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(蔓)
220 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:21:12 ID:opWnB2Cz
流れに逆らうようですが、これから1本投下します。
221 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:21:58 ID:opWnB2Cz
気持ち良さのあまり喉から絞り出された声。
けれど口の中いっぱいに詰め込まれた異物のせいで、それがくぐもった呻き声にしかならないのがひどくもどかしかった。
今でも気が狂いそうなほどなのに、思う存分喘ぎ声を上げられたらどんなに気持ち良いんだろう。
白濁した思考の中で、私はそんなことを考える。
ここは私の家の近くにある公園の一角、遊歩道から外れた茂みの奥。
大きな声を上げれば、誰かがそれを聞き付けてやってくるかもしれない。
今の私の状態が、とても他人に見せられるものではないことは自分でもわかっていた。
後頭部と肩だけを地面につけて、両足をYの字に高々と掲げた姿勢。
そんな無理な姿勢を支えているのは、両足に巻き付いた緑色の植物の蔓のようなものだ。
その蔓は近くにある木の上から伸びてきていて、その先に何がいるのかは生い茂る葉に阻まれて確認できない。
本数は全部で5本。
口の中に潜り込んで私から言葉を奪っているのが1本、左右の足にそれぞれ巻き付いて下半身を持ち上げているのが2本、両腕を背中の側でまとめて拘束しているのが1本。
そして最後の1本は、その得体の知れない何かに捧げるように高く掲げられた両足の中心に先端を埋めていた。
222 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:22:53 ID:opWnB2Cz
他の4本より多少太めのその蔓が前後するたびに、女性にとって1番大切な所から無尽蔵に快感が湧き出してくる。
私はその蔓が与えてくれる快楽を少しでも多く貪ろうと、不自由な体勢の中で腰を前後左右に動かしていた。
それがどれだけあさましい行為なのかをわかっていながら、それでも止めることができない。
周囲の地面には破り捨てられた服が散らばっていて、一糸纏わぬ姿になった私の身体の上には股間からおへそ、そして胸の谷間にかけて透明な流れができていた。
その大半はこの蔓が私の1番奥に放った液体が溢れ出してきたものだけど、そこには間違いなく私自身が分泌した恥ずかしい蜜も含まれている。
最初は痛くて怖くて気持ち悪いだけだった。
けれど1度その液体を注がれてからは、それまでが嘘のようにその全てが薄れていった。
それが2度3度と繰り返され、残ったのはただただ純粋な快感だけ。
自分で慰める時とは桁違いの悦楽に、私は心はあっさりと陥落してしまったのだ。
信じられないほど敏感になった膣壁が、蔓の小刻みな振動を感じ取る。
それがあの液体を出す前兆である事を、私はもう身体の芯まで教え込まれていた。
もっと高くまで昇り詰めることができる。
私の胸に込み上げた期待に応えるように、その蔓はもう何度目かわからない行為を開始した。
「んふぅー、んんんぅー、んむぅー!」
今まで以上に大量の液体を受け止めながら、私はこれもまた何度目かわからない絶頂を経験する。
新たに結合部から溢れ出した液体が、透明だった川の中に1筋の白い流れを作った。
それが何を意味しているのか、直感的にわかってしまう。
この蔓の目的のための、最後の準備。
そして私は身体の1番奥で――
223 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:23:40 ID:opWnB2Cz
「ほら……もう起きなさい」
優しく身体を揺すられて意識が浮かび上がってくる。
「んん……」
肩に触れていた手が離れたかと思うと、続いてシャッという音とともに部屋に眩しい光が差し込んできた。
強すぎる刺激に開きかけていた目をまた閉じそうになる。
それでも何とか瞼を押し上げ、ゆっくりと身体を起こした。
「……あれ?」
一瞬状況がわからなくて思わずキョロキョロしてしまう。
そこは私の部屋。
ベッドの上で身体を起こしているパジャマ姿の私と、窓の傍に立っているお母さん。
要するに、朝の風景。
「まだ寝ぼけてるの? もう準備しないと綾音ちゃんとの待ち合わせに間に合わないわよ」
お母さんの言葉の中に含まれていた綾音という名前に、私の頭は一気に覚醒した。
物心つく前からいつも一緒にいる幼馴染。
お母さんは私と綾音ちゃんの関係をそう思っている。
そして綾音ちゃんも。
だけど私は、きっと私だけは、ただの幼馴染というだけでは十分ではない気持ちを抱いていた。
「昨日、お母さんが帰ってきた時にはもう寝てたでしょ? 寝過ぎでかえって頭が働かないんじゃないの?」
少し呆れ気味なお母さんの言葉。
昨日は日曜日で、特に用事もなかった私はなんとなく駅前まで出かけて、それで――。
そこから先を思い出しかけて、私は慌てて思考を中断させた。
224 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:24:30 ID:opWnB2Cz
「じゃあ、お母さんはもう出るから。戸締りはお願いね」
それだけ言ってお母さんが部屋から出ていった後、ようやく私はベッドから下りる。
身体を動かすと股間にぬるっとした感触があって、私は思わず溜め息を吐いてしまった。
パジャマを脱いで下着を下ろすと、予想通り中心にかなりの大きさの染みができてしまっている。
「やだ……」
もう思い出せないけど、何か夢を見ていた気がする。
それはどんな夢だったんだろう。
もしそれが綾音ちゃんとそういう行為をしていたものだとしたら、忘れてしまったのは少しもったいない気がした。
現実では決して叶わないのだから、せめて夢の中でくらい。
そこまで考えて、私はいつものように深い自己嫌悪に襲われた。
そんな風に考えてしまう自分がひどく卑しい存在で、何よりその考えは綾音ちゃんの事を汚してしまっている気がしたのだ。
朝から重くなってしまった気持ちを抱えながら、私は替えの下着を持ってお風呂場へと向かう。
リビングには朝食が用意してあったけど、どうやら食べる暇はなさそうだった。
225 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:25:32 ID:opWnB2Cz
「おはよう、綾音ちゃん」
「おはよ。涼子の方が遅いなんて珍しいね」
「ごめんね、ちょっと寝坊しちゃって」
いつもの場所で綾音ちゃんと挨拶を交わす。
「いいよいいよ。いつもあたしの方が待たせてるんだから、たまには。って、よく考えたら、あたしがいつももっと早く来いって事だよね」
綾音ちゃんはニッと笑って歩き出す。
小学校の頃からずっと続く2人きりでの登校は、昔から私にとっては1日の内で最も幸せな時間の1つだった。
活動的なショートカットと、大きめでクルクルとよく動く瞳。
女の子にしては比較的高めの身長で、快活という言葉がぴたりと合う性格。
私の、大切な人。
ただの幼馴染に対するものを越えたその気持ちを自覚してからは、この道のりが辛くなるときもある。
それでもやっぱり、私にとってこの時間はかけがえのないものだった。
226 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:26:20 ID:opWnB2Cz
「そういえばさ、涼子にだけは話しておこうと思うんだけど」
綾音ちゃんがそう切り出した瞬間、私は心臓を鷲掴みにされたような錯覚を起こした。
それを悟られないように、表面上だけでも平静を装って「なに?」とだけ返す。
実のところ、これから綾音ちゃんが話してくれるだろう事に、私は心当たりがあった。
「他の子には内緒だよ?」
そう前置きして綾音ちゃんは照れ臭そうな笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「実はあたし、昨日初デートなんてものをやっちゃったりして」
「うそ!? 本当に?」
頭の中で何度も練習した通りに、私は心底驚いたふりをする。
たぶん上手くできたはずだ。
昨日偶然駅前で、綾音ちゃんと別のクラスの男子が2人でいるところを見てしまったときは自分の運の悪さを呪ったけれど
結果的に見ればむしろ幸運だったのかもしれない。
でなければもっと取り乱して、何か取り返しのつかないことを口にしてしまっていたかもしれないのだから。
「ホント、ホント。3組の田中君ってわかる?」
これもまた予定していた通り、少しだけ考えたふりをして首を横に振る。
実際、私とその田中君に面識はない。
「まあ中学も違うからそうだよね。先週告白されたんだけど、あたしもそれまで面識なかったから、一応最初は断ったんだよね。だけど、せめて1回だけでも試しにデートしてから答えが欲しいって言われてさ」
「そう、なんだ。で、どうだった? 楽しかった?」
「まぁね」と笑う綾音ちゃんに、覚悟はしていたけど私は胸が痛む。
昨日偶然目撃した時、綾音ちゃんはすごく楽しそうに笑っていた。
それを見ている内に居た堪れない気持ちになった私はそこから逃げ出して、そして――。
そして、どうしたんだろう。
その後に何かがあった気がするのに、それが思い出せないことに気付く。
逃げ出して、近所の公園まで走ったのは覚えている。
だけど、その後は。
記憶は一気に今日の朝まで飛んでいて、その間に何があったのか思い出せない。
227 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:26:54 ID:opWnB2Cz
「涼子? どうしたの?」
思考に没入していた私が我に返ると、綾音ちゃんが覗きこむようにして顔を寄せていた。
不意打ちで至近距離から見詰め合う形になって、自然と私の鼓動が早くなる。
「あ、ご、ごめん。ちょっと」
「ふふーん。あたしに先を越されたからショックだったんでしょ?」
得意げな言葉。
理由こそ綾音ちゃんの想像しているものとは違うけど、確かに昨日の出来事はこれ以上ない位ショックではあった。
加えて記憶の欠落。
私の心の中に不安が込み上げてくる。
「じゃあ、結局付き合うことにしたんだ?」
それを必死に押し殺して、私は会話を続ける。
綾音ちゃんとの会話、それが私とこの世界を繋げてくれる最後に残された頼みの綱のような、そんな突拍子もない考えが浮かんできた。
その会話の、話題自体はそれもまた私の気を重くするものではあったけれど。
「いや、それが結局ダメっていうか。やっぱりごめんなさいってことになっちゃってさ」
「え?」
予想外のその言葉に、私はこの話題の中で初めて素のリアクションをしてしまった。
「楽しかったことは楽しかったんだけどさ。それって友達と遊ぶ時と変わんないっていうか、男と女でどうこうってのがいまいちピンと来なくてさ。
それが向こうにも伝わってたらしくてね、最後に改めて断ったら結構潔く引き下がってくれちゃった」
そこまで言ってあははと乾いた笑い声を上げる綾音ちゃんに、私は思わずその場に座り込んでしまいそうなほどの安堵を覚えていた。
228 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:28:05 ID:opWnB2Cz
3時間目の水泳の授業。
今日は最初に50メートル自由型のタイムを取ることになった。
出席番号順に4人ずつ泳いでいくことになり、綾音ちゃんは名字が赤石だから1番最初の組。
