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Witch of the "P" Part1
891 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 00:53:30.25 ID:OKr7R08H
Witch of the "P"
人類が外宇宙へと生活圏を求め、10年以上が経過していた。
巨大な宇宙母艦「辰」を生活の場とした人間はゆうに数万人。
そんな大規模な移民計画とも言える、壮大な宇宙の旅を人類は始めていた。
光の速さを大きく上回る速度を実現した人類は、すでに地球から500光年の位置にまで到達していた。
これは、そんな人類のたどった末路・・・それも人類を滅亡へと導く末路を記したデータである。
「・・・この母艦でいったい何があったというんだ」
「ここにある『人類』というのは、俺たちツター星人とは違う・・・生物なのか?」
「恐らくそうだろう。だがこのデータは持ち帰らなければならない」
「中身は?」
「み、見るのか? 俺は・・・嫌だぞ」
ツター星人の一団が、まだ動力の残っていた端末のデータを目にしていた。
彼らの技術力は未知の生物『人類』の言語を読み解くことを可能にしてくれていた。
この一団はそのためにこの時点で助かることなど知るよしも無かった。
「予定の時刻までもう少しある。それまでは危険が少ないということだ」
「まぁ逆に言えば迎えもそれまで来ないってことだけどな」
「み、見たくねぇ・・・」
「だったらその辺で寝てろ。俺は見る」
「まさかAVだったらわらえねーけど」
「アホか」
「おい、再生するぞ」
一人のツター星人が操作すると、部屋の壁に映像が投影されたのだった・・・
『辰』全体にわずかな揺れが走った。
もちろん宇宙航行をしているのだ。
892 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 00:56:47.41 ID:OKr7R08H
そもそもの理屈として地震など起こるはずが無い。
ならば何らかのトラブルが発生したはず――
そう考えるのが筋だった。
しかし、筋はあっていようとも規模は大きな的外れだったのだ。
『航行運営チームは直ちに区画H-023へ集合してください。』
『辰』内部に広がる住宅街にそのアナウンスが響いた。
「む、珍しいな。この声は航行システムのAIだったっけか」
「そうよ。つまるところ、私たちが行くしかないってこと」
自宅でくつろいでいた夫婦がそう話すと、立ち上がった。
「すまない、ナオ。急ぎの用事が出来てしまった」
「いいよ。いってらっしゃい」
「ごめんね・・・ 『辰』の面倒は私たちじゃないと」
「いいってば。そういうのがお父さんとお母さんの仕事なんだからさ」
明るい口調で返事をしてみせるナオ。
「たまの休みなんだからナオと過ごしたかったんだがね」
「留守番してるからね!」
言うと、ナオは自分の部屋へ行ってしまう。
残された両親は後ろめたさを感じていた。
「やっぱりナオは寂しいんだろうな」
「もちろんよ。それは私たちのせいだし」
「うむ・・・」
うなだれながら、二人は自宅を出て行った。
「はー、二人とも忙しいよねほんと」
ナオは自室の椅子に腰掛け、携帯端末をいじりながら呟いた。
この携帯電話という端末は20世紀に開発された品だ。
現在は端末という一言で意味が通る。
893 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:00:50.41 ID:OKr7R08H
慣れ親しんだ便利な物は、いつの時代でも通用するのだろう。
「誰か暇してないっかなー」
ナオは端末の電話帳を探る。
そのとき。
「お?」
端末の画面はメールの受信を通知していた。
「クルンからだ。なんだろ」
――『辰』の中で何かあったらしい。見に行かない?
「おほー、なるほどね」
ナオは考えた。
確かに何かあったのは事実だろう。
理由は両親が休みなのに仕事に行ってしまったから。
でも、考えてみるとナオは『辰』の居住区域しか知らなかった。
興味があるといえばある・・・
そしてナオは返信した。
――行くのは賛成♪ でも中って言っても、どうやって?
クルンからの返信は早かった。
――白兎(はくと)水路で遊んでたこと、覚えてるかな
――覚えてる。確かミナが落ちて溺れそうになったっけ
――あの時、私はドアみたいな謎の入り口を見つけてたんだよ
――おほー、マジですか。じゃあそこが怪しいっぽい?
――うん。ミナとシャロム、リリィをつれて白兎橋に来て。
私はあると便利そうな物を探してから行くから
そこまでメールでやりとりをし、ナオは立ち上がった。
「たまーにしか無い時だもんね。楽しまないと!」
894 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:03:27.83 ID:OKr7R08H
言うと、ナオはミナとシャロム、リリィにメールを打ち外へ出た。
白兎橋。
ナオがすむ地域へ飲み水を供給する白兎水路にかかる橋だ。
近くには白兎神社があり、この地域の人々の信仰を集めていた。
『辰』には様々な人種が搭乗していたが、特にこの地域はアジア系の血筋が多い。
ナオとミナはまさしくその血筋であり、ミナは神社の巫女だった。
「おまたへ~」
間の抜けた声でクルンが到着した。
白兎橋にはナオ、ミナ、シャロム、リリィが到着して待っていた。
「おっけおっけ。何持ってきたの?」
「うーんとね、とりあえずハンマーでしょ」
などと言いつつ、背中のリュックから金属製のハンマーを取り出す。
「なんでハンマーなんだ」
シャロムが冷静に突っ込む。
「えー、だって壊さないとダメな時に便利じゃない」
「壊す前提なのか・・・呆れた」
「あとは針金」
「一応聞くが、何に使うんだ」
「ん? 鍵開けっしょ。普通使うよねー」
「お前の普通が理解できないわ・・・」
すでにシャロムは疲れた表情だ。
「ま、まぁとりあえず行こう! あんまり時間がたつと解決しちゃうかもよ?」
ナオの声で、一団は歩き始めた。
水路へ降り、少し進むと・・・確かにドアがあった。
「よく覚えてたね、こんなわかりにくいドア」
リリィがクルンの方を向いて言う。
895 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:06:49.06 ID:OKr7R08H
「ミナが溺れそうになった時、なーんか気になったのよね~」
「溺れるとかそういうの、思い出させないでください・・・」
ミナがしょんぼりした表情になった。
「よーし、開けようか!」
リュックから針金を取り出し、それをナオに渡した。
「え、あたしがやるの?」
「え? 違うの?」
「・・・」
シャロムが針金を奪うと、そのまま鍵穴に差し込んでカチャカチャやり始めた。
ちょうど5秒ほどで鍵の開く音がした。
「おー、すげー」
クルンが驚く。
「どこで覚えたんですか?」
「いや、ちょっと師匠から教わったことがね」
「出た、シャロムお得意の師匠!」
「気になりますね、その師匠という人」
「い、いいじゃないか。さぁ行こう」
お茶を濁し、シャロムは一団をドアの中へと誘った。
「暗いね」
「もちろんライトもあるよ~」
すぐにクルンはリュックからライトを取り出した。
スイッチを入れると、5人の視界が確保される。
「ここには何も無いね?」
「お、なんか張り紙があるよ」
ナオがそれを見つけ、近づく。
「なになに・・・案内図?」
「これを見ればどこに行けばいいかわかりそうだな」
「地図読める人~?」
「私は読めますよ」
「じゃあミナ読んで!」
「え・・・はい」
896 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:10:56.88 ID:OKr7R08H
ミナは地図を読みながら、持ってきていたノートにそれを写す。
「でもこれを見ても、どこに行けばいいのかわからなくない?」
「まぁ適当に行けばいいっしょ~」
「クルン、お前のそのいい加減な所をそろそろ直せよ・・・」
シャロムはこのメンバーでクルンの言うことが一番怪しいのを理解していた。
そのせいで何度か危険な目にも遭っていたから。
「とりあえず・・・行ってみない?」
リリィが格納庫と書いてある部分を指さして言った。
そこから先の通路はわずかに常備灯が点灯しており、真っ暗ということはなかった。
一行はやがて格納庫と書かれたドアに到着した。
「ここかな?」
リリィはドアをぺたぺたと触る。
「でも鍵穴ないよ~」
「うーん、たぶんここは自動ドアなんじゃないかな?」
ナオが周囲の様子を確認しながら言う。
「お、さすが技術者夫婦の娘様~」
「はいはい・・・」
「探してるのはこれですか?」
ミナは自動ドアらしき物の端っこに四角い切れ込みがあるのを見つけていた。
「これこれ。シャロム、ここを開けてよ」
「鍵穴は・・・ここか」
針金を突っ込みカチャカチャし始めた。
「でもさー、こんなことして大丈夫なのかな?」
「ん~、大丈夫っしょ。ナオいるし」
「は!?」
「開いたぞ」
「お、どれどれ・・・」
フタの開いたパネルをナオがのぞき込んだ。
そこにはわかりやすく『開』と書かれたボタンと『閉』と書かれたボタンが一つずつ。
躊躇無くナオは『開』を押した。
897 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:14:19.86 ID:OKr7R08H
するとドアはゆっくりと開いていく・・・
そこで5人は異常な光景を目にしたのだった。
「に、ににに逃げろ! やばいぞぉ!!」
作業服を着た男が大声を上げ、室内の同僚に警告する。
瞬く間に作業員達は壁にある緊急脱出口へ身を滑らせ、誰もいなくなってしまった。
「・・・は?」
ドアを開けた瞬間にその光景を目にした5人は、さっぱり意味がわからなかった。
「何かあったと見るべきか」
「ん・・・、私が見てくる。みんなは外にいて、何か異常があったらドア閉めてね」
「それじゃナオが!」
「私は技術者の娘だよ? たぶん大丈夫。じゃね!」
ナオは格納庫の中へと走っていった。
「クルン。武器になるものはあるか?」
「えーと、ハンマーなら20個くらい・・・」
「他には?」
「バールと、ハンマーと、バールと、えーっと」
「もういい」
シャロムはリュックをクルンから取り上げ、中身を全部出した。
ハンマーが20個、バールが10本、釘が1箱・・・
それにライト用電池が3個、電動ドリルが1式。
「お前、何するつもりで用意したんだ」
「え? 工事してあたし達の秘密基地にす」
「アホ」
ナオはコンテナの隙間を走り抜けていく。
「・・・!」
遠くから音が聞こえてきた。
入り口からすでに500メートルほどは走ってきている。
『辰』自体があまりに巨大であるため、格納庫もまた巨大なのだ。
「ひっ・・・ぁぁ・・・、ぁぁ・・・」
898 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:16:14.41 ID:OKr7R08H
(声?)
