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The serious desease of...
140 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 16:31:37.51 ID:6cgdu3QN
さてさて、よく言われるファンタジー世界ではモンスターという存在がいますね。
で、人間様はたいてい町中に住んでいる。
物によってはモンスターと人間が仲良しな設定もあるけれど・・・
あれ?
じゃあ野生というか、町に住んでないモンスターってどうやって生活してんの?
そういう興味からわいたネタを今から書き始めます。
そんなに長くないしブランクがあるので、あんまりエロくないかもですけどw
141 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:28:58.75 ID:6cgdu3QN
争いごとのない平和な世界にも、問題は起こるものだ。
その世界が人間によるものならまだしも、魔物が共存する世界ならば尚更・・・
これはそんな常識がない世界の事件である。
「じゃ、いってきます」
ある晴れた涼しい日のこと。
自宅から出た少女――リオンは森へと歩き出した。
ここは人間の住まう集落。
街と言えるほど大きくはなく、しかし農村というには活気がある。
街道上の宿場町といった様子の集落は、住民と旅人で今日も賑わう。
市街地からの商人は服を持ち寄り、田園地域からの商人は食料などを持ち寄る。
そんな双方にとってプラスになる商業の集落でもあった。
では集落に住む人々はどうかというと、商人と取引をしつつも自給自足の生活をしている。
田畑を耕して食料を得、それと交換で商人から日用品を得る。
だが、入手できるものは自分たちで入手するのが方針となっていた。
このリオンもまた、その一人である。
「うーん・・・買い物で手に入ればいいんだけどね」
とりあえずリオンは手近な商人に声をかけていく。
「あ、すいません。アルラウネの蜜ってあります?」
リオンが声をかけた商人は少々太り気味のヒゲをはやした人だった。
「あー、ウチは武器防具の専門でね。薬草くらいならあるんだけども」
言うと、隣の女性が話しかけてくる。
この商人の妻だろうか。
「お嬢ちゃんくらいの子がアルラウネの蜜っていうのは気になるわねぇ・・・」
ニタニタと怪しく笑いながらそう話してくる。
「そうなの?」
当のリオンはそれがどういう物なのかを知らない。
単に彼女の母親にそう言われただけだった。
「お母さんに頼まれただけで、何に使うかは知らないの」
「あら、そう・・・」
「お前、知ってるのか?」
「えぇもちろん。あなたの武器屋を出店する資金を作るのに使ったのよ」
「え・・・それってお前」
「???」
内輪話になったと思ったリオンは謎の使い道を考えつつ、その場を後にした。
「アルラウネって言うくらいだから・・・うーん」
142 名無しさん@ピンキー sage 2012/05/13(日) 17:29:02.19 ID:+tSRi8Ak
wktk
143 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:29:19.28 ID:6cgdu3QN
むろん、アルラウネとは魔物の名称である。
自然豊かな森に生息する魔物で、その姿は美しい女性。
しかし下半身は植物そのもの・・・という、魔物としては定番な存在であった。
リオンの住む集落の近所にも彼女たちは生息していた。
「マリーさんにもらうかなぁ」
そしてリオンは森へと入っていった。
「止まれ人間」
「?」
突然声をかけられ、リオンは思わず立ち止まる。
すると目の前に人が現れた。
「今この森は危険だ。何があるかわからない」
「えー、そうなんですか?」
「む・・・リオンか」
人影はリオンに近づいてきた。
「あ、ミリスさん」
知り合いとわかりリオンは安心した。
ミリスはリオンが幼い頃から仲の良いエルフ。
人の姿形ではあるが、森の住人たるエルフは人間の集落には住まない。
彼女は森に居を構えている。
「危険って・・・何があったんですか?」
「んん、そうだな。私たちエルフには影響がないらしいから・・・人間も大丈夫かもしれないが」
「?」
「どうも植物系の魔物に伝染病が流行っているらしいんだ」
「え、伝染病?」
「そう。いまエルフの医師はみんな調査しているところでね」
「えー、どうしよう・・・」
「何か用事があるのか?」
「うん。マリーさんに蜜をもらおうと思って」
144 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:31:21.89 ID:6cgdu3QN
「蜜を? リオンもそういう年頃になったのか・・・」
「え??」
「まぁ、事情を詳しく説明しておこう。立ち話も何だ、私の家に行こうか」
「うん!」
二人は森の奥へと歩いて行った。
「うーん?」
「まぁ簡単に言えばだな」
凡愚というわけではないか、リオンはミリスの説明が理解できなかった。
元々エルフは人間よりも賢い節がある。
森に生きる種族として必要な知識を得るためなのかもしれない。
ミリスの説明はこうだ。
ある日を境に、植物系の魔物達の様子が変わったというのだ。
彼女たちは皆お互いの蜜をなめ合ったり塗りたくったりするという。
とあるエルフが調査のために観察をしていると、それら魔物同士で抱き合ったりすることもあった。
注意深く観察していたが、次なる変化が森に訪れた。
どうも花の香りのようなにおいが薄く立ちこめ始めたのだ。
人間よりも敏感なエルフはいち早く察知して警戒しているが、集落の人間は気づいていない。
だが、この現象は過去に起きたことのないもので、エルフ達も戸惑っている・・・
「人間には気づかないものを私たちは気づける」
「うん」
「で、気づいた私たちは警戒しているわけ」
「うーん・・・何が起きてるの?」
「それは私たちもわからない。だから警戒することしかできないんだよ」
「マリーさんの所へ行かないとなんだよねぇ」
困った、という表情のリオン。
145 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:34:07.62 ID:6cgdu3QN
「ともかく私から言えることは、においのする方向へは近づいてはいけない」
「そっちにいそうな気がするんだけどもね」
「命より大切な物ってことではないのだろう?」
「うん。お使いみたいなものだし」
「なら、早めに帰った方がいい。エイダは賢い人間だから、許してくれるはずだ」
エイダとはリオンの母親である。
人間の10倍近い寿命を持つエルフにとっては、人間の2世代を見守ることなど容易い。
ミリスはエイダが幼い頃からの友であり、リオンが生まれた時にも立ち会っていたほどだった。
「わかった。今日は早めに帰るよ」
「それがいい」
リオンは立ち上がる。
「万が一のため、これを渡しておこう」
ミリスが小さい棒状のものを渡す。
「?」
「この森の枝で作った笛だ。私たちエルフにだけ聞こえる音が出る」
「えー、そんなのあるんだ・・・」
「吹けば近くにいるエルフが来てくれるだろう。私の名前を出せば彼女らもわかってくれる」
「うん、わかった」
ミリスから安全の切り札をもらい、リオンはエルフの集落を後にした。
集落を出てからしばらく歩くと、小さい湖があった。
「結構歩いたし・・・ここで少し休もうかな」
リオンは湖畔に腰掛け、持っていた水筒の水を飲む。
そこでふと違和感を感じた。
「ん・・・、なんか甘いにおいがする?」
周囲を見渡すが、特に異常は見当たらない。
湖の周りには静かな森が広がっているだけだった。
146 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:41:31.10 ID:6cgdu3QN
いや、その時点ですでにおかしかった。
本当に静か。
虫や小動物が動く音すらしないのだから。
「え、なんか静かすぎる・・・? まずいかな」
リオンは水筒をしまい、立ち上がる。
が、立ち上がれなかった。
「あ、あれ??」
体に力が入らない。
「おかしいな、立ち上がれないほど疲れてたなんて・・・」
そこでリオンの背後にある湖で、ごぼりという音がした。
「!?」
リオンは振り向いて音の正体を探る。
しかし何か生物がいる気配はしなかった。
「え、何あれ・・・ 水の色が変わっていく?」
そう、湖の中心から青緑色が広がってきていた。
そしてそれが湖畔に近づくにつれ、リオンの感じていたにおいが強くなっていく。
「うそ、これやばいんじゃ」
「あらぁ、リオンじゃない」
「え?」
森の奥から声が聞こえた。
がさがさと草を分ける音がし、その声の主は姿を現す。
「マリーさん」
「何してるの、こんな所で」
「よかった、マリーさんに用事があったの」
「用事?」
「うん。マリーさんの蜜をお母さんが欲しがってて」
「あら・・・ エイダもお盛んね」
「お盛ん??」
「ふふふ・・・」
147 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:45:17.35 ID:6cgdu3QN
マリーは淫蕩な笑みをうかべ、リオンに近づく。
しかしその動作は途中で止まった。
「いけない・・・ リオン、早く森から出て」
「えっ?」
「湖の水を見なさい。あれはとても危険な水」
「あの青緑色っぽいのが危険なの?」
「そう。このにおいがわからないかしら」
「においって、甘いにおいのことかな」
「わかってるなら早く森を出なさい。そしてしばらく近づいてはダメ」
「いったい何があったの? ミリスさんも危険危険って」
「ミリスが言うなら間違いないわ。さぁ早く!」
マリーは全身をプルプル震わせている。
「で、でも体が動かないの」
「もうそこまで毒されて・・・ちょっと我慢してね」
マリーはその体の一部であるツタを伸ばし、ミリスの前に持って行く。
するとツタの先端には花弁ができ、花が開いていく。
「この花の香りをかげば治るわ。さぁ、私が正気のうちに早く」
「う、うん」
