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(ハチ目コビトバチ科の生態)
328 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 05:53:52 ID:xoDQ1Fis
とあるブログで蝶々の蛹7匹中3匹に寄生虫が付いてたって話を見た
羽化せず変色して死んだので蟻のエサにしたそうな
残り4匹のうち1匹も羽化せずら中から蛆が出てきたらしい
329 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 20:24:32 ID:s5la50X7
宿主を殺すなんて、寄生虫の風上にも置けない寄生虫だな!
俺ら位の寄生虫になると、羽化した蝶が女の子になってた程度は朝飯前 ニョロ
330 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:00:05 ID:jqETZXMP
なんか今、書いてたやつがちょうど上げ時だと直感したからこれから上げる。
まぁ、時間があったら見ておくれやす。
チョウ目コビトチョウ科。小さな人間にチョウの羽が生えたようなその昆虫が、地球に生まれるのは少し先の時代。
しかし地球とは別の星ではそのチョウは既に生まれている。これはそんなチョウの中の、ごくありふれた一匹のお話。
彼女の名前は『アゲハ』。彼女の年齢は人間で言えば、16~18歳というところだろうか。身体もその歳相応に成熟しはじめ、その背の羽も見事に蒼く煌く年頃になった。
今日も彼女はせっせと蜜を吸い渡る。地球で言えば春のようなこの季節は、彼女たちコビトチョウを含めた昆虫全てにとって嬉しい時期であることは言うまでもない。
特に食べることと寝ることが大好きなアゲハにとっては最高の季節だった。
「んん~っ、おいしぃ~!」
黄色い花の中に身を預けるようにしてアゲハは一心不乱に花の蜜を頂いていた。甘い蜜の味が彼女の頭も蕩けさせる。
そしてそれを吸い終わればすぐさま隣の花へと飛び移ってまた蜜を吸い始め、やがてこれを1時間もしたら後はのんびりと彼女は眠りに入るだろう。
しかし……その平和を狂わす一匹の昆虫がじわりじわりと彼女を狙っていることに、彼女自身が気付くはずもなかった。
「あう~っ……も、もうそろそろお腹一杯……。あと、もう一個ぐらい……ん?」
アゲハはお腹を擦りながらも、欲張りな彼女は更にもう一回ぐらい花の蜜を吸おうとしていた。
そのとき、彼女の鼻を突いたのはこの花畑の中でも一際甘く、強い匂いだった。舌なめずりをした彼女はすぐにそちらに移動を始める。
「うわぁ……こ、これはおいしそう~! はぅ~!」
そして見つけた赤い花に彼女はすぐさま突撃する。
だが……アゲハはこの花畑で何年も年を越した。そんな彼女が今まで気付かなかった花、ましてや匂いの強いものが……あるだろうか?
しかし、そんな思考は食いしん坊のアゲハの前に働くはずもなく、彼女はそのまま赤い花にダイブするといつもように蜜を吸い始めた。
「んぁうぅぅ、あ、あますぎ~!」
赤い花の蜜は確かにその匂いの通りの甘美なる味で、今まで彼女が吸ってきた中でも1、2を争うほどの美味しさであった。
花の蜜に夢中になる彼女は段々と花に身を預け始める。それと同時に、彼女の背後でゆっくりとした変化が始まる。
花びらが、閉じ始めているのだ。まるで外の世界から彼女だけを切り離すように、それはじわりじわりと彼女を隔離し始めている。
「ぷは~っ……あ、あれ?! あれぇ!?」
やっと気付いたときには太陽の光が花びらで遮られてしまうほどまでなったときであり、もう既に手遅れであった。
「に、逃げないとっ! うあっ! は、花が、足に絡まってくるなんて……」
アゲハの足に雌しべや雄しべがまるで生き物の触手のように絡み付いてきた。更に蜜を吸った彼女の身体は重く、彼女はそのまま花のベッドに引き戻されてしまった。
「ああっ……」
そうして天を見上げている間に花は完全に閉じてしまった。昼間だというのにその中は太陽光が赤い花びらを貫通するせいで、赤く淫靡な雰囲気をかもし出している。
「クスクスッ……可愛い子が来たわね……」
「だ、だれ?!」
その中に突如、自分以外の声が聞こえたアゲハは声の主を探す。すると突然、後ろから首筋にそって二本の腕が回わりこんできた。
「ひあっ!?」
「クスッ、綺麗な蒼い羽ねぇ……うらやましいわぁ」
アゲハの背後の雌しべと雄しべの間から一匹のハチがそれらに押し上げられるように現れた。
しかしそのハチもまた、地球に存在するようなハチとは違う。
331 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:00:46 ID:jqETZXMP
ハチ目コビトバチ科。小さな人間の身体にハチの特徴的な部分が合わさったような昆虫である。
背中には小さな羽、ふわふわとしたマフラーのような身体のところどころにある黄色い体毛、そしてお尻の部分には黄色と黒の大きな袋がくっついている。もちろん、その先から針も出る。
しかし、その最大の特徴は、その繁殖方法にある。
コビトバチには性別はなく、同じ種族間での交尾で子孫を作ることは不可能。では、彼女たちは一体どうやって繁殖を可能としているのか?
