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吸虫セミニ・デンティ
800 名無しさん@ピンキー 2013/11/17(日) 17:23:50.72 ID:bY+F2Qhs
今夜あたりに一本投下してみようかと。
このスレ民の口に合うかはわからないけど……
これまでROM専だったが、少しでも活気づいて供給サイドが増えることを願って。
801 名無しさん@ピンキー sage 2013/11/17(日) 21:29:32.93 ID:UbEVeKw6
はよはよ
802 名無しさん@ピンキー 2013/11/17(日) 22:32:02.10 ID:bY+F2Qhs
2chに投下するのはじめてでいまひとつ勝手がわからないが、規制とか連投制限とかかからないことを祈って……
803 吸虫セミニ・デンティ(1/18) 2013/11/17(日) 22:32:56.99 ID:bY+F2Qhs
けたたましく雄叫びをあげる鳥の声。
低地では一年を通して嫌になるほどの強烈な熱暑も、標高1000メートルを越えるここまでくるとむしろ涼しいほどともいえる。
日本であれば膝下程度の植物も、人を見下ろすかのような巨大な異様を見せつけていた。
毎日のように、しかも突如として降り始める、猛烈な豪雨――スコールが、この地の高湿な気候を保ち、それによって多彩な生物相を維持しているのだろう。
珍妙にして怪奇、極彩色の動植物が跋扈するこの地は、東南アジアは某国の密林。
技術発展により、衛星写真から地球を俯瞰することができるようになった。しかしそれでも、人の知らない場所や物は、この星にもまだまだ多く存在する。
日本人をはじめとした外国人は当然のこととして、現地民ですら立ち入ったことのない――より正確な表現としては、厳密な意味での《現地民》が存在すらしない――正真正銘の未踏の地。そのひとつが、このジャングルであった。
804 吸虫セミニ・デンティ(2/18) 2013/11/17(日) 22:34:32.44 ID:bY+F2Qhs
未踏の地には当然、未だ誰も目にしたことのない生物が多数生息している。それを発見、記載するのが一行の目的である。
藤咲陽菜もそのうちの一人であり、一行の紅一点でもある。
幼い頃から泥臭い遊びが好きだった彼女は、同世代の同性が可愛らしい服を眺め、羨んでいる間も、男子と一緒になって野山を駆け巡っていた。
三つ子の魂百までとでもいうべきか、大学院を卒業してもそれは変わらず、異性からもほとんど男友達と接するようにして扱われている。
それもあってか、陽菜自身は自分の容姿に関して極めて無頓着だ。
顔立ちは至極整っており、よくよく同性からは勿体ないとも、ズルいとも言われるものの、本人にまるで興味がないのだから如何ともしようがない。
このような未踏の地でキャンプを行なうという、年頃の女性としてみれば受け入れがたいであろうことも、当然のこととして受け入れている。
人の手の届かない、鬱蒼とした自然の中にあって、陽菜は恐いというよりもわくわくとした気持ちが勝っていた。
そしてもちろん、一行の全員が同じ気持ちだろう、とも。
研究チームの数は二十人ほど、毎日キャンプの番と食事の担当を当番制で交代していく方式だ。
805 吸虫セミニ・デンティ(2/18) 2013/11/17(日) 22:35:02.42 ID:bY+F2Qhs
陽菜は今朝、起きてから、熱っぽさを感じていた。
各種ワクチンは接種済みだが、前人未到の地、どのような未知のウイルスが存在していてもおかしくない。
このような場所へ調査に来ることができるのは、下手をするともう二度と来ないかもしれない。多少の無理をしてでも、フィールドワークをしておきたい。
そう感情的には思う一方で、陽菜の理性はしっかりとした休養の必要性を理解していた。
医者に診てもらうには、このキャンプ地を離れ、近くの――といったところで半日はかかる――村へといき、そこから更に一日は車に揺られる必要がある。つまり、往復で最低でも三日間はかかるわけで、隊のメンバーに多大な迷惑をかけることになる。
今の状態は微熱程度。普段であれば気にせずに動いてしまうところだが、一番悪いのは、無理をして、メンバーに迷惑をかけることだ。
仕方がない、と溜息を吐き、陽菜は調査隊のリーダーである宮村へと声をかけた。
「ごめんなさい。ちょっと熱っぽくて……」
「そうか。妙な病気があってもおかしくないし、気をつけるに越したことはない。今日は俺と山尾がテント番だが、代わってやるよ」
806 吸虫セミニ・デンティ(4/18) 2013/11/17(日) 22:36:35.03 ID:bY+F2Qhs