ナオは警戒し、気配を殺しながら歩みを進めていく。
ふと、そこで壁に光を放つ物体があることに気づいた。
『辰』に無数に設置されている端末だ。
(何かわかるかな)
ナオは端末を操作し始めた。
すると、何らかの物体が『辰』に衝突したことが記されていた。
その穴はすでにメンテナンスAIにより修復済みであることも。
(お父さんとお母さんはこのために呼び出されたのかな)
さらに端末を操作し、情報を表示させていく。
(うーん・・・)
技術者達は物体が衝突したことは知っている。
物体がどんなものであるかはわかっていない。
衝突した場所はこの格納庫であること。
この程度のことしか端末ではわからなかった。
(ってことは、この先に行けばわかるってことかな・・・)
ナオは足を進めていく。
「はぁぁぁああ、いいよぉ・・・」
「!?」
コンテナの陰から出ようとしたナオは、確かにその声を聞いた。
「体がぁ・・・変わっていくのぉ・・・」
(何?)
その場でナオはしゃがみこみ、コンテナの陰から様子をうかがうことにした。
このあたりは入り口と違い、備え付けの照明のために明るさはある。
しかしなぜか・・・黒い霧のようなものが充満しており、その先が見えない。
「ふあああ・・・」
その声とともに、くきゅる、もきもきっ・・・という、体の肉が動く音が聞こえた。
(この音・・・アニメとかでやってるような、凄いやつ? なんだっけ、ブロッコリーみたいな名前の)
そこまで考えた時、ナオは体が熱くなってきていることに気づく。
ナオはすでに黒い霧に巻かれていた。
「ふふふ・・・そこにいるのねぇ」
(み、見つかった・・・?)
ほとんど視界ゼロの霧の中、危機感を覚えて来た道を振り返った。
そして立ち上がろうとした瞬間、ナオは謎の物体に動きを封じられてしまった。
「きゃ!?」
899 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:19:01.06 ID:OKr7R08H
「ほぅら、捕まえた・・・あはぁ」
そのままナオの体は、格納庫の出入り口とは逆に引きずられていく。
(ちょ、なんて力!)
必死になって抵抗するが、全く意味をなさなかった。
数メートル引きずられるとナオの体は空中に持ち上げられた。
「あはは・・・おいしそうなメスぅ」
「・・・!!」
相変わらず黒い霧は立ちこめていたが、至近距離に引きずられたためその存在を確認できた。
まさしく異形。
ナオは自分を捕らえた生物をその一言でしか表現できそうになかった。
上半身は女性だった。
美しい顔だちの女性で、ボディラインは完璧。
胸は大きく膨らんでいるが形を美しく保ち、腰のくびれも美しい。
だが肌の色はくすんだ灰色で、目の色も金色に光っており人間とは思えない。
さらには下半身は粘液質の液体に覆われている。
ナオを捕らえた物体はその下半身から伸びていた。
「きゃあ!?」
「うふふふ・・・あなたナオちゃんね? トモコの娘でしょう」
「あ、あたしを・・・知ってる・・・の・・・?」
「知ってるわぁ、だって私はトモコの同僚だったから」
「どういう、こと」
「そういうことよぉ。私は元人間だってこと」
その一言でナオは恐怖に支配された。
元人間。
つまりはこの人・・・元人だが、この人はもう人間ではない。
そして人間ではなくした何かがここにはいる?
いや、あるという言い方の方が良いのかもしれないが・・・
そういうことになる。
900 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:22:28.36 ID:OKr7R08H
「んふふ、トモコの娘だもの。ゆっくり食べて感染させてあげないと」
「か、感染・・・?」
「そ、感染。見てなさぁい」
その怪物は下半身の粘液からナオを捕らえているものを作りだし、伸ばす。
「ふふふ・・・ナオちゃん以外にも人間がいるのよ、ココ」
「きゃあ!」
遠くで女の声が聞こえた。
「ほぅら、捕まえた♪」
その触手のようなものを戻すと、先端に女性が絡みつかれていた。
「いやぁ、助けて!!」
「だーめ。あなたは私の食べ物なんだから」
怪物の言葉と同時に下半身の粘液が蠢き、穴をいくつか作る。
そこから音を立てて黄緑色の液体が女性に吹きかけられた。
「ひゃ!!」
その液体は女性の作業服を溶かしていき、ものの数秒で女性は全裸になってしまった。
「くふ・・・」
しかし怪物はそれだけで、何もしない。
女性は作業服を溶かされたことにショックを受けていたようだが、すぐに様子が変わった。
「はぁ、はぁ・・・」
息が荒くなってきていた。
「な、何をしたの?」
「服だけを溶かして人間を発情させる体液をかけたのよぉ」
「な・・・」
見ると女性は重要な穴から液体をしたたらせようとしている。
怪物はそれを見逃さなかった。
「んふふ・・・コレが私のご飯♪」
新たに触手を作ると、女性の秘所をそれでズルリとなで上げた。
「いひゃああああ!!」
快楽に女性の体がビクビクとはねる。
「ほら、もっと出して? もっとあえいで?」
そして何度も何度も禁断の穴をなで上げる。
粘液質の柔らかいそれは、人間の女性にとってあまりにも強すぎる快楽だった。
すぐに女性は愛液をしとどに垂らし始める。
901 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:24:55.16 ID:OKr7R08H
「あはぁ、出た出た。いただきまぁす♪」
怪物は女性を持ち上げ、秘所を自分の口元に近づけた。
そして・・・一気にそこへ吸い付いたのだ。
「ふあああ! 入ってくる! 入ってくるぅうう!!」
ナオは確かに見た。
怪物の口は女性の秘書に吸い付いているのだが、その口が不自然な動きをしていることに。
どうやら怪物の口から何かが出され、女性の膣をかき回しているようだった。
じゅるじゅると卑猥な音が女性のあえぎ声とともに格納庫に響く。
「いくいくいくぅ!!!」
しかし怪物は人間の女性の快楽を熟知しているらしく、すぐにはその高みに上らせなかった。
口から出ている物体の動きが鈍ったのだ。
「どうして!? どうしてぇ!!! いかせてよぉ!!!」
もはや女性は半狂乱である。
自分を蹂躙しているのが異形の怪物であることも、どうでもよくなっているようだ。
とにかく目の前の快楽を貪ることしか頭にない・・・そんな状況である。
それを聞き、怪物の目の色が変わった。
怪物は、今度は口の中の物体を動かしながら顔を前後に動かし始めた。
ただただ膣を蹂躙するだけでなく、女性の禁断の穴中全てを犯し始めたのだ。
「あっ、あっ、あっ」
女性は虚ろな目を格納庫の天井に向け、与えられる快楽を全身で味わう。
その振動で形の良い胸もよく揺れている。
「ひうう、いく、いく、いくぅ!!」
再度の高みへ上り始める女性。
そしてついに・・・
「いくいくいくぅ!! ああああああああああああーーーっ!!!」
ぷしゅ、という小気味の良い音とともに女性の体が弓なりになった。
その異常なまでの快楽は女性の意識を奪い去ってしまったようで、女性は力なくぐったりしている。
だが怪物はまだ口を離さない。
ナオはそれを見て気づいた。
怪物は口から女性の膣に何かを送り込んでいることに。
902 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:28:07.02 ID:OKr7R08H
そして女性の声がなくなり、肉の管を粘液質の物体が通り抜ける音が聞こえてきたのだ。
それが止むと、怪物は女性の股から口を離した。
「ふはぁ・・・まぁまぁの味だったわぁ・・・」
「あ・・・あ・・・」
もはやナオは恐怖に震えることしか出来なかった。
「そうねぇ、そろそろ教えてあげる。私が何になったのかをね・・・」
怪物は妖しい微笑みを向け、ナオに全てを話し始めた。
その怪物・・・人間名をカナと言った。
カナはトモコの同僚で、格納庫の総合責任者を任されていた。
謎の物体が『辰』の外壁に衝突し、穴が開いた際にも彼女は格納庫にいた。
破損を察知した彼女はすぐに端末を通しメンテナンスAIに指示を出し、修復をさせた。
同時に状況を確認するため部下の作業員に報告を求めた所、異常を伝えるものがあったのだ。
「修復した場所付近に得体の知れないものがある」・・・・・・
カナはすぐさまそこに向かうと、その場所には灰色の巨大な球体が転がっていたのだ。
作業員をコンテナの陰に待避させるとカナは球体に近づき様子をうかがってみた。
しかしその球体は突如として触手を伸ばし、カナを捕らえたのだ。
抵抗する間もなくカナは球体の中へ引き込まれてしまった。
その瞬間、他の作業員達は避難を始めた。
「自分たちもあのようになってはならない」と。
ナオが目撃した作業員の脱出場面は、これによるものだった。
そしてカナは球体の中でたっぷりと人間に害をなす生命体の因子を与えられ、異形となった。
