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魔天使 後編1
510 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:04 ID:trQNaBLd
「くしゅん…うう…体がだるいよ~…」
ベットに寝込みながら私は変わらない天井を見つめる
隣で心配そうに見ているラケルさんが苦笑した
「ええ、熱が38度もあるんですから、当然です
今はゆっくり休んで養生してください」
「は~い…」
あの日雨に当たり続けた私は当然のように風邪を引いてしまった
それからというものベットで横たわり3日も続けて学校を休む破目になった
ぶっちゃけ学校に行きたい気分でもなかったけど
でもとなりでラケルさんがずっと看病してくれてたのが
とても嬉しかったな…
お母さんときたらずぶ濡れで帰ってきた私に呆れて物も言えなかったようだし…
「でも、残念ですねこの時期に風邪を引いてしまうなんて」
「いいよラケルさん、どうせ行く気なんてなかったし」
ラケルさんが残念だと言ったのは明日、私たち天使の首都で行われる
お祭りのことだ
悪魔達へ勝利した記念祭であり、一週間に渡って長く行われる
このお祭りの日は学校も休みになるから
アリアや他の友達と遊びに行こうと約束していた
でも今はそれもオジャンだ
アリアとの仲がああなってしまったのはもう気にしていない
というと嘘になる…本当は思い出すだけで心が痛い
けど過ぎてしまったことを気にしてもしょうがないと
思えるようにだけはなった
それはひとえにラケルさんのお陰だと思ってる
一緒に他愛もない話をしたり、やさしく手を握ってくれたり
辛いときラケルさんが側にいてくれたお陰で、少し心が軽くなった
だからラケルさんには感謝してる
お母さんにかわって嫌な顔ひとつせず看病してくれていることも
本当に優しい人だな…って思う
でも…
「ねえ、ラケルさん」
「はい?なんですか、エリスさん」
濡れたタオルを新しく交換していたラケルさんがこっちを振り向く
「どうしてラケルさんは、私にこんなに優しくしてくれるんですか?
確かに私は…ラケルさんをあの場所から助けたけれど…
私に優しくしてくれるのは…それの…恩返しなんですか…
…ごめんなさい…変なこと聞いて…でも不安で…
いつかラケルさんがどこかに行ってしまうんじゃないかって」
私はひどく無神経なことを聞いているのかもしれない
ラケルさんを知らず傷つけることを言っているかもしれない
けど一度聞いてみたかったラケルさんの心を…
いつも私に笑いかけてくれる理由を…
511 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:45 ID:trQNaBLd
私の言葉にもラケルさんの顔は普段となにも変らなかった
慈母のように優しい笑顔
そして寝ている私の手を両手で包んだ
「エリスさん、私があなたに優しくするのは確かに助けてもらった恩もあります
けれど恩を返し終わったらエリスさんの前から消えてしまうなんてことはしません
そんなことをしたらエリスさんが悲しむでしょう…
あなたに優しくするのは恩からだけじゃない…
私が…あなたの友達だからですよ」
「とも…だち…?」
「ええ、私はエリスさんのこと友達だと思っています
私たちは出会ってから短い月日しか経ってないけれど
私にとってエリスさんはかけがえのない人です
世界でたった一人の私の始めての友達…
だからあなたには笑っていて欲しい、あなたの笑顔をみていると
私の心も明るい気分になるんです、だから…」
「ラケルさん…」
私の心に安心感とも嬉しさとも分からない感情が溢れる
他者から大切な存在だと言われることがこんなにも嬉しいなんて…
「私も…ラケルさんのことかけがえのない友達だと思ってます!
永遠なんてものはないけれど…できるなら…
ずっと友達でいたいです…」
私は感情の溢れるままに言葉を紡ぐ
「ええ…本当に…ずっと友達でいられたなら…」
ラケルさんはそこで言葉を切る
そこから物思いに耽るような顔をする
遠い日々を懐かしむような…
「ラケルさん?…」
訝しげな私の視線に気づいたのかラケルさんは
取り繕うように言った
「さぁ、もう寝ましょう、エリスさん
風邪を治すには寝るのが一番ですよ」
「はい、ラケルさん」
ラケルさんは一度私の頬に手を当てると部屋を出て行った
真っ暗になった部屋で私は目を閉じる
明日になったらラケルさんと何をしよう?トランプでもしようかな?
私はアリアという親友を失ってしまった
もう決して元には戻れない、心に開いてしまった大きな穴
だけどその穴をラケルさんが埋めてくれた気がする
これからもずっと一緒にいられたらいいな…
お母さんとラケルさんと私と、3人でずっと…
そして翌日目覚めたエリスはもぬけの殻となった
家と町を見たのだった
そう、自分以外誰一人いない町を…
512 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:22 ID:trQNaBLd
天使達の首都、アルカディア
人口数万人を超える華やかなる都
そこでは天使軍を勝利に導いた女王エルリスとその騎士コーデリアによって
統治されていた
その汚れなき都に今、悪魔たちの毒牙が掛かろうとしていく
悪魔軍勝利の記念すべき祭りの初日の夜
天使達は祝いと喧騒に酔い小さな宿の複数の嬌声に
気づかずにいる
「クスッ、どう?初めて味わう悪魔のペニスは…」
「はぁあっ……、いい、いいわ…もっと、もっとぉ~~」
町娘と思われる若い天使がとある宿の一室で悪魔へ犯されていた
両手をベットに拘束されながらも娘の顔は喜悦に満ちている
悪魔の秘所から伸びた触手ペニスがその原因だった
娘の秘所へ潜り込みながら蠢くそれは
所々に瘤のような突起物を備え、娘の肉体から快楽を引き出していく
娘の汚れのなかった秘所もまた
初めて味わう悪魔の快楽を貪欲に受け入れ
サーモンピンクの女陰からドロドロとした濃い愛液が流れていく
「ああぁ…どうして…どうしてこんなに気持ちいいの…
気持ちよすぎて…おかしくなりそう」
身体中から吹き出ている汗の多さが娘の肉体の興奮を現している
犯される前は恐ろしさでいっぱいだったのに
今ではすっかり悪魔のペニスの虜だ
悪魔はそんな娘の耳元でゆっくりと囁く
「いいのよ…おかしくなりなさい、天使としてのあなたは消えて
新しい悪魔としてのあなたが目覚める…」
悪魔は上下運動を早めるといよいよ『種』を植えつける準備をする
「あん!はぁぁ!…激し…すぎ…て…わた…し…壊れ……ああんっ!!」
余りの抽挿の激しさに娘の身体が跳ね上がる
悪魔の肉体から邪悪なオーラが発せられると娘の体を包み込む
天使の羽から発せられる光のオーラを侵食するために…
「あふ…あはぁぁぁぁぁ…」
もう娘の瞳からは光は失せ、変って支配しているのは果てない闇
それは彼女を悪魔化させる用意が整ったということだった
「さぁ、いくわよ…」
悪魔は二度三度強く腰を打ち据えると、娘の胎内に大量の悪魔の『種』を解き放った
胎内に蒔かれた種子たちはすでに寄生させられていた悪魔の卵と受精すると
娘の肉体を悪魔へと変え始めた
「あ…ああ…私の身体…すごく…熱い…別のモノに変ってイク…」
「ふふ…ようこそ…私たち悪魔の世界へ…」
常識を超える快感を味わったためか、娘は気を失う
そして肉体はたちまち悪魔のものへと生まれ変わった
犯していた悪魔はそれを見届けると男根を引き抜き
ベットの上で一息ついた
