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家内制触手工業
38 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:29:00 ID:+FdkhKJ+
どうも、軍寺2回やってきたFBXでございます。
7つ鍵盤によるお遊びしてる方々は頑張りましょう。
さて、前スレの最後の方で書いた口紅ネタ行きますお。
だいぶネタ提供レスの段階とは違う感じになってますが、得意の変貌系です。
40 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:47:53 ID:+FdkhKJ+
昨日までは何も、本当に何もないまっさらな土地だった。
しかし今、目の前の広大な空き地の中央には小さな小屋がある。
冴子は大きな不審感を抱きつつも、他人の土地故に回避していった。
何より不審建築物よりも遅刻の方が危険なのだ。
「ねぇねぇ、知ってる? 2丁目の空き地の話ぃ…」
その話し声に冴子はピクリと反応する。
2丁目の空き地とは、すなわち今朝彼女が見たあの空き地なのだ。
「知ってる知ってる。昨日まで何も無かったのに、一晩で小屋が建ってたっていう…」
「プレハブならありえるんじゃねーの?」
聞き耳を立てて集中する冴子。
「いや? プレハブじゃないよ、アレ。金属製の建物みたい」
「うっそぉー?」
「本当だってば。よーく見ると分かるんだけど、かなりゴツゴツした建物だよ」
「…」
冴子はその情報を元に思案を始める。
2丁目の空き地。
一晩で建った。
プレハブのように見えるがプレハブではないらしい。
金属製の建築物。
「…。」
だが、特に何も思い当たる物は浮かばなかった。
「あ、そうそう! あたし、その小屋から人が出てくるの見ちゃった!!」
「え、マジ!?」
「うん、ほんとほんと。遠くだったからどんな人だったかはわからなかったけど…」
41 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:49:46 ID:+FdkhKJ+
そこまで言うと、冴子は立ち上がってその生徒の所に歩み寄り、
「確かね?」
「ひっ!」
突然近づいてきた冴子に驚く生徒。
「あんた、美佐のこと疑うの?」
「疑ってないわ。疑うなら『嘘でしょ』って言うのが普通じゃない」
「まぁた冴子の屁理屈が始まったよ…」
やれやれ、と両手を挙げる麗。
「た、確かよ…」
美佐は震えながらも確かにそう答えた。
「わかった!」
冴子は自分の席に戻ると、バッグを手にする。
「ちょ、ちょっと冴子!」
「ん、なに?」
「これから授業じゃない」
瑠衣が冴子を呼び止める。
言われてみると、今さっき冴子は学校に来たばかりだ。
「しーらねっ!」
冴子はニッと笑い、そのまま制服を翻すと窓から飛び降りた。
「えっ!!」
「おい、落ちたぞ!!!!」
「誰か先生呼んでこい!!!」
「ちょっと待て、ここ5階だぞ!!」
だが。
「だーいじょーぶだよー」
42 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:55:20 ID:+FdkhKJ+
遠くから冴子の声がした。
クラスの生徒達は窓に駆け寄ると、校門のあたりで手を振る冴子を見つけて溜息をついたのだった。
「ここだよね…」
目の前には今朝通った広大な土地。
その中央にぽつん、と小さな小屋がある。
「どのくらいの広さなんだろう………、あ」
偶然近くに近所の案内地図を発見した冴子。
それに駆け寄って覗き込む。
「んーっと………、あ、ここかな?」
1メートル四方の地図の中央に大きな長方形。
冴子はバッグから定規を出す。
「どれどれ、縦が70センチ…、横は………70センチ?」
定規を外し、縮尺を見て暗算を始めた。
「えーと……、だいたい……30万…へ、嘘」
とんでもない広さに驚愕し、もう一度計算する。
だが計算に間違いはなかった。
「30万平方メートル…」
あまりの広大さに冴子はバッグを取り落としてしまう。
「すご………」
「ふふふ、広いでしょ?」
「きゃっ!!」
突然背後から声をかけられた。