陽菜の言葉に宮村は逡巡もなくそう申し出ると、早々に調査の準備をはじめた。
しばらくして、起きてきた他のメンバーたちも含めて全員で朝食を終えると、宮村の口から当番の交代とそれに伴う編成の変更が伝えられた。
食事も終わり、調査チームが出発際、宮村は藤咲に、
「メシも、まぁ山尾に任せておけばいい。今日は一日、ゆっくり寝てろ。その間に、俺は大発見をしてきてやるからさ」
と、冗談めかして嘯いた。
「もう宮村さん、そんなこと言われたら、ゆっくり休んでなんていられないじゃないですかぁ。無理にでも行っちゃいますよ?」
「まっ、それもそうだな。つっても安心しろ、ちゃんと共同研究者のところに連名で名前入れてやるからな!」
「そういう問題じゃありませんってぇ」
「まぁ、つい一昨日も、お前は新種と思われる吸虫を見つけたわけだし、少しくらい休んだ方が丁度いい」
そんな軽口の応酬を終えると、宮村は大きな荷物を背負いあげ、他のメンバーたちと共に調査に出ていった。
807 吸虫セミニ・デンティ(5/18) 2013/11/17(日) 22:37:19.04 ID:bY+F2Qhs
「じゃあ、あとは任せたぞ。藤咲はちゃんと休むこと」
「はーい」
メンバーたちが出発すれば、残されるのは陽菜と山尾の二人のみだ。
「んじゃ今日の仕事は……と言いたいところだけど、体調の悪い奴に無理をさせるわけにもいかないからな」
「迷惑をかけてしまってごめんなさい」
殊勝に謝罪する陽菜に、山尾は苦笑。
「そのまま黙って頑張って、その結果倒れられたらもっと迷惑がかかる。そうならないように自己申告した奴を責める奴はここにはいないさ」
「ありがとうございます。今日一日、全力で休んで快復に努めます!」
「全力で休む、ってなぁ。ホント、藤咲はマジメだなぁ。ま、宮村さんの言う通り、ゆっくり寝てな」
「はい」
808 吸虫セミニ・デンティ(6/18) 2013/11/17(日) 22:37:54.61 ID:bY+F2Qhs
仲間たちの気遣いを受け、陽菜は自身の寝床であるテントへと戻る。
だが熱っぽいとはいえ、意識が朦朧とすることもなく、起きがけで眠気もそうそうない。とはいえ、快復させると言った手前、出来る限りのことをするのが筋というものだ。そう真面目な陽菜は思い、薄いシュラフの中に潜り込んでまぶたを閉じる。
そのまま、しばらくしていると、不意に、声が聞こえた。
――ホシイ。
と。
思わず両目を開き、あたりを見回してみるも、テントの中には陽菜以外に誰もいはしない。疲れからくる幻聴だろうか、と自分に苦笑し、再びまぶたを閉じようと思ったそのとき、陽菜は自分の中にある《熱》に気づく。
風邪や病気からくる発熱とはどこか違う、《熱》は、どちらかというとカイロを握り締めているかのような、より直接的な熱であった。
一度自覚しはじめると、《ソレ》は加速度的に強まっていく。
809 吸虫セミニ・デンティ(7/18) 2013/11/17(日) 22:39:07.25 ID:bY+F2Qhs
「え、何よ、これ……」
まるで、自分の中で炎が燃えているかのような異常な感覚に、陽菜は戸惑いを覚える。
熱い。熱い熱い熱い熱い熱いアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイ。
シュラフを剥ぎ、額に手を当てると、確かに熱い。自分の頬に朱が差しているのがわかる。
発熱の元となっているのは下腹部だ。そこから、まるで何かを訴えかけるかのように、熱を放っている。
そこまで考えて、陽菜は自分の思考に違和感を覚える。まるで、自分の腹の中に何かがいるかのように考えている自分に。
――ホシイ。
欲しい? 何が?
気付けば、自身の内から漏れ出る謎の声に、問い返している自分がいた。
わからない。陽菜には何もわからない。ただ、彼女の身体は答えを知って、動いていた。
810 吸虫セミニ・デンティ(8/18) 2013/11/17(日) 22:40:32.74 ID:bY+F2Qhs
動きやすさを追求したズボンを下ろし、女らしい飾り気のないショーツの下に手を滑り込ませる。ねっちょりとした粘液がショーツには染み込み、重みを感じさせるものとなっていた。その重みやぬめりが、今の陽菜には何故か好ましいものに感じられた。
うっすらとしか毛のはえていない花園を越え、ショーツを湿らせる淫液の根源たる秘裂へと指は進む。
「ぅんぁっ!」
小さな、しかし確かな嬌声が、陽菜の口から漏れる。
自慰行為も、一、二度程度しか経験がないし、それがそれほど気持ちの良いことであるとも思っていなかった陽菜にとって、今この瞬間に得られたモノは、生まれて初めて感じる、確たる性的快楽であった。
