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黒月の夜
737 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2007/02/27(火) 18:53:31 ID:Ec5nqVHG
カッ、カッという音が廊下に響く。硬い靴底の立てるその音は、闇に吸い込まれる事無く余韻を残していた。
普段回廊を照らすはずの赤い月は、今は影に隠れている。影・・・漆黒の「何か」の大群・・・悪魔の群れだった。
ひしめき合いながら上を目指して飛翔するその姿は、人間が見たらおぞましさに震えることだろう。
その影を見つめ微笑むのは、魔界の女王・・・レフィリアであった。
<黒月の夜プロローグ>
「死後の世界は、どうなっているのか?」人間ならば誰でも抱く、その疑問。
ヒトは死を恐れ、悲しみ、時には讃え、喜ぶ。ヒトの死の受け止め方など、どうでもいい。
そう、我々悪魔にとってはヒトの死など珍しくも無いのだ。
その悪魔達の頂点に立つのは、女王レフィリア。数々の悪魔・神を従える最強の悪魔である。
魔界の中心に位置する城。あらゆる魔族の巣食うこの城は、周囲を闇で覆われていた。
その城の一階。部屋の中心で、絡み合う女達が居た。
「ん・・・ぅん・・・ぁ・・・あぁん・・・イヤぁん・・・」
「ほら、腰をあげて」
「ひんっ!!・・・ん・・・んぁあ!!!」
漆黒を身に纏った女が、裸の女を組み伏せ、嬲っている。その瞳は金色に輝き、あるはずの無い尻尾が左右に振れている。
淫魔・・・それがこの悪魔の種別だった。ヒトを誘惑し、犯し、快感の前に堕とす事を特技とする。
「ひぃぃいいん!!!!あぁあああぁあぁああ!!!!」
「あれ・・・やり過ぎかな?」
「あはぁああ・・・あぅぅあぁぅあ」
もはや目があらぬ方向を向き、体は痙攣し続けている。
「また壊れちゃったか・・・魔薬に耐えられるのが欲しいな・・・」
死者の体は物質は違えど、基本の体構造は変わらない。人間の神経回路では快感に限界があるので、すぐに壊れてしまう。
この女も、薬を投与した瞬間に壊れてしまった。
(悪魔同士は無理だし・・・天使は体構造知らないしな・・・)
考えを巡らすその淫魔の部屋に、1匹の蝙蝠が飛んできた。『緊急』と書かれた書状を携えて。
「お待たせしました。女王様」
ここは城の最上階に位置する、広大な玉座の間。高さのあまり天井も見えないその空間に、女の声が響く。
名はベル。女王に仕える上級悪魔である。
「ああ、来たのね。こちらへ来なさい」
「はい」
漆黒の髪を揺らし、ベルは女王の下まで移動した。ベルがこうして直に呼ばれることは、滅多に無い。
(何か失敗したのかな?)、とおびえる肩が震えている。
「貴女には天界へ行ってもらいます」
「!!!・・・・・・兵士として・・・ですか」
戦線に立たされるのは、力や破壊を司る悪魔であるため、人間型が戦場へ向かうことは少ない。
個人の魔力《ちから》が大きく異なる魔界では、適材適所が基本である。
ベルはその魔力こそ最高位だが、その力は破壊などには向かないものだった。
「違うわ・・・天使に潜り込んで、敵を数隊堕として欲しいの」
「な・・・!!!」
「貴女しかできない役目。低級淫魔を使って正体を露見するわけにはいかないの」
天使の集団に潜り込む・・・たしかに上級悪魔でなければ超高度な変化の術は使用できない。
「お言葉ですが・・・将軍に任された方が・・・」
「レヴィは今も、あっちにいるし。アルは南部への征伐に行っているのよ」
「・・・・・・わかりました」
738 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2007/02/27(火) 18:56:17 ID:Ec5nqVHG
<黒月の夜:第1夜>
「こういう時は・・・欲望の強い人を堕とせば早いのよね」
天界の城下。白いローブを着て、周りに紛れたベルがいた。
命令を果たすために軍の噂を集めているが、まともな情報は入ってこない。
せいぜいどこの軍の将軍が勝利した、とかその程度だ。
最近魔界との衝突が表面化してきたものの、さすがにそこまで軍隊が動くことはない。