冴子が振り返ると、そこには一人の女性。
「私、あそこの小屋で働いているの。見に来る?」
「え、いいんですか!?」
「いいわよ」
そして冴子には聞こえないような小声で、
『命の保証はできないけどね』
それが僅かに冴子に聞こえたらしく、
43 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:01:11 ID:rf9Zlnp6
「え? 何か言いました?」
「いいえ。さ、行きましょう」
女性は歩き始めた。
冴子はそれに付き従う。
空き地に入り、目の前にある小屋へと歩いていった。
金属製の扉をくぐると、そこは思ったよりも広い空間だった。
「どうかしら。私はここに工場を造ったのよ」
「工場? すごいなぁ~…」
「最近工場見学ブームらしいんだけれど、何故か私の工場には誰も来ないのよね。
だからあなたが一番乗りなのよ?」
「え、そうなんですか! やったぁ☆」
素直に喜ぶ冴子。
しかし彼女を尻目に妖しく微笑む女性。
「それで、えーっと……」
「あぁ、私は麗亞(れあ)っていうのよ」
「麗亞さん、まず何を見せてくれるんですか?」
「まぁまぁ、落ち着きなさいって。こっちよ」
麗亞は奥にあるドアへと歩いていく。
冴子は彼女を追いかけ、共にドアまで来た。
「まずこの工場で何を作ってるかよ」
「なんだろう…」
麗亞はドアを開ける。
そこには無数に積み上げられた段ボール箱。
その1つに近寄ると開封し、麗亞は中身を取り出した。
「これは?」
「この工場の商品よ。口紅」
「へぇ~」
冴子は麗亞からそれを受け取り、まじまじと見つめる。
(すごい………とっても綺麗な色…………)
44 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:02:25 ID:rf9Zlnp6
うっとりとした目つきで、自らの手の中にあるその口紅を眺める。
「何と言ってもあなたは工場見学者第1号だからね。他にも違うカラーがあるから全部あげるわ」
「え、本当に!?」
「もちろんよ。ちょっと待っていて」
麗亞は段ボール群の更に奥にあるドアを開け、そこに入る。
数秒すると彼女は白い紙袋を手にして戻ってきた。
「これ、全部あげる」
紙袋から出てきたのは口紅のセットだった。
「おぉ~」
麗亞はそれを開封し、近くのテーブルに並べていく。
全部で20本入っていた。
しかし6色のセットで、黒に近い紫から明るい紫まである。
そしてそれとは別に、さっき麗亞が段ボールから出して見せてくれた深紅の口紅が15本。
「まぁ、普通は紫なんて使わないものでしょ?」
「普通はこの赤ですよねー」
冴子は15本のうちの1本を手に取る。
「せっかく女二人だから………、この一番濃い紫を試してみない?」
「えっ………」
ほとんど黒に見えるその口紅は、何故か冴子にとって恐ろしい物に見えたのだ。
「大丈夫よ。ちゃんとクレンジングもあるから」
「じゃあ………」
近くにある鏡の前に立つ冴子。
麗亞から濃紫の口紅を受け取り、自らの唇に触れさせる。
そしてそのまま自分の唇にそれを塗りつけていく。
数秒後、冴子の唇は濃紫で彩られていた。
「えっと………、どう、ですか?」
「うーん、やっぱりちょっとどぎつすぎたかしら………」
なにぶん冴子の服は制服である。
まるで娼婦がつけるかのような口紅をつけたとしても、似合うはずもない。
「ま、仕方ないわね。とりあえずそれもあなたにプレゼントしたものだから」
45 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:04:25 ID:rf9Zlnp6
「ありがとうございまーす。あ、クレンジングを…」
「あぁ、こっちこっち」
部屋の隅にある洗面台を指さす麗亞。
そこには薬局に行けばどこでも見つけられるクレンジングオイルがあった。
「お借りします」
水道をひねり、手際よく口紅を落としていく冴子。
その後ろで、麗亞は邪悪な笑みを浮かべていた。
自らの計画が着実に進んでいるのを喜んでいるのだ。
その喜びは彼女の体内にいる物にも伝わっているらしく、麗亞の服は不自然な凹凸に覆われていた。