そういえば昔、まだ私達が小学校5年生の頃、綾音ちゃんのイニシャルがA.Aなことを胸のサイズにかけてからかった男子がいた。
綾音ちゃんは当時からよほどその事を気にしていたのか、その男子はその後でそれはもう大変な事になって、以来私達のクラスでは綾音ちゃんの前で胸の話は禁句になった。
プールサイドに座って順番を待ちながら、そんな事を思い出していると重くなっていた気持ちが少しだけ軽くなった気がした。
結局朝はその後他愛もない会話を続けている内に学校まで到着した。
あの会話の後、1度は私の胸を満たしてくれた安堵はあっという間に萎んでしまっていた。
今回は結局無事に、と言っていいのかはわからないけどやり過ごせた。
けれど、いつかは綾音ちゃんにも好きな人ができて、私から離れていってしまう。
それを考えると1度は治まっていた胸の痛みがぶり返してくる。
不意に、その痛みに反応するように、お腹の中で何かが動いたような気がした。
そんな違和感を感じて、お腹に手を当ててみる。
別におかしなことはない、と思う。
だいたい赤ちゃんがいるわけでもないのに、お腹の中で何かが動くなんて。
朝ご飯を食べてないせいで、腸が催促しているのだろうか。
それにしてはお腹が空いたという感じもないのだけど。
そんな事を考えていると、泳ぎ終えた綾音ちゃんが私のところまで歩いてきた。
229 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:28:31 ID:opWnB2Cz
「お疲れさま。どうだった?」
あれから成長して今ではAの数が1つ減った胸に、つい視線をやってしまいそうになる。
「うーん、まあまあかな。スタートでちょっと失敗したから、あれがなければもうちょいいけたんだけど」
私から見ると失敗しているようには見えなかったけど、本人としてはあまり納得の行く出来ではなかったらしい。
それでもあの組の中では余裕でトップだったし、当然私なんかよりも遥かに良い記録のはず。
「ん? 涼子、なんか顔赤くない?」
「そ、そう?」
不意にじっと顔を覗きこまれて心臓が1つ高鳴った。
「熱でもあるんじゃないの?」
綾音ちゃんの手が私の額に伸びてくる。
プールから上がったばかりの綾音ちゃんの手は、少しひんやりとしていて気持ちよかった。
「ちょっと! すごい熱じゃない!?」
綾音ちゃんの大声に、周囲で思い思いに順番を待っていた人達の視線が集まってくる。
慌てたように飛び込み台の横にいる先生の所に走っていく綾音ちゃんの後ろ姿を見ながら、私は自分の手を額に当ててみた。
熱があるのかどうか、自分ではよくわからなかったけど、心配してくれるクラスメイトが次々に私の額に触れ、そしてことごとく驚いたように手を引っ込める様子からしてかなりすごい状態らしい。
そうこうしている内に綾音ちゃんが戻ってきた。
「先生には言ってきたから保険室行こ。ほら、立てる?」
230 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:29:02 ID:opWnB2Cz
差し出された手を取って立ち上がる。
その途端、視界がぐらりと揺れて倒れ込みそうになって初めて、私はようやく自分で思っている以上に参っていることを実感した。
「大丈夫? 歩けそうにないなら、おぶって行くけど」
倒れそうになった私を、背中に当てられた綾音ちゃんの手が支えてくれる。
いつも私を助けてくれる綾音ちゃんの手。
水着越しでもそれを意識すると、心臓の鼓動がどんどん早くなってしまう。
「ん……大丈夫。ちゃんと歩けるから」
この状態で身体を密着させたら、その鼓動に気付かれてしまう。
立った瞬間は油断していたけど、心構えをしていれば歩くことくらいはできないこともない。
私は自分にそう言い聞かせて、手を引かれながら更衣室に歩き出した。
231 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:29:31 ID:opWnB2Cz
消毒薬の匂いがする保健室。
部屋の中にいるのはベッドで横になっている私と、ベッドの傍まで持ってきた椅子に座る綾音ちゃんの2人きり。
保健の先生はいなかったので、とりあえず勝手にベッドで休ませてもらうことにしたのだ。
「授業に戻らなくていいの?」
「あー、いいのいいの。あたしはもうタイム取っちゃったから先生からも許し貰ってあるし。だいたい、涼子1人を残していけないでしょ?」
そんなの当然とばかり言う綾音ちゃん。
綾音ちゃんは「こういうときに保健の先生が留守にしててどうすんのよ」なんて怒っていたけど、私はむしろ少しだけ神様に感謝していた。
だけどその一方で、また綾音ちゃんに迷惑をかけてしまったことを申し訳なくも思う。
「……ごめんね」
自然に出てしまった謝罪の言葉。
「それは何について謝ってるの?」
返ってきた予想外の質問に、私は面食らってしまった。
「え? だって、その……私、綾音ちゃんに迷惑ばっかりかけてるから」
「ぶぶー」
綾音ちゃんは唇を尖らせて不正解の効果音を鳴らす。
「そんな事をあたしは謝って欲しくないの。今回の事で涼子が反省すべきなのは、具合が悪いなら悪いで何でもっと早く言わなかったのかって事だけ。
まあ朝から少し様子がおかしかったし、気付かなかったあたしも悪いんだけどね」
「綾音ちゃんは悪くなんて……」
「涼子、昔から何か問題があっても隠し通そうとするもんね。以前なんてトイレに行きたくなったのを言い出せなくて……」
「そんな幼稚園の頃の話……」
恥ずかしくなって顔が半分隠れるくらいまでシーツを引き上げる。
「とにかく、何かあったらあたしにくらい助けてって言ってよね。別に迷惑なんて思わないし、かえってこうなっちゃった方があたしも辛いから」
その言葉に胸が熱くなって、不意に視界が滲む。
それを隠したくて、私はシーツの中に頭の先まで引っ込めた。
「う、うん。でも今日のは本当に自分でも気付かなくて、それで……」
その状態からシーツ越しにそう言うと、「それはそれで涼子らしいけどね」なんて綾音ちゃんが小さく溜め息を吐くのが聞こえた。
232 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:30:08 ID:opWnB2Cz
「それにしても、これじゃホントに給料泥棒じゃない。どこ行ってるんだろ」
この瞬間保健の先生が戻ってきたらと思うと背筋が寒くなるような綾音ちゃんの言葉が聞こえた直後だった。
「ごめんなさい、給料泥棒で」
綾音ちゃんのものではない女性の声と、「げっ」という年頃の女の子としてはちょっとどうなんだろうと思う綾音ちゃんの呻き声。
私が恐る恐るシーツから顔を覗かせると、柔和な微笑みを浮かべながら養護教諭の上山先生が保健室の入り口に立っていた。
上山先生は今年この学校に来たばかりのすごく若い女性の先生だった。
加えて、同性でも思わず目を奪われてしまうほどの整った顔立ちと、比較的ゆったりとした服を着ていてもわかるスタイルの良さで男子はもちろん女子にも大人気だったりする。
そのせいで、中には仮病を使ってまで保健室に来る人までいるらしい。
というか、厳密に言えば“いた”らしい。
「あ、先生、ちょうどいい所に。山下さん、すごい熱があるんです」
白々しい綾音ちゃんの言葉。
かなり動揺しているのか某読みのその台詞にツッコミを入れる事もなく、先生は「そう、じゃあ体温計だすわね」とにこやかに返して棚へと歩いていく。
普段は優しいけど怒らせるとめちゃくちゃ怖い。
その仮病を使って保健室に来た人発信らしい噂の真相を、私達は今まさに目の当たりにしようとしているのかもしれない。
熱による悪寒とは別の理由で、私は背筋が寒くなるのを感じていた。
233 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:52:46 ID:opWnB2Cz
あの後先生は熱を計ったり私に色々質問した後、綾音ちゃんを連れて外へと出ていった。
時間にしたら10分足らずの1人きりの保健室。
そして綾音ちゃんはどこか足元も覚束ない様子で、まるで私より彼女の方が病人になってしまったかのような状態で戻ってきた。
何があったか聞きたくて、でも怖くて聞けないまま時間が過ぎる。
結局、綾音ちゃんは次の授業のために帰ってしまい、残された私は保健室のベッドの上で眠れないままぼんやりと天井を見つめていた。
ベッドの周囲を囲むカーテンの向こうからは、先生が何かを書いているのかペンが走る音だけがかすかに聞こえてくる。
それに耳を傾けている内に、ようやく瞼が重くなってきたのを自覚した時だった。
「んぅ!?」
突然お腹の中で何かが動いて驚きの声を上げてしまう。
プールの時とは違い、1度動き始めたそれは繰り返しもぞりもぞりと蠢いて、私を内側から刺激する。
「んん……ふぅ……ぁ……」
私は慌てて枕に顔を押し付けた。
そうしていないと抑えられない声が、ベッドを囲むカーテンの向こう側にいる先生に聞こえてしまうからだ。
ただ、その声は不快感からくるものではなかった。
身体の中に何かがいて、それが動きまわっているというのに、私が感じているのは紛れもなく快感だった。
その甘い感覚に誘われるように、思い出せなくなっていた昨日の記憶が蘇ってくる。
公園の茂みの奥で得体の知れない何かに襲われた記憶。
その行為の最後に、身体の1番奥に何かを植え付けられた事を。
どうして忘れていたんだろう。
ちゃんと覚えていればこんな事になる前に何かができていたかもしれないのに。
「んふぅぁああ!?」
不届きな事を考えていた私を嗜めるように、お腹の中の存在が一際大きく跳ねた。
その刺激に私の腰も跳ね上がり、シーツの中で尺取虫のような姿勢になってしまう。
ああ、なんとなくわかってしまった。
私は忘れていたんじゃない。
植え付けられた種が芽吹く前に手を打たれないように忘れさせられていたんだ。
もう涙と涎でぐしょぐしょになってしまった枕に顔を埋めながら、私はそれを悟る。
そして、1度発芽してしまえばもう手後れだということも。
234 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:54:34 ID:opWnB2Cz
「山下さん、どうしたの?」
カーテンに先生の影が写る。
「せ、先生……何でも、んんぅぅっ!」
誤魔化そうとした言葉は途中でむりやり遮られ、かえって逆効果になってしまう。
カーテン越しでも先生が驚いた気配が伝わってきた。
「っ!? ……入るわよ」
カーテンが引かれるのと、私の中の何かが新たな獲物を迎えるために外ヘと飛び出していくのはほぼ同時だった。
昨日散々覚え込まされた膣壁を擦り上げられる感覚に、一瞬目の前が真っ白になる。
そのまま薄れそうになった私の意識を引き止めたのは先生の悲鳴だった。
「な、なにっ……ふぐぅぅ!?」
シーツから出た数本の蔓が先生に飛びかかり、あっという間にその身体を宙吊りにしていた。
昨日の私のように口にも蔓を捩じ込まれた先生の顔は混乱と恐怖からか真っ青になっている。
無惨なその姿を見ながら、
「先生の口の中、気持ち良い……」
私はそんな事を呟いていた。
235 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:58:25 ID:opWnB2Cz
子宮に深く根を張られたことで、私はそれがまるで自分の身体の1部になったかのように、この蔓が感じたものを同じように感じられるようになっていた。
先端が熱くぬめる口内粘膜に包まれた蔓からの感覚は私の理性を一気に削り取っていく。
そして沸き上がる欲求。
「先生の中、入りたい」
言葉にしてしまうと、もうわずかな時間も待っていられなかった。
蔓の内の1本がスカートの裾から潜り込む。