球体から生まれた彼女はその因子を黒い霧としてまき散らしつつ、生まれ変わった姿をさらしたのだった。
「と、いうわけよぉ」
「・・・」
顔面を蒼白にし、その異形――カナの話を聞くナオ。
「ここには人間が大量にいる。今でこそ人間は『辰』の統合本部に統率されているけれど、
どうせすぐ揉め事を起こすと思うのよねぇ・・・ で、せっかくこんな素晴らしい体になったからさ。
私が人間を快楽で統率しちゃおうと思ってるわけ」
「・・・」
何も言えないナオ。
903 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:33:28.17 ID:OKr7R08H
自分が格納庫に足を踏み入れたことを大きく後悔しているのもあった。
「さぁ、ナオちゃん? あなたもこの体を手に入れようか?」
触手はナオの体を持ち上げ、カナの顔の前に股を持ってくる。
「ちなみに逃げようと思っても無駄だからね? 黒い霧の中にこれだけ長時間いたんだもの。
頑張って逃げおおせてもいずれ私と同じ存在になるわ」
「ね、ねぇ!」
「なぁに?」
「感染って言ってたよね・・・病気みたいな物なの?」
「うーん・・・私はそうは思ってないけどね。ウイルスみたいな物なのかもよ?」
「・・・」
ナオがこの質問をしたのにはもちろん意味があった。
自分がカナによって異形にされた後、誰かが元に戻してくれる可能性を知りたかったのだ。
「わかった・・・好きにしてよ」
「あはぁん、素直な子は好きよぉ」
カナは粘液を使わず、ナオの服を脱がせていった。
「溶かすんじゃないの?」
「トモコの娘だからねぇ」
「あっそ・・・」
服を脱がせ終わるとそれをコンテナの脇に置き、艶やかな宴が始まるのだった。
「こんなに気持ち、いいなんて、ああん!!」
ナオはカナの口に秘所を吸われ、膣を口内の物体に犯されあえぐ。
「あああ、そこぉ!! いいよ、いいいいい」
格納庫にぐちゅぐちゅという粘液質の音が聞こえる。
ここにいるのは人間のナオと異形のカナ、そして先ほどの女性だけである。
もっとも、女性は気を失っているが・・・
「もう、いく!! いっちゃう!!」
いよいよナオは性の高みへと上り詰める。
「ああああああああああああ!!!」
ビクビクと全身を痙攣させ、ナオは初めての絶頂を体感するのだった。
「はぁ、はぁ、・・・」
乱れた息で酸素を補給するナオ。
しかし・・・
904 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:37:20.10 ID:OKr7R08H
「はぁ、は!!! な、入って!! くる!!!」
カナの口から何かがナオに送り込まれてきているのだ。
自分の胎内に注がれる感覚を受けながらも、しかし快楽を感じている。
「ふああ!!」
小さな絶頂を迎えると、カナは口を離した。
「ふはぁ・・・いいわぁ・・・」
「な、なにを、入れた、の・・・」
「んふふ・・・すぐにわかるわ」
「はぁ、はぁ、・・・」
静かな格納庫にナオの呼吸音が響く。
しかしそれは突然途切れた。
「あ・・・ああ・・・」
ナオの体がブルブルと震える。
「始まったわねぇ・・・カナお姉さんから粘液のプレゼントよぉ」
言うとカナは女性にしたように、下半身から粘液口を作ってナオにかけ始める。
その量はあまりにも多く、瞬く間にナオは粘液まみれの球体になってしまった。
5分ほどすると、粘液は一カ所に吸い込まれるようにして無くなっていった。
カナはそれを満足そうな笑みで眺めている。
「あはぁああ・・・」
中からナオ・・・だった者が現れた。
その姿はカナと同じく異形。
上半身はナオの姿を残していたが、肌の色は青みを帯びた白。
形の良い小ぶりだった旨は巨大になり、見る男を虜にする。
そして下半身は無数の触手に覆われていた。
「くふふふ・・・昔読んだ本にスキュラっていう怪物が出てきたけど、まさしくそれねぇ」
カナが喜ぶ。
「カナ姉様・・・」
触手を操り、ナオがカナに近づく。
905 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:39:16.74 ID:OKr7R08H
「トモコはなんていうかしらねぇ、ナオちゃん?」
「お母さんは・・・何も言わないと思う」
「あら、どうして?」
「仕事が忙しいから私も我慢しなきゃだったし、お母さんもそれをわかってたから」
「そうなの」
「でも、ねぇ」
「うあ!」
カナの悲鳴が響く。
「カナ姉様をペットにしたって言ったら驚くと思うんだ♪」
ナオは邪悪な笑みを浮かべ、触手をカナの両耳に差し込んでいた。
「あ・・・あああ・・・」
「ほら、何も出来ないでしょ」
この一瞬でナオはカナの脳を操作し、全身の動きを奪っていた。
「私のペットになってね♪」
ナオは触手を蠕動させてカナの脳を犯し、書き換えていった。
数分後、ナオの目の前には姿勢を低くしたカナの姿があった。
本来ならば「膝をつく」というのだろうが、カナに膝はない。
下半身は粘液質になっているのだから・・・
「カナ」
「はぁい」
「お母さん達を仲間にしてきなさい」
「わかりましたぁ」
「私の能力を植え付けておいたから・・・人間に擬態できるはずよ」
「こうですかぁ・・・?」
カナは下半身の粘液を操作して自分を包み込むと、その形を変えていく。
その中から現れたのは人間体のカナだった。
「そう。じゃあいってらっしゃい」
「はぁい」
カナは全裸のまま歩いて行った。
「さて、と」
906 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:45:48.43 ID:OKr7R08H
ナオは近くに横たわる女性に目を向けた。
「この人はどうしようかなぁ」
邪悪な思案をめぐらせるナオ。
「そうだ!」
ナオは触手で女性を引き寄せ、下半身の触手のジャングルへと引き込んでいった。
「ナオから連絡が無い」
シャロムは焦っていた。
一人で行くと言った時に止めておけば良かった、という自責の念が芽生えていたのだ。
「焦ってもしょうがないじゃんよ~」
クルンは相変わらずマイペース。
持ってきていたハンマーで床をコンコン叩いていた。
「でもこのまま帰ってこないのは心配ですよ・・・」
手でバールをもてあそんでいるミナ。
そしてボーッと格納庫の中を見ているリリィ。
4人はとにかく待つことしか出来なかった。
そしてちょうどそこに。
「あ!」
リリィが指を指す。
その先にはナオの姿。
必死の形相で走ってきているのだ。
「逃げて! 早く!」
大声で叫ぶナオ。
その後ろには・・・異形の怪物。
まるで蜘蛛と人間を融合させたような化け物がナオを追いかけてきているのだ。
「ドアを閉めるボタンを用意しろ! 早く!!」
シャロムが指示を出すと、ミナがすぐにボタンの前に行く。
そしてナオが格納庫から出きった瞬間『閉』ボタンを押し、ドアを閉め切ったのだった。
「だ、大丈夫ぅ~?」
クルンが声をかけた。
「早く逃げないと!」
907 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:06:43.92 ID:OKr7R08H
ナオはそれには答えず、まずもって逃げることを主張した。
「行くぞ」
シャロムの声で5人は走り始めた。
5人が通ってきた道の常備灯はなぜか消えていた。
暗黒の廊下を、クルンのライトだけを頼りに進んで行く。
「うわ!」
先頭を走っているシャロムの声が響いた。
「何!?」
「く、穴がある! 落ちてしまった! なんでこんなとこに・・・!」
「ちょ、ちょっと待ってよ。行きに穴なんてあった?」
「無い」
「じゃあ一体・・・」
「クルン、ライトをミナに」
「うん」
「ミナ、地図に穴の場所は?」
しかし、その声に返事は無かった。
「ミナ?」
クルンはライトをあちらこちらに向けてみるが、ミナの姿は無い。
「はぐれた・・・?」
「まずいな・・・」
穴の下でシャロムが焦っている。
「私が探してくる」
リリィが名乗り出た。
「ふむ・・・ならば私も行こう。どうやらこの穴の中は通路があるようでな。
どこかに続いているようだ。私は下の階から探しに行くとする」
シャロムは穴から出てくるのを諦め、別行動すると言うのだ。
「クルンはナオと一緒にここの職員を探すか、あるいは脱出するんだ」
「でもそれじゃ・・・シャロム達はどうなるの?」
「こういう時のために私は師匠から色々教わった。それを生かすから安心しろ」
「シャロムぅ・・・」
908 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:11:37.68 ID:OKr7R08H
クルンが不安そうな声を上げる。
「わかった。私とクルンは何とかしてこの状況を伝える」
「シャロム、あんたも無事でね」
「あぁリリィ。外で会おう」
