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永久の果肉1
599 乙×風 sage 2010/02/08(月) 19:06:15 ID:hl4slLyJ
お久しぶりです。
本当にお久しぶりです。不肖この乙×風、帰ってまいりました。
前作の天文部を書き終えた後、思う所があって別の投下場所で連作をやっていたのです。
ちなみにその作品もまだ途中です。続きを書くつもりはありますが暫くお休みです。
というわけで、暫くこちらでお世話になります。
勝手な事だとは思いますがまたよろしくお願いします。
え? 新作? うふふ。勿論持ってきましたとも。手ぶらで帰れませんしね。
件の投下場所がこれまた大変レベルが高く。揉みに揉まれてきました。
おかげで文章の質も少しは。本当に少しは、上がっていればいいね!
っというか単に冗長になっている可能性もあります。
台詞に対する情景描写、心理描写の量が多くなっているかも知れません。
もし読みにくければお気軽に報告を。出来る範囲で調整します。
以下本作品の注意タグです。
(陰鬱、ギャグ微量、エロ少なめ、寄生無し、アグ○スポイント急上昇、近親相姦)
ちなみにとある過去作品の続編となります。
ではどうぞ。
600 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:10:56 ID:hl4slLyJ
第一話 醜いアヒルの子
「…いっ! はっ! んんっ!」
仄暗い寝室に少女の喘ぎが響く。
月明かりに照らされているのは一人の少女だ。
髪は、耳元を覆うほどで切り揃えられているが、その色が特徴的だ。
熟れた桃のような鮮やかな色をしているのだ。
更に、その瞳も普通の人間とは違っている。
どちらの瞳もくりっとしていて、幼い顔立ちと合わせて小動物的な可愛さがあるが。
しかしその右目は蒼穹のような色。そして左目は血のように真っ赤なのだ。
彼女はオッドアイだった。
左右異色の瞳は幼い少女に神秘的な、或いは見る者を惹き付ける魔性を持っていた。
その瞳に魅せられたか。或いは元々『そのような趣味だったか』。
今少女の女性器には、彼女には不釣り合いなほど巨大な男根が突き込まれていた。
見た目、十二、三程の少女に醜い肉棒が打ち込まれる度に、愛らしい顔が痛みに歪む。
「ち…っ」
少女を犯していた中年の男が苛立たしげに舌打ちする。
少女と同じ翡翠の眼に、鮮やかなブロンドを持った彼は、高貴な家柄を持つ貴族だ。
同時に幾つもの傷跡の残る逞しい肉体は彼が戦士である事を証明している。
「いつも言っているだろう! もっとはしたない声を出せ! もっと浅ましく腰を振れ!」
だが金髪の男が少女に浴びせたのは、卑猥で余りにも屈辱的な言葉。
ましてや十を過ぎたかそこらの幼子に注文する事ではない。
だが、少女は息を整えた後に、
「――はあっ…あ、あん!」
急に甘い声を出し始めた。
また、巨大な肉棒に合わせるように腰を使い、男を悦ばせる。
「ふんっ…やれば出来るではないか…! この雌犬め…!」
ずん、と容赦なく子宮口を抉る。
女を感じさせるどころかただ痛いだけの突き込みだ。
痛みに少女は目を見開き、ヒュー、と息を漏らすが、
「――ぁあんっ」
それでも懸命に喘いだ。
「ふん。親が親なら子も――と言ったところか。はしたなく喘ぎおって!」
ずんっ、ずんっ、ずんっ――
「あっ! はっ! いやあ!」
少女の反応に気をよくした男はピストンのペースを上げる。
壊れてしまうかと思うほどの激しい交わりに少女の桃色の髪が踊った。
「はあっ! はあっ! 出すぞ! 嬉しいだろう!?」
一瞬、少女の顔から血の気が引いた。
中出しの恐怖に女の本能が、警鐘を鳴らす――が少女は知っている。
逆らえばもっと恐ろしい事をされると。それをこの二ヶ月の間で無理矢理教え込まれた。
そう。こんな時はおねだりをするのだ。とびきりいやらしく、猫なで声で。
「はいっ。リオ、嬉しいです!
私のイヤらしいおマンコでよければ、一杯ザーメン注いで下さい!」
「はっ! この淫売め!
