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Code:MF(5スレ目分)
116 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/10/08(土) 23:42:25 ID:y0uY796b
『ふふふ、大分狂ってきたみたいね』
「いやぁ・・・、でも・・・欲しい・・・」
そして、左手が彼女の意志とは無関係に動き出した。
『ほら、あなたが快楽に屈し始めたから左手も私のものになったわ』
「あ・・・ああ・・・」
宙に尽きだされる左手。
サムスはそれを絶望的な表情で見つめることしかできない。
そして、ただ焦る。
このままでは自分は完全にXになってしまう・・・と。
「い、や・・・、助けて・・・」
『はい、なんて言うと思って? せっかくのチャンスなんだもの』
そして彼女の脳裏に、人間が死する時に見るという映像が流れる。
ルナの笑顔、そしてリガース大佐の眼差し。
エージェントの畏怖の目に・・・、死んでいった仲間の顔。
それらすべてが彼女の精神を流れていった。
「あ・・・あ・・・」
サムスは遂に死を覚悟した。
まさかこれほどまでに怖いとは・・・
どんな敵よりも・・・、そう・・・
「こわ・・・い・・・」
口に出していた。
『怖い? そうかしら。私と融合するけれど、意識は残るのよ?』
「もちろんXとしての本能や思考が大半を支配するだろうけどね」
サムスはハッとする。
もはや口をも乗っ取られてしまったようだ。
117 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/10/08(土) 23:48:30 ID:y0uY796b
「う・・・、く・・・」
まだ、時間を稼がなければ。
このステーションが爆破されるまでは・・・
「ふふ、ルナに何を話したのかだって知ってるわ。ステーションを爆破するんでしょ?」
「!」
「核ミサイル・・・、と言っていたかしらね。野蛮な人だこと」
「黙れ!」
一つの口から異なる思考を持つ言葉が発せられるのは、何とも不思議なものだった。
サムスはこんな状況でそれを感じていた。
「ふふふ、手がお留守よ・・・」
そう言うと、サムスは再び両手を艶めかしく動かし始めた。
「あ・・・ふぅ・・・」
「気持ちいいわねぇ・・・」
「な、もう・・・、そんな!」
全ては口にできなかったが、既に神経まで同化されていることを察知したのだろう。
「ここをこうすると・・・」
「ふああ!」
秘所に差し込まれている指先が絶妙な動きでサムスを刺激する。
「ひう・・・あ・・・、も、ダメぇ・・・」
限界が訪れようとしていた。
「こっちだルナ君!」
「!」
あのエージェントの人がいた。
無事だったらしい。
118 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/10/08(土) 23:52:55 ID:y0uY796b
「大佐から全て聞いた」
速い。
これが軍なのか・・・
ルナは正直にそう思った。
「残念だが悲しむのは後だ。大佐と彼女の思いを無駄にするな」
「はい」
「急ごう。サムスはそう持たないんだろ?」
「・・・ええ」
ルナとエージェントは走り始めた。
しばらく行くと、曲がり角。
「そこを右だ」
右折しようとすると・・・
「おっと!」
「!!」
そこには軍服を着た女性がいた。
「すいません・・・」
ルナは謝る。
「テティス君か。話は聞いているか?」
「ええ。大丈夫です」
「ならば君も逃げた方がいい。私とルナ君もこれからドックに行くところだ」
「・・・」
ルナは不思議に思っていた。
エージェントの人は右折すればドックの方向だと言った。
なのに、このテティスっていう人は・・・
そっちから来た。
それって・・・
「わかりました。私もすぐに向かいます。先に行ってください」
「どこに行くつもりだい?」
「まぁ・・・、このステーションと別れを告げる・・・といったところですか」
「・・・急げ」
「はい」
言うと、テティスさんは走り去った。
227 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:21:27 ID:tQpZaP7a
「さぁ急ごう」
「はい!」
再び走り始める私とエージェントの人。
「・・・」
その人影は大きめの双眼鏡のようなものをつけた。
しかしそれはただの双眼鏡ではなく、サムスのX-RAY SCOPEと同じメカニズムを持つもの。
「もう少し・・・」
そしてドアの方へ歩き出す。
「もう少しで私は支配者に・・・、永遠の支配者になれる」
怪しげな言葉を残し、その人影は外に出た。
「・・・持つのだろうか」
リガース大佐はステーションの中心部・・・、艦長室の椅子に身を収めていた。
先ほどルナにはああ言えたが、やはり死ぬのは怖い。
「ふ・・・」
(怖い、か。あの時サムスに助けられた命なのにな。一度死んだようなもの・・・)
気を紛らわそうと、これから運命を共にするステーションの監視カメラを操作する。
まずはこのステーション構築の元となった、司令室。
若い頃の自分はこの部屋を好んで使ったものだ。
艦長室が自分にはあるというのに、一日中司令室に詰めていた時もあった。
忙しい訳ではなく、単に・・・司令室が好きだったのかもしれない。
「!」
大佐は司令室に人影があるのを見つけた。
「あれは・・・」
テティス・・・?
マイクを手に取り、司令室のスイッチを入れる。
「テティス君かね?」
カメラの映像が映し出されているディスプレイ。
その中にいる人影がこちらを向く。
「大佐・・・?」
228 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:27:17 ID:tQpZaP7a
「私だ」
テティスは思わず舌打ちした。
「早く脱出したまえ。君にはまだ将来があるだろう」
大佐の言う『将来』――。
テティスがここを脱出したとすれば、また新しい職場があるはずだ。
しかし今回の不祥事の原因たる大佐には・・・、おそらく連邦は厳しいであろう。
そういう意味のようだ。
『いえ、ここに大事な物を忘れまして・・・』
「はて、君はあまり司令室に出入りしてないと思うが・・・」
『確かにあんまり出入りしてはいませんが・・・、一番大事な物をここに落としたようでして』
「・・・そうか。このステーションはじきに核ミサイルによる爆撃を受ける予定だ」
『ええ』
テティスは冷静だ。
(何か・・・、おかしいのか・・・?)
大佐は少し疑問を持ち始める。
『それとサムスの居室には絶対に近づくな。ドッグには別の通路を使え。Xに襲われるかもしれん』
「やはりXなのですか・・・」
『残念だがそうだ。サムスはXとの闘いに負けてしまった・・・』
そして数秒の沈黙。
「了解しました。忘れ物を回収したらすぐにドッグに向かいます」
『そうしたまえ。君のためにも、私のためにもな』
テティスが敬礼するのを確認した大佐は、別な部屋のカメラに切り替えた。
(――危なかった)
テティスは内心焦っていた。
229 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:34:52 ID:tQpZaP7a
ここで自分が何をしているのかを知られると非常にマズイ。
そう、テティスに忘れ物など無い。
いや正確にはある・・・、と言った方が正しいのかもしれない。
(まさか私の狙いがXだなんて・・・、大佐にはわからないでしょうねぇ)
テティスは通信兵のシートに座り、コンソールを操作し始める。
――ピッ
Space Station Telecommunication System, CODE:ARAN.
そう表示されるのを確認し、テティスはさらに手を進める。
ID:
Pass:
工作しておいたIDとパスワードを入力する。
通信兵はその存在だけで情報源として価値があるため、そのコンソールのセキュリティは堅い。
USER TTS Logged on.
1 Task(s) is saved on your space.
command? >
ログインできたことを確認し、これもまたあらかじめ用意しておいたタスクを実行する。
command? > X-Saving
そのコマンドを打つと、コンソールは暗転した。
成功だ。
テティスはにやりと笑む。
230 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:42:13 ID:tQpZaP7a
この命令はサムスがB.S.L.に旅立つ時に思いついたもの。
そしてサムスがB.S.L.でダウンロードした謎のデータ・・・。
それは・・・
(まさかあのデータを私が作ったとは思ってないでしょうねぇ)
テティスは邪悪な笑みを浮かべ、内心ほくそ笑む。
(これでこのステーションへの核攻撃は行われないはず・・・)
軍上層部はXという生物について大きな興味を抱いていた。
Xを絶滅させる、というサムスへの命令と矛盾しているが。
それは表面的な工作でしかなかった。
テティスのような工作員を配備することで情報を得ようとしていたのである。
だが・・・
「ふふ・・・」
(これでXの力を手に入れることができるわ・・・)
彼女はXを手中に収めるつもりだったのだ。
コンソールを立ち上がると、テティスはサムスの居室へと歩を進めた。
「ふ・・・あ・・・」
もはやサムスは限界だった。
『さ、全てを忘れて快楽の奈落へと落ちなさい。あとは私たちXに任せて・・・』
両手どころか、首から下すべてを支配されたサムスに、もはや抵抗する手段は残っていなかった。
『それにしても・・・、あなたも気づかなかったみたいね。裏切り者がいることに』
「う・・・、な・・・に?」
裏切り者という言葉に辛うじて反応するサムス。
『テティスって知ってる? あの子なのよ。B.S.L.に不明なデータを送ったのは』
「・・・」
あえぎ声を我慢し、耳を傾ける。
その間も彼女の両手は艶めかしく股間を愛撫し続けている。
231 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:51:41 ID:tQpZaP7a
『あの子はもともとB.S.L.の研究者だったのよねぇ・・・』
「何・・・! ううぁ・・・」
反応するも、嬌声を上げてしまう。
『私達Xが襲った時にね。もちろんテティスは逃げようとしたわ。でも・・・』
ぐちゅ、ぐちゅと粘液質の卑猥な音がサムスの秘所から響く。
頭に響くXの声が徐々に鬱陶しいものに感じていく・・・
『私たちは彼女に選択肢を与えたわ。命を助ける代わりに協力なさい、ってね。ふふふ・・・』
「うあ・・・、なんて・・・ことを・・・」
『だから彼女にはXが寄生してるわ。ただ浸食しないだけ』
その台詞を聞くか聞かないかの時点で、サムスは足音を聞いた。
「だ・・・れ・・・!?」
『テティスに決まってるじゃない・・・。協力すれば私たちの力を与える、と言ったんだからね!』
「!!」
両手がとたんに激しく動き始める。
「う・・・あ、あああああああああああああああああああ!!」
元々絶頂を迎える寸前で踏みとどまっていたサムス。
突如として訪れた激しい快感に耐えきれるはずもなく、絶頂に達してしまった。
『あっはははははは・・・! これであなたは私のものよぉ』
「・・・あ・・・・・・」
サムスは自分の中で何かが急速に広がっていくのを感じた。
(も・・・ダメ・・・・・・)
そしてスライド式のドアが開く。
「サムス・・・」
テティスがそこにいた。
「やっと来たわね? 少し遅いわよ」
「もう・・・乗っ取ったのね?」
テティスはサムス――だったもの――に問いかけた。
「まぁ今さっきだけどね。それよりそっちはどうなの?」
「予定通り核ミサイルの攻撃はキャンセルしたわ」
「そう。上出来ね」
232 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:59:45 ID:tQpZaP7a
「ねぇ!」
「わかってるわ・・・」
サムスの口がそう言葉を発すると、立ち上がった。
美しい女性のラインを描いたその体を覆うものは無い。
「あなたは・・・、気持ちいいのが好きかしら?」
卑猥な意味を込め、サムスの口がそう語る。
もちろん快楽を嫌う人間などそういないだろう。
テティスは頷く。
「そうよねぇ。じゃあ・・・、服を脱いでちょうだい」
「服を?」
「だって気持ちいい方がいいんでしょ?」
テティスは服を脱ぎ始めた。
その間、サムスの体を乗っ取ったXが話し始める。
「私たちXは寄生主の記憶とか形態をコピーするわ。私があなたに入れば・・・」
「サムス=アランの姿をとることもできるということね」
テティスが答える。
「そう。それに定期的に他の人間に寄生してエネルギーを奪えば、ほぼ永遠に生きられるわ」
(それこそが私の望み・・・)
テティスの望む物は永遠の命であった。
だからこそ、生物を研究するような施設であるB.S.L.にいたのだ。
「B.S.L.の研究では永遠の命は開発できなかった」
「でも、私たちXと一体になることでそれは実現できるわ」
――利害一致。
Xにとって自らを絶滅させようとする存在:サムスは害となる。
同時にXを利用して永遠の命を望むテティスにとってもサムスは敵。
サムスを消滅させればXは自由。
テティスはXで永遠の命を手に入れられる。
「さぁ、脱いだわよ」
「それじゃ、おマンコ広げてくれるかしら」
「ちょっと・・・!」
233 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:12:03 ID:tQpZaP7a
いい加減にしろ、と言いたげなテティス。
「性経験無いのかしら? それはそれでいいけれどね」
「もう・・・」
テティスは仕方なく両手で自分の秘所を広げた。
「これでいいの!?」
半ば怒り気味な彼女。
「そうよ。それでいいの」
サムスの体がテティスに歩み寄る。
「あなたの作ったデータをサムスがダウンロードしたわ」
「予定通りじゃない」
「そのサムスの体を乗っ取ったのよ? もう私は人間の感じる所を全て理解したわ」
「え・・・」
テティスは少したじろぐ。
(まさかそんな事まで・・・)
「さ、行くわよ。せいぜい頭がおかしくならないように頑張りなさい?」
言うとサムスの体が急速に液化し始め、中に漂う。
そしてゆっくりとテティスの股間に近づき・・・
「ひうあああ!」
少しずつテティスのマンコの中に入り始めた。
X特有のひんやりとした冷たさ、そしてゲル状のグネグネとした感触がテティスの股間を刺激する。
「ああ・・・、何コレぇ・・・、気持ちいいの」
『あなたの意識は残しておいてあげる。取引をした褒美・・・ってことにしとくわ』
すでにテティスの中に入り込み始めたXが彼女に語りかけた。
Xには何種類かの色があり、青・赤・黄色が一番多い。
しかし目の前の、サムスを乗っ取ったXは黒く変色していた。
まるで泥のようなものがテティスの股間に入り込んでいるのだ。
「ふああ、黒いのがぁ・・・、あたひのぉぉおお中ぁ・・・んんううあああ・・・」
234 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:24:10 ID:tQpZaP7a
黒いXはどくん、どくんと自ら蠕動しながらどんどん入っていく。
テティスは流石に立っていられなくなり、膝を落としてしまう。
『さぁ、これであなたは永遠の命を手に入れたことになるわ』
あと少し残っているX。
それがテティスの蜜穴に吸い込まれ・・・
「ん・・・ああ、ふあああぁぁぁぁぁぁん・・・!」
床で足を広げ、股間を露出させた卑猥な格好のままテティスは同時に絶頂に達するのだった。
するとすぐにテティスの体に変化が訪れる。
Xを吸収した股間から、肌が浅黒くなっていくのだ。
まるでXの色素が浸透していくかのように・・・
同時にXが取り込んだテティスのデータを適用しているのか、徐々に胸がふくらんでいく。
お世辞にも胸が大きいとは言えない彼女であったが、今は巨乳とも言えるサイズになっている。
そして腰や足、顔つきなどが全体的に変わっていき・・・
数分後、そこには娼婦とも言えるような艶めかしい雰囲気を持つ女がいた。
その女――テティスは永遠の命を手に入れた喜びと、これから繰り広げる邪悪な宴に期待して
妖しい笑みを浮かべながらサムスの部屋を出た。
(この廊下は建造中期頃に、私の提案で作ったのだったな・・・)
大佐は感傷に浸りながらそう思っていた。
「・・・」
目頭が熱くなる。
(く・・・、サムスに助けられてから私は涙など捨てたはずなのにな)
「ん・・・?」
その廊下の映像に異変が見られた。
ドアから人が出てきたのだ。
「誰・・・だ?」
そのまま映像を凝視する。
その人影はカメラを通しての大佐の視線に気づいたのか、こちらを向いてニヤリと微笑んだ。
「・・・テティス・・・か・・・?」
一度司令室の映像に切り替え、それを確認する大佐。
237 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:30:59 ID:tQpZaP7a
が・・・、誰もいない。
「ぬ・・・?」
もう一度廊下の映像に戻す。
すると今度はカメラのすぐ近くにまでその人は迫っていた。
その顔はわずかにテティスの面影を残していた。
「テティスなのか!」
『大佐?』
ディスプレイ越しに話しかけてくる。
「そんなところで何をしているんだ? 君は一体・・・」
放送機材越しに返事をする大佐。
『私はXになりました』
「!?」
『大佐には話しませんでしたが・・・、私はB.S.L.の職員だったんですよ』
(――なるほど)
大佐はその一言で全てを察した。
「君はXと取引をした。そういうことだな?」
『流石ですね。理解が速くて良いです。そう、私は取引をしました』
(まさかあのテティス君が・・・、しかし何故?)