513 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:55 ID:trQNaBLd
「ふぅ…ようやくこれで20人目、なかなか大変だわ…」
「あら、もう根を上げてしまったの?フローラ先生」
フローラが振り向くとそこにはいつのまにかアリアが
扉の前に立っていた
「アリア様…いつのまに…いえ、そんなことはありませんわ
悪魔を増やしあの方にご奉仕できるのは私にとっても喜びですもの」
「ふふふ、真面目ねフローラ先生は…まぁ私も張り切って
朝から50人ぐらい『種』を植えつけてきたんだけどね」
肩をすくめながらアリアは笑う
すでに二人のいる宿は主人や従業員を含め全て悪魔へと変っている
二人が何を話そうが天使たちにばれる事はないということだ
「ですが大丈夫なのですか、初日からこんなにも大勢の天使を悪魔に変えて…
確かにこの勢いなら国民数万人を全て悪魔に変えるのに一週間もあれば十分でしょう
しかし中には我々悪魔の邪気に気づくものもいるのでは?」
外の喧騒を部屋の窓から眺めるアリア
何事か思案しているようにも見える
「そうね、私たちがいくら普段天使になれるといっても
天使に『種』を植える時には必然的に邪気を発せざるをえないもの」
「ではどうしてですか?悪魔の存在が公になったら以前のように
皆殺しの憂き目に合うのでは!?」
「クスッ、心配いらないわ、あの方は全て見通してらっしゃるから
天使たちはね、長い間平和の暮らしをしてきたせいで
能力自体が極端に低下しているのよ、悪魔の邪気も感じ取れないほどにね
以前の大戦の時のような力を保っているのはごくわずか…
そう、あの鮮血の天使コーデリアのような…
だから早急に彼女を堕とす必要があるわ…けど将を射んとすれば馬から…
まずは彼女の副官のユリアからね…
楽しみだわ…純白の天使たちが悪魔に変っていくのは!!アハハハハッ!!」
これから起きることを想像してアリアは笑わずにはいられなかった
天使が全て悪魔へ変ったら、世界そのものが変る
規律や模範に縛られない、自由と快楽の世界が生まれるのだ
アリアの哄笑をフローラの言葉が遮った
「アリア様…あの方は…ラケル様はここへいらっしゃってるのですか?」
笑いを止めるとアリアはフローラへ顔を向ける
「ええ、来ているわ…私たちの行動も天使たちのことも
ラケル様はすべて見てらっしゃる…あの方がエルリスにかわって
この世界の新たな女王となるわ…ふふ…楽しみね、フローラ先生…」
514 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:27:32 ID:trQNaBLd
夜も更けた頃、都の中心にそびえ立つ女王エルリスの住まう城
その城の一室で二人の天使が読書に耽っていた
二人とも周囲が呆然とするような美しい容姿を備えている
銀の髪と黒の髪とが対照的だった
銀髪の天使が読んでいる本に目を落としながら口を開く
「なぁ、ユリア…今日は妙な気配を感じないか…」
ユリアと呼ばれた黒髪の天使が読んでいる本を閉じると銀髪の天使に顔を向けた
「ええ、コーデリア…私も朝からなんだか胸騒ぎがするの…」
ユリアは不安そうに顔を潜める
彼女の胸騒ぎの理由は、決してあってはならないものだったから…
「その胸騒ぎのわけは、悪魔の邪気を感じたことか…」
コーネリアが言い放つと二人の間に並々ならぬ鬼気が漂った
「ええ、そうよ…だけどありえるかしら…悪魔が復活したなんて
悪魔は一匹残らず殺したはずじゃ…」
「ああ…だが万が一ということもある、現に町で感じた邪気は数十にも上った…
生き残りがいたのかもしれん…どうやってこの町に入り込んだかは不明だが
このまま放っておく訳にもいくまい、私が調べてこようと思う」
椅子から立ち上がろうとするコーデリアをユリアが押し留める
「待ってコーデリア、調査なら私にやらせて」
「何故だ?ユリア」
「もし本当に悪魔の生き残りがいたのなら私の目で確かめたいの
あの大戦のとき、私たちはなんの罪もない悪魔たちまで皆殺しにしたわ
罪悪感がないとは言わない、彼らは復讐の為に来ているのかもしれない
だからこそ、生き残りがいるならわたしの手で殺したい…
復讐に燃える彼らが他の天使達を傷つける前に…」
「…ユリア…」
ユリアとコーデリアの間に長い沈黙が下りる
互いに見詰め合ったまま二人はなにも喋らなかった
沈黙を破ったのはコーデリアの深い溜息だった
「いいだろう、お前がそういうのなら任せる
ただしくれぐれも気をつけろよ、悪魔は狡猾だからな…」
ユリアはさっきまでの真剣な表情を崩しニコっと笑った
「ありがとう…コーデリア、心配については大丈夫よ
手練の護衛を二人つけるから、それじゃあ行って来るわ
彼ら悪魔が何かしでかさない内にね」
立ち上がるとユリアは出て行った
その背中を心配そうにコーデリアは見つめる
(本当に何事もなくすめばいいが…悪魔たちめ…なぜ祭りの日を狙って…
それに…朝から夜まで悪魔の邪気の数が
少しずつだが増えているのが気になる…まさか…)
コーデリアは自分の心の臓が冷たくなるような嫌な予感に身体を震わせた…
515 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:05 ID:trQNaBLd
(まずは邪気の発信地の調査からね…)
部下である手練の天使二人を引き連れながら
夜の都を闊歩するユリア、道行く天使達も
コーデリアの副官である彼女の姿に興味深そうに視線を寄こしていた
「フィーリア、ミリアム、さっき話した通り
この任務は悪魔の生き残りを発見すること、及びその存在の抹殺よ
大戦が終わって以来最悪の任務と言っていいわ…覚悟は出来てる?」
確認するようにユリアは後ろの部下を振り返る
二人は応えるかのように不敵に笑った
「ご冗談を…ユリア様、このフィーリア、悪魔達への憎しみは
一日たりとも忘れたことはありません
この任務、恐怖どころか喜びのほうが勝っていますよ」
「私もです、この命、あの日からユリア様の為に使うと誓いました
いかような困難でもお受けしましょう」
フィーリア、彼女は家族を悪魔に殺されており
悪魔達への憎しみは人一倍大きい、その悪魔達への
容赦ない残虐ぶりは味方すらも恐れさせたほどだ
またミリアムとは共に戦った戦友でありフィーリアが
ユリア以外で唯一心を許せる存在である
天軍でもかなりの実力を持つ
ミリアム、先の大戦の折、ユリアに助けられて以来
彼女に絶対の忠誠を誓っている天使
物怖じしない性格であり、周囲から孤立していたフィーリアにも
親しげに話しかけ、彼女の友人となった存在だ
元来穏やかな性質だがユリアの為ならば
非情にも徹することが出来る
以上の二名の天使がユリアがもっとも信頼を寄せている天使であり
軍の中でも選り抜きの実力を持つものたちである
「ありがとう、フィーリア、ミリアム、じゃあ…行きましょう!」
二人の顔をみつめ頷くユリア
フィーリアとミリアムも頷き返す
『はいッ!!』
そうして三人が邪気の発信源を捜索して一時間が経った頃
「ユリア様ッー!!助けてッー!!」
一人の少女が三人のいる方へ向かってきた
身構える二人を手で制すユリア
少女はぜぇ…ぜぇ…と荒く息を吐いている
よく見れば目元が涙で赤く腫れていた
年の頃は人間で言えば10歳ぐらいだろう
ユリアは少女に近づくと優しく声をかけた
「どうしたのお嬢ちゃん、そんなに急いで…なにがあったの?」
少女は急いで息を整えると早口でまくし立てた
「あの!あの!悪魔が出たの!それで私のお母さんがさらわれて!