自身の内側より響く声に、突き動かされるように、一度快楽の味を占めたその身は、貪欲により強い快楽を求めて指を這わせる。
くちゅ、くちゅ、ぐちょ、ねちょ、と。
鳥獣や虫の声響く林内のテントで、淫らな水遊びの音が響き続ける。
812 吸虫セミニ・デンティ(9/18) 2013/11/17(日) 22:41:22.14 ID:bY+F2Qhs
誰に見られているわけでもないのに、まるで見せ付けるかのようにM字に開脚し、ピンク色の割れ目を自らの指で犯してゆく。
「ぁっ、ぁっ、ぁっ、んぁぁっ、ぁっ……!」
陽菜の、土ばかりを触っているせいか平均的な女性よりもやや太い指は、彼女のほぼ触れたことのない快楽部位を適切に刺激し、自身の脳に快楽刺激を与え続ける。
――ホシイ。
そう、欲しい。
ぐちゅ、ぶちょ、にちゃ、くちょ。
メンバーに休むと言ってオナニーをしているという事実や、耳に届く淫猥な水音が、陽菜に背徳的な快感を与える。
それは明らかな異常事態だった。
性に無頓着で、生物学的な意味ではともかく、ほぼ性的な知識の皆無である陽菜が的確に快楽を得ていることも、そもそも、突如としてこのような淫行を行い始めたことも、だ。
813 吸虫セミニ・デンティ(10/18) 2013/11/17(日) 22:42:11.20 ID:bY+F2Qhs
しかし、それを異常と認識することは、陽菜にはもはや出来ないことだった。
胎の内から響く、渇望の声に操られるように快楽を貪り、そしてその快楽に堕ちてゆく。
「も、っとぉ、ほ、し、ぃぃっ……」
違う。
何かが、違う。
そんな風に考えていると、唐突に、テントの入り口が開かれた。
「おーい、藤咲、昼メシだ、ぞ……ってうおっ!」
現れたのはもちろん、キャンプの番をしていた山尾だった。
異性のテントを前置きなく開けるというのは少々マナー違反というべきだろうが、同性のような扱いを受けることを自ら望んですらいた陽菜にも原因がある。
814 吸虫セミニ・デンティ(11/18) 2013/11/17(日) 22:42:41.41 ID:bY+F2Qhs
「すっ、すまんっ、その、昼飯だからな!」
山尾は陽菜の艶姿に頬を染めながら、謝罪だけを残してその場を去ろうとする。
しかし陽菜の胸中に去来したのは、羞恥の感情ではなかった。
より正確にいうならば、羞恥の感情は確かに存在する。だが、それはむしろ行為を止めるためのストッパーではなく、快楽を促進するスパイスのひとつであった。
「待って、山尾さぁん」
くちゅ、にゅちゅ、と。
淫裂に指を突きこみ、かき回す快楽行為を続けたまま、その瞳は山尾の股間へと釘付けになる。
陽菜は山尾のズボンの股間の部分がテントを張っていることに気づくと、意識したこともなかった同僚の《牡》を視線から離すことができない。
キュン、キュン、と、胎の奥底から、音ならぬ音が、陽菜の理性を削ってゆく。
815 吸虫セミニ・デンティ(12/18) 2013/11/17(日) 22:43:18.43 ID:bY+F2Qhs
――駄目、子宮が疼いて、ガマンなんて、出来ない。
「そう……おひる、ごはん、でした、よね……」
陽菜は、それまで見せたこともないような、《女》の、否、《牝》の表情を浮かべ、笑う。
「ちょうど、お腹すいてたんです……」
陽菜は自らの腹をさする。その所作は、我が子を愛でる母親のそれを思わせた。
「この仔、たちも……」
ぼそりと、呟く。その声は、おそらく山尾には届いてはいなかったし、陽菜自身、自分が何を言っているのか、ほとんど理解していなかった。
「ごはん、ください」
言って、腰を突き出し、ラヴィアを広げ、かき混ぜ過ぎで泡立ちはじめた淫液まみれの性器を見せつける。
――ああ、私は……
816 吸虫セミニ・デンティ(13/18) 2013/11/17(日) 22:43:58.73 ID:bY+F2Qhs
なんて破廉恥なことを口にしているだろうか、と陽菜は内心で、誰にというわけでもなく呟く。
山尾のことは決して嫌いというわけではない。むしろ好嫌でいえば好きといっていいだろう。だがそれはあくまで友人として、同僚としての好意であって、異性として見たことは一度としてない。
そもそも、彼氏を作ろうと思ったことも一度もなかったし、まして、セックスをするときが自分に来るなどとは想像したことすらもなかった。
そんな自分が、何故、彼のことを誘惑しているのか。
陽菜には、自分自身の行動がまるで理解できない。理解できないが、止めることもまた、できない。
猛暑の中走りまわされて、それでも水を一滴たりとも得られなかったときのような、渇望。
知りもしないはずの精の渇きが陽菜の思考を満たしてゆく。