リオンは花に顔を近づけ、息を吸う。
まるで感覚を失ったようだった体は途端に回復していく。
「しばらく蜜は諦めるようにエイダに言うのよ。いいわね」
「わかった」
リオンは立ち上がり、歩き始める。
「集落の他の人間にも伝えて。エルフから連絡があるまで森に入ってはダメって」
「マリーさん・・・ うん」
「急いで。他の魔物が現れるかもしれないわ」
148 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:49:07.32 ID:6cgdu3QN
リオンはうなずき、走り始めた。
「くぅ・・・、気持ちいい・・・」
リオンが去った湖畔でマリーは顔をとろけさせる。
マリーの体は植物の花弁から生えている形だ。
膝元あたりまでが花弁に隠れており、そこから上は人間と何ら変わりは無い。
その体の色が緑色をしているという点以外は。
「リオンん・・・逃げてねぇ・・・」
悩ましく体をくねらせ、マリーは右手で秘所に触れる。
「あはぁ・・・」
右手は快楽を生み出すための動作を始めた。
「湖も・・・汚染されちゃってるのねぇ・・・」
ゆっくりと顔を湖に向ける。
水の色はもうほとんどが青緑に染まってしまっている。
そして更に黄色っぽい水が中央から湧いてきているようだ。
「ミリスは気づいてるけどぉ・・・あたし、もうリオンに会えないかもね・・・」
そう自嘲すると、湖の水が一気に盛り上がる。
「あ・・・」
姿を現したのは何らかの生物らしきもの。
ぬめる体表からはイソギンチャクのような無数の触手が生えている。
ちょうど大型の魚類が口を開けているような姿のそれは、その口から強烈な甘い香りを発している。
「なに・・・、あれが原因なのぉ」
そのマリーの声を聞くが早いか、その謎の物体は口から粘液質の液体をはき出す。
「きゃあ!?」
全身でその液体をかぶったマリー。
「え・・・なに、この液体・・・動いて」
粘液まみれのマリーは快楽の中で不安を感じる。
そしてその不安は現実のものとなった。
「あ・・・あ・・・」
粘液はマリーの全身を覆うと、微細な震動を起こし始めた。
149 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:56:52.77 ID:6cgdu3QN
「ああ・・・あ・・・」
もはやマリーは言葉すら発することが出来ない。
そう、粘液は微細な震動を起こすことでマリーに快楽のみを与えているのだ。
そしてその震動は徐々に大きくなっていく。
「ふああ・・・」
やがてぐじゅぐじゅという音を立て始める。
湖に現れた謎の生命体とマリー以外何もいない、静かな湖畔に卑猥な音が響く。
「なにこれぇ・・・すごいぃ・・・」
別にマリーが自慰行為をしているということはない。
彼女は何もしていない。
秘所につっこんだ右手すら動かしていないのだ。
粘液から与えられる快楽だけで悶えているのである。
「ああ、あああ・・・らめ、いくぅ」
ぷしゅぅ、という子気味の良い音がした。
マリーが絶頂したのだった。
右手は秘所から引き抜かれ、体を弓なりにして快楽に身を任せている。
そこで粘液が次なる動作を始めた。
「あひゃあああ・・・」
体を覆っていた粘液がマリーの秘所へと入っていった。
「すご、はいって・・・いっぱい、きてぇ・・・!!」
8割方粘液が入り込むと、湖で沈黙を保っていた物体が動作を起こした。
粘液を射出した口から青い触手が4本伸びてきた。
それらはマリーの秘所、口、乳首の4カ所へと入り込み、あるいは吸い付く。
「んむぅうう」
(な、なにこれぇ・・・私、どうなっちゃうの)
言葉にならない言葉を胸の中で発する。
しかしそんなことでは、今から行われようとしている淫行は防げない。
謎の物体は更に2本、細い触手を伸ばしてくる。
150 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:58:45.92 ID:6cgdu3QN
それらはマリーの耳に入り込み、そのまま脳を犯し始めた。
「んほぉおおおおおお!!」
最初の4本からは粘液がどんどん注ぎ込まれていく。
体へ急速に吸収されているらしく、見た目からは体に変化が現れない。
胸に注ぎ込まれている粘液だけが彼女の胸を更に大きくしていく。
「寄生虫セロノイド・・・これか!」
ミリスは文献をあさり、ついに発見した。
1万年ほど前にこの地域へ姿を現し、猛威をふるった寄生虫。
植物系の魔物に強力な寄生力を持つ。
セロノイドは水中に巣を作り、そこである程度繁殖すると地上へ進出する。
巣は水を変化させて作られるため、多少ダメージを与えても意味をなさない。
地上へ進出した固体は、植物系の魔物に大きな効果を与える催淫臭を発する。
時としてその催淫臭は他のタイプの生物にも効果を現すが、そのにおいには気づきにくいという。
まんまと植物系の魔物を犯して寄生したセロノイドは、魔物の体内で爆発的に増殖する。
魔物はセロノイドから与えられる快楽に抗えず、常に発情・オルガスムスを覚える。
セロノイドに操られて魔物が移動すると、その通り道はセロノイドの卵を含む粘液で汚染される。
植物系の魔物は皆、地下からも養分を得る。
セロノイドの卵も同時に取り込み、そして寄生されていく・・・
「く、しかし・・・対処法が書いていない・・・」
そこでミリスは気づく。
1万年前に流行したとして、どうやって終息したのか?
今回姿を現したのはなぜか?
「・・・1万年前に駆除しきれず、何らかの形で封印していたとしたら?」
ありえる話だ。
151 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 18:08:41.60 ID:6cgdu3QN
その時代に生きる人々の力ではどうしようもできず、仕方なく問題を先送りする。
そしてその問題は人々の知られざる所で深刻化・肥大化し、後の時代で大惨事を引き起こす。
「だとしたら、封印に用いていた何かがあるはずだ・・・」
ミリスは再び文献をあさるのだった。
触手は凄まじい勢いでうねり続け、マリーの体内に寄生虫の卵を含む粘液を注ぎ続ける。
もはや彼女は子宮も、乳房も、消化器も、そして脳も卵で満たされつつあった。
「むぉ・・・ぉ・・・」
白目をむいてセロノイドの寄生快楽に屈するマリー。
すると、マリーに挿入されていた触手が抜けていった。
十分に卵で満たしたと判断したのだろうか。
「・・・・・・」
マリーはすでに気を失い、全身を痙攣させていた。
湖の物体・・・セロノイドの巣は触手を戻すと沈黙を保つ。
しばらくすると、マリーの体に変化が現れた。
大量に寄生卵を注がれた秘所から黄色の粘液が溢れ始め、足下の花弁へと落ちていく。
花弁には元々蜜が溜まっており、そこに滴る。
瞬く間に寄生卵は蜜を吸収して成長し、無数の蟲が生まれた。
膨れた乳房からも黄色のミルクが流れ始めていた。
緑色の肌は青みがかっていき、生まれた蟲が這いずり始める。
マリーのツタが蠢き始めると、その先端に花弁が現れる。
どれもこれも毒々しい赤紫色をしており、そこから粘液質の液体が吹き付けられていく。
寄生卵のシャワーを浴びながらマリーは目を覚ました。
かつてリオンを見つめていた優しい瞳は、主人であるセロノイドの快楽に溺れた淫蕩な色に染まっていた。
リオンはひたすら走り続ける。
マリーの花の香りが効果を示しており、いつも以上に体が軽いのだ。
155 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:33:43.56 ID:6cgdu3QN
(やっぱりミリスさんの言うことはほんとだった・・・!)
ミリスはリオンに嘘をついたことがなかった。
エルフという種族自体が真面目気質の強い種族であるが、ミリスは特にそれが強かった。
人間よりも圧倒的に長い寿命の中で、人間を見守る役目を感じていたからかもしれない・・・
「きゃぁっ!」
リオンは地面に伸びていた根に躓き、盛大に転んでしまった。
「いった・・・」
幸いにも怪我はなかった。
「結構走ったけど、まだ距離ありそうだなぁ」
湖からの逃避行はエルフの集落を通らずに実行されていた。
本来はエルフの集落を通った方が近いのだが、マリーの警告から焦っていたため遠回りしていた。
「あら? 人間じゃなぁい・・・」
艶めかしい声がリオンの耳に届いた。
「え・・・」
ミリスもマリーも『危険』と警告する森の中。
聞こえた声に最大限の警戒をし始めた。
「うっふふふふ・・・」
しっとりとした色気の声と共に植物のツタがリオンを襲った。
「きゃぁ!?」
「つかまえたぁ・・・」
ツタはリオンの全身に絡みつき、身動きを封じてしまった。
「ふふふ・・・」
笑い声と共にツタの主が姿を表した。
やはり、マリーと同じアルラウネだった。
「アルラウネ・・・マリーさんの知り合い?」
リオンは恐怖の中でそう質問してみた。
「えぇ・・・そうよ」
「じゃ、じゃあどうして私を」
「マリー様に言われたからに決まってるじゃない」
「えっ?」
「とりあえず捕まえてって言われたから捕まえたのよぉ」
「・・・」
156 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:34:55.18 ID:6cgdu3QN
(そういえばマリーさんは・・・あの時焦っていた。私を逃がそうと)
冷静にリオンは考えを巡らせる。
(そして今、目の前のアルラウネは『マリー様』って言ってる。じゃあ・・・)
そして判断。
リオンはマリーの花の香気で強化された力で抵抗を始めた。
「きゃ、ちょっとぉ・・・暴れちゃだぁめ」
アルラウネはツタを伸ばし、先端に花を作り出した。
「やだ! 離してよ!!」
「んふふ・・・マリー様から頂いた新しい香り。あなたが実験台よぉ」
ツタの花はそのままリオンの顔に伸び、彼女の口と鼻をふさぐ。
「んむぅ!?」
慌てて息を止める。
しかし全力疾走を続けていた彼女の心拍数は高く、瞬く間に酸素を消費してしまった。
我慢できず、息を大きく吸う。
そしてリオンは花の甘い香りを感じると、一瞬にして気を失った。
「マリー様ぁ・・・連れてきましたぁ・・・」
「・・・合格ねぇ。じゃ、卵を入れてあげる」