その蔓が、ううん“私”が何をしようとしているのかを悟った先生が涙を流しながら首を振った。
(ああ……こんなこと、しちゃいけないのに……)
わずかに罪悪感が込み上げてくる。
けれど、それは大きすぎる欲求の前ではあまりにも無力だった。
「ふあああ」
初めて味わう他人の膣の感触に思わず甘い息が漏れてしまう。
先生のそこは根元で感じる私自身のものに比べていくらか大きめの作りだった。
ふわりと包み込むような感触で、グネグネと蠢く襞が纏わりついてくる。
ギュウギュウと締め付ける自分の膣とは違うその感触に、私は一気に上り詰めていく。
「いひぃぃぃぃっ!」
蔓の中を液体が走り抜けていく鮮烈な刺激。
初めてのその感覚に、悲鳴とも喘ぎともつかない叫びを上げてしまう。
保健の授業で習った男性の射精というのが、こんな感じなのかもしれない。
ただ、授業で習った男性器とこの蔓では、その長さがあまりにも違っていた。
根元から先端まで1メートルはあるその中を、しかも大量の液体が通過していく間、ずっとその神経が焼ききれてしまいそうな快感が続く。
それがようやく終わる頃には、私はもう身体を起こしている気力すらなくベッドに深く身を沈めていた。
236 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/02(土) 00:05:49 ID:+I//4Alv
私がそんな状態になっても、蔓の方はまだまだ元気だった。
私の出したものでネットリと絡みつくような感触へと変化して気持ち良さが倍増した先生の膣内で休むことなく動き続け、苗床を耕すための液体を繰り返し注ぎ込む。
その度に私は未知の激感に脳を貫かれて、打ち上げられた魚のようにビクンビクンと身体を痙攣させた。
一方で先生の方もその液体が効果を発揮し始めたのか、唇と蔓の隙間から漏れ出る吐息が甘ったるいものになっていた。
蒼白だった頬は赤みを帯び、宙をさまよう蕩けたような視線が普段の穏やかで清楚な印象の先生とは対照的でひどくいやらしい感じがする。
(私も、こんな感じだったのかな……)
そんな先生の様子に、私は少しだけ安心する。
これを我慢できる人なんていないんだ。
だから、これさえあれば、きっと――。
蔓の中を、私も昨日最後に注がれた白い液体にのって種が移動していくのがわかった。
それを先生の子宮の中に産み落とした瞬間、自分の1部が他人の中で根付いたことによる充足感が心を満たしていく。
赤ちゃんを産んだら、こんな気持ちになるんだろうか。
綾音ちゃんのことを好きになって、だから出産なんて一生経験する事はないだろうと思っていたけれど。
先生は最後に1度大きく身体を痙攣させて気を失ってしまう。
その先生の姿に綾音ちゃんを重ねながら、私もまたゆっくりと瞼を下ろしていった。
237 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/02(土) 00:08:28 ID:+I//4Alv
一応続く予定ではありますが、とりあえず今回はここまでです。
245 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:48:39 ID:z2jrdhal
「失礼しまーす。あれ、先生?」
放課後になって、綾音ちゃんが保健室に入ってくる。
ベッドの方に近づいてくる足音。
もうすぐ綾音ちゃんと1つになれると思うと、心臓が破裂してしまいそうなほどドキドキする。
だけどそれはむしろ心地いいものだった。
決して叶わないと思っていた昨日までとは決定的に違う。
「涼子、起きてる?」
私が寝ている場合を配慮してだろう、少し抑え目な声。
カーテンに写る綾音ちゃんの影。
飛び掛ってしまいたくなる衝動を抑えるのも一苦労だった。
「うん、起きてるよ」
少しだけ上擦ってしまった声で返事をすると、カーテンが開かれて綾音ちゃんが姿を現した。
前に会ってからまだ何時間かしか経っていないのに、随分久しぶりに会うような気分。
ずっと気持ちを押さえ込んできた長い時間が、そう思わせているのかもしれない。
そんな風に思った。
246 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:49:16 ID:z2jrdhal
「どう、調子は?」
「もう平気だよ。かえって調子が良いくらい」
そう言って笑うと、綾音ちゃんもほっとしたように微笑んでくれる。
「良かった。じゃあ帰ろっか」
手に持った2つの鞄を示しながら綾音ちゃんは言う。
「あ、でも勝手に帰っちゃっていいのかな。先生はどうしたの?」
「さっき出ていったみたい」
本当は6時間目の途中、体調を崩して保健室に来た1年生と一緒に隣のベッドにいる。
2人分の喘ぎ声が聞こえなくなってしばらく経っているから、きっと今は疲れて眠っているんだろう。
そう、私が先生に植えた種はちゃんと発芽した。
だけど、その結果は私が考えていたものとは少し違っていて、計画の変更を余儀なくされていた。
それは少し残念だったけど、それでもまずやらなければいけないことに変わりはない。
「ねえ、綾音ちゃん、私は綾音ちゃんのこと好きだよ」
ずっと言えなかったその言葉が、今ではすんなりと口から出た。
唐突な私の告白に綾音ちゃんは一瞬キョトンとして、
「どしたの、急に。あたしだって涼子のことは好きだよ」
そう、言ってくれる。
同じ言葉なのに、そこに込められた想いは決定的に違う。
それがずっと辛かった。
247 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:49:49 ID:z2jrdhal
「ねえ、ちょっと耳貸してくれる」
「ん、なに?」
ベッドの上で上半身を起こした状態でそう言うと、綾音ちゃんは素直に顔を寄せてくる。
手が届くあたりまで無防備に近づいてきたところで、私は綾音ちゃんの顔に手を添えた。
息がかかる程の距離で、1秒にも満たない時間見詰め合う。
そして突然の行為に綾音ちゃんが反応する隙を与えず、私は自分の唇を彼女のそれに押し付けた。
しっとりして柔らかい感触。
驚きに見開かれた綾音ちゃんの瞳に写る私の顔は、いつも鏡の中にいるそれとはまるで別人のよう。
ようやく事態を飲み込んだ綾音ちゃんが、身体を引いて唇を離そうとした。
だけど、遅い。
一足先に彼女の首の後ろに回された私の両腕が、より一層2人を強く結び付けた。
「んんんぅ!?」
綾音ちゃんの手が2人の身体の間に入ってくる。
だけどそこに込められた力は弱々しくて、到底私達の身体を引き剥がすには至らない。
だから私はさらに行為をエスカレートさせた。
舌をむりやり差し入れて綾音ちゃんの口の中を堪能する。
お互いの舌の先端が触れ合うと、怯えたように綾音ちゃんの舌は引っ込んでしまった。
248 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:50:25 ID:z2jrdhal
さすがにここまで来ると綾音ちゃんの手に込められた力も強くなった。
半ば突き飛ばすような勢いで離れた綾音ちゃんの瞳には、今まで見たことがないほどの困惑の色が浮かんでいる。
それを強引に振り払うように、綾音ちゃんはぎこちなく笑った。
「もう、悪戯にしたってやりすぎだよ」
ここで「ごめんね」とでも言って冗談だった事すれば、それで済むのかもしれない。
少なくとも綾音ちゃんはそれを望んでいた。
それぐらいはわかる。
だけど、私は冗談で終わらせるつもりも、冗談でしたつもりもなかった。
「綾音ちゃんは私のことを好きって言ってくれた。好きな人同士がキスをするのって別におかしくないでしょ?」
綾音ちゃんの瞳に浮かぶ困惑の色がますます強くなる。
「あ、あたしは、別に……」
「そういう意味で言ったんじゃないってわかってる。でも、私はそういう意味で言ったの」
気圧されたように綾音ちゃんが一歩後退る。
それを追いかけるようにベッドから下りた私を見て、綾音ちゃんは息を飲んだ。
249 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:50:45 ID:z2jrdhal
「涼子、なんてカッコ……」
「だって、これからすることに邪魔だから」
今の私は下着もスカートも身に着けていない。
既に期待で濡れそぼっているそこからは、綾音ちゃんの視線を感じてさらに新たな蜜が湧いてくる。
「どう……しちゃったのよ……涼子」
普段からは想像もできないほど弱々しい声。
「どうもしないよ。ううん、むしろ今までの方がどうかしてたの。こんなに強く想ってるのに、それをずっと隠していこうとしてたなんて」
でも、それは仕方がないことだったとも思う。
昨日までの私では、例え打ち明けたとしても綾音ちゃんを困らせる事しかできなかったから。
「でも、今は違うよ。これがあれば綾音ちゃんだってきっと喜んでくれる」
その言葉を合図にして、私の中から何本もの蔓が飛び出してきて床を打つ。
「な、なんなの、それ?」
もちろん、仮に綾音ちゃんが全力で走ったとしても追い付く自信はある。
それでも、なるべくなら乱暴にはしたくなかったから、綾音ちゃんが逃げる素振りを見せないのは好都合だった。
蔓が手足に巻きついて、ようやく我に返ったように綾音ちゃんはそれを振りほどこうとしたけれど、その程度では1度巻き付いたそれは外れない。
もう絶対に放したりしない。
私は綾音ちゃんの身体を壊れ物を扱うような慎重さで持ち上げ、ゆっくりとベッドの上まで運んだ。
250 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:51:13 ID:z2jrdhal
私もベッドに上がり、大の字になった綾音ちゃんの両足の間に入って膝立ちになる。
「ね、ねぇ……止めようよ。こんなの、おかしいよ」
綾音ちゃんは今にも泣き出しそうなほど怯えている。
私は少しでも早く綾音ちゃんを恐怖から開放するために、スカートの裾を指で摘んだ。
濃紺のスカートを捲り上げると、飾り気のないシンプルな白い下着と、それに負けないほど白い太股が露わになる。
その薄布の向こう側に、綾音ちゃんの女性の部分がある。
そこに私の敏感過ぎるほど敏感な蔓を挿入した時のことを想像すると、それだけでまた内股を粘液が滑り落ちていく感覚があった。
今すぐにでも入れたい気持ちを何とか抑えて、私は前戯にとりかかる。
そんなことをしなくても、蔓から出るあの液体さえあれば綾音ちゃんを感じさせる事はできるだろうけれど、
それでも私は少しでも最初の苦痛を取り除いてあげたかった。
ううん、本当はただ単に私が普通の恋人同士がするような事をしてみたかっただけかもしれない。
そんな事を考えながら、割り開かれた内股に指を這わせる。
表面にうっすらと汗を浮かばせて、指先に吸い付くような感触の肌。
ゆっくりと指を動かすと、開脚を強いられ突っ張った筋肉がビクンビクンと反応する。
次は下着の上から、綾音ちゃんの秘所に指を置いた。
薄布1枚を隔てて存在する割れ目に沿うように指を往復させると、さっき以上に綾音ちゃんは身体を揺する。
堪えるような息遣い。
その行為に没頭しながら、私はある事に気がついた。
251 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:51:39 ID:z2jrdhal
それを確認するために、そしてその先の行為に進むために、私は綾音ちゃんの下着の縁に指をかける。
「ねえ、少しだけ腰を上げて」
私の言葉に返事はなく、仕方なく自分で綾音ちゃんの身体の下に手を差し入れて腰を浮かせた。
太股の半ばまで下着を下ろすと、ついに綾音ちゃんの秘部が私の目に晒される。