貴様の望み通り、ワシの精を孕むまで注いでくれるわっ! うぉぉおおっ!」
どぷっ、どくどくどくどく。
「きゃあんっ! リオ、イっちゃうっ! 中出しされてイっちゃうっ!」
胎内に不浄な粘液が注がれる。
言葉とは裏腹に生理的嫌悪感が全身を駆け巡り、鳥肌が立つ。
先ほど食べた夕食を全て戻しそうになる。
男が射精の余韻に浸っているこの時間、少女にとっては地獄だった。
「――舐めろ」
無限にも感じた数十秒後。男は小さなヴァギナからペニスを抜き取ると、少女に命令する。
601 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:13:16 ID:hl4slLyJ
「…はい…」
少女は体を前後反転させて、さっきまで自分の体を貫いていた肉棹と向かい合う。
その際ひきつるような痛みが少女を襲った。
びゅる――小さな肉壺に入り切らなかった白濁液が逆流し、射精するように吹き出す。
無理矢理の挿入から行為をしたせいか、吐き出された精液には赤色が混じっていた。
「――すごい臭い…綺麗にしますね…」
少し萎れたペニスには血と精液、そして僅かに混じった少女の愛液でベトベトに汚れている。
むせ返りそうな性臭に吐き気が再びこみ上げるが、少女は巨根にむしゃぶりついた。
苦しょっぱい男汁を舐めとり、イヤらしい音を 立てながら啜る。
フェラをしているわけではない。
あくまでこれは事後処理、だが躾された体は男の快楽を引き出すように勝手に動く。
玉を揉み、亀頭を舌先でほじくり、小さな口で、サイズ違いの肉棒を頬張る。
「誰がそんな事をしろと言った。
ワシはただ綺麗にしろと――いや、一回では満足出来ない淫らな体になったという事か」
再び劣情に火がついたのか、男は少女を押し倒す。
「剣も魔術も使えない愚鈍な娘が、床上手になりおって。やはり貴様はあの売女の娘よ」
「――」
少女は否定も肯定もしなかった。
「姉のマリオンは立派な魔術師になったというのに、全く――お前は本当にワシの子か?」
「だって、姉様と私のお母様は違、」
「口答えをするな。ワシに意見するほど偉いのか貴様は?」
「…申し訳ありません…」
「リオよ…ゆめゆめ忘れるなよ。
貴様のような無能者が何故、我が誇り高きリビディスタの屋敷に名を置く事が出来るのか。
誰のお陰で、寝食を得る事が出来るのか」
「――分かって、います…」
「そうか。では貴様はワシの何だ? 言ってみろ」
「私は――お父様の性奴隷です」
そう告白した少女の瞳はガラス玉のように虚ろだった。
***
どんな辛い事があっても、夜は明ける。
少女が実の親に犯されようが、戦争で人が何人も死のうが、疫病で国が滅びようが。
太陽は昇る。一つの不幸ではきっと何も変わらない。
(私が死んでも、何も変わらないのかな)
窓越しから降り注ぐ陽光で左手を透かした。汚れた手、父親の体液で汚れた手。
戦士になれば、きっとこの手は血で汚れていた。魔術師になったら、綺麗なままだった。
(でも私には、そのどちらにもなれない)
虚弱体質な自分は戦士にはなれない。才能のない自分は魔術師にはなれない。
(姉様、元気にしてるかな)
腹違いの姉、マリオンの事を思い出す。
あの父と同じブロンドの髪は流水のように滑らかで綺麗だった。
ほっそりとした体は巧みな芸術家が造形したように美しく女神のようだった。
染み一つ無い顔は凛々しく精悍だった。
口数が極端に少なく、自分の感情を表に出さない人なので無愛想な顔ばかりが頭に浮かぶ。
けれどその強さは本物だった。マリオンは魔術も剣も類い希な才能に恵まれていた。
神から二物を授かった彼女は最年少でリビディスタ家を出た。
今は王都でヘスペリスと呼ばれる女性だけの部隊に籍を置いている。
マリオンはリオにとって、自慢の姉であり、憧れであり、大好きな家族だった。
(でも姉様自身は、私の事なんとも思ってないだろうな)
唯一の姉妹であるリオにさえ、マリオンは感情を出さなかった。
もともと合う機会が少なかったのも原因だろうが、会話をした回数は数える程度しかない。
602 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:15:56 ID:hl4slLyJ
今思えば、やはり自分は姉にとっても鬱陶しいだけの存在だったのかもしれない。
「…私が死んだら、姉様は悲しんでくれるかな」
ふと、そんな事を思い、すぐに考えを改めた。
(そんな事ないよね? もしそうなら、今のお父様の事切っちゃうかもしれないし)
まともな感性を持っている人間ならば、リオの父親が実の娘にした事を許さないだろう。
だがあの鉄面皮が怒りの形相に変わり、実の父親に手を掛ける姿は想像できなかった。
「姉様、今頃どこで何をしているんだろう?」
リオは姉の姿を探すように窓の外を眺めた。
降り注ぐ日の光が、リオには少し眩しかった。
***
暖かな木漏れ日が巨大な体に降り注ぐ。
「ん――いい天気。こんな日はゆっくり光合成でもしながら昼寝でもしたい気分だわ」
その巨体からうら若い女の声が発せられた。
それは、一言で形容するなら巨大な花だ。
根の代わりに何十本もの触手を蠢かせ、地上を闊歩する花。
花冠の中央――雌しべに当たる部分に人間の女性が下半身を埋没させている。
それも生まれたままの姿で。
張りのある乳房。ひきしまったウェスト。
二十歳過ぎに見える女の裸体は淫靡でエロティックだった。
「ふあ――」
アネモネ――と冠されたその女性型モンスターは人間クサい動作で欠伸を噛み殺す。
そして惜しげ無く裸身を晒しながら延びをした。
重力に逆らうように、たわわに実った乳房が揺れる。
「……あーあ、昼寝くらいさせてくれないかしら?」
アネモネがぼやいた時だった。
紫電が光条となり飛来する。
だが。高速で我が身を穿とうとする魔術を、アネモネは裸身を少し捻る事で楽に避けた。
「はい外れー。その程度の攻撃であたしをどうにか出来ると思っているのかしら?
顔を洗って出直してきなさい」
広く大きい花弁の上にうつ伏せになりながら、木々の向こうに挑発的な視線を送る。
途端に木々の向こう側から紫色の光が溢れた。
「…あら? 怒っちゃった?」
モンスターの言葉を肯定するように先程の雷撃魔術がダース単位で飛んでくる。
「もう! 森がむちゃくちゃになっちゃうじゃない!