大佐は色々と思考を巡らせつつ、言葉を発する。
「今更隠していても仕方あるまい。一体何故なんだ?」
『そうですね。他には誰もいませんし・・・、いいでしょう』
もったいぶって言うテティス。
『B.S.L.にXが襲撃した際、私は――Xとなった私が言うのもおかしいですが――、
サムスを始末する代わりに永遠の命を要求したんですよ』
「・・・馬鹿な」
『何とでも言ってください。もう計画は成功しましたから。本来サムスの体はXが寄生できないものです』
「そうだ。一度寄生され、そして医療班が渾身の努力で彼女を救ったのだ」
いつのまにか大佐の口調は興奮したものになっていた。
238 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:39:40 ID:tQpZaP7a
『ですが、テティス・・・私が用意したデータによってそれは変わった』
「何だと!?」
思わずディスプレイに身を乗り出す大佐。
対して画面に映るテティスは至って普通だ。
『私がB.S.L.を去る前に、いくつかデータを残していったんですよ。既にサムスが派遣されることは
わかっていましたからね。そのデータは・・・、「Xがサムスに寄生できるようにするデータ」が一つ。
もう一つは「サムスのパワードスーツの組成を変更するデータ」よ。これによってサムスは未知の刺激を
感じやすくなったという訳』
「・・・未知の刺激?」
『大佐も軍人なら分かると思うんですけど。快楽ですよ。快楽。闘いに生きる人間にとって、そう感じる
ことのできない刺激です』
「・・・」
『快楽に弱くなった彼女は戦うことすらできず、私に寄生されましたよ』
「残念だがその計画は失敗だ」
大佐には自信があった。
自ら本部に連絡し、核ミサイルによる攻撃を依頼したのだから。
『あぁ、核ミサイルでしたっけ? 中止させましたよ』
「何ぃ!?」
『サムスのスーツを変性させるデータを作れるんですよ? ハッキングくらい訳ないです』
「な、なんと・・・」
驚愕の事実に大佐は頭がフラフラしてきた。
『それとこのステーションの通信回路を全て破壊しました。もう誰も攻撃できません』
「お・・・おお・・・」
『諦めてくださいな。これから大佐の所にいきますからね』
239 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:43:40 ID:tQpZaP7a
ちょっと寒いのでお茶飲んできまwww
気が乗った時にガリガリいけるんですが今夜はもう少し行けるかなー?
243 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:20:52 ID:tQpZaP7a
画面から消えるテティス。
その後も大佐はショックのために画面から目が離せなかった。
「全員載ったか!?」
「まだだ」
「く・・・、核ミサイルが来る時間はもうすぐだというのに・・・」
脱出シャトルのパイロットには一応、核ミサイルの着弾時刻が知らされていた。
「ルナ君?」
「はい・・・」
死にそうな顔のルナ。
「本来何も言わないのがこういうときの基本なのだろうが・・・」
「・・・」
「サムスが君に残した伝言は・・・、君がサムスを殺せという内容だろう?」
「!」
エージェントはすでに勘づいていた。
「レナード特尉」
「うむ?」
エージェントが声をかけてきた方へ向く。
(この人、レナードっていうんだ・・・)
「ここではあなたが一番上の階級です。あなたに指揮権があります」
「何を・・・、私に指揮力なんてないさ。他の奴にやらせたほうがいい」
「いえ、軍の規定です」
「う・・・む・・・」
顔をしかめてルナに耳打ちするレナード。
『私は特尉といってね、普通の兵よりも上の階級なんだ。今まで言わなかったがね。
とは言っても私に指揮力なんて無い。現場の人間じゃないんだ。一応の訓練は受けているがね』
「えっと・・・」
『あぁ、君が気にすることはないさ。君は民間人だからね』
244 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:34:34 ID:tQpZaP7a
レナードはパイロットに向き直る。
「ではこれ以降私が指揮を執る。異存は?」
パイロット二人が前を向いたまま、声をそろえて言う。
『ありません』
「まずはミサイル着弾時刻から逆算し、着弾10分前まで待機。13分前より乗員全員に警告せよ」
「はっ」
指揮力が無いとは言え、指揮を執る可能性がある職位なので一定のことは学んでいたのだった。
そしてパイロットが放送で乗員に告げる。
『これより当シャトルは脱出に向けてのシークエンスに入る。まずは現在の時刻を確認せよ。
現在1423時である。当シャトルの発射予定時刻は・・・、1447時とする。なお、1447時より
5分前からは当シャトルへの出入りを一切不可能とする。繰り返す。これより・・・』
「というわけだ。ルナ君、じっとしているのが一番だろうな・・・」
「はい・・・」
艦長室のドアが開く。
「・・・」
もはや大佐は全てを諦めていた。
(一応・・・、私の責任だしな・・・)
大佐はあることを決心していた。
大佐がドアを振り向くと、そこには全裸のテティスが立っていた。
「あら、ちゃんと待っていたのね。いい子ねぇ」
子供に言うような台詞を吐くテティス。
「・・・ここからサムスの部屋まで近いだろう。逃げる余裕などない」
「まぁ言われてみればそうですね」
テティスはそのまま大佐に歩み寄る。
245 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:42:23 ID:tQpZaP7a
「大佐と私って特に接点なかったですよね。だからさっさと終わらせてあげます」
「!?」
テティスは両手を大佐の頭に伸ばし、そのまま頭を押さえる。
「何を・・・する・・・」
大佐は冷静に、そう言った。
(ここで勘づかれては終わりだ――)
そう、大佐は策を考えていた。
Xに有効かは不明だが・・・
「ふふふふ・・・、何すると思う?」
「・・・!」
「このままあなたの脳をいじくって、私のお人形にするのよ」
「何・・・」
「途中で正気に戻っても困るから。もちろんXも寄生させるけどね」
「一体何が目的なんだ!」
「目的? そうねぇ・・・、今はXの繁殖かしら。それとXを宿した生物を増やすことね」
じりじりと大佐は後ずさる。
そして後ろに回した片手で壁のスイッチを、もう片方の手で腰のレーザーガンを取ろうとする。
「そ・こ・ま・で」
「ぬぅ!」
テティスは色っぽい声で言う。
「わかってるわよ。壁の爆破装置を起動するつもりなのは。それと腰のレーザーガンね」
「後者は正解・・・だな」
言うと大佐はすぐに壁のスイッチを入れた。
すると部屋の隅っこの天井から妙な装置が現れた。
「?」
テティスはそちらを振り向くと、その瞬間そこからレーザーが放たれた。
「うあああああああああああああああ!」
もろにレーザーを受けるテティス。
246 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:50:28 ID:tQpZaP7a
大佐はテティスの手をほどき、ドアに向かおうとした。
が。
手が離れないのだ。
「くっ、離せ!」
「だぁめ。離さないわよー」
テティスの首が変な方向にねじれ、大佐の方を向いた。
「馬鹿な!」
「私達Xにレーザーが有効なのは事実ね。でもサムスを吸収した時に耐性がついたのよ」
「な、なんと・・・」
大佐はその場に崩れ落ちた。
(万策尽きた・・・か・・・)
「んふふふ、可愛そうねぇ・・・。きっと絶望してるんでしょうねぇ」
「・・・」
大佐はOTLの姿勢のまま、ふるえていた。
「でも心配することはないわ。これからはXがあなたを救ってくれるから」
大佐の頭に回されたテティスの手に力が込められる。
するとその手から新たなXが生まれ、大佐の頭に入り込んでいく。
「う・・・あ・・・・・・」
虚ろな瞳になり、Xを受け入れていく大佐。
「さ、新しい主人があなたに命令をあげるわ」
言うとテティスは大佐の頭を自らの胸に押し込める。
Xと同化した彼女の胸は、まさに巨乳の一言で表現できる代物であった。
大佐にXを寄生させたテティスは、シャトルに向かって歩いていった。
「流石に裸だと怪しまれそうね・・・」
言うと、すぐにテティスの体は服で覆われる。
正確には「服の形状をしたX」で覆われているだけだが。
要するに全裸と何ら変わりない。
247 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/11/21(月) 00:02:24 ID:tQpZaP7a
んー、明日早いのでそろそろ終了しますわ。
新しい方を投げるのは少し考えてみますw
MF終わってないし・・・
365 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:27:58 ID:z0JC7In3
そろそろ行こうかと思います
366 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:36:58 ID:z0JC7In3
「あ!」
シャトルの窓からドッグ内部を眺めていたルナが声を上げた。
「あれ・・・」
「テティス君だな」
レナードはテティスの姿を見て言った。
「戻ってきましたね」
「うむ。どうやら無事だったようだ。サムスが持ちこたえてくれているんだろうな」
「・・・」
ルナは何かを感じていた。
「ねぇ・・・」
「ん?」
レナードがルナの顔を見る。
「どうした」
「あの・・・、テティスさんだっけ。何か良くない物を運んでる気がする」
「良くない物?」
「うん」
レナードはわずかに考える。
(まさか・・・)
「それは君の・・・、『予知』か?」
ルナは予知という言葉にピクリと反応する。
「わからない。でも・・・、この感じは頭の奥から出てくるイメージみたいな・・・」
そしてその言葉が決定的な判断材料となった。
「機長」
「はい」
レナードはパイロットを呼ぶ。
「すぐに発進」
「い、今すぐで・・・ありますか!?」
「そうだ。恐らくテティス君は・・・Xに寄生されているはずだ」
「!!!!」
ルナはその言葉に愕然とした。
「それって」
「君は少し静かにしていてくれたまえ。脱出すれば時間はいくらでもある。すまない」
「は、はい・・・」
ルナは必死な形相のレナードに沈黙せざるをえなかった。
367 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:51:41 ID:z0JC7In3
「すぐに全ハッチを閉鎖。乗員に耐ショックの準備を指示。通信はどうなっている?」
「私が担当です」
答えたのは、美しいエメラルドグリーンの髪・瞳を持った女性将校だった。
「では軍本部にコンタクトを。早急に高速戦隊をこちらに向かわせ、ステーションを爆撃」
「はっ!」
女性将校はすぐに備え付けの通信設備に向かい、なにやら機材の操作をし始めた。
「特尉!」
「どうした」
「テティス少尉がまもなく機体に到着します!」
「ぬ・・・、発進までどのくらいかかる!?」
レナードの言葉からぴったり3秒後、副機長が答える。
「あ、あと15秒!」
レナードは窓からテティスを見る。
ゆっくりと、しかし確実にこちらへ歩いてくる。
(まずい・・・、Xは壁を通り抜けてくるからな・・・)
つまりは脱出艇の装甲は意味をなさないということだ。
だが、既に機体は空間に浮いている。
既に引力のない宇宙空間の物理法則に属しているのだ。
「今の高度から考えて、普通に床を蹴ったところで船体には届きまい」
「はい」
機長が頷く。
「このまま発進シークエンスを続行」
「了解しました」
結果として、シャトルの脱出は成功した。
脱出後数分して高速戦隊が到着、すぐにステーション「ARAN」を爆撃。
リガース大佐は自らの子と運命を共にした・・・かに見えた。
そう、『見えた』だけであった・・・。
368 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:03:11 ID:z0JC7In3
確かに高速戦隊によってARANは爆撃、破砕された。
しかしレナードは軍本部にXの存在を通達しなかった。
彼はこの爆撃によりXが死滅したものと勝手に判断していたのだ。
そして、完璧であった脱出作戦はここから崩れ始める・・・。
「状況は?」
「現在ステーションから3光年の宙域を航行中。時速1.2光年」
機長が報告する。
「燃料備蓄は残り90%。燃料漏れや、その他機体へのダメージは報告されていません」
「・・・」
そしてレナードは通信兵に向き直る。
「本部からの連絡は?」
「はい・・・、ステーションの破壊には成功。現在本艦の護衛につくため、本艦に接近中」
(問題は無さそう・・・か)
今度は艦内放送を用いて乗員全員に向けて話す。
『司令室のレナード特尉だ。本艦はひとまず脱出に成功したと思われる。
我々が苦楽を共にしたステーションはたった今破壊されたそうだ。
この中にはステーション生まれの者も多くいるだろう。非常に遺憾である。
しかし、こうしなければ多くの人命が失われていたのは確実だ。
あるいは・・・、未知の生物の奴隷となり、自ら多くの人命を奪っていたかもしれん』
