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Pervasioner Prologue-2
367 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:40 ID:vdc5/Tjd
Prologue-2
「……うう、ん」
その余りの悪臭と、蒸し暑さに私は目を覚ました。
「…痛っ」
体中の至るところで、鞭打ちのような痛みを感じた。
それでも肘を立てて、掌を突いて、横向きに倒れた体を起き上がらせる。だが、
――ねちゃあ。と、掌で何かが糸を引く感触がした。
「きゃ…!? ちょ、何よこれ…っ」
運良く手離さなかったペンライトで地面を照らす。茶色の、まるで菌糸のような何かが、
びっしりと敷き詰められていた。
それに触れていた、顔を含む体の右半分が、自慢のポニーテールが、
にちにちと音を立てて糸を引く。
やだっ、もう気持ち悪いっ。何なのよっ。
無事だった手で、糸を引く顔を拭い、臭いを嗅ぐ。
青臭く酸っぱい匂いがする。これが悪臭の正体らしかった。
ってそんな事はどうでも良いの! 香奈枝は!? 真鍋は!?
「香奈枝! 眞鍋! どこ!? 返事しなさいよ!」
ペンライトで地面を照らし、二人を探す。
――いた。私から数歩と離れていない所に二人固まって倒れている。
暗闇と地面の汚物で足を取られながら、両手と膝を突いて這うように二人の元へと向かった。
「香奈枝! 香奈枝! 眞鍋も! 起きなさいよ!」
香奈枝を揺さぶり、眞鍋には張り手を食らわす。
「……かずみちゃん…?」
「…うおっ、いてえっ、いてえって!」
すぐに二人は目を覚ます。その様子を見て、なんだかすごく安心してしまった。
「良かった……本当に」
と思った矢先だった。
びちゃり、と背筋に得体の知れない粘液が滴り落ちる感触。
「きゃっ!?」
368 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:41 ID:vdc5/Tjd
「あ?」「和美ちゃん?」
二人が未だにどこか呆けた表情で私を見る。
もう! 足を踏み外してわけの分からない所に落ちるわ、
変な液が滴ってくるわ一体何なのよ!
っていうかここ何処なのよ!? 私達帰れるの!?
「もうっ、いやだ!」
泣きたくなってくる。
こんな、臭くて、暗くて、じめじめしている所には、一秒だって居たくなかった。
「おい柴田落ち着けって」
「和美ちゃん…? 取り敢えず、ペンライトの電気が切れない内に、
この辺り調べよう? ひょっとしたら出られるかもしれないし」
香奈枝がネバネバで汚れていない方の手で、まるで子供をあやすように
私の背中に手を回してくれる。情けなくて恥ずかしい事に、それで私は
安心してしまった。
「……ごめん。そうだよね。元はといえば私のせいでこうなったんだし、
私が責任、取らないとね」
そうだ、私がしっかりしないと。この大切な友達を護るためにも。
「……そうだ」
私達ってどのくらいの高さから落ちたんだろう。
怪我も大した事はないし、地上までの距離自体はそんなに無いかもしれない。
ひょっとしたら、落ちてきた所から這い上がれるかも。
そんな希望を抱きながらペンライトで頭上を照らす。
何かの菌糸が覆う天井、そこに、
得体の知れない何かが張り付いていた。
「ひ…っ」
『……っ』
三人同時に息を呑む。
369 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:42 ID:vdc5/Tjd
ペンライトに照らされた『それ』は、猛禽類のような縦長の瞳孔を更に細め、
私達を見据えた。
逃げるなんてとんでもない。悲鳴を上げるひますらも無く『それ』は天井から離れ、
眞鍋の至近に着地した。
「きゃああああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
香奈枝が絹を切り裂くような悲鳴を上げる。
「冗談だろ?」
眞鍋は正面に対峙した『それ』を呆然と見つめた。
全体的に節くれだったように凹凸の多いその体は、ゴキブリみたいに真っ黒く、
光沢がある。頭は前後に長く伸び、流線型のラインを描いていた。手足には、
人間なんて簡単に肉の塊に変える事が出来そうな巨大な鍵爪が生えている。
……何、こいつ? この、アメリカ合衆国独立記念日のSF映画や、シリーズものの
SFホラーなんかに出てくる『エイリアンにしか見えない』何かは?