その光景に、私ははしたなくもゴクンと喉を鳴らしてしまった。
ふっくらと盛り上がった丘の中心に、開脚のせいかわずかに生まれた隙間から肉色が見える。
ただ、普通なら私達の年齢になれば当然そこにあるはずの茂みがなかった。
「綾音ちゃん、毛が生えてないんだね。すごくきれい」
それは私の素直な感想だった。
綾音ちゃんのものに比べると、私のものは何だかひどく猥雑で汚らしいものに思えてくる。
けれど綾音ちゃんにとってはそこは悩みの種になっていたのか、「うぅ……」と唸りながら顔を真っ赤にして顔を背けてしまう。
胸の大きさもそうだけど、なまじ背が高い分、女性として未成熟な部分がコンプレックスになっているのかもしれない。
「本当にきれいなのに……」
羞恥のあまりかかすかにヒクヒク開閉するその動きに、私は誘われるように顔を近づけ口付けをした。
「ひっ……やぁ……そんなとこ」
舌を出して動かしてみると、汗なのかおしっこなのか少しだけしょっぱい味が口の中に広がっていく。
そしてそれ以上に感じるのは、頭の芯を痺れさせる甘みにも似た味覚。
私は動物にでもなったように夢中で舌を踊らせた。
252 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:52:21 ID:z2jrdhal
しばらくそうやって堪能していると、綾音ちゃんのそこは私の唾液でベトベトになってしまった。
だけど綾音ちゃんの中からは私が望むものが溢れてくる事はない。
「綾音ちゃん、気持ちよくない?」
顔を上げると、普段綾音ちゃんの快活さを最もよく表していた黒目勝ちな瞳から大粒の涙が零れ落ちていた。
冷水をかけられたように、興奮していた頭が一気に醒める。
「こんなので……気持ちよくなんてなれないよ……。お願いだから正気に戻ってよ、涼子ぉ……」
嗚咽混じりの言葉は消え入りそうなほど弱々しい。
もう何年も見ていなかった綾音ちゃんの涙。
綾音ちゃんの涙を予想していなかったわけではないのに、実際のそれを見てしまうと私はいとも簡単に動揺していた。
(どうしよう、どうしよう……)
頭の中でそれだけが繰り返し浮かんできて、けれどその答えが出てこない。
「涼子」
私が行為を中断したせいか、少しだけ力を取り戻した綾音ちゃんの声に我に返った。
「涼子は、この変なのに操られてるんだよ。ほんとの涼子がこんなことするはずない」
「本当の……私……?」
鸚鵡返しに呟いた言葉。
「元に戻る方法、あたしも一緒に考えてあげるから、だからもうこんなこと止めてよ」
本当の私、元の私。
綾音ちゃんのことが大好きで、だけどその気持ちを押し殺して友達として振舞っていた私。
そう振舞う事しかできなかった私。
253 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:52:48 ID:z2jrdhal
「やだよ……」
「涼子?」
そんな自分になんて戻りたくなかった。
それにこの気持ちは他の誰でもない私自身の気持ち。
この蔓はそれを叶えるために手を貸してくれるだけの存在。
「ごめん……ごめんね、綾音ちゃん」
私が漏らした謝罪の言葉に、涙でグシャグシャになっていた綾音ちゃんの顔がパッと明るくなる。
「涼子、わかって……っ!?」
けれど、その顔は一瞬にして強張った。
他の蔓とは違う役割を持たされた1本。
その先端に綾音ちゃんの大事な部分の熱と、そして私自身の唾液のぬめりを感じた。
どうして最初からこうしなかったんだろう。
私の力だけでは綾音ちゃんに喜んでもらえないことなんて、わかっていたはずなのに。
「りょ、涼子、待っ……ひぐぅぅぅ!」
入口こそ私の唾液で濡れていたものの、綾音ちゃんの中は準備が整っているとは言いがたかった。
十分に濡れていない粘膜は張り付いてくるようで、綾音ちゃんにかなりの痛みがあることは容易に想像できる。
それを認識していながら、それでも私は力任せに挿入を続けた。
苦悶に歪む綾音ちゃんの顔。
それでも、追い詰められているのは激痛に喘ぐ綾音ちゃんではなく、むしろ私の方だった。
254 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:53:36 ID:z2jrdhal
綾音ちゃんと繋がった、夢にまで見た瞬間を迎えながら達成感のようなものは欠片も浮かんではこない。
代わりに浮かんでくるのは、とにかく一刻も早くあの液体を綾音ちゃんの中に注ぎ込まないとというその事だけ。
そうすれば全てが上手くいく。
なのに、その焦りが邪魔をしているのか、がむしゃらに抽送を続けていても一向に放出の予感が高まってこない。
(先生の時はあんなに簡単だったのに……)
焦り、不安、恐怖、色々な感情が混ざり合って涙となって溢れ出していく。
しばらくそんな状態が続き、それでも綾音ちゃんの身体が敏感な粘膜を守るために分泌した液によってようやく快感めいたものが湧いてきた。
私はそれに縋りつくように蔓の動きを早め、むりやり自身を高めていく。
そして、綾音ちゃんの1番奥でその全てを吐き出した。
それまでの負の感情を、そのままそっくり反転させたような開放感。
それで全てが上手くいく。
そのはずだった。
255 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:53:57 ID:z2jrdhal
それまで苦痛の色しかなかった綾音ちゃんの吐息に甘いものが混ざり始める。
期待していた通りの反応に、私の心は一気に軽くなった。
心に余裕ができると、少しでも綾音ちゃんに気持ちよくなって欲しいという思いが今更ながら湧いてくる。
「もっと気持ちよくしてあげるから」
制服をブラごとたくし上げて、露わになった胸に手を添える。
「や、見ないで……ひぁ!?」
芯の方にはまだ硬さが残る膨らみ。
その硬さを揉み解すように指を動かしていると、隙間から見える桜色の突起が徐々に大きさを増してきた。
果実を連想させるそれを口に含んで舌で転がすと、それに合わせて膣がキュッキュッと収縮して私の方も気持ちいい。
ミルクをねだる赤ちゃんのように夢中で吸い付いていると、
頭の上から聞こえてくる綾音ちゃんの吐息、今では喘ぎ声といって差し支えないそれがスタッカートを効かせたものへと変化していった。
「あ、ダメ、なんか、きちゃう。あ、あ、やめ……」
初めてのそれに怯える綾音ちゃんの背中を押すように、私は口の中ですっかり勃起した乳首に軽く歯を立てる。
「いっ!? あ、あああああぁぁぁ!」
次の瞬間、そのお返しとばかりに綾音ちゃんの膣が私の蔓を今までにないほど強く絞り上げた。
256 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:54:26 ID:z2jrdhal
あれからお互いに数え切れないほどの絶頂を経験した。
昨日の私でもここまでは注がれなかったと断言できるほどの淫液を吸収した綾音ちゃんは、
今ではもう1突きごとに果てるほど敏感になっている。
それなのに。
私は一旦動きを中断した。
絶え間ない絶頂から一時的に解放された綾音ちゃんは、虚ろな視線を宙に投げ、大きく口を開けたまま荒い息を吐いている。
それなのに。
「ねぇ綾音ちゃん、気持ちいいでしょ? だからもう……」
私がそう語りかけると、綾音ちゃんの瞳の奥にかすかな光が戻る。
「ぁ……かえ、してよ……りょうこを、かえ」
うわ言のように繰り返されるその言葉を、私は自分の唇で綾音ちゃんの口を塞ぐことで中断させる。
そのまま舌を差し入れ絡め合せながら、蔓の動きを再開させた。
唇を離すと、そこから溢れてくるのは紛れもない喘ぎ声。
それなのに、綾音ちゃんは決定的な一言を決して口にはしてくれなかった。
私を心の底から受け入れてはくれない。
耐えられるはずはないのに。
257 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:54:47 ID:z2jrdhal
陰鬱な気持ちを抱えながら隣のベッドに視線を移す。
そこでは先生と1年生、そして新たに加わった女の子の3人が身体を絡め合っていた。
先生と、先生に植え付けられた種が発芽した1年生の2人がかりで責められた彼女はあっという間に堕ちた。
今では蕩け切った顔で2人が与えてくれる快感に身を委ねているのが見て取れる。
それが普通の反応のはずだった。
私も、先生も、1年生も、そして彼女も皆これを受け入れた。
なのに綾音ちゃんだけは未だにこの感覚に抗っている。
悲しかった。
想いが通じない辛さ。
この身体さえあればもう感じなくなると思っていたそれが、また私の中に渦巻いていく。
深く深く挿入した蔓から、また私はあの液体を流し込む。
それによってまた達したのか、綾音ちゃんの身体が弓のように反り返った。
結合部からは収まり切らなかった分が噴水のように溢れ出し、シーツにぼとぼとと落ちていく。
そして、綾音ちゃんはその絶頂を最後に気を失った。
258 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:08 ID:z2jrdhal
喪失感に呆然としていた私は、蔓の中を種が流れていく感覚に我に返った。
「だめっ……」
私は綾音ちゃんの中の蔓を急いで引き抜こうとした。
完全に馴染んでいたはずの私と蔓の間に生まれた乖離。
本能に逆らうその行為に頭が割れるように痛む。
それでも私は気力を総動員して、間一髪綾音ちゃんの中から引き抜くことに成功した。
久しぶりに外気に触れた蔓の先端から、発芽を促すための白濁液が噴き出していく。
そして最後に、小指の先ほどの塊が緩やかに上下する綾音ちゃんの胸に落ちた。
摘み上げると空気に触れた種はパキンという音を立てて崩れ落ちてしまう。
「ごめんね……」
芽を出す事なく消えてしまった私の子どもとでも言うべき存在への謝罪の言葉。
それでも、これを綾音ちゃんに植えつけるわけにはいかなかった。
私の種を植え付けられた先生は、目を覚ました時にはもう以前の先生ではなくなっていた。
もちろん私だって昨日までとは変わってしまっているけれど、先生の変化は私とは比べ物にならない。
自我というものがなくなり人形の用になってしまった先生。
それは、その先生から種を植え付けられた1年生も同じだった。
最低限私の指示には従うけれど、他にはただ仲間を増やすという本能にのみ支配された存在。
数を増やすためだけなら、それでもいいのかもしれない。
だけど、私は綾音ちゃんにそんな存在になってほしくはなかった。
私のように、人だった頃の記憶や自我を保ったままで生まれ変わってほしい。
私は綾音ちゃんの最低限の身なりだけ整えると、その身体を背負って保健室を後にした。
259 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:26 ID:z2jrdhal
途中擦れ違う人の奇異の視線を感じながら、あの公園へと辿り着く。
あれがまだこの場所にいることは何となくわかっていた。
案の定木の下に綾音ちゃんの身体を横たえると、木の上から数本の蔓が下りてくる。
「はぁうっ!?」
不意に私の中にいる存在が暴れだし、あまりの激しさに立っていられなくなった。
これは獲物を連れてきた事へのご褒美なんだろうか。
もしかすると、先に手を付けてしまったことへの罰なのかもしれない。
沸き上がる快感に浮かんできた涙の向こう側に、蔓に絡め取られていく綾音ちゃんの姿が見えた。
(これで、ずっといっしょにいられるよね……)
それに、同じ存在になれば今度こそ私の事を受け入れてくれる。
私はそう信じていた。
信じる事しか、できなかった。