私どうしたらいいのか、分からなくて…」
3人の間に緊張が走る、ユリアは部下達に目配せをすると
ゆっくりと少女に話しかけた
「そう、悪魔が出たのね…ねぇお譲ちゃん、お母さんがさらわれた場所に
私たちを案内してくれないかしら、大丈夫、お母さんは私たちが助けるわ」
少女は泣きじゃくりながら頷いた
516 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:34 ID:trQNaBLd
少女に案内され辿り着いた場所は人気のない路地裏だった
「お譲ちゃん、ここでお母さんがさらわれたの?」
「うん…そうだよ」
フィーリアが辺りを見回す
「確かに、ここには悪魔の邪気の残り香が感じられます
ついさっきまでいたかのような…」
忌々しそうにフィーリアは顔を歪める
悪魔の邪気を感じて昔の記憶を思い出しているのだろう
フィーリアの言葉にミリアムはクスッと笑った
「ミリアム、私はなにか可笑しなことでもいったか?」
「いえ、あなたでも勘が鈍る事もあるのだなと思っただけよ
フィーリア、さっきまでじゃないわ、たった今私たちは悪魔に囲まれている…
そうでしょう?ユリア様」
「ええ、そうね、どうやら待ち伏せされていたみたいだわ」
ユリアがそういうと周囲に伏せていただろう悪魔達が現れた
その数およそ30はくだらないだろう
それでも三人の闘志が萎えることはなかった
「ふん、たかだか十数人ぽっちで私たちとやりあおうとは
舐められたものだな」
「ええ、まったく、この程度なら3分でかたがつくわ」
意気高揚している二人に対してユリアは冷静だった
「油断しないで、フィーリア、ミリアム
敵もなんの勝算もなしに私たちの前に現れたわけじゃないのよ
それより私たちが囲まれるまでなんの気配も感じさせなかった方が
恐ろしいわ」
ユリアの発言に二人も自然と昂ぶった気を落ち着かせた
戦場では油断、隙、驕りなどがもっとも危険であることを二人も思い出したのだ
取り囲んでいる悪魔達と3人の天使たちの間に一触即発の空気が流れる
それが何分か続いた頃、悪魔達の中から一人の悪魔が3人に寄ってきた
まだ少女と言える年頃の悪魔は3人に近づくと不敵に笑った
「こんばんわ、私の名はアリア、あなた達はコーデリアの副官ユリアと
その部下フィーリアとミリアムですわね」
「いかにも、私は天使長コーデリアの副官ユリア…
あなた…アリアといったわね、なにが目的?この少女の母親をさらったのはあなた達ね」
「ええ、目的といえば簡単なことですわ、あなた達3人、悪魔になる気はないかしら?」
その言葉にカッとなったのはフィーリアだった、怒りを露にしアリアを罵倒する
「ふざけるなっ!!だれがお前達汚らわしい悪魔になどなるか!
冗談も大概にしろっ!!」
アリアは残念そうにため息をつく
「そう残念…あなた達が悪魔になってくれたらコーデリアの攻略も楽なんだけど…
なら…無理やり仲魔になって貰うしかないわね
あなたもフィーリアさんと同じ意見かしら、ユリアさん…」
フィーリアとアリアのやりとりを黙って聞いていたユリアは
アリアを睨むと冷厳ともいえる声で言った
「そうね、わたしから一言いえるなら…
悪魔になるぐらいだったらゴキブリに生まれ変わる方がましだわ…」
アリア一瞬虚を突かれた様な表情を見せた後、すぐにその顔を憎しみで彩らせた
「そう…なら!あんた達三人は絶対に悪魔にしてあげる!セーラ!!」
アリアが叫ぶと3人の後ろにいた少女が懐から袋を取り出し周囲にぶちまけた
袋から放たれた煙は一瞬で3人を包み込む
(この煙!まさか睡眠煙ッ!!)
ユリアがそう気づいたのも遅く、フィーリアとミリアム同様
ユリアの意識は奈落へと沈んでいった
眠りに陥った3人の天使をアリアは邪悪な笑みを浮かべ見下ろした
この光景を丸く光る月だけが見つめていた
517 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:29:12 ID:trQNaBLd
「アハッ!いいッ!!…イクゥッ!!気持ちいいっっ!」
誰かの心地のよさそうな叫び声でフィーリアは目を覚ました
ぼんやりとした頭でなんとか現状を把握しようとする
(ここは…どこだ…そうだ、催眠煙を吸ったせいで…
…助けを求めた少女もグルだったのか…しかし邪気を感じなかったというのに何故だ…
ミリアムは…ユリア様は…どうしたのだろう…)
手足を動かそうとするとまだ煙の後遺症が残っているのか満足に動かすことも出来なかった
(身体の方は…まだ動かないか…クソッ…悪魔に遅れを取るとは何たる失態っ!)