そいつは、暗闇の中で煌々と光る目で真鍋を睨むと、先に行くにつれ、細長くなっていく
爬虫類のような尻尾(でも節くれだっていて、ごつごつしている)をくねらせると、
尻尾の生え際よりもやや上にある、赤子の頭大の瘤のようなものを、開いた。
肉の割り開く音と同時に、そこから粘液まみれの触手が溢れ出した。
「ひっ!? た、たすけてくれっ、柴田っ、桜井!」
触手は背を向けた眞鍋に絡みつき全身を拘束する。
「柴田っ! 柴田あ!! 助けてくれよぉ!!」
目の前で、真鍋が助けを求めている。
私は、何も考えられなかった。
エイリアンもどきが拘束している眞鍋を力づくで目前へと引き寄せる。
「桜井! 桜井! 二人とも助け――が!?」
ぶしゅ。泥に棒を突き立てるような音が響いた。
「え?」
真鍋が呆然と自分の胸元を見つめる。
370 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:43 ID:vdc5/Tjd
彼の左の胸、丁度心臓がある所に、安物のシャツの上から、
エイリアンの口から伸びた触手が突き刺さっていた。
その触手が、まるでポンプのように動く。
「がっ…げ…っ…うぇ…っ…!」
真鍋の体が痙攣すると、その肌から見る見るうちに血色が失われていく。
……血を、吸っている?
やがて真鍋の体は、寝たきりの老患者のようにやつれ、げっそりと頬がこけ、
まるでミイラのようになった。
真鍋の胸に突き刺さった触手が、湿った音を響かせながら抜ける。
真鍋の血を撒き散らして。
そして興味を失ったように彼の体を、絡めた触手で投げ飛ばした。
どっ、と音を立てながら菌糸の海に落下し、それきり動かなくなった。
「いやああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!! 真鍋君!? 真鍋君!!」
狂ったような香奈枝の叫びをBGMに、私はただ呆然と真鍋だった物を見る。
嘘? 真鍋が、死んだ? 水筒で頭を叩いても、スタンガンを押し付けても、
顔面を蹴られても、平気な顔をしているあの真鍋が?
こいつはゴキブリ並みの生命力だ。地球が滅んでもこいつだけは絶対に生き残る、
っていつも思っていたあの真鍋が? こんなにあっさり……死ぬの?
そして、眞鍋の次は、
――化け物が私を睨みつけた。
私の番だ。
触手が私に向かって溢れ出した。
「あ…っ」
逃げる? そんな思考は無い。
触手はあっという間に私の体に絡みつくと、どこにそんな筋肉が付いているのか
がんじがらめにした私を宙へ浮かし、本体へと、化け物の元へと引き寄せる。
ペンライトが菌糸の海に落ち、私と、対面するエイリアンを照らした。
「和美ちゃん!」
目の前に、真鍋を殺した化け物の顔がある。
前後に肥大した頭部。大きく裂けた口。黄金色をした猛禽類のような目。
371 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:44 ID:vdc5/Tjd
「あ……っ、いやっ、やだあ……っ」
真鍋を殺された怒り――間違ってもそんなものは湧き上がる事は無い。
本能で分かる。人間が、ただの小娘が敵う相手では無いと、
そして、この化け物の前では、私はただの食料に過ぎないと。
化け物は目を細め、私を見定めるように眺めている。
唐突にその口を開けた。
「ひっ!?」
舌が突き出された瞬間、恐怖の余り体が硬直し、私は失禁してしまった。
だが、真鍋を刺したそれは、私を貫く事は無かった。
じょおおっ、と尿がショーツに当たる音が響き、
やがて気付く、化け物が小水に染みる股間を凝視している事に。
突き出された舌が、粘液をたっぷりと滴らせながら、ジーンズ越しに私の股間を舐め上げた。
ぶしゅうっ。
「…っ!」
私は息を呑む。
ジーンズが『溶けていた』。
エイリアンの体液は、物体を溶解させる。
そんな設定があった事を、思い出した。
「いやあっ!! 助けてっ! 助けてぇ!!」
体を溶かされて死ぬ。そんな無残な死に方を想像し、私はパニックを起こす。
体を無茶苦茶に動かして――
「ひいっ!?」
狙いのそれた舌が私の顔を『ゾロリ』と舐め上げた。
だが、溶けない。まるで熱冷ましの冷液シートの中身を直に塗りつけられるような
感触がしただけだった。
……え、あ? どうなって?
