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松堂 千秋と月島 理玖の世界(1)
433 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:38:41 ID:PFTUQhhn
私、松堂 千秋(まつどう ちあき)と月島 理玖(つきしま りく)は仲がいい。
学校が同じだったから?――いや、それはそうだったのだが、実を言うと小学校では別のクラスだったらしく、
一言二言の言葉を交わした程度だったし(理玖から聞いた話。よく覚えていたものだ。)
中学では三年間同じクラスだったものの、彼女と私の距離は「遠かった」。
その頃の私は不良だったのだ。
不良といってもケリやケジメをすぐにつけたがり、妙に長いスカートを着ている様な不良ではなく、
ただ何かに惹きつけられる様に、何の躊躇いも無く体、そして心を売る様な――正に文字通りの「不良」――だった訳だ。
かたや理玖は理玖は優等生かつ優良生、「天童」などと古めかしい言い方で褒めちぎる教師まで出る始末だった。
…とにかく、中学の頃の理玖と私の距離は仲良くなるには「遠すぎた」。
今の様な関係になったのはこの学校――すなわち私が今6時間目の授業を受けている(聞き流している)学校に来る直前の事だった。
434 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:40:59 ID:PFTUQhhn
---
――私はバスルームの鏡を見つめ、ため息をついた。
映るのはまだあどけなさの残った顔。上からの蛍光灯の光でこの間少し赤く染めた髪が鮮やかに透けているのが解る。
ショーツだけを纏う体には、そのあどけなさには不釣り合いの少し大人びたプロポーションと痛々しい縄の痕が。
(何なのよ…あれじゃ恋人なんか出来るわけ無いじゃない!)
今さっきまでの「行為」を振り返る。
このホテルに来るまではいかにも好青年そうな男(しかも一流企業勤務らしい…本人談)だったのだが、
部屋にチェックインするなり何処からか取り出したのか、私の手をいきなり手錠で後ろ手に固定して俯せに抑えつける。
(…何!?どうなってるのよ!!)
パニック状態の私を尻目に更に男は縄の片側を足首に、もう片側をベットの柱に縛り付け、足をある程度開かざるを得ない体勢にさせたかと思えば、
前戯もすることなくショーツをずらし、私のソコに強引に蛍光色のローターを押し込んだ。
ずくずずっっっ!!
「あ゛あっ……いやあぁぁっ!」
突然の、正常な感覚を通り越し、痛みと化した刺激に私は悲鳴を上げた。
435 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:42:25 ID:PFTUQhhn
(一体なんなのよぉ!)
強引に首をねじ曲げ、涙目で後ろを見ると先ほどの好青年が
私のソコから伸びた蛍光色のコードの到達点であるリモコンを握り、ゾッとする様な笑みを浮かべていた。
酷く嫌な予感がした。
ウィイィイィ…
低い振動音が部屋に響く。
「青年」が私を縛り付けてから恐らく30分程が経過した。
執拗な振動に、私のソコはもうとっくに快感を覚え始めている。
声を隠そうと口をシーツに押しつけているが、時おりの下半身の震えと少しずつだが確かに溢れていく液は止める事が出来ない。
(見られてるっ…)
お尻の辺りに酷く視線を感じた私が紅潮した顔で、荒くなった息を漏らしながら後ろを見ると、
恐ろしく鋭くなった青年の目と目があった。
(ひいぃっ!!)
私が思わず背筋をピクッとすると青年はさらにその表情を歪ませ、手元のリモコンを操作し始めた。
ヴヴヴッヴヴッヴヴヴヴッ!
次の瞬間、私の下半身が大きく揺れた。
(いやぁ……)
「んあぁっ…んんぅっ!」
急激に刺激が強まり、さっきとは比べものにならない不規則な快感が私を襲った。
「止…んぁっ!…とめてぇ……」
私は思わず泣き言を漏らしたが、それに気を良くしたのか
青年は小さく笑い声を浮かべて更にリモコンを操作する。
436 名前:名無しさん@ピンキー :04/10/01 17:46:01 ID:PFTUQhhn
ヴィィィィィッ!!!
「んぁぁあぁっ!」
細かくかき回す刺激が更に強まり、足先の痺れが止まらない。
神経も麻痺したかの様に時折下半身がヒクつき、私は何をしているのか、思考が定まらない。
「やあああああぁっ!…だめっ!だめええぇぇっ!!」
叫び声と共に私の体がビクビクと痙攣し、喉が震え、弾けた。
---
(んんっ…ここは?)