憎しみに心を滾らせ自分の失態に怒るフィーリア
彼女にとって睡眠煙などという単純なものにひっかかり
悪魔の罠に嵌ったことは何よりの屈辱だった
「あふっ…ああっ…もう…限界…これ以上イッたら壊れちゃうっ!」
目覚めた時に聞いた声で、フィーリアは意識をそらされる
(さっきから聞こえる、この声はなんだ…)
フィーリアが声の方へ顔を向けると信じがたいものが眼前に映った
「ふあ…ああああっ…やぁ、あはぁ…あん…」
フィーリアより少し離れたベッドの上でミリアムが喘いでいた
そしてミリアムを喘がせている者こそフィーリア達3人にアリアと名乗った悪魔だった
アリアの陰部から伸びた筒状の物体はミリアムの秘所に入り込み貫いている
触手ペニスの抜き差しを繰り返しながらアリアは徐々にミリアムを絶頂へと追い上げていた
「ああ…すっごくいい、すごく太いのが私の中で動いてる…まるで生き物みたい…
なんて逞しくて、素晴らしいのかしら…ああん!!」
気持ちよさそうにミリアムは呻き、膣を貫いている物に賛美の言葉をかけた
「どうやら喜んでくれてるみたいでよかったわ、ふふ…もう悪魔になるのも嫌じゃないでしょう」
「ええ、だってすごく気持ちいいんですもの…早く私を悪魔にして…」
切なげにミリアムは吐息を漏らし、膣内をきつく締め付けた
いきなりの快感にアリアは声を上げて反応してしまう
「ああんっ!だめよ…ミリアムさん、そんなにきつくしたら…すぐイっちゃう…」
「いいじゃない…ほら私の中であなたのモノがすごく悦んでる…かわいい♪」
性の快楽に溺れ、悶えるミリアムの姿は普段の彼女を知るものが見たら
卒倒しそうなほどの豹変ぶりだった
フィーリアもまた例外ではなかった
眼前の惨状にフィーリアの心の恐怖とも憎しみとも付かぬ感情が声になって出てきた
「きっさまぁぁぁっ!!!ミリアムに何をしているっっ!!」
アリアは今気づいたという表情でフィーリアを振り返る
「あら…あなた起きてたの?何をしてるってそりゃあセックスと…た・ね・つ・け・よ♪」
「た…種付けだと…」
種付けという言葉にフィーリアの体温がゆっくりと下がっていく
「そう、今ミリアムさんに悪魔の『種』を植えつけている最中よ
天使の神聖な子宮に、悪魔の邪悪な『種』が注がれて初めて天使は堕天するの、おわかり?」
アリアから明かされる出来事にフィーリアは身体が震え出すのを止められない
天使が悪魔に生まれ変わるという余りにも恐ろしい事と
親友であるミリアムが犯され今まさに悪魔にならんとしている事実
今まで憎んできた悪魔に親友が成ろうとしているのはフィーリアにとってなによりおぞましい事だった
フィーリアは必死になってとめようとする、それが無駄なことだと分かっていても
「やめろ!!やめてくれっ!ミリアムを悪魔に変えないでくれぇっ!!」
「駄目ね、言ったでしょう、あなた達3人は絶対に悪魔にするって…
それにミリアムさんは嫌がってないわよ、ねぇ?」
言われてフィーリアを見るミリアムの目はトロンとしていて、もはや正気がないことは確かだった
「ええ、嫌じゃないわ…私…早く悪魔になりたいの…フィーリアも一緒に
悪魔になりましょう…悪魔の世界はきっととても素晴らしいものだわ…」
暗く濁ったミリアムの瞳を見て、フィーリアはもうミリアムを元に戻すことは無理だと悟った…
518 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:30:16 ID:trQNaBLd
「ミ…ミリアム……」
友の変貌に声を失うフィーリア
「ね、ミリアムさんの心はもう悪魔になることを望んでいるのよ」
「黙れッ!それはミリアムの意思じゃない!お前がそう仕向けたんだろうっ!!」
「フッ、どっちにしてももう手遅れよ…」
フィーリアへ向けて喋りながらもミリアムへ快楽を与える行為をやめようとしないアリア
ミリアムの顔も絶頂へと向けて陶然としてきた
「ああぁぁ…いい…気持ちいいよ…早くあなたの『種』が…欲しい…」
「心配しなくても、もうすぐたっぷり出るわ…あなたの綺麗な肉体…たっぷり汚してあげる」
アリアは腰の動きを激しいものに変えると射精にむけて急いだ
激しく動き始めた腰の動きにつられてミリアムの肉体もベットの上で揺れる
男根が凄まじい速さで膣内を出入りしその度にシーツへびちゃびちゃと愛液が飛び散った
「やああ、激し…イクッイクッイクッ!あああーッ!」
悪魔の触手ペニスから与えられる快楽に絶頂へ到達するミリアム
膣が強く収縮し膣内で蠢く悪魔の男根へ快感を伝えた
「ああん…気持ちいい…私もイクッ!」
アリアは膣の最奥でペニスを止めるとドクッ!ドクッ!と
先端からおびただしい量の『種』を放出した
ビュッ!ビュッ!ビュクッ!…ビュクリッ!
悪魔の精液は留まることをしらず、ミリアムの膣を満たした後も結合部の隙間から溢れ出た
「アハ…すごい…こんなにたくさん…私の中で種が泳いでる……私、汚れちゃった
でも…どうしてかしら、それがすごく嬉しい…」
虚ろな表情で呟くミリアム、アリアだけがそれを優しく見つめていた
ミリアムの膣内に放出された種子は子宮へ辿り着くと天使の神聖な肉体に
邪悪な気を送り出す
天使としてのミリアムの肉体は悪魔の邪気に犯され、侵食されていく…
そして悪魔へと変わっていった
頭部からは二本の角が…美しかった白い羽は暗黒の色に
尻からは爬虫類の尻尾が生えていく
(ミ…ミリアム…何ということだ…この余りに強大な邪気は…)
天使だった頃の力が強かったせいか悪魔になったミリアムの発する邪気も
凄まじいほどだった…
フィーリアは自分が捕らえられている部屋全体がどす黒いに包まれたかの様な錯覚に陥った
悪魔へ覚醒したミリアムはゆっくりとその瞳を開ける
繋がったままだったアリアは触手ペニスを引き抜くといきなりミリアムへひざまずいた
「悪魔の世界へようこそ…ミリアム様、今までのご無礼をお許しください
ご気分はいかがでしょう?」
今までの態度と裏腹に儀礼的な態度を取るアリア
彼女自身にも分かっているのだ、ミリアムが自分など足元にも及ばない存在になったことが
ミリアムはベッドから降り、自分の悪魔となった肉体を見下ろすと
厭らしく微笑した
「ふふ…悪くないわ…これが新しいわたしなのね…素晴らしいわ
本当に生まれ変わったのね」
「はい、これからはどんな快楽もあなたの望むまま…
あなたほどの力があればどんな者も悪魔へ変えれるでしょう
どうか悪魔の繁栄にお力をお貸しください」
「クスクスッ、そうね…まずは…」
ミリアムはフィーリアの方へ向く
フィーリアは心臓を鷲掴みにされたようなゾッとする恐怖に襲われる…
「…一番身近な果実から頂きましょうか…」
ミリアムの股間からはアリアと同じ醜悪な触手ペニスが生えており
極上の獲物を前にして猛々しくそそり立っていた…
フィーリアの口から声にならない悲鳴がもれる
彼女の心はまさに絶望と言う闇に覆いつくされんとしていた…
続く?…
519 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/17(火) 04:32:41 ID:trQNaBLd
以上です、感想、悪い部分のご指摘待ってます
次で本当に最後にしますので1、2ヶ月待ってください…
大変お持たせしてすいませんです
「くしゅん…うう…体がだるいよ~…」
ベットに寝込みながら私は変わらない天井を見つめる
隣で心配そうに見ているラケルさんが苦笑した
「ええ、熱が38度もあるんですから、当然です
今はゆっくり休んで養生してください」
「は~い…」
あの日雨に当たり続けた私は当然のように風邪を引いてしまった
それからというものベットで横たわり3日も続けて学校を休む破目になった
ぶっちゃけ学校に行きたい気分でもなかったけど
でもとなりでラケルさんがずっと看病してくれてたのが
とても嬉しかったな…
お母さんときたらずぶ濡れで帰ってきた私に呆れて物も言えなかったようだし…
「でも、残念ですねこの時期に風邪を引いてしまうなんて」
「いいよラケルさん、どうせ行く気なんてなかったし」
ラケルさんが残念だと言ったのは明日、私たち天使の首都で行われる
お祭りのことだ
悪魔達へ勝利した記念祭であり、一週間に渡って長く行われる
このお祭りの日は学校も休みになるから
アリアや他の友達と遊びに行こうと約束していた
でも今はそれもオジャンだ
アリアとの仲がああなってしまったのはもう気にしていない
というと嘘になる…本当は思い出すだけで心が痛い
けど過ぎてしまったことを気にしてもしょうがないと
思えるようにだけはなった
それはひとえにラケルさんのお陰だと思ってる
一緒に他愛もない話をしたり、やさしく手を握ってくれたり
辛いときラケルさんが側にいてくれたお陰で、少し心が軽くなった
だからラケルさんには感謝してる
お母さんにかわって嫌な顔ひとつせず看病してくれていることも
本当に優しい人だな…って思う
でも…
「ねえ、ラケルさん」
「はい?なんですか、エリスさん」
濡れたタオルを新しく交換していたラケルさんがこっちを振り向く
「どうしてラケルさんは、私にこんなに優しくしてくれるんですか?
