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Code:MF(4スレ目分)
579 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:23:18 ID:LhVKrUbj
『サムス=アラン、応答せよ』
スペースシップ内に男性の声が響く。
私はシップのCPUに同化していた右手をずるりと引き抜き、通信機のスイッチを入れる。
「こちらサムス。現在ステーションに向かい航行中だ」
『任務の完遂報告を受けていない。入港の可否はそれからだ』
ふむ、とサムスは首をかしげる。
SA-Xと同化した後、あのB.S.Lに残っていたXをすべて取り込み、B.S.Lは爆破したはず。
そのことはエネルギー反応となってステーションも認知できているはずだが・・・。
「B.S.L.は爆破したはずだ。中に巣くっていたXもろもとだ。それは感知していると思うが?」
『確かに感知はしているが、まだ君からの正式な報告は受けていない』
言われてみればそうか。
今の私は「元」雇われのエージェント。
B.S.L.の調査とXの全滅が目標だった。
そう、「だった」のである。
今の私はX。
私の分身、SA-Xの快楽に魅入られた破滅への死者。
私は唇を三日月のように歪め、こう返事をした。
「では今から詳細な報告データを送信する。入港の可否はそれで判断ということで良いか?」
『了解した。早急に送信するように。データの不備などが発見された場合、入港は許可できない』
「了解だ」
私は再びCPUへ右手を差し込み、記憶装置のデータを脳内で処理していく。
CPUの計算能力、そしてXと同化した私の思考さえあれば報告書の偽造など朝飯前。
これから始まる狂演を想像し、左手で秘所をまさぐりながら私はデータを改竄し始めた。
580 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:33:14 ID:LhVKrUbj
「お姉ちゃんが入港できない?」
「そうらしい。何でも、まだ報告データを受け取ってないとか・・・」
あの親切なエージェントさんが、私に教えてくれていた。
「そうなんですか」
「一応、今の彼女は連邦軍の指揮下にある。だから、上への報告は怠れない訳なんだ。
最悪、入港を許可されないかもしれない」
「・・・」
「彼女は私にとって、兄の仇を取ってくれた存在だ。いつも彼女には敬意を払い、そして協力してきた。
今回のB.S.L.の作戦についても同じだった。彼女からの連絡を受け取り、それを分析して技術班に回すことで
彼女にとって扱いやすい装備を開発する手助けをしたんだ」
驚いた。
この人がそこまでしていたなんて・・・。
連邦軍のエージェントはたくさんいるみたいだけど、この人みたいな人はそう多くないだろうな・・・。
「もちろん彼女の意見も聞いた。そして私は連邦が彼女に最高の便宜をはかれるように働いていたんだ」
「だけど、今回の入港については・・・」
「そう。きっと私が彼女に肩入れしていると思った連中が勝手にやったことだろう」
「そうですか・・・」
「私にもっと力があれば・・・、本当にすまない」
「いえ、そんなことないです。精一杯やったんだから、気にすることないです」
私はこのエージェントの人を信頼しつつあった。
この話を聞いて、ますます。
「だが、きっと問題なく入港は許可されるはずだ。少しサムスと会えるのが遅くなるだけさ」
「はい」
そう、元気づけてくれた。
581 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:40:51 ID:LhVKrUbj
それから待つこと30分。
やっとお姉ちゃんの入港が許可されたみたい。
私はドックに急いだ。
「ルナ君かね?」
「え? は、はい・・・」
軍服を着たおじさんが話しかけてきた。
「私はこのステーションを統括する指揮官、ディズリー=リガース大佐だ」
「え、あ、あの」
「そうあわてなくても良い。力を抜きたまえ」
大佐さんがそう言った。
大佐ってえらいのかなー・・・?
「彼女・・・、サムスの入港が許可された。君には少々すまないことをしてしまったかな」
「えと、お姉ちゃんが報告書をっていう話ですか?」
「うむ。私は彼女を信頼しているからね、報告なんぞ後で構わなかったのだが・・・
どうやら彼女を良く思わない連中が根回しして今回の騒動になったらしい」
「そうなんですか・・・」
ディズリー大佐が通信係の軍人さんをにらむ。
とたんにその人達は、通信機器の画面に向き直ってしまった。
「まぁ、今回の騒動を起こした連中は厳しく罰することにしよう。君にもサムスにも
申し訳ないことをしてしまったからね」
「そ、そんな」
私はちょっとあわてた。
自分のために軍人さんを罰するなんて・・・
「いいのだよ。軍人というのは命令を遂行するのが本来のスタイル。命令ではないことを
勝手に行ってしまっては、軍の規律にも影響するものなのだよ」
「は、はぁ・・・」
582 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:47:27 ID:LhVKrUbj
「まぁ、それはそれで良しとして・・・。まだ彼女の入港シークエンスには時間がかかる。
待合い室にでも行って少し時間をつぶすと良い」
「はい」
大佐さんはお姉ちゃんを本当に信頼してるみたい。
そうでなきゃ、こんなちょっとしたことで罰するなんてしないと思うもん。
私はドック近くの待合室に移動した。
部屋にはいると、そこにはあのエージェントの人。
「大佐に会ってきたのかな?」
「はい」
ふむ、と黒スーツ黒サングラスのエージェントの人がつぶやいた。
「大佐は人情熱いからねぇ。それを傷つけたりバカにしたりすると、ひどいことになる」
「?」
私には意味が分からなかった。
「大佐はサムスを心から信頼しているんだ。惑星ゼーベスの一件以来ね」
「そうなんですか」
エージェントの人は立ち上がり、壁にあるジュースサーバーで飲み物を取る。
「彼女・・・、サムスはたいした存在だ。元々は賞金稼ぎなんだがね」
私に飲み物を渡してくれる。
「しかし、賞金稼ぎであっても彼女は多くの人を救っている。惑星ゼーベスの一件だってそうさ。
彼女がメトロイドを絶滅させなければ、きっと多くの罪のない人々が命を落としていたはずだ」
「・・・、スペースパイレーツのせいですか」
「そうだ」
スペースパイレーツは宇宙海賊。
ずっと悪行を働いている宇宙人の集団なんだって。
583 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/08/13(土) 20:49:30 ID:LhVKrUbj
ちょっと短いけど、ここまで。
時間あったら後で続き書けるかも。
大佐さんは、いわゆる「いい人」という設定ですw
初老の、多くの経験を積んだ優秀な指揮官で。
しかしながら、その熱い人情のせいで今回Xに寄生されたサムスに(ry
というわけでして。
そろそろみんなが待っているシーンに入れると思われます。
898 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:40:58 ID:ewIm5hSm
ちと今日はなかなか進まない・・・
どこまで書けるかわかりませんが、よろしく。
899 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:41:43 ID:ewIm5hSm
人間型の生物よりも強力な力で、物によっては炎をはいたり色々らしい。
