこで止まった。
細かった触手が急に膨らみ始めると、相手の膣と子宮の大きさに合わせて硬質化した。
それは石のように硬くなるのではなく、相手に最高の快楽を味合わせる度合いによってやわらかくもなり、硬くなるのだ。
「ご主人様は動かなくていいのよ。 私が自分で動くから、そのままでいてください」
完全にこの感覚に身をまかせた飛鳥は、目を閉じ、体の力も抜くと、空中で浮遊してるような感覚になった。
そしてそこから落下するような感覚になると、下半身に強烈な快楽が襲ってきた。
ジュッポ…ジュッポ…ジュッポ…
「ああん!! いい! いいのおぉ!! あなたの生殖器が……私の中を……ぐちゃぐちゃにしてるぅ!
そう、そのまま……そのまま動いてえぇぇぇぇぇぇぇん! 」
『私も、私もすごく気持ちいいですう!
ご主人様のお腹の中……あったかくて、やわらかくて、私の子供たちも出たがってますう! 』
「ああん! あん! ああん! もっと! もっと強く! そう、子宮口をぐりぐりと……ふぁ…ああああああん! 」
春香のピストン運動は激しく、大きくなった飛鳥の子宮の中を、凹凸のついた触手が出たり入ったりしている。
その動作はゆっくりとだが、より快楽に身をまかせ、より相手に快楽を味合わせ、そして飛鳥の心を淫らに染め上げていく。
飛鳥の歓喜の叫びは、回数を増すごとにどんどん大きくなっていく。
それは、その声を聞いただけで、男性も女性も官能な気持ちにしてしまうほど、幸せそうな声だった。
549 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:17:20 ID:dfg1k4UC
「ひいいい! も、もう……わたし……イっちゃううう! ねえ……はやく……中に…出して……」
『私もですう! ご主人様! 」
そしてだんだんとピストン運動が早くなっていく。
ふと、絶頂を迎える瞬間、飛鳥の頭でゆっくりと時が流れた。
(もう私らを止める者は、誰もいない。)
(澪は船で、この島から脱出しているころだし、理恵の方も、仲間を迎えにいくとか言っても、
こんなに時間がかかっている。もう私のように、他の者と交わっているに違いない。)
(ああ、私もみんなと同じようになれる。)
(私の研究は復讐のためじゃなくて、この時のためだったのね。)
(私は誰よりこの研究を知っている。そしてこの研究を批判してきた奴らに、体で教えてやるのよ。)
(そう、全員犯して寄生させて、私の下僕にしてやる。)
(もう、私らを止める者は、誰もいないんだから。)
そして時が動き出し、ついに絶頂の波が2人を襲う。
春香の触手はびくんと波打つと、先端が膨らみ始めた。
「もう、でます! でますよおおおおおおおおお! 」
「あ、ああ、で、でるううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」
『はああ…あ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………』
飛鳥の中で、熱い青白い粘液がほとばしる。そしてそれに交じり、紫色の大きなオタマジャクシの形をした寄生虫達が、
子宮壁を突き破り、飛鳥の体中をかけめぐる。
渚や萌の時と同じく、寄生虫たちはあらゆる器官に侵入し、その器官と同化していく。
同化された細胞はものすごいスピードで侵食され、人間の細胞じゃない物へと変化していく。
「ふぁあああああああああああん」
飛鳥の黒髪は、春香のように銀色に染まり、健康そうな色をしていた肌は、青色へと変色する。
顔にも寄生虫の侵食はおよび、口から牙が生え、目も赤く染まり、獣のような縦長の瞳孔に変わる。
同時に手足から、赤黒く変色したかぎ爪が伸び、豊満な体つきとなった。
「ああああああああん………………………? あ、あ…ああ、腰が?……」
当然、腰にも侵食がおよび、爬虫類に似た尻尾も生えてくる。
体の変化にも絶頂を感じた飛鳥は、もう戻れない現実に終止符を打つように、獣のような声? いや、まさに獣の声で、
歓喜のおたけびをあげた。
550 バイオハザードの人 sage 2008/06/29(日) 04:20:54 ID:dfg1k4UC
いちよ、ここで終わりです
やっぱりみんなみたいにエロくかけません
次もでき次第、載せたいと思います
すいません、パソコンが壊れて遅くなりました
もう内容忘れちゃってる人、いるかもしれないけど、できた所までのせますね
ほんとはこれで最後にしたかったのですが、これ以上先延ばすのは悪いかなと思い、
のせることにしました。まだラストまでいってません、次でラストにすると思います
546 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:12:00 ID:dfg1k4UC
「は!? こ、ここは? …………くっ! 」
“背中が……それにこの匂い、いったい………”
背中の痛みと、倉庫中に漂う甘美な匂いは、気絶していた理恵の目を覚ました。
“この感覚………私、吊るされている? ”
そう。渚と萌がいた倉庫で、理恵は、天井からヒモで吊るされていたのだ。
理恵が自分が吊るされていることを理解すると、回りの状況を確認した。
“!?”
下を見下ろすとそこにはなんと、2匹の化け物が絡み合っているのだ。
そしてよく見るとそれは、変わり果てた渚と萌の姿だった。
容姿と体系は大きく変わってしまったが、それは紛れもなく渚と萌だった。
“とにかく落ち着くのよ、私。 まだ二人には気づかれていない。 いや、もう気づかれてる? それに、もう一人いたはず。
とにかくここから出なければ、私もあの二人のように………”
体をゆっくりと起こすように曲げた理恵は、足に装備していた護身用ナイフを手にとった。
そして下にいる二人に気づかれないように、ナイフでヒモを切りはじめる。すぐにヒモは切れ、そのヒモにつかまる理恵。
そのヒモにつかまりながら天井まで上ると、鉄骨をつたって、2階の吹き戸の近くに降り立った。
音も出さないその行動は,まさにスパイ映画に出てくるようなプロの領域だった。
現役の工作員である彼女にとっては、朝飯前なのである。
息を落ち着かせ,下の二人に目をやる理恵。
“2人には悪いけど、もう手遅れよね。2人のためにもこの情報、絶対に持ち帰らなくては……”
理恵の目には、涙があふれていた。まさかこんなことになるなんて誰が思っていただろう。簡単な調査だと思っていた。
少ない期間であったが,理恵にとってかけがえのない友達なのである。
しかし工作員はどんな状況でも,作戦を成功させるために非情にならなければいけないのだ。
理恵は涙をぬぐい、その場をあとにした。
さきほど気を失った場所まで行くと、高性能なハンドガンが落ちていた。
それを拾った理恵は、また全速力で洋館へと戻っていくのだった。
島が爆発するまで、残り50分…
547 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:13:29 ID:dfg1k4UC
その頃、B3階で船を見つけた澪と飛鳥は、理恵が来るのを待っていた。
待ち続けて一時間ぐらい立っており、澪は不安になっていた。その不安を増すかのような言葉を,飛鳥はぽつりと呟く。
「もう、あの子もだめかもしれないわね」
その言葉に反応した澪は、今までの不安が怒りへと変わった。
「ふざけんな! こんなことになったのは、あんた達のせいだろう! あたしはぎりぎりまで理恵を……………」
そう,それは突然だった。まるで急に時間が止まったかのように,澪の言葉は途切れる。
澪のあわただしい顔に反応した飛鳥は、澪が見ている物に目を向けると,そこには萌をさらったあの春香がいたのだ。
「声が聞こえたから来てみれば、まーさか、こんなところに船があったなんて。それは私達の箱舟として使わさせてもらうわ」
『ふざけんな! この化け物め! 』
澪は拳銃を春香に向けると、躊躇せず引き金を引いた。それと同時に,飛鳥は床に伏せる。
引き金を引くたびに強い反動と衝撃が手に伝わり,手が痺れていく。
それは痛みにも近い衝撃で,こんなものすぐにでも捨てたいと,澪の嫌気が増していく。
しかし、それでも澪は間髪いれず引き金を引いた。
ようやくカチン、カチンと銃から音がしだすと、それは呆気のない弾のなくなった拳銃の空撃ちした音であった。
「うふふ、だからそんなの効かないってば。 それに痛みは快楽に変わっていくのよ 」
撃たれた傷跡は、ゆっくりとだが塞がり始めている。もう澪にはどうすることも出来なかった。
「さあ、あなたも私達と一緒に快楽の虜になるの」
ゆっくりと近づいてくる春香に,澪は覚悟したのか目をつむって防御体制をとった。
「寄生するなら、まず私からやりなさい! 」
突然,春香の前に立ちふさがったのは、飛鳥だった。
「………………本当にいいの? ご主人様だけには寄生したくなかったんだけど………」
『ええ。 あなた達を止めることはもう諦めたわ。それならいっそのこと私も……』
そう言い終わった瞬間、飛鳥は春香を押し倒し、春香と口付けをした。
飛鳥は積極的に春香の口に舌を入れ,飛鳥の舌と絡み合った。そして出てきた唾液を美味しそうに飲んだ。
それは,淫らな香りや唾液の効果ではなく、最初からそれを望んでいたような積極的さだった。
ちゅぱ、ちゅぱと音が鳴るたびに,春香はあの淫らな香りを体中から吹き出す。
その衝撃的なシーンと、春香の淫らな香りの効果で、澪の方はぺちゃんと座り込んで動こうとしなくなってしまった。
唾液の効果で虚ろな瞳になっていく飛鳥は、最後の力を振り絞って,近くに座り込んだ澪の足首をものすごい力で掴んだ。
これが最後に飛鳥ができることだった。
「痛! 」
その痛みで、なんとか澪は正気を取り戻すと,澪の足首を掴んでいる飛鳥の手を振りほどいた。
そして足首から離れた手には、何かの鍵を持っていることに気付く。
その鍵は,車のキーに似ており,クマさんのキーフォルダーがついていた。
「あ……も,もしかして船の鍵なの…か? 」
その澪の質問に飛鳥は答えられなかった。なぜなら飛鳥は,目を虚ろにさせその快楽に身をゆだねているのだから。
548 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:16:24 ID:dfg1k4UC
毒の唾液は、飛鳥の喉を通るたびに体を熱く、そして手の先から足のつま先まで甘い痺れをもたらしていく。
そしてその痺れは,飛鳥を失禁させるほど心地よいものだった。
下半身から流れ出す,その暖かく愛液の混じった無色に近い液体は、白衣と肌が触れ合っているところに染みこんでいく。
それは飛鳥にとって心地よい暖かさをもたらし、より快楽への手助けをした。
口付けが済むと、完全に快楽に侵食された飛鳥の体は、頬を赤く染め,うっとりとした微笑みで次の快楽を待ち望んだ。
「ねえ、ご主人様。 本当にあなたに寄生してしまっていいの? 仮にもあなたは、私を変えてくれたご主人様なんですよ? 」
『………い、いいから…私を………は、はやく……………」
「わかりました。ご主人様ならきっと素敵なものに変われますよ」
春香はそう言うと、押し倒されていた自分の体を、今度は飛鳥を押し倒し馬乗りなった。
そして自分の青色の体を見つめ、急に震えだす。飛鳥はその様子をただただ虚ろな目で見ていた。
すると春香の秘所と言っていいのか分からない所から、ぐちょぐちょに愛液で濡れていた細長い一本の緑色の触手が、
ゆっくりと現れだした。
それは今にも近くにいる生物を犯し、そして寄生しようとする雰囲気を漂わし、蠢いている。
雰囲気だけではない。その触手から香るものは、体から噴出するあの淫らな香りの源なので、より濃度が高いものだった。
「ん? なにこのにおい? 私のあそこが……どんどん疼いていくの。 はやく……私のあそこに、
その緑色のものを……い…れ…て……」
『わかりました。 ではいきますよ、ご主人様』
緑色の触手は、飛鳥の秘所へ、ゆっくりと優しく差し込まれていく。
ズリュ……ズリュリュ……
「はああぁぁぁん! いい……いいわよ……私の中に入ってきてるうぅぅぅん! 」
飛鳥は一度、渚を産んだ体なので、痛みは感じなかった。
むしろ久しぶりの挿入に快感と幸福を感じているのだ。
そして膣を通り、子宮の中までその触手は伸び、そこで止まった。
細かった触手が急に膨らみ始めると、相手の膣と子宮の大きさに合わせて硬質化した。
それは石のように硬くなるのではなく、相手に最高の快楽を味合わせる度合いによってやわらかくもなり、硬くなるのだ。
「ご主人様は動かなくていいのよ。 私が自分で動くから、そのままでいてください」
完全にこの感覚に身をまかせた飛鳥は、目を閉じ、体の力も抜くと、空中で浮遊してるような感覚になった。
そしてそこから落下するような感覚になると、下半身に強烈な快楽が襲ってきた。
ジュッポ…ジュッポ…ジュッポ…
「ああん!! いい! いいのおぉ!! あなたの生殖器が……私の中を……ぐちゃぐちゃにしてるぅ!
そう、そのまま……そのまま動いてえぇぇぇぇぇぇぇん! 」
『私も、私もすごく気持ちいいですう!
