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魔法騎士シードナイツ・黄の章
642 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:16:40 ID:JzMUwfD1
昼間忙しくて投下できませんでした。
そうか、許可求めず普通に投下してしまえばよかったですね。
しかし五行の方は何であんな長く掛けるんでしょうかね……19レス分って。
その辺が神たる所以ですか……。
文章直して直してしていると次第に短くなっちゃうんですよ。言い訳ですけど。
自分は深夜の眠い頭で書くことが多いので、喘ぎとかで「いああああああああああああああん!!!!」
とか「ああああああああ、太いのがゴリゴリ私の奥に当たってるう、もっと抉って……」って書いてたりしますから。
喘いでる最中にそんな長台詞言えるわけがないww と、つくづく眠い時というのはテンションだけだな……と感じます。
不自然だったりなんかそういう場所はこれの名残だと思って見て下さい。
シードナイツ、3人女の子なんですが(女体化を含めれば4ですが)、違う責め方するのが非常にあれです。
なにしろ持ってるバリエーションが少ないもので、どう陥落させるか非常に悩むところです。
寄生ってのはなかなか広い範囲に応用できるのですが、逆に選びにくいですね。
そのためこのスレの雑談をヒントにすることがまま在ります。
普段言えませんが、名無しの皆さん、ありがとうございます。
では、【シードナイツ・黄の章】開始。
643 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:21:57 ID:JzMUwfD1
幹部の一人、スラスト・ドリオールは戦士の一人を任されていた。
名を黄瀬愛。戦士中最も小柄だが攻撃力と敏捷性に優れ、今まで何人もの部下が倒されている。
捕らえた戦士の中で最も幼い、まだ完成しきっていない身体。
そして、決して屈しようとしない精神。
「…………ク、クククカッ」
知らず知らずのうちに唇が曲がり、笑いが漏れる。
これほど楽しいことがあるだろうか?
未知なる未知によって女を支配し、屈服する様を眺めることができるなどと。
……特等席を用意してくれた者に感謝しなければ。
他の魔物が昏倒するほどの魔力を笑うたびに垂れ流しながら、スラストは監房へと向かう。
「むーっ!! むぐ、む、ん!!」
「おーおー。気の強いお姫様だ」
スラストが監房内に入ると、そこには壁に両腕を拘束された愛の姿があった。
捕らえてから数時間程経っているが、衰弱は見られない。
むしろ拘束されていることにより抵抗心が強まっているというところか。
黒地に黄色が入ったスーツは、施した初級の拷問で殆どが破れている。
胸や秘部を辛うじて残す程度の少ない布切れも、暴れることによって捲れてしまっていた。
「少しは恥じらいってものを知った方がいいんじゃねーの?お姫様」
スラストの嘲笑にも屈せず、愛は彼を強い視線で睨みつけた。
口にかまされた猿轡がなければ、その小さな口から罵声が飛んでいたことだろう。
今の彼女には、睨むしか敵に対してできることは無い。
「さて、初級の"取調べ"で屈しなかったお姫様に朗報だ。あんたのお友達、ブルーは捕らえた」
「!!」
もがいていた愛の動きが止まり、その言葉を疑うようにスラストを凝視する。
彼女の中でのブルーは毅然としてどんな敵にも屈しない、頼れる先輩であった。
その彼女の力を持ってしても捕らわれたなどと、この男は言っている。
一体どのような卑劣な手で、どんな罠を張ったというのか。
愛の視線は再びきついものとなる。
「まぁまぁ、そう怒るなよお姫様。いまここで暴れたってお友達を助けられるわけじゃないし」
「………」
スラストの言葉にも一理あったが、納得しきれるものではない。
何しろ仲間を嵌めた敵なのだ。
「そこで、だ。本当は二人とも殺してしまう予定だったんだがな、向こうの奴と相談した結果
おもしろい趣向があるっていうんだよ」
644 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:22:45 ID:JzMUwfD1
あくまで楽しげに、悪魔は語る。
「二人を同時にいたぶって、片方が音を上げたらを相手を殺す。そしてもう一人は、生き残る」
「……?」
そんな事をして、何のメリットがあるというのか。
どうせ殺すならいつでも同じ、しかも一人を助けようなどと言っている。
悪魔がそんなことをして何の意味があるのか。
「ああ、喋れないんだったな。……娯楽だよ。単なるな」
(ごら…く?)
「今回のように簡単に捕まえられる相手だってわかったわけだしな。人間界の侵攻なんざあっと言う間だ。
そうなると、本格的に楽しみがないんだよ。魔界なんざ退廃的でおもしろくもねえ」
その暇つぶしが私達を使っての"遊戯"というわけだ。
愛は心がぐつぐつと煮えたぎっていくのを感じた。
「まああれだ、お前は相手の為に、相手はお前の為に、抵抗し続けなくちゃいけないんだよ」
目の前の敵は最悪な相手なのに、自分は何もする事ができない―――。
そんなもどかしさが、臓腑で煮え繰りかえりながらも蓄積していく。
「……黙ってる相手に話しててもつまらんな。猿轡だけ外してやるか」
「むぐっ……は、っ、はぁっ、はぁ…はぁ……」
愛の口に噛まされていた紐が緩められ空気が入り込む。
口の中にたまった唾液を飲み込み、口から勢いよく酸素を取り入れた。
「このっ……」
「卑怯者、とでも言うつもりかな?当然だね、女を捕らえて縛り付けてるわけだから」
「っ!!!」
愛の口から出るはずだった言葉が、スラストの口から紡がれる。
それは筋肉の微細な動きや声帯、そして経験から当然計算される言葉だ。
しかし愛にとってはそんな事はどうでもよく、目の前の相手が優位にある事を示すだけの事象に過ぎない。
「確認しよう。もしもお前が諦めれば、向こうのブルーは助かるがお前は死ぬ。逆に向こうが耐えられなければ……」
「私が死ぬって言うの? ブルー……涼子さんも、私も、あんた達に屈するはずが無いわ!!」
「ククッ…さあどうなるだろうねぇ……」
スラストにはある思惑があった。
それが上手くいくか。それが彼の興味の全てであった。
645 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:23:19 ID:JzMUwfD1
「まぁ始めから全力で責めるってのも手ではあるが、つまんないからな」
「何よ!? 何をしようっての!!」
「……まぁまずこの固いお嬢さんをどうにかして柔らかくしてやりたいねぇ」
スラストは纏っていた漆黒の服から一つの瓶を取り出す。
中では複数の蟲が外を求めて蠢いている。
人間界ではありえないその生き物のおぞましい外観に、愛は吐き気を催した。
「これ、何だかわかるか?」
「あんたらが使う下級の魔物の一種でしょ。こんな奴等簡単に倒せるのよ」
愛が闘ってきた中で、尖兵として使われる程度の最下級の魔物だ。
その程度、自分だけでも素手で簡単に倒せるレベルだ。