「あいつ・・・、あのリドリーもスペースパイレーツだ」
「!」
エージェントの人は両手をあわせ、握りしめる。
「それもかなり上の方の幹部だったらしいが・・・、まぁ昔の話だな」
この人と話してると、今まで知らなかったことがどんどん出てくる。
「しかし、多くの人々がそういった宇宙海賊や犯罪者と戦っているんだ。
サムスは恐らく・・・、その中でも飛び抜けた実力なんだろう」
「あの・・・」
私は気になって、聞いてみることにした。
「うん?」
「お姉ちゃんはどうしてパワードスーツを持ってるんですか?」
「ふむ・・・、いい質問だ。しかし私もあまり詳しくは聞いてないんだが・・・」
でもこの人、話してくれた。
お姉ちゃん・・・、サムス=アランは小さい頃、惑星ゼーベスで生活していたらしい。
そこには鳥人と呼ばれる種族がいて、サムスは彼らに育てられていたとか。
ある日サムスは宇宙へ旅立つ。賞金稼ぎになるために。
その時、鳥人はサムスにパワードスーツを託したらしい。
そしてゼロミッション・・・、惑星ゼーベスがスペースパイレーツの根城となった後の
ミッションで、幼い頃に鳥人に連れてきてもらった遺跡で・・・。
あの、伝説のパワードスーツを手に入れた。
そういうことらしい。
「・・・」
「あくまで噂だ。しかしこの噂が一番信頼性が高い」
これ、噂じゃなくて真実な気がするけど・・・。
「そうなんですか・・・」
私は普通に答えた。
900 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:49:26 ID:ewIm5hSm
「さて」
エージェントの人は立ち上がる。
「長話をしてしまった。もう彼女も入港してる頃だろう。ドッグに行ってみるといい」
「はい」
私はドッグに向かった。
ドッグではちょうど、サムスがスペースシップから降りてくるところだった。
そして近くにディズリー大佐の姿。
「いやサムス君、部下が君に迷惑をかけてしまったね。申し訳ない」
入港前のいざこざの事を謝っているようだった。
「そんなことはない。きちんと報告データを送信しなかった私にも責はある」
オレンジ色のパワードスーツから声が聞こえる。
お姉ちゃんだ。
「ともあれ、無事に任務を完遂できたようで安心した。ルナ君も待っているはずだ」
「あぁ・・・、ルナには大分心配をかけたみたいだ。すぐに行ってやらないと・・・?」
そこでお姉ちゃんは、ドッグ入り口にただずむ私に気づいたみたいだった。
「それもそうだな。シップの整備は私らに任せてくれたまえ」
「よろしく頼む」
会話を切り上げ、お姉ちゃんがこっちに歩いてきた。
大佐さんは整備班を招集して、何か指示を出してるみたい。
「待たせたな、ルナ」
「お姉ちゃん・・・、お帰り」
私はお姉ちゃんのパワードスーツに抱きつく。
「ん・・・、やっぱりごつごつしてるなぁ・・・」
「それはそうさ。敵の攻撃から身を守るためだ」
901 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:56:37 ID:ewIm5hSm
「あ、あのね・・・」
最初は話そうか迷ったけど、話すことにした。
「ん・・・、まぁ部屋に行こうか」
「あ、う、うん」
私たちはあてがわれている部屋に移動した。
「で、何か重要な話みたいだが?」
お姉ちゃんは、こういう時にいつも鋭い。
私の表情で全部読み取れているらしいんだ。
「うん・・・」
「少し待て」
そう言うと、お姉ちゃんは部屋の外に顔を出す。
引っ込めたかと思うと、今度は目のバイザーから青白い光を出してあたりを見回す。
「ふむ・・・、特に盗聴装置の類は無さそうだな」
X-RAY SCOPEって言って、壁の向こうとか隠されているものが見えるらしい。
私は使ったことないから、よくわかんないけど。
「話していいぞ」
「うん・・・」
少し間をおく。
決意したとは言え、やっぱり言いにくいことは言いにくいものだ。
「私の特殊能力は知ってる?」
「知っている。それが原因でルナは拉致・監禁されていたのだからな」
予想した答えだった。
「未来予知・・・、実はね。お姉ちゃんがB.L.S.に出発するころに・・・」
「うむ」
言う・・・、言ってしまう。大丈夫だろうか。
「嫌なイメージが見えたんだ」
「嫌なイメージ? それは・・・、何か悪い事が起きる、ということか?」
頷く私。
902 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:05:19 ID:ewIm5hSm
「あの、B.L.S.にいたのはXっていう変な生き物・・・なんでしょ?」
「そうだ。Xは他の生物に寄生して、その身体をコピーしたりする」
ここまでは予想通りの答え。
でも・・・、この先は・・・
「実はね。その・・・、嫌なイメージっていうのは・・・」
お姉ちゃんは頷く。
「お姉ちゃんがXに寄生されて・・・、身体を奪われちゃうっていう物だったんだ」
「・・・」
深刻な顔になるお姉ちゃん。
パワードスーツのバイザー部分は狭いけど、もう慣れた。
お姉ちゃんは立ち上がると、パワードスーツを脱いだ。
まぁ脱ぐと言っても・・・、一瞬光るだけ。
もう水色のインナースーツだけになっていた。
「それは・・・」
口を開くお姉ちゃん。
「SR388への調査に行った時ではなくて?」
「違う」
SR388は、確かお姉ちゃんが初めてXに出会った惑星。
そこでXがお姉ちゃんに寄生した・・・らしい。
でも、私が見た――見てしまったイメージは、その時ではない。
B.S.L.に向けて出発するかしないかという時期だ。
「B.S.L.に行くか行かないかの頃よ」
「・・・」
お姉ちゃんは黙る。
「ねぇ、正直に言って。お願い」
私はお姉ちゃんに抱きつく。
「お姉ちゃんはお姉ちゃん、だよね・・・?」
903 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:12:56 ID:ewIm5hSm
ピクリと身体を動かすお姉ちゃん。
「Xに乗っ取られちゃった、なんてこと・・・無いよね?」
「・・・・・・」
私は、部屋の空気がだんだんと重くなってきているのを感じた。
まさか・・・
「!」
お姉ちゃんは私の両肩をつかみ、身体を引き離した。
「私の身体は・・・、初めてXに寄生された後の治療で、Xを吸収できる身体」
「うん・・・」
そう、これは事実。
メトロイドのワクチンを使ったおかげで、Xを体内から取り除けた。
そして同時にXを吸収できる体質になったらしい。
「だからXを吸収はできるけれど・・・、流石に乗っ取られることは無いはず・・・だ」
この時、お姉ちゃんは険しい表情をしていた。
でも私にはその理由が分からなかった。
「だが・・・」
「?」
「今の私は、こういうことができる」
真っ暗な宇宙空間が見える窓に近づくと、私のほうを振り返って右手を差し出す。
天井に掌を向けて・・・。
「な、何・・・?」
掌が少しぼやけて見える。
いや、何かが・・・。
何かが掌でうごめいている。
「これは・・・何?」
「Xだ」
「!!?」
私は後ずさる。
905 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:22:01 ID:ewIm5hSm
その、掌で蠢いている謎の物は・・・。
やがて掌から離れ、お姉ちゃんの掌の上数センチの所でふよふよと浮いている。
「え、ちょ、ちょっと・・・!」
そのピンク色のゲルは、特に私に襲いかかってくる様子も無い。
ただ、無害にふよふよと浮遊しているだけ・・・。
「話を聞いてくれ。ルナ。これは一大事なんだ」
さらに表情が険しくなるお姉ちゃん。
まさか・・・、何かに耐えている・・・?