それは……別の種族の身体を頂くのである。
「あ、あ、あ、あなたは誰なんですか!?」
「私はコビトバチの『ナギ』って言うの。仲良くしましょ? クスクスッ」
そう言ってナギはアゲハの身体をギュッと抱きしめる。黒い髪からちょこんと生えた触覚、黄色い体毛からちらちらと覗く見事な胸の谷間。ナギはコビトバチの中でも抜きん出たスタイルの持ち主だった。
「どうかしら、この花は? クスッ、私が特別にこしらえたのよ?」
「こ、こしらえたって……?」
「クスッ、簡単なことよ。私たちコビトバチは生き物だけじゃなく、植物にも毒を与えられる。それでちょちょいと花に仕掛けをしたの……あなたみたいな可愛い子をおびき寄せるためにね、クスッ」
その妖艶な笑みと耳に吹きかけられる生暖かい吐息がアゲハの身体をブルリと振るわせた。
「い、い、い、い、一体私をどうするつもりなんですか!?」
「クスクスッ、そんなに暴れないの……簡単なことよ? 身体の力を抜いて、ほら」
「あっ、ふあんっ!」
ナギはより一層アゲハの身体を引き寄せると、彼女の福耳をアマガミして身体から力を抜いてしまう。
それを見計らって、ナギはお尻を持ち上げるとその大きな袋の先から小さな針を生やしてプスリと力の抜けたアゲハの身体に突き刺した。
「いたっ! な、なにぃ……?」
「だ~いじょうぶ、死にはしないわ。ただ……あんまり暴れられても嫌だから、ちょっと身体を痺れる毒をね……クスクスッ」
「か、身体が、動かない!?」
コビトバチの毒はその加減によっては刺した生物を死に至らしめる可能性もあるが、本来彼女たちの毒はこうして獲物を殺すためではなく動きを制限させるためにあるものだった。
「クスッ、改めて見るとやっぱりかわいい顔をしてるわ……んっ」
「んんんんっ!?」
ナギはアゲハと体位を入れ替えて彼女の上に乗り、おもむろに唇を重ねた。当然、アゲハは突然のことに口を閉じてそれを拒もうとする。
しかしナギの口からだらりと液体が注がれ始め、それに驚いたアゲハがわずかに口を開いてしまったが最後、次々にその液体が口に入り込むと同時にナギの舌も滑り込んできた。
「んんんっ、んんっ……んんっ……」
アゲハは毒のために首を動かしてナギから逃げることも出来ず、仕方なく液体を飲み込み始めた。
(あまくて……おいしい)
するとどうだろうか? その液体の味はどの花の蜜より甘く、どんな花でも出せないようないい匂いをしているのだ。アゲハはそれが分かると嫌がることなくそれを飲み込んでいく。
それはもちろん、コビトバチの蜜。色々な花から集めた花の養分などを身体の中でブレンドしたそれは、まさに自然のジュースともいえるほど美味であった。
「んっ、ぷはっ、あっ……」
しかしそのナギの口はすぐにアゲハの口から離れてしまう。口の周りに蜜をつけたナギがニヤリと艶やかに笑う。
332 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:01:22 ID:jqETZXMP
「じゅる……美味しかったでしょ? あらあら、もっと欲しかったのね。でも、今はお・あ・ず・け……クスクスッ」
実際に食いしん坊のアゲハは既にその蜜の虜となってしまっていた。ナギの下でアゲハはお菓子を取り上げられた子供のような顔でナギを見ている。
「ほらほらっ、そんな顔しないの。……これからも~っと、イイことをしてあげるから……クスクスッ」
「いい、こと……?」
アゲハがその言葉に期待の色を浮かばせると、ナギはその素直さに思わずニコリと笑ってしまう。
そしてナギはアゲハの身体の下の方へと移動すると、アゲハの腰の辺りに生えている羽と同じく蒼い体毛を掻き分けて彼女の秘所を探り合てた。
「クスッ、やっぱりまだ初体験よね? ピンク色の穴がかわいいわぁ……でも、このままじゃちょっとダメね……んっ」
ナギの言葉にアゲハは顔を赤く染めながらも、これから一体何をしてくれるのかと言う期待に胸を躍らせてしまっていた。先ほどの蜜のことですっかりとナギのことを信頼してしまったのである。
その一方でナギはちゃくちゃくと準備を進める。口の中に蜜を貯め始め、そしてゆっくりと体毛を掻き分けながらアゲハの秘所に顔を近づけ、やがてゆっくりと唇をあてがった。
「ひぁんっ! んえっ、あはんっ!」
「じゅる、んんっ、んっ」
アゲハの秘所につけた唇からナギは蜜を注ぎ込んでアゲハの中を濡らしていく。生暖かいその蜜が穴に入ってくる感覚にアゲハは快感を感じてしまう。
「クスクスッ、まるで下の穴が口にみたいにひくひく動いてるわぁ……かわいい、んんっ」
「やあぁ……いわ、ないでぇぇ……」
ナギの言葉にアゲハは頬を赤く染めながらも、まるでまだ物足りないかのように腰をくねらせてよがる。
ほどなくしてアゲハの秘所は蜜壷のようにナギの蜜で満たされ、ナギの準備は完了した。
「んっ……さぁって、と。クスクスッ、そろそろ始めましょうか」
「あうぅぅ、な、なにを……?」
いい具合に火照ってしまったアゲハは、蜜の詰まった自分の秘所が送ってくるじわじわとしたぬるい快感にじれったさを感じながらナギに聞き返した。