もちろん冴子は背中を向けているので気づくはずもない。
しばらくすると水道の音が止まる。
「ふぅ………」
「落ちたかしら」
冴子は口紅を落とし終えた様子だった。
だが冴子は重要なことに気づけなかった。
自らが落とした口紅が洗面器に流れなかった事を。
部屋の暗がりに設置された洗面器だったために、色までは区別できなかったのだ。
「多分こんなもんかと」
冴子は麗亞に歩み寄る。
「そう、十分に染み込んだわね」
「え?」
「………んふふふふ…」
麗亞は妖しい笑い声を上げる。
「染み込んだって………一体」
「そういうことよ」
冴子には意味が分からない。
麗亞は続ける。
46 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:05:40 ID:rf9Zlnp6
「あの口紅をつけた後、そこの洗面器にあるクレンジングを使うと口紅は体内に染み込むの」
「そんな!」
「大丈夫よ。別に死んだりするような毒物を使ってる訳じゃないから」
「でも………」
「代わりにね。あなたを素晴らしい存在に変える足がかりになるわ」
「ど、どういうことですか……」
「自分がどうなるか気になって仕方がないようね。いいわ。そこに座りなさいな」
麗亞は近くの椅子に冴子を座らせる。
仕方なく冴子は麗亞の話を聞くことにした。
「あの色はイビルパープル。人間の邪悪さを表した色なのよ。そしてこの口紅はね………」
「(………ごくり)」
明かされる秘密に冴子は緊張する。
「この口紅は邪悪な魔力の塊なのよ。色が濃ければ濃いほどに凶悪な力を封じてあるの。
でも、普通の人間が使うと身体が耐えられずに死んでしまうわ。そのための赤い口紅。
クリムゾンレッドという商品名なんだけどね………、適性が無くても使える商品よ。
けれどあなたは別。イビルパープルをつけても死なないあなたは、選ばれた存在なの」
「………どういう意味ですか」
冴子には今ひとつ麗亞の言っていることが信じられない。
「このイビルパープルの邪気を自在に操れるということよ」
そこまで話すと、麗亞はイビルパープルを手に持ったまま冴子に近寄ってきた。
冴子はそんな麗亞がとても恐ろしく見えた。
「や、やだ、来ないで! って………う、動けない!?」
「足下を見てごらん?」
冴子はゆっくりと自分の足下に目を向ける。
そこには緑色の触手があり、冴子の足と椅子の脚をくくりつけていたのだ。
「私の口紅、フォグパープルの力よ。さ、観念なさいな」
「いや、やめて、いやああああああ!!」
麗亞は椅子に縛られながらも暴れる冴子を押さえつけ、その可愛らしい唇にイビルパープルを塗る。
「唇はこんなものね。後は………」
47 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:07:32 ID:rf9Zlnp6
唇に塗り終わると、今度は何かの模様を冴子の顔にイビルパープルで描いていく。
何か意味のある模様のようだが、冴子には全く分からない。
しばらくすると麗亞は模様を描き終わったらしく、イビルパープルを額から離した。
「ふふ………、あなたが邪気まみれの魔人になるのが楽しみだわ」
「魔人って………、そういう麗亞さんも口紅を……」
「そうよ。せっかくだから私の本当の姿を見せてあげるわ」
その言葉が終わるや否や、麗亞の身体は黒い霞で覆われていく。
「れ、麗亞………さん………」
冴子は見ていることしかできない。
やがて麗亞は黒い霞で完全に覆われてしまった。
「………」
恐怖で何も言えない冴子。
すると黒い霞に変化が現れた。
ぐねぐねとうねるように動くと、その霞は人型になっていくのだ。
数秒後には麗亞と同じ形に変形していた。
「あっはっはははははははは………」
高らかな笑い声がその黒い人型から発せられた。
その瞬間、その人型は薄い水色を帯びた女性の身体に変化したのだ。
「わかるかしら? フォグパープルの力。その邪気を身にまとうことで、身体が気体になるのよ。
もちろん固体になるのも自由自在。うらやましくなぁい?」
「ぜ、ぜんぜん!!」
必死になって否定する冴子。
「でもね。もう、イビルパープルをあなたに同化させるまであと少し。