エイリアンは私のささやかな抵抗なんて気にもせずに、ひたすら股間を舐め上げてくる。
瘤を生やし、尖る先端に穴が開いた舌で、ゾロリ、ゾロリと舐め上げられる度に、
ジーンズの生地が溶け、気化していく。同時に、恐慌状態の脳に、
『股を舐められる』という卑猥な感触が、徐々に明確に、鮮明に伝えられていく。
372 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:45 ID:vdc5/Tjd
すぐにジーンズが溶解し、おしっこを吸ってびちゃびちゃになった、水色と白の縞模様の
ショーツが露になる。
「や、駄目!」
確かに血を吸われなかった。体を溶かされなかった。
だけどそんな事は、女にとっては救いにならない。
死ぬという恐怖から、女が最も大事にしている所を化け物に舐められる、
という恐怖に取って代わる。
すぐにショーツの上から、舌が押し付けられた。
じゅうっ、という不吉な音と一緒に、最後の砦が破られる。
「いやあああっ! …っ!?」
性器を直に舐められ、私は背筋を震わせた。その感触は気持ち良くもなんともない。
ただ、おぞましい。
やだっ、気持ち悪い!
闇の中で、私の性器が醜悪な形の舌に舐め上げられる光景が、ペンライトに照らされる。
「だめ! 止めて! 止めなさ…んぐ!?」
化け物の背中から溢れた触手が二本、黙らせるように私の口へ潜り込んだ。
「んんっ! うむう――っ!!」
気持ち悪い! 臭い! もういやぁ!!
口内をびちびちと動き回り、粘膜を嘗め回す触手の動きがあまりにもおぞましく、
息苦しさに鼻から取り入れた空気は化け物の粘液が放つ悪臭で、吐きそうなほど臭い。
服を着ているのに一番見られたくない部分は丸出しになり、
そこを薄気味悪い舌がひたすら舐め上げる。
私の心の中は、恐怖ではなく、羞恥でもなく――屈辱で満たされていた。
だが、
「んん! んん! ……んむうっ!?」
舌の感触が――冷たさと、おぞましさを持つ、気味の悪い感触に、
別の感覚が混じる。
冷たい粘液が触れる肉の土手が、急に熱くなる。
…う、うそっ?
ぞろり。
373 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:46 ID:vdc5/Tjd
「んんっ!?」
一舐めされる度に、
ぞろり。
「んむっ!?」
股間が熱くなる。
ぞろり。
「んぅっ!?」
肉ビラが、快楽を訴える。
……わ、私っ、こんな化け物にアソコを舐められてっ、感じてる!?
ぞろり、ぞろり。
「ん!? んん――っ!!」
自分にだって性には関心がある。週に一度はオナニーだってしていた。
ぞろり、ぞろり、ぞろり。
「うんっ! んっ! んぅっ!」
だけど、こんなに気持ち良くは無かった!
舌が生み出す刺激に、膣が、子宮がきゅん、ってなって、はしたない液を
搾り出しているのが自分でも分かる。
それをエイリアンは、啜るように舐め上げる。
ぞろり、ぞろりと。
……やだっ、気持ち良い! アソコ、じんじん痺れる!
化け物にされてるのに! 真鍋を殺した、化け物に舐められてるのに!
そこで、ふと気付いた。
自分の、この現実では有り得ない痴態を、自分の命の次に大切な大親友に見られている事に。
香奈枝と目が合った。
……見ないで! 見ないでぇ!