「まぁそうなんだが。お嬢さんには取っておきの奴を用意してみた」
彼が瓶を振ってみせると、中の生き物も緩く蠕動する。
出来損ないの肉塊にはいくつも目が付いていて、それぞれが独自で動く。
「まあ後でもう一つ使う予定なんだが、コイツの特性は……」
蓋を数回捻って外し、その後で床に放り投げる。
軽い音をたてて蓋が転がっていった後、彼は瓶の中から1匹の塊を取り出す。
目がぎょろぎょろと回転し、肉塊全体がびちびちとのたうつ。
時折ぼたぼたっと垂れ落ちる液体は粘性を持った紫だった。
「ニンゲンのある感覚を狂わせるんだよ」
摘み上げた1匹の蟲をスラストは愛の鼻先にまで持っていく。
目と同じ高さにさらされ、愛の目線が蟲のそれと重なり合った。
「ひぃっ」
「こいつをちょっと入れてやるだけなんだけどな……それでも、普通のニンゲン達じゃあ廃人になっちまってつまらなかったところなんだ」
下級淫魔に分類されるこいつらは、寄生した部位によって効果が異なる。
神経に取り付けばその微弱な電気信号を改変し、筋肉に寄生すれば自ら発する電気信号で周囲の筋肉を動かす。
脳に取り付いてしまえば完全に人間を支配下におくことすらできる。
しかし傷でもない限りその頭の中枢部にはたどり着けないのだ。
646 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:25:48 ID:JzMUwfD1
上級にもなれば魔力の効果で脳を支配するのも簡単になるのだが。
単純な用途にしか用いられないそれだったが、この場合はスラストの目的と用途が合致した。
『ニンゲンの感覚を狂わせ、未知の快楽に酔わせる』
悪魔では珍しくないが人間であれば異常極まりない性癖が、スラストを動かす。
「さて、じゃあこれを……」
愛が目を逸らそうとするも、顎を引き寄せるように前面に向ける。
柔らかい肌に悪魔の指が食い込み、形を変えさせる。
「入れてやる」
反対の手で持っていた蟲が顔にじりじりと寄せられる。
それは動きを増し、震動によって口の周りに分泌液が飛び散った。
「……っ!!!」
愛は口にそれが入らないようにきっと口を引き結ぶが、スラストはそれを目ざとく見つける。
口元を楽しげに歪めながら、蟲をその小さい唇に押し付ける。
「ほら、これを今からお前の中に入れてやるよ」
「っ!!…っ……!!」
ピチピチャと肌にあたる感覚は水気を含み、少しではあるが吸いつく感覚を伴う。
「別にいくら我慢してもいいんだぞ?口にコイツが入らないようになぁ……」
その声はとても楽しげであるが、顔を歪めて蟲を拒む愛にはそれが届いたどうか。
蟲の口に当たる先端部を持って唇の形になぞる。
その度におぞましさによって寒気が背筋を走り抜けた。
「大丈夫だお嬢さん。これを入れるのは口じゃないから」
スラストは蟲を上唇の上に散々塗りたくり、抵抗する愛の表情をたっぷり楽しんだ後―――
――蟲を、鼻に突きこんだ。
「んんっ!!! ん!! んんん!!」
その感覚は、今まで味わった事も味あわされた事も無い未知の感覚だった。
粘膜と粘膜が触れ合う何ともいえない感覚。
自分の意思でならともかく、他人にされるそれは精神的にとても受け入れられるものではない。
(な、何っ!? は、鼻の穴っ、にっ、何、蟲!? 蟲がっ、鼻に)
口の周りに散々塗りつけられた液体はまだ残っていて、口を開け悲鳴を上げようとした愛の口に入り込む。
その苦味のような奇妙な味に構っていられず、愛はただ嫌悪感のみを口にする。
「……んぶっ、ん、ぶ、んあっ、いやあっ!! いやっ、ああああああぁあっ!!!!」
鼻に入り込んだ蟲はうねうねと回転しながら身じろぎし、奥へと進もうとする。
両方の穴を封じられ、そして中から蹂躙される体験に、愛の開かれた目から涙がこぼれる。
「ぅあ、べぁ、はぉっ、うっ、おぁっ、かはぁっ、んおおおっ」
両穴を完全に閉ざされてかなりの窒息感を感じ、必死に口を開け空気を求める。
涎と分泌液が出された舌から滴り落ち、身体が汚れるのも構っていない。
(何、え、、も、考え、られ、ひぐ、うが、え、あ、あう)
思考が苦痛と共に白んで、まともな言葉が発せなくなっていく。
「うあ、……んごぉ、ぁう、え、はぁっ、へっ、へぁっ、あ あ あ」
蟲の尻尾はもう見えなくなっていて、鼻腔まで到達したことがわかる。
完全に定着するまでにはもう少しだけ時間がかかるはずだった。
647 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:26:51 ID:JzMUwfD1
「まぁ待てや、お前らはまた使ってやるから」
スラストは暴れる他の蟲を瓶に戻しながら少女の様子を眺めた。
身体がびくびくと震え、口からだらしなく涎を垂らしている。
「あ……ぅ…ぁ……えぁ………」
口からは意味を持たない言葉しか発せられず、目にいつもの光は宿っていない。
ゲームなんて言って始めたが、スラストにはそんな事をする気は全くない。
2人とも、いや5人全員生かしておく計画であるし、ブルーの担当であるドーアはブルーを悪質に堕とすのに熱中している。
他の担当達も独占欲が強く、一度手に入れた獲物達を生かさず殺さず嬲るのが趣味だ。
それはスラスト自身も同様であったし、愛に対しても相当酷い事をするつもりだった。
それに重要なのは、愛の精神力である。
(耐えてもらわないとつまらんからな……)
自分が生き残っているのは、向こうで相手が生きているお陰だ。
そういう意識が在り続ければあの屈服しようとしない目が見られる。
如何なる手段を持ってしても砕けない強固な意思。
それを壊す瞬間に、スラストは最上の愉悦を感じるのだ。
「さて、このお嬢様をどうしようかね……時間をかけるか…それとも…」
「……あ……ぁ…う………ま………ない……」
「お?」
スラストが思案している最中に愛は何とか意識を取り戻し、声を絞りだそうとした。
体は鉛になったかのように重く、とても動いたりできるレベルではなく、ましてや戦闘など話にならない。
そんな状況でも、『抵抗しなくはいけない』という意志だけは残っていた。
鼻から突き込まれた蟲が何の為の物かは知らないが、屈するわけにはいかない。
「気が付いたのか?早いなあ、おい。流石は正義の味方サマだなあ?」
口元を楽しげに歪めながら愛を嘲笑うスラスト。
ほぼ人間と同じ容姿をしているだけに、その口が耳まで吊りあがる笑いはおぞましいものだった。
「…ま……けな……い…ん…だから……ぅ…」
悪魔は必死に体を動かそうとする愛の脇にしゃがみ込み、顔を覗き込んだ。
「クカカカッ!! あんなキツい思いさせたのに目が生き返っちゃってるねぇ!! じゃあ……」
顔に優しく触れ、愛でる様に頬を撫でてやる行為。
狂気に笑う彼の表情とは矛盾した、人間的な行為。
そんな行動に愛が何かを考える暇も無く、スラストは次の言葉を吐き出した。
「とりあえず、犯されるってのはどうだい?」
648 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:28:19 ID:JzMUwfD1
(………?………)
一瞬だけ 反応ができなかった
思考が靄に迷い込んだ。
何故今までこうならなかったんだろうか?