ナギはアゲハの問いにニヤリとした笑いで返事を返し、お尻の袋の角度を調整し、その先端の針がちょうどアゲハの秘所の直前でピタリと構えられた。
「ひぁっ!? や、やめて」
「クスクスッ、だ~いじょうぶ……ほらっ」
ナギは腰を上げてアゲハが針を見やすいようにすると、お尻を振ってゆれる針に注目させる。
すると尖っている針の先端が段々と丸みを帯び始め、やがて針の根元から先っぽまでが同じ程度の太さの、いわゆる産卵管へと変化をした。
「さぁ~って、これなら入っても痛くないでしょ?」
「で、でも、そんなの私に入れて、い、いったい何をするつもりなんですか?!」
そのアゲハの問いに、ナギは待ってましたとばかりに満面の笑みを浮かべてさらりと答えた。
「あなたに、卵を産み付けるの。クスッ」
ナギのその言葉にアゲハは先ほどの快感も忘れて顔を青ざめさせる。
「……やだ。やだ、やだ、やだ、やだ、やだぁああああああああ!」
「あらあら、暴れようとしてももうだ~め。クスクスッ、どの道その身体じゃもう逃げられないわ」
先ほどの毒は少しずつ収まりつつあったが、それでもアゲハが必死の抵抗を試みたところでせいぜい首を振る程度しか出来ない。
「クスクスッ、じゃあいくわよぉ~」
「やだぁああああ! ひっ、ぁあああああああああああ!」
333 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:01:58 ID:jqETZXMP
アゲハの叫びも虚しく、ナギは彼女の秘所に産卵管を宛がうと、一気に彼女の中に滑り込ませた。
「んはあああああっ! い、っぱつでおくまで、はいっちゃったぁぁ……」
蜜でぬるぬるに濡れたアゲハの秘所は彼女の意思とは無関係にナギの産卵管を受け入れ、彼女の最奥までそれは入り込んでしまった。
「かっ、はああぁぁっ……や、だあぁ……」
しかし濡れていても自らの身体の奥を突き抜かれたその衝撃は緩和されることなくアゲハに伝わり、開いた口からだらりとした涎と搾り出すような声がこぼれた。
「んあぁぁ……さいっ、こおぉ……。ぬれてるけど、しめ、つけてくるうぅ……」
一方のナギはその挿入の快感に酔いしれ、アゲハの身体を強く抱きしめる。アゲハの大きな胸が、ナギのそれなりの胸と混ざり合う。
「じゃあ……ゆっくりと、うごくわよぉ? んっ、んっ、はんっ!」
ナギが次の快感を追い求めてアゲハの中をほぐすように動き始める。産卵管がアゲハの身体を突き刺すたびに彼女の身体がビクンと跳ねる。
「くあっ! やっ、めぇ! うっ、ああああ!」
「クスッ、諦めなさいな。全てを忘れて快感に身を任せて……堕ちてしまいなさい、クスクスクスッ」
少しずつ早くなるナギのピストン運動にアゲハの意識は彼女を拒否しているのに、一方で彼女の秘所はまるでナギの産卵管の中身を求めるかのようにそれを締め付ける。
「やぁあああ、だぁあああ! んんっ!」
「んっ、んっ、じゅる……ほ~らっ、これをのみなさい……んんっ」
アゲハの首に腕を回して彼女の首の行動を制限すると、ナギは彼女に再び自らの蜜を与え始める。あまりの美味しさに、思考さえもが停止してしまうようなその甘い蜜を。
その間も腰を振り続けるナギはアゲハの変化を微笑ましく感じ取り始めていた。
ナギはアゲハに与えている蜜の中にわずかに解毒作用のある成分を含ませている。すぐに、とはいかないまでも少しずつ身体の自由を取り戻せるものだ。
そしてナギが腰を止めるとアゲハの変化がすぐに明らかになる。
「くぅんっ、んっ、はんっ、んっ……」
ナギが腰をわずかに上げた状態で止めると、アゲハの腰が自らナギの産卵管を求めるように跳ね上がるのだ。
「ぷはっ、クスクスッ、えらいわぁ……それでいいのよ、もっと、もっと、わたしをともとめなさい……クスクスクスッ」
「ふぁああっ! だめ、だめ、だめなのにぃ! もっと、もっとぉ、もっとぉおおお!」
アゲハ自身はと言うと身体が動くことなど既にどうでもよくなってしまっていた。頭ではダメだと分かっていても、身体が求めている以上もう彼女にはどうするすべもない。
元々彼女は自らの欲望に忠実なために、欲望の対象があれば周りが見えなくなる。今回の花に引っかかったのもそれが原因だ。
その彼女が今、新たに性欲という新たな欲望を知ってしまったのだ。
そしてそれを与えてくれる最高の対象が目の前にいる今、彼女は無垢な子供のようにそれを求め続ける。
「あはんっ! もう、わたしもイクわぁ……そして、あなたのなかに、たまごをうむの……クスクスッ」
「んっ、た、まご、きもち、いい?」
「きもちいいわよぉ……さいこうにね?」
「ほしい! たまご、ほしいいい!」
アゲハが目を輝かせてナギの卵を求めたとき、ナギは想像以上の獲物を手に入れたことに思わず笑みが浮かんでしまう。
産卵管がわずかに膨らみ、ナギの卵がいよいよアゲハに注ぎ込まれる。
334 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:03:45 ID:jqETZXMP
「クスクスッ、んんっ、じゃあ、いくわよぉ」
「きてぇ! たまご、きてぇえええええ!」
「んあっ、はああああああああああんっ!」
「ふああああああっ、くるぅううううううううう!」