「・・・」
ルナは横でその声を聞いていた。
『これから我らは軍本部へと向かう。現在ステーションを爆撃した高速戦隊が本艦の護衛に
向かってきてくれている。まだ軍本部は我々を見捨ててはいないということだ。
各員、絶対に希望を捨てないように。そこに1%の可能性でもあるならば、それに賭けてみよ』
「1パーセント・・・」
ルナはその言葉に深い感慨を覚えていた。
そう、自分の見たイメージのようなものはそれこそ1%の確率で起きる現実であったのかもしれない。
あるいは、99%の確率で起きる現実であり、それを否定するためにこうしてあがいているのかもしれない。
そんなことを考えていた。
369 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:23:42 ID:z0JC7In3
「さて・・・」
レナードがこちらを向いていた。
「君にはあの時申し訳ないことを言ってしまったな。すまなかった」
「いえ・・・」
ルナにはレナードが正しい判断をしていたと思えていた。
彼女とてそれくらいは分かる年齢だ。
「恐らくテティスはXに寄生されていたはずだ。それは君の一言から容易に想像できたんだが」
「・・・やっぱりお姉ちゃんが寄生させたんでしょうか」
「少なくともサムスはXへの耐性を持っていたはずなんだが・・・、
何らかの手段でそれが無効化されたと考えれば、全て説明がつく」
レナードは淡々と分析しているようだった。
「とりあえず脱出には成功したと考えているが、もしかしたらそうではないのかもしれん」
「え?」
「Xの特性を知っているかね? 奴らは・・・、爆撃で死滅するとは言い切れん」
「どういうことですか?」
「つまり、実弾兵器や爆風で死滅することを誰も確認していない」
「・・・」
「サムスはその腕からのビームで射撃、Xを吸収することで退治していたはずなんだ」
ルナは何も言えない。
まだ恐怖が目の前にあるような気がしているからだ。
「その危険性から、恐らく誰も研究していないだろうし今後されることもないだろう。
つまり我々はまだ完全に逃げ延びたと言い切れる訳ではないんだ」
「・・・わかりました」
370 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:32:51 ID:z0JC7In3
ルナはそれだけ言うと、司令室を後にした。
この脱出艇は単なるスペースシャトルのような構造ではない。
元々ステーションARANから最寄りの軍施設まで相当な距離があるため、
長期間の航行にも耐えうるような構造、そして多数の人間を搬送できるよう設計されている。
いわゆる小規模の戦艦のようなものであった。
ルナは司令室から出ると、自分に割り当てられた部屋を探す。
近くにあった案内システムを操作してみる。
『中距離巡航艦・マジェスティックへようこそ』
システムから女性の声が発せられる。
『ご希望のメニューを選択してください』
声と同時に画面に文字が現れる。
======================
@現在地について
@居住区域案内
@指令系統案内
@動力部案内
@本艦詳細情報
@現在の航行状況
======================
ルナは居住区域案内を選択する。
371 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:40:26 ID:z0JC7In3
しかしそこで異変が起きた。
なにやら画面にモザイクのような、謎の映像が映し出されたのだ。
「・・・?」
不都合でも起きたのかと思い、何度か画面をタッチしてみる。
しかし相変わらずモザイクがグニャグニャと蠢いているだけだった。
「う・・・!」
ルナは突如として鋭い頭痛を感じる。
(・・・これ・・・何・・・?)
気づくと、そこにはなにやら液状の物体。
それは徐々に人の形を取っていく。
「ル・・・・・・ナ・・・・・・」
(だ、誰!)
ルナには何となく分かっていた。
響くその声がサムスのものである、と。
「!」
気づくと、ルナはまだ案内システムの画面にいた。
画面にはまだモザイク。
だが、それは徐々に大きくなっていった。
「え・・・」
思わず後ずさるルナ。
そして。
「そ・・・んな・・・!!!」
画面から何かが飛び出し始めたのだ。
(ありえない!)
そう、ありえない。
少なくともルナの知りうる生物でこんな技がなせるのは。
いや、いた。
「え・・・、X・・・」
372 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:51:33 ID:z0JC7In3
画面から飛び出したのは、グネグネと蠢く液状の物体。
疑似引力を持つこの戦艦では床に垂れるはずなのだが・・・
その液体はそのまま宙に漂おうとしていた。
すなわちその液体がXであるという証拠であった。
(ど、どうしよう・・・!)
まだ自分たちはXの脅威から逃れていなかったのだ。
レナード特尉の予測は、悪い意味で当たっていたのだった。
ルナは足が震えてその場から動けない。
その間にも、液体は画面からどんどん出てきている。
「ルナ君?」
そこにレナードが通りかかる。
「あ・・・、あ!」
張りつめた何かが切れるように、ルナはそちらに向けて走り出す。
「おっと!!」
レナードは驚いてルナを止める。
「どうしたんだい?」
「が、画面からXが・・・!」
「なんと!?」
レナードは案内システムの画面を見るが、しかし何もない。
「確かに見たんだな?」
「はい」
「く、やはり・・・!」
ルナはレナードが何かを考えているのを見ていたが、恐怖は収まらない。
「ひとまず兵を一人護衛につけて君を居住区域に送る。
そこまで行けば一安心だろう。私は本部にこのことを伝える」
「は、はい・・・」
373 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:55:33 ID:z0JC7In3
ぬぅ、今日はこれで限界でつ。
エロシーンなくて申し訳ない。
なんだか徐々にホラーチックになりつつある気もするし・・・w
ともかくそろそろ完結させる方針で書いています。
それでは今年もよろしくお願いします。
484 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:38:50 ID:Atpn193Z
ルナはそれでも落ち着けない。
「ふむ・・・、ついてきたまえ」
ルナはレナードの後に付いていった。
「そうだ。あのXが・・・、うむ。大至急救助要請する。何? 私がXじゃないかだと?
一体何を・・・、ふむ。上から証明せよと言われている・・・か。どうすれば?
うむ・・・うむ。第三者の裏付け・・・か」
レナードはそこで私に視線を向けた。
そして通信を保留にし、
「すまないが・・・、私がXに寄生されてないか疑われてるようだ。
悪いが私が正常である旨をこの通信で本部に伝えてもらえないか?」
「え・・・」
ルナは驚く。
ただの民間人なのに、突然軍事用通信なんて・・・
「なに、相手も軍人だが君は今、私の保護下にある。軍規上は君の方が立場は上だ」
そう、銀河連邦軍には妙な取り決めがある。
民間人を保護した場合、その階級は保護者の階級に準ずる。
ただし民間人は軍へ一切の命令権を持たない。
これは事件に巻き込まれたりして保護された被害者が、軍の者に虐げられないようにするためだ。
かつての銀河連邦には、そのような質の悪い軍人が多かったようだ。
485 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:46:02 ID:Atpn193Z
「じゃ、じゃあ・・・」
ルナはおそるおそる通信機のヘッドセットを頭につけてみた。
「ルナ殿でありますか?」
いかにも軍人、というべき物言いで男性の声が聞こえた。
「は、はい。ルナ・・・、」
自分の本名を言わなければならない。
しかし、ルナは自分の本名が嫌いだった。
『悪夢』などというラストネームを誰が好むものか。
「ルナ=ナイトメアです・・・」
「レナード特尉の保護下におられるということで?」
「はい。レナードさんはステーションから色々とお世話になっています」
「了解しました。レナード特尉に取り次いでください」
その言葉を聞き、私はレナードさんにヘッドセットを渡した。
「私だ。うむ・・・、事態は思ったより悪い。サムスは確かに持ちこたえてくれたようだが、
しかし結果としては・・・。わかった。そうしてくれ。このシャトルは民間人も多数乗艦
しているからな。早急な行動を期待する。・・・うむ、了解。では」
言うと、レナードはヘッドセットを外す。
「・・・大至急本部から応援が来てくれる。メトロイドワクチンを持ってな」
「メトロイド・・・ワクチン?」
「うむ。サムスを死の淵から救ったワクチンだ。かつてサムスが戦ったメトロイドで精製された」
486 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:54:17 ID:Atpn193Z
メトロイドはスペースパイレーツなる宇宙海賊により悪用されようとしていたのだが、
サムスによってその野望は打ち砕かれ、その性質を利用するための研究が行われていた。
結果としてXに寄生されたサムスは自らが絶滅させたメトロイドにより救われたのだが・・・
「じゃあ・・・」
「我々の誰かが寄生されたとして、早急な手当を受ければ助かる可能性ができたということだ」
「お、お姉ちゃんは!?」
「残念だが・・・、今のサムスはもうサムスではないはずだ。聞けばステーションへの
核攻撃はリガース大佐の指令で中止されたらしい」
「え・・・?」
「すなわち・・・、大佐はXに寄生されているとしか言えない。そして恐らく」
ルナは目をそらした。
「お姉ちゃんですね?」
「・・・非常に残念だが、そう言いざるを得ない」
「・・・」
ルナはレナードに背を向け、退室しようとする。
既にドア付近には兵士の姿があった。
「・・・私から再度、ステーションへ核攻撃の要請を行った」
「!」
「大佐と・・・もしかしたらサムスが残っているかもしれん」
「じゃあ・・・、いえ。何でもない・・・です」
レナードは窓から暗黒の宇宙を眺める。
「・・・君にとって唯一気を許せる存在だったのだ。辛かろう」
「・・・」
知らず知らずのうち、ルナの頬には一筋の涙が流れていた。
「軍は被害者に手厚い。しかし私はそうは思えん」
487 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:02:46 ID:Atpn193Z
窓に手を当て、何かを見つめるレナード。
「何故って? だってこんなにも不幸な存在を作り出してしまっているじゃないか。
いくら被害者に手厚いとは言っても、それはその場だけにすぎん。
支援費用だとか保護だとか・・・、確かにその時点ではいいかもしれない。
しかし、被害者が再び不幸な目に遭っているのに手厚いと言えるのだろうか」
「・・・でもお姉ちゃんは助けてくれました」
レナードは再びルナの方を向く。
「彼女は軍人ではない。賞金稼ぎ・・・というと人聞きは悪いが、立派な傭兵なのだよ」
「私はお金のために助けられたと?」
「君が捕らわれていた組織を壊滅させる契約に、人質の解放とか救出は含まれていない。
すなわち君は彼女の意志で助けられた・・・。そんな彼女の信念を疑ってはならないよ」
「・・・はい」
返事をすると、ルナはドア付近の兵士と共にレナードの居室を後にした。
「連邦は・・・、いつになれば不幸な存在を産み出さずに済むのだろうか」
机につき、今後のことについて思考を巡らせるレナードだった。
「ここが居住区域です。ルナさんの部屋は・・・と、ああ、ここですね」
兵士がルナを案内する。
「一応我々は交代でルナさんの部屋の前を警備します。
それくらいはさせてくださいよ。あれだけの事件があったんですから・・・」
それを聞いて、ルナはレナードの言葉が気になった。
『連邦は被害者に手厚い・・・、しかしそうは思えん』
ルナは聞いてみることにした。
「それは・・・、レナードさんの命令なんですか?」
488 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:09:34 ID:Atpn193Z
「いえ、我々警備兵メンバーで決定したことです」
ルナはとても失礼なことを聞いてしまったと思った。
「ご、ごめんなさい。レナードさんの話がどうしても気になって・・・」
「構いませんよ。特尉の仰る事はいつも我々を考えさせてくれます。
軍の末端である我々が考える必要なんて無いのでしょうが、そうすることで・・・」
「そうすることで?」
「・・・恥ずかしいですが・・・、少しずつ軍を変えていけるんじゃないかと。
それと、こうして知的生命体として生を受けたありがたみを感じられるんですよ」
「・・・」
兵士は顔を真っ赤にして言った。
「あ、あー・・・、今のは、そのー・・・忘れてください」
「・・・クスっ」
ルナは思わず笑ってしまった。
「ありがとう。おかげで少し元気が出ました」
「いえ、そんな。立ち話に付き合わせてしまい、すいませんです」
兵士はそういうと、ドアを背にして直立不動になった。
警備を始めたのだ。