260 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:54 ID:z2jrdhal
ここまでです。
流れに逆らうようですが、これから1本投下します。
221 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:21:58 ID:opWnB2Cz
気持ち良さのあまり喉から絞り出された声。
けれど口の中いっぱいに詰め込まれた異物のせいで、それがくぐもった呻き声にしかならないのがひどくもどかしかった。
今でも気が狂いそうなほどなのに、思う存分喘ぎ声を上げられたらどんなに気持ち良いんだろう。
白濁した思考の中で、私はそんなことを考える。
ここは私の家の近くにある公園の一角、遊歩道から外れた茂みの奥。
大きな声を上げれば、誰かがそれを聞き付けてやってくるかもしれない。
今の私の状態が、とても他人に見せられるものではないことは自分でもわかっていた。
後頭部と肩だけを地面につけて、両足をYの字に高々と掲げた姿勢。
そんな無理な姿勢を支えているのは、両足に巻き付いた緑色の植物の蔓のようなものだ。
その蔓は近くにある木の上から伸びてきていて、その先に何がいるのかは生い茂る葉に阻まれて確認できない。
本数は全部で5本。
口の中に潜り込んで私から言葉を奪っているのが1本、左右の足にそれぞれ巻き付いて下半身を持ち上げているのが2本、両腕を背中の側でまとめて拘束しているのが1本。
そして最後の1本は、その得体の知れない何かに捧げるように高く掲げられた両足の中心に先端を埋めていた。
222 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:22:53 ID:opWnB2Cz
他の4本より多少太めのその蔓が前後するたびに、女性にとって1番大切な所から無尽蔵に快感が湧き出してくる。
私はその蔓が与えてくれる快楽を少しでも多く貪ろうと、不自由な体勢の中で腰を前後左右に動かしていた。
それがどれだけあさましい行為なのかをわかっていながら、それでも止めることができない。
周囲の地面には破り捨てられた服が散らばっていて、一糸纏わぬ姿になった私の身体の上には股間からおへそ、そして胸の谷間にかけて透明な流れができていた。
その大半はこの蔓が私の1番奥に放った液体が溢れ出してきたものだけど、そこには間違いなく私自身が分泌した恥ずかしい蜜も含まれている。
最初は痛くて怖くて気持ち悪いだけだった。
けれど1度その液体を注がれてからは、それまでが嘘のようにその全てが薄れていった。
それが2度3度と繰り返され、残ったのはただただ純粋な快感だけ。
自分で慰める時とは桁違いの悦楽に、私は心はあっさりと陥落してしまったのだ。
信じられないほど敏感になった膣壁が、蔓の小刻みな振動を感じ取る。
それがあの液体を出す前兆である事を、私はもう身体の芯まで教え込まれていた。
もっと高くまで昇り詰めることができる。
私の胸に込み上げた期待に応えるように、その蔓はもう何度目かわからない行為を開始した。
「んふぅー、んんんぅー、んむぅー!」
今まで以上に大量の液体を受け止めながら、私はこれもまた何度目かわからない絶頂を経験する。
新たに結合部から溢れ出した液体が、透明だった川の中に1筋の白い流れを作った。
それが何を意味しているのか、直感的にわかってしまう。
この蔓の目的のための、最後の準備。
そして私は身体の1番奥で――
223 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:23:40 ID:opWnB2Cz
「ほら……もう起きなさい」
優しく身体を揺すられて意識が浮かび上がってくる。
「んん……」
肩に触れていた手が離れたかと思うと、続いてシャッという音とともに部屋に眩しい光が差し込んできた。
強すぎる刺激に開きかけていた目をまた閉じそうになる。
それでも何とか瞼を押し上げ、ゆっくりと身体を起こした。
「……あれ?」
一瞬状況がわからなくて思わずキョロキョロしてしまう。
そこは私の部屋。
ベッドの上で身体を起こしているパジャマ姿の私と、窓の傍に立っているお母さん。
要するに、朝の風景。
「まだ寝ぼけてるの? もう準備しないと綾音ちゃんとの待ち合わせに間に合わないわよ」
お母さんの言葉の中に含まれていた綾音という名前に、私の頭は一気に覚醒した。
物心つく前からいつも一緒にいる幼馴染。
お母さんは私と綾音ちゃんの関係をそう思っている。
そして綾音ちゃんも。
だけど私は、きっと私だけは、ただの幼馴染というだけでは十分ではない気持ちを抱いていた。
「昨日、お母さんが帰ってきた時にはもう寝てたでしょ? 寝過ぎでかえって頭が働かないんじゃないの?」
少し呆れ気味なお母さんの言葉。
昨日は日曜日で、特に用事もなかった私はなんとなく駅前まで出かけて、それで――。
そこから先を思い出しかけて、私は慌てて思考を中断させた。
224 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:24:30 ID:opWnB2Cz
「じゃあ、お母さんはもう出るから。戸締りはお願いね」
それだけ言ってお母さんが部屋から出ていった後、ようやく私はベッドから下りる。
身体を動かすと股間にぬるっとした感触があって、私は思わず溜め息を吐いてしまった。
パジャマを脱いで下着を下ろすと、予想通り中心にかなりの大きさの染みができてしまっている。
「やだ……」
もう思い出せないけど、何か夢を見ていた気がする。
それはどんな夢だったんだろう。
もしそれが綾音ちゃんとそういう行為をしていたものだとしたら、忘れてしまったのは少しもったいない気がした。
現実では決して叶わないのだから、せめて夢の中でくらい。
そこまで考えて、私はいつものように深い自己嫌悪に襲われた。
そんな風に考えてしまう自分がひどく卑しい存在で、何よりその考えは綾音ちゃんの事を汚してしまっている気がしたのだ。
朝から重くなってしまった気持ちを抱えながら、私は替えの下着を持ってお風呂場へと向かう。
リビングには朝食が用意してあったけど、どうやら食べる暇はなさそうだった。
225 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:25:32 ID:opWnB2Cz
「おはよう、綾音ちゃん」
「おはよ。涼子の方が遅いなんて珍しいね」
「ごめんね、ちょっと寝坊しちゃって」
いつもの場所で綾音ちゃんと挨拶を交わす。
「いいよいいよ。いつもあたしの方が待たせてるんだから、たまには。って、よく考えたら、あたしがいつももっと早く来いって事だよね」
綾音ちゃんはニッと笑って歩き出す。
小学校の頃からずっと続く2人きりでの登校は、昔から私にとっては1日の内で最も幸せな時間の1つだった。
活動的なショートカットと、大きめでクルクルとよく動く瞳。
女の子にしては比較的高めの身長で、快活という言葉がぴたりと合う性格。
私の、大切な人。
ただの幼馴染に対するものを越えたその気持ちを自覚してからは、この道のりが辛くなるときもある。
それでもやっぱり、私にとってこの時間はかけがえのないものだった。
226 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:26:20 ID:opWnB2Cz
「そういえばさ、涼子にだけは話しておこうと思うんだけど」
綾音ちゃんがそう切り出した瞬間、私は心臓を鷲掴みにされたような錯覚を起こした。
それを悟られないように、表面上だけでも平静を装って「なに?」とだけ返す。
実のところ、これから綾音ちゃんが話してくれるだろう事に、私は心当たりがあった。
「他の子には内緒だよ?」
そう前置きして綾音ちゃんは照れ臭そうな笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「実はあたし、昨日初デートなんてものをやっちゃったりして」
「うそ!? 本当に?」
頭の中で何度も練習した通りに、私は心底驚いたふりをする。
たぶん上手くできたはずだ。
昨日偶然駅前で、綾音ちゃんと別のクラスの男子が2人でいるところを見てしまったときは自分の運の悪さを呪ったけれど
結果的に見ればむしろ幸運だったのかもしれない。
でなければもっと取り乱して、何か取り返しのつかないことを口にしてしまっていたかもしれないのだから。
「ホント、ホント。3組の田中君ってわかる?」
これもまた予定していた通り、少しだけ考えたふりをして首を横に振る。
実際、私とその田中君に面識はない。
「まあ中学も違うからそうだよね。先週告白されたんだけど、あたしもそれまで面識なかったから、一応最初は断ったんだよね。だけど、せめて1回だけでも試しにデートしてから答えが欲しいって言われてさ」
「そう、なんだ。で、どうだった? 楽しかった?」
「まぁね」と笑う綾音ちゃんに、覚悟はしていたけど私は胸が痛む。
昨日偶然目撃した時、綾音ちゃんはすごく楽しそうに笑っていた。
それを見ている内に居た堪れない気持ちになった私はそこから逃げ出して、そして――。
そして、どうしたんだろう。
その後に何かがあった気がするのに、それが思い出せないことに気付く。
逃げ出して、近所の公園まで走ったのは覚えている。
だけど、その後は。
記憶は一気に今日の朝まで飛んでいて、その間に何があったのか思い出せない。
227 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:26:54 ID:opWnB2Cz
「涼子? どうしたの?」
思考に没入していた私が我に返ると、綾音ちゃんが覗きこむようにして顔を寄せていた。
不意打ちで至近距離から見詰め合う形になって、自然と私の鼓動が早くなる。
「あ、ご、ごめん。ちょっと」
「ふふーん。あたしに先を越されたからショックだったんでしょ?」
得意げな言葉。
理由こそ綾音ちゃんの想像しているものとは違うけど、確かに昨日の出来事はこれ以上ない位ショックではあった。
加えて記憶の欠落。
私の心の中に不安が込み上げてくる。
「じゃあ、結局付き合うことにしたんだ?」
それを必死に押し殺して、私は会話を続ける。
綾音ちゃんとの会話、それが私とこの世界を繋げてくれる最後に残された頼みの綱のような、そんな突拍子もない考えが浮かんできた。
その会話の、話題自体はそれもまた私の気を重くするものではあったけれど。
「いや、それが結局ダメっていうか。やっぱりごめんなさいってことになっちゃってさ」
「え?」
予想外のその言葉に、私はこの話題の中で初めて素のリアクションをしてしまった。
「楽しかったことは楽しかったんだけどさ。それって友達と遊ぶ時と変わんないっていうか、男と女でどうこうってのがいまいちピンと来なくてさ。
それが向こうにも伝わってたらしくてね、最後に改めて断ったら結構潔く引き下がってくれちゃった」
そこまで言ってあははと乾いた笑い声を上げる綾音ちゃんに、私は思わずその場に座り込んでしまいそうなほどの安堵を覚えていた。
228 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:28:05 ID:opWnB2Cz
3時間目の水泳の授業。
今日は最初に50メートル自由型のタイムを取ることになった。
出席番号順に4人ずつ泳いでいくことになり、綾音ちゃんは名字が赤石だから1番最初の組。
そういえば昔、まだ私達が小学校5年生の頃、綾音ちゃんのイニシャルがA.Aなことを胸のサイズにかけてからかった男子がいた。
綾音ちゃんは当時からよほどその事を気にしていたのか、その男子はその後でそれはもう大変な事になって、以来私達のクラスでは綾音ちゃんの前で胸の話は禁句になった。
