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全てのヒトへ祝福を
74 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:37:27 ID:Qw/+A1nn
今日書いたやつを投下。
降誕祭、聖誕祭、聖夜。
全ては正しい。今夜は聖なる夜だ。
10日以上に渡りこの祭りは続けられる。
そう、10日後には全てのヒトが生まれ変わる。
我が眷属によって世界は埋め尽くされ、我等が地上を支配する。
そうだ、全てのヒトの子にプレゼントをしなくては。
これから始まる聖誕祭、今日はそのEvening(前夜)なのだから。
赤い悪魔が闊歩する。
何も知らずに眠る人間に、全てを知り逃げる人間に。
全ての人間に進化の種を贈るために。
舞台は整った。
これで世界は荒野に変わることも無く死の灰で覆われることも無い。
そんな「悲劇」が起こり得る事など無くなるのだ。
核の火など全く問題にならない、生物を越えた種族が誕生する。
飢えは無くなる。
貧困も無くなる。
争いも無くなる。
全ては全ての子の為に。
ある者は家族と。
ある者は恋人と。
ある者は一人で。
男も女も子供も老人も、肌も髪も瞳の色も違う全ての人々が。
その紅い光を見上げ、立ち尽くした。
200X年12月24日、それは始まった―――
75 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:37:58 ID:Qw/+A1nn
ポインセチア。
クリスマスに飾られる植物として、色彩でこれほどふさわしいものは無かった。
もちろん伝統的なのはモミの木なのだが。
緑と赤の葉は、それだけでクリスマスを連想させる象徴的な植物だ。
モミの木が高価かつ大きいために、ポインセチアの需要は上がっていた。
元々中南米が原産であるこの花は寒さに弱いはずである。
しかし今花屋に並んでいる花は屋外で寒さに晒されているにも関わらず全く萎えようとしなかった。
―――品種改良である。
ある品評会に育苗家が出品したこの種は、寒さに強くかつ美しい葉姿からたちまち人気になった。
数年の間にその人気は国中に広がり、安価でかつ手入れが容易であることから飛ぶように売れた。
そのうち大きな木に成長したり、小さいままだったりする亜種も同じ銘で発売された。
種として新たな性質を兼ね備えた新たな植物。
その異常ともいえる人気と全国に広がる「繁殖力」は、すでに植物という垣根を越えていた。
買った者は知らず知らずのうちに他人に薦める。
そう、まるで何かに憑かれたかのように広がる植物。
しかし、そんな事態に気付く者はいなかった。
この国には一人たりとも存在しなかった。
200X年、冬。
76 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:38:17 ID:Qw/+A1nn
「うー。やってらんないわ……」
雪乃は週末もバイトに駆り出されていた。
突然店長に呼ばれて、結構強引に任せられてしまったのだ。
もうクリスマスだというのにこれだけバイト尽くしでは相手を探す暇も無い。
「今度男でも紹介してもらおうかな……」
外を見ればちらほらと白いものが降り出している。
余計に溜め息を漏らして、商品の棚のほうを見やる。
雪乃の働く花屋では現在ポインセチアの鉢が飛ぶように売れていた。
掌に乗る様な小さなサイズの物から、大きな鉢まで。
特に人気の高いものが『聖夜』という銘柄の品種である。
それこそサイズを問わず、客に愛されて広まっているようだ。
いまはその花にも、クリスマス風の飾り付けをしてあった。
来店を知らせるベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
入ってきたのは厚い毛皮のコートを羽織った女性だった。
女性は雪乃が目を見張るほどの美人で、髪は輝く金色をしていた。
「今日は何を御求めですか?」
「一つ、花束を贈りたくてね。大き目のものを」
「プレゼントですか?」
「ええ。まぁお任せするわ」
雪乃に最低限の事だけ伝え、女性は店内を歩き出した。
そして、ある場所で動きを止めた。
77 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:38:50 ID:Qw/+A1nn
「ねぇ、このポインセチア……」
「……ああ、聖夜、と呼ばれる種類ですね」
「寒さに強いのかしら?」
「ええ、ホントはポインセチアって寒さに弱いらしいんですけど」
「そう……」