ルナは邪魔しないように、とドアの中に入っていった。
綺麗に清掃された部屋だった。
寝具、サイドボード、映像設備。
どれもVIP用の一級品に見えた。
「これって・・・」
ルナは流石にたじろぐ。
489 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:18:14 ID:Atpn193Z
「私、こんな凄い部屋使っていいのかな・・・」
あっけにとられるルナだった。
「まずいな・・・、想像以上にまずい・・・」
レナードは頭を抱える。
艦内の状況を調べるため、端末を操作していた彼。
しかしあらゆる箇所に異常があるのだ。
「あたしがやってるのよ」
「!!?」
レナードしかいない室内に、女性の声が響く。
「馬鹿な・・・」
「誰がぁ?」
操作していた端末の液晶が盛り上がってくる。
「うぬぅ!!」
レナードは反射的に行動する。
液晶がすぐに離れ、部屋に備え付けの武器を手に取る。
そして壁に設置されている非常通報ボタンを3回押す。
誤動作防止の為の構造だった。
『非常警報。非常警報。艦内に致命的な非常事態が発生しました。
直ちにシャトルから脱出してください。非常警報。非常警報・・・』
無機質な女性の声で、シャトルの非常警報が響く。
「あら・・・、流石レナード特尉ね。行動が迅速。それに正確・・・」
「貴様・・・、まさか」
「そう。あたしはテティスよ」
その声と同時に、部屋のドアが開く。
「特尉殿!」
「気をつけろ! 奴はテティス・・・、いや。Xに寄生されたテティスだ!」
490 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:24:59 ID:Atpn193Z
「んー・・・残念。違うわよ」
その声と同時に、盛り上がっていただけの液晶はいよいよ人体を形成しようとし始める。
「あたしはXと同化したのよ」
「馬鹿な・・・」
寄生生物という話は聞いていたが、Xと同化できるなど。
「あぁ、サムスに関してはきちんと吸収させてもらったわ。だから・・・」
透明なそれは、徐々に色がついていく。
「こんな格好になることだって・・・」
「な・・・に・・・!」
目の前で起こっている事実にレナードは驚くしかない。
そう、液晶から出てきた謎の液体・・・、もといXは。
今やパワードスーツになろうとしているのだった。
サムスが装備していたパワードスーツに。
「か、構え!!」
レナードは慌てて警備兵に指示を出す。
「!」
警備兵5名はそれに従い、Xに対してアサルトライフルを向ける。
「できるのよ」
その言葉と同時に、Xはとうとう完全にパワードスーツの形態となった。
「一体何が目的だ・・・」
レナードは自身を落ち着ける意味でも、目の前のXにそう問うた。
「んー・・・、とりあえずXの能力を手に入れるっていう当初の目的は達成したわ」
「当初の目的だと?」
「あら、知らない? 私はB.S.L.の研究員だったってこと」
「知らんな・・・」
「B.S.L.がXに襲われた時、私は彼らと契約したのよ。繁殖を手伝うから、能力をくれって」
491 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:31:25 ID:Atpn193Z
レナードは何も言えなくなった。
まさか以前からXに手引きをする者がいるとは思わなかったからだ。
「聞きたいことはそれだけ?」
「くっ・・・」
レナード自身もハンドガンをXに向ける。
「そんなものが私に通用すると思って? あなたもXの力は知っているでしょう」
「撃て!」
レナードが命ずると、警備兵は1秒の間隔もなく発砲する。
部屋に響く爆音。
Xに着弾する鉛玉。
床に散らばる大量の薬莢。
広がる硝煙と火薬臭。
警備兵とレナードは弾倉が空になるまで撃った。
しかし・・・
「・・・!!」
目の前には無傷のパワードスーツ。
「実弾兵器は無効よ」
「全員退避!」
レナードはすぐさま警備兵に指示する。
警備兵は部屋を全速力で出ると、この非常事態の対応にかかるのだった。
「で、あなたは?」
「私は・・・、いや。俺はおまえと心中するってとこか」
レナードは冷たい笑みを見せ、左手に持っていたスイッチを押した。
「な、なに!?」
ルナは突然の振動に驚く。
492 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:36:21 ID:Atpn193Z
思わずドアの外に出る。
「ルナさん! 危険ですから室内に!」
「一体何があったんですか?」
部屋の前にいた警備兵二人は、互いに背を向けて警戒し合っていた。
「まだ何の連絡も。ただ、何かしらの爆発が起こったのは間違いありません」
「爆発?」
「ええ。この振動は明らかに爆発のものです。すぐに連絡が入るはずなので、室内で」
「わ、わかりました・・・」
ルナは室内に戻る。
(一体何なんだろう・・・)
「ルナ」
「!?」
自分を呼ぶ声を耳にし、思わずその発生源を探すルナ。
「だ、誰!」
「私だ」
「え・・・、その声・・・」
そう。
ルナには聞き覚えのある声だった。
自分をあの惑星から、あのテロ組織から救ってくれた勇者。
B.S.L.へ任務に赴く、その姿を見送った勇者。
そしてXを撃滅するため、大佐に命を張って通報した勇者。
まさしく・・・
「お姉ちゃん」
サムスであった。
「心配しなくていい。この爆発は居住区の物ではない。ここが危険にさらされることはないだろう」
「え・・・?」
「大丈夫だ。すぐに迎えに行くから、ここで待っていろ」
493 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:40:28 ID:Atpn193Z
「・・・」
それっきり、サムスの声は聞こえなくなった。
「おかしい」
ルナは疑問に思っていた。
サムスはステーションに残ったはずだ。
何故、シャトルにいる・・・?
「・・・」
様々な可能性を考える彼女。
だが、それはドアが開くことで中断されるのだった。
「お、お姉ちゃん!」
そこにはパワードスーツがあった。
あの、バリアスーツのオレンジ。
右手にはごついアームキャノンも備えていた。
それは、まさしくサムス。
ルナにはそう見えた。
「無事だったんだ・・・」
思わずルナは目の前のパワードスーツに駆け出し、そして抱きしめる。
「良かったぁ・・・、良かったよぉ・・・」
泣きながらそんな台詞をこぼす。
そんなルナの頭を、パワードスーツは右手でなでる。
「待たせたな」
「遅いよぉ、みんな苦しんで・・・、レナードさんも・・・」
494 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:47:17 ID:Atpn193Z
「ああ・・・、立派な軍人だった」
ルナはそこで違和感を覚えた。
『軍人だった』・・・?
どういうことだろうか。
(レナードさんは・・・、司令室にいるはず)
「なに、気にする必要はない」
「え?」
パワードスーツはルナの両肩に手を置く。
「ルナ。お前も仲間になるんだから」
「・・・!!」
その瞬間、ルナの脳裏にあった何かが一つにつながった。
ルナは、自らの能力が嫌いだった。
何かを感じるたび、周囲に不幸が起きるからだ。
何故かわからなかった。
しかし、それを能力と自分の中で位置づけていた。
――そう。
これが予知能力なのだ、と。
「やだ・・・」
「嫌なのか。私と同じ存在になるのが?」
「・・・Xは・・・、お姉ちゃんを殺した」
「私は生きている。ここにいるだろう」
「違う。ここにいるお姉ちゃんはお姉ちゃんじゃない」
「どうしたんだルナ。何か吹き込まれたのか?」
「あなたは・・・、テティス」
「テティス・・・か。そうでもあるな」
495 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:52:06 ID:Atpn193Z
ルナは先ほどから手をふりほどこうとしているが、どうしてもできなかった。
とてつもなく強力な力で肩を押さえられているのだった。
「御託は終わろうか。ルナ」
「・・・」
「Xになれ。そうすれば永遠に私と一緒にいられる」
「Xは私の心のよりどころじゃない。お姉ちゃんを奪った敵」
「しかしルナがXになればまた一緒に暮らせるぞ?」
「う・・・」
ルナの心は揺れていた。
彼女にとって唯一心を許せる存在はサムスのみ。
元々彼女に家族などいない。
それだけに、サムスを奪ったXが許せないが、しかしその言葉の魅力に逆らえない葛藤があった。
「ねぇ」
「なんだ?」
「Xってどんな生き物なの?」
「・・・。知りたいのか?」
「その上で・・・決めたい」
ルナは決して嘘をついていなかった。
彼女の心にある葛藤が、Xについての情報を求めているのだった。
496 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:53:40 ID:Atpn193Z
あー、致命的なミスを犯しました。
ステーションは既に爆撃された
としたはずなのに、レナードさんは
「大佐の要請で中止した」
旨の発言をしています。
爆撃されたってのは戦闘機パイロットの誤報ってことでw
直後にXになったテティスさんに襲われたことにしましょう。
きっとそうに違いありません。ええ。
そうテティスさんが言えって、うあgてぃおあえ;りhがえげあんg;あん5r
497 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:02:20 ID:Atpn193Z
「Xは・・・」
Xは発生した時点で寄生生物であった。
しかし元々は寄生した生物を殺すような力は無かった。
だが、進化の過程で何度か絶滅の危機にさらされた際、その能力をつけてしまった。
寄生した生物の容姿・知識を奪い、自らが擬態する能力を。
それ以来、Xはあらゆる生物に寄生し、その知識を得ていった。
やがてX達は思考回路すら模倣できるようになる。
だが、その思考回路は他の生物を破滅に導く事を知らなかった。
自らが繁殖することで、他の生物は確実に数が減る。
そうしていくうちに、他の生物は自身の数が減っていることに気づかずに絶滅する。
見た目が同じなのだから、それは無理もない。
多くの種族が絶滅していく中、X達はその思考回路で一つの結論を見いだす。
『自らが繁殖することで、他の種族を補完できる』と・・・。
容姿と知識、思考回路を有するのだから、他の種族であることと何ら変わりはない。
だから自らが繁殖し、他の種族に擬態し続けることで他の種族を保存することにもなる。
そう考えたのだった・・・。
「・・・それって」
「正しいかどうかは、私一人には答えられん。Xは私以外にも無数にいる」
「・・・」
「どうする? ルナ。拒否するか?」
「・・・」
黙り込むルナ。
しかし、パワードスーツはあえて答えを迫らない。
498 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:07:44 ID:Atpn193Z
やがて。
「うん・・・」
「決めたか?」
「うん」
「それで?」
「お姉ちゃんを奪ったXは、絶対好きになれない」
「ふむ。拒否するか?」
「最後まで聞いてよ」
「いいだろう」
「でも、私がXになることでお姉ちゃんと一緒にいられるなら・・・」
「・・・」
ルナは、ついに禁断のその言葉を発する。
「私、Xになってもいい・・・かも」
「かも?」
「うん・・・。正直、迷ってる」
「そうか。だが、後悔することは無いと言っておこう」
「どうして?」
「Xになる過程で、Xになる事を喜ぶようにプログラムされるからだ」
「・・・私の心がなくなっちゃうってこと?」
「それは違う。ただ、単純にXになったことを後悔しないだけだ」
「それなら」
「・・・決まったようだな」
パワードスーツはルナから手を離す。
「Xは無限の快楽を与えてくれる。それを受け入れれば、ルナ。お前もXになれる」
「・・・うん」
499 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:13:56 ID:Atpn193Z
「リガース大佐も・・・、レナードも受け入れたんだ」
「レナードさんも?」
「ああ。自爆し、全身ズタボロになったんだが・・・、Xを与えて命を助けた」
「そうなんだ・・・」
「さぁ、始めようか」
パワードスーツは、その姿を文字通りグニャリと変える。
「・・・!」
一瞬後には、ルナの前に懐かしいあの人・・・、サムスが立っていた。
「ルナ。脱げ」
ぶっきらぼうに言う。
「うん・・・」
ルナはゆっくりと服を脱いでいく。
その間、サムスはドアに歩み寄る。
そして自らの手のひらからXを産み出し、ドアの隙間をXで埋め尽くした。
「これでOKだ。防音したからいくら喘いでも大丈夫だぞ」
「え・・・」
ルナは顔を赤らめる。
「ほら。早く脱げ脱げ」
今度は笑いながら言う。
「・・・」
数秒後、サムスの前には全裸のルナが立っていた。
500 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:14:58 ID:Atpn193Z
むぅ・・・、流石に長時間で疲れますた。
えぉシーン直前ですが、これで勘弁・・・OTL
もうこの時間だと見てる人も少ないかな?