クルンはライトの予備電池を1つずつ、リリィとシャロムに渡す。
そして4人は別れた。
このとき、暗黒の中でナオが邪悪な笑みを浮かべていたことに気づいた者はいない。
「クルン、こっち」
「なぁに?」
ナオの声がする方向にライトを向ける。
そこにはドアがあった。
「ここは?」
「ミナの地図が無いからわからないけれど・・・」
クルンはライトを周囲に向けて様子を確かめる。
『格納庫制御室』というプレートが見つかった。
「うーん・・・」
「さっきの格納庫にある機械を動かす部屋じゃないかな」
「そっか~」
「開けるよ」
ナオは格納庫のドアを開ける要領でドアを開けた。
意外にも中は明るかった。
「お? 明るいね」
ライトを消すクルン。
「! ナオ、人が倒れてる!」
909 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:28:15.64 ID:OKr7R08H
「え?」
ナオもそちらに目を向ける。
「しかも裸ぁ!」
「ちょっと・・・」
「大丈夫!?」
クルンが倒れている人――女性の体を揺らす。
「だいじょ・・・えっ!!」
その女性はカッと目を開き、クルンの体に手を回す。
女性はそのままクルンの唇と自分の唇を重ねた。
「んんっ!!」
抵抗しようとするクルンだったが、女性の腕力は異常なまでに強い。
同時にクルンは自分の口に何かが注がれてくるのを感じていた。
「ぷはっ」
ようやく唇を解放されるが、クルンは自分の体が動かないことに気づく。
「う・・・なに・・・これ・・・」
「うふふふ・・・」
倒れていた女性は立ち上がる。
「これでいいですか? ナオ様・・・」
「!?」
その声にクルンは背筋が寒くなった。
「うん。よく出来ました」
ナオはクルンに歩み寄る。
「ナオぉ・・・どうしちゃったのぉ?」
「どうって・・・こうなったの」
その言葉と同時にナオの股間から黒い霧が吹き出し、ナオを覆う。
次の瞬間霧が晴れると、そこには異形のナオがいた。
「え・・・え・・・??」
「んふふふ、頭の弱いクルンにはわからないよね。でも別にいいんだよ。
クルンは頭が弱いけれど、代わりに悪知恵が働くじゃない?」
910 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:37:48.10 ID:OKr7R08H
ナオは下半身の触手を伸ばし、クルンの体を愛撫する。
「だからねぇ、その悪知恵を悪いことに使わせてあげる」
触手はクルンを捕まえるとナオに前に持ってくる。
「ナオぉ・・・助けてよぉ・・・」
「助ける? いいわよ。でもあなたを感染させた後ね」
「いやぁ!」
ナオは触手を操り、クルンの方へ何本かの先端を向けた。
するとそこから消化器の如く黒い霧が大量にクルンへ吹き付けられた。
「あはぁ・・・これ気持ちいいなぁ・・・人間の男もこういう気分になるんだろうなぁ」
性知識など微塵も無かったナオだが、カナに感染させられた際にそれを得ていた。
「そろそろいいかな?」
1分ほど霧を吹き付けた所でナオはクルンを拘束していた触手をといた。
しかし床にはクルンの姿はない。
「あれ?」
床にあるのは黒い液体の水たまり。
ナオが放出した霧がたまっているのだろうか・・・
「あははは・・・」
クルンの笑い声がこだました。
同時に床の液体が盛り上がると、人の形を作り始めた。
「あぁ、なるほど。そういうことね」
「ナオぉ、なんか凄い楽しいんだけど~」
「んふふ、気に入った? クルンはスライムみたいになったんだよ」
「え~?」
「自由に体の形を変えられるってこと」
「そうなのぉ? 例えば~・・・こう?」
クルンと見られる液体は形を変え、クルンにキスをした女性の姿を作って見せた。
「そう。うまいうまい」
「へぇ~、面白い! 元の姿は・・・こうかな」
今度はクルン自身の形に戻っていった。
911 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:49:14.71 ID:OKr7R08H
「戻った~」
「オッケーね。で・・・、あなたの目的は?」
ナオは念のため質問してみる。
「ん? みんなを感染させて、ぐちゃぐちゃのエッチをするの!」
「なんか違うけど・・・まぁいいか」
ため息がちに言う。
「じゃ、クルンはリリィを感染させてきてね」
「はーい」
すぐにクルンは体を液体にすると、床の隙間に流れ込んで出て行った。
「あの・・・ナオ様ぁ・・・」
「あぁそうそう、ご褒美ねー」
控えていた女性がナオに期待の視線を向ける。
「何がいいかな?」
「胸! 胸!」
女性は大声で主張するが、普通はそんな一言では通じない。
「胸? どうして欲しいの? 気持ちよくして欲しいとか?」
「大きくしてください」
「え・・・十分大きくない?」
ナオは女性の胸に目を向ける。
巨乳と言うほどではないのだが、適度なサイズで形の美しい、いわゆる美乳である。
「これはこれで良いと思うけどなぁ」
「もっと! 大きくして欲しいんです!」
女性は真面目な表情でそう言う。
「じゃあ・・・胸に何か入れてみようか」
「入れる!?」
その言葉にショックを受ける女性。しかし・・・
「入れる・・・入れる・・・気持ち良さそう・・・」
すでに一度カナに犯され、そしてナオに脳髄まで弄くられた彼女に普通の思考は無かった。
言葉の端々から快楽を結びつけ、そしてそれを欲望とするのだ。
912 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:56:05.00 ID:OKr7R08H
「んじゃ行くよ?」
ナオは2本の触手を出して先端をとがらせると、それを女性の胸に差し込んだ。
「あああ・・・いぃ・・・」
「うーん、でも何を入れようか?」
「そ、そんなぁ・・・考えていたんじゃないんですかぁ・・・」
「考えてない」
「え・・・」
触手を差し込んだまま考えるナオ。
(ただ胸を大きくするだけじゃ面白くない・・・よね)
「よし、こうしよう!」
そして触手が蠕動を始める。
「あ、入ってくる! 入ってくるぅ!!」
「胸の中に私の肉を植え付けよう。そうすればお姉さんの体は自然に生まれ変わる」
「ナオ様の肉ぅ・・・をぉ・・・」
「そう。全身の体液を黒い霧の原液にしちゃう肉・・・んふふふ・・・」
ナオは嬉々として女性の体を改造していくのだった。
数分後、そこにはナオに体を改造された女性が立っていた。
しかしその胸は巨乳となっており、見る者を圧倒する大きさであった。
全身の体液を黒い霧の原液とされたせいか、肌は色黒になっている。
そしてその体からは黒い霧そのものが立ち上っているようで、
うっすらと黒いオーラを纏っているようにも見える。
「くふふふ・・・」
妖しい笑みを浮かべる女性。
その笑みはまさしく邪悪そのものだった。
「さて、お姉さんはミナを迎えに行ってもらおうかな」
「お任せください、ナオ様・・・」
女性は部屋を出て行った。
Witch of the "P"
人類が外宇宙へと生活圏を求め、10年以上が経過していた。
巨大な宇宙母艦「辰」を生活の場とした人間はゆうに数万人。
そんな大規模な移民計画とも言える、壮大な宇宙の旅を人類は始めていた。
光の速さを大きく上回る速度を実現した人類は、すでに地球から500光年の位置にまで到達していた。
これは、そんな人類のたどった末路・・・それも人類を滅亡へと導く末路を記したデータである。
「・・・この母艦でいったい何があったというんだ」
「ここにある『人類』というのは、俺たちツター星人とは違う・・・生物なのか?」
「恐らくそうだろう。だがこのデータは持ち帰らなければならない」
「中身は?」
「み、見るのか? 俺は・・・嫌だぞ」
ツター星人の一団が、まだ動力の残っていた端末のデータを目にしていた。
彼らの技術力は未知の生物『人類』の言語を読み解くことを可能にしてくれていた。
この一団はそのためにこの時点で助かることなど知るよしも無かった。
「予定の時刻までもう少しある。それまでは危険が少ないということだ」
「まぁ逆に言えば迎えもそれまで来ないってことだけどな」
「み、見たくねぇ・・・」
「だったらその辺で寝てろ。俺は見る」
「まさかAVだったらわらえねーけど」
「アホか」
「おい、再生するぞ」
一人のツター星人が操作すると、部屋の壁に映像が投影されたのだった・・・
『辰』全体にわずかな揺れが走った。
もちろん宇宙航行をしているのだ。
892 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 00:56:47.41 ID:OKr7R08H
そもそもの理屈として地震など起こるはずが無い。
ならば何らかのトラブルが発生したはず――
そう考えるのが筋だった。
しかし、筋はあっていようとも規模は大きな的外れだったのだ。