私はぼんやり意識を取り戻した。
波打つ白いシーツの海がかすかに視界に浮かんでいる。感覚がゆっくりと組み上がっていく。
(なんかあった様な…なんだっけ?)
次の瞬間、私は後ろから強烈な衝撃に襲われた。
「ひあぁっ!ああっ!あっ!」
――青年が私を後ろから犯していた。私の濡れたソコを押し広げ、青年のモノがグチグチと卑猥な音を立てて出入りしていた。
「やだあぁっ……」
完全に思い出した。私は身をよじって逃げようとするが、
手足は相変わらず固定されているのに加えて、
意識を失っていた間に腰のラインの上から鎖骨の辺りまでが縄でギュッと網目を作られ、縛られていた。
青年が手に握った縄を引くと
ギュゥゥッ!!
「うあぁっ!!いたぁぃ!…何コレぇ……あっ!」
私の脳裏に濃い赤が浮かび、バストの辺りが桜色に染まる。
同時に腰をスライドさせて後ろから叩きつけられる度に下半身の痺れるような感覚が増していく。
437 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:47:37 ID:PFTUQhhn
じゅっ!ずぅっ!づぐっ!
青年のピッチが早まった。
「あっ!!あぅんっ!んあぁっ!!」
(こんなのダメ…いやだよ……)
操り人形の様に青年の動きにあわせて口を塞ぐこともままならず、
私はシーツに唾液を塗り付けてだらしなく喘ぐ。
「だめぇ…ああっ!ひぃっっ!!」
(また…飛んじゃうぅっ!!)
ソコ以外の体の感覚が停止したかの様にただ青年の熱が私の感覚を灼くのを感じる。
青年が引きちぎらんばかりに縄を引きながら私のソコを押し広げる。
「んっ!はあぁんっ!!こん、んぁっっ!!…こっ…こんなのいやぁぁ……」
ぐちゅっ!!ずぬっ!ぐずっ!!
腰がぶつかる音と私のソコで弾ける感覚が同調する。
「あっ!ああっ!やぁっっ!!…くるっ!きちゃううぅっっ!!!」
びくっ!!びくんっっっ!!
一回目以上の浮遊感が私を襲ったが、
ずちゅっ!!!
「ぁくうぅっ!!」
敏感になり、狭まったソコに思い切り突き込まれた感覚で押し戻される。青年の息を首筋に感じる。
「俺がイってねぇんだよこの淫乱がぁっ!!!」
いきなり耳元で大声で叫ばれる。「行為」を始めて以来初めて青年が声を上げた。
438 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:48:58 ID:PFTUQhhn
それと同時にきつく私に絡み付いた縄が絞まる。
「なんなのぉ…そんな事言うのやめっ、ああっ!うああっ!」
言い切る前に青年が私を容赦なく責め立てる。
「縛られて後ろから強引に犯されて感じるなんてよぉ…盛りのついた犬みたいだぜっ!!」
私はそう声で罵られながらゆっくりと円を描くようにナカを犯される。
「いやぁっ!……違うのぉ…」
「何も違わねぇよ…この雌犬がぁっ!!!」
ぶちゅっ!ぐちゅぅ!!
そう言うと急に青年は乱暴に私のソコを抜き差しする。
「やぁぁぁ…だめぇぇぇっ……」
弱々しい声で私はせめてもの抵抗を見せる。
(もういやぁぁ…変になりそう……)
突き入れられる度に瞼の裏が点滅する。
手錠で後ろ手に固定された手では耳を塞ぐ事もできず、私はただ首を振りながら、快感で白く溶けた視界の中で犯され、悶えるだけだった。
………その後も青年は自分が射すまで30分程私を罵りながら犯し続けた。
その後、何事も無かったかの様に青年は黙って拘束を解き、私をバスルームに押し込んだ。
439 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:49:46 ID:PFTUQhhn
鏡に映った私の目を凝視する。
青年の「行為」中の言葉が反芻する。
酷く私を穢した言葉、酷く私を穢した「行為」。だけど私は確実に快楽を感じていた。
(何時からこんな体になったのだろう?)