「んっ! うむっ! んんんんっ!!」
でも香奈枝は、恐怖に染まった顔で私を見つめながら、凍りついたようにその場から動かない。
私も、自分を抑えるどころか、触手に塞がれた口から出る呻き声は、
どんどん色っぽく、いやらしくなっていく。
374 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:47 ID:vdc5/Tjd
股間からはびちゃりびちゃりと、ぐちょぐちょになった私のそこを嘗め回して、
水っぽい、いやらしい音が鳴っている。
やがて。
綻び、剥き出しになった肉の土手のすぐ真上、
最も敏感な肉の豆の包皮を、舌に生えた無数の瘤が捲り上げた。
「んんんんン―――っっ!!?」
むき出しになったクリトリスを瘤がゴツゴツって当たった瞬間。
快楽で目の前が真っ白に染まった。
びくんびくんっ、って体が痙攣する。いや、痙攣してるのは四肢だけじゃない。
子宮がいやらしい汁を搾るために痙攣するのと一緒に、意識がトンでしまいそうな
快楽が溢れ出してくる。
プシュ、ってはしたない音を立てながら、私は始めて潮を吹いて、
それと、垂れ流れる本気汁を化け物は舌の先端を広げて、音を立てて吸った。
「んんンっ!!」
立て続けに爆発した快楽に思わず口の中の触手を噛み締めると、
口内で暴れまわっていたそれが膨れ上がり、汚臭の原液みたいな物を吐き出した。
ブビュルッ、ブビュルッ、って。
頭の中で星が散っていた私は、もうわけが分からなくなって、それを飲み込んでしまう。
飲み切れない分は口と触手の間から溢れ出して、顎を伝って、胸元へと垂れ落ちる。
じゅるり、と口から触手が抜ける。未だに汚液を吐き続けていた触手は、私の顔、
胸元、着ていたキャミソールとカーディガンを満遍なく汚し、服だけを溶かしていく。
その、まるで、精液まみれにされたAV女優みたいな自分の姿を呆然と見つめ、
やがて自覚した。
……あ? わ、わたし、イっちゃった? 化け物にアソコを舐められて、
気持ちよくてイっちゃった!
「う、ううう…っ!」
その、屈辱と、自分の浅ましさに、嗚咽を漏らす。
375 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:49 ID:vdc5/Tjd
だけど、悲劇はまだ終わらない。
化け物は私の恥ずかしい汁を飲み終えると、今度は私の体に舌を這わせた。
「やンっ!?」
これ以上、されるのは嫌なのに、何故か甘い声が出てしまう。
化け物はそんな私の反応に満足したように目を細めると、執拗に、
でも、どこかいたわるように――いやきっと気のせいだ。
この化け物は嫌がる私の反応を見て楽しんでいるんだ!
「っ! っ!」
ならせめて声は出すまいと必死に歯を食いしばる。
だが、ぶっかけられた白い汚液を引き伸ばすように触手と舌が蠢き、
決して自慢出来ないプロポーションが露になると、我慢すら出来なくなる。
「っ! っ! んっ!?」
うなじに。脇に。耳たぶに。乳首に。
舌が唾液の痕を残す度に、甘い官能がその火を燻る。
幸いな事に、どれだけ体は化け物の愛撫を感じても、
肌を這いずるその物体は気色悪く、そしてその吐くほど臭い事には変わりなかった。
また、まただ! 私! こんな化け物に感じさせられて!
ペンライトに照らされた肢体が、化け物の汚液で照り返り、
快楽と羞恥でほんのりと朱に染まり、淫靡さを醸し出す。
服は原型を留めてなくて、もう裸同然だった。
そして、それを未だに震える香奈枝に見られて、
……そうだ!
「香奈枝!」
私は最後の力を振り絞るように声を出す。
眞鍋は助けられなかった。でも香奈枝は、絶対に助けるんだ!
「っ!?」
香奈枝と私の目が合う。
「今の内に逃げて!」
「…え!?」
376 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:50 ID:vdc5/Tjd
化け物が私に気をとられている今がチャンスだった。
それにこれ以上、香奈枝に私の恥ずかしいところを見られたくない!