人間はもっと自然を大切になさい!」
悪態をつきながら正面に魔術障壁を展開。降りかかる火の粉から巨大を守る。
同時に左右から殺気を感じた。足止めしている間に包囲する気だろう。
「もうっ、しょうがないわねえ…っ」
四枚ある花弁。その内側から雄しべのような触手をいくつも生やす。
と、その膨らんだ先端が弾け、辺りに桃色の霞をバラいた。
「催淫ガスだ!」
「マズい! マリオン殿! 防御魔術を!」
周囲から男達の声がすると同時に、雷撃の嵐がぴたりと止む。
「そうそう、あたしが逃げるまでこっち来ないでね?」
言うや否や触手を蠢かせ、巨大な花は森の奥へと消えていった。
603 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:17:57 ID:hl4slLyJ
***
「ちっ、またこのガスか!」
「死にゃしないだろ! 俺は突っ込むぞ!」
「馬鹿止めとけ! ガスを吸い込んだらどうなるか知ってるだろう!
発情した猿みたいに死ぬまでマス掻くことになるぞ!?」
深いの森の中、武装した男達が叫んでいる。
彼らの目の前の空間は濃度の高い催淫性のガスによって大気がピンク色に染まっていた。
ガスは驚くべき勢いで拡散し男達を飲み込もうとする。
だが彼らを包み込むように展開した結界に遮られていた。
その結界の中央に、美しい女が居る。
白銀の軽装鎧に身を包んだ金髪の少女だ。
細い腕には魔力を放射し発光するロッド、腰には細身の剣。
魔力放射の余波で茜色のマントがはためく。
それには黄金色の林檎を抱く女――ヘスペリスのエンブレムが施されていた。
「しかし、マリオン殿がいるお陰で助かる」
「若干十八で剣も魔術も扱えるとは、流石はヘスペリスの称号を持つだけの事はある」
「ああ、かの名門リビディスタの名に恥じぬ、魔術騎士だ」
「いやしかしだな。俺はガスを吸い込んだマリオン殿が乱れる姿も見てみたかったのだが」
卑下た笑みを浮かべる男の騎士。
その時、今まで一言も喋らなかったマリオンが初めて口を開いた。
「――あ」
「マリオン殿? どうなされた?」
「…魔力がなくなりそう」
ぎょっとした表情で男達がマリオンを見つめる。ガスは未だに消えていない。
もしこの結界がなくなれば、足腰が立たなくなるまで乱交パーティをする羽目になる。
それどころか獲物であるはずのアネモネに美味しくいただかれてしまうだろう。
めでたく全滅である。
「冗談だけど」
例によって表情一つ変えずに言ったマリオンの言葉にがくり、と脱力する男達。
「マリオン殿、そういう冗談は――」
「私も、下品な冗談はきらい」
片目を開き、乱れたマリオンがどうこう、と先程言っていた男を見る。
「ああ……はははっ、いやスマンスマン。
だがなにしろこっちは健全な男衆だ。
綺麗な嬢ちゃんに、色っぽいネーチャンなんかを見てるとよ?
こう――な? 分かるだろ?」
「色っぽいネーチャン、って、あのアネモネか?」
「確かにスタイルは良かったな」
「ボンッキュッボンッ! だな!」
「あれはモンスター」
ぼそり、とマリオンが呟いた。
「そうだがな。いやー正直退治するのは勿体ないというか」
「そもそもモンスターであるのが勿体無い!」
『ガハハハハっ!』
一応戦闘中の筈だが下ネタトークでテンションが上がった中年騎士達は馬鹿笑いを上げた。
マリオンはそんな男達を尻目に、軽装鎧越しに自分の胸に空いていた手を添える。
鎧の内側には謙虚な大きさの丘陵が育っていた。
同世代のそれと比べて遥かに小さいそれ。
父と母からは戦士と魔術師、両方の優秀な血を受け継いだが体型に関してはそうでない。
なんだかムカついてきた。
馬鹿笑いを上げる男達が、自分とあの魔物の体を見比べ、蔑んでいる気がする。
『まあなんだ? 小さくても気にするな?』ってな具合に。
「余計なお世話」
604 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:19:36 ID:hl4slLyJ
「ん? どうしたマリオン殿? 胸が辛いのか? 鎧が小さいのじゃないか?