前の「行為」から?前の前の「行為」から?
もしくは―――ついさっきの「行為」から?
私は自分がすり替わっていくような感覚に今更かすかに恐怖を覚えた。
「好青年」が快活な声で呼んでいる。「お小遣い」をくれるようだ。
私はもう一度大きくため息をつき、ゆっくりとバスルームのドアを開けた。
---
夕方にホテルを出て青年と別れた後、私は駅前の繁華街を何をする事もなくぼんやりと歩いていた。
制服のポケットの中に押し込んだ数人の福沢諭吉が、侮蔑の目で私を見る。
(…早く物に変えてしまおう。)
確かこの先にCDショップがあった筈だ。私は足を進める。
私は「物」の穢れは遠ざかれば薄まると思っている。物理的に遠ざかる事で自分の意識からも穢れが遠ざかっていく…
そうする事でその意識に穢れは無くならないにしろ、かすかに残るだけとある気がするのだ。
440 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:50:47 ID:PFTUQhhn
―――しかし、その物が自分の体であったなら?
私は、いや人は自分の体からは逃げられない。
それ自体が私であって、遠ざかるどころか心を意識という先の尖った杭で打ち付けられ動くことさえできず、固定されている。
だから、私の体の穢れは決して薄まる事なく蓄積し、どんどんと体を穢し、
さらにはじわじわと心を穢していったのだ。
私はきっと、穢れている。
さっきの鏡に映った赤い蛇が這う上半身を思い出し、何となくそんな事を思った。恐らくもう「行為」をすることは無いだろう。
(…ん?)
いつの間にかCDショップを通り過ぎ、町外れに出ようとしていた。
(……戻ろう。)
今日何度目かのため息を付き、振り返り踵を返した瞬間、左の肩に長い艶のある髪が微かに掛かった。
441 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:51:47 ID:PFTUQhhn
―――私の時が止まった。目を見開き立ち尽くす。何も思い浮かばない。
ただ、なにかここで振り返らなければ世界が終わってしまう様な―そんな脅迫観念に襲われて私は振り返った。
この時期にしては薄手の服装で女性、――いや恐らく同世代だろう――女の子がオレンジに染まる世界を背に、私を見ていた。
「千秋ちゃん?」
私はいきなり名前を呼ばれ、驚きと共に現実に引き戻された。
「ほら、私、月草 理玖だよ。…覚えてない?」
思考が動き出す。高いが決して嫌ではない声で、彼女は言った。
「……理玖か、懐かしいな。久しぶりね。」
「というか、まだ卒業して少ししか経ってないよ。…本当に覚えてる?」
卒業時のクラスメートだ。流石に覚えている。
…しかしこんな子だったのか。何というかこう…もっと取っつきにくい感じを予想していた。
「ところでさぁ、理玖は何処かに行ってたのかしら?」
私は当たり障りの無い話題を振る。
「うん…ちょっと駅前に用事があってね。で、今帰り道。千秋ちゃんは?」
「…CDを買いに来たんだけどCDショップをボーッとして通り過ぎてた。で、今向かう途中。」
「あはは…」
冗談と取ったのか理玖は引きつった笑いを浮かべた。
私は『これが冗談ではなく、それどころかその前に男に縛り付けられて犯されてました。』
と言ったら彼女はどんな顔を見せるんだろう?と思ったが…流石に言える筈も無い。
442 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:53:26 ID:PFTUQhhn
「理玖はこれから暇?一緒にうろつかない?」
考える間もなく私の口から声が滑り出す。
なんとなく、ここで別れたら二度と会えない気がした。
「ん…いいよ。じゃぁさ、とりあえずCD屋さん行こっか?」
理玖が微笑みを浮かべた。
強迫観念は続いている。
私と理玖は繁華街に向けて歩いていった。
CDショップやらゲームセンターやら古着屋やらを巡り、結局私達はチェーン店の喫茶店の喫煙席の一角に落ち着いた。
今は八時半。空は黒く塗りつぶされ、それとは対照的な地上の光が眩しい。星はあまり見えないが、この空へ溶け出すような光が私はとても好きだ。
三時間ちょっと一緒にいて、理玖についての意外な事をいくつか知った。
まず、音楽の趣味が明らかに変だった。