だけどその前に、化け物が動いた。
溶け余った服を触手で剥ぎ取ると、長い尻尾を股を通して私へと向けた。
その意味不明な行動に、私は一瞬息を呑んだが、恐怖を振り払って叫んだ。
「ペンライトを持って逃げてぇ!」
「和美ちゃん…っ、でもっ」
意図を汲み取った香奈枝が抗議の声を上げる。
同時に化け物の尻尾が、穴が開いたその先端が、私の『そこ』にあてがわれた。
今度こそ、私は言葉を失った。
……まさか? 冗談、よね? そんな、そんな事って……
化け物に冗談もへったくれもない。
尻尾の先端が、ゆっくりと、私の膣へと潜り込んだ。
Prologue-2
「……うう、ん」
その余りの悪臭と、蒸し暑さに私は目を覚ました。
「…痛っ」
体中の至るところで、鞭打ちのような痛みを感じた。
それでも肘を立てて、掌を突いて、横向きに倒れた体を起き上がらせる。だが、
――ねちゃあ。と、掌で何かが糸を引く感触がした。
「きゃ…!? ちょ、何よこれ…っ」
運良く手離さなかったペンライトで地面を照らす。茶色の、まるで菌糸のような何かが、
びっしりと敷き詰められていた。
それに触れていた、顔を含む体の右半分が、自慢のポニーテールが、
にちにちと音を立てて糸を引く。
やだっ、もう気持ち悪いっ。何なのよっ。
無事だった手で、糸を引く顔を拭い、臭いを嗅ぐ。
青臭く酸っぱい匂いがする。これが悪臭の正体らしかった。
ってそんな事はどうでも良いの! 香奈枝は!? 真鍋は!?
「香奈枝! 眞鍋! どこ!? 返事しなさいよ!」
ペンライトで地面を照らし、二人を探す。
――いた。私から数歩と離れていない所に二人固まって倒れている。
暗闇と地面の汚物で足を取られながら、両手と膝を突いて這うように二人の元へと向かった。
「香奈枝! 香奈枝! 眞鍋も! 起きなさいよ!」
香奈枝を揺さぶり、眞鍋には張り手を食らわす。
「……かずみちゃん…?」
「…うおっ、いてえっ、いてえって!」
すぐに二人は目を覚ます。その様子を見て、なんだかすごく安心してしまった。
「良かった……本当に」
と思った矢先だった。
びちゃり、と背筋に得体の知れない粘液が滴り落ちる感触。
「きゃっ!?」
368 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:41 ID:vdc5/Tjd
「あ?」「和美ちゃん?」
二人が未だにどこか呆けた表情で私を見る。
もう! 足を踏み外してわけの分からない所に落ちるわ、
変な液が滴ってくるわ一体何なのよ!
っていうかここ何処なのよ!? 私達帰れるの!?
「もうっ、いやだ!」
泣きたくなってくる。
こんな、臭くて、暗くて、じめじめしている所には、一秒だって居たくなかった。
「おい柴田落ち着けって」
「和美ちゃん…? 取り敢えず、ペンライトの電気が切れない内に、
この辺り調べよう? ひょっとしたら出られるかもしれないし」
香奈枝がネバネバで汚れていない方の手で、まるで子供をあやすように
私の背中に手を回してくれる。情けなくて恥ずかしい事に、それで私は
安心してしまった。
「……ごめん。そうだよね。元はといえば私のせいでこうなったんだし、
私が責任、取らないとね」
そうだ、私がしっかりしないと。この大切な友達を護るためにも。
「……そうだ」
私達ってどのくらいの高さから落ちたんだろう。
怪我も大した事はないし、地上までの距離自体はそんなに無いかもしれない。
ひょっとしたら、落ちてきた所から這い上がれるかも。
そんな希望を抱きながらペンライトで頭上を照らす。
何かの菌糸が覆う天井、そこに、
得体の知れない何かが張り付いていた。
「ひ…っ」
『……っ』
三人同時に息を呑む。
369 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:42 ID:vdc5/Tjd
ペンライトに照らされた『それ』は、猛禽類のような縦長の瞳孔を更に細め、
私達を見据えた。
逃げるなんてとんでもない。悲鳴を上げるひますらも無く『それ』は天井から離れ、
眞鍋の至近に着地した。
「きゃああああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
香奈枝が絹を切り裂くような悲鳴を上げる。
「冗談だろ?」
眞鍋は正面に対峙した『それ』を呆然と見つめた。
全体的に節くれだったように凹凸の多いその体は、ゴキブリみたいに真っ黒く、
光沢がある。頭は前後に長く伸び、流線型のラインを描いていた。手足には、
人間なんて簡単に肉の塊に変える事が出来そうな巨大な鍵爪が生えている。
……何、こいつ? この、アメリカ合衆国独立記念日のSF映画や、シリーズものの
SFホラーなんかに出てくる『エイリアンにしか見えない』何かは?
