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永久の果肉EX2
8 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:09:58 ID:K5PCScl1
お待たせしました。予告通り番外編投下しにきました。
なのですが。
流石に前スレの容量が余り過ぎていると思うのです。
なので今回投稿分を前編と後編の二つにぶつ切りしようかと。
前編は前スレに、そして後編はこちらで、といった具合で。
そういう訳なので先に前スレにて番外編の前編を投下してきます。
お手数ですが閲覧の際にはまず前スレからお願いしますね。
9 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:37:03 ID:K5PCScl1
前スレに投下してきました。
後半を今からこちらで投下させて頂きます。
前半をまだ見ていない方は前スレを覗いて見て下さいね。
(エロ少な目、ふたなり、アドニス出産)
NGワードはそんな感じで。
14レスほど消費します。
10 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:39:22 ID:K5PCScl1
番外編 本当のハッピーエンド(後編)
パセットがマゾヒストに開眼した翌朝の事である。
「つまりです」
小川の縁を陣取った人と魔物のパーティはパセットを中心に円陣を組んでいる。
物干し竿を設置し、昨晩でろでろに汚れた衣服が風に吹かれて靡いていた。
ちなみにパセットは換えのメイド服を着用済みである。
「パセット達人間組が安心してアドニスを出産できる場所を確保すればいいわけです」
どうだ名案だろう、と言わんばかりにパセットは薄い胸を偉そうにそらした。
(…元気な子。ほんと…)
それを尊敬の眼差しで見詰めるのはマリオンである。
昨日お互い散々アネモネに犯された筈だがパセットはいつもと変わらない。
それどころかいつもよりも元気?
お肌とかツヤツヤである。何かいい事でもあったのだろうか。
うらやましい。こっちは精も根も尽き果てそうなのに。
いや。ちょっとは慣れてきたけど。エッチだってやりすぎなければ気持ちいいし。
(うー、お尻、まだ触手が刺さってる感じがする)
昨日散々アナル開発されたせいで触手が入っていないとむしろ落ち着かないというか。
うわなんという変態。これでいいのか私。
「そりゃまあ、そうね。あたし達は種付けが出来ればいいんだし。
貴女達三人がアドニスを産んで、また種付けして――っていうのを繰り返すのが理想だわ」
因みに出すもの出して一応はすっきりしたらしく、アネモネ二匹は平静を取り戻していた。
「アネモネを増やすんじゃなくて、アドニスを増やすんですか?」
「生殖本能を持っているのはアドニス側だしね。
あたし達『女』の部分はそれに振り回されてるだけなのよ。
つまり『アドニス』の生殖本能が満たされればそれでいいわけ」
それがイコール種付けになるわけである。
「ほら見ろ! パセットの考えた通りだ! はい拍手喝采!」
「わぁ、パセットちゃん偉いー。パチパチパチッ」
「もっと褒めるのだぁ♪」
「で、安心してアドニスを産み落とせる場所って何処なの?」
ネーアの問いにパセットは首を傾げた。
「それを今から皆で考えるんじゃあーりませんか!」
全員が脱力した。
結局、振り出しに戻ったという事か。
「うん。そんな事だろうと思ったわ。期待なんてしてなかった。
他人任せじゃ駄目なのよ。うん。しっかりしろあたし」
頭を抱えるネーアを流石に不憫に思う。
いや、これって人事じゃないのだけれど。
「実際どこがいいのかなぁ?」
「もういっそこの辺りを我々縄張りにしては如何でしょうか!?
近付いた人間は即犯す! そして種付け! 皆ハッピー! よし決まり!」
「人全然居ないじゃない」
「結局私達で沢山産む事になりそうだね」
「一週間も経たずに終着点とかどれだけ短い旅なのよ」
「それにアレエスからそんなに離れてませんからねぇ。
アドニスが大量繁殖していると気付かれたら討伐隊がやってきますよぉ?」
クロトの真っ当な意見に全員が閉口した。
親子の縁は切れているのだ。
いくらグリーズとは言えど大量のアドニスを放置する事はないだろう。
体裁的な問題もあり、討伐隊を派遣する可能性は十分にある。
折角産み落としたアドニスを皆殺されてしまうのだ。
「駄目ね。森の中に縄張りを造るにしてももうちょっとアレエスから離れないと」
「人里近くも駄目なのかな」
「論外ね。見つかり易いし。見つかったら結局討伐隊を送り込まれるわよ?
アドニスなんて百害有って一利無しなんだから」
11 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:40:41 ID:K5PCScl1
「それじゃ、このメンツで一生やってくの?」
人知れず、森の中でアドニスの楽園を造る。
そこには恐怖も苦痛も無い。
ただ快楽と、切れる事の無い繋がりがある。
言葉にすればまるで天国のようだが――
「それは、ちょっと、寂しい、な」
リオがぽつりと呟いた。
魔物になって自由に外を出歩けるようになった。
家族と殺しあいの果てに、親子の絆を取り戻した。
少し大人になった少女の人生はこれからなのだ。
それは普通の人間とは大分違うものになるのかもしれないが――
そんな少女の人生を、山奥でひっそりと完結させてしまうのはいくらなんでも、寂しい。
リオはもっと世界に触れるべきなのだ。
沢山の人と出会い。
色んな経験を積んで。
思い出を作って欲しい。
その為の家出ではなかったのだろうか。
「難しいわねやっぱり。人と魔物の共存は…」
「――あっ」
ぽつりと呟いたネーアの言葉に何かが閃いた。
全員の視線が集中する。
「お義母様」
「ごめん。もうちょっと分かりやすく説明してくれる?」
「あ…えと――その、良く考えてみたらおかしいと思ったの」
「何が?」
「リオの――というかリオの家系の事」
この場合リビディスタの事ではなく旧姓セイレンの家の方だ。
リオの血筋は悪魔と、ネコマタと、そして人間のハイブリッド。
マリオンはふと思ったのだ。
「シュトリという悪魔は同性、つまり女を堕落させて同族へと変異させて繁殖する。
ネコマタは自然界の猫がモンスターになって発生する。
この二つの特性上、繁殖の過程で人間の血が混じる事は有り得ない」
「でも、リオ達には人間の血が混じってる」
その証明となるのが、恐らくオッドアイだ。
左の赤い瞳が魔物である事。
そして右の、リオならば青い瞳が人間である事の証なのだ。
ならば人間の血はいつ、どこで混じったのか。
「ということはあれですね。
人間の殿方と淫魔が結ばれたという事なのでしょうね」
パセットの意見に全員が神妙に頷いた。
淫魔が人間と交わり、子供を作ったのだ。
何かしら外的要因も働いたのかもしれないが――そうとしか考えられない。
(でも、それが分かったからってこの状況を打開出来る訳じゃない)
『人間と魔物との愛の結晶? それがリオの家系』というのも当て推量に過ぎない。
「ごめん、どうでもいい事だった」
「そんな事無いわよ。お手柄だわマリオン。本当にありがとう」
「……馬鹿……褒めるのは全部解決した後にすればいいのに…」
褒められるのが小恥ずかしくて赤く染まる顔を背けた。
ほんとに調子いいんだから。
「解決したようなものよ。
だってリオのお母さんの家って、ずっと娼館を続けてるのでしょう?」
「そうだった筈」
娼館セイレンは歴史のある売春宿なのである。
12 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:42:36 ID:K5PCScl1
それはセイレンの血が途切れた今でも変わらない。
(あ)
そうか。そういう事か。
なぜ娼館なのかって、そりゃエロスな魔物が人間と共存出来る唯一の手段だから?
淫魔が人間社会に溶け込もうとしたらそりゃやっぱりエロイ仕事を見つけるのが良いのだ。
その為の娼館。少し短絡的かもしれないが。
けれど血筋を絶やさず、この店をずっと続けろ、という家訓もあるくらいだ。
先達が未来の子供達に気を利かせて――いや、余計なお節介?
兎も角淫魔の血を引いた子供が人間と共に生きていく――と望んで作った家訓なのでは。
「売春! でございますね! ええ!
今更人間と殿方とエッチするとかあははは! ちゃんちゃらおかしいっちゅーねん!
こちとら親友に処女を奪われてチンコ生やされて魔物の種まで植え付けられたんだぜ!
おまけにマゾ!! 売春婦くらいなんぼのもんじゃー!」
がはははと豪快に笑うパセットを生暖かい目で見詰める。
本当に逞しい娘である。
「という事はぁ、この五人で新しく売春宿を作るっていう事ですかぁ?
時間掛かりますようぅ? それまで私達我慢できませんよう?」
「きゃっ!?」
しゅるしゅるとクロトの触手が体に巻きつく。
ふぅ、ふうっ、と荒い息が、熱い視線が、隣のクロトから叩き付けられてとっても嫌な予感。
「――あの」
そこにおずおずと手をあげたリオ。
「私がお母さんのお店に言って、協力してもらうように頼んできます」
「え? いくらなんでも無理じゃ――ってクロト、いきなりおし――ああぁ、もうっ」
花の上まで体を持ち上げられ、いきなりアナルに触手が突き刺さった。
まだ会議中だというのにこの体たらく。
アネモネの性欲が如何程のものなのか、良く分かった。
「クロト、『お預け』よ」
「ふええぇぇぇぇんっ」
ネーアの命令にクロトが号泣した。
アネモネは自分よりも上位の同種に逆らえないのだ。
「もうちょっと我慢なさい。これが終わったら好きなだけエッチさせてあげるから」
「いや、それどうなの?」
「っていうか話が横に逸れまくっておりますが。皆様しっかりして下さいませ(キリッ」
「と、兎も角、いくらなんでもセイレンにこのメンツが押しかけるのは無謀じゃ」
「そうかしら? あたしは別にいいと思うわよ?」
「自身たっぷりだけど、どこからその根拠は出てくるの?」
「だってリオは前店主リシュテアさんの忘れ形見なのよ?