CDショップに着くと、何を買おうか迷う私に真っ先に薦めたのがピンク・フロイド(正直、一発で解った私の趣味も相当に変だ。)
…しかもザ・ウォール。年齢不相応かつ人格不相応だった。
優等生の理玖がアナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(二部のあのうわずった声が良いらしい。)を聴く姿を想像すると、奇妙を通り越して滑稽だった。
二つ目は選ぶのが極端に苦手という事。
私が理玖に何か買ってあげるよ、と言うとそのまま十分強CDを手にも取らずに棚の前でキョロキョロと見渡す始末だった。(その後に行った古着屋でも同じ事をしていた。)
三つ目はさっき聞いた、一番意外な事――私と理玖の進学先が同じだというのだ。
443 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:54:18 ID:PFTUQhhn
私は学校の成績は普通の生徒だったが、何となく行きたいと思っていた(制服が可愛かったのだ。)結構レベルの高い学校を当たって砕けろで受験し、見事に合格したのだ。
私と反対の意味で学力不相応な理玖に受験した理由を聞いてみると、
「えっ?理由は…あそこの制服可愛かったから。」
照れ隠しに笑いながら言う理玖。
思わず私は声を出して笑ってしまった。
まさか優等生が私と同じ理由、しかも少しふざけた理由――制服の可愛さで学校を決めていたなんて。
「何?…もしかして、馬鹿にしてるっ!?」
少し声を荒げて理玖が言う。
「いやぁ…実は私も…制服の可愛さに惹かれてあそこの学校受けたのよ。コレが。」
私は笑いを抑えて言う。
理玖はポカンと目を丸くしたかと思うと、次の瞬間クスクスと笑いだした。
「あははっ…同じっ!…でも、あそこの制服ホント可愛いよね。」
「可愛いわね…あのチェックのスカートがいいよね。」
「そうそう!あと指定のコートも…早く着たいなぁ。」
冬どころか入学もまだしてないのに、目を輝かせてそう言う理玖はあまりにも女の子らしくて私はまた笑ってしまった。
444 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:56:03 ID:PFTUQhhn
それがつい五分前。
私は目の前の三分の一ほど飲み干したバニラ・ラテに視界を戻し、ゆっくりと啜った。
少しまだ熱い。
隣の椅子にはCDと古着が座っている。(理玖に買ってあげたものは彼女の隣の椅子の上だ。)
――理玖の方を見やる。綺麗な二重の目、深い黒の瞳、縁なしの眼鏡が良く似合っている。
日本人にしては高めの鼻。肩甲骨の辺りまで伸ばした絹糸の様なストレートの碧の黒髪を気にしながら、たっぷりとクリームを入れたアメリカンコーヒーを飲んでいる。
首筋に浮かぶ直線。そして何よりカップを掴む白く、細い手が酷く目に入った。
(凄い綺麗ね……)
私もある程度は自分の容姿に自信があったが…これは格が違う。
「ん?…どしたの?手に何かついてる?」
「あ、いや、何でもないのよ。」
『―あなたが綺麗で見蕩れていたのよ』なんて、浮ついた言葉を言える訳でも無く、赤面し答える。
「…変なの。」
首を傾げそうな感じでそう言うと、また理玖はコーヒーカップと睨めっこをし始めた。
445 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:56:56 ID:PFTUQhhn
---
「またね。」
「またね~。学校でよろしく。」
夜の九時。そう言って私と理玖は反対方向の家路についた。また会えたらいいと本当に思った。
私は帰り道で理玖の姿を思い浮かべる。あの夕方にすれ違った瞬間に私をかっさらっていった彼女の姿を。
あの時、私は何にあそこまで惹かれたのか?…容姿?…性格?……趣味?………あの吸い込まれる様に白い手?どれも違う気がする。
(まぁ、これからはいつでも会えるんだしゆっくり考えよう…)
いずれにしろ私を惹きつけた事は確かだ。そう思うと、足取りが自然と早くなる。
昼間の「行為」は、昔の私はもうすっぱり忘れるとしよう。
そう思いながら鼻歌混じりに家に向かったのだった。
446 名前:417 :04/10/01 18:01:54 ID:PFTUQhhn
先に謝っておきます。…すいませんでした。
前置きみたいなものなので、エロ薄いしだめぽ。