ナギの大量の体液と共に彼女の大きな一つの卵がアゲハの身体に吸い込まれていった。対するアゲハは本来コビトチョウの子供を産むべき場所にそれを受け入れてしまった。
「はぁはぁはぁ、あはっ、あったかぁいぃぃぃ……」
「クスッ、そうでしょう? クスクスッ……さっ、産まれるまで私の蜜を思う存分、味わってね? クスクスクスッ」
ナギは卵を受け取ってくれたアゲハのお腹を優しく擦り、そしてアゲハに再び蜜を与え始める。卵が育つための充分な栄養もその蜜は与えてくれる。
アゲハのお腹の中でコビトバチの卵が早くもピクリと動いた。孵化までそう時間は掛からないだろう。
しかし、アゲハにはそれさえもはやどうでもいいことである。彼女はただ目の前のハチがくれる甘い蜜を一心不乱に飲み続けるのであった。
335 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:04:12 ID:jqETZXMP
それから3時間ほど経つと、アゲハは既に蜜を吸ってはいなかった。もはやそれどころではなくなっていたのだ。
「ひあぁぁぁ……くる、しいぃぃ……か、からだがぁぁ……」
まるで身体の中から何かを押し広げるような、例えるなら身体が窮屈になる感覚を感じたのは10分ほど前だった。
それが段々と強くなっていき、今では身体を蹴破ってしまいそうなほどそれは強くなってきていた。
その様子に満足そうな笑みを浮かべ、アゲハとは対照的にのんびりとしているのはナギだ。苦しむアゲハの様子を見ても何一つ助けようとはしない。
「はっ、ぎゅえぇぇ……たて、は……ご、めん……ぐっ!? がぁあああああ!」
アゲハは大きく目を見開いて断末魔の叫びを上げると、その場にうつ伏せに倒れて動かなくなってしまった。目は見開き、口から涎をたらし、蒼い羽も力なく倒れている。
「……さぁ、出てきなさい……私のかわいい、む・す・め……クスクスッ」
ナギがそうつぶやくのとほぼ同時にアゲハの身体に電流でも走ったかのような痙攣が断続的におき始める。それを見てナギは嬉しそうに笑う。
その断続的な痙攣はすぐに止まり、再び静寂が訪れる。
しかし、突如アゲハの背中にピリピリという切れ目が走り、それは腰の辺りまで一気に駆け巡った。
それが終わると同時にアゲハの背中が小さく二つに割れ、まるで蝉の脱皮のようにそれはそこからゆっくりと姿を現した。
ぬるりと最初にそこから出てきたのは黄色と黒の袋、それに続いて丸まった背中が出てきて、二本ほどの触覚が長く黒い髪から顔を覗かせている。
そして身体の大半が出たと同時に、丸まっていた背中から何かがふわりと離れるとすぐに広がった。
『それ』は小さいながらも鮮やかに蒼く、夜空の星のように煌く羽だった。
「ふぁ、ぅぅぅ……」
アゲハの背中から産まれた『それ』は彼女の背中からぬるりと抜け出ると、花のベッドの上にパタリと倒れた。その様子を見てナギがゆっくりとそれに近づく。
「クスクスッ、おはよう。……気分はどうかしら?」
まだアゲハの中身を溶かした粘液にまみれた『それ』の身体を、ナギがゆっくりと抱き寄せる。すると、それのまだ開ききっていない目がナギを捉える。
身体がまだ安定していないのだろう。何せ、彼女は今までとは器の違う入れ物に魂を入れ替えられたのだ。
つまりその産まれたばかりの子供のコビトバチに入っているのは、他でもないコビトチョウだったアゲハの魂なのだから。
それでも段々と魂が身体に定着し始め、アゲハは小さな声でナギに答える。
「おかあ……さん?」
「クスッ、そうよ。私があなたのママ……クスッ、どうかしら、生まれ変わった気分は?」
その言葉に生まれ変わったアゲハは目を擦りながら首を傾げ、無邪気な声で素直にこう言った。
「う~ん、わかんない! ねぇ、それよりお母さんのあま~い蜜を飲ませて!」
あまりに正直な答えにナギは思わず笑い出しながらも、その愛する子供の髪を優しく撫でつけながら諭す。
「クスッ、やっぱりあなたはあのチョウチョさんの生まれ変わりね。でも、その身体になった今、もうあなたも蜜を作ることが出来るのよ?」
「えっ、本当!? じゃあ作り方教えてよ!」
アゲハはナギの身体に抱きついて彼女を揺らしながら無邪気に迫る。その無垢な仕草が愛おしくてナギはアゲハを抱きしめながら耳元で囁く。
「今はだ~め。クスッ、それよりも~っときもちいいこと、教えてあ・げ・る」
そして顔を離してみるとナギの予想通り、アゲハの目はまるで新しいおもちゃを見つけたかのように輝き始め、ナギはそれを見て母親の微笑みを浮かべる。
春の息吹の中で、どれも満開に咲き誇る中の仲間はずれのつぼみ。
その中では、つまりこういうことが起こっていたのである。
<<終>>
とあるブログで蝶々の蛹7匹中3匹に寄生虫が付いてたって話を見た
羽化せず変色して死んだので蟻のエサにしたそうな
残り4匹のうち1匹も羽化せずら中から蛆が出てきたらしい
329 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 20:24:32 ID:s5la50X7
宿主を殺すなんて、寄生虫の風上にも置けない寄生虫だな!