いやいやそんな筈はないか、がはははははっ!!」
トサカに来た。
所見の人間なら、マリオンは口数の少ないクールな人物に見えるだろう。
ところが真実はその真逆である。
彼女は激情家だ。切れやすいとも言う。それを顔に出すのがとてつもなく下手なだけで。
マリオン=リビディスタは、不器用な人間なのだ。
「――あ、やっぱり持たなかった」
結界が消え去る。男達が口を開いたまま硬直した。
勿論わざとだ。この後男達がどうなるか想像に容易いが、知った事ではない。
「撤退。後でアレエスの街で合流する事。それじゃ」
転移魔術陣が展開されると、騎士達が何か言う前にマリオンの姿が光になって消えた。
男達の表情が絶望に歪む。
『嘘だああああ!?』
催淫ガスが絶叫する男達を飲み込んだ。
***
仲間の絶叫を聞き流しながら、マリオンは麓に見える街を見渡した。
豊かな森に囲まれたその街は、彼女の故郷アレエスだ。
その北側にリビディスタの屋敷が見える。故郷の地に足を踏み入れるのは実に二年振り。
「――リオ。ただいま」
小さな言葉は風に吹かれて消えたが、マリオンの優しい微笑みはいつまでも消えなかった。
ちなみに例の騎士達だが。
哀れ、催淫ガスに理性を奪われ、明け方まで『男だけの』乱交パーティをする事になる。
だがそれはまた別の話。
合掌。
***
マリオン=リビディスタが偶然にも帰郷を果たす前日の話である。
「おはようございますリオ様。さて。今日の体調は――どうなのさ!」
「どうして最初だけ丁寧語なの?」
「メイドだから!」
「後の方は普通だったのに…?」
「なんかめんどくさくなった!」
「最初から普通にお話すればいいのに…」
「普通はつまらん! パセットは波乱万丈な人生を送るのだ!」
大げさな身振り手振りを交えながら(≧∀≦)な顔している彼女は、リオ専属の世話係だ。
名をパセットと言う。
優しいブラウン色の髪を肩まで伸ばし、犬耳のような癖っ毛が跳ねている。
それが人見知りをしない人懐っこい性格を象徴としているようで非常に似合っていた。
年はリオよりも二つ上だが、言動や行動が『これ』なので友達という方がしっくりする。
そう。パセットはリオにとって唯一心を許せる存在だった。
(パセットちゃん、今日も可愛いな)
自分の体にコンプレックスを持っているリオには、パセットが魅力的に見えた。
605 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:21:24 ID:hl4slLyJ
「服を脱げ――っ!!」
「え、ええ!? パセットちゃん!?」
「このパセットが、リオの体を隅々まで綺麗にして、ア☆ゲ☆ル」
世話係らしく、汗を拭くのと着替えを手伝う事を言っている。言っているのだが。
パセットはわざといかがわしい言葉に変換していた。
「いいよ、一人でするから。パセットちゃん、他の仕事してきていいよ?」
「そんなのつまらん。パセットは、リオっちとイチャイチャしたいのだ!
と言うわけで観念しろー!」
布団を引っ剥がされ、腕を掴まれる。
唐突に。昨晩父親に汚されたことを思い出した。
「いやあっ!!」
ぱしん、とパセットの手を払いのける。
「――え?」
パセットが理解出来ない、といった顔をした。
「――あっ…!? ごめんなさいパセットちゃん!
その、今日は気分が悪いから、もう寝たいの」
「…でも、もうお昼だよ?」
「ごめん今日は、いらない」
「でも、ちゃんと食べないと、体力付かないよ?」
きっとパセットは気を使ってくれているのだ、リオが体が弱い事を知っているから。
それは純粋な優しさだ。だからこそリオにとっては、眩しく、時に嫉ましく見えてしまう。
可愛いパセットちゃん。優しいパセットちゃん。それに比べて私はどうだ?
この体はもう汚れている。その心も度重なる調教で卑屈に、淫らにねじ曲げられている。
(だから見ないで、こんな、こんな汚い体を――私を見ないで!)
「ごめん、パセットちゃんっ、お願いだからっ、今日、だけはっ…!」
気がつけばリオは嗚咽を漏らし、涙を流していた。
両手で顔を覆い、早く出て行って、と言外に叫んだ。
「あ――うにゃ。いけないいけない。やっぱり無理矢理はいけないね?
スマートじゃないもんね。それじゃパセットは出て行きます」
パタパタとワザと元気に部屋を横切りドアを開ける。
「何か困った事があったらすぐに呼んでね?
パセットは地獄の底からでも飛んで来るから! じゃね!」
バタン。扉が閉められ、リオは一人になった。
さっきまでの空気が嘘だと思うほど、部屋の中が静まり返る。
パセットの存在は良い意味でも悪い意味でも、大きかった。
「――パセットちゃん?」
不意に空虚感が溢れ出し、人懐っこい笑顔を求めて視線を彷徨わせる。
だが部屋の中に求める人は居ない。追い払ったのは自分だ。
「――怒ったよね?」
当然だ人の善意を、払いのけたのだから。
少なくともリオが同じ立場だったらパセットのように最後まで笑っていられる自信はない。
「私の事、嫌いになったよね?」
呟く言葉は宙に溶ける。
リオはウザい。リオは汚い。リオは臭い。リオは淫乱。リオはブス。リオはイヤな奴。
そんな人間に、友達が出来るわけがない。
この瞬間。リオの中から唯一の友達すらも居なくなった。
「もうどうでもいいや」
そして度重なる陵辱にすり切れた心は、悲しみ咽ぶことよりも、現実からの逃避を選ぶ。
リオは布団を被り直し、瞳を閉じた。
カーテンの向こうから漏れる陽光が、疎ましくて、すぐには眠れなかった。
606 乙×風 sage 2010/02/08(月) 19:23:17 ID:hl4slLyJ
以上になります。誤字脱字等、指摘があれば宜しくお願いしますぅ。
そしてエロ少なくてごめんなさい。
天文部は完全に実用性重視だったから今度は別の方向性で行こうと思ったのですよ。
なのでエロとキャラ立ちとシナリオをバランス良くやっていくつもりです。
寄生要素は四話くらいからですかねぇ。
エロが無い話もあるので気に入らない方はスルーしてくださいね。
それでは今回はここで失礼します。幼女万歳。
お久しぶりです。
本当にお久しぶりです。不肖この乙×風、帰ってまいりました。
前作の天文部を書き終えた後、思う所があって別の投下場所で連作をやっていたのです。
ちなみにその作品もまだ途中です。続きを書くつもりはありますが暫くお休みです。
というわけで、暫くこちらでお世話になります。
勝手な事だとは思いますがまたよろしくお願いします。
え? 新作? うふふ。勿論持ってきましたとも。手ぶらで帰れませんしね。
件の投下場所がこれまた大変レベルが高く。揉みに揉まれてきました。
おかげで文章の質も少しは。本当に少しは、上がっていればいいね!