そいつは、暗闇の中で煌々と光る目で真鍋を睨むと、先に行くにつれ、細長くなっていく
爬虫類のような尻尾(でも節くれだっていて、ごつごつしている)をくねらせると、
尻尾の生え際よりもやや上にある、赤子の頭大の瘤のようなものを、開いた。
肉の割り開く音と同時に、そこから粘液まみれの触手が溢れ出した。
「ひっ!? た、たすけてくれっ、柴田っ、桜井!」
触手は背を向けた眞鍋に絡みつき全身を拘束する。
「柴田っ! 柴田あ!! 助けてくれよぉ!!」
目の前で、真鍋が助けを求めている。
私は、何も考えられなかった。
エイリアンもどきが拘束している眞鍋を力づくで目前へと引き寄せる。
「桜井! 桜井! 二人とも助け――が!?」
ぶしゅ。泥に棒を突き立てるような音が響いた。
「え?」
真鍋が呆然と自分の胸元を見つめる。
370 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:43 ID:vdc5/Tjd
彼の左の胸、丁度心臓がある所に、安物のシャツの上から、
エイリアンの口から伸びた触手が突き刺さっていた。
その触手が、まるでポンプのように動く。
「がっ…げ…っ…うぇ…っ…!」
真鍋の体が痙攣すると、その肌から見る見るうちに血色が失われていく。
……血を、吸っている?
やがて真鍋の体は、寝たきりの老患者のようにやつれ、げっそりと頬がこけ、
まるでミイラのようになった。
真鍋の胸に突き刺さった触手が、湿った音を響かせながら抜ける。
真鍋の血を撒き散らして。
そして興味を失ったように彼の体を、絡めた触手で投げ飛ばした。
どっ、と音を立てながら菌糸の海に落下し、それきり動かなくなった。
「いやああああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!! 真鍋君!? 真鍋君!!」
狂ったような香奈枝の叫びをBGMに、私はただ呆然と真鍋だった物を見る。
嘘? 真鍋が、死んだ? 水筒で頭を叩いても、スタンガンを押し付けても、
顔面を蹴られても、平気な顔をしているあの真鍋が?
こいつはゴキブリ並みの生命力だ。地球が滅んでもこいつだけは絶対に生き残る、
っていつも思っていたあの真鍋が? こんなにあっさり……死ぬの?
そして、眞鍋の次は、
――化け物が私を睨みつけた。
私の番だ。
触手が私に向かって溢れ出した。
「あ…っ」
逃げる? そんな思考は無い。
触手はあっという間に私の体に絡みつくと、どこにそんな筋肉が付いているのか
がんじがらめにした私を宙へ浮かし、本体へと、化け物の元へと引き寄せる。
ペンライトが菌糸の海に落ち、私と、対面するエイリアンを照らした。
「和美ちゃん!」
目の前に、真鍋を殺した化け物の顔がある。
前後に肥大した頭部。大きく裂けた口。黄金色をした猛禽類のような目。
371 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:44 ID:vdc5/Tjd
「あ……っ、いやっ、やだあ……っ」
真鍋を殺された怒り――間違ってもそんなものは湧き上がる事は無い。
本能で分かる。人間が、ただの小娘が敵う相手では無いと、
そして、この化け物の前では、私はただの食料に過ぎないと。
化け物は目を細め、私を見定めるように眺めている。
唐突にその口を開けた。
「ひっ!?」
舌が突き出された瞬間、恐怖の余り体が硬直し、私は失禁してしまった。
だが、真鍋を刺したそれは、私を貫く事は無かった。
じょおおっ、と尿がショーツに当たる音が響き、
やがて気付く、化け物が小水に染みる股間を凝視している事に。
突き出された舌が、粘液をたっぷりと滴らせながら、ジーンズ越しに私の股間を舐め上げた。
ぶしゅうっ。
「…っ!」
私は息を呑む。
ジーンズが『溶けていた』。
エイリアンの体液は、物体を溶解させる。
そんな設定があった事を、思い出した。
「いやあっ!! 助けてっ! 助けてぇ!!」
体を溶かされて死ぬ。そんな無残な死に方を想像し、私はパニックを起こす。
体を無茶苦茶に動かして――
「ひいっ!?」
狙いのそれた舌が私の顔を『ゾロリ』と舐め上げた。
だが、溶けない。まるで熱冷ましの冷液シートの中身を直に塗りつけられるような
感触がしただけだった。
……え、あ? どうなって?