「山尾、さぁん。おちんちん、くださいよぅ……わたしのおなか、みたしてくださぁい」
817 吸虫セミニ・デンティ(14/18) 2013/11/17(日) 22:44:57.95 ID:bY+F2Qhs
陽菜の瞳が奇妙な明滅を見せる。それはタコの擬態のようにも見えた。眼球中の色素胞が収縮することによって、その色彩を高速で変化させているのだ。
サブリミナル効果のある明滅のパターンは、その瞳を覗き込んでいた山尾の脳に影響し、脳内麻薬を分泌、性的な興奮状態を強めていく。
本来ならばありえないほどの異常興奮状態に陥った山尾は、理性も何もかもをかなぐり捨てて、陽菜に襲い掛かった。
陽菜は、自分がそれをできると確信していた。何故できるのかなどはこの際どうでもいい。
自分が本当に欲しいもの。即ち牡の精が得られるのであれば、理由などは些末なものでしかないからだ。
「ふじ、さきぃ」
山尾は乱暴にズボンを脱ぎ放ち、ぎぢぎぢにいきり勃ったペニスを、陽菜が突き出した処女裂に向けてねじ込む。
その牡性を突き込まれた瞬間、陽菜は自分が求めていたものを悟る。これだ、と。
遠慮なく処女膜を破ろうとする山尾を迎えるように、自身も腰を突き出す。
ぶちぃ、という繊維の千切れるような音と共に、二十数年保ち続けてきた陽菜の処女性は呆気なく失われた。
818 吸虫セミニ・デンティ(15/18) 2013/11/17(日) 22:45:30.40 ID:bY+F2Qhs
――コレダ。
そう、これだ。欲しかったのはこれなのだ、と、陽菜はがむしゃらに腰を振り、快楽を貪る。
自分の指ではまるで満足することができなかったんも当然と思えるほどの、暴力的な快楽が、陽菜の思考力を更に奪う。
パンッ、パンッ、という打擲音が連続する中、陽菜は嬌声を上げ続け、山尾は「ふじさき、ふじさきぃ」とだけうわごとのように呟き続ける。
――ダガ、
でも……
『まだ、足りない』
陽菜の内なる声と、陽菜自身の意思が、完全に一つになった。
淫裂に咥え込んだペニスに、ナニカが流れ込む。陽菜は今度こそ、求めるモノがやってくるのだと、その顔に喜悦を刻む。
次の瞬間。
834 吸虫セミニ・デンティ(15.5/18): 2013/11/19(火) 23:31:55.44 ID:kCXQObr7
山尾のペニスが爆発するかのように、黄ばんだ白濁を大量に吐き出した。
びゅるびゅるどくどくと、胎の中へと流し込まれるマグマのような汚液を、陽菜の膣は嚥下するかのように蠢き、搾り取ってゆく。
「そう、これぇ、これよぉ! おいしぃ、おいしぃぃいぃ!」
まるで性器がもう一つの舌となったかのように、膣内のヒダのひとつひとつに味蕾が出来たかのように、注ぎ込まれる青臭い精液の味を感じ取ることが出来る。
ほんの数時間前ならば嫌悪感すら抱いたであろうその芳香を、その味を、天上の甘露と思うほどの喜悦と共に呑み込んでゆく。
「もっと、もっとぉ、全部、わたしの、ナカにぃ」
吐精しながらも、二人の腰の動きは止まらない。
特に山尾の方は、狂ったように腰を打ちつけ、性交をはじめたときよりも、心なしかやつれているようにも見える。
それも当然といえば当然のことかもしれない。三時間ほどもの間、一切休むことなく交合を続け、その間に射精した回数は二桁を越える。
それでも分泌され続ける脳内麻薬の作用によって興奮を収めることもままならず、狂った獣の如く交尾を続けているのだ。精力、より明確には生命力そのものが失われていくのは仕方のないことである。
819 吸虫セミニ・デンティ(16/18) 2013/11/17(日) 22:46:20.99 ID:bY+F2Qhs
ロイコクロリディウムという吸虫の属がある。
陸生貝類、即ちカタツムリのたぐいを中間宿主とし、その脳をコントロール、鳥類に捕食させることで新たな宿主を得るという奇妙な生態を持った寄生虫だ。
陽菜が数日前に発見したのは、そのロイコクロリディウムにやや類似した性質を持つ吸虫であった。
発見直後で未解明な部分は多いものの、小型の齧歯目のメス個体の子宮に寄生し、脳をコントロールすることで宿主の性欲を刺激、強烈なフェロモンを分泌することで異性を誘惑する。
子宮内に寄生した吸虫は、異性の精子を栄養源として成長、成虫となると交尾の際、オスのペニスを通して精嚢に寄生、そのオスもまた性欲を強烈に刺激され、メスをレイプ、その子宮に寄生するという非常に奇異な生活環の持ち主であった。
自然界ではこういったレイプ行動を行う動物は少なく、異なる種の生物のレイプ行動を誘発する生物などは前例がない。
だからこそ、彼女たちはそれを調べていたのだが、今、自分に訪れている異常はそれに極めて近い。
もし、その吸虫が、ヒトにも寄生するとしたら?