「確かにXを吸収する能力を得た。だが、Xは・・・、奴らの方が一枚上手だった。
軍からの支援データで私が強化されていることを知り、奴らは・・・」
お姉ちゃんが膝をつく。
よほど辛いらしい。
「奴らは、パワードスーツに異常なデータを流した。Xが、再び私に寄生できるように」
「!」
それは衝撃だった。
メディカルチームが「二度と寄生されないはずだ」と太鼓判を押したというのに・・・
「そして、私の分身であるSA-Xが私に寄生してしまった。
私の知らない快楽という弱点をついて、な。」
「そんな! じゃ、じゃあお姉ちゃんは・・・」
「あわてるな。落ち着け」
息を荒げながら、辛うじてそう言い放つ。
「今は、一時的にならSA-Xを抑えていられる。だがあくまで一時的だ。
すぐに私の抑制を押しのけ、SA-Xが・・・、私を乗っ取るだろう」
ゆっくりとドアの方に後ずさる私。
きっと、お姉ちゃんは・・・逃げろと言う。
未来予知能力が私の脳裏に写したイメージだった。
906 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:29:49 ID:ewIm5hSm
「私は快楽とやらに屈してしまった。SA-Xは私の脳を含め、全身に融合してしまったんだ。
もう打つ手はない。このままでは私はXの尖兵となり、多くの生命を殺し、そして乗っ取ることだろう。
現に今の私は・・・、こうしてXを生み出せる」
ゆっくり、ゆっくりと後ずさりながら・・・。
私はお姉ちゃんの言葉をしっかりと頭に刻む。
「今なら間に合う。逃げるんだ。そして大佐に言え。ステーションを核ミサイルで破壊せよ、と!」
「で、でもそのXは私に襲ってこないよ!?」
事実、お姉ちゃんが生み出したピンクのXは、本当に浮遊しているだけで動かない。
「そこで動くな、と私が指示しているからだ。は、はやく・・・いけ。もうすぐ・・・、
私が私でなくなってしまう・・・!」
肩で息をするお姉ちゃん。
本当に・・・、もう助からない・・・!?
「これを持って行け!」
一つのディスクを私に投げてよこした。
「そ、それに、私からの、メッセージが・・・入って、いる。い、生きろ・・・!
そして・・・、いいか、もし・・・ミサイル、で、私を殺せなかった、ら・・・」
嫌だ。
聞きたくない。
言わないで。
私は叫びたかった。
「ル、ナ・・・、お、お前が・・・殺せ・・・!」
「!!!!!!!!!!!!!」
私は我慢できなくなり、部屋を出ると全速力で大佐さんの所に走った。
横開き式の自動ドアが開くと、そこには大佐さんの姿。
「お姉ちゃんが! Xに・・・、乗っ取られました!」
「何を・・・! 彼女はB.S.L.の任務を完遂して・・・」
「脱出用のシャトルに乗って! 核ミサイルでこのステーションを破壊してください!」
私は大あわてだった。
907 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:36:43 ID:ewIm5hSm
「馬鹿な! 突然そんなことを言われて信じられると思うか!?」
「嘘だと思うなら、これを見て下さい!」
私はお姉ちゃんに託されたディスクを大佐さんに渡した。
大佐さんはそれをコンピュータにつっこむと、なにやらキーボードをカタカタいじくる。
「映像か。出るぞ」
スクリーンに映し出される映像。
それは確かに、お姉ちゃんの姿だった。
「大佐、すまない。B.S.L.の任務、実は失敗に終わっている。成功の報告書は私の中に潜む
Xが偽造し、そして送信したものだ。ルナに聞いているかもしれないが、今の私はXそのものだ。
SA-Xに身体を乗っ取られている。B.S.L.を爆破こそしたが、それはSA-Xによる罠だ。
もう一度言う。Xはまだ存在する。そして、それこそが私だ。だが、まだ間に合う。
私が暴走する前に、ステーションごと私を始末するんだ。それしか方法は無い。
頼む。私を信頼しているならば、聞き届けて欲しい。私からの・・・、最初で最後の願いだ」
「・・・・・・!」
「・・・・・・!」
目を見張る私と大佐さん。
まさか、こんな映像を用意していたなんて・・・。
大佐さんは突然立ち上がり、壁にある放送装置を手に取る。
「全乗務員に告ぐ! 緊急事態だ! 直ちに脱出用シャトルに乗り込み、ステーションを離れろ!