ご主人様のお腹の中……あったかくて、やわらかくて、私の子供たちも出たがってますう! 』
「ああん! あん! ああん! もっと! もっと強く! そう、子宮口をぐりぐりと……ふぁ…ああああああん! 」
春香のピストン運動は激しく、大きくなった飛鳥の子宮の中を、凹凸のついた触手が出たり入ったりしている。
その動作はゆっくりとだが、より快楽に身をまかせ、より相手に快楽を味合わせ、そして飛鳥の心を淫らに染め上げていく。
飛鳥の歓喜の叫びは、回数を増すごとにどんどん大きくなっていく。
それは、その声を聞いただけで、男性も女性も官能な気持ちにしてしまうほど、幸せそうな声だった。
549 BIOHAZARD Parasite Island sage 2008/06/29(日) 04:17:20 ID:dfg1k4UC
「ひいいい! も、もう……わたし……イっちゃううう! ねえ……はやく……中に…出して……」
『私もですう! ご主人様! 」
そしてだんだんとピストン運動が早くなっていく。
ふと、絶頂を迎える瞬間、飛鳥の頭でゆっくりと時が流れた。
(もう私らを止める者は、誰もいない。)
(澪は船で、この島から脱出しているころだし、理恵の方も、仲間を迎えにいくとか言っても、
こんなに時間がかかっている。もう私のように、他の者と交わっているに違いない。)
(ああ、私もみんなと同じようになれる。)
(私の研究は復讐のためじゃなくて、この時のためだったのね。)
(私は誰よりこの研究を知っている。そしてこの研究を批判してきた奴らに、体で教えてやるのよ。)
(そう、全員犯して寄生させて、私の下僕にしてやる。)
(もう、私らを止める者は、誰もいないんだから。)
そして時が動き出し、ついに絶頂の波が2人を襲う。
春香の触手はびくんと波打つと、先端が膨らみ始めた。
「もう、でます! でますよおおおおおおおおお! 」
「あ、ああ、で、でるううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」
『はああ…あ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………』
飛鳥の中で、熱い青白い粘液がほとばしる。そしてそれに交じり、紫色の大きなオタマジャクシの形をした寄生虫達が、
子宮壁を突き破り、飛鳥の体中をかけめぐる。
渚や萌の時と同じく、寄生虫たちはあらゆる器官に侵入し、その器官と同化していく。
同化された細胞はものすごいスピードで侵食され、人間の細胞じゃない物へと変化していく。
「ふぁあああああああああああん」
飛鳥の黒髪は、春香のように銀色に染まり、健康そうな色をしていた肌は、青色へと変色する。
顔にも寄生虫の侵食はおよび、口から牙が生え、目も赤く染まり、獣のような縦長の瞳孔に変わる。
同時に手足から、赤黒く変色したかぎ爪が伸び、豊満な体つきとなった。
「ああああああああん………………………? あ、あ…ああ、腰が?……」
当然、腰にも侵食がおよび、爬虫類に似た尻尾も生えてくる。
体の変化にも絶頂を感じた飛鳥は、もう戻れない現実に終止符を打つように、獣のような声? いや、まさに獣の声で、
歓喜のおたけびをあげた。
550 バイオハザードの人 sage 2008/06/29(日) 04:20:54 ID:dfg1k4UC
いちよ、ここで終わりです
やっぱりみんなみたいにエロくかけません
次もでき次第、載せたいと思います
過疎ってきたのでネタ投下(らきすた)
539 過疎ってきたのでネタ投下 sage 2008/06/25(水) 05:02:30 ID:vHB/ZBn0
埼玉県春日部市。
「それがさー、きのう琵琶湖に行って来たんだけどさ…」
身長142㎝。
腰まで伸ばした長い髪に、左眼の下に泣きぼくろの少女が
日焼けした肌を見せながら、実家が神社で双子の巫女姉妹がいる柊家へとやってきて
いきなり服を脱ぎだしたのは、旅行に出かけたという土日の休日が明けた月曜日の放課後のことだった。
「ちょっ、ちょっと! いきなり上がり込んできて何するのよっ!!」
「どうしたの、こなちゃ~ん///」
突然訪れたかと思うと、服を脱ぎ散らかしはじめた友人に待ったをかける双子姉妹だったが
下着という名の最後の布切れがズリ降ろされた瞬間、驚きの言葉が悲鳴へと変わった。
「……………こ、こなちゃん……それって…!?」
「なんじゃそりゃあっっ!?」
泉こなた。
身長142㎝。
腰ので伸ばした長い髪に、左眼の下に泣きぼくろ。
だがしかし、霊長類サル目ヒト科のメスであるはずの少女の股間には
あまり見慣れないモノがにょっきりと生えていた。
「え? えっ? えっ? エッ? な…なんで……!?」
「ちょっと、あんたってば………お、お、男だったの!?」
慌てふためく双子姉妹。
驚くのも無理のない話である。
「いやぁ、なんかさー。 寄生されちゃたみたいなんだよね、これが」
後ろ頭をポリポリと掻きつつ、いつものニンマリとした笑顔で後ろ手に扉を閉めた。
いま3人が居るのは、かがみ・つかさの双子姉妹の片割れである妹・つかさの部屋。
ガチャリと施錠の音がしたのを耳で確認するこなた。
寄生され、まるで男性器のように
重力に従ってダラリと垂れ下がるそれを右手の親指と人差し指で摘みながら
「でさ、これがオチンチンみたくくっついちゃってからというもの…」
言葉を区切り、驚きを隠し得ない双子をこなたは見る。
順番に、一人ずつ。
じっくりと、下から上へと舐めるような視線を送る。
まるでこれから味わう得物を吟味するかのように。
「可愛い女の子を見ると…」
ねっとりと、絡みつくような目線。
「な、なによっ、変な目で見ないでよ!」
「いったいどうしたの、こなちゃん…?」
ねぶりあげるような視線に鳥肌が立つ。
そんな双子へと、股間に不気味なモノを生やしたこなたは
両の手をワキワキさせながら、じりじりと距離を詰めるるのだった。
540 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/25(水) 05:05:53 ID:vHB/ZBn0
ネタは「らきすた」だす
寄生したのは以前このスレにUPされていた画像の
ペニスのような形の水生生物だと思ってくだされ
埼玉県春日部市。
「それがさー、きのう琵琶湖に行って来たんだけどさ…」
身長142㎝。
腰まで伸ばした長い髪に、左眼の下に泣きぼくろの少女が
日焼けした肌を見せながら、実家が神社で双子の巫女姉妹がいる柊家へとやってきて
いきなり服を脱ぎだしたのは、旅行に出かけたという土日の休日が明けた月曜日の放課後のことだった。
「ちょっ、ちょっと! いきなり上がり込んできて何するのよっ!!」
「どうしたの、こなちゃ~ん///」
突然訪れたかと思うと、服を脱ぎ散らかしはじめた友人に待ったをかける双子姉妹だったが
下着という名の最後の布切れがズリ降ろされた瞬間、驚きの言葉が悲鳴へと変わった。
「……………こ、こなちゃん……それって…!?」
「なんじゃそりゃあっっ!?」
泉こなた。
身長142㎝。
腰ので伸ばした長い髪に、左眼の下に泣きぼくろ。
だがしかし、霊長類サル目ヒト科のメスであるはずの少女の股間には
あまり見慣れないモノがにょっきりと生えていた。
「え? えっ? えっ? エッ? な…なんで……!?」
「ちょっと、あんたってば………お、お、男だったの!?」
慌てふためく双子姉妹。
驚くのも無理のない話である。
「いやぁ、なんかさー。 寄生されちゃたみたいなんだよね、これが」
後ろ頭をポリポリと掻きつつ、いつものニンマリとした笑顔で後ろ手に扉を閉めた。
いま3人が居るのは、かがみ・つかさの双子姉妹の片割れである妹・つかさの部屋。
ガチャリと施錠の音がしたのを耳で確認するこなた。
寄生され、まるで男性器のように
重力に従ってダラリと垂れ下がるそれを右手の親指と人差し指で摘みながら
「でさ、これがオチンチンみたくくっついちゃってからというもの…」
言葉を区切り、驚きを隠し得ない双子をこなたは見る。
順番に、一人ずつ。
じっくりと、下から上へと舐めるような視線を送る。
まるでこれから味わう得物を吟味するかのように。
「可愛い女の子を見ると…」
ねっとりと、絡みつくような目線。
「な、なによっ、変な目で見ないでよ!」
「いったいどうしたの、こなちゃん…?」
ねぶりあげるような視線に鳥肌が立つ。
そんな双子へと、股間に不気味なモノを生やしたこなたは
両の手をワキワキさせながら、じりじりと距離を詰めるるのだった。
540 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/25(水) 05:05:53 ID:vHB/ZBn0
ネタは「らきすた」だす
寄生したのは以前このスレにUPされていた画像の
ペニスのような形の水生生物だと思ってくだされ
魔天使 後編1
510 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:04 ID:trQNaBLd
「くしゅん…うう…体がだるいよ~…」
ベットに寝込みながら私は変わらない天井を見つめる
隣で心配そうに見ているラケルさんが苦笑した
「ええ、熱が38度もあるんですから、当然です
今はゆっくり休んで養生してください」
「は~い…」
あの日雨に当たり続けた私は当然のように風邪を引いてしまった
それからというものベットで横たわり3日も続けて学校を休む破目になった
ぶっちゃけ学校に行きたい気分でもなかったけど
でもとなりでラケルさんがずっと看病してくれてたのが
とても嬉しかったな…
お母さんときたらずぶ濡れで帰ってきた私に呆れて物も言えなかったようだし…
「でも、残念ですねこの時期に風邪を引いてしまうなんて」
「いいよラケルさん、どうせ行く気なんてなかったし」
ラケルさんが残念だと言ったのは明日、私たち天使の首都で行われる
お祭りのことだ
悪魔達へ勝利した記念祭であり、一週間に渡って長く行われる
このお祭りの日は学校も休みになるから
アリアや他の友達と遊びに行こうと約束していた
でも今はそれもオジャンだ
アリアとの仲がああなってしまったのはもう気にしていない
というと嘘になる…本当は思い出すだけで心が痛い
けど過ぎてしまったことを気にしてもしょうがないと
思えるようにだけはなった
それはひとえにラケルさんのお陰だと思ってる
一緒に他愛もない話をしたり、やさしく手を握ってくれたり
辛いときラケルさんが側にいてくれたお陰で、少し心が軽くなった
だからラケルさんには感謝してる
お母さんにかわって嫌な顔ひとつせず看病してくれていることも
本当に優しい人だな…って思う
でも…
「ねえ、ラケルさん」
「はい?なんですか、エリスさん」
濡れたタオルを新しく交換していたラケルさんがこっちを振り向く
「どうしてラケルさんは、私にこんなに優しくしてくれるんですか?
確かに私は…ラケルさんをあの場所から助けたけれど…
私に優しくしてくれるのは…それの…恩返しなんですか…
…ごめんなさい…変なこと聞いて…でも不安で…
いつかラケルさんがどこかに行ってしまうんじゃないかって」
私はひどく無神経なことを聞いているのかもしれない
ラケルさんを知らず傷つけることを言っているかもしれない
けど一度聞いてみたかったラケルさんの心を…
いつも私に笑いかけてくれる理由を…
511 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:45 ID:trQNaBLd
私の言葉にもラケルさんの顔は普段となにも変らなかった
慈母のように優しい笑顔
そして寝ている私の手を両手で包んだ
「エリスさん、私があなたに優しくするのは確かに助けてもらった恩もあります
けれど恩を返し終わったらエリスさんの前から消えてしまうなんてことはしません
そんなことをしたらエリスさんが悲しむでしょう…
あなたに優しくするのは恩からだけじゃない…
私が…あなたの友達だからですよ」
「とも…だち…?」
「ええ、私はエリスさんのこと友達だと思っています
私たちは出会ってから短い月日しか経ってないけれど
私にとってエリスさんはかけがえのない人です
世界でたった一人の私の始めての友達…
だからあなたには笑っていて欲しい、あなたの笑顔をみていると
私の心も明るい気分になるんです、だから…」
「ラケルさん…」
私の心に安心感とも嬉しさとも分からない感情が溢れる
他者から大切な存在だと言われることがこんなにも嬉しいなんて…
「私も…ラケルさんのことかけがえのない友達だと思ってます!
永遠なんてものはないけれど…できるなら…
ずっと友達でいたいです…」
私は感情の溢れるままに言葉を紡ぐ
「ええ…本当に…ずっと友達でいられたなら…」
ラケルさんはそこで言葉を切る
そこから物思いに耽るような顔をする
遠い日々を懐かしむような…
「ラケルさん?…」
訝しげな私の視線に気づいたのかラケルさんは
取り繕うように言った
「さぁ、もう寝ましょう、エリスさん
風邪を治すには寝るのが一番ですよ」
「はい、ラケルさん」
ラケルさんは一度私の頬に手を当てると部屋を出て行った
真っ暗になった部屋で私は目を閉じる
明日になったらラケルさんと何をしよう?トランプでもしようかな?