確かに私は…ラケルさんをあの場所から助けたけれど…
私に優しくしてくれるのは…それの…恩返しなんですか…
…ごめんなさい…変なこと聞いて…でも不安で…
いつかラケルさんがどこかに行ってしまうんじゃないかって」
私はひどく無神経なことを聞いているのかもしれない
ラケルさんを知らず傷つけることを言っているかもしれない
けど一度聞いてみたかったラケルさんの心を…
いつも私に笑いかけてくれる理由を…
511 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:25:45 ID:trQNaBLd
私の言葉にもラケルさんの顔は普段となにも変らなかった
慈母のように優しい笑顔
そして寝ている私の手を両手で包んだ
「エリスさん、私があなたに優しくするのは確かに助けてもらった恩もあります
けれど恩を返し終わったらエリスさんの前から消えてしまうなんてことはしません
そんなことをしたらエリスさんが悲しむでしょう…
あなたに優しくするのは恩からだけじゃない…
私が…あなたの友達だからですよ」
「とも…だち…?」
「ええ、私はエリスさんのこと友達だと思っています
私たちは出会ってから短い月日しか経ってないけれど
私にとってエリスさんはかけがえのない人です
世界でたった一人の私の始めての友達…
だからあなたには笑っていて欲しい、あなたの笑顔をみていると
私の心も明るい気分になるんです、だから…」
「ラケルさん…」
私の心に安心感とも嬉しさとも分からない感情が溢れる
他者から大切な存在だと言われることがこんなにも嬉しいなんて…
「私も…ラケルさんのことかけがえのない友達だと思ってます!
永遠なんてものはないけれど…できるなら…
ずっと友達でいたいです…」
私は感情の溢れるままに言葉を紡ぐ
「ええ…本当に…ずっと友達でいられたなら…」
ラケルさんはそこで言葉を切る
そこから物思いに耽るような顔をする
遠い日々を懐かしむような…
「ラケルさん?…」
訝しげな私の視線に気づいたのかラケルさんは
取り繕うように言った
「さぁ、もう寝ましょう、エリスさん
風邪を治すには寝るのが一番ですよ」
「はい、ラケルさん」
ラケルさんは一度私の頬に手を当てると部屋を出て行った
真っ暗になった部屋で私は目を閉じる
明日になったらラケルさんと何をしよう?トランプでもしようかな?
私はアリアという親友を失ってしまった
もう決して元には戻れない、心に開いてしまった大きな穴
だけどその穴をラケルさんが埋めてくれた気がする
これからもずっと一緒にいられたらいいな…
お母さんとラケルさんと私と、3人でずっと…
そして翌日目覚めたエリスはもぬけの殻となった
家と町を見たのだった
そう、自分以外誰一人いない町を…
512 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:22 ID:trQNaBLd
天使達の首都、アルカディア
人口数万人を超える華やかなる都
そこでは天使軍を勝利に導いた女王エルリスとその騎士コーデリアによって
統治されていた
その汚れなき都に今、悪魔たちの毒牙が掛かろうとしていく
悪魔軍勝利の記念すべき祭りの初日の夜
天使達は祝いと喧騒に酔い小さな宿の複数の嬌声に
気づかずにいる
「クスッ、どう?初めて味わう悪魔のペニスは…」
「はぁあっ……、いい、いいわ…もっと、もっとぉ~~」
町娘と思われる若い天使がとある宿の一室で悪魔へ犯されていた
両手をベットに拘束されながらも娘の顔は喜悦に満ちている
悪魔の秘所から伸びた触手ペニスがその原因だった
娘の秘所へ潜り込みながら蠢くそれは
所々に瘤のような突起物を備え、娘の肉体から快楽を引き出していく
娘の汚れのなかった秘所もまた
初めて味わう悪魔の快楽を貪欲に受け入れ
サーモンピンクの女陰からドロドロとした濃い愛液が流れていく
「ああぁ…どうして…どうしてこんなに気持ちいいの…
気持ちよすぎて…おかしくなりそう」
身体中から吹き出ている汗の多さが娘の肉体の興奮を現している
犯される前は恐ろしさでいっぱいだったのに
今ではすっかり悪魔のペニスの虜だ
悪魔はそんな娘の耳元でゆっくりと囁く
「いいのよ…おかしくなりなさい、天使としてのあなたは消えて
新しい悪魔としてのあなたが目覚める…」
悪魔は上下運動を早めるといよいよ『種』を植えつける準備をする
「あん!はぁぁ!…激し…すぎ…て…わた…し…壊れ……ああんっ!!」
余りの抽挿の激しさに娘の身体が跳ね上がる
悪魔の肉体から邪悪なオーラが発せられると娘の体を包み込む
天使の羽から発せられる光のオーラを侵食するために…
「あふ…あはぁぁぁぁぁ…」
もう娘の瞳からは光は失せ、変って支配しているのは果てない闇
それは彼女を悪魔化させる用意が整ったということだった
「さぁ、いくわよ…」
悪魔は二度三度強く腰を打ち据えると、娘の胎内に大量の悪魔の『種』を解き放った
胎内に蒔かれた種子たちはすでに寄生させられていた悪魔の卵と受精すると
娘の肉体を悪魔へと変え始めた
「あ…ああ…私の身体…すごく…熱い…別のモノに変ってイク…」
「ふふ…ようこそ…私たち悪魔の世界へ…」
常識を超える快感を味わったためか、娘は気を失う
そして肉体はたちまち悪魔のものへと生まれ変わった
犯していた悪魔はそれを見届けると男根を引き抜き
ベットの上で一息ついた
513 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:26:55 ID:trQNaBLd
「ふぅ…ようやくこれで20人目、なかなか大変だわ…」
「あら、もう根を上げてしまったの?フローラ先生」
フローラが振り向くとそこにはいつのまにかアリアが
扉の前に立っていた
「アリア様…いつのまに…いえ、そんなことはありませんわ
悪魔を増やしあの方にご奉仕できるのは私にとっても喜びですもの」
「ふふふ、真面目ねフローラ先生は…まぁ私も張り切って
朝から50人ぐらい『種』を植えつけてきたんだけどね」
肩をすくめながらアリアは笑う
すでに二人のいる宿は主人や従業員を含め全て悪魔へと変っている
二人が何を話そうが天使たちにばれる事はないということだ
「ですが大丈夫なのですか、初日からこんなにも大勢の天使を悪魔に変えて…
確かにこの勢いなら国民数万人を全て悪魔に変えるのに一週間もあれば十分でしょう
しかし中には我々悪魔の邪気に気づくものもいるのでは?」
外の喧騒を部屋の窓から眺めるアリア
