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白濁の巫女3
543 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:45:15 ID:mQ9artvs
すみません、>>524の一行目の「>>491」というのは、>>523の491さんのことでした。
アンカーを間違って書いてしまいました。気分を悪くされたようでしたら申し訳ございません・・・
今度こそ最終回です。やっと完成しました。おそらく8レスほど消費します。
NGワード:白濁の巫女
544 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:45:39 ID:mQ9artvs
道を行く人々が、彼女を振り返り見た。
肌の白い少女が、覚束ない足取りで山を目指して歩いてゆく。
多少横に傾いた首。焦点が定まっていなさそうな目。
口元からは白っぽい液がこぼれだしており、膨らんで豊かになった胸元は、溢れ出た母乳のせいでびしょびしょになっていた。
ジーンズのパンツの股間部分には水分が染みを作り、今にも糸を引いて雫が垂れそうになっている。
そんな少女を見て、ある人はブラと乳首のこすれを気にしながら、ある人は気づかない内に股間にテントを張りつつ、人々は関わり合いにならないよう、少女を見なかったことにして歩みを進めるのだった。
「はぁ・・・はぁっ・・・」
先日自らが封印を施した井戸へと向かう山道の中程に、直美が居た。
彼女の息が荒いのは、山道を来たから、という理由だけではない。井戸に近づくほどに直美の心臓は脈動のペースを増し、つられて呼吸も多くなって行ったのだ。
―ああ、もうすぐ私の神を私の中に迎えられるんだ・・・!
そう思うと、体中が興奮し、胸からは母乳が、股間からは愛液が、そして歓喜のあまり涙まで流す有様である。
特に股間から溢れ出る体液の量は凄まじく、彼女の通った後に白い道筋を残していた。まさに、蛭のように。
井戸に近づくにつれ、大気の中の邪気は濃度を増して行った。封印が施されているというのに、その邪気にあてられたら常人ならは廃人になること請け合い、といった強さである。
その邪気が直美に力を与え、はじめは歩いていた直美もますます足を速めて山道を駆けた。
直美は井戸にたどり着くと、息もつかずに井戸に巻かれていた注連縄を乱暴に外し、指を噛んで白い血を出すと井戸の穴の中に数滴をたらした。
その瞬間、
ゾワッ
と、空気がざわめき立つ。同時に、井戸の中から真っ白な蛭たちが間欠泉のように吹き出した。
545 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:46:15 ID:mQ9artvs
「ひゃあっ」
大小さまざまな蛭が直美の頭上から降ってくる。大きなものは拳ほど、小さなものに至っては目視では確認出来ないほどの小ささである。
落ちてきた蛭は、直美に群がり始めた。意図を理解した直美は着ていた服を全て脱ぎ捨て、一番大きな蛭を両手で掬い上げると、目の高さまで持ち上げてこう言った。
「どうぞ、私の体をお使いください。私は貴女様の巫女でございます」
興奮と肉欲で震える直美の手の上で、粘液にまみれた蛭がプルリと揺れた。
直美はそのまま蛭を自分の秘穴へと運び、
「んんっ~~~!!」
処女を失ったばかりの小さな膣へと押し込んだ。蛭は粘液を潤滑剤として、スムーズに直美の中に侵入すると、膣内のヒダを全て押し広げるかのように全身を膣壁に押し付けるようにして最新部へと突き進んでゆく。
「あああああっ!!!」
つい数時間前まで処女だった彼女に、フィストファック紛いのこの行為は強すぎる刺激だった。また、蛭の粘液が彼女に吸収されて行き、どんどん性欲に油を注ぐ。
「凄いぃっ、入ってくるよぉ、神様があぁっ!!!」
既に邪気によっていくらか作り替えられてしまった体は、刺激を求めつつ蛭の侵入を受け入れた。蛭は難なく最奥まで達すると、その先端で子宮口を叩く。
「きゃああぁぁ! 奥、奥まで来てるぅっ!!」
直美の膝がガクガクと震え、とうとう地面にくずおれた。
蛭が叩くと本来はスパゲティ一本分の太さしか開いていないはずの子宮口が緩みだし、蛭を迎えるがごとくその扉を開け放つ。そして、女性の最も大切な器官の中に蛭が潜り込んだ。
「ーーーーーーっ!!」
直美の目の前が白一色に染まる。骨が折れるのではないかというほどに背を仰け反らせ、見開かれた目からは白い涙を、声にならない声を絞り出す口からは白い唾液を飛び散らし、双房と秘裂から粘液をまき散らした。
蛭は直美の子宮内をもぞもぞと這い回り、その度に直美に強烈な性感を与える。やがて動きを止めると、子宮底の一点に狙いを定め、子宮壁に向かって牙を剥いた。
「っ!!!」
その衝撃に、もはや直美から声は出てこなかった。衝撃とも言える感覚に、乳房の先端から強く、ビュッっと粘液を放つと、彼女は意識を保つことが出来ずに気を失った。気を失っても躯は性欲に忠実なままで、蛭の一挙動に対してビクビクと震えている。
その間も、蛭は動きを止めなかった。噛んで作った傷口へと細い生殖管を差し入れ、白い血管内に邪気と卵を流し込んでゆく。