女性の表情は後ろを向いていてわからない。
「この装飾、クリスマスにぴったりね」
「そうですね、今この花がとても人気で……」
「知ってるわよ。それを確かめに来たんですもの」
「? …それってどうい」
言いかけて、雪乃の手が止まった。
何かがおかしいとはわかっているのだが、それがわからない、認識できない。
身体は何故か震え始め、歯が打ち合わされて鳴っている。
「当日だから調子を見に来たのよ」
「え……何が……」
先ほどから女性の言っていることがわからない。
「このポインセチアの名前、聖夜って言うのよね」
「はい……」
「何故こういう名前になったか、知っているかしら?」
名前の由来は聞いたことが無かったし、気にしたことも無かった。
そしてそこで身体が動かなくなってきていることに気が付いた。
「え……身体……なんで」
それでも、女性の一方的な告白は止まらない。
78 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:08 ID:Qw/+A1nn
「実は……その花、真っ赤な花を咲かすのよ」
「はな?」
「たった一度、クリスマスの夜にね……」
「……」
女性の纏っている空気がどんどんと濃密なものになっていく。
そしてその分雪乃を押さえつける見えない枷は強くなった。
「そのために数年前から準備してたのよ。おかげでほら……」
女性は鉢を持ち上げる。
「こんなに綺麗に育ったわ」
「……」
もはや声も出せない。
女性の周りの風景が歪んでいるように見える。
「この植物……一番近くで扱うあなた達に広めてもらわなきゃね」
鉢を持っていた手をこちらへ向け、鉢を落とす。
当然鉢は重力により床に叩きつけられ、土が飛び散るはずだった。
しかし。
「この子も貴方を気に入ったみたいよ」
そのポインセチアの根は見慣れたものとはかけ離れていた。
一体どこにそんな質量が隠されていたのだろうか、樹の根ほどの太さの根が蠢いていた。
「この子達、「聖夜」の花はね、全てのヒトへの贈り物なのよ」
根が、すぐそこまで這ってきていた。
79 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:27 ID:Qw/+A1nn
這ってきた根は左脚を絡めとって、雪乃のバランスを崩した。
「……」
こんな時でさえ、奪われた声は出ようとしない。
必死になって悲鳴をあげようとするが、それは叶わない。
「ふふ、アナタみたいな娘、繁殖しがいがあるみたいね」
根の動きが激しいのを指しているのか、女性は笑う。
引き寄せられたせいでその声は真上から降ってくる。
「そろそろ声、戻してあげましょうか」
「……っ……ぷはっ、はぁっ!! はぁ!! 」
喉を掴まれる様な圧迫感が消え、必死で空気を吸う雪乃。
「喋りっぱなしでのどが渇いたわ。あなた、飲み物出してくれる?」
「何……飲み物っ……?」
「そうよ。飲ましてくれるわよね?」
「ひっ」
根が活動を再開し、手にまで巻きついてきた。
四肢が完全に押さえられ、足は開かれた状態だ。
「もちろん、あなたの愛液……よ♪」
そう言うが早いか開かれた両足の間に顔をすっと近づけた。
そして口から出てきたのは長く真っ赤に光る舌だった。
「んひぃぃぃぃぃっ!!!!」
布など関係ないかのように、ぬめる舌が入り込んでくる。
雪乃が悲鳴を上げる間もなくその舌は蹂躙を開始した。
80 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:42 ID:Qw/+A1nn
「あひゃっぁぁっ!!! ああぁあぁっ!!! ひゃっ、あっ、あぁぁあぁ、ぁああああ」
10分後、彼女が口元を愛液で濡らしながら立ち上がった時、雪乃に反抗の意志はなかった。
雪乃の身体にはあの鉢から出てきた悪魔がとりついている。
全身に根を張り栄養を吸収し、そしてなおかつ分泌した液体を雪乃に飲ませている。
「ああぁっ!! あ、あぁあぁはぁっ!! すご、すごっ、ああ!! ああああ、!」
彼女の陰部からはぶちゅぶちゅという音が絶えず、そこにも根が行き渡っていた。
もはや何回絶頂に導かれたかもわからない。
ただ身に限界を超える快楽を受け続け、そして。
81 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:40:01 ID:Qw/+A1nn
「は、あっ――ぁ―っ―ぁ―――!!――!!!!――!!!!!!」
至ったのは絶頂
「――!!!!!!!――!!!!!!!!!!!!!―――!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