『航行運営チームは直ちに区画H-023へ集合してください。』
『辰』内部に広がる住宅街にそのアナウンスが響いた。
「む、珍しいな。この声は航行システムのAIだったっけか」
「そうよ。つまるところ、私たちが行くしかないってこと」
自宅でくつろいでいた夫婦がそう話すと、立ち上がった。
「すまない、ナオ。急ぎの用事が出来てしまった」
「いいよ。いってらっしゃい」
「ごめんね・・・ 『辰』の面倒は私たちじゃないと」
「いいってば。そういうのがお父さんとお母さんの仕事なんだからさ」
明るい口調で返事をしてみせるナオ。
「たまの休みなんだからナオと過ごしたかったんだがね」
「留守番してるからね!」
言うと、ナオは自分の部屋へ行ってしまう。
残された両親は後ろめたさを感じていた。
「やっぱりナオは寂しいんだろうな」
「もちろんよ。それは私たちのせいだし」
「うむ・・・」
うなだれながら、二人は自宅を出て行った。
「はー、二人とも忙しいよねほんと」
ナオは自室の椅子に腰掛け、携帯端末をいじりながら呟いた。
この携帯電話という端末は20世紀に開発された品だ。
現在は端末という一言で意味が通る。
893 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:00:50.41 ID:OKr7R08H
慣れ親しんだ便利な物は、いつの時代でも通用するのだろう。
「誰か暇してないっかなー」
ナオは端末の電話帳を探る。
そのとき。
「お?」
端末の画面はメールの受信を通知していた。
「クルンからだ。なんだろ」
――『辰』の中で何かあったらしい。見に行かない?
「おほー、なるほどね」
ナオは考えた。
確かに何かあったのは事実だろう。
理由は両親が休みなのに仕事に行ってしまったから。
でも、考えてみるとナオは『辰』の居住区域しか知らなかった。
興味があるといえばある・・・
そしてナオは返信した。
――行くのは賛成♪ でも中って言っても、どうやって?
クルンからの返信は早かった。
――白兎(はくと)水路で遊んでたこと、覚えてるかな
――覚えてる。確かミナが落ちて溺れそうになったっけ
――あの時、私はドアみたいな謎の入り口を見つけてたんだよ
――おほー、マジですか。じゃあそこが怪しいっぽい?
――うん。ミナとシャロム、リリィをつれて白兎橋に来て。
私はあると便利そうな物を探してから行くから
そこまでメールでやりとりをし、ナオは立ち上がった。
「たまーにしか無い時だもんね。楽しまないと!」
894 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:03:27.83 ID:OKr7R08H
言うと、ナオはミナとシャロム、リリィにメールを打ち外へ出た。
白兎橋。
ナオがすむ地域へ飲み水を供給する白兎水路にかかる橋だ。
近くには白兎神社があり、この地域の人々の信仰を集めていた。
『辰』には様々な人種が搭乗していたが、特にこの地域はアジア系の血筋が多い。
ナオとミナはまさしくその血筋であり、ミナは神社の巫女だった。
「おまたへ~」
間の抜けた声でクルンが到着した。
白兎橋にはナオ、ミナ、シャロム、リリィが到着して待っていた。
「おっけおっけ。何持ってきたの?」
「うーんとね、とりあえずハンマーでしょ」
などと言いつつ、背中のリュックから金属製のハンマーを取り出す。
「なんでハンマーなんだ」
シャロムが冷静に突っ込む。
「えー、だって壊さないとダメな時に便利じゃない」
「壊す前提なのか・・・呆れた」
「あとは針金」
「一応聞くが、何に使うんだ」
「ん? 鍵開けっしょ。普通使うよねー」
「お前の普通が理解できないわ・・・」
すでにシャロムは疲れた表情だ。
「ま、まぁとりあえず行こう! あんまり時間がたつと解決しちゃうかもよ?」
ナオの声で、一団は歩き始めた。
水路へ降り、少し進むと・・・確かにドアがあった。
「よく覚えてたね、こんなわかりにくいドア」
リリィがクルンの方を向いて言う。
895 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:06:49.06 ID:OKr7R08H
「ミナが溺れそうになった時、なーんか気になったのよね~」
「溺れるとかそういうの、思い出させないでください・・・」
ミナがしょんぼりした表情になった。
「よーし、開けようか!」
リュックから針金を取り出し、それをナオに渡した。
「え、あたしがやるの?」
「え? 違うの?」
「・・・」
シャロムが針金を奪うと、そのまま鍵穴に差し込んでカチャカチャやり始めた。
ちょうど5秒ほどで鍵の開く音がした。
「おー、すげー」
クルンが驚く。
「どこで覚えたんですか?」
「いや、ちょっと師匠から教わったことがね」
「出た、シャロムお得意の師匠!」
「気になりますね、その師匠という人」
「い、いいじゃないか。さぁ行こう」
お茶を濁し、シャロムは一団をドアの中へと誘った。
「暗いね」
「もちろんライトもあるよ~」
すぐにクルンはリュックからライトを取り出した。
スイッチを入れると、5人の視界が確保される。
「ここには何も無いね?」
「お、なんか張り紙があるよ」
ナオがそれを見つけ、近づく。
「なになに・・・案内図?」
「これを見ればどこに行けばいいかわかりそうだな」
「地図読める人~?」
「私は読めますよ」
「じゃあミナ読んで!」
「え・・・はい」
896 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:10:56.88 ID:OKr7R08H
ミナは地図を読みながら、持ってきていたノートにそれを写す。
「でもこれを見ても、どこに行けばいいのかわからなくない?」
「まぁ適当に行けばいいっしょ~」
「クルン、お前のそのいい加減な所をそろそろ直せよ・・・」
シャロムはこのメンバーでクルンの言うことが一番怪しいのを理解していた。
そのせいで何度か危険な目にも遭っていたから。
「とりあえず・・・行ってみない?」
リリィが格納庫と書いてある部分を指さして言った。
そこから先の通路はわずかに常備灯が点灯しており、真っ暗ということはなかった。
一行はやがて格納庫と書かれたドアに到着した。
「ここかな?」
リリィはドアをぺたぺたと触る。
「でも鍵穴ないよ~」
「うーん、たぶんここは自動ドアなんじゃないかな?」
ナオが周囲の様子を確認しながら言う。
「お、さすが技術者夫婦の娘様~」
「はいはい・・・」
「探してるのはこれですか?」
ミナは自動ドアらしき物の端っこに四角い切れ込みがあるのを見つけていた。
「これこれ。シャロム、ここを開けてよ」
「鍵穴は・・・ここか」
針金を突っ込みカチャカチャし始めた。
「でもさー、こんなことして大丈夫なのかな?」
「ん~、大丈夫っしょ。ナオいるし」
「は!?」
「開いたぞ」
「お、どれどれ・・・」
フタの開いたパネルをナオがのぞき込んだ。
そこにはわかりやすく『開』と書かれたボタンと『閉』と書かれたボタンが一つずつ。
躊躇無くナオは『開』を押した。
897 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:14:19.86 ID:OKr7R08H
するとドアはゆっくりと開いていく・・・
そこで5人は異常な光景を目にしたのだった。
「に、ににに逃げろ! やばいぞぉ!!」
作業服を着た男が大声を上げ、室内の同僚に警告する。
瞬く間に作業員達は壁にある緊急脱出口へ身を滑らせ、誰もいなくなってしまった。
「・・・は?」
ドアを開けた瞬間にその光景を目にした5人は、さっぱり意味がわからなかった。
「何かあったと見るべきか」
「ん・・・、私が見てくる。みんなは外にいて、何か異常があったらドア閉めてね」
「それじゃナオが!」
「私は技術者の娘だよ? たぶん大丈夫。じゃね!」
ナオは格納庫の中へと走っていった。
「クルン。武器になるものはあるか?」
「えーと、ハンマーなら20個くらい・・・」
「他には?」
「バールと、ハンマーと、バールと、えーっと」
「もういい」
シャロムはリュックをクルンから取り上げ、中身を全部出した。
ハンマーが20個、バールが10本、釘が1箱・・・
それにライト用電池が3個、電動ドリルが1式。
「お前、何するつもりで用意したんだ」
「え? 工事してあたし達の秘密基地にす」
「アホ」
ナオはコンテナの隙間を走り抜けていく。
「・・・!」
遠くから音が聞こえてきた。
入り口からすでに500メートルほどは走ってきている。
『辰』自体があまりに巨大であるため、格納庫もまた巨大なのだ。
「ひっ・・・ぁぁ・・・、ぁぁ・・・」
898 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:16:14.41 ID:OKr7R08H
(声?)