向こうのスタッフも喜んで受け入れてくれるんじゃない?」
「リオはいい。でも問題は貴方達アネモネでしょ?」
「ふっふーん。アネモネだって使いようよ。
ようは、人間に――この場合は娼館のスタッフに、かな?
彼女達にアネモネがどれだけ有益な魔物か教えてあげればいいんでしょう?
だったら大丈夫だわ」
両手を腰に当て、無駄に大きい胸を逸らしてネーアは自信満々に言うのだった。
「アネモネは女の夢が詰まってるからね♪」
***
それから二ヶ月後の事である。
ここはアレエスの隣町『ニクシー』。
ニクシーはアレエスの存在する山林を下り、南方へ三日進んだ場所に位置する大型の街だ。
13 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:43:53 ID:K5PCScl1
海岸沿いに存在し、漁業は勿論の事、東の山岳地帯からは鉱物も掘り起こしている。
山から採れた鉱物はアレエスの戦士達が使う武器にも使用されていた。
ところが貿易街であるニクシーにはもう一つの特徴がある。
街の中央に位置する、巨大な遊郭の存在だ。
一般人でも楽しめる大型のカジノ。
法外な掛け金で負ければ即強制労働所送りの裏カジノなるものまである。
そして勿論娼館も。
今宵も多くの人間が訪れ。
ある者は夢を叶え、ある者は絶望へと落ちて行く。
ここは欲望の坩堝、夜の街ニクシーだ。
そしてその遊郭の一角に、娼館セイレンは存在する。
日も暮れ、空に星が輝き始めた時間。
街の街灯は魔力の光を反射して闇を打ち払う。
通りには道行く人が後を絶たない。
ピンクやパープル等『如何にも』な魔力光を放つ看板に吸い寄せられ、男達がやってくる。
その様子は花に誘われた蝶か。
それとも蜘蛛に絡め取られた蝶か。
今日もセイレンで女達の甘い声が響く。
「ああぁぁっ!? 産まれるっ! また、産んじゃうっ!」
そのセイレンの地下。
幼い少女の嬌声が響いていた。
店の地下に広がる空間はおよそ十メートル四方と、意外と広大である。
天井には淡い魔力光を放つランプが吊り下げられ、密室の中をぼんやりと照らしていた。
土が露出した壁や床。
隅の方でひっそりと存在を主張する井戸。
そして地面を埋め尽くす大量のアドニスの花。
「んひゃあぁぁぁぁぁっっ!!?
ぷちぷちっ、いってりゅぅ! お腹のなかぁっ、お花の根っこっ、ちぎれりゅぅ!
死んじゃうっ! パセット死んじゃうぅぅ!!」
「死なないわよ♪ 思いっきりイッちゃいなさい♪」
涎を垂らしながら頭を振り乱すパセットを微笑ましく見詰めるのはネーアだ。
地下空間の真ん中に陣取り、触手を使って裸体の少女を花弁の上に拘束している。
花弁に貼り付けにされているのはパセットだ。
散々『可愛がられた』のだろう。
栗色の犬耳ヘアは粘液でベトベト。
何度も絶頂したせいで頬はだらしなく弛緩していた。
幼い裸体も余す所無くアネモネの精液で汚れ、ランプの光を艶かしく反射している。
そんなパセットの体に異変が三つ。
一つは、二つの慎ましい膨らみだ。
二ヶ月前までは歳相応の、洗濯板とも呼べる胸だった。
だが今では二ヶ月前のリオよりもやや大きくなっている。推定サイズ75。
二つ目は大きく張った下腹部だ。
腹にアドニスを宿し、今まさに出産しようとしているパセットの腹は妊婦のそれと同じ。
今も膨らんだ腹が、ぼこり、と歪に波打ち、その度に少女が嬌声を上げる。
そして彼女が快楽を感じる度に、下腹部の下――股下から生えた肉の棒が跳ねるのだ。
それが三つ目。
「あはぁ♪ パセットちゃんのフタナリチンポぉ、びくびくしてますよぉ♪
美味しそうですぅ♪ 食べちゃいますねぇ私ぃ♪ パクン♪」
「んひゃあぁぁっ!!!? しゅごいぃぃぃっっ!!
チンチンとぉっ、子宮がぁっ! ひゃあぁぁぁっ! くるぅっ!
狂っちゃうぅぅっ!! ひゃううぅぅぅんっ!!」
14 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:45:39 ID:K5PCScl1
隣で事の成り行きを見守っていたクロトが我慢出来ずに触手を伸ばした。
口を開いたおしべ触手に擬似男根を奥まで咥え込まれ、パセットが白目を剥いている。
この擬似男根、マゾに開眼したパセットがリオに頼んで再び生やしてもらったのだ。
今ではこうして二人のお姉様に敏感な肉棒を徹底的に責められるのが癖になっている。
「マリオンはお尻大好きの変態になったし。
パセットはフタナリ好きのマゾになっちゃったし。貴方達散々ねぇ」
そう言ってネーアは微笑んだ。
(ま、娼館で働く分にはその方が良かったんだけどね)
二ヶ月前。
ネーアとリオを含む三匹と二人は娼館セイレンに受け入れてもらえる事になったのだ。
勿論、何のトラブルも無かったと言えば嘘になる。
何せこちらは魔物が三匹。
その内二匹は女を犯して大量繁殖するアネモネだ。
普通に考えれば断られるのも当然であり、娼館のスタッフも最初は拒否していた。
だが前店長のリシュテアの忘れ形見であるリオの頼みなのだ。
スタッフの中にはリシュテアに拾われて育った娘も居る。
現店長の女性もリシュテアには世話になっていたらしい。
その実の娘であるリオの説得に心を打たれて最終的にはネーア達を受け入れた。
またリシュテアと仲が良かったマリオンの存在も大きかった。
と、こちらは義理と人情の話。
セイレンのスタッフを説得しえた要因としてアネモネの存在がある。
一見、有害としか思えないアネモネだが、娼館としては十分に有益な存在だったのだ。
例えばアネモネの体液。
催淫性の強いこれを彼女達から摂取し、媚薬として商品化したのだ。
効果が強く、生産コストはほぼゼロ。
彼女達からすればアネモネは金の生る木だったのだ。
それだけではない。
胎内にアドニスを寄生された女性は肉体を徐々に改造されていく。
体が敏感になったり、欲情しやすくなるわけだ。
だがその中には豊胸効果や、美容効果も含まれているのだ。
法外な金を支払って体を弄くられるよりも簡単に綺麗になれるのである。
アネモネになってしまうリスクもあるが、それは自分の意思や他人の協力で避けられる。
つまり。スタッフから見ればアネモネは、
『気持ち良い事をしてくれる。金を稼いでくれる。綺麗にしてくれる』
と良い事尽くめなのである。
尚、街の領主にリオが枕営業を行った為、店が潰れる心配も無い。
「んひいいぃぃぃっっ!! もうイグっ!! アドニス産んでっ、んあああぁぁっっ!!?
ふひっっ!? んああぁぁっ!! ああっっ!! おああぁぁっ!!
いっぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっッッ!!!!!」
ずりりりりっっ――べちゃぁっ…!
「あっひいいいいいぃぃぃぃぃっっっ!!!!」
花弁を分娩台代わりに、パセットがアドニスを産み落とした。
同時にとフタナリペニスから大量射精。
クロトの触手がタイミングを見計らって男根を開放した。
――びゅるるるっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
「んひゃあぁぁぁぁっ!!? しゅごいっ! 出産アクメしゃせーしゅごいのぉぉっ!!」
自身の体と生まれてきたアドニスを祝福するように白いデコレーションを施す。
白目を剥きアヘ顔を晒すパセット。
(なんだか、エロイのか、めでたいのか、おかしいのかよく分からないわね…)
最近このメイド少女はどんどん壊れてるなぁと他人事のように思ってしまう。
15 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:47:03 ID:K5PCScl1
いや自分のせいなのだけれど。
と。地下空間の隅に設けられた一枚の鉄製の扉が開いた。
きぃぃぃ、と蝶番が擦れる音を立てて、扉の向こうからピンク髪の淫魔が現れる。
「あ。終わったところだったんだ」
「そうね。惜しかったわね」
「大丈夫ですよぉ。またパセットちゃんには種付けしますからぁ♪」
クロトの発言に二人で苦笑いを浮かべた。
「だってさパセットちゃん? 体大丈夫なの?」
「……ふ、ふふふ……っ、ふふふのふ…っ、な、なんのこれしき…、
まだまだっ…いける、じぇい…っ、でもちょっと休ませてお願い下さいまし」
「冗談言えるくらいならまだ余裕はあるわね? クロト、種付けする?