私はアリアという親友を失ってしまった
もう決して元には戻れない、心に開いてしまった大きな穴
だけどその穴をラケルさんが埋めてくれた気がする
これからもずっと一緒にいられたらいいな…
お母さんとラケルさんと私と、3人でずっと…
そして翌日目覚めたエリスはもぬけの殻となった
家と町を見たのだった
そう、自分以外誰一人いない町を…
512 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:22 ID:trQNaBLd
天使達の首都、アルカディア
人口数万人を超える華やかなる都
そこでは天使軍を勝利に導いた女王エルリスとその騎士コーデリアによって
統治されていた
その汚れなき都に今、悪魔たちの毒牙が掛かろうとしていく
悪魔軍勝利の記念すべき祭りの初日の夜
天使達は祝いと喧騒に酔い小さな宿の複数の嬌声に
気づかずにいる
「クスッ、どう?初めて味わう悪魔のペニスは…」
「はぁあっ……、いい、いいわ…もっと、もっとぉ~~」
町娘と思われる若い天使がとある宿の一室で悪魔へ犯されていた
両手をベットに拘束されながらも娘の顔は喜悦に満ちている
悪魔の秘所から伸びた触手ペニスがその原因だった
娘の秘所へ潜り込みながら蠢くそれは
所々に瘤のような突起物を備え、娘の肉体から快楽を引き出していく
娘の汚れのなかった秘所もまた
初めて味わう悪魔の快楽を貪欲に受け入れ
サーモンピンクの女陰からドロドロとした濃い愛液が流れていく
「ああぁ…どうして…どうしてこんなに気持ちいいの…
気持ちよすぎて…おかしくなりそう」
身体中から吹き出ている汗の多さが娘の肉体の興奮を現している
犯される前は恐ろしさでいっぱいだったのに
今ではすっかり悪魔のペニスの虜だ
悪魔はそんな娘の耳元でゆっくりと囁く
「いいのよ…おかしくなりなさい、天使としてのあなたは消えて
新しい悪魔としてのあなたが目覚める…」
悪魔は上下運動を早めるといよいよ『種』を植えつける準備をする
「あん!はぁぁ!…激し…すぎ…て…わた…し…壊れ……ああんっ!!」
余りの抽挿の激しさに娘の身体が跳ね上がる
悪魔の肉体から邪悪なオーラが発せられると娘の体を包み込む
天使の羽から発せられる光のオーラを侵食するために…
「あふ…あはぁぁぁぁぁ…」
もう娘の瞳からは光は失せ、変って支配しているのは果てない闇
それは彼女を悪魔化させる用意が整ったということだった
「さぁ、いくわよ…」
悪魔は二度三度強く腰を打ち据えると、娘の胎内に大量の悪魔の『種』を解き放った
胎内に蒔かれた種子たちはすでに寄生させられていた悪魔の卵と受精すると
娘の肉体を悪魔へと変え始めた
「あ…ああ…私の身体…すごく…熱い…別のモノに変ってイク…」
「ふふ…ようこそ…私たち悪魔の世界へ…」
常識を超える快感を味わったためか、娘は気を失う
そして肉体はたちまち悪魔のものへと生まれ変わった
犯していた悪魔はそれを見届けると男根を引き抜き
ベットの上で一息ついた
513 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:55 ID:trQNaBLd
「ふぅ…ようやくこれで20人目、なかなか大変だわ…」
「あら、もう根を上げてしまったの?フローラ先生」
フローラが振り向くとそこにはいつのまにかアリアが
扉の前に立っていた
「アリア様…いつのまに…いえ、そんなことはありませんわ
悪魔を増やしあの方にご奉仕できるのは私にとっても喜びですもの」
「ふふふ、真面目ねフローラ先生は…まぁ私も張り切って
朝から50人ぐらい『種』を植えつけてきたんだけどね」
肩をすくめながらアリアは笑う
すでに二人のいる宿は主人や従業員を含め全て悪魔へと変っている
二人が何を話そうが天使たちにばれる事はないということだ
「ですが大丈夫なのですか、初日からこんなにも大勢の天使を悪魔に変えて…
確かにこの勢いなら国民数万人を全て悪魔に変えるのに一週間もあれば十分でしょう
しかし中には我々悪魔の邪気に気づくものもいるのでは?」
外の喧騒を部屋の窓から眺めるアリア
何事か思案しているようにも見える
「そうね、私たちがいくら普段天使になれるといっても
天使に『種』を植える時には必然的に邪気を発せざるをえないもの」
「ではどうしてですか?悪魔の存在が公になったら以前のように
皆殺しの憂き目に合うのでは!?」
「クスッ、心配いらないわ、あの方は全て見通してらっしゃるから
天使たちはね、長い間平和の暮らしをしてきたせいで
能力自体が極端に低下しているのよ、悪魔の邪気も感じ取れないほどにね
以前の大戦の時のような力を保っているのはごくわずか…
そう、あの鮮血の天使コーデリアのような…
だから早急に彼女を堕とす必要があるわ…けど将を射んとすれば馬から…
まずは彼女の副官のユリアからね…
楽しみだわ…純白の天使たちが悪魔に変っていくのは!!アハハハハッ!!」
これから起きることを想像してアリアは笑わずにはいられなかった
天使が全て悪魔へ変ったら、世界そのものが変る
規律や模範に縛られない、自由と快楽の世界が生まれるのだ
アリアの哄笑をフローラの言葉が遮った
「アリア様…あの方は…ラケル様はここへいらっしゃってるのですか?」
笑いを止めるとアリアはフローラへ顔を向ける
「ええ、来ているわ…私たちの行動も天使たちのことも
ラケル様はすべて見てらっしゃる…あの方がエルリスにかわって
この世界の新たな女王となるわ…ふふ…楽しみね、フローラ先生…」
514 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:27:32 ID:trQNaBLd
夜も更けた頃、都の中心にそびえ立つ女王エルリスの住まう城
その城の一室で二人の天使が読書に耽っていた
二人とも周囲が呆然とするような美しい容姿を備えている
銀の髪と黒の髪とが対照的だった
銀髪の天使が読んでいる本に目を落としながら口を開く
「なぁ、ユリア…今日は妙な気配を感じないか…」
ユリアと呼ばれた黒髪の天使が読んでいる本を閉じると銀髪の天使に顔を向けた
「ええ、コーデリア…私も朝からなんだか胸騒ぎがするの…」
ユリアは不安そうに顔を潜める
彼女の胸騒ぎの理由は、決してあってはならないものだったから…
「その胸騒ぎのわけは、悪魔の邪気を感じたことか…」
コーネリアが言い放つと二人の間に並々ならぬ鬼気が漂った
「ええ、そうよ…だけどありえるかしら…悪魔が復活したなんて
悪魔は一匹残らず殺したはずじゃ…」
「ああ…だが万が一ということもある、現に町で感じた邪気は数十にも上った…
生き残りがいたのかもしれん…どうやってこの町に入り込んだかは不明だが
このまま放っておく訳にもいくまい、私が調べてこようと思う」
椅子から立ち上がろうとするコーデリアをユリアが押し留める
「待ってコーデリア、調査なら私にやらせて」
「何故だ?ユリア」
「もし本当に悪魔の生き残りがいたのなら私の目で確かめたいの
あの大戦のとき、私たちはなんの罪もない悪魔たちまで皆殺しにしたわ
罪悪感がないとは言わない、彼らは復讐の為に来ているのかもしれない
だからこそ、生き残りがいるならわたしの手で殺したい…
復讐に燃える彼らが他の天使達を傷つける前に…」
「…ユリア…」
ユリアとコーデリアの間に長い沈黙が下りる
互いに見詰め合ったまま二人はなにも喋らなかった
沈黙を破ったのはコーデリアの深い溜息だった
「いいだろう、お前がそういうのなら任せる
ただしくれぐれも気をつけろよ、悪魔は狡猾だからな…」
ユリアはさっきまでの真剣な表情を崩しニコっと笑った
「ありがとう…コーデリア、心配については大丈夫よ
手練の護衛を二人つけるから、それじゃあ行って来るわ
彼ら悪魔が何かしでかさない内にね」
立ち上がるとユリアは出て行った
その背中を心配そうにコーデリアは見つめる
(本当に何事もなくすめばいいが…悪魔たちめ…なぜ祭りの日を狙って…
それに…朝から夜まで悪魔の邪気の数が
少しずつだが増えているのが気になる…まさか…)
コーデリアは自分の心の臓が冷たくなるような嫌な予感に身体を震わせた…
515 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:05 ID:trQNaBLd
(まずは邪気の発信地の調査からね…)
部下である手練の天使二人を引き連れながら
夜の都を闊歩するユリア、道行く天使達も
コーデリアの副官である彼女の姿に興味深そうに視線を寄こしていた
「フィーリア、ミリアム、さっき話した通り
この任務は悪魔の生き残りを発見すること、及びその存在の抹殺よ
大戦が終わって以来最悪の任務と言っていいわ…覚悟は出来てる?」
確認するようにユリアは後ろの部下を振り返る
二人は応えるかのように不敵に笑った
「ご冗談を…ユリア様、このフィーリア、悪魔達への憎しみは
一日たりとも忘れたことはありません
この任務、恐怖どころか喜びのほうが勝っていますよ」
「私もです、この命、あの日からユリア様の為に使うと誓いました
いかような困難でもお受けしましょう」
フィーリア、彼女は家族を悪魔に殺されており
悪魔達への憎しみは人一倍大きい、その悪魔達への
容赦ない残虐ぶりは味方すらも恐れさせたほどだ
またミリアムとは共に戦った戦友でありフィーリアが
ユリア以外で唯一心を許せる存在である
天軍でもかなりの実力を持つ
ミリアム、先の大戦の折、ユリアに助けられて以来
彼女に絶対の忠誠を誓っている天使
物怖じしない性格であり、周囲から孤立していたフィーリアにも
親しげに話しかけ、彼女の友人となった存在だ
元来穏やかな性質だがユリアの為ならば
非情にも徹することが出来る
以上の二名の天使がユリアがもっとも信頼を寄せている天使であり
軍の中でも選り抜きの実力を持つものたちである
「ありがとう、フィーリア、ミリアム、じゃあ…行きましょう!」
二人の顔をみつめ頷くユリア
フィーリアとミリアムも頷き返す
『はいッ!!』
そうして三人が邪気の発信源を捜索して一時間が経った頃
「ユリア様ッー!!助けてッー!!」
一人の少女が三人のいる方へ向かってきた
身構える二人を手で制すユリア
少女はぜぇ…ぜぇ…と荒く息を吐いている
よく見れば目元が涙で赤く腫れていた
年の頃は人間で言えば10歳ぐらいだろう
ユリアは少女に近づくと優しく声をかけた
「どうしたのお嬢ちゃん、そんなに急いで…なにがあったの?」
少女は急いで息を整えると早口でまくし立てた
「あの!あの!悪魔が出たの!それで私のお母さんがさらわれて!
私どうしたらいいのか、分からなくて…」
3人の間に緊張が走る、ユリアは部下達に目配せをすると
ゆっくりと少女に話しかけた
「そう、悪魔が出たのね…ねぇお譲ちゃん、お母さんがさらわれた場所に
私たちを案内してくれないかしら、大丈夫、お母さんは私たちが助けるわ」
少女は泣きじゃくりながら頷いた
516 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:34 ID:trQNaBLd
少女に案内され辿り着いた場所は人気のない路地裏だった
「お譲ちゃん、ここでお母さんがさらわれたの?」
「うん…そうだよ」
フィーリアが辺りを見回す
「確かに、ここには悪魔の邪気の残り香が感じられます
ついさっきまでいたかのような…」
忌々しそうにフィーリアは顔を歪める
悪魔の邪気を感じて昔の記憶を思い出しているのだろう
フィーリアの言葉にミリアムはクスッと笑った
「ミリアム、私はなにか可笑しなことでもいったか?」
「いえ、あなたでも勘が鈍る事もあるのだなと思っただけよ
フィーリア、さっきまでじゃないわ、たった今私たちは悪魔に囲まれている…
そうでしょう?ユリア様」
「ええ、そうね、どうやら待ち伏せされていたみたいだわ」
ユリアがそういうと周囲に伏せていただろう悪魔達が現れた
その数およそ30はくだらないだろう
それでも三人の闘志が萎えることはなかった
「ふん、たかだか十数人ぽっちで私たちとやりあおうとは
舐められたものだな」
「ええ、まったく、この程度なら3分でかたがつくわ」
意気高揚している二人に対してユリアは冷静だった
「油断しないで、フィーリア、ミリアム
敵もなんの勝算もなしに私たちの前に現れたわけじゃないのよ
それより私たちが囲まれるまでなんの気配も感じさせなかった方が
恐ろしいわ」
ユリアの発言に二人も自然と昂ぶった気を落ち着かせた
戦場では油断、隙、驕りなどがもっとも危険であることを二人も思い出したのだ
取り囲んでいる悪魔達と3人の天使たちの間に一触即発の空気が流れる
それが何分か続いた頃、悪魔達の中から一人の悪魔が3人に寄ってきた
まだ少女と言える年頃の悪魔は3人に近づくと不敵に笑った
「こんばんわ、私の名はアリア、あなた達はコーデリアの副官ユリアと
その部下フィーリアとミリアムですわね」
「いかにも、私は天使長コーデリアの副官ユリア…
あなた…アリアといったわね、なにが目的?この少女の母親をさらったのはあなた達ね」
「ええ、目的といえば簡単なことですわ、あなた達3人、悪魔になる気はないかしら?」
その言葉にカッとなったのはフィーリアだった、怒りを露にしアリアを罵倒する
「ふざけるなっ!!だれがお前達汚らわしい悪魔になどなるか!
冗談も大概にしろっ!!」
アリアは残念そうにため息をつく
「そう残念…あなた達が悪魔になってくれたらコーデリアの攻略も楽なんだけど…
なら…無理やり仲魔になって貰うしかないわね
あなたもフィーリアさんと同じ意見かしら、ユリアさん…」
フィーリアとアリアのやりとりを黙って聞いていたユリアは
アリアを睨むと冷厳ともいえる声で言った
「そうね、わたしから一言いえるなら…
悪魔になるぐらいだったらゴキブリに生まれ変わる方がましだわ…」
アリア一瞬虚を突かれた様な表情を見せた後、すぐにその顔を憎しみで彩らせた
「そう…なら!あんた達三人は絶対に悪魔にしてあげる!セーラ!!」
アリアが叫ぶと3人の後ろにいた少女が懐から袋を取り出し周囲にぶちまけた
袋から放たれた煙は一瞬で3人を包み込む
(この煙!まさか睡眠煙ッ!!)
ユリアがそう気づいたのも遅く、フィーリアとミリアム同様
ユリアの意識は奈落へと沈んでいった
眠りに陥った3人の天使をアリアは邪悪な笑みを浮かべ見下ろした
この光景を丸く光る月だけが見つめていた
517 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:29:12 ID:trQNaBLd
「アハッ!いいッ!!…イクゥッ!!気持ちいいっっ!」
誰かの心地のよさそうな叫び声でフィーリアは目を覚ました
ぼんやりとした頭でなんとか現状を把握しようとする
(ここは…どこだ…そうだ、催眠煙を吸ったせいで…
…助けを求めた少女もグルだったのか…しかし邪気を感じなかったというのに何故だ…
ミリアムは…ユリア様は…どうしたのだろう…)
手足を動かそうとするとまだ煙の後遺症が残っているのか満足に動かすことも出来なかった
(身体の方は…まだ動かないか…クソッ…悪魔に遅れを取るとは何たる失態っ!)