近日中にえぉると思いますので、またよろしく。
『ふふふ、大分狂ってきたみたいね』
「いやぁ・・・、でも・・・欲しい・・・」
そして、左手が彼女の意志とは無関係に動き出した。
『ほら、あなたが快楽に屈し始めたから左手も私のものになったわ』
「あ・・・ああ・・・」
宙に尽きだされる左手。
サムスはそれを絶望的な表情で見つめることしかできない。
そして、ただ焦る。
このままでは自分は完全にXになってしまう・・・と。
「い、や・・・、助けて・・・」
『はい、なんて言うと思って? せっかくのチャンスなんだもの』
そして彼女の脳裏に、人間が死する時に見るという映像が流れる。
ルナの笑顔、そしてリガース大佐の眼差し。
エージェントの畏怖の目に・・・、死んでいった仲間の顔。
それらすべてが彼女の精神を流れていった。
「あ・・・あ・・・」
サムスは遂に死を覚悟した。
まさかこれほどまでに怖いとは・・・
どんな敵よりも・・・、そう・・・
「こわ・・・い・・・」
口に出していた。
『怖い? そうかしら。私と融合するけれど、意識は残るのよ?』
「もちろんXとしての本能や思考が大半を支配するだろうけどね」
サムスはハッとする。
もはや口をも乗っ取られてしまったようだ。
117 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/10/08(土) 23:48:30 ID:y0uY796b
「う・・・、く・・・」
まだ、時間を稼がなければ。
このステーションが爆破されるまでは・・・
「ふふ、ルナに何を話したのかだって知ってるわ。ステーションを爆破するんでしょ?」
「!」
「核ミサイル・・・、と言っていたかしらね。野蛮な人だこと」
「黙れ!」
一つの口から異なる思考を持つ言葉が発せられるのは、何とも不思議なものだった。
サムスはこんな状況でそれを感じていた。
「ふふふ、手がお留守よ・・・」
そう言うと、サムスは再び両手を艶めかしく動かし始めた。
「あ・・・ふぅ・・・」
「気持ちいいわねぇ・・・」
「な、もう・・・、そんな!」
全ては口にできなかったが、既に神経まで同化されていることを察知したのだろう。
「ここをこうすると・・・」
「ふああ!」
秘所に差し込まれている指先が絶妙な動きでサムスを刺激する。
「ひう・・・あ・・・、も、ダメぇ・・・」
限界が訪れようとしていた。
「こっちだルナ君!」
「!」
あのエージェントの人がいた。
無事だったらしい。
118 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/10/08(土) 23:52:55 ID:y0uY796b
「大佐から全て聞いた」
速い。
これが軍なのか・・・
ルナは正直にそう思った。
「残念だが悲しむのは後だ。大佐と彼女の思いを無駄にするな」
「はい」
「急ごう。サムスはそう持たないんだろ?」
「・・・ええ」
ルナとエージェントは走り始めた。
しばらく行くと、曲がり角。
「そこを右だ」
右折しようとすると・・・
「おっと!」
「!!」
そこには軍服を着た女性がいた。
「すいません・・・」
ルナは謝る。
「テティス君か。話は聞いているか?」
「ええ。大丈夫です」
「ならば君も逃げた方がいい。私とルナ君もこれからドックに行くところだ」
「・・・」
ルナは不思議に思っていた。
エージェントの人は右折すればドックの方向だと言った。
なのに、このテティスっていう人は・・・
そっちから来た。
それって・・・
「わかりました。私もすぐに向かいます。先に行ってください」
「どこに行くつもりだい?」
「まぁ・・・、このステーションと別れを告げる・・・といったところですか」
「・・・急げ」
「はい」
言うと、テティスさんは走り去った。
227 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:21:27 ID:tQpZaP7a
「さぁ急ごう」
「はい!」
再び走り始める私とエージェントの人。
「・・・」
その人影は大きめの双眼鏡のようなものをつけた。
しかしそれはただの双眼鏡ではなく、サムスのX-RAY SCOPEと同じメカニズムを持つもの。
「もう少し・・・」
そしてドアの方へ歩き出す。
「もう少しで私は支配者に・・・、永遠の支配者になれる」
怪しげな言葉を残し、その人影は外に出た。
「・・・持つのだろうか」
リガース大佐はステーションの中心部・・・、艦長室の椅子に身を収めていた。
先ほどルナにはああ言えたが、やはり死ぬのは怖い。
「ふ・・・」
(怖い、か。あの時サムスに助けられた命なのにな。一度死んだようなもの・・・)
気を紛らわそうと、これから運命を共にするステーションの監視カメラを操作する。
まずはこのステーション構築の元となった、司令室。
若い頃の自分はこの部屋を好んで使ったものだ。
艦長室が自分にはあるというのに、一日中司令室に詰めていた時もあった。
忙しい訳ではなく、単に・・・司令室が好きだったのかもしれない。
「!」
大佐は司令室に人影があるのを見つけた。
「あれは・・・」
テティス・・・?
マイクを手に取り、司令室のスイッチを入れる。
「テティス君かね?」
カメラの映像が映し出されているディスプレイ。
その中にいる人影がこちらを向く。
「大佐・・・?」
228 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:27:17 ID:tQpZaP7a
「私だ」
テティスは思わず舌打ちした。
「早く脱出したまえ。君にはまだ将来があるだろう」
大佐の言う『将来』――。
テティスがここを脱出したとすれば、また新しい職場があるはずだ。
しかし今回の不祥事の原因たる大佐には・・・、おそらく連邦は厳しいであろう。
そういう意味のようだ。
『いえ、ここに大事な物を忘れまして・・・』
「はて、君はあまり司令室に出入りしてないと思うが・・・」
『確かにあんまり出入りしてはいませんが・・・、一番大事な物をここに落としたようでして』
「・・・そうか。このステーションはじきに核ミサイルによる爆撃を受ける予定だ」
『ええ』
テティスは冷静だ。
(何か・・・、おかしいのか・・・?)
大佐は少し疑問を持ち始める。
『それとサムスの居室には絶対に近づくな。ドッグには別の通路を使え。Xに襲われるかもしれん』
「やはりXなのですか・・・」
『残念だがそうだ。サムスはXとの闘いに負けてしまった・・・』
そして数秒の沈黙。
「了解しました。忘れ物を回収したらすぐにドッグに向かいます」
『そうしたまえ。君のためにも、私のためにもな』
テティスが敬礼するのを確認した大佐は、別な部屋のカメラに切り替えた。
(――危なかった)
テティスは内心焦っていた。
229 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:34:52 ID:tQpZaP7a
ここで自分が何をしているのかを知られると非常にマズイ。
そう、テティスに忘れ物など無い。
いや正確にはある・・・、と言った方が正しいのかもしれない。
(まさか私の狙いがXだなんて・・・、大佐にはわからないでしょうねぇ)
テティスは通信兵のシートに座り、コンソールを操作し始める。
――ピッ
Space Station Telecommunication System, CODE:ARAN.
そう表示されるのを確認し、テティスはさらに手を進める。
ID:
Pass:
工作しておいたIDとパスワードを入力する。
通信兵はその存在だけで情報源として価値があるため、そのコンソールのセキュリティは堅い。
USER TTS Logged on.
1 Task(s) is saved on your space.
command? >
ログインできたことを確認し、これもまたあらかじめ用意しておいたタスクを実行する。
command? > X-Saving
そのコマンドを打つと、コンソールは暗転した。
成功だ。
テティスはにやりと笑む。
230 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:42:13 ID:tQpZaP7a
この命令はサムスがB.S.L.に旅立つ時に思いついたもの。
そしてサムスがB.S.L.でダウンロードした謎のデータ・・・。
それは・・・
(まさかあのデータを私が作ったとは思ってないでしょうねぇ)
テティスは邪悪な笑みを浮かべ、内心ほくそ笑む。
(これでこのステーションへの核攻撃は行われないはず・・・)
軍上層部はXという生物について大きな興味を抱いていた。
Xを絶滅させる、というサムスへの命令と矛盾しているが。
それは表面的な工作でしかなかった。
テティスのような工作員を配備することで情報を得ようとしていたのである。
だが・・・
「ふふ・・・」
(これでXの力を手に入れることができるわ・・・)
彼女はXを手中に収めるつもりだったのだ。
コンソールを立ち上がると、テティスはサムスの居室へと歩を進めた。
「ふ・・・あ・・・」
もはやサムスは限界だった。
『さ、全てを忘れて快楽の奈落へと落ちなさい。あとは私たちXに任せて・・・』
両手どころか、首から下すべてを支配されたサムスに、もはや抵抗する手段は残っていなかった。
『それにしても・・・、あなたも気づかなかったみたいね。裏切り者がいることに』
「う・・・、な・・・に?」
裏切り者という言葉に辛うじて反応するサムス。
『テティスって知ってる? あの子なのよ。B.S.L.に不明なデータを送ったのは』
「・・・」
あえぎ声を我慢し、耳を傾ける。
その間も彼女の両手は艶めかしく股間を愛撫し続けている。
231 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:51:41 ID:tQpZaP7a
『あの子はもともとB.S.L.の研究者だったのよねぇ・・・』
「何・・・! ううぁ・・・」
反応するも、嬌声を上げてしまう。
『私達Xが襲った時にね。もちろんテティスは逃げようとしたわ。でも・・・』
ぐちゅ、ぐちゅと粘液質の卑猥な音がサムスの秘所から響く。
頭に響くXの声が徐々に鬱陶しいものに感じていく・・・
『私たちは彼女に選択肢を与えたわ。命を助ける代わりに協力なさい、ってね。ふふふ・・・』
「うあ・・・、なんて・・・ことを・・・」
『だから彼女にはXが寄生してるわ。ただ浸食しないだけ』
その台詞を聞くか聞かないかの時点で、サムスは足音を聞いた。
「だ・・・れ・・・!?」
『テティスに決まってるじゃない・・・。協力すれば私たちの力を与える、と言ったんだからね!』
「!!」
両手がとたんに激しく動き始める。
「う・・・あ、あああああああああああああああああああ!!」
元々絶頂を迎える寸前で踏みとどまっていたサムス。
突如として訪れた激しい快感に耐えきれるはずもなく、絶頂に達してしまった。
『あっはははははは・・・! これであなたは私のものよぉ』
「・・・あ・・・・・・」
サムスは自分の中で何かが急速に広がっていくのを感じた。
(も・・・ダメ・・・・・・)
そしてスライド式のドアが開く。
「サムス・・・」
テティスがそこにいた。
「やっと来たわね? 少し遅いわよ」
「もう・・・乗っ取ったのね?」
テティスはサムス――だったもの――に問いかけた。
「まぁ今さっきだけどね。それよりそっちはどうなの?」
「予定通り核ミサイルの攻撃はキャンセルしたわ」
「そう。上出来ね」
232 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 21:59:45 ID:tQpZaP7a
「ねぇ!」
「わかってるわ・・・」
サムスの口がそう言葉を発すると、立ち上がった。
美しい女性のラインを描いたその体を覆うものは無い。
「あなたは・・・、気持ちいいのが好きかしら?」
卑猥な意味を込め、サムスの口がそう語る。
もちろん快楽を嫌う人間などそういないだろう。
テティスは頷く。
「そうよねぇ。じゃあ・・・、服を脱いでちょうだい」
「服を?」
「だって気持ちいい方がいいんでしょ?」
テティスは服を脱ぎ始めた。
その間、サムスの体を乗っ取ったXが話し始める。
「私たちXは寄生主の記憶とか形態をコピーするわ。私があなたに入れば・・・」
「サムス=アランの姿をとることもできるということね」
テティスが答える。
「そう。それに定期的に他の人間に寄生してエネルギーを奪えば、ほぼ永遠に生きられるわ」
(それこそが私の望み・・・)
テティスの望む物は永遠の命であった。
だからこそ、生物を研究するような施設であるB.S.L.にいたのだ。
「B.S.L.の研究では永遠の命は開発できなかった」
「でも、私たちXと一体になることでそれは実現できるわ」
――利害一致。
Xにとって自らを絶滅させようとする存在:サムスは害となる。
同時にXを利用して永遠の命を望むテティスにとってもサムスは敵。
サムスを消滅させればXは自由。
テティスはXで永遠の命を手に入れられる。
「さぁ、脱いだわよ」
「それじゃ、おマンコ広げてくれるかしら」
「ちょっと・・・!」
233 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:12:03 ID:tQpZaP7a
いい加減にしろ、と言いたげなテティス。
「性経験無いのかしら? それはそれでいいけれどね」
「もう・・・」
テティスは仕方なく両手で自分の秘所を広げた。
「これでいいの!?」
半ば怒り気味な彼女。
「そうよ。それでいいの」
サムスの体がテティスに歩み寄る。
「あなたの作ったデータをサムスがダウンロードしたわ」
「予定通りじゃない」
「そのサムスの体を乗っ取ったのよ? もう私は人間の感じる所を全て理解したわ」
「え・・・」
テティスは少したじろぐ。
(まさかそんな事まで・・・)
「さ、行くわよ。せいぜい頭がおかしくならないように頑張りなさい?」
言うとサムスの体が急速に液化し始め、中に漂う。
そしてゆっくりとテティスの股間に近づき・・・
「ひうあああ!」
少しずつテティスのマンコの中に入り始めた。
X特有のひんやりとした冷たさ、そしてゲル状のグネグネとした感触がテティスの股間を刺激する。
「ああ・・・、何コレぇ・・・、気持ちいいの」
『あなたの意識は残しておいてあげる。取引をした褒美・・・ってことにしとくわ』
すでにテティスの中に入り込み始めたXが彼女に語りかけた。
Xには何種類かの色があり、青・赤・黄色が一番多い。
しかし目の前の、サムスを乗っ取ったXは黒く変色していた。
まるで泥のようなものがテティスの股間に入り込んでいるのだ。
「ふああ、黒いのがぁ・・・、あたひのぉぉおお中ぁ・・・んんううあああ・・・」
234 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:24:10 ID:tQpZaP7a
黒いXはどくん、どくんと自ら蠕動しながらどんどん入っていく。
テティスは流石に立っていられなくなり、膝を落としてしまう。
『さぁ、これであなたは永遠の命を手に入れたことになるわ』
あと少し残っているX。
それがテティスの蜜穴に吸い込まれ・・・
「ん・・・ああ、ふあああぁぁぁぁぁぁん・・・!」
床で足を広げ、股間を露出させた卑猥な格好のままテティスは同時に絶頂に達するのだった。
するとすぐにテティスの体に変化が訪れる。
Xを吸収した股間から、肌が浅黒くなっていくのだ。
まるでXの色素が浸透していくかのように・・・
同時にXが取り込んだテティスのデータを適用しているのか、徐々に胸がふくらんでいく。
お世辞にも胸が大きいとは言えない彼女であったが、今は巨乳とも言えるサイズになっている。
そして腰や足、顔つきなどが全体的に変わっていき・・・
数分後、そこには娼婦とも言えるような艶めかしい雰囲気を持つ女がいた。
その女――テティスは永遠の命を手に入れた喜びと、これから繰り広げる邪悪な宴に期待して
妖しい笑みを浮かべながらサムスの部屋を出た。
(この廊下は建造中期頃に、私の提案で作ったのだったな・・・)
大佐は感傷に浸りながらそう思っていた。
「・・・」
目頭が熱くなる。
(く・・・、サムスに助けられてから私は涙など捨てたはずなのにな)
「ん・・・?」
その廊下の映像に異変が見られた。
ドアから人が出てきたのだ。
「誰・・・だ?」
そのまま映像を凝視する。
その人影はカメラを通しての大佐の視線に気づいたのか、こちらを向いてニヤリと微笑んだ。
「・・・テティス・・・か・・・?」
一度司令室の映像に切り替え、それを確認する大佐。
237 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:30:59 ID:tQpZaP7a
が・・・、誰もいない。
「ぬ・・・?」
もう一度廊下の映像に戻す。
すると今度はカメラのすぐ近くにまでその人は迫っていた。
その顔はわずかにテティスの面影を残していた。
「テティスなのか!」
『大佐?』
ディスプレイ越しに話しかけてくる。
「そんなところで何をしているんだ? 君は一体・・・」
放送機材越しに返事をする大佐。
『私はXになりました』
「!?」
『大佐には話しませんでしたが・・・、私はB.S.L.の職員だったんですよ』
(――なるほど)
大佐はその一言で全てを察した。
「君はXと取引をした。そういうことだな?」
『流石ですね。理解が速くて良いです。そう、私は取引をしました』
(まさかあのテティス君が・・・、しかし何故?)