そして後2話先までストックしてます。
誤字脱字、ツッコミ歓迎。
それでは。 (´・ω・`)ノシ
私、松堂 千秋(まつどう ちあき)と月島 理玖(つきしま りく)は仲がいい。
学校が同じだったから?――いや、それはそうだったのだが、実を言うと小学校では別のクラスだったらしく、
一言二言の言葉を交わした程度だったし(理玖から聞いた話。よく覚えていたものだ。)
中学では三年間同じクラスだったものの、彼女と私の距離は「遠かった」。
その頃の私は不良だったのだ。
不良といってもケリやケジメをすぐにつけたがり、妙に長いスカートを着ている様な不良ではなく、
ただ何かに惹きつけられる様に、何の躊躇いも無く体、そして心を売る様な――正に文字通りの「不良」――だった訳だ。
かたや理玖は理玖は優等生かつ優良生、「天童」などと古めかしい言い方で褒めちぎる教師まで出る始末だった。
…とにかく、中学の頃の理玖と私の距離は仲良くなるには「遠すぎた」。
今の様な関係になったのはこの学校――すなわち私が今6時間目の授業を受けている(聞き流している)学校に来る直前の事だった。
434 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:40:59 ID:PFTUQhhn
---
――私はバスルームの鏡を見つめ、ため息をついた。
映るのはまだあどけなさの残った顔。上からの蛍光灯の光でこの間少し赤く染めた髪が鮮やかに透けているのが解る。
ショーツだけを纏う体には、そのあどけなさには不釣り合いの少し大人びたプロポーションと痛々しい縄の痕が。
(何なのよ…あれじゃ恋人なんか出来るわけ無いじゃない!)
今さっきまでの「行為」を振り返る。
このホテルに来るまではいかにも好青年そうな男(しかも一流企業勤務らしい…本人談)だったのだが、
部屋にチェックインするなり何処からか取り出したのか、私の手をいきなり手錠で後ろ手に固定して俯せに抑えつける。
(…何!?どうなってるのよ!!)
パニック状態の私を尻目に更に男は縄の片側を足首に、もう片側をベットの柱に縛り付け、足をある程度開かざるを得ない体勢にさせたかと思えば、
前戯もすることなくショーツをずらし、私のソコに強引に蛍光色のローターを押し込んだ。
ずくずずっっっ!!
「あ゛あっ……いやあぁぁっ!」
突然の、正常な感覚を通り越し、痛みと化した刺激に私は悲鳴を上げた。
435 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:42:25 ID:PFTUQhhn
(一体なんなのよぉ!)
強引に首をねじ曲げ、涙目で後ろを見ると先ほどの好青年が
私のソコから伸びた蛍光色のコードの到達点であるリモコンを握り、ゾッとする様な笑みを浮かべていた。
酷く嫌な予感がした。
ウィイィイィ…
低い振動音が部屋に響く。
「青年」が私を縛り付けてから恐らく30分程が経過した。
執拗な振動に、私のソコはもうとっくに快感を覚え始めている。
声を隠そうと口をシーツに押しつけているが、時おりの下半身の震えと少しずつだが確かに溢れていく液は止める事が出来ない。
(見られてるっ…)
お尻の辺りに酷く視線を感じた私が紅潮した顔で、荒くなった息を漏らしながら後ろを見ると、
恐ろしく鋭くなった青年の目と目があった。
(ひいぃっ!!)
私が思わず背筋をピクッとすると青年はさらにその表情を歪ませ、手元のリモコンを操作し始めた。
ヴヴヴッヴヴッヴヴヴヴッ!
次の瞬間、私の下半身が大きく揺れた。
(いやぁ……)
「んあぁっ…んんぅっ!」
急激に刺激が強まり、さっきとは比べものにならない不規則な快感が私を襲った。
「止…んぁっ!…とめてぇ……」
私は思わず泣き言を漏らしたが、それに気を良くしたのか
青年は小さく笑い声を浮かべて更にリモコンを操作する。
436 名前:名無しさん@ピンキー :04/10/01 17:46:01 ID:PFTUQhhn
ヴィィィィィッ!!!
「んぁぁあぁっ!」
細かくかき回す刺激が更に強まり、足先の痺れが止まらない。
神経も麻痺したかの様に時折下半身がヒクつき、私は何をしているのか、思考が定まらない。
「やあああああぁっ!…だめっ!だめええぇぇっ!!」
叫び声と共に私の体がビクビクと痙攣し、喉が震え、弾けた。
---
(んんっ…ここは?)