「あぁ、早く、早くぅ」
マリーは淫猥な笑みを作ると、十数本のツタを操り目の前のアルラウネの秘所へ突っ込む。
「あひゃあああ、きたぁああああ!!」
すでに粘液まみれだったツタは障害無く子宮の奥深くへ入り込む。
時間を置かず、それらのツタは激しくうねり始めた。
もちろん、リオンを拉致してきたアルラウネに寄生卵を植え付けているのだ。
このアルラウネは、マリーが通った道を偶然通ってしまったのだ。
地表にばらまかれた卵のいくつかが彼女に寄生し、快楽を与え続けた。
やがてセロノイドは彼女の脳に達すると、マリーの情報を流し込んだのだ。
セロノイドの巣であり女王となった彼女に従え・・・と。
「もっと、もっとぉおおお!!」
157 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:35:43.46 ID:6cgdu3QN
「いいわ。あなたがセロノイドそのものになっちゃうくらい入れてアゲル・・・」
そして更に注そうする勢いを速く、そして強くするマリー。
もはやリオンの知る優しいマリーは存在しないのだ。
やがて寄生卵の粘液を注がれすぎたせいか、アルラウネは口から盛大に粘液を吐き出して果てた。
「くっふふふふふ・・・セロノイド漬けアルラウネ・・・素晴らしいわぁ・・・くはぁ」
マリーの体表を這いずるセロノイドが彼女の乳首を優しく噛んだ。
「いいわ、もっとしなさぁい・・・この森を私の、セロノイドのものにぃ・・・」
青く染まったマリーの体。
秘所ではセロノイドが激しく出入りを繰り返し、マリーを満たし続ける。
足下の花弁の蜜からはセロノイドが生まれ続け、周囲の草むらへと旅立っていくのだ。
そう、今やマリーはセロノイドの巣であり女王。
彼女の体内で寄生虫は生まれ、成長し、そして卵を産み続ける。
地表へと降り立った固体は森へと出て行き、他の植物系の魔物へ寄生するのだ。
「う・・・」
ツタをほどかれていたリオンが目を覚ます。
「ふふふふ・・・」
マリーは邪悪な笑みを浮かべ、ツタを伸ばす。
リオンの意識が覚醒する前に絡め取ってしまう。
「ここ・・・は・・・」
ぼーっとする頭で周囲を見渡す。
少しして、ようやく自分が何かに絡みつかれて動けないことに気づく。
「え・・・なにこれ・・・って、マリーさん?」
そして目の前に寄生虫の母となったマリーの姿を認めた。
「んふふふふふふ・・・おはよう、リオン」
舌なめずりをするマリー。
「マリーさん、森はだいじょ・・・!?」
やっとリオンは異常に気づいた。
マリーが彼女の知る姿ではないことに。
「森は大丈夫よぉ・・・私の物になるんだしね」
「え・・・」
「でもねリオン。私は森だけじゃ足りないわぁ」
158 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:36:56.33 ID:6cgdu3QN
「・・・」
マリーの変貌ぶりに恐怖することしかできないリオン。
「人間の所にも行ってぇ・・・ふふふふ・・・・・・あら、お目覚めね」
そしてマリーの視線が移る。
先ほどマリーに寄生卵を大量に注がれたアルラウネの元へと。
そのアルラウネは異形となっていた。
一見すると通常のアルラウネの形なのだが、腰のあたりに新たな器官が出来ていた。
マリー同様、胸は肥大化しているしセロノイドが這いずり回っているのもある。
「それじゃあ・・・リオンであなたの新しい力を試してみなさぁい」
「あはぁ・・・はぁい・・・」
アルラウネはリオンの元へ近づく。
「かわいい・・・人間の女の子ってこんなに・・・」
「い、いや・・・来ないで・・・」
「つれないわねぇ。マリー様とは仲良くしていたんでしょ?」
「それは」
「別にいいじゃない。あたしはマリー様の奴隷。そう、蟲さんの奴隷でもね・・・」
アルラウネの新しい器官から一本の非常に細い触手が伸ばされた。
そのままリオンに近づくと、リオンの胸を突き刺さる。
「うっ・・・!?」
「ちょっと血をもらうだけよ・・・ふふ」
すぐにそれは抜かれる。
「マリー様、強い蟲さんを一匹・・・」
「強い子を? いいわ。・・・んはぁ」
びじゅる、という卑猥な音がマリーの股間で聞こえた。
出入りしていた蟲がどくと、股間の穴から一回り大きめの蟲が出てきた。
蟲は地表を這うと、アルラウネの体へ上っていった。
「ふふふ・・・さ、血と混ぜてアゲル」
アルラウネは蟲をつかむと、腰の器官の口へと入れてしまう。
「・・・」
リオンはひたすら見守ることしか出来ない。
その新たな器官からは粘液質の音が大きく聞こえる。
取り込んだ蟲を砕いて溶かしているような・・・そんな音。
「さぁて・・・どんな子が産まれるのかしらねぇ・・・ふふ」
159 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:37:32.15 ID:6cgdu3QN
「ね、ねぇマリーさん・・・何をするつもりなの・・・?」
「さぁ? あの子の企みだからわからないわねぇ」
全て見通しているような笑いを浮かべるマリー。
ツタに拘束され、マリーを見上げるような状態のリオンは背筋が冷たくなった。
「出来た」
リオンは、彼女の後ろにいるアルラウネの声をを聞いた。
そして音もなく迫ってくるアルラウネ。
マリーはツタを操り、リオンをアルラウネの方へ向ける。
「で・・・何をしたの?」
あいかわらずニヤニヤしながらマリーが問う。
「うっふふ・・・マリー様の蟲さんを人間に寄生するよう作り替えましたぁ」
「あらぁ、それは面白いわねぇ・・・」
白々しく言うマリー。
「そろそろ夕方だし、一気に寄生させちゃいなさぁい」
「はーい」
「い、いや! やめて!!」
リオンはツタに拘束されながらも暴れるが、セロノイドに強化されたツタはびくともしない。
アルラウネの腰にある異形の器官がリオンの秘所に接触した。
「ひっ・・・」
「さ、あなたの大事なご主人様よぉ・・・んふぁあ」
喘ぎ声と共にぐじゅりという音がし、その異形の器官から大きな蟲がひり出された。
蟲はそのままリオンの秘所に張り付く。
「い、いやぁ変なものくっつけないでぇ!!!」
「大丈夫、すぐ良くなるからぁ・・・ふふふ」
「これでリオンも仲間なのねぇ・・・」
マリーは恍惚の表情でリオンを見つめる。
「今だから言っちゃうけどぉ・・・私ね、リオンを犯したかったの」
「え・・・」
その告白にショックを受けるリオン。
親しくしていたマリーが、そんな思いで自分を見ていたことに。
「う、嘘でしょマリーさん・・・」
「嘘じゃないわ。じゃあ聞くけど、アルラウネの蜜は何に使うか知ってるの?」
「え・・・知らない・・・」
「でしょお?」
160 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:38:24.79 ID:6cgdu3QN
これだから人間の子供は、というような表情で二匹のアルラウネは苦笑する。
「教えてあげる。アルラウネの蜜はね、媚薬そのものなの」
「び、びやく?」
「そう、媚薬。生き物をエッチな気分にしちゃう成分が入ってるの」
「エッチって・・・ええ??」
「それを欲しがるリオンのお母さんって・・・うふふふふ・・・」
「お母さん・・・どうしてそんなものをほしええああ!!」
突然リオンは悲鳴を上げた。
「いやああ、入ってこないで!!」
秘所に密着した蟲がリオンの中に入り込み始めたのだった。
「ほらほら、どんどん入っちゃっていいのよぉ~」
蟲を生み出したアルラウネはそんなことを言いながら手で蟲をぐいぐいと押す。
その勢いもあり、蟲はかなりのスピードでリオンの中に入り込んでいく。
「きもちわる、やめてやめてぇ」
「ほぉら、もう半分以上入っちゃったわよぉ・・・」
「こんなに大きな蟲さんが簡単に入っちゃうなんてねぇ、リオンはエッチだったのね」
マリーが卑猥な台詞を発する。
「まぁそうよねぇ、リオンを産んだエイダももう若くないのに・・・
なのにアルラウネの蜜を欲しがるだなんてね。ひょっとして淫乱の血筋なんじゃなぁい?」
「ほら、もうほとんど入っちゃったわぁ」
「ぃ・・・いやぁ・・・」
自分の胎内に異物が侵入してくる異常な感覚に耐えるリオン。
しかし耐えたところで何も変わらない。
(ミリスさんの笛さえ・・・ふければ・・・)
もちろん、全身を拘束されているリオンにはそんなことは不可能だ。
「はい、全部入っちゃった」
「え」
リオンは自分の股間を見下ろす。
そこには何もなかった。
確かに先ほどまで異物がくっついていたのだが。
「気分はどう? 悪いってことはないはずだけど・・・」
マリーはリオンの顔をのぞき込む。
「マリー様ぁ、リオンちゃんはまだ若いからぁ・・・」
「そっか、エッチなことなんか知らないのかな~」
「知らない! 知らない知らなぁ!??」
そこでリオンの台詞は途切れた。
拘束されながらも体を弓なりに反らし痙攣している。
161 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:39:20.52 ID:6cgdu3QN
「あれ? ひょっとしてイった?」
「あ・・・あ・・・」
うめき声を上げ、白目をむいて痙攣するリオン。
「うーん??」
リオンに蟲を入れたアルラウネは体勢を低くし、リオンの秘所をのぞき込む。
指で広げ、膣の中を観察する。
「あー、中で蟲さんが触手をぬるぬるしてますねぇ」
「奥の方は見える?」
「いやー、さすがに暗くて・・・」
「卵巣まで汚染してくれればいいんだけどね」
「なんだ、マリー様やっぱりわかってる・・・」
「当たり前でしょ。誰があなたを改造したと思ってるのよ」
「えへへへ・・・スケベな魔物にしてくれてありがとうございますぅ」
「ま、とりあえずはこれでよし。リオンを森の外に連れて行くわよ」
「はーい」
マリー達アルラウネにつれられ、ただ絶頂を繰り返し続けるリオンは運ばれていく。
森の外に到着する頃には日も暮れており、心配した集落の人間が来ていた。
「お・・・お、アルラウネ殿か」
先頭にいた人間の男が気づく。
「あらぁ、人間の・・・だぁれ?」
「リオンの知りあいです。リオンは・・・」
「あぁ、ちょうど良かった。リオンを連れてきたのよぉ」