憎しみに心を滾らせ自分の失態に怒るフィーリア
彼女にとって睡眠煙などという単純なものにひっかかり
悪魔の罠に嵌ったことは何よりの屈辱だった
「あふっ…ああっ…もう…限界…これ以上イッたら壊れちゃうっ!」
目覚めた時に聞いた声で、フィーリアは意識をそらされる
(さっきから聞こえる、この声はなんだ…)
フィーリアが声の方へ顔を向けると信じがたいものが眼前に映った
「ふあ…ああああっ…やぁ、あはぁ…あん…」
フィーリアより少し離れたベッドの上でミリアムが喘いでいた
そしてミリアムを喘がせている者こそフィーリア達3人にアリアと名乗った悪魔だった
アリアの陰部から伸びた筒状の物体はミリアムの秘所に入り込み貫いている
触手ペニスの抜き差しを繰り返しながらアリアは徐々にミリアムを絶頂へと追い上げていた
「ああ…すっごくいい、すごく太いのが私の中で動いてる…まるで生き物みたい…
なんて逞しくて、素晴らしいのかしら…ああん!!」
気持ちよさそうにミリアムは呻き、膣を貫いている物に賛美の言葉をかけた
「どうやら喜んでくれてるみたいでよかったわ、ふふ…もう悪魔になるのも嫌じゃないでしょう」
「ええ、だってすごく気持ちいいんですもの…早く私を悪魔にして…」
切なげにミリアムは吐息を漏らし、膣内をきつく締め付けた
いきなりの快感にアリアは声を上げて反応してしまう
「ああんっ!だめよ…ミリアムさん、そんなにきつくしたら…すぐイっちゃう…」
「いいじゃない…ほら私の中であなたのモノがすごく悦んでる…かわいい♪」
性の快楽に溺れ、悶えるミリアムの姿は普段の彼女を知るものが見たら
卒倒しそうなほどの豹変ぶりだった
フィーリアもまた例外ではなかった
眼前の惨状にフィーリアの心の恐怖とも憎しみとも付かぬ感情が声になって出てきた
「きっさまぁぁぁっ!!!ミリアムに何をしているっっ!!」
アリアは今気づいたという表情でフィーリアを振り返る
「あら…あなた起きてたの?何をしてるってそりゃあセックスと…た・ね・つ・け・よ♪」
「た…種付けだと…」
種付けという言葉にフィーリアの体温がゆっくりと下がっていく
「そう、今ミリアムさんに悪魔の『種』を植えつけている最中よ
天使の神聖な子宮に、悪魔の邪悪な『種』が注がれて初めて天使は堕天するの、おわかり?」
アリアから明かされる出来事にフィーリアは身体が震え出すのを止められない
天使が悪魔に生まれ変わるという余りにも恐ろしい事と
親友であるミリアムが犯され今まさに悪魔にならんとしている事実
今まで憎んできた悪魔に親友が成ろうとしているのはフィーリアにとってなによりおぞましい事だった
フィーリアは必死になってとめようとする、それが無駄なことだと分かっていても
「やめろ!!やめてくれっ!ミリアムを悪魔に変えないでくれぇっ!!」
「駄目ね、言ったでしょう、あなた達3人は絶対に悪魔にするって…
それにミリアムさんは嫌がってないわよ、ねぇ?」
言われてフィーリアを見るミリアムの目はトロンとしていて、もはや正気がないことは確かだった
「ええ、嫌じゃないわ…私…早く悪魔になりたいの…フィーリアも一緒に
悪魔になりましょう…悪魔の世界はきっととても素晴らしいものだわ…」
暗く濁ったミリアムの瞳を見て、フィーリアはもうミリアムを元に戻すことは無理だと悟った…
518 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:30:16 ID:trQNaBLd
「ミ…ミリアム……」
友の変貌に声を失うフィーリア
「ね、ミリアムさんの心はもう悪魔になることを望んでいるのよ」
「黙れッ!それはミリアムの意思じゃない!お前がそう仕向けたんだろうっ!!」
「フッ、どっちにしてももう手遅れよ…」
フィーリアへ向けて喋りながらもミリアムへ快楽を与える行為をやめようとしないアリア
ミリアムの顔も絶頂へと向けて陶然としてきた
「ああぁぁ…いい…気持ちいいよ…早くあなたの『種』が…欲しい…」
「心配しなくても、もうすぐたっぷり出るわ…あなたの綺麗な肉体…たっぷり汚してあげる」
アリアは腰の動きを激しいものに変えると射精にむけて急いだ
激しく動き始めた腰の動きにつられてミリアムの肉体もベットの上で揺れる
男根が凄まじい速さで膣内を出入りしその度にシーツへびちゃびちゃと愛液が飛び散った
「やああ、激し…イクッイクッイクッ!あああーッ!」
悪魔の触手ペニスから与えられる快楽に絶頂へ到達するミリアム
膣が強く収縮し膣内で蠢く悪魔の男根へ快感を伝えた
「ああん…気持ちいい…私もイクッ!」
アリアは膣の最奥でペニスを止めるとドクッ!ドクッ!と
先端からおびただしい量の『種』を放出した
ビュッ!ビュッ!ビュクッ!…ビュクリッ!
悪魔の精液は留まることをしらず、ミリアムの膣を満たした後も結合部の隙間から溢れ出た
「アハ…すごい…こんなにたくさん…私の中で種が泳いでる……私、汚れちゃった
でも…どうしてかしら、それがすごく嬉しい…」
虚ろな表情で呟くミリアム、アリアだけがそれを優しく見つめていた
ミリアムの膣内に放出された種子は子宮へ辿り着くと天使の神聖な肉体に
邪悪な気を送り出す
天使としてのミリアムの肉体は悪魔の邪気に犯され、侵食されていく…
そして悪魔へと変わっていった
頭部からは二本の角が…美しかった白い羽は暗黒の色に
尻からは爬虫類の尻尾が生えていく
(ミ…ミリアム…何ということだ…この余りに強大な邪気は…)
天使だった頃の力が強かったせいか悪魔になったミリアムの発する邪気も
凄まじいほどだった…
フィーリアは自分が捕らえられている部屋全体がどす黒いに包まれたかの様な錯覚に陥った
悪魔へ覚醒したミリアムはゆっくりとその瞳を開ける
繋がったままだったアリアは触手ペニスを引き抜くといきなりミリアムへひざまずいた
「悪魔の世界へようこそ…ミリアム様、今までのご無礼をお許しください
ご気分はいかがでしょう?」
今までの態度と裏腹に儀礼的な態度を取るアリア
彼女自身にも分かっているのだ、ミリアムが自分など足元にも及ばない存在になったことが
ミリアムはベッドから降り、自分の悪魔となった肉体を見下ろすと
厭らしく微笑した
「ふふ…悪くないわ…これが新しいわたしなのね…素晴らしいわ
本当に生まれ変わったのね」
「はい、これからはどんな快楽もあなたの望むまま…
あなたほどの力があればどんな者も悪魔へ変えれるでしょう
どうか悪魔の繁栄にお力をお貸しください」
「クスクスッ、そうね…まずは…」
ミリアムはフィーリアの方へ向く
フィーリアは心臓を鷲掴みにされたようなゾッとする恐怖に襲われる…
「…一番身近な果実から頂きましょうか…」
ミリアムの股間からはアリアと同じ醜悪な触手ペニスが生えており
極上の獲物を前にして猛々しくそそり立っていた…
フィーリアの口から声にならない悲鳴がもれる
彼女の心はまさに絶望と言う闇に覆いつくされんとしていた…
続く?…
519 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/17(火) 04:32:41 ID:trQNaBLd
以上です、感想、悪い部分のご指摘待ってます
次で本当に最後にしますので1、2ヶ月待ってください…
大変お持たせしてすいませんです
「くしゅん…うう…体がだるいよ~…」
ベットに寝込みながら私は変わらない天井を見つめる
隣で心配そうに見ているラケルさんが苦笑した
「ええ、熱が38度もあるんですから、当然です
今はゆっくり休んで養生してください」
「は~い…」
あの日雨に当たり続けた私は当然のように風邪を引いてしまった
それからというものベットで横たわり3日も続けて学校を休む破目になった
ぶっちゃけ学校に行きたい気分でもなかったけど
でもとなりでラケルさんがずっと看病してくれてたのが
とても嬉しかったな…
お母さんときたらずぶ濡れで帰ってきた私に呆れて物も言えなかったようだし…
「でも、残念ですねこの時期に風邪を引いてしまうなんて」
「いいよラケルさん、どうせ行く気なんてなかったし」
ラケルさんが残念だと言ったのは明日、私たち天使の首都で行われる
お祭りのことだ
悪魔達へ勝利した記念祭であり、一週間に渡って長く行われる
このお祭りの日は学校も休みになるから
アリアや他の友達と遊びに行こうと約束していた
でも今はそれもオジャンだ
アリアとの仲がああなってしまったのはもう気にしていない
というと嘘になる…本当は思い出すだけで心が痛い
けど過ぎてしまったことを気にしてもしょうがないと
思えるようにだけはなった
それはひとえにラケルさんのお陰だと思ってる
一緒に他愛もない話をしたり、やさしく手を握ってくれたり
辛いときラケルさんが側にいてくれたお陰で、少し心が軽くなった
だからラケルさんには感謝してる
お母さんにかわって嫌な顔ひとつせず看病してくれていることも
本当に優しい人だな…って思う
でも…
「ねえ、ラケルさん」
「はい?なんですか、エリスさん」
濡れたタオルを新しく交換していたラケルさんがこっちを振り向く
「どうしてラケルさんは、私にこんなに優しくしてくれるんですか?
確かに私は…ラケルさんをあの場所から助けたけれど…
私に優しくしてくれるのは…それの…恩返しなんですか…
…ごめんなさい…変なこと聞いて…でも不安で…
いつかラケルさんがどこかに行ってしまうんじゃないかって」
私はひどく無神経なことを聞いているのかもしれない
ラケルさんを知らず傷つけることを言っているかもしれない
けど一度聞いてみたかったラケルさんの心を…
いつも私に笑いかけてくれる理由を…
511 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:45 ID:trQNaBLd
私の言葉にもラケルさんの顔は普段となにも変らなかった
慈母のように優しい笑顔
そして寝ている私の手を両手で包んだ
「エリスさん、私があなたに優しくするのは確かに助けてもらった恩もあります
けれど恩を返し終わったらエリスさんの前から消えてしまうなんてことはしません
そんなことをしたらエリスさんが悲しむでしょう…
あなたに優しくするのは恩からだけじゃない…
私が…あなたの友達だからですよ」
「とも…だち…?」
「ええ、私はエリスさんのこと友達だと思っています
私たちは出会ってから短い月日しか経ってないけれど
私にとってエリスさんはかけがえのない人です
世界でたった一人の私の始めての友達…
だからあなたには笑っていて欲しい、あなたの笑顔をみていると
私の心も明るい気分になるんです、だから…」
「ラケルさん…」
私の心に安心感とも嬉しさとも分からない感情が溢れる
他者から大切な存在だと言われることがこんなにも嬉しいなんて…
「私も…ラケルさんのことかけがえのない友達だと思ってます!
永遠なんてものはないけれど…できるなら…
ずっと友達でいたいです…」
私は感情の溢れるままに言葉を紡ぐ
「ええ…本当に…ずっと友達でいられたなら…」
ラケルさんはそこで言葉を切る
そこから物思いに耽るような顔をする
遠い日々を懐かしむような…
「ラケルさん?…」
訝しげな私の視線に気づいたのかラケルさんは
取り繕うように言った
「さぁ、もう寝ましょう、エリスさん
風邪を治すには寝るのが一番ですよ」
「はい、ラケルさん」
ラケルさんは一度私の頬に手を当てると部屋を出て行った
真っ暗になった部屋で私は目を閉じる
明日になったらラケルさんと何をしよう?トランプでもしようかな?