プールサイドに座って順番を待ちながら、そんな事を思い出していると重くなっていた気持ちが少しだけ軽くなった気がした。
結局朝はその後他愛もない会話を続けている内に学校まで到着した。
あの会話の後、1度は私の胸を満たしてくれた安堵はあっという間に萎んでしまっていた。
今回は結局無事に、と言っていいのかはわからないけどやり過ごせた。
けれど、いつかは綾音ちゃんにも好きな人ができて、私から離れていってしまう。
それを考えると1度は治まっていた胸の痛みがぶり返してくる。
不意に、その痛みに反応するように、お腹の中で何かが動いたような気がした。
そんな違和感を感じて、お腹に手を当ててみる。
別におかしなことはない、と思う。
だいたい赤ちゃんがいるわけでもないのに、お腹の中で何かが動くなんて。
朝ご飯を食べてないせいで、腸が催促しているのだろうか。
それにしてはお腹が空いたという感じもないのだけど。
そんな事を考えていると、泳ぎ終えた綾音ちゃんが私のところまで歩いてきた。
229 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:28:31 ID:opWnB2Cz
「お疲れさま。どうだった?」
あれから成長して今ではAの数が1つ減った胸に、つい視線をやってしまいそうになる。
「うーん、まあまあかな。スタートでちょっと失敗したから、あれがなければもうちょいいけたんだけど」
私から見ると失敗しているようには見えなかったけど、本人としてはあまり納得の行く出来ではなかったらしい。
それでもあの組の中では余裕でトップだったし、当然私なんかよりも遥かに良い記録のはず。
「ん? 涼子、なんか顔赤くない?」
「そ、そう?」
不意にじっと顔を覗きこまれて心臓が1つ高鳴った。
「熱でもあるんじゃないの?」
綾音ちゃんの手が私の額に伸びてくる。
プールから上がったばかりの綾音ちゃんの手は、少しひんやりとしていて気持ちよかった。
「ちょっと! すごい熱じゃない!?」
綾音ちゃんの大声に、周囲で思い思いに順番を待っていた人達の視線が集まってくる。
慌てたように飛び込み台の横にいる先生の所に走っていく綾音ちゃんの後ろ姿を見ながら、私は自分の手を額に当ててみた。
熱があるのかどうか、自分ではよくわからなかったけど、心配してくれるクラスメイトが次々に私の額に触れ、そしてことごとく驚いたように手を引っ込める様子からしてかなりすごい状態らしい。
そうこうしている内に綾音ちゃんが戻ってきた。
「先生には言ってきたから保険室行こ。ほら、立てる?」
230 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:29:02 ID:opWnB2Cz
差し出された手を取って立ち上がる。
その途端、視界がぐらりと揺れて倒れ込みそうになって初めて、私はようやく自分で思っている以上に参っていることを実感した。
「大丈夫? 歩けそうにないなら、おぶって行くけど」
倒れそうになった私を、背中に当てられた綾音ちゃんの手が支えてくれる。
いつも私を助けてくれる綾音ちゃんの手。
水着越しでもそれを意識すると、心臓の鼓動がどんどん早くなってしまう。
「ん……大丈夫。ちゃんと歩けるから」
この状態で身体を密着させたら、その鼓動に気付かれてしまう。
立った瞬間は油断していたけど、心構えをしていれば歩くことくらいはできないこともない。
私は自分にそう言い聞かせて、手を引かれながら更衣室に歩き出した。
231 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:29:31 ID:opWnB2Cz
消毒薬の匂いがする保健室。
部屋の中にいるのはベッドで横になっている私と、ベッドの傍まで持ってきた椅子に座る綾音ちゃんの2人きり。
保健の先生はいなかったので、とりあえず勝手にベッドで休ませてもらうことにしたのだ。
「授業に戻らなくていいの?」
「あー、いいのいいの。あたしはもうタイム取っちゃったから先生からも許し貰ってあるし。だいたい、涼子1人を残していけないでしょ?」
そんなの当然とばかり言う綾音ちゃん。
綾音ちゃんは「こういうときに保健の先生が留守にしててどうすんのよ」なんて怒っていたけど、私はむしろ少しだけ神様に感謝していた。
だけどその一方で、また綾音ちゃんに迷惑をかけてしまったことを申し訳なくも思う。
「……ごめんね」
自然に出てしまった謝罪の言葉。
「それは何について謝ってるの?」
返ってきた予想外の質問に、私は面食らってしまった。
「え? だって、その……私、綾音ちゃんに迷惑ばっかりかけてるから」
「ぶぶー」
綾音ちゃんは唇を尖らせて不正解の効果音を鳴らす。
「そんな事をあたしは謝って欲しくないの。今回の事で涼子が反省すべきなのは、具合が悪いなら悪いで何でもっと早く言わなかったのかって事だけ。
まあ朝から少し様子がおかしかったし、気付かなかったあたしも悪いんだけどね」
「綾音ちゃんは悪くなんて……」
「涼子、昔から何か問題があっても隠し通そうとするもんね。以前なんてトイレに行きたくなったのを言い出せなくて……」
「そんな幼稚園の頃の話……」
恥ずかしくなって顔が半分隠れるくらいまでシーツを引き上げる。
「とにかく、何かあったらあたしにくらい助けてって言ってよね。別に迷惑なんて思わないし、かえってこうなっちゃった方があたしも辛いから」
その言葉に胸が熱くなって、不意に視界が滲む。
それを隠したくて、私はシーツの中に頭の先まで引っ込めた。
「う、うん。でも今日のは本当に自分でも気付かなくて、それで……」
その状態からシーツ越しにそう言うと、「それはそれで涼子らしいけどね」なんて綾音ちゃんが小さく溜め息を吐くのが聞こえた。
232 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:30:08 ID:opWnB2Cz
「それにしても、これじゃホントに給料泥棒じゃない。どこ行ってるんだろ」
この瞬間保健の先生が戻ってきたらと思うと背筋が寒くなるような綾音ちゃんの言葉が聞こえた直後だった。
「ごめんなさい、給料泥棒で」
綾音ちゃんのものではない女性の声と、「げっ」という年頃の女の子としてはちょっとどうなんだろうと思う綾音ちゃんの呻き声。
私が恐る恐るシーツから顔を覗かせると、柔和な微笑みを浮かべながら養護教諭の上山先生が保健室の入り口に立っていた。
上山先生は今年この学校に来たばかりのすごく若い女性の先生だった。
加えて、同性でも思わず目を奪われてしまうほどの整った顔立ちと、比較的ゆったりとした服を着ていてもわかるスタイルの良さで男子はもちろん女子にも大人気だったりする。
そのせいで、中には仮病を使ってまで保健室に来る人までいるらしい。
というか、厳密に言えば“いた”らしい。
「あ、先生、ちょうどいい所に。山下さん、すごい熱があるんです」
白々しい綾音ちゃんの言葉。
かなり動揺しているのか某読みのその台詞にツッコミを入れる事もなく、先生は「そう、じゃあ体温計だすわね」とにこやかに返して棚へと歩いていく。
普段は優しいけど怒らせるとめちゃくちゃ怖い。
その仮病を使って保健室に来た人発信らしい噂の真相を、私達は今まさに目の当たりにしようとしているのかもしれない。
熱による悪寒とは別の理由で、私は背筋が寒くなるのを感じていた。
233 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:52:46 ID:opWnB2Cz
あの後先生は熱を計ったり私に色々質問した後、綾音ちゃんを連れて外へと出ていった。
時間にしたら10分足らずの1人きりの保健室。
そして綾音ちゃんはどこか足元も覚束ない様子で、まるで私より彼女の方が病人になってしまったかのような状態で戻ってきた。
何があったか聞きたくて、でも怖くて聞けないまま時間が過ぎる。
結局、綾音ちゃんは次の授業のために帰ってしまい、残された私は保健室のベッドの上で眠れないままぼんやりと天井を見つめていた。
ベッドの周囲を囲むカーテンの向こうからは、先生が何かを書いているのかペンが走る音だけがかすかに聞こえてくる。
それに耳を傾けている内に、ようやく瞼が重くなってきたのを自覚した時だった。
「んぅ!?」
突然お腹の中で何かが動いて驚きの声を上げてしまう。
プールの時とは違い、1度動き始めたそれは繰り返しもぞりもぞりと蠢いて、私を内側から刺激する。
「んん……ふぅ……ぁ……」
私は慌てて枕に顔を押し付けた。
そうしていないと抑えられない声が、ベッドを囲むカーテンの向こう側にいる先生に聞こえてしまうからだ。
ただ、その声は不快感からくるものではなかった。
身体の中に何かがいて、それが動きまわっているというのに、私が感じているのは紛れもなく快感だった。
その甘い感覚に誘われるように、思い出せなくなっていた昨日の記憶が蘇ってくる。
公園の茂みの奥で得体の知れない何かに襲われた記憶。
その行為の最後に、身体の1番奥に何かを植え付けられた事を。
どうして忘れていたんだろう。
ちゃんと覚えていればこんな事になる前に何かができていたかもしれないのに。
「んふぅぁああ!?」
不届きな事を考えていた私を嗜めるように、お腹の中の存在が一際大きく跳ねた。
その刺激に私の腰も跳ね上がり、シーツの中で尺取虫のような姿勢になってしまう。
ああ、なんとなくわかってしまった。
私は忘れていたんじゃない。
植え付けられた種が芽吹く前に手を打たれないように忘れさせられていたんだ。
もう涙と涎でぐしょぐしょになってしまった枕に顔を埋めながら、私はそれを悟る。
そして、1度発芽してしまえばもう手後れだということも。
234 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:54:34 ID:opWnB2Cz
「山下さん、どうしたの?」
カーテンに先生の影が写る。
「せ、先生……何でも、んんぅぅっ!」
誤魔化そうとした言葉は途中でむりやり遮られ、かえって逆効果になってしまう。
カーテン越しでも先生が驚いた気配が伝わってきた。
「っ!? ……入るわよ」
カーテンが引かれるのと、私の中の何かが新たな獲物を迎えるために外ヘと飛び出していくのはほぼ同時だった。
昨日散々覚え込まされた膣壁を擦り上げられる感覚に、一瞬目の前が真っ白になる。
そのまま薄れそうになった私の意識を引き止めたのは先生の悲鳴だった。
「な、なにっ……ふぐぅぅ!?」
シーツから出た数本の蔓が先生に飛びかかり、あっという間にその身体を宙吊りにしていた。
昨日の私のように口にも蔓を捩じ込まれた先生の顔は混乱と恐怖からか真っ青になっている。
無惨なその姿を見ながら、
「先生の口の中、気持ち良い……」
私はそんな事を呟いていた。
235 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/01(金) 23:58:25 ID:opWnB2Cz
子宮に深く根を張られたことで、私はそれがまるで自分の身体の1部になったかのように、この蔓が感じたものを同じように感じられるようになっていた。
先端が熱くぬめる口内粘膜に包まれた蔓からの感覚は私の理性を一気に削り取っていく。
そして沸き上がる欲求。
「先生の中、入りたい」
言葉にしてしまうと、もうわずかな時間も待っていられなかった。
蔓の内の1本がスカートの裾から潜り込む。
その蔓が、ううん“私”が何をしようとしているのかを悟った先生が涙を流しながら首を振った。
(ああ……こんなこと、しちゃいけないのに……)