「はじめは嫌がってるけど快楽に溺れるような人・・・そんな都合よくいかないか」
とりあえず夜も更けた頃に、軍の寝所へ侵入する。
将軍や隊長を始めにしようと思ったが、表に出る立場の者は後回しにした方がよさそうだ。
露見する確立は少しでも減らした方がいい。
部隊内で感情に負の面を持つ者を探すのは、淫魔にとっては簡単な事だった。
そういう面を持った人間ほど、堕ちるのが早い。脳を直に弄ってしまうのも早いが。
(さて、この女を手始めにしようかな)
部屋に横たわっているのは、ルカという補佐官級の天使だった。
「ほら、起きて起きて」
「・・・・・・誰?・・・」
寝惚けた頭では目の前に立っているのが悪魔などとは判断できなかった。
もちろん、声を出される前に、その口を塞いでしまう。
「!!!・・・んぅ・・・む・・・・ふぁ・・・・・」
唇を吸われた時にはもう遅い。快楽を司る悪魔が口を犯しているのである。
キスを続けているだけだが、ルカのまっとうな思考を奪うにはそれで十分だった。
「・・んん・・・んっ・・んく・・んぁ・・・・」
気が付けば、熱心に舌を絡ませているのはルカの方だった。
こういう堕ちるのが早い者は、大きな快楽を与えてやればあとはもう犯りたい放題だ。
腰の袋から真っ黒なモノを取り出した。脈動するその物体は、改良を重ねられた寄生体。
「モガ・・・・ガハッ!・・・げほっ・・・・」
まぁそんな説明はしてもしょうがないので無理矢理飲ませる。
「でも・・・寄生させても堕ちる過程がないと楽しめないでしょう?」
誰に言うわけでもなく、ベルはつぶやいた。すぐに堕ちてはつまらない、やっぱり責めないと。
ゲルが完全に定着するまでにあと24時間はかかるだろうが、結界を張った部屋ならば誰も入って来ないだろう。
そのための部屋は、レヴィによって手配されていた。
部屋にはあらゆる器具が揃い、中央の台にはルカが寝かせられていた。侵食により体がピクリと動いている。
そろそろ、寄生が第一段階に達するはずだ。きつめの容姿をしたこの天使が、どんな風によがり悶えるだろうか。
あの切れ長の瞳が欲情に潤み、唇から涎をたらし懇願する様を思い浮かべるとゾクゾクしてしまう。
さぁ、始めようか。快楽の宴を。
カッ、カッという音が廊下に響く。硬い靴底の立てるその音は、闇に吸い込まれる事無く余韻を残していた。
普段回廊を照らすはずの赤い月は、今は影に隠れている。影・・・漆黒の「何か」の大群・・・悪魔の群れだった。
ひしめき合いながら上を目指して飛翔するその姿は、人間が見たらおぞましさに震えることだろう。
その影を見つめ微笑むのは、魔界の女王・・・レフィリアであった。
<黒月の夜プロローグ>
「死後の世界は、どうなっているのか?」人間ならば誰でも抱く、その疑問。
ヒトは死を恐れ、悲しみ、時には讃え、喜ぶ。ヒトの死の受け止め方など、どうでもいい。
そう、我々悪魔にとってはヒトの死など珍しくも無いのだ。
その悪魔達の頂点に立つのは、女王レフィリア。数々の悪魔・神を従える最強の悪魔である。
魔界の中心に位置する城。あらゆる魔族の巣食うこの城は、周囲を闇で覆われていた。
その城の一階。部屋の中心で、絡み合う女達が居た。
「ん・・・ぅん・・・ぁ・・・あぁん・・・イヤぁん・・・」
「ほら、腰をあげて」
「ひんっ!!・・・ん・・・んぁあ!!!」
漆黒を身に纏った女が、裸の女を組み伏せ、嬲っている。その瞳は金色に輝き、あるはずの無い尻尾が左右に振れている。
淫魔・・・それがこの悪魔の種別だった。ヒトを誘惑し、犯し、快感の前に堕とす事を特技とする。
「ひぃぃいいん!!!!あぁあああぁあぁああ!!!!」
「あれ・・・やり過ぎかな?」
「あはぁああ・・・あぅぅあぁぅあ」
もはや目があらぬ方向を向き、体は痙攣し続けている。
「また壊れちゃったか・・・魔薬に耐えられるのが欲しいな・・・」
死者の体は物質は違えど、基本の体構造は変わらない。人間の神経回路では快感に限界があるので、すぐに壊れてしまう。
この女も、薬を投与した瞬間に壊れてしまった。
(悪魔同士は無理だし・・・天使は体構造知らないしな・・・)
考えを巡らすその淫魔の部屋に、1匹の蝙蝠が飛んできた。『緊急』と書かれた書状を携えて。