あたしはこの前させてもらったから、次は貴女に譲るわ」
「はぁい♪ ありがとうございますネーア様ぁ♪」
「え、ちょっと、今、イったばっかりで体がっ、んひゃああぁぁっっ!!!」
早速クロトの触手に絡め取られて悶え始めるパセット。
「……流石パセットちゃん。普通の人だったら発狂してると思う」
「そうね。でもその辺りは自他共に認めるマゾメイドちゃんと言うか何と言うか。
ほんと逞しいわ。肉体も精神も」
「んひゃうんっ♪ もっとぉっ!! クロト様ぁっ、もっとズボズボしてぇっ!!」
早速喘ぎ始めたエロメイドに苦笑いを浮かべるしかなかった。
「まあ、お陰であたしもクロトも暴走せずに済むわ」
「スタッフの方にも種付けしてるんですよね?」
「負担が掛からない程度に、ローテーションを組んでね。
皆が受け入れてくれて、ほんと良かったわ」
「最初はやっぱり、嫌煙されてましたけどね」
「一回抱いてあげたら皆メロメロになったけどね?」
二人で声をあげて笑う。今となってはいい思い出だった。
「アドニス、どんどん増えちゃいますね」
「週に二匹くらいのペースかしら」
地下空間に産み落とされたアドニスは十五を超えている。
普通の人間が見ればおぞましいだけだろうが、自分にとっては我が子同然である。
増え過ぎても困ってしまうが、こればかりはどうしようもない。
(マリオンに頼んで、またこの部屋を拡張してもらわきゃね)
魔術でがりがり掘るのである。
それも限界はあるだろうから今の内に何かしら対策を考えておかなければならなかった。
産み落とされたアドニス達をどうするか。
何時かは此処に収まり切らなくなる。
その時、この子達を受け入れてくれる場所を確保しなければならない。
各地でセイレンの支店を作ってその地下にも同じような場所を作ろうか。
それとも大自然に還してやるか。
悩みどころだ。
(贅沢な悩みね)
少し前の自分では考えられない。
二百年前のあの日。
人の心を取り戻し、代わりに最愛の人を失ったあの日。
魔物となった体を持て余し、ただ逃走するだけの日々。
自分は何の為に生きているのか。
何の為に生まれてきたのか。
ずっと自問してきた。
人を犯す事でしか心も体も満たされないアネモネ。
そんな、害悪でしかない自分は死んでしまった方がいいのではないか。
そう思う事もあった。
だが今は違う。
「リオ。今、あたし幸せよ」
「ネーアさん?」
16 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:48:46 ID:K5PCScl1
「皆と一緒に居られる。本能も満たされて、暴走する事も無い。
ここは、あたしにとって楽園なのよ」
だが惜しむらくは、ずっと地下にいるせいで自分を含めアドニス達は太陽を拝んでいない。
それが二ヶ月も続いているのだ。
海沿いの街、という地形的にも水分は大量に補充出来るのだが。
やはり日の光も浴びなければどうにも力が湧いてこない。
だから人間を抱く時は水分をたっぷり搾り取ってしまうのだ。
「ひゃうぅぅぅんっ!? しゃせーしちゃうぅっ!! パセット、まらシャセーするぅ!」
「あはぁっ♪ 出して下さいぃ♪ 一杯一杯、フタナリザーメンビュルビュルして下さい♪」
あんな感じで。
まあそれは兎も角。
「魔物でも、人間の役に立てる。それが分かって、あたし嬉しいのよ」
「はい…っ」
ぴょん、とリオが花弁の上に飛び乗る。
淫魔の姿をした幼い少女を抱き締めると、トクトクと、心臓の鼓動が聞こえた。
それを聞くと安心する。
アネモネはお互いに繋がっているが、その巨体ゆえ、互いに抱き合う事は出来ない。
抱き締めるのはやはり人間しかないのだ。
アネモネは、寂しがり屋なのだ。
それをネーアは今頃になって自覚した。
そしてだからこそ。
今こうやって好きな娘と抱き合っていられる時間がとても幸せに感じる。
「リオ、貴女は幸せ?」
「にゃうん…♪ 幸せですよ…? どうしてそんな事言うんですか?」
「だって、仮にもあたしは貴女の保護者だし…その――
貴女の事を見守る義務があるわけじゃない? ちゃんと幸せになった欲しいのよ」
それにここからアレエスまでそれほど離れている訳ではない。
リオが悪魔の力を解放して空を飛んでいけば二日で辿り付けるだろう。
だというのに彼女はこの店で毎晩売春に励んでいる。
人目を引く容姿は勿論の事。
年齢に似合わない妖艶さ。
穏やかな娘かと思いきや、スイッチが入った後の小悪魔っぽさ、そしてそのギャップ。
全てが魅力的で、今やセイレンの売れっ子だ。
金持ちがひっきりなしに予約を入れ、一日に何人も見知らぬ男に抱かれている。
今日も確か予約が入っていた筈だ。
そろそろ時間ではないのだろうか。
「大丈夫ですよ? 私、今のお仕事好きです。
こんな私でも、ちゃんと人の役に立ってる、って思えるから」
そう言ってニッコリと笑うリオがもう、なんというか感無量。
「それにエッチ自体、私も好きですから♪」
まあ、淫魔としてはそうなのだろう。
だが、一人の娘としてはどうだろうか?
「お父さんに会いに行かないの?」
アドニスを産む前後以外は休む間も無く働いている。
店にも貢献しているのだ。
一日や二日の里帰りくらい、許してもらえるだろう。
「ん…いいです」
「どうして?」
「だって。今会ったら…ずっと一緒に居たいって、思っちゃうから」
やっぱり。
何だかんだ言いつつこの娘は父親の事が好きなのだ。
けれど自分が屋敷に行けば、あのドルキとまたトラブルを起こしてしまうかもしれない。
そんなジレンマがあるからこそ、今この場に甘んじている――そういう事なのだろう。
17 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:51:01 ID:K5PCScl1
「そう言えばグリーズ様はどちらに御用で?」
「その名でワシを呼ぶな」
背中から掛けられた問いに、感情を殺して答える。
「あぁ、これは失礼。一応お忍びでしたね」
「此処では『グリス』と名乗っている。気を付けろ」
背後から男達の失笑が聞こえた。
安易な偽名と笑っているのだろう。失礼な奴らだった。
リオと接触した事のある数少ない証人として今まで色々良くしてやったが恩を仇で返すか。
いや、こういう軽い空気も偶にはいい。
屋敷に篭っていれば息が詰まる。
ドルキと共に作ってきた家であり、それ自体苦痛では無かった筈なのだが。
『父様♪』
脳内で愛娘の笑顔が再生されて溜息をつく。
どうもあの一件以来『角が取れてしまった気がする』。
感傷的になる事が多くなったと言うか。
(やはり歳か)
娘二人を屋敷から追い出してしまった事が悔やまれる。
あのアネモネの言う通り、なんとか屋敷に留めておく方法を考えれば良かったか。
いやいや、それも無理な話だろう。
人の口に戸は立てられない。悪魔の娘を屋敷に置く事はやはり無謀だ。
「そういやさ風の噂で聞いたんだけどよ。
さっき言ってたセイレン。何か新しい女が入ったんだって。
それも三人」
「一気に三人とは儲かってんなぁ」
「いやいやお前ら。女は量より質だぜ? 三人ともブスだったら意味無えし」
「それが三人とも上玉らしいぜ。
内二人はまだ小便臭いガキらしいけど最後の一人が大層ベッピンさんらしい」
小便臭いガキ、という言葉に体が僅かに反応した。
談笑をしている三人に気取られる事は無かったが例によって脳内で愛娘の姿が再生される。
「俺はガキの方がいいな」
「いや、いやいやいや。そりゃねえだろ。苦い思い出があるんだから」
淫魔化した直後のリオに散々搾り取られた時の事を言っているのだろう。
大の男が三人で寄ってたかって幼女をレイプしたはいいが返り討ち。
男からすればトラウマものか。
「……いやぁ実は、あれから俺、ロリに目覚めて…」
「…実は、俺も最近、あの子の事を考えながら抜いてるんだが」
「そういう話はワシの居ない所でしろ」
切り殺されたいのか、この馬鹿共は。
実の父親の目の前で娘をオカズにしていますと告白するなど、怖い物知らずにも程がある。
だが、そういう性格なのだろう。
いい加減と言うか、体裁に疎いというか、只下品なだけかもしれないが。
まあ、常に畏怖や尊敬の眼差しで見られる屋敷の中に居るよりかは気楽でいいが。
「兎も角だ。セイレンの女は量も質もいいんだってよ」
「へー。そりゃいいんだが金無いんだって」
「…やっぱ安い所にすっか?」
「そうだなぁ……ちなみにグリ――スさんは一体どちらまで?」
問われて言葉に詰まった。
今回、わざわざニクシーまで赴いたのはひとえに息抜きだ。
いや、白い物も抜くつもりだが。
最近ドルキが『体を張って』尽くしてくれるようになった。
それは嬉しいし、昔を思い出す。
18 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:52:13 ID:K5PCScl1
だが如何せんあいつも歳である。
僅かだが、淫魔の血を体内に取り入れたこの体は以前に比べ性欲が増してしまった。
元でも苛烈な交わりを求めてしまうこの性格に増大した煩悩。
ドルキではあっと言う間に消耗して体が持たないのだ。
そこでセイレンの女に白羽の矢を立てた訳である。
何分向こうの女達とは知らない仲ではない。
一昔前までは常連だったのだから。
そして、あわよくば――
(いや、それはないか)
淡い期待を自ら否定するように頭を振る。
人外を三体も引き連れてこんな大きな街に入るなど、馬鹿げている。
グリーズは歩みを止めた。
フードの中から、正面の売春宿を見据える。
ピンクやパープルなど、実に『らしい』魔力光を放つ看板。
そこにはセイレンと銘打たれていた。
「グリスさん?」
「…ここだ。予約を入れてある」
「え? ――ええ!? ってここ、セイレンじゃないですか!?」
「はーっ、やっぱ金持ちは違いますねぇ!」
「黙れ。喋るな。恥ずかしい」
道行く人が珍獣でも見るような目を投げかけてくる。
この馬鹿達と一緒に居ると目立ってしょうがない。
だがまあ、折角だ。
金が無いというなら少しくらい恵んでやらんでもない。
元々金の使い方なんて知らない身だ。これくらいはいいだろう。
「じゃ、じゃあ俺達はここで失礼させて頂きます」
「グリスさんはどうか俺らの代わりに心行くまで、」
「何だ。来ないのか。お前達三人分くらないなら、はした金で済むと思っていたのだが」
「逝きます!」
「いやあ、グリス様っ、一生恩に着ますよ!」
「流石グリス様懐が深い!」
などと途端に現金になる三人。
そんな彼らの反応に頭痛を覚えつつも溜息を吐き、店の扉を開けた。
ちりりん、と小気味良い鈴の音が鳴り響く。
昔から変わらないその音に懐かしさを感じながら入店。
すぐに受付嬢が迎え入れてくれた。
歳若い娘だ。
ピンク色の髪。
黒のゴスロリ衣装。
そういう『プレイ』なのか背中には悪魔の翼と尻尾を二本生やし、
「にゃう♪ セイレンにようこそ♪ ――あれ? お客さん? 何処かで会った事ある?」
ぱちくり、と瞬かせた瞳は右が青、左が赤のオッドアイ。
見間違いようが無い。
人違いである筈も無い。
この少女は、
『あーーーーーっっ!!?』
後ろの三人が娘を同時に指差して大声を上げた。
19 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:53:28 ID:K5PCScl1
「え? うん? えーと――あっ! ああっ! 思い出した!