戻れない絶頂
「―――っ―――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
昇り続ける絶頂
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして囁かれる言葉。
「 」
雪乃は絶頂の先の、歓喜にいた。
82 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:41:32 ID:Qw/+A1nn
空が光ったのは一瞬だった。
しかしその強烈さ故に見た人間は無数にいた。
花火だろうと決め付ける人、何も無かったように会話を続ける人、納得はいかずとも家族を連れて返る人。
確かに考える行為に意味は無かった。
もう全ての鉢植えを目覚めさせる光は行き届いたのだから。
全ての根が、蠢きだす。
世界を喰らおうとする大樹の子孫は、島国を覆い尽くそうとしていた。
**
一見何も無かったかのような街は、イルミネーションの光で照らされていた。
その光を見て微笑みながらを闊歩する緋色のドレスの女達。
「そういえば、これ、花言葉は何だか知ってる?」
「ええ。花言葉なら任せていただけます?」
また一人、紅い服が街に増えた。
また一人、また一人。
名を持たない彼女達は街に花を配り歩く。
『祝福』『聖なる願い』の意を持つ毒の花を。
逃げてはいけない、逃れられはしないのだから。
世界中に撒き散らされた鉢植え達が、それを許しはしない。
オスを餌に、メスを糧に。
赤服の女性は増え続け、いずれ世界を満たすだろう。
彼女達は新しい同胞にそっと囁く。
「 Merry Xmas 」
83 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:48:34 ID:Qw/+A1nn
年末に向けて書こうとしていたのに忘れてしまっていた……
いや、今年の3月辺りから放置していたネタなんですけどね。
他にもネタが10とか貯まってるんでちょくちょく消化していきたいと思います。(来年の抱負)
スマソ。また時間見つけてシードナイツを仕上げます。
新年まで登場の機会が無いので、ここで皆様が良い寄生と出会えますよう
来年が皆様にとって目覚めの年であることを願って、筆をおきます。
では。
今日書いたやつを投下。
降誕祭、聖誕祭、聖夜。
全ては正しい。今夜は聖なる夜だ。
10日以上に渡りこの祭りは続けられる。
そう、10日後には全てのヒトが生まれ変わる。
我が眷属によって世界は埋め尽くされ、我等が地上を支配する。
そうだ、全てのヒトの子にプレゼントをしなくては。
これから始まる聖誕祭、今日はそのEvening(前夜)なのだから。
赤い悪魔が闊歩する。
何も知らずに眠る人間に、全てを知り逃げる人間に。
全ての人間に進化の種を贈るために。
舞台は整った。
これで世界は荒野に変わることも無く死の灰で覆われることも無い。
そんな「悲劇」が起こり得る事など無くなるのだ。
核の火など全く問題にならない、生物を越えた種族が誕生する。
飢えは無くなる。
貧困も無くなる。
争いも無くなる。
全ては全ての子の為に。
ある者は家族と。
ある者は恋人と。
ある者は一人で。
男も女も子供も老人も、肌も髪も瞳の色も違う全ての人々が。
その紅い光を見上げ、立ち尽くした。
200X年12月24日、それは始まった―――
75 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:37:58 ID:Qw/+A1nn
ポインセチア。
クリスマスに飾られる植物として、色彩でこれほどふさわしいものは無かった。
もちろん伝統的なのはモミの木なのだが。
緑と赤の葉は、それだけでクリスマスを連想させる象徴的な植物だ。
モミの木が高価かつ大きいために、ポインセチアの需要は上がっていた。
元々中南米が原産であるこの花は寒さに弱いはずである。
しかし今花屋に並んでいる花は屋外で寒さに晒されているにも関わらず全く萎えようとしなかった。
―――品種改良である。
ある品評会に育苗家が出品したこの種は、寒さに強くかつ美しい葉姿からたちまち人気になった。
数年の間にその人気は国中に広がり、安価でかつ手入れが容易であることから飛ぶように売れた。
そのうち大きな木に成長したり、小さいままだったりする亜種も同じ銘で発売された。
種として新たな性質を兼ね備えた新たな植物。
その異常ともいえる人気と全国に広がる「繁殖力」は、すでに植物という垣根を越えていた。