っというか単に冗長になっている可能性もあります。
台詞に対する情景描写、心理描写の量が多くなっているかも知れません。
もし読みにくければお気軽に報告を。出来る範囲で調整します。
以下本作品の注意タグです。
(陰鬱、ギャグ微量、エロ少なめ、寄生無し、アグ○スポイント急上昇、近親相姦)
ちなみにとある過去作品の続編となります。
ではどうぞ。
600 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:10:56 ID:hl4slLyJ
第一話 醜いアヒルの子
「…いっ! はっ! んんっ!」
仄暗い寝室に少女の喘ぎが響く。
月明かりに照らされているのは一人の少女だ。
髪は、耳元を覆うほどで切り揃えられているが、その色が特徴的だ。
熟れた桃のような鮮やかな色をしているのだ。
更に、その瞳も普通の人間とは違っている。
どちらの瞳もくりっとしていて、幼い顔立ちと合わせて小動物的な可愛さがあるが。
しかしその右目は蒼穹のような色。そして左目は血のように真っ赤なのだ。
彼女はオッドアイだった。
左右異色の瞳は幼い少女に神秘的な、或いは見る者を惹き付ける魔性を持っていた。
その瞳に魅せられたか。或いは元々『そのような趣味だったか』。
今少女の女性器には、彼女には不釣り合いなほど巨大な男根が突き込まれていた。
見た目、十二、三程の少女に醜い肉棒が打ち込まれる度に、愛らしい顔が痛みに歪む。
「ち…っ」
少女を犯していた中年の男が苛立たしげに舌打ちする。
少女と同じ翡翠の眼に、鮮やかなブロンドを持った彼は、高貴な家柄を持つ貴族だ。
同時に幾つもの傷跡の残る逞しい肉体は彼が戦士である事を証明している。
「いつも言っているだろう! もっとはしたない声を出せ! もっと浅ましく腰を振れ!」
だが金髪の男が少女に浴びせたのは、卑猥で余りにも屈辱的な言葉。
ましてや十を過ぎたかそこらの幼子に注文する事ではない。
だが、少女は息を整えた後に、
「――はあっ…あ、あん!」
急に甘い声を出し始めた。
また、巨大な肉棒に合わせるように腰を使い、男を悦ばせる。
「ふんっ…やれば出来るではないか…! この雌犬め…!」
ずん、と容赦なく子宮口を抉る。
女を感じさせるどころかただ痛いだけの突き込みだ。
痛みに少女は目を見開き、ヒュー、と息を漏らすが、
「――ぁあんっ」
それでも懸命に喘いだ。
「ふん。親が親なら子も――と言ったところか。はしたなく喘ぎおって!」
ずんっ、ずんっ、ずんっ――
「あっ! はっ! いやあ!」
少女の反応に気をよくした男はピストンのペースを上げる。
壊れてしまうかと思うほどの激しい交わりに少女の桃色の髪が踊った。
「はあっ! はあっ! 出すぞ! 嬉しいだろう!?」
一瞬、少女の顔から血の気が引いた。
中出しの恐怖に女の本能が、警鐘を鳴らす――が少女は知っている。
逆らえばもっと恐ろしい事をされると。それをこの二ヶ月の間で無理矢理教え込まれた。
そう。こんな時はおねだりをするのだ。とびきりいやらしく、猫なで声で。
「はいっ。リオ、嬉しいです!
私のイヤらしいおマンコでよければ、一杯ザーメン注いで下さい!」
「はっ! この淫売め!