私はぼんやり意識を取り戻した。
波打つ白いシーツの海がかすかに視界に浮かんでいる。感覚がゆっくりと組み上がっていく。
(なんかあった様な…なんだっけ?)
次の瞬間、私は後ろから強烈な衝撃に襲われた。
「ひあぁっ!ああっ!あっ!」
――青年が私を後ろから犯していた。私の濡れたソコを押し広げ、青年のモノがグチグチと卑猥な音を立てて出入りしていた。
「やだあぁっ……」
完全に思い出した。私は身をよじって逃げようとするが、
手足は相変わらず固定されているのに加えて、
意識を失っていた間に腰のラインの上から鎖骨の辺りまでが縄でギュッと網目を作られ、縛られていた。
青年が手に握った縄を引くと
ギュゥゥッ!!
「うあぁっ!!いたぁぃ!…何コレぇ……あっ!」
私の脳裏に濃い赤が浮かび、バストの辺りが桜色に染まる。
同時に腰をスライドさせて後ろから叩きつけられる度に下半身の痺れるような感覚が増していく。
437 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:47:37 ID:PFTUQhhn
じゅっ!ずぅっ!づぐっ!
青年のピッチが早まった。
「あっ!!あぅんっ!んあぁっ!!」
(こんなのダメ…いやだよ……)
操り人形の様に青年の動きにあわせて口を塞ぐこともままならず、
私はシーツに唾液を塗り付けてだらしなく喘ぐ。
「だめぇ…ああっ!ひぃっっ!!」
(また…飛んじゃうぅっ!!)
ソコ以外の体の感覚が停止したかの様にただ青年の熱が私の感覚を灼くのを感じる。
青年が引きちぎらんばかりに縄を引きながら私のソコを押し広げる。
「んっ!はあぁんっ!!こん、んぁっっ!!…こっ…こんなのいやぁぁ……」
ぐちゅっ!!ずぬっ!ぐずっ!!
腰がぶつかる音と私のソコで弾ける感覚が同調する。
「あっ!ああっ!やぁっっ!!…くるっ!きちゃううぅっっ!!!」
びくっ!!びくんっっっ!!
一回目以上の浮遊感が私を襲ったが、
ずちゅっ!!!
「ぁくうぅっ!!」
敏感になり、狭まったソコに思い切り突き込まれた感覚で押し戻される。青年の息を首筋に感じる。
「俺がイってねぇんだよこの淫乱がぁっ!!!」
いきなり耳元で大声で叫ばれる。「行為」を始めて以来初めて青年が声を上げた。
438 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:48:58 ID:PFTUQhhn
それと同時にきつく私に絡み付いた縄が絞まる。
「なんなのぉ…そんな事言うのやめっ、ああっ!うああっ!」
言い切る前に青年が私を容赦なく責め立てる。
「縛られて後ろから強引に犯されて感じるなんてよぉ…盛りのついた犬みたいだぜっ!!」
私はそう声で罵られながらゆっくりと円を描くようにナカを犯される。
「いやぁっ!……違うのぉ…」
「何も違わねぇよ…この雌犬がぁっ!!!」
ぶちゅっ!ぐちゅぅ!!
そう言うと急に青年は乱暴に私のソコを抜き差しする。
「やぁぁぁ…だめぇぇぇっ……」
弱々しい声で私はせめてもの抵抗を見せる。
(もういやぁぁ…変になりそう……)
突き入れられる度に瞼の裏が点滅する。
手錠で後ろ手に固定された手では耳を塞ぐ事もできず、私はただ首を振りながら、快感で白く溶けた視界の中で犯され、悶えるだけだった。
………その後も青年は自分が射すまで30分程私を罵りながら犯し続けた。
その後、何事も無かったかの様に青年は黙って拘束を解き、私をバスルームに押し込んだ。
439 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:49:46 ID:PFTUQhhn
鏡に映った私の目を凝視する。
青年の「行為」中の言葉が反芻する。
酷く私を穢した言葉、酷く私を穢した「行為」。だけど私は確実に快楽を感じていた。
(何時からこんな体になったのだろう?)
前の「行為」から?前の前の「行為」から?
もしくは―――ついさっきの「行為」から?