買った者は知らず知らずのうちに他人に薦める。
そう、まるで何かに憑かれたかのように広がる植物。
しかし、そんな事態に気付く者はいなかった。
この国には一人たりとも存在しなかった。
200X年、冬。
76 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:38:17 ID:Qw/+A1nn
「うー。やってらんないわ……」
雪乃は週末もバイトに駆り出されていた。
突然店長に呼ばれて、結構強引に任せられてしまったのだ。
もうクリスマスだというのにこれだけバイト尽くしでは相手を探す暇も無い。
「今度男でも紹介してもらおうかな……」
外を見ればちらほらと白いものが降り出している。
余計に溜め息を漏らして、商品の棚のほうを見やる。
雪乃の働く花屋では現在ポインセチアの鉢が飛ぶように売れていた。
掌に乗る様な小さなサイズの物から、大きな鉢まで。
特に人気の高いものが『聖夜』という銘柄の品種である。
それこそサイズを問わず、客に愛されて広まっているようだ。
いまはその花にも、クリスマス風の飾り付けをしてあった。
来店を知らせるベルが鳴る。
「いらっしゃいませ」
入ってきたのは厚い毛皮のコートを羽織った女性だった。
女性は雪乃が目を見張るほどの美人で、髪は輝く金色をしていた。
「今日は何を御求めですか?」
「一つ、花束を贈りたくてね。大き目のものを」
「プレゼントですか?」
「ええ。まぁお任せするわ」
雪乃に最低限の事だけ伝え、女性は店内を歩き出した。
そして、ある場所で動きを止めた。
77 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:38:50 ID:Qw/+A1nn
「ねぇ、このポインセチア……」
「……ああ、聖夜、と呼ばれる種類ですね」
「寒さに強いのかしら?」
「ええ、ホントはポインセチアって寒さに弱いらしいんですけど」
「そう……」
女性の表情は後ろを向いていてわからない。
「この装飾、クリスマスにぴったりね」
「そうですね、今この花がとても人気で……」
「知ってるわよ。それを確かめに来たんですもの」
「? …それってどうい」
言いかけて、雪乃の手が止まった。
何かがおかしいとはわかっているのだが、それがわからない、認識できない。
身体は何故か震え始め、歯が打ち合わされて鳴っている。
「当日だから調子を見に来たのよ」
「え……何が……」
先ほどから女性の言っていることがわからない。
「このポインセチアの名前、聖夜って言うのよね」
「はい……」
「何故こういう名前になったか、知っているかしら?」
名前の由来は聞いたことが無かったし、気にしたことも無かった。
そしてそこで身体が動かなくなってきていることに気が付いた。
「え……身体……なんで」
それでも、女性の一方的な告白は止まらない。
78 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:08 ID:Qw/+A1nn
「実は……その花、真っ赤な花を咲かすのよ」
「はな?」
「たった一度、クリスマスの夜にね……」
「……」
女性の纏っている空気がどんどんと濃密なものになっていく。
そしてその分雪乃を押さえつける見えない枷は強くなった。
「そのために数年前から準備してたのよ。おかげでほら……」
女性は鉢を持ち上げる。
「こんなに綺麗に育ったわ」
「……」
もはや声も出せない。
女性の周りの風景が歪んでいるように見える。
「この植物……一番近くで扱うあなた達に広めてもらわなきゃね」
鉢を持っていた手をこちらへ向け、鉢を落とす。
当然鉢は重力により床に叩きつけられ、土が飛び散るはずだった。
しかし。
「この子も貴方を気に入ったみたいよ」
そのポインセチアの根は見慣れたものとはかけ離れていた。
一体どこにそんな質量が隠されていたのだろうか、樹の根ほどの太さの根が蠢いていた。
「この子達、「聖夜」の花はね、全てのヒトへの贈り物なのよ」
根が、すぐそこまで這ってきていた。
79 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:27 ID:Qw/+A1nn
這ってきた根は左脚を絡めとって、雪乃のバランスを崩した。
「……」
こんな時でさえ、奪われた声は出ようとしない。
必死になって悲鳴をあげようとするが、それは叶わない。
「ふふ、アナタみたいな娘、繁殖しがいがあるみたいね」
根の動きが激しいのを指しているのか、女性は笑う。