良く考えればこうも回りくどい真似をされる前に腹を括ったことだったのだ。
悪魔達に捕らえられた時点で、いや、もっともっと前の時点で。
人々を殺め犯し破壊する悪魔達を相手に戦うと決めたあの日から、女であることは捨てた筈だ。
あの日一緒に出かけていた女の子とはぐれてしまった時。
彼女を探し回っていた時、不意に訪れた爆音と閃光、衝撃と、黒い影達。
友人がボロボロに犯されていく瞬間をまざまざと見せ付けられた、あの地獄。
こちらを見ている瞳が涙で曇り光をなくしていく様子。
頭の中で何かが切り替わり、限界を越えた時。
あの時目覚めた力は、何千人もの命を救う為に今まで行使してきた。
そうだ、彼女の様な人を出してはいけないのだ。
あの時味わった途方も無い恐怖、友人が目の前で汚される悲しみ、何もできない自分への憤怒。
夜の闇より黒い絶望を乗り越えて、今ここに居る筈だ。
アレに比べればどんな事も耐えられる。
そうだ、かんたんなことジャナイカ。
私は悪魔達には絶対に屈しない。
あんなフウになりたくない。
絶対に耐えて、皆を、世界を守らなきゃいけない。
このチカラがあるんだ。
そうだ。私は―――
「……アンタなんかには、絶対負けない!!」
いきなり大声を出した愛に、覗きこんでいたスラストは一瞬動きを止めた。
驚いた様子も呆れる様子も無く、ただ動きを止める。
「…もう首まで戻ったか。頃合いだな」
笑った表情はそのままに、声色も全く変わらずに、スラストは楽しそうにしている。
そしてごそごそと取り出したのは、其の部屋にも、彼にも全く似つかわしくない、白い小瓶だった。
649 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:28:59 ID:JzMUwfD1
「何っ…犯すんでしょ?…やるならやればいいじゃない!!」
「反抗的だねぇ。あと言ってなかったが、犯すといっても俺がやるわけじゃないからな」
小瓶の蓋をゆっくりと緩慢に開ける彼の行為は、愛の目には奇妙に映った。
ゆっくりと、ゆっくりと蓋が捻られていく。
それと同時に彼の笑みはますます歪んでいった。
妖しく歪む愉しげな笑みに、愛が顔に少しの不安を浮かべたとき、蓋が全て抜けきった。
その中に入っているものが何なのか、首までしか支配権が戻らない愛には確かめようが無い。
(……ッ!!!!)
青臭い、独特の香り。
生臭いその液体が、スラストの持っている瓶から垂れ落ちていく。
布の切れ端に吸い込まれ染み込んで行ったどろどろとした液体は、
しだいに粘度を増してゲルのようになっていく、白濁したそれは、
知識が無い訳ではない。
救助した女性を手当てする際、嫌でも始末しなければならない、その汚液。
そして、奴等があの友人を汚していった光景がフラッシュバックする。
あの時彼女に纏わり付いていた、いくら綺麗にしようとも残っていた匂いが。
この鼻につく、嗅ぐだけで胸焼けがするような腐臭を放つ液体は、
悪魔達にしか出せないだろう、信じられないほど濃密な匂いを発する――
―――悪魔の、精液だ。
(嫌……何…何をしようと……駄目だ…しっかり、しないと…)
黒い布地は白い液体を吸い込み、先ほどよりも濃くなったように見える。
あの嫌な匂いを発する液体をたっぷりと含んだ布切れ。
なんとか首を動かして匂いを避けようとするが、顎を捉えた男の手がそれを許してくれない。
呼気に紛れてむせ返るような精臭が鼻へと届き、鼻腔に吸い込まれ―吸い込まれ――
(う、く、臭……く…………え?……あ?あ あ あ)
愛が知覚したのは悪臭ではなかった。
(これ……な、に…………? あ、たまボーっとしちゃ、あ、あ)
まるで極上の香を嗅いだかのように、甘美な匂いが頭の奥まで侵食してくる。
鼻を突く筈の匂いに、何故か下腹部が軽く痺れだす。
必死に別の方向を向こうとしていた力も、簡単に抑え込まれてしまった。
「う……ぁ…はぁ……な、な……んん!」
瓶が見えるところまで回転させられた時、意識していない筈なのに鼓動が高鳴った。
白い液体から目が離れなくなり、ますます匂いは強くなる。
(え……なによ、う……ぁはぁ……いい…ぁ…)
「どうだい?悪魔の特濃精液だぜ。もうイきそうかい?クカカ」
「くっ……っぁああぁぁあぁっ…ううぅっ……!!」
否定も反論もする前に、更に強い波が彼女の体を犯し流していく。
香草の匂いをを吸った時の様な爽快なものと、ひどく甘い甘露のもたらす感覚が同時に襲ってくる。
ただ、息をするだけで、匂いが体内に取り込まれ、そしてとてつもない快感をもたらした。
「ううぅ…ぁ……すうぅぅぅっ…ん…ぁあ………すぅううぅ……はぁあああぁあっ…」
大きく吸えばそれだけ精液の腐臭は鼻の奥へ届き、頭がいっぱいになる。
同時にその匂いは肺に届き、そこの細胞へも浸透していく。
その様を見ながらスラストは笑った。
650 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:30:17 ID:JzMUwfD1
人間の生きていく上で必要なもの、多くある中で最も重要なもののひとつが、呼吸である。
生命活動を行ううえで絶対に必要なこの行為を、スラストは性行為と同じ快感が得られるように愛を改造しようとしていた。