私はアリアという親友を失ってしまった
もう決して元には戻れない、心に開いてしまった大きな穴
だけどその穴をラケルさんが埋めてくれた気がする
これからもずっと一緒にいられたらいいな…
お母さんとラケルさんと私と、3人でずっと…
そして翌日目覚めたエリスはもぬけの殻となった
家と町を見たのだった
そう、自分以外誰一人いない町を…
512 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:22 ID:trQNaBLd
天使達の首都、アルカディア
人口数万人を超える華やかなる都
そこでは天使軍を勝利に導いた女王エルリスとその騎士コーデリアによって
統治されていた
その汚れなき都に今、悪魔たちの毒牙が掛かろうとしていく
悪魔軍勝利の記念すべき祭りの初日の夜
天使達は祝いと喧騒に酔い小さな宿の複数の嬌声に
気づかずにいる
「クスッ、どう?初めて味わう悪魔のペニスは…」
「はぁあっ……、いい、いいわ…もっと、もっとぉ~~」
町娘と思われる若い天使がとある宿の一室で悪魔へ犯されていた
両手をベットに拘束されながらも娘の顔は喜悦に満ちている
悪魔の秘所から伸びた触手ペニスがその原因だった
娘の秘所へ潜り込みながら蠢くそれは
所々に瘤のような突起物を備え、娘の肉体から快楽を引き出していく
娘の汚れのなかった秘所もまた
初めて味わう悪魔の快楽を貪欲に受け入れ
サーモンピンクの女陰からドロドロとした濃い愛液が流れていく
「ああぁ…どうして…どうしてこんなに気持ちいいの…
気持ちよすぎて…おかしくなりそう」
身体中から吹き出ている汗の多さが娘の肉体の興奮を現している
犯される前は恐ろしさでいっぱいだったのに
今ではすっかり悪魔のペニスの虜だ
悪魔はそんな娘の耳元でゆっくりと囁く
「いいのよ…おかしくなりなさい、天使としてのあなたは消えて
新しい悪魔としてのあなたが目覚める…」
悪魔は上下運動を早めるといよいよ『種』を植えつける準備をする
「あん!はぁぁ!…激し…すぎ…て…わた…し…壊れ……ああんっ!!」
余りの抽挿の激しさに娘の身体が跳ね上がる
悪魔の肉体から邪悪なオーラが発せられると娘の体を包み込む
天使の羽から発せられる光のオーラを侵食するために…
「あふ…あはぁぁぁぁぁ…」
もう娘の瞳からは光は失せ、変って支配しているのは果てない闇
それは彼女を悪魔化させる用意が整ったということだった
「さぁ、いくわよ…」
悪魔は二度三度強く腰を打ち据えると、娘の胎内に大量の悪魔の『種』を解き放った
胎内に蒔かれた種子たちはすでに寄生させられていた悪魔の卵と受精すると
娘の肉体を悪魔へと変え始めた
「あ…ああ…私の身体…すごく…熱い…別のモノに変ってイク…」
「ふふ…ようこそ…私たち悪魔の世界へ…」
常識を超える快感を味わったためか、娘は気を失う
そして肉体はたちまち悪魔のものへと生まれ変わった
犯していた悪魔はそれを見届けると男根を引き抜き
ベットの上で一息ついた
513 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:55 ID:trQNaBLd
「ふぅ…ようやくこれで20人目、なかなか大変だわ…」
「あら、もう根を上げてしまったの?フローラ先生」
フローラが振り向くとそこにはいつのまにかアリアが
扉の前に立っていた
「アリア様…いつのまに…いえ、そんなことはありませんわ
悪魔を増やしあの方にご奉仕できるのは私にとっても喜びですもの」
「ふふふ、真面目ねフローラ先生は…まぁ私も張り切って
朝から50人ぐらい『種』を植えつけてきたんだけどね」
肩をすくめながらアリアは笑う
すでに二人のいる宿は主人や従業員を含め全て悪魔へと変っている
二人が何を話そうが天使たちにばれる事はないということだ
「ですが大丈夫なのですか、初日からこんなにも大勢の天使を悪魔に変えて…
確かにこの勢いなら国民数万人を全て悪魔に変えるのに一週間もあれば十分でしょう
しかし中には我々悪魔の邪気に気づくものもいるのでは?」
外の喧騒を部屋の窓から眺めるアリア
何事か思案しているようにも見える
「そうね、私たちがいくら普段天使になれるといっても
天使に『種』を植える時には必然的に邪気を発せざるをえないもの」
「ではどうしてですか?悪魔の存在が公になったら以前のように
皆殺しの憂き目に合うのでは!?」
「クスッ、心配いらないわ、あの方は全て見通してらっしゃるから
天使たちはね、長い間平和の暮らしをしてきたせいで
能力自体が極端に低下しているのよ、悪魔の邪気も感じ取れないほどにね
以前の大戦の時のような力を保っているのはごくわずか…
そう、あの鮮血の天使コーデリアのような…
だから早急に彼女を堕とす必要があるわ…けど将を射んとすれば馬から…
まずは彼女の副官のユリアからね…
楽しみだわ…純白の天使たちが悪魔に変っていくのは!!アハハハハッ!!」
これから起きることを想像してアリアは笑わずにはいられなかった
天使が全て悪魔へ変ったら、世界そのものが変る
規律や模範に縛られない、自由と快楽の世界が生まれるのだ
アリアの哄笑をフローラの言葉が遮った
「アリア様…あの方は…ラケル様はここへいらっしゃってるのですか?」
笑いを止めるとアリアはフローラへ顔を向ける
「ええ、来ているわ…私たちの行動も天使たちのことも
ラケル様はすべて見てらっしゃる…あの方がエルリスにかわって
この世界の新たな女王となるわ…ふふ…楽しみね、フローラ先生…」
514 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:27:32 ID:trQNaBLd
夜も更けた頃、都の中心にそびえ立つ女王エルリスの住まう城
その城の一室で二人の天使が読書に耽っていた
二人とも周囲が呆然とするような美しい容姿を備えている
銀の髪と黒の髪とが対照的だった
銀髪の天使が読んでいる本に目を落としながら口を開く
「なぁ、ユリア…今日は妙な気配を感じないか…」
ユリアと呼ばれた黒髪の天使が読んでいる本を閉じると銀髪の天使に顔を向けた
「ええ、コーデリア…私も朝からなんだか胸騒ぎがするの…」
ユリアは不安そうに顔を潜める
彼女の胸騒ぎの理由は、決してあってはならないものだったから…
「その胸騒ぎのわけは、悪魔の邪気を感じたことか…」
コーネリアが言い放つと二人の間に並々ならぬ鬼気が漂った
「ええ、そうよ…だけどありえるかしら…悪魔が復活したなんて
悪魔は一匹残らず殺したはずじゃ…」
「ああ…だが万が一ということもある、現に町で感じた邪気は数十にも上った…
生き残りがいたのかもしれん…どうやってこの町に入り込んだかは不明だが
このまま放っておく訳にもいくまい、私が調べてこようと思う」
椅子から立ち上がろうとするコーデリアをユリアが押し留める
「待ってコーデリア、調査なら私にやらせて」
「何故だ?ユリア」
「もし本当に悪魔の生き残りがいたのなら私の目で確かめたいの
あの大戦のとき、私たちはなんの罪もない悪魔たちまで皆殺しにしたわ
罪悪感がないとは言わない、彼らは復讐の為に来ているのかもしれない
だからこそ、生き残りがいるならわたしの手で殺したい…
復讐に燃える彼らが他の天使達を傷つける前に…」
「…ユリア…」
ユリアとコーデリアの間に長い沈黙が下りる
互いに見詰め合ったまま二人はなにも喋らなかった
沈黙を破ったのはコーデリアの深い溜息だった
「いいだろう、お前がそういうのなら任せる
ただしくれぐれも気をつけろよ、悪魔は狡猾だからな…」
ユリアはさっきまでの真剣な表情を崩しニコっと笑った
「ありがとう…コーデリア、心配については大丈夫よ
手練の護衛を二人つけるから、それじゃあ行って来るわ
彼ら悪魔が何かしでかさない内にね」
立ち上がるとユリアは出て行った
その背中を心配そうにコーデリアは見つめる
(本当に何事もなくすめばいいが…悪魔たちめ…なぜ祭りの日を狙って…
それに…朝から夜まで悪魔の邪気の数が
少しずつだが増えているのが気になる…まさか…)
コーデリアは自分の心の臓が冷たくなるような嫌な予感に身体を震わせた…
515 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:05 ID:trQNaBLd
(まずは邪気の発信地の調査からね…)
部下である手練の天使二人を引き連れながら
夜の都を闊歩するユリア、道行く天使達も
コーデリアの副官である彼女の姿に興味深そうに視線を寄こしていた
「フィーリア、ミリアム、さっき話した通り
この任務は悪魔の生き残りを発見すること、及びその存在の抹殺よ
大戦が終わって以来最悪の任務と言っていいわ…覚悟は出来てる?」
確認するようにユリアは後ろの部下を振り返る
二人は応えるかのように不敵に笑った
「ご冗談を…ユリア様、このフィーリア、悪魔達への憎しみは
一日たりとも忘れたことはありません
この任務、恐怖どころか喜びのほうが勝っていますよ」
「私もです、この命、あの日からユリア様の為に使うと誓いました
いかような困難でもお受けしましょう」
フィーリア、彼女は家族を悪魔に殺されており
悪魔達への憎しみは人一倍大きい、その悪魔達への
容赦ない残虐ぶりは味方すらも恐れさせたほどだ
またミリアムとは共に戦った戦友でありフィーリアが
ユリア以外で唯一心を許せる存在である
天軍でもかなりの実力を持つ
ミリアム、先の大戦の折、ユリアに助けられて以来
彼女に絶対の忠誠を誓っている天使
物怖じしない性格であり、周囲から孤立していたフィーリアにも
親しげに話しかけ、彼女の友人となった存在だ
元来穏やかな性質だがユリアの為ならば
非情にも徹することが出来る
以上の二名の天使がユリアがもっとも信頼を寄せている天使であり
軍の中でも選り抜きの実力を持つものたちである
「ありがとう、フィーリア、ミリアム、じゃあ…行きましょう!」
二人の顔をみつめ頷くユリア
フィーリアとミリアムも頷き返す
『はいッ!!』
そうして三人が邪気の発信源を捜索して一時間が経った頃
「ユリア様ッー!!助けてッー!!」
一人の少女が三人のいる方へ向かってきた
身構える二人を手で制すユリア
少女はぜぇ…ぜぇ…と荒く息を吐いている
よく見れば目元が涙で赤く腫れていた
年の頃は人間で言えば10歳ぐらいだろう
ユリアは少女に近づくと優しく声をかけた
「どうしたのお嬢ちゃん、そんなに急いで…なにがあったの?」
少女は急いで息を整えると早口でまくし立てた
「あの!あの!悪魔が出たの!それで私のお母さんがさらわれて!
私どうしたらいいのか、分からなくて…」
3人の間に緊張が走る、ユリアは部下達に目配せをすると
ゆっくりと少女に話しかけた
「そう、悪魔が出たのね…ねぇお譲ちゃん、お母さんがさらわれた場所に
私たちを案内してくれないかしら、大丈夫、お母さんは私たちが助けるわ」
少女は泣きじゃくりながら頷いた
516 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:34 ID:trQNaBLd
少女に案内され辿り着いた場所は人気のない路地裏だった
「お譲ちゃん、ここでお母さんがさらわれたの?」
「うん…そうだよ」
フィーリアが辺りを見回す
「確かに、ここには悪魔の邪気の残り香が感じられます
ついさっきまでいたかのような…」
忌々しそうにフィーリアは顔を歪める
悪魔の邪気を感じて昔の記憶を思い出しているのだろう
フィーリアの言葉にミリアムはクスッと笑った
「ミリアム、私はなにか可笑しなことでもいったか?」
「いえ、あなたでも勘が鈍る事もあるのだなと思っただけよ
フィーリア、さっきまでじゃないわ、たった今私たちは悪魔に囲まれている…
そうでしょう?ユリア様」
「ええ、そうね、どうやら待ち伏せされていたみたいだわ」
ユリアがそういうと周囲に伏せていただろう悪魔達が現れた
その数およそ30はくだらないだろう
それでも三人の闘志が萎えることはなかった
「ふん、たかだか十数人ぽっちで私たちとやりあおうとは
舐められたものだな」
「ええ、まったく、この程度なら3分でかたがつくわ」
意気高揚している二人に対してユリアは冷静だった
「油断しないで、フィーリア、ミリアム
敵もなんの勝算もなしに私たちの前に現れたわけじゃないのよ
それより私たちが囲まれるまでなんの気配も感じさせなかった方が
恐ろしいわ」
ユリアの発言に二人も自然と昂ぶった気を落ち着かせた
戦場では油断、隙、驕りなどがもっとも危険であることを二人も思い出したのだ
取り囲んでいる悪魔達と3人の天使たちの間に一触即発の空気が流れる
それが何分か続いた頃、悪魔達の中から一人の悪魔が3人に寄ってきた
まだ少女と言える年頃の悪魔は3人に近づくと不敵に笑った
「こんばんわ、私の名はアリア、あなた達はコーデリアの副官ユリアと
その部下フィーリアとミリアムですわね」
「いかにも、私は天使長コーデリアの副官ユリア…
あなた…アリアといったわね、なにが目的?この少女の母親をさらったのはあなた達ね」
「ええ、目的といえば簡単なことですわ、あなた達3人、悪魔になる気はないかしら?」
その言葉にカッとなったのはフィーリアだった、怒りを露にしアリアを罵倒する
「ふざけるなっ!!だれがお前達汚らわしい悪魔になどなるか!
冗談も大概にしろっ!!」
アリアは残念そうにため息をつく
「そう残念…あなた達が悪魔になってくれたらコーデリアの攻略も楽なんだけど…
なら…無理やり仲魔になって貰うしかないわね
あなたもフィーリアさんと同じ意見かしら、ユリアさん…」
フィーリアとアリアのやりとりを黙って聞いていたユリアは
アリアを睨むと冷厳ともいえる声で言った
「そうね、わたしから一言いえるなら…
悪魔になるぐらいだったらゴキブリに生まれ変わる方がましだわ…」
アリア一瞬虚を突かれた様な表情を見せた後、すぐにその顔を憎しみで彩らせた
「そう…なら!あんた達三人は絶対に悪魔にしてあげる!セーラ!!」
アリアが叫ぶと3人の後ろにいた少女が懐から袋を取り出し周囲にぶちまけた
袋から放たれた煙は一瞬で3人を包み込む
(この煙!まさか睡眠煙ッ!!)
ユリアがそう気づいたのも遅く、フィーリアとミリアム同様
ユリアの意識は奈落へと沈んでいった
眠りに陥った3人の天使をアリアは邪悪な笑みを浮かべ見下ろした
この光景を丸く光る月だけが見つめていた
517 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:29:12 ID:trQNaBLd
「アハッ!いいッ!!…イクゥッ!!気持ちいいっっ!」
誰かの心地のよさそうな叫び声でフィーリアは目を覚ました
ぼんやりとした頭でなんとか現状を把握しようとする
(ここは…どこだ…そうだ、催眠煙を吸ったせいで…
…助けを求めた少女もグルだったのか…しかし邪気を感じなかったというのに何故だ…
ミリアムは…ユリア様は…どうしたのだろう…)
手足を動かそうとするとまだ煙の後遺症が残っているのか満足に動かすことも出来なかった
(身体の方は…まだ動かないか…クソッ…悪魔に遅れを取るとは何たる失態っ!)