引き寄せられたせいでその声は真上から降ってくる。
「そろそろ声、戻してあげましょうか」
「……っ……ぷはっ、はぁっ!! はぁ!! 」
喉を掴まれる様な圧迫感が消え、必死で空気を吸う雪乃。
「喋りっぱなしでのどが渇いたわ。あなた、飲み物出してくれる?」
「何……飲み物っ……?」
「そうよ。飲ましてくれるわよね?」
「ひっ」
根が活動を再開し、手にまで巻きついてきた。
四肢が完全に押さえられ、足は開かれた状態だ。
「もちろん、あなたの愛液……よ♪」
そう言うが早いか開かれた両足の間に顔をすっと近づけた。
そして口から出てきたのは長く真っ赤に光る舌だった。
「んひぃぃぃぃぃっ!!!!」
布など関係ないかのように、ぬめる舌が入り込んでくる。
雪乃が悲鳴を上げる間もなくその舌は蹂躙を開始した。
80 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:39:42 ID:Qw/+A1nn
「あひゃっぁぁっ!!! ああぁあぁっ!!! ひゃっ、あっ、あぁぁあぁ、ぁああああ」
10分後、彼女が口元を愛液で濡らしながら立ち上がった時、雪乃に反抗の意志はなかった。
雪乃の身体にはあの鉢から出てきた悪魔がとりついている。
全身に根を張り栄養を吸収し、そしてなおかつ分泌した液体を雪乃に飲ませている。
「ああぁっ!! あ、あぁあぁはぁっ!! すご、すごっ、ああ!! ああああ、!」
彼女の陰部からはぶちゅぶちゅという音が絶えず、そこにも根が行き渡っていた。
もはや何回絶頂に導かれたかもわからない。
ただ身に限界を超える快楽を受け続け、そして。
81 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:40:01 ID:Qw/+A1nn
「は、あっ――ぁ―っ―ぁ―――!!――!!!!――!!!!!!」
至ったのは絶頂
「――!!!!!!!――!!!!!!!!!!!!!―――!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
戻れない絶頂
「―――っ―――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
昇り続ける絶頂
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして囁かれる言葉。
「 」
雪乃は絶頂の先の、歓喜にいた。
82 黒い人@全てのヒトへ祝福を ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:41:32 ID:Qw/+A1nn
空が光ったのは一瞬だった。
しかしその強烈さ故に見た人間は無数にいた。
花火だろうと決め付ける人、何も無かったように会話を続ける人、納得はいかずとも家族を連れて返る人。
確かに考える行為に意味は無かった。
もう全ての鉢植えを目覚めさせる光は行き届いたのだから。
全ての根が、蠢きだす。
世界を喰らおうとする大樹の子孫は、島国を覆い尽くそうとしていた。
**
一見何も無かったかのような街は、イルミネーションの光で照らされていた。
その光を見て微笑みながらを闊歩する緋色のドレスの女達。
「そういえば、これ、花言葉は何だか知ってる?」
「ええ。花言葉なら任せていただけます?」
また一人、紅い服が街に増えた。
また一人、また一人。
名を持たない彼女達は街に花を配り歩く。
『祝福』『聖なる願い』の意を持つ毒の花を。
逃げてはいけない、逃れられはしないのだから。
世界中に撒き散らされた鉢植え達が、それを許しはしない。
オスを餌に、メスを糧に。
赤服の女性は増え続け、いずれ世界を満たすだろう。
彼女達は新しい同胞にそっと囁く。
「 Merry Xmas 」
83 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2007/12/24(月) 20:48:34 ID:Qw/+A1nn
年末に向けて書こうとしていたのに忘れてしまっていた……
いや、今年の3月辺りから放置していたネタなんですけどね。
他にもネタが10とか貯まってるんでちょくちょく消化していきたいと思います。(来年の抱負)
スマソ。また時間見つけてシードナイツを仕上げます。
新年まで登場の機会が無いので、ここで皆様が良い寄生と出会えますよう
来年が皆様にとって目覚めの年であることを願って、筆をおきます。
では。
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