「すううっ……はぁあぁぁん…んんん……ぁあああぁぁ………」
鼻から抜けてくる匂いは何の抵抗もなく脳へと染み込んでいく。
普通の人間になら悪臭にしかならないが、愛の体には寄生虫が住み着いている。
鼻から侵入し鼻腔へとたどり着いたそれは、そこで体を同化させた。
そして、更なる侵食を開始する。
神経系との癒着、その拡大。及び、神経の肥大化。
本来脳へ寄生してしまえば早いのだが、頭蓋骨によって閉ざされた脳への寄生は時間がかかってしまう。
そのためこの蟲は比較的表層の神経を住処とし、嗅覚を敏感かつ狂わせることに特化している。
使用者の意のままに、どんな悪臭だろうが嗅いだだけで特上の快感が得られるように操れるのだ。
「んぁああぁぁ……ぁ、ぁぁ、んんんんぅ……すぅっ…はあああぁああああぁぁあぁ………」
暴れていた時の荒い呼吸はどこへやら、愛は今や息を吸い込むことしかできなくなっていた。
顔は幸せそうに緩み、反抗的だった目もすっかり力をなくしている。
「クカカカ、もうすっかり虜だナァ?そんなに気に入ったか?」
スラストの笑い声にも全く反応せず、愛はただただ精液の匂いを嗅ぎ続ける。
意識から他の物を全て締め出し、目の前の白濁液に夢中になっていた。
「うぁあああ……ぅううん……ぁはぁあ……」
「この顔、さっきのお前に見せてやりてぇなぁ?」
本人は気が付いていないが、今の表情は完璧に蕩けてしまっている。
嗅覚を支配され、愛の頭の中は匂いでいっぱいだった。
まともな言葉も吐けず、ただ匂いを嗅ぐ人形。
そんなものは、スラストの望んでいたものではない。
651 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:30:39 ID:JzMUwfD1
「じゃあここらで終いだ、お姫様」
「…す……ん……ん…ぅあ…?」
息を吸い込んだ途端、愛は違和感を覚えた。
状況を理解しているわけでもなく、掛けられた言葉を理解したわけでもない。
ただ、目の前の瓶から漏れる筈の強烈な匂いが、途切れただけだ。
その瞬間、靄がかかっていた視界がクリアになり、桃源郷から元の部屋へと引き戻された。
「……ぁ……?」
(……え…わ、私……何を………してたの?)
記憶も視界も白んでいて、スラストに何をされていたのか全くわからない。
覚えているのは真っ白になった後の、ひたすら嬉しいような感情のみ。
ただ、頭の奥がぼうっとして重い。
「なあ、コイツの香りはどうだった?」
視線の先には悪魔と、その持つ白い液体が入った瓶。
ちゃぷちゃぷと揺すられる液体は、粘度をもった悪魔達の精液だ。
これを差し出された後何をしていたかが朧気に霞んでしまっていた。
「ふんっ……た、たいした事ないわよこんなのっ!!」
「……へえ」
実際大した事はない、と愛は考えていた。
何か感覚が麻痺したような、そんなもどかしい感覚がどこかに残っているが、気にするほどではない。
先ほど蟲を入れられた時のような苦痛を与えられたわけでもない。
記憶が曖昧であり判断材料とその判断を狂わされていたのは間違いないのだが――愛はそれすらも気が付いていなかった。
そして、「苦痛に耐えられれば勝ちだ」という根本的な考えも。
「もう近づけないでよっ!!そんな臭くて汚らわしいもの!!」
「汚らわしい、ねえ……」
一体どの口が、と考えながらスラストは瓶を再び取り出した。
「お前に寄生させた蟲の大好物が、この精液なんだがな」
「っ!!……いい趣味じゃない、それでどうしようってのよ」
「ここまで強気なのも珍しい……いや、それだけ自身があるって事かねえ――まあいい。とりあえずこれは今、お前の大好物でもあるわけだ」
「何…それ…」
「わかるかな?お前が一度口にしたら最後、これがなきゃ生きていけなくなるのさあ」
「っ」
口にされた内容は、つまりは目の前の液体を飲んでしまえば―――全てが終わる。そういうことか。
愛の頭はこれをどうやって回避するか、必死になって考えていた。
652 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:31:42 ID:JzMUwfD1
アレを飲まされたら終わり。
口を開かなければ液体が口に入ることはないだろう。
しかし先程は口に入れられたわけでもないのに意識を飛ばされた。
おそらくは、匂い、それのみで。
匂いなんてどうやったら回避できるのだろう。
体の自由が戻らない状態では、鼻を塞ぐという事はできない。
じゃあどうすればいいのだろう。
ニヤニヤしているスラストと、あの白い、濃い液体の瓶が目の前にある。
あれを飲んでしまったら、あの甘美な香りが鼻腔を通り抜けたら、頭が壊れてしまうのではないだろうか。
一口、一口でも垂らされたら、また意識が飛んで幸せな気分になってしまう。
その後何をされるかわからない。
あの甘い匂いが、口の中に広がってしまう。
仲間を助けることもできない。
口が、口が、匂いが。
目の前がボウ、と霞んでいく気がした。
何かをしなくちゃいけない。でも、何をすればいいんだっけ?
目の前の男は瓶の蓋を開いて何をやっているんだろう?