ステーションにXが侵入している! いいか、ゲル状の物体を発見しても決して近づくな!!!」
「た、大佐・・・さん・・・」
「ルナ君! 君も早く行きたまえ! サムスは何らかのメッセージを君に残しているんだろう!?」
「は、は・・・い・・・」
「それがどんな辛いものでも、君は守らなければならない。さぁ行くんだ!」
908 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:45:55 ID:ewIm5hSm
「・・・!!」
私はドアに向かう。
「た、大佐さんは!?」
「私は・・・」
大佐さんは真っ暗な宇宙が見える窓に歩み寄る。
「私はいい」
「そんな・・・」
「古来からのしきたりでな。艦長というのは・・・、その船と運命を共にするものなのさ」
「でも、生きていれば・・・」
「確かに皆そう言う。だがな。私にとってこのステーションは・・・、子供のようなものなのだよ」
「え・・・」
「建設開始の頃から、私はこのステーションの責任者になる予定であった。
時折軍の船でこの宙域に来ては、その建設の様子を視察したものだ・・・。
そのころから、私はこのステーションが自らの子のように思えてなぁ・・・」
「・・・」
大佐さんの話は、時間があまり無いという事実があるのに・・・。
何故か私をその場に止まらせる力を持っていた。
「完成し、私にはこのステーションの名をつける権限を与えられた。
名前はつけたが・・・、誰にも教えていない。何故かわかるかね?」
「いえ・・・」
「かつてサムス・・・、彼女は私の命を救ってくれたことがある。
ステーション完成前、とある宙域の海賊討伐にかり出されてな。そこで彼女と出会った。
私は軍人――それも現場の兵士ではないから、戦闘技術についてはダメなのだよ。
そんな私が戦場に出て・・・、生きて帰れると思うかね? 答えは否だろう。
私は両足に致命傷を負い、捕虜として捕らえられたさ。いつ殺されるかわからない。
そんな恐怖の中・・・、彼女が私を助けてくれたのだよ」
「・・・」
聞き入っていた私。
まだ大丈夫だろうか・・・、お姉ちゃん・・・。
909 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:52:46 ID:ewIm5hSm
「君はその恩人の愛娘のようなものだ。いいだろう、君が最初で最後の・・・、
このステーションの真の名を知る人物としよう。心にとどめておいてくれ」
「・・・はい」
何故か、返事をせずにはいられなかった。
「このステーションの真の名は・・・」
うつむいて話していた大佐さんが、私に向き直り、そして私の目を直視した。
「私の恩人の名だ。そう・・・、アランと名付けた」
その時、私はこの大佐さんとお姉ちゃんの過去を・・・、垣間見た気がした。
30秒ほど・・・、大佐さんと私は互いの目を見つめ合った。
意図的か、はたまた偶然なのか・・・。
しかし互いに視線をそらすことはできなかった。
「・・・」
「・・・確かに聞き届けました。大佐さん、絶対に忘れません」
辛うじてそう口にできた。
そして・・・、再び大佐さんが口を開く。
「行け」
短く、だがはっきりとそう言った。
私は深く頷き、大佐さんの個室を後にした。
「う・・・あ・・・」
サムスは自室で苦しんでいた。
彼女の中で、SA-Xが彼女を侵略しているのだ。
「ぐぅ・・・、まだ、だ! 私自身を始末するまで・・・、わたせ、ないぞ・・・!」
『くく・・・、さっさと楽になれば良いのに・・・』
頭の中で自分の声が響く。
SA-Xだ。
910 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:03:12 ID:ewIm5hSm
「そうは、さ、せるか・・・」
自らの頭を床にたたきつける。
激痛と衝撃が脳髄を打つが、しかしその声は消えない。
『クスクス・・・、無駄よ。あなたの身体はXで構成されているもの。裂傷も打撲もしないわ』
「ぬ・・・あ・・・」
事実、いくら強く頭を打ちつけても額が割れない。
それどころか、頭骸骨にすらダメージが与えられない。
もっとも、既に彼女の頭には頭蓋骨など存在しないのだが。
『ふふ、最後の望みをルナに託したようだけど・・・、それも無駄。
第一、核ミサイルが発射されてここに到着するまでどれくらい時間がかかると思ってるの?』
「な・・・に・・・!?」
優秀な科学者の脳すら手に入れているSA-Xは、勝ち誇った声でそう告げる。
『知りたい? いいわよぉ? 絶望するわよぉ?』
「い、言え・・・! ぐぐ・・・」
サムスもSA-Xに乗っ取られまいと、懸命に抵抗する。
『いいわ。このステーションから一番近い軍基地に核弾頭があったとしても・・・。1日かかるわ』
「う!? な、・・・い・・・ちに・・・ちだと・・・?」
予想以上の必要時間に、サムスは衝撃を受ける。
『そう。けれど、1日というのは一番近い基地の場合。だから正確には1日以上ね』
「く・・・ぅ・・・」
それを聞いて、サムスは絶望した。
1日も持ちこたえられない・・・
『さぁ、わかったら早く身体をあけわたしなさい? 私があなたを乗っ取れば、あなたには最高の快楽をあげる』
「か・・・い、らく・・・など・・・!」
911 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:14:28 ID:ewIm5hSm
『いらない、と? そうかしらねぇ・・・。B.S.L.で、あなたは散々悶え狂っていたじゃない』
「ぐ・・・!」
SA-Xは彼女の身体を蝕むどころか、こうして言葉による誘惑でサムスを堕とそうとする。
『ねぇ、諦めなさい? ミサイルも間に合わないし、ましてや1日も抵抗できないでしょう?』
「・・・!」
その言葉が、とても甘美な物に感じてきた。
「う・・・ぅ・・・」
『ほら・・・、楽になりたくなってきた・・・』
「そ、んな・・・こと・・・!」
『無い? 本当に? 私はあなた。あなたは私。あなたのことを誰よりも知っているのよ?
素直になりなさい。私に身体をあけわたし、一杯娘を生むの。気持ちいいわよぉ・・・?』
それまで耐えるためにしていた息づかいだったが、「気持ちいい」「快楽」という単語を
SA-Xにささやかれるたびに、それは確実に変化していった。
『ほら・・・』
頭の中でその声がすると、サムスの右手が秘所に向かう。
「な・・・に・・・!」
『アハハハハハ、右手は私がもらったわ! もう自由にできないはずよ!』
そして手の先が秘所に触れる。
「ふぐ・・・あああ・・・・・・!」
己の中に巣くう生物と戦うことは、それ自体が感覚を鋭敏にすることを意味する。
ただ触れただけの右手が、非情に愛らしく感じてしまう。
「くあ・・・、ど、うして・・・!」
『自分を保つために全身の感覚を高めているんでしょ? 当然じゃない。快楽だって・・・』
「ひゃあああ!」
人差し指がそこに入り、軽く出入りする。
『当然強くなるわ。さぁ・・・、もう少し深く入れて・・・』
声と同時に指が入っていく。
「う・・・ああぁ・・・ん・・・」
913 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:19:22 ID:ewIm5hSm
『中指も入れて、と・・・』
ずぶずぶ、と音が出そうな勢いで侵入していく中指。
「あぁあああ! やめて・・・、やめてぇええええ!」
もはや戦士としての台詞ではなかった。
そこにいるのは、一人の女。
『二本入れて・・・、こうしたら・・・どう?』
入った二本の指先が、交互に上下し始める。
そう・・・、カリカリ・・・と。
「あぁああ・・・んうぅ・・・、いい・・・よぉ・・・」
『あら? 今なんて言ったの?』
いびるSA-X。
「ぐ、何・・・も・・・!」
その声に立ち直るサムス。
『かわいいわね・・・。自分の分身なのに』
「く・・・、どっちが・・・分身だと・・・!」
『しゃべる余裕あるのね? なら無くしてあげる』
さっきよりも速く、激しく蠢く二本の指。
「あああああぁぁぁあ・・・」
『たまらない? たまらないでしょ?』
「はぁ、はぁ、いい・・・」
『私たちは多くの生物に寄生して乗っ取ってきたわ。だから様々な生物の性感帯がわかるの』
息も絶え絶えのサムス。
「せ、説明・・・いいから・・・、シテ・・・」
『シテ? シテ欲しいの? あんなに嫌がっていたでしょう・・・?』
「う・・・あ・・・、ダメぇ・・・」
快楽と理性の間に揺れるサムス。
914 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:23:19 ID:ewIm5hSm
ここまで書いて少し不安になった。
いま493kb?