ナオは警戒し、気配を殺しながら歩みを進めていく。
ふと、そこで壁に光を放つ物体があることに気づいた。
『辰』に無数に設置されている端末だ。
(何かわかるかな)
ナオは端末を操作し始めた。
すると、何らかの物体が『辰』に衝突したことが記されていた。
その穴はすでにメンテナンスAIにより修復済みであることも。
(お父さんとお母さんはこのために呼び出されたのかな)
さらに端末を操作し、情報を表示させていく。
(うーん・・・)
技術者達は物体が衝突したことは知っている。
物体がどんなものであるかはわかっていない。
衝突した場所はこの格納庫であること。
この程度のことしか端末ではわからなかった。
(ってことは、この先に行けばわかるってことかな・・・)
ナオは足を進めていく。
「はぁぁぁああ、いいよぉ・・・」
「!?」
コンテナの陰から出ようとしたナオは、確かにその声を聞いた。
「体がぁ・・・変わっていくのぉ・・・」
(何?)
その場でナオはしゃがみこみ、コンテナの陰から様子をうかがうことにした。
このあたりは入り口と違い、備え付けの照明のために明るさはある。
しかしなぜか・・・黒い霧のようなものが充満しており、その先が見えない。
「ふあああ・・・」
その声とともに、くきゅる、もきもきっ・・・という、体の肉が動く音が聞こえた。
(この音・・・アニメとかでやってるような、凄いやつ? なんだっけ、ブロッコリーみたいな名前の)
そこまで考えた時、ナオは体が熱くなってきていることに気づく。
ナオはすでに黒い霧に巻かれていた。
「ふふふ・・・そこにいるのねぇ」
(み、見つかった・・・?)
ほとんど視界ゼロの霧の中、危機感を覚えて来た道を振り返った。
そして立ち上がろうとした瞬間、ナオは謎の物体に動きを封じられてしまった。
「きゃ!?」
899 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:19:01.06 ID:OKr7R08H
「ほぅら、捕まえた・・・あはぁ」
そのままナオの体は、格納庫の出入り口とは逆に引きずられていく。
(ちょ、なんて力!)
必死になって抵抗するが、全く意味をなさなかった。
数メートル引きずられるとナオの体は空中に持ち上げられた。
「あはは・・・おいしそうなメスぅ」
「・・・!!」
相変わらず黒い霧は立ちこめていたが、至近距離に引きずられたためその存在を確認できた。
まさしく異形。
ナオは自分を捕らえた生物をその一言でしか表現できそうになかった。
上半身は女性だった。
美しい顔だちの女性で、ボディラインは完璧。
胸は大きく膨らんでいるが形を美しく保ち、腰のくびれも美しい。
だが肌の色はくすんだ灰色で、目の色も金色に光っており人間とは思えない。
さらには下半身は粘液質の液体に覆われている。
ナオを捕らえた物体はその下半身から伸びていた。
「きゃあ!?」
「うふふふ・・・あなたナオちゃんね? トモコの娘でしょう」
「あ、あたしを・・・知ってる・・・の・・・?」
「知ってるわぁ、だって私はトモコの同僚だったから」
「どういう、こと」
「そういうことよぉ。私は元人間だってこと」
その一言でナオは恐怖に支配された。
元人間。
つまりはこの人・・・元人だが、この人はもう人間ではない。
そして人間ではなくした何かがここにはいる?
いや、あるという言い方の方が良いのかもしれないが・・・
そういうことになる。
900 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:22:28.36 ID:OKr7R08H
「んふふ、トモコの娘だもの。ゆっくり食べて感染させてあげないと」
「か、感染・・・?」
「そ、感染。見てなさぁい」
その怪物は下半身の粘液からナオを捕らえているものを作りだし、伸ばす。
「ふふふ・・・ナオちゃん以外にも人間がいるのよ、ココ」
「きゃあ!」
遠くで女の声が聞こえた。
「ほぅら、捕まえた♪」
その触手のようなものを戻すと、先端に女性が絡みつかれていた。
「いやぁ、助けて!!」
「だーめ。あなたは私の食べ物なんだから」
怪物の言葉と同時に下半身の粘液が蠢き、穴をいくつか作る。
そこから音を立てて黄緑色の液体が女性に吹きかけられた。
「ひゃ!!」
その液体は女性の作業服を溶かしていき、ものの数秒で女性は全裸になってしまった。
「くふ・・・」
しかし怪物はそれだけで、何もしない。
女性は作業服を溶かされたことにショックを受けていたようだが、すぐに様子が変わった。
「はぁ、はぁ・・・」
息が荒くなってきていた。
「な、何をしたの?」
「服だけを溶かして人間を発情させる体液をかけたのよぉ」
「な・・・」
見ると女性は重要な穴から液体をしたたらせようとしている。
怪物はそれを見逃さなかった。
「んふふ・・・コレが私のご飯♪」
新たに触手を作ると、女性の秘所をそれでズルリとなで上げた。
「いひゃああああ!!」
快楽に女性の体がビクビクとはねる。
「ほら、もっと出して? もっとあえいで?」
そして何度も何度も禁断の穴をなで上げる。
粘液質の柔らかいそれは、人間の女性にとってあまりにも強すぎる快楽だった。
すぐに女性は愛液をしとどに垂らし始める。
901 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:24:55.16 ID:OKr7R08H
「あはぁ、出た出た。いただきまぁす♪」
怪物は女性を持ち上げ、秘所を自分の口元に近づけた。
そして・・・一気にそこへ吸い付いたのだ。
「ふあああ! 入ってくる! 入ってくるぅうう!!」
ナオは確かに見た。
怪物の口は女性の秘書に吸い付いているのだが、その口が不自然な動きをしていることに。
どうやら怪物の口から何かが出され、女性の膣をかき回しているようだった。
じゅるじゅると卑猥な音が女性のあえぎ声とともに格納庫に響く。
「いくいくいくぅ!!!」
しかし怪物は人間の女性の快楽を熟知しているらしく、すぐにはその高みに上らせなかった。
口から出ている物体の動きが鈍ったのだ。
「どうして!? どうしてぇ!!! いかせてよぉ!!!」
もはや女性は半狂乱である。
自分を蹂躙しているのが異形の怪物であることも、どうでもよくなっているようだ。
とにかく目の前の快楽を貪ることしか頭にない・・・そんな状況である。
それを聞き、怪物の目の色が変わった。
怪物は、今度は口の中の物体を動かしながら顔を前後に動かし始めた。
ただただ膣を蹂躙するだけでなく、女性の禁断の穴中全てを犯し始めたのだ。
「あっ、あっ、あっ」
女性は虚ろな目を格納庫の天井に向け、与えられる快楽を全身で味わう。
その振動で形の良い胸もよく揺れている。
「ひうう、いく、いく、いくぅ!!」
再度の高みへ上り始める女性。
そしてついに・・・
「いくいくいくぅ!! ああああああああああああーーーっ!!!」
ぷしゅ、という小気味の良い音とともに女性の体が弓なりになった。
その異常なまでの快楽は女性の意識を奪い去ってしまったようで、女性は力なくぐったりしている。
だが怪物はまだ口を離さない。
ナオはそれを見て気づいた。
怪物は口から女性の膣に何かを送り込んでいることに。
902 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:28:07.02 ID:OKr7R08H
そして女性の声がなくなり、肉の管を粘液質の物体が通り抜ける音が聞こえてきたのだ。
それが止むと、怪物は女性の股から口を離した。
「ふはぁ・・・まぁまぁの味だったわぁ・・・」
「あ・・・あ・・・」
もはやナオは恐怖に震えることしか出来なかった。
「そうねぇ、そろそろ教えてあげる。私が何になったのかをね・・・」
怪物は妖しい微笑みを向け、ナオに全てを話し始めた。
その怪物・・・人間名をカナと言った。
カナはトモコの同僚で、格納庫の総合責任者を任されていた。
謎の物体が『辰』の外壁に衝突し、穴が開いた際にも彼女は格納庫にいた。
破損を察知した彼女はすぐに端末を通しメンテナンスAIに指示を出し、修復をさせた。
同時に状況を確認するため部下の作業員に報告を求めた所、異常を伝えるものがあったのだ。
「修復した場所付近に得体の知れないものがある」・・・・・・