どうでもいい。
匂いがする。
嗅ぐだけで脳が蕩けて何も考えられなくなる。
……ああ、良い匂い。
臭い、本当に臭くて、思わず噎せそうなくらい臭い。
良い匂い、嫌な匂い。
どうでもいい。
においがする。
嗅ぐだけで幸せな、においが。
舌が ひとりでに 瓶から垂れ落ちる一筋の甘露を 絡め取っているのが見えた。
―――ああ、おいしい
653 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:32:21 ID:JzMUwfD1
「……」
床に零れた精液を舐め取り、愉悦で体を痙攣させる女を、スラストは眺めていた。
ビクビク、ビクビクと震えているその表情は、酷く幸せそうだった。
舌を口から零し、唾液を先から垂らし、愛液がスーツと床一帯を水浸しにしている。
既に寄生虫の神経は鼻から口、舌へと広がりつつあり、味でさえも操るまでになっていた。
「……ク、ククカカカッ」
肩が小さく揺れ、笑いが漏れ出す。
まだだ。
後はこいつに付いた蟲を調教し直し、精液を思いながら人を斬る戦士に作り替えなければいけない。
あれだけ抵抗したんだ。
蟲の制御ができれば精神を元に戻すことはできる。
そして再び抵抗心ごと、精神を叩き折る。
これはまだ前段階だ。
屈服するには、まだもう少し。
―――人類の希望はまた一つ、明かりを消す。
桃の章に続く。
654 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:33:07 ID:JzMUwfD1
ではまた。
これを機に職人さんが多く降臨すればいいですね。
昼間忙しくて投下できませんでした。
そうか、許可求めず普通に投下してしまえばよかったですね。
しかし五行の方は何であんな長く掛けるんでしょうかね……19レス分って。
その辺が神たる所以ですか……。
文章直して直してしていると次第に短くなっちゃうんですよ。言い訳ですけど。
自分は深夜の眠い頭で書くことが多いので、喘ぎとかで「いああああああああああああああん!!!!」
とか「ああああああああ、太いのがゴリゴリ私の奥に当たってるう、もっと抉って……」って書いてたりしますから。
喘いでる最中にそんな長台詞言えるわけがないww と、つくづく眠い時というのはテンションだけだな……と感じます。
不自然だったりなんかそういう場所はこれの名残だと思って見て下さい。
シードナイツ、3人女の子なんですが(女体化を含めれば4ですが)、違う責め方するのが非常にあれです。
なにしろ持ってるバリエーションが少ないもので、どう陥落させるか非常に悩むところです。
寄生ってのはなかなか広い範囲に応用できるのですが、逆に選びにくいですね。
そのためこのスレの雑談をヒントにすることがまま在ります。
普段言えませんが、名無しの皆さん、ありがとうございます。
では、【シードナイツ・黄の章】開始。
643 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:21:57 ID:JzMUwfD1
幹部の一人、スラスト・ドリオールは戦士の一人を任されていた。
名を黄瀬愛。戦士中最も小柄だが攻撃力と敏捷性に優れ、今まで何人もの部下が倒されている。
捕らえた戦士の中で最も幼い、まだ完成しきっていない身体。
そして、決して屈しようとしない精神。
「…………ク、クククカッ」
知らず知らずのうちに唇が曲がり、笑いが漏れる。
これほど楽しいことがあるだろうか?
未知なる未知によって女を支配し、屈服する様を眺めることができるなどと。
……特等席を用意してくれた者に感謝しなければ。
他の魔物が昏倒するほどの魔力を笑うたびに垂れ流しながら、スラストは監房へと向かう。
「むーっ!! むぐ、む、ん!!」
「おーおー。気の強いお姫様だ」
スラストが監房内に入ると、そこには壁に両腕を拘束された愛の姿があった。
捕らえてから数時間程経っているが、衰弱は見られない。
むしろ拘束されていることにより抵抗心が強まっているというところか。
黒地に黄色が入ったスーツは、施した初級の拷問で殆どが破れている。
胸や秘部を辛うじて残す程度の少ない布切れも、暴れることによって捲れてしまっていた。
「少しは恥じらいってものを知った方がいいんじゃねーの?お姫様」
スラストの嘲笑にも屈せず、愛は彼を強い視線で睨みつけた。
口にかまされた猿轡がなければ、その小さな口から罵声が飛んでいたことだろう。
今の彼女には、睨むしか敵に対してできることは無い。
「さて、初級の"取調べ"で屈しなかったお姫様に朗報だ。あんたのお友達、ブルーは捕らえた」
「!!」
もがいていた愛の動きが止まり、その言葉を疑うようにスラストを凝視する。
彼女の中でのブルーは毅然としてどんな敵にも屈しない、頼れる先輩であった。
その彼女の力を持ってしても捕らわれたなどと、この男は言っている。
一体どのような卑劣な手で、どんな罠を張ったというのか。
愛の視線は再びきついものとなる。
「まぁまぁ、そう怒るなよお姫様。いまここで暴れたってお友達を助けられるわけじゃないし」
「………」
スラストの言葉にも一理あったが、納得しきれるものではない。
何しろ仲間を嵌めた敵なのだ。
「そこで、だ。本当は二人とも殺してしまう予定だったんだがな、向こうの奴と相談した結果
おもしろい趣向があるっていうんだよ」
644 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:22:45 ID:JzMUwfD1
あくまで楽しげに、悪魔は語る。
「二人を同時にいたぶって、片方が音を上げたらを相手を殺す。そしてもう一人は、生き残る」
「……?」
そんな事をして、何のメリットがあるというのか。
どうせ殺すならいつでも同じ、しかも一人を助けようなどと言っている。
悪魔がそんなことをして何の意味があるのか。
「ああ、喋れないんだったな。……娯楽だよ。単なるな」
(ごら…く?)
「今回のように簡単に捕まえられる相手だってわかったわけだしな。人間界の侵攻なんざあっと言う間だ。
そうなると、本格的に楽しみがないんだよ。魔界なんざ退廃的でおもしろくもねえ」
その暇つぶしが私達を使っての"遊戯"というわけだ。
愛は心がぐつぐつと煮えたぎっていくのを感じた。
「まああれだ、お前は相手の為に、相手はお前の為に、抵抗し続けなくちゃいけないんだよ」
目の前の敵は最悪な相手なのに、自分は何もする事ができない―――。
そんなもどかしさが、臓腑で煮え繰りかえりながらも蓄積していく。
「……黙ってる相手に話しててもつまらんな。猿轡だけ外してやるか」
「むぐっ……は、っ、はぁっ、はぁ…はぁ……」
愛の口に噛まされていた紐が緩められ空気が入り込む。
口の中にたまった唾液を飲み込み、口から勢いよく酸素を取り入れた。
「このっ……」
「卑怯者、とでも言うつもりかな?当然だね、女を捕らえて縛り付けてるわけだから」
「っ!!!」
愛の口から出るはずだった言葉が、スラストの口から紡がれる。
それは筋肉の微細な動きや声帯、そして経験から当然計算される言葉だ。
しかし愛にとってはそんな事はどうでもよく、目の前の相手が優位にある事を示すだけの事象に過ぎない。
「確認しよう。もしもお前が諦めれば、向こうのブルーは助かるがお前は死ぬ。逆に向こうが耐えられなければ……」
「私が死ぬって言うの? ブルー……涼子さんも、私も、あんた達に屈するはずが無いわ!!」
「ククッ…さあどうなるだろうねぇ……」
スラストにはある思惑があった。
それが上手くいくか。それが彼の興味の全てであった。
645 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:23:19 ID:JzMUwfD1