しばらくすると、蛭は子宮内の他の場所にも卵を産みつけ始めた。血管に流し込んだものとは違い、ガラス製のおはじきのようなサイズの卵を子宮壁一面に定着させてゆく。直美の体は、受精卵が着床したものと認識したのか、卵に対して胎盤を形成し、癒着を始めた。
体の外側にも、大小さまざまな蛭が登り始める。
ある蛭は未だ母乳と思しき粘液を噴出し続ける乳房へ。
ある蛭は開け放たれた彼女の口へ。
ある蛭はすぼまった菊座へ。
ある蛭は臍へ。
ある蛭はうなじへ。
ある蛭は陰核へ。
ある蛭は尿道へ。
ある蛭は・・・・・・
・・・
・・
・
546 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:47:02 ID:mQ9artvs
直美は深い白い闇の中にたゆたっていた。
自分がどうなっているのか、どこにいるのか、何者なのかも定まらないような、そんな不確実な状態で、それでも彼女は夢見心地で居る。
―自分が誰だなんてどうでもいい
―神様が私に「私」をくださる
―何をしたら良いのかをお教えくださる
直美の中に渦巻くそのような思考が、彼女を安心させていた。
「ねえ、目を開けて?」
そんな闇の中、直美に声をかけるものがあった。
ぼんやりとしたまま、直美は目を開ける。
「ふふっ。かーわいぃ♪」
目の前に女性の顔があった。スラリと整った顔立ちに、白く透き通るような肌。黒く長い髪の質は非常に滑らかで、放たれる声はまるで歌うようである。そして二つの禍々しい光を放つ漆黒の瞳が直美を覗き込む。
女性は直美の頬を撫でながら、
「あなたが私に仕えてくれる、新しい巫女さん?」
「・・・はい、そうですぅ・・・」
まだぼんやりとした調子の直美は、言われるがままに肯定した。
そして寝ぼけ眼のまま、こう問う。
「・・・どちらさま?」
「ん? あらあら、まだおめめが覚めないようね。こうしてあげたらわかるかしら?」
直美の目の前から顔が引いた。と、その瞬間
「あっ」
股間に指を差し入れられる。そう認識したあと、直美は自分が裸であることに気がついた。いっぺんに直美の意識が覚醒する。
「私、裸っ」
「これで良いのよ。神様の前で生まれたままの姿で居ない方が失礼だと思わない?」
―確かにそうだ。服なんて着ている方がおかしいんだ。神様の前では、ありのままの自分で居るべきなのに。
女性の言うことに対して、直美の思考が声を張り上げた。それに納得した直美は、改めて眼前の女性を見やる。
自分と同じく生まれたままの姿でいる女性は、顔と同じように全身が透き通るような白色だった。
自己主張の激しい突起が目立つ豊かな胸は美的な曲線を描いており、引き締まったウェストは妖艶さを醸し出している。ごく薄い茂みの中に隠れた秘裂からは、隠しきれないほどの透き通った蜜が滴っていた。
―この人も、興奮してるんだ
ぼんやりと直美はそう思った。
547 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:48:38 ID:mQ9artvs
女性が、直美の中に入れたままだった指を動かす。
「ふゃぁぁぁっ」
「うふふっ。可愛い声が出るのね。ますます私好みかも」
心の底から嬉しそうに、女性が笑った。そして問う。
「さぁ、私が誰だか思い出せたかしら?」
そして直美は自分の直感に従って答える。
「・・・神、様?」
「せいかーい。今から1300年くらい前に封印された淫神でーす。名前は~~~って言うの。よろしくね」
しかし、直美に神の名は聞き取れなかった。明らかに人間の言語ではない、そんな言葉である。
淫神は右手を直美に伸ばしてくる。直美は反射的にその手を取って握手した。
「あ、よ、よろしくお願いします。伊上直美です」
「うんうん、可愛い名前ねぇ。あ、言ってなかったけど私とはため口で良いわよ。むしろため口が良い。いや、むしろため口じゃないとヤダだからね。」
「え、あ、は・・・うん」
「よくできましたー。じゃあ、ご褒美にっと」
「ひゃあぁっ、ああん、ああっ!」
「気持ちいい?」
「気持ちいいっ、気持ちいいよぉっ!」
淫神が、直美の中に残したままだった指をまたも動かす。それだけで達してしまいそうになる快感が、直美を襲った。
「でも、ホント助かったわー。何とかして自由になりたいなーと思ってたのよ。昔にちょっと人里に悪戯したら陰陽師とか高位僧の連中がやってきて、『この鬼めー』とか言って私のこと封印しちゃったんだもん。
それからずっとがんじがらめに縛られててさー。何度も力を蓄えて出ようとして、でもその度に封印重ねがけされるし。
でも50年だっけ? それくらい前に来た巫女さんはあんまり力が強くなかったみたいなのよ。今までより封印が緩くてね。
あ、その頃って戦争があったのかしら。だから腕のいい術師が少なかったのかな? まあいいや。ああ、あとあなたの知識とか記憶とか全部私の中にあるから。最近の言葉ってずいぶんボキャブラリー多いのねぇ。昔とは大違いだわ」
長い独り言を続けながら、淫神は指を止めない。その指の動きに合わせて、操り人形のように直美の躯が跳ねる。
「それでね、次に人が来るのを待ってたのよ。あなたみたいな強い術師を」
淫神が右手を直美の額に当てる。すると溶けるように、その手の先からが直美の中へと入って行った。快楽に溺れる直美は、それに気づかない。