820 吸虫セミニ・デンティ(17/18) 2013/11/17(日) 22:47:13.18 ID:bY+F2Qhs
それは大発見であると同時に、極めて危険な事態だ。
ネズミの場合の話ではあるものの、メスに寄生した場合は、吸虫が成長するのに必要な精子を得るために、オスとひたすら交尾を続けるだけだが、オスに寄生した場合は、そのオスは精子を吐き出すことのみに生命力を使い果たし、数時間で死に至っていたからだ。
だが、
パンッ、と。
山尾の力強い腰の突き入れに、陽菜の思考は霧散し、消えた。たとえこのあとどうなったところで自分には関係ない。
ただ必要なのは快楽であり、牡の精だけだからだ。
完全に思考を吸虫に支配された陽菜は、そのあと更に五時間、山尾が土気色の顔色になって息絶えるまで、嬉々として腰を振り続けていた。
「もっと、もっとぉ……」
同僚の一人を吸い殺しても尚、彼女の渇きが満たされる兆しは――ない。
精子を喰らい成長した蟲が淫裂から顔を出し、まるでペニスのような兇悪な鎌首をもたげていた。
821 名無しさん@ピンキー 2013/11/17(日) 22:48:33.38 ID:bY+F2Qhs
以上となります。
ナンバリングを微妙にミスってしまいました。
今夜あたりに一本投下してみようかと。
このスレ民の口に合うかはわからないけど……
これまでROM専だったが、少しでも活気づいて供給サイドが増えることを願って。
801 名無しさん@ピンキー sage 2013/11/17(日) 21:29:32.93 ID:UbEVeKw6
はよはよ
802 名無しさん@ピンキー 2013/11/17(日) 22:32:02.10 ID:bY+F2Qhs
2chに投下するのはじめてでいまひとつ勝手がわからないが、規制とか連投制限とかかからないことを祈って……
803 吸虫セミニ・デンティ(1/18) 2013/11/17(日) 22:32:56.99 ID:bY+F2Qhs
けたたましく雄叫びをあげる鳥の声。
低地では一年を通して嫌になるほどの強烈な熱暑も、標高1000メートルを越えるここまでくるとむしろ涼しいほどともいえる。
日本であれば膝下程度の植物も、人を見下ろすかのような巨大な異様を見せつけていた。
毎日のように、しかも突如として降り始める、猛烈な豪雨――スコールが、この地の高湿な気候を保ち、それによって多彩な生物相を維持しているのだろう。
珍妙にして怪奇、極彩色の動植物が跋扈するこの地は、東南アジアは某国の密林。
技術発展により、衛星写真から地球を俯瞰することができるようになった。しかしそれでも、人の知らない場所や物は、この星にもまだまだ多く存在する。
日本人をはじめとした外国人は当然のこととして、現地民ですら立ち入ったことのない――より正確な表現としては、厳密な意味での《現地民》が存在すらしない――正真正銘の未踏の地。そのひとつが、このジャングルであった。
804 吸虫セミニ・デンティ(2/18) 2013/11/17(日) 22:34:32.44 ID:bY+F2Qhs
未踏の地には当然、未だ誰も目にしたことのない生物が多数生息している。それを発見、記載するのが一行の目的である。
藤咲陽菜もそのうちの一人であり、一行の紅一点でもある。
幼い頃から泥臭い遊びが好きだった彼女は、同世代の同性が可愛らしい服を眺め、羨んでいる間も、男子と一緒になって野山を駆け巡っていた。
三つ子の魂百までとでもいうべきか、大学院を卒業してもそれは変わらず、異性からもほとんど男友達と接するようにして扱われている。
それもあってか、陽菜自身は自分の容姿に関して極めて無頓着だ。
顔立ちは至極整っており、よくよく同性からは勿体ないとも、ズルいとも言われるものの、本人にまるで興味がないのだから如何ともしようがない。
このような未踏の地でキャンプを行なうという、年頃の女性としてみれば受け入れがたいであろうことも、当然のこととして受け入れている。
人の手の届かない、鬱蒼とした自然の中にあって、陽菜は恐いというよりもわくわくとした気持ちが勝っていた。
そしてもちろん、一行の全員が同じ気持ちだろう、とも。
研究チームの数は二十人ほど、毎日キャンプの番と食事の担当を当番制で交代していく方式だ。
805 吸虫セミニ・デンティ(2/18) 2013/11/17(日) 22:35:02.42 ID:bY+F2Qhs
陽菜は今朝、起きてから、熱っぽさを感じていた。
各種ワクチンは接種済みだが、前人未到の地、どのような未知のウイルスが存在していてもおかしくない。
このような場所へ調査に来ることができるのは、下手をするともう二度と来ないかもしれない。多少の無理をしてでも、フィールドワークをしておきたい。
そう感情的には思う一方で、陽菜の理性はしっかりとした休養の必要性を理解していた。
医者に診てもらうには、このキャンプ地を離れ、近くの――といったところで半日はかかる――村へといき、そこから更に一日は車に揺られる必要がある。つまり、往復で最低でも三日間はかかるわけで、隊のメンバーに多大な迷惑をかけることになる。
今の状態は微熱程度。普段であれば気にせずに動いてしまうところだが、一番悪いのは、無理をして、メンバーに迷惑をかけることだ。