「まぁ始めから全力で責めるってのも手ではあるが、つまんないからな」
「何よ!? 何をしようっての!!」
「……まぁまずこの固いお嬢さんをどうにかして柔らかくしてやりたいねぇ」
スラストは纏っていた漆黒の服から一つの瓶を取り出す。
中では複数の蟲が外を求めて蠢いている。
人間界ではありえないその生き物のおぞましい外観に、愛は吐き気を催した。
「これ、何だかわかるか?」
「あんたらが使う下級の魔物の一種でしょ。こんな奴等簡単に倒せるのよ」
愛が闘ってきた中で、尖兵として使われる程度の最下級の魔物だ。
その程度、自分だけでも素手で簡単に倒せるレベルだ。
「まぁそうなんだが。お嬢さんには取っておきの奴を用意してみた」
彼が瓶を振ってみせると、中の生き物も緩く蠕動する。
出来損ないの肉塊にはいくつも目が付いていて、それぞれが独自で動く。
「まあ後でもう一つ使う予定なんだが、コイツの特性は……」
蓋を数回捻って外し、その後で床に放り投げる。
軽い音をたてて蓋が転がっていった後、彼は瓶の中から1匹の塊を取り出す。
目がぎょろぎょろと回転し、肉塊全体がびちびちとのたうつ。
時折ぼたぼたっと垂れ落ちる液体は粘性を持った紫だった。
「ニンゲンのある感覚を狂わせるんだよ」
摘み上げた1匹の蟲をスラストは愛の鼻先にまで持っていく。
目と同じ高さにさらされ、愛の目線が蟲のそれと重なり合った。
「ひぃっ」
「こいつをちょっと入れてやるだけなんだけどな……それでも、普通のニンゲン達じゃあ廃人になっちまってつまらなかったところなんだ」
下級淫魔に分類されるこいつらは、寄生した部位によって効果が異なる。
神経に取り付けばその微弱な電気信号を改変し、筋肉に寄生すれば自ら発する電気信号で周囲の筋肉を動かす。
脳に取り付いてしまえば完全に人間を支配下におくことすらできる。
しかし傷でもない限りその頭の中枢部にはたどり着けないのだ。
646 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:25:48 ID:JzMUwfD1
上級にもなれば魔力の効果で脳を支配するのも簡単になるのだが。
単純な用途にしか用いられないそれだったが、この場合はスラストの目的と用途が合致した。
『ニンゲンの感覚を狂わせ、未知の快楽に酔わせる』
悪魔では珍しくないが人間であれば異常極まりない性癖が、スラストを動かす。
「さて、じゃあこれを……」
愛が目を逸らそうとするも、顎を引き寄せるように前面に向ける。
柔らかい肌に悪魔の指が食い込み、形を変えさせる。
「入れてやる」
反対の手で持っていた蟲が顔にじりじりと寄せられる。
それは動きを増し、震動によって口の周りに分泌液が飛び散った。
「……っ!!!」
愛は口にそれが入らないようにきっと口を引き結ぶが、スラストはそれを目ざとく見つける。
口元を楽しげに歪めながら、蟲をその小さい唇に押し付ける。
「ほら、これを今からお前の中に入れてやるよ」
「っ!!…っ……!!」
ピチピチャと肌にあたる感覚は水気を含み、少しではあるが吸いつく感覚を伴う。
「別にいくら我慢してもいいんだぞ?口にコイツが入らないようになぁ……」
その声はとても楽しげであるが、顔を歪めて蟲を拒む愛にはそれが届いたどうか。
蟲の口に当たる先端部を持って唇の形になぞる。
その度におぞましさによって寒気が背筋を走り抜けた。
「大丈夫だお嬢さん。これを入れるのは口じゃないから」
スラストは蟲を上唇の上に散々塗りたくり、抵抗する愛の表情をたっぷり楽しんだ後―――
――蟲を、鼻に突きこんだ。
「んんっ!!! ん!! んんん!!」
その感覚は、今まで味わった事も味あわされた事も無い未知の感覚だった。
粘膜と粘膜が触れ合う何ともいえない感覚。
自分の意思でならともかく、他人にされるそれは精神的にとても受け入れられるものではない。
(な、何っ!? は、鼻の穴っ、にっ、何、蟲!? 蟲がっ、鼻に)
口の周りに散々塗りつけられた液体はまだ残っていて、口を開け悲鳴を上げようとした愛の口に入り込む。
その苦味のような奇妙な味に構っていられず、愛はただ嫌悪感のみを口にする。
「……んぶっ、ん、ぶ、んあっ、いやあっ!! いやっ、ああああああぁあっ!!!!」
鼻に入り込んだ蟲はうねうねと回転しながら身じろぎし、奥へと進もうとする。
両方の穴を封じられ、そして中から蹂躙される体験に、愛の開かれた目から涙がこぼれる。
「ぅあ、べぁ、はぉっ、うっ、おぁっ、かはぁっ、んおおおっ」
両穴を完全に閉ざされてかなりの窒息感を感じ、必死に口を開け空気を求める。
涎と分泌液が出された舌から滴り落ち、身体が汚れるのも構っていない。
(何、え、、も、考え、られ、ひぐ、うが、え、あ、あう)
思考が苦痛と共に白んで、まともな言葉が発せなくなっていく。
「うあ、……んごぉ、ぁう、え、はぁっ、へっ、へぁっ、あ あ あ」
蟲の尻尾はもう見えなくなっていて、鼻腔まで到達したことがわかる。
完全に定着するまでにはもう少しだけ時間がかかるはずだった。
647 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:26:51 ID:JzMUwfD1
「まぁ待てや、お前らはまた使ってやるから」
スラストは暴れる他の蟲を瓶に戻しながら少女の様子を眺めた。
身体がびくびくと震え、口からだらしなく涎を垂らしている。
「あ……ぅ…ぁ……えぁ………」
口からは意味を持たない言葉しか発せられず、目にいつもの光は宿っていない。
ゲームなんて言って始めたが、スラストにはそんな事をする気は全くない。
2人とも、いや5人全員生かしておく計画であるし、ブルーの担当であるドーアはブルーを悪質に堕とすのに熱中している。
他の担当達も独占欲が強く、一度手に入れた獲物達を生かさず殺さず嬲るのが趣味だ。
それはスラスト自身も同様であったし、愛に対しても相当酷い事をするつもりだった。
それに重要なのは、愛の精神力である。
(耐えてもらわないとつまらんからな……)
自分が生き残っているのは、向こうで相手が生きているお陰だ。
そういう意識が在り続ければあの屈服しようとしない目が見られる。
如何なる手段を持ってしても砕けない強固な意思。
それを壊す瞬間に、スラストは最上の愉悦を感じるのだ。
「さて、このお嬢様をどうしようかね……時間をかけるか…それとも…」
「……あ……ぁ…う………ま………ない……」
「お?」
スラストが思案している最中に愛は何とか意識を取り戻し、声を絞りだそうとした。
体は鉛になったかのように重く、とても動いたりできるレベルではなく、ましてや戦闘など話にならない。
そんな状況でも、『抵抗しなくはいけない』という意志だけは残っていた。
鼻から突き込まれた蟲が何の為の物かは知らないが、屈するわけにはいかない。
「気が付いたのか?早いなあ、おい。流石は正義の味方サマだなあ?」
口元を楽しげに歪めながら愛を嘲笑うスラスト。
ほぼ人間と同じ容姿をしているだけに、その口が耳まで吊りあがる笑いはおぞましいものだった。
「…ま……けな……い…ん…だから……ぅ…」
悪魔は必死に体を動かそうとする愛の脇にしゃがみ込み、顔を覗き込んだ。
「クカカカッ!! あんなキツい思いさせたのに目が生き返っちゃってるねぇ!! じゃあ……」
顔に優しく触れ、愛でる様に頬を撫でてやる行為。
狂気に笑う彼の表情とは矛盾した、人間的な行為。
そんな行動に愛が何かを考える暇も無く、スラストは次の言葉を吐き出した。
「とりあえず、犯されるってのはどうだい?」
648 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:28:19 ID:JzMUwfD1
(………?………)
一瞬だけ 反応ができなかった
思考が靄に迷い込んだ。
何故今までこうならなかったんだろうか?