「私は作戦を練ったわ。不自由から脱するために。術師に私の邪気を流し込めば、私の勝ち。淫神邪神なら、あとは邪気でどうにでも出来るもん。
でも邪気を体内に入れるには、邪気が体に回る前に対処されないように、術者が意識を失ってる間じゃないとダメ。だから私は近くの蛭を呼び寄せて、憑依したの。
雌雄同体でかつ吸血性の蛭なら、術師の血も回収出来るし、個体に関わらず卵持ってるから、卵に邪気を詰められるしね。
あとは夜中に卵から邪気を出して、あなたの血を使って儀式を続けたのよ。あなたがどんどん淫らになるように。私のためにしか生きられないように。
いいえ、もう私のためじゃないと死ねないように」
既に淫神の右肩までが直美の中に溶け込んでいた。淫神は体を密着させて、溶け込む面積を増やす。。たわわに実る豊かな乳房が、直美の胸部に溶け始めた。
「あなたは私。私はあなた。一緒に気持ちよくなりましょう? 良いわよね?」
「はいっ、はい、一緒になるっ、気持ちよくなろう、神様ぁ!」
「ふふふっ。あなたはだぁれ?」
「ああっ、私はっ、私は神様っ、ふぁぁっ!」
「そう。それで私は直美。淫神の、伊上直美」
「私はぁ、淫神の、伊上ぃ直美ですぅっ!!」
「お仕事は?」
「みんなを、気持ちよくすること、っなのぉ」
「そのためにどうするの?」
「私の中でっ、いっぱい私を増やして、みんなに分けてあげるのぉっ、それで、そこでも私が増えてどんどん増えて行くのぉ!」
548 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:51:37 ID:mQ9artvs
「よく出来ましたっ♪」
「あああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!」
直美が絶頂に達すると同時に、淫神は全て直美に溶け込んだ。
白い闇の中に、直美が一人ポツンと浮かんでいる。
ぼんやりと開かれる瞼の奥には、禍々しい光を放つ瞳があった。
直美は、血中に流し込まれた卵が一斉に孵化した感触で目が覚めた。見開かれた瞳には禍々しい光が宿る。
あれだけ沢山居た蛭が姿を消していた。それらは全て、直美の体を作り替えるために体内に侵入している。
何もしていないのに、小刻みに乳房が震えていた。乳腺を拡張して作られた空間の中に大量の蛭が入り込み、壁面に大量の卵を産卵している。
腹部には瘤のようなふくらみがいくつもあり、時折思い出したかのように瘤が移動していた。子宮内、腸管内、果ては膀胱の中まで蛭が入り込み、自らが住み良いように環境を作り替えてゆく。
性質を完全に変えた卵巣が、蛭の卵を生産し始めた。排卵された卵は、子宮内で他の蛭の卵と同様に着床し、成長を開始する。
栄養を直美から吸収出来るように体組織が改変され、血中に宿る極小の蛭無しでは活動を維持出来ない体へと、完全に人外のものへと直美が変化していった。
「あぁんっ」
体内を蛭が動くたびに、神経を焼き切るような快感が、白く染まった脳へと駆け抜けてゆく。
直美は愛おしそうに、腹に浮かぶ瘤を撫でた。
ブブブブブ、ブブブブブ
携帯電話が震えだした。二つ折り式の携帯を開くと、「発信者:先輩」の文字が。落ち着き払った様子で、直美は発信ボタンを押した。
「はい、もしもし」
「な、直美! 大変なの、すぐに『協会』まで来てっ!」
「どうしたんですか? 先輩らしくありませんよ、そんなに慌てて」
口元に笑みを浮かべながら直美が言う。対照的に、電話越しには慌てふためく先輩の声が。
「昨日来てくれたときに『結界で違和感を感じた』って言ってたでしょ?! 調べてもらったら、結界の概念が書き変わってて私たちが通行出来なくなってたの! で、邪なるものが通れるようになってて『協会』に妖が・・・きゃあっ! どう、消えた? ・・・そう、よかった」
電話口に他にも人が居て、妖と交戦中らしい様子がうかがえる。
「と、とにかく来て! 結界の外からならなんとか出来るかも知れないから! 早くっ!!」
「わかりました。すぐに行きますね」
終話ボタンを押すと、直美は
「ふ、ふふふ、はははははは、あっははははは! あの時結界の概念を上書きしておいて良かった!」
いたって楽しそうに笑い出した。
「普段あんなにのーんびりしてるあの先輩でもあんな風に笑えるんだぁ! あははははは! はー・・・」
ひとしきり笑った後、
「かーわいぃ♪ なんだか欲しくなってきちゃった」
嬉しそうに呟きながら、白くなった舌で舌なめずりをする。
直美は脱ぎ散らかしてあった服を纏い始めた。
549 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:52:33 ID:mQ9artvs
「グギャギャギャギャァッ!!」
「常闇へ還れ、妖なるものよ! 急急如律令!」
『協会』の施設の中には、妖気や邪気が充満していた。その邪気にあてられて力を得た、施設内に封印されていた妖が一人の女性に襲いかかろうとしていたが、女性の放った札と法力によって無に帰す。
その女性は、つい2時間ほど前に直美に電話をかけていた先輩だった。
先ほどまで傍らに居た別の『協会』職員とははぐれてしまい、現在は一人で闘っている。