何事か思案しているようにも見える
「そうね、私たちがいくら普段天使になれるといっても
天使に『種』を植える時には必然的に邪気を発せざるをえないもの」
「ではどうしてですか?悪魔の存在が公になったら以前のように
皆殺しの憂き目に合うのでは!?」
「クスッ、心配いらないわ、あの方は全て見通してらっしゃるから
天使たちはね、長い間平和の暮らしをしてきたせいで
能力自体が極端に低下しているのよ、悪魔の邪気も感じ取れないほどにね
以前の大戦の時のような力を保っているのはごくわずか…
そう、あの鮮血の天使コーデリアのような…
だから早急に彼女を堕とす必要があるわ…けど将を射んとすれば馬から…
まずは彼女の副官のユリアからね…
楽しみだわ…純白の天使たちが悪魔に変っていくのは!!アハハハハッ!!」
これから起きることを想像してアリアは笑わずにはいられなかった
天使が全て悪魔へ変ったら、世界そのものが変る
規律や模範に縛られない、自由と快楽の世界が生まれるのだ
アリアの哄笑をフローラの言葉が遮った
「アリア様…あの方は…ラケル様はここへいらっしゃってるのですか?」
笑いを止めるとアリアはフローラへ顔を向ける
「ええ、来ているわ…私たちの行動も天使たちのことも
ラケル様はすべて見てらっしゃる…あの方がエルリスにかわって
この世界の新たな女王となるわ…ふふ…楽しみね、フローラ先生…」
514 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:27:32 ID:trQNaBLd
夜も更けた頃、都の中心にそびえ立つ女王エルリスの住まう城
その城の一室で二人の天使が読書に耽っていた
二人とも周囲が呆然とするような美しい容姿を備えている
銀の髪と黒の髪とが対照的だった
銀髪の天使が読んでいる本に目を落としながら口を開く
「なぁ、ユリア…今日は妙な気配を感じないか…」
ユリアと呼ばれた黒髪の天使が読んでいる本を閉じると銀髪の天使に顔を向けた
「ええ、コーデリア…私も朝からなんだか胸騒ぎがするの…」
ユリアは不安そうに顔を潜める
彼女の胸騒ぎの理由は、決してあってはならないものだったから…
「その胸騒ぎのわけは、悪魔の邪気を感じたことか…」
コーネリアが言い放つと二人の間に並々ならぬ鬼気が漂った
「ええ、そうよ…だけどありえるかしら…悪魔が復活したなんて
悪魔は一匹残らず殺したはずじゃ…」
「ああ…だが万が一ということもある、現に町で感じた邪気は数十にも上った…
生き残りがいたのかもしれん…どうやってこの町に入り込んだかは不明だが
このまま放っておく訳にもいくまい、私が調べてこようと思う」
椅子から立ち上がろうとするコーデリアをユリアが押し留める
「待ってコーデリア、調査なら私にやらせて」
「何故だ?ユリア」
「もし本当に悪魔の生き残りがいたのなら私の目で確かめたいの
あの大戦のとき、私たちはなんの罪もない悪魔たちまで皆殺しにしたわ
罪悪感がないとは言わない、彼らは復讐の為に来ているのかもしれない
だからこそ、生き残りがいるならわたしの手で殺したい…
復讐に燃える彼らが他の天使達を傷つける前に…」
「…ユリア…」
ユリアとコーデリアの間に長い沈黙が下りる
互いに見詰め合ったまま二人はなにも喋らなかった
沈黙を破ったのはコーデリアの深い溜息だった
「いいだろう、お前がそういうのなら任せる
ただしくれぐれも気をつけろよ、悪魔は狡猾だからな…」
ユリアはさっきまでの真剣な表情を崩しニコっと笑った
「ありがとう…コーデリア、心配については大丈夫よ
手練の護衛を二人つけるから、それじゃあ行って来るわ
彼ら悪魔が何かしでかさない内にね」
立ち上がるとユリアは出て行った
その背中を心配そうにコーデリアは見つめる
(本当に何事もなくすめばいいが…悪魔たちめ…なぜ祭りの日を狙って…
それに…朝から夜まで悪魔の邪気の数が
少しずつだが増えているのが気になる…まさか…)
コーデリアは自分の心の臓が冷たくなるような嫌な予感に身体を震わせた…
515 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:05 ID:trQNaBLd
(まずは邪気の発信地の調査からね…)
部下である手練の天使二人を引き連れながら
夜の都を闊歩するユリア、道行く天使達も
コーデリアの副官である彼女の姿に興味深そうに視線を寄こしていた
「フィーリア、ミリアム、さっき話した通り
この任務は悪魔の生き残りを発見すること、及びその存在の抹殺よ
大戦が終わって以来最悪の任務と言っていいわ…覚悟は出来てる?」
確認するようにユリアは後ろの部下を振り返る
二人は応えるかのように不敵に笑った
「ご冗談を…ユリア様、このフィーリア、悪魔達への憎しみは
一日たりとも忘れたことはありません
この任務、恐怖どころか喜びのほうが勝っていますよ」
「私もです、この命、あの日からユリア様の為に使うと誓いました
いかような困難でもお受けしましょう」
フィーリア、彼女は家族を悪魔に殺されており
悪魔達への憎しみは人一倍大きい、その悪魔達への
容赦ない残虐ぶりは味方すらも恐れさせたほどだ
またミリアムとは共に戦った戦友でありフィーリアが
ユリア以外で唯一心を許せる存在である
天軍でもかなりの実力を持つ
ミリアム、先の大戦の折、ユリアに助けられて以来
彼女に絶対の忠誠を誓っている天使
物怖じしない性格であり、周囲から孤立していたフィーリアにも
親しげに話しかけ、彼女の友人となった存在だ
元来穏やかな性質だがユリアの為ならば
非情にも徹することが出来る
以上の二名の天使がユリアがもっとも信頼を寄せている天使であり
軍の中でも選り抜きの実力を持つものたちである
「ありがとう、フィーリア、ミリアム、じゃあ…行きましょう!」
二人の顔をみつめ頷くユリア
フィーリアとミリアムも頷き返す
『はいッ!!』
そうして三人が邪気の発信源を捜索して一時間が経った頃
「ユリア様ッー!!助けてッー!!」
一人の少女が三人のいる方へ向かってきた
身構える二人を手で制すユリア
少女はぜぇ…ぜぇ…と荒く息を吐いている
よく見れば目元が涙で赤く腫れていた
年の頃は人間で言えば10歳ぐらいだろう
ユリアは少女に近づくと優しく声をかけた
「どうしたのお嬢ちゃん、そんなに急いで…なにがあったの?」
少女は急いで息を整えると早口でまくし立てた
「あの!あの!悪魔が出たの!それで私のお母さんがさらわれて!