あなたの額をイビルパープルで突っつけば完成なのよ」
「そんな………。あたしも化け物に………なっちゃうの?」
「そうよ。そして口紅を全国にばらまき、上位の力を持つ私たちの僕を作るのよ!」
言いながらイビルパープルを勢いよく冴子の額に突き刺した。
「うっ………ああああああああああああああ!!!」
冴子の人間としての生は、ここで終わったのだった。
「こ、これは!? 吸い寄せられている!?」
48 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:08:42 ID:rf9Zlnp6
麗亞はずるずると冴子に引き寄せられていた。
今の麗亞の身体は気体に近いため、簡単に引き寄せられてしまうのだ。
「くっ、に、逃げぇええああああああああああああ!」
その魔の力でテレポートしようとしたが、一瞬遅かった。
麗亞は半開きになっている冴子の口に吸い込まれてしまったのだ。
同時に冴子の全身がどす黒く染まっていく………
来ていた制服は一瞬にしてちぎれ飛ぶ。
まだ幼さの残っていた肉体は、最上位の邪気を操るに相応しい魔女の身体へと変わっていく。
メキメキ、と骨がきしむような音と共に身長が伸び、腰がくびれていく。
同時に平たかった胸は爆発するかのような巨乳となる。
背中から無数の触手が現れると、冴子の全身を覆う。
その触手は冴子の女らしい部分を露出させ、魔の存在特有の肉体を強調させる。
最後に秘所にイビルパープルが入り込むと、あたりは暗黒に包まれるのだった。
冴子だった存在は、立ち上がる。
ほとんど黒に見える濃紫の肌からは、あらゆる存在を虜にする魔性の香りが立ち上る。
色素が抜け落ちたかのような銀色の髪は光もないのにキラキラと輝く。
彼女の全身を覆う触手は常に蠢き、彼女の性的な高揚状態を保ち続ける。
「………くく」
イビルパープルと同じ色の唇がつり上がり、笑みを浮かべる。
同時に触手の動きが大きくなっていく。
「んっ、あん、あふ………」
感じているのだ。
たった今、この倉庫内で生まれ落ちたばかりの邪悪なる存在が。
ぐねぐねと蠢く触手は彼女の胸や秘所など、あらゆる箇所を愛撫していく。
そして。
「あふ、イクわぁ、イクの。あっ、ああぁ、ああああああああああ!!」
プシュッという音と共に彼女の秘所から紫色の愛液が3メートルほどにも渡って噴出された。
その愛液は強烈な淫香を放ち、工場の床を汚染していく。
「ふぅ………、なかなかいいわね。さ、生まれなさい。私の奴隷、麗亞」
49 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:09:46 ID:rf9Zlnp6
くぱぁ、と彼女の秘所が生き物のように開くと、そこから真っ黒い流動質の液体が勢いよく流れ出る。
全て流れ出ると、先ほど麗亞が自分で気化した時のように人型を形作っていった。
「お待たせいたしました。冴子様」
冴子よりは明るい紫色の肌を持つ麗亞が生まれたのだ。
「ふ………、お前のお陰で邪気に目覚めたわ。お前は口紅の大量生産を始めなさい」
「承知いたしましたわ。ところで」
「何か?」
「以前のまま、冴子様というお名前でよろしいのですか?」
「別に構わない。必要になれば変えればいい。それとも変えて欲しいのかしら?」
「いえ、滅相もございません。それでは私は………」
言うと麗亞は自分の身体を無数の液体に分割し、工場の至る所へと潜り込ませた。
すると巨大な装置が次々と稼働をし始め、口紅の大量生産が始まった。
「これで良し………。私は工場を拡張しよう」
冴子は手に入れたばかりの巨大な力を駆使し、工場を敷地一杯にまで拡張するのだった。
麗亞がコントロールする自分の身体を中心に、冴子の触手を用いてハイペースで生産するのだ。
全国に邪悪な口紅が広まるのに、そう時間はかからなかった………
Fin
50 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:11:06 ID:rf9Zlnp6
以上、前スレの口紅系ネタでした。
このところ似たようなストーリーが多くなってきた気がしてるんで・・・
魔女伝説で気分転換したいとこですな。