わずかに罪悪感が込み上げてくる。
けれど、それは大きすぎる欲求の前ではあまりにも無力だった。
「ふあああ」
初めて味わう他人の膣の感触に思わず甘い息が漏れてしまう。
先生のそこは根元で感じる私自身のものに比べていくらか大きめの作りだった。
ふわりと包み込むような感触で、グネグネと蠢く襞が纏わりついてくる。
ギュウギュウと締め付ける自分の膣とは違うその感触に、私は一気に上り詰めていく。
「いひぃぃぃぃっ!」
蔓の中を液体が走り抜けていく鮮烈な刺激。
初めてのその感覚に、悲鳴とも喘ぎともつかない叫びを上げてしまう。
保健の授業で習った男性の射精というのが、こんな感じなのかもしれない。
ただ、授業で習った男性器とこの蔓では、その長さがあまりにも違っていた。
根元から先端まで1メートルはあるその中を、しかも大量の液体が通過していく間、ずっとその神経が焼ききれてしまいそうな快感が続く。
それがようやく終わる頃には、私はもう身体を起こしている気力すらなくベッドに深く身を沈めていた。
236 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/02(土) 00:05:49 ID:+I//4Alv
私がそんな状態になっても、蔓の方はまだまだ元気だった。
私の出したものでネットリと絡みつくような感触へと変化して気持ち良さが倍増した先生の膣内で休むことなく動き続け、苗床を耕すための液体を繰り返し注ぎ込む。
その度に私は未知の激感に脳を貫かれて、打ち上げられた魚のようにビクンビクンと身体を痙攣させた。
一方で先生の方もその液体が効果を発揮し始めたのか、唇と蔓の隙間から漏れ出る吐息が甘ったるいものになっていた。
蒼白だった頬は赤みを帯び、宙をさまよう蕩けたような視線が普段の穏やかで清楚な印象の先生とは対照的でひどくいやらしい感じがする。
(私も、こんな感じだったのかな……)
そんな先生の様子に、私は少しだけ安心する。
これを我慢できる人なんていないんだ。
だから、これさえあれば、きっと――。
蔓の中を、私も昨日最後に注がれた白い液体にのって種が移動していくのがわかった。
それを先生の子宮の中に産み落とした瞬間、自分の1部が他人の中で根付いたことによる充足感が心を満たしていく。
赤ちゃんを産んだら、こんな気持ちになるんだろうか。
綾音ちゃんのことを好きになって、だから出産なんて一生経験する事はないだろうと思っていたけれど。
先生は最後に1度大きく身体を痙攣させて気を失ってしまう。
その先生の姿に綾音ちゃんを重ねながら、私もまたゆっくりと瞼を下ろしていった。
237 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/02(土) 00:08:28 ID:+I//4Alv
一応続く予定ではありますが、とりあえず今回はここまでです。
245 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:48:39 ID:z2jrdhal
「失礼しまーす。あれ、先生?」
放課後になって、綾音ちゃんが保健室に入ってくる。
ベッドの方に近づいてくる足音。
もうすぐ綾音ちゃんと1つになれると思うと、心臓が破裂してしまいそうなほどドキドキする。
だけどそれはむしろ心地いいものだった。
決して叶わないと思っていた昨日までとは決定的に違う。
「涼子、起きてる?」
私が寝ている場合を配慮してだろう、少し抑え目な声。
カーテンに写る綾音ちゃんの影。
飛び掛ってしまいたくなる衝動を抑えるのも一苦労だった。
「うん、起きてるよ」
少しだけ上擦ってしまった声で返事をすると、カーテンが開かれて綾音ちゃんが姿を現した。
前に会ってからまだ何時間かしか経っていないのに、随分久しぶりに会うような気分。
ずっと気持ちを押さえ込んできた長い時間が、そう思わせているのかもしれない。
そんな風に思った。
246 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:49:16 ID:z2jrdhal
「どう、調子は?」
「もう平気だよ。かえって調子が良いくらい」
そう言って笑うと、綾音ちゃんもほっとしたように微笑んでくれる。
「良かった。じゃあ帰ろっか」
手に持った2つの鞄を示しながら綾音ちゃんは言う。
「あ、でも勝手に帰っちゃっていいのかな。先生はどうしたの?」
「さっき出ていったみたい」
本当は6時間目の途中、体調を崩して保健室に来た1年生と一緒に隣のベッドにいる。
2人分の喘ぎ声が聞こえなくなってしばらく経っているから、きっと今は疲れて眠っているんだろう。
そう、私が先生に植えた種はちゃんと発芽した。
だけど、その結果は私が考えていたものとは少し違っていて、計画の変更を余儀なくされていた。
それは少し残念だったけど、それでもまずやらなければいけないことに変わりはない。
「ねえ、綾音ちゃん、私は綾音ちゃんのこと好きだよ」
ずっと言えなかったその言葉が、今ではすんなりと口から出た。
唐突な私の告白に綾音ちゃんは一瞬キョトンとして、
「どしたの、急に。あたしだって涼子のことは好きだよ」
そう、言ってくれる。
同じ言葉なのに、そこに込められた想いは決定的に違う。
それがずっと辛かった。
247 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:49:49 ID:z2jrdhal
「ねえ、ちょっと耳貸してくれる」
「ん、なに?」
ベッドの上で上半身を起こした状態でそう言うと、綾音ちゃんは素直に顔を寄せてくる。
手が届くあたりまで無防備に近づいてきたところで、私は綾音ちゃんの顔に手を添えた。
息がかかる程の距離で、1秒にも満たない時間見詰め合う。
そして突然の行為に綾音ちゃんが反応する隙を与えず、私は自分の唇を彼女のそれに押し付けた。
しっとりして柔らかい感触。
驚きに見開かれた綾音ちゃんの瞳に写る私の顔は、いつも鏡の中にいるそれとはまるで別人のよう。
ようやく事態を飲み込んだ綾音ちゃんが、身体を引いて唇を離そうとした。
だけど、遅い。
一足先に彼女の首の後ろに回された私の両腕が、より一層2人を強く結び付けた。
「んんんぅ!?」
綾音ちゃんの手が2人の身体の間に入ってくる。
だけどそこに込められた力は弱々しくて、到底私達の身体を引き剥がすには至らない。
だから私はさらに行為をエスカレートさせた。
舌をむりやり差し入れて綾音ちゃんの口の中を堪能する。
お互いの舌の先端が触れ合うと、怯えたように綾音ちゃんの舌は引っ込んでしまった。
248 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:50:25 ID:z2jrdhal
さすがにここまで来ると綾音ちゃんの手に込められた力も強くなった。
半ば突き飛ばすような勢いで離れた綾音ちゃんの瞳には、今まで見たことがないほどの困惑の色が浮かんでいる。
それを強引に振り払うように、綾音ちゃんはぎこちなく笑った。
「もう、悪戯にしたってやりすぎだよ」
ここで「ごめんね」とでも言って冗談だった事すれば、それで済むのかもしれない。
少なくとも綾音ちゃんはそれを望んでいた。
それぐらいはわかる。
だけど、私は冗談で終わらせるつもりも、冗談でしたつもりもなかった。
「綾音ちゃんは私のことを好きって言ってくれた。好きな人同士がキスをするのって別におかしくないでしょ?」
綾音ちゃんの瞳に浮かぶ困惑の色がますます強くなる。
「あ、あたしは、別に……」
「そういう意味で言ったんじゃないってわかってる。でも、私はそういう意味で言ったの」
気圧されたように綾音ちゃんが一歩後退る。
それを追いかけるようにベッドから下りた私を見て、綾音ちゃんは息を飲んだ。
249 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:50:45 ID:z2jrdhal
「涼子、なんてカッコ……」
「だって、これからすることに邪魔だから」
今の私は下着もスカートも身に着けていない。
既に期待で濡れそぼっているそこからは、綾音ちゃんの視線を感じてさらに新たな蜜が湧いてくる。
「どう……しちゃったのよ……涼子」
普段からは想像もできないほど弱々しい声。
「どうもしないよ。ううん、むしろ今までの方がどうかしてたの。こんなに強く想ってるのに、それをずっと隠していこうとしてたなんて」
でも、それは仕方がないことだったとも思う。
昨日までの私では、例え打ち明けたとしても綾音ちゃんを困らせる事しかできなかったから。
「でも、今は違うよ。これがあれば綾音ちゃんだってきっと喜んでくれる」
その言葉を合図にして、私の中から何本もの蔓が飛び出してきて床を打つ。
「な、なんなの、それ?」
もちろん、仮に綾音ちゃんが全力で走ったとしても追い付く自信はある。
それでも、なるべくなら乱暴にはしたくなかったから、綾音ちゃんが逃げる素振りを見せないのは好都合だった。
蔓が手足に巻きついて、ようやく我に返ったように綾音ちゃんはそれを振りほどこうとしたけれど、その程度では1度巻き付いたそれは外れない。
もう絶対に放したりしない。
私は綾音ちゃんの身体を壊れ物を扱うような慎重さで持ち上げ、ゆっくりとベッドの上まで運んだ。
250 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:51:13 ID:z2jrdhal
私もベッドに上がり、大の字になった綾音ちゃんの両足の間に入って膝立ちになる。
「ね、ねぇ……止めようよ。こんなの、おかしいよ」
綾音ちゃんは今にも泣き出しそうなほど怯えている。
私は少しでも早く綾音ちゃんを恐怖から開放するために、スカートの裾を指で摘んだ。
濃紺のスカートを捲り上げると、飾り気のないシンプルな白い下着と、それに負けないほど白い太股が露わになる。
その薄布の向こう側に、綾音ちゃんの女性の部分がある。
そこに私の敏感過ぎるほど敏感な蔓を挿入した時のことを想像すると、それだけでまた内股を粘液が滑り落ちていく感覚があった。
今すぐにでも入れたい気持ちを何とか抑えて、私は前戯にとりかかる。
そんなことをしなくても、蔓から出るあの液体さえあれば綾音ちゃんを感じさせる事はできるだろうけれど、
それでも私は少しでも最初の苦痛を取り除いてあげたかった。
ううん、本当はただ単に私が普通の恋人同士がするような事をしてみたかっただけかもしれない。
そんな事を考えながら、割り開かれた内股に指を這わせる。
表面にうっすらと汗を浮かばせて、指先に吸い付くような感触の肌。
ゆっくりと指を動かすと、開脚を強いられ突っ張った筋肉がビクンビクンと反応する。
次は下着の上から、綾音ちゃんの秘所に指を置いた。
薄布1枚を隔てて存在する割れ目に沿うように指を往復させると、さっき以上に綾音ちゃんは身体を揺する。
堪えるような息遣い。
その行為に没頭しながら、私はある事に気がついた。
251 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:51:39 ID:z2jrdhal
それを確認するために、そしてその先の行為に進むために、私は綾音ちゃんの下着の縁に指をかける。
「ねえ、少しだけ腰を上げて」
私の言葉に返事はなく、仕方なく自分で綾音ちゃんの身体の下に手を差し入れて腰を浮かせた。
太股の半ばまで下着を下ろすと、ついに綾音ちゃんの秘部が私の目に晒される。
その光景に、私ははしたなくもゴクンと喉を鳴らしてしまった。
ふっくらと盛り上がった丘の中心に、開脚のせいかわずかに生まれた隙間から肉色が見える。