俺ら位の寄生虫になると、羽化した蝶が女の子になってた程度は朝飯前 ニョロ
330 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:00:05 ID:jqETZXMP
なんか今、書いてたやつがちょうど上げ時だと直感したからこれから上げる。
まぁ、時間があったら見ておくれやす。
チョウ目コビトチョウ科。小さな人間にチョウの羽が生えたようなその昆虫が、地球に生まれるのは少し先の時代。
しかし地球とは別の星ではそのチョウは既に生まれている。これはそんなチョウの中の、ごくありふれた一匹のお話。
彼女の名前は『アゲハ』。彼女の年齢は人間で言えば、16~18歳というところだろうか。身体もその歳相応に成熟しはじめ、その背の羽も見事に蒼く煌く年頃になった。
今日も彼女はせっせと蜜を吸い渡る。地球で言えば春のようなこの季節は、彼女たちコビトチョウを含めた昆虫全てにとって嬉しい時期であることは言うまでもない。
特に食べることと寝ることが大好きなアゲハにとっては最高の季節だった。
「んん~っ、おいしぃ~!」
黄色い花の中に身を預けるようにしてアゲハは一心不乱に花の蜜を頂いていた。甘い蜜の味が彼女の頭も蕩けさせる。
そしてそれを吸い終わればすぐさま隣の花へと飛び移ってまた蜜を吸い始め、やがてこれを1時間もしたら後はのんびりと彼女は眠りに入るだろう。
しかし……その平和を狂わす一匹の昆虫がじわりじわりと彼女を狙っていることに、彼女自身が気付くはずもなかった。
「あう~っ……も、もうそろそろお腹一杯……。あと、もう一個ぐらい……ん?」
アゲハはお腹を擦りながらも、欲張りな彼女は更にもう一回ぐらい花の蜜を吸おうとしていた。
そのとき、彼女の鼻を突いたのはこの花畑の中でも一際甘く、強い匂いだった。舌なめずりをした彼女はすぐにそちらに移動を始める。
「うわぁ……こ、これはおいしそう~! はぅ~!」
そして見つけた赤い花に彼女はすぐさま突撃する。
だが……アゲハはこの花畑で何年も年を越した。そんな彼女が今まで気付かなかった花、ましてや匂いの強いものが……あるだろうか?
しかし、そんな思考は食いしん坊のアゲハの前に働くはずもなく、彼女はそのまま赤い花にダイブするといつもように蜜を吸い始めた。
「んぁうぅぅ、あ、あますぎ~!」
赤い花の蜜は確かにその匂いの通りの甘美なる味で、今まで彼女が吸ってきた中でも1、2を争うほどの美味しさであった。
花の蜜に夢中になる彼女は段々と花に身を預け始める。それと同時に、彼女の背後でゆっくりとした変化が始まる。
花びらが、閉じ始めているのだ。まるで外の世界から彼女だけを切り離すように、それはじわりじわりと彼女を隔離し始めている。
「ぷは~っ……あ、あれ?! あれぇ!?」
やっと気付いたときには太陽の光が花びらで遮られてしまうほどまでなったときであり、もう既に手遅れであった。
「に、逃げないとっ! うあっ! は、花が、足に絡まってくるなんて……」
アゲハの足に雌しべや雄しべがまるで生き物の触手のように絡み付いてきた。更に蜜を吸った彼女の身体は重く、彼女はそのまま花のベッドに引き戻されてしまった。
「ああっ……」
そうして天を見上げている間に花は完全に閉じてしまった。昼間だというのにその中は太陽光が赤い花びらを貫通するせいで、赤く淫靡な雰囲気をかもし出している。
「クスクスッ……可愛い子が来たわね……」
「だ、だれ?!」
その中に突如、自分以外の声が聞こえたアゲハは声の主を探す。すると突然、後ろから首筋にそって二本の腕が回わりこんできた。
「ひあっ!?」
「クスッ、綺麗な蒼い羽ねぇ……うらやましいわぁ」
アゲハの背後の雌しべと雄しべの間から一匹のハチがそれらに押し上げられるように現れた。
しかしそのハチもまた、地球に存在するようなハチとは違う。
331 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:00:46 ID:jqETZXMP
ハチ目コビトバチ科。小さな人間の身体にハチの特徴的な部分が合わさったような昆虫である。
背中には小さな羽、ふわふわとしたマフラーのような身体のところどころにある黄色い体毛、そしてお尻の部分には黄色と黒の大きな袋がくっついている。もちろん、その先から針も出る。
しかし、その最大の特徴は、その繁殖方法にある。
コビトバチには性別はなく、同じ種族間での交尾で子孫を作ることは不可能。では、彼女たちは一体どうやって繁殖を可能としているのか?