憎しみに心を滾らせ自分の失態に怒るフィーリア
彼女にとって睡眠煙などという単純なものにひっかかり
悪魔の罠に嵌ったことは何よりの屈辱だった
「あふっ…ああっ…もう…限界…これ以上イッたら壊れちゃうっ!」
目覚めた時に聞いた声で、フィーリアは意識をそらされる
(さっきから聞こえる、この声はなんだ…)
フィーリアが声の方へ顔を向けると信じがたいものが眼前に映った
「ふあ…ああああっ…やぁ、あはぁ…あん…」
フィーリアより少し離れたベッドの上でミリアムが喘いでいた
そしてミリアムを喘がせている者こそフィーリア達3人にアリアと名乗った悪魔だった
アリアの陰部から伸びた筒状の物体はミリアムの秘所に入り込み貫いている
触手ペニスの抜き差しを繰り返しながらアリアは徐々にミリアムを絶頂へと追い上げていた
「ああ…すっごくいい、すごく太いのが私の中で動いてる…まるで生き物みたい…
なんて逞しくて、素晴らしいのかしら…ああん!!」
気持ちよさそうにミリアムは呻き、膣を貫いている物に賛美の言葉をかけた
「どうやら喜んでくれてるみたいでよかったわ、ふふ…もう悪魔になるのも嫌じゃないでしょう」
「ええ、だってすごく気持ちいいんですもの…早く私を悪魔にして…」
切なげにミリアムは吐息を漏らし、膣内をきつく締め付けた
いきなりの快感にアリアは声を上げて反応してしまう
「ああんっ!だめよ…ミリアムさん、そんなにきつくしたら…すぐイっちゃう…」
「いいじゃない…ほら私の中であなたのモノがすごく悦んでる…かわいい♪」
性の快楽に溺れ、悶えるミリアムの姿は普段の彼女を知るものが見たら
卒倒しそうなほどの豹変ぶりだった
フィーリアもまた例外ではなかった
眼前の惨状にフィーリアの心の恐怖とも憎しみとも付かぬ感情が声になって出てきた
「きっさまぁぁぁっ!!!ミリアムに何をしているっっ!!」
アリアは今気づいたという表情でフィーリアを振り返る
「あら…あなた起きてたの?何をしてるってそりゃあセックスと…た・ね・つ・け・よ♪」
「た…種付けだと…」
種付けという言葉にフィーリアの体温がゆっくりと下がっていく
「そう、今ミリアムさんに悪魔の『種』を植えつけている最中よ
天使の神聖な子宮に、悪魔の邪悪な『種』が注がれて初めて天使は堕天するの、おわかり?」
アリアから明かされる出来事にフィーリアは身体が震え出すのを止められない
天使が悪魔に生まれ変わるという余りにも恐ろしい事と
親友であるミリアムが犯され今まさに悪魔にならんとしている事実
今まで憎んできた悪魔に親友が成ろうとしているのはフィーリアにとってなによりおぞましい事だった
フィーリアは必死になってとめようとする、それが無駄なことだと分かっていても
「やめろ!!やめてくれっ!ミリアムを悪魔に変えないでくれぇっ!!」
「駄目ね、言ったでしょう、あなた達3人は絶対に悪魔にするって…
それにミリアムさんは嫌がってないわよ、ねぇ?」
言われてフィーリアを見るミリアムの目はトロンとしていて、もはや正気がないことは確かだった
「ええ、嫌じゃないわ…私…早く悪魔になりたいの…フィーリアも一緒に
悪魔になりましょう…悪魔の世界はきっととても素晴らしいものだわ…」
暗く濁ったミリアムの瞳を見て、フィーリアはもうミリアムを元に戻すことは無理だと悟った…
518 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:30:16 ID:trQNaBLd
「ミ…ミリアム……」
友の変貌に声を失うフィーリア
「ね、ミリアムさんの心はもう悪魔になることを望んでいるのよ」
「黙れッ!それはミリアムの意思じゃない!お前がそう仕向けたんだろうっ!!」
「フッ、どっちにしてももう手遅れよ…」
フィーリアへ向けて喋りながらもミリアムへ快楽を与える行為をやめようとしないアリア
ミリアムの顔も絶頂へと向けて陶然としてきた
「ああぁぁ…いい…気持ちいいよ…早くあなたの『種』が…欲しい…」
「心配しなくても、もうすぐたっぷり出るわ…あなたの綺麗な肉体…たっぷり汚してあげる」
アリアは腰の動きを激しいものに変えると射精にむけて急いだ
激しく動き始めた腰の動きにつられてミリアムの肉体もベットの上で揺れる
男根が凄まじい速さで膣内を出入りしその度にシーツへびちゃびちゃと愛液が飛び散った
「やああ、激し…イクッイクッイクッ!あああーッ!」
悪魔の触手ペニスから与えられる快楽に絶頂へ到達するミリアム
膣が強く収縮し膣内で蠢く悪魔の男根へ快感を伝えた
「ああん…気持ちいい…私もイクッ!」
アリアは膣の最奥でペニスを止めるとドクッ!ドクッ!と
先端からおびただしい量の『種』を放出した
ビュッ!ビュッ!ビュクッ!…ビュクリッ!
悪魔の精液は留まることをしらず、ミリアムの膣を満たした後も結合部の隙間から溢れ出た
「アハ…すごい…こんなにたくさん…私の中で種が泳いでる……私、汚れちゃった
でも…どうしてかしら、それがすごく嬉しい…」
虚ろな表情で呟くミリアム、アリアだけがそれを優しく見つめていた
ミリアムの膣内に放出された種子は子宮へ辿り着くと天使の神聖な肉体に
邪悪な気を送り出す
天使としてのミリアムの肉体は悪魔の邪気に犯され、侵食されていく…
そして悪魔へと変わっていった
頭部からは二本の角が…美しかった白い羽は暗黒の色に
尻からは爬虫類の尻尾が生えていく
(ミ…ミリアム…何ということだ…この余りに強大な邪気は…)
天使だった頃の力が強かったせいか悪魔になったミリアムの発する邪気も
凄まじいほどだった…
フィーリアは自分が捕らえられている部屋全体がどす黒いに包まれたかの様な錯覚に陥った
悪魔へ覚醒したミリアムはゆっくりとその瞳を開ける
繋がったままだったアリアは触手ペニスを引き抜くといきなりミリアムへひざまずいた
「悪魔の世界へようこそ…ミリアム様、今までのご無礼をお許しください
ご気分はいかがでしょう?」
今までの態度と裏腹に儀礼的な態度を取るアリア
彼女自身にも分かっているのだ、ミリアムが自分など足元にも及ばない存在になったことが
ミリアムはベッドから降り、自分の悪魔となった肉体を見下ろすと
厭らしく微笑した
「ふふ…悪くないわ…これが新しいわたしなのね…素晴らしいわ
本当に生まれ変わったのね」
「はい、これからはどんな快楽もあなたの望むまま…
あなたほどの力があればどんな者も悪魔へ変えれるでしょう
どうか悪魔の繁栄にお力をお貸しください」
「クスクスッ、そうね…まずは…」
ミリアムはフィーリアの方へ向く
フィーリアは心臓を鷲掴みにされたようなゾッとする恐怖に襲われる…
「…一番身近な果実から頂きましょうか…」
ミリアムの股間からはアリアと同じ醜悪な触手ペニスが生えており
極上の獲物を前にして猛々しくそそり立っていた…
フィーリアの口から声にならない悲鳴がもれる
彼女の心はまさに絶望と言う闇に覆いつくされんとしていた…
続く?…
519 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/17(火) 04:32:41 ID:trQNaBLd
以上です、感想、悪い部分のご指摘待ってます
次で本当に最後にしますので1、2ヶ月待ってください…
大変お持たせしてすいませんです
アスター教の暗躍
468 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 03:04:12 ID:6UlEI0IO
まだ何人か起きてるようなのでアンケ。
寄生シチュと異形後尾シチュ、どっち先に書こうか考え中。
前々から気になっていたゾロアスターネタを取り込んでいるので、悪魔ですな。
469 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/09(月) 03:41:38 ID:N++WMOjk
寄生段階でまずはじっとりと肉体的精神的な微妙な変化を描き、
臨界点達したらしたらどーんと逝っちゃうなり異形化なりってのが好きです
異形交尾はその後からでも遅くはないと思うのです
470 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 03:56:10 ID:6UlEI0IO
>>469
ひょっとして長編を期待してたり?
今回は綿密な設定を考えてないから、それは難しいかも。
まぁ待たれよw
471 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:12:22 ID:6UlEI0IO
「…」
薄暗い部屋に少女が一人、閉じこめられている。
憔悴しきった表情は、そこで何が起きているのかをありありと伝えてくれる。
しかし彼女の様子とは裏腹に、その衣服は奇妙なものだった。
まるで手術を受ける患者のような薄緑のガウンなのだ。
微動だにせず、少女は座ったままの体勢を維持している。
何かを待っている風でもなく、かといって何かを考えている様子でもない。
「!」
監禁されて非人道的な扱いを受けているせいだろうか。
何者かが近づいてくる気配を察知したようだ。
ドアが開き、白衣姿の人間が姿を現す。
「時間よ。来なさい」
「…」
幽鬼のような緩慢な動作で彼女は従った。
連れて行かれた先は鉄の扉で固く締め切られた部屋。
部屋の中央には分厚いガラスの仕切りがあり、その奥には特に何もない。
白衣の女性は少女をその仕切りの奥へ入れる。
そのまま机のコンピュータに向かい、近くにあるマイクで告げた。
「コンディションチェック開始」
マイクはコンピュータに接続されており、音声認識機能を通じて命令が実行される。
ディスプレイに命令承諾のメッセージが表示された。
同時にガラスの奥の部屋にベッドのような台が用意された。
奥に入れられた少女は命令されるべくもなく、その台に仰向けになった。
「…だいぶ従順になったわね。やっと抵抗しても無駄だと分かったのね」
部屋の入り口には別な白衣の女性。
「あぁ、エミリー」
「順調そうじゃない、レイ」
新たに部屋に入ってきたエミリーはそのままレイの元へ行く。
「コンディションチェックを通過すれば、やっと実験が開始できる」
「……にわかには信じられないけどねぇ」
472 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:13:11 ID:6UlEI0IO
「あなたは信じてくれるって分かってるわよ」
二人はコンピュータに接続されている装置に目をやる。
装置には透明な箱が組み込まれており、その中には虹色の球体がただずんでいた。
「最初あなたがアレを持ってきた時は何かと思ったわ」
「そりゃそうよ。私だって……信じられなかったもの」
「あの真面目なレイが、真顔で悪魔の卵だ、なんて言うんだもん」
「エミリーしか信じてくれないと思ったから正直に言ったのよ」
そんな会話の横で、コンピュータは忠実に少女の状態をチェックしていた。
ガラスの向こうではベッドに寝ているだけの少女。
「……終わったわ」
ディスプレイには異常なしの表示。
ついに実験が始められるのだ。
「エミリー」
「あなたが見つけた卵だもの。あなたが押しなさい」
レイはうなずき、実験装置にある赤いボタンを押した。
ガラスの向こうの少女は、名をエルスと言う。
3週間ほど前にここに拉致され、そのまま色々とされた。
(…)
何を考えるでもなく、ただベッドでじっとしている。
もうダメなのは良く理解できた。
親友のシェリー達と一緒に遊んでいたのが夢のようだ。
二度と表に出ることはできず、ここで私は殺される…。
エルスはそう考えていた。
ちょうどガラスの反対側でボタンが押されるのと同時に、ベッドが動き出す。
エルスの身体の形と同じサイズの窪みが出来、そのまま頭を上にして傾く。
473 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:14:18 ID:6UlEI0IO
今回、何をされるかは分からないけれども、逃げられないのは変わりなかった。
装置のボタンが押されると同時に、セットされていた虹色の球体が吸い込まれていく。
サイズとしては直径5センチほどの、ごく小さなものだ。
「これって、どうなるの?」
レイに聞くエミリー。
「装置でいったん中身をスキャンしてみるの。それであの子に与える」
「与えるって……飲ませるとか?」
「あのねぇ、エミリー? 悪魔の卵なのよ?」
レイはエミリーに古びた本を渡す。
「少なくともこの本にはそう書いてある。そして人間にとって悪魔と言えば?」
「言えば? とか軽々しく言われてもねぇ……」
「神に背く存在でしょ。だったら、神に背く方法であの子に与えればいいんじゃないかと」
「………わかった。その、言いにくいけど」
「お○んこよ」
「ちょ」
エミリーは顔を赤くする。
「ちょっと、そんな露骨にねぇ?」
「私たちは神に背くのよ。エミリーが宗教やってないのは知ってるしね」
「うん…」
「別に良いでしょ。成功したら学会に発表できるし、失敗なら闇に葬ればいい」
「闇」
レイの瞳は狂気をたたえている。
「あの子を始末する」
「!!」
エミリーはその台詞に思わず後ずさる。