カナはすぐさまそこに向かうと、その場所には灰色の巨大な球体が転がっていたのだ。
作業員をコンテナの陰に待避させるとカナは球体に近づき様子をうかがってみた。
しかしその球体は突如として触手を伸ばし、カナを捕らえたのだ。
抵抗する間もなくカナは球体の中へ引き込まれてしまった。
その瞬間、他の作業員達は避難を始めた。
「自分たちもあのようになってはならない」と。
ナオが目撃した作業員の脱出場面は、これによるものだった。
そしてカナは球体の中でたっぷりと人間に害をなす生命体の因子を与えられ、異形となった。
球体から生まれた彼女はその因子を黒い霧としてまき散らしつつ、生まれ変わった姿をさらしたのだった。
「と、いうわけよぉ」
「・・・」
顔面を蒼白にし、その異形――カナの話を聞くナオ。
「ここには人間が大量にいる。今でこそ人間は『辰』の統合本部に統率されているけれど、
どうせすぐ揉め事を起こすと思うのよねぇ・・・ で、せっかくこんな素晴らしい体になったからさ。
私が人間を快楽で統率しちゃおうと思ってるわけ」
「・・・」
何も言えないナオ。
903 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:33:28.17 ID:OKr7R08H
自分が格納庫に足を踏み入れたことを大きく後悔しているのもあった。
「さぁ、ナオちゃん? あなたもこの体を手に入れようか?」
触手はナオの体を持ち上げ、カナの顔の前に股を持ってくる。
「ちなみに逃げようと思っても無駄だからね? 黒い霧の中にこれだけ長時間いたんだもの。
頑張って逃げおおせてもいずれ私と同じ存在になるわ」
「ね、ねぇ!」
「なぁに?」
「感染って言ってたよね・・・病気みたいな物なの?」
「うーん・・・私はそうは思ってないけどね。ウイルスみたいな物なのかもよ?」
「・・・」
ナオがこの質問をしたのにはもちろん意味があった。
自分がカナによって異形にされた後、誰かが元に戻してくれる可能性を知りたかったのだ。
「わかった・・・好きにしてよ」
「あはぁん、素直な子は好きよぉ」
カナは粘液を使わず、ナオの服を脱がせていった。
「溶かすんじゃないの?」
「トモコの娘だからねぇ」
「あっそ・・・」
服を脱がせ終わるとそれをコンテナの脇に置き、艶やかな宴が始まるのだった。
「こんなに気持ち、いいなんて、ああん!!」
ナオはカナの口に秘所を吸われ、膣を口内の物体に犯されあえぐ。
「あああ、そこぉ!! いいよ、いいいいい」
格納庫にぐちゅぐちゅという粘液質の音が聞こえる。
ここにいるのは人間のナオと異形のカナ、そして先ほどの女性だけである。
もっとも、女性は気を失っているが・・・
「もう、いく!! いっちゃう!!」
いよいよナオは性の高みへと上り詰める。
「ああああああああああああ!!!」
ビクビクと全身を痙攣させ、ナオは初めての絶頂を体感するのだった。
「はぁ、はぁ、・・・」
乱れた息で酸素を補給するナオ。
しかし・・・
904 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:37:20.10 ID:OKr7R08H
「はぁ、は!!! な、入って!! くる!!!」
カナの口から何かがナオに送り込まれてきているのだ。
自分の胎内に注がれる感覚を受けながらも、しかし快楽を感じている。
「ふああ!!」
小さな絶頂を迎えると、カナは口を離した。
「ふはぁ・・・いいわぁ・・・」
「な、なにを、入れた、の・・・」
「んふふ・・・すぐにわかるわ」
「はぁ、はぁ、・・・」
静かな格納庫にナオの呼吸音が響く。
しかしそれは突然途切れた。
「あ・・・ああ・・・」
ナオの体がブルブルと震える。
「始まったわねぇ・・・カナお姉さんから粘液のプレゼントよぉ」
言うとカナは女性にしたように、下半身から粘液口を作ってナオにかけ始める。
その量はあまりにも多く、瞬く間にナオは粘液まみれの球体になってしまった。
5分ほどすると、粘液は一カ所に吸い込まれるようにして無くなっていった。
カナはそれを満足そうな笑みで眺めている。
「あはぁああ・・・」
中からナオ・・・だった者が現れた。
その姿はカナと同じく異形。
上半身はナオの姿を残していたが、肌の色は青みを帯びた白。
形の良い小ぶりだった旨は巨大になり、見る男を虜にする。
そして下半身は無数の触手に覆われていた。
「くふふふ・・・昔読んだ本にスキュラっていう怪物が出てきたけど、まさしくそれねぇ」
カナが喜ぶ。
「カナ姉様・・・」
触手を操り、ナオがカナに近づく。
905 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:39:16.74 ID:OKr7R08H
「トモコはなんていうかしらねぇ、ナオちゃん?」
「お母さんは・・・何も言わないと思う」
「あら、どうして?」
「仕事が忙しいから私も我慢しなきゃだったし、お母さんもそれをわかってたから」
「そうなの」
「でも、ねぇ」
「うあ!」
カナの悲鳴が響く。
「カナ姉様をペットにしたって言ったら驚くと思うんだ♪」
ナオは邪悪な笑みを浮かべ、触手をカナの両耳に差し込んでいた。
「あ・・・あああ・・・」
「ほら、何も出来ないでしょ」
この一瞬でナオはカナの脳を操作し、全身の動きを奪っていた。
「私のペットになってね♪」
ナオは触手を蠕動させてカナの脳を犯し、書き換えていった。
数分後、ナオの目の前には姿勢を低くしたカナの姿があった。
本来ならば「膝をつく」というのだろうが、カナに膝はない。
下半身は粘液質になっているのだから・・・
「カナ」
「はぁい」
「お母さん達を仲間にしてきなさい」
「わかりましたぁ」
「私の能力を植え付けておいたから・・・人間に擬態できるはずよ」
「こうですかぁ・・・?」
カナは下半身の粘液を操作して自分を包み込むと、その形を変えていく。
その中から現れたのは人間体のカナだった。
「そう。じゃあいってらっしゃい」
「はぁい」
カナは全裸のまま歩いて行った。
「さて、と」
906 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 01:45:48.43 ID:OKr7R08H
ナオは近くに横たわる女性に目を向けた。
「この人はどうしようかなぁ」
邪悪な思案をめぐらせるナオ。
「そうだ!」
ナオは触手で女性を引き寄せ、下半身の触手のジャングルへと引き込んでいった。
「ナオから連絡が無い」
シャロムは焦っていた。
一人で行くと言った時に止めておけば良かった、という自責の念が芽生えていたのだ。
「焦ってもしょうがないじゃんよ~」
クルンは相変わらずマイペース。
持ってきていたハンマーで床をコンコン叩いていた。
「でもこのまま帰ってこないのは心配ですよ・・・」
手でバールをもてあそんでいるミナ。
そしてボーッと格納庫の中を見ているリリィ。
4人はとにかく待つことしか出来なかった。
そしてちょうどそこに。
「あ!」
リリィが指を指す。
その先にはナオの姿。
必死の形相で走ってきているのだ。
「逃げて! 早く!」
大声で叫ぶナオ。
その後ろには・・・異形の怪物。
まるで蜘蛛と人間を融合させたような化け物がナオを追いかけてきているのだ。
「ドアを閉めるボタンを用意しろ! 早く!!」
シャロムが指示を出すと、ミナがすぐにボタンの前に行く。
そしてナオが格納庫から出きった瞬間『閉』ボタンを押し、ドアを閉め切ったのだった。
「だ、大丈夫ぅ~?」
クルンが声をかけた。
「早く逃げないと!」
907 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:06:43.92 ID:OKr7R08H
ナオはそれには答えず、まずもって逃げることを主張した。
「行くぞ」
シャロムの声で5人は走り始めた。
5人が通ってきた道の常備灯はなぜか消えていた。
暗黒の廊下を、クルンのライトだけを頼りに進んで行く。
「うわ!」
先頭を走っているシャロムの声が響いた。
「何!?」
「く、穴がある! 落ちてしまった! なんでこんなとこに・・・!」
「ちょ、ちょっと待ってよ。行きに穴なんてあった?」
「無い」