エイリアンは私のささやかな抵抗なんて気にもせずに、ひたすら股間を舐め上げてくる。
瘤を生やし、尖る先端に穴が開いた舌で、ゾロリ、ゾロリと舐め上げられる度に、
ジーンズの生地が溶け、気化していく。同時に、恐慌状態の脳に、
『股を舐められる』という卑猥な感触が、徐々に明確に、鮮明に伝えられていく。
372 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:45 ID:vdc5/Tjd
すぐにジーンズが溶解し、おしっこを吸ってびちゃびちゃになった、水色と白の縞模様の
ショーツが露になる。
「や、駄目!」
確かに血を吸われなかった。体を溶かされなかった。
だけどそんな事は、女にとっては救いにならない。
死ぬという恐怖から、女が最も大事にしている所を化け物に舐められる、
という恐怖に取って代わる。
すぐにショーツの上から、舌が押し付けられた。
じゅうっ、という不吉な音と一緒に、最後の砦が破られる。
「いやあああっ! …っ!?」
性器を直に舐められ、私は背筋を震わせた。その感触は気持ち良くもなんともない。
ただ、おぞましい。
やだっ、気持ち悪い!
闇の中で、私の性器が醜悪な形の舌に舐め上げられる光景が、ペンライトに照らされる。
「だめ! 止めて! 止めなさ…んぐ!?」
化け物の背中から溢れた触手が二本、黙らせるように私の口へ潜り込んだ。
「んんっ! うむう――っ!!」
気持ち悪い! 臭い! もういやぁ!!
口内をびちびちと動き回り、粘膜を嘗め回す触手の動きがあまりにもおぞましく、
息苦しさに鼻から取り入れた空気は化け物の粘液が放つ悪臭で、吐きそうなほど臭い。
服を着ているのに一番見られたくない部分は丸出しになり、
そこを薄気味悪い舌がひたすら舐め上げる。
私の心の中は、恐怖ではなく、羞恥でもなく――屈辱で満たされていた。
だが、
「んん! んん! ……んむうっ!?」
舌の感触が――冷たさと、おぞましさを持つ、気味の悪い感触に、
別の感覚が混じる。
冷たい粘液が触れる肉の土手が、急に熱くなる。
…う、うそっ?
ぞろり。
373 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:46 ID:vdc5/Tjd
「んんっ!?」
一舐めされる度に、
ぞろり。
「んむっ!?」
股間が熱くなる。
ぞろり。
「んぅっ!?」
肉ビラが、快楽を訴える。
……わ、私っ、こんな化け物にアソコを舐められてっ、感じてる!?
ぞろり、ぞろり。
「ん!? んん――っ!!」
自分にだって性には関心がある。週に一度はオナニーだってしていた。
ぞろり、ぞろり、ぞろり。
「うんっ! んっ! んぅっ!」
だけど、こんなに気持ち良くは無かった!
舌が生み出す刺激に、膣が、子宮がきゅん、ってなって、はしたない液を
搾り出しているのが自分でも分かる。
それをエイリアンは、啜るように舐め上げる。
ぞろり、ぞろりと。
……やだっ、気持ち良い! アソコ、じんじん痺れる!
化け物にされてるのに! 真鍋を殺した、化け物に舐められてるのに!
そこで、ふと気付いた。
自分の、この現実では有り得ない痴態を、自分の命の次に大切な大親友に見られている事に。
香奈枝と目が合った。
……見ないで! 見ないでぇ!