それは……別の種族の身体を頂くのである。
「あ、あ、あ、あなたは誰なんですか!?」
「私はコビトバチの『ナギ』って言うの。仲良くしましょ? クスクスッ」
そう言ってナギはアゲハの身体をギュッと抱きしめる。黒い髪からちょこんと生えた触覚、黄色い体毛からちらちらと覗く見事な胸の谷間。ナギはコビトバチの中でも抜きん出たスタイルの持ち主だった。
「どうかしら、この花は? クスッ、私が特別にこしらえたのよ?」
「こ、こしらえたって……?」
「クスッ、簡単なことよ。私たちコビトバチは生き物だけじゃなく、植物にも毒を与えられる。それでちょちょいと花に仕掛けをしたの……あなたみたいな可愛い子をおびき寄せるためにね、クスッ」
その妖艶な笑みと耳に吹きかけられる生暖かい吐息がアゲハの身体をブルリと振るわせた。
「い、い、い、い、一体私をどうするつもりなんですか!?」
「クスクスッ、そんなに暴れないの……簡単なことよ? 身体の力を抜いて、ほら」
「あっ、ふあんっ!」
ナギはより一層アゲハの身体を引き寄せると、彼女の福耳をアマガミして身体から力を抜いてしまう。
それを見計らって、ナギはお尻を持ち上げるとその大きな袋の先から小さな針を生やしてプスリと力の抜けたアゲハの身体に突き刺した。
「いたっ! な、なにぃ……?」
「だ~いじょうぶ、死にはしないわ。ただ……あんまり暴れられても嫌だから、ちょっと身体を痺れる毒をね……クスクスッ」
「か、身体が、動かない!?」
コビトバチの毒はその加減によっては刺した生物を死に至らしめる可能性もあるが、本来彼女たちの毒はこうして獲物を殺すためではなく動きを制限させるためにあるものだった。
「クスッ、改めて見るとやっぱりかわいい顔をしてるわ……んっ」
「んんんんっ!?」
ナギはアゲハと体位を入れ替えて彼女の上に乗り、おもむろに唇を重ねた。当然、アゲハは突然のことに口を閉じてそれを拒もうとする。
しかしナギの口からだらりと液体が注がれ始め、それに驚いたアゲハがわずかに口を開いてしまったが最後、次々にその液体が口に入り込むと同時にナギの舌も滑り込んできた。
「んんんっ、んんっ……んんっ……」
アゲハは毒のために首を動かしてナギから逃げることも出来ず、仕方なく液体を飲み込み始めた。
(あまくて……おいしい)
するとどうだろうか? その液体の味はどの花の蜜より甘く、どんな花でも出せないようないい匂いをしているのだ。アゲハはそれが分かると嫌がることなくそれを飲み込んでいく。
それはもちろん、コビトバチの蜜。色々な花から集めた花の養分などを身体の中でブレンドしたそれは、まさに自然のジュースともいえるほど美味であった。
「んっ、ぷはっ、あっ……」
しかしそのナギの口はすぐにアゲハの口から離れてしまう。口の周りに蜜をつけたナギがニヤリと艶やかに笑う。
332 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:01:22 ID:jqETZXMP
「じゅる……美味しかったでしょ? あらあら、もっと欲しかったのね。でも、今はお・あ・ず・け……クスクスッ」
実際に食いしん坊のアゲハは既にその蜜の虜となってしまっていた。ナギの下でアゲハはお菓子を取り上げられた子供のような顔でナギを見ている。
「ほらほらっ、そんな顔しないの。……これからも~っと、イイことをしてあげるから……クスクスッ」
「いい、こと……?」
アゲハがその言葉に期待の色を浮かばせると、ナギはその素直さに思わずニコリと笑ってしまう。
そしてナギはアゲハの身体の下の方へと移動すると、アゲハの腰の辺りに生えている羽と同じく蒼い体毛を掻き分けて彼女の秘所を探り合てた。
「クスッ、やっぱりまだ初体験よね? ピンク色の穴がかわいいわぁ……でも、このままじゃちょっとダメね……んっ」
ナギの言葉にアゲハは顔を赤く染めながらも、これから一体何をしてくれるのかと言う期待に胸を躍らせてしまっていた。先ほどの蜜のことですっかりとナギのことを信頼してしまったのである。
その一方でナギはちゃくちゃくと準備を進める。口の中に蜜を貯め始め、そしてゆっくりと体毛を掻き分けながらアゲハの秘所に顔を近づけ、やがてゆっくりと唇をあてがった。
「ひぁんっ! んえっ、あはんっ!」
「じゅる、んんっ、んっ」
アゲハの秘所につけた唇からナギは蜜を注ぎ込んでアゲハの中を濡らしていく。生暖かいその蜜が穴に入ってくる感覚にアゲハは快感を感じてしまう。
「クスクスッ、まるで下の穴が口にみたいにひくひく動いてるわぁ……かわいい、んんっ」
「やあぁ……いわ、ないでぇぇ……」
ナギの言葉にアゲハは頬を赤く染めながらも、まるでまだ物足りないかのように腰をくねらせてよがる。
ほどなくしてアゲハの秘所は蜜壷のようにナギの蜜で満たされ、ナギの準備は完了した。
「んっ……さぁって、と。クスクスッ、そろそろ始めましょうか」
「あうぅぅ、な、なにを……?」
いい具合に火照ってしまったアゲハは、蜜の詰まった自分の秘所が送ってくるじわじわとしたぬるい快感にじれったさを感じながらナギに聞き返した。