良く考えればこうも回りくどい真似をされる前に腹を括ったことだったのだ。
悪魔達に捕らえられた時点で、いや、もっともっと前の時点で。
人々を殺め犯し破壊する悪魔達を相手に戦うと決めたあの日から、女であることは捨てた筈だ。
あの日一緒に出かけていた女の子とはぐれてしまった時。
彼女を探し回っていた時、不意に訪れた爆音と閃光、衝撃と、黒い影達。
友人がボロボロに犯されていく瞬間をまざまざと見せ付けられた、あの地獄。
こちらを見ている瞳が涙で曇り光をなくしていく様子。
頭の中で何かが切り替わり、限界を越えた時。
あの時目覚めた力は、何千人もの命を救う為に今まで行使してきた。
そうだ、彼女の様な人を出してはいけないのだ。
あの時味わった途方も無い恐怖、友人が目の前で汚される悲しみ、何もできない自分への憤怒。
夜の闇より黒い絶望を乗り越えて、今ここに居る筈だ。
アレに比べればどんな事も耐えられる。
そうだ、かんたんなことジャナイカ。
私は悪魔達には絶対に屈しない。
あんなフウになりたくない。
絶対に耐えて、皆を、世界を守らなきゃいけない。
このチカラがあるんだ。
そうだ。私は―――
「……アンタなんかには、絶対負けない!!」
いきなり大声を出した愛に、覗きこんでいたスラストは一瞬動きを止めた。
驚いた様子も呆れる様子も無く、ただ動きを止める。
「…もう首まで戻ったか。頃合いだな」
笑った表情はそのままに、声色も全く変わらずに、スラストは楽しそうにしている。
そしてごそごそと取り出したのは、其の部屋にも、彼にも全く似つかわしくない、白い小瓶だった。
649 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:28:59 ID:JzMUwfD1
「何っ…犯すんでしょ?…やるならやればいいじゃない!!」
「反抗的だねぇ。あと言ってなかったが、犯すといっても俺がやるわけじゃないからな」
小瓶の蓋をゆっくりと緩慢に開ける彼の行為は、愛の目には奇妙に映った。
ゆっくりと、ゆっくりと蓋が捻られていく。
それと同時に彼の笑みはますます歪んでいった。
妖しく歪む愉しげな笑みに、愛が顔に少しの不安を浮かべたとき、蓋が全て抜けきった。
その中に入っているものが何なのか、首までしか支配権が戻らない愛には確かめようが無い。
(……ッ!!!!)
青臭い、独特の香り。
生臭いその液体が、スラストの持っている瓶から垂れ落ちていく。
布の切れ端に吸い込まれ染み込んで行ったどろどろとした液体は、
しだいに粘度を増してゲルのようになっていく、白濁したそれは、
知識が無い訳ではない。
救助した女性を手当てする際、嫌でも始末しなければならない、その汚液。
そして、奴等があの友人を汚していった光景がフラッシュバックする。
あの時彼女に纏わり付いていた、いくら綺麗にしようとも残っていた匂いが。
この鼻につく、嗅ぐだけで胸焼けがするような腐臭を放つ液体は、
悪魔達にしか出せないだろう、信じられないほど濃密な匂いを発する――
―――悪魔の、精液だ。
(嫌……何…何をしようと……駄目だ…しっかり、しないと…)
黒い布地は白い液体を吸い込み、先ほどよりも濃くなったように見える。
あの嫌な匂いを発する液体をたっぷりと含んだ布切れ。
なんとか首を動かして匂いを避けようとするが、顎を捉えた男の手がそれを許してくれない。
呼気に紛れてむせ返るような精臭が鼻へと届き、鼻腔に吸い込まれ―吸い込まれ――
(う、く、臭……く…………え?……あ?あ あ あ)
愛が知覚したのは悪臭ではなかった。
(これ……な、に…………? あ、たまボーっとしちゃ、あ、あ)
まるで極上の香を嗅いだかのように、甘美な匂いが頭の奥まで侵食してくる。
鼻を突く筈の匂いに、何故か下腹部が軽く痺れだす。
必死に別の方向を向こうとしていた力も、簡単に抑え込まれてしまった。
「う……ぁ…はぁ……な、な……んん!」
瓶が見えるところまで回転させられた時、意識していない筈なのに鼓動が高鳴った。
白い液体から目が離れなくなり、ますます匂いは強くなる。
(え……なによ、う……ぁはぁ……いい…ぁ…)
「どうだい?悪魔の特濃精液だぜ。もうイきそうかい?クカカ」
「くっ……っぁああぁぁあぁっ…ううぅっ……!!」
否定も反論もする前に、更に強い波が彼女の体を犯し流していく。
香草の匂いをを吸った時の様な爽快なものと、ひどく甘い甘露のもたらす感覚が同時に襲ってくる。
ただ、息をするだけで、匂いが体内に取り込まれ、そしてとてつもない快感をもたらした。
「ううぅ…ぁ……すうぅぅぅっ…ん…ぁあ………すぅううぅ……はぁあああぁあっ…」
大きく吸えばそれだけ精液の腐臭は鼻の奥へ届き、頭がいっぱいになる。
同時にその匂いは肺に届き、そこの細胞へも浸透していく。
その様を見ながらスラストは笑った。
650 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:30:17 ID:JzMUwfD1
人間の生きていく上で必要なもの、多くある中で最も重要なもののひとつが、呼吸である。
生命活動を行ううえで絶対に必要なこの行為を、スラストは性行為と同じ快感が得られるように愛を改造しようとしていた。
「すううっ……はぁあぁぁん…んんん……ぁあああぁぁ………」
鼻から抜けてくる匂いは何の抵抗もなく脳へと染み込んでいく。
普通の人間になら悪臭にしかならないが、愛の体には寄生虫が住み着いている。
鼻から侵入し鼻腔へとたどり着いたそれは、そこで体を同化させた。
そして、更なる侵食を開始する。
神経系との癒着、その拡大。及び、神経の肥大化。
本来脳へ寄生してしまえば早いのだが、頭蓋骨によって閉ざされた脳への寄生は時間がかかってしまう。
そのためこの蟲は比較的表層の神経を住処とし、嗅覚を敏感かつ狂わせることに特化している。
使用者の意のままに、どんな悪臭だろうが嗅いだだけで特上の快感が得られるように操れるのだ。
「んぁああぁぁ……ぁ、ぁぁ、んんんんぅ……すぅっ…はあああぁああああぁぁあぁ………」