封印を施して施設内に留め置かれていたような妖を葬り去るなどという、無茶な力の使い方をしたからであろうか、大きく体力を消費し、額に玉の汗を浮かべて肩で息をしていた。
「はあっ、はあっ・・・直美ちゃん、まだ・・・?」
もしかしたら結界内に侵入出来ないのかも知れない。他の外部に居る『協会』関係者にも協力を要請していたが、未だに救援は来ない上に、追加の連絡も無い。
結界の外にも妖がたかっているのだろうか。それとも人避けの結界も切れて、一般人が集まって来てしまっているのだろうか。妖のような超常の存在を民間人には知らせてはならないと言う『協会』の方針だ、人前で力を発揮したりはしないだろう。
とすれば状況は絶望的だった。現在、『協会』で上から数えて5本の指に入る強者の中に直美が居る。他のメンバーは違う管轄におり、関東近辺に居る者でもここまでは3時間はかかるはずで、直美はここの管轄に所属している。その直美がまだ来ないということは・・・
「キシャアァァァー!!」
「はっ!」
また違う妖がどこからとも無く現れた。妖に物理法則は通用しない。壁だって床だってすり抜けてやってくる。
しかし、彼女にはすでに妖を祓えるだけの力が残っていなかった。持ち物から清水を取り出し、自分の頭からかぶって出来るだけ法力を高めようとしたそのとき、
「シャアアァァァァ!!」
妖が襲いかかる。
―もうだめか!
覚悟を決めたそのとき、
「ギーッ、ギーッ、ギーッ!!」
妖が突然力を失ったように倒れ伏し、暴れ回りはじめた。よく見れば、妖の体に何匹かの白い蛭が付着している。
蛭が妖の邪気を吸い取っているのか、妖は次第に暴れる元気も無くし、ぐったりとのびてしまった。それでも蛭は妖から何かを吸い続け、とうとう妖が消滅する。あとには蛭が数匹残るのみ。
先輩があっけにとられていると、蛭は床に光沢のある粘液を残しながら、彼女に向けて行進を始めた。
「き、きゃぁぁっっ!」
生理的嫌悪が先に立ち、とうとう先輩の口から悲鳴が飛び出す。すると
「あーあ、酷いじゃないですか先輩。折角助けてくれた人に向かって悲鳴上げるなんて」
にじり寄る蛭から顔を上げると、いつの間にかそこに直美が立っていた。
550 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:53:04 ID:mQ9artvs
やや伏し目がちで、表情全ては見ることが出来ない。
「な、直美ちゃん。これは、どういう・・・」
「邪気を吸い取ったんですよ。妖は邪気や妖気の塊みたいなものですから、吸い取ってしまえば奴らも存在が保てなくなります」
「そ、そうじゃなくてこの・・・蛭は?」
蛭は先輩のすぐ足下まで来ている。一歩後退るが、いつの間にか壁にぶつかっていた。
「ああ、それですか? それは・・・」
その時、先輩は目撃してしまった。伏せられていて良く見えなかった直美の口元から、胸元から、ズボンの裾から何匹もの蛭が流れるように出て来たのを。
「私なんですよ」
にっこりと笑う直美の口から、白い粘液が糸を引いて蛭が床にパシャリと音を立てて落ちた。
そしてかつて無く艶を含んだ直美の声が、邪気とともに放たれる。
「なんか、水に濡れた先輩も素敵ですね。ねえ、先輩も『私』を増やして一緒に気持ちよくなりませんかぁ?」
先輩の目を、直美の双眸に宿る禍々しい光が射抜いた。
~終~
552 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 21:01:07 ID:mQ9artvs
これにてこの作品はおしまいです。ここまで来られたのも、ひとえにスレの皆さんのお言葉があってこそだと思っております。
長らくのおつきあいと温かいお言葉、ありがとうございました。
また何か思いつけば書こうと思います。それではー。
すみません、>>524の一行目の「>>491」というのは、>>523の491さんのことでした。
アンカーを間違って書いてしまいました。気分を悪くされたようでしたら申し訳ございません・・・
今度こそ最終回です。やっと完成しました。おそらく8レスほど消費します。
NGワード:白濁の巫女
544 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:45:39 ID:mQ9artvs
道を行く人々が、彼女を振り返り見た。
肌の白い少女が、覚束ない足取りで山を目指して歩いてゆく。
多少横に傾いた首。焦点が定まっていなさそうな目。
口元からは白っぽい液がこぼれだしており、膨らんで豊かになった胸元は、溢れ出た母乳のせいでびしょびしょになっていた。
ジーンズのパンツの股間部分には水分が染みを作り、今にも糸を引いて雫が垂れそうになっている。
そんな少女を見て、ある人はブラと乳首のこすれを気にしながら、ある人は気づかない内に股間にテントを張りつつ、人々は関わり合いにならないよう、少女を見なかったことにして歩みを進めるのだった。
「はぁ・・・はぁっ・・・」
先日自らが封印を施した井戸へと向かう山道の中程に、直美が居た。
彼女の息が荒いのは、山道を来たから、という理由だけではない。井戸に近づくほどに直美の心臓は脈動のペースを増し、つられて呼吸も多くなって行ったのだ。
―ああ、もうすぐ私の神を私の中に迎えられるんだ・・・!