しかしリアルというものがそれを許してくれない事実OTL
どうも、軍寺2回やってきたFBXでございます。
7つ鍵盤によるお遊びしてる方々は頑張りましょう。
さて、前スレの最後の方で書いた口紅ネタ行きますお。
だいぶネタ提供レスの段階とは違う感じになってますが、得意の変貌系です。
40 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:47:53 ID:+FdkhKJ+
昨日までは何も、本当に何もないまっさらな土地だった。
しかし今、目の前の広大な空き地の中央には小さな小屋がある。
冴子は大きな不審感を抱きつつも、他人の土地故に回避していった。
何より不審建築物よりも遅刻の方が危険なのだ。
「ねぇねぇ、知ってる? 2丁目の空き地の話ぃ…」
その話し声に冴子はピクリと反応する。
2丁目の空き地とは、すなわち今朝彼女が見たあの空き地なのだ。
「知ってる知ってる。昨日まで何も無かったのに、一晩で小屋が建ってたっていう…」
「プレハブならありえるんじゃねーの?」
聞き耳を立てて集中する冴子。
「いや? プレハブじゃないよ、アレ。金属製の建物みたい」
「うっそぉー?」
「本当だってば。よーく見ると分かるんだけど、かなりゴツゴツした建物だよ」
「…」
冴子はその情報を元に思案を始める。
2丁目の空き地。
一晩で建った。
プレハブのように見えるがプレハブではないらしい。
金属製の建築物。
「…。」
だが、特に何も思い当たる物は浮かばなかった。
「あ、そうそう! あたし、その小屋から人が出てくるの見ちゃった!!」
「え、マジ!?」
「うん、ほんとほんと。遠くだったからどんな人だったかはわからなかったけど…」
41 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:49:46 ID:+FdkhKJ+
そこまで言うと、冴子は立ち上がってその生徒の所に歩み寄り、
「確かね?」
「ひっ!」
突然近づいてきた冴子に驚く生徒。
「あんた、美佐のこと疑うの?」
「疑ってないわ。疑うなら『嘘でしょ』って言うのが普通じゃない」
「まぁた冴子の屁理屈が始まったよ…」
やれやれ、と両手を挙げる麗。
「た、確かよ…」
美佐は震えながらも確かにそう答えた。
「わかった!」
冴子は自分の席に戻ると、バッグを手にする。
「ちょ、ちょっと冴子!」
「ん、なに?」
「これから授業じゃない」
瑠衣が冴子を呼び止める。
言われてみると、今さっき冴子は学校に来たばかりだ。
「しーらねっ!」
冴子はニッと笑い、そのまま制服を翻すと窓から飛び降りた。
「えっ!!」
「おい、落ちたぞ!!!!」
「誰か先生呼んでこい!!!」
「ちょっと待て、ここ5階だぞ!!」
だが。
「だーいじょーぶだよー」
42 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/19(水) 23:55:20 ID:+FdkhKJ+
遠くから冴子の声がした。
クラスの生徒達は窓に駆け寄ると、校門のあたりで手を振る冴子を見つけて溜息をついたのだった。
「ここだよね…」
目の前には今朝通った広大な土地。
その中央にぽつん、と小さな小屋がある。
「どのくらいの広さなんだろう………、あ」
偶然近くに近所の案内地図を発見した冴子。
それに駆け寄って覗き込む。
「んーっと………、あ、ここかな?」
1メートル四方の地図の中央に大きな長方形。
冴子はバッグから定規を出す。
「どれどれ、縦が70センチ…、横は………70センチ?」
定規を外し、縮尺を見て暗算を始めた。
「えーと……、だいたい……30万…へ、嘘」
とんでもない広さに驚愕し、もう一度計算する。
だが計算に間違いはなかった。
「30万平方メートル…」
あまりの広大さに冴子はバッグを取り落としてしまう。
「すご………」
「ふふふ、広いでしょ?」
「きゃっ!!」
突然背後から声をかけられた。
冴子が振り返ると、そこには一人の女性。
「私、あそこの小屋で働いているの。見に来る?」
「え、いいんですか!?」
「いいわよ」
そして冴子には聞こえないような小声で、
『命の保証はできないけどね』