貴様の望み通り、ワシの精を孕むまで注いでくれるわっ! うぉぉおおっ!」
どぷっ、どくどくどくどく。
「きゃあんっ! リオ、イっちゃうっ! 中出しされてイっちゃうっ!」
胎内に不浄な粘液が注がれる。
言葉とは裏腹に生理的嫌悪感が全身を駆け巡り、鳥肌が立つ。
先ほど食べた夕食を全て戻しそうになる。
男が射精の余韻に浸っているこの時間、少女にとっては地獄だった。
「――舐めろ」
無限にも感じた数十秒後。男は小さなヴァギナからペニスを抜き取ると、少女に命令する。
601 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:13:16 ID:hl4slLyJ
「…はい…」
少女は体を前後反転させて、さっきまで自分の体を貫いていた肉棹と向かい合う。
その際ひきつるような痛みが少女を襲った。
びゅる――小さな肉壺に入り切らなかった白濁液が逆流し、射精するように吹き出す。
無理矢理の挿入から行為をしたせいか、吐き出された精液には赤色が混じっていた。
「――すごい臭い…綺麗にしますね…」
少し萎れたペニスには血と精液、そして僅かに混じった少女の愛液でベトベトに汚れている。
むせ返りそうな性臭に吐き気が再びこみ上げるが、少女は巨根にむしゃぶりついた。
苦しょっぱい男汁を舐めとり、イヤらしい音を 立てながら啜る。
フェラをしているわけではない。
あくまでこれは事後処理、だが躾された体は男の快楽を引き出すように勝手に動く。
玉を揉み、亀頭を舌先でほじくり、小さな口で、サイズ違いの肉棒を頬張る。
「誰がそんな事をしろと言った。
ワシはただ綺麗にしろと――いや、一回では満足出来ない淫らな体になったという事か」
再び劣情に火がついたのか、男は少女を押し倒す。
「剣も魔術も使えない愚鈍な娘が、床上手になりおって。やはり貴様はあの売女の娘よ」
「――」
少女は否定も肯定もしなかった。
「姉のマリオンは立派な魔術師になったというのに、全く――お前は本当にワシの子か?」
「だって、姉様と私のお母様は違、」
「口答えをするな。ワシに意見するほど偉いのか貴様は?」
「…申し訳ありません…」
「リオよ…ゆめゆめ忘れるなよ。
貴様のような無能者が何故、我が誇り高きリビディスタの屋敷に名を置く事が出来るのか。
誰のお陰で、寝食を得る事が出来るのか」
「――分かって、います…」
「そうか。では貴様はワシの何だ? 言ってみろ」
「私は――お父様の性奴隷です」
そう告白した少女の瞳はガラス玉のように虚ろだった。
***
どんな辛い事があっても、夜は明ける。
少女が実の親に犯されようが、戦争で人が何人も死のうが、疫病で国が滅びようが。
太陽は昇る。一つの不幸ではきっと何も変わらない。
(私が死んでも、何も変わらないのかな)
窓越しから降り注ぐ陽光で左手を透かした。汚れた手、父親の体液で汚れた手。
戦士になれば、きっとこの手は血で汚れていた。魔術師になったら、綺麗なままだった。
(でも私には、そのどちらにもなれない)
虚弱体質な自分は戦士にはなれない。才能のない自分は魔術師にはなれない。
(姉様、元気にしてるかな)
腹違いの姉、マリオンの事を思い出す。
あの父と同じブロンドの髪は流水のように滑らかで綺麗だった。
ほっそりとした体は巧みな芸術家が造形したように美しく女神のようだった。
染み一つ無い顔は凛々しく精悍だった。
口数が極端に少なく、自分の感情を表に出さない人なので無愛想な顔ばかりが頭に浮かぶ。
けれどその強さは本物だった。マリオンは魔術も剣も類い希な才能に恵まれていた。
神から二物を授かった彼女は最年少でリビディスタ家を出た。
今は王都でヘスペリスと呼ばれる女性だけの部隊に籍を置いている。
マリオンはリオにとって、自慢の姉であり、憧れであり、大好きな家族だった。
(でも姉様自身は、私の事なんとも思ってないだろうな)
唯一の姉妹であるリオにさえ、マリオンは感情を出さなかった。
もともと合う機会が少なかったのも原因だろうが、会話をした回数は数える程度しかない。
602 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:15:56 ID:hl4slLyJ
今思えば、やはり自分は姉にとっても鬱陶しいだけの存在だったのかもしれない。
「…私が死んだら、姉様は悲しんでくれるかな」
ふと、そんな事を思い、すぐに考えを改めた。
(そんな事ないよね? もしそうなら、今のお父様の事切っちゃうかもしれないし)
まともな感性を持っている人間ならば、リオの父親が実の娘にした事を許さないだろう。
だがあの鉄面皮が怒りの形相に変わり、実の父親に手を掛ける姿は想像できなかった。
「姉様、今頃どこで何をしているんだろう?」
リオは姉の姿を探すように窓の外を眺めた。
降り注ぐ日の光が、リオには少し眩しかった。
***
暖かな木漏れ日が巨大な体に降り注ぐ。
「ん――いい天気。こんな日はゆっくり光合成でもしながら昼寝でもしたい気分だわ」
その巨体からうら若い女の声が発せられた。
それは、一言で形容するなら巨大な花だ。
根の代わりに何十本もの触手を蠢かせ、地上を闊歩する花。
花冠の中央――雌しべに当たる部分に人間の女性が下半身を埋没させている。
それも生まれたままの姿で。
張りのある乳房。ひきしまったウェスト。
二十歳過ぎに見える女の裸体は淫靡でエロティックだった。
「ふあ――」
アネモネ――と冠されたその女性型モンスターは人間クサい動作で欠伸を噛み殺す。
そして惜しげ無く裸身を晒しながら延びをした。
重力に逆らうように、たわわに実った乳房が揺れる。
「……あーあ、昼寝くらいさせてくれないかしら?」
アネモネがぼやいた時だった。
紫電が光条となり飛来する。
だが。高速で我が身を穿とうとする魔術を、アネモネは裸身を少し捻る事で楽に避けた。
「はい外れー。その程度の攻撃であたしをどうにか出来ると思っているのかしら?
顔を洗って出直してきなさい」
広く大きい花弁の上にうつ伏せになりながら、木々の向こうに挑発的な視線を送る。
途端に木々の向こう側から紫色の光が溢れた。
「…あら? 怒っちゃった?」
モンスターの言葉を肯定するように先程の雷撃魔術がダース単位で飛んでくる。
「もう! 森がむちゃくちゃになっちゃうじゃない!