そう思うと、体中が興奮し、胸からは母乳が、股間からは愛液が、そして歓喜のあまり涙まで流す有様である。
特に股間から溢れ出る体液の量は凄まじく、彼女の通った後に白い道筋を残していた。まさに、蛭のように。
井戸に近づくにつれ、大気の中の邪気は濃度を増して行った。封印が施されているというのに、その邪気にあてられたら常人ならは廃人になること請け合い、といった強さである。
その邪気が直美に力を与え、はじめは歩いていた直美もますます足を速めて山道を駆けた。
直美は井戸にたどり着くと、息もつかずに井戸に巻かれていた注連縄を乱暴に外し、指を噛んで白い血を出すと井戸の穴の中に数滴をたらした。
その瞬間、
ゾワッ
と、空気がざわめき立つ。同時に、井戸の中から真っ白な蛭たちが間欠泉のように吹き出した。
545 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:46:15 ID:mQ9artvs
「ひゃあっ」
大小さまざまな蛭が直美の頭上から降ってくる。大きなものは拳ほど、小さなものに至っては目視では確認出来ないほどの小ささである。
落ちてきた蛭は、直美に群がり始めた。意図を理解した直美は着ていた服を全て脱ぎ捨て、一番大きな蛭を両手で掬い上げると、目の高さまで持ち上げてこう言った。
「どうぞ、私の体をお使いください。私は貴女様の巫女でございます」
興奮と肉欲で震える直美の手の上で、粘液にまみれた蛭がプルリと揺れた。
直美はそのまま蛭を自分の秘穴へと運び、
「んんっ~~~!!」
処女を失ったばかりの小さな膣へと押し込んだ。蛭は粘液を潤滑剤として、スムーズに直美の中に侵入すると、膣内のヒダを全て押し広げるかのように全身を膣壁に押し付けるようにして最新部へと突き進んでゆく。
「あああああっ!!!」
つい数時間前まで処女だった彼女に、フィストファック紛いのこの行為は強すぎる刺激だった。また、蛭の粘液が彼女に吸収されて行き、どんどん性欲に油を注ぐ。
「凄いぃっ、入ってくるよぉ、神様があぁっ!!!」
既に邪気によっていくらか作り替えられてしまった体は、刺激を求めつつ蛭の侵入を受け入れた。蛭は難なく最奥まで達すると、その先端で子宮口を叩く。
「きゃああぁぁ! 奥、奥まで来てるぅっ!!」
直美の膝がガクガクと震え、とうとう地面にくずおれた。
蛭が叩くと本来はスパゲティ一本分の太さしか開いていないはずの子宮口が緩みだし、蛭を迎えるがごとくその扉を開け放つ。そして、女性の最も大切な器官の中に蛭が潜り込んだ。
「ーーーーーーっ!!」
直美の目の前が白一色に染まる。骨が折れるのではないかというほどに背を仰け反らせ、見開かれた目からは白い涙を、声にならない声を絞り出す口からは白い唾液を飛び散らし、双房と秘裂から粘液をまき散らした。
蛭は直美の子宮内をもぞもぞと這い回り、その度に直美に強烈な性感を与える。やがて動きを止めると、子宮底の一点に狙いを定め、子宮壁に向かって牙を剥いた。
「っ!!!」
その衝撃に、もはや直美から声は出てこなかった。衝撃とも言える感覚に、乳房の先端から強く、ビュッっと粘液を放つと、彼女は意識を保つことが出来ずに気を失った。気を失っても躯は性欲に忠実なままで、蛭の一挙動に対してビクビクと震えている。
その間も、蛭は動きを止めなかった。噛んで作った傷口へと細い生殖管を差し入れ、白い血管内に邪気と卵を流し込んでゆく。
しばらくすると、蛭は子宮内の他の場所にも卵を産みつけ始めた。血管に流し込んだものとは違い、ガラス製のおはじきのようなサイズの卵を子宮壁一面に定着させてゆく。直美の体は、受精卵が着床したものと認識したのか、卵に対して胎盤を形成し、癒着を始めた。
体の外側にも、大小さまざまな蛭が登り始める。
ある蛭は未だ母乳と思しき粘液を噴出し続ける乳房へ。
ある蛭は開け放たれた彼女の口へ。
ある蛭はすぼまった菊座へ。
ある蛭は臍へ。
ある蛭はうなじへ。
ある蛭は陰核へ。
ある蛭は尿道へ。
ある蛭は・・・・・・
・・・
・・
・
546 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:47:02 ID:mQ9artvs
直美は深い白い闇の中にたゆたっていた。
自分がどうなっているのか、どこにいるのか、何者なのかも定まらないような、そんな不確実な状態で、それでも彼女は夢見心地で居る。
―自分が誰だなんてどうでもいい