ただ、普通なら私達の年齢になれば当然そこにあるはずの茂みがなかった。
「綾音ちゃん、毛が生えてないんだね。すごくきれい」
それは私の素直な感想だった。
綾音ちゃんのものに比べると、私のものは何だかひどく猥雑で汚らしいものに思えてくる。
けれど綾音ちゃんにとってはそこは悩みの種になっていたのか、「うぅ……」と唸りながら顔を真っ赤にして顔を背けてしまう。
胸の大きさもそうだけど、なまじ背が高い分、女性として未成熟な部分がコンプレックスになっているのかもしれない。
「本当にきれいなのに……」
羞恥のあまりかかすかにヒクヒク開閉するその動きに、私は誘われるように顔を近づけ口付けをした。
「ひっ……やぁ……そんなとこ」
舌を出して動かしてみると、汗なのかおしっこなのか少しだけしょっぱい味が口の中に広がっていく。
そしてそれ以上に感じるのは、頭の芯を痺れさせる甘みにも似た味覚。
私は動物にでもなったように夢中で舌を踊らせた。
252 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:52:21 ID:z2jrdhal
しばらくそうやって堪能していると、綾音ちゃんのそこは私の唾液でベトベトになってしまった。
だけど綾音ちゃんの中からは私が望むものが溢れてくる事はない。
「綾音ちゃん、気持ちよくない?」
顔を上げると、普段綾音ちゃんの快活さを最もよく表していた黒目勝ちな瞳から大粒の涙が零れ落ちていた。
冷水をかけられたように、興奮していた頭が一気に醒める。
「こんなので……気持ちよくなんてなれないよ……。お願いだから正気に戻ってよ、涼子ぉ……」
嗚咽混じりの言葉は消え入りそうなほど弱々しい。
もう何年も見ていなかった綾音ちゃんの涙。
綾音ちゃんの涙を予想していなかったわけではないのに、実際のそれを見てしまうと私はいとも簡単に動揺していた。
(どうしよう、どうしよう……)
頭の中でそれだけが繰り返し浮かんできて、けれどその答えが出てこない。
「涼子」
私が行為を中断したせいか、少しだけ力を取り戻した綾音ちゃんの声に我に返った。
「涼子は、この変なのに操られてるんだよ。ほんとの涼子がこんなことするはずない」
「本当の……私……?」
鸚鵡返しに呟いた言葉。
「元に戻る方法、あたしも一緒に考えてあげるから、だからもうこんなこと止めてよ」
本当の私、元の私。
綾音ちゃんのことが大好きで、だけどその気持ちを押し殺して友達として振舞っていた私。
そう振舞う事しかできなかった私。
253 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:52:48 ID:z2jrdhal
「やだよ……」
「涼子?」
そんな自分になんて戻りたくなかった。
それにこの気持ちは他の誰でもない私自身の気持ち。
この蔓はそれを叶えるために手を貸してくれるだけの存在。
「ごめん……ごめんね、綾音ちゃん」
私が漏らした謝罪の言葉に、涙でグシャグシャになっていた綾音ちゃんの顔がパッと明るくなる。
「涼子、わかって……っ!?」
けれど、その顔は一瞬にして強張った。
他の蔓とは違う役割を持たされた1本。
その先端に綾音ちゃんの大事な部分の熱と、そして私自身の唾液のぬめりを感じた。
どうして最初からこうしなかったんだろう。
私の力だけでは綾音ちゃんに喜んでもらえないことなんて、わかっていたはずなのに。
「りょ、涼子、待っ……ひぐぅぅぅ!」
入口こそ私の唾液で濡れていたものの、綾音ちゃんの中は準備が整っているとは言いがたかった。
十分に濡れていない粘膜は張り付いてくるようで、綾音ちゃんにかなりの痛みがあることは容易に想像できる。
それを認識していながら、それでも私は力任せに挿入を続けた。
苦悶に歪む綾音ちゃんの顔。
それでも、追い詰められているのは激痛に喘ぐ綾音ちゃんではなく、むしろ私の方だった。
254 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:53:36 ID:z2jrdhal
綾音ちゃんと繋がった、夢にまで見た瞬間を迎えながら達成感のようなものは欠片も浮かんではこない。
代わりに浮かんでくるのは、とにかく一刻も早くあの液体を綾音ちゃんの中に注ぎ込まないとというその事だけ。
そうすれば全てが上手くいく。
なのに、その焦りが邪魔をしているのか、がむしゃらに抽送を続けていても一向に放出の予感が高まってこない。
(先生の時はあんなに簡単だったのに……)
焦り、不安、恐怖、色々な感情が混ざり合って涙となって溢れ出していく。
しばらくそんな状態が続き、それでも綾音ちゃんの身体が敏感な粘膜を守るために分泌した液によってようやく快感めいたものが湧いてきた。
私はそれに縋りつくように蔓の動きを早め、むりやり自身を高めていく。
そして、綾音ちゃんの1番奥でその全てを吐き出した。
それまでの負の感情を、そのままそっくり反転させたような開放感。
それで全てが上手くいく。
そのはずだった。
255 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:53:57 ID:z2jrdhal
それまで苦痛の色しかなかった綾音ちゃんの吐息に甘いものが混ざり始める。
期待していた通りの反応に、私の心は一気に軽くなった。
心に余裕ができると、少しでも綾音ちゃんに気持ちよくなって欲しいという思いが今更ながら湧いてくる。
「もっと気持ちよくしてあげるから」
制服をブラごとたくし上げて、露わになった胸に手を添える。
「や、見ないで……ひぁ!?」
芯の方にはまだ硬さが残る膨らみ。
その硬さを揉み解すように指を動かしていると、隙間から見える桜色の突起が徐々に大きさを増してきた。
果実を連想させるそれを口に含んで舌で転がすと、それに合わせて膣がキュッキュッと収縮して私の方も気持ちいい。
ミルクをねだる赤ちゃんのように夢中で吸い付いていると、
頭の上から聞こえてくる綾音ちゃんの吐息、今では喘ぎ声といって差し支えないそれがスタッカートを効かせたものへと変化していった。
「あ、ダメ、なんか、きちゃう。あ、あ、やめ……」
初めてのそれに怯える綾音ちゃんの背中を押すように、私は口の中ですっかり勃起した乳首に軽く歯を立てる。
「いっ!? あ、あああああぁぁぁ!」
次の瞬間、そのお返しとばかりに綾音ちゃんの膣が私の蔓を今までにないほど強く絞り上げた。
256 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:54:26 ID:z2jrdhal
あれからお互いに数え切れないほどの絶頂を経験した。
昨日の私でもここまでは注がれなかったと断言できるほどの淫液を吸収した綾音ちゃんは、
今ではもう1突きごとに果てるほど敏感になっている。
それなのに。
私は一旦動きを中断した。
絶え間ない絶頂から一時的に解放された綾音ちゃんは、虚ろな視線を宙に投げ、大きく口を開けたまま荒い息を吐いている。
それなのに。
「ねぇ綾音ちゃん、気持ちいいでしょ? だからもう……」
私がそう語りかけると、綾音ちゃんの瞳の奥にかすかな光が戻る。
「ぁ……かえ、してよ……りょうこを、かえ」
うわ言のように繰り返されるその言葉を、私は自分の唇で綾音ちゃんの口を塞ぐことで中断させる。
そのまま舌を差し入れ絡め合せながら、蔓の動きを再開させた。
唇を離すと、そこから溢れてくるのは紛れもない喘ぎ声。
それなのに、綾音ちゃんは決定的な一言を決して口にはしてくれなかった。
私を心の底から受け入れてはくれない。
耐えられるはずはないのに。
257 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:54:47 ID:z2jrdhal
陰鬱な気持ちを抱えながら隣のベッドに視線を移す。
そこでは先生と1年生、そして新たに加わった女の子の3人が身体を絡め合っていた。
先生と、先生に植え付けられた種が発芽した1年生の2人がかりで責められた彼女はあっという間に堕ちた。
今では蕩け切った顔で2人が与えてくれる快感に身を委ねているのが見て取れる。
それが普通の反応のはずだった。
私も、先生も、1年生も、そして彼女も皆これを受け入れた。
なのに綾音ちゃんだけは未だにこの感覚に抗っている。
悲しかった。
想いが通じない辛さ。
この身体さえあればもう感じなくなると思っていたそれが、また私の中に渦巻いていく。
深く深く挿入した蔓から、また私はあの液体を流し込む。
それによってまた達したのか、綾音ちゃんの身体が弓のように反り返った。
結合部からは収まり切らなかった分が噴水のように溢れ出し、シーツにぼとぼとと落ちていく。
そして、綾音ちゃんはその絶頂を最後に気を失った。
258 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:08 ID:z2jrdhal
喪失感に呆然としていた私は、蔓の中を種が流れていく感覚に我に返った。
「だめっ……」
私は綾音ちゃんの中の蔓を急いで引き抜こうとした。
完全に馴染んでいたはずの私と蔓の間に生まれた乖離。
本能に逆らうその行為に頭が割れるように痛む。
それでも私は気力を総動員して、間一髪綾音ちゃんの中から引き抜くことに成功した。
久しぶりに外気に触れた蔓の先端から、発芽を促すための白濁液が噴き出していく。
そして最後に、小指の先ほどの塊が緩やかに上下する綾音ちゃんの胸に落ちた。
摘み上げると空気に触れた種はパキンという音を立てて崩れ落ちてしまう。
「ごめんね……」
芽を出す事なく消えてしまった私の子どもとでも言うべき存在への謝罪の言葉。
それでも、これを綾音ちゃんに植えつけるわけにはいかなかった。
私の種を植え付けられた先生は、目を覚ました時にはもう以前の先生ではなくなっていた。
もちろん私だって昨日までとは変わってしまっているけれど、先生の変化は私とは比べ物にならない。
自我というものがなくなり人形の用になってしまった先生。
それは、その先生から種を植え付けられた1年生も同じだった。
最低限私の指示には従うけれど、他にはただ仲間を増やすという本能にのみ支配された存在。
数を増やすためだけなら、それでもいいのかもしれない。
だけど、私は綾音ちゃんにそんな存在になってほしくはなかった。
私のように、人だった頃の記憶や自我を保ったままで生まれ変わってほしい。
私は綾音ちゃんの最低限の身なりだけ整えると、その身体を背負って保健室を後にした。
259 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:26 ID:z2jrdhal
途中擦れ違う人の奇異の視線を感じながら、あの公園へと辿り着く。
あれがまだこの場所にいることは何となくわかっていた。
案の定木の下に綾音ちゃんの身体を横たえると、木の上から数本の蔓が下りてくる。
「はぁうっ!?」
不意に私の中にいる存在が暴れだし、あまりの激しさに立っていられなくなった。
これは獲物を連れてきた事へのご褒美なんだろうか。
もしかすると、先に手を付けてしまったことへの罰なのかもしれない。
沸き上がる快感に浮かんできた涙の向こう側に、蔓に絡め取られていく綾音ちゃんの姿が見えた。
(これで、ずっといっしょにいられるよね……)
それに、同じ存在になれば今度こそ私の事を受け入れてくれる。
私はそう信じていた。
信じる事しか、できなかった。
260 名前:名無しさん@ピンキー :2005/07/03(日) 04:55:54 ID:z2jrdhal
ここまでです。
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