「お待たせしました。女王様」
ここは城の最上階に位置する、広大な玉座の間。高さのあまり天井も見えないその空間に、女の声が響く。
名はベル。女王に仕える上級悪魔である。
「ああ、来たのね。こちらへ来なさい」
「はい」
漆黒の髪を揺らし、ベルは女王の下まで移動した。ベルがこうして直に呼ばれることは、滅多に無い。
(何か失敗したのかな?)、とおびえる肩が震えている。
「貴女には天界へ行ってもらいます」
「!!!・・・・・・兵士として・・・ですか」
戦線に立たされるのは、力や破壊を司る悪魔であるため、人間型が戦場へ向かうことは少ない。
個人の魔力《ちから》が大きく異なる魔界では、適材適所が基本である。
ベルはその魔力こそ最高位だが、その力は破壊などには向かないものだった。
「違うわ・・・天使に潜り込んで、敵を数隊堕として欲しいの」
「な・・・!!!」
「貴女しかできない役目。低級淫魔を使って正体を露見するわけにはいかないの」
天使の集団に潜り込む・・・たしかに上級悪魔でなければ超高度な変化の術は使用できない。
「お言葉ですが・・・将軍に任された方が・・・」
「レヴィは今も、あっちにいるし。アルは南部への征伐に行っているのよ」
「・・・・・・わかりました」
738 黒い人 ◆JKJRKSATYY sage 2007/02/27(火) 18:56:17 ID:Ec5nqVHG
<黒月の夜:第1夜>
「こういう時は・・・欲望の強い人を堕とせば早いのよね」
天界の城下。白いローブを着て、周りに紛れたベルがいた。
命令を果たすために軍の噂を集めているが、まともな情報は入ってこない。
せいぜいどこの軍の将軍が勝利した、とかその程度だ。
最近魔界との衝突が表面化してきたものの、さすがにそこまで軍隊が動くことはない。
「はじめは嫌がってるけど快楽に溺れるような人・・・そんな都合よくいかないか」
とりあえず夜も更けた頃に、軍の寝所へ侵入する。
将軍や隊長を始めにしようと思ったが、表に出る立場の者は後回しにした方がよさそうだ。
露見する確立は少しでも減らした方がいい。
部隊内で感情に負の面を持つ者を探すのは、淫魔にとっては簡単な事だった。
そういう面を持った人間ほど、堕ちるのが早い。脳を直に弄ってしまうのも早いが。
(さて、この女を手始めにしようかな)
部屋に横たわっているのは、ルカという補佐官級の天使だった。
「ほら、起きて起きて」
「・・・・・・誰?・・・」
寝惚けた頭では目の前に立っているのが悪魔などとは判断できなかった。
もちろん、声を出される前に、その口を塞いでしまう。
「!!!・・・んぅ・・・む・・・・ふぁ・・・・・」
唇を吸われた時にはもう遅い。快楽を司る悪魔が口を犯しているのである。
キスを続けているだけだが、ルカのまっとうな思考を奪うにはそれで十分だった。
「・・んん・・・んっ・・んく・・んぁ・・・・」
気が付けば、熱心に舌を絡ませているのはルカの方だった。
こういう堕ちるのが早い者は、大きな快楽を与えてやればあとはもう犯りたい放題だ。
腰の袋から真っ黒なモノを取り出した。脈動するその物体は、改良を重ねられた寄生体。
「モガ・・・・ガハッ!・・・げほっ・・・・」
まぁそんな説明はしてもしょうがないので無理矢理飲ませる。
「でも・・・寄生させても堕ちる過程がないと楽しめないでしょう?」
誰に言うわけでもなく、ベルはつぶやいた。すぐに堕ちてはつまらない、やっぱり責めないと。
ゲルが完全に定着するまでにあと24時間はかかるだろうが、結界を張った部屋ならば誰も入って来ないだろう。
そのための部屋は、レヴィによって手配されていた。
部屋にはあらゆる器具が揃い、中央の台にはルカが寝かせられていた。侵食により体がピクリと動いている。
そろそろ、寄生が第一段階に達するはずだ。きつめの容姿をしたこの天使が、どんな風によがり悶えるだろうか。
あの切れ長の瞳が欲情に潤み、唇から涎をたらし懇願する様を思い浮かべるとゾクゾクしてしまう。
さぁ、始めようか。快楽の宴を。
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