ナギはアゲハの問いにニヤリとした笑いで返事を返し、お尻の袋の角度を調整し、その先端の針がちょうどアゲハの秘所の直前でピタリと構えられた。
「ひぁっ!? や、やめて」
「クスクスッ、だ~いじょうぶ……ほらっ」
ナギは腰を上げてアゲハが針を見やすいようにすると、お尻を振ってゆれる針に注目させる。
すると尖っている針の先端が段々と丸みを帯び始め、やがて針の根元から先っぽまでが同じ程度の太さの、いわゆる産卵管へと変化をした。
「さぁ~って、これなら入っても痛くないでしょ?」
「で、でも、そんなの私に入れて、い、いったい何をするつもりなんですか?!」
そのアゲハの問いに、ナギは待ってましたとばかりに満面の笑みを浮かべてさらりと答えた。
「あなたに、卵を産み付けるの。クスッ」
ナギのその言葉にアゲハは先ほどの快感も忘れて顔を青ざめさせる。
「……やだ。やだ、やだ、やだ、やだ、やだぁああああああああ!」
「あらあら、暴れようとしてももうだ~め。クスクスッ、どの道その身体じゃもう逃げられないわ」
先ほどの毒は少しずつ収まりつつあったが、それでもアゲハが必死の抵抗を試みたところでせいぜい首を振る程度しか出来ない。
「クスクスッ、じゃあいくわよぉ~」
「やだぁああああ! ひっ、ぁあああああああああああ!」
333 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:01:58 ID:jqETZXMP
アゲハの叫びも虚しく、ナギは彼女の秘所に産卵管を宛がうと、一気に彼女の中に滑り込ませた。
「んはあああああっ! い、っぱつでおくまで、はいっちゃったぁぁ……」
蜜でぬるぬるに濡れたアゲハの秘所は彼女の意思とは無関係にナギの産卵管を受け入れ、彼女の最奥までそれは入り込んでしまった。
「かっ、はああぁぁっ……や、だあぁ……」
しかし濡れていても自らの身体の奥を突き抜かれたその衝撃は緩和されることなくアゲハに伝わり、開いた口からだらりとした涎と搾り出すような声がこぼれた。
「んあぁぁ……さいっ、こおぉ……。ぬれてるけど、しめ、つけてくるうぅ……」
一方のナギはその挿入の快感に酔いしれ、アゲハの身体を強く抱きしめる。アゲハの大きな胸が、ナギのそれなりの胸と混ざり合う。
「じゃあ……ゆっくりと、うごくわよぉ? んっ、んっ、はんっ!」
ナギが次の快感を追い求めてアゲハの中をほぐすように動き始める。産卵管がアゲハの身体を突き刺すたびに彼女の身体がビクンと跳ねる。
「くあっ! やっ、めぇ! うっ、ああああ!」
「クスッ、諦めなさいな。全てを忘れて快感に身を任せて……堕ちてしまいなさい、クスクスクスッ」
少しずつ早くなるナギのピストン運動にアゲハの意識は彼女を拒否しているのに、一方で彼女の秘所はまるでナギの産卵管の中身を求めるかのようにそれを締め付ける。
「やぁあああ、だぁあああ! んんっ!」
「んっ、んっ、じゅる……ほ~らっ、これをのみなさい……んんっ」
アゲハの首に腕を回して彼女の首の行動を制限すると、ナギは彼女に再び自らの蜜を与え始める。あまりの美味しさに、思考さえもが停止してしまうようなその甘い蜜を。
その間も腰を振り続けるナギはアゲハの変化を微笑ましく感じ取り始めていた。
ナギはアゲハに与えている蜜の中にわずかに解毒作用のある成分を含ませている。すぐに、とはいかないまでも少しずつ身体の自由を取り戻せるものだ。
そしてナギが腰を止めるとアゲハの変化がすぐに明らかになる。
「くぅんっ、んっ、はんっ、んっ……」
ナギが腰をわずかに上げた状態で止めると、アゲハの腰が自らナギの産卵管を求めるように跳ね上がるのだ。
「ぷはっ、クスクスッ、えらいわぁ……それでいいのよ、もっと、もっと、わたしをともとめなさい……クスクスクスッ」
「ふぁああっ! だめ、だめ、だめなのにぃ! もっと、もっとぉ、もっとぉおおお!」
アゲハ自身はと言うと身体が動くことなど既にどうでもよくなってしまっていた。頭ではダメだと分かっていても、身体が求めている以上もう彼女にはどうするすべもない。
元々彼女は自らの欲望に忠実なために、欲望の対象があれば周りが見えなくなる。今回の花に引っかかったのもそれが原因だ。
その彼女が今、新たに性欲という新たな欲望を知ってしまったのだ。
そしてそれを与えてくれる最高の対象が目の前にいる今、彼女は無垢な子供のようにそれを求め続ける。
「あはんっ! もう、わたしもイクわぁ……そして、あなたのなかに、たまごをうむの……クスクスッ」
「んっ、た、まご、きもち、いい?」
「きもちいいわよぉ……さいこうにね?」
「ほしい! たまご、ほしいいい!」
アゲハが目を輝かせてナギの卵を求めたとき、ナギは想像以上の獲物を手に入れたことに思わず笑みが浮かんでしまう。
産卵管がわずかに膨らみ、ナギの卵がいよいよアゲハに注ぎ込まれる。
334 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:03:45 ID:jqETZXMP