―神様が私に「私」をくださる
―何をしたら良いのかをお教えくださる
直美の中に渦巻くそのような思考が、彼女を安心させていた。
「ねえ、目を開けて?」
そんな闇の中、直美に声をかけるものがあった。
ぼんやりとしたまま、直美は目を開ける。
「ふふっ。かーわいぃ♪」
目の前に女性の顔があった。スラリと整った顔立ちに、白く透き通るような肌。黒く長い髪の質は非常に滑らかで、放たれる声はまるで歌うようである。そして二つの禍々しい光を放つ漆黒の瞳が直美を覗き込む。
女性は直美の頬を撫でながら、
「あなたが私に仕えてくれる、新しい巫女さん?」
「・・・はい、そうですぅ・・・」
まだぼんやりとした調子の直美は、言われるがままに肯定した。
そして寝ぼけ眼のまま、こう問う。
「・・・どちらさま?」
「ん? あらあら、まだおめめが覚めないようね。こうしてあげたらわかるかしら?」
直美の目の前から顔が引いた。と、その瞬間
「あっ」
股間に指を差し入れられる。そう認識したあと、直美は自分が裸であることに気がついた。いっぺんに直美の意識が覚醒する。
「私、裸っ」
「これで良いのよ。神様の前で生まれたままの姿で居ない方が失礼だと思わない?」
―確かにそうだ。服なんて着ている方がおかしいんだ。神様の前では、ありのままの自分で居るべきなのに。
女性の言うことに対して、直美の思考が声を張り上げた。それに納得した直美は、改めて眼前の女性を見やる。
自分と同じく生まれたままの姿でいる女性は、顔と同じように全身が透き通るような白色だった。
自己主張の激しい突起が目立つ豊かな胸は美的な曲線を描いており、引き締まったウェストは妖艶さを醸し出している。ごく薄い茂みの中に隠れた秘裂からは、隠しきれないほどの透き通った蜜が滴っていた。
―この人も、興奮してるんだ
ぼんやりと直美はそう思った。
547 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:48:38 ID:mQ9artvs
女性が、直美の中に入れたままだった指を動かす。
「ふゃぁぁぁっ」
「うふふっ。可愛い声が出るのね。ますます私好みかも」
心の底から嬉しそうに、女性が笑った。そして問う。
「さぁ、私が誰だか思い出せたかしら?」
そして直美は自分の直感に従って答える。
「・・・神、様?」
「せいかーい。今から1300年くらい前に封印された淫神でーす。名前は~~~って言うの。よろしくね」
しかし、直美に神の名は聞き取れなかった。明らかに人間の言語ではない、そんな言葉である。
淫神は右手を直美に伸ばしてくる。直美は反射的にその手を取って握手した。
「あ、よ、よろしくお願いします。伊上直美です」
「うんうん、可愛い名前ねぇ。あ、言ってなかったけど私とはため口で良いわよ。むしろため口が良い。いや、むしろため口じゃないとヤダだからね。」
「え、あ、は・・・うん」
「よくできましたー。じゃあ、ご褒美にっと」
「ひゃあぁっ、ああん、ああっ!」
「気持ちいい?」
「気持ちいいっ、気持ちいいよぉっ!」
淫神が、直美の中に残したままだった指をまたも動かす。それだけで達してしまいそうになる快感が、直美を襲った。
「でも、ホント助かったわー。何とかして自由になりたいなーと思ってたのよ。昔にちょっと人里に悪戯したら陰陽師とか高位僧の連中がやってきて、『この鬼めー』とか言って私のこと封印しちゃったんだもん。
それからずっとがんじがらめに縛られててさー。何度も力を蓄えて出ようとして、でもその度に封印重ねがけされるし。
でも50年だっけ? それくらい前に来た巫女さんはあんまり力が強くなかったみたいなのよ。今までより封印が緩くてね。
あ、その頃って戦争があったのかしら。だから腕のいい術師が少なかったのかな? まあいいや。ああ、あとあなたの知識とか記憶とか全部私の中にあるから。最近の言葉ってずいぶんボキャブラリー多いのねぇ。昔とは大違いだわ」
長い独り言を続けながら、淫神は指を止めない。その指の動きに合わせて、操り人形のように直美の躯が跳ねる。
「それでね、次に人が来るのを待ってたのよ。あなたみたいな強い術師を」
淫神が右手を直美の額に当てる。すると溶けるように、その手の先からが直美の中へと入って行った。快楽に溺れる直美は、それに気づかない。
「私は作戦を練ったわ。不自由から脱するために。術師に私の邪気を流し込めば、私の勝ち。淫神邪神なら、あとは邪気でどうにでも出来るもん。