あの日森の中でお世話になった騎士のおじさん達だ!」
「おじさん達じゃねぇ!」
「何でグリーズさんの嬢ちゃんがこんなところに居るんだ!」
「あーそれはまあ、色々ありまして――」
ちらり、と娘の視線がこちらを向いた。
「あの、それじゃ……こちらのお客さんは…?」
「くくくっ」
喉から思わず声が漏れてしまった。
駄目だ。もう我慢出来ない。
「はーはっはっはっ!!」
声を出して大笑いした。
だってそうだろう。
何だこのご都合主義的な展開は。
笑わずにはいられない。
「……え…嘘…まさか…」
「…この馬鹿娘が。親の声も忘れたか」
フードを取り去り、素顔を晒す。
その瞬間の娘の表情といったら、狐に摘まれたような間抜け面だ。
写真にでも撮って額縁に入れて飾りたくなる。
「父様だ…本当に、父様だ…っ」
感極まったように娘の――リオの瞳に涙が溜まっていき、
「父様ぁっっ!!」
胸に飛び込んで来た。
それをしっかりと抱き止めると、愛娘の温もりを感じる。
小動物でも抱いているような柔らかさ。
力を込めれば壊れてしまいそうな小さな体。
あいつと同じ、甘い匂い。
何も、変わっていない。
いや、また胸が大きくなっている気がした。
「にゃぁっ…! にゃぁっ! 父様だぁ…! 本当に、父様だぁ!」
「ああ……元気にやっているようだな」
「うんっ、うんっ! 父様も、駄目だよぅっ、こんな所に来たらっ。
お義母様がまた怒っちゃうよっ」
「それを言うならお前もだ。家を出たと思ったらこんな所で働きおって」
母娘揃って同じ娼館で働くとは思ってもみなかった。
いや、悪魔になる前ならばむしろ勧めてここに来るようにするつもりだったか。
だがネーアとクロトそれに人外となった体でこんな街の真ん中に居座るとは思いもしない。
「リオよ。あの女はどうした? 悪さをするようならワシも見過ごす訳には、」
ぴたり、と唇に人差し指を添えられた。
目の前に、小悪魔っぽい笑みを浮かべた娘の顔がある。
「ネーアさん達は地下に隔離させてもらってます。
姉様の転移魔術が無ければ自力で地上に上がる事は出来ません」
「ここの者達はそれで納得しているのか?」
「最初は説得するのに苦労しましたけど…今は皆お友達です」
「街の領主はどうした? 黙っていてもいずれはばれるぞ。そうなる前に手を、」
「父様? 私が一体何なのか、ご存知ですよね?」
20 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:54:56 ID:K5PCScl1
ふふふ、と娘は十一年前に失った愛人と同じ笑みを浮かべていた。
(成る程。既に陥落済み、という事か)
この欲望と野心の渦巻く街では悪魔は最大限に力を発揮出来る。
力や技だけではない。ずる賢くなったものだ。我が子ながら末恐ろしい。
「となると、遠慮はいらない訳だな?」
「きゃっ」
リオを抱き直すと、可愛らしい声を上げる。
その体は軽く、柔らかかった。かつて死闘を繰り広げた戦士とは思えないほどに。
「おー! お姫様抱っこ!」
「グリス様、お似合いです!」
「でも今更ですけどここから先は割りと禁断かつイヤンな感じになるんですよね!?」
いい加減外野が五月蝿い。誰か黙らせて欲しい。
そう思った矢先の事である。
「リオ。何かあったの? やけに騒がしいけど」
二人目の娘、マリオン登場である。
ブロンドの髪を結い上げ、洒落た髪飾りで留めている。
服装はノースリーブの青いドレス。
胸元と背中がばっくり開いたデザインで『成長した』乳房が谷間を作っているのが見えた。
「あ、姉様…っ」
「…リオ、新しいお客さ――って父様っ!?」
「ほう、化けるものだな。見違えたぞマリオン」
『何いいいぃぃぃっっっ!!? マリオン殿ぉ!?』
後ろの三人が揃って驚愕の声を上げた。
(さもありなん)
何せあのマリオンが化粧までしておめかししているのだ。
剣と魔術しか知らなかったあのマリオンが生意気にもリップを引いている。
「馬鹿な!」
「ああそうだ! ありえない!」
「胸的に!」
「殺されたいの?」
魔術を使ったのかばちり、と周囲の空間が帯電した。
ひい、と男達が情け無い声を上げる。
「ここは客相手に攻撃魔術を使うのか?」
「だって父様っ。私知ってる。こいつら、金なんて持ってない」
「ワシが払う。金を払えば文句はあるまい」
「それはそうだけど……よりにもよってこの人達を相手にしろって事?」
「暇そうにしているではないか。仕事なら逃げるな」
「う……分かった…」
(それでこそワシの娘だ)
ただ勘当を言い渡した手前、堂々とそれを口にする訳にはいかない。
しかしあれほど剣の特訓に心血を注いでいた、あのマリオンが妹と共に娼婦とは。
世の中どうなるか分かったものではない。
「待てよっ、という事は俺達っ?」
「あのマリオン殿と…っ?」
「今からする? のか?」
むふふ、ぐふふ、ぐへへ。
三馬鹿達が妄想の翼を広げ始めた。
鼻の下を伸ばしに伸ばしてマリオンの体を嘗め回すように見ている。
慣れた娼婦ならそれくらいの視線、なんともないのだろう。
ところがマリオンときたらこういう事には未だ慣れていないらしく顔を真っ赤にさせた。
「きゅ、急用を思い出したっ。私帰りますっ」
「姉様? ここが私達のお家だよ?」
「じゃ、じゃあ家出するっ」
「駄目。『ちゃんとお仕事しようね』?」
(惨い事を)
21 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:56:12 ID:K5PCScl1
実の姉にチャームを掛けるリオ。えげつない事をするものだ。
「うぅ…恥ずかしい……やぁ…なのにぃ…」
『うぉぉぉっ! 弱気なマリオン殿に我らの息子達も大ハッスルである!』
「こ、こちらで…ございます……っ――うぅ…っ、さ、逆らえないっ」
先を行くマリオンに後を追う馬鹿三人。
途中でチャームが切れたらハーメルンの笛吹きよろしくあの男達は全滅するのだろうか。
まあ、どうでもいい事か。
そうだ。夜は長い。リオとする事をして一息ついたらマリオンの体も抱かせてもらおう。
(良い体付きになっていたな)
アネモネ達と何度も交わったのだろう。
女としては貧相な体だったと思ったが、今では立派なものだった。
ぎゅぅ…!
「な、何をするっ」
頬を突然抓り上げられて激痛が走った。
人外の力で割と本気に抓られたらしい、頬が赤く腫れてじんじんと痛む。
「父様、今姉様の事考えてたでしょ? 今から私とエッチするのに」
リオが頬を膨らませ唇を尖らせていた。
生意気にもジェラシーを覚えた、という事か。
いや、それ以前に、
「心を読んだのか?」
「読まなくても分かります。顔に書いてありましたから」
べぇ、と舌を出したかと思うと小さな体が急に飛び上がった。
「どうせ私はお子様ですから。父様のご期待にはお答えできません。
代わりの方を呼んで来るのでそこで少しお待ち下さい」
「いや待て」
全く、らしくない。
「その必要は無い」
剣神と恐れられた自分が、自分の娘にこうも心を掻き乱されるとは。
「どうしてですか?」
背中を向けたままの娘に、どう答えようか考える。
まさか、お前に会いに来た、などと口が裂けても言えまい。
「…血が騒ぐのだ…お前から分けてもらった淫魔の血がな…
お前のせいだぞ。この猛り、もう普通の女では受け止めきれぬ。
せめてお前が責任をもって、」
「ぷ…っ、……くすくすっ…!」
「何がおかしい」
「だ、だってっ、父様ったら素直じゃないんですもんっ。
私に会いに来てくれたのに、恥ずかしいからって必死で言い訳を考えて――
くすくす…っ、あははははっっ!」
(全く、本当に敵わんな)
リオが、あのリシュテアの娘であると痛感させられる。
これでは親の面目も丸潰れだ。
「心を読んだのか?」
一応と思って投げかけた言葉。
娘はふふふ、と小悪魔っぽく笑うとウィンクをしながらこう答えるのだった。
「それは、秘密です♪」
- Fin -
22 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:58:31 ID:K5PCScl1
皆様お疲れ様でした。
以上で永久の果肉シリーズ、完全完結となります。
最後まで付き合ってくれたスレ住人の方々。
もしいらっしゃるなら一見の方々も。
今までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
約四ヶ月もの間、スレを占拠と言っても過言ではない程大量に消費してしまいした。
特にSSまとめブログの管理人様に関しては大変お手間を取らせていると思います。
何と永久の果肉シリーズ合計で600KBオーバー! やり過ぎです(汗
それを少し心苦しくも思いますが、お陰でこのシリーズを無事終える事が出来ました。
重ね重ね、ありがとうございます。
何か、書く事もあんまりないですね。
これだけのボリュームのものをきちんと書ききれたのは初めてだと思うので達成感ががが。
まああんまりだらだら後書きを続けるのもなんです。
という訳でこの辺りでお暇させていただきます。
もしまた機会と時間と運があればお会いしましょう。
それでは。
お待たせしました。予告通り番外編投下しにきました。
なのですが。
流石に前スレの容量が余り過ぎていると思うのです。
なので今回投稿分を前編と後編の二つにぶつ切りしようかと。
前編は前スレに、そして後編はこちらで、といった具合で。
そういう訳なので先に前スレにて番外編の前編を投下してきます。
お手数ですが閲覧の際にはまず前スレからお願いしますね。
9 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:37:03 ID:K5PCScl1
前スレに投下してきました。
後半を今からこちらで投下させて頂きます。
前半をまだ見ていない方は前スレを覗いて見て下さいね。
(エロ少な目、ふたなり、アドニス出産)
NGワードはそんな感じで。
14レスほど消費します。
10 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:39:22 ID:K5PCScl1
番外編 本当のハッピーエンド(後編)
パセットがマゾヒストに開眼した翌朝の事である。
「つまりです」
小川の縁を陣取った人と魔物のパーティはパセットを中心に円陣を組んでいる。
物干し竿を設置し、昨晩でろでろに汚れた衣服が風に吹かれて靡いていた。
ちなみにパセットは換えのメイド服を着用済みである。
「パセット達人間組が安心してアドニスを出産できる場所を確保すればいいわけです」
どうだ名案だろう、と言わんばかりにパセットは薄い胸を偉そうにそらした。
(…元気な子。ほんと…)
それを尊敬の眼差しで見詰めるのはマリオンである。
昨日お互い散々アネモネに犯された筈だがパセットはいつもと変わらない。
それどころかいつもよりも元気?