大佐は色々と思考を巡らせつつ、言葉を発する。
「今更隠していても仕方あるまい。一体何故なんだ?」
『そうですね。他には誰もいませんし・・・、いいでしょう』
もったいぶって言うテティス。
『B.S.L.にXが襲撃した際、私は――Xとなった私が言うのもおかしいですが――、
サムスを始末する代わりに永遠の命を要求したんですよ』
「・・・馬鹿な」
『何とでも言ってください。もう計画は成功しましたから。本来サムスの体はXが寄生できないものです』
「そうだ。一度寄生され、そして医療班が渾身の努力で彼女を救ったのだ」
いつのまにか大佐の口調は興奮したものになっていた。
238 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:39:40 ID:tQpZaP7a
『ですが、テティス・・・私が用意したデータによってそれは変わった』
「何だと!?」
思わずディスプレイに身を乗り出す大佐。
対して画面に映るテティスは至って普通だ。
『私がB.S.L.を去る前に、いくつかデータを残していったんですよ。既にサムスが派遣されることは
わかっていましたからね。そのデータは・・・、「Xがサムスに寄生できるようにするデータ」が一つ。
もう一つは「サムスのパワードスーツの組成を変更するデータ」よ。これによってサムスは未知の刺激を
感じやすくなったという訳』
「・・・未知の刺激?」
『大佐も軍人なら分かると思うんですけど。快楽ですよ。快楽。闘いに生きる人間にとって、そう感じる
ことのできない刺激です』
「・・・」
『快楽に弱くなった彼女は戦うことすらできず、私に寄生されましたよ』
「残念だがその計画は失敗だ」
大佐には自信があった。
自ら本部に連絡し、核ミサイルによる攻撃を依頼したのだから。
『あぁ、核ミサイルでしたっけ? 中止させましたよ』
「何ぃ!?」
『サムスのスーツを変性させるデータを作れるんですよ? ハッキングくらい訳ないです』
「な、なんと・・・」
驚愕の事実に大佐は頭がフラフラしてきた。
『それとこのステーションの通信回路を全て破壊しました。もう誰も攻撃できません』
「お・・・おお・・・」
『諦めてくださいな。これから大佐の所にいきますからね』
239 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 22:43:40 ID:tQpZaP7a
ちょっと寒いのでお茶飲んできまwww
気が乗った時にガリガリいけるんですが今夜はもう少し行けるかなー?
243 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:20:52 ID:tQpZaP7a
画面から消えるテティス。
その後も大佐はショックのために画面から目が離せなかった。
「全員載ったか!?」
「まだだ」
「く・・・、核ミサイルが来る時間はもうすぐだというのに・・・」
脱出シャトルのパイロットには一応、核ミサイルの着弾時刻が知らされていた。
「ルナ君?」
「はい・・・」
死にそうな顔のルナ。
「本来何も言わないのがこういうときの基本なのだろうが・・・」
「・・・」
「サムスが君に残した伝言は・・・、君がサムスを殺せという内容だろう?」
「!」
エージェントはすでに勘づいていた。
「レナード特尉」
「うむ?」
エージェントが声をかけてきた方へ向く。
(この人、レナードっていうんだ・・・)
「ここではあなたが一番上の階級です。あなたに指揮権があります」
「何を・・・、私に指揮力なんてないさ。他の奴にやらせたほうがいい」
「いえ、軍の規定です」
「う・・・む・・・」
顔をしかめてルナに耳打ちするレナード。
『私は特尉といってね、普通の兵よりも上の階級なんだ。今まで言わなかったがね。
とは言っても私に指揮力なんて無い。現場の人間じゃないんだ。一応の訓練は受けているがね』
「えっと・・・」
『あぁ、君が気にすることはないさ。君は民間人だからね』
244 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:34:34 ID:tQpZaP7a
レナードはパイロットに向き直る。
「ではこれ以降私が指揮を執る。異存は?」
パイロット二人が前を向いたまま、声をそろえて言う。
『ありません』
「まずはミサイル着弾時刻から逆算し、着弾10分前まで待機。13分前より乗員全員に警告せよ」
「はっ」
指揮力が無いとは言え、指揮を執る可能性がある職位なので一定のことは学んでいたのだった。
そしてパイロットが放送で乗員に告げる。
『これより当シャトルは脱出に向けてのシークエンスに入る。まずは現在の時刻を確認せよ。
現在1423時である。当シャトルの発射予定時刻は・・・、1447時とする。なお、1447時より
5分前からは当シャトルへの出入りを一切不可能とする。繰り返す。これより・・・』
「というわけだ。ルナ君、じっとしているのが一番だろうな・・・」
「はい・・・」
艦長室のドアが開く。
「・・・」
もはや大佐は全てを諦めていた。
(一応・・・、私の責任だしな・・・)
大佐はあることを決心していた。
大佐がドアを振り向くと、そこには全裸のテティスが立っていた。
「あら、ちゃんと待っていたのね。いい子ねぇ」
子供に言うような台詞を吐くテティス。
「・・・ここからサムスの部屋まで近いだろう。逃げる余裕などない」
「まぁ言われてみればそうですね」
テティスはそのまま大佐に歩み寄る。
245 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:42:23 ID:tQpZaP7a
「大佐と私って特に接点なかったですよね。だからさっさと終わらせてあげます」
「!?」
テティスは両手を大佐の頭に伸ばし、そのまま頭を押さえる。
「何を・・・する・・・」
大佐は冷静に、そう言った。
(ここで勘づかれては終わりだ――)
そう、大佐は策を考えていた。
Xに有効かは不明だが・・・
「ふふふふ・・・、何すると思う?」
「・・・!」
「このままあなたの脳をいじくって、私のお人形にするのよ」
「何・・・」
「途中で正気に戻っても困るから。もちろんXも寄生させるけどね」
「一体何が目的なんだ!」
「目的? そうねぇ・・・、今はXの繁殖かしら。それとXを宿した生物を増やすことね」
じりじりと大佐は後ずさる。
そして後ろに回した片手で壁のスイッチを、もう片方の手で腰のレーザーガンを取ろうとする。
「そ・こ・ま・で」
「ぬぅ!」
テティスは色っぽい声で言う。
「わかってるわよ。壁の爆破装置を起動するつもりなのは。それと腰のレーザーガンね」
「後者は正解・・・だな」
言うと大佐はすぐに壁のスイッチを入れた。
すると部屋の隅っこの天井から妙な装置が現れた。
「?」
テティスはそちらを振り向くと、その瞬間そこからレーザーが放たれた。
「うあああああああああああああああ!」
もろにレーザーを受けるテティス。
246 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2005/11/20(日) 23:50:28 ID:tQpZaP7a
大佐はテティスの手をほどき、ドアに向かおうとした。
が。
手が離れないのだ。
「くっ、離せ!」
「だぁめ。離さないわよー」
テティスの首が変な方向にねじれ、大佐の方を向いた。
「馬鹿な!」
「私達Xにレーザーが有効なのは事実ね。でもサムスを吸収した時に耐性がついたのよ」
「な、なんと・・・」
大佐はその場に崩れ落ちた。
(万策尽きた・・・か・・・)
「んふふふ、可愛そうねぇ・・・。きっと絶望してるんでしょうねぇ」
「・・・」
大佐はOTLの姿勢のまま、ふるえていた。
「でも心配することはないわ。これからはXがあなたを救ってくれるから」
大佐の頭に回されたテティスの手に力が込められる。
するとその手から新たなXが生まれ、大佐の頭に入り込んでいく。
「う・・・あ・・・・・・」
虚ろな瞳になり、Xを受け入れていく大佐。
「さ、新しい主人があなたに命令をあげるわ」
言うとテティスは大佐の頭を自らの胸に押し込める。
Xと同化した彼女の胸は、まさに巨乳の一言で表現できる代物であった。
大佐にXを寄生させたテティスは、シャトルに向かって歩いていった。
「流石に裸だと怪しまれそうね・・・」
言うと、すぐにテティスの体は服で覆われる。
正確には「服の形状をしたX」で覆われているだけだが。
要するに全裸と何ら変わりない。
247 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2005/11/21(月) 00:02:24 ID:tQpZaP7a
んー、明日早いのでそろそろ終了しますわ。
新しい方を投げるのは少し考えてみますw
MF終わってないし・・・
365 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:27:58 ID:z0JC7In3
そろそろ行こうかと思います
366 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:36:58 ID:z0JC7In3
「あ!」
シャトルの窓からドッグ内部を眺めていたルナが声を上げた。
「あれ・・・」
「テティス君だな」
レナードはテティスの姿を見て言った。
「戻ってきましたね」
「うむ。どうやら無事だったようだ。サムスが持ちこたえてくれているんだろうな」
「・・・」
ルナは何かを感じていた。
「ねぇ・・・」
「ん?」
レナードがルナの顔を見る。
「どうした」
「あの・・・、テティスさんだっけ。何か良くない物を運んでる気がする」
「良くない物?」
「うん」
レナードはわずかに考える。
(まさか・・・)
「それは君の・・・、『予知』か?」
ルナは予知という言葉にピクリと反応する。
「わからない。でも・・・、この感じは頭の奥から出てくるイメージみたいな・・・」
そしてその言葉が決定的な判断材料となった。
「機長」
「はい」
レナードはパイロットを呼ぶ。
「すぐに発進」
「い、今すぐで・・・ありますか!?」
「そうだ。恐らくテティス君は・・・Xに寄生されているはずだ」
「!!!!」
ルナはその言葉に愕然とした。
「それって」
「君は少し静かにしていてくれたまえ。脱出すれば時間はいくらでもある。すまない」
「は、はい・・・」
ルナは必死な形相のレナードに沈黙せざるをえなかった。
367 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 00:51:41 ID:z0JC7In3
「すぐに全ハッチを閉鎖。乗員に耐ショックの準備を指示。通信はどうなっている?」
「私が担当です」
答えたのは、美しいエメラルドグリーンの髪・瞳を持った女性将校だった。
「では軍本部にコンタクトを。早急に高速戦隊をこちらに向かわせ、ステーションを爆撃」
「はっ!」
女性将校はすぐに備え付けの通信設備に向かい、なにやら機材の操作をし始めた。
「特尉!」
「どうした」
「テティス少尉がまもなく機体に到着します!」
「ぬ・・・、発進までどのくらいかかる!?」
レナードの言葉からぴったり3秒後、副機長が答える。
「あ、あと15秒!」
レナードは窓からテティスを見る。
ゆっくりと、しかし確実にこちらへ歩いてくる。
(まずい・・・、Xは壁を通り抜けてくるからな・・・)
つまりは脱出艇の装甲は意味をなさないということだ。
だが、既に機体は空間に浮いている。
既に引力のない宇宙空間の物理法則に属しているのだ。
「今の高度から考えて、普通に床を蹴ったところで船体には届きまい」
「はい」
機長が頷く。
「このまま発進シークエンスを続行」
「了解しました」
結果として、シャトルの脱出は成功した。
脱出後数分して高速戦隊が到着、すぐにステーション「ARAN」を爆撃。
リガース大佐は自らの子と運命を共にした・・・かに見えた。
そう、『見えた』だけであった・・・。
368 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:03:11 ID:z0JC7In3
確かに高速戦隊によってARANは爆撃、破砕された。
しかしレナードは軍本部にXの存在を通達しなかった。
彼はこの爆撃によりXが死滅したものと勝手に判断していたのだ。
そして、完璧であった脱出作戦はここから崩れ始める・・・。
「状況は?」
「現在ステーションから3光年の宙域を航行中。時速1.2光年」
機長が報告する。
「燃料備蓄は残り90%。燃料漏れや、その他機体へのダメージは報告されていません」
「・・・」
そしてレナードは通信兵に向き直る。
「本部からの連絡は?」
「はい・・・、ステーションの破壊には成功。現在本艦の護衛につくため、本艦に接近中」
(問題は無さそう・・・か)
今度は艦内放送を用いて乗員全員に向けて話す。
『司令室のレナード特尉だ。本艦はひとまず脱出に成功したと思われる。
我々が苦楽を共にしたステーションはたった今破壊されたそうだ。
この中にはステーション生まれの者も多くいるだろう。非常に遺憾である。
しかし、こうしなければ多くの人命が失われていたのは確実だ。
あるいは・・・、未知の生物の奴隷となり、自ら多くの人命を奪っていたかもしれん』
「・・・」