500kb超えたら書き込めなくなるんでしたっけ。
ちょっとQKしつつ・・・、どうしよう・・・w
『サムス=アラン、応答せよ』
スペースシップ内に男性の声が響く。
私はシップのCPUに同化していた右手をずるりと引き抜き、通信機のスイッチを入れる。
「こちらサムス。現在ステーションに向かい航行中だ」
『任務の完遂報告を受けていない。入港の可否はそれからだ』
ふむ、とサムスは首をかしげる。
SA-Xと同化した後、あのB.S.Lに残っていたXをすべて取り込み、B.S.Lは爆破したはず。
そのことはエネルギー反応となってステーションも認知できているはずだが・・・。
「B.S.L.は爆破したはずだ。中に巣くっていたXもろもとだ。それは感知していると思うが?」
『確かに感知はしているが、まだ君からの正式な報告は受けていない』
言われてみればそうか。
今の私は「元」雇われのエージェント。
B.S.L.の調査とXの全滅が目標だった。
そう、「だった」のである。
今の私はX。
私の分身、SA-Xの快楽に魅入られた破滅への死者。
私は唇を三日月のように歪め、こう返事をした。
「では今から詳細な報告データを送信する。入港の可否はそれで判断ということで良いか?」
『了解した。早急に送信するように。データの不備などが発見された場合、入港は許可できない』
「了解だ」
私は再びCPUへ右手を差し込み、記憶装置のデータを脳内で処理していく。
CPUの計算能力、そしてXと同化した私の思考さえあれば報告書の偽造など朝飯前。
これから始まる狂演を想像し、左手で秘所をまさぐりながら私はデータを改竄し始めた。
580 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:33:14 ID:LhVKrUbj
「お姉ちゃんが入港できない?」
「そうらしい。何でも、まだ報告データを受け取ってないとか・・・」
あの親切なエージェントさんが、私に教えてくれていた。
「そうなんですか」
「一応、今の彼女は連邦軍の指揮下にある。だから、上への報告は怠れない訳なんだ。
最悪、入港を許可されないかもしれない」
「・・・」
「彼女は私にとって、兄の仇を取ってくれた存在だ。いつも彼女には敬意を払い、そして協力してきた。
今回のB.S.L.の作戦についても同じだった。彼女からの連絡を受け取り、それを分析して技術班に回すことで
彼女にとって扱いやすい装備を開発する手助けをしたんだ」
驚いた。
この人がそこまでしていたなんて・・・。
連邦軍のエージェントはたくさんいるみたいだけど、この人みたいな人はそう多くないだろうな・・・。
「もちろん彼女の意見も聞いた。そして私は連邦が彼女に最高の便宜をはかれるように働いていたんだ」
「だけど、今回の入港については・・・」
「そう。きっと私が彼女に肩入れしていると思った連中が勝手にやったことだろう」
「そうですか・・・」
「私にもっと力があれば・・・、本当にすまない」
「いえ、そんなことないです。精一杯やったんだから、気にすることないです」
私はこのエージェントの人を信頼しつつあった。
この話を聞いて、ますます。
「だが、きっと問題なく入港は許可されるはずだ。少しサムスと会えるのが遅くなるだけさ」
「はい」
そう、元気づけてくれた。
581 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:40:51 ID:LhVKrUbj
それから待つこと30分。
やっとお姉ちゃんの入港が許可されたみたい。
私はドックに急いだ。
「ルナ君かね?」
「え? は、はい・・・」
軍服を着たおじさんが話しかけてきた。
「私はこのステーションを統括する指揮官、ディズリー=リガース大佐だ」
「え、あ、あの」
「そうあわてなくても良い。力を抜きたまえ」
大佐さんがそう言った。
大佐ってえらいのかなー・・・?
「彼女・・・、サムスの入港が許可された。君には少々すまないことをしてしまったかな」
「えと、お姉ちゃんが報告書をっていう話ですか?」
「うむ。私は彼女を信頼しているからね、報告なんぞ後で構わなかったのだが・・・
どうやら彼女を良く思わない連中が根回しして今回の騒動になったらしい」
「そうなんですか・・・」
ディズリー大佐が通信係の軍人さんをにらむ。
とたんにその人達は、通信機器の画面に向き直ってしまった。
「まぁ、今回の騒動を起こした連中は厳しく罰することにしよう。君にもサムスにも
申し訳ないことをしてしまったからね」
「そ、そんな」
私はちょっとあわてた。
自分のために軍人さんを罰するなんて・・・
「いいのだよ。軍人というのは命令を遂行するのが本来のスタイル。命令ではないことを
勝手に行ってしまっては、軍の規律にも影響するものなのだよ」
「は、はぁ・・・」
582 名前:FBX ◆vYQrjnXt5Q :2005/08/13(土) 20:47:27 ID:LhVKrUbj
「まぁ、それはそれで良しとして・・・。まだ彼女の入港シークエンスには時間がかかる。
待合い室にでも行って少し時間をつぶすと良い」
「はい」
大佐さんはお姉ちゃんを本当に信頼してるみたい。
そうでなきゃ、こんなちょっとしたことで罰するなんてしないと思うもん。
私はドック近くの待合室に移動した。
部屋にはいると、そこにはあのエージェントの人。
「大佐に会ってきたのかな?」
「はい」
ふむ、と黒スーツ黒サングラスのエージェントの人がつぶやいた。
「大佐は人情熱いからねぇ。それを傷つけたりバカにしたりすると、ひどいことになる」
「?」
私には意味が分からなかった。
「大佐はサムスを心から信頼しているんだ。惑星ゼーベスの一件以来ね」
「そうなんですか」
エージェントの人は立ち上がり、壁にあるジュースサーバーで飲み物を取る。
「彼女・・・、サムスはたいした存在だ。元々は賞金稼ぎなんだがね」
私に飲み物を渡してくれる。
「しかし、賞金稼ぎであっても彼女は多くの人を救っている。惑星ゼーベスの一件だってそうさ。
彼女がメトロイドを絶滅させなければ、きっと多くの罪のない人々が命を落としていたはずだ」
「・・・、スペースパイレーツのせいですか」
「そうだ」
スペースパイレーツは宇宙海賊。
ずっと悪行を働いている宇宙人の集団なんだって。
583 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/08/13(土) 20:49:30 ID:LhVKrUbj
ちょっと短いけど、ここまで。
時間あったら後で続き書けるかも。
大佐さんは、いわゆる「いい人」という設定ですw
初老の、多くの経験を積んだ優秀な指揮官で。
しかしながら、その熱い人情のせいで今回Xに寄生されたサムスに(ry
というわけでして。
そろそろみんなが待っているシーンに入れると思われます。
898 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:40:58 ID:ewIm5hSm
ちと今日はなかなか進まない・・・
どこまで書けるかわかりませんが、よろしく。
899 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:41:43 ID:ewIm5hSm
人間型の生物よりも強力な力で、物によっては炎をはいたり色々らしい。
「あいつ・・・、あのリドリーもスペースパイレーツだ」
「!」
エージェントの人は両手をあわせ、握りしめる。
「それもかなり上の方の幹部だったらしいが・・・、まぁ昔の話だな」