私どうしたらいいのか、分からなくて…」
3人の間に緊張が走る、ユリアは部下達に目配せをすると
ゆっくりと少女に話しかけた
「そう、悪魔が出たのね…ねぇお譲ちゃん、お母さんがさらわれた場所に
私たちを案内してくれないかしら、大丈夫、お母さんは私たちが助けるわ」
少女は泣きじゃくりながら頷いた
516 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:28:34 ID:trQNaBLd
少女に案内され辿り着いた場所は人気のない路地裏だった
「お譲ちゃん、ここでお母さんがさらわれたの?」
「うん…そうだよ」
フィーリアが辺りを見回す
「確かに、ここには悪魔の邪気の残り香が感じられます
ついさっきまでいたかのような…」
忌々しそうにフィーリアは顔を歪める
悪魔の邪気を感じて昔の記憶を思い出しているのだろう
フィーリアの言葉にミリアムはクスッと笑った
「ミリアム、私はなにか可笑しなことでもいったか?」
「いえ、あなたでも勘が鈍る事もあるのだなと思っただけよ
フィーリア、さっきまでじゃないわ、たった今私たちは悪魔に囲まれている…
そうでしょう?ユリア様」
「ええ、そうね、どうやら待ち伏せされていたみたいだわ」
ユリアがそういうと周囲に伏せていただろう悪魔達が現れた
その数およそ30はくだらないだろう
それでも三人の闘志が萎えることはなかった
「ふん、たかだか十数人ぽっちで私たちとやりあおうとは
舐められたものだな」
「ええ、まったく、この程度なら3分でかたがつくわ」
意気高揚している二人に対してユリアは冷静だった
「油断しないで、フィーリア、ミリアム
敵もなんの勝算もなしに私たちの前に現れたわけじゃないのよ
それより私たちが囲まれるまでなんの気配も感じさせなかった方が
恐ろしいわ」
ユリアの発言に二人も自然と昂ぶった気を落ち着かせた
戦場では油断、隙、驕りなどがもっとも危険であることを二人も思い出したのだ
取り囲んでいる悪魔達と3人の天使たちの間に一触即発の空気が流れる
それが何分か続いた頃、悪魔達の中から一人の悪魔が3人に寄ってきた
まだ少女と言える年頃の悪魔は3人に近づくと不敵に笑った
「こんばんわ、私の名はアリア、あなた達はコーデリアの副官ユリアと
その部下フィーリアとミリアムですわね」
「いかにも、私は天使長コーデリアの副官ユリア…
あなた…アリアといったわね、なにが目的?この少女の母親をさらったのはあなた達ね」
「ええ、目的といえば簡単なことですわ、あなた達3人、悪魔になる気はないかしら?」
その言葉にカッとなったのはフィーリアだった、怒りを露にしアリアを罵倒する
「ふざけるなっ!!だれがお前達汚らわしい悪魔になどなるか!
冗談も大概にしろっ!!」
アリアは残念そうにため息をつく
「そう残念…あなた達が悪魔になってくれたらコーデリアの攻略も楽なんだけど…
なら…無理やり仲魔になって貰うしかないわね
あなたもフィーリアさんと同じ意見かしら、ユリアさん…」
フィーリアとアリアのやりとりを黙って聞いていたユリアは
アリアを睨むと冷厳ともいえる声で言った
「そうね、わたしから一言いえるなら…
悪魔になるぐらいだったらゴキブリに生まれ変わる方がましだわ…」
アリア一瞬虚を突かれた様な表情を見せた後、すぐにその顔を憎しみで彩らせた
「そう…なら!あんた達三人は絶対に悪魔にしてあげる!セーラ!!」
アリアが叫ぶと3人の後ろにいた少女が懐から袋を取り出し周囲にぶちまけた
袋から放たれた煙は一瞬で3人を包み込む
(この煙!まさか睡眠煙ッ!!)
ユリアがそう気づいたのも遅く、フィーリアとミリアム同様
ユリアの意識は奈落へと沈んでいった
眠りに陥った3人の天使をアリアは邪悪な笑みを浮かべ見下ろした
この光景を丸く光る月だけが見つめていた
517 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:29:12 ID:trQNaBLd
「アハッ!いいッ!!…イクゥッ!!気持ちいいっっ!」
誰かの心地のよさそうな叫び声でフィーリアは目を覚ました
ぼんやりとした頭でなんとか現状を把握しようとする
(ここは…どこだ…そうだ、催眠煙を吸ったせいで…
…助けを求めた少女もグルだったのか…しかし邪気を感じなかったというのに何故だ…
ミリアムは…ユリア様は…どうしたのだろう…)
手足を動かそうとするとまだ煙の後遺症が残っているのか満足に動かすことも出来なかった
(身体の方は…まだ動かないか…クソッ…悪魔に遅れを取るとは何たる失態っ!)