でも邪気を体内に入れるには、邪気が体に回る前に対処されないように、術者が意識を失ってる間じゃないとダメ。だから私は近くの蛭を呼び寄せて、憑依したの。
雌雄同体でかつ吸血性の蛭なら、術師の血も回収出来るし、個体に関わらず卵持ってるから、卵に邪気を詰められるしね。
あとは夜中に卵から邪気を出して、あなたの血を使って儀式を続けたのよ。あなたがどんどん淫らになるように。私のためにしか生きられないように。
いいえ、もう私のためじゃないと死ねないように」
既に淫神の右肩までが直美の中に溶け込んでいた。淫神は体を密着させて、溶け込む面積を増やす。。たわわに実る豊かな乳房が、直美の胸部に溶け始めた。
「あなたは私。私はあなた。一緒に気持ちよくなりましょう? 良いわよね?」
「はいっ、はい、一緒になるっ、気持ちよくなろう、神様ぁ!」
「ふふふっ。あなたはだぁれ?」
「ああっ、私はっ、私は神様っ、ふぁぁっ!」
「そう。それで私は直美。淫神の、伊上直美」
「私はぁ、淫神の、伊上ぃ直美ですぅっ!!」
「お仕事は?」
「みんなを、気持ちよくすること、っなのぉ」
「そのためにどうするの?」
「私の中でっ、いっぱい私を増やして、みんなに分けてあげるのぉっ、それで、そこでも私が増えてどんどん増えて行くのぉ!」
548 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:51:37 ID:mQ9artvs
「よく出来ましたっ♪」
「あああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!」
直美が絶頂に達すると同時に、淫神は全て直美に溶け込んだ。
白い闇の中に、直美が一人ポツンと浮かんでいる。
ぼんやりと開かれる瞼の奥には、禍々しい光を放つ瞳があった。
直美は、血中に流し込まれた卵が一斉に孵化した感触で目が覚めた。見開かれた瞳には禍々しい光が宿る。
あれだけ沢山居た蛭が姿を消していた。それらは全て、直美の体を作り替えるために体内に侵入している。
何もしていないのに、小刻みに乳房が震えていた。乳腺を拡張して作られた空間の中に大量の蛭が入り込み、壁面に大量の卵を産卵している。
腹部には瘤のようなふくらみがいくつもあり、時折思い出したかのように瘤が移動していた。子宮内、腸管内、果ては膀胱の中まで蛭が入り込み、自らが住み良いように環境を作り替えてゆく。
性質を完全に変えた卵巣が、蛭の卵を生産し始めた。排卵された卵は、子宮内で他の蛭の卵と同様に着床し、成長を開始する。
栄養を直美から吸収出来るように体組織が改変され、血中に宿る極小の蛭無しでは活動を維持出来ない体へと、完全に人外のものへと直美が変化していった。
「あぁんっ」
体内を蛭が動くたびに、神経を焼き切るような快感が、白く染まった脳へと駆け抜けてゆく。
直美は愛おしそうに、腹に浮かぶ瘤を撫でた。
ブブブブブ、ブブブブブ
携帯電話が震えだした。二つ折り式の携帯を開くと、「発信者:先輩」の文字が。落ち着き払った様子で、直美は発信ボタンを押した。
「はい、もしもし」
「な、直美! 大変なの、すぐに『協会』まで来てっ!」
「どうしたんですか? 先輩らしくありませんよ、そんなに慌てて」
口元に笑みを浮かべながら直美が言う。対照的に、電話越しには慌てふためく先輩の声が。
「昨日来てくれたときに『結界で違和感を感じた』って言ってたでしょ?! 調べてもらったら、結界の概念が書き変わってて私たちが通行出来なくなってたの! で、邪なるものが通れるようになってて『協会』に妖が・・・きゃあっ! どう、消えた? ・・・そう、よかった」
電話口に他にも人が居て、妖と交戦中らしい様子がうかがえる。
「と、とにかく来て! 結界の外からならなんとか出来るかも知れないから! 早くっ!!」
「わかりました。すぐに行きますね」
終話ボタンを押すと、直美は
「ふ、ふふふ、はははははは、あっははははは! あの時結界の概念を上書きしておいて良かった!」
いたって楽しそうに笑い出した。
「普段あんなにのーんびりしてるあの先輩でもあんな風に笑えるんだぁ! あははははは! はー・・・」
ひとしきり笑った後、
「かーわいぃ♪ なんだか欲しくなってきちゃった」
嬉しそうに呟きながら、白くなった舌で舌なめずりをする。
直美は脱ぎ散らかしてあった服を纏い始めた。