私は自分がすり替わっていくような感覚に今更かすかに恐怖を覚えた。
「好青年」が快活な声で呼んでいる。「お小遣い」をくれるようだ。
私はもう一度大きくため息をつき、ゆっくりとバスルームのドアを開けた。
---
夕方にホテルを出て青年と別れた後、私は駅前の繁華街を何をする事もなくぼんやりと歩いていた。
制服のポケットの中に押し込んだ数人の福沢諭吉が、侮蔑の目で私を見る。
(…早く物に変えてしまおう。)
確かこの先にCDショップがあった筈だ。私は足を進める。
私は「物」の穢れは遠ざかれば薄まると思っている。物理的に遠ざかる事で自分の意識からも穢れが遠ざかっていく…
そうする事でその意識に穢れは無くならないにしろ、かすかに残るだけとある気がするのだ。
440 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:50:47 ID:PFTUQhhn
―――しかし、その物が自分の体であったなら?
私は、いや人は自分の体からは逃げられない。
それ自体が私であって、遠ざかるどころか心を意識という先の尖った杭で打ち付けられ動くことさえできず、固定されている。
だから、私の体の穢れは決して薄まる事なく蓄積し、どんどんと体を穢し、
さらにはじわじわと心を穢していったのだ。
私はきっと、穢れている。
さっきの鏡に映った赤い蛇が這う上半身を思い出し、何となくそんな事を思った。恐らくもう「行為」をすることは無いだろう。
(…ん?)
いつの間にかCDショップを通り過ぎ、町外れに出ようとしていた。
(……戻ろう。)
今日何度目かのため息を付き、振り返り踵を返した瞬間、左の肩に長い艶のある髪が微かに掛かった。
441 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:51:47 ID:PFTUQhhn
―――私の時が止まった。目を見開き立ち尽くす。何も思い浮かばない。
ただ、なにかここで振り返らなければ世界が終わってしまう様な―そんな脅迫観念に襲われて私は振り返った。
この時期にしては薄手の服装で女性、――いや恐らく同世代だろう――女の子がオレンジに染まる世界を背に、私を見ていた。
「千秋ちゃん?」
私はいきなり名前を呼ばれ、驚きと共に現実に引き戻された。
「ほら、私、月草 理玖だよ。…覚えてない?」
思考が動き出す。高いが決して嫌ではない声で、彼女は言った。
「……理玖か、懐かしいな。久しぶりね。」
「というか、まだ卒業して少ししか経ってないよ。…本当に覚えてる?」
卒業時のクラスメートだ。流石に覚えている。
…しかしこんな子だったのか。何というかこう…もっと取っつきにくい感じを予想していた。
「ところでさぁ、理玖は何処かに行ってたのかしら?」
私は当たり障りの無い話題を振る。
「うん…ちょっと駅前に用事があってね。で、今帰り道。千秋ちゃんは?」
「…CDを買いに来たんだけどCDショップをボーッとして通り過ぎてた。で、今向かう途中。」
「あはは…」
冗談と取ったのか理玖は引きつった笑いを浮かべた。
私は『これが冗談ではなく、それどころかその前に男に縛り付けられて犯されてました。』
と言ったら彼女はどんな顔を見せるんだろう?と思ったが…流石に言える筈も無い。
442 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:53:26 ID:PFTUQhhn
「理玖はこれから暇?一緒にうろつかない?」
考える間もなく私の口から声が滑り出す。
なんとなく、ここで別れたら二度と会えない気がした。
「ん…いいよ。じゃぁさ、とりあえずCD屋さん行こっか?」
理玖が微笑みを浮かべた。
強迫観念は続いている。
私と理玖は繁華街に向けて歩いていった。
CDショップやらゲームセンターやら古着屋やらを巡り、結局私達はチェーン店の喫茶店の喫煙席の一角に落ち着いた。
今は八時半。空は黒く塗りつぶされ、それとは対照的な地上の光が眩しい。星はあまり見えないが、この空へ溶け出すような光が私はとても好きだ。
三時間ちょっと一緒にいて、理玖についての意外な事をいくつか知った。
まず、音楽の趣味が明らかに変だった。
CDショップに着くと、何を買おうか迷う私に真っ先に薦めたのがピンク・フロイド(正直、一発で解った私の趣味も相当に変だ。)
…しかもザ・ウォール。年齢不相応かつ人格不相応だった。