仕方がない、と溜息を吐き、陽菜は調査隊のリーダーである宮村へと声をかけた。
「ごめんなさい。ちょっと熱っぽくて……」
「そうか。妙な病気があってもおかしくないし、気をつけるに越したことはない。今日は俺と山尾がテント番だが、代わってやるよ」
806 吸虫セミニ・デンティ(4/18) 2013/11/17(日) 22:36:35.03 ID:bY+F2Qhs
陽菜の言葉に宮村は逡巡もなくそう申し出ると、早々に調査の準備をはじめた。
しばらくして、起きてきた他のメンバーたちも含めて全員で朝食を終えると、宮村の口から当番の交代とそれに伴う編成の変更が伝えられた。
食事も終わり、調査チームが出発際、宮村は藤咲に、
「メシも、まぁ山尾に任せておけばいい。今日は一日、ゆっくり寝てろ。その間に、俺は大発見をしてきてやるからさ」
と、冗談めかして嘯いた。
「もう宮村さん、そんなこと言われたら、ゆっくり休んでなんていられないじゃないですかぁ。無理にでも行っちゃいますよ?」
「まっ、それもそうだな。つっても安心しろ、ちゃんと共同研究者のところに連名で名前入れてやるからな!」
「そういう問題じゃありませんってぇ」
「まぁ、つい一昨日も、お前は新種と思われる吸虫を見つけたわけだし、少しくらい休んだ方が丁度いい」
そんな軽口の応酬を終えると、宮村は大きな荷物を背負いあげ、他のメンバーたちと共に調査に出ていった。
807 吸虫セミニ・デンティ(5/18) 2013/11/17(日) 22:37:19.04 ID:bY+F2Qhs
「じゃあ、あとは任せたぞ。藤咲はちゃんと休むこと」
「はーい」
メンバーたちが出発すれば、残されるのは陽菜と山尾の二人のみだ。
「んじゃ今日の仕事は……と言いたいところだけど、体調の悪い奴に無理をさせるわけにもいかないからな」
「迷惑をかけてしまってごめんなさい」
殊勝に謝罪する陽菜に、山尾は苦笑。
「そのまま黙って頑張って、その結果倒れられたらもっと迷惑がかかる。そうならないように自己申告した奴を責める奴はここにはいないさ」
「ありがとうございます。今日一日、全力で休んで快復に努めます!」
「全力で休む、ってなぁ。ホント、藤咲はマジメだなぁ。ま、宮村さんの言う通り、ゆっくり寝てな」
「はい」
808 吸虫セミニ・デンティ(6/18) 2013/11/17(日) 22:37:54.61 ID:bY+F2Qhs
仲間たちの気遣いを受け、陽菜は自身の寝床であるテントへと戻る。
だが熱っぽいとはいえ、意識が朦朧とすることもなく、起きがけで眠気もそうそうない。とはいえ、快復させると言った手前、出来る限りのことをするのが筋というものだ。そう真面目な陽菜は思い、薄いシュラフの中に潜り込んでまぶたを閉じる。
そのまま、しばらくしていると、不意に、声が聞こえた。
――ホシイ。
と。
思わず両目を開き、あたりを見回してみるも、テントの中には陽菜以外に誰もいはしない。疲れからくる幻聴だろうか、と自分に苦笑し、再びまぶたを閉じようと思ったそのとき、陽菜は自分の中にある《熱》に気づく。
風邪や病気からくる発熱とはどこか違う、《熱》は、どちらかというとカイロを握り締めているかのような、より直接的な熱であった。
一度自覚しはじめると、《ソレ》は加速度的に強まっていく。
809 吸虫セミニ・デンティ(7/18) 2013/11/17(日) 22:39:07.25 ID:bY+F2Qhs
「え、何よ、これ……」
まるで、自分の中で炎が燃えているかのような異常な感覚に、陽菜は戸惑いを覚える。
熱い。熱い熱い熱い熱い熱いアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイ。
シュラフを剥ぎ、額に手を当てると、確かに熱い。自分の頬に朱が差しているのがわかる。
発熱の元となっているのは下腹部だ。そこから、まるで何かを訴えかけるかのように、熱を放っている。
そこまで考えて、陽菜は自分の思考に違和感を覚える。まるで、自分の腹の中に何かがいるかのように考えている自分に。
――ホシイ。
欲しい? 何が?
気付けば、自身の内から漏れ出る謎の声に、問い返している自分がいた。
わからない。陽菜には何もわからない。ただ、彼女の身体は答えを知って、動いていた。
810 吸虫セミニ・デンティ(8/18) 2013/11/17(日) 22:40:32.74 ID:bY+F2Qhs
動きやすさを追求したズボンを下ろし、女らしい飾り気のないショーツの下に手を滑り込ませる。ねっちょりとした粘液がショーツには染み込み、重みを感じさせるものとなっていた。その重みやぬめりが、今の陽菜には何故か好ましいものに感じられた。
うっすらとしか毛のはえていない花園を越え、ショーツを湿らせる淫液の根源たる秘裂へと指は進む。
「ぅんぁっ!」
小さな、しかし確かな嬌声が、陽菜の口から漏れる。
自慰行為も、一、二度程度しか経験がないし、それがそれほど気持ちの良いことであるとも思っていなかった陽菜にとって、今この瞬間に得られたモノは、生まれて初めて感じる、確たる性的快楽であった。
自身の内側より響く声に、突き動かされるように、一度快楽の味を占めたその身は、貪欲により強い快楽を求めて指を這わせる。
くちゅ、くちゅ、ぐちょ、ねちょ、と。