「んっ! うむっ! んんんんっ!!」
でも香奈枝は、恐怖に染まった顔で私を見つめながら、凍りついたようにその場から動かない。
私も、自分を抑えるどころか、触手に塞がれた口から出る呻き声は、
どんどん色っぽく、いやらしくなっていく。
374 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:47 ID:vdc5/Tjd
股間からはびちゃりびちゃりと、ぐちょぐちょになった私のそこを嘗め回して、
水っぽい、いやらしい音が鳴っている。
やがて。
綻び、剥き出しになった肉の土手のすぐ真上、
最も敏感な肉の豆の包皮を、舌に生えた無数の瘤が捲り上げた。
「んんんんン―――っっ!!?」
むき出しになったクリトリスを瘤がゴツゴツって当たった瞬間。
快楽で目の前が真っ白に染まった。
びくんびくんっ、って体が痙攣する。いや、痙攣してるのは四肢だけじゃない。
子宮がいやらしい汁を搾るために痙攣するのと一緒に、意識がトンでしまいそうな
快楽が溢れ出してくる。
プシュ、ってはしたない音を立てながら、私は始めて潮を吹いて、
それと、垂れ流れる本気汁を化け物は舌の先端を広げて、音を立てて吸った。
「んんンっ!!」
立て続けに爆発した快楽に思わず口の中の触手を噛み締めると、
口内で暴れまわっていたそれが膨れ上がり、汚臭の原液みたいな物を吐き出した。
ブビュルッ、ブビュルッ、って。
頭の中で星が散っていた私は、もうわけが分からなくなって、それを飲み込んでしまう。
飲み切れない分は口と触手の間から溢れ出して、顎を伝って、胸元へと垂れ落ちる。
じゅるり、と口から触手が抜ける。未だに汚液を吐き続けていた触手は、私の顔、
胸元、着ていたキャミソールとカーディガンを満遍なく汚し、服だけを溶かしていく。
その、まるで、精液まみれにされたAV女優みたいな自分の姿を呆然と見つめ、
やがて自覚した。
……あ? わ、わたし、イっちゃった? 化け物にアソコを舐められて、
気持ちよくてイっちゃった!
「う、ううう…っ!」
その、屈辱と、自分の浅ましさに、嗚咽を漏らす。
375 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:49 ID:vdc5/Tjd
だけど、悲劇はまだ終わらない。
化け物は私の恥ずかしい汁を飲み終えると、今度は私の体に舌を這わせた。
「やンっ!?」
これ以上、されるのは嫌なのに、何故か甘い声が出てしまう。
化け物はそんな私の反応に満足したように目を細めると、執拗に、
でも、どこかいたわるように――いやきっと気のせいだ。
この化け物は嫌がる私の反応を見て楽しんでいるんだ!
「っ! っ!」
ならせめて声は出すまいと必死に歯を食いしばる。
だが、ぶっかけられた白い汚液を引き伸ばすように触手と舌が蠢き、
決して自慢出来ないプロポーションが露になると、我慢すら出来なくなる。
「っ! っ! んっ!?」
うなじに。脇に。耳たぶに。乳首に。
舌が唾液の痕を残す度に、甘い官能がその火を燻る。
幸いな事に、どれだけ体は化け物の愛撫を感じても、
肌を這いずるその物体は気色悪く、そしてその吐くほど臭い事には変わりなかった。
また、まただ! 私! こんな化け物に感じさせられて!
ペンライトに照らされた肢体が、化け物の汚液で照り返り、
快楽と羞恥でほんのりと朱に染まり、淫靡さを醸し出す。
服は原型を留めてなくて、もう裸同然だった。
そして、それを未だに震える香奈枝に見られて、
……そうだ!
「香奈枝!」
私は最後の力を振り絞るように声を出す。
眞鍋は助けられなかった。でも香奈枝は、絶対に助けるんだ!
「っ!?」
香奈枝と私の目が合う。
「今の内に逃げて!」
「…え!?」
376 名前:乙×風【Pervasioner】 :04/09/09 09:50 ID:vdc5/Tjd
化け物が私に気をとられている今がチャンスだった。
それにこれ以上、香奈枝に私の恥ずかしいところを見られたくない!
だけどその前に、化け物が動いた。
溶け余った服を触手で剥ぎ取ると、長い尻尾を股を通して私へと向けた。
その意味不明な行動に、私は一瞬息を呑んだが、恐怖を振り払って叫んだ。
「ペンライトを持って逃げてぇ!」
「和美ちゃん…っ、でもっ」
意図を汲み取った香奈枝が抗議の声を上げる。
同時に化け物の尻尾が、穴が開いたその先端が、私の『そこ』にあてがわれた。
今度こそ、私は言葉を失った。
……まさか? 冗談、よね? そんな、そんな事って……
化け物に冗談もへったくれもない。
尻尾の先端が、ゆっくりと、私の膣へと潜り込んだ。
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