人間はもっと自然を大切になさい!」
悪態をつきながら正面に魔術障壁を展開。降りかかる火の粉から巨大を守る。
同時に左右から殺気を感じた。足止めしている間に包囲する気だろう。
「もうっ、しょうがないわねえ…っ」
四枚ある花弁。その内側から雄しべのような触手をいくつも生やす。
と、その膨らんだ先端が弾け、辺りに桃色の霞をバラいた。
「催淫ガスだ!」
「マズい! マリオン殿! 防御魔術を!」
周囲から男達の声がすると同時に、雷撃の嵐がぴたりと止む。
「そうそう、あたしが逃げるまでこっち来ないでね?」
言うや否や触手を蠢かせ、巨大な花は森の奥へと消えていった。
603 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:17:57 ID:hl4slLyJ
***
「ちっ、またこのガスか!」
「死にゃしないだろ! 俺は突っ込むぞ!」
「馬鹿止めとけ! ガスを吸い込んだらどうなるか知ってるだろう!
発情した猿みたいに死ぬまでマス掻くことになるぞ!?」
深いの森の中、武装した男達が叫んでいる。
彼らの目の前の空間は濃度の高い催淫性のガスによって大気がピンク色に染まっていた。
ガスは驚くべき勢いで拡散し男達を飲み込もうとする。
だが彼らを包み込むように展開した結界に遮られていた。
その結界の中央に、美しい女が居る。
白銀の軽装鎧に身を包んだ金髪の少女だ。
細い腕には魔力を放射し発光するロッド、腰には細身の剣。
魔力放射の余波で茜色のマントがはためく。
それには黄金色の林檎を抱く女――ヘスペリスのエンブレムが施されていた。
「しかし、マリオン殿がいるお陰で助かる」
「若干十八で剣も魔術も扱えるとは、流石はヘスペリスの称号を持つだけの事はある」
「ああ、かの名門リビディスタの名に恥じぬ、魔術騎士だ」
「いやしかしだな。俺はガスを吸い込んだマリオン殿が乱れる姿も見てみたかったのだが」
卑下た笑みを浮かべる男の騎士。
その時、今まで一言も喋らなかったマリオンが初めて口を開いた。
「――あ」
「マリオン殿? どうなされた?」
「…魔力がなくなりそう」
ぎょっとした表情で男達がマリオンを見つめる。ガスは未だに消えていない。
もしこの結界がなくなれば、足腰が立たなくなるまで乱交パーティをする羽目になる。
それどころか獲物であるはずのアネモネに美味しくいただかれてしまうだろう。
めでたく全滅である。
「冗談だけど」
例によって表情一つ変えずに言ったマリオンの言葉にがくり、と脱力する男達。
「マリオン殿、そういう冗談は――」
「私も、下品な冗談はきらい」
片目を開き、乱れたマリオンがどうこう、と先程言っていた男を見る。
「ああ……はははっ、いやスマンスマン。
だがなにしろこっちは健全な男衆だ。
綺麗な嬢ちゃんに、色っぽいネーチャンなんかを見てるとよ?
こう――な? 分かるだろ?」
「色っぽいネーチャン、って、あのアネモネか?」
「確かにスタイルは良かったな」
「ボンッキュッボンッ! だな!」
「あれはモンスター」
ぼそり、とマリオンが呟いた。
「そうだがな。いやー正直退治するのは勿体ないというか」
「そもそもモンスターであるのが勿体無い!」
『ガハハハハっ!』
一応戦闘中の筈だが下ネタトークでテンションが上がった中年騎士達は馬鹿笑いを上げた。
マリオンはそんな男達を尻目に、軽装鎧越しに自分の胸に空いていた手を添える。
鎧の内側には謙虚な大きさの丘陵が育っていた。
同世代のそれと比べて遥かに小さいそれ。
父と母からは戦士と魔術師、両方の優秀な血を受け継いだが体型に関してはそうでない。
なんだかムカついてきた。
馬鹿笑いを上げる男達が、自分とあの魔物の体を見比べ、蔑んでいる気がする。
『まあなんだ? 小さくても気にするな?』ってな具合に。
「余計なお世話」
604 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:19:36 ID:hl4slLyJ
「ん? どうしたマリオン殿? 胸が辛いのか? 鎧が小さいのじゃないか?