鳥獣や虫の声響く林内のテントで、淫らな水遊びの音が響き続ける。
812 吸虫セミニ・デンティ(9/18) 2013/11/17(日) 22:41:22.14 ID:bY+F2Qhs
誰に見られているわけでもないのに、まるで見せ付けるかのようにM字に開脚し、ピンク色の割れ目を自らの指で犯してゆく。
「ぁっ、ぁっ、ぁっ、んぁぁっ、ぁっ……!」
陽菜の、土ばかりを触っているせいか平均的な女性よりもやや太い指は、彼女のほぼ触れたことのない快楽部位を適切に刺激し、自身の脳に快楽刺激を与え続ける。
――ホシイ。
そう、欲しい。
ぐちゅ、ぶちょ、にちゃ、くちょ。
メンバーに休むと言ってオナニーをしているという事実や、耳に届く淫猥な水音が、陽菜に背徳的な快感を与える。
それは明らかな異常事態だった。
性に無頓着で、生物学的な意味ではともかく、ほぼ性的な知識の皆無である陽菜が的確に快楽を得ていることも、そもそも、突如としてこのような淫行を行い始めたことも、だ。
813 吸虫セミニ・デンティ(10/18) 2013/11/17(日) 22:42:11.20 ID:bY+F2Qhs
しかし、それを異常と認識することは、陽菜にはもはや出来ないことだった。
胎の内から響く、渇望の声に操られるように快楽を貪り、そしてその快楽に堕ちてゆく。
「も、っとぉ、ほ、し、ぃぃっ……」
違う。
何かが、違う。
そんな風に考えていると、唐突に、テントの入り口が開かれた。
「おーい、藤咲、昼メシだ、ぞ……ってうおっ!」
現れたのはもちろん、キャンプの番をしていた山尾だった。
異性のテントを前置きなく開けるというのは少々マナー違反というべきだろうが、同性のような扱いを受けることを自ら望んですらいた陽菜にも原因がある。
814 吸虫セミニ・デンティ(11/18) 2013/11/17(日) 22:42:41.41 ID:bY+F2Qhs
「すっ、すまんっ、その、昼飯だからな!」
山尾は陽菜の艶姿に頬を染めながら、謝罪だけを残してその場を去ろうとする。
しかし陽菜の胸中に去来したのは、羞恥の感情ではなかった。
より正確にいうならば、羞恥の感情は確かに存在する。だが、それはむしろ行為を止めるためのストッパーではなく、快楽を促進するスパイスのひとつであった。
「待って、山尾さぁん」
くちゅ、にゅちゅ、と。
淫裂に指を突きこみ、かき回す快楽行為を続けたまま、その瞳は山尾の股間へと釘付けになる。
陽菜は山尾のズボンの股間の部分がテントを張っていることに気づくと、意識したこともなかった同僚の《牡》を視線から離すことができない。
キュン、キュン、と、胎の奥底から、音ならぬ音が、陽菜の理性を削ってゆく。
815 吸虫セミニ・デンティ(12/18) 2013/11/17(日) 22:43:18.43 ID:bY+F2Qhs
――駄目、子宮が疼いて、ガマンなんて、出来ない。
「そう……おひる、ごはん、でした、よね……」
陽菜は、それまで見せたこともないような、《女》の、否、《牝》の表情を浮かべ、笑う。
「ちょうど、お腹すいてたんです……」
陽菜は自らの腹をさする。その所作は、我が子を愛でる母親のそれを思わせた。
「この仔、たちも……」
ぼそりと、呟く。その声は、おそらく山尾には届いてはいなかったし、陽菜自身、自分が何を言っているのか、ほとんど理解していなかった。
「ごはん、ください」
言って、腰を突き出し、ラヴィアを広げ、かき混ぜ過ぎで泡立ちはじめた淫液まみれの性器を見せつける。
――ああ、私は……
816 吸虫セミニ・デンティ(13/18) 2013/11/17(日) 22:43:58.73 ID:bY+F2Qhs
なんて破廉恥なことを口にしているだろうか、と陽菜は内心で、誰にというわけでもなく呟く。
山尾のことは決して嫌いというわけではない。むしろ好嫌でいえば好きといっていいだろう。だがそれはあくまで友人として、同僚としての好意であって、異性として見たことは一度としてない。
そもそも、彼氏を作ろうと思ったことも一度もなかったし、まして、セックスをするときが自分に来るなどとは想像したことすらもなかった。
そんな自分が、何故、彼のことを誘惑しているのか。
陽菜には、自分自身の行動がまるで理解できない。理解できないが、止めることもまた、できない。
猛暑の中走りまわされて、それでも水を一滴たりとも得られなかったときのような、渇望。
知りもしないはずの精の渇きが陽菜の思考を満たしてゆく。
「山尾、さぁん。おちんちん、くださいよぅ……わたしのおなか、みたしてくださぁい」
817 吸虫セミニ・デンティ(14/18) 2013/11/17(日) 22:44:57.95 ID:bY+F2Qhs
陽菜の瞳が奇妙な明滅を見せる。それはタコの擬態のようにも見えた。眼球中の色素胞が収縮することによって、その色彩を高速で変化させているのだ。
サブリミナル効果のある明滅のパターンは、その瞳を覗き込んでいた山尾の脳に影響し、脳内麻薬を分泌、性的な興奮状態を強めていく。
本来ならばありえないほどの異常興奮状態に陥った山尾は、理性も何もかもをかなぐり捨てて、陽菜に襲い掛かった。
陽菜は、自分がそれをできると確信していた。何故できるのかなどはこの際どうでもいい。