ルナは横でその声を聞いていた。
『これから我らは軍本部へと向かう。現在ステーションを爆撃した高速戦隊が本艦の護衛に
向かってきてくれている。まだ軍本部は我々を見捨ててはいないということだ。
各員、絶対に希望を捨てないように。そこに1%の可能性でもあるならば、それに賭けてみよ』
「1パーセント・・・」
ルナはその言葉に深い感慨を覚えていた。
そう、自分の見たイメージのようなものはそれこそ1%の確率で起きる現実であったのかもしれない。
あるいは、99%の確率で起きる現実であり、それを否定するためにこうしてあがいているのかもしれない。
そんなことを考えていた。
369 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:23:42 ID:z0JC7In3
「さて・・・」
レナードがこちらを向いていた。
「君にはあの時申し訳ないことを言ってしまったな。すまなかった」
「いえ・・・」
ルナにはレナードが正しい判断をしていたと思えていた。
彼女とてそれくらいは分かる年齢だ。
「恐らくテティスはXに寄生されていたはずだ。それは君の一言から容易に想像できたんだが」
「・・・やっぱりお姉ちゃんが寄生させたんでしょうか」
「少なくともサムスはXへの耐性を持っていたはずなんだが・・・、
何らかの手段でそれが無効化されたと考えれば、全て説明がつく」
レナードは淡々と分析しているようだった。
「とりあえず脱出には成功したと考えているが、もしかしたらそうではないのかもしれん」
「え?」
「Xの特性を知っているかね? 奴らは・・・、爆撃で死滅するとは言い切れん」
「どういうことですか?」
「つまり、実弾兵器や爆風で死滅することを誰も確認していない」
「・・・」
「サムスはその腕からのビームで射撃、Xを吸収することで退治していたはずなんだ」
ルナは何も言えない。
まだ恐怖が目の前にあるような気がしているからだ。
「その危険性から、恐らく誰も研究していないだろうし今後されることもないだろう。
つまり我々はまだ完全に逃げ延びたと言い切れる訳ではないんだ」
「・・・わかりました」
370 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:32:51 ID:z0JC7In3
ルナはそれだけ言うと、司令室を後にした。
この脱出艇は単なるスペースシャトルのような構造ではない。
元々ステーションARANから最寄りの軍施設まで相当な距離があるため、
長期間の航行にも耐えうるような構造、そして多数の人間を搬送できるよう設計されている。
いわゆる小規模の戦艦のようなものであった。
ルナは司令室から出ると、自分に割り当てられた部屋を探す。
近くにあった案内システムを操作してみる。
『中距離巡航艦・マジェスティックへようこそ』
システムから女性の声が発せられる。
『ご希望のメニューを選択してください』
声と同時に画面に文字が現れる。
======================
@現在地について
@居住区域案内
@指令系統案内
@動力部案内
@本艦詳細情報
@現在の航行状況
======================
ルナは居住区域案内を選択する。
371 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:40:26 ID:z0JC7In3
しかしそこで異変が起きた。
なにやら画面にモザイクのような、謎の映像が映し出されたのだ。
「・・・?」
不都合でも起きたのかと思い、何度か画面をタッチしてみる。
しかし相変わらずモザイクがグニャグニャと蠢いているだけだった。
「う・・・!」
ルナは突如として鋭い頭痛を感じる。
(・・・これ・・・何・・・?)
気づくと、そこにはなにやら液状の物体。
それは徐々に人の形を取っていく。
「ル・・・・・・ナ・・・・・・」
(だ、誰!)
ルナには何となく分かっていた。
響くその声がサムスのものである、と。
「!」
気づくと、ルナはまだ案内システムの画面にいた。
画面にはまだモザイク。
だが、それは徐々に大きくなっていった。
「え・・・」
思わず後ずさるルナ。
そして。
「そ・・・んな・・・!!!」
画面から何かが飛び出し始めたのだ。
(ありえない!)
そう、ありえない。
少なくともルナの知りうる生物でこんな技がなせるのは。
いや、いた。
「え・・・、X・・・」
372 名前:FBX@Code:MF ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:51:33 ID:z0JC7In3
画面から飛び出したのは、グネグネと蠢く液状の物体。
疑似引力を持つこの戦艦では床に垂れるはずなのだが・・・
その液体はそのまま宙に漂おうとしていた。
すなわちその液体がXであるという証拠であった。
(ど、どうしよう・・・!)
まだ自分たちはXの脅威から逃れていなかったのだ。
レナード特尉の予測は、悪い意味で当たっていたのだった。
ルナは足が震えてその場から動けない。
その間にも、液体は画面からどんどん出てきている。
「ルナ君?」
そこにレナードが通りかかる。
「あ・・・、あ!」
張りつめた何かが切れるように、ルナはそちらに向けて走り出す。
「おっと!!」
レナードは驚いてルナを止める。
「どうしたんだい?」
「が、画面からXが・・・!」
「なんと!?」
レナードは案内システムの画面を見るが、しかし何もない。
「確かに見たんだな?」
「はい」
「く、やはり・・・!」
ルナはレナードが何かを考えているのを見ていたが、恐怖は収まらない。
「ひとまず兵を一人護衛につけて君を居住区域に送る。
そこまで行けば一安心だろう。私は本部にこのことを伝える」
「は、はい・・・」
373 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/01/02(月) 01:55:33 ID:z0JC7In3
ぬぅ、今日はこれで限界でつ。
エロシーンなくて申し訳ない。
なんだか徐々にホラーチックになりつつある気もするし・・・w
ともかくそろそろ完結させる方針で書いています。
それでは今年もよろしくお願いします。
484 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:38:50 ID:Atpn193Z
ルナはそれでも落ち着けない。
「ふむ・・・、ついてきたまえ」
ルナはレナードの後に付いていった。
「そうだ。あのXが・・・、うむ。大至急救助要請する。何? 私がXじゃないかだと?
一体何を・・・、ふむ。上から証明せよと言われている・・・か。どうすれば?
うむ・・・うむ。第三者の裏付け・・・か」
レナードはそこで私に視線を向けた。
そして通信を保留にし、
「すまないが・・・、私がXに寄生されてないか疑われてるようだ。
悪いが私が正常である旨をこの通信で本部に伝えてもらえないか?」
「え・・・」
ルナは驚く。
ただの民間人なのに、突然軍事用通信なんて・・・
「なに、相手も軍人だが君は今、私の保護下にある。軍規上は君の方が立場は上だ」
そう、銀河連邦軍には妙な取り決めがある。
民間人を保護した場合、その階級は保護者の階級に準ずる。
ただし民間人は軍へ一切の命令権を持たない。
これは事件に巻き込まれたりして保護された被害者が、軍の者に虐げられないようにするためだ。
かつての銀河連邦には、そのような質の悪い軍人が多かったようだ。
485 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:46:02 ID:Atpn193Z
「じゃ、じゃあ・・・」
ルナはおそるおそる通信機のヘッドセットを頭につけてみた。
「ルナ殿でありますか?」
いかにも軍人、というべき物言いで男性の声が聞こえた。
「は、はい。ルナ・・・、」
自分の本名を言わなければならない。
しかし、ルナは自分の本名が嫌いだった。
『悪夢』などというラストネームを誰が好むものか。
「ルナ=ナイトメアです・・・」
「レナード特尉の保護下におられるということで?」
「はい。レナードさんはステーションから色々とお世話になっています」
「了解しました。レナード特尉に取り次いでください」
その言葉を聞き、私はレナードさんにヘッドセットを渡した。
「私だ。うむ・・・、事態は思ったより悪い。サムスは確かに持ちこたえてくれたようだが、
しかし結果としては・・・。わかった。そうしてくれ。このシャトルは民間人も多数乗艦
しているからな。早急な行動を期待する。・・・うむ、了解。では」
言うと、レナードはヘッドセットを外す。
「・・・大至急本部から応援が来てくれる。メトロイドワクチンを持ってな」
「メトロイド・・・ワクチン?」
「うむ。サムスを死の淵から救ったワクチンだ。かつてサムスが戦ったメトロイドで精製された」
486 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 01:54:17 ID:Atpn193Z
メトロイドはスペースパイレーツなる宇宙海賊により悪用されようとしていたのだが、
サムスによってその野望は打ち砕かれ、その性質を利用するための研究が行われていた。
結果としてXに寄生されたサムスは自らが絶滅させたメトロイドにより救われたのだが・・・
「じゃあ・・・」
「我々の誰かが寄生されたとして、早急な手当を受ければ助かる可能性ができたということだ」
「お、お姉ちゃんは!?」
「残念だが・・・、今のサムスはもうサムスではないはずだ。聞けばステーションへの
核攻撃はリガース大佐の指令で中止されたらしい」
「え・・・?」
「すなわち・・・、大佐はXに寄生されているとしか言えない。そして恐らく」
ルナは目をそらした。
「お姉ちゃんですね?」
「・・・非常に残念だが、そう言いざるを得ない」
「・・・」
ルナはレナードに背を向け、退室しようとする。
既にドア付近には兵士の姿があった。
「・・・私から再度、ステーションへ核攻撃の要請を行った」
「!」
「大佐と・・・もしかしたらサムスが残っているかもしれん」
「じゃあ・・・、いえ。何でもない・・・です」
レナードは窓から暗黒の宇宙を眺める。
「・・・君にとって唯一気を許せる存在だったのだ。辛かろう」
「・・・」
知らず知らずのうち、ルナの頬には一筋の涙が流れていた。
「軍は被害者に手厚い。しかし私はそうは思えん」
487 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:02:46 ID:Atpn193Z
窓に手を当て、何かを見つめるレナード。
「何故って? だってこんなにも不幸な存在を作り出してしまっているじゃないか。
いくら被害者に手厚いとは言っても、それはその場だけにすぎん。
支援費用だとか保護だとか・・・、確かにその時点ではいいかもしれない。
しかし、被害者が再び不幸な目に遭っているのに手厚いと言えるのだろうか」
「・・・でもお姉ちゃんは助けてくれました」
レナードは再びルナの方を向く。
「彼女は軍人ではない。賞金稼ぎ・・・というと人聞きは悪いが、立派な傭兵なのだよ」
「私はお金のために助けられたと?」
「君が捕らわれていた組織を壊滅させる契約に、人質の解放とか救出は含まれていない。
すなわち君は彼女の意志で助けられた・・・。そんな彼女の信念を疑ってはならないよ」
「・・・はい」
返事をすると、ルナはドア付近の兵士と共にレナードの居室を後にした。
「連邦は・・・、いつになれば不幸な存在を産み出さずに済むのだろうか」
机につき、今後のことについて思考を巡らせるレナードだった。
「ここが居住区域です。ルナさんの部屋は・・・と、ああ、ここですね」
兵士がルナを案内する。
「一応我々は交代でルナさんの部屋の前を警備します。
それくらいはさせてくださいよ。あれだけの事件があったんですから・・・」
それを聞いて、ルナはレナードの言葉が気になった。
『連邦は被害者に手厚い・・・、しかしそうは思えん』
ルナは聞いてみることにした。
「それは・・・、レナードさんの命令なんですか?」
488 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:09:34 ID:Atpn193Z
「いえ、我々警備兵メンバーで決定したことです」
ルナはとても失礼なことを聞いてしまったと思った。
「ご、ごめんなさい。レナードさんの話がどうしても気になって・・・」
「構いませんよ。特尉の仰る事はいつも我々を考えさせてくれます。
軍の末端である我々が考える必要なんて無いのでしょうが、そうすることで・・・」
「そうすることで?」
「・・・恥ずかしいですが・・・、少しずつ軍を変えていけるんじゃないかと。
それと、こうして知的生命体として生を受けたありがたみを感じられるんですよ」
「・・・」
兵士は顔を真っ赤にして言った。
「あ、あー・・・、今のは、そのー・・・忘れてください」
「・・・クスっ」
ルナは思わず笑ってしまった。
「ありがとう。おかげで少し元気が出ました」
「いえ、そんな。立ち話に付き合わせてしまい、すいませんです」
兵士はそういうと、ドアを背にして直立不動になった。
警備を始めたのだ。
ルナは邪魔しないように、とドアの中に入っていった。
綺麗に清掃された部屋だった。