ツタを操り、マリーはリオンを人間の集団に渡す。
「たまたま水辺で見つけたの。怪我はしてないと思うけど、念のため安静がいいわねぇ」
「おお、ありがとうございます」
「それとぉ・・・この子が欲しがってた、アルラウネの蜜よ」
液体の詰まった小瓶を渡すマリー。
「あ、アルラウネ殿の蜜を・・・この子が?」
「えぇ。何でもエイダに頼まれたとかって」
「エイダが? ふーむ・・・」
「ま、深く関わらないのが吉ってねぇ。私たちはこれで失礼するわぁ」
そう言って森側へ下がるマリー。
162 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:40:13.49 ID:6cgdu3QN
「あー、そうでしたな。だから我らはうまくやってこれたというもの」
「そういうことよぉ。それじゃあね」
「リオンが世話になり申した。いずれ礼に伺います」
その言葉に、マリーは背中を向けて手を振る。
人間達はリオンを自宅へと運び込むのだった。
エイダはリオンが到着すると、何も言わずにベッドへ寝かせた。
自分がアルラウネの蜜を頼んだためにこうなったのだから・・・と。
目が覚めたらきちんと謝ると心に決め、エイダは自分の寝室へと戻っていった。
深夜。
一日経過しないうちから異常が起きていた。
リオンの股間から大量の触手と粘液が溢れ、ベッドをびしょびしょにしたのだ。
人間用セロノイドはリオンの子宮に寄生し、確実に彼女を改造していた。
むろん股間から溢れている粘液は寄生卵だらけである。
今や彼女のベッドはセロノイドの巣となっていた。
寄生卵から産まれた幼虫は、リオンのベッドに染みついた汗などを糧に成長していく。
瞬く間にベッドはセロノイドだらけになり、布団の中に満ちていった。
やがて触手はリオンの体を包み込んでいく。
粘液を分泌させながら、リオンはセロノイドにより改造されていく・・・
朝。
リオンの部屋にやってきたエイダは、ドアの外からも異常を感じていた。
甘い香りがするのだ。
リオンは香水を使うような洒落っ気のある少女ではない。
それは母親であるエイダが一番よく知っている。
「じゃあ、このにおいは・・・?」
エイダは意を決してドアを開けた。
「な・・・これは!」
リオンの部屋は一晩にして魔界と化していた。
床には青みがかった触手が張り巡らされ、蟲が這いずり回る。
ベッドがあった位置には触手の塊があるのだ。
そしてどぎつい甘い香り・・・
「り、リオン!?」
163 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:41:04.25 ID:6cgdu3QN
強い嫌悪感を覚えつつもエイダは触手の塊へと進んで行く。
なんとかたどり着くと、エイダは体に衝撃を感じた。
「え?」
塊から触手が一本伸びていた。
たどっていくと、それは自分の胸を貫いていたのだ。
「うそ・・・」
触手は何やら蠕動している。
同時にその塊は中にあるものを見せるかのようにほどけていく。
『ふふふ・・・』
確かにリオンの声。
だが人間の声帯による声ではないような、そんな声色だった。
「り、リオン・・・なの・・・?」
『そうだよお母さん』
ついに触手がすべて解ける。
そこには黄緑色の肌をした愛娘がいた。
『お母さん。ありがとう。アルラウネの蜜のお使いのおかげでこうなれた』
「こうって」
『森で新種の寄生虫に寄生されたの。ほんとは植物の魔物だけに寄生するみたいだけど』
「・・・」
何も言えないエイダ。
自分の性欲がこの子を変えてしまった。
その自責の念がエイダを硬直させているのだった。
『アルラウネのマリーさん達に新しく蟲を作ってもらったんだ』
その言いようは、あたかも自分が望んで寄生されたようなものになっていた。
「それで、私をどうするの?」
『ふふふふ・・・どうって?』
「もうアルラウネの蜜の使い道、知ってるんでしょう?」
『もちろん。エッチな人が使う媚薬だってね』
「じゃあ・・・」
『お母さんはここでセロノイド生産工場になってもらうから』
「え?」
エイダはセロノイドという言葉が何かを知らなかった。
『あ、そうか。セロノイドっていうのはこの蟲さんのこと』
リオンは自分の体を這いずり回る蟲を一匹、手に取る。
『大丈夫だよ。淫乱なお母さんだったらいくらでも生めるよ』
「い、いや・・・やめて・・・」
『やめるわけないじゃない。お父さんが死んでから、毎晩してたんでしょ?』
「えっ、いやそれは」
164 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:42:01.92 ID:6cgdu3QN
『ほらね。だからアルラウネの蜜なんかを買いに行かせたんだしね』
「・・・」
『さぁ、この触手に包まれて改造されなさい』
「ひっ、いやああ!!」
有無を言わさずエイダは触手の渦に飲み込まれていく。
リオンは立ち上がり、部屋の出入り口へと歩いて行く。
部屋から出たリオンはいつもと変わらない見た目になっていた。
「くふふふ・・・擬態はいくらでも出来るみたいね」
さらに股間から蟲を作り出すと全身に這わせ、服に擬態させていく。
家を出る頃には擬態は完了していた。
国を治める政府は、街道沿いの集落が壊滅したという発表を行った。
一切の連絡が途絶え、調査に向かわせたチームも帰ってこない、と。
リオンがセロノイド寄生体となってからわずか三日。
たった三日で集落は完全に汚染されつくしたのだ。
「ここが壊滅されたという発表のあった集落です」
彼女は報道の役目を負った政府の人間。
魔法のアイテムを用いて映像を送りながら実況をしていた。
「しかしどうでしょう、見た目には全く変化はありません。のどかな風景です」
配信用アイテムを動かし、周囲の風景を撮影する。
「言うなれば人が歩いていない・・・という点だけです。少し中へ入ってみましょう」
報道担当は足を進めていく。
かつては商人が行き来して賑わっていた広場にも誰もいない。
動物すらいない。
「これはまさしくゴーストタウン・・・本当に、本当に誰もいません」
映像は広場中央の噴水を映し出す。
「この噴水は集落のシンボル・・・、ここに人間が住む礎として作られたものです。
地下からの湧き水は綺麗で、飲み水にも適しています」
噴水の水面に近づく報道担当。
映像もそれにあわせて近づいていく。
「私も少しのどが渇きました。ちょっと失礼して・・・」
報道担当は手で水をすくい、一口飲む。
「いやぁ、おいしいです。それにしても何があったのでしょうか」
「私から説明しよう」
「!?」
165 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:42:51.88 ID:6cgdu3QN
誰もいない広場に声がこだまする。
「ど、どなたでしょうか・・・」
「さっきからあなたのことを見ていたよ」
「ひっ!」
報道担当の後ろに彼女はいた。
「全く、気づいているなら出てきてくださいよ」
「集落を害する者かもしれないと警戒していたのだよ」
「えーと、見たところエルフですよね。お名前は?」
「ミリスだ」
「ミリスさん、この集落で何か事件があったのでしょうか?」
「あぁ、あったよ」
「や、やはり・・・」
「知りたいのか?」
「私はそのために派遣されてきたんですよ」
「なるほど」
ミリスは噴水の近くに腰掛ける。
「ところで・・・この水を飲んでいたね?」
「はい、飲みましたけど」
「そうか・・・ならば、残念だけどあなたはもうこちら側の存在」
「え?」
「それは撮影用のアイテムかな?」
「はい」
「じゃあ、あなたが染まっていく様を国中に生中継することになるんだな」
ミリスはニヤニヤと笑う。
「いったい何を言って・・・」
「こういうことだよ」
言うと、ミリスは報道担当を抱きしめてキスをした。
そのまま口から触手を伸ばし、報道担当の中に埋めると寄生卵の粘液を流し込む。
報道担当が汚染され尽くすのに時間はかからなかった・・・
そうして、国中の人々がセロノイドに汚染されていく。
最初はマリー、リオン、エイダ。
166 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:44:08.72 ID:6cgdu3QN
エイダが自宅で寄生卵を産み、溢れさせていく。
家に収まらない分は家の外に溢れ、地面にしみこむ。
大地が汚染されると道ばたの植物が汚染されていく。
元々植物系の魔物に寄生する蟲だけあり、植物への汚染は速かった。
田畑の作物が汚染されると更に人間への寄生は促進される。
リオンが集落に戻った翌日、リオンはミリスにもらった笛を吹いた。
1時間としないうちにミリスが駆けつけたが、もちろんそれはリオンの罠。
ミリスも抵抗ままならずにあえなく寄生され、セロノイドの奴隷となってしまった。
もはやアルラウネどころか人間も、そしてエルフも。
みんなセロノイドに寄生されていた。
そして快楽のままに卵を産み、お互いに犯しあう。
新たな旅人が通りかかれば寄生させて旅立たせる。
時々はマリーやリオンが他の街へ出向き、直接手を下す。
といってもオナニーをしているだけで街一つが完全に汚染されるというから恐ろしい。
それほどまでにセロノイドの感染力は強力だった。
この大陸がセロノイドの巣窟となるのも、そう時間はかからないだろう――
-The serious desease of... "EVERYTHING" : fin. -
167 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:45:49.51 ID:6cgdu3QN
と、こんな感じで。
かなーり久々なのでイージーミスやらかしてるかもですけど。
五行戦隊の人が来たのを思い出して、やってみました。
野生の魔物の生態は気になるとこだけど、それはこのスレと違うテーマなのでw
そこは深く突っ込まないでくださいw
まぁモンスター娘スレあたりで議論されたりするだろうけどw
さてさて、よく言われるファンタジー世界ではモンスターという存在がいますね。
で、人間様はたいてい町中に住んでいる。
物によってはモンスターと人間が仲良しな設定もあるけれど・・・
あれ?