この人と話してると、今まで知らなかったことがどんどん出てくる。
「しかし、多くの人々がそういった宇宙海賊や犯罪者と戦っているんだ。
サムスは恐らく・・・、その中でも飛び抜けた実力なんだろう」
「あの・・・」
私は気になって、聞いてみることにした。
「うん?」
「お姉ちゃんはどうしてパワードスーツを持ってるんですか?」
「ふむ・・・、いい質問だ。しかし私もあまり詳しくは聞いてないんだが・・・」
でもこの人、話してくれた。
お姉ちゃん・・・、サムス=アランは小さい頃、惑星ゼーベスで生活していたらしい。
そこには鳥人と呼ばれる種族がいて、サムスは彼らに育てられていたとか。
ある日サムスは宇宙へ旅立つ。賞金稼ぎになるために。
その時、鳥人はサムスにパワードスーツを託したらしい。
そしてゼロミッション・・・、惑星ゼーベスがスペースパイレーツの根城となった後の
ミッションで、幼い頃に鳥人に連れてきてもらった遺跡で・・・。
あの、伝説のパワードスーツを手に入れた。
そういうことらしい。
「・・・」
「あくまで噂だ。しかしこの噂が一番信頼性が高い」
これ、噂じゃなくて真実な気がするけど・・・。
「そうなんですか・・・」
私は普通に答えた。
900 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:49:26 ID:ewIm5hSm
「さて」
エージェントの人は立ち上がる。
「長話をしてしまった。もう彼女も入港してる頃だろう。ドッグに行ってみるといい」
「はい」
私はドッグに向かった。
ドッグではちょうど、サムスがスペースシップから降りてくるところだった。
そして近くにディズリー大佐の姿。
「いやサムス君、部下が君に迷惑をかけてしまったね。申し訳ない」
入港前のいざこざの事を謝っているようだった。
「そんなことはない。きちんと報告データを送信しなかった私にも責はある」
オレンジ色のパワードスーツから声が聞こえる。
お姉ちゃんだ。
「ともあれ、無事に任務を完遂できたようで安心した。ルナ君も待っているはずだ」
「あぁ・・・、ルナには大分心配をかけたみたいだ。すぐに行ってやらないと・・・?」
そこでお姉ちゃんは、ドッグ入り口にただずむ私に気づいたみたいだった。
「それもそうだな。シップの整備は私らに任せてくれたまえ」
「よろしく頼む」
会話を切り上げ、お姉ちゃんがこっちに歩いてきた。
大佐さんは整備班を招集して、何か指示を出してるみたい。
「待たせたな、ルナ」
「お姉ちゃん・・・、お帰り」
私はお姉ちゃんのパワードスーツに抱きつく。
「ん・・・、やっぱりごつごつしてるなぁ・・・」
「それはそうさ。敵の攻撃から身を守るためだ」
901 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 19:56:37 ID:ewIm5hSm
「あ、あのね・・・」
最初は話そうか迷ったけど、話すことにした。
「ん・・・、まぁ部屋に行こうか」
「あ、う、うん」
私たちはあてがわれている部屋に移動した。
「で、何か重要な話みたいだが?」
お姉ちゃんは、こういう時にいつも鋭い。
私の表情で全部読み取れているらしいんだ。
「うん・・・」
「少し待て」
そう言うと、お姉ちゃんは部屋の外に顔を出す。
引っ込めたかと思うと、今度は目のバイザーから青白い光を出してあたりを見回す。
「ふむ・・・、特に盗聴装置の類は無さそうだな」
X-RAY SCOPEって言って、壁の向こうとか隠されているものが見えるらしい。
私は使ったことないから、よくわかんないけど。
「話していいぞ」
「うん・・・」
少し間をおく。
決意したとは言え、やっぱり言いにくいことは言いにくいものだ。
「私の特殊能力は知ってる?」
「知っている。それが原因でルナは拉致・監禁されていたのだからな」
予想した答えだった。
「未来予知・・・、実はね。お姉ちゃんがB.L.S.に出発するころに・・・」
「うむ」
言う・・・、言ってしまう。大丈夫だろうか。
「嫌なイメージが見えたんだ」
「嫌なイメージ? それは・・・、何か悪い事が起きる、ということか?」
頷く私。
902 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:05:19 ID:ewIm5hSm
「あの、B.L.S.にいたのはXっていう変な生き物・・・なんでしょ?」
「そうだ。Xは他の生物に寄生して、その身体をコピーしたりする」
ここまでは予想通りの答え。
でも・・・、この先は・・・
「実はね。その・・・、嫌なイメージっていうのは・・・」
お姉ちゃんは頷く。
「お姉ちゃんがXに寄生されて・・・、身体を奪われちゃうっていう物だったんだ」
「・・・」
深刻な顔になるお姉ちゃん。
パワードスーツのバイザー部分は狭いけど、もう慣れた。
お姉ちゃんは立ち上がると、パワードスーツを脱いだ。
まぁ脱ぐと言っても・・・、一瞬光るだけ。
もう水色のインナースーツだけになっていた。
「それは・・・」
口を開くお姉ちゃん。
「SR388への調査に行った時ではなくて?」
「違う」
SR388は、確かお姉ちゃんが初めてXに出会った惑星。
そこでXがお姉ちゃんに寄生した・・・らしい。
でも、私が見た――見てしまったイメージは、その時ではない。
B.S.L.に向けて出発するかしないかという時期だ。
「B.S.L.に行くか行かないかの頃よ」
「・・・」
お姉ちゃんは黙る。
「ねぇ、正直に言って。お願い」
私はお姉ちゃんに抱きつく。
「お姉ちゃんはお姉ちゃん、だよね・・・?」
903 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:12:56 ID:ewIm5hSm
ピクリと身体を動かすお姉ちゃん。
「Xに乗っ取られちゃった、なんてこと・・・無いよね?」
「・・・・・・」
私は、部屋の空気がだんだんと重くなってきているのを感じた。
まさか・・・
「!」
お姉ちゃんは私の両肩をつかみ、身体を引き離した。
「私の身体は・・・、初めてXに寄生された後の治療で、Xを吸収できる身体」
「うん・・・」
そう、これは事実。
メトロイドのワクチンを使ったおかげで、Xを体内から取り除けた。
そして同時にXを吸収できる体質になったらしい。
「だからXを吸収はできるけれど・・・、流石に乗っ取られることは無いはず・・・だ」
この時、お姉ちゃんは険しい表情をしていた。
でも私にはその理由が分からなかった。
「だが・・・」
「?」
「今の私は、こういうことができる」
真っ暗な宇宙空間が見える窓に近づくと、私のほうを振り返って右手を差し出す。
天井に掌を向けて・・・。
「な、何・・・?」
掌が少しぼやけて見える。
いや、何かが・・・。
何かが掌でうごめいている。
「これは・・・何?」
「Xだ」
「!!?」
私は後ずさる。
905 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:22:01 ID:ewIm5hSm
その、掌で蠢いている謎の物は・・・。
やがて掌から離れ、お姉ちゃんの掌の上数センチの所でふよふよと浮いている。
「え、ちょ、ちょっと・・・!」
そのピンク色のゲルは、特に私に襲いかかってくる様子も無い。
ただ、無害にふよふよと浮遊しているだけ・・・。
「話を聞いてくれ。ルナ。これは一大事なんだ」
さらに表情が険しくなるお姉ちゃん。
まさか・・・、何かに耐えている・・・?