お肌とかツヤツヤである。何かいい事でもあったのだろうか。
うらやましい。こっちは精も根も尽き果てそうなのに。
いや。ちょっとは慣れてきたけど。エッチだってやりすぎなければ気持ちいいし。
(うー、お尻、まだ触手が刺さってる感じがする)
昨日散々アナル開発されたせいで触手が入っていないとむしろ落ち着かないというか。
うわなんという変態。これでいいのか私。
「そりゃまあ、そうね。あたし達は種付けが出来ればいいんだし。
貴女達三人がアドニスを産んで、また種付けして――っていうのを繰り返すのが理想だわ」
因みに出すもの出して一応はすっきりしたらしく、アネモネ二匹は平静を取り戻していた。
「アネモネを増やすんじゃなくて、アドニスを増やすんですか?」
「生殖本能を持っているのはアドニス側だしね。
あたし達『女』の部分はそれに振り回されてるだけなのよ。
つまり『アドニス』の生殖本能が満たされればそれでいいわけ」
それがイコール種付けになるわけである。
「ほら見ろ! パセットの考えた通りだ! はい拍手喝采!」
「わぁ、パセットちゃん偉いー。パチパチパチッ」
「もっと褒めるのだぁ♪」
「で、安心してアドニスを産み落とせる場所って何処なの?」
ネーアの問いにパセットは首を傾げた。
「それを今から皆で考えるんじゃあーりませんか!」
全員が脱力した。
結局、振り出しに戻ったという事か。
「うん。そんな事だろうと思ったわ。期待なんてしてなかった。
他人任せじゃ駄目なのよ。うん。しっかりしろあたし」
頭を抱えるネーアを流石に不憫に思う。
いや、これって人事じゃないのだけれど。
「実際どこがいいのかなぁ?」
「もういっそこの辺りを我々縄張りにしては如何でしょうか!?
近付いた人間は即犯す! そして種付け! 皆ハッピー! よし決まり!」
「人全然居ないじゃない」
「結局私達で沢山産む事になりそうだね」
「一週間も経たずに終着点とかどれだけ短い旅なのよ」
「それにアレエスからそんなに離れてませんからねぇ。
アドニスが大量繁殖していると気付かれたら討伐隊がやってきますよぉ?」
クロトの真っ当な意見に全員が閉口した。
親子の縁は切れているのだ。
いくらグリーズとは言えど大量のアドニスを放置する事はないだろう。
体裁的な問題もあり、討伐隊を派遣する可能性は十分にある。
折角産み落としたアドニスを皆殺されてしまうのだ。
「駄目ね。森の中に縄張りを造るにしてももうちょっとアレエスから離れないと」
「人里近くも駄目なのかな」
「論外ね。見つかり易いし。見つかったら結局討伐隊を送り込まれるわよ?
アドニスなんて百害有って一利無しなんだから」
11 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:40:41 ID:K5PCScl1
「それじゃ、このメンツで一生やってくの?」
人知れず、森の中でアドニスの楽園を造る。
そこには恐怖も苦痛も無い。
ただ快楽と、切れる事の無い繋がりがある。
言葉にすればまるで天国のようだが――
「それは、ちょっと、寂しい、な」
リオがぽつりと呟いた。
魔物になって自由に外を出歩けるようになった。
家族と殺しあいの果てに、親子の絆を取り戻した。
少し大人になった少女の人生はこれからなのだ。
それは普通の人間とは大分違うものになるのかもしれないが――
そんな少女の人生を、山奥でひっそりと完結させてしまうのはいくらなんでも、寂しい。
リオはもっと世界に触れるべきなのだ。
沢山の人と出会い。
色んな経験を積んで。
思い出を作って欲しい。
その為の家出ではなかったのだろうか。
「難しいわねやっぱり。人と魔物の共存は…」
「――あっ」
ぽつりと呟いたネーアの言葉に何かが閃いた。
全員の視線が集中する。
「お義母様」
「ごめん。もうちょっと分かりやすく説明してくれる?」
「あ…えと――その、良く考えてみたらおかしいと思ったの」
「何が?」
「リオの――というかリオの家系の事」
この場合リビディスタの事ではなく旧姓セイレンの家の方だ。
リオの血筋は悪魔と、ネコマタと、そして人間のハイブリッド。
マリオンはふと思ったのだ。
「シュトリという悪魔は同性、つまり女を堕落させて同族へと変異させて繁殖する。
ネコマタは自然界の猫がモンスターになって発生する。
この二つの特性上、繁殖の過程で人間の血が混じる事は有り得ない」
「でも、リオ達には人間の血が混じってる」
その証明となるのが、恐らくオッドアイだ。
左の赤い瞳が魔物である事。
そして右の、リオならば青い瞳が人間である事の証なのだ。
ならば人間の血はいつ、どこで混じったのか。
「ということはあれですね。
人間の殿方と淫魔が結ばれたという事なのでしょうね」
パセットの意見に全員が神妙に頷いた。
淫魔が人間と交わり、子供を作ったのだ。
何かしら外的要因も働いたのかもしれないが――そうとしか考えられない。
(でも、それが分かったからってこの状況を打開出来る訳じゃない)
『人間と魔物との愛の結晶? それがリオの家系』というのも当て推量に過ぎない。
「ごめん、どうでもいい事だった」
「そんな事無いわよ。お手柄だわマリオン。本当にありがとう」
「……馬鹿……褒めるのは全部解決した後にすればいいのに…」
褒められるのが小恥ずかしくて赤く染まる顔を背けた。
ほんとに調子いいんだから。
「解決したようなものよ。
だってリオのお母さんの家って、ずっと娼館を続けてるのでしょう?」
「そうだった筈」
娼館セイレンは歴史のある売春宿なのである。
12 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:42:36 ID:K5PCScl1
それはセイレンの血が途切れた今でも変わらない。
(あ)
そうか。そういう事か。
なぜ娼館なのかって、そりゃエロスな魔物が人間と共存出来る唯一の手段だから?
淫魔が人間社会に溶け込もうとしたらそりゃやっぱりエロイ仕事を見つけるのが良いのだ。
その為の娼館。少し短絡的かもしれないが。
けれど血筋を絶やさず、この店をずっと続けろ、という家訓もあるくらいだ。
先達が未来の子供達に気を利かせて――いや、余計なお節介?
兎も角淫魔の血を引いた子供が人間と共に生きていく――と望んで作った家訓なのでは。
「売春! でございますね! ええ!
今更人間と殿方とエッチするとかあははは! ちゃんちゃらおかしいっちゅーねん!
こちとら親友に処女を奪われてチンコ生やされて魔物の種まで植え付けられたんだぜ!
おまけにマゾ!! 売春婦くらいなんぼのもんじゃー!」
がはははと豪快に笑うパセットを生暖かい目で見詰める。
本当に逞しい娘である。
「という事はぁ、この五人で新しく売春宿を作るっていう事ですかぁ?
時間掛かりますようぅ? それまで私達我慢できませんよう?」
「きゃっ!?」
しゅるしゅるとクロトの触手が体に巻きつく。
ふぅ、ふうっ、と荒い息が、熱い視線が、隣のクロトから叩き付けられてとっても嫌な予感。
「――あの」
そこにおずおずと手をあげたリオ。
「私がお母さんのお店に言って、協力してもらうように頼んできます」
「え? いくらなんでも無理じゃ――ってクロト、いきなりおし――ああぁ、もうっ」
花の上まで体を持ち上げられ、いきなりアナルに触手が突き刺さった。
まだ会議中だというのにこの体たらく。
アネモネの性欲が如何程のものなのか、良く分かった。
「クロト、『お預け』よ」
「ふええぇぇぇぇんっ」
ネーアの命令にクロトが号泣した。
アネモネは自分よりも上位の同種に逆らえないのだ。
「もうちょっと我慢なさい。これが終わったら好きなだけエッチさせてあげるから」
「いや、それどうなの?」
「っていうか話が横に逸れまくっておりますが。皆様しっかりして下さいませ(キリッ」
「と、兎も角、いくらなんでもセイレンにこのメンツが押しかけるのは無謀じゃ」
「そうかしら? あたしは別にいいと思うわよ?」
「自身たっぷりだけど、どこからその根拠は出てくるの?」
「だってリオは前店主リシュテアさんの忘れ形見なのよ?