「逃げる? でもエミリーは逃げないんだよね」
「う…」
「だって逃げられないもんね。あの子捕まえたの、エミリーじゃん」
474 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:14:42 ID:6UlEI0IO
エミリーはうつむく。
レイはそんなエミリーを尻目に、コンピュータのディスプレイを見る。
「うーん、中身は不明か…」
「どうするの?」
「こうするの」
レイは装置の別なスイッチを押した。
「実験するに決まってるじゃん」
二人はガラスの向こうに目を向けた。
斜めに固定されたベッド。
その近くの床から管らしき物が現れた。
「…」
無表情でそれを見つめるエルス。
もはや管がどんな物なのかすら興味がない。
その管はゆっくりとエルスの秘所付近までやってくる。
(今度は………そっち)
なんとなくそうは思ったが、もはやエルスには抵抗する気力も体力も無い。
最低限生きるのに必要な栄養しか与えられていないのだ。
管はエルスの秘所に狙いを定め、そのまま入り込んで来た。
「う……」
その異様な感覚に思わずエルスは声を漏らす。
「っしゃぁ! 入ったー!」
管がエルスの体内に入り込んだのを見てガッツポーズを取るレイ。
エミリーは、こんなレイを見たことがなかった。
「ね、ねぇレイ?」
「何?」
475 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:16:25 ID:6UlEI0IO
「あなた何かあったの?」
「そりゃもう。あの卵を頂いた時に………ンフフ」
「頂いた?」
「まぁその話は後! さぁ、注入しちゃうよ」
コンピュータを操作し、装置に命令を出す。
すると装置に組み込まれている青紫色の液体が減り始めていった。
エルスの体内に入り込んでいる管から、液体が放出され始めた。
生暖かいそれは、結構な勢いでエルスの中に流れ込んでいく。
「…」
管が伸び始めた時から、その根本はガラスの向こうであるのは見えていた。
その管が不自然に膨らんだ部分がこちらに近づいてきている。
『いまあなたに注いでるのは、身体を柔らかくする薬よ。ま、正確には毒薬なんだけどね』
天井に設置されているとおぼしきスピーカーからレイの声が聞こえる。
『その管の膨らみが今回のメインディッシュよ。入れても大丈夫なように、まず薬を注いでるの』
「あれ……なに……」
エルスが静かに声を発した。
『悪魔の卵。あのお方から私が頂いたの』
「…」
誰からもらったとか、そういうことには一切関心が持てなかった。
ただ、自分の身体に何をされるのかくらいは一応知っておきたかったのだ。
『さ、入るわ』
膨らみは管の先端へと姿を消していった。
その後も管は薬を放出し続けたが、3分ほどでエルスから出て行った。
『実験はおしまい。今日はそこで眠っていいわ』
476 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:17:20 ID:6UlEI0IO
エルスはそれを聞くと、目を閉じた。
「レイ?」
「とりあえずはこんなとこ」
ディスプレイには卵が正常に注入された旨が表示されている。
「教えて。誰からもらったの?」
「そんなに知りたいの? いいわ」
レイはディスプレイから目を離し、エミリーの方に向き直る。
「その文献に出てくる人物よ」
「!」
エミリーは手元にある本を開く。
「どれよ」
「わからないかなぁ」
著者名のページを開くエミリーだが、特に知る名前は無い。
「そっか、エミリーは知らないかも」
「こんな名前、学会とかでも聞いたこと無いわ」
「そりゃそうよ」
Angra Mainyu
Drujs
Jahi
「だいたいどこの国よコレ」
「まどろっこしいのは嫌いだったわね、エミリー」
「そうよ。はっきりして」
「その3人は邪神と悪魔」
「…!」
エミリーの表情が凍り付いた。
「そしてあなたもこれから私と同じになるの。…ジャヒー様」
レンの言葉と同時に、妖艶な美女がレンの後ろに現れた。
「ど、どこから…」
477 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:18:05 ID:6UlEI0IO
『最初からここにおったわ。まぁ、我が僕にならなければ見えぬがね』
ほとんど全裸に近い衣服を身につけ、全身に淫気を纏った女が言う。
『レンよ、我が命令をよくぞ完遂した。褒美に今宵はドゥルジと共に可愛がってやろう』
ジャヒーはそういうとレンに後ろから抱きつき、その首筋に舌を這わす。
「はふぅ……うれしいですぅ、ジャヒーさまぁ…」
ジャヒーの全身から発せられる淫気は、既にレンを包み込んでいた。
レンの左手はそのスカートの中に入れられ、せわしなく動き回っている。
『クク、我が淫気は僕によく利く…』
その様子をエミリーはただ見ているだけではなかった。
いかにしてこの場から脱するかを考えていたのだが…
「えみりぃ…、一緒にジャヒー様達にお仕えしようよぉ」
「れ、レン…」
レンはほおを上気させている。
『エミリーとやら? 我が何者かを言ってなかったな』
「!」
その言葉にエミリーは息をのむ。
『我はジャヒー。邪神アンリ=マンユ様の娘にして愛人』
「む、娘で愛人…?」
異様な表現と関係に混乱するエミリー。
「あはぁ…、ジャヒー様は悪魔だから、近親相姦だって全然気にしないんだってぇ」
いつの間にかジャヒーの右手はレンの秘所に潜り込んでいた。
レンは全身を快楽にふるわせ、そう言った。
『性愛と堕落の化身とも言われる』
「っ!!」
そこまで聞いた瞬間、エミリーは踵を返して部屋から全力で出て行った。
「あ!」
『良い…』
追いかけようとするレンを止めるジャヒー。
478 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:18:36 ID:6UlEI0IO
『どのみちあの女は既にドゥルジが目をつけておる』
「ドゥルジ様が?」
『ドゥルジの下僕がエミリーを監視することになる。心配はない』
「はぁい…」
『さて、今夜は寝かさぬぞ? どこで抱いて欲しい?』
「この間は研究室だったんで…、今日はベッドでしっかりとお願いしますぅ」
『ふ、すっかり卑猥な淫奴に墜ちたな…。とても真面目な研究員などには見えぬなぁ』
ジャヒーはレンを抱いたまま、研究室から姿を消した。
ジャヒーとレンが部屋に姿を現すと、そこには既に人影があった。
『ドゥルジか。早いな』
ジャヒーがその人影に話しかけた。
『ん…、実験はどうなったのだ? 人間』
『ドゥルジ』
『む…、レンよ』
ジャヒーはドゥルジに対し、執拗にレンを名前で呼ばせようとする。
「体調が万全だったので、卵を注入しましたぁ。…今は眠っていますぅ」
完全に間延びした口調でレンが報告した。
それもそのはず、相変わらずジャヒーがレンの股間を弄くっているのだから。
『まずは成功ということか?』
ドゥルジの言葉を聞いてか、ジャヒーはレンを解放してドゥルジに突き出した。
レンはそのままドゥルジの身体にすり寄る。
「はい…。後は経過を見て、ということです」
『そういうことだ』
『ふむ…まぁ、ジャヒーがそう言うなら信じても良かろう』
二人の会話を聞きつつも、レンはドゥルジの大腿に股間を擦りつけている。
「あふ、わたしぃ…ドゥルジ様の太ももでオナニーしていいですかぁ?」
『にんげ、いやレンとやら。私はジャヒーとは違う』
479 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:19:34 ID:6UlEI0IO
『良いではないか。レンは今宵、大きな働きをしたのだ。我らこそ僕に褒美を与えるべきよ』
『だがな、自慰をすると人間はどうなるのだ? 私はそれを知らぬ』
ドゥルジはジャヒーのような、性愛に関係する悪魔ではない。
『それは…、レン。説明するがよい』
「わ、私ですか? えーと」
ドゥルジの顔を見ると、真面目な表情だった。
本当に知らないことを察すると、レンは口を開く。
「女性の場合は、全身に強烈な快感を得ると同時に愛液を分泌します」
科学者らしい説明をする。
しかしジャヒーは不満な様子だった。
『わかるか? ドゥルジ』
そのジャヒーの表情は何か企んでいるような微笑。
それを見たドゥルジは、彼女の淫蕩な考えを理解した様子で
『わからぬな。私たちは悪魔であって、人間ではない。わかるように説明せよ』
ドゥルジは右手をレンの額に当てる。
『次で上手く説明できぬ時、レンよ。お前の頭に私の腐敗毒を注ぐぞ』
「ひ…」
『ドゥルジは本気だぞ、レン。我の僕ならば出来て当然なのだが…残念だ』
レンは慌ててすべての服を脱ぐ。
そして近くの机に腰を下ろし、ドゥルジの方を向く。
「こ、ここが人間の生殖器です! 私は女なので、ここはくぼんでるんです!」
『ほう? どう使うのだ?』
「男はここが出っ張っているんです。その出っ張りをここに入れることで、生殖行為ができるんです」
『ただ入れるだけで子が生まれると?』
「い、いいえ! 男が精液という体液を注ぐことで、子供ができる可能性があります」
『必ずしも子が出来る訳ではないと』
「専門家ならその確率が分かるかもしれませんが、私はわかりかねます」
『それで?』
「ここの穴に入れられると、女は快楽を感じます」
『どのくらいの?』
480 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:21:05 ID:6UlEI0IO
「えと…悪魔のお二人の前でこの表現はどうかと思いますが、まさしく天に昇るほどの…」
そこまで言うと、突然ドゥルジが表情をこわばらせる。
『貴様…』
「に、人間の間で使われる表現です! 誤解無きよう…」
ドゥルジはそのまま近づき、大きく右手を振りかぶる。
「あ、あ、命だけは、たす…ひぃっ!!」
恐怖心から目を閉じたレンだったが、特に何も起きなかった。
ゆっくりと目を開けるレン。
『うむ。よく分かった』
満足そうな表情でドゥルジは言った。
『褒美に…レンとやら。お前を作り替えてやろう』
「…え?」
『なに、簡単な話よ。我が毒素とジャヒーの淫術を合わせればな』
ジャヒーと視線を合わせるドゥルジ。
既にジャヒーの表情は笑みを浮かべていた。
『ジャヒー』
『任せておけ』
ジャヒーはレンに近づき、机からベッドの上へと移動させた。
『今宵は寝かせないつもりだったが…ドゥルジがああ言うのは珍しくてな』
「つ、作り替えるって…」
『我とドゥルジの眷属としてやると言っているのだ』
「でもドゥルジ様って…」
『ドゥルジ。自己紹介してやれ』
元々薄暗い部屋が更に暗くなる。
これも悪魔二柱の力だろうか。
『私はドゥルジ。ドゥルジ=ナス』
暗い中、ドゥルジの気配が変わっていく。
『背教。虚偽。そして…』
481 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:21:41 ID:6UlEI0IO
わずかに闇が晴れ、ドゥルジの真の姿が露わになる。
『不浄と疫病の悪魔よ』
その姿は美しくも禍々しい物だった。
青く染まった肌には衣服は無い。
豊満な肉体はジャヒーにこそ劣るが、しかし完璧な造形美であった。
頭部には悪魔の象徴たるねじれた角。
そして背中には蝿の羽根。
『悪魔ジャヒーの僕にして虜たる人間、レン』
「…は、はい」
『お前を私たちの眷属として作り替える。』
ドゥルジの隣にジャヒーが歩み寄る。
『我、ジャヒーの眷属の証として人間を堕落させる魔力を与えよう』
『この私、ドゥルジの眷属の証として不浄を生み出す肉体を与えん』
「私、人間やめちゃうんですね?」
『そうだ。我が命を忠実に実行し、完遂した褒美として』
その言葉が合図になったのか、ジャヒーとドゥルジは同時にレンに飛びかかった。
482 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:23:57 ID:6UlEI0IO
とりあえず全部は無理ぽw
流れとしてはエルスに植え付けられた卵がごにょごにょして、
そんでレンがエミリーをxxxxして、
時にはジャヒーとドゥルジがry
今日はこのくらいで。
ゾロアスターに関しては普通にググれば出てきますので、興味ある方はどうぞ。
まだ何人か起きてるようなのでアンケ。
寄生シチュと異形後尾シチュ、どっち先に書こうか考え中。
前々から気になっていたゾロアスターネタを取り込んでいるので、悪魔ですな。
469 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/09(月) 03:41:38 ID:N++WMOjk
寄生段階でまずはじっとりと肉体的精神的な微妙な変化を描き、
臨界点達したらしたらどーんと逝っちゃうなり異形化なりってのが好きです
異形交尾はその後からでも遅くはないと思うのです
470 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 03:56:10 ID:6UlEI0IO
>>469
ひょっとして長編を期待してたり?