憎しみに心を滾らせ自分の失態に怒るフィーリア
彼女にとって睡眠煙などという単純なものにひっかかり
悪魔の罠に嵌ったことは何よりの屈辱だった
「あふっ…ああっ…もう…限界…これ以上イッたら壊れちゃうっ!」
目覚めた時に聞いた声で、フィーリアは意識をそらされる
(さっきから聞こえる、この声はなんだ…)
フィーリアが声の方へ顔を向けると信じがたいものが眼前に映った
「ふあ…ああああっ…やぁ、あはぁ…あん…」
フィーリアより少し離れたベッドの上でミリアムが喘いでいた
そしてミリアムを喘がせている者こそフィーリア達3人にアリアと名乗った悪魔だった
アリアの陰部から伸びた筒状の物体はミリアムの秘所に入り込み貫いている
触手ペニスの抜き差しを繰り返しながらアリアは徐々にミリアムを絶頂へと追い上げていた
「ああ…すっごくいい、すごく太いのが私の中で動いてる…まるで生き物みたい…
なんて逞しくて、素晴らしいのかしら…ああん!!」
気持ちよさそうにミリアムは呻き、膣を貫いている物に賛美の言葉をかけた
「どうやら喜んでくれてるみたいでよかったわ、ふふ…もう悪魔になるのも嫌じゃないでしょう」
「ええ、だってすごく気持ちいいんですもの…早く私を悪魔にして…」
切なげにミリアムは吐息を漏らし、膣内をきつく締め付けた
いきなりの快感にアリアは声を上げて反応してしまう
「ああんっ!だめよ…ミリアムさん、そんなにきつくしたら…すぐイっちゃう…」
「いいじゃない…ほら私の中であなたのモノがすごく悦んでる…かわいい♪」
性の快楽に溺れ、悶えるミリアムの姿は普段の彼女を知るものが見たら
卒倒しそうなほどの豹変ぶりだった
フィーリアもまた例外ではなかった
眼前の惨状にフィーリアの心の恐怖とも憎しみとも付かぬ感情が声になって出てきた
「きっさまぁぁぁっ!!!ミリアムに何をしているっっ!!」
アリアは今気づいたという表情でフィーリアを振り返る
「あら…あなた起きてたの?何をしてるってそりゃあセックスと…た・ね・つ・け・よ♪」
「た…種付けだと…」
種付けという言葉にフィーリアの体温がゆっくりと下がっていく
「そう、今ミリアムさんに悪魔の『種』を植えつけている最中よ
天使の神聖な子宮に、悪魔の邪悪な『種』が注がれて初めて天使は堕天するの、おわかり?」
アリアから明かされる出来事にフィーリアは身体が震え出すのを止められない
天使が悪魔に生まれ変わるという余りにも恐ろしい事と
親友であるミリアムが犯され今まさに悪魔にならんとしている事実
今まで憎んできた悪魔に親友が成ろうとしているのはフィーリアにとってなによりおぞましい事だった
フィーリアは必死になってとめようとする、それが無駄なことだと分かっていても
「やめろ!!やめてくれっ!ミリアムを悪魔に変えないでくれぇっ!!」
「駄目ね、言ったでしょう、あなた達3人は絶対に悪魔にするって…
それにミリアムさんは嫌がってないわよ、ねぇ?」
言われてフィーリアを見るミリアムの目はトロンとしていて、もはや正気がないことは確かだった
「ええ、嫌じゃないわ…私…早く悪魔になりたいの…フィーリアも一緒に
悪魔になりましょう…悪魔の世界はきっととても素晴らしいものだわ…」
暗く濁ったミリアムの瞳を見て、フィーリアはもうミリアムを元に戻すことは無理だと悟った…
518 魔天使 後編1 sage 2008/06/17(火) 04:30:16 ID:trQNaBLd
「ミ…ミリアム……」
友の変貌に声を失うフィーリア
「ね、ミリアムさんの心はもう悪魔になることを望んでいるのよ」
「黙れッ!それはミリアムの意思じゃない!お前がそう仕向けたんだろうっ!!」
「フッ、どっちにしてももう手遅れよ…」
フィーリアへ向けて喋りながらもミリアムへ快楽を与える行為をやめようとしないアリア
ミリアムの顔も絶頂へと向けて陶然としてきた
「ああぁぁ…いい…気持ちいいよ…早くあなたの『種』が…欲しい…」
「心配しなくても、もうすぐたっぷり出るわ…あなたの綺麗な肉体…たっぷり汚してあげる」
アリアは腰の動きを激しいものに変えると射精にむけて急いだ
激しく動き始めた腰の動きにつられてミリアムの肉体もベットの上で揺れる
男根が凄まじい速さで膣内を出入りしその度にシーツへびちゃびちゃと愛液が飛び散った
「やああ、激し…イクッイクッイクッ!あああーッ!」
悪魔の触手ペニスから与えられる快楽に絶頂へ到達するミリアム
膣が強く収縮し膣内で蠢く悪魔の男根へ快感を伝えた
「ああん…気持ちいい…私もイクッ!」
アリアは膣の最奥でペニスを止めるとドクッ!ドクッ!と
先端からおびただしい量の『種』を放出した
ビュッ!ビュッ!ビュクッ!…ビュクリッ!
悪魔の精液は留まることをしらず、ミリアムの膣を満たした後も結合部の隙間から溢れ出た
「アハ…すごい…こんなにたくさん…私の中で種が泳いでる……私、汚れちゃった
でも…どうしてかしら、それがすごく嬉しい…」
虚ろな表情で呟くミリアム、アリアだけがそれを優しく見つめていた
ミリアムの膣内に放出された種子は子宮へ辿り着くと天使の神聖な肉体に
邪悪な気を送り出す
天使としてのミリアムの肉体は悪魔の邪気に犯され、侵食されていく…
そして悪魔へと変わっていった
頭部からは二本の角が…美しかった白い羽は暗黒の色に
尻からは爬虫類の尻尾が生えていく
(ミ…ミリアム…何ということだ…この余りに強大な邪気は…)
天使だった頃の力が強かったせいか悪魔になったミリアムの発する邪気も
凄まじいほどだった…
フィーリアは自分が捕らえられている部屋全体がどす黒いに包まれたかの様な錯覚に陥った
悪魔へ覚醒したミリアムはゆっくりとその瞳を開ける
繋がったままだったアリアは触手ペニスを引き抜くといきなりミリアムへひざまずいた
「悪魔の世界へようこそ…ミリアム様、今までのご無礼をお許しください
ご気分はいかがでしょう?」
今までの態度と裏腹に儀礼的な態度を取るアリア
彼女自身にも分かっているのだ、ミリアムが自分など足元にも及ばない存在になったことが
ミリアムはベッドから降り、自分の悪魔となった肉体を見下ろすと
厭らしく微笑した
「ふふ…悪くないわ…これが新しいわたしなのね…素晴らしいわ
本当に生まれ変わったのね」
「はい、これからはどんな快楽もあなたの望むまま…
あなたほどの力があればどんな者も悪魔へ変えれるでしょう
どうか悪魔の繁栄にお力をお貸しください」
「クスクスッ、そうね…まずは…」
ミリアムはフィーリアの方へ向く
フィーリアは心臓を鷲掴みにされたようなゾッとする恐怖に襲われる…
「…一番身近な果実から頂きましょうか…」
ミリアムの股間からはアリアと同じ醜悪な触手ペニスが生えており
極上の獲物を前にして猛々しくそそり立っていた…
フィーリアの口から声にならない悲鳴がもれる
彼女の心はまさに絶望と言う闇に覆いつくされんとしていた…
続く?…
519 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/17(火) 04:32:41 ID:trQNaBLd
以上です、感想、悪い部分のご指摘待ってます
次で本当に最後にしますので1、2ヶ月待ってください…
大変お持たせしてすいませんです
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