じゃあ野生というか、町に住んでないモンスターってどうやって生活してんの?
そういう興味からわいたネタを今から書き始めます。
そんなに長くないしブランクがあるので、あんまりエロくないかもですけどw
141 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:28:58.75 ID:6cgdu3QN
争いごとのない平和な世界にも、問題は起こるものだ。
その世界が人間によるものならまだしも、魔物が共存する世界ならば尚更・・・
これはそんな常識がない世界の事件である。
「じゃ、いってきます」
ある晴れた涼しい日のこと。
自宅から出た少女――リオンは森へと歩き出した。
ここは人間の住まう集落。
街と言えるほど大きくはなく、しかし農村というには活気がある。
街道上の宿場町といった様子の集落は、住民と旅人で今日も賑わう。
市街地からの商人は服を持ち寄り、田園地域からの商人は食料などを持ち寄る。
そんな双方にとってプラスになる商業の集落でもあった。
では集落に住む人々はどうかというと、商人と取引をしつつも自給自足の生活をしている。
田畑を耕して食料を得、それと交換で商人から日用品を得る。
だが、入手できるものは自分たちで入手するのが方針となっていた。
このリオンもまた、その一人である。
「うーん・・・買い物で手に入ればいいんだけどね」
とりあえずリオンは手近な商人に声をかけていく。
「あ、すいません。アルラウネの蜜ってあります?」
リオンが声をかけた商人は少々太り気味のヒゲをはやした人だった。
「あー、ウチは武器防具の専門でね。薬草くらいならあるんだけども」
言うと、隣の女性が話しかけてくる。
この商人の妻だろうか。
「お嬢ちゃんくらいの子がアルラウネの蜜っていうのは気になるわねぇ・・・」
ニタニタと怪しく笑いながらそう話してくる。
「そうなの?」
当のリオンはそれがどういう物なのかを知らない。
単に彼女の母親にそう言われただけだった。
「お母さんに頼まれただけで、何に使うかは知らないの」
「あら、そう・・・」
「お前、知ってるのか?」
「えぇもちろん。あなたの武器屋を出店する資金を作るのに使ったのよ」
「え・・・それってお前」
「???」
内輪話になったと思ったリオンは謎の使い道を考えつつ、その場を後にした。
「アルラウネって言うくらいだから・・・うーん」
142 名無しさん@ピンキー sage 2012/05/13(日) 17:29:02.19 ID:+tSRi8Ak
wktk
143 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:29:19.28 ID:6cgdu3QN
むろん、アルラウネとは魔物の名称である。
自然豊かな森に生息する魔物で、その姿は美しい女性。
しかし下半身は植物そのもの・・・という、魔物としては定番な存在であった。
リオンの住む集落の近所にも彼女たちは生息していた。
「マリーさんにもらうかなぁ」
そしてリオンは森へと入っていった。
「止まれ人間」
「?」
突然声をかけられ、リオンは思わず立ち止まる。
すると目の前に人が現れた。
「今この森は危険だ。何があるかわからない」
「えー、そうなんですか?」
「む・・・リオンか」
人影はリオンに近づいてきた。
「あ、ミリスさん」
知り合いとわかりリオンは安心した。
ミリスはリオンが幼い頃から仲の良いエルフ。
人の姿形ではあるが、森の住人たるエルフは人間の集落には住まない。
彼女は森に居を構えている。
「危険って・・・何があったんですか?」
「んん、そうだな。私たちエルフには影響がないらしいから・・・人間も大丈夫かもしれないが」
「?」
「どうも植物系の魔物に伝染病が流行っているらしいんだ」
「え、伝染病?」
「そう。いまエルフの医師はみんな調査しているところでね」
「えー、どうしよう・・・」
「何か用事があるのか?」
「うん。マリーさんに蜜をもらおうと思って」
144 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:31:21.89 ID:6cgdu3QN
「蜜を? リオンもそういう年頃になったのか・・・」
「え??」
「まぁ、事情を詳しく説明しておこう。立ち話も何だ、私の家に行こうか」
「うん!」
二人は森の奥へと歩いて行った。
「うーん?」
「まぁ簡単に言えばだな」
凡愚というわけではないか、リオンはミリスの説明が理解できなかった。
元々エルフは人間よりも賢い節がある。
森に生きる種族として必要な知識を得るためなのかもしれない。
ミリスの説明はこうだ。
ある日を境に、植物系の魔物達の様子が変わったというのだ。
彼女たちは皆お互いの蜜をなめ合ったり塗りたくったりするという。
とあるエルフが調査のために観察をしていると、それら魔物同士で抱き合ったりすることもあった。
注意深く観察していたが、次なる変化が森に訪れた。
どうも花の香りのようなにおいが薄く立ちこめ始めたのだ。
人間よりも敏感なエルフはいち早く察知して警戒しているが、集落の人間は気づいていない。
だが、この現象は過去に起きたことのないもので、エルフ達も戸惑っている・・・
「人間には気づかないものを私たちは気づける」
「うん」
「で、気づいた私たちは警戒しているわけ」
「うーん・・・何が起きてるの?」
「それは私たちもわからない。だから警戒することしかできないんだよ」
「マリーさんの所へ行かないとなんだよねぇ」
困った、という表情のリオン。
145 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:34:07.62 ID:6cgdu3QN
「ともかく私から言えることは、においのする方向へは近づいてはいけない」
「そっちにいそうな気がするんだけどもね」
「命より大切な物ってことではないのだろう?」
「うん。お使いみたいなものだし」
「なら、早めに帰った方がいい。エイダは賢い人間だから、許してくれるはずだ」
エイダとはリオンの母親である。
人間の10倍近い寿命を持つエルフにとっては、人間の2世代を見守ることなど容易い。
ミリスはエイダが幼い頃からの友であり、リオンが生まれた時にも立ち会っていたほどだった。
「わかった。今日は早めに帰るよ」
「それがいい」
リオンは立ち上がる。
「万が一のため、これを渡しておこう」
ミリスが小さい棒状のものを渡す。
「?」
「この森の枝で作った笛だ。私たちエルフにだけ聞こえる音が出る」
「えー、そんなのあるんだ・・・」
「吹けば近くにいるエルフが来てくれるだろう。私の名前を出せば彼女らもわかってくれる」
「うん、わかった」
ミリスから安全の切り札をもらい、リオンはエルフの集落を後にした。
集落を出てからしばらく歩くと、小さい湖があった。
「結構歩いたし・・・ここで少し休もうかな」
リオンは湖畔に腰掛け、持っていた水筒の水を飲む。
そこでふと違和感を感じた。
「ん・・・、なんか甘いにおいがする?」
周囲を見渡すが、特に異常は見当たらない。
湖の周りには静かな森が広がっているだけだった。
146 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:41:31.10 ID:6cgdu3QN
いや、その時点ですでにおかしかった。
本当に静か。
虫や小動物が動く音すらしないのだから。
「え、なんか静かすぎる・・・? まずいかな」
リオンは水筒をしまい、立ち上がる。
が、立ち上がれなかった。
「あ、あれ??」
体に力が入らない。
「おかしいな、立ち上がれないほど疲れてたなんて・・・」
そこでリオンの背後にある湖で、ごぼりという音がした。
「!?」
リオンは振り向いて音の正体を探る。
しかし何か生物がいる気配はしなかった。
「え、何あれ・・・ 水の色が変わっていく?」
そう、湖の中心から青緑色が広がってきていた。
そしてそれが湖畔に近づくにつれ、リオンの感じていたにおいが強くなっていく。
「うそ、これやばいんじゃ」
「あらぁ、リオンじゃない」
「え?」
森の奥から声が聞こえた。
がさがさと草を分ける音がし、その声の主は姿を現す。
「マリーさん」
「何してるの、こんな所で」
「よかった、マリーさんに用事があったの」
「用事?」
「うん。マリーさんの蜜をお母さんが欲しがってて」
「あら・・・ エイダもお盛んね」
「お盛ん??」
「ふふふ・・・」
147 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:45:17.35 ID:6cgdu3QN
マリーは淫蕩な笑みをうかべ、リオンに近づく。
しかしその動作は途中で止まった。
「いけない・・・ リオン、早く森から出て」
「えっ?」
「湖の水を見なさい。あれはとても危険な水」
「あの青緑色っぽいのが危険なの?」
「そう。このにおいがわからないかしら」
「においって、甘いにおいのことかな」
「わかってるなら早く森を出なさい。そしてしばらく近づいてはダメ」
「いったい何があったの? ミリスさんも危険危険って」
「ミリスが言うなら間違いないわ。さぁ早く!」
マリーは全身をプルプル震わせている。
「で、でも体が動かないの」
「もうそこまで毒されて・・・ちょっと我慢してね」
マリーはその体の一部であるツタを伸ばし、ミリスの前に持って行く。
するとツタの先端には花弁ができ、花が開いていく。
「この花の香りをかげば治るわ。さぁ、私が正気のうちに早く」
「う、うん」
リオンは花に顔を近づけ、息を吸う。
まるで感覚を失ったようだった体は途端に回復していく。
「しばらく蜜は諦めるようにエイダに言うのよ。いいわね」
「わかった」
リオンは立ち上がり、歩き始める。
「集落の他の人間にも伝えて。エルフから連絡があるまで森に入ってはダメって」
「マリーさん・・・ うん」
「急いで。他の魔物が現れるかもしれないわ」