向こうのスタッフも喜んで受け入れてくれるんじゃない?」
「リオはいい。でも問題は貴方達アネモネでしょ?」
「ふっふーん。アネモネだって使いようよ。
ようは、人間に――この場合は娼館のスタッフに、かな?
彼女達にアネモネがどれだけ有益な魔物か教えてあげればいいんでしょう?
だったら大丈夫だわ」
両手を腰に当て、無駄に大きい胸を逸らしてネーアは自信満々に言うのだった。
「アネモネは女の夢が詰まってるからね♪」
***
それから二ヶ月後の事である。
ここはアレエスの隣町『ニクシー』。
ニクシーはアレエスの存在する山林を下り、南方へ三日進んだ場所に位置する大型の街だ。
13 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:43:53 ID:K5PCScl1
海岸沿いに存在し、漁業は勿論の事、東の山岳地帯からは鉱物も掘り起こしている。
山から採れた鉱物はアレエスの戦士達が使う武器にも使用されていた。
ところが貿易街であるニクシーにはもう一つの特徴がある。
街の中央に位置する、巨大な遊郭の存在だ。
一般人でも楽しめる大型のカジノ。
法外な掛け金で負ければ即強制労働所送りの裏カジノなるものまである。
そして勿論娼館も。
今宵も多くの人間が訪れ。
ある者は夢を叶え、ある者は絶望へと落ちて行く。
ここは欲望の坩堝、夜の街ニクシーだ。
そしてその遊郭の一角に、娼館セイレンは存在する。
日も暮れ、空に星が輝き始めた時間。
街の街灯は魔力の光を反射して闇を打ち払う。
通りには道行く人が後を絶たない。
ピンクやパープル等『如何にも』な魔力光を放つ看板に吸い寄せられ、男達がやってくる。
その様子は花に誘われた蝶か。
それとも蜘蛛に絡め取られた蝶か。
今日もセイレンで女達の甘い声が響く。
「ああぁぁっ!? 産まれるっ! また、産んじゃうっ!」
そのセイレンの地下。
幼い少女の嬌声が響いていた。
店の地下に広がる空間はおよそ十メートル四方と、意外と広大である。
天井には淡い魔力光を放つランプが吊り下げられ、密室の中をぼんやりと照らしていた。
土が露出した壁や床。
隅の方でひっそりと存在を主張する井戸。
そして地面を埋め尽くす大量のアドニスの花。
「んひゃあぁぁぁぁぁっっ!!?
ぷちぷちっ、いってりゅぅ! お腹のなかぁっ、お花の根っこっ、ちぎれりゅぅ!
死んじゃうっ! パセット死んじゃうぅぅ!!」
「死なないわよ♪ 思いっきりイッちゃいなさい♪」
涎を垂らしながら頭を振り乱すパセットを微笑ましく見詰めるのはネーアだ。
地下空間の真ん中に陣取り、触手を使って裸体の少女を花弁の上に拘束している。
花弁に貼り付けにされているのはパセットだ。
散々『可愛がられた』のだろう。
栗色の犬耳ヘアは粘液でベトベト。
何度も絶頂したせいで頬はだらしなく弛緩していた。
幼い裸体も余す所無くアネモネの精液で汚れ、ランプの光を艶かしく反射している。
そんなパセットの体に異変が三つ。
一つは、二つの慎ましい膨らみだ。
二ヶ月前までは歳相応の、洗濯板とも呼べる胸だった。
だが今では二ヶ月前のリオよりもやや大きくなっている。推定サイズ75。
二つ目は大きく張った下腹部だ。
腹にアドニスを宿し、今まさに出産しようとしているパセットの腹は妊婦のそれと同じ。
今も膨らんだ腹が、ぼこり、と歪に波打ち、その度に少女が嬌声を上げる。
そして彼女が快楽を感じる度に、下腹部の下――股下から生えた肉の棒が跳ねるのだ。
それが三つ目。
「あはぁ♪ パセットちゃんのフタナリチンポぉ、びくびくしてますよぉ♪
美味しそうですぅ♪ 食べちゃいますねぇ私ぃ♪ パクン♪」
「んひゃあぁぁっ!!!? しゅごいぃぃぃっっ!!
チンチンとぉっ、子宮がぁっ! ひゃあぁぁぁっ! くるぅっ!
狂っちゃうぅぅっ!! ひゃううぅぅぅんっ!!」
14 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:45:39 ID:K5PCScl1
隣で事の成り行きを見守っていたクロトが我慢出来ずに触手を伸ばした。
口を開いたおしべ触手に擬似男根を奥まで咥え込まれ、パセットが白目を剥いている。
この擬似男根、マゾに開眼したパセットがリオに頼んで再び生やしてもらったのだ。
今ではこうして二人のお姉様に敏感な肉棒を徹底的に責められるのが癖になっている。
「マリオンはお尻大好きの変態になったし。
パセットはフタナリ好きのマゾになっちゃったし。貴方達散々ねぇ」
そう言ってネーアは微笑んだ。
(ま、娼館で働く分にはその方が良かったんだけどね)
二ヶ月前。
ネーアとリオを含む三匹と二人は娼館セイレンに受け入れてもらえる事になったのだ。
勿論、何のトラブルも無かったと言えば嘘になる。
何せこちらは魔物が三匹。
その内二匹は女を犯して大量繁殖するアネモネだ。
普通に考えれば断られるのも当然であり、娼館のスタッフも最初は拒否していた。
だが前店長のリシュテアの忘れ形見であるリオの頼みなのだ。
スタッフの中にはリシュテアに拾われて育った娘も居る。
現店長の女性もリシュテアには世話になっていたらしい。
その実の娘であるリオの説得に心を打たれて最終的にはネーア達を受け入れた。
またリシュテアと仲が良かったマリオンの存在も大きかった。
と、こちらは義理と人情の話。
セイレンのスタッフを説得しえた要因としてアネモネの存在がある。
一見、有害としか思えないアネモネだが、娼館としては十分に有益な存在だったのだ。
例えばアネモネの体液。
催淫性の強いこれを彼女達から摂取し、媚薬として商品化したのだ。
効果が強く、生産コストはほぼゼロ。
彼女達からすればアネモネは金の生る木だったのだ。
それだけではない。
胎内にアドニスを寄生された女性は肉体を徐々に改造されていく。
体が敏感になったり、欲情しやすくなるわけだ。
だがその中には豊胸効果や、美容効果も含まれているのだ。
法外な金を支払って体を弄くられるよりも簡単に綺麗になれるのである。
アネモネになってしまうリスクもあるが、それは自分の意思や他人の協力で避けられる。
つまり。スタッフから見ればアネモネは、
『気持ち良い事をしてくれる。金を稼いでくれる。綺麗にしてくれる』
と良い事尽くめなのである。
尚、街の領主にリオが枕営業を行った為、店が潰れる心配も無い。
「んひいいぃぃぃっっ!! もうイグっ!! アドニス産んでっ、んあああぁぁっっ!!?
ふひっっ!? んああぁぁっ!! ああっっ!! おああぁぁっ!!
いっぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっッッ!!!!!」
ずりりりりっっ――べちゃぁっ…!
「あっひいいいいいぃぃぃぃぃっっっ!!!!」
花弁を分娩台代わりに、パセットがアドニスを産み落とした。
同時にとフタナリペニスから大量射精。
クロトの触手がタイミングを見計らって男根を開放した。
――びゅるるるっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
「んひゃあぁぁぁぁっ!!? しゅごいっ! 出産アクメしゃせーしゅごいのぉぉっ!!」
自身の体と生まれてきたアドニスを祝福するように白いデコレーションを施す。
白目を剥きアヘ顔を晒すパセット。
(なんだか、エロイのか、めでたいのか、おかしいのかよく分からないわね…)
最近このメイド少女はどんどん壊れてるなぁと他人事のように思ってしまう。
15 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:47:03 ID:K5PCScl1
いや自分のせいなのだけれど。
と。地下空間の隅に設けられた一枚の鉄製の扉が開いた。
きぃぃぃ、と蝶番が擦れる音を立てて、扉の向こうからピンク髪の淫魔が現れる。
「あ。終わったところだったんだ」
「そうね。惜しかったわね」
「大丈夫ですよぉ。またパセットちゃんには種付けしますからぁ♪」
クロトの発言に二人で苦笑いを浮かべた。
「だってさパセットちゃん? 体大丈夫なの?」
「……ふ、ふふふ……っ、ふふふのふ…っ、な、なんのこれしき…、
まだまだっ…いける、じぇい…っ、でもちょっと休ませてお願い下さいまし」
「冗談言えるくらいならまだ余裕はあるわね? クロト、種付けする?