「じゃあ一体・・・」
「クルン、ライトをミナに」
「うん」
「ミナ、地図に穴の場所は?」
しかし、その声に返事は無かった。
「ミナ?」
クルンはライトをあちらこちらに向けてみるが、ミナの姿は無い。
「はぐれた・・・?」
「まずいな・・・」
穴の下でシャロムが焦っている。
「私が探してくる」
リリィが名乗り出た。
「ふむ・・・ならば私も行こう。どうやらこの穴の中は通路があるようでな。
どこかに続いているようだ。私は下の階から探しに行くとする」
シャロムは穴から出てくるのを諦め、別行動すると言うのだ。
「クルンはナオと一緒にここの職員を探すか、あるいは脱出するんだ」
「でもそれじゃ・・・シャロム達はどうなるの?」
「こういう時のために私は師匠から色々教わった。それを生かすから安心しろ」
「シャロムぅ・・・」
908 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:11:37.68 ID:OKr7R08H
クルンが不安そうな声を上げる。
「わかった。私とクルンは何とかしてこの状況を伝える」
「シャロム、あんたも無事でね」
「あぁリリィ。外で会おう」
クルンはライトの予備電池を1つずつ、リリィとシャロムに渡す。
そして4人は別れた。
このとき、暗黒の中でナオが邪悪な笑みを浮かべていたことに気づいた者はいない。
「クルン、こっち」
「なぁに?」
ナオの声がする方向にライトを向ける。
そこにはドアがあった。
「ここは?」
「ミナの地図が無いからわからないけれど・・・」
クルンはライトを周囲に向けて様子を確かめる。
『格納庫制御室』というプレートが見つかった。
「うーん・・・」
「さっきの格納庫にある機械を動かす部屋じゃないかな」
「そっか~」
「開けるよ」
ナオは格納庫のドアを開ける要領でドアを開けた。
意外にも中は明るかった。
「お? 明るいね」
ライトを消すクルン。
「! ナオ、人が倒れてる!」
909 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:28:15.64 ID:OKr7R08H
「え?」
ナオもそちらに目を向ける。
「しかも裸ぁ!」
「ちょっと・・・」
「大丈夫!?」
クルンが倒れている人――女性の体を揺らす。
「だいじょ・・・えっ!!」
その女性はカッと目を開き、クルンの体に手を回す。
女性はそのままクルンの唇と自分の唇を重ねた。
「んんっ!!」
抵抗しようとするクルンだったが、女性の腕力は異常なまでに強い。
同時にクルンは自分の口に何かが注がれてくるのを感じていた。
「ぷはっ」
ようやく唇を解放されるが、クルンは自分の体が動かないことに気づく。
「う・・・なに・・・これ・・・」
「うふふふ・・・」
倒れていた女性は立ち上がる。
「これでいいですか? ナオ様・・・」
「!?」
その声にクルンは背筋が寒くなった。
「うん。よく出来ました」
ナオはクルンに歩み寄る。
「ナオぉ・・・どうしちゃったのぉ?」
「どうって・・・こうなったの」
その言葉と同時にナオの股間から黒い霧が吹き出し、ナオを覆う。
次の瞬間霧が晴れると、そこには異形のナオがいた。
「え・・・え・・・??」
「んふふふ、頭の弱いクルンにはわからないよね。でも別にいいんだよ。
クルンは頭が弱いけれど、代わりに悪知恵が働くじゃない?」
910 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:37:48.10 ID:OKr7R08H
ナオは下半身の触手を伸ばし、クルンの体を愛撫する。
「だからねぇ、その悪知恵を悪いことに使わせてあげる」
触手はクルンを捕まえるとナオに前に持ってくる。
「ナオぉ・・・助けてよぉ・・・」
「助ける? いいわよ。でもあなたを感染させた後ね」
「いやぁ!」
ナオは触手を操り、クルンの方へ何本かの先端を向けた。
するとそこから消化器の如く黒い霧が大量にクルンへ吹き付けられた。
「あはぁ・・・これ気持ちいいなぁ・・・人間の男もこういう気分になるんだろうなぁ」
性知識など微塵も無かったナオだが、カナに感染させられた際にそれを得ていた。
「そろそろいいかな?」
1分ほど霧を吹き付けた所でナオはクルンを拘束していた触手をといた。
しかし床にはクルンの姿はない。
「あれ?」
床にあるのは黒い液体の水たまり。
ナオが放出した霧がたまっているのだろうか・・・
「あははは・・・」
クルンの笑い声がこだました。
同時に床の液体が盛り上がると、人の形を作り始めた。
「あぁ、なるほど。そういうことね」
「ナオぉ、なんか凄い楽しいんだけど~」
「んふふ、気に入った? クルンはスライムみたいになったんだよ」
「え~?」
「自由に体の形を変えられるってこと」
「そうなのぉ? 例えば~・・・こう?」
クルンと見られる液体は形を変え、クルンにキスをした女性の姿を作って見せた。
「そう。うまいうまい」
「へぇ~、面白い! 元の姿は・・・こうかな」
今度はクルン自身の形に戻っていった。
911 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:49:14.71 ID:OKr7R08H
「戻った~」
「オッケーね。で・・・、あなたの目的は?」
ナオは念のため質問してみる。
「ん? みんなを感染させて、ぐちゃぐちゃのエッチをするの!」
「なんか違うけど・・・まぁいいか」
ため息がちに言う。
「じゃ、クルンはリリィを感染させてきてね」
「はーい」
すぐにクルンは体を液体にすると、床の隙間に流れ込んで出て行った。
「あの・・・ナオ様ぁ・・・」
「あぁそうそう、ご褒美ねー」
控えていた女性がナオに期待の視線を向ける。
「何がいいかな?」
「胸! 胸!」
女性は大声で主張するが、普通はそんな一言では通じない。
「胸? どうして欲しいの? 気持ちよくして欲しいとか?」
「大きくしてください」
「え・・・十分大きくない?」
ナオは女性の胸に目を向ける。
巨乳と言うほどではないのだが、適度なサイズで形の美しい、いわゆる美乳である。
「これはこれで良いと思うけどなぁ」
「もっと! 大きくして欲しいんです!」
女性は真面目な表情でそう言う。
「じゃあ・・・胸に何か入れてみようか」
「入れる!?」
その言葉にショックを受ける女性。しかし・・・
「入れる・・・入れる・・・気持ち良さそう・・・」
すでに一度カナに犯され、そしてナオに脳髄まで弄くられた彼女に普通の思考は無かった。
言葉の端々から快楽を結びつけ、そしてそれを欲望とするのだ。
912 FBX@Witch of the "P" ◆4gA1RyNyf. sage 2012/01/04(水) 02:56:05.00 ID:OKr7R08H
「んじゃ行くよ?」
ナオは2本の触手を出して先端をとがらせると、それを女性の胸に差し込んだ。
「あああ・・・いぃ・・・」
「うーん、でも何を入れようか?」
「そ、そんなぁ・・・考えていたんじゃないんですかぁ・・・」
「考えてない」
「え・・・」
触手を差し込んだまま考えるナオ。
(ただ胸を大きくするだけじゃ面白くない・・・よね)
「よし、こうしよう!」
そして触手が蠕動を始める。
「あ、入ってくる! 入ってくるぅ!!」
「胸の中に私の肉を植え付けよう。そうすればお姉さんの体は自然に生まれ変わる」
「ナオ様の肉ぅ・・・をぉ・・・」
「そう。全身の体液を黒い霧の原液にしちゃう肉・・・んふふふ・・・」
ナオは嬉々として女性の体を改造していくのだった。
数分後、そこにはナオに体を改造された女性が立っていた。
しかしその胸は巨乳となっており、見る者を圧倒する大きさであった。
全身の体液を黒い霧の原液とされたせいか、肌は色黒になっている。
そしてその体からは黒い霧そのものが立ち上っているようで、
うっすらと黒いオーラを纏っているようにも見える。
「くふふふ・・・」
妖しい笑みを浮かべる女性。
その笑みはまさしく邪悪そのものだった。
「さて、お姉さんはミナを迎えに行ってもらおうかな」
「お任せください、ナオ様・・・」
女性は部屋を出て行った。
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