自分が本当に欲しいもの。即ち牡の精が得られるのであれば、理由などは些末なものでしかないからだ。
「ふじ、さきぃ」
山尾は乱暴にズボンを脱ぎ放ち、ぎぢぎぢにいきり勃ったペニスを、陽菜が突き出した処女裂に向けてねじ込む。
その牡性を突き込まれた瞬間、陽菜は自分が求めていたものを悟る。これだ、と。
遠慮なく処女膜を破ろうとする山尾を迎えるように、自身も腰を突き出す。
ぶちぃ、という繊維の千切れるような音と共に、二十数年保ち続けてきた陽菜の処女性は呆気なく失われた。
818 吸虫セミニ・デンティ(15/18) 2013/11/17(日) 22:45:30.40 ID:bY+F2Qhs
――コレダ。
そう、これだ。欲しかったのはこれなのだ、と、陽菜はがむしゃらに腰を振り、快楽を貪る。
自分の指ではまるで満足することができなかったんも当然と思えるほどの、暴力的な快楽が、陽菜の思考力を更に奪う。
パンッ、パンッ、という打擲音が連続する中、陽菜は嬌声を上げ続け、山尾は「ふじさき、ふじさきぃ」とだけうわごとのように呟き続ける。
――ダガ、
でも……
『まだ、足りない』
陽菜の内なる声と、陽菜自身の意思が、完全に一つになった。
淫裂に咥え込んだペニスに、ナニカが流れ込む。陽菜は今度こそ、求めるモノがやってくるのだと、その顔に喜悦を刻む。
次の瞬間。
834 吸虫セミニ・デンティ(15.5/18): 2013/11/19(火) 23:31:55.44 ID:kCXQObr7
山尾のペニスが爆発するかのように、黄ばんだ白濁を大量に吐き出した。
びゅるびゅるどくどくと、胎の中へと流し込まれるマグマのような汚液を、陽菜の膣は嚥下するかのように蠢き、搾り取ってゆく。
「そう、これぇ、これよぉ! おいしぃ、おいしぃぃいぃ!」
まるで性器がもう一つの舌となったかのように、膣内のヒダのひとつひとつに味蕾が出来たかのように、注ぎ込まれる青臭い精液の味を感じ取ることが出来る。
ほんの数時間前ならば嫌悪感すら抱いたであろうその芳香を、その味を、天上の甘露と思うほどの喜悦と共に呑み込んでゆく。
「もっと、もっとぉ、全部、わたしの、ナカにぃ」
吐精しながらも、二人の腰の動きは止まらない。
特に山尾の方は、狂ったように腰を打ちつけ、性交をはじめたときよりも、心なしかやつれているようにも見える。
それも当然といえば当然のことかもしれない。三時間ほどもの間、一切休むことなく交合を続け、その間に射精した回数は二桁を越える。
それでも分泌され続ける脳内麻薬の作用によって興奮を収めることもままならず、狂った獣の如く交尾を続けているのだ。精力、より明確には生命力そのものが失われていくのは仕方のないことである。
819 吸虫セミニ・デンティ(16/18) 2013/11/17(日) 22:46:20.99 ID:bY+F2Qhs
ロイコクロリディウムという吸虫の属がある。
陸生貝類、即ちカタツムリのたぐいを中間宿主とし、その脳をコントロール、鳥類に捕食させることで新たな宿主を得るという奇妙な生態を持った寄生虫だ。
陽菜が数日前に発見したのは、そのロイコクロリディウムにやや類似した性質を持つ吸虫であった。
発見直後で未解明な部分は多いものの、小型の齧歯目のメス個体の子宮に寄生し、脳をコントロールすることで宿主の性欲を刺激、強烈なフェロモンを分泌することで異性を誘惑する。
子宮内に寄生した吸虫は、異性の精子を栄養源として成長、成虫となると交尾の際、オスのペニスを通して精嚢に寄生、そのオスもまた性欲を強烈に刺激され、メスをレイプ、その子宮に寄生するという非常に奇異な生活環の持ち主であった。
自然界ではこういったレイプ行動を行う動物は少なく、異なる種の生物のレイプ行動を誘発する生物などは前例がない。
だからこそ、彼女たちはそれを調べていたのだが、今、自分に訪れている異常はそれに極めて近い。
もし、その吸虫が、ヒトにも寄生するとしたら?
820 吸虫セミニ・デンティ(17/18) 2013/11/17(日) 22:47:13.18 ID:bY+F2Qhs
それは大発見であると同時に、極めて危険な事態だ。
ネズミの場合の話ではあるものの、メスに寄生した場合は、吸虫が成長するのに必要な精子を得るために、オスとひたすら交尾を続けるだけだが、オスに寄生した場合は、そのオスは精子を吐き出すことのみに生命力を使い果たし、数時間で死に至っていたからだ。
だが、
パンッ、と。
山尾の力強い腰の突き入れに、陽菜の思考は霧散し、消えた。たとえこのあとどうなったところで自分には関係ない。
ただ必要なのは快楽であり、牡の精だけだからだ。
完全に思考を吸虫に支配された陽菜は、そのあと更に五時間、山尾が土気色の顔色になって息絶えるまで、嬉々として腰を振り続けていた。
「もっと、もっとぉ……」
同僚の一人を吸い殺しても尚、彼女の渇きが満たされる兆しは――ない。
精子を喰らい成長した蟲が淫裂から顔を出し、まるでペニスのような兇悪な鎌首をもたげていた。
821 名無しさん@ピンキー 2013/11/17(日) 22:48:33.38 ID:bY+F2Qhs
以上となります。
ナンバリングを微妙にミスってしまいました。
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