148 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:49:07.32 ID:6cgdu3QN
リオンはうなずき、走り始めた。
「くぅ・・・、気持ちいい・・・」
リオンが去った湖畔でマリーは顔をとろけさせる。
マリーの体は植物の花弁から生えている形だ。
膝元あたりまでが花弁に隠れており、そこから上は人間と何ら変わりは無い。
その体の色が緑色をしているという点以外は。
「リオンん・・・逃げてねぇ・・・」
悩ましく体をくねらせ、マリーは右手で秘所に触れる。
「あはぁ・・・」
右手は快楽を生み出すための動作を始めた。
「湖も・・・汚染されちゃってるのねぇ・・・」
ゆっくりと顔を湖に向ける。
水の色はもうほとんどが青緑に染まってしまっている。
そして更に黄色っぽい水が中央から湧いてきているようだ。
「ミリスは気づいてるけどぉ・・・あたし、もうリオンに会えないかもね・・・」
そう自嘲すると、湖の水が一気に盛り上がる。
「あ・・・」
姿を現したのは何らかの生物らしきもの。
ぬめる体表からはイソギンチャクのような無数の触手が生えている。
ちょうど大型の魚類が口を開けているような姿のそれは、その口から強烈な甘い香りを発している。
「なに・・・、あれが原因なのぉ」
そのマリーの声を聞くが早いか、その謎の物体は口から粘液質の液体をはき出す。
「きゃあ!?」
全身でその液体をかぶったマリー。
「え・・・なに、この液体・・・動いて」
粘液まみれのマリーは快楽の中で不安を感じる。
そしてその不安は現実のものとなった。
「あ・・・あ・・・」
粘液はマリーの全身を覆うと、微細な震動を起こし始めた。
149 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:56:52.77 ID:6cgdu3QN
「ああ・・・あ・・・」
もはやマリーは言葉すら発することが出来ない。
そう、粘液は微細な震動を起こすことでマリーに快楽のみを与えているのだ。
そしてその震動は徐々に大きくなっていく。
「ふああ・・・」
やがてぐじゅぐじゅという音を立て始める。
湖に現れた謎の生命体とマリー以外何もいない、静かな湖畔に卑猥な音が響く。
「なにこれぇ・・・すごいぃ・・・」
別にマリーが自慰行為をしているということはない。
彼女は何もしていない。
秘所につっこんだ右手すら動かしていないのだ。
粘液から与えられる快楽だけで悶えているのである。
「ああ、あああ・・・らめ、いくぅ」
ぷしゅぅ、という子気味の良い音がした。
マリーが絶頂したのだった。
右手は秘所から引き抜かれ、体を弓なりにして快楽に身を任せている。
そこで粘液が次なる動作を始めた。
「あひゃあああ・・・」
体を覆っていた粘液がマリーの秘所へと入っていった。
「すご、はいって・・・いっぱい、きてぇ・・・!!」
8割方粘液が入り込むと、湖で沈黙を保っていた物体が動作を起こした。
粘液を射出した口から青い触手が4本伸びてきた。
それらはマリーの秘所、口、乳首の4カ所へと入り込み、あるいは吸い付く。
「んむぅうう」
(な、なにこれぇ・・・私、どうなっちゃうの)
言葉にならない言葉を胸の中で発する。
しかしそんなことでは、今から行われようとしている淫行は防げない。
謎の物体は更に2本、細い触手を伸ばしてくる。
150 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 17:58:45.92 ID:6cgdu3QN
それらはマリーの耳に入り込み、そのまま脳を犯し始めた。
「んほぉおおおおおお!!」
最初の4本からは粘液がどんどん注ぎ込まれていく。
体へ急速に吸収されているらしく、見た目からは体に変化が現れない。
胸に注ぎ込まれている粘液だけが彼女の胸を更に大きくしていく。
「寄生虫セロノイド・・・これか!」
ミリスは文献をあさり、ついに発見した。
1万年ほど前にこの地域へ姿を現し、猛威をふるった寄生虫。
植物系の魔物に強力な寄生力を持つ。
セロノイドは水中に巣を作り、そこである程度繁殖すると地上へ進出する。
巣は水を変化させて作られるため、多少ダメージを与えても意味をなさない。
地上へ進出した固体は、植物系の魔物に大きな効果を与える催淫臭を発する。
時としてその催淫臭は他のタイプの生物にも効果を現すが、そのにおいには気づきにくいという。
まんまと植物系の魔物を犯して寄生したセロノイドは、魔物の体内で爆発的に増殖する。
魔物はセロノイドから与えられる快楽に抗えず、常に発情・オルガスムスを覚える。
セロノイドに操られて魔物が移動すると、その通り道はセロノイドの卵を含む粘液で汚染される。
植物系の魔物は皆、地下からも養分を得る。
セロノイドの卵も同時に取り込み、そして寄生されていく・・・
「く、しかし・・・対処法が書いていない・・・」
そこでミリスは気づく。
1万年前に流行したとして、どうやって終息したのか?
今回姿を現したのはなぜか?
「・・・1万年前に駆除しきれず、何らかの形で封印していたとしたら?」
ありえる話だ。
151 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 18:08:41.60 ID:6cgdu3QN
その時代に生きる人々の力ではどうしようもできず、仕方なく問題を先送りする。
そしてその問題は人々の知られざる所で深刻化・肥大化し、後の時代で大惨事を引き起こす。
「だとしたら、封印に用いていた何かがあるはずだ・・・」
ミリスは再び文献をあさるのだった。
触手は凄まじい勢いでうねり続け、マリーの体内に寄生虫の卵を含む粘液を注ぎ続ける。
もはや彼女は子宮も、乳房も、消化器も、そして脳も卵で満たされつつあった。
「むぉ・・・ぉ・・・」
白目をむいてセロノイドの寄生快楽に屈するマリー。
すると、マリーに挿入されていた触手が抜けていった。
十分に卵で満たしたと判断したのだろうか。
「・・・・・・」
マリーはすでに気を失い、全身を痙攣させていた。
湖の物体・・・セロノイドの巣は触手を戻すと沈黙を保つ。
しばらくすると、マリーの体に変化が現れた。
大量に寄生卵を注がれた秘所から黄色の粘液が溢れ始め、足下の花弁へと落ちていく。
花弁には元々蜜が溜まっており、そこに滴る。
瞬く間に寄生卵は蜜を吸収して成長し、無数の蟲が生まれた。
膨れた乳房からも黄色のミルクが流れ始めていた。
緑色の肌は青みがかっていき、生まれた蟲が這いずり始める。
マリーのツタが蠢き始めると、その先端に花弁が現れる。
どれもこれも毒々しい赤紫色をしており、そこから粘液質の液体が吹き付けられていく。
寄生卵のシャワーを浴びながらマリーは目を覚ました。
かつてリオンを見つめていた優しい瞳は、主人であるセロノイドの快楽に溺れた淫蕩な色に染まっていた。
リオンはひたすら走り続ける。
マリーの花の香りが効果を示しており、いつも以上に体が軽いのだ。
155 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:33:43.56 ID:6cgdu3QN
(やっぱりミリスさんの言うことはほんとだった・・・!)
ミリスはリオンに嘘をついたことがなかった。
エルフという種族自体が真面目気質の強い種族であるが、ミリスは特にそれが強かった。
人間よりも圧倒的に長い寿命の中で、人間を見守る役目を感じていたからかもしれない・・・
「きゃぁっ!」
リオンは地面に伸びていた根に躓き、盛大に転んでしまった。
「いった・・・」
幸いにも怪我はなかった。
「結構走ったけど、まだ距離ありそうだなぁ」
湖からの逃避行はエルフの集落を通らずに実行されていた。
本来はエルフの集落を通った方が近いのだが、マリーの警告から焦っていたため遠回りしていた。
「あら? 人間じゃなぁい・・・」
艶めかしい声がリオンの耳に届いた。
「え・・・」
ミリスもマリーも『危険』と警告する森の中。
聞こえた声に最大限の警戒をし始めた。
「うっふふふふ・・・」
しっとりとした色気の声と共に植物のツタがリオンを襲った。
「きゃぁ!?」
「つかまえたぁ・・・」
ツタはリオンの全身に絡みつき、身動きを封じてしまった。
「ふふふ・・・」
笑い声と共にツタの主が姿を表した。
やはり、マリーと同じアルラウネだった。
「アルラウネ・・・マリーさんの知り合い?」
リオンは恐怖の中でそう質問してみた。
「えぇ・・・そうよ」
「じゃ、じゃあどうして私を」
「マリー様に言われたからに決まってるじゃない」
「えっ?」
「とりあえず捕まえてって言われたから捕まえたのよぉ」
「・・・」
156 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:34:55.18 ID:6cgdu3QN
(そういえばマリーさんは・・・あの時焦っていた。私を逃がそうと)
冷静にリオンは考えを巡らせる。
(そして今、目の前のアルラウネは『マリー様』って言ってる。じゃあ・・・)
そして判断。
リオンはマリーの花の香気で強化された力で抵抗を始めた。
「きゃ、ちょっとぉ・・・暴れちゃだぁめ」
アルラウネはツタを伸ばし、先端に花を作り出した。
「やだ! 離してよ!!」
「んふふ・・・マリー様から頂いた新しい香り。あなたが実験台よぉ」
ツタの花はそのままリオンの顔に伸び、彼女の口と鼻をふさぐ。
「んむぅ!?」
慌てて息を止める。
しかし全力疾走を続けていた彼女の心拍数は高く、瞬く間に酸素を消費してしまった。
我慢できず、息を大きく吸う。
そしてリオンは花の甘い香りを感じると、一瞬にして気を失った。
「マリー様ぁ・・・連れてきましたぁ・・・」
「・・・合格ねぇ。じゃ、卵を入れてあげる」
「あぁ、早く、早くぅ」
マリーは淫猥な笑みを作ると、十数本のツタを操り目の前のアルラウネの秘所へ突っ込む。
「あひゃあああ、きたぁああああ!!」
すでに粘液まみれだったツタは障害無く子宮の奥深くへ入り込む。