それが僅かに冴子に聞こえたらしく、
43 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:01:11 ID:rf9Zlnp6
「え? 何か言いました?」
「いいえ。さ、行きましょう」
女性は歩き始めた。
冴子はそれに付き従う。
空き地に入り、目の前にある小屋へと歩いていった。
金属製の扉をくぐると、そこは思ったよりも広い空間だった。
「どうかしら。私はここに工場を造ったのよ」
「工場? すごいなぁ~…」
「最近工場見学ブームらしいんだけれど、何故か私の工場には誰も来ないのよね。
だからあなたが一番乗りなのよ?」
「え、そうなんですか! やったぁ☆」
素直に喜ぶ冴子。
しかし彼女を尻目に妖しく微笑む女性。
「それで、えーっと……」
「あぁ、私は麗亞(れあ)っていうのよ」
「麗亞さん、まず何を見せてくれるんですか?」
「まぁまぁ、落ち着きなさいって。こっちよ」
麗亞は奥にあるドアへと歩いていく。
冴子は彼女を追いかけ、共にドアまで来た。
「まずこの工場で何を作ってるかよ」
「なんだろう…」
麗亞はドアを開ける。
そこには無数に積み上げられた段ボール箱。
その1つに近寄ると開封し、麗亞は中身を取り出した。
「これは?」
「この工場の商品よ。口紅」
「へぇ~」
冴子は麗亞からそれを受け取り、まじまじと見つめる。
(すごい………とっても綺麗な色…………)
44 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:02:25 ID:rf9Zlnp6
うっとりとした目つきで、自らの手の中にあるその口紅を眺める。
「何と言ってもあなたは工場見学者第1号だからね。他にも違うカラーがあるから全部あげるわ」
「え、本当に!?」
「もちろんよ。ちょっと待っていて」
麗亞は段ボール群の更に奥にあるドアを開け、そこに入る。
数秒すると彼女は白い紙袋を手にして戻ってきた。
「これ、全部あげる」
紙袋から出てきたのは口紅のセットだった。
「おぉ~」
麗亞はそれを開封し、近くのテーブルに並べていく。
全部で20本入っていた。
しかし6色のセットで、黒に近い紫から明るい紫まである。
そしてそれとは別に、さっき麗亞が段ボールから出して見せてくれた深紅の口紅が15本。
「まぁ、普通は紫なんて使わないものでしょ?」
「普通はこの赤ですよねー」
冴子は15本のうちの1本を手に取る。
「せっかく女二人だから………、この一番濃い紫を試してみない?」
「えっ………」
ほとんど黒に見えるその口紅は、何故か冴子にとって恐ろしい物に見えたのだ。
「大丈夫よ。ちゃんとクレンジングもあるから」
「じゃあ………」
近くにある鏡の前に立つ冴子。
麗亞から濃紫の口紅を受け取り、自らの唇に触れさせる。
そしてそのまま自分の唇にそれを塗りつけていく。
数秒後、冴子の唇は濃紫で彩られていた。
「えっと………、どう、ですか?」
「うーん、やっぱりちょっとどぎつすぎたかしら………」
なにぶん冴子の服は制服である。
まるで娼婦がつけるかのような口紅をつけたとしても、似合うはずもない。
「ま、仕方ないわね。とりあえずそれもあなたにプレゼントしたものだから」
45 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:04:25 ID:rf9Zlnp6
「ありがとうございまーす。あ、クレンジングを…」
「あぁ、こっちこっち」
部屋の隅にある洗面台を指さす麗亞。
そこには薬局に行けばどこでも見つけられるクレンジングオイルがあった。
「お借りします」
水道をひねり、手際よく口紅を落としていく冴子。
その後ろで、麗亞は邪悪な笑みを浮かべていた。
自らの計画が着実に進んでいるのを喜んでいるのだ。
その喜びは彼女の体内にいる物にも伝わっているらしく、麗亞の服は不自然な凹凸に覆われていた。
もちろん冴子は背中を向けているので気づくはずもない。
しばらくすると水道の音が止まる。
「ふぅ………」
「落ちたかしら」
冴子は口紅を落とし終えた様子だった。
だが冴子は重要なことに気づけなかった。
自らが落とした口紅が洗面器に流れなかった事を。