寝具、サイドボード、映像設備。
どれもVIP用の一級品に見えた。
「これって・・・」
ルナは流石にたじろぐ。
489 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:18:14 ID:Atpn193Z
「私、こんな凄い部屋使っていいのかな・・・」
あっけにとられるルナだった。
「まずいな・・・、想像以上にまずい・・・」
レナードは頭を抱える。
艦内の状況を調べるため、端末を操作していた彼。
しかしあらゆる箇所に異常があるのだ。
「あたしがやってるのよ」
「!!?」
レナードしかいない室内に、女性の声が響く。
「馬鹿な・・・」
「誰がぁ?」
操作していた端末の液晶が盛り上がってくる。
「うぬぅ!!」
レナードは反射的に行動する。
液晶がすぐに離れ、部屋に備え付けの武器を手に取る。
そして壁に設置されている非常通報ボタンを3回押す。
誤動作防止の為の構造だった。
『非常警報。非常警報。艦内に致命的な非常事態が発生しました。
直ちにシャトルから脱出してください。非常警報。非常警報・・・』
無機質な女性の声で、シャトルの非常警報が響く。
「あら・・・、流石レナード特尉ね。行動が迅速。それに正確・・・」
「貴様・・・、まさか」
「そう。あたしはテティスよ」
その声と同時に、部屋のドアが開く。
「特尉殿!」
「気をつけろ! 奴はテティス・・・、いや。Xに寄生されたテティスだ!」
490 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:24:59 ID:Atpn193Z
「んー・・・残念。違うわよ」
その声と同時に、盛り上がっていただけの液晶はいよいよ人体を形成しようとし始める。
「あたしはXと同化したのよ」
「馬鹿な・・・」
寄生生物という話は聞いていたが、Xと同化できるなど。
「あぁ、サムスに関してはきちんと吸収させてもらったわ。だから・・・」
透明なそれは、徐々に色がついていく。
「こんな格好になることだって・・・」
「な・・・に・・・!」
目の前で起こっている事実にレナードは驚くしかない。
そう、液晶から出てきた謎の液体・・・、もといXは。
今やパワードスーツになろうとしているのだった。
サムスが装備していたパワードスーツに。
「か、構え!!」
レナードは慌てて警備兵に指示を出す。
「!」
警備兵5名はそれに従い、Xに対してアサルトライフルを向ける。
「できるのよ」
その言葉と同時に、Xはとうとう完全にパワードスーツの形態となった。
「一体何が目的だ・・・」
レナードは自身を落ち着ける意味でも、目の前のXにそう問うた。
「んー・・・、とりあえずXの能力を手に入れるっていう当初の目的は達成したわ」
「当初の目的だと?」
「あら、知らない? 私はB.S.L.の研究員だったってこと」
「知らんな・・・」
「B.S.L.がXに襲われた時、私は彼らと契約したのよ。繁殖を手伝うから、能力をくれって」
491 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:31:25 ID:Atpn193Z
レナードは何も言えなくなった。
まさか以前からXに手引きをする者がいるとは思わなかったからだ。
「聞きたいことはそれだけ?」
「くっ・・・」
レナード自身もハンドガンをXに向ける。
「そんなものが私に通用すると思って? あなたもXの力は知っているでしょう」
「撃て!」
レナードが命ずると、警備兵は1秒の間隔もなく発砲する。
部屋に響く爆音。
Xに着弾する鉛玉。
床に散らばる大量の薬莢。
広がる硝煙と火薬臭。
警備兵とレナードは弾倉が空になるまで撃った。
しかし・・・
「・・・!!」
目の前には無傷のパワードスーツ。
「実弾兵器は無効よ」
「全員退避!」
レナードはすぐさま警備兵に指示する。
警備兵は部屋を全速力で出ると、この非常事態の対応にかかるのだった。
「で、あなたは?」
「私は・・・、いや。俺はおまえと心中するってとこか」
レナードは冷たい笑みを見せ、左手に持っていたスイッチを押した。
「な、なに!?」
ルナは突然の振動に驚く。
492 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:36:21 ID:Atpn193Z
思わずドアの外に出る。
「ルナさん! 危険ですから室内に!」
「一体何があったんですか?」
部屋の前にいた警備兵二人は、互いに背を向けて警戒し合っていた。
「まだ何の連絡も。ただ、何かしらの爆発が起こったのは間違いありません」
「爆発?」
「ええ。この振動は明らかに爆発のものです。すぐに連絡が入るはずなので、室内で」
「わ、わかりました・・・」
ルナは室内に戻る。
(一体何なんだろう・・・)
「ルナ」
「!?」
自分を呼ぶ声を耳にし、思わずその発生源を探すルナ。
「だ、誰!」
「私だ」
「え・・・、その声・・・」
そう。
ルナには聞き覚えのある声だった。
自分をあの惑星から、あのテロ組織から救ってくれた勇者。
B.S.L.へ任務に赴く、その姿を見送った勇者。
そしてXを撃滅するため、大佐に命を張って通報した勇者。
まさしく・・・
「お姉ちゃん」
サムスであった。
「心配しなくていい。この爆発は居住区の物ではない。ここが危険にさらされることはないだろう」
「え・・・?」
「大丈夫だ。すぐに迎えに行くから、ここで待っていろ」
493 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:40:28 ID:Atpn193Z
「・・・」
それっきり、サムスの声は聞こえなくなった。
「おかしい」
ルナは疑問に思っていた。
サムスはステーションに残ったはずだ。
何故、シャトルにいる・・・?
「・・・」
様々な可能性を考える彼女。
だが、それはドアが開くことで中断されるのだった。
「お、お姉ちゃん!」
そこにはパワードスーツがあった。
あの、バリアスーツのオレンジ。
右手にはごついアームキャノンも備えていた。
それは、まさしくサムス。
ルナにはそう見えた。
「無事だったんだ・・・」
思わずルナは目の前のパワードスーツに駆け出し、そして抱きしめる。
「良かったぁ・・・、良かったよぉ・・・」
泣きながらそんな台詞をこぼす。
そんなルナの頭を、パワードスーツは右手でなでる。
「待たせたな」
「遅いよぉ、みんな苦しんで・・・、レナードさんも・・・」
494 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:47:17 ID:Atpn193Z
「ああ・・・、立派な軍人だった」
ルナはそこで違和感を覚えた。
『軍人だった』・・・?
どういうことだろうか。
(レナードさんは・・・、司令室にいるはず)
「なに、気にする必要はない」
「え?」
パワードスーツはルナの両肩に手を置く。
「ルナ。お前も仲間になるんだから」
「・・・!!」
その瞬間、ルナの脳裏にあった何かが一つにつながった。
ルナは、自らの能力が嫌いだった。
何かを感じるたび、周囲に不幸が起きるからだ。
何故かわからなかった。
しかし、それを能力と自分の中で位置づけていた。
――そう。
これが予知能力なのだ、と。
「やだ・・・」
「嫌なのか。私と同じ存在になるのが?」
「・・・Xは・・・、お姉ちゃんを殺した」
「私は生きている。ここにいるだろう」
「違う。ここにいるお姉ちゃんはお姉ちゃんじゃない」
「どうしたんだルナ。何か吹き込まれたのか?」
「あなたは・・・、テティス」
「テティス・・・か。そうでもあるな」
495 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:52:06 ID:Atpn193Z
ルナは先ほどから手をふりほどこうとしているが、どうしてもできなかった。
とてつもなく強力な力で肩を押さえられているのだった。
「御託は終わろうか。ルナ」
「・・・」
「Xになれ。そうすれば永遠に私と一緒にいられる」
「Xは私の心のよりどころじゃない。お姉ちゃんを奪った敵」
「しかしルナがXになればまた一緒に暮らせるぞ?」
「う・・・」
ルナの心は揺れていた。
彼女にとって唯一心を許せる存在はサムスのみ。
元々彼女に家族などいない。
それだけに、サムスを奪ったXが許せないが、しかしその言葉の魅力に逆らえない葛藤があった。
「ねぇ」
「なんだ?」
「Xってどんな生き物なの?」
「・・・。知りたいのか?」
「その上で・・・決めたい」
ルナは決して嘘をついていなかった。
彼女の心にある葛藤が、Xについての情報を求めているのだった。
496 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 02:53:40 ID:Atpn193Z
あー、致命的なミスを犯しました。
ステーションは既に爆撃された
としたはずなのに、レナードさんは
「大佐の要請で中止した」
旨の発言をしています。
爆撃されたってのは戦闘機パイロットの誤報ってことでw
直後にXになったテティスさんに襲われたことにしましょう。
きっとそうに違いありません。ええ。
そうテティスさんが言えって、うあgてぃおあえ;りhがえげあんg;あん5r
497 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:02:20 ID:Atpn193Z
「Xは・・・」
Xは発生した時点で寄生生物であった。
しかし元々は寄生した生物を殺すような力は無かった。
だが、進化の過程で何度か絶滅の危機にさらされた際、その能力をつけてしまった。
寄生した生物の容姿・知識を奪い、自らが擬態する能力を。
それ以来、Xはあらゆる生物に寄生し、その知識を得ていった。
やがてX達は思考回路すら模倣できるようになる。
だが、その思考回路は他の生物を破滅に導く事を知らなかった。
自らが繁殖することで、他の生物は確実に数が減る。
そうしていくうちに、他の生物は自身の数が減っていることに気づかずに絶滅する。
見た目が同じなのだから、それは無理もない。
多くの種族が絶滅していく中、X達はその思考回路で一つの結論を見いだす。
『自らが繁殖することで、他の種族を補完できる』と・・・。
容姿と知識、思考回路を有するのだから、他の種族であることと何ら変わりはない。
だから自らが繁殖し、他の種族に擬態し続けることで他の種族を保存することにもなる。
そう考えたのだった・・・。
「・・・それって」
「正しいかどうかは、私一人には答えられん。Xは私以外にも無数にいる」
「・・・」
「どうする? ルナ。拒否するか?」
「・・・」
黙り込むルナ。
しかし、パワードスーツはあえて答えを迫らない。
498 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:07:44 ID:Atpn193Z
やがて。
「うん・・・」
「決めたか?」
「うん」
「それで?」
「お姉ちゃんを奪ったXは、絶対好きになれない」
「ふむ。拒否するか?」
「最後まで聞いてよ」
「いいだろう」
「でも、私がXになることでお姉ちゃんと一緒にいられるなら・・・」
「・・・」
ルナは、ついに禁断のその言葉を発する。
「私、Xになってもいい・・・かも」
「かも?」
「うん・・・。正直、迷ってる」
「そうか。だが、後悔することは無いと言っておこう」
「どうして?」
「Xになる過程で、Xになる事を喜ぶようにプログラムされるからだ」
「・・・私の心がなくなっちゃうってこと?」
「それは違う。ただ、単純にXになったことを後悔しないだけだ」
「それなら」
「・・・決まったようだな」
パワードスーツはルナから手を離す。
「Xは無限の快楽を与えてくれる。それを受け入れれば、ルナ。お前もXになれる」
「・・・うん」
499 名前:FBX@Code-MF ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:13:56 ID:Atpn193Z
「リガース大佐も・・・、レナードも受け入れたんだ」
「レナードさんも?」
「ああ。自爆し、全身ズタボロになったんだが・・・、Xを与えて命を助けた」
「そうなんだ・・・」
「さぁ、始めようか」
パワードスーツは、その姿を文字通りグニャリと変える。
「・・・!」
一瞬後には、ルナの前に懐かしいあの人・・・、サムスが立っていた。
「ルナ。脱げ」
ぶっきらぼうに言う。
「うん・・・」
ルナはゆっくりと服を脱いでいく。
その間、サムスはドアに歩み寄る。
そして自らの手のひらからXを産み出し、ドアの隙間をXで埋め尽くした。
「これでOKだ。防音したからいくら喘いでも大丈夫だぞ」
「え・・・」
ルナは顔を赤らめる。
「ほら。早く脱げ脱げ」
今度は笑いながら言う。
「・・・」
数秒後、サムスの前には全裸のルナが立っていた。
500 名前:FBX ◆LURUsAQvXg :2006/02/10(金) 03:14:58 ID:Atpn193Z
むぅ・・・、流石に長時間で疲れますた。
えぉシーン直前ですが、これで勘弁・・・OTL
もうこの時間だと見てる人も少ないかな?
近日中にえぉると思いますので、またよろしく。
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