「確かにXを吸収する能力を得た。だが、Xは・・・、奴らの方が一枚上手だった。
軍からの支援データで私が強化されていることを知り、奴らは・・・」
お姉ちゃんが膝をつく。
よほど辛いらしい。
「奴らは、パワードスーツに異常なデータを流した。Xが、再び私に寄生できるように」
「!」
それは衝撃だった。
メディカルチームが「二度と寄生されないはずだ」と太鼓判を押したというのに・・・
「そして、私の分身であるSA-Xが私に寄生してしまった。
私の知らない快楽という弱点をついて、な。」
「そんな! じゃ、じゃあお姉ちゃんは・・・」
「あわてるな。落ち着け」
息を荒げながら、辛うじてそう言い放つ。
「今は、一時的にならSA-Xを抑えていられる。だがあくまで一時的だ。
すぐに私の抑制を押しのけ、SA-Xが・・・、私を乗っ取るだろう」
ゆっくりとドアの方に後ずさる私。
きっと、お姉ちゃんは・・・逃げろと言う。
未来予知能力が私の脳裏に写したイメージだった。
906 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:29:49 ID:ewIm5hSm
「私は快楽とやらに屈してしまった。SA-Xは私の脳を含め、全身に融合してしまったんだ。
もう打つ手はない。このままでは私はXの尖兵となり、多くの生命を殺し、そして乗っ取ることだろう。
現に今の私は・・・、こうしてXを生み出せる」
ゆっくり、ゆっくりと後ずさりながら・・・。
私はお姉ちゃんの言葉をしっかりと頭に刻む。
「今なら間に合う。逃げるんだ。そして大佐に言え。ステーションを核ミサイルで破壊せよ、と!」
「で、でもそのXは私に襲ってこないよ!?」
事実、お姉ちゃんが生み出したピンクのXは、本当に浮遊しているだけで動かない。
「そこで動くな、と私が指示しているからだ。は、はやく・・・いけ。もうすぐ・・・、
私が私でなくなってしまう・・・!」
肩で息をするお姉ちゃん。
本当に・・・、もう助からない・・・!?
「これを持って行け!」
一つのディスクを私に投げてよこした。
「そ、それに、私からの、メッセージが・・・入って、いる。い、生きろ・・・!
そして・・・、いいか、もし・・・ミサイル、で、私を殺せなかった、ら・・・」
嫌だ。
聞きたくない。
言わないで。
私は叫びたかった。
「ル、ナ・・・、お、お前が・・・殺せ・・・!」
「!!!!!!!!!!!!!」
私は我慢できなくなり、部屋を出ると全速力で大佐さんの所に走った。
横開き式の自動ドアが開くと、そこには大佐さんの姿。
「お姉ちゃんが! Xに・・・、乗っ取られました!」
「何を・・・! 彼女はB.S.L.の任務を完遂して・・・」
「脱出用のシャトルに乗って! 核ミサイルでこのステーションを破壊してください!」
私は大あわてだった。
907 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:36:43 ID:ewIm5hSm
「馬鹿な! 突然そんなことを言われて信じられると思うか!?」
「嘘だと思うなら、これを見て下さい!」
私はお姉ちゃんに託されたディスクを大佐さんに渡した。
大佐さんはそれをコンピュータにつっこむと、なにやらキーボードをカタカタいじくる。
「映像か。出るぞ」
スクリーンに映し出される映像。
それは確かに、お姉ちゃんの姿だった。
「大佐、すまない。B.S.L.の任務、実は失敗に終わっている。成功の報告書は私の中に潜む
Xが偽造し、そして送信したものだ。ルナに聞いているかもしれないが、今の私はXそのものだ。
SA-Xに身体を乗っ取られている。B.S.L.を爆破こそしたが、それはSA-Xによる罠だ。
もう一度言う。Xはまだ存在する。そして、それこそが私だ。だが、まだ間に合う。
私が暴走する前に、ステーションごと私を始末するんだ。それしか方法は無い。
頼む。私を信頼しているならば、聞き届けて欲しい。私からの・・・、最初で最後の願いだ」
「・・・・・・!」
「・・・・・・!」
目を見張る私と大佐さん。
まさか、こんな映像を用意していたなんて・・・。
大佐さんは突然立ち上がり、壁にある放送装置を手に取る。
「全乗務員に告ぐ! 緊急事態だ! 直ちに脱出用シャトルに乗り込み、ステーションを離れろ!