時間を置かず、それらのツタは激しくうねり始めた。
もちろん、リオンを拉致してきたアルラウネに寄生卵を植え付けているのだ。
このアルラウネは、マリーが通った道を偶然通ってしまったのだ。
地表にばらまかれた卵のいくつかが彼女に寄生し、快楽を与え続けた。
やがてセロノイドは彼女の脳に達すると、マリーの情報を流し込んだのだ。
セロノイドの巣であり女王となった彼女に従え・・・と。
「もっと、もっとぉおおお!!」
157 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:35:43.46 ID:6cgdu3QN
「いいわ。あなたがセロノイドそのものになっちゃうくらい入れてアゲル・・・」
そして更に注そうする勢いを速く、そして強くするマリー。
もはやリオンの知る優しいマリーは存在しないのだ。
やがて寄生卵の粘液を注がれすぎたせいか、アルラウネは口から盛大に粘液を吐き出して果てた。
「くっふふふふふ・・・セロノイド漬けアルラウネ・・・素晴らしいわぁ・・・くはぁ」
マリーの体表を這いずるセロノイドが彼女の乳首を優しく噛んだ。
「いいわ、もっとしなさぁい・・・この森を私の、セロノイドのものにぃ・・・」
青く染まったマリーの体。
秘所ではセロノイドが激しく出入りを繰り返し、マリーを満たし続ける。
足下の花弁の蜜からはセロノイドが生まれ続け、周囲の草むらへと旅立っていくのだ。
そう、今やマリーはセロノイドの巣であり女王。
彼女の体内で寄生虫は生まれ、成長し、そして卵を産み続ける。
地表へと降り立った固体は森へと出て行き、他の植物系の魔物へ寄生するのだ。
「う・・・」
ツタをほどかれていたリオンが目を覚ます。
「ふふふふ・・・」
マリーは邪悪な笑みを浮かべ、ツタを伸ばす。
リオンの意識が覚醒する前に絡め取ってしまう。
「ここ・・・は・・・」
ぼーっとする頭で周囲を見渡す。
少しして、ようやく自分が何かに絡みつかれて動けないことに気づく。
「え・・・なにこれ・・・って、マリーさん?」
そして目の前に寄生虫の母となったマリーの姿を認めた。
「んふふふふふふ・・・おはよう、リオン」
舌なめずりをするマリー。
「マリーさん、森はだいじょ・・・!?」
やっとリオンは異常に気づいた。
マリーが彼女の知る姿ではないことに。
「森は大丈夫よぉ・・・私の物になるんだしね」
「え・・・」
「でもねリオン。私は森だけじゃ足りないわぁ」
158 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:36:56.33 ID:6cgdu3QN
「・・・」
マリーの変貌ぶりに恐怖することしかできないリオン。
「人間の所にも行ってぇ・・・ふふふふ・・・・・・あら、お目覚めね」
そしてマリーの視線が移る。
先ほどマリーに寄生卵を大量に注がれたアルラウネの元へと。
そのアルラウネは異形となっていた。
一見すると通常のアルラウネの形なのだが、腰のあたりに新たな器官が出来ていた。
マリー同様、胸は肥大化しているしセロノイドが這いずり回っているのもある。
「それじゃあ・・・リオンであなたの新しい力を試してみなさぁい」
「あはぁ・・・はぁい・・・」
アルラウネはリオンの元へ近づく。
「かわいい・・・人間の女の子ってこんなに・・・」
「い、いや・・・来ないで・・・」
「つれないわねぇ。マリー様とは仲良くしていたんでしょ?」
「それは」
「別にいいじゃない。あたしはマリー様の奴隷。そう、蟲さんの奴隷でもね・・・」
アルラウネの新しい器官から一本の非常に細い触手が伸ばされた。
そのままリオンに近づくと、リオンの胸を突き刺さる。
「うっ・・・!?」
「ちょっと血をもらうだけよ・・・ふふ」
すぐにそれは抜かれる。
「マリー様、強い蟲さんを一匹・・・」
「強い子を? いいわ。・・・んはぁ」
びじゅる、という卑猥な音がマリーの股間で聞こえた。
出入りしていた蟲がどくと、股間の穴から一回り大きめの蟲が出てきた。
蟲は地表を這うと、アルラウネの体へ上っていった。
「ふふふ・・・さ、血と混ぜてアゲル」
アルラウネは蟲をつかむと、腰の器官の口へと入れてしまう。
「・・・」
リオンはひたすら見守ることしか出来ない。
その新たな器官からは粘液質の音が大きく聞こえる。
取り込んだ蟲を砕いて溶かしているような・・・そんな音。
「さぁて・・・どんな子が産まれるのかしらねぇ・・・ふふ」
159 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:37:32.15 ID:6cgdu3QN
「ね、ねぇマリーさん・・・何をするつもりなの・・・?」
「さぁ? あの子の企みだからわからないわねぇ」
全て見通しているような笑いを浮かべるマリー。
ツタに拘束され、マリーを見上げるような状態のリオンは背筋が冷たくなった。
「出来た」
リオンは、彼女の後ろにいるアルラウネの声をを聞いた。
そして音もなく迫ってくるアルラウネ。
マリーはツタを操り、リオンをアルラウネの方へ向ける。
「で・・・何をしたの?」
あいかわらずニヤニヤしながらマリーが問う。
「うっふふ・・・マリー様の蟲さんを人間に寄生するよう作り替えましたぁ」
「あらぁ、それは面白いわねぇ・・・」
白々しく言うマリー。
「そろそろ夕方だし、一気に寄生させちゃいなさぁい」
「はーい」
「い、いや! やめて!!」
リオンはツタに拘束されながらも暴れるが、セロノイドに強化されたツタはびくともしない。
アルラウネの腰にある異形の器官がリオンの秘所に接触した。
「ひっ・・・」
「さ、あなたの大事なご主人様よぉ・・・んふぁあ」
喘ぎ声と共にぐじゅりという音がし、その異形の器官から大きな蟲がひり出された。
蟲はそのままリオンの秘所に張り付く。
「い、いやぁ変なものくっつけないでぇ!!!」
「大丈夫、すぐ良くなるからぁ・・・ふふふ」
「これでリオンも仲間なのねぇ・・・」
マリーは恍惚の表情でリオンを見つめる。
「今だから言っちゃうけどぉ・・・私ね、リオンを犯したかったの」
「え・・・」
その告白にショックを受けるリオン。
親しくしていたマリーが、そんな思いで自分を見ていたことに。
「う、嘘でしょマリーさん・・・」
「嘘じゃないわ。じゃあ聞くけど、アルラウネの蜜は何に使うか知ってるの?」
「え・・・知らない・・・」
「でしょお?」
160 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:38:24.79 ID:6cgdu3QN
これだから人間の子供は、というような表情で二匹のアルラウネは苦笑する。
「教えてあげる。アルラウネの蜜はね、媚薬そのものなの」
「び、びやく?」
「そう、媚薬。生き物をエッチな気分にしちゃう成分が入ってるの」
「エッチって・・・ええ??」
「それを欲しがるリオンのお母さんって・・・うふふふふ・・・」
「お母さん・・・どうしてそんなものをほしええああ!!」
突然リオンは悲鳴を上げた。
「いやああ、入ってこないで!!」
秘所に密着した蟲がリオンの中に入り込み始めたのだった。
「ほらほら、どんどん入っちゃっていいのよぉ~」
蟲を生み出したアルラウネはそんなことを言いながら手で蟲をぐいぐいと押す。
その勢いもあり、蟲はかなりのスピードでリオンの中に入り込んでいく。
「きもちわる、やめてやめてぇ」
「ほぉら、もう半分以上入っちゃったわよぉ・・・」
「こんなに大きな蟲さんが簡単に入っちゃうなんてねぇ、リオンはエッチだったのね」
マリーが卑猥な台詞を発する。
「まぁそうよねぇ、リオンを産んだエイダももう若くないのに・・・
なのにアルラウネの蜜を欲しがるだなんてね。ひょっとして淫乱の血筋なんじゃなぁい?」
「ほら、もうほとんど入っちゃったわぁ」
「ぃ・・・いやぁ・・・」
自分の胎内に異物が侵入してくる異常な感覚に耐えるリオン。
しかし耐えたところで何も変わらない。
(ミリスさんの笛さえ・・・ふければ・・・)
もちろん、全身を拘束されているリオンにはそんなことは不可能だ。
「はい、全部入っちゃった」
「え」
リオンは自分の股間を見下ろす。
そこには何もなかった。
確かに先ほどまで異物がくっついていたのだが。
「気分はどう? 悪いってことはないはずだけど・・・」
マリーはリオンの顔をのぞき込む。
「マリー様ぁ、リオンちゃんはまだ若いからぁ・・・」
「そっか、エッチなことなんか知らないのかな~」
「知らない! 知らない知らなぁ!??」
そこでリオンの台詞は途切れた。
拘束されながらも体を弓なりに反らし痙攣している。
161 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:39:20.52 ID:6cgdu3QN
「あれ? ひょっとしてイった?」
「あ・・・あ・・・」
うめき声を上げ、白目をむいて痙攣するリオン。
「うーん??」
リオンに蟲を入れたアルラウネは体勢を低くし、リオンの秘所をのぞき込む。
指で広げ、膣の中を観察する。
「あー、中で蟲さんが触手をぬるぬるしてますねぇ」
「奥の方は見える?」
「いやー、さすがに暗くて・・・」
「卵巣まで汚染してくれればいいんだけどね」
「なんだ、マリー様やっぱりわかってる・・・」
「当たり前でしょ。誰があなたを改造したと思ってるのよ」
「えへへへ・・・スケベな魔物にしてくれてありがとうございますぅ」
「ま、とりあえずはこれでよし。リオンを森の外に連れて行くわよ」
「はーい」
マリー達アルラウネにつれられ、ただ絶頂を繰り返し続けるリオンは運ばれていく。
森の外に到着する頃には日も暮れており、心配した集落の人間が来ていた。
「お・・・お、アルラウネ殿か」
先頭にいた人間の男が気づく。
「あらぁ、人間の・・・だぁれ?」
「リオンの知りあいです。リオンは・・・」
「あぁ、ちょうど良かった。リオンを連れてきたのよぉ」
ツタを操り、マリーはリオンを人間の集団に渡す。
「たまたま水辺で見つけたの。怪我はしてないと思うけど、念のため安静がいいわねぇ」