あたしはこの前させてもらったから、次は貴女に譲るわ」
「はぁい♪ ありがとうございますネーア様ぁ♪」
「え、ちょっと、今、イったばっかりで体がっ、んひゃああぁぁっっ!!!」
早速クロトの触手に絡め取られて悶え始めるパセット。
「……流石パセットちゃん。普通の人だったら発狂してると思う」
「そうね。でもその辺りは自他共に認めるマゾメイドちゃんと言うか何と言うか。
ほんと逞しいわ。肉体も精神も」
「んひゃうんっ♪ もっとぉっ!! クロト様ぁっ、もっとズボズボしてぇっ!!」
早速喘ぎ始めたエロメイドに苦笑いを浮かべるしかなかった。
「まあ、お陰であたしもクロトも暴走せずに済むわ」
「スタッフの方にも種付けしてるんですよね?」
「負担が掛からない程度に、ローテーションを組んでね。
皆が受け入れてくれて、ほんと良かったわ」
「最初はやっぱり、嫌煙されてましたけどね」
「一回抱いてあげたら皆メロメロになったけどね?」
二人で声をあげて笑う。今となってはいい思い出だった。
「アドニス、どんどん増えちゃいますね」
「週に二匹くらいのペースかしら」
地下空間に産み落とされたアドニスは十五を超えている。
普通の人間が見ればおぞましいだけだろうが、自分にとっては我が子同然である。
増え過ぎても困ってしまうが、こればかりはどうしようもない。
(マリオンに頼んで、またこの部屋を拡張してもらわきゃね)
魔術でがりがり掘るのである。
それも限界はあるだろうから今の内に何かしら対策を考えておかなければならなかった。
産み落とされたアドニス達をどうするか。
何時かは此処に収まり切らなくなる。
その時、この子達を受け入れてくれる場所を確保しなければならない。
各地でセイレンの支店を作ってその地下にも同じような場所を作ろうか。
それとも大自然に還してやるか。
悩みどころだ。
(贅沢な悩みね)
少し前の自分では考えられない。
二百年前のあの日。
人の心を取り戻し、代わりに最愛の人を失ったあの日。
魔物となった体を持て余し、ただ逃走するだけの日々。
自分は何の為に生きているのか。
何の為に生まれてきたのか。
ずっと自問してきた。
人を犯す事でしか心も体も満たされないアネモネ。
そんな、害悪でしかない自分は死んでしまった方がいいのではないか。
そう思う事もあった。
だが今は違う。
「リオ。今、あたし幸せよ」
「ネーアさん?」
16 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:48:46 ID:K5PCScl1
「皆と一緒に居られる。本能も満たされて、暴走する事も無い。
ここは、あたしにとって楽園なのよ」
だが惜しむらくは、ずっと地下にいるせいで自分を含めアドニス達は太陽を拝んでいない。
それが二ヶ月も続いているのだ。
海沿いの街、という地形的にも水分は大量に補充出来るのだが。
やはり日の光も浴びなければどうにも力が湧いてこない。
だから人間を抱く時は水分をたっぷり搾り取ってしまうのだ。
「ひゃうぅぅぅんっ!? しゃせーしちゃうぅっ!! パセット、まらシャセーするぅ!」
「あはぁっ♪ 出して下さいぃ♪ 一杯一杯、フタナリザーメンビュルビュルして下さい♪」
あんな感じで。
まあそれは兎も角。
「魔物でも、人間の役に立てる。それが分かって、あたし嬉しいのよ」
「はい…っ」
ぴょん、とリオが花弁の上に飛び乗る。
淫魔の姿をした幼い少女を抱き締めると、トクトクと、心臓の鼓動が聞こえた。
それを聞くと安心する。
アネモネはお互いに繋がっているが、その巨体ゆえ、互いに抱き合う事は出来ない。
抱き締めるのはやはり人間しかないのだ。
アネモネは、寂しがり屋なのだ。
それをネーアは今頃になって自覚した。
そしてだからこそ。
今こうやって好きな娘と抱き合っていられる時間がとても幸せに感じる。
「リオ、貴女は幸せ?」
「にゃうん…♪ 幸せですよ…? どうしてそんな事言うんですか?」
「だって、仮にもあたしは貴女の保護者だし…その――
貴女の事を見守る義務があるわけじゃない? ちゃんと幸せになった欲しいのよ」
それにここからアレエスまでそれほど離れている訳ではない。
リオが悪魔の力を解放して空を飛んでいけば二日で辿り付けるだろう。
だというのに彼女はこの店で毎晩売春に励んでいる。
人目を引く容姿は勿論の事。
年齢に似合わない妖艶さ。
穏やかな娘かと思いきや、スイッチが入った後の小悪魔っぽさ、そしてそのギャップ。
全てが魅力的で、今やセイレンの売れっ子だ。
金持ちがひっきりなしに予約を入れ、一日に何人も見知らぬ男に抱かれている。
今日も確か予約が入っていた筈だ。
そろそろ時間ではないのだろうか。
「大丈夫ですよ? 私、今のお仕事好きです。
こんな私でも、ちゃんと人の役に立ってる、って思えるから」
そう言ってニッコリと笑うリオがもう、なんというか感無量。
「それにエッチ自体、私も好きですから♪」
まあ、淫魔としてはそうなのだろう。
だが、一人の娘としてはどうだろうか?
「お父さんに会いに行かないの?」
アドニスを産む前後以外は休む間も無く働いている。
店にも貢献しているのだ。
一日や二日の里帰りくらい、許してもらえるだろう。
「ん…いいです」
「どうして?」
「だって。今会ったら…ずっと一緒に居たいって、思っちゃうから」
やっぱり。
何だかんだ言いつつこの娘は父親の事が好きなのだ。
けれど自分が屋敷に行けば、あのドルキとまたトラブルを起こしてしまうかもしれない。
そんなジレンマがあるからこそ、今この場に甘んじている――そういう事なのだろう。
17 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:51:01 ID:K5PCScl1
「そう言えばグリーズ様はどちらに御用で?」
「その名でワシを呼ぶな」
背中から掛けられた問いに、感情を殺して答える。
「あぁ、これは失礼。一応お忍びでしたね」
「此処では『グリス』と名乗っている。気を付けろ」
背後から男達の失笑が聞こえた。
安易な偽名と笑っているのだろう。失礼な奴らだった。
リオと接触した事のある数少ない証人として今まで色々良くしてやったが恩を仇で返すか。
いや、こういう軽い空気も偶にはいい。
屋敷に篭っていれば息が詰まる。
ドルキと共に作ってきた家であり、それ自体苦痛では無かった筈なのだが。
『父様♪』
脳内で愛娘の笑顔が再生されて溜息をつく。
どうもあの一件以来『角が取れてしまった気がする』。
感傷的になる事が多くなったと言うか。
(やはり歳か)
娘二人を屋敷から追い出してしまった事が悔やまれる。
あのアネモネの言う通り、なんとか屋敷に留めておく方法を考えれば良かったか。
いやいや、それも無理な話だろう。
人の口に戸は立てられない。悪魔の娘を屋敷に置く事はやはり無謀だ。
「そういやさ風の噂で聞いたんだけどよ。
さっき言ってたセイレン。何か新しい女が入ったんだって。
それも三人」
「一気に三人とは儲かってんなぁ」
「いやいやお前ら。女は量より質だぜ? 三人ともブスだったら意味無えし」
「それが三人とも上玉らしいぜ。
内二人はまだ小便臭いガキらしいけど最後の一人が大層ベッピンさんらしい」
小便臭いガキ、という言葉に体が僅かに反応した。
談笑をしている三人に気取られる事は無かったが例によって脳内で愛娘の姿が再生される。
「俺はガキの方がいいな」
「いや、いやいやいや。そりゃねえだろ。苦い思い出があるんだから」
淫魔化した直後のリオに散々搾り取られた時の事を言っているのだろう。
大の男が三人で寄ってたかって幼女をレイプしたはいいが返り討ち。
男からすればトラウマものか。
「……いやぁ実は、あれから俺、ロリに目覚めて…」
「…実は、俺も最近、あの子の事を考えながら抜いてるんだが」
「そういう話はワシの居ない所でしろ」
切り殺されたいのか、この馬鹿共は。
実の父親の目の前で娘をオカズにしていますと告白するなど、怖い物知らずにも程がある。
だが、そういう性格なのだろう。
いい加減と言うか、体裁に疎いというか、只下品なだけかもしれないが。
まあ、常に畏怖や尊敬の眼差しで見られる屋敷の中に居るよりかは気楽でいいが。
「兎も角だ。セイレンの女は量も質もいいんだってよ」
「へー。そりゃいいんだが金無いんだって」
「…やっぱ安い所にすっか?」
「そうだなぁ……ちなみにグリ――スさんは一体どちらまで?」
問われて言葉に詰まった。
今回、わざわざニクシーまで赴いたのはひとえに息抜きだ。
いや、白い物も抜くつもりだが。
最近ドルキが『体を張って』尽くしてくれるようになった。
それは嬉しいし、昔を思い出す。
18 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:52:13 ID:K5PCScl1
だが如何せんあいつも歳である。
僅かだが、淫魔の血を体内に取り入れたこの体は以前に比べ性欲が増してしまった。
元でも苛烈な交わりを求めてしまうこの性格に増大した煩悩。
ドルキではあっと言う間に消耗して体が持たないのだ。
そこでセイレンの女に白羽の矢を立てた訳である。
何分向こうの女達とは知らない仲ではない。
一昔前までは常連だったのだから。
そして、あわよくば――
(いや、それはないか)
淡い期待を自ら否定するように頭を振る。
人外を三体も引き連れてこんな大きな街に入るなど、馬鹿げている。
グリーズは歩みを止めた。
フードの中から、正面の売春宿を見据える。
ピンクやパープルなど、実に『らしい』魔力光を放つ看板。
そこにはセイレンと銘打たれていた。
「グリスさん?」
「…ここだ。予約を入れてある」
「え? ――ええ!? ってここ、セイレンじゃないですか!?」
「はーっ、やっぱ金持ちは違いますねぇ!」
「黙れ。喋るな。恥ずかしい」
道行く人が珍獣でも見るような目を投げかけてくる。
この馬鹿達と一緒に居ると目立ってしょうがない。
だがまあ、折角だ。
金が無いというなら少しくらい恵んでやらんでもない。
元々金の使い方なんて知らない身だ。これくらいはいいだろう。
「じゃ、じゃあ俺達はここで失礼させて頂きます」
「グリスさんはどうか俺らの代わりに心行くまで、」
「何だ。来ないのか。お前達三人分くらないなら、はした金で済むと思っていたのだが」
「逝きます!」
「いやあ、グリス様っ、一生恩に着ますよ!」
「流石グリス様懐が深い!」
などと途端に現金になる三人。
そんな彼らの反応に頭痛を覚えつつも溜息を吐き、店の扉を開けた。
ちりりん、と小気味良い鈴の音が鳴り響く。
昔から変わらないその音に懐かしさを感じながら入店。
すぐに受付嬢が迎え入れてくれた。
歳若い娘だ。
ピンク色の髪。
黒のゴスロリ衣装。
そういう『プレイ』なのか背中には悪魔の翼と尻尾を二本生やし、
「にゃう♪ セイレンにようこそ♪ ――あれ? お客さん? 何処かで会った事ある?」
ぱちくり、と瞬かせた瞳は右が青、左が赤のオッドアイ。
見間違いようが無い。
人違いである筈も無い。
この少女は、
『あーーーーーっっ!!?』
後ろの三人が娘を同時に指差して大声を上げた。
19 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:53:28 ID:K5PCScl1
「え? うん? えーと――あっ! ああっ! 思い出した!