部屋の暗がりに設置された洗面器だったために、色までは区別できなかったのだ。
「多分こんなもんかと」
冴子は麗亞に歩み寄る。
「そう、十分に染み込んだわね」
「え?」
「………んふふふふ…」
麗亞は妖しい笑い声を上げる。
「染み込んだって………一体」
「そういうことよ」
冴子には意味が分からない。
麗亞は続ける。
46 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:05:40 ID:rf9Zlnp6
「あの口紅をつけた後、そこの洗面器にあるクレンジングを使うと口紅は体内に染み込むの」
「そんな!」
「大丈夫よ。別に死んだりするような毒物を使ってる訳じゃないから」
「でも………」
「代わりにね。あなたを素晴らしい存在に変える足がかりになるわ」
「ど、どういうことですか……」
「自分がどうなるか気になって仕方がないようね。いいわ。そこに座りなさいな」
麗亞は近くの椅子に冴子を座らせる。
仕方なく冴子は麗亞の話を聞くことにした。
「あの色はイビルパープル。人間の邪悪さを表した色なのよ。そしてこの口紅はね………」
「(………ごくり)」
明かされる秘密に冴子は緊張する。
「この口紅は邪悪な魔力の塊なのよ。色が濃ければ濃いほどに凶悪な力を封じてあるの。
でも、普通の人間が使うと身体が耐えられずに死んでしまうわ。そのための赤い口紅。
クリムゾンレッドという商品名なんだけどね………、適性が無くても使える商品よ。
けれどあなたは別。イビルパープルをつけても死なないあなたは、選ばれた存在なの」
「………どういう意味ですか」
冴子には今ひとつ麗亞の言っていることが信じられない。
「このイビルパープルの邪気を自在に操れるということよ」
そこまで話すと、麗亞はイビルパープルを手に持ったまま冴子に近寄ってきた。
冴子はそんな麗亞がとても恐ろしく見えた。
「や、やだ、来ないで! って………う、動けない!?」
「足下を見てごらん?」
冴子はゆっくりと自分の足下に目を向ける。
そこには緑色の触手があり、冴子の足と椅子の脚をくくりつけていたのだ。
「私の口紅、フォグパープルの力よ。さ、観念なさいな」
「いや、やめて、いやああああああ!!」
麗亞は椅子に縛られながらも暴れる冴子を押さえつけ、その可愛らしい唇にイビルパープルを塗る。
「唇はこんなものね。後は………」
47 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:07:32 ID:rf9Zlnp6
唇に塗り終わると、今度は何かの模様を冴子の顔にイビルパープルで描いていく。
何か意味のある模様のようだが、冴子には全く分からない。
しばらくすると麗亞は模様を描き終わったらしく、イビルパープルを額から離した。
「ふふ………、あなたが邪気まみれの魔人になるのが楽しみだわ」
「魔人って………、そういう麗亞さんも口紅を……」
「そうよ。せっかくだから私の本当の姿を見せてあげるわ」
その言葉が終わるや否や、麗亞の身体は黒い霞で覆われていく。
「れ、麗亞………さん………」
冴子は見ていることしかできない。
やがて麗亞は黒い霞で完全に覆われてしまった。
「………」
恐怖で何も言えない冴子。
すると黒い霞に変化が現れた。
ぐねぐねとうねるように動くと、その霞は人型になっていくのだ。
数秒後には麗亞と同じ形に変形していた。
「あっはっはははははははは………」
高らかな笑い声がその黒い人型から発せられた。
その瞬間、その人型は薄い水色を帯びた女性の身体に変化したのだ。
「わかるかしら? フォグパープルの力。その邪気を身にまとうことで、身体が気体になるのよ。
もちろん固体になるのも自由自在。うらやましくなぁい?」
「ぜ、ぜんぜん!!」
必死になって否定する冴子。
「でもね。もう、イビルパープルをあなたに同化させるまであと少し。
あなたの額をイビルパープルで突っつけば完成なのよ」
「そんな………。あたしも化け物に………なっちゃうの?」
「そうよ。そして口紅を全国にばらまき、上位の力を持つ私たちの僕を作るのよ!」
言いながらイビルパープルを勢いよく冴子の額に突き刺した。