今回は綿密な設定を考えてないから、それは難しいかも。
まぁ待たれよw
471 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:12:22 ID:6UlEI0IO
「…」
薄暗い部屋に少女が一人、閉じこめられている。
憔悴しきった表情は、そこで何が起きているのかをありありと伝えてくれる。
しかし彼女の様子とは裏腹に、その衣服は奇妙なものだった。
まるで手術を受ける患者のような薄緑のガウンなのだ。
微動だにせず、少女は座ったままの体勢を維持している。
何かを待っている風でもなく、かといって何かを考えている様子でもない。
「!」
監禁されて非人道的な扱いを受けているせいだろうか。
何者かが近づいてくる気配を察知したようだ。
ドアが開き、白衣姿の人間が姿を現す。
「時間よ。来なさい」
「…」
幽鬼のような緩慢な動作で彼女は従った。
連れて行かれた先は鉄の扉で固く締め切られた部屋。
部屋の中央には分厚いガラスの仕切りがあり、その奥には特に何もない。
白衣の女性は少女をその仕切りの奥へ入れる。
そのまま机のコンピュータに向かい、近くにあるマイクで告げた。
「コンディションチェック開始」
マイクはコンピュータに接続されており、音声認識機能を通じて命令が実行される。
ディスプレイに命令承諾のメッセージが表示された。
同時にガラスの奥の部屋にベッドのような台が用意された。
奥に入れられた少女は命令されるべくもなく、その台に仰向けになった。
「…だいぶ従順になったわね。やっと抵抗しても無駄だと分かったのね」
部屋の入り口には別な白衣の女性。
「あぁ、エミリー」
「順調そうじゃない、レイ」
新たに部屋に入ってきたエミリーはそのままレイの元へ行く。
「コンディションチェックを通過すれば、やっと実験が開始できる」
「……にわかには信じられないけどねぇ」
472 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:13:11 ID:6UlEI0IO
「あなたは信じてくれるって分かってるわよ」
二人はコンピュータに接続されている装置に目をやる。
装置には透明な箱が組み込まれており、その中には虹色の球体がただずんでいた。
「最初あなたがアレを持ってきた時は何かと思ったわ」
「そりゃそうよ。私だって……信じられなかったもの」
「あの真面目なレイが、真顔で悪魔の卵だ、なんて言うんだもん」
「エミリーしか信じてくれないと思ったから正直に言ったのよ」
そんな会話の横で、コンピュータは忠実に少女の状態をチェックしていた。
ガラスの向こうではベッドに寝ているだけの少女。
「……終わったわ」
ディスプレイには異常なしの表示。
ついに実験が始められるのだ。
「エミリー」
「あなたが見つけた卵だもの。あなたが押しなさい」
レイはうなずき、実験装置にある赤いボタンを押した。
ガラスの向こうの少女は、名をエルスと言う。
3週間ほど前にここに拉致され、そのまま色々とされた。
(…)
何を考えるでもなく、ただベッドでじっとしている。
もうダメなのは良く理解できた。
親友のシェリー達と一緒に遊んでいたのが夢のようだ。
二度と表に出ることはできず、ここで私は殺される…。
エルスはそう考えていた。
ちょうどガラスの反対側でボタンが押されるのと同時に、ベッドが動き出す。
エルスの身体の形と同じサイズの窪みが出来、そのまま頭を上にして傾く。
473 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:14:18 ID:6UlEI0IO
今回、何をされるかは分からないけれども、逃げられないのは変わりなかった。
装置のボタンが押されると同時に、セットされていた虹色の球体が吸い込まれていく。
サイズとしては直径5センチほどの、ごく小さなものだ。
「これって、どうなるの?」
レイに聞くエミリー。
「装置でいったん中身をスキャンしてみるの。それであの子に与える」
「与えるって……飲ませるとか?」
「あのねぇ、エミリー? 悪魔の卵なのよ?」
レイはエミリーに古びた本を渡す。
「少なくともこの本にはそう書いてある。そして人間にとって悪魔と言えば?」
「言えば? とか軽々しく言われてもねぇ……」
「神に背く存在でしょ。だったら、神に背く方法であの子に与えればいいんじゃないかと」
「………わかった。その、言いにくいけど」
「お○んこよ」
「ちょ」
エミリーは顔を赤くする。
「ちょっと、そんな露骨にねぇ?」
「私たちは神に背くのよ。エミリーが宗教やってないのは知ってるしね」
「うん…」
「別に良いでしょ。成功したら学会に発表できるし、失敗なら闇に葬ればいい」
「闇」
レイの瞳は狂気をたたえている。
「あの子を始末する」
「!!」
エミリーはその台詞に思わず後ずさる。
「逃げる? でもエミリーは逃げないんだよね」
「う…」
「だって逃げられないもんね。あの子捕まえたの、エミリーじゃん」
474 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:14:42 ID:6UlEI0IO
エミリーはうつむく。
レイはそんなエミリーを尻目に、コンピュータのディスプレイを見る。
「うーん、中身は不明か…」
「どうするの?」
「こうするの」
レイは装置の別なスイッチを押した。
「実験するに決まってるじゃん」
二人はガラスの向こうに目を向けた。
斜めに固定されたベッド。
その近くの床から管らしき物が現れた。
「…」
無表情でそれを見つめるエルス。
もはや管がどんな物なのかすら興味がない。
その管はゆっくりとエルスの秘所付近までやってくる。
(今度は………そっち)
なんとなくそうは思ったが、もはやエルスには抵抗する気力も体力も無い。
最低限生きるのに必要な栄養しか与えられていないのだ。
管はエルスの秘所に狙いを定め、そのまま入り込んで来た。
「う……」
その異様な感覚に思わずエルスは声を漏らす。
「っしゃぁ! 入ったー!」
管がエルスの体内に入り込んだのを見てガッツポーズを取るレイ。
エミリーは、こんなレイを見たことがなかった。
「ね、ねぇレイ?」
「何?」
475 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:16:25 ID:6UlEI0IO
「あなた何かあったの?」
「そりゃもう。あの卵を頂いた時に………ンフフ」
「頂いた?」
「まぁその話は後! さぁ、注入しちゃうよ」
コンピュータを操作し、装置に命令を出す。
すると装置に組み込まれている青紫色の液体が減り始めていった。
エルスの体内に入り込んでいる管から、液体が放出され始めた。
生暖かいそれは、結構な勢いでエルスの中に流れ込んでいく。
「…」
管が伸び始めた時から、その根本はガラスの向こうであるのは見えていた。
その管が不自然に膨らんだ部分がこちらに近づいてきている。
『いまあなたに注いでるのは、身体を柔らかくする薬よ。ま、正確には毒薬なんだけどね』
天井に設置されているとおぼしきスピーカーからレイの声が聞こえる。
『その管の膨らみが今回のメインディッシュよ。入れても大丈夫なように、まず薬を注いでるの』
「あれ……なに……」
エルスが静かに声を発した。
『悪魔の卵。あのお方から私が頂いたの』
「…」
誰からもらったとか、そういうことには一切関心が持てなかった。
ただ、自分の身体に何をされるのかくらいは一応知っておきたかったのだ。
『さ、入るわ』
膨らみは管の先端へと姿を消していった。
その後も管は薬を放出し続けたが、3分ほどでエルスから出て行った。
『実験はおしまい。今日はそこで眠っていいわ』
476 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:17:20 ID:6UlEI0IO
エルスはそれを聞くと、目を閉じた。
「レイ?」
「とりあえずはこんなとこ」
ディスプレイには卵が正常に注入された旨が表示されている。
「教えて。誰からもらったの?」
「そんなに知りたいの? いいわ」
レイはディスプレイから目を離し、エミリーの方に向き直る。
「その文献に出てくる人物よ」
「!」
エミリーは手元にある本を開く。
「どれよ」
「わからないかなぁ」
著者名のページを開くエミリーだが、特に知る名前は無い。
「そっか、エミリーは知らないかも」
「こんな名前、学会とかでも聞いたこと無いわ」
「そりゃそうよ」
Angra Mainyu
Drujs
Jahi
「だいたいどこの国よコレ」
「まどろっこしいのは嫌いだったわね、エミリー」
「そうよ。はっきりして」
「その3人は邪神と悪魔」
「…!」
エミリーの表情が凍り付いた。
「そしてあなたもこれから私と同じになるの。…ジャヒー様」
レンの言葉と同時に、妖艶な美女がレンの後ろに現れた。
「ど、どこから…」
477 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:18:05 ID:6UlEI0IO
『最初からここにおったわ。まぁ、我が僕にならなければ見えぬがね』
ほとんど全裸に近い衣服を身につけ、全身に淫気を纏った女が言う。
『レンよ、我が命令をよくぞ完遂した。褒美に今宵はドゥルジと共に可愛がってやろう』
ジャヒーはそういうとレンに後ろから抱きつき、その首筋に舌を這わす。
「はふぅ……うれしいですぅ、ジャヒーさまぁ…」
ジャヒーの全身から発せられる淫気は、既にレンを包み込んでいた。
レンの左手はそのスカートの中に入れられ、せわしなく動き回っている。
『クク、我が淫気は僕によく利く…』
その様子をエミリーはただ見ているだけではなかった。
いかにしてこの場から脱するかを考えていたのだが…
「えみりぃ…、一緒にジャヒー様達にお仕えしようよぉ」
「れ、レン…」
レンはほおを上気させている。
『エミリーとやら? 我が何者かを言ってなかったな』
「!」
その言葉にエミリーは息をのむ。
『我はジャヒー。邪神アンリ=マンユ様の娘にして愛人』
「む、娘で愛人…?」
異様な表現と関係に混乱するエミリー。
「あはぁ…、ジャヒー様は悪魔だから、近親相姦だって全然気にしないんだってぇ」
いつの間にかジャヒーの右手はレンの秘所に潜り込んでいた。
レンは全身を快楽にふるわせ、そう言った。
『性愛と堕落の化身とも言われる』
「っ!!」
そこまで聞いた瞬間、エミリーは踵を返して部屋から全力で出て行った。
「あ!」
『良い…』
追いかけようとするレンを止めるジャヒー。
478 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:18:36 ID:6UlEI0IO
『どのみちあの女は既にドゥルジが目をつけておる』
「ドゥルジ様が?」
『ドゥルジの下僕がエミリーを監視することになる。心配はない』
「はぁい…」
『さて、今夜は寝かさぬぞ? どこで抱いて欲しい?』
「この間は研究室だったんで…、今日はベッドでしっかりとお願いしますぅ」
『ふ、すっかり卑猥な淫奴に墜ちたな…。とても真面目な研究員などには見えぬなぁ』
ジャヒーはレンを抱いたまま、研究室から姿を消した。
ジャヒーとレンが部屋に姿を現すと、そこには既に人影があった。
『ドゥルジか。早いな』
ジャヒーがその人影に話しかけた。
『ん…、実験はどうなったのだ? 人間』
『ドゥルジ』
『む…、レンよ』
ジャヒーはドゥルジに対し、執拗にレンを名前で呼ばせようとする。
「体調が万全だったので、卵を注入しましたぁ。…今は眠っていますぅ」
完全に間延びした口調でレンが報告した。
それもそのはず、相変わらずジャヒーがレンの股間を弄くっているのだから。
『まずは成功ということか?』
ドゥルジの言葉を聞いてか、ジャヒーはレンを解放してドゥルジに突き出した。
レンはそのままドゥルジの身体にすり寄る。
「はい…。後は経過を見て、ということです」
『そういうことだ』
『ふむ…まぁ、ジャヒーがそう言うなら信じても良かろう』
二人の会話を聞きつつも、レンはドゥルジの大腿に股間を擦りつけている。
「あふ、わたしぃ…ドゥルジ様の太ももでオナニーしていいですかぁ?」
『にんげ、いやレンとやら。私はジャヒーとは違う』
479 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:19:34 ID:6UlEI0IO
『良いではないか。レンは今宵、大きな働きをしたのだ。我らこそ僕に褒美を与えるべきよ』
『だがな、自慰をすると人間はどうなるのだ? 私はそれを知らぬ』
ドゥルジはジャヒーのような、性愛に関係する悪魔ではない。
『それは…、レン。説明するがよい』
「わ、私ですか? えーと」
ドゥルジの顔を見ると、真面目な表情だった。
本当に知らないことを察すると、レンは口を開く。
「女性の場合は、全身に強烈な快感を得ると同時に愛液を分泌します」
科学者らしい説明をする。
しかしジャヒーは不満な様子だった。
『わかるか? ドゥルジ』
そのジャヒーの表情は何か企んでいるような微笑。
それを見たドゥルジは、彼女の淫蕩な考えを理解した様子で
『わからぬな。私たちは悪魔であって、人間ではない。わかるように説明せよ』
ドゥルジは右手をレンの額に当てる。
『次で上手く説明できぬ時、レンよ。お前の頭に私の腐敗毒を注ぐぞ』
「ひ…」
『ドゥルジは本気だぞ、レン。我の僕ならば出来て当然なのだが…残念だ』
レンは慌ててすべての服を脱ぐ。
そして近くの机に腰を下ろし、ドゥルジの方を向く。
「こ、ここが人間の生殖器です! 私は女なので、ここはくぼんでるんです!」
『ほう? どう使うのだ?』
「男はここが出っ張っているんです。その出っ張りをここに入れることで、生殖行為ができるんです」
『ただ入れるだけで子が生まれると?』
「い、いいえ! 男が精液という体液を注ぐことで、子供ができる可能性があります」
『必ずしも子が出来る訳ではないと』
「専門家ならその確率が分かるかもしれませんが、私はわかりかねます」
『それで?』
「ここの穴に入れられると、女は快楽を感じます」
『どのくらいの?』
480 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:21:05 ID:6UlEI0IO
「えと…悪魔のお二人の前でこの表現はどうかと思いますが、まさしく天に昇るほどの…」
そこまで言うと、突然ドゥルジが表情をこわばらせる。
『貴様…』
「に、人間の間で使われる表現です! 誤解無きよう…」
ドゥルジはそのまま近づき、大きく右手を振りかぶる。
「あ、あ、命だけは、たす…ひぃっ!!」
恐怖心から目を閉じたレンだったが、特に何も起きなかった。
ゆっくりと目を開けるレン。
『うむ。よく分かった』
満足そうな表情でドゥルジは言った。
『褒美に…レンとやら。お前を作り替えてやろう』
「…え?」
『なに、簡単な話よ。我が毒素とジャヒーの淫術を合わせればな』
ジャヒーと視線を合わせるドゥルジ。
既にジャヒーの表情は笑みを浮かべていた。
『ジャヒー』
『任せておけ』
ジャヒーはレンに近づき、机からベッドの上へと移動させた。
『今宵は寝かせないつもりだったが…ドゥルジがああ言うのは珍しくてな』
「つ、作り替えるって…」
『我とドゥルジの眷属としてやると言っているのだ』
「でもドゥルジ様って…」
『ドゥルジ。自己紹介してやれ』
元々薄暗い部屋が更に暗くなる。
これも悪魔二柱の力だろうか。
『私はドゥルジ。ドゥルジ=ナス』
暗い中、ドゥルジの気配が変わっていく。
『背教。虚偽。そして…』
481 FBX@eraアスター教の暗躍 ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:21:41 ID:6UlEI0IO
わずかに闇が晴れ、ドゥルジの真の姿が露わになる。
『不浄と疫病の悪魔よ』
その姿は美しくも禍々しい物だった。
青く染まった肌には衣服は無い。
豊満な肉体はジャヒーにこそ劣るが、しかし完璧な造形美であった。
頭部には悪魔の象徴たるねじれた角。
そして背中には蝿の羽根。
『悪魔ジャヒーの僕にして虜たる人間、レン』
「…は、はい」
『お前を私たちの眷属として作り替える。』
ドゥルジの隣にジャヒーが歩み寄る。
『我、ジャヒーの眷属の証として人間を堕落させる魔力を与えよう』
『この私、ドゥルジの眷属の証として不浄を生み出す肉体を与えん』
「私、人間やめちゃうんですね?」
『そうだ。我が命を忠実に実行し、完遂した褒美として』
その言葉が合図になったのか、ジャヒーとドゥルジは同時にレンに飛びかかった。
482 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2008/06/09(月) 04:23:57 ID:6UlEI0IO
とりあえず全部は無理ぽw
流れとしてはエルスに植え付けられた卵がごにょごにょして、
そんでレンがエミリーをxxxxして、
時にはジャヒーとドゥルジがry
今日はこのくらいで。
ゾロアスターに関しては普通にググれば出てきますので、興味ある方はどうぞ。