あの日森の中でお世話になった騎士のおじさん達だ!」
「おじさん達じゃねぇ!」
「何でグリーズさんの嬢ちゃんがこんなところに居るんだ!」
「あーそれはまあ、色々ありまして――」
ちらり、と娘の視線がこちらを向いた。
「あの、それじゃ……こちらのお客さんは…?」
「くくくっ」
喉から思わず声が漏れてしまった。
駄目だ。もう我慢出来ない。
「はーはっはっはっ!!」
声を出して大笑いした。
だってそうだろう。
何だこのご都合主義的な展開は。
笑わずにはいられない。
「……え…嘘…まさか…」
「…この馬鹿娘が。親の声も忘れたか」
フードを取り去り、素顔を晒す。
その瞬間の娘の表情といったら、狐に摘まれたような間抜け面だ。
写真にでも撮って額縁に入れて飾りたくなる。
「父様だ…本当に、父様だ…っ」
感極まったように娘の――リオの瞳に涙が溜まっていき、
「父様ぁっっ!!」
胸に飛び込んで来た。
それをしっかりと抱き止めると、愛娘の温もりを感じる。
小動物でも抱いているような柔らかさ。
力を込めれば壊れてしまいそうな小さな体。
あいつと同じ、甘い匂い。
何も、変わっていない。
いや、また胸が大きくなっている気がした。
「にゃぁっ…! にゃぁっ! 父様だぁ…! 本当に、父様だぁ!」
「ああ……元気にやっているようだな」
「うんっ、うんっ! 父様も、駄目だよぅっ、こんな所に来たらっ。
お義母様がまた怒っちゃうよっ」
「それを言うならお前もだ。家を出たと思ったらこんな所で働きおって」
母娘揃って同じ娼館で働くとは思ってもみなかった。
いや、悪魔になる前ならばむしろ勧めてここに来るようにするつもりだったか。
だがネーアとクロトそれに人外となった体でこんな街の真ん中に居座るとは思いもしない。
「リオよ。あの女はどうした? 悪さをするようならワシも見過ごす訳には、」
ぴたり、と唇に人差し指を添えられた。
目の前に、小悪魔っぽい笑みを浮かべた娘の顔がある。
「ネーアさん達は地下に隔離させてもらってます。
姉様の転移魔術が無ければ自力で地上に上がる事は出来ません」
「ここの者達はそれで納得しているのか?」
「最初は説得するのに苦労しましたけど…今は皆お友達です」
「街の領主はどうした? 黙っていてもいずれはばれるぞ。そうなる前に手を、」
「父様? 私が一体何なのか、ご存知ですよね?」
20 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:54:56 ID:K5PCScl1
ふふふ、と娘は十一年前に失った愛人と同じ笑みを浮かべていた。
(成る程。既に陥落済み、という事か)
この欲望と野心の渦巻く街では悪魔は最大限に力を発揮出来る。
力や技だけではない。ずる賢くなったものだ。我が子ながら末恐ろしい。
「となると、遠慮はいらない訳だな?」
「きゃっ」
リオを抱き直すと、可愛らしい声を上げる。
その体は軽く、柔らかかった。かつて死闘を繰り広げた戦士とは思えないほどに。
「おー! お姫様抱っこ!」
「グリス様、お似合いです!」
「でも今更ですけどここから先は割りと禁断かつイヤンな感じになるんですよね!?」
いい加減外野が五月蝿い。誰か黙らせて欲しい。
そう思った矢先の事である。
「リオ。何かあったの? やけに騒がしいけど」
二人目の娘、マリオン登場である。
ブロンドの髪を結い上げ、洒落た髪飾りで留めている。
服装はノースリーブの青いドレス。
胸元と背中がばっくり開いたデザインで『成長した』乳房が谷間を作っているのが見えた。
「あ、姉様…っ」
「…リオ、新しいお客さ――って父様っ!?」
「ほう、化けるものだな。見違えたぞマリオン」
『何いいいぃぃぃっっっ!!? マリオン殿ぉ!?』
後ろの三人が揃って驚愕の声を上げた。
(さもありなん)
何せあのマリオンが化粧までしておめかししているのだ。
剣と魔術しか知らなかったあのマリオンが生意気にもリップを引いている。
「馬鹿な!」
「ああそうだ! ありえない!」
「胸的に!」
「殺されたいの?」
魔術を使ったのかばちり、と周囲の空間が帯電した。
ひい、と男達が情け無い声を上げる。
「ここは客相手に攻撃魔術を使うのか?」
「だって父様っ。私知ってる。こいつら、金なんて持ってない」
「ワシが払う。金を払えば文句はあるまい」
「それはそうだけど……よりにもよってこの人達を相手にしろって事?」
「暇そうにしているではないか。仕事なら逃げるな」
「う……分かった…」
(それでこそワシの娘だ)
ただ勘当を言い渡した手前、堂々とそれを口にする訳にはいかない。
しかしあれほど剣の特訓に心血を注いでいた、あのマリオンが妹と共に娼婦とは。
世の中どうなるか分かったものではない。
「待てよっ、という事は俺達っ?」
「あのマリオン殿と…っ?」
「今からする? のか?」
むふふ、ぐふふ、ぐへへ。
三馬鹿達が妄想の翼を広げ始めた。
鼻の下を伸ばしに伸ばしてマリオンの体を嘗め回すように見ている。
慣れた娼婦ならそれくらいの視線、なんともないのだろう。
ところがマリオンときたらこういう事には未だ慣れていないらしく顔を真っ赤にさせた。
「きゅ、急用を思い出したっ。私帰りますっ」
「姉様? ここが私達のお家だよ?」
「じゃ、じゃあ家出するっ」
「駄目。『ちゃんとお仕事しようね』?」
(惨い事を)
21 永久の果肉EX2 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:56:12 ID:K5PCScl1
実の姉にチャームを掛けるリオ。えげつない事をするものだ。
「うぅ…恥ずかしい……やぁ…なのにぃ…」
『うぉぉぉっ! 弱気なマリオン殿に我らの息子達も大ハッスルである!』
「こ、こちらで…ございます……っ――うぅ…っ、さ、逆らえないっ」
先を行くマリオンに後を追う馬鹿三人。
途中でチャームが切れたらハーメルンの笛吹きよろしくあの男達は全滅するのだろうか。
まあ、どうでもいい事か。
そうだ。夜は長い。リオとする事をして一息ついたらマリオンの体も抱かせてもらおう。
(良い体付きになっていたな)
アネモネ達と何度も交わったのだろう。
女としては貧相な体だったと思ったが、今では立派なものだった。
ぎゅぅ…!
「な、何をするっ」
頬を突然抓り上げられて激痛が走った。
人外の力で割と本気に抓られたらしい、頬が赤く腫れてじんじんと痛む。
「父様、今姉様の事考えてたでしょ? 今から私とエッチするのに」
リオが頬を膨らませ唇を尖らせていた。
生意気にもジェラシーを覚えた、という事か。
いや、それ以前に、
「心を読んだのか?」
「読まなくても分かります。顔に書いてありましたから」
べぇ、と舌を出したかと思うと小さな体が急に飛び上がった。
「どうせ私はお子様ですから。父様のご期待にはお答えできません。
代わりの方を呼んで来るのでそこで少しお待ち下さい」
「いや待て」
全く、らしくない。
「その必要は無い」
剣神と恐れられた自分が、自分の娘にこうも心を掻き乱されるとは。
「どうしてですか?」
背中を向けたままの娘に、どう答えようか考える。
まさか、お前に会いに来た、などと口が裂けても言えまい。
「…血が騒ぐのだ…お前から分けてもらった淫魔の血がな…
お前のせいだぞ。この猛り、もう普通の女では受け止めきれぬ。
せめてお前が責任をもって、」
「ぷ…っ、……くすくすっ…!」
「何がおかしい」
「だ、だってっ、父様ったら素直じゃないんですもんっ。
私に会いに来てくれたのに、恥ずかしいからって必死で言い訳を考えて――
くすくす…っ、あははははっっ!」
(全く、本当に敵わんな)
リオが、あのリシュテアの娘であると痛感させられる。
これでは親の面目も丸潰れだ。
「心を読んだのか?」
一応と思って投げかけた言葉。
娘はふふふ、と小悪魔っぽく笑うとウィンクをしながらこう答えるのだった。
「それは、秘密です♪」
- Fin -
22 乙×風 ◆VBguGDzqNI sage 2010/06/10(木) 18:58:31 ID:K5PCScl1
皆様お疲れ様でした。
以上で永久の果肉シリーズ、完全完結となります。
最後まで付き合ってくれたスレ住人の方々。
もしいらっしゃるなら一見の方々も。
今までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
約四ヶ月もの間、スレを占拠と言っても過言ではない程大量に消費してしまいした。
特にSSまとめブログの管理人様に関しては大変お手間を取らせていると思います。
何と永久の果肉シリーズ合計で600KBオーバー! やり過ぎです(汗
それを少し心苦しくも思いますが、お陰でこのシリーズを無事終える事が出来ました。
重ね重ね、ありがとうございます。
何か、書く事もあんまりないですね。
これだけのボリュームのものをきちんと書ききれたのは初めてだと思うので達成感ががが。
まああんまりだらだら後書きを続けるのもなんです。
という訳でこの辺りでお暇させていただきます。
もしまた機会と時間と運があればお会いしましょう。
それでは。
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