いやいやそんな筈はないか、がはははははっ!!」
トサカに来た。
所見の人間なら、マリオンは口数の少ないクールな人物に見えるだろう。
ところが真実はその真逆である。
彼女は激情家だ。切れやすいとも言う。それを顔に出すのがとてつもなく下手なだけで。
マリオン=リビディスタは、不器用な人間なのだ。
「――あ、やっぱり持たなかった」
結界が消え去る。男達が口を開いたまま硬直した。
勿論わざとだ。この後男達がどうなるか想像に容易いが、知った事ではない。
「撤退。後でアレエスの街で合流する事。それじゃ」
転移魔術陣が展開されると、騎士達が何か言う前にマリオンの姿が光になって消えた。
男達の表情が絶望に歪む。
『嘘だああああ!?』
催淫ガスが絶叫する男達を飲み込んだ。
***
仲間の絶叫を聞き流しながら、マリオンは麓に見える街を見渡した。
豊かな森に囲まれたその街は、彼女の故郷アレエスだ。
その北側にリビディスタの屋敷が見える。故郷の地に足を踏み入れるのは実に二年振り。
「――リオ。ただいま」
小さな言葉は風に吹かれて消えたが、マリオンの優しい微笑みはいつまでも消えなかった。
ちなみに例の騎士達だが。
哀れ、催淫ガスに理性を奪われ、明け方まで『男だけの』乱交パーティをする事になる。
だがそれはまた別の話。
合掌。
***
マリオン=リビディスタが偶然にも帰郷を果たす前日の話である。
「おはようございますリオ様。さて。今日の体調は――どうなのさ!」
「どうして最初だけ丁寧語なの?」
「メイドだから!」
「後の方は普通だったのに…?」
「なんかめんどくさくなった!」
「最初から普通にお話すればいいのに…」
「普通はつまらん! パセットは波乱万丈な人生を送るのだ!」
大げさな身振り手振りを交えながら(≧∀≦)な顔している彼女は、リオ専属の世話係だ。
名をパセットと言う。
優しいブラウン色の髪を肩まで伸ばし、犬耳のような癖っ毛が跳ねている。
それが人見知りをしない人懐っこい性格を象徴としているようで非常に似合っていた。
年はリオよりも二つ上だが、言動や行動が『これ』なので友達という方がしっくりする。
そう。パセットはリオにとって唯一心を許せる存在だった。
(パセットちゃん、今日も可愛いな)
自分の体にコンプレックスを持っているリオには、パセットが魅力的に見えた。
605 永久の果肉1 sage 2010/02/08(月) 19:21:24 ID:hl4slLyJ
「服を脱げ――っ!!」
「え、ええ!? パセットちゃん!?」
「このパセットが、リオの体を隅々まで綺麗にして、ア☆ゲ☆ル」
世話係らしく、汗を拭くのと着替えを手伝う事を言っている。言っているのだが。
パセットはわざといかがわしい言葉に変換していた。
「いいよ、一人でするから。パセットちゃん、他の仕事してきていいよ?」
「そんなのつまらん。パセットは、リオっちとイチャイチャしたいのだ!
と言うわけで観念しろー!」
布団を引っ剥がされ、腕を掴まれる。
唐突に。昨晩父親に汚されたことを思い出した。
「いやあっ!!」
ぱしん、とパセットの手を払いのける。
「――え?」
パセットが理解出来ない、といった顔をした。
「――あっ…!? ごめんなさいパセットちゃん!
その、今日は気分が悪いから、もう寝たいの」
「…でも、もうお昼だよ?」
「ごめん今日は、いらない」
「でも、ちゃんと食べないと、体力付かないよ?」
きっとパセットは気を使ってくれているのだ、リオが体が弱い事を知っているから。
それは純粋な優しさだ。だからこそリオにとっては、眩しく、時に嫉ましく見えてしまう。
可愛いパセットちゃん。優しいパセットちゃん。それに比べて私はどうだ?
この体はもう汚れている。その心も度重なる調教で卑屈に、淫らにねじ曲げられている。
(だから見ないで、こんな、こんな汚い体を――私を見ないで!)
「ごめん、パセットちゃんっ、お願いだからっ、今日、だけはっ…!」
気がつけばリオは嗚咽を漏らし、涙を流していた。
両手で顔を覆い、早く出て行って、と言外に叫んだ。
「あ――うにゃ。いけないいけない。やっぱり無理矢理はいけないね?
スマートじゃないもんね。それじゃパセットは出て行きます」
パタパタとワザと元気に部屋を横切りドアを開ける。
「何か困った事があったらすぐに呼んでね?
パセットは地獄の底からでも飛んで来るから! じゃね!」
バタン。扉が閉められ、リオは一人になった。
さっきまでの空気が嘘だと思うほど、部屋の中が静まり返る。
パセットの存在は良い意味でも悪い意味でも、大きかった。
「――パセットちゃん?」
不意に空虚感が溢れ出し、人懐っこい笑顔を求めて視線を彷徨わせる。
だが部屋の中に求める人は居ない。追い払ったのは自分だ。
「――怒ったよね?」
当然だ人の善意を、払いのけたのだから。
少なくともリオが同じ立場だったらパセットのように最後まで笑っていられる自信はない。
「私の事、嫌いになったよね?」
呟く言葉は宙に溶ける。
リオはウザい。リオは汚い。リオは臭い。リオは淫乱。リオはブス。リオはイヤな奴。
そんな人間に、友達が出来るわけがない。
この瞬間。リオの中から唯一の友達すらも居なくなった。
「もうどうでもいいや」
そして度重なる陵辱にすり切れた心は、悲しみ咽ぶことよりも、現実からの逃避を選ぶ。
リオは布団を被り直し、瞳を閉じた。
カーテンの向こうから漏れる陽光が、疎ましくて、すぐには眠れなかった。
606 乙×風 sage 2010/02/08(月) 19:23:17 ID:hl4slLyJ
以上になります。誤字脱字等、指摘があれば宜しくお願いしますぅ。
そしてエロ少なくてごめんなさい。
天文部は完全に実用性重視だったから今度は別の方向性で行こうと思ったのですよ。
なのでエロとキャラ立ちとシナリオをバランス良くやっていくつもりです。
寄生要素は四話くらいからですかねぇ。
エロが無い話もあるので気に入らない方はスルーしてくださいね。
それでは今回はここで失礼します。幼女万歳。
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