暴れていた時の荒い呼吸はどこへやら、愛は今や息を吸い込むことしかできなくなっていた。
顔は幸せそうに緩み、反抗的だった目もすっかり力をなくしている。
「クカカカ、もうすっかり虜だナァ?そんなに気に入ったか?」
スラストの笑い声にも全く反応せず、愛はただただ精液の匂いを嗅ぎ続ける。
意識から他の物を全て締め出し、目の前の白濁液に夢中になっていた。
「うぁあああ……ぅううん……ぁはぁあ……」
「この顔、さっきのお前に見せてやりてぇなぁ?」
本人は気が付いていないが、今の表情は完璧に蕩けてしまっている。
嗅覚を支配され、愛の頭の中は匂いでいっぱいだった。
まともな言葉も吐けず、ただ匂いを嗅ぐ人形。
そんなものは、スラストの望んでいたものではない。
651 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:30:39 ID:JzMUwfD1
「じゃあここらで終いだ、お姫様」
「…す……ん……ん…ぅあ…?」
息を吸い込んだ途端、愛は違和感を覚えた。
状況を理解しているわけでもなく、掛けられた言葉を理解したわけでもない。
ただ、目の前の瓶から漏れる筈の強烈な匂いが、途切れただけだ。
その瞬間、靄がかかっていた視界がクリアになり、桃源郷から元の部屋へと引き戻された。
「……ぁ……?」
(……え…わ、私……何を………してたの?)
記憶も視界も白んでいて、スラストに何をされていたのか全くわからない。
覚えているのは真っ白になった後の、ひたすら嬉しいような感情のみ。
ただ、頭の奥がぼうっとして重い。
「なあ、コイツの香りはどうだった?」
視線の先には悪魔と、その持つ白い液体が入った瓶。
ちゃぷちゃぷと揺すられる液体は、粘度をもった悪魔達の精液だ。
これを差し出された後何をしていたかが朧気に霞んでしまっていた。
「ふんっ……た、たいした事ないわよこんなのっ!!」
「……へえ」
実際大した事はない、と愛は考えていた。
何か感覚が麻痺したような、そんなもどかしい感覚がどこかに残っているが、気にするほどではない。
先ほど蟲を入れられた時のような苦痛を与えられたわけでもない。
記憶が曖昧であり判断材料とその判断を狂わされていたのは間違いないのだが――愛はそれすらも気が付いていなかった。
そして、「苦痛に耐えられれば勝ちだ」という根本的な考えも。
「もう近づけないでよっ!!そんな臭くて汚らわしいもの!!」
「汚らわしい、ねえ……」
一体どの口が、と考えながらスラストは瓶を再び取り出した。
「お前に寄生させた蟲の大好物が、この精液なんだがな」
「っ!!……いい趣味じゃない、それでどうしようってのよ」
「ここまで強気なのも珍しい……いや、それだけ自身があるって事かねえ――まあいい。とりあえずこれは今、お前の大好物でもあるわけだ」
「何…それ…」
「わかるかな?お前が一度口にしたら最後、これがなきゃ生きていけなくなるのさあ」
「っ」
口にされた内容は、つまりは目の前の液体を飲んでしまえば―――全てが終わる。そういうことか。
愛の頭はこれをどうやって回避するか、必死になって考えていた。
652 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:31:42 ID:JzMUwfD1
アレを飲まされたら終わり。
口を開かなければ液体が口に入ることはないだろう。
しかし先程は口に入れられたわけでもないのに意識を飛ばされた。
おそらくは、匂い、それのみで。
匂いなんてどうやったら回避できるのだろう。
体の自由が戻らない状態では、鼻を塞ぐという事はできない。
じゃあどうすればいいのだろう。
ニヤニヤしているスラストと、あの白い、濃い液体の瓶が目の前にある。
あれを飲んでしまったら、あの甘美な香りが鼻腔を通り抜けたら、頭が壊れてしまうのではないだろうか。
一口、一口でも垂らされたら、また意識が飛んで幸せな気分になってしまう。
その後何をされるかわからない。
あの甘い匂いが、口の中に広がってしまう。
仲間を助けることもできない。
口が、口が、匂いが。
目の前がボウ、と霞んでいく気がした。
何かをしなくちゃいけない。でも、何をすればいいんだっけ?
目の前の男は瓶の蓋を開いて何をやっているんだろう?
どうでもいい。
匂いがする。
嗅ぐだけで脳が蕩けて何も考えられなくなる。
……ああ、良い匂い。
臭い、本当に臭くて、思わず噎せそうなくらい臭い。
良い匂い、嫌な匂い。
どうでもいい。
においがする。
嗅ぐだけで幸せな、においが。
舌が ひとりでに 瓶から垂れ落ちる一筋の甘露を 絡め取っているのが見えた。
―――ああ、おいしい
653 黒い人@【魔法騎士シードナイツ・黄の章】 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:32:21 ID:JzMUwfD1
「……」
床に零れた精液を舐め取り、愉悦で体を痙攣させる女を、スラストは眺めていた。
ビクビク、ビクビクと震えているその表情は、酷く幸せそうだった。
舌を口から零し、唾液を先から垂らし、愛液がスーツと床一帯を水浸しにしている。
既に寄生虫の神経は鼻から口、舌へと広がりつつあり、味でさえも操るまでになっていた。
「……ク、ククカカカッ」
肩が小さく揺れ、笑いが漏れ出す。
まだだ。
後はこいつに付いた蟲を調教し直し、精液を思いながら人を斬る戦士に作り替えなければいけない。
あれだけ抵抗したんだ。
蟲の制御ができれば精神を元に戻すことはできる。
そして再び抵抗心ごと、精神を叩き折る。
これはまだ前段階だ。
屈服するには、まだもう少し。
―――人類の希望はまた一つ、明かりを消す。
桃の章に続く。
654 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2008/07/25(金) 21:33:07 ID:JzMUwfD1
ではまた。
これを機に職人さんが多く降臨すればいいですね。
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