「うっ………ああああああああああああああ!!!」
冴子の人間としての生は、ここで終わったのだった。
「こ、これは!? 吸い寄せられている!?」
48 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:08:42 ID:rf9Zlnp6
麗亞はずるずると冴子に引き寄せられていた。
今の麗亞の身体は気体に近いため、簡単に引き寄せられてしまうのだ。
「くっ、に、逃げぇええああああああああああああ!」
その魔の力でテレポートしようとしたが、一瞬遅かった。
麗亞は半開きになっている冴子の口に吸い込まれてしまったのだ。
同時に冴子の全身がどす黒く染まっていく………
来ていた制服は一瞬にしてちぎれ飛ぶ。
まだ幼さの残っていた肉体は、最上位の邪気を操るに相応しい魔女の身体へと変わっていく。
メキメキ、と骨がきしむような音と共に身長が伸び、腰がくびれていく。
同時に平たかった胸は爆発するかのような巨乳となる。
背中から無数の触手が現れると、冴子の全身を覆う。
その触手は冴子の女らしい部分を露出させ、魔の存在特有の肉体を強調させる。
最後に秘所にイビルパープルが入り込むと、あたりは暗黒に包まれるのだった。
冴子だった存在は、立ち上がる。
ほとんど黒に見える濃紫の肌からは、あらゆる存在を虜にする魔性の香りが立ち上る。
色素が抜け落ちたかのような銀色の髪は光もないのにキラキラと輝く。
彼女の全身を覆う触手は常に蠢き、彼女の性的な高揚状態を保ち続ける。
「………くく」
イビルパープルと同じ色の唇がつり上がり、笑みを浮かべる。
同時に触手の動きが大きくなっていく。
「んっ、あん、あふ………」
感じているのだ。
たった今、この倉庫内で生まれ落ちたばかりの邪悪なる存在が。
ぐねぐねと蠢く触手は彼女の胸や秘所など、あらゆる箇所を愛撫していく。
そして。
「あふ、イクわぁ、イクの。あっ、ああぁ、ああああああああああ!!」
プシュッという音と共に彼女の秘所から紫色の愛液が3メートルほどにも渡って噴出された。
その愛液は強烈な淫香を放ち、工場の床を汚染していく。
「ふぅ………、なかなかいいわね。さ、生まれなさい。私の奴隷、麗亞」
49 FBX@Code:家内制触手工業 ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:09:46 ID:rf9Zlnp6
くぱぁ、と彼女の秘所が生き物のように開くと、そこから真っ黒い流動質の液体が勢いよく流れ出る。
全て流れ出ると、先ほど麗亞が自分で気化した時のように人型を形作っていった。
「お待たせいたしました。冴子様」
冴子よりは明るい紫色の肌を持つ麗亞が生まれたのだ。
「ふ………、お前のお陰で邪気に目覚めたわ。お前は口紅の大量生産を始めなさい」
「承知いたしましたわ。ところで」
「何か?」
「以前のまま、冴子様というお名前でよろしいのですか?」
「別に構わない。必要になれば変えればいい。それとも変えて欲しいのかしら?」
「いえ、滅相もございません。それでは私は………」
言うと麗亞は自分の身体を無数の液体に分割し、工場の至る所へと潜り込ませた。
すると巨大な装置が次々と稼働をし始め、口紅の大量生産が始まった。
「これで良し………。私は工場を拡張しよう」
冴子は手に入れたばかりの巨大な力を駆使し、工場を敷地一杯にまで拡張するのだった。
麗亞がコントロールする自分の身体を中心に、冴子の触手を用いてハイペースで生産するのだ。
全国に邪悪な口紅が広まるのに、そう時間はかからなかった………
Fin
50 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2007/12/20(木) 00:11:06 ID:rf9Zlnp6
以上、前スレの口紅系ネタでした。
このところ似たようなストーリーが多くなってきた気がしてるんで・・・
魔女伝説で気分転換したいとこですな。
しかしリアルというものがそれを許してくれない事実OTL
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