優等生の理玖がアナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(二部のあのうわずった声が良いらしい。)を聴く姿を想像すると、奇妙を通り越して滑稽だった。
二つ目は選ぶのが極端に苦手という事。
私が理玖に何か買ってあげるよ、と言うとそのまま十分強CDを手にも取らずに棚の前でキョロキョロと見渡す始末だった。(その後に行った古着屋でも同じ事をしていた。)
三つ目はさっき聞いた、一番意外な事――私と理玖の進学先が同じだというのだ。
443 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:54:18 ID:PFTUQhhn
私は学校の成績は普通の生徒だったが、何となく行きたいと思っていた(制服が可愛かったのだ。)結構レベルの高い学校を当たって砕けろで受験し、見事に合格したのだ。
私と反対の意味で学力不相応な理玖に受験した理由を聞いてみると、
「えっ?理由は…あそこの制服可愛かったから。」
照れ隠しに笑いながら言う理玖。
思わず私は声を出して笑ってしまった。
まさか優等生が私と同じ理由、しかも少しふざけた理由――制服の可愛さで学校を決めていたなんて。
「何?…もしかして、馬鹿にしてるっ!?」
少し声を荒げて理玖が言う。
「いやぁ…実は私も…制服の可愛さに惹かれてあそこの学校受けたのよ。コレが。」
私は笑いを抑えて言う。
理玖はポカンと目を丸くしたかと思うと、次の瞬間クスクスと笑いだした。
「あははっ…同じっ!…でも、あそこの制服ホント可愛いよね。」
「可愛いわね…あのチェックのスカートがいいよね。」
「そうそう!あと指定のコートも…早く着たいなぁ。」
冬どころか入学もまだしてないのに、目を輝かせてそう言う理玖はあまりにも女の子らしくて私はまた笑ってしまった。
444 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:56:03 ID:PFTUQhhn
それがつい五分前。
私は目の前の三分の一ほど飲み干したバニラ・ラテに視界を戻し、ゆっくりと啜った。
少しまだ熱い。
隣の椅子にはCDと古着が座っている。(理玖に買ってあげたものは彼女の隣の椅子の上だ。)
――理玖の方を見やる。綺麗な二重の目、深い黒の瞳、縁なしの眼鏡が良く似合っている。
日本人にしては高めの鼻。肩甲骨の辺りまで伸ばした絹糸の様なストレートの碧の黒髪を気にしながら、たっぷりとクリームを入れたアメリカンコーヒーを飲んでいる。
首筋に浮かぶ直線。そして何よりカップを掴む白く、細い手が酷く目に入った。
(凄い綺麗ね……)
私もある程度は自分の容姿に自信があったが…これは格が違う。
「ん?…どしたの?手に何かついてる?」
「あ、いや、何でもないのよ。」
『―あなたが綺麗で見蕩れていたのよ』なんて、浮ついた言葉を言える訳でも無く、赤面し答える。
「…変なの。」
首を傾げそうな感じでそう言うと、また理玖はコーヒーカップと睨めっこをし始めた。
445 名前:松堂 千秋と月島 理玖の世界(1) :04/10/01 17:56:56 ID:PFTUQhhn
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「またね。」
「またね~。学校でよろしく。」
夜の九時。そう言って私と理玖は反対方向の家路についた。また会えたらいいと本当に思った。
私は帰り道で理玖の姿を思い浮かべる。あの夕方にすれ違った瞬間に私をかっさらっていった彼女の姿を。
あの時、私は何にあそこまで惹かれたのか?…容姿?…性格?……趣味?………あの吸い込まれる様に白い手?どれも違う気がする。
(まぁ、これからはいつでも会えるんだしゆっくり考えよう…)
いずれにしろ私を惹きつけた事は確かだ。そう思うと、足取りが自然と早くなる。
昼間の「行為」は、昔の私はもうすっぱり忘れるとしよう。
そう思いながら鼻歌混じりに家に向かったのだった。
446 名前:417 :04/10/01 18:01:54 ID:PFTUQhhn
先に謝っておきます。…すいませんでした。
前置きみたいなものなので、エロ薄いしだめぽ。
そして後2話先までストックしてます。
誤字脱字、ツッコミ歓迎。
それでは。 (´・ω・`)ノシ
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