「おお、ありがとうございます」
「それとぉ・・・この子が欲しがってた、アルラウネの蜜よ」
液体の詰まった小瓶を渡すマリー。
「あ、アルラウネ殿の蜜を・・・この子が?」
「えぇ。何でもエイダに頼まれたとかって」
「エイダが? ふーむ・・・」
「ま、深く関わらないのが吉ってねぇ。私たちはこれで失礼するわぁ」
そう言って森側へ下がるマリー。
162 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:40:13.49 ID:6cgdu3QN
「あー、そうでしたな。だから我らはうまくやってこれたというもの」
「そういうことよぉ。それじゃあね」
「リオンが世話になり申した。いずれ礼に伺います」
その言葉に、マリーは背中を向けて手を振る。
人間達はリオンを自宅へと運び込むのだった。
エイダはリオンが到着すると、何も言わずにベッドへ寝かせた。
自分がアルラウネの蜜を頼んだためにこうなったのだから・・・と。
目が覚めたらきちんと謝ると心に決め、エイダは自分の寝室へと戻っていった。
深夜。
一日経過しないうちから異常が起きていた。
リオンの股間から大量の触手と粘液が溢れ、ベッドをびしょびしょにしたのだ。
人間用セロノイドはリオンの子宮に寄生し、確実に彼女を改造していた。
むろん股間から溢れている粘液は寄生卵だらけである。
今や彼女のベッドはセロノイドの巣となっていた。
寄生卵から産まれた幼虫は、リオンのベッドに染みついた汗などを糧に成長していく。
瞬く間にベッドはセロノイドだらけになり、布団の中に満ちていった。
やがて触手はリオンの体を包み込んでいく。
粘液を分泌させながら、リオンはセロノイドにより改造されていく・・・
朝。
リオンの部屋にやってきたエイダは、ドアの外からも異常を感じていた。
甘い香りがするのだ。
リオンは香水を使うような洒落っ気のある少女ではない。
それは母親であるエイダが一番よく知っている。
「じゃあ、このにおいは・・・?」
エイダは意を決してドアを開けた。
「な・・・これは!」
リオンの部屋は一晩にして魔界と化していた。
床には青みがかった触手が張り巡らされ、蟲が這いずり回る。
ベッドがあった位置には触手の塊があるのだ。
そしてどぎつい甘い香り・・・
「り、リオン!?」
163 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:41:04.25 ID:6cgdu3QN
強い嫌悪感を覚えつつもエイダは触手の塊へと進んで行く。
なんとかたどり着くと、エイダは体に衝撃を感じた。
「え?」
塊から触手が一本伸びていた。
たどっていくと、それは自分の胸を貫いていたのだ。
「うそ・・・」
触手は何やら蠕動している。
同時にその塊は中にあるものを見せるかのようにほどけていく。
『ふふふ・・・』
確かにリオンの声。
だが人間の声帯による声ではないような、そんな声色だった。
「り、リオン・・・なの・・・?」
『そうだよお母さん』
ついに触手がすべて解ける。
そこには黄緑色の肌をした愛娘がいた。
『お母さん。ありがとう。アルラウネの蜜のお使いのおかげでこうなれた』
「こうって」
『森で新種の寄生虫に寄生されたの。ほんとは植物の魔物だけに寄生するみたいだけど』
「・・・」
何も言えないエイダ。
自分の性欲がこの子を変えてしまった。
その自責の念がエイダを硬直させているのだった。
『アルラウネのマリーさん達に新しく蟲を作ってもらったんだ』
その言いようは、あたかも自分が望んで寄生されたようなものになっていた。
「それで、私をどうするの?」
『ふふふふ・・・どうって?』
「もうアルラウネの蜜の使い道、知ってるんでしょう?」
『もちろん。エッチな人が使う媚薬だってね』
「じゃあ・・・」
『お母さんはここでセロノイド生産工場になってもらうから』
「え?」
エイダはセロノイドという言葉が何かを知らなかった。
『あ、そうか。セロノイドっていうのはこの蟲さんのこと』
リオンは自分の体を這いずり回る蟲を一匹、手に取る。
『大丈夫だよ。淫乱なお母さんだったらいくらでも生めるよ』
「い、いや・・・やめて・・・」
『やめるわけないじゃない。お父さんが死んでから、毎晩してたんでしょ?』
「えっ、いやそれは」
164 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:42:01.92 ID:6cgdu3QN
『ほらね。だからアルラウネの蜜なんかを買いに行かせたんだしね』
「・・・」
『さぁ、この触手に包まれて改造されなさい』
「ひっ、いやああ!!」
有無を言わさずエイダは触手の渦に飲み込まれていく。
リオンは立ち上がり、部屋の出入り口へと歩いて行く。
部屋から出たリオンはいつもと変わらない見た目になっていた。
「くふふふ・・・擬態はいくらでも出来るみたいね」
さらに股間から蟲を作り出すと全身に這わせ、服に擬態させていく。
家を出る頃には擬態は完了していた。
国を治める政府は、街道沿いの集落が壊滅したという発表を行った。
一切の連絡が途絶え、調査に向かわせたチームも帰ってこない、と。
リオンがセロノイド寄生体となってからわずか三日。
たった三日で集落は完全に汚染されつくしたのだ。
「ここが壊滅されたという発表のあった集落です」
彼女は報道の役目を負った政府の人間。
魔法のアイテムを用いて映像を送りながら実況をしていた。
「しかしどうでしょう、見た目には全く変化はありません。のどかな風景です」
配信用アイテムを動かし、周囲の風景を撮影する。
「言うなれば人が歩いていない・・・という点だけです。少し中へ入ってみましょう」
報道担当は足を進めていく。
かつては商人が行き来して賑わっていた広場にも誰もいない。
動物すらいない。
「これはまさしくゴーストタウン・・・本当に、本当に誰もいません」
映像は広場中央の噴水を映し出す。
「この噴水は集落のシンボル・・・、ここに人間が住む礎として作られたものです。
地下からの湧き水は綺麗で、飲み水にも適しています」
噴水の水面に近づく報道担当。
映像もそれにあわせて近づいていく。
「私も少しのどが渇きました。ちょっと失礼して・・・」
報道担当は手で水をすくい、一口飲む。
「いやぁ、おいしいです。それにしても何があったのでしょうか」
「私から説明しよう」
「!?」
165 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:42:51.88 ID:6cgdu3QN
誰もいない広場に声がこだまする。
「ど、どなたでしょうか・・・」
「さっきからあなたのことを見ていたよ」
「ひっ!」
報道担当の後ろに彼女はいた。
「全く、気づいているなら出てきてくださいよ」
「集落を害する者かもしれないと警戒していたのだよ」
「えーと、見たところエルフですよね。お名前は?」
「ミリスだ」
「ミリスさん、この集落で何か事件があったのでしょうか?」
「あぁ、あったよ」
「や、やはり・・・」
「知りたいのか?」
「私はそのために派遣されてきたんですよ」
「なるほど」
ミリスは噴水の近くに腰掛ける。
「ところで・・・この水を飲んでいたね?」
「はい、飲みましたけど」
「そうか・・・ならば、残念だけどあなたはもうこちら側の存在」
「え?」
「それは撮影用のアイテムかな?」
「はい」
「じゃあ、あなたが染まっていく様を国中に生中継することになるんだな」
ミリスはニヤニヤと笑う。
「いったい何を言って・・・」
「こういうことだよ」
言うと、ミリスは報道担当を抱きしめてキスをした。
そのまま口から触手を伸ばし、報道担当の中に埋めると寄生卵の粘液を流し込む。
報道担当が汚染され尽くすのに時間はかからなかった・・・
そうして、国中の人々がセロノイドに汚染されていく。
最初はマリー、リオン、エイダ。
166 FBX@The serious desease of... ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:44:08.72 ID:6cgdu3QN
エイダが自宅で寄生卵を産み、溢れさせていく。
家に収まらない分は家の外に溢れ、地面にしみこむ。
大地が汚染されると道ばたの植物が汚染されていく。
元々植物系の魔物に寄生する蟲だけあり、植物への汚染は速かった。
田畑の作物が汚染されると更に人間への寄生は促進される。
リオンが集落に戻った翌日、リオンはミリスにもらった笛を吹いた。
1時間としないうちにミリスが駆けつけたが、もちろんそれはリオンの罠。
ミリスも抵抗ままならずにあえなく寄生され、セロノイドの奴隷となってしまった。
もはやアルラウネどころか人間も、そしてエルフも。
みんなセロノイドに寄生されていた。
そして快楽のままに卵を産み、お互いに犯しあう。
新たな旅人が通りかかれば寄生させて旅立たせる。
時々はマリーやリオンが他の街へ出向き、直接手を下す。
といってもオナニーをしているだけで街一つが完全に汚染されるというから恐ろしい。
それほどまでにセロノイドの感染力は強力だった。
この大陸がセロノイドの巣窟となるのも、そう時間はかからないだろう――
-The serious desease of... "EVERYTHING" : fin. -
167 FBX ◆4gA1RyNyf. sage 2012/05/13(日) 21:45:49.51 ID:6cgdu3QN
と、こんな感じで。
かなーり久々なのでイージーミスやらかしてるかもですけど。
五行戦隊の人が来たのを思い出して、やってみました。
野生の魔物の生態は気になるとこだけど、それはこのスレと違うテーマなのでw
そこは深く突っ込まないでくださいw
まぁモンスター娘スレあたりで議論されたりするだろうけどw
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