549 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:52:33 ID:mQ9artvs
「グギャギャギャギャァッ!!」
「常闇へ還れ、妖なるものよ! 急急如律令!」
『協会』の施設の中には、妖気や邪気が充満していた。その邪気にあてられて力を得た、施設内に封印されていた妖が一人の女性に襲いかかろうとしていたが、女性の放った札と法力によって無に帰す。
その女性は、つい2時間ほど前に直美に電話をかけていた先輩だった。
先ほどまで傍らに居た別の『協会』職員とははぐれてしまい、現在は一人で闘っている。
封印を施して施設内に留め置かれていたような妖を葬り去るなどという、無茶な力の使い方をしたからであろうか、大きく体力を消費し、額に玉の汗を浮かべて肩で息をしていた。
「はあっ、はあっ・・・直美ちゃん、まだ・・・?」
もしかしたら結界内に侵入出来ないのかも知れない。他の外部に居る『協会』関係者にも協力を要請していたが、未だに救援は来ない上に、追加の連絡も無い。
結界の外にも妖がたかっているのだろうか。それとも人避けの結界も切れて、一般人が集まって来てしまっているのだろうか。妖のような超常の存在を民間人には知らせてはならないと言う『協会』の方針だ、人前で力を発揮したりはしないだろう。
とすれば状況は絶望的だった。現在、『協会』で上から数えて5本の指に入る強者の中に直美が居る。他のメンバーは違う管轄におり、関東近辺に居る者でもここまでは3時間はかかるはずで、直美はここの管轄に所属している。その直美がまだ来ないということは・・・
「キシャアァァァー!!」
「はっ!」
また違う妖がどこからとも無く現れた。妖に物理法則は通用しない。壁だって床だってすり抜けてやってくる。
しかし、彼女にはすでに妖を祓えるだけの力が残っていなかった。持ち物から清水を取り出し、自分の頭からかぶって出来るだけ法力を高めようとしたそのとき、
「シャアアァァァァ!!」
妖が襲いかかる。
―もうだめか!
覚悟を決めたそのとき、
「ギーッ、ギーッ、ギーッ!!」
妖が突然力を失ったように倒れ伏し、暴れ回りはじめた。よく見れば、妖の体に何匹かの白い蛭が付着している。
蛭が妖の邪気を吸い取っているのか、妖は次第に暴れる元気も無くし、ぐったりとのびてしまった。それでも蛭は妖から何かを吸い続け、とうとう妖が消滅する。あとには蛭が数匹残るのみ。
先輩があっけにとられていると、蛭は床に光沢のある粘液を残しながら、彼女に向けて行進を始めた。
「き、きゃぁぁっっ!」
生理的嫌悪が先に立ち、とうとう先輩の口から悲鳴が飛び出す。すると
「あーあ、酷いじゃないですか先輩。折角助けてくれた人に向かって悲鳴上げるなんて」
にじり寄る蛭から顔を上げると、いつの間にかそこに直美が立っていた。
550 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 20:53:04 ID:mQ9artvs
やや伏し目がちで、表情全ては見ることが出来ない。
「な、直美ちゃん。これは、どういう・・・」
「邪気を吸い取ったんですよ。妖は邪気や妖気の塊みたいなものですから、吸い取ってしまえば奴らも存在が保てなくなります」
「そ、そうじゃなくてこの・・・蛭は?」
蛭は先輩のすぐ足下まで来ている。一歩後退るが、いつの間にか壁にぶつかっていた。
「ああ、それですか? それは・・・」
その時、先輩は目撃してしまった。伏せられていて良く見えなかった直美の口元から、胸元から、ズボンの裾から何匹もの蛭が流れるように出て来たのを。
「私なんですよ」
にっこりと笑う直美の口から、白い粘液が糸を引いて蛭が床にパシャリと音を立てて落ちた。
そしてかつて無く艶を含んだ直美の声が、邪気とともに放たれる。
「なんか、水に濡れた先輩も素敵ですね。ねえ、先輩も『私』を増やして一緒に気持ちよくなりませんかぁ?」
先輩の目を、直美の双眸に宿る禍々しい光が射抜いた。
~終~
552 白濁の巫女 sage 2009/05/20(水) 21:01:07 ID:mQ9artvs
これにてこの作品はおしまいです。ここまで来られたのも、ひとえにスレの皆さんのお言葉があってこそだと思っております。
長らくのおつきあいと温かいお言葉、ありがとうございました。
また何か思いつけば書こうと思います。それではー。
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