ステーションにXが侵入している! いいか、ゲル状の物体を発見しても決して近づくな!!!」
「た、大佐・・・さん・・・」
「ルナ君! 君も早く行きたまえ! サムスは何らかのメッセージを君に残しているんだろう!?」
「は、は・・・い・・・」
「それがどんな辛いものでも、君は守らなければならない。さぁ行くんだ!」
908 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:45:55 ID:ewIm5hSm
「・・・!!」
私はドアに向かう。
「た、大佐さんは!?」
「私は・・・」
大佐さんは真っ暗な宇宙が見える窓に歩み寄る。
「私はいい」
「そんな・・・」
「古来からのしきたりでな。艦長というのは・・・、その船と運命を共にするものなのさ」
「でも、生きていれば・・・」
「確かに皆そう言う。だがな。私にとってこのステーションは・・・、子供のようなものなのだよ」
「え・・・」
「建設開始の頃から、私はこのステーションの責任者になる予定であった。
時折軍の船でこの宙域に来ては、その建設の様子を視察したものだ・・・。
そのころから、私はこのステーションが自らの子のように思えてなぁ・・・」
「・・・」
大佐さんの話は、時間があまり無いという事実があるのに・・・。
何故か私をその場に止まらせる力を持っていた。
「完成し、私にはこのステーションの名をつける権限を与えられた。
名前はつけたが・・・、誰にも教えていない。何故かわかるかね?」
「いえ・・・」
「かつてサムス・・・、彼女は私の命を救ってくれたことがある。
ステーション完成前、とある宙域の海賊討伐にかり出されてな。そこで彼女と出会った。
私は軍人――それも現場の兵士ではないから、戦闘技術についてはダメなのだよ。
そんな私が戦場に出て・・・、生きて帰れると思うかね? 答えは否だろう。
私は両足に致命傷を負い、捕虜として捕らえられたさ。いつ殺されるかわからない。
そんな恐怖の中・・・、彼女が私を助けてくれたのだよ」
「・・・」
聞き入っていた私。
まだ大丈夫だろうか・・・、お姉ちゃん・・・。
909 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 20:52:46 ID:ewIm5hSm
「君はその恩人の愛娘のようなものだ。いいだろう、君が最初で最後の・・・、
このステーションの真の名を知る人物としよう。心にとどめておいてくれ」
「・・・はい」
何故か、返事をせずにはいられなかった。
「このステーションの真の名は・・・」
うつむいて話していた大佐さんが、私に向き直り、そして私の目を直視した。
「私の恩人の名だ。そう・・・、アランと名付けた」
その時、私はこの大佐さんとお姉ちゃんの過去を・・・、垣間見た気がした。
30秒ほど・・・、大佐さんと私は互いの目を見つめ合った。
意図的か、はたまた偶然なのか・・・。
しかし互いに視線をそらすことはできなかった。
「・・・」
「・・・確かに聞き届けました。大佐さん、絶対に忘れません」
辛うじてそう口にできた。
そして・・・、再び大佐さんが口を開く。
「行け」
短く、だがはっきりとそう言った。
私は深く頷き、大佐さんの個室を後にした。
「う・・・あ・・・」
サムスは自室で苦しんでいた。
彼女の中で、SA-Xが彼女を侵略しているのだ。
「ぐぅ・・・、まだ、だ! 私自身を始末するまで・・・、わたせ、ないぞ・・・!」
『くく・・・、さっさと楽になれば良いのに・・・』
頭の中で自分の声が響く。
SA-Xだ。
910 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:03:12 ID:ewIm5hSm
「そうは、さ、せるか・・・」
自らの頭を床にたたきつける。
激痛と衝撃が脳髄を打つが、しかしその声は消えない。
『クスクス・・・、無駄よ。あなたの身体はXで構成されているもの。裂傷も打撲もしないわ』
「ぬ・・・あ・・・」
事実、いくら強く頭を打ちつけても額が割れない。
それどころか、頭骸骨にすらダメージが与えられない。
もっとも、既に彼女の頭には頭蓋骨など存在しないのだが。
『ふふ、最後の望みをルナに託したようだけど・・・、それも無駄。
第一、核ミサイルが発射されてここに到着するまでどれくらい時間がかかると思ってるの?』
「な・・・に・・・!?」
優秀な科学者の脳すら手に入れているSA-Xは、勝ち誇った声でそう告げる。
『知りたい? いいわよぉ? 絶望するわよぉ?』
「い、言え・・・! ぐぐ・・・」
サムスもSA-Xに乗っ取られまいと、懸命に抵抗する。
『いいわ。このステーションから一番近い軍基地に核弾頭があったとしても・・・。1日かかるわ』
「う!? な、・・・い・・・ちに・・・ちだと・・・?」
予想以上の必要時間に、サムスは衝撃を受ける。
『そう。けれど、1日というのは一番近い基地の場合。だから正確には1日以上ね』
「く・・・ぅ・・・」
それを聞いて、サムスは絶望した。
1日も持ちこたえられない・・・
『さぁ、わかったら早く身体をあけわたしなさい? 私があなたを乗っ取れば、あなたには最高の快楽をあげる』
「か・・・い、らく・・・など・・・!」
911 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:14:28 ID:ewIm5hSm
『いらない、と? そうかしらねぇ・・・。B.S.L.で、あなたは散々悶え狂っていたじゃない』
「ぐ・・・!」
SA-Xは彼女の身体を蝕むどころか、こうして言葉による誘惑でサムスを堕とそうとする。
『ねぇ、諦めなさい? ミサイルも間に合わないし、ましてや1日も抵抗できないでしょう?』
「・・・!」
その言葉が、とても甘美な物に感じてきた。
「う・・・ぅ・・・」
『ほら・・・、楽になりたくなってきた・・・』
「そ、んな・・・こと・・・!」
『無い? 本当に? 私はあなた。あなたは私。あなたのことを誰よりも知っているのよ?
素直になりなさい。私に身体をあけわたし、一杯娘を生むの。気持ちいいわよぉ・・・?』
それまで耐えるためにしていた息づかいだったが、「気持ちいい」「快楽」という単語を
SA-Xにささやかれるたびに、それは確実に変化していった。
『ほら・・・』
頭の中でその声がすると、サムスの右手が秘所に向かう。
「な・・・に・・・!」
『アハハハハハ、右手は私がもらったわ! もう自由にできないはずよ!』
そして手の先が秘所に触れる。
「ふぐ・・・あああ・・・・・・!」
己の中に巣くう生物と戦うことは、それ自体が感覚を鋭敏にすることを意味する。
ただ触れただけの右手が、非情に愛らしく感じてしまう。
「くあ・・・、ど、うして・・・!」
『自分を保つために全身の感覚を高めているんでしょ? 当然じゃない。快楽だって・・・』
「ひゃあああ!」
人差し指がそこに入り、軽く出入りする。
『当然強くなるわ。さぁ・・・、もう少し深く入れて・・・』
声と同時に指が入っていく。
「う・・・ああぁ・・・ん・・・」
913 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:19:22 ID:ewIm5hSm
『中指も入れて、と・・・』
ずぶずぶ、と音が出そうな勢いで侵入していく中指。
「あぁあああ! やめて・・・、やめてぇええええ!」
もはや戦士としての台詞ではなかった。
そこにいるのは、一人の女。
『二本入れて・・・、こうしたら・・・どう?』
入った二本の指先が、交互に上下し始める。
そう・・・、カリカリ・・・と。
「あぁああ・・・んうぅ・・・、いい・・・よぉ・・・」
『あら? 今なんて言ったの?』
いびるSA-X。
「ぐ、何・・・も・・・!」
その声に立ち直るサムス。
『かわいいわね・・・。自分の分身なのに』
「く・・・、どっちが・・・分身だと・・・!」
『しゃべる余裕あるのね? なら無くしてあげる』
さっきよりも速く、激しく蠢く二本の指。
「あああああぁぁぁあ・・・」
『たまらない? たまらないでしょ?』
「はぁ、はぁ、いい・・・」
『私たちは多くの生物に寄生して乗っ取ってきたわ。だから様々な生物の性感帯がわかるの』
息も絶え絶えのサムス。
「せ、説明・・・いいから・・・、シテ・・・」
『シテ? シテ欲しいの? あんなに嫌がっていたでしょう・・・?』
「う・・・あ・・・、ダメぇ・・・」
快楽と理性の間に揺れるサムス。
914 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/09/18(日) 21:23:19 ID:ewIm5hSm
ここまで書いて少し不安になった。
いま493kb?
500kb超えたら書き込めなくなるんでしたっけ。
ちょっとQKしつつ・・・、どうしよう・・・w
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