「クスクスッ、んんっ、じゃあ、いくわよぉ」
「きてぇ! たまご、きてぇえええええ!」
「んあっ、はああああああああああんっ!」
「ふああああああっ、くるぅううううううううう!」
ナギの大量の体液と共に彼女の大きな一つの卵がアゲハの身体に吸い込まれていった。対するアゲハは本来コビトチョウの子供を産むべき場所にそれを受け入れてしまった。
「はぁはぁはぁ、あはっ、あったかぁいぃぃぃ……」
「クスッ、そうでしょう? クスクスッ……さっ、産まれるまで私の蜜を思う存分、味わってね? クスクスクスッ」
ナギは卵を受け取ってくれたアゲハのお腹を優しく擦り、そしてアゲハに再び蜜を与え始める。卵が育つための充分な栄養もその蜜は与えてくれる。
アゲハのお腹の中でコビトバチの卵が早くもピクリと動いた。孵化までそう時間は掛からないだろう。
しかし、アゲハにはそれさえもはやどうでもいいことである。彼女はただ目の前のハチがくれる甘い蜜を一心不乱に飲み続けるのであった。
335 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/27(火) 22:04:12 ID:jqETZXMP
それから3時間ほど経つと、アゲハは既に蜜を吸ってはいなかった。もはやそれどころではなくなっていたのだ。
「ひあぁぁぁ……くる、しいぃぃ……か、からだがぁぁ……」
まるで身体の中から何かを押し広げるような、例えるなら身体が窮屈になる感覚を感じたのは10分ほど前だった。
それが段々と強くなっていき、今では身体を蹴破ってしまいそうなほどそれは強くなってきていた。
その様子に満足そうな笑みを浮かべ、アゲハとは対照的にのんびりとしているのはナギだ。苦しむアゲハの様子を見ても何一つ助けようとはしない。
「はっ、ぎゅえぇぇ……たて、は……ご、めん……ぐっ!? がぁあああああ!」
アゲハは大きく目を見開いて断末魔の叫びを上げると、その場にうつ伏せに倒れて動かなくなってしまった。目は見開き、口から涎をたらし、蒼い羽も力なく倒れている。
「……さぁ、出てきなさい……私のかわいい、む・す・め……クスクスッ」
ナギがそうつぶやくのとほぼ同時にアゲハの身体に電流でも走ったかのような痙攣が断続的におき始める。それを見てナギは嬉しそうに笑う。
その断続的な痙攣はすぐに止まり、再び静寂が訪れる。
しかし、突如アゲハの背中にピリピリという切れ目が走り、それは腰の辺りまで一気に駆け巡った。
それが終わると同時にアゲハの背中が小さく二つに割れ、まるで蝉の脱皮のようにそれはそこからゆっくりと姿を現した。
ぬるりと最初にそこから出てきたのは黄色と黒の袋、それに続いて丸まった背中が出てきて、二本ほどの触覚が長く黒い髪から顔を覗かせている。
そして身体の大半が出たと同時に、丸まっていた背中から何かがふわりと離れるとすぐに広がった。
『それ』は小さいながらも鮮やかに蒼く、夜空の星のように煌く羽だった。
「ふぁ、ぅぅぅ……」
アゲハの背中から産まれた『それ』は彼女の背中からぬるりと抜け出ると、花のベッドの上にパタリと倒れた。その様子を見てナギがゆっくりとそれに近づく。
「クスクスッ、おはよう。……気分はどうかしら?」
まだアゲハの中身を溶かした粘液にまみれた『それ』の身体を、ナギがゆっくりと抱き寄せる。すると、それのまだ開ききっていない目がナギを捉える。
身体がまだ安定していないのだろう。何せ、彼女は今までとは器の違う入れ物に魂を入れ替えられたのだ。
つまりその産まれたばかりの子供のコビトバチに入っているのは、他でもないコビトチョウだったアゲハの魂なのだから。
それでも段々と魂が身体に定着し始め、アゲハは小さな声でナギに答える。
「おかあ……さん?」
「クスッ、そうよ。私があなたのママ……クスッ、どうかしら、生まれ変わった気分は?」
その言葉に生まれ変わったアゲハは目を擦りながら首を傾げ、無邪気な声で素直にこう言った。
「う~ん、わかんない! ねぇ、それよりお母さんのあま~い蜜を飲ませて!」
あまりに正直な答えにナギは思わず笑い出しながらも、その愛する子供の髪を優しく撫でつけながら諭す。
「クスッ、やっぱりあなたはあのチョウチョさんの生まれ変わりね。でも、その身体になった今、もうあなたも蜜を作ることが出来るのよ?」
「えっ、本当!? じゃあ作り方教えてよ!」
アゲハはナギの身体に抱きついて彼女を揺らしながら無邪気に迫る。その無垢な仕草が愛おしくてナギはアゲハを抱きしめながら耳元で囁く。
「今はだ~め。クスッ、それよりも~っときもちいいこと、教えてあ・げ・る」
そして顔を離してみるとナギの予想通り、アゲハの目はまるで新しいおもちゃを見つけたかのように輝き始め、ナギはそれを見て母親の微笑みを浮かべる。
春の息吹の中で、どれも満開に咲き誇る中の仲間はずれのつぼみ。
その中では、つまりこういうことが起こっていたのである。
<<終>>
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